JP2004179191A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放電ガスが流通するガス供給路1内に大気圧近傍の圧力下で放電を生じさせた後、この放電ガスをガス供給路1外に放出すると共にガス供給路1から放出された放電ガスに被処理物4を暴露させるようにするプラズマ処理装置に関する。被処理物4を暴露させた後の放電ガスを回収するための回収部7と、回収部7で回収された放電ガスから不純物を除去するための再生部8と、再生部8で不純物が除去された放電ガスをガス供給路1に返送するための循環部9とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物の表面に存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、製膜、液晶用ガラス基板の表面クリーニング、銅回路パターンのクリーニングなどのプラズマ処理を行うためにプラズマを発生させるプラズマ処理装置及びこれを用いたプラズマ処理方法に関するものであり、特に、精密な接合が要求される電子部品の表面クリーニングなどに好適に応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、大気圧プラズマ発生装置から排出された排ガスヘリウムから不純物である酸素、窒素、アルゴン、水分等を除去して精製することによって、高純度ヘリウムを回収することが行われており、この回収された高純度ヘリウムは大気圧プラズマ発生装置に戻されて再利用されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−137909号公報(特許請求の範囲等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された方法を用いても排ガスヘリウムから不純物を完全に除去することは難しく、従って、回収した高純度ヘリウムを再利用することによって、大気圧プラズマ発生装置での放電が不安定となることがあり、この結果、対向配置される電極の間に被処理物を導入してプラズマ処理を行うようなプラズマ処理装置にあっては、均一なプラズマ処理が行いにくいという問題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、均一なプラズマ処理が行いやすいプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るプラズマ処理装置は、放電ガスが流通するガス供給路1内に大気圧近傍の圧力下で放電を生じさせた後、この放電ガスをガス供給路1外に放出すると共にガス供給路1から放出された放電ガスに被処理物4を暴露させるようにするプラズマ処理装置において、被処理物4を暴露させた後の放電ガスを回収するための回収部7と、回収部7で回収された放電ガスから不純物を除去するための再生部8と、再生部8で不純物が除去された放電ガスをガス供給路1に返送するための循環部9とを具備して成ることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に係るプラズマ処理装置は、請求項1に加えて、回収部7と接続される処理容器12内に、放電を生じさせた後の放電ガスをガス供給路1から放出することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項3に係るプラズマ処理装置は、請求項2に加えて、ガス供給路1内に放電を生じさせるための電極2、3を処理容器12外に設けて成ることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項4に係るプラズマ処理装置は、請求項1乃至3のいずれかに加えて、再生部8が放電ガスと不純物とを分離するための分離膜10を備えて成ることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項5に係るプラズマ処理装置は、請求項1乃至3のいずれかに加えて、再生部8が放電ガスと不純物とを分離するための吸着剤11を備えて成ることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項6に係るプラズマ処理装置は、請求項1乃至3のいずれかに加えて、再生部8が放電ガスと不純物とを分離するための分離膜10と吸着剤11とを備えて成ることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項7に係るプラズマ処理装置は、請求項1乃至6のいずれかに加えて、回収部7としてガスシール性を有するコンプレッサを用いて成ることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項8に係るプラズマ処理装置は、請求項2乃至7のいずれかに加えて、処理容器12内外の圧力を検知するための圧力センサ13、18と、圧力センサ13、18の検知結果に基づいて処理容器12内の圧力が処理容器12外の圧力よりも高くなるように回収部7の運転挙動を制御するための制御部26とを備えて成ることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項9に係るプラズマ処理装置は、請求項2乃至7のいずれかに加えて、ガス供給路1から処理容器12内に放出される放電ガスの流量を検知するための流入センサ15と、処理容器12内から回収部7へ回収される放電ガスの流量を検知するための流出センサ28と、流入センサ15と流出センサ28の検知結果に基づいて処理容器12内に放出される放電ガスの流量が処理容器12内から回収部7へ回収される放電ガスの流量よりも多くなるように回収部7の運転挙動を制御するための制御部26とを備えて成ることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項10に係るプラズマ処理装置は、請求項1乃至9のいずれかに加えて、放電ガスがヘリウムを含有して成ることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の請求項11に係るプラズマ処理装置は、請求項1乃至10のいずれかに加えて、放電ガスが反応性ガスを含有して成ることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の請求項12に係るプラズマ処理装置は、請求項1乃至11のいずれかに加えて、被処理物4の搬送手段を備えて成ることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の請求項13に係るプラズマ処理方法は、請求項1乃至12のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用いて、放電を生じさせた後の放電ガスに被処理物4を暴露させることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図1に本発明のプラズマ処理装置の一例の概略図を示す。このプラズマ処理装置はインライン方式でプラズマ処理を行うものであって、被処理物4を導入してプラズマ処理を施すための処理容器12と、処理容器12内に放電ガスを放出して供給するためのガス供給路1と、処理容器12内の放電ガスを回収するための回収部7と、回収部7で回収された放電ガスから不純物を除去して放電ガスを精製するための再生部8と、再生部8で不純物が除去されて精製された放電ガスをガス供給路1に返送するための循環部9とを具備して形成されている。
【0021】
処理容器12はアクリル樹脂やテフロン(R)等の合成樹脂やステンレス鋼などの金属で箱型に形成されるものであって、接合部分にOリング等のパッキンを設けて気密性が高く形成されている。処理容器12の対向する側壁のうち一方の側壁にはスリット状の搬入口55が貫通して設けられていると共に他方の側壁には上記の搬入口55と対向するスリット状の搬出口58が貫通して設けられている。また、処理容器12内外には被処理物4の搬送手段として複数個のローラー17が設けられている。ローラー17はテフロン(R)などの耐熱性の高い合成樹脂で丸棒に形成することができる。また、ローラー17は搬入口55と搬出口58の対向方向に略水平に並ぶように配置されている。また、ローラー17はモーター等の駆動源により回転駆動自在に形成されている。
【0022】
図2に示すように、ガス供給路1は反応容器30の内側空間で形成されている。反応容器30は上下方向に長い真っ直ぐな略円管状に形成されるものであって、高融点の絶縁材料(誘電体材料)、例えば、石英ガラス、アルミナ、イットリア、ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などで形成することができる。ガス供給路1の上端は反応容器30の上端面にガス導入口31として開口されていると共にガス供給路1の下端はガス放出口32として開口されている。また、反応容器30の内径(ガス導入口31及びガス放出口32の直径)は例えば0.1〜10mmに形成することができるが、特に、これに限定されるものではない。
【0023】
上記のように形成される反応容器30は上記の処理容器12の上面を貫通するようにして処理容器12の上側に取り付けられている。すなわち、反応容器30はその途中まで処理容器12内に差し込まれた状態で配置されており、従って、反応容器30のガス導入口31は処理容器12外に位置すると共に反応容器30のガス放出口32は処理容器12内に位置しているものである。また、反応容器30のガス放出口32は処理容器12内のローラー17よりも上側に位置するものである。
【0024】
処理容器12外(上側)において、反応容器30の外側には一対の電極2、3が設けられている。このように反応容器30に設けた電極2、3を処理容器12の外側に設けることによって、処理容器12の外側に存在する空気により、電極2、3間の異常な放電(放電空間34以外における放電)を回避しやすくなるものである。
【0025】
電極2、3は銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス鋼(SUS304など)などの導電性の金属材料を用いてドーナツ形状(リング形状)に形成されている。また、電極2、3の内部には冷却水循環路を設けることができ、この冷却水循環路に冷却水を通して循環させることによって電極2、3が冷却可能に形成されている。さらに、電極2、3の表面(外面)には腐食の防止等の目的で金メッキ等のメッキを施すことができる。
【0026】
電極2、3はその内周面を反応容器30の外周面に全周に亘って密着させるようにして反応容器30の外側に設けられている。また、電極2、3は反応容器30の長手方向すなわち上下方向に対向するように並べて配置されており、反応容器30の内部において、上側の電極2の上端と下側の電極3の下端との間に対応するガス供給路1の一部が放電空間34として形成されている。従って、両方の電極2、3の放電空間34側には誘電体である反応容器30の側壁が設けられていることになる。また、放電空間34はガス導入口31及びガス放出口32と連通しており、放電ガスはガス導入口31からガス放出口32に向かってガス供給路1を流れるものであり、電極2、3はガス供給路1における放電ガスの流れ方向と略平行な方向に並べて配設されている。尚、反応容器30は下側の電極3よりも下部が処理容器12内に配置されている。
【0027】
上記電極2、3には電圧を発生する電源33が接続されており、上側の電極2が高圧電極として、下側の電極3が低圧電極として形成されている。また、下側の電極3が接地されている場合、下側の電極3は接地電極として形成されるものである。尚、電極2、3の間隔は放電を安定に発生するために3〜20mmに設定するのが好ましい。そして、この電源33により電極2、3間に電圧を印加することによって、電極2、3を通じて放電空間34に交番あるいはパルス状の電界を印加することができるものである。交流の電界は休止時間(電圧がゼロで定常状態になっている時間)が無いかほとんど無い電界波形(例えば、正弦波)を有するものであり、パルス状の電界は休止時間のある電界波形を有するものである。
【0028】
回収部7は排出管20により処理容器12と接続されている。すなわち、排出管20の一端は処理容器12に連結され、排出管20の他端は回収部7に連結されている。また、排出管20の途中にはバルブ等で形成される流量コントローラ21が設けられている。回収部7としてはコンプレッサ(圧縮機)を用いることができる。コンプレッサとしては放電ガスの流量が100リットル/分以下であればピストン式又はレシプロ式のものを、放電ガスの流量が100リットル/分以上であれば揺動式のものをそれぞれ好適に用いることができる。
【0029】
このコンプレッサとしては図3に示すように、シリンダー22とピストン23とクランク(軸)24及びモータ等の駆動機を備え、駆動機によりピストン23をシリンダー22内で進退駆動させるような既知のものを用いることができる。このようなコンプレッサを回収部7として用いた場合は、本発明においてはコンプレッサの回転する部分(例えば、モータの回転軸やクランク24など)にOリング等のリング状のガス漏洩防止手段を設けてガスシール性(気密性)を既知のものよりも高めるようにするのが好ましい。また、シリンダ22とクランクケース110のクロスヘッド111との継ぎ目やピストン部(ピストン23とシリンダー22の境目)からも回収した放電ガスが漏れるので、本発明においてはこれらの箇所にもシーリング剤やOリング等のガス漏洩防止手段を設けるなどしてガスシール性(気密性)を既知のものよりも高めるようにするのが好ましい。
【0030】
このようにガスシール性を有するコンプレッサを回収部7として用いることによって、処理容器12から回収した放電ガスが系外(大気中)に漏洩するのを少なくすることができ、放電ガスの回収率(特に、不活性ガスの回収率)が低下しないようにすることができる。
【0031】
再生部8は流通管25により回収部7と接続されている。また、再生部8は気体が流通可能な配管で形成される循環部9によりガス供給路1と接続されている。すなわち、循環部9の一端は反応容器30のガス導入口32に接続され、循環部9の他端は再生部8に接続されている。再生部8としては膜によるガス分離方法により放電ガスからの不純物の除去を行うものと、圧力スイング吸着法(プレッシャースイングアドソープション法であって、以下、PSA法と略することがある)により放電ガスからの不純物の除去を行うものと、膜によるガス分離方法とPSA法を併用して放電ガスからの不純物の除去を行うものとがある。
【0032】
上記の循環部9にはガス供給部5が接続されている。ガス供給部5は、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどの希ガスや窒素ガスなどの不活性ガスを貯留するガスボンベ6と、ガスボンベ6と循環部9を接続するガス流通管19と、ガス流通管19の途中に設けられたバルブ等で形成される流量コントローラ14と、酸素、空気、CO2、N2Oなどの酸化性ガスやCF4などのフッ素系ガスや水素、アンモニアなどの還元性ガスなどの反応性ガスを貯留するガスボンベ27と、ガスボンベ27と循環部9を接続するガス流通管42と、ガス流通管42の途中に設けられたバルブ等で形成される流量コントローラ35とを具備して構成されている。
【0033】
このように形成されるプラズマ処理装置を用いて、大気圧近傍の圧力下(93.3〜106.7kPa(700〜800Torr))において、回路用基板や液晶用ガラス基板等のピース状(短尺)で板状の被処理物4をプラズマ処理するにあたっては、次のようにして行う。まず、循環部9からガス供給路1内に放電ガスを供給して放電ガスをガス導入口31からガス放出口32に向かって流通させる。放電ガスはガス供給部5からの新しいフレッシュな不活性ガス及び反応性ガスと再生部8で精製された放電ガスが循環部9で混合されて反応容器30に供給されるものである。放電ガスとしては上記の複数種の不活性ガスをそれぞれ単独で用いたりあるいは併用したりすることができる。また、上記の不活性ガスの少なくとも一つを主体とし、これに必要に応じて一つあるいは複数種の反応性を有する反応性ガスを添加して放電ガスとすることができ、反応性ガスを含有する放電ガスを用いることによって、例えば、被処理物4の表面に存在する有機物のクリーニングや金属酸化物の還元効果を実現することができる。反応性ガスの種類は処理の内容によって任意に選択することができる。例えば、被処理物4の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムのエッチング、LCDの表面クリーニング、ガラス板の表面クリーニングなどを行う場合は反応性ガスとして、酸素、空気、CO2、N2Oなどの酸化性ガスを用いるのが好ましい。また、反応性ガスとしてCF4などのフッ素系ガスも適宜用いることができ、シリコンなどのエッチングを行う場合にはこのフッ素系ガスを用いるのが効果的である。また、金属酸化物の還元を行う場合は反応性ガスとして、水素、アンモニアなどの還元性ガスを用いることができる。反応性ガスの添加量は主体の全量に対して10体積%以下、好ましくは0.1〜5体積%の範囲である。反応性ガスの添加量が0.1体積%未満であれば、目的とするプラズマ処理の効果が低くなる恐れがあり、反応性ガスの添加量が10体積%を超えると、グロー状の放電が不安定になる恐れがある。
【0034】
次に、上記のようにして放電ガスをガス供給路1で流通させながら電極2、3間に交番する高電圧あるいはパルス状の高電圧を印加する。このことで、放電空間34に交番する電界あるいはパルス状の電界が発生し、電極2、3間の放電空間34に誘電体である反応容器30の側壁を介して放電する、いわゆる誘電体バリア放電によってグロー状の放電を発生させると共に放電空間34のグロー状の放電により放電ガスがプラズマ化される。電極2、3間に印加される電圧の周波数は1kHz〜200MHzの高周波数に設定するのが好ましい。電極2、3間に印加される電圧の周波数が1kHz未満であれば、放電空間34でのグロー状の放電を安定化させることができなくなり、プラズマ処理を効率よく行うことができなくなる恐れがある。また、電極2、3間に印加される電圧の周波数が200MHzを超えると、放電空間34でのプラズマの温度上昇が著しくなり、電極2、3の寿命が短くなる恐れがあり、しかも、プラズマ処理装置が複雑化及び大型化する恐れがある。また、放電空間34に投入される印加電力の密度は20〜3500W/cm3、好ましくは100〜500W/cm3に設定するのが好ましい。放電空間34に投入される印加電力の密度が20W/cm3未満であれば、プラズマを充分に発生させることができなくなり、逆に、放電空間34に印加される印加電力の密度が3500W/cm3を超えると、安定した放電を得ることができなくなる恐れがある。印加電力の密度(W/cm3)は、(印加電力/放電空間34の体積)で定義される。
【0035】
そして、上記のようにして放電空間34で放電を発生させることにより、イオンやラジカル等のプラズマの活性種を含む放電ガスが処理容器12内のガス放出口32から下方に向かって放出されるものである。
【0036】
次に、回転駆動するローラー17の上に被処理物4を載せることによって、搬入口55から被処理物4を処理容器12内に被処理物4を搬入する。この後、処理容器12内に導入された被処理物4はローラー17でガス放出口32の下側(放電ガスの下流側)にまで搬送され、ここで、ガス放出口32から放出される活性種を含む放電ガスが被処理物4の表面に吹き付けられる。これにより、被処理物4が放電を生じさせた後の活性種を含む放電ガスに暴露されてプラズマ処理が行われるものである。尚、被処理物4はガス放出口32の下側を一回通過させるように搬送してもよいし、あるいはガス放出口32の下側で往復させて複数回通過させるように搬送してもよいし、あるいはローラー17の回転駆動を停止して被処理物4の搬送を中断することにより、所定の時間だけ被処理物4をガス放出口32の下側に停止させて被処理物4にプラズマ処理を施すようにしてもよい。
【0037】
上記のようにして被処理物4にプラズマ処理を施した後、ローラー17を回転駆動させることによって被処理物4を搬出口58側に向かって搬送して処理容器12外に搬出する。このようにして複数枚の被処理物4を連続的に搬送しながらプラズマ処理することができる。
【0038】
上記のようにプラズマ処理を行っている間、ガス供給路1には循環部9からあるいはガス供給部5と循環部9の両方から放電ガスを常時供給し続けているが、これと同時に処理容器12内に放出された放電ガスは回収部7により排出管20を通じて処理容器12外に強制的に排出されている。従って、プラズマ処理により生じる不純物を含む放電ガスが処理容器12内に滞留しにくくなり、被処理物4が不純物で汚染されることがなくなるものである。放電ガスに含まれる不純物としては被処理物4をプラズマ処理することにより生じる有機物(炭化水素など)及び処理容器12外の空気やそれに含まれる有機物などである。
【0039】
上記のように処理容器12外に排出された放電ガスは排出管20を通じて回収部7に送られ、ここで圧縮されて3〜10気圧の高圧の放電ガスとなる。次に、高圧の放電ガスが流通管25を通じて再生部8に送られ、ここで放電ガスに含まれている不純物が除去されて精製される。放電ガスが不活性ガスと反応性ガスの混合ガスである場合、不活性ガスと反応性ガスの一方のみを精製することもできるし、不活性ガスと反応性ガスの両方を精製することもできる。この後、精製された放電ガスは循環部9を通じて反応容器30のガス供給路1に返送される。
【0040】
このようにプラズマ処理に使用された放電ガスを回収し、精製した後、再び使用することによって、放電ガスに含まれるオゾン等の反応生成物や不純物が大気中に放散されないようにすることができ、環境に悪影響を与えないようにすることができるものであり、しかも、ヘリウム等の高価なガスを主体にしている放電ガスの消費量を少なくすることができ、運転コスト(ランニングコスト)を低減することができるものである。しかも、上記の循環部9と再生部8からなる循環−再生機構を設けることにより、不可避的に放電ガスに混入する空気量をほとんどゼロにすることができ、従って、放電空間34における放電が安定化するだけでなく、空気中に混在している水分(水蒸気)が放電ガスに混入する量も低減することができる。水分は酸素ラジカルなどの活性種を失活させるため、この量が少ないと、有効なラジカル量も相対的に多くなり、結果としてプラズマ処理能力を向上させることができるものである。
【0041】
上記のように再生部8には各種のものがある。図4に膜によるガス分離方法を行う再生部8を示す。この再生部8はヒータ42とセパレータ41とを備えて形成されている。ヒータ42はスチーム等を用いて放電ガスを40〜60℃に加熱するものである。分離膜10の特性として放電ガスの温度が一定の方が分離の効率が高く、また、不純物として混入する水分の凝縮も防止できるので、このヒータ42により放電ガスを加熱するものである。図5(a)に示すようにセパレータ41はその内部に中空糸膜等の分離膜10を充填して形成されるものである。この分離膜10は高分子素材で形成されるものであって、例えば、芳香族ポリアミドで形成することができるが、分離膜10の素材は放電ガスに含まれている不活性ガスの種類や反応性ガスの種類及び精製したいガスの種類や不純物の種類等に応じて適宜変更可能である。
【0042】
そして、この再生部8を用いて放電ガスの精製を行うにあたっては次のようにして行う。まず、再生部8の流入側コネクタ部74に接続された流通管25を通じて回収部7から放電ガス(高圧の放電ガスで不純物を含む)がヒータ42に導入される。ここで、放電ガスは加熱されて昇温される。次に、昇温された放電ガスは配管73を通じて2〜200リットル/分の流量でセパレータ41に供給される。ここで図5(b)に示すように、放電ガスは矢印cのように分離膜10(中空糸膜の周壁)を透過するが、放電ガスの分子よりも大きな不純物の分子は矢印dのように分離膜10を透過することができないものであり、これにより、放電ガスと不純物を分離して放電ガスから不純物を除去し精製することができるものである。この後、精製された放電ガスは分離膜10の内側を通って流れ、セパレータ41に接続された配管75へと流れる。配管75は再生部8に設けた流出側コネクタ部76を介して循環部9と接続されており、配管75を流れる精製された放電ガスは循環部9へと流れる。この後、精製された放電ガスは循環部9を流れてガス供給路1に返送される。一方、セパレータ41で放電ガスから除去された不純物は配管77を流れてオフガスとして再生部8から排出される。
【0043】
また、再生部8の他例として図6にPSA法を行うものを示す。この再生部8は昇圧ポンプ78とPSAユニット79を備えて形成されている。昇圧ポンプ78は放電ガス(原料ガス)を3〜20気圧(kg/cm2)(0.3〜2MPa)にまで昇圧するものである。PSAユニット79は図7に示すように、複数本の分離塔80a〜80dを備えて形成されている。各分離塔80a〜80dには吸着剤11が充填されている。吸着剤11の種類は放電ガスの種類や不純物の種類等によって適宜変更可能であるが、例えば、ゼオライト系モレキュラーシーブ、活性炭、カーボンモレキュラーシーブ、アルミナ、シリカゲル及びこれらの混合物などを用いることができる。また、分離塔80a〜80dの下端には入口バルブ83を介して導入管84が接続されていると共に分離塔80a〜80dの上端には出口バルブ81を介して導出管82が接続されている。さらに、分離塔80a〜80dの下端にはパージバルブ85を介してパージ管86が接続されている。上記の導入管84は昇圧ポンプ78とPSAユニット79とを接続する配管87と連結されており、また、導出管82は循環部9と接続されている。
【0044】
そして、この再生部8を用いて放電ガスの精製を行うにあたっては次のようにして行う。まず、昇圧ポンプ78と接続される流通管25を通じて回収部7から放電ガス(高圧の放電ガスで不純物を含む)を昇圧ポンプ78に供給し、この後、昇圧ポンプ78から配管87を通じて2〜100リットル/分の流量でPSAユニット79に放電ガスを供給する。このようにPSAユニット79に供給された放電ガスは、まず、導入管84を通じて第一の分離塔80aに導入される。この時、放電ガスの圧力は3〜20気圧で送り込まれる。このように第一の分離塔80aに放電ガスが導入されると、放電ガス中の不純物が吸着剤11にて吸着され、放電ガスから不純物が分離されて除去される。この後、不純物が除去されて精製された放電ガスが第一の分離塔80aの塔頂から上記導入時の圧力に近い圧力で流出して導出管82へと流れる。次に、数分〜10分後に第一の分離塔80aへの放電ガスの供給を停止すると共に第二の分離塔80bへの放電ガスの供給を切り替え、これと同時に第一の分離塔80aに接続されている入口バルブ81と出口バルブ83を閉じ、さらに、第一の分離塔80aに接続されているパージバルブ85を開いて第一の分離塔80aを大気圧付近にまで減圧する。そして、この減圧により吸着剤11に吸着された不純物が脱離する。次に、第一の分離塔80aの塔頂の入口バルブ81を開き、精製された放電ガスの一部を下向きに流して第一の分離塔80aに導入し、これにより、第一の分離塔80a内を掃除し、次の吸着に備える。この掃除用に第一の分離塔80aに導入された放電ガスは吸着剤11から脱離した不純物とともにパージ管86へと流れる。そして、このような操作を第一の分離塔80aから第二の分離塔80b、第三の分離塔80c、第四の分離塔80dの順序で数分の遅れで繰り返して一工程とし、この工程により、精製された放電ガスが導出管82を通って流れ、さらに循環部9へと流れる。この後、精製された放電ガスは循環部9を流れてガス供給路1に返送される。一方、分離塔80a〜80dで放電ガスから除去された不純物はパージ管86を流れてパージガスとしてPSAユニット79から排出される。
【0045】
また、再生部8の他例として図8に膜によるガス分離法とPSA法の両方を行う再生部8を示す。この再生部8は図6に示すものにさらに分離膜10を備えた上記と同様のセパレータ41と、精製前の放電ガス(原料ガス)やパージガスや精製された放電ガスの流れを緩衝するためのバッファータンク92、93、94と、パージガスや精製された放電ガスを圧縮して昇圧するための昇圧ポンプ78、95、96とを備えて形成されるものである。
【0046】
そして、この再生部8を用いて放電ガスの精製を行うにあたっては、上記と同様に、回収部7で回収した放電ガスを昇圧ポンプ78により3〜20気圧に昇圧し、この昇圧した放電ガスをPSAユニット79に送入して上記と同様にしてPSAユニット79で精製処理を行うことができる。しかしながら、上記のように分離塔80a〜80dを掃除するのに精製された放電ガスを用いているので、上記のように不純物を含む放電ガスがパージガスとして生じる。このパージガスを破棄すると、放電ガスの回収率が低下することになる。従って、この再生部8ではパージガスから不純物をセパレータ41の分離膜10で除去し、精製された放電ガスを得るものである。具体的には次のように動作する。まず、パージガスはパージ管86を通じてバッファータンク92に送られ、次に、バッファータンク92から昇圧ポンプ95に送られ、ここで圧縮されることにより3〜10気圧に昇圧される。次に、昇圧されたパージガスはバッファータンク93に送られた後、バッファータンク93からセパレータ41に送られる。そして、このセパレータ41で上記と同様にして放電ガスと不純物とに分離する。これにより精製された放電ガスを得ることができる。次に、精製された放電ガスはセパレータ41から昇圧ポンプ96に送られ、ここで圧縮されることにより3〜20気圧に昇圧される。次に、昇圧後の精製された放電ガスはバッファータンク94に送られた後、流通管25あるいは配管87に返送される。そして、この返送された放電ガスは流通管25内を流れる回収部7からの放電ガスと混合されてPSAユニット79に供給される。このようにしてパージガス中の放電ガスが破棄されないようにすることができ、放電ガスの回収率を高めることができる。
【0047】
そして、本発明のプラズマ処理装置にあっては、均一なプラズマ処理が行いやすいものである。すなわち、上記のような再生部8を用いてプラズマ処理後の放電ガスを精製したとしても、精製された放電ガスには微量の不純物が含まれているものであり、これにより、ガス供給部5から供給される純粋な放電ガスを用いた場合に比べて放電が不均一(活性種の濃度や放電密度等が不均一)となる。そして、プラズマ処理装置として、対向配置される電極間に放電を発生させると共にこの電極間に被処理物を導入して被処理物のプラズマ処理を行うものである場合、上記のような不純物を含む放電ガスを用いて放電を発生させると、放電の不均一さが被処理物に対するプラズマ処理の不均一さに大きな影響を与えて均一なプラズマ処理が行いにくいものである。これに対して本発明のプラズマ処理装置は、ガス供給路1で放電させた後、プラズマの活性種を含む放電ガスをガス供給路1から放出すると共に放出された放電ガスに被処理物4を暴露させるようにして、放電を発生させている場所と被処理物4をプラズマ処理する場所とを別々に設けているので、放電が多少不均一であっても、被処理物4を暴露させる処理容器12内に放電ガスが達するまでの間に放電ガス中の活性種の濃度等の均一化を図ることができ、これにより、均一なプラズマ処理が行いやすいものである。
【0048】
本発明のプラズマ処理装置において、反応容器30及び電極2、3としては各種の形状のものを用いることができる。
【0049】
図9に反応容器30及び電極2、3の一例を示す。この反応容器30は対向配置される一対の幅広側壁30a、30aと、対向配置される一対の幅狭側壁30b、30bを備えて上下方向に長い真っ直ぐな略角筒状に形成されるものであり、幅狭側壁30b、30bの対向方向(幅方向)の長さに比べて、幅広側壁30a、30aの対向方向(厚み方向)の長さが非常に小さい扁平板状に形成されている。この反応容器30においても上記と同様のガス供給路1、ガス導入口31、ガス放出口32、放電空間34が設けられているが、ガス導入口31は反応容器30の上面において全面に亘って開口されたスリット状に形成されていると共にガス放出口32は反応容器30の下面において全面に亘って開口されたスリット状に形成されている。すなわち、ガス放出口32及びガス導入口31は反応容器30の幅方向と平行な方向に長いスリット状に形成されるものである。反応容器30は厚み方向の内寸法(ガス導入口31及びガス放出口32の短手方向の寸法)Wは0.1〜10mmに形成することができるが、特に、これに限定されるものではない。また、電極2、3は上記と同様の材料で四角枠形状に形成されている。そして、電極2、3はその内周面を反応容器30の外周面に全周に亘って密着させるようにして反応容器30の外側に設けられている。その他の構成は上記図2に示す反応容器30及び電極2、3と同様に形成されている。
【0050】
図9に示す反応容器30及び電極2、3は図1と同様にして処理容器12に配設される。そして、上記と同様にして被処理物4のプラズマ処理に用いられるが、図2の反応容器30を用いたものでは、活性種を含む放電ガスを被処理物4の表面にスポット的に吹き付けて局所的にプラズマ処理するものである。これに対して図9に示す反応容器30を用いたものでは、活性種を含む放電ガスを被処理物4の表面に帯状に吹き付けて幅方向の大部分を一度にプラズマ処理することができるものである。
【0051】
図10に反応容器30及び電極2、3の他の一例を示す。この反応容器30はテフロン(R)等の耐熱性の合成樹脂を用いて図9の反応容器30と同様の形状に形成されている。電極2、3は上記と同様の材料で四角板状に形成されている。また、電極2、3の表面には誘電体で形成される被膜が設けられている。この誘電体の被膜は、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などで形成することができ、さらに、アルミナ(Al2O3)、酸化チタン(チタニアでTiO2)、SiO2、AlN、Si3N、SiC、DLC(ダイヤモンド様炭素被膜)、チタン酸バリウム、PZT(チタン酸鉛ジルコネート)などで形成することもでき、また、マグネシア(MgO)単体あるいはマグネシアを含む絶縁材料を用いることもできる。コーティング方法としては、板状に形成した絶縁物を電極2、3の表面に接着して密着させる方法、及びアルミナ、チタン酸バリウム、酸化チタン、PZTなどの粉末をプラズマ中で分散させ、電極2、3の表面に吹き付けるようにするプラズマ溶射法、及びシリカ、酸化スズ、チタニア、ジルコニア、アルミナなどの無機質粉末を溶剤などにより分散し、電極2、3の表面にスプレーなどで吹き付けて被覆した後、600℃以上の温度で溶融させるいわゆる琺瑯被覆方法、及びゾルゲル法によるガラス質膜の形成方法などを採用することができる。さらに、気相蒸着法(CVD)もしくは物理蒸着法(PVD)により電極2、3の表面を絶縁物でコーティングすることもできる。尚、電極2、3の表面に設ける上記のような皮膜は、処理容器12の内面及び外面にも設けることができる。
【0052】
そして、一方の電極2は反応容器30の一方の幅広側壁30aに埋設されていると共に他方の電極3は反応容器30の一方の幅広側壁30aに埋設されている。ここで、電極2、3はガス供給路1を挟んで対向配置されるものであり、電極2、3間におけるガス供給路1が放電空間34として形成されている。また、電極2、3は放電空間34に露出して形成されている。また、電極2、3は幅広側壁30aの幅方向のほぼ全長に亘って設けられている。さらに、一方の電極2は電源33と接続されていると共に他方の電極3は接地されている。その他の構成は上記図2及び図9に示す反応容器30及び電極2、3と同様に形成されている。
【0053】
図10に示す反応容器30及び電極2、3は図1の場合と同様にして図11に示すように処理容器12に配設される。そして、上記と同様にして被処理物4のプラズマ処理に用いられるが、図9のものと同様に図10に示す反応容器30を用いたものでは、活性種を含む放電ガスを被処理物4の表面に帯状に吹き付けて幅方向の大部分を一度にプラズマ処理することができるものである。
【0054】
図12に他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置では、図1に示すものに加えて、処理容器12内の圧力を検知するための圧力センサ18と、処理容器12外の圧力を検知するための圧力センサ13と、回収部(コンプレッサ)7の運転挙動を制御するためのコンピュータ等の制御部26とを備えて形成されている。圧力センサ18、13と制御部26とは電気的に接続されており、また、制御部26と回収部7とは電気的に接続されている。その他の構成は上記実施の形態と同様に形成されている。
【0055】
このプラズマ処理装置では、処理容器12内外の圧力を圧力センサ18、13で検知し、この検知結果に基づいて、処理容器12内の圧力が処理容器12外の圧力よりも常に高くなるように回収部7の運転挙動を制御部26で制御しながらプラズマ処理を行うものである。つまり、処理容器12内外の圧力を圧力センサ18、13でモニターしつつ、このモニターの結果を回収部7の運転挙動にフィードバックしながらプラズマ処理を行うものである。処理容器12内の圧力は処理容器12外の圧力よりも2〜3%程度高ければよく、また、処理容器12内の圧力を処理容器12外の圧力よりも高くするには、処理容器12内からの放電ガスの単位時間当たりの回収量等を増減するなどして回収部7の運転挙動を制御部26で制御すればよい。
【0056】
このプラズマ処理装置では、処理容器12内の圧力が処理容器12外の圧力よりも常に高くなるように維持しながらプラズマ処理を行うことができるものである。従って、搬入口55や搬出口58等を通じて処理容器12内に処理容器12外の空気や水分等の侵入を防止することができ、放電ガスに不純物が混ざらないようにすることができるものであり、放電が不安定にならないようにすることができると共に不純物で被処理物4が汚染されないようにすることができるものである。
【0057】
尚、この実施の形態において、圧力センサ18、13の検知結果に基づいて、電磁バルブ等の流量コントローラ14、35、21の開閉量を制御部26で制御し、処理容器12内の圧力が処理容器12外の圧力よりも常に高くなるようにしてもよい。
【0058】
図13に他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置では、図1に示すものに加えて、ガス供給路1から処理容器12内に供給される放電ガスの流量を検知するための流入センサ15と、処理容器12内から回収部7へ回収される放電ガスの流量を検知するための流出センサ28と、回収部(コンプレッサ)7の運転挙動を制御するためのコンピュータ等の制御部26とを備えて形成されている。流入センサ15及び流出センサ28と制御部26とは電気的に接続されており、また、制御部26と回収部7とは電気的に接続されている。また、流入センサ15は反応容器30のガス導入口31の近傍における循環部9に、流出センサ28は処理容器12の近傍における排出管20にそれぞれ設けられている。その他の構成は上記実施の形態と同様に形成されている。
【0059】
このプラズマ処理装置では、処理容器12内に供給される放電ガスの流量を流入センサ15で検知すると共に処理容器12内から回収部7へ回収される放電ガスの流量を流出センサ28で検知し、この検知結果に基づいて、ガス供給路1から処理容器12内に供給される放電ガスの流量が処理容器12内から回収部7へ回収される放電ガスの流量よりも常に多くなるように回収部7の運転挙動を制御部26で制御しながらプラズマ処理を行うものである。つまり、処理容器12への放電ガスの供給量と処理容器12からの回収部7への放電ガスの排出量を流入センサ15と流出センサ28でモニターしつつ、このモニターの結果を回収部7の運転挙動にフィードバックしながらプラズマ処理を行うものである。処理容器12内に供給される放電ガスの流量は処理容器12内から排出される放電ガスの流量よりも2〜3体積%程度多ければよく、また、処理容器12内に供給される放電ガスの流量を処理容器12内から回収部7へと排出される放電ガスの流量よりも多くするには、処理容器12内からの放電ガスの単位時間当たりの回収量等を増減するなどして回収部7の運転挙動を制御部26で制御すればよい。
【0060】
このプラズマ処理装置では、不純物を含まない新しいフレッシュな放電ガスが常に処理容器内に充満するように維持しながらプラズマ処理を行うことができるものである。従って、処理容器12内の放電ガスに含まれる不純物が少なくすることができるものであり、不純物で被処理物4が汚染されないようにすることができるものである。
【0061】
尚、この実施の形態において、流入センサ15と流出センサ28の検知結果に基づいて、電磁バルブ等の流量コントローラ14、35、21の開閉量を制御部26で制御し、処理容器12内に供給される放電ガスの流量を処理容器12内から回収部7へと排出される放電ガスの流量よりも常に多くするようにしてもよい。
【0062】
また、上記の圧力センサ18、13及び流入センサ15と流出センサ28及び制御部26は図11のものに設けることができる。
【0063】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0064】
(実施例1)
図12に示すプラズマ処理装置を形成した。
【0065】
反応容器30及び電極2、3は図2に示すものであって、外径が5mm、内径が3mmで石英で円管状に形成されている(スポット型)。反応容器30の外面には電極2、3をガス放出口32に対して上下に配置しており、一方の電極2が電源33と接続されて高電圧が印加される高圧電極として、他方の電極3が接地される接地電極として形成されている。高周波を発生する電源33としては高周波数のパルス状電圧を発振するものを用いた。そして、反応容器30のガス供給路1にヘリウムを1.5リットル/分、酸素を0.02リットル/分で導入すると共に電極2、3間に電圧を印加して放電空間34に放電を発生させ、この放電により生じた活性種を含む放電ガスをガス放出口32から放出して処理容器12内に搬送した被処理物4にプラズマ処理(表面の改質処理及びクリーニング処理)を行った。この時、処理容器12内での被処理物4の搬送速度は50mm/秒とした。また、電極2、3の内部には冷媒としてイオン交換水を流通させた。電極2、3間に印加する電圧は、立ち上がり及び立下り時間が10μsecで繰り返し周波数が200kHzのパルス状電圧とし、また、電極2、3間の電界強度は50kV/cm、放電空間34に投入される電力は200Wとした。
【0066】
処理容器12としては200mm×200mm×400mmのアクリル製のものを用いた。回収部7としてはヘリウムの漏洩がないガスシール性の高いコンプレッサを用いた。また、処理容器12内外の圧力を圧力センサ18、13で検知し、この検知結果に基づいて、処理容器12内の圧力が処理容器12外の圧力よりも常に高くなるように回収部7の運転挙動を制御部26で制御しながらプラズマ処理を行った。その結果、処理容器12外の圧力は1.00気圧であったが、処理容器12内の圧力は1.02気圧にコントロールされた。
【0067】
再生部8としては図4に示す膜によるガス分離方法を行うものを用いた。セパレータ41としては分離膜10として芳香族ポリアミド製の中空糸膜を内蔵した宇部興産製の「UBE GAS SEPARETOR B2」を用いた。また、回収部7で処理容器12から回収した放電ガスを8気圧まで昇圧した後、この昇圧した放電ガスを再生部8に送入した。この結果、精製された放電ガスはヘリウム純度が98.5%、ヘリウム回収率が70%になった。そして、この精製された放電ガス(ヘリウム)をガス供給部5から供給されるフレッシュなヘリウム及び酸素と混合して、上記の初期濃度及び流量になるように調整してガス供給路1に供給した。
【0068】
被処理物4としては液晶用パネルを用い、プラズマ処理は端子部のITO電極面に行った。ITO電極面の未処理の被処理物4の水濡れ角は50度であったが、プラズマ処理後は8度まで低減した。さらに、XPS(X線光電子分光)分析の結果、未処理の被処理物4の最表面では有機物の汚れに起因する炭素が20原子%検出されたが、プラズマ処理後では2原子%であった。
【0069】
(実施例2)
図12に示すプラズマ処理装置を用いた。
【0070】
反応容器30及び電極2、3は図9に示すものであって、板厚1mmの石英ガラスを用い、内寸においてスリット幅(反応容器30の狭い方の内寸W)1.5mm、幅寸法56mm、高さ80mmの幅広状の角筒状に形成した。電極2、3は銅で作製し、その表面に金メッキ処理を施した。また、電極2、3の内部には冷却水の流路を設け、この流路に冷却水を循環させて電極2、3及び放電空間34を冷却できるように形成した。また、電極2、3の距離は5mmに設定して電源33と接続した。また、電極2、3間に印加する電圧としては13.56MHzの正弦波の交番電圧とし、放電空間34への投入電力は700Wとした。また、放電ガスとしてはヘリウムを用いてこれを12リットル毎分でガス供給路1で供給した。
【0071】
処理容器12としては300mm×200mm×500mmのアクリル製のものを用いた。回収部7としては実施例1と同様のものを用いた。また、実施例1と同様に圧力センサ18、13を用いて処理容器12内の圧力をコントロールした。
【0072】
再生部8としては図8に示すような膜によるガス分離方法とPSA法の両方を行うものを用いた。セパレータ41としては分離膜10として芳香族ポリアミド製の中空糸膜を内蔵した宇部興産製の「UBE GAS SEPARETOR B2」を用いた。また、吸着剤11としてはゼオライト系モレキュラーシーブを用いた。そして、回収部7で処理容器12から回収した放電ガスを8気圧まで昇圧した後、この昇圧した放電ガスを再生部8に送入した。この結果、精製された放電ガスはヘリウム純度が99%、ヘリウム回収率が70%になった。そして、この精製された放電ガス(ヘリウム)をガス供給部5から供給されるフレッシュなヘリウムと混合して、上記の初期濃度及び流量になるように調整してガス供給路1に供給した。その他の構成は実施例1と同様にした。
【0073】
被処理物4としてはボールグリッドアレー基板を用いた。未処理の被処理物4の水濡れ角は60度であったが、プラズマ処理後は18度まで低減した。さらに、金パッド部分のXPS(X線光電子分光)分析の結果、未処理の被処理物4の最表面では有機物の汚れに起因する炭素が20原子%検出されたが、処理後では2原子%であった。
【0074】
(実施例3)
図12に示すプラズマ処理装置を用いた。
【0075】
反応容器30及び電極2、3は図10に示すものであって、反応容器30はテフロン(R)でガス放出口32の寸法が1000mm×1mmとなるような幅広状の角筒状に形成した。電極2、3はステンレス鋼(SUS304)製の平板に誘電体の被膜としてアルミナ−チタニア混合組成物を1mm溶射して形成した。被処理物6としては、実施例1と同様の液晶パネル用ガラス板を用いた。放電ガスとしては、ヘリウムを200リットル/分に、酸素を3リットル/分で混合したものを用いてガス供給路1に供給した。
【0076】
このプラズマ処理装置には図14に示すように、一方の電極2に電圧(高電圧)を印加するための電源33aと他方の電極3に電圧(高電圧)を印加するための電源33bとが備えられている。電源33a、33bは電極2、3に、極性が正負逆(正負対称)で位相が重複して正負がそれぞれ交互となるパルス波又は休止区間のない交番電圧(高電圧)を同時に印加するものである。尚、「パルス波」とは、電圧のOFF時間が存在する電圧波形と定義する。従って、電圧のOFF時間さえ存在すれば、電圧がONしている部分の波形はどのようなものでも良い。また、「休止区間のない交番電圧」とは、正弦波などに代表されるような波形であり、正弦波や三角波などが含まれる。また、図14における符号40は電極2、3の表面に設けた誘電体の被膜を示す。
【0077】
図15(a)(b)には電源33a、33bから電極2、3に印加される電圧の一例をタイムチャートで示す。一方の電極2に接続されている電源33aからは図15(a)に示すような正負が交互に繰り返すパルス波形の電圧が、他方の電極3に接続されている電源33bからは図15(b)に示すような正負が交互に繰り返すパルス波形の電圧がそれぞれ印加されるものであり、しかも、一方の電極2に印加された電圧と他方の電極3に印加された電圧とは極性を互いに正負逆で位相を重複させた状態で同時に印加されるものである。そして、図14に示すような回路構成を用いて、図15(a)(b)に示す放電発生のための波形条件としては、繰返し周波数20kHz、パルス幅2μsec、電極へ印加する電圧は、VA+、VA−を6kV、VB+、VB−を6.3kVとした。
【0078】
処理容器12としては1200mm×300mm×1000mmのアクリル製のものを用いた。回収部7としては実施例1と同様のものを用いた。また、実施例1と同様に圧力センサ18、13を用いて処理容器12内の圧力をコントロールした。
【0079】
再生部8としては図4に示す膜によるガス分離方法を行うものを用いた。セパレータ41としては分離膜10として芳香族ポリアミド製の中空糸膜を内蔵した宇部興産製の「UBE GAS SEPARETOR B2」を用いた。この結果、精製された放電ガスはヘリウム純度が97%、ヘリウム回収率が75%になった。そして、この精製された放電ガス(ヘリウム)をガス供給部5から供給されるフレッシュなヘリウム及び酸素と混合して、上記の初期濃度及び流量になるように調整してガス供給路1に供給した。その他の構成は実施例1と同様にした。
【0080】
被処理物4としては800mm×1000mm×0.4mmの液晶用ガラスを用いた。未処理の被処理物4の水濡れ角は50度であったが、プラズマ処理後は8度まで低減した。さらに、XPS(X線光電子分光)分析の結果、未処理の被処理物4の最表面では有機物の汚れに起因する炭素が20原子%検出されたが、プラズマ処理後では2原子%であった。
【0081】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、放電ガスが流通するガス供給路内に大気圧近傍の圧力下で放電を生じさせた後、この放電ガスをガス供給路外に放出すると共にガス供給路から放出された放電ガスに被処理物を暴露させるようにするプラズマ処理装置において、被処理物を暴露させた後の放電ガスを回収するための回収部と、回収部で回収された放電ガスから不純物を除去するための再生部と、再生部で不純物が除去された放電ガスをガス供給路に返送するための循環部とを具備するので、被処理物を暴露させた後の放電ガスから不純物を除去して精製すると共に精製された放電ガスを再利用することによって、放電ガスの消耗を少なくすることができ、プラズマ処理装置の運転コストの低減及び省資源化を図ることができるものであり、しかも、放電を生じさせた後の放電ガスをガス供給路外に放出して被処理物を暴露させるようにして放電を発生させている場所と被処理物をプラズマ処理する場所とを別々に設けることによって、精製された放電ガスに微量の不純物が含まれていて放電が不均一になったとしても、被処理物にまで放電ガスが達するまでの間に放電ガス中の活性種の濃度等の均一化を図ることができ、これにより、均一なプラズマ処理が行いやすくなるものである。
【0082】
また、本発明の請求項2の発明は、回収部と接続される処理容器内に、放電を生じさせた後の放電ガスをガス供給路から放出するので、ガス供給路から放出された放電ガスが大気中に拡散しにくくすることができ、放電ガスの回収率を高くすることができると共に放電ガスへの不純物の混入を少なくすることができるものである。
【0083】
また、本発明の請求項3の発明は、ガス供給路内に放電を生じさせるための電極を処理容器外に設けるので、処理容器の外側に存在する空気により、電極間の異常な放電を回避しやすくなるものであり、放電の効率化を図ることができると共に異常な放電による被処理物の損傷を防止することができるものである。
【0084】
また、本発明の請求項4に係る発明は、再生部が放電ガスと不純物とを分離するための分離膜を備えるので、放電ガスの相変化を伴わないで不純物を除去することができ、再生部で必要なエネルギを少なくすることができるものである。また、再生部を単純な構成で小型に形成することができ、設備コストが安くなると共に設備の占有面積も小さくなり、しかも設備の建設期間も短くすることができるものである。さらに、分離に際して駆動する部分がないので、安定して運転することができ、実質的にほぼメンテナンスフリーにすることができるものである。
【0085】
また、本発明の請求項5に係る発明は、再生部が放電ガスと不純物とを分離するための吸着剤を備えるので、圧力スイング吸着法を用いることにより、他の再生方法に比べて不純物の除去能力を高くすることができ、純度の高い放電ガスを再生することができるものである。
【0086】
また、本発明の請求項6に係る発明は、再生部が放電ガスと不純物とを分離するための分離膜と吸着剤とを備えるので、膜によるガス分離方法と圧力スイング吸着法の両方で放電ガスから不純物を除去することができ、より純度の高い放電ガスを再生することができるものである。
【0087】
また、本発明の請求項7に係る発明は、回収部としてガスシール性を有するコンプレッサを用いるので、回収部からの放電ガスの漏れを少なくすることができ、放電ガスの回収率を高くすることができるものである。
【0088】
また、本発明の請求項8に係る発明は、処理容器内外の圧力を検知するための圧力センサと、圧力センサの検知結果に基づいて処理容器内の圧力が処理容器外の圧力よりも高くなるように回収部の運転挙動を制御するための制御部とを備えるので、処理容器内の圧力が処理容器外の圧力よりも常に高くなるように維持しながらプラズマ処理を行うことができ、処理容器内に処理容器外の空気が侵入するのを少なくすることができて放電ガスに不純物が混ざらないようにすることができるものであり、不純物で被処理物が汚染されないようにすることができるものである。
【0089】
また、本発明の請求項9に係る発明は、処理容器内に供給される放電ガスの流量を検知するための流入センサと、処理容器内から回収部へ回収される放電ガスの流量を検知するための流出センサと、流入センサと流出センサの検知結果に基づいて処理容器内に供給される放電ガスの流量が処理容器内から回収部へ回収される放電ガスの流量よりも多くなるように回収部の運転挙動を制御するための制御部とを備えるので、不純物を含まないあるいは少ない放電ガスが常に処理容器内に充満するように維持しながらプラズマ処理を行うことができ、処理容器内の放電ガスに含まれる不純物が少なくすることができるものであり、不純物で被処理物が汚染されないようにすることができるものである。
【0090】
また、本発明の請求項10に係る発明は、放電ガスがヘリウムを含有するので、他の不活性ガスに比べて放電を安定させることができ、被処理物により均一なプラズマ処理を施すことができるものである。
【0091】
また、本発明の請求項11に係る発明は、放電ガスが反応性ガスを含有するので、反応性ガスの種類を処理の内容によって任意に選択することができ、各種のプラズマ処理を行うことができるものである。
【0092】
また、本発明の請求項12に係る発明は、被処理物の搬送手段を備えるので、長尺の被処理物や多数個の被処理物を搬送手段で搬送しながら連続してプラズマ処理することができ、プラズマ処理の効率を高めることができるものである。
【0093】
また、本発明の請求項13に係る発明は、請求項1乃至12のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用いて、放電を生じさせた後の放電ガスに被処理物を暴露させるので、被処理物を暴露させた後の放電ガスから不純物を除去して精製すると共に精製された放電ガスを再利用することによって、放電ガスの消耗を少なくすることができ、プラズマ処理装置の運転コストの低減及び省資源化を図ることができるものであり、しかも、放電を生じさせた後の放電ガスをガス供給路外に放出して被処理物を暴露させるようにして放電を発生させている場所と被処理物をプラズマ処理する場所とを別々に設けることによって、精製された放電ガスに微量の不純物が含まれていて放電が不均一になったとしても、被処理物にまで放電ガスが達するまでの間に放電ガス中の活性種の濃度等の均一化を図ることができ、これにより、均一なプラズマ処理が行いやすくなるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。
【図2】同上の反応容器と電極の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図3】同上の回収部の一例を示す概略図である。
【図4】同上の回収部及び再生部の一例を示す概略図である。
【図5】同上の(a)はセパレータを示す一部が破断した正面図、(b)は分離膜の作用を示す概略図である。
【図6】同上の再生部の他例を示すブロック図である。
【図7】同上のPSAユニットを示す概略図である。
【図8】同上の再生部の他例を示すブロック図である。
【図9】同上の反応容器と電極の他例を示し、(a)は斜視図、(b)は底面図である。
【図10】同上の反応容器と電極の他例を示す一部が破断した斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態の他例を示す概略図である。
【図12】本発明の実施の形態の他例を示す概略図である。
【図13】本発明の実施の形態の他例を示す概略図である。
【図14】本発明の実施例3における回路構成を示す概略図である。
【図15】本発明の実施例3における電圧波形を示すチャート図である。
【符号の説明】
1 ガス供給路
2 電極
3 電極
4 被処理物
7 回収部
8 再生部
9 循環部
10 分離膜
11 吸着剤
12 処理容器
13 圧力センサ
15 流入センサ
18 圧力センサ
26 制御部
28 流出センサ
Claims (13)
- 放電ガスが流通するガス供給路内に大気圧近傍の圧力下で放電を生じさせた後、この放電ガスをガス供給路外に放出すると共にガス供給路から放出された放電ガスに被処理物を暴露させるようにするプラズマ処理装置において、被処理物を暴露させた後の放電ガスを回収するための回収部と、回収部で回収された放電ガスから不純物を除去するための再生部と、再生部で不純物が除去された放電ガスをガス供給路に返送するための循環部とを具備して成ることを特徴とするプラズマ処理装置。
- 回収部と接続される処理容器内に、放電を生じさせた後の放電ガスをガス供給路から放出することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- ガス供給路内に放電を生じさせるための電極を処理容器外に設けて成ることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置。
- 再生部が放電ガスと不純物とを分離するための分離膜を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 再生部が放電ガスと不純物とを分離するための吸着剤を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 再生部が放電ガスと不純物とを分離するための分離膜と吸着剤とを備えて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 回収部としてガスシール性を有するコンプレッサを用いて成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 処理容器内外の圧力を検知するための圧力センサと、圧力センサの検知結果に基づいて処理容器内の圧力が処理容器外の圧力よりも高くなるように回収部の運転挙動を制御するための制御部とを備えて成ることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- ガス供給路から処理容器内に放出される放電ガスの流量を検知するための流入センサと、処理容器内から回収部へ回収される放電ガスの流量を検知するための流出センサと、流入センサと流出センサの検知結果に基づいて処理容器内に放出される放電ガスの流量が処理容器内から回収部へ回収される放電ガスの流量よりも多くなるように回収部の運転挙動を制御するための制御部とを備えて成ることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 放電ガスがヘリウムを含有して成ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 放電ガスが反応性ガスを含有して成ることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 被処理物の搬送手段を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用いて、放電を生じさせた後の放電ガスに被処理物を暴露させることを特徴とするプラズマ処理方法。
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