JP4058857B2 - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物の表面に存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、製膜、表面改質、液晶用ガラス基板の表面クリーニングなどをプラズマ処理で行なうためのプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関するものであり、特に、精密な接合が要求される電子部品の表面クリーニング等に応用することができる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被処理物の表面を大気圧下でプラズマ処理することが試みられており、また回路用基板等のピース状(短尺)で板状の部品を被処理物とし、複数枚の被処理物を連続的に送りながら各被処理物にプラズマ処理を施すことが行なわれている(例えば特開平5−235520号公報や特開平6−2149号公報でその技術が開示されている)。
【0003】
図10はこのような従来のプラズマ処理装置の一例を示すものであり、1はチャンバーであって、チャンバー1の一方の側壁には入口8が設けられていると共に、チャンバー1の他方の側壁には入口8と対向するように出口9が設けられている。また、チャンバー1内に上下に対向する一対の電極2,3が配設されている。さらに、このプラズマ処理装置には搬送手段6としてコンベアベルト20が備えられており、コンベアベルト20はチャンバー1内を通過するように配設されている。すなわち、コンベアベルト20は、入口8からチャンバー1内に導入され、上下の電極2,3の間を通過した後、出口9からチャンバー1外に導出されるように、チャンバー1内を進行するようにしてある。
【0004】
このプラズマ処理装置で被処理物5にプラズマ処理を施すにあたっては、チャンバー1内にプラズマ生成用ガスを導入すると共に電極2,3の間に高周波の交流電界を印加することによって、電極2,3の間でグロー放電させてプラズマ生成用ガスからプラズマを生成させる。そして進行するコンベアベルト20の上に被処理物5を載せると、被処理物5は入口8からチャンバー1内に導入された後、上下の電極2,3の間を通過し、出口9からチャンバー1外に導出される。このように被処理物5がコンベアベルト20で電極2,3の間を通過する際に、被処理物5の表面をプラズマで処理することができるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記のプラズマ処理装置では、搬送手段6として使用されるコンベアベルト20がチャンバー1の両外側に突出しており、装置全体が大型化するという問題があった。また搬送手段6であるコンベアベルト20が電極2,3の間を通過するように配置されており、搬送手段6が障害となって電極2,3の間のグロー放電が不安定となり、均質なプラズマを安定して生成させることができず、被処理物5のプラズマ処理を安定して均一に行なうことが難しいという問題があった。さらに、搬送手段6であるコンベアベルト20の上に載せて電極2,3の間を通過させることができる被処理物5は、電極2,3の間の間隔からコンベアベルト20の厚み分を差し引いた寸法より薄いものに制限されるものであり、厚物の被処理物5はプラズマ処理することが難しいという問題があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、小型に形成することが可能になり、またプラズマ処理を安定して均一に行なうことができるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るプラズマ処理装置は、少なくとも一対の電極2,3をチャンバー1内に互いに上下に対向して配設すると共に対をなす電極2,3の少なくとも一方の表面に絶縁材4を設け、電極2,3間にプラズマ生成用ガスを供給すると共に、対をなす電極2,3間に電界を負荷して大気圧下でグロー放電を発生させることによって、このグロー放電でプラズマ生成用ガスからプラズマを生成させ、搬送手段6で対をなす電極2,3間に導入して搬送される被処理物5の表面をこのプラズマで処理するようにしたプラズマ処理装置において、被処理物5を搬送する搬送手段6を上下に対向して配設される電極2,3のうち下側に配置される電極3で形成して成ることを特徴とするものである。
【0008】
また、搬送手段6となる電極3を回転駆動されるローラ15によって形成すると共に、被処理物5が導入、導出される入口、出口の方向に並ぶように複数本のローラ15を設けて、ローラ15上に載置された被処理物5を搬送するようにし、ローラ15の端部に突設される軸部24を回転させることによってローラ15を回転駆動させる駆動装置16をチャンバー1の外部に設け、この軸部24にブラシ40を弾接させてブラシ40と軸部24を介してローラ15で形成される電極3に通電させるようにして成ることを特徴とするものである。
【0009】
また請求項2の発明は、請求項1において、電極2,3に冷媒を循環させて成ることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、上記絶縁材4を電極2,3の表面にガラス質の融着で設けた被覆層7で形成して成ることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、搬送手段6となる電極3の表面の絶縁材4が、被処理物5よりも硬度の低い材料であることを特徴とするものである。
【0012】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、被処理物5をチャンバー1内に導入するための入口8と、チャンバー1内の被処理物5を導出するための出口9をそれぞれチャンバー1に設け、入口8に入口8を開閉する入口扉10を設けると共に出口9に出口9を開閉する出口扉11を設けて成ることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項6の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、チャンバー1内への被処理物5の導入及びチャンバー1内からの被処理物5の導出を行なうための出入口12をチャンバーに設け、出入口12に出入口12を開閉する出入口扉13を設けて成ることを特徴とするものである。
【0014】
また請求項7の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、被処理物5をチャンバー1内に導入するための入口8と、チャンバー1内の被処理物5を導出するための出口9をそれぞれチャンバー1に設け、入口8と出口9をそれぞれスリット状に形成して成ることを特徴とするものである。
【0015】
また請求項8の発明は、請求項5乃至7のいずれかにおいて、チャンバー1の入口8と出口9の外側に、チャンバー1内のプラズマ生成用ガスの流出及び外気のチャンバー1内への流入を緩和するための緩和室14を設けて成ることを特徴とするものである。
【0016】
また請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、チャンバー1の内面を絶縁材料で形成して成ることを特徴とするものである。
【0018】
また請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかにおいて、プラズマ生成用ガスは不活性ガスあるいは不活性ガスと反応ガスの混合ガスであることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の請求項11に係るプラズマ処理方法は、上記の請求項1乃至10のいずれかに記載のプラズマ処理装置で被処理物5の表面をプラズマ処理することを特徴とするものである。
【0020】
また請求項12の発明は、上記の請求項5に記載のプラズマ処理装置で被処理物5の表面をプラズマ処理するにあたって、入口扉10を開いて入口8からチャンバー1内に被処理物5を導入し、入口扉10を閉じた後に被処理物5にプラズマ処理を施し、次に、出口扉10を開いて出口9から被処理物5を導出することを特徴とするものである。
【0021】
また請求項13の発明は、上記の請求項6に記載のプラズマ処理装置で被処理物の表面をプラズマ処理するにあたって、出入口扉13を開いて出入口12からチャンバー1内に被処理物5を導入し、出入口扉13を閉じた後に被処理物5にプラズマ処理を施し、次に、出入口扉13を開いて出入口12から被処理物5を導出することを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
図1はインライン方式でチャンバー1に被処理物5を出し入れするようにしたプラズマ処理装置の実施の形態の一例を示すものである。箱形に形成されるチャンバー1は接合部分にOリング等のパッキンを設けて気密性が高く形成されるものであって、チャンバー1の内部には電極2,3が設けられている。チャンバー1の一方の側面は入口8として形成されており、チャンバー1に設けられる入口扉10によって開閉自在に形成されている。入口扉10は空気圧等で上下駆動されるようにしてあり、上駆動されることにより入口8が開放され、下駆動されることにより入口8が閉塞されるようにしてある。また、チャンバー1の他方の側面は入口8と対向する出口9として形成されており、チャンバー1に設けられる出口扉11によって開閉自在に形成されている。出口扉11は空気圧等で上下駆動されるものであって、上駆動されることにより出口9が開放され、下駆動されることにより出口9が閉塞されるようにしてある。さらに、チャンバー1の上面にはガス供給口21が、チャンバー1の下面にはガス排出口22がそれぞれ設けてある。勿論、ガス供給口21やガス排出口22の位置関係は図1のものに限定されるものではない。
【0024】
チャンバー1はアクリル樹脂等の合成樹脂やステンレス鋼などの金属で形成することができるが、その内面は絶縁材料で形成されていることが望ましい。従ってチャンバー1を金属で形成する場合には、チャンバー1の内面を絶縁材料でコーティングするのが好ましい。絶縁材料としては、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などを例示することができる。さらに、アルミナ(Al2O3)、酸化チタン(チタニアでTiO2)、SiO2、AlN、Si3N、SiC、DLC(ダイヤモンド様炭素皮膜)、チタン酸バリウム、PZT(チタン酸鉛ジルコネート)などの誘電体材質のものを例示することができる。またマグネシア(MgO)単体あるいはマグネシアを含む絶縁材料を用いることもできる。コーティング方法としては、板状に形成した絶縁材料をチャンバー1の内面に接着して密着させる方法、及びアルミナ、チタン酸バリウム、酸化チタン、PZTなどの粉末をプラズマ中で分散させ、チャンバー1の内面に吹き付けるようにするプラズマ溶射法、及びシリカ、酸化スズ、チタニア、ジルコニア、アルミナなどの無機質粉末を溶剤などにより分散し、チャンバー1の内面にスプレーなどで吹き付けて被覆した後、600℃以上の温度で溶融させるいわゆる琺瑯被覆方法、及びゾルゲル法によるガラス質膜の形成方法などを採用することができる。さらに、気相蒸着法(CVD)もしくは物理蒸着法(PVD)によりチャンバー1の内面を絶縁材料でコーティングすることもできる。このようにチャンバー1の内面を絶縁材料で形成することによって、電極2,3とチャンバー1の内面との間で放電が起こらないようにすることができ、電極2,3の間の放電効率を高めることができるものであり、プラズマを効率よく生成することができるものである。
【0025】
電極2,3は、高周波の交流電界が印加され高圧電極となる一方の電極2と、接地電極となる他方の電極3とから対をなすものとして使用されるものであり、各電極2,3の形状は特に制限されるものではなく、平板状に形成して平面同士を対向させて配置する他に、断面角形や、断面円管状に形成したりすることができる。図1の実施の形態では、図2に示すように、一方の電極2をステンレス鋼などの金属で角管パイプ状に形成し、他方の電極2をステンレス鋼などの金属で円管パイプ状に形成するようにしてある。ここで、電極2を角管パイプで形成するにあたって、その角部は4R程度のアールを付け、角部に電界が集中しないようにするのがよい。
【0026】
そして一方の電極2と他方の電極3の少なくとも一方の外周に絶縁材4が設けてある。電極2,3を絶縁材4を介して対向配置させることによって、大気圧下でも電極2,3間に交流電界を印加することで、アーク放電が生じることなく、グロー放電させることができるのである。図2の実施の形態では電極2,3の両方に絶縁材4を設けるようにしてある。絶縁材料4としては特に制限されるものではなく、テトラフルオロエチレン(テフロン)やポリイミドなどの耐熱性の高い合成樹脂や、セラミック、ガラスなどを用いることができる。
【0027】
なかでも、電極2,3の外面にガラス質を融着して被覆層7を設け、この被覆層7で絶縁材4を形成するようにするのが好ましい。ここで、既述の特開平4-358076号公報では、電極2,3の側面に絶縁材4である固体誘電体を設けるにあたって、この固体誘電体として、ガラス、セラミック等の板を使用し、これを電極2,3の表面に配設するようにしている。しかし、ガラス板を電極2,3の表面に配設する場合、ガラス板は薄く形成することが難しく、電極2,3の表面が厚みの厚いガラス板で覆われることになって、均一なグロー放電を安定して発生させることが難しいという問題があり、またセラミック板を電極2,3の表面に配設する場合、セラミック板は大面積に形成することが難しく、電極2,3の大面積化に対応することができないという問題がある。さらにこれらのガラス板やセラミック板はいずれも電極2,3の表面に重ねて配設されるものであるので、密着させることができず、密着していない部分でアーク放電が生じて均一なグロー放電を安定して発生させることが難しいという問題もある。また、上記のようなガラス板やセラミック板を用いる他、セラミックを電極2,3の表面に溶射するという技術も報告されているが、セラミック溶射では層内に小さなピンホールが存在し、そこからアーク放電が発生したり、層自身が破壊したりするおそれがあり、この場合も均一なグロー放電を安定して発生させることが難しいという問題がある。
【0028】
これらに対して本発明のようにガラス質の融着で被覆層7を電極2,3に設けることによって絶縁材4を形成するようにすれば、被覆層7は薄い厚みで形成することが容易になり、均一なグロー放電を安定して発生させることができると共に、電極2,3を大面積に形成しても容易に対応することができ、さらに電極2,3の表面に密着させて被覆層7を形成することができ、均一なグロー放電を安定して発生させることができるものである。また、ガラス質の融着による被覆層7はセラミック溶射の場合のようなピンホールが発生することがなく、均一なグロー放電を安定して発生させることができるものである。
【0029】
ガラス質の融着による被覆層7は、琺瑯を例示することができ、例えば、ガラスハンドブック(朝倉書店、1991.4.10、第12刷、p191〜196)や実用表面改質技術総覧(技術材料研究協会編、1993.3.25初版、p731)などに記載されている方法で琺瑯の被覆層7を形成することができる。具体的には、シリカ、酸化スズ、チタニア、ジルコニア、アルミナ等の無機質粉末を溶剤などに分散させてガラス質材料を調製し、このガラス質材料を電極2,3の表面にスプレー掛けしたり、あるいは電極2,3をガラス質材料にディッピングして浸け掛けすることによって、電極2,3の表面にガラス質材料を被覆し、この後に、480〜1000℃の温度で1〜15分間加熱処理して電極2,3の表面に融着させることによって、電極2,3の表面に被覆層7を形成することができる。
【0030】
また、被覆層7は重ね塗りによって形成するのが好ましい。重ね塗りは次のようにして行うことができる。まず、電極2,3の表面にスプレー掛けや浸け掛けなどでガラス質材料を被覆し、これを480〜1000℃の温度で1〜15分間加熱処理して融着させ、次に融着により形成された層の表面にスプレー掛けや浸け掛けなどでガラス質材料を被覆し、同様に加熱処理して融着させるようにして、ガラス質材料のスプレー掛けや浸け掛けと、ガラス質材料の融着とを交互に複数回(2〜3回)行なって被覆層7を形成することができるものである。このように重ね塗りをすることによって、被覆層7のピンホールを一層少なくすることができ、ピンホールによる電界集中、火花放電、被覆層7の破壊、被処理物5の熱的破損、不均一な放電の発生を確実に防止することができるものである。さらに、被覆層7の表面に平滑性を付与するために、削り工程で切削を施すようにしも良く、このことで、被覆層7のピンホールをより少なくして、電界集中、火花放電、被覆層7の破壊、被処理物5の熱的破損、不均一な放電の発生をさらに確実に防止することができるものである。
【0031】
ここで、被覆層7として形成される絶縁材4は電極2,3の表面に0.1mm〜2mmの厚みで形成するのが好ましい。絶縁材4の厚みが0.1mm未満であれば、絶縁材4の耐電圧が小さく、しかもクラックや剥離が生じやすくなって、均一なグロー放電を安定して発生させることができなくなるおそれがあり、また絶縁材4の厚みが2mmを超えると、逆に耐電圧が大きくなり過ぎて、この場合も均一なグロー放電を安定して発生させることができなくなるおそれがある。
【0032】
また被覆層7として形成される絶縁材4は耐電圧が1kV〜30kVであることが好ましい。絶縁材4の耐電圧が1kV未満であると、放電が発生する前に被覆層7が破壊されてしまうおそれがあり、均一なグロー放電を安定して発生させることができなくなるおそれがある。耐電圧は高いほうが好ましいが、耐電圧を高く得ようとすると絶縁材4の厚みも厚くする必要が生じて、均一なグロー放電を安定して発生させることができなくなるおそれがあるので、耐電圧の上限は30kVに設定されるものである。
【0033】
上記のように外周を絶縁材4の被覆層7で被覆して保護した電極2,3の内部は流路23として形成してあり、図3(a)及び(b)に矢印で示すように、電極2,3の流路23に冷媒を通過させるようにしてある。このように流路23に冷媒を通過させて電極2,3を冷却することによって、大気圧下で周波数の高い交流電界を印加してプラズマを生成させても、電極2,3の温度上昇を抑えることができ、プラズマの温度(ガス温度)が高くならないようにして被処理物5の熱的損傷を少なくすることができるものであり、また電極2,3間の放電空間での局所的な加熱を防ぐことができ、より均質なグロー放電を生成してストリーマー放電の生成を抑え、被処理物5がストリーマー放電によって損傷を受けることをより少なくすることができるものである。
【0034】
この冷媒としては、イオン交換水や純水を使用することができる。イオン交換水や純水を用いることによって、冷媒中に不純物が含まれることがなく、電極2,3が冷媒で腐食されにくくなるものである。また、冷媒としては0℃で不凍性を有し、且つ電気絶縁性及び不燃性や化学安定性を有する液体を用いることができ、例えば、電気絶縁性能は0.1mm間隔での耐電圧が10kV以上であることが好ましい。このような絶縁性を有する冷媒を用いるのが好ましい理由は、高電圧が印加される電極2,3からの漏電を防止するためである。このような性質を有する冷媒としては、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等を例示することができ、また純水にエチレングリコールを5〜60重量%添加した混合液であってもよい。さらに冷媒は空気であってもよい。冷却は電極2,3の両方に行なう必要はなく、電極2,3の少なくとも一方を冷却するようにすればよい。電極2,3の一方を冷却する場合には、高周波の電界を印加する高圧電極2を冷却するのが好ましい。
【0035】
上記のように形成される電極2,3は対をなす一方の電極2と他方の電極3を一対として用い、長手方向を水平にして一方の電極2を上側に他方の電極3を下側に配置して、電極2,3を上下に平行に対向させるようにしてある。図の実施の形態では、角管パイプで幅広に形成される一方の電極2を1本と、円管パイプで形成される他方の電極3を2本の、合計3本で一対として用いるようにしてあり、複数組の電極2,3を、入口8と出口9の対向方向に並ぶようにチャンバー1内に配置してある。電極2,3の上下の間隔(ギャップ)Lは、1〜20mmに設定するのが好ましい。電極2,3の間隔Lが1mm未満であれば、電極2,3の間で短絡が起こって電極2,3間の放電空間で放電が起こらなくなるおそれがあり、しかも、この放電空間が狭くなって効率よくプラズマを生成することが難しくなる恐れがある。また、電極2,3の間隔Lが20mmを超えると、放電空間で放電が起こりにくくなって効率よくプラズマを生成することが難しくなるおそれがある。
【0036】
上側に配置される電極2の両端はチャンバー1の内面に設けたホルダーに固定してある。また下側に配置される電極3は既述のように円管パイプ状に形成されるものであり、その両端部を枢支して回転自在なローラ15として形成してある。本発明では、複数本の電極3が入口8と出口9の対向方向に平行に並ぶように設けられているので、このローラ15として形成される複数本の電極3で、被処理物5を搬送する搬送手段6を形成するようにしているものである。ローラ15として形成される電極3の一方の端部には軸部24が突設してあり、この軸部24はチャンバー1の側壁を貫通してチャンバー1の外側に突出されており、駆動装置16で軸部24を回転させることによって各ローラ15を回転駆動するようにしてある。
【0037】
この駆動装置16はモータ等の駆動源25と、駆動源25の駆動軸26に懸架される無限帯状の駆動ベルト27とから形成されるものであり、図1(b)に示すように、駆動ベルト26はチャンバー1の外側に突出される各軸部24に掛け渡してある。駆動源25を作動させて駆動軸26を回転駆動させることによって、駆動ベルト27を走行させ、この駆動ベルト27の走行によって各駆動軸24を回転させて各ローラ15を同一方向に回転駆動することができるものであり、ローラ15の上に載置された被処理物5を搬送することができるものである。ここで、上記のようにローラ15を駆動させる駆動装置16をチャンバー1の外部に設けることによって、チャンバー1内に駆動装置16を組み込む場合に比べて、チャンバー1を小型化することができるものである。
【0038】
そして一方の電極2に高周波の交流電界を印加して高圧電極とすると共に、他方の電極3は接地して接地電極としてある。ここで、上側に配置される電極2は固定されているので、そのまま電線を接続して通電することができるが、下側に配置される電極3はローラ15として形成されており、回転駆動されるので、そのまま電線を接続して通電することはできない。そこで図4に示すように、電極3の端部に突設した軸部24にブラシ40を当接させ、ブラシ40に接続した電線41と電極3とをブラシ40と軸部24を介して通電させるようにしてある。ブラシ40はガイド筒42内にスライド自在に収容してあって、軸部24の方向へガイド筒42から突出するようにバネ43で付勢されており、このバネ43の付勢力でブラシ40の先端を軸部24の外周に弾接させてある。このようにブラシ40は軸部24に弾接しているので、電極3が回転してもブラシ40は常に軸部24に接触しており、電線41と電極2とをブラシ28と軸部24を介して通電させることができるのである。
【0039】
上記の図1のように形成されるプラズマ処理装置を用いて、回路用基板や液晶用ガラス基板等の被処理物5をプラズマ処理するにあたっては、まず図1(a)の矢印イで示すようにガス供給口21からチャンバー1内にプラズマ生成用ガスを供給しながら、一方の電極2に高周波の交流電界を印加すると共に他方の電極3を接地して、電極2,3の間に交流電界を負荷する。このことで、電極2,3の間の対向空間である放電空間に誘電体である絶縁材4を介してグロー放電が生じ、このグロー放電によりプラズマ生成用ガスからプラズマが生成される。余剰のプラズマ生成用ガスはロ矢印のようにガス排出口22から排出される。そして被処理物5は搬送手段6を形成する電極3の上に配置されており、電極2,3の間をプラズマ生成用ガスが通過する際に生成されたプラズマによって被処理物5の表面を処理することができるものである。
【0040】
ここで、被処理物5を載置する搬送手段6は電極3によって形成されているので、コンベアベルトで搬送手段6を形成する従来例のように、搬送手段6が電極2,3間の障害となって、電極2,3間のグロー放電が不安定になるようなことがなくなり、均質なプラズマを安定して生成させることができると共に、搬送手段6でプラズマを遮断することがなくなって、プラズマを弱めることがなくなり、被処理物5のプラズマ処理を安定して均一に行なうことが可能になるものである。さらに、電極3の間のピッチは短くすることができるものであり、小サイズの被処理物5でも搬送して処理を行なうことが可能になるものである。
【0041】
ここで、プラズマ生成用ガスとしては、不活性ガス(希ガス)あるいは不活性ガスと反応ガスの混合ガスを用いるのが好ましい。このように不活性ガスあるいは不活性ガスと反応ガスの混合ガスを用いることで、例えば、被処理物5の表面に存在する有機物のクリーニングや金属酸化物の還元効果を実現することができる。不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどを使用することができるが、放電の安定性や経済性を考慮すると、アルゴンやヘリウムを用いるのが好ましい。また反応ガスの種類は処理の内容によって任意に選択することができる。例えば、被処理物5の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムのエッチング、LCD(液晶ディスプレイ)の表面クリーニング、ガラス板の表面クリーニングなどを行う場合は、酸素、空気、CO2、N2Oなどの酸化性ガスを用いるのが好ましい。また反応ガスとしてCF4などのフッ素系ガスも適宜用いることができ、シリコンなどのエッチングを行う場合にはこのフッ素系ガスを用いるのが効果的である。また金属酸化物の還元を行う場合は、水素、アンモニアなどの還元性ガスを用いることができる。反応ガスの添加量は不活性ガスの全量に対して10重量%以下、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。反応ガスの添加量が0.1重量%未満であれば、処理効果が低くなる恐れがあり、反応ガスの添加量が10重量%を超えると、放電が不安定になる恐れがある。
【0042】
また、電極2,3間の放電空間に印加される交流電界の周波数は1kHz〜200MHzに設定するのが好ましい。交流電界の周波数が1kHz未満であれば、電極2,3間の放電空間でのグロー放電を安定化させることができなくなり、プラズマ処理を効率よく行うことができなくなるおそれがある。交流電界の周波数が200MHzを超えると、電極2,3間の放電空間でのプラズマの温度上昇が著しくなり、電極2,3の寿命が短くなるおそれがあると共に、プラズマ処理装置が複雑化及び大型化するおそれがある。
【0043】
次に、上記のようにしてプラズマ処理装置で被処理物5をプラズマ処理する際の、被処理物5の搬送について説明する。図5は被処理物5の搬送の手順を示すものであり、上記のようにしてチャンバー1内でプラズマを生成させると共に、駆動装置16を作動させてローラ15として形成される電極3を時計回りに回転駆動させ、そして図5(a)に示すように、入口扉10を上動駆動させてチャンバー1の入口8を開放し、入口8からチャンバー1内に被処理物5を導入する。チャンバー1内に導入された被処理物5は電極3の上に載せられ、電極3の回転駆動により被処理物5は電極2の下方へ搬送される。このように被処理物5がチャンバー1内に収まると、図5(b)に示すように、入口扉10を下動駆動させてチャンバー1の入口8を閉塞し、チャンバー1内を密閉する。そして、図5(c)に示すように、チャンバー1内に導入された被処理物5は電極3で搬送されながら電極2の下方を通過して連続的にプラズマ処理される。この後、被処理物5が出口9に近づくと、図5(d)に示すように、出口扉11を上動駆動させてチャンバー1の出口9を開放し、図5(e)に示すように、チャンバー1の出口9からプラズマ処理された被処理物5を電極3の回転駆動により導出する。この操作を繰り返すことによって、複数枚の被処理物5を連続的に搬送しながらプラズマ処理することができるものである。
【0044】
また、被処理物5の搬送は次のような手順によって行なうこともできる。すなわちまず図5(a)に示すように、入口扉10を上動駆動させてチャンバー1の入口8を開放し、入口8からチャンバー1内に被処理物5を導入する。チャンバー1内に導入された被処理物5はローラ15として形成される電極3の上に載せられ、電極3の回転駆動によりチャンバー1内の略中央部に搬送される。このように処理物5がチャンバー1内の略中央部にまで搬送されると、駆動装置16を停止させることにより電極3の回転駆動を停止し、次に図5(b)に示すように、入口扉10を下動駆動させてチャンバー1の入口8を閉塞してチャンバー1内を密閉する。この状態で、図5(c)で示すように、所定の時間だけ被処理物5をチャンバー1内に停止させて被処理物5にプラズマ処理を施す。次に、図5(d)に示すように、出口扉11を上動駆動させてチャンバー1の出口9を開放する。次に、駆動装置16を再度作動させることにより電極3を時計回りに回転駆動させて被処理物5の搬送を再開し、図5(e)に示すように、チャンバー1の出口9からプラズマ処理された被処理物5を導出する。この操作を繰り返して被処理物5をプラズマ処理装置に順次供給していくことによって、複数枚の被処理物5に連続的にプラズマ処理を施すことができる。
【0045】
ここで、ローラ15として形成される電極3からなる搬送手段6は、チャンバー1内のみに設けるようにしているので、搬送手段6がチャンバー1の外方へ大きく突出することがなく、プラズマ処理装置を小型化することが可能になるものである。また、チャンバー1内への被処理物5の導入時とチャンバー1外への被処理物5の導出時のみに入口8及び出口9を開状態にし、プラズマ処理時には入口8及び出口9を閉状態にすることができるので、チャンバー1からのプラズマ生成用ガスの無駄な流出を最小限に止めることができ、プラズマ生成用ガスを効率よく利用することができるものである。
【0046】
図6はシャトル方式でチャンバー1に被処理物5を出し入れするようにしたプラズマ処理装置の実施の形態の一例を示すものである。図1とほぼ同様に形成されるチャンバー1の一方の側面は出入口12として形成されており、チャンバー1に設けられる出入口扉13によって、出入口12は開閉自在に形成されている。すなわち、出入口扉13は空気圧等で上下駆動されるものであって、上駆動されることにより出入口12が開放され、下駆動されることにより出入口12が閉塞されるのである。チャンバー1の他方の側面は閉じられている。また、チャンバー1の内部には図1と同様の電極2,3が設けられていると共に、図1と同様にローラ15として形成される電極3で搬送手段6が構成されるようにしてあり、さらにチャンバー1の外部には図1と同様の駆動装置16が設けられている。そしてこのプラズマ処理装置にあっても、既述と同様にしてチャンバー1内で被処理物5をプラズマ処理することができる。
【0047】
次に、図6のプラズマ処理装置で被処理物5をプラズマ処理する際の、被処理物5の搬送について説明する。図7は被処理物5の搬送の手順を示すものであり、まず駆動装置16を作動させることによりローラ15として形成される電極3を時計回りに回転駆動させると共に、図7(a)に示すように、出入口扉13を上動駆動させてチャンバー1の出入口12を開放し、出入口12からチャンバー1内に被処理物5を導入する。チャンバー1内に導入された被処理物5は電極3の上に載せられ、電極3の回転駆動により電極2の下方へ搬送される。また、被処理物5がチャンバー1内に収まると、図7(b)に示すように、出入口扉13を下動駆動させてチャンバー1の出入口12を閉塞してチャンバー1内を密閉する。そして、図7(c)に示すように、チャンバー1内に導入された被処理物5は電極3で出入口12と反対側に向かって搬送されながら連続的にプラズマ処理される。この後、被処理物5が出入口12と反対側に近づくと、駆動装置16の作動を反転に切り替えて電極3を反時計回りに回転駆動させることによって被処理物5を出入口12の側に向かって搬送する。このように被処理物5を出入口12側に向かって搬送しているときには、被処理物5にプラズマ処理を行なっても良いし、行なわないようにしても良い。そして被処理物5が出入口12に近づくと、図7(d)に示すように、出入口扉13を上動駆動させてチャンバー1の出入口12を開放し、プラズマ処理された被処理物5を電極3の回転駆動により導出する。この操作を繰り返すことによって、複数枚の被処理物5を連続的に搬送しながらプラズマ処理することができるものである。
【0048】
また、被処理物5の搬送は次のような手順によって行なうこともできる。すなわちまず駆動装置16を作動させることによりローラ15として形成される電極3を時計回りに回転駆動させると共に、図7(a)に示すように、出入口扉13を上動駆動させてチャンバー1の出入口12を開放し、出入口12からチャンバー1内に被処理物5を導入する。チャンバー1内に導入された被処理物5は電極3の上に載せられ、電極3の回転駆動によりチャンバー1内の略中央部に搬送される。このように被処理物5がチャンバー1内の略中央部に搬送されると、駆動装置16の作動を停止させて電極3の回転駆動を停止する。次に、図7(b)に示すように、出入口扉13を下動駆動させてチャンバー1の出入口12を閉塞してチャンバー1内を密閉する。そして図7(c)で示すように、所定の時間だけ被処理物5をチャンバー1内に停止させて被処理物5にプラズマ処理を施す。この後、図7(d)に示すように、出入口扉13を上動駆動させてチャンバー1の出入口12を開放し、次に駆動装置16を反転作動させることにより電極3を反時計回りに回転駆動させて被処理物5の搬送を再開し、チャンバー1の出入口12からプラズマ処理された被処理物5を導出する。この操作を繰り返して被処理物5をプラズマ処理装置に順次供給していくことによって、複数枚の被処理物5に連続的にプラズマ処理を施すことができる。
【0049】
このものでは、チャンバー1内への被処理物5の導入時とチャンバー1外への被処理物5の導出時のみに出入口12を開状態にし、プラズマ処理時には出入口12を閉状態にすることによって、チャンバー1からのプラズマ生成用ガスの無駄な流出を最小限に止めることができ、プラズマ生成用ガスを効率よく利用することができるものである。また、駆動装置16でローラ15として形成される電極3を正転と反転の両方の回転駆動ができるようにし、電極3の正転により出入口12からチャンバー1内に被処理物5を導入すると共に電極3の反転により出入口12からチャンバー1外へ被処理物5を導出することによって、出入口12を設けた方のみからチャンバー1への被処理物5の導入及びチャンバー1からの被処理物5の導出を行うことができ、被処理物5の導入や導出のためにチャンバー1の周りに必要となるスペースを小さくすることが可能になり、省スペース化を図ることができるものである。
【0050】
図8はプラズマ処理装置の実施の形態の一例を示すものである。このプラズマ処理装置のチャンバー1は上記と同様に箱形に形成されるものであって、チャンバー1の一方の側壁31には略水平に長いスリット状の入口8が形成してあると共にチャンバー1の他方の側壁32には略水平に長いスリット状の出口9が入口8と対向するように形成してある。また、チャンバー1の一方の側壁31の外側と他方の側壁32の外側にはそれぞれ緩和室14が一体に形成してある。一方の側壁31の外側の緩和室14は入口8を囲う導入側緩和室14aとして形成されるものであって、チャンバー1の一方の側壁31と対向する導入側緩和室14aの側壁33には、略水平に長いスリット状の緩和室導入口34が入口8と対向させて形成してある。他方の側壁32の外側の緩和室14は出口9を囲う導出側緩和室14bとして形成されるものであって、チャンバー1の他方の側壁32と対向する導出側緩和室14bの側壁35には、略水平に長いスリット状の緩和室導出口36が出口9と対向させて形成してある。
【0051】
チャンバー1の内部には図1と同様の電極2,3が設けてあると共に、図1と同様にローラ15として形成される電極3で搬送手段6が構成されるようにしてあり、さらにチャンバー1の外部には図1と同様の駆動装置16が設けてある。また、導入側緩和室14aや導出側緩和室14b内には駆動装置16で回転駆動されるローラ28が設けてある。そしてこのプラズマ処理装置にあっても、既述と同様にしてチャンバー1内で被処理物5をプラズマ処理することができる。
【0052】
次に、図8のプラズマ処理装置で被処理物5をプラズマ処理する際の、被処理物5の搬送について説明する。図9は被処理物5の搬送の手順を示すものであり、駆動装置16を作動させることによりローラ15として形成される電極3を時計回りに回転駆動させると共に、図9(a)に示すように、緩和室導入口34及び入口8からチャンバー1内に被処理物5を導入する。チャンバー1内に導入された被処理物5はローラ28及び電極3の上に載せられ、ローラ28及び電極3の回転駆動により電極2の下方へ搬送される。そして、図9(b)に示すように、チャンバー1内に導入された被処理物5は電極3で搬送されながら電極2の下方を通過して連続的にプラズマ処理される。この後、図9(c)に示すように、出口9及び緩和室導出口36からプラズマ処理された被処理物5をローラ28及び電極3の回転駆動により導出する。このようにして被処理物5をプラズマ処理装置に供給していくことによって、複数枚の被処理物5に連続的にプラズマ処理を施すことができる。この操作を繰り返すことによって、複数枚の被処理物5を連続的に搬送しながらプラズマ処理することができるものである。
【0053】
また、被処理物5の搬送は次のような手順によって行なうこともできる。すなわちまず駆動装置16を作動させることによりローラ15として形成される電極3を時計回りに回転駆動させると共に、図9(a)に示すように緩和室導入口34及び入口8からチャンバー1内に被処理物5を導入する。チャンバー1内に導入された被処理物5はローラ28及び電極3の上に載せられ、チャンバー1内の略中央部に搬送される。このように被処理物5がチャンバー1内の略中央部に搬送されると、図9(b)に示すように、駆動装置16の作動を停止させて電極3の回転駆動を停止する。そして所定の時間だけ被処理物5をチャンバー1内に停止させて被処理物5にプラズマ処理を施す。次に、駆動装置16を再度作動させて電極3を時計回りに回転駆動させることによって被処理物5の搬送を再開し、図9(c)に示すように、出口9及び緩和室導出口36からプラズマ処理された被処理物5を導出する。この操作を繰り返して被処理物5をプラズマ処理装置に順次供給していくことによって、複数枚の被処理物5に連続的にプラズマ処理を施すことができる。
【0054】
この実施の形態では、チャンバー1の入口8及び出口9を常時開口しているスリット状に形成しているので、入口8及び出口9を開閉するための扉や扉を開閉動作させる機構が不要であり、構造を簡素化することができるものである。また、入口8や出口9を囲うように緩和室14を設けてあるので、入口8や出口9を通してチャンバー1内からプラズマ生成用ガスが流出しても、緩和室14内に留められて外気に放散することがなく、チャンバー1から流出して放散されるプラズマ生成用ガスの量を少なくすることができるものであり、また外部の空気は、一旦、緩和室14に留められてから入口8や出口9を通じてチャンバー1へ流入するものであって、入口8や出口9からチャンバー1内へ直接流入することがなく、入口8や出口9からチャンバー1内へ流入する空気の量を少なくすることができるものである。従って、この緩和室14によるプラズマ生成用ガスの流出及び外気の流入の緩和作用によって、入口8及び出口9が常時開口していても、チャンバー1内のプラズマ生成用ガスの濃度を略一定に保つことができ、均質なプラズマを安定して生成することができると共にチャンバー1からのプラズマ生成用ガスの無駄な流出を最小限に止めることができてプラズマ生成用ガスを効率よく利用することができるものである。
【0055】
尚、上記の各実施の形態では、搬送手段6を形成する電極3を回転駆動されるローラ15として形成するようにしたが、このようなローラ15による搬送方式のみに限定されるものではなく、例えば電極3に一定方向に微振動を与えて、この振動で電極3の上の被処理物5を搬送するようにしてもよい。また、搬送手段6を形成するこの電極3の外周に設けられる絶縁材4としては、被処理物5の硬度より低いものを用いるのが好ましい。このように電極3の外周の絶縁材4の硬度が被処理物5の硬度より低いと、電極3で被処理物5を搬送する際に両者間に摩擦がかかっても、被処理物5が傷付けられるようなことを未然に防ぐことができるものである。そしてこのように電極3の外周の絶縁材4の硬度が低いと、一般的に摩擦係数が大きくなって、被処理物5の搬送の確実性が高まるものである。
【0056】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0057】
(実施例1)
本実施例で使用するプラズマ処理装置の概略を図1に示す。チャンバー1は長さ520mm×幅352mm×高さ200mmのアクリル樹脂板製のものを用い、接合部分の総てをOリング等のパッキンで気密性を保った。またチャンバー1の一方の側面を入口8、他方の側面を出口9として形成し、空圧式の開閉機構を有する入口扉10と出口扉11を取り付けた。
【0058】
高圧側の電極2は幅32mm×高さ16mm×長さ400mmのSUS304の角パイプで形成し、表面に厚み0.5mmの琺瑯で被覆層7を形成した。また接地側の電極3は直径14mm×長さ400mmのSUS304の円パイプで形成し、表面に厚み0.5mmの琺瑯で被覆層7を形成した。被覆層7の形成は、シリカとアルミナの粉末を溶剤に分散して調製したガラス質材料をスプレーガンで電極2,3の表面に塗布し、これを約850℃で10分間溶融して焼き付け、融着させることによって行なった。また各電極2,3内の流路23にポンプによって純水を循環させて冷却した。
【0059】
そして高圧側の電極2を1個に対して、その下方に接地側の電極3を2個対向させ、これを一組として三組、チャンバー1内に取り付けた。電極2,3の間の上下の間隔Lは5mmである。この下側に配置される各電極3は回転自在なロール15として形成してあり、チャンバー1の外部に設けた駆動装置16のゴムベルトで形成される駆動ベルト27でローラ15を回転駆動するようにした。
【0060】
プラズマ生成用ガスは、ヘリウムを3L/min、アルゴンを1L/min、酸素を80cc/minの割合で混合してガス供給口21からチャンバー18内に供給し、また電極2,3間の放電空間に印加電力が350Wで、13.56MHzの高周波交流電界を印加し、プラズマを発生させた。
【0061】
そして被処理物5として、ネガ型レジストを1μm厚で塗布した直径100mmのシリコン基板を用い、これを2mm厚の300mm×300mmのガラス台に3個乗せ、電極3の上に配置し、被処理物5にプラズマを約20秒間供給してプラズマ処理した。このとき、被処理物5は図5に示すようにしてチャンバー1への搬入及び搬出を行ない、3mm/秒の速度で搬送した。
【0062】
このプラズマ処理の結果、各被処理物5のネガ型レジストをそれぞれ極めて均一な形状にエッチングすることができ、またXPS分析の結果、レジスト以外の不純物はほとんど検出されなかった。
【0063】
(実施例2)
本実施例で使用するプラズマ処理装置の概略を図6に示す。このものではチャンバー1の一方の側面を出入口12として形成し、空圧式の開閉機構を有する出入口扉13を取り付けた。その他は実施例1と同様の構成に形成した。そして実施例1と同様にして被処理物5をプラズマ処理した。このとき、被処理物5は図7に示すようにしてチャンバー1への搬入及び搬出を行なった。
【0064】
このプラズマ処理の結果、各被処理物5のネガ型レジストをそれぞれ極めて均一な形状にエッチングすることができ、またXPS分析の結果、レジスト以外の不純物はほとんど検出されなかった。
【0065】
(実施例3)
本実施例で使用するプラズマ処理装置の概略を図8に示す。このものではチャンバー1の一方の側面に高さ5mm×幅350mmのスリット状の入口8を、他方の側面に同じ大きさのスリット用の出口9を形成した。さらに入口8の外側に導入側緩和室14aを設けて入口8と対向する位置において入口8と同じ大きさの緩和室導入口34を形成し、出口9の外側に導出側緩和室14bを設けて出口9と対向する位置において出口9と同じ大きさの緩和室導出口36を形成した。その他は実施例1と同様の構成に形成した。そして実施例1と同様にして被処理物5をプラズマ処理した。このとき、被処理物5は図9に示すようにしてチャンバー1への搬入及び搬出を行なった。
【0066】
このプラズマ処理の結果、各被処理物5のネガ型レジストをそれぞれ極めて均一な形状にエッチングすることができ、またXPS分析の結果、レジスト以外の不純物はほとんど検出されなかった。
【0067】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係るプラズマ処理装置は、少なくとも一対の電極をチャンバー内に互いに上下に対向して配設すると共に対をなす電極の少なくとも一方の表面に絶縁材を設け、電極間にプラズマ生成用ガスを供給すると共に、対をなす電極間に電界を負荷して大気圧下でグロー放電を発生させることによって、このグロー放電でプラズマ生成用ガスからプラズマを生成させ、搬送手段で対をなす電極間に導入して搬送される被処理物の表面をこのプラズマで処理するようにしたプラズマ処理装置において、被処理物を搬送する搬送手段を上下に対向して配設される対をなす電極のうち下側に配置される電極で形成するようにしたので、電極で形成される搬送手段はチャンバー内に収められているものであって、搬送手段がチャンバーの外方へ大きく突出するということがなく、プラズマ処理装置を小型化することが可能になるものである。また、コンベアベルトで搬送手段を形成する場合のように搬送手段が電極間の障害となって、電極間のグロー放電が不安定になるようなことがなくなり、均質なプラズマを安定して生成させることができると共に、搬送手段でプラズマを遮断することがなくなって、プラズマを弱めることがなくなり、被処理物のプラズマ処理を安定して均一に行なうことが可能になるものである。さらに、搬送手段を構成する電極のピッチは短くすることができるものであり、小サイズの被処理物でも搬送して処理を行なうことが可能になるものである。
【0068】
また、搬送手段となる電極を回転駆動されるローラによって形成したので、ローラとして形成される電極で被処理物をスムーズに搬送することができるものであり、さらにローラを回転駆動させる駆動装置をチャンバーの外部に設けたので、駆動装置をチャンバー内に納める必要が無くなって、チャンバーを小型化することができるものである。
【0069】
また請求項2の発明は、電極に冷媒を循環させるようにしたので、電極の温度上昇を抑えて被処理物の熱的損傷を少なくすることができると共に、電極間の放電空間での局所的な加熱を防いでストリーマー放電の生成を抑えることができ、被処理物がストリーマー放電によって損傷を受けることをより少なくすることができるものである。
【0070】
また請求項3の発明は、上記絶縁材を電極の表面にガラス質の融着で設けた被覆層で形成したので、被覆層をガラス質の融着で薄い厚みに形成することが容易になると共に電極の表面に密着させて被覆層を形成することができ、さらには被覆層にピンホールが発生することがなく、均一なグロー放電を安定して発生させることができるものであって、被処理物のプラズマ処理を安定して均一に行なうことが可能になるものである。
【0071】
また請求項4の発明は、搬送手段となる電極の表面の絶縁材が、被処理物よりも硬度の低い材料であるので、電極で被処理物を搬送する際に両者間に摩擦がかかっても、被処理物が傷付けられるようなことを未然に防ぐことができ、またプラズマ処理を効率良く行なうことができるものである。
【0072】
また請求項5の発明は、被処理物をチャンバー内に導入するための入口と、チャンバー内の被処理物を導出するための出口をそれぞれチャンバーに設け、入口に入口を開閉する入口扉を設けると共に出口に出口を開閉する出口扉を設けてあるので、チャンバー内への被処理物の導入時とチャンバー外への被処理物の導出時のみに入口及び出口を開状態にし、プラズマ処理時には入口及び出口を入口扉及び出口扉で閉状態にすることによって、チャンバーからのプラズマ生成用ガスの無駄な流出を最小限に止めることができ、プラズマ生成用ガスを効率よく利用することができるものである。
【0073】
また請求項6の発明は、チャンバー内への被処理物の導入及びチャンバー内からの被処理物の導出を行なうための出入口をチャンバーに設け、出入口に出入口を開閉する出入口扉を設けてあるので、チャンバー内への被処理物の導入時とチャンバー外への被処理物の導出時のみに出入口を開状態にし、プラズマ処理時には出入口を出入口扉で閉状態にすることによって、チャンバーからのプラズマ生成用ガスの無駄な流出を最小限に止めることができ、プラズマ生成用ガスを効率よく利用することができるものである。しかも、出入口を設けた方のみからチャンバーへの被処理物の導入及びチャンバーからの被処理物の導出を行うことができ、プラズマ処理の際にチャンバーの周りに必要なスペースを小さくして省スペース化を図ることができるものである。
【0074】
また請求項7の発明は、被処理物をチャンバー内に導入するための入口と、チャンバー内の被処理物を導出するための出口をそれぞれチャンバーに設け、入口と出口をそれぞれスリット状に形成したので、入口及び出口を開閉するための扉や扉を開閉動作させる機構が不要であり、構造を簡素化することができるものである。しかも入口及び出口はスリット状で開口面積が小さく、プラズマ生成用ガスの無駄な流出を最小限に止めることができ、プラズマ生成用ガスを効率よく利用することができるものである。
【0075】
また請求項8の発明は、チャンバーの入口と出口の外側に、チャンバー内のプラズマ生成用ガスの流出及び外気のチャンバー内への流入を緩和するための緩和室を設けたので、緩和室によるプラズマ生成用ガスの流出及び外気の流入の緩和作用によって、入口及び出口が常時開放していても、チャンバー内のプラズマ生成用ガスの濃度を略一定に保つことができて均質なプラズマを安定して生成することができると共にチャンバーからのプラズマ生成用ガスの無駄な流出を最小限に止めることができてプラズマ生成用ガスを効率よく利用することができるものである。
【0076】
また請求項9の発明は、チャンバーの内面を絶縁材料で形成したので、電極とチャンバーの内面との間で放電が起こらないようにすることができ、高圧電極と接地電極の間の放電効率を高めることができるものであり、プラズマを効率よく生成することができるものである。
【0078】
また請求項10の発明は、プラズマ生成用ガスは不活性ガスあるいは不活性ガスと反応ガスの混合ガスであるので、安定したグロー放電を発生させることができ、均質なプラズマを安定して生成することができるものである。
【0079】
本発明の請求項11に係るプラズマ処理方法は、上記の請求項1乃至10のいずれかに記載のプラズマ処理装置で被処理物の表面をプラズマ処理するようにしたので、均質で安定して発生するプラズマで、被処理物の表面を効率良く均一に処理することができるものである。
【0080】
また請求項12の発明は、上記の請求項5に記載のプラズマ処理装置で被処理物の表面をプラズマ処理するにあたって、入口扉を開いて入口からチャンバー内に被処理物を導入し、入口扉を閉じた後に被処理物にプラズマ処理を施し、次に、出口扉を開いて出口から被処理物を導出するようにしたので、被処理物をチャンバーに連続的に供給して処理することができ、プラズマ処理を効率よく行うことができるものである。
【0081】
また請求項13の発明は、上記の請求項6に記載のプラズマ処理装置で被処理物の表面をプラズマ処理するにあたって、出入口扉を開いて出入口からチャンバー内に被処理物を導入し、出入口扉を閉じた後に被処理物にプラズマ処理を施し、次に、出入口扉を開いて出入口から被処理物を導出するようにしたので、被処理物をチャンバーに連続的に供給して処理することができ、プラズマ処理を効率よく行うことができるものである。また出入口を設けた方のみからチャンバーへの被処理物の導入及びチャンバーからの被処理物の導出を行うことができ、被処理物の取り扱いが容易になるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は断面図、(b)は正面図である。
【図2】同上の電極の拡大断面図である。
【図3】同上の電極を示すものであり、(a),(b)は平面図である。
【図4】同上の電極への通電の構成を示す断面図である。
【図5】同上の実施形態における被処理物の搬送の手順を示すものであり、(a)乃至(e)はそれぞれ断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の他の一例を示す断面図である。
【図7】同上の実施形態における被処理物の搬送の手順を示すものであり、(a)乃至(d)はそれぞれ断面図である。
【図8】本発明の実施の形態の他の一例を示すものであり、(a)は断面図、(b)は側面図である。
【図9】同上の実施形態における被処理物の搬送の手順を示すものであり、(a)乃至(c)はそれぞれ断面図である。
【図10】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 チャンバー
2 電極
3 電極
4 絶縁材
5 被処理物
6 搬送手段
7 被覆層
8 入口
9 出口
10 入口扉
11 出口扉
12 出入口
13 出入口扉
14 緩和室
15 ローラ
16 駆動装置
Claims (13)
- 少なくとも一対の電極をチャンバー内に互いに上下に対向して配設すると共に対をなす電極の少なくとも一方の表面に絶縁材を設け、電極間にプラズマ生成用ガスを供給すると共に、対をなす電極間に電界を負荷して大気圧下でグロー放電を発生させることによって、このグロー放電でプラズマ生成用ガスからプラズマを生成させ、搬送手段で対をなす電極間に導入して搬送される被処理物の表面をこのプラズマで処理するようにしたプラズマ処理装置において、被処理物を搬送する搬送手段を上下に対向して配設される電極のうち下側に配置される電極で形成し、搬送手段となる電極を回転駆動されるローラによって形成すると共に、被処理物が導入、導出される入口、出口の方向に並ぶように複数本のローラを設けて、ローラ上に載置された被処理物を搬送するようにし、ローラの端部に突設される軸部を回転させることによってローラを回転駆動させる駆動装置をチャンバーの外部に設け、この軸部にブラシを弾接させてブラシと軸部を介してローラで形成される電極に通電させるようにして成ることを特徴とするプラズマ処理装置。
- 電極に冷媒を循環させて成ることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 上記絶縁材を電極の表面にガラス質の融着で設けた被覆層で形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
- 搬送手段となる電極の表面の絶縁材が、被処理物よりも硬度の低い材料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 被処理物をチャンバー内に導入するための入口と、チャンバー内の被処理物を導出するための出口をそれぞれチャンバーに設け、入口に入口を開閉する入口扉を設けると共に出口に出口を開閉する出口扉を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- チャンバー内への被処理物の導入及びチャンバー内からの被処理物の導出を行なうための出入口をチャンバーに設け、出入口に出入口を開閉する出入口扉を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 被処理物をチャンバー内に導入するための入口と、チャンバー内の被処理物を導出するための出口をそれぞれチャンバーに設け、入口と出口をそれぞれスリット状に形成して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- チャンバーの入口と出口の外側に、チャンバー内のプラズマ生成用ガスの流出及び外気のチャンバー内への流入を緩和するための緩和室を設けて成ることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- チャンバーの内面を絶縁材料で形成して成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- プラズマ生成用ガスは不活性ガスあるいは不活性ガスと反応ガスの混合ガスであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載のプラズマ処理装置で被処理物の表面をプラズマ処理することを特徴とするプラズマ処理方法。
- 請求項5に記載のプラズマ処理装置で被処理物の表面をプラズマ処理するにあたって、入口扉を開いて入口からチャンバー内に被処理物を導入し、入口扉を閉じた後に被処理物にプラズマ処理を施し、次に、出口扉を開いて出口から被処理物を導出することを特徴とするプラズマ処理方法。
- 請求項6に記載のプラズマ処理装置で被処理物の表面をプラズマ処理するにあたって、出入口扉を開いて出入口からチャンバー内に被処理物を導入し、出入口扉を閉じた後に被処理物にプラズマ処理を施し、次に、出入口扉を開いて出入口から被処理物を導出することを特徴とするプラズマ処理方法。
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