JP2004207145A - 放電プラズマ処理装置 - Google Patents

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毅之 大野
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Abstract

【課題】リモート方式の放電プラズマ処理装置に用いられる放電電極において、放電時における電極本体の撓みをなくす。
【解決手段】互いに対向する一対の電極本体2,3間に、ガスの通過が可能な連通孔を有する多孔質誘電体4を挟み、その多孔質誘電体4をガス流路兼プラズマ発生空間とすることにより、放電プラズマを発生するのに必要なガス流量を実現しながら、放電時において電極本体2,3間に作用するクーロン力による電極本体2,3の撓みを防止する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電プラズマを利用して被処理体を処理する放電プラズマ処理装置に関し、特に、リモート方式の放電プラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、放電プラズマを用いて被処理体の処理を行う処理装置として、上部電極と下部電極からなる平行平板型の対向電極を反応槽内に配置し、その対向電極間に基板を配置した状態で、反応槽内に放電処理用ガスを導入しながら、対向電極間に電圧を印加することにより放電プラズマを発生させ、その発生プラズマにて被処理体を処理するダイレクト方式の放電プラズマ処理装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
また、他の処理装置として、被処理体を放電空間中に配置するのではなく、被処理体を放電空間外に配置し、放電空間からのプラズマを被処理体に吹き付けるリモート方式の放電プラズマ処理装置が提案されている。
【0004】
その具体的な装置として、例えば外側電極を備えた筒状の反応管の内部に内側電極を配置し、その反応管と内側電極との間に反応ガス等を導入するとともに、外側電極と内側電極との間に交流電界を印加することによりグロー放電を発生させ、反応管からプラズマジェットを吹き出して被処理体に吹き付ける放電プラズマ処理装置が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。また、平行平板型の対向電極間に電界を印加することにより発生させた放電プラズマを被処理体の表面に導いて処理を行う放電プラズマ処理装置が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
【0005】
放電プラズマを発生させる放電電極として、銅やステンレス等の金属単体のもの、あるいは金属電極の表面に固体誘電体を設けたものがあり、電極表面に固体誘電体を設けた場合、放電プラズマを安定して発生させることができる。その固体誘電体としては酸化アルミニウムなどが使用されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−2149号公報
【特許文献2】
特開平7−85997号公報
【特許文献3】
特開平11−251304号公報
【特許文献4】
特開平11−260597号公報
【特許文献5】
特開平11−335868号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、放電プラズマ処理装置に用いられる従来の放電電極(対向電極)は、一対の電極を一定間隔の空間(放電空間)をあけて配置した構造となっているので、放電時に電極間にかかるクーロン力によって、電極同士が互いに引きつけられて、各電極に撓みが生じる。このような電極撓みを防止するには、電極を保持する部分に大掛かりな高剛性構造が必要であるため、放電電極部が大型になるという問題がある。
【0008】
本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、放電時における電極の撓みが少ない構造の放電電極を備えたリモート方式の放電プラズマ処理装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の放電プラズマ処理装置は、互いに対向する一対の電極と、ガスの通過が可能な連通孔を有する多孔質誘電体と、前記一対の電極間に電界を印加する電源を備え、前記多孔質誘電体が前記一対の電極間に挟み込まれてなり、放電処理用ガスが前記多孔質誘電体を通過して被処理体に接触するようになされていることによって特徴づけられる。
【0010】
本発明の放電プラズマ処理装置においては、一対の電極間に設けた多孔質誘電体がガス流路兼プラズマ発生空間となり、電極間に電界を印加することにより放電プラズマが発生する。
【0011】
しかも、一対の電極間に多孔質誘電体を挟み込んでいるので、放電時において電極間にかかるクーロン力に抗することができ、電極が撓むことを防止することができる。これにより、電極を保持する部分の構造を、従来のように高剛性構造とする必要がなくなり、放電電極部の小型化を達成できる。また、一対の電極間に多孔質誘電体を設けることにより、電極間(放電部分)でのガス流れを均一にすることが可能となり、安定した放電プラズマを発生させることができる。
【0012】
本発明の放電プラズマ処理装置において、一対の電極の少なくとも一方の放電面(電極対向面)と多孔質誘電体との間に、ガスの通過が不可能な固体誘電体、例えば非多孔質の誘電体、連通孔でない多孔質の誘電体、または、実質的にガスが通過できない程度の多孔質の誘電体を設けておいてもよい。
【0013】
前記ガスの通過が不可能な固体誘電体としては、板状のものが好ましい。このように板状の固体誘電体(誘電体プレート)と多孔質誘電体を組み合わせて用いることにより、多孔質誘電体単独で用いるよりも放電の安定性が向上する。また、誘電体プレートの固定方法においては、電極と多孔質誘電体との間に誘電体プレートを挟み込むだけで固定することができるので、従来のような接着・溶射法等の固定法を採らなくて済み、固体誘電体の固定作業が簡単になる。また、固体誘電体が劣化・損傷したときには誘電体プレートを交換するだけでよいので、メンテナンスも簡単になる。
【0014】
次に、本発明の詳細を説明する。
【0015】
まず、本発明の放電プラズマ処理装置は、どのような圧力下の処理であってもよいが、常圧放電プラズマ処理、特に大気圧近傍下の圧力下での処理に適している。なお、大気圧近傍の圧力下とは、1.333×104〜10.664×104Paの圧力下を指す。中でも、圧力調整が容易で、装置構成が簡便になる9.331×104〜10.397×104Paの範囲である。
【0016】
本発明に用いる電極の材質としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間化合物等などが挙げられる。また、電極は、電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、電極間距離(放電ギャップ)が一定となるように配置することが好ましい。この条件を満たす電極構造としては、例えば平行平板型の構造などが挙げられる。
【0017】
本発明において、一対の電極間の距離(放電空間の厚み)は、多孔質誘電体の厚みに等しく、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的、さらに電極の放電面(電極対向面)に固体誘電体を設ける場合はその固体誘電体の厚さ等を考慮して適宜決定されるが、0.1〜5mmであることが好ましく、さらに好ましくは、放電が安定しやすい0.5〜3mmの間隔である。
【0018】
本発明において一対の電極間に挟み込む多孔質誘電体の材料は、特に限定されず、例えば、Al23、BaTiO3等のセラミックス、石英、硼珪酸ガラス等のガラス、あるいはPTFE、PV等の樹脂などが挙げられる。セラミックのより具体的な例としては、例えば、黒崎播磨株式会社製の「セラミックフォーム#20」を挙げることができる。
【0019】
多孔質誘電体の空孔率は、ガスが通過できるのであれば、特に限定されるものではないが、空孔率があまり小さいと、放電プラズマを発生するのに必要なガス流量を実現することができず、空孔率があまりに大きいと、下記の圧縮強度を実現できない。
【0020】
また、多孔質誘電体の圧力損失は、例えば、流速5m/sで5N/cm2程度以下であることが好ましく、このような圧力損失であると、常用圧力30〜50N/cm2程度で運用することができるので都合がよい。
【0021】
さらに、多孔質誘電体の圧縮強度については、数百N/cm2程度であることが好ましい。このような圧縮強度の多孔質誘電体を用いると、放電時に電極間にかかるクーロン力に十分に抗することができる(具体的な数値例については後述する)。
【0022】
本発明に用いるガスの通過が不可能な固体誘電体の材質としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、チタン酸バリウム等の複酸化物等が挙げられる。
【0023】
また、固体誘電体は、比誘電率が2以上(25℃環境下、以下同じ)であることが好ましい。比誘電率が2以上の固体誘電体の具体例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス、金属酸化膜等を挙げることができる。さらに、高密度の放電プラズマを安定して発生させるためには、比誘電率が10以上の固体誘電体を用いることが好ましい。比誘電率の上限は、特に限定されるものではないが、現実の材料では18500程度のものが知られている。上記比誘電率が10以上である固体誘電体としては、例えば、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化アルミニウム50〜95重量%で混合された金属酸化物被膜、または、酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物被膜からなるものを挙げることができる。
【0024】
固体誘電体の形状は、シート状もしくはフィルム状のいずれであってもよいし、板状のもの(誘電体プレート)であってもよい。また、固体誘電体は、溶射法等にて電極の表面にコーティングされた膜であってもよい。固体誘電体の厚みは、0.01〜4mmであることが好ましい。固体誘電体の厚みが厚すぎると放電プラズマを発生するのに高電圧を要することがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁破壊が起こり、アーク放電が発生することがある。
【0025】
本発明において、一対の電極間には、高周波、パルス波、マイクロ波等の電界が印加され、プラズマを発生させるが、パルス電界を印加することが好ましく、特に、電界の立ち上がり及び/または立ち下がり時間が10μs以下であるパルス電界が好ましい。10μsを超えると放電状態がアークに移行しやすく不安定なものとなり、パルス電界による高密度プラズマ状態を保持しにくくなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が短いほどプラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われるが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス電界を実現することは、実際には困難である。立ち上がり時間及び立ち下がり時間のより好ましい範囲は50ns〜5μsである。なお、ここでいう立ち上がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して増加する時間、立ち下がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して減少する時間を指すものとする。
【0026】
上記パルス電界の電界強度は、1〜1000kV/cmであり、好ましくは20〜300kV/cmである。電界強度が1kV/cm未満であると処理に時間がかかりすぎ、1000kV/cmを超えるとアーク放電が発生しやすくなる。
【0027】
上記パルス電界の周波数は、0.5kHz以上であることが好ましい。0.5kHz未満であると処理に時間がかかりすぎる。上限は特に限定されないが、常用されている13.56MHz、試験的に使用されている500MHzといった高周波帯でも構わない。負荷との整合性のとり易さや取扱い性を考慮すると、500kHz以下が好ましい。このようなパルス電界を印加することにより、処理速度を大きく向上させることができる。
【0028】
また、上記パルス電界における1つのパルス継続時間は、200μs以下であることが好ましく、より好ましくは3〜200μsである。200μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。ここで、1つのパルス継続時間とは、ON/OFFの繰り返しからなるパルス電界における、1つのパルスの連続するON時間を言う。
【0029】
本発明において処理できる被処理体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂等のプラスチック、ガラス、セラミック、金属、シリコンウェハー等が挙げられる。基材の形状としては、板状、フィルム状等のものが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明によれば、様々な形状を有する基材の処理に容易に対応することができる。
【0030】
本発明に用いる放電処理用ガスとしては、電界を印加することによってプラズマを発生するガスであれば、特に限定されず、処理目的に応じて種々のガスを使用できる。
【0031】
上記放電処理用ガスとして、CF4、C26、CClF3、SF6等のフッ素含有化合物ガスを用いることによって、撥水性表面を得ることができる。
【0032】
また、放電処理用ガスとして、O2、O3、水、空気等の酸素元素含有化合物、N2、NH3等の窒素元素含有化合物、SO2、SO3等の硫黄元素含有化合物を用いて、基材表面にカルボニル基、水酸基、アミノ基等の親水性官能基を形成させて表面エネルギーを高くし、親水性表面を得ることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸等の親水基を有する重合性モノマーを用いて親水性重合膜を堆積することもできる。
【0033】
さらに、Si、Ti、Sn等の金属の金属−水素化合物、金属−ハロゲン化合物、金属アルコラート等の放電処理用ガスを用いて、SiO2、TiO2、SnO2等の金属酸化物薄膜を形成させることができる。
【0034】
さらに、基材表面に電気的・光学的機能を与えたり、基材表面から有機物除去、レジスト除去、高分子フィルムの接着性向上、ガラス系基板・プリント配線基盤(FPC)の洗浄、成膜、金属除去、デスミア、アッシング、エッチング、デスカム、滅菌洗浄などに利用できる。
【0035】
経済性及び安全性の観点から、上記放電処理用ガスの単独雰囲気よりも、以下に挙げるような希釈ガスによって希釈された雰囲気中で処理を行うことが好ましい。希釈ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガス、窒素気体等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
【0036】
なお、本発明の放電プラズマ処理装置によれば、プラズマ発生空間中に存在する気体の種類を問わずグロー放電プラズマを発生させることが可能である。公知の低圧条件下におけるプラズマ処理はもちろん、特定のガス雰囲気下の大気圧プラズマ処理においても、外気から遮断された密閉容器内で処理を行うことが必須であったが、本発明の放電プラズマ処理装置においては、開放系、あるいは、気体の自由な流失を防ぐ程度の低気密系での処理が可能となる。
【0037】
本発明の放電プラズマ処理装置によると、対向電極間において直接大気圧下で放電を生じせしめることが可能であり、より単純化された電極構造、放電手順による大気圧プラズマ装置、及び、処理手法でかつ高速処理を実現することができる。また、印加電界の周波数、電圧、電極間距離等のパラメータにより処理に関するパラメータも調整できる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0039】
図1は本発明の実施形態を模式的に示す図である。
【0040】
この実施形態の処理装置はリモート方式の放電プラズマ処理装置であって、放電電極1を備えている。
【0041】
放電電極1は、互いに所定の間隔(電極間距離)をあけて対向する一対の電極(電極金属部)2,3からなる平行平板型の対向電極であって、その一対の電極2,3間に多孔質誘電体4が挟み込まれている。
【0042】
放電電極1における電極2,3間の一端側(上端側)はガス導入口1Aとなされ、他端側(下端側)はガス吹き出し口1Bとなされている。ガス導入口1Aにはガス供給源30が接続され、一対の電極2,3間に乾燥空気などの放電処理用ガスを流量調整(例えば流速5m/s)した状態で供給される。
【0043】
放電電極1の一対の電極2,3のうち、一方の電極2には電源20が接続され、他方の電極3は接地に置かれる。
【0044】
以上の構造の放電プラズマ処理装置において、放電電極1のガス吹き出し口1Bと対向する位置に被処理体Sを配置し、次いで、放電電極1のガス導入口1Aにガス供給源30からの放電処理用ガス(例えば乾燥空気)を供給した状態で、一対の電極2,3間に電源20からの電界を印加する。この電界印加により、一対の電極2,3間(多孔質誘電体4の空孔内)に放電プラズマが発生し、その発生プラズマがガス吹き出し口1Bを通じて外部に吹き出して被処理体Sの表面に照射される。このプラズマ照射により基板Sの表面にプラズマ処理(例えば親水化処理、洗浄処理等)が施される。
【0045】
ここで、本実施形態において、一対の電極2,3間に配置する多孔質誘電体4としては、例えば、黒崎播磨株式会社製のセラミックフォーム#20(t=5mm)が挙げられる。このような多孔質誘電体4を一対の電極2,3間に挟み込むことにより、放電時に電極2,3間にクーロン力が作用しても、各電極2,3が撓むことを防止することができる。
【0046】
黒崎播磨株式会社製のセラミックフォーム#20の品質・特性を以下に列記する。
【0047】
・成分:アルミナ98%以上
・セル数:20(1インチの直線上を通過するセル数(孔径の値))
・空孔率:65〜80%
・嵩密度:0.8〜1.3g/cm3
・圧力損失:1.2N/cm2
・圧縮強度:700N/cm2程度
図2〜図5は、本発明の他の実施形態を模式的に示す図である。これら実施形態では、一対の電極2,3の放電面(電極対向面)に固体誘電体を設けたところに特徴がある。
【0048】
具体的には、図2の実施形態では、一方の電極2の放電面2aに誘電体プレート(例えばAl23プレート)5を配置しており、図3の実施形態では、一対の電極2,3の双方の放電面2a,3aにそれぞれ誘電体プレート(例えばガラス板)5,6を配置している。
【0049】
図4の実施形態では、一方の電極2の放電面2a及び上下面を、誘電体溶射膜(例えばAl23溶射膜)7で被覆しており、図5の実施形態では、一対の電極2,3の双方の放電面2a,3a及び各上下面を、それぞれ誘電体溶射膜(例えばAl23溶射膜)7,8で被覆している。
【0050】
【実施例】
<数値例>
図1の放電電極1において、各電極2,3を60mm×1000mm(電極対向面の面積=60×1000[mm2])、電極2,3間の距離=2mm、電極2,3間に印加する電圧をVpp=20kVとすると、電極2,3間にかかるクーロン力FはF=11820N、単位面積当たりでは20N/cm2となり、電極2,3間に挟む多孔質誘電体4として、圧縮強度が数百N/cm2程度のものを用いれば、放電時に電極2,3間にかかるクーロン力に抗することができる。ここで、前記した黒崎播磨株式会社製のセラミックフォーム#20は圧縮強度が700N/cm2程度であるので、このセラミックフォーム#20を使用することにより、放電時における各電極2,3の撓みを防止することができる。
【0051】
<実施例1>
図1に示す放電電極1において、電極の各部を以下のように設定した。
・電極2,3:SUS304製、幅120mm×長さ120mm×厚み20mm
・多孔質誘電体4:黒崎播磨株式会社製のセラミックフォーム#20、t=5mm
<実施例2>
図2に示す放電電極12において電極各部を以下のように設定した。
・電極2,3:SUS304製、幅120mm×長さ120mm×厚み20mm
・多孔質誘電体4:黒崎播磨株式会社製のセラミックフォーム#20、t=5m

・誘電体プレート5:厚み1mmのAl23プレート
<実施例3>
図3に示す放電電極13において、電極各部の寸法を以下のように設定した。
・電極2,3:SUS304製、幅120mm×長さ120mm×厚み20mm
・多孔質誘電体4:黒崎播磨株式会社製のセラミックフォーム#20、t=5mm
・誘電体プレート5,6:厚み1mmのAl23プレート
<実施例4>
図4に示す放電電極14において電極各部を以下のように設定した。
・電極2,3:SUS304製、幅120mm×長さ120mm×厚み20mm
・多孔質誘電体4:黒崎播磨株式会社製のセラミックフォーム#20、t=5mm
・誘電体溶射膜7:Al23溶射膜(膜厚:1mm)
<実施例5>
図5に示す放電電極15において電極各部を以下のように設定した。
・電極2,3:SUS304製、幅120mm×長さ120mm×厚み20mm
・多孔質誘電体4:黒崎播磨株式会社製のセラミックフォーム#20、t=5mm
・誘電体溶射膜7,8:Al23溶射膜(膜厚:1mm)
以上の実施例1〜5について、下記の放電条件で放電試験を行ったところ、いずれの実施例においても、電極2,3間に放電プラズマが発生することが確認できた。この実施例1〜5の結果から、電極2,3間に多孔質誘電体4を挟み込んでも、その多孔質誘電体4がガス流路兼プラズマ発生空間として機能していることがわかる。
【0052】
[放電条件]
供給ガス:乾燥空気
供給ガス流量:50L/min
印加電界:パルス電界、電圧Vpp=25kV、周波数10kHz、パルス立ち上がり速度5μs
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の放電プラズマ処理装置によれば、互いに対向する一対の電極と、ガスの通過が可能な連通孔を有する多孔質誘電体と、前記一対の電極間に電界を印加する電源を備え、多孔質誘電体が一対の電極間に挟み込まれてなり、放電処理用ガスが多孔質誘電体を通過して被処理体に接触するようになされているので、放電プラズマを発生するのに必要なガス流量を実現しながら、放電時において電極間に作用するクーロン力による電極の撓みを防止することができる。これにより、放電電極の小型化を達成することができ、例えば放電電極の多段化による処理能力向上をはかることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を模式的に示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態を模式的に示す図である。
【図3】本発明の別の実施形態を模式的に示す図である。
【図4】本発明の更に別の実施形態を模式的に示す図である。
【図5】本発明の更に別の実施形態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1,12〜15 放電電極
1A ガス導入口
1B ガス吹き出し口
2,3 電極
4 多孔質誘電体
5,6 誘電体プレート
7,8 誘電体溶射膜

Claims (3)

  1. 放電プラズマ処理装置であって、互いに対向する一対の電極と、ガスの通過が可能な連通孔を有する多孔質誘電体と、前記一対の電極間に電界を印加する電源を備え、前記多孔質誘電体が前記一対の電極間に挟み込まれてなり、放電処理用ガスが前記多孔質誘電体を通過して被処理体に接触するようになされていることを特徴とする放電プラズマ処理装置。
  2. 前記一対の電極の少なくとも一方の放電面と前記多孔質誘電体との間に、ガスの通過が不可能な固体誘電体が設けられていることを特徴とする請求項1記載の放電プラズマ処理装置。
  3. 前記ガスの通過が不可能な固体誘電体が、誘電体プレートであることを特徴とする請求項2記載の放電プラズマ処理装置。
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