JP2002320845A - 常圧プラズマ処理装置 - Google Patents

常圧プラズマ処理装置

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JP2002320845A
JP2002320845A JP2001126251A JP2001126251A JP2002320845A JP 2002320845 A JP2002320845 A JP 2002320845A JP 2001126251 A JP2001126251 A JP 2001126251A JP 2001126251 A JP2001126251 A JP 2001126251A JP 2002320845 A JP2002320845 A JP 2002320845A
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JP
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electrode
pressure plasma
electrodes
lower electrode
processing apparatus
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JP2001126251A
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Takuya Yara
卓也 屋良
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常圧プラズマ処理装置において、簡易な構成
で、どのような形状の基材にも対応でき、さらに処理の
均一性に優れた多機能常圧プラズマ処理装置の提供。 【解決手段】 対向する一対の上部電極と下部電極と、
当該一対の電極間にパルス化された電界を印加する電源
からなる常圧プラズマ処理装置であって、対向する一対
の電極の少なくとも一方の対向面が固体誘電体で被覆さ
れており、上部電極が下部電極よりも小型の電極であ
り、下部電極が大判平板電極であることを特徴とする常
圧プラズマ処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常圧プラズマ処理
装置に関し、特に、対向する小型電極と大判平板電極か
らなる一対の電極を有する常圧プラズマ処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】常圧プラズマ処理においては、従来の低
圧プラズマ処理とは異なり、処理対象の基板等を真空チ
ャンバー内で処理する必要がなく、その装置としては、
上下の平行平板型電極間に電圧を印加してプラズマ放電
を発生させ、下部電極上に設置された基材を処理する簡
易な装置が提案されている(特開平10−154598
号公報等)。
【0003】上記プラズマ処理装置は、同面積の平板2
枚を平行に配置したものであり、電極端部のエッジが対
向する部分で放電ムラが発生しやすく、また、基材が大
面積化すると、これに合わせて大面積の電極を用意する
必要があり、電極を支えるにも電極間の平行を保つに
も、電極表面に固体誘電体を被覆し、その表面を平滑に
するのも不利であり、簡易な構成で均一な処理が可能
で、様々な大きさ、形状の基材に対応できる装置が望ま
れていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、常圧プラズ
マ処理装置において、簡易な構成で、どのような形状の
基材にも対応でき、さらに処理の均一性に優れた多機能
常圧プラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、対向する一対の電極にお
いて、上部電極を下部電極より小型にして大面積基板の
処理を可能にすることができ、また、接地電極である下
部電極を可動化することにより多機能常圧プラズマ装置
を得ることができることを見出し、本発明を完成させ
た。
【0006】すなわち、本発明の第1の発明は、対向す
る一対の上部電極と下部電極と、当該一対の電極間にパ
ルス化された電界を印加する電源からなる常圧プラズマ
処理装置であって、対向する一対の電極の少なくとも一
方の対向面が固体誘電体で被覆されており、上部電極が
下部電極よりも小型の電極であり、下部電極が大判平板
電極であることを特徴とする常圧プラズマ処理装置であ
る。
【0007】また、本発明の第2の発明は、上部電極が
ロール状電極であることを特徴とする第1の発明に記載
の常圧プラズマ処理装置である。
【0008】また、本発明の第3の発明は、ロール状電
極が回転する機構を有する電極であることを特徴とする
第2の発明に記載の常圧プラズマ処理装置である。
【0009】また、本発明の第4の発明は、下部電極が
基材搬送機能を有する電極であることを特徴とする第1
〜3のいずれかの発明に記載の常圧プラズマ処理装置で
ある。
【0010】また、本発明の第5の発明は、下部電極が
上部電極の5倍以上の幅を有する電極であることを特徴
とする第1〜4のいずれかの発明に記載の常圧プラズマ
処理装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の常圧プラズマ処理装置
は、一対の対向する印加上部電極と接地下部電極と、当
該一対の印加上部電極と接地下部電極の電極間にパルス
化された電界を印加する電源からなる常圧プラズマ処理
装置であって、対向する一対の電極の少なくとも一方の
対向面が固体誘電体で被覆されており、印加上部電極が
接地下部電極よりも小型の電極であり、下部電極が大判
平板電極であり、好ましくは基材搬送を兼ねる電極であ
る常圧プラズマ処理装置である。以下に詳細に説明す
る。
【0012】上記大気圧近傍の圧力下とは、1.333
×104〜10.664×104Paの圧力下を指す。中
でも、圧力調整が容易で、装置が簡便になる9.331
×104〜10.397×104Paの範囲が好ましい。
【0013】上記対向する上部電極と下部電極の材質と
しては、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、
真鍮等の合金、金属間化合物等からなるものが挙げられ
る。
【0014】上部電極は、高電圧の印加部の電極であっ
て、下部の接地電極よりも小型の電極であり、単数であ
っても複数の電極で多段処理を行えるようにしてもよ
い。上部電極の形状としては、短冊状平板型、ロール型
等が挙げられる。平板型の場合、電極端部のエッジは、
放電ムラの原因となるおそれがあるので、端部を丸めて
おくことが好ましい。下部の接地電極は、上部電極より
も大きい平板電極で、より好ましくは基材搬送機能を有
する電極である。
【0015】このように上下の電極の大きさが異なる装
置を使用することにより、電極端部同士が対向すること
をさけ、放電ムラを防止し、処理の均一性を改善するこ
とができる。下部電極と上部電極の大きさの比として
は、下部電極が上部電極の5倍以上の幅を有するものが
好ましい。基材は、この幅方向に搬送されることにより
処理され、大面積の基材や形状の異なる基材に対応する
ことができる。
【0016】また、上部電極は、ロール状であることが
好ましい。ロール状電極の半径は25mm以上であるこ
とが好ましく、また回転する機能を備えていることが好
ましい。ロール状電極においては、下部電極に対向する
部分で放電が起こり、その他の部分では放電が起こら
ず、回転電極の採用によって放電発生部が常に更新され
るため、電極表面への付着物の堆積防止及び電極の過熱
防止の効果を有する。
【0017】プラズマを発生させる電極は、一対のうち
少なくとも一方に固体誘電体が配置されていれば良く、
一対の電極は、短絡に至らない適切な距離をあけた状態
で配置される。
【0018】上記固体誘電体は、電極の対向面の一方又
は双方に設置される。この際、固体誘電体と設置される
側の電極が密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に
覆うようにすることが好ましい。固体誘電体によって覆
われずに電極同士が直接対向する部位があると、そこか
らアーク放電が生じやすいためである。
【0019】上記固体誘電体の形状は、シート状でもフ
ィルム状でもよく、厚みが0.01〜4mmであること
が好ましい。厚すぎると放電プラズマを発生するのに高
電圧を要することがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁
破壊が起こり、アーク放電が発生することがある。ま
た、固体誘電体の形状として、容器型のものも用いるこ
とができる。
【0020】固体誘電体の材質としては、例えば、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化
物、チタン酸バリウム等の複酸化物、及びこれらの複層
化したもの等が挙げられる。
【0021】特に、固体誘電体は、比誘電率が2以上
(25℃環境下、以下同じ)であることが好ましい。比
誘電率が2以上の誘電体の具体例としては、ポリテトラ
フルオロエチレン、ガラス、金属酸化膜等を挙げること
ができる。さらに高密度の放電プラズマを安定して発生
させるためには、比誘電率が10以上の固定誘電体を用
いことが好ましい。比誘電率の上限は特に限定されるも
のではないが、現実の材料では18,500程度のもの
が知られている。比誘電率が10以上の固体誘電体とし
ては、例えば、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化ア
ルミニウム50〜95重量%で混合された金属酸化物皮
膜、または、酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物皮
膜からなり、その被膜の厚みが10〜1000μmであ
るものを用いることが好ましい。
【0022】上記電極間の距離は、固体誘電体の厚さ、
印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮し
て適宜決定されるが、1〜50mmであることが好まし
い。1mm未満では、電極間の間隔を置いて設置するの
に充分でないことがある。50mmを超えると、均一な
放電プラズマを発生させにくい。
【0023】本発明では、電源から上記両電極間にパル
ス電界を印加する。図1にパルス電圧波形の例を示す。
波形(a)、(b)はインパルス型、波形(c)はパル
ス型、波形(d)は変調型の波形である。図1には電圧
印加が正負の繰り返しであるものを挙げたが、正又は負
のいずれかの極性側に電圧を印加するタイプのパルスを
用いてもよい。また、直流が重畳されたパルス電界を印
加してもよい。本発明におけるパルス電界の波形は、こ
こで挙げた波形に限定されず、さらに、パルス波形、立
ち上がり時間、周波数の異なるパルスを用いて変調を行
ってもよい。上記のような変調は高速連続表面処理を行
うのに適している。
【0024】上記パルス電界の立ち上がり及び/又は立
ち下がり時間は、10μs以下が好ましい。10μsを
超えると放電状態がアークに移行しやすく不安定なもの
となり、パルス電界による高密度プラズマ状態を保持し
にくくなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり時間
が短いほどプラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行
われるが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス電界
を実現することは、実際には困難である。より好ましく
は50ns〜1μsである。なお、ここでいう立ち上が
り時間とは、電圧(絶対値)が連続して増加する時間、
立ち下がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して減少す
る時間を指すものとする。
【0025】また、パルス電界の立ち下がり時間も急峻
であることが好ましく、立ち上がり時間と同様の10μ
s以下のタイムスケールであることが好ましい。パルス
電界発生技術によっても異なるが、立ち上がり時間と立
ち下がり時間とが同じ時間に設定できるものが好まし
い。
【0026】上記パルス電界の電界強度は、10〜10
00kV/cmとなるようにするのが好ましい。電界強
度が10kV/cm未満であると処理に時間がかかりす
ぎ、1000kV/cmを超えるとアーク放電が発生し
やすくなる。
【0027】上記パルス電界の周波数は、0.5〜10
0kHzであることが好ましい。0.5kHz未満であ
るとプラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎ、
100kHzを超えるとアーク放電が発生しやすくな
る。より好ましくは、1〜100kHzであり、このよ
うな高周波数のパルス電界を印加することにより、処理
速度を大きく向上させることができる。
【0028】また、上記パルス電界におけるひとつのパ
ルス継続時間は、1〜1000μsであることが好まし
い。1μs未満であると放電が不安定なものとなり、1
000μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。
より好ましくは、3〜200μsである。ここで、ひと
つのパルス継続時間とは、図1中に例を示してあるが、
ON、OFFの繰り返しからなるパルス電界における、
ひとつのパルスの連続するON時間を言う。
【0029】本発明の常圧プラズマ装置の概要を図で説
明する。図2は本発明の一実施の形態の模式的常圧プラ
ズマ処理装置の斜視図であり、図3はその断面図であ
る。図2及び3において、1は電源、2はロール状の上
部電極、3は平板状の下部電極、4は固体誘電体、5は
プラズマ発生部、10は被処理基材をそれぞれ表す。な
お、上部電極2は固定され、下部電極3は、X−Y−Z
移動機構と連結されている。被処理基材10は、下部電
極3の上に載置され、下部電極3を移動させることによ
り、上部電極2の下のプラズマ発生部5の位置に移動さ
れ、常圧プラズマ処理を受ける。
【0030】図2及び3の装置においては、上部電極を
小型化し、下部電極を可動化することにより、装置の構
造上固定化する電極が小さいことから電極を支える手段
が容易になると同時に放電部分が小さいことから、均一
なプラズマを発生させることができる。さらに下部電極
が搬送を兼ねるX−Y−Z軸方向に移動できるようにす
ることにより、迅速に目的とする基材の箇所を処理でき
る。
【0031】さらに、ロール状電極2は、図示されてい
ないが、回転する機構を備えるようにしておくのが好ま
しい。その際は、ロール状電極は、スプリング金具でロ
ール電極の回転軸と接点をつくるように止められ、該ス
プリング金具と電源を接続して、ロール状電極に電圧を
印加するようになされる。
【0032】図4は、本発明の一実施の形態の模式的常
圧プラズマ処理装置の斜視図である。図4において、1
は電源、2は平板短冊状の上部電極、3は平板状の下部
電極、4は固体誘電体、5はプラズマ発生部、10は被
処理基材をそれぞれ表す。なお、上部電極2は固定さ
れ、下部電極3は、X−Y−Z移動機構と連結されてい
る。被処理基材10は、下部電極3の上に載置され、下
部電極3を移動させることにより、上部電極2の下のプ
ラズマ発生部5の位置に移動され、常圧プラズマ処理を
受ける。
【0033】図5は、本発明の一実施の形態の模式的常
圧プラズマ処理装置の斜視図である。図5において、1
は電源、2及び2’は平板短冊状の上部電極、3は平板
状の下部電極、4は固体誘電体、5及び5’はプラズマ
発生部、10は被処理基材をそれぞれ表す。なお、上部
電極2及び2’は固定され、下部電極3は、X−Y−Z
移動機構と連結されている。被処理基材10は、下部電
極3の上に載置され、下部電極3を移動させることによ
り、上部電極2及び2’の下のプラズマ発生部5及び
5’の位置に移動され、常圧プラズマ処理を受ける。
【0034】図5の装置においては、上部電極を短冊状
の小型化した2種類の電極にし、下部電極を可動化する
ことにより、装置の構造上固定化する電極を小さく、さ
らに2種類にすることにより、均一なプラズマを基材に
対して多段に当てることができる。下部電極を必要に応
じてX−Y−Z軸方向に移動させて、目的とする基材の
箇所を処理の程度を変えて処理できる装置である。
【0035】図6は、本発明の一実施の形態の模式的常
圧プラズマ処理装置の斜視図である。図6において、1
は電源、2、2’及び2”は平板短冊状の上部電極、3
は平板状の下部電極、4は固体誘電体、5、5’及び
5”はプラズマ発生部、10は被処理基材をそれぞれ表
す。なお、上部電極2、2’及び2”は固定され、下部
電極3は、X−Y−Z移動機構と連結されている。被処
理基材10は、下部電極3の上に設置され、下部電極3
を移動させることにより、上部電極2、2’及び2”の
下のプラズマ発生部5、5’及び5”の位置に移動さ
れ、常圧プラズマ処理を受ける。
【0036】図6の装置においては、上部電極を短冊状
の小型化した3種類の電極にし、下部電極を可動化する
ことにより、装置の構造上固定化する電極を小さく、さ
らに3種類にすることにより、均一なプラズマを基材に
対して多段に当てることができる。下部電極を必要に応
じてX−Y−Z軸方向に移動させて、目的とする基材の
箇所を処理の程度を変えて処理できる装置である。
【0037】本発明の装置を用いて処理を施すことので
きる基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂等
のプラスチック、ガラス、セラミック、金属等が挙げら
れる。基材の形状としては、板状、フィルム状等のもの
が挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明の
表面処理方法によれば、様々な形状を有する基材の処理
に容易に対応することができる。
【0038】上記表面処理においては、上記放電プラズ
マ発生空間に存在する気体(以下、処理用ガスとい
う。)の選択により任意の処理が可能である。
【0039】上記処理用ガスとして、CF4、C26
CClF3、SF6等のフッ素含有化合物ガスを用いるこ
とによって、撥水性表面を得ることができる。
【0040】また、処理用ガスとして、O2、O3、水、
空気等の酸素元素含有化合物、N2、NH3等の窒素元素
含有化合物、SO2、SO3等の硫黄元素含有化合物を用
いて、基材表面にカルボニル基、水酸基、アミノ基等の
親水性官能基を形成させて表面エネルギーを高くし、親
水性表面を得ることができる。また、アクリル酸、メタ
クリル酸等の親水基を有する重合性モノマーを用いて親
水性重合膜を堆積することもできる。
【0041】さらに、Si、Ti、Sn等の金属の金属
−水素化合物、金属−ハロゲン化合物、金属アルコラー
ト等の処理用ガスを用いて、SiO2、TiO2、SnO
2等の金属酸化物薄膜を形成させ、基材表面に電気的、
光学的機能を与えることができ、ハロゲン系ガスを用い
てエッチング処理、ダイシング処理を行ったり、酸素系
ガスを用いてレジスト処理や有機物汚染の除去を行った
り、アルゴン、窒素等の不活性ガスによるプラズマで表
面クリーニングや表面改質を行うこともできる。
【0042】経済性及び安全性の観点から、上記処理用
ガス単独雰囲気よりも、以下に挙げるような希釈ガスに
よって希釈された雰囲気中で処理を行うことが好まし
い。希釈ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、
キセノン等の希ガス、窒素気体等が挙げられる。これら
は単独でも2種以上を混合して用いてもよい。また、希
釈ガスを用いる場合、処理用ガスの割合は1〜10体積
%であることが好ましい。
【0043】なお、上述したように、雰囲気ガスとして
は電子を多く有する化合物のほうがプラズマ密度を高め
高速処理を行う上で有利である。よって入手の容易さと
経済性、処理速度を考慮した上で最も望ましい選択は、
アルゴン及び/又は窒素を希釈ガスとして含有する雰囲
気である。
【0044】従来、大気圧近傍の圧力下においては、ヘ
リウムが大過剰に存在する雰囲気下で処理が行われてき
たが、本発明の方法によれば、ヘリウムに比較して安価
なアルゴン、窒素気体中における安定した処理が可能で
あり、さらに、これらの分子量の大きい、電子をより多
く有するガスの存在下で処理を行うことにより、高密度
プラズマ状態を実現し、処理速度を上げることが出来る
ため、工業上大きな優位性を有する。
【0045】なお、本発明の方法によれば、プラズマ発
生空間中に存在する気体の種類を問わずグロー放電プラ
ズマを発生させることが可能である。公知の低圧条件下
におけるプラズマ処理はもちろん、特定のガス雰囲気下
の大気圧プラズマ処理においても、外気から遮断された
密閉容器内で処理を行うことが必須であったが、本発明
のグロー放電プラズマ処理方法によれば、開放系、ある
いは、気体の自由な流失を防ぐ程度の低気密系での処理
が可能となる。
【0046】
【実施例】本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
【0047】実施例1 図2に示す装置を用いて、φ100mm×100mmの
SUS製ロール体の表面に0.5mm厚のアルミナをコ
ーティングしたロール電極と、1050mm×1050
mm×30mm厚のSUS製平板の表面に0.5mm厚
のアルミナをコーティングした平板電極を用い、ロール
電極と平板電極間の距離を2mmとした。接地電極とし
た平板電極上に500mm×500mm×1mm厚の無
アルカリガラスからなる基板を設置し、平板電極を搬送
速度10cm/minで動かすことにより、ロール電極
下のプラズマ空間を通過させ基板の表面処理を行った。
プラズマ空間に、処理ガスとして、O220体積%/N2
80体積%の混合ガスを10l/minで吹き付け、ロ
ール電極に20kVPP、立ち上がり時間5μs、周波数
10kHzのパルス電界を印加して処理した。
【0048】処理後のガラス基材表面を分析したとこ
ろ、基材表面の全面に渡って接触角が0°〜2°とな
り、表面のC/S量(XPSの結果)は10%から0.
2%に減少しており、基材表面の有機汚染物がほぼ完全
に除去されたことがわかった。
【0049】実施例2 図4に示す装置を用いて、100mm×1000mm×
25mm厚のSUS製平板体の表面に0.5mm厚のア
ルミナをコーティングした上部電極と、1050mm×
1050mm×30mm厚のSUS製平板の表面に0.
5mm厚のアルミナをコーティングした下部平板電極を
用い、上部電極と下部電極間の距離を2mmとした。接
地電極とした平板電極上に500mm×500mm×1
mm厚の無アルカリガラスからなる基板を設置し、下部
電極を搬送速度10cm/minで動かすことにより、
上部電極下のプラズマ空間を通過させ基板の表面処理を
行った。プラズマ空間に、処理ガスとして、O220体
積%/N280体積%の混合ガスを10l/minで吹
き付け、上部電極に20kVPP、立ち上がり時間5μ
s、周波数10kHzのパルス電界を印加して処理し
た。
【0050】処理後のガラス基材表面を分析したとこ
ろ、基材表面の全面に渡って接触角が0°〜2°とな
り、表面のC/S量(XPSの結果)は10%から0.
2%に減少しており、基材表面の有機汚染物がほぼ完全
に除去されたことがわかった。
【0051】
【発明の効果】本発明の常圧プラズマ処理装置は、対向
する一対の電極において、上部電極が下部電極よりも小
型の電極であり、下部電極が大判平板電極であるため、
どのような形状の基材にも対応でき、さらに、下部電極
が搬送装置を兼ねる場合は、多機能常圧プラズマ処理装
置とすることができる。また、本発明の方法は、低温下
の大気圧下での実施が可能であるので、容易にインライ
ン化でき、本発明の方法を用いることにより処理工程全
体の速度低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルス電界の例を示す電圧波形図であ
る。
【図2】本発明の常圧プラズマ処理装置の斜視図であ
る。
【図3】図2のプラズマ処理装置の断面図である。
【図4】本発明の常圧プラズマ処理装置の斜視図であ
る。
【図5】本発明の常圧プラズマ処理装置の斜視図であ
る。
【図6】本発明の常圧プラズマ処理装置の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 電源(高電圧パルス電源) 2、2’、2” 小型電極 3 大判電極 4 固体誘電体 5、5’、5” プラズマ 10 被処理基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 BA05 BC01 BC06 BC10 CA14 CA16 CA47 DA02 EB42 EC21 ED04 ED13 ED20 EE02 FB02 FB12 FC15 4K030 AA02 AA05 AA11 BA44 BA45 BA46 DA02 FA03 GA02 JA09 KA15 KA16 KA30 4K057 DA16 DB01 DD01 DD10 DE06 DE07 DE08 DE20 DM02 DM06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の上部電極と下部電極と、
    当該一対の電極間にパルス化された電界を印加する電源
    からなる常圧プラズマ処理装置であって、対向する一対
    の電極の少なくとも一方の対向面が固体誘電体で被覆さ
    れており、上部電極が下部電極よりも小型の電極であ
    り、下部電極が大判平板電極であることを特徴とする常
    圧プラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 上部電極がロール状電極であることを特
    徴とする請求項1に記載の常圧プラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 ロール状電極が回転する機構を有する電
    極であることを特徴とする請求項2に記載の常圧プラズ
    マ処理装置。
  4. 【請求項4】 下部電極が基材搬送機能を有する電極で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の常圧プラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 下部電極が上部電極の5倍以上の幅を有
    する電極であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の常圧プラズマ処理装置。
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