JP2007146262A - 薄膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的に大面積でかつ欠陥の少ない薄膜を、パルス電圧印加によって生成するプラズマから形成する方法を提供することである。
【解決手段】炭素源を含む原料ガスを含む雰囲気下で100〜1600Torrの圧力下において基盤電極5とこの基盤電極5に対向する対向電極7との間にパルス電圧を印加することにより放電プラズマを生じさせ、薄膜6を生成させる。パルス電圧のパルス継続時間が10〜1000nsecである。パルス電圧の印加方向Wと交差する方向Eへと向かって、対向電極5を基盤電極5に対して相対的に移動させながら薄膜6を生成させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、薄膜の製造方法に関するものである。
本出願人は、特許文献1において、100Torr以上の比較高い圧力、特に大気圧付近でもダイヤモンド状炭素膜を良好に形成する方法を初めて開示した。
特開2004−270022
一方、特許文献2においては、放電電極と電気絶縁体表面とを相対移動させながら大気圧下で放電させ、アモルファス炭化水素薄膜を作製している。特許文献2によると、基盤上にダイヤモンド状炭素膜をコーティングする方法は知られているが、これは真空中でコーティング処理することを前提としており、真空状態を維持する必要から、面積の大きい基板に対してはコーティング処理を行うことは困難であると記載されている(0002、0003)。そこで、特許文献2の発明では、大気圧下で面積の大きい炭化水素薄膜をコーティングするために、誘電体基板上で一対の対向電極を対向させ、対向電極を平行に保持しながら誘電体基板上を走査し、放電を生じさせ、対向電極下の誘電体基板上で炭化水素膜の堆積を生じさせている。
特開平11−246975
特許文献1記載の発明では、誘電体基板下に基盤電極を設置し、誘電体基板上に対向電極を設置し、基盤電極と対向電極との間に電界を生じさせ、誘電体基板に電界を貫通させる(垂直電圧印加)。ところが、本発明者がさらに検討を進めてみると、確かに高品質のダイヤモンド状炭素膜は形成できるが、最良の成膜条件の範囲が狭く、場合によっては不良品の発生率が上昇することがあった。例えば図8に示すように、写真において右上に略扇形の膜剥離領域が生ずることがあった。このような薄膜の剥離を防止するように成膜条件を調整することは難しいことであった。
一方、特許文献2では、誘電体基板上で一対の対向電極の間に電圧を印加し、基板に対して平行に電界を生じさせる方法によって、アモルファス炭化水素膜を形成している。しかし、ダイヤモンド状炭素膜等については、真空条件でしか成膜できず、大面積なコーティングは困難であると明記されている。
本発明の課題は、比較的に大面積でかつ欠陥の少ない薄膜を、パルス電圧印加によって生成するプラズマから形成する方法を提供することである。
本発明は、炭素源を含む原料ガスを含む雰囲気下で100〜1600Torrの圧力下において基盤電極とこの基盤電極に対向する対向電極との間にパルス電圧を印加することにより放電プラズマを生じさせ、薄膜を生成させるのに際して、パルス電圧のパルス継続時間が10〜1000nsecであり、パルス電圧の印加方向と交差する方向へと向かって対向電極と基盤電極との少なくとも一方を移動させながら薄膜を生成させることを特徴とする。
特許文献2記載の方法では大面積のある種の薄膜、例えばダイヤモンド状炭素膜は形成できない。特許文献2を参照したとき、誘電体基板に対して垂直に電界を印加する条件下で、大気圧下において、例えばダイヤモンド状炭素膜を形成することはできないはずである。一方、特許文献1記載の方法では、大気圧下で良質のダイヤモンド状炭素膜を形成することに成功したが、しかし図8に示すような薄膜欠陥が多く発生し、歩留りが低く、実用性に問題があった。
このため、本発明者は、種々の方法を試験し、例えばダイヤモンド状炭素膜を大面積で量産する方法を検討してきた。この過程において、特許文献2に記載のように、比較的高い圧力下で、対向電極を移動させながら成膜を行ってみると、意外なことに、大面積にわたって図8のような薄膜欠陥が抑制され、全体として歩留りが著しく向上することを見いだした。通常、図8のような薄膜欠陥が生ずる場合には、電極を移動させて大面積の薄膜を形成すると、薄膜欠陥の面積比率が著しく増加するはずであるが、そのような技術的常識に反する結果であった。この結果、大面積の薄膜を比較的に高い歩留りで生産することに成功した。
本発明においては、基盤電極と対向電極の間の空間にプラズマを発生させる。この際、基盤電極の上に基材を設置できるが、対向電極の上にも基材を設置することが可能である。電極の形態は、平行平板型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対向平板型、同軸円筒型構造を例示できる。
基盤電極と対向電極との一方または双方を固体誘電体によって被覆することができる。この固体誘電体としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、チタン酸バリウム等の複合酸化物を例示できる。
基材の形状は限定されない。しかし、基材の厚さは0.05〜4mmであることが好ましい。電極間距離は特に限定されないが、1〜50mmであることが好ましい。基材の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂等のプラスチック、ガラス、セラミック、金属を例示できる。基材の形状は特に限定されず、板状、フィルム状、様々な立体形状であってよい。
本発明においては、パルス電圧を基盤電極と対向電極との間に印加し、プラズマを生成させる。この際、パルス電圧の波形は特に限定されず、インパルス型、方形波型(矩形波型)、変調型のいずれであってもよい。直流バイアス電圧を同時に印加することができる。
本発明においては、パルス電圧のパルス継続時間を10〜1000nsecとする。このパルス継続時間を1000nsec以下とすることによって、薄膜の品質が向上する。この観点からは、パルス継続時間を500nsec以下とすることが好ましく、300nsec以下とすることが一層好ましい。また、このパルス継続時間を10nsec未満とすることは現実的ではない。
パルス継続時間とは、ON、OFFの繰り返しからなるパルス電圧においてパルスが連続する時間をいう。減衰波形のパルスでは、一連の複数のパルスが連続的に減衰していくが、この場合には、初期波から減衰波の終結までの一連の波の継続時間を意味する。例えば、図1(a)に示す波形の場合には、一つのパルスが連続しているので、パルス継続時間はそのパルスの開始から終了までとなる。図1(b)においては、二つのパルスが連続しているので、パルス継続時間は二つの連続パルスの開始から終了までとなる。図1(c)、(d)においては、三個のパルスが連続しているので、パルス継続時間は三個の連続パルスの開始から終了までとなる。
パルス電圧の周波数は、1kHz〜100kHzであることが好ましい。1kHz未満であると処理に時間がかかりすぎ、100kHzを超えるとアーク放電が発生し易くなる。
電界の大きさは特に限定されないが、例えば電極間の電界強度を1〜100kV/cmとすることが好ましい。
前述のようなパルス電圧は、急峻パルス発生電源によって印加できる。このような電源としては、磁気圧縮機構を必要としない静電誘導サイリスタ素子を用いた電源、磁気圧縮機構を備えたサイラトロン、ギャップスイッチ、IGBT素子、MOF−FET素子、静電誘導サイリスタ素子を用いた電源を例示できる。
本発明における雰囲気圧力は100〜1600Torrである。この圧力は、生産性向上という観点からは、600〜900Torrが特に好ましい。
本発明では、炭素源を含む原料ガスを使用する。炭素源としては、以下を例示できる。
メタノ−ル、エタノ−ル等のアルコ−ル
メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等のアルカン
エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のアルケン
ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン
アセチレン、メチルアセチレン等のアルキン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、インデン、ナフタレン、フェナントレン等の芳香族炭化水素
シクロプロパン、シクロヘキサン等のシクロアルカン
シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロアルケン
炭素源に加えて、以下のガスのうち少なくとも一つを併用することができる。
(a) 酸素ガス
(b) 水素ガス
酸素や水素は放電中に原子状となり、ダイヤモンドと同時に生成するグラファイトを除去する効果を有する。
(c) 一酸化炭素、二酸化炭素
(d) 希釈ガス
炭素源と二酸化炭素ガスとを使用する場合には、炭素源ガス/二酸化炭素ガスの混合比率を、1/1〜1/3(vol比)とすることが好ましい。
炭素源の原料ガス雰囲気中に占める濃度は、2〜80vol%が好ましい。
酸素ガス又は水素ガスのガス雰囲気中に占める濃度は、70vol%以下であることが好ましい。
希釈ガスとしては、周期律第8族の元素のガス及び窒素ガスが挙げられ、これらの少なくとも1種が使用でき、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノンが挙げられる。希釈ガスの原料ガス雰囲気中に占める濃度は、20〜90vol%が好ましい。
更に、放電時のガス雰囲気にジボラン(BH3BH3)、トリメチルボロン(B(CH)、ホスフィン(PH3)、メチルホスフィン(CH3PH2)等のボロン元素、燐元素を含有するガス及び窒素ガスを加えることもできる。
このような成膜用の原料ガスは、図2に示すようにチャンバー内に流入させることができる。この場合には、対向電極側から成膜用の原料ガスを噴出させる必要は必ずしもないが、対向電極から成膜用の原料ガスを噴出させることもできる。また、チャンバー内へと直接成膜用の原料ガスをチャンバー入り口から流入させない場合には、対向電極7から成膜用の原料ガスを噴出させる必要がある。
これらの場合には、対向電極7に、成膜用の原料ガスの噴出口を設ける。このためには、対向電極7を筒状、例えば円筒状や角筒状とすることができる。
図2は、本発明に利用できる装置を模式的に示す図である。チャンバー1内で成膜を実施する。基盤電極5上に基材4が設置されており、基材4と対向電極7とが対向しており、その間の空間に放電プラズマを生じさせる。チャンバー1のガス供給孔2から矢印Aのように空間10へと原料ガスを供給し、電極間に静電誘導サイリスタ素子を用いた電源3からパルス電圧を印加してプラズマを生じさせる。これによって基材4上に薄膜6を生成させる。使用済のガスは排出孔8から矢印Bのように排出される。基盤電極5内には冷媒の流通路9を形成し、流通路9内に矢印C、Dのように冷媒を流通させる。これによって、基材4の温度を所定温度、例えば20〜300℃に制御する。
原料ガスは、すべて混合した後にチャンバー1内に供給できる。また、原料ガスが複数種類のガスおよび希釈ガスを含む場合には、それぞれ別個の供給孔からチャンバー1内に供給することもできる。あるいは、対向電極7の一つの吹き出し口から複数種類のガスの混合物を噴出させることもできる。あるいは、対向電極7に複数の吹き出し口を設け、各吹き出し口からそれぞれ異なるガスを吹き出すことができる。
ここで、例えば矢印Lで示すように、対向電極7を、基盤電極5の上面と略平行に移動させることによって、基盤5あるいは基材4上の広い範囲にわたって薄膜6を形成する。この移動のための駆動手段は特に限定されず、いわゆる位置決めが容易なステッピングモータを用いたXYZステージ、エアーを利用したXYZ搬送機器、搬送ベルトを利用したXYZステージ、一般的な3次元溶接用ロボットを例示できる。なお、このような機械的駆動手段それ自体は周知であるので、その詳細は省略する。
本発明において、対向電極の移動の方向は特に限定されず、基材上の空間10を基材表面と略平行に直線的に移動してもよく、また二次元的に移動させてもよく、更に三次元的に移動させてもよい。ただし、対向電極と基材表面との間隔が略一定に保持されることが好ましい。例えば、図2〜図4に示す例のように、基材表面が二次元的に伸びる平面である場合には、対向電極を基材表面と略平行に1次元的あるいは二次元的に移動させる。
本発明においては、一般的に、前記パルス電圧の印加方向と交差する方向へと向かって前記対向電極を移動させる。この際、パルス電圧の印加方向Wと、対向電極7の移動方向とのなす角は限定はされないが、60〜120°であることが好ましく、75°〜105°であることが更に好ましく、85°〜95°であることが最も好ましい。特に好ましくはこの角度が略垂直である。なお、特許文献2の方法では、パルス電圧の印加方向は、電極の移動方向に対して略平行であり、すなわち前記の角度が0°である。
例えば、図3、図4に示す例においては、対向電極7を基材表面に対して略平行に、二次元的に移動させている。すなわち、図3(a)に示すように、基材表面に8aのように成膜しつつ、対向電極7を矢印Eのように移動させる。そして所定位置まで達したところで、図3(b)に示すように対向電極の向きを変更する。このとき、基材表面4aには8a、8bのように薄膜が形成されている。ここで対向電極7の向きを矢印Fのように変更すると、図4(a)に示すように、8a、8bの伸びる方向とは略垂直方向に向かって薄膜8cが伸びる。次いで、対向電極の方向を変え、図4(a)の矢印Gに示すように進行させると、図4(b)の8dで示すように薄膜が形成される。このようにして比較的に大面積の薄膜8が形成される。なお、対向電極の移動方向E、F、Gとパルス電圧の印加方向Wとがなす角度は前述したとおりである。
また、基材表面が平面的ではなく、三次元的に伸びている場合には、基材表面と対向電極との間隔が略一定になるように対向電極を移動させる。例えば、図5(a)〜(c)の例においては、略円筒形状の基材14の表面14a上に薄膜18を形成していく。ただし、本例では、基材14が基盤電極を兼ねている。まず、図5(a)に示すように対向電極7を表面14aから一定距離の位置に移動させ、薄膜18aを形成する。次いで、図5(b)に示すように、対向電極7を矢印Hのように円筒面に沿って移動させ、薄膜18bを形成する。次いで、図8(c)に示すように、対向電極7を移動させ、薄膜18cを形成する。これによって比較的大面積の薄膜18が生成する。
また、図6に示すように、円筒状基材16の内周面16aに薄膜6を形成することもできる。この場合には、対向電極7を、空間16b内で、矢印Jのように基材内周面16aに対して一定間隔を保持するように移動させながら成膜を行う。ただし、本例では、基材16が基盤電極を兼ねている。なお、対向電極の移動方向Jとパルス電圧の印加方向Wとがなす角度は前述したとおりである。
また、図7に示すように、複雑な形状の基材17の、外側から直接見えないような内周面に対して薄膜6を形成することができる。基材17は、入り口に近い細長い空間17aと、空間17aから略垂直に伸びる細長い空間17bとが形成されている。17eは折曲部分である。本発明に従い、図7に示すようにして、対向電極7を、空間17aに面する内周面17cに略平行に移動させることによって、内周面17c上に薄膜を形成することができる。また、図7に示すように、折曲部分17eから奥にある空間17bに面する内周面17d上にも薄膜6を形成することができる。この際には、対向電極7を、空間17bに面する内周面17dに略平行に移動させることによって、内周面17d上に薄膜を形成することができる。ただし、本例では、基材17が基盤電極を兼ねている。なお、対向電極の移動方向Kとパルス電圧の印加方向Wとがなす角度は前述したとおりである。
本発明によって得られる薄膜の材質は、ダイヤモンド状炭素以外には以下を例示できる。例えば、アモルファスシリコン膜(a―Si:H)や、BCN、BN、CNなどのアモルファス膜や結晶膜があげられる。
また、上記した例では、基盤電極を固定し、対向電極を移動させた。しかし、対向電極を固定し、基盤電極を移動させることができる。あるいは、対向電極と基盤電極との両方を移動させることができる。いずれにせよ、基盤電極の位置に対する対向電極の相対的位置が移動(変化)していればよい。
(比較例)
図2を参照しつつ説明した装置を使用し、ダイヤモンド状炭素の薄膜を製造した。電源3としては静電誘導サイリスタ素子を用いた電源を用いた。チャンバー1はアクリル製である。基盤電極5の直径はφ100mmである。基盤電極5の表面に誘電体は被覆されていない。基盤電極5上にシリコン基板(縦50mm、横20mm、厚さ0.5mm)からなる基材4を配置した。基材4の表面から1mm上方に対向電極7を配置した。対向電極7の表面は、直径が5mmであり、ガス吹き出し用に内径3mmの円筒パイプ構造になっている。
本実施例では真空ポンプを用いず、一般的な排気ファンを用いて、ガス排気を行った。その為、成膜条件はおおよそ760Torrである。次いで、対向電極7の円筒パイプからメタンガス20sccmとヘリウムガス 5.0slmとの混合気体を導入しながら、対向電極7と基盤電極5の間にパルス電圧を印加した。パルス電圧の電圧値は+2.5kVであり、パルス周期は1.5kHであり立ち上がり時間は150nsecであり、立ち下がり時間は150nsecであり、パルス継続時間は300nsecである。このパルス電圧を印加して10分間放電を行い、ダイヤモンド状炭素薄膜7を成膜した。最終的に得られた薄膜の寸法は、約φ5mmである。
薄膜7には、図8に示すような薄膜欠陥が生じていた。そこで、欠陥のない部分を採取し、ラマン分光装置(日本分光社製、「NRS−1000」)を使用して、ラマン分光分析を行った。この結果、波数1350〜1450cm−1にショルダーピークを確認できるのと共に、1580cm−1周辺にメインピークを確認でき、膜品質が良好であることが判明した。
(実施例)
比較例と同様にしてダイヤモンド状炭素薄膜を形成した。ただし、図3、図4に示すように対向電極7を縦横に移動させた。対向電極の移動速度は0.05mm/secとし、成膜時間は10分とした。最終的に得られた薄膜の寸法は、幅が約5mm×約40mmである。また、図8に示すような目立った薄膜欠陥は見られなかった(図9)。薄膜を採取し、ラマン分光装置(日本分光社製、「NRS−1000」)を使用して、ラマン分光分析を行った。この結果、波数1350〜1450cm−1にショルダーピークを確認できるのと共に、1580cm−1周辺にメインピークを確認でき、膜品質が良好であることが判明した。
(a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ、種々のパルス電圧の形態とパルス継続時間との関係を示すグラフである。 本発明を実施するのに適した成膜装置を模式的に示す図である。 (a)、(b)は、基材4上での対向電極の移動方向と薄膜8a、8bの関係を示すグラフである。 (a)、(b)は、基材4上での対向電極の移動方向と薄膜8c、8dの関係を示すグラフである。 (a)、(b)および(c)は、それぞれ、円柱形状の基材14の表面14aに薄膜18を形成している状態を示す斜視図である。 円筒形状の基材16の内周面16aに薄膜6を形成している状態を模式的に示す断面図である。 複雑な形状の基材17の内周面17dに薄膜6を形成している状態を模式的に示す断面図である。 比較例において形成した薄膜の薄膜欠陥を示す写真である。 本発明例において形成した薄膜を示す写真である。
符号の説明
1 チャンバー 3 パルス電源 4 平板状基材(基盤電極) 4a、14a、16a、17d 基材の表面 5 基盤電極 6、8、18 薄膜 16 基盤電極 18 円柱状基材 A 成膜用の原料ガス E、F、G、H、L、J,K 対向電極の移動方向 W パルス電圧の印加方向

Claims (6)

  1. 炭素源を含む原料ガスを含む雰囲気下で100〜1600Torrの圧力下において、基盤電極とこの基盤電極に対向する対向電極との間にパルス電圧を印加することにより放電プラズマを生じさせ、薄膜を生成させるのに際して、前記パルス電圧のパルス継続時間が10〜1000nsecであり、前記パルス電圧の印加方向と交差する方向へと向かって前記対向電極と前記基盤電極との少なくとも一方を移動させながら前記薄膜を生成させることを特徴とする、薄膜の製造方法。
  2. 前記薄膜が実質的にダイヤモンド状炭素からなることを特徴とする、請求項1記載の薄膜の製造方法。
  3. 前記対向電極に、前記原料ガスの吹き出し口が設けられていることを特徴とする、請求項1または2記載の薄膜の製造方法。
  4. 前記基盤電極上に誘電体基板を設置し、誘電体基板上に前記薄膜を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の薄膜の製造方法。
  5. 前記基盤電極上に前記薄膜を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の薄膜の製造方法。
  6. 前記基盤電極の表面が湾曲面または傾斜面を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の薄膜の製造方法。
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