JP3782708B2 - 放電プラズマ処理装置及びそれを用いる放電プラズマ処理方法 - Google Patents
放電プラズマ処理装置及びそれを用いる放電プラズマ処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3782708B2 JP3782708B2 JP2001329374A JP2001329374A JP3782708B2 JP 3782708 B2 JP3782708 B2 JP 3782708B2 JP 2001329374 A JP2001329374 A JP 2001329374A JP 2001329374 A JP2001329374 A JP 2001329374A JP 3782708 B2 JP3782708 B2 JP 3782708B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dielectric
- dielectric constant
- electrode
- solid dielectric
- discharge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
- Drying Of Semiconductors (AREA)
- Plasma Technology (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電プラズマ処理装置に関し、特に、電極対向面を2種類の固体誘電体で被覆した電極を用いた放電プラズマ装置及びそれを用いた放電プラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、低圧条件下でグロー放電プラズマを発生させて被処理体の表面改質、又は被処理体上に薄膜形成を行う方法が実用化されている。しかし、これらの低圧条件下における処理装置は、真空チャンバー、真空排気装置等が必要であり、表面処理装置は高価なものとなり、大面積基板等を処理する際にはほとんど用いられていなかった。このため、特開平6−2149号公報、特開平7−85997号公報、特開平10−154598号公報等に記載されているような大気圧近傍の圧力下で放電プラズマを発生させる常圧プラズマ処理装置が提案されてきている。
【0003】
このような処理方法においては、固体誘電体等で被覆した平行平板型等の電極間に被処理体を設置し、電極間に処理ガスを導入し、電極間に電圧を印加し、発生したプラズマで被処理体を処理する装置を用いている。用いられる平行平板型の対向電極は、概略同面積の平板2枚を平行に配置した電極が用いられ、両電極が相対的に同じ位置に設置されており、電極端部同士が直面する位置に配置されるので、電極端部のエッジが対向する部分では、電界が集中し、針状放電と呼ばれる異常放電が起こり易く、被処理基材の表面にダメージを与えるという問題があった。
【0004】
さらに、被処理体の特定部分のみにプラズマ処理を行いやすく、しかも被処理物を連続的に処理することができ、かつ大面積基材の処理ができる装置として、平行平板型電極の先端に長尺プラズマガス吹き出し口ノズルを設けたリモート型プラズマ処理装置等が開発されてきているが、この場合も、電極間の間隔を狭くして、高電圧を印加すると電極端部において針状放電が起こり易く、端部の異常放電は、プラズマ流によって持ち出され、被処理基材に転写され、被処理基材上の薄膜形成等においては、スジ状の模様が入り、膜質不良の原因となるといった問題を有していた。
【0005】
特に、原料ガスとして金属系ガスを用いる場合や、処理の高速化を求められる場合、プラズマを高密度で均一に発生させることが求められるが、高密度プラズマと異常放電の防止を両立させることは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、平行平板型電極間の端部での異常放電を抑制し、基材上に形成される薄膜等に影響を与えない放電プラズマ処理装置及びそれを用いた放電プラズマ処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、平行平板型電極を被覆する固体誘電体として誘電率の異なる2種類の誘電体を用い、電極端部を低誘電率固体誘電体で被覆することにより、電極端部における異常放電を抑えて安定したプラズマ放電を実現できることを見出し本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明の第1の発明は、対向面が固体誘電体で被覆された対向電極間に電界を印加することによって発生するグロー放電プラズマを基材に接触させて処理を行う放電プラズマ処理装置であって、前記固体誘電体として、誘電率10以上の高誘電率固体誘電体と誘電率10未満の低誘電率固体誘電体を用い、前記低誘電率固体誘電体が電極端部に配置されることを特徴とする放電プラズマ処理装置である。
【0009】
また、本発明の第2の発明は、前記対向電極間に発生するグロー放電プラズマを、プラズマ発生空間外に配置された基材に導いて処理を行うようになされた第1の発明に記載の放電プラズマ処理装置である。
【0010】
また、本発明の第3の発明は、高誘電率固体誘電体と低誘電率固体誘電体との境界が、電極対向面に対して斜めになされていることを特徴とする第1又は2の発明に記載の放電プラズマ処理装置である。
【0011】
また、本発明の第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明に記載の放電プラズマ処理装置を用い、パルス立ち上がり及び/又は立ち下がり時間が10μs以下、電界強度が10〜1000kV/cmのパルス電界を印加し、発生するグロー放電プラズマを基材に接触させて処理を行うことを特徴とする放電プラズマ処理方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、対向面が固体誘電体で被覆された対向電極間に電界を印加し、当該電極間に処理ガスを導入して、発生するグロー放電プラズマを基材に接触させて処理を行う放電プラズマ処理装置において、両電極を被覆する固体誘電体として、誘電率10以上の高誘電率固体誘電体と誘電率10未満の低誘電率固体誘電体を用い、高誘電率固体誘電体が電極平面部に配置され、低誘電率固体誘電体が電極端部に配置されるように被覆することにより異常放電を抑えた放電プラズマ処理装置である。以下に詳細に本発明を説明する。
【0013】
本発明に用いる装置の電極部分の一例を図で説明する。図1は、本発明のプラズマ放電装置の印加電極2と接地電極3、高誘電率固体誘電体5、低誘電体固体誘電体6の設置場所を説明するための一例の模式的断面図である。図1において、印加電極2と接地電極3は対向して設けられ、放電空間4を形成し、電源1から電圧が印加される。処理ガスは、矢印方向に放電空間4に導入され、プラズマ化される。電極2及び3は固体誘電体で被覆され、電極の放電部分の平面部分には高誘電率固体誘電体5が、電極の端部は低誘電率固体誘電体6がそれぞれ被覆されている。このように、電極の平面放電部に高誘電率固体誘電体層を存在させることにより、よりプラズマ化が促進され、電極端部に低誘電率固体誘電体層を存在させることにより端部の針状放電等の異常放電を抑制することができる。
【0014】
ここで、本発明において、低誘電率固体誘電体が電極端部に配置されているとは、一方の電極端部から他方の電極の対向面に対して垂線を引いたとき、この垂線が少なくとも低誘電率固体誘電体層を通るように配置されていることを意味し、この垂線上に高誘電率固体誘電体層が存在しても構わない。
【0015】
図2は、本発明のプラズマ放電装置に用いる固体誘電体で被覆した他の例の一方の電極の模式的断面図の拡大図である。図2において、電極2又は3の放電部分の平面部分には高誘電率固体誘電体5が、電極の端部は低誘電率固体誘電体6がそれぞれ被覆され、高誘電率固体誘電体5と低誘電率固体誘電体6の境界が電極対向面に対して斜めになされている。図2のように両固体誘電体をテーパー状に配置し、放電空間から電極との隣接面に至る深さ方向全体に渡った誘電率(複合誘電率)をグラデーション状に変化するように配置すると、より電極端部の異常放電が抑えられると共に放電有効区間が広がる効果がある。
【0016】
図3は、本発明のプラズマ放電装置に用いる固体誘電体で被覆した他の例の一方の電極の模式的断面図の拡大図である。図3において、電極2又は3の放電部分の平面部分には高誘電率固体誘電体5が被覆され、その上から全体を低誘電率固体誘電体6で被覆し、高誘電率固体誘電体5と低誘電率固体誘電体6の境界が電極対向面に対して斜めになされている。図3のように電極放電部分の平面部を高誘電率固体誘電体層と低誘電率固体誘電体層の2層にし、両固体誘電体をテーパー状に配置することにより、平面部の微少アーク放電を抑制する効果がより高まり、かつ、電極端部の異常放電が抑えられると共に放電有効区間が広がる効果がある。
【0017】
本発明の固体誘電体被覆電極を平行平板型電極の先端に長尺プラズマガス吹き出し口ノズルを設けたリモート型プラズマ処理装置等に用いる場合は、電極の被処理基材に対向する側の端部のみを上記のような低誘電率固体誘電体と高誘電率固体誘電体の構成により被覆してもよい。
【0018】
上記固体誘電体において、低誘電率固体誘電体とは、誘電率が10未満、好ましくは4以下の固体誘電体であって、例えば、アルミナ、石英、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミドイミド等を挙げることができる。また、高誘電率固体誘電体とは、誘電率が10以上、好ましくは20以上、より好ましくは100以上の固体誘電体であって、例えば、チタン酸バリウム、ジルコニア等を挙げることができる。
【0019】
上記両固体誘電体は、固体誘電体と電極が密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に覆うようにする必要があり、固体誘電体によって覆われずに電極同士が直接対向する部位があると、そこからアーク放電が生じやすい。
【0020】
電極平面部に被覆する高誘電率固体誘電体の厚みは、0.1〜5mmが好ましく、より好ましくは0.3〜2mmである。また、電極端部に被覆する低誘電率固体誘電体の厚みは、0.1〜5mmが好ましく、より好ましくは0.5〜2mmである。固体誘電体層全体の厚みは、0.1〜5mmであることが好ましく、両固体誘電体層がテーパー状に配置する場合は、全体の厚みを超えないようにする必要がある。上記両固体誘電体を被覆した形状は、シート状でもフィルム状でもよく、厚すぎると放電プラズマを発生するのに高電圧を要することがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁破壊が起こり、アーク放電が発生することがある。
【0021】
固体誘電体の電極への被覆方法としては、溶射コーティング法、スパッタリング方法、CVD方法等が挙げられ、これらの中では溶射コーティング法が好ましい。
【0022】
上記電極の材質としては、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間化合物等からなるものが挙げられる。電極の形状としては、プラズマ放電が安定にできれば、特に限定されないが、電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、対向電極間の距離が一定となる構造であることが好ましく、より好ましくは電圧印加電極と接地電極間の間が平行平坦部分を有する形状であり、特に好ましくは、両電極が略平面形状であるのが好ましい。
【0023】
上記電極間の距離は、固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して適宜決定されるが、0.1〜50mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜5mmである。0.1mm未満では、電極間の間隔を置いて設置するのに充分でないことがあり、一方、50mmを超えると、均一な放電プラズマを発生させにくい。
【0024】
本発明では、上記電極間に、パルス波、高周波、マイクロ波等の電界が印加され、プラズマを発生させるが、パルス電界を印加することが好ましく、特に、電界の立ち上がり及び/又は立ち下がり時間が、10μs以下である電界が好ましい。10μsを超えると放電状態がアークに移行しやすく不安定なものとなり、パルス電界による高密度プラズマ状態を保持しにくくなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が短いほどプラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われるが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス電界を実現することは、実際には困難である。より好ましくは50ns〜5μsである。なお、ここでいう立ち上がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して増加する時間、立ち下がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して減少する時間を指すものとする。
【0025】
上記パルス電界の電界強度は、10〜1000kV/cmとなるようにするのが好ましく、より好ましくは20〜1000kV/cmである。電界強度が10kV/cm未満であると処理に時間がかかりすぎ、1000kV/cmを超えるとアーク放電が発生しやすくなる。
【0026】
上記パルス電界の周波数は、0.5kHz以上であることが好ましい。0.5kHz未満であるとプラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎる。上限は特に限定されないが、常用されている13.56MHz、試験的に使用されている500MHzといった高周波帯でも構わない。負荷との整合のとり易さや取り扱い性を考慮すると、500kHz以下が好ましい。このようなパルス電界を印加することにより、処理速度を大きく向上させることができる。
【0027】
また、上記パルス電界におけるひとつのパルス継続時間は、200μs以下であることが好ましい。200μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。ここで、ひとつのパルス継続時間とは、ON、OFFの繰り返しからなるパルス電界における、ひとつのパルスの連続するON時間を言う。
【0028】
本発明の放電プラズマ処理装置は、どのような圧力下でも用いることができるが、常圧放電プラズマ処理に用いるとその効果を十分に発揮でき、特に、大気圧近傍下の圧力下で用いるとその効果が十分に発揮される。
【0029】
上記大気圧近傍の圧力下とは、1.333×104〜10.664×104Paの圧力下を指す。中でも、圧力調整が容易で、装置が簡便になる9.331×104〜10.397×104Paの範囲が好ましい。
【0030】
大気圧近傍の圧力下では、ヘリウム、ケトン等の特定のガス以外は安定してプラズマ放電状態が保持されずに瞬時にアーク放電状態に移行することが知られているが、パルス状の電界を印加することにより、アーク放電に移行する前に放電を止め、再び放電を開始するというサイクルが実現されると考えられる。
【0031】
本発明で処理できる被処理基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂等のプラスチック、ガラス、セラミック、金属等が挙げられる。基材の形状としては、板状、フィルム状等のものが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明の表面処理方法によれば、様々な形状を有する基材の処理に容易に対応することができる。
【0032】
本発明で用いる処理ガスとしては、電界を印加することによってプラズマを発生するガスであれば、特に限定されず、処理目的により種々のガスを使用できる。
【0033】
上記処理用ガスとして、CF4、C2F6、CClF3、SF6等のフッ素含有化合物ガスを用いることによって、撥水性表面を得ることができる。
【0034】
また、処理用ガスとして、O2、O3、水、空気等の酸素元素含有化合物、N2、NH3等の窒素元素含有化合物、SO2、SO3等の硫黄元素含有化合物を用いて、基材表面にカルボニル基、水酸基、アミノ基等の親水性官能基を形成させて表面エネルギーを高くし、親水性表面を得ることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸等の親水基を有する重合性モノマーを用いて親水性重合膜を堆積することもできる。
【0035】
さらに、Si、Ti、Sn等の金属の金属−水素化合物、金属−ハロゲン化合物、金属アルコラート等の処理用ガスを用いて、SiO2、TiO2、SnO2等の金属酸化物薄膜を形成させ、基材表面に電気的、光学的機能を与えることができ、ハロゲン系ガスを用いてエッチング処理、ダイシング処理を行ったり、酸素系ガスを用いてレジスト処理や有機物汚染の除去を行ったり、アルゴン、窒素等の不活性ガスによるプラズマで表面クリーニングや表面改質を行うこともできる。
【0036】
経済性及び安全性の観点から、上記処理用ガス単独雰囲気よりも、以下に挙げるような希釈ガスによって希釈された雰囲気中で処理を行うことが好ましい。希釈ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガス、窒素気体等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。また、希釈ガスを用いる場合、処理用ガスの割合は0.01〜10体積%であることが好ましい。
【0037】
なお、本発明の装置によれば、プラズマ発生空間中に存在する気体の種類を問わずグロー放電プラズマを発生させることが可能である。公知の低圧条件下におけるプラズマ処理はもちろん、特定のガス雰囲気下の大気圧プラズマ処理においても、外気から遮断された密閉容器内で処理を行うことが必須であったが、本発明のグロー放電プラズマ処理装置を用いた方法によれば、開放系、あるいは、気体の自由な流失を防ぐ程度の低気密系での処理が可能となる。
【0038】
本発明のパルス電界を用いた大気圧放電処理装置によると、全くガス種に依存せず、電極間において直接大気圧下で放電を生じせしめることが可能であり、より単純化された電極構造、放電手順による大気圧プラズマ装置、及び処理手法でかつ高速処理を実現することができる。また、パルス周波数、電圧、電極間隔等のパラメータにより処理に関するパラメータも調整できる。
【0039】
【実施例】
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0040】
実施例1
図3に示す電極を有する装置を用い、放電プラズマ処理を行った。電極として、200mm×60mm×厚み15mmのSUS製平行平板電極を用いた。電極の平面部に高誘電率固体誘電体としてチタン酸バリウムを0.6mmの厚さに溶射コーティングし、続いて電極の端部に低誘電率固体誘電体としてアルミナを0.6mmの厚さに溶射コーティングした。両電極を2mmの間隔をおいて設置し、処理ガスとして、N280体積%とO220体積%の混合希釈ガス中にTEOSを0.02g/minとなるように放電空間4に導入し、電極間に電圧20kVPP、周波数10kHzのパルス電界を印加し、発生したプラズマをSiウェーハ基材上に吹き付けた。プラズマの発生は、均一に良好であり、端部においても異常放電が生ぜず、基材上には100nmのSiO2膜が形成された。薄膜は、電極長手方向(幅方向)全体に渡って膜厚±5%以内の均一なものであった。
【0041】
比較例1
電極を端部まで高誘電率固体誘電体のチタン酸バリウムのみで被覆する以外は、実施例1と同様にして基材上への薄膜形成を行った。電極端部において、針状の微少な落雷が見られ、基材の落雷箇所の薄膜には打痕状の模様が認められた。また、電極長手方向の膜厚は±10%であった。
【0042】
【発明の効果】
本発明の放電プラズマ処理装置は、高密度プラズマの発生と異常放電の防止を両立し、かつ簡便な処理装置であるので、高速処理及び大面積処理に対応可能でかつ半導体製造工程で用いられる種々の方法を始めとして、あらゆるプラズマ処理方法において、インライン化及び高速化を実現するのに有効に用いることができる。これにより、処理時間の短縮化、コスト低下が可能になり、従来では不可能あるいは困難であった様々な用途への展開が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電プラズマ処理装置の例を説明する模式的断面図である。
【図2】本発明の放電プラズマ処理装置の電極の一例を説明する模式的断面図である。
【図3】本発明の放電プラズマ処理装置の電極の一例を説明する模式的断面図である。
【符号の説明】
1 電源(高電圧パルス電源)
2、3 電極
4 放電空間
5 高誘電率固体誘電体
6 低誘電率固体誘電体
Claims (6)
- 対向面が固体誘電体で被覆された電極とこの電極の前記対向面と対向する他の電極との間に電界を印加することによって発生するグロー放電プラズマを基材に接触させて処理を行う放電プラズマ処理装置であって、
前記対向面を被覆する固体誘電体が、誘電率の異なる2種類の誘電体を含み、前記対向面の端側の部分における誘電率が、前記対向面の前記端側部分より内側の部分における誘電率より低くなっていることを特徴とする放電プラズマ処理装置。 - 前記対向面の端側部分における誘電率が、前記対向面の内側に向かうにしたがって高くなっていることを特徴とする請求項1に記載の放電プラズマ処理装置。
- 前記対向面の内側部分には、前記誘電率の異なる2種類の誘電体のうち高誘電率の固体誘電体が設けられ、この高誘電率固体誘電体が、前記対向面の端側を向く端面を有し、
前記対向面の端側部分には、前記誘電率の異なる2種類の誘電体のうち低誘電率の固体誘電体が設けられ、この低誘電率固体誘電体が、前記対向面の内側を向くとともに前記高誘電率固体誘電体の前記端面と接して前記2種類の誘電体どうしの境界を形成する端面を有し、
前記境界が、前記対向面に対して前記他の電極の側に向かうにしたがって前記内側に傾く斜面になっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の放電プラズマ処理装置。 - 前記対向面の内側部分には、前記誘電率の異なる2種類の誘電体のうち高誘電率の固体誘電体が設けられ、この高誘電率固体誘電体が、前記対向面の端側を向く端面を有し、
前記対向面の端側部分には、前記誘電率の異なる2種類の誘電体のうち低誘電率の固体誘電体が設けられ、この低誘電率固体誘電体が、前記対向面の内側を向くとともに前記高誘電率固体誘電体の前記端面と接して前記2種類の誘電体どうしの境界を形成する端面を有し、
前記境界が、前記対向面に対して直交していることを特徴とする請求項1に記載の放電プラズマ処理装置。 - 前記誘電率の異なる2種類の誘電体のうち高誘電率の固体誘電体が、前記対向面の内側部分に設けられ、
前記誘電率の異なる2種類の誘電体のうち低誘電率の固体誘電体が、前記対向面を有する電極における前記対向面の端側部分から前記対向面と交差する側端面にわたって設けられていることを特徴とする請求項1に記載の放電プラズマ処理装置。 - 前記誘電率の異なる2種類の誘電体のうち高誘電率の固体誘電体の誘電率が10以上であり、前記誘電率の異なる2種類の誘電体のうち低誘電率の固体誘電体
の誘電率が10未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の放電プラズマ処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001329374A JP3782708B2 (ja) | 2001-10-26 | 2001-10-26 | 放電プラズマ処理装置及びそれを用いる放電プラズマ処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001329374A JP3782708B2 (ja) | 2001-10-26 | 2001-10-26 | 放電プラズマ処理装置及びそれを用いる放電プラズマ処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003133291A JP2003133291A (ja) | 2003-05-09 |
JP3782708B2 true JP3782708B2 (ja) | 2006-06-07 |
Family
ID=19145287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001329374A Expired - Fee Related JP3782708B2 (ja) | 2001-10-26 | 2001-10-26 | 放電プラズマ処理装置及びそれを用いる放電プラズマ処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3782708B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10259831B4 (de) * | 2002-12-19 | 2005-06-09 | Imt Innovative Messtechnik Gmbh | Plasmagenerator |
JP4499055B2 (ja) * | 2005-09-22 | 2010-07-07 | 積水化学工業株式会社 | プラズマ処理装置 |
KR100995210B1 (ko) | 2005-09-22 | 2010-11-17 | 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 | 플라즈마 처리 장치 |
JP4619315B2 (ja) * | 2006-04-06 | 2011-01-26 | 積水化学工業株式会社 | プラズマ処理装置 |
DE102006011312B4 (de) * | 2006-03-11 | 2010-04-15 | Fachhochschule Hildesheim/Holzminden/Göttingen - Körperschaft des öffentlichen Rechts - | Vorrichtung zur Plasmabehandlung unter Atmosphärendruck |
JP4871111B2 (ja) * | 2006-12-13 | 2012-02-08 | 積水化学工業株式会社 | プラズマ処理装置 |
JP2009135095A (ja) * | 2007-10-30 | 2009-06-18 | Kyocera Corp | 放電用電極体、放電用電極アセンブリおよび放電処理装置 |
KR101071246B1 (ko) * | 2008-11-27 | 2011-10-10 | 엘아이지에이디피 주식회사 | 등가전기장이 발생되는 정전척 및 이를 포함하는 플라즈마 이온 주입장치 |
JP2010174325A (ja) * | 2009-01-29 | 2010-08-12 | Kyocera Corp | 放電用電極体、放電用電極アセンブリおよび放電処理装置 |
WO2011099247A1 (ja) * | 2010-02-10 | 2011-08-18 | 国立大学法人愛媛大学 | 液中プラズマ用電極、液中プラズマ発生装置およびプラズマ発生方法 |
JP2012099360A (ja) * | 2010-11-02 | 2012-05-24 | Tohoku Ricoh Co Ltd | 改質装置及び後処理装置及び画像形成装置 |
-
2001
- 2001-10-26 JP JP2001329374A patent/JP3782708B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003133291A (ja) | 2003-05-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5021877B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP3823037B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2003019433A (ja) | 放電プラズマ処理装置及びそれを用いた処理方法 | |
TWI450328B (zh) | Plasma etch methods and computer-readable memory media | |
JP2003217898A (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP3782708B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置及びそれを用いる放電プラズマ処理方法 | |
JP3706027B2 (ja) | プラズマ処理方法 | |
JP3962280B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2003218099A (ja) | 放電プラズマ処理方法及びその装置 | |
JP2003318000A (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2003317998A (ja) | 放電プラズマ処理方法及びその装置 | |
JP2003208999A (ja) | 放電プラズマ処理方法及びその装置 | |
US20110247995A1 (en) | Dry etching method and dry etching apparatus | |
JP2003338398A (ja) | 放電プラズマ処理方法及びその装置 | |
JPWO2008032627A1 (ja) | ドライエッチング方法 | |
JP3722733B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP3793451B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2003059909A (ja) | 放電プラズマ処理装置及びそれを用いた処理方法 | |
JP2002320845A (ja) | 常圧プラズマ処理装置 | |
JP2003129246A (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2003249399A (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2004115896A (ja) | 放電プラズマ処理装置及び放電プラズマ処理方法 | |
JP2003171768A (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP4733377B2 (ja) | 表面処理装置 | |
JP2004103251A (ja) | 放電プラズマ処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040727 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050701 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051130 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060126 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060222 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060310 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100317 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100317 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110317 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110317 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120317 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |