JP2003208999A - 放電プラズマ処理方法及びその装置 - Google Patents

放電プラズマ処理方法及びその装置

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JP2003208999A
JP2003208999A JP2002003544A JP2002003544A JP2003208999A JP 2003208999 A JP2003208999 A JP 2003208999A JP 2002003544 A JP2002003544 A JP 2002003544A JP 2002003544 A JP2002003544 A JP 2002003544A JP 2003208999 A JP2003208999 A JP 2003208999A
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extinguishing gas
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Takuya Yara
卓也 屋良
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極端部で微小アーク放電が発生しても、そ
の発生後に直ちに消弧する放電プラズマ処理方法及びそ
の装置の提供。 【解決手段】 少なくとも一方の電極対向面が固体誘電
体で被覆された一対の対向電極間に電界を印加し、前記
対向電極間に処理ガスを導入してグロー放電プラズマを
発生させる電極構造から、プラズマ発生空間外に配置さ
れた被処理体にプラズマを吹き付けて処理を行う処理方
法において、電極構造の外縁から消弧ガスを吹き出し微
小アーク放電の発生を防止することを特徴とする放電プ
ラズマ処理方法及びその装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電プラズマ処理
方法及び装置に関し、特に、消弧ガスで電極端部に発生
する微小アーク放電を防止する放電プラズマ処理方法及
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、低圧条件下でグロー放電プラ
ズマを発生させて被処理体の表面改質、又は被処理体上
に薄膜形成を行う方法が実用化されている。しかし、こ
れらの低圧条件下における処理装置は、真空チャンバ
ー、真空排気装置等が必要であり、表面処理装置は高価
なものとなり、大面積基板等を処理する際にはほとんど
用いられていなかった。このため、特開平6−2149
号公報、特開平7−85997号公報等に記載されてい
るような大気圧近傍の圧力下で放電プラズマを発生させ
る常圧プラズマ処理装置が提案されてきている。
【0003】しかしながら、常圧プラズマ処理方法にお
いても、固体誘電体等で被覆した平行平板型等の電極間
に被処理体を設置し、電極間に電圧を印加し、発生した
プラズマで被処理体を処理する装置では、被処理体全体
を放電空間に置くこととなり、被処理体にダメージを与
えることになりやすいという問題があった。
【0004】このような問題を解決するものとして、被
処理体を放電空間中に配置するのではなく、その近傍に
配置し、放電空間から被処理体にプラズマを吹き付ける
リモート型の装置が提案されている。これらの装置にお
いては、電極の端部などの境界条件においては、電界が
集中しやすく、放電条件の乱れで針状の微小なアーク放
電が生じることがある。いったんアーク放電が生じると
電界を切るまでアークが消えず、被処理体の処理が均一
になされないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑み、電極端部で微小アーク放電が発生しても、その発
生後に直ちに消弧する放電プラズマ処理方法及び装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、電極端部外縁にガス吹き
出し機構を取り付けて、高電圧遮断器で用いられる消弧
技術を応用することにより常圧プラズマ電極の微小アー
クを消弧することができることを見出し、本発明を完成
させた。
【0007】すなわち、本発明の第1の発明は、少なく
とも一方の電極対向面が固体誘電体で被覆された一対の
対向電極間に電界を印加し、前記対向電極間に処理ガス
を導入してグロー放電プラズマを発生させる電極構造か
ら、プラズマ発生空間外に配置された被処理体にプラズ
マを吹き付けて処理を行う処理方法において、電極構造
の外縁から消弧ガスを吹き出し微小アーク放電の発生を
防止することを特徴とする放電プラズマ処理方法であ
る。
【0008】また、本発明の第2の発明は、少なくとも
一方の電極対向面が固体誘電体で被覆された一対の対向
電極間に電界を印加し、前記対向電極間に処理ガスを導
入してグロー放電プラズマを発生させる電極構造から、
プラズマ発生空間外に配置された被処理基材にプラズマ
を吹き付けて処理を行う処理装置において、電極構造の
外縁に消弧ガス吹き出し機構を備えてなることを特徴と
する放電プラズマ処理装置である。
【0009】また、本発明の第3の発明は、消弧ガスの
吹き出し方向が、消弧ガス吹き出し口から被処理体に向
かってプラズマ吹き出し方向に平行に引いた線より電極
寄りであることを特徴とする請求項2に記載の放電プラ
ズマ処理装置である。
【0010】また、本発明の第4の発明は、さらに、消
弧ガス吹き出し機構の外縁にガス排気機構を備えてなる
ことを特徴とする第2又は3の発明に記載の放電プラズ
マ処理装置である。
【0011】また、本発明の第5の発明は、消弧ガス
が、窒素、酸素、フロン、SF6から選ばれるいずれか
のガスであることを特徴とする第2〜4のいずれかの発
明に記載の放電プラズマ処理装置である。
【0012】また、本発明の第6の発明は、放電電流を
モニターして、放電電流値の異常を検知し、消弧ガスの
吹き出しのON/OFFを行うことを特徴とする第2〜
5のいずれかの発明に記載の放電プラズマ処理装置であ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、対向する電極の少なく
とも一方の対向面を固体誘電体で被覆した一対の対向電
極間に電界を印加し、当該電極間に処理ガスを導入して
グロー放電プラズマを発生させる電極構造(以下、リモ
ートソースということがある。)のプラズマガス吹き出
しノズルから、放電空間外に配置された被処理体にプラ
ズマを吹き付けて処理する放電プラズマ処理装置におい
て、プラズマガス吹き出しノズルの外縁に消弧ガス吹き
出し機構を備え、微小アーク発生部分の電離作用を抑
え、アーク放電を消弧することのできる放電プラズマ処
理方法及び装置である。
【0014】本発明の消弧ガス吹き出し機構を備えたリ
モートソースの構成の例を図で説明する。図1は、消弧
ガス吹き出し機構を備えた平行平板型電極のリモートソ
ースを用い被処理体を処理する装置の一例の模式的断面
図である。図1において、処理ガスは矢印方向に、電源
1から電界を印加された平行平板電極2及び3で構成さ
れる放電空間4に処理ガス導入口5から導入され、プラ
ズマ化され、プラズマ吹き出しノズル6から搬送ステー
ジ8で搬送される被処理体8の表面に吹き付けられる。
電極2及び3の被処理体側の端部側の外縁には、消弧ガ
ス吹き出し機構10が設けられ、消弧ガス吹き出し口1
1から電極端部と被処理体の間の空間に向かって消弧ガ
スを矢印方向に吹き付け、アーク発生部分の電離作用を
抑制してアーク放電を消弧するか、または電極2及び3
の被処理体側の端部に電界が集中して被処理体に向かっ
て微小アーク放電Aが発生した場合は、消弧ガス吹き出
し口11から微小アーク放電Aに向かって吹き付け、ア
ーク発生部分の電離作用を抑制して、アーク放電を消弧
する。消弧済みガス及びプラズマ処理済みガスは、消弧
ガス吹き出し機構のガス排気機構である排ガス吸収口1
2から吸収回収される。
【0015】消弧ガスは、プラズマ発生部に巻き込まれ
ると放電を妨げることがあるので、消弧ガス吹き出し機
構10の消弧ガス吹き出し口11の吹き付け角度を電極
先端から被処理体に発生する微小アーク発生領域のみに
吹き付けるのが好ましい。例えば、消弧ガス吹き出し口
11から被処理体に向かってプラズマ吹き出し方向に平
行に引いた線より電極寄りであって、プラズマ吹き出し
口6に向かった線より被処理体寄りであるのが好まし
い。
【0016】消弧ガスの吹き付けは、プラズマ処理中常
時吹き付けてもよく、微小アークの発生時のみに吹き付
けるだけでもよい。アーク発生時には電流値が急激に上
昇するので、プラズマ電流を常時測定監視し、アーク発
生時に電流値が急激に増加した場合の信号を消弧ガス吹
き出し機構に伝え、その時点で消弧ガスをアーク発生領
域に吹き出させればよく、そのように制御するシステム
を用いるのが好ましい。すなわち、放電電流をモニター
して、放電電流値の異常を検知し、消弧ガスの吹き出し
のON/OFFを行う様にするのが好ましい。この場
合、消弧に必要な電流変化は、処理ガスの種類よって異
なるが、例えば、プラズマ処理中の電流値の平均値より
60%以上に上昇した際には、消弧ガスを吹き付けるよ
うにすることにより、アークを完全に消弧することがで
きる。消弧ガスの吹き付け量、消弧ガス速度等もプラズ
マ電流の変化を監視することにより適宜決定することが
できる。
【0017】本発明で用いることのできる消弧ガスとし
ては、絶縁耐圧の高いガスあるいは電気的負性気体を用
いることができ、例えば、窒素、酸素、乾燥空気、SF
6、C816O等を挙げることができる。これらのガスの
中でも、安全性の面から窒素、酸素、フロンが望まし
く、緊急的にはSF6を用いるのが好ましい。消弧ガス
として、窒素、酸素を用いる場合は、常時吹き付てもよ
いが、特に大きなアークが発生した場合にのみSF6
吹き付ける機構にしておくのが特に好ましい。
【0018】なお、電気的負性気体とは、電離によって
電子を付着して負イオンを生じる気体であって、電子付
着により内部エネルギーの減少が大きくなった電子親和
力の大きな気体である。本発明で用いることのできる電
気的負性気体としては、電力用機器において、気体絶縁
用に用いることができる気体であって、特に電気的に絶
縁耐力、沸点、有毒性の面から、SF6、C816O等が
好ましい。
【0019】また、消弧ガスは、プラズマ吹き出し速度
より高速で吹き付けるのが好ましく、高速で吹き付ける
ことにより、電極端部から被処理体に向かって生じる放
電空間領域にできた電子チャンネル(電子の経路)が消
失し、さらにその領域が冷却されることにより温度低下
により消弧が促進される効果を有する。
【0020】本発明のプラズマ処理方法及び装置におい
ては、消弧ガス吹き出し機構の外縁にガス排気機構を備
える装置が好ましい。上記のように消弧ガスとして、酸
素、窒素以外のガスを流すこともあり、そのようなガス
の外気雰囲気への流出を抑え、さらに処理ガスの外気雰
囲気への流出を抑える効果を有する。
【0021】本発明の電極構造に用いる電極の材質とし
ては、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、真
鍮等の合金、金属間化合物等からなるものが挙げられ
る。電極の形状としては、プラズマ放電が安定にできれ
ば、特に限定されないが、電界集中によるアーク放電の
発生を避けるために、対向電極間の距離が一定となる構
造であることが好ましい。具体的には、同軸円筒型電
極、平行平板型電極、複数のロール−ロール型電極等か
ら構成されるリモートソースが好ましい。
【0022】上記電極間の距離は、固体誘電体の厚さ、
印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮し
て適宜決定されるが、0.1〜50mmであることが好
ましく、より好ましくは0.1〜5mmである。0.1
mm未満では、電極間の間隔を置いて設置するのに充分
でないことがあり、一方、50mmを超えると、均一な
放電プラズマを発生させにくい。
【0023】上記固体誘電体は、電極の対向面の一方又
は双方を被覆する。この際、固体誘電体と被覆される電
極は密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に覆うよ
うにする。固体誘電体によって覆われずに電極同士が直
接対向する部位があると、そこからアーク放電が生じや
すい。
【0024】固体誘電体の材質としては、例えば、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化
物、チタン酸バリウム等の複酸化物等が挙げられる。
【0025】特に、25℃環境下における比誘電率が1
0以上のものである固体誘電体を用いれば、低電圧で高
密度の放電プラズマを発生させることができ、処理効率
が向上する。比誘電率の上限は特に限定されるものでは
ないが、現実の材料では18,500程度のものが入手
可能であり、本発明に使用出来る。特に好ましくは比誘
電率が10〜100の固体誘電体である。上記比誘電率
が10以上である固体誘電体の具体例としては、二酸化
ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、チタン酸
バリウム等の複酸化物を挙げることが出来る。
【0026】上記固体誘電体の厚みは、0.01〜4m
mであることが好ましい。厚すぎると放電プラズマを発
生するのに高電圧を要することがあり、薄すぎると電圧
印加時に絶縁破壊が起こり、アーク放電が発生すること
がある。
【0027】本発明では、上記電極間に、高周波、パル
ス波、マイクロ波等による電界が印加され、プラズマを
発生させるが、パルス電界を印加することが好ましく、
特に、電界の立ち上がり及び/又は立ち下がり時間が、
10μs以下である電界が好ましい。10μsを超える
と放電状態がアークに移行しやすく不安定なものとな
り、パルス電界による高密度プラズマ状態を保持しにく
くなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が短
いほどプラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われ
るが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス電界を実
現することは、実際には困難である。より好ましくは5
0ns〜5μsである。なお、ここでいう立ち上がり時
間とは、電圧(絶対値)が連続して増加する時間、立ち
下がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して減少する時
間を指すものとする。
【0028】上記パルス電界の電界強度は、10〜10
00kV/cmとなるようにするのが好ましい。電界強
度が10kV/cm未満であると処理に時間がかかりす
ぎ、1000kV/cmを超えるとアーク放電が発生し
やすくなる。
【0029】上記パルス電界の周波数は、0.5kHz
以上であることが好ましい。0.5kHz未満であると
プラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎる。上
限は特に限定されないが、常用されている13.56M
Hz、試験的に使用されている500MHzといった高
周波帯でも構わない。負荷との整合のとり易さや取り扱
い性を考慮すると、500kHz以下が好ましい。この
ようなパルス電界を印加することにより、処理速度を大
きく向上させることができる。
【0030】また、上記パルス電界におけるひとつのパ
ルス継続時間は、200μs以下であることが好まし
い。200μsを超えるとアーク放電に移行しやすくな
る。ここで、ひとつのパルス継続時間とは、ON、OF
Fの繰り返しからなるパルス電界における、ひとつのパ
ルスの連続するON時間を言う。
【0031】本発明の放電プラズマ処理装置は、どのよ
うな圧力下でも用いることができるが、大気圧近傍の圧
力下でグロー放電プラズマを発生させる常圧放電プラズ
マ処理に用いるとその効果を十分に発揮できる。常圧放
電プラズマ処理においては、低圧下の処理よりも高い電
圧を必要とするため、本発明の装置が特に有利である。
【0032】上記大気圧近傍の圧力下とは、1.333
×104〜10.664×104Paの圧力下を指す。中
でも、圧力調整が容易で、装置が簡便になる9.331
×104〜10.397×104Paの範囲が好ましい。
【0033】本発明で処理できる被処理体としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカー
ボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリイミド、液晶ポリマー、エポキシ
樹脂、アクリル樹脂等のプラスチック、ガラス、セラミ
ック、金属液晶ディスプレイ用ガラス等が挙げられる。
被処理体の形状としては、板状、フィルム状等のものが
挙げられ、これらに限定されない。
【0034】本発明で用いる処理ガスとしては、電界を
印加することによってプラズマを発生するガスであれ
ば、特に限定されず、処理目的により種々のガスを使用
できる。
【0035】上記処理用ガスとして、CF4、C26
CClF3、SF6等のフッ素含有化合物ガスを用いるこ
とによって、撥水性表面を得ることができる。
【0036】また、処理用ガスとして、O2、O3、水、
空気等の酸素元素含有化合物、N2、NH3等の窒素元素
含有化合物、SO2、SO3等の硫黄元素含有化合物を用
いて、被処理体表面にカルボニル基、水酸基、アミノ基
等の親水性官能基を形成させて表面エネルギーを高く
し、親水性表面を得ることができる。また、アクリル
酸、メタクリル酸等の親水基を有する重合性モノマーを
用いて親水性重合膜を堆積することもできる。
【0037】さらに、Si、Ti、Sn等の金属の金属
−水素化合物、金属−ハロゲン化合物、金属アルコラー
ト等の処理用ガスを用いて、SiO2、TiO2、SnO
2等の金属酸化物薄膜を形成させ、被処理体表面に電気
的、光学的機能を与えることができ、ハロゲン系ガスを
用いてエッチング処理、ダイシング処理を行ったり、酸
素系ガスを用いてレジスト処理や有機物汚染の除去を行
ったり、アルゴン、窒素等の不活性ガスによるプラズマ
で表面クリーニングや表面改質を行うこともできる。
【0038】経済性及び安全性の観点から、上記処理ガ
スを以下に挙げるような希釈ガスによって希釈された雰
囲気中で処理を行うこともできる。希釈ガスとしては、
ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガス、窒
素気体等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混
合して用いてもよい。希釈ガスの混合割合は、用途によ
って異なるが、例えば、親水生重合膜、金属酸化物薄膜
を形成する場合は、処理用ガスの割合が0.01〜10
体積%であることが好ましい。
【0039】
【実施例】本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
【0040】実施例1 図1に示す装置を用い、放電プラズマ処理を行った。表
面にチタン酸バリウム0.6mmに重ねて酸化アルミニ
ウム0.6mmを溶射した幅100mm×高さ50mm
×厚さ10mmのステンレス製平行平板型電極を2mm
の間隔をおいて設置し、両電極の側面には消弧ガス吹き
出し装置を設けた。消弧ガス吹き出し装置は、幅100
mm×高さ10mm×厚さ10mm、消弧ガス吹き出し
口スリット1mm、消弧ガス吹き出し口スリットから処
理面までの距離3mm、吹き付け角度を被処理体への鉛
直線に対して15゜とした。被処理体として、銅箔を用
い、プラズマ吹き出し口下4mmを200mm/min
で搬送した。処理ガスとして、アルゴン20L/min
+酸素0.6L/minの混合ガスを用い、電極間にパ
ルス立ち上がり速度5μs、電圧10kVPP、周波数1
0kHzのパルス電界を印加した。消弧ガスとして、窒
素ガスを消弧ガス吹き出し口スリットから30L/mi
nでプラズマ処理中吹き出させた。その結果、プラズマ
処理中に電極部から被処理体への落雷は認められず、消
弧ガス吹き付けの効果が確認された。また、銅箔のプラ
ズマ処理前後のイオン交換水に対する接触角を測定した
ところ、プラズマ処理後の接触角は、90゜から20゜
となっており、プラズマ処理も正常になされていること
が確認された。
【0041】実施例2 消弧ガスを酸素とし、放電電流値をモニターして、放電
電流平均値から60%上昇したときに信号を出して、酸
素30L/minを吹き付けるようにし、平均値まで放
電電流が下がったら酸素吹き付けを止めるようにする以
外は、実施例1と同様にして銅箔をプラズマ処理した。
その結果、50cmの銅箔を処理中に、3回の消弧ガス
吹き付けが作動し、アークによる落雷を防ぐことができ
た。また、銅箔のプラズマ処理前後のイオン交換水に対
する接触角を測定したところ、プラズマ処理後の接触角
は、90゜から20゜となっており、プラズマ処理も正
常になされていることが確認された。
【0042】実施例3 消弧ガスをSF6とした以外は、実施例1と同様にして
銅箔をプラズマ処理した。その結果、50cmの銅箔を
処理中に、3回の消弧ガス吹き付けが作動し、アークに
よる落雷を防ぐことができた。また、銅箔のプラズマ処
理前後のイオン交換水に対する接触角を測定したとこ
ろ、プラズマ処理後の接触角は、90゜から20゜とな
っており、プラズマ処理も正常になされていることが確
認された。
【0043】比較例1 消弧ガスの吹き付けを行わなかった以外は、実施例1と
同様にして銅箔をプラズマ処理した。その結果、電極先
端部から針状の微小な落雷がみられ、落雷箇所に打痕上
の跡がつき処理を続けることができなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明の放電プラズマ処理装置は、プラ
ズマ処理中に電極から被処理体に向けて発生する微小ア
ークを消弧することができるので、プラズマ処理中被処
理体の表面を均一に処理をすることができる。したがっ
て、半導体製造工程で用いられる種々の方法を始めとし
て、あらゆるプラズマ処理方法において、インライン化
及び高速化を実現するのに有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電プラズマ処理装置の例を説明する
模式的装置断面図である。
【符号の説明】
1 電源 2、3 電極 4 放電空間 5 処理ガス導入口 6 プラズマガス吹き出し口 7 被処理体 8 搬送ステージ 10 消弧ガス吹き出し機構 11 消弧ガス吹き出し口 12 排ガス回収口 A 微小アーク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の電極対向面が固体誘電
    体で被覆された一対の対向電極間に電界を印加し、前記
    対向電極間に処理ガスを導入してグロー放電プラズマを
    発生させる電極構造から、プラズマ発生空間外に配置さ
    れた被処理体にプラズマを吹き付けて処理を行う処理方
    法において、電極構造の外縁から消弧ガスを吹き出し微
    小アーク放電の発生を防止することを特徴とする放電プ
    ラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の電極対向面が固体誘電
    体で被覆された一対の対向電極間に電界を印加し、前記
    対向電極間に処理ガスを導入してグロー放電プラズマを
    発生させる電極構造から、プラズマ発生空間外に配置さ
    れた被処理基材にプラズマを吹き付けて処理を行う処理
    装置において、電極構造の外縁に消弧ガス吹き出し機構
    を備えてなることを特徴とする放電プラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 消弧ガスの吹き出し方向が、消弧ガス吹
    き出し口から被処理体に向かってプラズマ吹き出し方向
    に平行に引いた線より電極寄りであることを特徴とする
    請求項2に記載の放電プラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 さらに、消弧ガス吹き出し機構の外縁に
    ガス排気機構を備えてなることを特徴とする請求項2又
    は3に記載の放電プラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 消弧ガスが、窒素、酸素、フロン、SF
    6から選ばれるいずれかのガスであることを特徴とする
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の放電プラズマ処理
    装置。
  6. 【請求項6】 放電電流をモニターして、放電電流値の
    異常を検知し、消弧ガスの吹き出しのON/OFFを行
    うことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載
    の放電プラズマ処理装置。
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