JP2002094221A - 常圧パルスプラズマ処理方法とその装置 - Google Patents

常圧パルスプラズマ処理方法とその装置

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JP2002094221A
JP2002094221A JP2000285171A JP2000285171A JP2002094221A JP 2002094221 A JP2002094221 A JP 2002094221A JP 2000285171 A JP2000285171 A JP 2000285171A JP 2000285171 A JP2000285171 A JP 2000285171A JP 2002094221 A JP2002094221 A JP 2002094221A
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electric field
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solid dielectric
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Takuya Yara
卓也 屋良
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気圧条件下で安定した放電状態を実現させ
ることができ、簡便な装置かつ、少量の処理用ガスで処
理の可能な放電プラズマ処理を用いて、ビアホール穴あ
け加工後の残滓処理をすることができる方法及びその装
置を提供。 【解決手段】 レーザーにより穴開け加工をした銅張積
層板用の熱硬化性樹脂に対するプラズマ処理であって、
大気圧近傍の圧力下、含酸素ガスを少なくとも一種又は
それを希釈するガスを含むガス雰囲気中で、一対の電極
の少なくとも一方の面に固体誘電体を設置し、当該一対
の電極間にパルス化された電界を印加することにより発
生させた放電プラズマを用い、レーザー加工後のビアホ
ール周辺及び内壁の残滓を除去することを特徴とする常
圧プラズマ処理方法及び装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気圧近傍でのパ
ルス電界を利用した放電プラズマにより銅張積層板用熱
硬化型樹脂の穴開け加工後の残滓を除去する常圧プラズ
マ処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック等の固体の表面処理方法と
しては、1.333〜1.333×104Paの圧力で
グロー放電プラズマを発生させるドライプロセスによる
ものが広く知られている。この方法では、圧力が1.3
33×104Paを超えると、放電が局所的になりアー
ク放電に移行し、耐熱性の乏しいプラスチック基板への
適用が困難になるので、1.333〜1.333×10
4Paの低圧下で処理を行うことが必要である。
【0003】上記表面処理方法は、低圧での処理が必要
とされるので、真空チャンバー、真空排気装置等が設置
されなければならず、表面処理装置は高価なものとな
り、また、この方法により大面積基板を処理する場合に
は、大容量の真空容器、大出力の真空排気装置が必要に
なるために、表面処理装置は、更に高価なものとなる。
また、吸水性の高いプラスチック基板の表面処理を行う
場合には、真空引きに長時間を要するので、処理品がコ
スト高になる等の問題も有している。
【0004】特公平2−48626号公報には、細線型
電極を用いた薄膜形成方法が開示されている。この薄膜
形成方法は、ヘリウム等の不活性ガスと含ふっ素ガスと
モノマーガスとを混合し、複数の開孔を有する多孔管か
ら基板近傍のグロー放電プラズマ域に供給することによ
り、基板上に薄膜を形成する方法である。
【0005】この薄膜形成方法は、大気圧でグロー放電
プラズマを発生させるので、装置や設備の低コスト化が
可能であり、大面積基板の処理も可能となる。しかし、
この薄膜形成方法では、処理容器内部に平板型電極又は
曲面状電極が併用されているので、この装置は、一層の
簡略化が可能である。しかしながら、現状では基材の大
きさや形状が制約されるので、任意の位置を表面処理す
ることは容易ではない。
【0006】特開平5−275193号公報には、固体
誘電体が配設された電極間に、希ガスと処理用ガスとか
らなる混合ガスを一方向への送流状態に保持し放電プラ
ズマを発生させる基材表面処理装置が開示されている。
しかし、この表面処理装置は、開放系の大気圧状態で放
電プラズマを発生させる装置であるので、外気の影響を
無くし、放電プラズマを基材表面に接触させて所望の表
面処理を行う場合には、高速で混合ガスを流す必要があ
り、大流量のガスを流し続けなければならず、満足のい
く表面処理装置とはいえない。
【0007】ところで、LSI、液晶ディスプレイ製造
等の半導体製造工程においては、従来、マスク形成に感
光性樹脂を用いたフォトレジストを何度も用いるが、こ
れは、所定の工程後に除去される。この時、レジスト膜
は、剥離液では除去できないほど強固に硬化、炭化して
おり、放電や紫外線を利用して生成した活性酸素分子や
オゾン分子を用いて有機物であるレジスト膜に化学的な
作用によって灰化させるアッシングと呼ばれる手法によ
り除去する必要がある。
【0008】また、近年高速演算の要請から回路配線の
細線化と回路中の誘電体の低誘電率化が重要となってい
る。ポリフェニレンエーテル(以下、PPEと略するこ
とがある)は、誘電率2.45、誘電正接0.0007
を有し、非常に電気的に優れた熱可塑性樹脂である。最
近は、これらを熱硬化性に変性して耐溶剤性と耐熱性と
を向上させて銅張積層板に用いることが試みられてい
る。銅張積層板とは、多層配線板などの積層回路を形成
すべくPPEフィルムの両面に銅箔を回路形状に施し、
積層化されたものである。PPEで隔てられた各層間の
接続は、PPEフィルムにビアホールあるいはスルーホ
ールと呼ばれる貫通穴を開け、その中を導電化処理する
ことで表裏の回路間を接続する方法によって行われてい
る。
【0009】このようなビアホールの穴開け加工は、任
意の方法で行われ、例えば炭酸ガスレーザー、エキシマ
レーザー、YAGレーザー等などによるレーザー穴開け
によって行われる。特に、特開平11−342492号
公報等に記載されているように微細加工性、処理高速化
及び加工制御に有利な炭酸ガスレーザーが使われること
が多い。
【0010】ビアホールの穴開け加工後の穴周辺には、
穴開け不十分による樹脂残渣や、ビアホールの壁面に炭
化した樹脂が残渣として残り、その後の銅メッキ時の接
着性を著しく低下させたり、その部分の組成変化や脆化
による剥離等が生じることがある。そのため、炭酸ガス
レーザー照射後、銅箔の両表面を平均的に機械研磨ある
いは、薬液でエッチングし、同時にバリ除去をする必要
がある。このような除去方法は、工程が複雑となり、よ
り簡易な除去方法の開発が望まれていた。
【0011】このようなアッシングによる残渣除去に
は、従来からプラズマを用いて処理する方法が、手広く
用いられている。これらの従来のプラズマ発生法は、真
空中でプラズマを形成するため、真空装置が必須とな
り、それに伴い被処理体を処理空間へ移送する手法が複
雑化し、プラズマ処理装置が大型、高価となる。そのた
め、単位時間で処理可能な数量が制限され、生産性が低
く、処理コストが高価になるという課題があった。
【0012】これを解決する手段としては、ヘリウムを
用いた大気圧プラズマを用いたアッシング等も提案され
てきた(例えば、特開平7−99182号公報)。とこ
ろが、ヘリウムガスは自然界での存在量が極めて少なく
高価である。また、安定的な放電のため、高い割合でヘ
リウムを使用する必要から、反応に必要な酸素系ガスの
添加割合が少なく十分なアッシング速度効率が得られて
いない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、大気圧条件下で安定した放電状態を実現させること
ができ、簡便な装置かつ、少量の処理用ガスで処理の可
能な放電プラズマ処理を用いて、ビアホール穴あけ加工
後の残滓処理をすることができる方法及びその装置を提
供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、大気圧条件下で安定した
放電状態を実現させることができる放電プラズマ処理方
法により、簡便にビアホール穴あけ加工後の残滓除去を
行うことができることを見出し、本発明を完成させた。
【0015】すなわち、本発明の第1(請求項1の発
明)は、レーザーにより穴開け加工をした銅張積層板用
の熱硬化性樹脂に対するプラズマ処理であって、大気圧
近傍の圧力下、含酸素ガスを少なくとも一種又はそれを
希釈するガスを含むガス雰囲気中で、一対の電極の少な
くとも一方の面に固体誘電体を設置し、当該一対の電極
間にパルス化された電界を印加することにより発生させ
た放電プラズマを用い、レーザー加工後のビアホール周
辺及び内壁の残滓を除去することを特徴とする常圧プラ
ズマ処理方法である。
【0016】また、本発明の第2(請求項2の発明)
は、立ち上がり時間と立ち下がり時間とが40ns〜1
00μs以下、正電位による電界強度が50kV/cm
以下、負電位による電界強度が50kV/cm以下であ
って、かつ正電位の最大値から負電位の最大値までの値
の幅が0.5kV以上であるパルス電界を印加すること
を特徴とする請求項1に記載の常圧プラズマ処理方法で
ある。
【0017】また、本発明の第3(請求項3の発明)
は、酸素ガスの混合ガス中の分圧が4%以上であること
を特徴とする第1又は2の発明に記載の常圧プラズマ処
理方法である。
【0018】また、本発明の第4(請求項4の発明)
は、対向電極の少なくとも一方の対向面に固体誘電体を
設置し、一の電極と該固体誘電体との間又は該固体誘電
体同士の間に基材を配置し、当該電極間に、立ち上がり
時間及び立ち下がり時間が40ns〜100μsであ
り、かつ、正電位による電界強度が50kV/cm以
下、負電位による電界強度が50kV/cm以下であっ
て、かつ正電位の最大値から負電位の最大値までの値の
幅が0.5kV以上であるパルス電界を印加するように
なされていることを特徴とする常圧プラズマ処理装置で
ある。
【0019】また、本発明の第5(請求項5の発明)
は、ガス吹き出し口を備えた固体誘電体容器が配設され
た一の電極、及び、当該ガス吹き出し口に対向して設け
られた他の電極を有し、当該ガス吹き出し口から処理用
ガスを連続的に排出して基材に吹き付けるようになされ
ており、当該一の電極と当該他の電極との間に、立ち上
がり時間及び立ち下がり時間が40ns〜100μsで
あり、かつ、正電位による電界強度が50kV/cm以
下、負電位による電界強度が50kV/cm以下であっ
て、かつ正電位の最大値から負電位の最大値までの値の
幅が0.5kV以上であるパルス電界を印加するように
なされていることを特徴とする常圧プラズマ処理装置で
ある。
【0020】また、本発明の第6(請求項6の発明)
は、第1乃至3の発明のいずれかに記載された常圧プラ
ズマ処理方法によって処理されたことを特徴とするレー
ザーによりビアホール加工をされた銅張積層体である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、レーザーにより穴開け
加工をした銅張積層板用の熱硬化性樹脂の残滓処理を行
うプラズマ処理であって、大気圧近傍の圧力下、含酸素
ガスを少なくとも一種又はそれを希釈するガスを含むガ
ス雰囲気中で、一対の対向電極を有し、当該対向電極の
少なくとも一方に固体誘電体が設置されている装置にお
いて、当該一対の電極間にパルス化された電界を印加す
ることにより放電プラズマを発生させ、放電プラズマ発
生空間に存在する含酸素ガスを含むガスを励起して、レ
ーザー加工後のビアホール周辺及び内壁の残滓を除去す
る常圧プラズマ処理方法である。
【0022】上記電極としては、銅、アルミニウム等の
金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間化合物等
からなるものが挙げられる。電極の形状としては、特に
限定されないが、電界集中によるアーク放電の発生を避
けるために、対向電極間の距離が一定となる構造である
ことが好ましい。この条件を満たす電極構造としては、
例えば、平行平板型、円筒対向平板型、球対向平板型、
双曲対向平板型、同軸円筒型構造等が挙げられる。
【0023】また、略一定構造以外では、円筒対向円筒
型で円筒曲率の大きなものもアーク放電の原因となる電
界集中の度合いが小さいので対向電極として用いること
ができる。曲率は少なくとも半径20mm以上が好まし
い。固体誘電体の誘電率にもよるが、それ以下の曲率で
は、電界集中によるアーク放電が集中しやすい。それぞ
れの曲率がこれ以上であれば、対向する電極の曲率が異
なっても良い。曲率は大きいほど近似的に平板に近づく
ため、より安定した放電が得られるので、より好ましく
は半径40mm以上である。
【0024】さらに、プラズマを発生させる電極は、一
対のうち少なくとも一方に固体誘電体が配置されていれ
ば良く、一対の電極は、短絡に至らない適切な距離をあ
けた状態で対向してもよく、直交してもよい。
【0025】プラズマを被処理物に照射する手段として
は、例えば、対向する電極間で発生したプラズマ中に被
処理物を配置する方法と容器内で発生したプラズマをガ
ス流や電界配置、あるいは磁気的な作用により被処理物
に向かって吹き出す方法(リモートプラズマ)等が挙げ
られる。
【0026】上記固体誘電体は、電極の対向面の一方又
は双方に設置する。この際、固体誘電体と接地される側
の電極とが密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に
覆うようにする。固体誘電体によって覆われずに電極同
士が直接対向する部位があると、そこからアーク放電が
生じやすい。
【0027】上記固体誘電体の形状は、シート状でもフ
ィルム状でもよく、厚みが0.01〜4mmであること
が好ましい。厚すぎると放電プラズマを発生するのに高
電圧を要することがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁
破壊が起こり、アーク放電が発生することがある。ま
た、固体誘電体の形状として、容器型のものも用いるこ
とができる。
【0028】固体誘電体の材質としては、例えば、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化
物、チタン酸バリウム等の複酸化物等が挙げられる。
【0029】特に、25℃環境下における比誘電率が1
0以上のものである固体誘電体を用いれば、低電圧で高
密度の放電プラズマを発生させることができ、処理効率
が向上する。比誘電率の上限は特に限定されるものでは
ないが、現実の材料では18,500程度のものが入手
可能であり、本発明に使用出来る。特に好ましくは比誘
電率が10〜100の固体誘電体である。上記比誘電率
が10以上である固体誘電体の具体例としては、二酸化
ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、チタン酸
バリウム等の複酸化物などを挙げることが出来る。
【0030】チタン酸化合物は強誘電体として知られて
いる。その結晶構造により比誘電率が異なり、TiO2
単体のルチル型結晶構造で比誘電率80程度である。B
a、Sr、Pb、Ca、Mg、Zr等の金属の酸化物と
TiO2との化合物では比誘電率が約2,000〜1
8,500であり、純度や結晶性によって変化させるこ
とが出来る。
【0031】一方、上記TiO2単独の場合は、加熱に
よる組成変化が激しいため使用環境が制限されたり、特
殊な皮膜形成方法によらないと固有抵抗値が適当な皮膜
が得られず放電状態が不安定になる等の不具合がある。
このためTiO2単独よりもAl23を含有させて用い
た方がよい。TiO2とAl23との混合物は、熱的に
も安定であるため実用上も好適である。好ましくは、酸
化チタン5〜50重量%、酸化アルミニウム50〜95
重量%で混合された金属酸化物被膜である。酸化アルミ
ニウムの割合が50重量%未満であると、アーク放電が
発生し易く、95重量%を超えると放電プラズマ発生に
高い印加電圧が必要となることがある。このような皮膜
は、比誘電率が10〜14程度、固有抵抗が1010程度
となり、固体誘電体の材質として好適である。
【0032】又、上記酸化ジルコニウムは、単独の場
合、比誘電率は約12程度であり、低い電圧で放電プラ
ズマを発生させるのに有利である。通常、酸化ジルコニ
ウムは酸化イットリウム(Y23)、炭酸カルシウム
(CaCO3)、酸化マグネシウム(MgO)等を30
重量%以内で添加して、結晶変態による膨張、収縮を防
止し安定化されており、本発明においてもこれらを用い
ることが出来る。比誘電率は、添加物の種類や金属酸化
物の結晶性によって決定される。本発明においては、酸
化ジルコニウムが少なくとも70重量%含有されたもの
が好ましい。例えば、酸化イットリウムが4〜20重量
%添加された酸化ジルコニウム被膜は比誘電率が8〜1
6程度となり、本発明の固体誘電体として好適である。
【0033】上記電極間の距離は、固体誘電体の厚さ、
印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮し
て適宜決定されるが、1〜50mmであることが好まし
い。1mm未満では、電極間の間隔を置いて設置するの
に充分でないことがあり、一方、50mmを超えると、
均一な放電プラズマを発生させにくい。
【0034】本発明で用いる装置の具体例として、平行
平板型電極を用いる方法の一例を図1に示す。図1中、
1は電源、2は上部電極、3は下部電極、4は固体誘電
体、9は放電空間、11は処理ガス導入口、12は処理
ガス排出口、14は基材、15は基材送りロール、16
は基材巻き取りロールをそれぞれ表す。図1において、
処理ガスが放電空間に導入された状態で上部電極2と下
部電極3との間に電界を印加することにより放電プラズ
マを発生させ、基材14の表面を連続的に処理すること
ができる。
【0035】また、平行平板型電極を用いたリモートプ
ラズマ装置の一例を図2に示し、その断面を図3に示
す。図2及び3中、1は電源、2及び3は電極、4は固
体誘電体、10は放電プラズマ、13はリモートプラズ
マ容器、14は基材をそれぞれ表す。図2及び3におい
て、処理ガスは矢印方向に電極間2及び3の放電空間に
導入され、電極間に電界を印加することにより放電プラ
ズマを発生させ、その放電プラズマを基材14に吹き付
け、リモートプラズマ容器13を左右に移動させるか、
基材を移動させることにより基材表面を処理することが
できる。
【0036】さらに、円筒対向電極を用いる方法の一例
を図4〜5に示す。図4は円筒対向電極間に基材を通す
模式図であり、図5は図4の基材の搬送方向からの側面
図である。図4及び5中、1は電源、2’は上部電極ロ
ール、3’は下部電極ロール、9は放電空間、14は基
材、17は送りロール兼スペーサー(絶縁体)、24は
電極の冷却水路である。基材は、絶縁体からなる送りロ
ール兼スペーサーにより搬送されながら、ロール電極間
で発生する放電プラズマで処理される。
【0037】また、図6は円筒対向電極を複数対用いた
基材の処理装置の一例の模式図である。図6中、1は電
源、2’は上部電極ロール、3’は下部電極ロール、1
4は基材、17は送りロール兼スペーサー、20は圧縮
空気タンク、21はブロアー、22は基材搬送板、23
は処理済み基材スタックである。処理用基材14は、上
下ロールの間を送りロール17により搬送される。一
方、処理ガスは、矢印の方向に電極ロールの設置された
処理室に導入され、電極間にパルス電源を印加し、放電
プラズマを発生させ、搬送されている基材を連続的に処
理する。本発明のレーザー加工後のビアホール周辺及び
内壁の残滓の処理の場合には、補助的に圧縮空気を用い
たブロアー21を用いてコンタクトの弱まったスミア
(残滓)を吹き飛ばす等により処理効率を高めることが
できる。処理済みの基材は、スタック23に集められ
る。
【0038】次に、プラズマ発生装置において、容器状
固体誘電体を用いる方法の例を図7〜13に示す。図7
は、放電プラズマ処理装置の一例の模式的断面を示す図
である。図中、1は電源、2は一の電極、3は他の電
極、4は固体誘電体容器、14は基材、6は固体誘電体
容器に処理用ガスを導入するガス導入口、7はガス吹き
出し口、8は一の電極と他の電極とを連結する治具を表
す。
【0039】本発明においては、固体誘電体容器4に処
理用ガスが導入された状態で、電極2と電極3との間に
電界を印加することによって固体誘電体容器4内部で放
電プラズマを発生させる。固体誘電体容器4内部の気体
は、ガス吹き出し口7から基材14に向けて吹き出さ
れ、プラズマ状態に励起された処理用ガスの成分が被処
理基材14の表面に接触して基材の表面処理がなされ
る。よって、固体誘電体容器4と被処理基材14との相
対位置を変化させて、被処理基材の処理位置を変えるこ
とが出来、簡便な装置、かつ、少量の処理用ガスによ
り、大面積基材の処理や、部分指定処理が可能となる。
【0040】上記一の電極の中心部から固体誘電体容器
4の内部、ガス吹き出し口7の中心部を通り、他の電極
3に到る距離は、固体誘電体容器4の肉厚や材質、被処
理基材14の肉厚や材質、印加電圧の大きさ等により適
宜決定されるが、好ましくは、0.5〜30mmであ
る。30mmを超えると、高電圧が必要になり、放電状
態がアーク放電に移行しやすくなり、均一な表面処理が
しにくくなる。
【0041】本発明で使用される固体誘電体容器4の形
状としては特に限定されず、例えば、方形、円筒状、球
状等が挙げられる。
【0042】上記固体誘電体容器4には、一の電極2が
配設されているものである。図8、9は、一の電極2と
固体誘電体容器4との配設の例を示す図である。固体誘
電体容器4が方形の場合には、ガス吹き出し口7が設け
られている面以外の面に一の電極2を配設してもよい。
一の電極2が配設される固体誘電体容器4の面の肉厚と
しては、0.03〜30mmが好ましい。0.03mm
未満であると、高電圧印加時に絶縁破壊が起こりアーク
放電が生じやすい。
【0043】上記固体誘電体容器4は、ガス導入口6と
ガス吹き出し口7とを備える。ガス吹き出し口7の形状
としては特に限定されず、例えば、スリット状のもの、
多数の孔からなるもの、固体誘電体容器が形成する突端
状のもの等が挙げられる。図10、11、12は、ガス
吹き出し口7の例を示す図である。これらの内、多数の
ガス吹き出し孔を有する容器及びガン型の容器が好まし
い。また、固体誘電体容器は、図7に示すガス導入口を
備えた形態以外に、固体誘電体容器自身がガス貯蔵能を
有するものであってもよい。
【0044】図7の治具8は、他の電極3とガス吹き出
し口7との間隔を自在に変更することができるものであ
る。治具8により、例えば、基材14が大面積シート状
物である場合、他の電極3とガス吹き出し口7との間隔
を一定に保持しながら連続的に移動して表面処理するこ
とができ、基材14が成形体である場合、他の電極3と
ガス吹き出し口7との間隔を自在に変更して連続的な表
面処理、部分的な表面処理等をすることができる。ただ
し、ガス吹き出し口7と被処理基材14との間の間隔が
長すぎると、空気と接触する確率が高くなり処理効率が
落ちることがあるので注意を要する。
【0045】図13は、図12に示すガン型プラズマ発
生装置を基材14に吹き付ける方法を示す図である。ガ
ン型プラズマ発生装置そのものを動かす方法や基材をX
−Yテーブルの組み合わせにしたがい動かす方法等によ
り基材の表面の目的とする箇所のみを自由に処理するこ
とができる。
【0046】本発明の被処理基材は、多層配線板などの
積層回路を形成する銅張積層板、例えばPPEフィルム
の両面に銅箔を回路状に施し積層化されたものをレーザ
ー加工によりビアホール等の貫通穴を開けた後のビアホ
ール周辺や内壁面に残滓(スミア)の付着した基材であ
る。
【0047】基材の形状は、ロール状またはシート状で
あってもよい。被処理基材がロール状の場合は、処理装
置中に図1に示すような搬送装置を組合わせれば良く、
シート状であれば、ベルトコンベア状またはシートの一
部を使用して走行させる図4〜5に示すようなシート送
り機構を備えればよい。また、シート状基材の一部のみ
を処理する場合には、図2または図13に示す装置を用
いると容易に処理を行うことができる。
【0048】以上の特徴から、本発明は、レーザー加工
後の残滓を常圧プラズマ処理することで除去する方法と
して有効である。その他、半導体素子のドライエッチン
グや被処理物の表面に存在する有機汚染物等のクリーニ
ング、レジストの剥離、有機フィルムの密着性の改善、
金属酸化物の還元、表面改質などに用いることができ
る。
【0049】本発明の処理ガスとしては、アッシングの
燃焼現象を進行させるため、酸素ラジカルを発生させる
ガスを少なくとも一種用いる。酸化反応に寄与するラジ
カルとしては、例えば、酸素分子、励起酸素分子、酸素
分子イオン、酸素原子、酸素原子イオン、励起オゾン分
子、オゾン分子イオン等が挙げられる。これらの発生源
としては、含酸素ガスであれば良く、酸素の他に一酸化
炭素、二酸化炭素、空気、水蒸気等も用いることができ
る。プラズマ中に上記のような酸素を含有するガスを導
入すると、非常に活性で酸化力の強いラジカルが発生
し、レジストの除去等で知られるアッシングのような酸
化処理による不要樹脂の除去に特に有効である。
【0050】また、経済性及び安全性の観点から、上記
処理用ガスが不活性ガスによって希釈された雰囲気中で
処理を行うことが好ましい。不活性ガスとしては、例え
ば、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガス、窒素気体
等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合して
用いてもよい。従来、大気圧近傍の圧力下においては、
ヘリウムの存在下の処理が行われてきたが、本発明のパ
ルス化された電界を印加する方法によれば、ヘリウムに
比較して安価なアルゴン、窒素気体中における安定した
処理が可能である。
【0051】処理用ガスの含酸素ガスと不活性ガスとの
混合比は、使用する不活性ガスの種類により適宜決定さ
れる。パルス電界を印加する場合は、任意の混合比の雰
囲気下で処理が可能であるが、処理用ガスの濃度が高す
ぎると放電プラズマが発生し難くなるため、処理用ガス
の濃度が、処理用ガスと不活性ガスとの混合ガス中で4
体積%以上であることが好ましく、より好ましくは5〜
85体積%である。
【0052】上記処理用ガス(不活性ガスで希釈して用
いる場合は、処理用ガスと不活性ガスとの混合ガスを指
す。以下同じ。)の供給量及び吹き出し流速は、ガス吹
き出し口の断面積、被処理基材とガス吹き出し口との間
の距離等により適宜決定される。例えば、ガス吹き出し
口の断面積が100mm2である場合には、処理用ガス
の供給量としては、流量5SLMが好ましく、処理用ガ
スの吹き出し流速としては、流速830mm/secが
好ましい。処理用ガスの供給量を増加させる場合には、
それに比例して処理用ガスの吹き出し流速が増加し、表
面処理に要する時間が短縮される。
【0053】本発明の放電プラズマ処理方法を行う圧力
条件としては、特に限定されず、大気圧近傍の圧力下に
おける処理が可能である。上記大気圧近傍の圧力下と
は、1.333×104〜10.664×104Paの圧
力下を指す。中でも、圧力調整が容易で、装置が簡便に
なる9.331×104〜10.397×104Paの範
囲が好ましい。放電プラズマ処理に要する時間は、印加
電圧の大きさや、被処理基材、混合ガス配合等によって
適宜決定される。
【0054】本発明において、電源は、立ち上がり時間
及び立ち下がり時間が40ns〜100μsであり、か
つ、電界強度が0〜50kV/cmであるパルス電界を
印加できるようになされているものが好ましい。上記の
範囲の立ち上がり時間及び立ち下がり時間、電界強度の
パルス電界を印加することにより、大気圧近傍の条件下
における安定した放電状態を実現することが出来る。
【0055】本発明のパルス電界について、図14にパ
ルス電圧波形の例を示す。波形(a)、(b)はインパ
ルス型、波形(c)はパルス型、波形(d)は変調型の
波形である。図14には電圧印加が正負の繰り返しであ
るものを挙げたが、正又は負のいずれかの極性側に電圧
を印加するタイプのパルスを用いてもよい。また、直流
が重畳されたパルス電界を印加してもよい。本発明にお
けるパルス電界の波形は、ここで挙げた波形に限定され
ず、さらに、パルス波形、立ち上がり時間、周波数の異
なるパルスを用いて変調を行ってもよい。上記のような
変調は高速連続表面処理を行うのに適している。
【0056】上記パルス電界の立ち上がり時間及び立ち
下がり時間は、40ns〜100μsが好ましい。10
0μsを超えると放電状態がアークに移行しやすく不安
定なものとなり、安定した放電状態を実現しにくい。ま
た、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が短いほどプラ
ズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われるが、40
ns未満では設備上現実的でない。より好ましくは50
ns〜5μsである。なお、ここでいう立ち上がり時間
とは、電圧変化が連続して正である時間、立ち下がり時
間とは、電圧変化が連続して負である時間を指すものと
する。
【0057】上記パルス電界の電界強度は、正電位によ
る電界強度が50kV/cm以下、負電位による電界強
度が50kV/cm以下であって、かつ正電位の最大値
から負電位の最大値までの値の幅が0.5kV以上であ
ることが好ましい。50kV/cmを超えるとアーク放
電が発生しやすくなる。また、正電位の最大値から負電
位の最大値までの値の幅が0.5kV/cm未満である
と、ガス種によっては放電が生じないことがある。
【0058】上記パルス電界の周波数は、1〜100k
Hzであることが好ましい。1kHz未満であると処理
に時間がかかりすぎ、100kHzを超えるとアーク放
電が発生しやすくなる。また、ひとつのパルス電界が印
加される時間は、1μs〜1000μsであることが好
ましい。1μs未満であると放電が不安定なものとな
り、1000μsを超えるとアーク放電に移行しやすく
なる。より好ましくは、3〜200μsである。上記ひ
とつのパルス電界が印加される時間とは、図14中に例
を示してあるが、ON、OFFの繰り返しからなるパル
ス電界における、ひとつのパルスの連続するON時間を
言う。
【0059】本発明のパルス電界を用いた大気圧放電で
は、全くガス種に依存せず、電極間において直接大気圧
に放電を生じせしめることが可能であり、より単純化さ
れた電極構造、放電手順による大気圧プラズマ装置、及
び処理手法でかつ高速処理を実現することができる。ま
た、パルス周波数、電圧、電極間隔等のパラメータによ
りクリーニングレート等の処理パラメータも調整でき
る。
【0060】
【実施例】本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
【0061】実施例1 図1に示した常圧プラズマ装置(下部電極面積10cm
×30cm、上部電極面積10cm×30cm、アルミ
ナ系固体誘電体1.5mm厚、電極間距離2mm)を用
い、以下の条件で、炭酸ガスレーザーにてビアホールを
開けた後の図15に示すPET製保護フィルム付きPP
E樹脂を走行させながら酸素プラズマ処理を行った。図
15において、26はPPEフィルムであり、27はP
ET製保護フィルムであり、25はビアホールであり、
28はレーザー加工により生じた残滓(スミア)を示
す。
【0062】プラズマ処理条件 処理ガス:酸素2SLM+アルゴン8SLMの混合ガス 放電条件:波形a、立ち上がり/立ち下がり時間5μ
s、出力300W、周波数10KHz、フィルム走行速
度2m/分;発生したプラズマは、アーク柱のみられな
い均一な放電であった。
【0063】プラズマ照射部分の処理効果をビアホール
中の残滓(スミア)の様子を処理前後で実体顕微鏡で観
察して確かめた。実体顕微鏡による定点観察の結果、ビ
アホール周辺及び内壁面に存在したスミアがプラズマ照
射後消失していることを確認した。
【0064】実施例2 処理ガスとして空気を用いたこと以外は、実施例1と同
様にしてPET製保護フィルム付きPPE樹脂の処理を
行った。実体顕微鏡による定点観察の結果、ビアホール
周辺及び内壁面に存在したスミアがプラズマ照射後消失
していることを確認した。
【0065】実施例3 図12に示したガン型常圧プラズマ装置(アルミナ誘電
体1.2mm厚、プラズマ放出孔100μm、プラズマ
放出孔からの接地電極間距離1mm)を用い、下記の処
理条件で炭酸ガスレーザーにてビアホールを開けた後の
PET製保護フィルム付きPPE樹脂フィルムの酸素プ
ラズマ処理を行った。
【0066】プラズマ処理条件 処理ガス:酸素20sccm+アルゴン80sccmの
混合ガス 放電条件:波形a、立ち上がり/立ち下がり時間5μ
s、出力50W、周波数10KHz、ガン移動速度1m
m/sec
【0067】プラズマ照射部分の処理効果について、ビ
アホール中のスミアの様子を実体顕微鏡による定点観察
を行った。その結果、ビアホール周辺及び内壁面に存在
したスミアがプラズマ照射後消失していることを確認し
た。また、本方式では一度の処理可能範囲は小さいが、
処理箇所の選択性が高いことが分かった。
【0068】比較例1 図16の装置を用い、容器を密閉して真空排気後、処理
ガスとして、酸素5%+アルゴン95%からなる混合ガ
スを100sccm導入しながら27Paになるように
圧力調整したのち、パルス電界の代わりに周波数12.
2kHzのsin波形の電圧を印加し、5分間、実施例
1で用いたビアホール処理後のPPE樹脂フィルムを処
理した。得られたPPE樹脂フィルムのビアホール中の
スミアには外観変化が見られなかった。
【0069】比較例2 図1の装置を用い、ガス条件は、実施例1と同様にし、
パルス電界の代わりに周波数12.2kHzのsin波
形を印加して、放電発生を試みたところ、電圧印加直後
にアーク放電が発生してPPEフィルムが溶けた。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、銅張積層板等に使われ
る回路基板用樹脂にレーザー加工した後の残滓除去を高
速に行なうことができる。残滓が無くなることで、ビル
ドアップ基板の信頼性がより高くなり、歩留まり向上に
寄与できる。また、本発明の方法は、大気圧下での実施
が可能であるので、容易にインライン化でき、本発明の
方法を用いることにより処理工程全体の速度低下を防ぐ
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平行平板型電極を用いた放電プラズマ処理装置
の例を示す模式断面図である。
【図2】平行平板型電極を用いた放電プラズマ処理装置
の例を示す模式図である。
【図3】図2の断面図である。
【図4】円筒対向電極を用いた放電プラズマ処理装置の
例を示す模式図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】複数の円筒対向電極を用いた放電プラズマ処理
装置の例を示す模式図である。
【図7】放電プラズマ処理装置の固体誘電体容器と一の
電極との配設の一例図である。
【図8】放電プラズマ処理装置の固体誘電体容器と一の
電極との配設の一例図である。
【図9】放電プラズマ処理装置の固体誘電体容器と一の
電極との配設の一例図である。
【図10】放電プラズマ処理装置の固体誘電体容器のガ
ス吹き出し口の一例図である。
【図11】放電プラズマ処理装置の固体誘電体容器のガ
ス吹き出し口の一例図である。
【図12】放電プラズマ処理装置の固体誘電体容器のガ
ス吹き出し口の一例図である。
【図13】固体誘電体容器を用いた放電プラズマ処理装
置による処理例の図である。
【図14】本発明のパルス電界の例を示す電圧波形の図
である。
【図15】ビアホール加工後のフィルムの模式断面図で
ある。
【図16】比較例1で用いたプラズマ処理装置の例を示
す模式断面図である。
【符号の説明】
1 電源(高電圧パルス電源) 2、2’、3、3’ 電極 4 固体誘電体 6 ガス導入口 7 ガス吹き出し口 8 治具 9 放電空間 10 放電プラズマ 11 ガス吹き出し口 12 ガス吸引口 14 基材 17 送りロール兼スペーサー 20 圧縮空気タンク 21 ブロアー 25 ビアホール 26 PPEフィルム 27 PET保護フィルム 28 スミア

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザーにより穴開け加工をした銅張積
    層板用の熱硬化性樹脂に対するプラズマ処理であって、
    大気圧近傍の圧力下、含酸素ガスを少なくとも一種又は
    それを希釈するガスを含むガス雰囲気中で、一対の電極
    の少なくとも一方の面に固体誘電体を設置し、当該一対
    の電極間にパルス化された電界を印加することにより発
    生させた放電プラズマを用い、レーザー加工後のビアホ
    ール周辺及び内壁の残滓を除去することを特徴とする常
    圧プラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】 立ち上がり時間と立ち下がり時間とが4
    0ns〜100μs以下、正電位による電界強度が50
    kV/cm以下、負電位による電界強度が50kV/c
    m以下であって、かつ正電位の最大値から負電位の最大
    値までの値の幅が0.5kV以上であるパルス電界を印
    加することを特徴とする請求項1に記載の常圧プラズマ
    処理方法。
  3. 【請求項3】 酸素ガスの混合ガス中の分圧が4%以上
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の常圧プ
    ラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 対向電極の少なくとも一方の対向面に固
    体誘電体を設置し、一の電極と該固体誘電体との間又は
    該固体誘電体同士の間に基材を配置し、当該電極間に、
    立ち上がり時間及び立ち下がり時間が40ns〜100
    μsであり、かつ、正電位による電界強度が50kV/
    cm以下、負電位による電界強度が50kV/cm以下
    であって、かつ正電位の最大値から負電位の最大値まで
    の値の幅が0.5kV以上であるパルス電界を印加する
    ようになされていることを特徴とする常圧プラズマ処理
    装置。
  5. 【請求項5】 ガス吹き出し口を備えた固体誘電体容器
    が配設された一の電極、及び、当該ガス吹き出し口に対
    向して設けられた他の電極を有し、当該ガス吹き出し口
    から処理用ガスを連続的に排出して基材に吹き付けるよ
    うになされており、当該一の電極と当該他の電極との間
    に、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が40ns〜1
    00μsであり、かつ、正電位による電界強度が50k
    V/cm以下、負電位による電界強度が50kV/cm
    以下であって、かつ正電位の最大値から負電位の最大値
    までの値の幅が0.5kV以上であるパルス電界を印加
    するようになされていることを特徴とする常圧プラズマ
    処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかに記載された
    常圧プラズマ処理方法によって処理されたことを特徴と
    するレーザーによりビアホール加工をされた銅張積層
    体。
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