JP2002343725A - 薄膜の形成方法 - Google Patents

薄膜の形成方法

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JP2002343725A JP2001149232A JP2001149232A JP2002343725A JP 2002343725 A JP2002343725 A JP 2002343725A JP 2001149232 A JP2001149232 A JP 2001149232A JP 2001149232 A JP2001149232 A JP 2001149232A JP 2002343725 A JP2002343725 A JP 2002343725A
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Hironari Kitahata
裕也 北畠
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常圧プラズマCVD法において、被処理基材
表面上に均一な薄膜を形成する方法の提供。 【解決手段】 大気圧近傍の圧力下で、少なくとも一方
の対向面が固体誘電体で被覆された対向する一対の平行
平板電極間に処理ガスを導入し、当該一対の電極間にパ
ルス化された電界を印加して得られる放電プラズマを基
材に接触させて基材表面に薄膜を形成する方法におい
て、回転する基材に平行平板電極のプラズマガス吹き出
し口からプラズマを吹き付け、プラズマを接触させるこ
とを特徴とする基材表面への薄膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体用の基材表
面への薄膜の形成方法に関し、特に、常圧プラズマCV
D法を用いた基材表面への均一な薄膜の形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハ等の被処理基材の表面に種
々の膜を成膜する技術においては、被処理基材に均一に
薄膜を成膜することが重要な要素の一つとなっている。
均一性を向上させる試みとしては、例えば、熱CVD法
において、回転する機構を有するトレイ上に半導体ウェ
ハを載せ、ウェハを回転させながら反応ガス噴射装置の
下を通過させることにより、均一な薄膜を形成するとい
う方法が特開平8−203835号公報に開示されてい
る。
【0003】一方、熱CVD法は、熱エネルギーを大量
に使用するため、基材、周辺装置等の耐熱性が必要にな
るという問題があり、より効率的な成膜方法として、常
圧プラズマCVD法が、注目されてきているが、常圧プ
ラズマCVD法でのリモート式においては、現在、直線
的に基板を搬送させて成膜する技術が開発されつつある
段階であり、より均一な成膜技術の開発が望まれてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、常圧
プラズマCVD法において、被処理基材表面上に均一な
薄膜を形成する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、基材を回転させながら、
処理ガスのプラズマを吹き付けて成膜する方法が、基材
上に不必要な微粒子の生成や反応ガスの流速の違いによ
る膜ムラを防ぎ、基材上に均一な膜厚の薄膜を生成する
ことができることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明の第1の発明は、大気圧
近傍の圧力下で、少なくとも一方の対向面が固体誘電体
で被覆された対向する一対の平行平板電極間に処理ガス
を導入し、当該一対の電極間にパルス化された電界を印
加して得られる放電プラズマを基材に接触させて基材表
面に薄膜を形成する方法において、回転する基材に平行
平板電極のプラズマガス吹き出し口からプラズマを吹き
付け、プラズマを接触させることを特徴とする基材表面
への薄膜の形成方法である。
【0007】また、本発明の第2の発明は、平行平板電
極のプラズマガス吹き出し口の長さを基材の半径以上に
し、基材を電極の一つの端部を中心として回転させなが
らプラズマに接触させることを特徴とする請求項1に記
載の薄膜の形成方法である。
【0008】また、本発明の第3の発明は、平行平板電
極のプラズマガス吹き出し口と基材との距離が、基材の
回転軸側は遠く、基材の他方側を近くなるように傾斜さ
れてなることを特徴とする第2の発明に記載の薄膜の形
成方法である。
【0009】また、本発明の第4の発明は、搬送ベルト
上で基材を回転させながら処理することを特徴とする第
1〜3のいずれかの発明に記載の薄膜の形成方法であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、大気圧近傍の圧力下
で、少なくとも一方の対向面が固体誘電体で被覆された
対向する一対の平行平板電極間に処理ガスを導入し、当
該一対の電極間にパルス化された電界を印加して得られ
る放電プラズマを平行平板電極の長尺のプラズマガス吹
き出し口から回転する基材に吹き付け、基材表面に薄膜
を形成する方法であって、特に、平行平板電極間を長尺
のプラズマガス吹き出し口の長さを基材の半径以上にし
て、基材の回転中心軸から半径方向になるように設置
し、基材を回転テーブル上で、回転させながらプラズマ
に接触させる方法である。以下に詳細に説明する。
【0011】上記大気圧近傍の圧力下とは、1.333
×104〜10.664×104Paの圧力下を指す。中
でも、圧力調整が容易で、装置が簡便になる9.331
×104〜10.397×104Paの範囲が好ましい。
【0012】上記の平行平板型電極としては、銅、アル
ミニウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金
属間化合物等からなるものが挙げられる。電極は、電界
集中によるアーク放電の発生を避けるために、対向電極
間の距離が一定となる構造であることが好ましい。
【0013】上記固体誘電体は、電極の対向面の一方又
は双方に設置される。この際、固体誘電体と設置される
側の電極が密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に
覆うようにすることが好ましい。固体誘電体によって覆
われずに電極同士が直接対向する部位があると、そこか
らアーク放電が生じやすいためである。
【0014】上記固体誘電体の形状は、シート状でもフ
ィルム状でもよく、厚みが0.01〜4mmであること
が好ましい。厚すぎると放電プラズマを発生するのに高
電圧を要することがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁
破壊が起こり、アーク放電が発生することがある。
【0015】固体誘電体の材質としては、例えば、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化
物、チタン酸バリウム等の複酸化物、及びこれらの複層
化したもの等が挙げられる。
【0016】特に、固体誘電体は、比誘電率が2以上
(25℃環境下、以下同じ)であることが好ましい。比
誘電率が2以上の誘電体の具体例としては、ポリテトラ
フルオロエチレン、ガラス、金属酸化膜等を挙げること
ができる。さらに高密度の放電プラズマを安定して発生
させるためには、比誘電率が10以上の固定誘電体を用
いことが好ましい。比誘電率の上限は特に限定されるも
のではないが、現実の材料では18,500程度のもの
が知られている。比誘電率が10以上の固体誘電体とし
ては、例えば、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化ア
ルミニウム50〜95重量%で混合された金属酸化物皮
膜、または、酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物皮
膜からなり、その被膜の厚みが10〜1000μmであ
るものを用いることが好ましい。
【0017】上記電極間の距離は、固体誘電体の厚さ、
印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮し
て適宜決定されるが、1〜50mmであることが好まし
い。1mm未満では、電極間の間隔を置いて設置するの
に充分でないことがある。50mmを超えると、均一な
放電プラズマを発生させにくい。
【0018】本発明で用いるパルス電界のパルス電圧波
形の例を図1に示す。波形(a)、(b)はインパルス
型、波形(c)はパルス型、波形(d)は変調型の波形
である。図1には電圧印加が正負の繰り返しであるもの
を挙げたが、正又は負のいずれかの極性側に電圧を印加
するタイプのパルスを用いてもよい。また、直流が重畳
されたパルス電界を印加してもよい。本発明におけるパ
ルス電界の波形は、ここで挙げた波形に限定されず、さ
らに、パルス波形、立ち上がり時間、周波数の異なるパ
ルスを用いて変調を行ってもよい。上記のような変調は
高速連続表面処理を行うのに適している。
【0019】上記パルス電界の立ち上がり及び/又は立
ち下がり時間は、20μs以下が好ましい。20μsを
超えると放電状態がアークに移行しやすく不安定なもの
となり、パルス電界による高密度プラズマ状態を保持し
にくくなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり時間
が短いほどプラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行
われるが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス電界
を実現することは、実際には困難である。より好ましく
は50ns〜5μsである。なお、ここでいう立ち上が
り時間とは、電圧(絶対値)が連続して増加する時間、
立ち下がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して減少す
る時間を指すものとする。
【0020】また、パルス電界の立ち下がり時間も急峻
であることが好ましく、立ち上がり時間と同様の20μ
s以下のタイムスケールであることが好ましい。パルス
電界発生技術によっても異なるが、立ち上がり時間と立
ち下がり時間とが同じ時間に設定できるものが好まし
い。
【0021】上記パルス電界の電界強度は、20〜40
0kV/cmとなるようにするのが好ましい。電界強度
が20kV/cm未満であると処理に時間がかかりす
ぎ、400kV/cmを超えるとアーク放電が発生しや
すくなる。
【0022】上記パルス電界の周波数は、0.5〜10
0kHzであることが好ましい。0.5kHz未満であ
るとプラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎ、
100kHzを超えるとアーク放電が発生しやすくな
る。より好ましくは、1〜100kHzであり、このよ
うな高周波数のパルス電界を印加することにより、処理
速度を大きく向上させることができる。
【0023】また、上記パルス電界におけるひとつのパ
ルス継続時間は、1〜100μsであることが好まし
い。1μs未満であると放電が不安定なものとなり、1
00μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。よ
り好ましくは、1〜50μsである。ここで、ひとつの
パルス継続時間とは、図1中に例を示してあるが、O
N、OFFの繰り返しからなるパルス電界における、ひ
とつのパルスの連続するON時間を言う。
【0024】本発明で用いる被処理基材としては、半導
体ウェハ素子、金属、プラスチック、ガラス、セラミッ
ク等が挙げられ、特に好ましくは、シリコンウェハであ
る。
【0025】本発明で用いる処理ガスとしては、電界、
好ましくはパルス電界を印加することによってプラズマ
を発生するガスであれば、特に限定されず、処理目的に
より種々のガスを使用できる。
【0026】薄膜の原料としての原料ガスとして、例え
ば、SiH4、Si26、SiCl4、SiH2Cl2、S
i(CH34等のシラン含有ガスからアモルファスシリ
コン膜、ポリシリコン膜、また上記シラン含有ガスと無
水アンモニア、窒素ガス等の窒素含有ガスから、SiN
膜が形成される。
【0027】また、SiH4、Si26、テトラエトキ
シシラン等のシラン含有ガスと酸素ガスからSiO2
の酸化膜が得られる。
【0028】また、Al(CH33、In(C
253、MoCl6、WF6、Cu(HFAcAc)2
TiCl6等又はSiH4等のシランガスの混合ガスか
ら、Al、In、Mo、W、Cu等の金属薄膜、TiS
2、WSi2等の金属シリサイド薄膜を形成することが
できる。
【0029】また、In(Oi−C373、Zn(O
252等よりIn23+Sn、SnO2+Sb、Zn
O+Al等の透明導電膜が形成される。
【0030】また、B26、BCl3とNH3ガス等から
BN膜、SiF4ガスと酸素ガス等からSiOF膜、H
Si(OR)3、CH3Si(OR)3、(CH32Si
(OR)2等からポリマー膜等が形成される。
【0031】また、Ta(OC255、Y(Oi−C3
73、Hf(Oi−C374等からTa25、Y2
3、HfO2、ZnO2等の酸化膜等が形成される。
【0032】さらに、CF4、C26、CF3CFC
2、C48等のフッ素含有化合物ガス、O2、O3、H2
O、CH3OH、C25OH等の酸素含有化合物ガス、
2、NH3等の窒素含有化合物ガス、SO2、SO3等の
イオウ含有化合物ガス、アクリル酸、メタクリルアミ
ド、ポリエチレングリコールジメタクリル酸エステル等
の重合性親水モノマーガス等をそれぞれの目的に応じて
用いることができる。
【0033】その他薄膜形成以外に、ハロゲン系ガスを
用いてエッチング処理、ダイシング処理を行ったり、酸
素系ガスを用いてレジスト処理や有機物汚染の除去を行
ったり、アルゴン、窒素等の不活性ガスによるプラズマ
で表面クリーニングや表面改質を行うこともできる。
【0034】本発明では、上記原料ガスをそのまま処理
ガスとして用いてもよいが、経済性及び安全性等の観点
から、原料ガスを希釈ガスによって希釈し、これを処理
ガスとして用いることもできる。希釈ガスとしては、ネ
オン、アルゴン、キセノン等の希ガス、窒素ガス等が挙
げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いて
もよい。従来、大気圧近傍の圧力下においては、ヘリウ
ムの存在下の処理が行われてきたが、本発明の電界、好
ましくはパルス状の電界を印加する方法によれば、上述
のように、ヘリウムに比較して安価なアルゴン、窒素ガ
ス中において安定した処理が可能である。
【0035】従来、大気圧近傍の圧力下においては、ヘ
リウムが大過剰に存在する雰囲気下で処理が行われてき
たが、本発明の方法によれば、ヘリウムに比較して安価
なアルゴン、窒素等の気体中における安定した処理が可
能であり、さらに、これらの分子量の大きい、電子をよ
り多く有するガスの存在下で処理を行うことにより、高
密度プラズマ状態を実現し、処理速度を上げることが出
来るため、工業上大きな優位性を有する。
【0036】原料ガスと希釈ガスとの混合比は、使用す
る希釈ガスの種類により適宜決定される。原料ガスの濃
度が、処理ガス中の0.01〜10体積%であることが
好ましく、より好ましくは0.1〜10体積%である。
【0037】本発明のプラズマを基材に接触させる手段
は、上記で説明した対向する電極間で発生させたプラズ
マを放電空間の外に配置された基材に向かって吹き付け
て接触させる方法(リモート型)である。具体的には、
平行平板型電極から固体誘電体が延長されて形成された
長尺型のプラズマガスノズル口から、放電空間の外に配
置された基材に向けて吹き付ける装置による接触方法で
ある。なお、ノズル先端の材質は、必ずしも上記の固体
誘電体である必要がなく、上記電極と絶縁がとれていれ
ば金属等でもかまわない。このプラズマガス吹き出し口
ノズルを有する固体誘電体を通して、対向電極間で発生
したプラズマを基材に吹き付ける方法は、基材が直接高
密度プラズマ空間にさらされることが少なく、基材表面
の目的とする箇所にのみにプラズマ状態のガスを運び、
薄膜の形成を行うことができるので、基材への電気的熱
的負担が軽減された好ましい方法である。さらに、基材
側にバイアスを印加することによって、薄膜化を促進す
ることもできる。
【0038】本発明において、基材は、回転テーブル等
により、一定速度、好ましくは100〜2000rpm
で回転させる必要がある。プラズマガスを均一に基材に
吹き付けるために、プラズマガス吹き出し口の幅や、そ
こから吹き出されるガスの流速や流れを調整することが
行われるが、基材がプラズマガス吹き出し口を一定の方
向で横切るだけの構造では、基材間面内での薄膜形成反
応を均一にすることは困難であり、基材を回転させるこ
とにより得られる薄膜を均一にすることができる。
【0039】また、その際、上記平行平板型電極からの
長尺型のプラズマガス吹き出し口の長さは、回転する基
材の半径以上の長さを有し、基材の回転中心軸から半径
方向に設置され、好ましくは、平行平板型電極と基材の
距離が回転の中心軸側は遠く、他方の側は近くなるよう
に傾斜して配置されているのが好ましい。プラズマガス
吹き出し口の長さは、基材の全面を覆う長さである必要
はなく、基材が回転することにより、全面にわたって、
プラズマガスが吹き付けられる長さであればよく、むし
ろ、基材上に均一な薄膜を形成するには回転する基材の
半径より少し長めである程度の方がより均一な薄膜を形
成でき、装置自体をコンパクトにできる。
【0040】本発明の薄膜形成方法のプラズマガスを基
材に接触させる方法及び装置の一例の概要を図で説明す
る。図2は本発明の一実施の形態の斜視図であり、図3
は、図2のX−X’方向の断面図である。1は電源、2
及び3は一対の平行平板電極、5、5’はプラズマガス
吹き出し口、7は処理ガス導入口、9はプラズマガス、
10は基材、11は支持台、12は回転テーブル、13
は回転駆動軸をそれぞれ表す。なお、図示されていない
が、電極2及び3は固体誘導体で被覆されている。
【0041】図2において、処理ガスは、処理ガス導入
口7から平行平板型電極間に導入され、電源1からパル
ス電界を印加された電極間で励起され、プラズマとして
プラズマガス吹き出し口5から基材に吹き付けられる。
一方、基材10は支持台11にセットされた回転テーブ
ル12で一定速度で回転さている。その結果として、基
材10の表面に均一な薄膜が形成されるようになる。
【0042】図3において、基材の回転中心側に対応す
るプラズマガス吹き出し口5と基材10の距離は、基材
の外周側に対応するプラズマガス吹き出し口5’と基材
10の距離より遠くなるように、プラズマガス吹き出し
口は基材平面に対して傾斜して設置されている。基材を
回転テーブル12によって回転させることにより、不必
要な微粒子の生成を抑え、反応ガスの流速の違い等によ
る膜むらを抑えることができる。さらに、回転する基材
の表面の線速度は、回転軸側部と外側部では異なってお
り、それに対応するためにプラズマガス吹き出し口から
基材への距離を傾斜させることにより、より均一な膜厚
の薄膜を形成させることができる。
【0043】図4は、回転する基材を載置した支持台自
体を搬送ベルトとした装置の図である。1は電源、2は
一対の平行平板電極、7は処理ガス導入口、9はプラズ
マガス、10は基材、11は搬送ベルトをそれぞれ表
す。基材10を回転させながら搬送ベルト11で移動さ
せ、プラズマ処理することにより基材上に効率的に薄膜
を形成することができる。
【0044】このような装置を用いた場合には、基材の
表面に形成される薄膜は、基材の温度とプラズマガスに
接触する時間によって影響を受けるため、基材を均一に
加熱しておくことが好ましく、回転テーブル等に加熱機
構等を設置しておくことが好ましい。また、搬送速度、
プラズマ照射時間等は、形成する薄膜の種類、厚さ等に
より自由に設定できる。
【0045】なお、本発明の方法によれば、プラズマ発
生空間中に存在する気体の種類を問わずグロー放電プラ
ズマを発生させることが可能である。したがって、公知
の低圧条件下におけるプラズマ処理はもちろん、特定の
ガス雰囲気下の大気圧プラズマ処理においても、外気か
ら遮断された密閉容器内で処理を行うことが必須であっ
たが、本発明のグロー放電プラズマ処理方法によれば、
開放系、あるいは、気体の自由な流失を防ぐ程度の低気
密系での処理が可能となる。
【0046】
【実施例】本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
【0047】実施例1 図2に示す装置を用いて、シリコンウェハ上にTEOS
薄膜を形成させた。表面に0.5mm厚のアルミナをコ
ーティングした2枚の120mm×A=60(B=5
7)mm×5mmのSUS製平板電極からなり、電極間
距離を2mmとしたリモート型電極に、処理ガスとし
て、Si(OEt)40.1%+Ar98.9%+O2
%の混合ガスを10l/minで導入し、電極間に周波
数5kHz、電圧強度VP−P18kV、立ち上がり時
間5μsの電界を印加した。一方、基材として、半径2
0mmのシリコンウェハを基板温度を80℃にし、回転
テーブルで回転数2000rpmで回転させた。また、
平行平板型電極のプラズマ吹き出しノズルとシリコンウ
ェハ基材との距離を基材の回転軸側を8mmとし、基材
の外周側を5mmとなるように傾斜して設置した。
【0048】処理時間2分で、シリコンウェハ上に10
00nmのTEOS薄膜が形成され、その膜厚をエリプ
ソメーターにより測定したところ、平均値からの最大ば
らつきは1%であった。
【0049】
【発明の効果】本発明の薄膜の形成方法は、基材を回転
させる常圧プラズマ処理方法であるので、均一な薄膜を
基材上に形成することができる。特に、平行平板電極の
長尺プラズマガス吹き出し口と基材との距離を基材回転
軸側を遠く、外周側を近くするように傾斜させることに
より、コンパクトな装置で均一な薄膜を基材上に形成す
ることができる方法である。また、本発明の方法は、低
温下の大気圧下での実施が可能であるので、容易にイン
ライン化でき、本発明の方法を用いることにより処理工
程全体の速度向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルス電界の例を示す電圧波形図であ
る。
【図2】本発明の薄膜形成方法を説明する装置の斜視図
である。
【図3】図2の装置の断面図である。
【図4】本発明の薄膜形成方法を説明する他の装置の斜
視図である。
【符号の説明】
1 電源(高電圧パルス電源) 2 電極 3 電極 5、5’ プラズマガス吹き出し口 7 処理ガス導入口 9 プラズマ 10 基材 11 支持台、搬送ベルト 12 回転テーブル 13 回転駆動軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AC76 BB14Z BB44Z BB49Z BB70Z BB85Z CA23 CA37 CA48 DA06 DB01 DB13 DB14 DB31 DC22 EB01 EB16 EB20 EB22 EB24 EB43 EB47 4G075 AA24 BC04 DA02 EA02 EB41 ED01 ED08 ED11 EE31 FB02 FB04 FB06 FB12 4K030 AA06 AA14 AA16 BA44 CA04 EA05 EA06 FA01 JA03 LA15 5F045 AA08 AB04 AB32 AC01 AF03 BB02 BB09 DQ16 EB02 EF02 EH13 EH19 EM10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧近傍の圧力下で、少なくとも一方
    の対向面が固体誘電体で被覆された対向する一対の平行
    平板電極間に処理ガスを導入し、当該一対の電極間にパ
    ルス化された電界を印加して得られる放電プラズマを基
    材に接触させて基材表面に薄膜を形成する方法におい
    て、回転する基材に平行平板電極のプラズマガス吹き出
    し口からプラズマを吹き付け、プラズマを接触させるこ
    とを特徴とする基材表面への薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 平行平板電極のプラズマガス吹き出し口
    の長さを基材の半径以上にし、基材を電極の一つの端部
    側を回転軸として回転させながらプラズマに接触させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 平行平板電極のプラズマガス吹き出し口
    と基材との距離が、基材の回転軸側は遠く、基材の他方
    側を近くなるように傾斜されてなることを特徴とする請
    求項2に記載の薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 搬送ベルト上で基材を回転させながら処
    理することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の薄膜の形成方法。
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