JP2007323836A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ処理装置において、電極の側端面等における沿面放電を防止して損傷を防ぎ、メンテナンス頻度を削減するとともにパーティクルの発生を防止する。
【解決手段】第1電極31と第2電極32を、金属製の筐体10で囲むとともに対向させ、間に放電空間23を形成する。第1電極31の第2電極32との対向面に固体誘電体からなる誘電部材51を設ける。誘電部材51を、第1電極31の両端部より延び出させ、一対の第3方向延出部53を形成する。第1電極31と、筐体10の放電空間23より第1電極31の側の部分と、誘電部材51の第3方向延出部53とによって、第1電極31を筐体10から絶縁する側部絶縁空間71を画成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、処理ガスを放電空間でプラズマ化して吹き出し、該放電空間の外側に配置した被処理物に当てることにより、被処理物をプラズマ処理する装置に関する。
例えば、特許文献1に記載のプラズマ処理装置は、絶縁性のホルダで保持された一対の電極と、これら電極の対向面にそれぞれ設けられた一対の誘電体の板とを備えている。一対の電極間に電圧を印加して放電を形成し、一対の誘電体板どうし間の通路に処理ガスを導入してプラズマ化する。このプラズマ化した処理ガスを下方へ吹き出して被処理物に当て、被処理物の表面処理を行なうようになっている。電極は、ホルダの上辺部と片方の側辺部にボルトで連結され、支持されている。電極の上記ボルト連結側とは反対側の側端面及び下端面とホルダとの間には、互いの熱膨張差を吸収するための狭い隙間が形成されている。
特許文献2には、L字形の小片を、複数、電極の長手方向に離して配置し、これらL字形の小片を電極の背面と下面に当てることにより、電極を支持することが記載されている。隣り合うL字形小片の間の電極の背部及び下部には、絶縁空間が形成されている。
特開平09−92493号公報 特開2006−49262号公報(段落0038)
この種のプラズマ処理装置においては、電極とこれを保持する絶縁体からなるホルダとの間に沿面放電等の異常放電が起きやすい。このような異常放電は、ホルダや電極等の装置構成部材の損傷、劣化を招くだけでなく、パーティクル発生の要因になりやすい。
特許文献1における電極の側端面及び下端面とホルダとの間の狭い隙間は、熱膨張差を吸収することはできるが沿面放電等の異常放電が起きないようにするには不十分である。特に、電極の側端面は、他方の電極の側端面に向けて異常放電が走りやすい。
特許文献2のように、電極の背部の絶縁部材を省略し、電極背部と金属製側壁との間に絶縁空間を設けることにすれば、電極背部の沿面放電を防止できるが、電極側端面の異常放電防止については記載されていない。また、電極を支持するため、L字形小片を電極の背面に当てているため、この接触面で異常放電が起きる可能性がある。
上記問題点を解決するため、本発明は、処理ガスを放電空間の第1方向に通して前記放電空間より前記第1方向の下流側の外側に配置した被処理物に当て、プラズマ処理を行なう装置において、
(a)前記第1方向と交差する第2方向に対向して間に前記放電空間を形成する第1電極及び第2電極と、
(b)これら第1電極及び第2電極を、前記第1方向から見て囲む金属製の筐体と、
(c)前記第1電極の前記第2電極との対向面に設けられた固体誘電体からなる誘電部材と、
を備え、
前記誘電部材の前記第1方向及び第2方向と交差する第3方向の両端部が、前記第1電極より延び出て、一対の第3方向延出部を構成し、
前記第1電極の前記対向面とは反対側の背部及び前記第3方向の両端部と、前記筐体と、前記一対の第3方向延出部とによって、前記第1電極を前記筐体から絶縁する側部絶縁空間が画成されていることを特徴とする。
これによって、第1電極の背部及び第3方向の両端部と筐体との間に第1電極を絶縁する部材を配置せずに済み、この絶縁部材と第1電極との間に沿面放電が発生するのを防止できる。加えて、誘電部材の第3方向延出部によって第1電極の第3方向の端部から第2電極へ向けて異常放電が飛ぶのを防止することができる。これにより、第1、第2電極等の損傷を防止でき、メンテナンス頻度を削減できるとともに、パーティクルの発生を防止することができる。
前記第1電極の前記第1方向の上流側の端部と前記筐体との間に、絶縁材料からなる上流側絶縁部材が設けられていることが好ましい。
前記第1電極が、前記上流側絶縁部材に自重のほぼ全体を掛けるようにして連結されていることが好ましい。
これによって、第1電極の上流側端部だけを、上流側絶縁部材を介して筐体に連結し支持することができる。第1電極の背部及び第3方向の両端部と筐体との間には、第1電極を絶縁して支持する部材を配置せずに済み、側部絶縁空間を確実に形成でき、異常放電ひいてはパーティクルの発生を確実に防止することができる。
前記誘電部材が、前記第1電極より前記第1方向の上流側へ延び出る上流側延出部を有していることが好ましい。
これによって、第1電極の上流側端部から第2電極に異常放電が飛ぶのを防止できる。
前記誘電部材の自重のほぼ全体が前記上流側絶縁部材に掛かるようにして、前記上流側延出部が前記上流側絶縁部材に連結されていることが好ましい。
これによって、誘電部材の上流側延出部だけを、上流側絶縁部材を介して筐体に連結し支持することができる。
上流側絶縁部材と誘電部材との接合手段は接着剤を用いることが好ましい。
前記筐体の前記第1方向の下流側の端部には金属製の下流側導電部材が設けられていることが好ましい。この下流側導電部材は、電気的に接地されていることが好ましい。
これによって、第1電極から被処理物に異常放電が飛ぶのを防止し、被処理物のダメージを回避しつつ、第1電極ひいては放電空間を被処理物に接近させることができ、放電空間で生成した活性種が失活しないうちに被処理物に確実に到達させることができる。これによって、処理レートを向上させることができる。
前記誘電部材が、前記第1電極より前記第1方向の下流側へ延び出る下流側延出部を有していることが好ましい。
前記第1電極の前記第1方向の下流側の端部と、前記下流側導電部材と、前記下流側延出部とによって、前記第1電極を前記下流側部材から絶縁するとともに前記側部絶縁空間に連なる下流側絶縁空間が画成されていることが好ましい。
これによって、第1電極と下流側導電部材との間に第1電極を絶縁する部材を配置せずに済み、この絶縁部材と第1電極の下流側面との間に沿面放電が発生するのを防止できる。更には、誘電部材の下流側延出部によって第1電極の下流側端部から第2電極へ異常放電が飛ぶのを防止することができる。これによって、第1、第2電極等の損傷ひいてはパーティクルの発生を一層確実に防止することができる。
前記下流側導電部材には、前記放電空間に連なる吹出し口が形成されていることが好ましい。
前記誘電部材の下流側延出部の端部が、前記吹出し口の近傍に前記下流側部材より突出しないようにして配置されていることが好ましい。
これによって、下流側導電部材によって誘電部材が破損しないように保護することができる。
本発明は、大気圧近傍下でプラズマを生成し表面処理するのに好適である。大気圧近傍(略常圧)とは、1.013×104〜50.663×104Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×104〜10.664×104Pa(100〜800Torr)が好ましく、9.331×104〜10.397×104Pa(700〜780Torr)がより好ましい。
本発明によれば、第1電極の背部や第3方向の両端部での沿面放電を防止できるとともに、第3方向の端部から第2電極へ向けて異常放電が飛ぶのを防止することができる。これにより、第1、第2電極等の損傷を防止でき、メンテナンス頻度を削減できるとともに、パーティクルの発生を防止することができる。
以下、本発明の第1実施形態を説明する。
図1〜図3は、大気圧プラズマ処理装置を示したものである。装置は、処理ヘッド1を備えている。処理ヘッド1は、図示しない架台によって支持されている。図2に示すように、処理ヘッド1の下方の処理位置に、例えば液晶用ガラス基板や半導体基板等の被処理物Wが配置されるようになっている。被処理物Wは、図示しない搬送機構によって例えば前方(図2の矢印方向)へ移動されるようになっている。被処理物Wが静止する一方、処理ヘッド1が移動されるようになっていてもよい。
処理ヘッド1は、上側の整流部2と、下側のプラズマ生成部3を有している。整流部2は、左右(図2の紙面と直交する方向)に延びている。整流部2は、処理ガス源Gに接続されている。処理ガス源Gには、処理目的に応じた処理ガスが蓄えられている。整流部2は、処理ガス源Gから供給された処理ガスを長手方向(左右)に均一化するようになっている。
処理ヘッド1のプラズマ生成部3は、筐体10と、一対をなす第1電極31及び第2電極32を有している。
筐体10は、ステンレス等の金属にて構成され、電気的に接地されている。図1に示すように、筐体10は、前後に一対をなす長い壁11,12と、左右に一対をなす短い壁13,13とを有し、平面視で左右(第3方向)に長い長方形をなしている。
図2及び図3に示すように、筐体10の下端部には、ステンレス等の金属からなる底部材14(下流側導電部材)が設けられている。底部材14は、長手方向を左右に向けた長方形の板状をなし、筐体10の底部を塞いでいる。底部材14の周縁部には、低い周壁14aが一体に設けられている。周壁14aの前後の部分が、長壁11,12の下面に突き当てられている。周壁14aの左右の外側面に、左右の短壁13,13がそれぞれ当接され、ボルト15にて連結されている。
底部材14は、筐体10の壁11,12,13,13と共通または別途の接地線を介して電気的に接地されている。この底部材14によって、電極31から被処理物Wへのアーク等の異常放電が防止されている。これにより、被処理物Wのダメージを回避しつつ、電極31ひいては後記放電空間23を被処理物Wに接近させることができ、放電空間23で生成した活性種が失活しないうちに被処理物Wに確実に到達させ、処理レートを向上させることができる。
図2に示すように、底部材14の中央部には、吹出し口24が形成されている。吹出し口24は、スリット状をなし、左右に延びている。
筐体10の内部に一対をなす第1電極31と第2電極32が収容されている。各電極31,32は、ステンレス等の金属で構成されている。電極31,32は、図2に示すように、大略四角形の断面をなし、図1に示すように、左右(第3方向)に延びている。電極31,32の長さは、処理すべき被処理物Wの前後方向の寸法より大きいことが望ましい。
第1電極31が筐体10の一方の長壁11と平行に対向し、第2電極32が他方の長壁12と平行に対向している。電極31,32の左右両端面(第3方向の端面)に左右の短壁13,13がそれぞれ対向している。4つの壁11,12,13,13によって、第1、第2電極31,32が平面視で(第1方向から見て)囲まれている。
一対の電極31,32は、前後(第2方向)に対向するようにして平行に配置されている。これら電極31,32のうち、一方の第1電極31の長手方向の中央部に給電端子36が設けられている。給電端子36は、筐体10の第1電極31と対向する長壁11を貫通し、電源Pに接続されている。これにより、第1電極31が電源電極(電圧印加電極)になっている。
電極31,32のうち、他方の第2電極32の長手方向の中央部には接地端子37が設けられている。接地端子37は、筐体10の第2電極32と対向する長壁12を貫通し、接地線38に接続されている。これによって、第2電極32が接地電極になっている。
電源電極31への電圧供給により、一対の電極31,32間に電界が印加され大気圧プラズマ放電が生成されるようになっている。
印加電圧は、例えばVpp=10〜30kV程度が好ましく、周波数は、例えば1〜200kHz程度が好ましい。
図2及び図3に示すように、各電極31,32の内部には、冷却路(温調路)39が形成されている。冷却路39は、電極31,32の長手方向(左右方向)に延びている。冷却路39の両端部は、電極31,32の左右両端面(第3方向の端面)の少し手前で背部(対向面とは逆側)へ折曲して背面に開口されている。図示は省略するが、冷却路39の両端開口の一方に冷媒の供給路が接続され、他方に排出路が接続されている。これにより、冷媒が、冷却路39に通され、電極31,32が冷却(温調)されるようになっている。冷媒(温調媒体)としては、例えば水が用いられている。
第1電極31の第2電極32との対向面には、誘電部材51が設けられている。同様に、第2電極32の第1電極31との対向面には、誘電部材52が設けられている。これら誘電部材51,52は、アルミナ(Al)をはじめとするセラミック等の固体誘電体にて形成され、長手方向を左右に向け、短手方向を上下(第1方向)に向けた長方形の薄い板状をなしている。図3に示すように、誘電部材51,52は、電極31,32より大面積になっており、上下左右の4つの周縁部が電極31,32よりも延び出ている。すなわち、誘電部材51,52の左右の両端部は、電極31,32より左右(第3方向)に延び出る第3方向延出部53を構成し、誘電部材51,52の上端部は、電極31,32より上へ延び出る上流側延出部54を構成し、下端部は、電極31,32より下へ延び出る下流側延出部55を構成している。
図2に示すように、誘電部材51,52の下端部(下流側延出部55の端部)は、底部材14の上面とほぼ同じ高さに位置し、吹出し口24に臨んでいる。誘電部材51,52の下端部は、底部材14の上面より少し上に離れていてもよく、吹出し口24内に差し入れられていてもよいが、吹出し口24より下へは突出しないようにするのが好ましい。これによって、処理ヘッド1を床等に載置したとき、誘電部材51,52の下端部に無理な力が加わることがなく、誘電部材51,52を保護することができる。
図1及び図2に示すように、一対の誘電部材51,52どうしの間にスリット状の誘電部材間ガス路22が形成されている。図1及び図3に示すように、一対の誘電部材51,52どうし間の左右両側部には、誘電体からなるスペーサ56が挟まれている。このスペーサ56によって誘電部材間ガス路22の厚さが確保されている。スペーサ56と誘電部材51,52は、接着剤にて互いに接着されている。
誘電部材間ガス路22の上下方向の中央の電極31,32の高さに対応する部分は、電極31への電圧印加によって放電空間23となる。
誘電部材間ガス路22の下端部は、吹出し口24に直接的に連なっている。
電極31,32と誘電部材51,52は、次のようにして筐体10に支持されている。
図2及び図3に示すように、筐体10の内部には、上流側絶縁部材60が設けられている。上流側絶縁部材60は、ユニレート(登録商標)等の高い耐プラズマ性を有する絶縁体で構成され、左右方向に延びている。上流側絶縁部材60は、筐体10にボルト61にて連結されている。
上流側絶縁部材60の下面に電極31,32の上面が宛がわれている。この上流側絶縁部材60によって電極31,32の上端部と筐体10との間が絶縁されている。上流側絶縁部材60には、ボルト62が通され、このボルト62の先端部が電極31,32にねじ込まれている。これにより、電極31,32は、上流側絶縁部材60から吊り下げられた状態になり、荷重のほぼ全体を上流側絶縁部材60に掛け、上流側絶縁部材60を介して筐体10に支持されている。
図2及び図3に示すように、上流側絶縁部材60の中央部には、スリット60aが形成されている。スリット60aは、上流側絶縁部材60を上下に貫通するとともに、左右に延びている。図2に示すように、スリット60aの下側部分に、一対の誘電部材51,52の上端部が挿入されている。そして、第1電極31側の誘電部材51が、スリット60aの一方の内壁に接着剤にて接着され、第2電極32側の誘電部材52が、スリット60aの他方の内壁に接着剤にて接着されている。これによって、誘電部材51,52は、上流側絶縁部材60から吊り下げられた状態になり、荷重のほぼ全体を上流側絶縁部材60に掛け、上流側絶縁部材60を介して筐体10に支持されている。
上流側絶縁部材60のスリット60aの両側の内壁の下側部分は、それぞれ上流側絶縁部材60の下面に向うにしたがって外側へ傾く斜面状の逃げ部60b,60cを形成している。一方の逃げ部60bと電極31の上面と誘電部材51の上端部とにより断面三角形の空間が形成されている。この逃げ部60bによって、上流側絶縁部材60が電極31の上面と誘電部材51の上端部とで作るコーナーと接触するのが回避されている。これにより、上流側絶縁部材60と電極31との間に沿面放電が発生するのが防止されている。同様に、他方の逃げ部60cと電極32の上面と誘電部材52の上端部とにより断面三角形の空間が形成され、上流側絶縁部材60が電極32の上面と誘電部材52の上端部とで作るコーナーと接触しないようになっている。
第1電極31と誘電部材51とは、それぞれ上流側絶縁部材60から吊り下げられた状態で互いに当接している。同様に、第2電極32と誘電部材52とは、それぞれ上流側絶縁部材60から吊り下げられた状態で互いに当接している。
筐体10の長壁11,12に水平にボルト(押し部材)をねじ込み、このボルトで電極31,32を誘電部材51,52に押し当てるようにしてもよい。そうすると、誘電部材51,52と上流側絶縁部材60との間の接着剤は不要になる。誘電部材51,52とスペーサ56との間の接着剤も不要になる。電源側の電極31を押すボルト(押し部材)は、樹脂やセラミック等の絶縁材料製のものを用いるのが好ましい。接地側の電極32を押すボルト(押し部材)は、金属製のものを用いるのが好ましく、この金属製ボルトを接地電極32や筐体10のアース端子として用いるのが、より好ましい。
上流側絶縁部材60のスリット60aの上側部分は、整流部2に連なるガス導入孔21を構成している。このガス導入孔21に誘電部材51,52間のガス路22が連なっている。
整流部2で左右方向に均一化された処理ガスは、ガス導入孔21を経て、誘電部材間ガス路22に導かれ、この誘電部材間ガス路22内を上端部(第1方向の上流端)から下方へ流れ、途中、放電空間23を通過することによりプラズマ化(励起、活性化)される。このプラズマ化された処理ガスが、放電空間23より下側(第1方向の下流側)の誘電部材間ガス路22を経て、吹出し口24から下方へ吹き出され、被処理物Wの表面に接触し、反応を起こす。これによって、洗浄、表面改質、エッチング、アッシング、成膜等の所望の表面処理を行うことができる。
筐体10の内部には、電極31,32のための絶縁部材として上流側絶縁部材60だけが配置され、電極31,32の背部(互いの対向面とは反対側)と左右側部と下部には絶縁部材が配置されていない。
図1に示すように、第1電極31と、筐体10の長壁11とは、第1電極31への電圧印加時に絶縁破壊を起こす距離(以下「絶縁破壊距離」という。)より大きく離れている。更に、電極31の左右両端部と筐体10の左右の短壁13,13とは、上記絶縁破壊距離より大きく離れている。これにより、電極31の背部及び左右両端部と、筐体10の放電空間23より第1電極31側の部分と、誘電部材51の左右の延出部53とによって、側部絶縁空間71が画成されている。誘電部材51の左右の延出部53は、側部絶縁空間71の第2電極32側の端部を画成している。側部絶縁空間71は、平面視コ字状をなし、電極31の背部と左右両端部を覆っている。
側部絶縁空間71の厚さ、すなわち電極31の背部と長壁11との間の離間距離、及び電極31の左右の各端部と短壁13との間の離間距離は、例えば10〜20mm程度であることが好ましい。10mm程度以上としたのは、これより小さいと、電極31と壁11,13との絶縁を十分に保てないおそれがあるからである。20mm程度以下としたのは、これより大きいと、処理ヘッド1のサイズが大きくなり過ぎるからである。サイズ的に問題無ければ、20mmを越えていてもよい。
図2及び図3に示すように、第1電極31の下端部と底部材14とは、絶縁破壊距離より大きく離れている。これにより、電極31の下端部と、筐体10の長壁11及び左右の短壁13,13の下側部分と、底部材14と、誘電部材51の下流側延出部55とによって、下流側絶縁空間72が画成されている。下流側絶縁空間72の長壁11側の端部及び左右両端部は、側部絶縁空間71に一体に連なっている。誘電部材51の下流側延出部55は、下流側絶縁空間72の第2電極32側の端部を画成している。
下流側絶縁空間72の厚さ、すなわち電極31の下端部と底部材14との間の離間距離は、例えば10〜20mm程度であることが好ましい。10mm程度以上としたのは、これより小さいと、電極31と底部材14との絶縁を十分に保てないおそれがあるからである。20mm程度以下としたのは、これより大きいと、放電空間23から被処理物Wまでの距離が離れ過ぎ、処理ガスが被処理物Wに到達するまで活性を維持しにくくなり、処理能力が低下するおそれがあるからである。
第2電極32と、筐体10の壁12,13及び底部材14との間にも、上記第1電極31のまわりの絶縁空間71,72と同様の空間が形成されているが、この第2電極32のまわりの空間の厚さは、第1電極31のものより狭くてもよく、或いはそのような空間を無くして第2電極32と壁12,13を接触させたり両者間に絶縁部材を挟んだりしてもよい。第2電極32の下方には底部材14が配置されていなくてもよい。
上記構成によれば、側部絶縁空間71によって、第1電極31と筐体10の壁11,13とを絶縁できるとともに電極31の背面及び左右端面に沿う沿面放電等の異常放電を防止することができる。また、下流側絶縁空間72によって、第1電極31と底部材14とを絶縁できるとともに電極31の下端面に沿う沿面放電等の異常放電を防止することができる。
誘電部材51の左右の延出部53によって、第1電極31の左右端面から第2電極32の側へ沿面放電やアーク等の異常放電が形成されるのを防止することができる。上流側延出部54によって、第1電極31の上下端面から第2電極32の側へ沿面放電やアーク等の異常放電が形成されるのを防止することができる。更には、誘電部材51の下流側延出部55によって、第1電極31の下端面から第2電極32の側へ沿面放電やアーク等の異常放電が形成されるのを防止することができる。
これによって、電極31,32の劣化、損傷を防止でき、パーティクルの発生を抑制することができる。また、電極31,32の上側にだけ絶縁部材60が配置され、電極31,32の背部と下部と左右側部には絶縁部材が配置されていないので、背部と下部と左右側部における絶縁部材の劣化の問題は起き得ず、メンテナンス頻度を削減することができる。
この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をなすことができる。
例えば、上流側絶縁部材60及びボルト61,62に代えて、筐体10の上側部から絶縁性のボルトを垂らし、この絶縁性ボルトで電極31,32を吊って支持することにしてもよい。
本発明は、洗浄、表面改質、エッチング、アッシング、成膜等の種々のプラズマ表面処理に適用可能である。
本発明は、例えば液晶パネル等のフラットパネル用ガラス基板や半導体製造におけるシリコン基板のプラズマ表面処理に利用可能である。
本発明の一実施形態に係る大気圧プラズマ処理装置の処理ヘッドの図2のI−I線に沿う平面断面図である。 上記処理ヘッドの図1のII−II線に沿う側面断面図である。 上記処理ヘッドの図1のIII−III線に沿う正面断面図である。
符号の説明
W 被処理物
G 処理ガス源
P 電源
1 処理ヘッド
2 整流部
3 プラズマ生成部
10 筐体
14 底部材(下流側導電部材)
23 放電空間
31 第1電極
32 第2電極
51 誘電部材
53 第3方向延出部
55 下流側延出部
60 上流側絶縁部材
71 側部絶縁空間
72 下流絶縁空間

Claims (5)

  1. 処理ガスを放電空間の第1方向に通して前記放電空間より前記第1方向の下流側の外側に配置した被処理物に当て、プラズマ処理を行なう装置において、
    (a)前記第1方向と交差する第2方向に対向して間に前記放電空間を形成する第1電極及び第2電極と、
    (b)これら第1電極及び第2電極を、前記第1方向から見て囲む金属製の筐体と、
    (c)前記第1電極の前記第2電極との対向面に設けられた固体誘電体からなる誘電部材と、
    を備え、
    前記誘電部材の前記第1方向及び第2方向と交差する第3方向の両端部が、前記第1電極より延び出て、一対の第3方向延出部を構成し、
    前記第1電極の前記対向面とは反対側の背部及び前記第3方向の両端部と、前記筐体と、前記一対の第3方向延出部とによって、前記第1電極を前記筐体から絶縁する側部絶縁空間が画成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記第1電極の前記第1方向の上流側の端部と前記筐体との間に、絶縁材料からなる上流側絶縁部材が設けられており、
    前記第1電極が、前記上流側絶縁部材に自重のほぼ全体を掛けるようにして連結されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記誘電部材が、前記第1電極より前記第1方向の上流側へ延び出る上流側延出部を有し、
    前記誘電部材の自重のほぼ全体が前記上流側絶縁部材に掛かるようにして、前記上流側延出部が前記上流側絶縁部材に連結されていることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記筐体の前記第1方向の下流側の端部には金属製の下流側導電部材が設けられ、
    前記誘電部材が、前記第1電極より前記第1方向の下流側へ延び出る下流側延出部を有し、
    前記第1電極の前記第1方向の下流側の端部と、前記下流側導電部材と、前記下流側延出部とによって、前記第1電極を前記下流側部材から絶縁するとともに前記側部絶縁空間に連なる下流側絶縁空間が画成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記下流側導電部材には、前記放電空間に連なる吹出し口が形成されており、
    前記誘電部材の下流側延出部の端部が、前記吹出し口の近傍に前記下流側部材より突出しないようにして配置されていることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置。
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