JP2005116901A - プラズマ成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 各電極の対向面への膜付着を防止するとともに成膜効率を向上できるプラズマ成膜装置を提供する。
【解決手段】 プラズマ成膜装置M1は、電界印加手段3に接続された電界印加電極31と、この電極31の下側に対向配置されるとともに接地された接地電極32を備えている。電界印加電極31は2つ有り、これらの間に、膜の原料を含む第1ガスを通す垂直な第1通路51が設けられている。各電界印加電極31と接地電極32の間に、膜の原料を含まない第2ガスを通す傾斜した第2通路52が設けられている。第1通路51の下流端と第2通路52の下流端は、互いに交差し、しかもこの交差部が吹出し口10aとなっている。
【選択図】 図1
【解決手段】 プラズマ成膜装置M1は、電界印加手段3に接続された電界印加電極31と、この電極31の下側に対向配置されるとともに接地された接地電極32を備えている。電界印加電極31は2つ有り、これらの間に、膜の原料を含む第1ガスを通す垂直な第1通路51が設けられている。各電界印加電極31と接地電極32の間に、膜の原料を含まない第2ガスを通す傾斜した第2通路52が設けられている。第1通路51の下流端と第2通路52の下流端は、互いに交差し、しかもこの交差部が吹出し口10aとなっている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、半導体素子の製造等に用いられるプラズマ成膜装置に関し、特に、略常圧下(大気圧近傍の圧力下)において、成膜対象を電極間の外部に配置し、これに処理ガスを吹き付ける所謂リモート式の常圧プラズマ成膜(プラズマCVD)を行なうのに適した装置に関する。
例えば、特許文献1には、常圧リモート式プラズマ成膜装置が記載されている。該装置は、一対の電極を収容したノズルを備えている。一対の電極間に電界が印加されるとともに、例えばシラン(SiH4)等を含む処理ガスが通される。これにより、処理ガスがプラズマ化(活性化)される。このプラズマガスが、ノズルから吹出され、その先に配された基材に当てられる。これによって、基材の表面にポリシリコン(p−Si)等の膜を形成できる。この成膜処理は、略常圧下で行なわれる。
特許文献2には、ポストミックス型の低圧リモート式プラズマ成膜装置が記載されている。この装置の電極間には膜原料を含まないガス(例えば水素)が通され、プラズマ化されて吹出される。このプラズマ吹出し口の近傍から膜原料ガスを別途吹出す。吹出されたプラズマガスと膜原料ガスが互いに拡散しながら混合(ポストミックス)して反応し、基材の表面に膜が形成される。この成膜処理は、例えば15Pa以下の低圧下で行なわれる。
特許文献1のように、膜原料を電極間に通す構造では、プラズマ化された膜原料が電極の対向面に付着しやすく、頻繁にメンテナンスする必要がある。その点で、特許文献2のようなポストミックス型では、上記付着を防止できるというメリットがある。一方、吹出し後のプラズマ(活性種)は拡散の過程で失活していくため、十分な膜化反応を得るのは容易でない。常圧近傍では、活性種の寿命が特に短いため、一層困難である。
本発明に係るプラズマ成膜装置は、電界印加手段に接続された電界印加電極と、この電界印加電極と対向するとともに接地された接地電極と、膜の原料を含む第1ガスを通す第1通路と、前記電界印加電極と接地電極との間の電界印加空間を主要素として構成され、膜の原料を含まない第2ガスを通す第2通路と、を備え、前記第1通路の下流端と第2通路の下流端が互いに交差し、しかもこの交差部が、第1、第2ガスの吹出し口となっていることを特徴とする。
これによって、各電極の対向面に膜が付着するのを防止できるだけでなく、第1ガスとプラズマ化された第2ガスを吹出しと同時に混合でき、拡散を待つことなく活性種が失活しないうちに十分な膜化反応を得ることができ、成膜効率を高めることができる。
これによって、各電極の対向面に膜が付着するのを防止できるだけでなく、第1ガスとプラズマ化された第2ガスを吹出しと同時に混合でき、拡散を待つことなく活性種が失活しないうちに十分な膜化反応を得ることができ、成膜効率を高めることができる。
本発明は、活性種の寿命が短い略常圧の環境での成膜処理において、特に効果的である。本発明における略常圧とは、1.333×104〜10.664×104Paの範囲を言う。特に9.331×104〜10.397×104Paの範囲は、圧力調整が容易で装置構成が簡便になり、好ましい。
前記第1通路と第2通路が鋭角に交差していることが望ましい。
これによって、第1、第2ガスを1つの流れになるように混合しながら成膜対象に確実に吹付けることができ、成膜効率を確実に高めることができる。
これによって、第1、第2ガスを1つの流れになるように混合しながら成膜対象に確実に吹付けることができ、成膜効率を確実に高めることができる。
前記電界印加電極と接地電極と第1、第2通路とが設けられた処理ヘッドを備え、この処理ヘッドが、前記吹出し口が開口されるとともに成膜対象に対向すべき面を有し、前記第1、第2通路のうちの一方の通路が、前記成膜対象対向面に対し直交し、他方の通路が、前記成膜対象対向面に対し斜めをなし前記一方の通路と鋭角に交差していることが望ましい。
これによって、一方の通路からのガスを成膜対象に対し真向いから吹出すとともにこの一方のガスに他方の通路からのガスを斜めに合流させ1つの流れになるようにすることができる。
これによって、一方の通路からのガスを成膜対象に対し真向いから吹出すとともにこの一方のガスに他方の通路からのガスを斜めに合流させ1つの流れになるようにすることができる。
前記第1、第2通路のうち一方の通路を中に置いて、他方の通路が、前記一方の通路を挟むように、または囲むように配され、かつ下流端に向かうにしたがって前記一方の通路に近づき、吹出し口において互いに交差していることが望ましい。
これによって、一方の通路からのガスの両側または周囲に他方の通路からのガスを合流させることができる。
ここで、「他方の通路が一方の通路を挟む」場合とは、他方の通路が、一方の通路の両側に2つ配されている場合である。「他方の通路が一方の通路を囲む」場合とは、他方の通路が、一方の通路を中に置いて下流に向かって一方の通路に近づくように求心状に配置されている場合である。「求心状」の他方の通路とは、一方の通路を囲む環状断面をなし、下流に向かって縮径する構造になっていてもよく、一方の流路を囲むようにして該一方の流路の周方向に間隔を置いて配置された複数の枝路で構成され、これら枝路が下流に向かって一方の流路に近付く構造になっていてもよい。
これによって、一方の通路からのガスの両側または周囲に他方の通路からのガスを合流させることができる。
ここで、「他方の通路が一方の通路を挟む」場合とは、他方の通路が、一方の通路の両側に2つ配されている場合である。「他方の通路が一方の通路を囲む」場合とは、他方の通路が、一方の通路を中に置いて下流に向かって一方の通路に近づくように求心状に配置されている場合である。「求心状」の他方の通路とは、一方の通路を囲む環状断面をなし、下流に向かって縮径する構造になっていてもよく、一方の流路を囲むようにして該一方の流路の周方向に間隔を置いて配置された複数の枝路で構成され、これら枝路が下流に向かって一方の流路に近付く構造になっていてもよい。
前記電界印加電極と接地電極が2つずつ有り、2つの電界印加電極が、互いに対向して間に前記第1通路が設けられるとともに、電界印加電極と接地電極が1つずつ対向して間に前記第2通路がそれぞれ形成されており、これにより、1つの第1通路を挟んで2つの第2通路が下流端に向かうにしたがって第1通路へ近づくように配され、吹出し口においてこれら3つの通路が互いに交差していることが望ましい。
これによって、プラズマ化された第2ガスを第1ガスの両側から合流させることができる。
これによって、プラズマ化された第2ガスを第1ガスの両側から合流させることができる。
前記2つの電界印加電極と2つの接地電極が設けられた処理ヘッドを備え、この処理ヘッドが、前記吹出し口が開口されるとともに成膜対象に対向すべき面を有し、この成膜対象対向面に対し前記2つの電界印加電極間の第1通路が直交しており、前記2つの電界印加電極の各々が、前記第1通路を向く側とは逆側であって前記成膜対象対向面に対し斜めをなす第1の面を有し、前記2つの接地電極の各々が、対応電界印加電極の前記第1面と平行に対向して間に前記第2通路を形成する第2面を有していることが望ましい。
これによって、各電界印加電極を、接地電極を挟んで成膜対象とは逆側に配置でき、電界印加電極から成膜対象へのアーク放電を防止でき、確実に良好な成膜処理を行なうことができる。また、第1ガスを成膜対象に対し真正面から吹出すとともにこの第1ガスの両側にプラズマ化された第2ガスを斜めに合流させ、1つの流れになるようにすることができる。
これによって、各電界印加電極を、接地電極を挟んで成膜対象とは逆側に配置でき、電界印加電極から成膜対象へのアーク放電を防止でき、確実に良好な成膜処理を行なうことができる。また、第1ガスを成膜対象に対し真正面から吹出すとともにこの第1ガスの両側にプラズマ化された第2ガスを斜めに合流させ、1つの流れになるようにすることができる。
前記2つの第2通路が、前記第1通路を挟んで対称をなしていることが望ましい。
これによって、プラズマ化された第2ガスを第1ガスの両側から均等に合流させることができる。
これによって、プラズマ化された第2ガスを第1ガスの両側から均等に合流させることができる。
前記接地電極が、前記成膜対象対向面を有していることが望ましい。
これによって、各電界印加電極から成膜対象へのアーク放電を一層確実に防止できる。
これによって、各電界印加電極から成膜対象へのアーク放電を一層確実に防止できる。
本発明によれば、各電極の対向面に膜が付着するのを防止できるだけでなく、第1ガスとプラズマ化された第2ガスを吹出しと同時に混合でき、拡散を待つことなく活性種が失活しないうちに十分な膜化反応を得ることができ、成膜効率を高めることができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るポストミックス型のリモート式常圧プラズマ成膜装置M1を示したものである。装置M1は、架台(図示せず)に支持された処理ヘッド1と、この処理ヘッド1に接続された2種類の処理ガス供給源2A,2Bと、パルス電源3を備えている。処理ヘッド1の下方には、ステージ4aが配されている。このステージ4a上に板状の基材W(成膜対象)が配置される。常圧プラズマ成膜装置M1は、この基板Wの上面(表面)に、ポリシリコン等の薄膜A(図2)を常圧下で気相成長させ成膜するようになっている。なお、図1の矢印に示すように、ステージ4aは、搬送機構4によって処理ヘッド1に対し左右方向に相対移動するようになっている。
図1は、本実施形態に係るポストミックス型のリモート式常圧プラズマ成膜装置M1を示したものである。装置M1は、架台(図示せず)に支持された処理ヘッド1と、この処理ヘッド1に接続された2種類の処理ガス供給源2A,2Bと、パルス電源3を備えている。処理ヘッド1の下方には、ステージ4aが配されている。このステージ4a上に板状の基材W(成膜対象)が配置される。常圧プラズマ成膜装置M1は、この基板Wの上面(表面)に、ポリシリコン等の薄膜A(図2)を常圧下で気相成長させ成膜するようになっている。なお、図1の矢印に示すように、ステージ4aは、搬送機構4によって処理ヘッド1に対し左右方向に相対移動するようになっている。
常圧プラズマ成膜装置M1の2種類のガス供給源2A,2Bのうち、第1ガス供給源2Aには、上記ポリシリコン等の膜Aとなる原料(例えばシラン(SiH4))を含む第1ガスが貯えられている。第2ガス供給源2Bには、前記原料を含まず、かつ電界印加によって前記原料を膜化可能に励起される第2ガス(例えばH2)が貯えられている。第1、第2ガスは、液相で貯えられ、気化器にて気化されるようになっていてもよい。
パルス電源3(電界印加手段)は、後記電極31にパルス電圧を出力するようになっている。このパルスの立上がり時間及び/又は立下り時間は、10μs以下、パルス継続時間は、200μs以下、電界強度は1〜1000kV/cm、周波数は0.5kHz以上であることが望ましい。
常圧プラズマ成膜装置M1の処理ヘッド1について説明する。
処理ヘッド1は、前後(図1の紙面に対し直交方向)に延びるノズル部10と、その側部に設けられたサイドフレーム12と、これらの上面に被せられたアッパープレート13を有している。
処理ヘッド1は、前後(図1の紙面に対し直交方向)に延びるノズル部10と、その側部に設けられたサイドフレーム12と、これらの上面に被せられたアッパープレート13を有している。
アッパープレート13は、上下に重ねられた2枚のセラミック板にて構成されている。アッパープレート13上には、第1ガス整流部14が設けられている。第1ガス供給源2Aからの管2cが、第1ガス整流部14に接続されている。図示は簡略化するが、第1ガス整流部14のステンレス製本体14Xの内部には、前後に分散配置された多数の小孔や前後に延びるチャンバー等を上下に連ねてなる均一化路14aが設けられている。均一化路14aの下端部は、アッパープレート13の左右中央部に形成された前後細長スリット状の導入路13aに連なっている。供給源2Aから管2cを経た第1ガスは、上記均一化路14aにて前後に均一化された後、導入路13aに導入されるようになっている。
処理ヘッド1のサイドフレーム12は、1枚の厚肉セラミック板12Uと、2枚のステンレスやアルミ等からなる金属板12M,12Lを上下に重ねることによって構成されている。セラミック板12Uの左右両側には、第2ガス受容れポート15が、前後に離れて複数設けられている。第2ガス供給源2Bからの管2dが、分岐して各受容れポート15に接続されている。セラミック板12Uとその下側の金属板12Mとの間には、薄厚の隙間12aが形成され、この隙間12aの左右端部が、受容れポート15に連なっている。
処理ヘッド1のノズル部10について説明する。
図2に拡大して示すように、ノズル部10は、セラミック製のノズルホディ16と、このノズルボディ16に支持された左右2つの電界印加電極31と、これらの下側に配置された左右2つの接地電極32を有し、左右対称をなしている。
図2に拡大して示すように、ノズル部10は、セラミック製のノズルホディ16と、このノズルボディ16に支持された左右2つの電界印加電極31と、これらの下側に配置された左右2つの接地電極32を有し、左右対称をなしている。
各電界印加電極31は、ステンレスやアルミ等の導体金属からなる電界印加電極本体31Xと、この本体31Xを収容するセラミック製のケース33とを有し、前後(図面の紙面直交方向)に延びている。電界印加電極本体31Xの断面は、底面が左右中央(他方の電界印加電極31側)に向かって下に傾く斜面をなす略台形をなしている。電界印加電極本体31Xのすべての角は、アーク放電防止のためにRが付けられている。
セラミックケース33は、電界印加電極本体31Xの表面に設けるべき固体誘電体層としての役目を担っている。セラミックケース33は、上面が開口されるとともに前後に細長い箱状をなすケース本体33aと、このケース本体33aの上面開口を塞ぐ蓋33bを有している。ケース本体33aの底板は、側板および蓋33bと比べ非常に薄くなっている。このケース本体33aの底板は、左右中央(他方の電界印加電極31側)に向かって下に傾いている。この傾斜した底板の内底に、台形状断面の電界印加電極本体31Xの傾斜した底面が宛がわれている。
ケース本体33a内の電界印加電極31より上側には、セラミック製のスペーサ35が装填されている。
ケース本体33a内の電界印加電極31より上側には、セラミック製のスペーサ35が装填されている。
各電界印加電極31には、給電ピン37が設けられている。給電ピン37は、垂直をなして蓋33bとスペーサ35を貫通し、電界印加電極本体31Xに埋入されている。給電ピン37の上端部は、ノズルボディ16の上面に形成された凹部16aに収容されている。図1に示すように、電源3から給電線3aが延び、各給電ピン37の上端部に接続されている。なお、凹部16aの上端開口には、セラミック製のキャップ17が設けられている。
ノズル部10の左右対称をなす2つの電界印加電極31どうしの間には、第1通路51が設けられている。第1通路51は、垂直をなし、電極31の全長にわたって前後(図面の紙面直交方向)に延びている。第1通路51の上端部(上流端)は、ノズルボディ16を貫き、アッパープレート13の導入路13aの前後全長に連なっている。ひいては、整流部14の均一化路14aおよび管2cを介し、第1ガス供給源2Aに連なっている。
各電界印加電極31とノズルボディ16の第1通路51形成面には、セラミック製のプレート18が宛がわれている。プレート18の上端部は、導入路13aの内面に及んでいる。
各電界印加電極31とノズルボディ16の第1通路51形成面には、セラミック製のプレート18が宛がわれている。プレート18の上端部は、導入路13aの内面に及んでいる。
左右の各電界印加電極31の下側には、当該電極31と対になる接地電極32がそれぞれ配されている。左右の接地電極32どうしは、ノズル部10の左右中央の第1通路51を挟んで対称をなしている。各接地電極32は、ステンレスやアルミ等の導体金属からなる接地電極本体32Xと、この接地電極本体32Xの固体誘電体層としてのアルミナ等からなる薄く平らな板34とを有し、前後(図面の紙面直交方向)に延びている。
接地電極本体32Xは、水平な底面(成膜対象対向面)と、この底面に対し鋭角をなすように左右中央に向かって下に傾く斜面とを有し、断面台形状をなしている。左右の接地電極本体32Xの底面どうしは、互いに面一をなしている。
図1に示すように、各接地電極本体32Xは、その左右外側の金属板12M,12Lに連結されている。この金属板12M,12Lの外端面に接地ピン38が設けられている。この接地ピン38から接地線3bが延び、接地されている。これによって、接地電極32の接地がなされている。
台形断面をなす接地電極本体32Xの斜面の傾斜角度は、それと対をなす上側の電界印加電極31の傾斜底部の傾斜角度と等しい。この接地電極本体32Xの斜面上に、固体誘電体板34が宛がわれている。勿論、固体誘電体板34は、本体32Xの斜面に沿ってそれと等角度で傾斜している。
第1通路51より左側において上下に対をなす電極31,32どうし間に、第2通路52Lが形成され、第1通路51より右側において上下に対をなす電極31,32どうし間に、第2通路52Rが形成されている。具体的には、電界印加電極31のケース本体33aの傾斜した底面(第1面)と、その下側の接地電極32の固体誘電体板34の傾斜した表側面(第2面)との間の空間が、第2通路52L,52Rとなっている。前記電極31,32間の空間すなわち第2通路52L,52Rには、電源3からのパルス電圧供給によってパルス電界が印加されることになる。なお、各第2通路52L,52Rは、電極31,32の全長にわたって前後(図面の紙面直交方向)に延びている。
第2通路52L,52Rの上端部(上流端)は、接地電極32の上面とノズルボディ16との間の水平な隙間54を介してサイドフレーム12の隙間12aの前後全長に連なっている。ひいては、受容れポート15および管2dを介し、第2ガス供給源2Bに連なっている。
左側の第2通路52Lは、左側の電極31,32の傾斜面に対応して、下に向かうにしたがって右側に傾き第1通路51に近づいている。右側の第2通路52Rは、右側の電極31,32の傾斜面に対応して、下に向かうにしたがって左側に傾き第1通路51に近づいている。左右の第2通路52L,52Rの傾斜角度は、垂直な第1通路51を挟んで対称になっている。
左右の第2通路52L,52Rの下端部(下流端)は、第1通路51の下端部(下流端)と一箇所で鋭角に交差している。この3つの通路51,52L,52Rの交差部が、ノズル部10の吹出し口10aになっている。吹出し口10aは、左右の接地電極32どうしで作るノズル部10の底面に開口している。
上記のように構成された常圧プラズマ成膜装置M1の動作を説明する。
供給源2Aからの膜原料を含む第1ガスが、管2cを経て整流部14の均一化路14aにて前後に均一化された後、導入路13aを通り、第1通路51に導入される。この第1通路51は、同極の電極31,31どうしの間に配され、電界が印加されないため、第1ガスは、プラズマ化されることなくそのまま下流端の吹出し口10aへ向かう。したがって、第1ガス中の膜原料が、膜化して第1通路51形成面(プレート18の表面)に付着することはない。
供給源2Aからの膜原料を含む第1ガスが、管2cを経て整流部14の均一化路14aにて前後に均一化された後、導入路13aを通り、第1通路51に導入される。この第1通路51は、同極の電極31,31どうしの間に配され、電界が印加されないため、第1ガスは、プラズマ化されることなくそのまま下流端の吹出し口10aへ向かう。したがって、第1ガス中の膜原料が、膜化して第1通路51形成面(プレート18の表面)に付着することはない。
第1ガスの流通と同時併行して、供給源2Bからの膜原料を含まない第2ガスが、管2d、受容れポート15、隙間12a,54を順次経て、左右の第2通路52L,52Rにそれぞれ導入される。また、パルス電源3からのパルス電圧が、左右の電界印加電極31にそれぞれ供給される。これによって、左右それぞれの異極電極31,32どうし間にパルス電界が印加され、各第2通路52L,52R内にグロー放電が起き、第2ガスがプラズマ化(励起、活性化)され、活性種が発生する。第2ガスは、膜原料を含んでいないので、プラズマ化しても膜化することはなく、第2通路52L,52R形成面(ケース33の底面及び固体誘電体板34の表面)に付着することはない。
図2の矢印に示すように、このプラズマ化された第2ガスが、第2通路52L,52Rの下流端の吹出し口10aに達した時、第1通路51からの第1ガスと合流する。合流によって第1ガスの膜原料が第2ガスの活性種と接触し反応を起こす。これらガスは、合流と同時に、すなわち上記反応が起きると同時に、吹出し口10aから下方に吹出される。したがって、吹出し口10aに膜が付着することはない。
吹出された第1、第2ガスは、互いに混合して1つの流れになり、基板Wに吹付けられる。これによって、基板Wにポリシリコン等の膜Aを形成することができる。前後(図の紙面直交方向)に延びる吹出し口10aの全長からガスが吹出されることにより、基材Wの前後長さの全長にわたって一度に成膜できる。また、搬送機構4によって基材Wが左右に移動されることにより、基材Wの上面全体に成膜を行なうことができる。この成膜処理は常圧下でなされる。
上述したように、膜原料と活性種との接触は、第1、第2ガスがそれぞれ吹出し口10aに達して吹出されるのと同時に起きる。したがって、吹出し後の拡散を待つ必要がない。よって、活性種が殆ど失活しておらず、反応を十分に起こさせることができる。特に、活性種の寿命が短い常圧下での処理であっても、十分な反応を確保できる。この結果、良好な膜Aを得ることができ、成膜効率を高めることができる。また、反応性を高めるために基板Wを高温加熱しなくても済み、常温でも十分に成膜することができる。
垂直な第1通路51に対し第2通路52L,52Rが鋭角に交差しているので、第1、第2ガスを1つの流れになるように混合しながら基板Wに確実に吹付けることができ、成膜効率をより高めることができる。
しかも、中央の第1通路51を挟んで左右の第2通路52L,52Rが対称的に設けられているので、第1ガスの左右両側に第2ガスを均等に合流させて1つの流れし、基板Wに真正面に吹付けられるようにすることができ、成膜効率を一層高めることができる。
しかも、中央の第1通路51を挟んで左右の第2通路52L,52Rが対称的に設けられているので、第1ガスの左右両側に第2ガスを均等に合流させて1つの流れし、基板Wに真正面に吹付けられるようにすることができ、成膜効率を一層高めることができる。
基板Wには接地電極32が面し、電界印加電極31は接地電極32を挟んで基板Wとは逆側に来る配置関係になっているので、電界印加電極31から基板Wへのアーク放電を防止でき、確実に良好な成膜処理を行なうことができる。
本発明は、前記実施形態に限定されず、種々の形態を採用可能である。
例えば、第1通路は、2つ以上有ってもよい。第2通路は、1つ、または3つ以上有ってもよい。
第2通路を成膜対象対向面に対し垂直に配置し、第1通路を斜めに配置してもよい。
第2通路を中央に1つ配し、その両側に2つの第1通路を配することにしてもよい。
第1、第2通路および電極は、前後に直線状に延びている場合に限られず、例えば断面環状をなしていてもよい。電界印加電極と接地電極のうちの一方の電極の周りを他方の電極が環状をなして囲んでいてもよい。前記一方の電極の内部に第1通路を形成し、一方の電極と他方の電極との間の環状空間を第2通路としてもよい。
第1、第2通路の一方を中に置いて他方の通路が下流に向かって一方の通路に近づくように求心状に配置されていてもよい。
第1通路は、2つの電界印加電極の間に設けなくてもよく、管等の専用の通路構成部材を用いてもよい。
本発明は、略常圧下に限らず、減圧下で行なう低圧プラズマ成膜にも適用できる。
例えば、第1通路は、2つ以上有ってもよい。第2通路は、1つ、または3つ以上有ってもよい。
第2通路を成膜対象対向面に対し垂直に配置し、第1通路を斜めに配置してもよい。
第2通路を中央に1つ配し、その両側に2つの第1通路を配することにしてもよい。
第1、第2通路および電極は、前後に直線状に延びている場合に限られず、例えば断面環状をなしていてもよい。電界印加電極と接地電極のうちの一方の電極の周りを他方の電極が環状をなして囲んでいてもよい。前記一方の電極の内部に第1通路を形成し、一方の電極と他方の電極との間の環状空間を第2通路としてもよい。
第1、第2通路の一方を中に置いて他方の通路が下流に向かって一方の通路に近づくように求心状に配置されていてもよい。
第1通路は、2つの電界印加電極の間に設けなくてもよく、管等の専用の通路構成部材を用いてもよい。
本発明は、略常圧下に限らず、減圧下で行なう低圧プラズマ成膜にも適用できる。
M1 ポストミックス型リモート式常圧プラズマ成膜装置
W 基板(成膜対象)
1 処理ヘッド
2A 第1ガス供給源
2B 第2ガス供給源
3 パルス電源(電界印加手段)
10 ノズル部
10a 吹出し口
31 電界印加電極
32 接地電極
51 第1通路
52L 左側の第2通路
52R 右側の第2通路
W 基板(成膜対象)
1 処理ヘッド
2A 第1ガス供給源
2B 第2ガス供給源
3 パルス電源(電界印加手段)
10 ノズル部
10a 吹出し口
31 電界印加電極
32 接地電極
51 第1通路
52L 左側の第2通路
52R 右側の第2通路
Claims (8)
- 電界印加手段に接続された電界印加電極と、
この電界印加電極と対向するとともに接地された接地電極と、
膜の原料を含む第1ガスを通す第1通路と、
前記電界印加電極と接地電極との間の電界印加空間を主要素として構成され、膜の原料を含まない第2ガスを通す第2通路と、
を備え、
前記第1通路の下流端と第2通路の下流端が互いに交差し、しかもこの交差部が、第1、第2ガスの吹出し口となっていることを特徴とするプラズマ成膜装置。 - 前記第1通路と第2通路が鋭角に交差していることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ成膜装置。
- 前記電界印加電極と接地電極と第1、第2通路とが設けられた処理ヘッドを備え、
この処理ヘッドが、前記吹出し口が開口されるとともに成膜対象に対向すべき面を有し、
前記第1、第2通路のうちの一方の通路が、前記成膜対象対向面に対し直交し、他方の通路が、前記成膜対象対向面に対し斜めをなし前記一方の通路と鋭角に交差していることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ成膜装置。 - 前記第1、第2通路のうち一方の通路を中に置いて、他方の通路が、前記一方の通路を挟むように、または囲むように配され、かつ下流端に向かうにしたがって前記一方の通路に近づき、吹出し口において互いに交差していることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプラズマ成膜装置。
- 前記電界印加電極と接地電極が2つずつ有り、
2つの電界印加電極が、互いに対向して間に前記第1通路が設けられるとともに、電界印加電極と接地電極が1つずつ対向して間に前記第2通路がそれぞれ形成されており、
これにより、1つの第1通路を挟んで2つの第2通路が下流端に向かうにしたがって第1通路へ近づくように配され、吹出し口においてこれら3つの通路が互いに交差していることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ成膜装置。 - 前記2つの電界印加電極と2つの接地電極が設けられた処理ヘッドを備え、
この処理ヘッドが、前記吹出し口が開口されるとともに成膜対象に対向すべき面を有し、
この成膜対象対向面に対し前記2つの電界印加電極間の第1通路が直交しており、
前記2つの電界印加電極の各々が、前記第1通路を向く側とは逆側であって前記成膜対象対向面に対し斜めをなす第1の面を有し、
前記2つの接地電極の各々が、対応電界印加電極の前記第1面と平行に対向して間に前記第2通路を形成する第2面を有していることを特徴とする請求項5に記載のプラズマ成膜装置。 - 前記2つの第2通路が、前記第1通路を挟んで対称をなしていることを特徴とする請求項6に記載のプラズマ成膜装置。
- 前記接地電極が、前記成膜対象対向面を有していることを特徴とする請求項3、6、7の何れかに記載のプラズマ成膜装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003351285A JP2005116901A (ja) | 2003-10-09 | 2003-10-09 | プラズマ成膜装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003351285A JP2005116901A (ja) | 2003-10-09 | 2003-10-09 | プラズマ成膜装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005116901A true JP2005116901A (ja) | 2005-04-28 |
Family
ID=34542593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003351285A Pending JP2005116901A (ja) | 2003-10-09 | 2003-10-09 | プラズマ成膜装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005116901A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007323836A (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-13 | Sekisui Chem Co Ltd | プラズマ処理装置 |
JP2010539336A (ja) * | 2007-09-20 | 2010-12-16 | レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード | 大気圧下における超高周波プラズマ補助cvdのための装置および方法、並びにその応用 |
JP2013220987A (ja) * | 2012-04-19 | 2013-10-28 | Mitsuba Corp | 炭素膜、高分子製品、炭素膜被覆材の製造方法、成膜方法、及び、成膜装置 |
JP2020092177A (ja) * | 2018-12-06 | 2020-06-11 | 東京エレクトロン株式会社 | プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 |
-
2003
- 2003-10-09 JP JP2003351285A patent/JP2005116901A/ja active Pending
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