JP2008235161A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Hiroto Takeuchi
裕人 竹内
Susumu Yashiro
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Abstract

【課題】簡易な構成で電極と誘電板との間に異常放電が生じないように出来るプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】電極31の放電空間1pを向く面を、電極31とは分離可能な固体誘電体からなる誘電板51で覆う。電極31の背部に電極冷却部材32を配置し、この背部指示部材32を誘電板51に対し接近離間方向に位置固定する。電極冷却部材32と電極31との間に圧縮コイルばねからなる弾性付勢部材70を圧縮状態で配置する。
【選択図】図3

Description

この発明は、処理ガスを放電空間に導入してプラズマ化し、被処理物に接触させてプラズマ処理する装置に関する。
例えば特許文献1には、一対の電極と、これら電極の対向面にそれぞれ配置された一対のガラスの板とを有するプラズマ処理装置が記載されている。一対のガラス板どうし間の空間が、処理ガスをプラズマ化する放電空間となる。ガラス板すなわち誘電体の板は、放電を安定化させる役割を果たす。
特許文献2には、電極の背部にボルトを突き当て、或いはねじ込んで、電極の変形を防止することが記載されている。
特許文献3には、電極の背部にシリンダを接続し、電極の歪みを調節することが記載されている。
特開平09−092493号公報 特開2004−111385号公報 特開2002−085964号公報
この種のプラズマ処理装置においては、放電によって電極が加熱され、熱変形しようとする。特に、長尺状の電極の場合、長手方向の端部が、他方の電極の側とは反対側へ反るように変形しやすい。このため、電極の放電面に誘電体の板が設けられている場合、電極の反りによって電極と誘電体板との間に隙間が形成されることがある。そうすると、この隙間で異常放電が起き、誘電体板が傷むだけでなく、パーティクルが発生するおそれがある。このようなパーティクルが放電空間に侵入した場合には、処理品質が損なわれてしまう。
一方、ボルト等で電極をその支持部材に固定すると、支持部材が熱変形を来たした場合、電極も追随して変形してしまうことになる。また、特許文献3のように電極の歪みをシリンダで調節しようとすると、構造が大掛かりになるうえに駆動源や制御回路が必要であり、コストアップは避けられない。さらに、シリンダ自体が熱変形を来たした場合、正確な制御が困難になる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡易な構成で電極と誘電板との間に異常放電が生じるのを確実に防止することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、処理ガスを放電空間に導入して被処理物に接触させるプラズマ処理装置において、
前記放電空間を形成するための電極と、
前記電極の前記放電空間を向く主面を覆う固体誘電体からなり、前記電極とは分離可能な誘電板と、
弾性を有し、その弾性力にて前記電極を前記誘電板の側に付勢するように設けられた弾性付勢部材と、
を備えたことを特徴とする。
この特徴構成によれば、弾性付勢部材によって電極を誘電板の側へ付勢でき、電極が誘電板から離れる方向へ反るのを防止ないしは抑制することができる。これによって、電極と誘電板とを確実に密着させて両者間に隙間が出来ないようにすることができる。したがって、これら電極と誘電板との間で異常放電が起きるのを防止して、パーティクルの発生を防止でき、ひいては処理品質が損なわれるのを回避することができる。しかも、弾性付勢部材は、自身の弾性復元力で付勢力を発現するため、駆動源や制御回路を必要とせず、装置構成の簡易化及びコンパクト化を図ることができコストアップを回避できるだけでなく、たとえ電極冷却部材が熱変形を来たしても、その影響をあまり受けることがなく付勢力を維持することができる。
前記弾性付勢部材が、ばねであることが好ましい。これによって、コストの低廉化を図ることができるとともに、電極への弾性付勢力を確実に発揮させることができる。ばねは、コイルばねを用いてもよく、板ばねを用いてもよく、皿ばねを用いてもよく、その他の各種ばねを用いてもよい。
前記電極が、長尺状をなしている場合、前記弾性付勢部材が、前記電極の長手方向の端部の近くに配置されていることが好ましい。これによって、長尺状の電極の端部が誘電板から離れる方向へ反るのを確実に防止することができる。
前記電極に対し前記付勢方向に位置固定された付勢力受け部と、前記付勢力受け部の前記誘電板側とは反対側において前記誘電板に対し前記付勢方向に位置固定された反力受け部と、をさらに備え、前記弾性付勢部材が、前記反力受け部と前記付勢力受け部との間に圧縮されて設けられていることが好ましい。
これによって、圧縮された弾性付勢部材の弾性復元力で電極を誘電板に押し当てることができる。
前記電極の前記主面とは反対側の背面が、前記弾性付勢部材を挟んで前記反力受け部と対向し、前記付勢力受け部として提供されていることが好ましい。
これによって、前記弾性付勢部材が、前記電極の背面に直接突き当たり、付勢力を電極に直接作用させることができる。
前記電極の背面に当接されるようにして前記誘電板に対し前記付勢方向に位置固定され、内部に冷却媒体が通される冷却路が形成された電極冷却部材を、さらに備えていることが好ましい。これによって、電極を冷却でき、熱変形を抑制することができる。
電極冷却部材が、金属にて構成されていることが好ましい。これによって、熱伝導性を高め、電極の冷却効率を向上できるとともに、電極冷却部材をも電極の一部とすることができ、電極冷却部材を介して電極に給電でき、ないしは電極冷却部材を介して電極をアースできる。
前記電極冷却部材の前記電極への当接面に、前記弾性付勢部材を収容する収容凹部が形成され、この収容凹部の底面が、前記反力受け部となっていることが好ましい。これによって、装置構成の一層のコンパクト化を図ることができる
前記電極冷却部材が、相対的に厚肉の金属板にて構成され、前記電極が、相対的に薄肉の金属板にて構成されていることが好ましい。これによって、電極の厚さ方向(誘電板から電極冷却部材へ向かう方向)の熱分布を小さくでき、電極の誘電板側の面と電極冷却部材側の面との温度差を小さくできる。これによって、電極の反り変形を一層抑制することができ、電極と誘電板との密着性をより高めることができる。加えて、弾性付勢部材の付勢力が電極の剛性力を十分に上回るようにすることができ、電極の熱変形を一層確実に防止することができる。
本発明は、例えば大気圧近傍下(ほぼ常圧)でのプラズマ処理に適用される。ここで、ほぼ常圧(大気圧近傍)とは、1.013×104〜50.663×104Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡易化を考慮すると、1.333×104〜10.664×104Paが好ましく、9.331×104〜10.397×104Paがより好ましい。
本発明によれば、電極を誘電板の側へ付勢でき、電極が誘電板から離れる方向へ反るのを防止ないしは抑制することができる。これによって、電極と誘電板との間に異常放電が生じるのを回避でき、パーティクルを防止することができる。さらに、装置構成の簡易化及びコンパクト化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図4は、本発明の第1実施形態を示したものである。大気圧プラズマ処理装置は、処理ヘッド1と、被処理物配置部2とを備えている。被処理物配置部2は、ステージやコンベアで構成されており、その上側に被処理物Wが配置されるようになっている。被処理物Wは、例えばガラス基板や半導体基板である。
被処理物配置部2は、被処理物Wを図1の紙面直交方向にスキャンできるようになっている。被処理物Wが位置固定され、処理ヘッド1が図1の紙面直交方向にスキャンされるようになっていてもよい。
処理ヘッド1は、図示しない架台に支持され、被処理物配置部2の上側に離れて位置されている。処理ヘッド1は、上蓋部材10と、フレーム20と、ホット電極ユニット30と、底板40と、を備え、一方向(図1の左右方向、図2及び図3の紙面直交方向)に延びている。
上蓋部材10は、耐腐食性の高い樹脂(絶縁体)で構成され、処理ヘッド1の長手方向に延びている。
図4に示すように、フレーム20は、処理ヘッド1の長辺をなす一対の長辺フレーム部21と、処理ヘッド1の短辺をなす一対の短辺フレーム部22とを有し、内部が開口された平面視長方形になっている。フレーム20の上面に上蓋部材10の周縁部が載設されている。図2に示すように、短いボルト91が、上蓋部材10を垂直に貫通してフレーム20にねじ込まれることにより、上蓋部材10とフレーム20が互いに連結されている。上蓋部材10によってフレーム20の内側の開口が上側から塞がれている。
一対の長辺フレーム部21には、それぞれガス導入路20aが形成されている。ガス導入路20aは、処理ヘッド1の長手方向に延びている。処理ガス源4からのガス供給路4aが、ガス導入路20aの一端部に連なっている。ガス導入路20aの側部からガス導入口20bが分岐されている。ガス導入口20bは、ガス導入路20aの延び方向(図2の紙面直交方向)に間隔を置いて複数設けられている。各ガス導入口20bは、長辺フレーム部21の内側面に達して開口されている。
なお、上記処理ガス源4には、処理目的に応じた処理ガスが蓄えられている。
さらに、フレーム20の内部のガス導入路20aより下側には、アース側冷却路20cが形成されている。アース側冷却路20cには、図示しない冷却媒体供給手段からの冷却媒体が通されるようになっている。冷却媒体として例えば水が用いられている。
図1〜図4に示すように、底板40は、長手方向を図1の左右方向(処理ヘッド1の長手方向と同方向)に向け、短手方向を図1の紙面直交方向に向けた平板状をなしている。底板40の周縁部が、フレーム20の下面に当接されるとともに、長めのボルト92(図2)が、上蓋部材10及びフレーム20を垂直に貫通し、底板40の周縁部にねじ込まれている。これにより、底板40が、フレーム20に連結されている。底板40によってフレーム20の内側の開口が下側から塞がれている。この底板40が、被処理物配置部2ひいては被処理物Wと対向し、被処理物Wとの間に処理空間1aを形成するようになっている。
底板40は、ステンレス等の耐熱性及び耐腐食性の高い金属で構成され、アース線3b(図2)を介して電気的に接地されている。これにより、底板40は、ホット電極31に対するアース電極となっている。
底板40に、厚さ方向に貫通する多数の噴出口41が形成されている。これら噴出口41は、規則的に(例えば四角格子状又は三角格子状等)に配列されている。各噴出口41は、例えば直径3mm程度の円形になっている。
底板40の上面には、アース側誘電部材60が設けられている。アース側誘電部材60は、アルミナ等のセラミック(固体誘電体)で構成され、底板40と同方向に延びる平板状をなしている。アース側誘電部材60は、底板すなわちアース電極40の放電生成面に配置され放電を安定化させる誘電体層としての役目を担っている。
アース側誘電部材60の長手方向の両端縁には、上に突出する凸部61が該端縁に沿って延びるように形成されている。
アース側誘電部材60には、厚さ方向に貫通する多数の噴出導孔62が形成されている。これら噴出導孔62は、底板40の噴出口41と一対一に対応するように配列され、それぞれ対応する噴出口41に連なっている。噴出導孔62は、噴出口41より小さく、例えば直径1mm程度の円形になっている。
処理ヘッド1の内部には、ホット側誘電部材50が設けられている。ホット側誘電部材50は、処理ヘッド1の長手方向に延びる底板部51(誘電板)と、この底板部51の短手方向の両側の縁に設けられた一対の側壁部52とを一体に有し、断面「凹」字形状をしている。底板部51は、後記ホット電極31の放電生成面に配置され放電を安定化させる誘電体層としての役目を担っており、電極31とは別体で分離可能になっている。図1に示すように、底板部51の長手方向の両端部が、アース側誘電部材60の凸部61の上に載置されている。
凸部61より内側の底板部51とアース側誘電部材60との間には、狭い下部隙間1bが形成されている。後述するように、この下部隙間1bの中央部が放電空間1pとなる。
図2に示すように、一対の側壁部52と長辺フレーム部21との間には、一対の側部隙間1cが形成されている。各側部隙間1cの上端部にガス導入口20bが連なっている。各側部隙間1cの下端部に下部隙間1bが連なっている。
上蓋部材10を垂直に貫通するボルト93(図2)が側壁部52にねじ込まれ、上蓋部材10とホット側誘電部材50とが連結されている。
ホット側誘電部材50の内部にホット電極ユニット30が収容されている。ホット電極ユニット30は、上側の電極冷却部材32と、下側のホット電極31の二層構造になっている。ホット電極31は、ステンレスやアルミニウム等の金属で構成され、長手方向を図1の左右方向(処理ヘッド1の長手方向と同方向)に向け、短手方向を図1の紙面直交方向に向けた薄い平板状をなしている。電極31の厚さは、例えば0.1〜2mm程度である。0.1mm以上としたのは、電極31が自由変形せず、ある程度の形状を維持できるようにするためであり、2mm以下としたのは、厚さ方向の熱分布がほとんど生じないようにするためである。図2に示すように、ホット電極31は、給電線3aを介して電源3に接続されている。このホット電極31が、ホット側誘電部材50の底板部51の上面に載置されている。これにより、電極31の下面(放電空間1pを向く主面)が、固体誘電体層としての板部51で覆われている。
電極冷却部材32は、ステンレスやアルミニウム等の金属で構成され、ホット電極31より厚い平板状をなし、ホット電極31と同方向に延びている。電極冷却部材32は、ホット電極31の上面(背面)に当接されている。電極冷却部材32の電極31との当接面(下面)の面積は、電極31の背面の面積と等しくなっているが、電極31の背面の面積より大きくしてもよい。電極冷却部材32の内部には、ホット側冷却路32cが形成されている。冷却路32cは、電極冷却部材32の長手方向に延びている。冷却路32cには、図示しない冷却媒体供給手段からの冷却媒体が通されるようになっている。冷却媒体として例えば水が用いられている。
図1に示すように、ホット電極ユニット30の長手方向の両端面と、短辺フレーム部22との間には、エンドピース35が設けられている。エンドピース35は、アルミナ等のセラミック(絶縁体)で構成されている。エンドピース35によって、ホット電極ユニット30とフレーム20とが絶縁されている。
ホット電極ユニット30の長手方向の両端面とエンドピース35との間には、ホット電極ユニット30(特にホット電極31)の伸び変形を許容する若干のクリアランスが設けられている。
図2に示すように、ホット電極ユニット30の短手方向の両側面は、ホット側誘電部材50の側壁部52と対向している。これらホット電極ユニット30と側壁部52との間には、側部絶縁隙間1dが形成されている。
電極冷却部材32の上方に上蓋部材10が被せられている。電極冷却部材32と上蓋部材10との間には、上部絶縁隙間1eが形成されている。上部絶縁隙間1eと側部絶縁隙間1dとは互いに連なっている。
図1及び図3に示すように、電極冷却部材32には、下面に開口する収容凹部32aが長手方向に離れて複数形成されている。収容凹部32aの内部に、弾性を有する弾性付勢部材として圧縮コイルばね70が圧縮状態で収容されている。圧縮コイルばね70の上端部が、収容凹部32aの上底面に突き当てられている。圧縮コイルばね70の下端部が、ホット電極31の上面に突き当てられている。これにより、圧縮コイルばね70が、その弾性力にてホット電極31を下方へ押圧(誘電板51の側へ付勢)している。
ホット電極31の上面(背面)は、「電極31に対し弾性付勢部材70の付勢方向に位置固定された付勢力受け部71」として提供されている。
収容凹部32aの上底面は、「付勢力受け部71の誘電板51側とは反対側において誘電板51に対し弾性付勢部材70の付勢方向に位置固定された反力受け部72」を構成している。
反力受け部71と付勢力受け部72との間に弾性付勢部材70が挟まれ圧縮されている。
収容凹部32aひいては圧縮コイルばね70は、電極冷却部材32(ひいてはホット電極31)の長手方向の両端部の近くに配置されるのが好ましい。
電極冷却部材32の上面には、長手方向に離れて複数の押さえ部材80が設けられている。押さえ部材80は、樹脂にて構成されているが、金属で構成されていてもよい。押さえ部材80は、電極冷却部材32の短手方向に延び、その両端部が、ボルト94によってホット側誘電部材50の側壁部52に止められている。さらに、押さえ部材80は、電極冷却部材32と上蓋部材10との間に挟まれている。この押さえ部材80によって、電極冷却部材32が底板部51に対し上下方向(接近離間方向)に位置固定されている。
押さえ部材80は、電極冷却部材32の長手方向に沿って圧縮コイルばね70とほぼ同じ位置ないしはその近傍に配置されるのが好ましい。
処理ヘッド1の組み立て手順を説明する。
底板40の上にフレーム20を配置する。フレーム20の内側には、アース側誘電部材を収容し、さらにホット側誘電部材50を挿入する。このホット側誘電部材50の長手方向の両端部を凸部61の上に載せる。ホット側誘電部材50の底板部51の上には、ホット電極ユニット30を載置する。ホット電極ユニット30のホット電極31と電極冷却部材32と圧縮コイルばね70とは予め組んだうえでホット側誘電部材50に収容してもよく、収容と併行して組み立てることにしてもよい。このホット電極ユニット30の上に押さえ部材80を置き、その両端部をボルト94で側壁部52に止める。ホット側誘電部材50とホット電極ユニット30と押さえ部材80とを予め組んだうえで、これらをまとめてフレーム20内に収容することにしてもよい。ホット電極ユニット30の長手方向の両端部には、エンドピース35を配置する。
次いで、上蓋部材10を被せ、短いボルト91でフレーム20を上蓋部材10に固定し、長いボルト92で底板40をフレーム20に固定し、中間の長さのボルト93でホット側誘電部材50を上蓋部材10に固定する。これらボルト91,92,93は、すべて同方向(垂直)に向けられているので、同時並行して締めていく必要がなく、任意の順番で容易にボルト締めすることができる。
上記構成のプラズマ処理装置にて表面処理を行なう際は、被処理物Wを被処理物配置部2の上にセットする。
そして、処理ガス源4からの処理ガスを、ガス供給路4aを経て処理ヘッド1のガス導入路20aに供給する。この処理ガスは、複数のガス導入口20bから側部隙間1cに均一に流入し、さらに下部隙間1bへ導入される。
併行して、電源3からホット電極31に電圧を供給する。これにより、ホット電極31とアース電極としての底板40との間に大気圧グロー放電が生成され、下部隙間1bの中央部が放電空間1pとなり、該空間1pの処理ガスがプラズマ化(分解、励起、活性化、ラジカル化、イオン化を含む)される。
プラズマ化された処理ガスが、噴出導孔62を経て、噴出口41から下方の処理空間1aへ噴き出され、被処理物Wに接触される。これによって、被処理物Wの表面上で反応が起き、所望の表面処理が行なわれる。さらに、被処理物配置部2を左右にスキャンすることにより、被処理物Wの全体を処理することができる。
上記の放電によって、ホット電極31が熱を持つ。この熱応力でホット電極31の長手方向の両端部が上(ホット側誘電部材50の底板部51から離れる方向)へ反ろうとする。これに対し、圧縮コイルばね70が、その弾性によってホット電極31を下方へ押圧する。電極冷却部材32が押さえ部材80によって上方への変位が阻止されているので、圧縮コイルばね70による押圧力を確実に発現することができる。これによって、ホット電極31の反りを防止ないしは抑制することができる。したがって、ホット電極31と底板部51とを密着させることができ、両者間に隙間が形成されないようにすることができる。よって、これらホット電極31と底板部51との間にアーク等の異常放電が生成されるのを防止でき、ホット電極31やホット側誘電部材50の損傷を防止できるとともにパーティクルの発生を防止することができる。ひいては、パーティクルが処理ガス路に混入するのを防止でき、処理品質が損なわれるのを回避することができる。
電気的に接地された金属からなる底板40は、ホット電極31から下方への電界を遮蔽する役目を果たし、被処理物Wにアーク等の異常放電が落ちるのを防止することができる。
アース側誘電部材60の噴出導孔62の周縁部が、底板40の噴出孔41の周縁部より内側に突出しているので、底板40にアーク等が飛ぶのを防止でき、パーティクルの発生を一層防止することができる。
冷却路32cには、水等の冷却媒体を通す。これによって、電極冷却部材32を介してホット電極31を冷却でき、ホット電極31の熱変形を一層確実に抑制することができる。
同様に、アース側冷却路20cには、水等の冷却媒体を通す。これによって、フレーム20を介して底板40(アース電極)及びアース側誘電部材を冷却することができる。アース側冷却路20cがガス導入路20aより下側に配置されているため、底板40及び誘電体の冷却効果を確実に維持することができる。
圧縮コイルばね70からなる弾性付勢部材は、自身の弾性復元力で付勢力を発現するため、駆動源や制御回路を必要とせず、装置構成の簡易化及びコンパクト化を図ることができる。しかも、たとえ電極冷却部材32が熱変形を来たしても、その影響をあまり受けることがなく付勢力を維持することができる。
電極31を厚さ0.1〜2mm程度の薄肉金属板にすることにより、厚さ方向の熱分布を小さくでき、反り変形を一層抑制することができる。加えて、圧縮コイルばね70の付勢力が電極31の剛性力を十分に上回るようにすることができ、電極31の反り変形を一層確実に防止することができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述した構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を適宜省略する。
弾性付勢部材の配置位置は、電極30と電極冷却部材32との間に限られない。
図5に示す変形例では、電極冷却部材32の上面と押さえ部材80との間に隙間が設けられている。この電極冷却部材32と押さえ部材80の間の隙間に圧縮コイルばね70が配置されている。押さえ部材80の下面には、収容凹部80aが形成され、この収容凹部80aに圧縮コイルばね70の上側部が収容されている。圧縮コイルばね70の上端部が、収容凹部80aの内底面に突き当たり、圧縮コイルばね70の下端部が、電極冷却部材32の上面に弾性を持って突き当たっている。これによって、圧縮コイルばね70が、電極冷却部材32を介して電極30を下方へ付勢し誘電板51に押し当てている。
押さえ部材80は、反力受け部材を構成し、その収容凹部80aの内底面は、反力受け部72を構成している。
電極冷却部材32は、付勢力受け部材を構成し、その上面は、付勢力受け部71を構成している。電極冷却部材32の上面に圧縮コイルばね70の下端部を収容する収容凹部を形成し、この収容凹部の内底面を付勢力受け部71としてもよい。
電極冷却部材32の下面には、第1実施形態の収容凹部32aが形成されていない。
この変形例によれば、圧縮コイルばね70が、電極冷却部材32を下方に付勢することにより、電極冷却部材32が電極30に押し当てられる。これによって、電極冷却部材32の冷熱が電極30に確実に伝達されるようにでき、電極30を確実に冷却することができる。
図6に示す変形例では、上蓋部材10の下面と押さえ部材80との間に隙間が設けられている。この上蓋部材10と押さえ部材80との間に隙間に圧縮コイルばね70が配置されている。押さえ部材80の上面には、収容凹部80bが形成され、この収容凹部80bに圧縮コイルばね70の下側部が収容されている。圧縮コイルばね70の上端部が、上蓋部材10の下面に突き当たり、圧縮コイルばね70の下端部が、収容凹部80bの内底面に弾性を持って突き当たっている。押さえ部材80は、上下に変位可能になっている。これによって、圧縮コイルばね70が、押さえ部材80及び電極冷却部材32を順次介して電極30を下方へ付勢し、電極30を誘電板51に押し当てている。
上蓋部材10は、反力受け部材を構成し、その下面は、反力受け部72を構成している。上蓋部材10の下面に圧縮コイルばね70の上端部を収容する収容凹部を形成し、この収容凹部の上底面を反力受け部72としてもよい。
図6の態様では、圧縮コイルばね70が、電極ユニット30の上方に配置されているが、図7に示すように、圧縮コイルばね70が、電極ユニット30の側部に配置されていてもよい。
図8に示す変形例では、弾性付勢部材として圧縮コイルばね70に代えて、引張コイルばね73が用いられている。引張コイルばね73は、例えば電極ユニット30の側部に配置されている。引張コイルばね73は、引っ張り状態で、その上端部が押さえ部材80に係止され、下端部が誘電板51に係止されている。押さえ部材80は、上下に変位可能になっている。これにより、引張コイルばね73が押さえ部材80を下方に付勢し、この押さえ部材80及び電極冷却部材32を介して電極30が誘電板51に押し当てられるようになっている。
図9は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態の処理ヘッド1Aは、左右略対称をなす一対の電極ユニット130,130を備えている。各電極ユニット130は、樹脂製のホルダ135と、第1実施形態のホット電極ユニット30と同様の薄い金属板からなる電極131と、厚い金属板からなる電極冷却部材132と有し、図9の紙面と直交する方向に延びている。電極131及び電極冷却部材132が、ホルダ135に収容されている。
一対の電極ユニット130,130の電極131,131が、左右に対向して配置されている。
一方(例えば右側)の電極ユニット130の電極131が、電源3に接続されてホット電極となり、他方(例えば左側)の電極ユニット130の電極131が電気的に接地されてアース電極となっている。
各電極131の対向面に、アルミナなどのセラミック(固体誘電体)からなる誘電板133が設けられている。一対の電極ユニット130,130の誘電板133,133どうしの間に処理ガス通路130aが形成されている。処理ガス通路130aは、狭いスリット状をなして上下に延びている。この処理ガス通路130aの上端部にガス供給路4aが接続されている。処理ガス通路130aの下端部は、噴出口になっている。
処理ガス源4からの処理ガスが、ガス供給路4aを経て処理ガス通路130aの上端部に導入される。一対の電極131,131間に電界が印加されることにより、処理ガス通路130aの中央部が放電空間1pとなり、この放電空間1pにおいて処理ガスがプラズマ化される。プラズマ化された処理ガスは、処理ガス通路130aの下端部(噴出口)から下方の処理空間1aへ噴出され、被処理物Wに接触する。これにより、表面処理がなされるようになっている。
各電極ユニット130の電極冷却部材132と誘電板133とは、ホルダ135を介して互いに位置固定されている。電極冷却部材132の電極131との当接面に収容凹部32aが形成されている。この収容凹部32aに圧縮コイルばね70が圧縮状態で収容されている。圧縮コイルばね70は、電極131を誘電板133の方向へ付勢する。これによって、電極131の反りを防止することができ、電極131と誘電板133との間に異常放電が起きるのを防止することができる。
図10は、第2実施形態の変形例を示したものである。図10に示す処理ヘッド1Bでは、弾性付勢部材として、圧縮コイルばね70に代えて、板ばね74が用いられている。収容凹部32aは、板ばね74の形状に合わせて、図9のものより上下に長くなり、かつ浅くなっている。
本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、種々の改変をなすことができる。
例えば、図1〜図10の各形態の構成を相互に組み合わせてもよい。例えば、図1〜図4の第1実施形態においても弾性付勢部材として、コイルばね70に代えて、板ばね74を用いてもよい。第2実施形態においても、図5〜図8と同様の変形態様を適用してもよい。
弾性付勢部材として、皿ばねを用いてもよい。或いは、弾性付勢部材として、ばねに代えて、ゴムや弾性樹脂等の他の弾性部材を用いてもよい。
図11に示すように、第1実施形態において、噴出孔41及び噴出導孔62を、それぞれ底板40及びアース側誘電部材60の幅方向の中央部にだけ設けることにしてもよい。この場合、噴出孔41及び噴出導孔62は、小孔状をなして底板40及びアース側誘電部材60の長手方向(図11の紙面と直交する方向)に間隔を置いて複数設けられていてもよく、上記長手方向に延びるスリット状をなしていてもよい。
本発明は、被処理物を放電空間の外部に配置する所謂リモート式のプラズマ処理装置に限られず、被処理物を放電空間の内部に配置する所謂ダイレクト式のプラズマ処理装置にも適用可能である。
本発明は、洗浄、表面改質(親水化、撥水化等)、エッチング、成膜などの種々の表面処理に適用可能である。大気圧近傍下でのプラズマ処理に限られず、真空下でのプラズマ処理にも適用可能である。
この発明は、例えばフラットパネルディスプレイ用のガラス基板や半導体基板の製造工程における表面処理に適用可能である。
本発明の第1実施形態に係る大気圧プラズマ処理装置を、図3のI-I線に沿って示す側面断面図である。 図1のII-II線に沿う、上記大気圧プラズマ処理装置の処理ヘッドの正面断面図である。 図1のIII-III線に沿う、上記処理ヘッドの正面断面図である。 上記処理ヘッドの分解斜視図である。 第1実施形態において弾性付勢部材の配置位置の変形例を示す正面断面図である。 第1実施形態において弾性付勢部材の配置位置の変形例を示す正面断面図である。 第1実施形態において弾性付勢部材の配置位置の変形例を示す正面断面図である。 第1実施形態において弾性付勢部材の変形例を示す正面断面図である。 本発明の第2実施形態に係る大気圧プラズマ処理装置の処理ヘッドの正面断面図である。 第2実施形態において弾性付勢部材の変形例を示す正面断面図である。 第1実施形態の処理ヘッドの噴出構造の変形例を示す正面断面図である。
符号の説明
1 処理ヘッド
1A,1B 処理ヘッド
1p 放電空間
30 ホット電極ユニット
32 電極冷却部材
31 ホット電極
32a 収容凹部
32c 冷却路
40 底板(アース電極)
50 ホット側誘電部材
51 底板部(誘電板)
70 圧縮コイルばね(弾性付勢部材)
71 付勢力受け部
72 反力受け部
73 引張コイルばね(弾性付勢部材)
74 板ばね(弾性付勢部材)
130 電極ユニット
131 電極
132 電極冷却部材
133 誘電板

Claims (7)

  1. 処理ガスを放電空間に導入して被処理物に接触させるプラズマ処理装置において、
    前記放電空間を形成するための電極と、
    前記電極の前記放電空間を向く主面を覆う固体誘電体からなり、前記電極とは分離可能な誘電板と、
    弾性を有し、その弾性力にて前記電極を前記誘電板の側に付勢するように設けられた弾性付勢部材と、
    を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記弾性付勢部材が、ばねであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記電極が、長尺状をなし、前記弾性付勢部材が、前記電極の長手方向の端部の近くに配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記電極に対し前記付勢方向に位置固定された付勢力受け部と、
    前記付勢力受け部の前記誘電板側とは反対側において前記誘電板に対し前記付勢方向に位置固定された反力受け部と、
    をさらに備え、前記弾性付勢部材が、前記反力受け部と前記付勢力受け部との間に圧縮されて設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記電極の前記主面とは反対側の背面が、前記弾性付勢部材を挟んで前記反力受け部と対向し、前記付勢力受け部として提供されていることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記電極の背面に当接されるようにして前記誘電板に対し前記付勢方向に位置固定され、内部に冷却媒体が通される冷却路が形成された金属製の電極冷却部材を、さらに備え、
    前記電極冷却部材の前記電極への当接面に、前記弾性付勢部材を収容する収容凹部が形成され、この収容凹部の底面が、前記反力受け部となっていることを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記電極が、前記電極冷却部材より薄肉の金属板にて構成されていることを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012113998A (ja) * 2010-11-25 2012-06-14 Tokyo Electron Ltd プラズマ処理装置及び処理システム
US11037760B2 (en) 2018-06-18 2021-06-15 Samsung Electronics Co., Ltd. Temperature controller, temperature measurer, and plasma processing apparatus including the same
CN114567958A (zh) * 2022-03-14 2022-05-31 深圳市普瑞艾尔科技有限公司 一种多点式排布梳状放电极的等离子发生器

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