JP6732924B2 - プラズマ用電源装置、プラズマ装置、およびプラズマ発生方法 - Google Patents

プラズマ用電源装置、プラズマ装置、およびプラズマ発生方法 Download PDF

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Description

本発明は、交流電圧を用いるプラズマ用電源装置、およびこのプラズマ用電源装置を備えたプラズマ装置に関し、さらには、プラズマ発生方法に関する。
原料ガス中で放電することにより、プラズマを発生させるプラズマ装置が知られている。プラズマ装置は、固体材料の表面加工、洗浄、接着などの産業用や、殺菌、空気浄化などの環境保護用、医療用などに広く用いられている。開発の当初、プラズマ装置は、真空ポンプを用いて原料ガスを低気圧(負圧)とし、放電を安定化させてプラズマの品質維持を図っていた。近年では、大気圧の原料ガスを用いる大気圧プラズマ装置が実用化されており、高いプラズマ密度が得られるようになっている。この種のプラズマ装置の一技術例が特許文献1に開示されている。
特許文献1のプラズマ成膜装置は、真空チャンバの中で第1および第2の電極の間にプラズマを発生させて成膜を行う。そして、パルス変調された高周波電力が電極間に給電され、パルス波形のon時間における第1期間の第1電力が、第1期間に続く第2期間の第2電力よりも5%以上高いことを特徴としている。これによれば、パルス波形の初期の電力を残りの期間よりも高めたことにより、プラズマを確実に発生でき、均一なプラズマを得ることができる、とされている。
特開2012−174736号公報
ところで、プラズマの発生に高い電圧が必要な場合、特許文献1のパルス波形を高電圧化することが難しい。つまり、パルス波形は直流であるため、昇圧することが難しく、別の言い方をすれば、プラズマ用電源装置のコストが嵩む。したがって、変圧器を用いて交流電圧を昇圧し電極間に印加する構成を採用すれば、プラズマ用電源装置を低廉化できる。しかしながら、交流電圧を電極間に印加すると、交流電圧のゼロ点付近でプラズマが消滅してプラズマ発生能力が低下する、という問題点が生じる。なお、この問題点は、低気圧プラズマ装置よりもプラズマ発生電圧が高くなる大気圧プラズマ装置で顕在化しがちである。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、プラズマ発生能力に優れたプラズマ用電源装置、およびこのプラズマ用電源装置を備えたプラズマ装置を提供すること、さらには、プラズマ発生能力に優れたプラズマ発生方法を提供することを解決すべき課題とする。
本明細書で開示するプラズマ用電源装置は、一対の電極に交流電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ用電源装置であって、正弦波交流電圧と比較して電圧波形の立ち上がりを早くする立ち上がり変調のみを施した歪み波交流電圧を出力する歪み波交流電源と、前記歪み波交流電圧を昇圧して一対の前記電極に印加する変圧器と、を備え、前記歪み波交流電圧は、前記正弦波交流電圧と比較して前記電圧波形のゼロ点、正ピーク点、および負ピーク点が時間軸上で移動せず、さらに、前記ゼロ点から前記正ピーク点までの間および前記負ピーク点から前記ゼロ点までの間で電圧瞬時値が滑らかに単調増加し、かつ、前記正ピーク点から前記ゼロ点を経て前記負ピーク点までの間で前記電圧瞬時値が滑らかに単調減少し、前記歪み波交流電源は、正負それぞれ複数のパルス電圧波形のデューティ比を可変に調整して出力するパルス幅変調電源と、正負それぞれ複数の前記パルス電圧波形を平滑して前記歪み波交流電圧にする平滑回路とを有し、前記パルス幅変調電源は、直流電圧を出力する直流電源と、4個のスイッチング素子のブリッジ接続によって構成され、前記直流電圧が入力されて、正負それぞれ複数の前記パルス電圧波形を出力するパルス発生回路と、4個の前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御して、正負それぞれ複数の前記パルス電圧波形の正負を制御し、かつ前記デューティ比を可変に調整するパルス制御部とを有し、前記正弦波交流電圧を出力する場合と比較して、前記電圧波形の前記立ち上がりに相当する複数の前記パルス電圧波形の前記デューティ比をそれぞれ同じ比率だけ大きく調整する前記立ち上がり変調のみを施す。
本明細書で開示するプラズマ装置は、前記プラズマを発生させる容器と、前記容器の内部に配置された一対の前記電極と、プラズマ用電源装置と、を備えた。
本明細書で開示するプラズマ発生方法は、一対の電極に交流電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生方法であって、正弦波交流電圧と比較して電圧波形の立ち上がりを早くする立ち上がり変調のみを施した歪み波交流電圧を出力する歪み波交流電源と、前記歪み波交流電圧を昇圧して一対の前記電極に印加する変圧器とを用い、前記歪み波交流電源が前記正弦波交流電圧を出力する場合と比較して、前記電圧波形の前記立ち上がりに相当する複数のパルス電圧波形のデューティ比をそれぞれ同じ比率だけ大きく調整して前記歪み波交流電圧を出力させる。
本明細書で開示するプラズマ用電源装置では、正弦波交流電圧と比較して電圧波形の立ち上がりを早くするので、交流電圧の1周期の中でプラズマの発生可能な時間帯が拡がる。したがって、プラズマ用電源装置は、プラズマ発生能力に優れる。
また、変圧器による昇圧は容易であり、パルス電圧や直流電圧を印加する構成と比較して、装置コストが低廉になる。加えて、歪み波交流電圧波形の高周波成分の含有率が限定されるため、変圧器は、電圧波形の変歪を抑制しての昇圧が可能となる。さらに、変圧器の発生損失は、正弦波交流電圧波形と比較して顕著に増加しない。
また、本明細書で開示するプラズマ装置は、プラズマ用電源装置を備えるので、プラズマ発生能力に優れる。
また、本明細書で開示するプラズマ発生方法は、正弦波交流電圧と比較して電圧波形の立ち上がりを早くできるので、交流電圧の1周期の中でプラズマの発生可能な時間帯を拡げることができる。したがって、プラズマ発生方法は、プラズマ発生能力に優れる。
実施形態のプラズマ装置を構成する実施形態のプラズマ用電源装置、および本体部を模式的に示した図である。 パルス幅変調電源の回路構成を例示した回路図である。 正弦波交流電圧を変圧器に出力する比較例の場合に、パルス制御部が行う制御方法を模式的に示した図である。 比較例の場合におけるパルス電圧波形、および正弦波交流電圧波形を示した図である。 歪み波交流電圧を変圧器に出力する実施例の場合に、パルス制御部が行う制御方法を模式的に示した図である。 実施例および比較例において、変圧器に出力される交流電圧波形を示した図である。 比較例において、プラズマの発生状況を示す電極間の電圧波形を実測した図である。 実施例において、プラズマの発生状況を示す電極間の電圧波形を実測した図である。
(1.実施形態のプラズマ装置およびプラズマ用電源装置1の構成)
実施形態のプラズマ装置およびプラズマ用電源装置1について、図1〜図8を参考にして説明する。図1は、実施形態のプラズマ装置を構成する実施形態のプラズマ用電源装置1、および本体部9を模式的に示した図である。まず、本体部9について説明する。本体部9は、容器91、一対の電極92、および大気圧ガス置換部93を備える。
容器91は、外気から内部空間を区画する。一対の電極92は、容器91の内部に対向して配置される。一対の電極92の間が、プラズマの発生領域94となる。大気圧ガス置換部93は、発生領域94に大気圧の原料ガスを導入するとともに、発生領域94に発生したプラズマを移動させる。プラズマは、容器91内で使用されてもよく、他に移動されて使用されてもよい。原料ガスとして、酸素ガスや空気を例示でき、これらに限定されない。実施形態のプラズマ装置は、大気圧プラズマ装置であり、低気圧プラズマ装置と比較して一般的にプラズマ発生電圧Vp(図6参照)が高い。実施形態のプラズマ装置は、低気圧(負圧)にするための真空ポンプが不要であり、装置構成が簡素である。
プラズマ用電源装置1は、パルス幅変調電源2、平滑回路6、および変圧器7を備える。パルス幅変調電源2は、正負それぞれ複数のパルス電圧波形のデューティ比を可変に調整して出力する。平滑回路6は、パルス幅変調電源2が出力した正負それぞれ複数のパルス電圧波形を平滑して交流電圧とし、変圧器7に出力する。交流電圧の波形は、デューティ比の調整に応じて、正弦波にも歪み波にもなり得る。
平滑回路6は、例えば、図1に示されたコイル61およびコンデンサ65で構成される。コイル61の一端611は、パルス幅変調電源2の出力側の一端に接続される。コイル61の他端612は、変圧器7の一次巻線71の一端に接続される。コンデンサ65の一端651は、コイル61の他端612および一次巻線71の一端に接続される。コンデンサ65の他端652は、パルス幅変調電源2の出力側の他端および一次巻線71の他端に接続される。パルス幅変調電源2および平滑回路6は、本発明の歪み波交流電源を構成する。
変圧器7は、単相器であり、電磁結合した一次巻線71および二次巻線72を有する。変圧器7は、二次巻線72の巻数が一次巻線71の巻数よりも多く、昇圧機能を有する。二次巻線72の一端および他端は、本体部9の容器91に対して絶縁が確保されつつ、一対の電極92に接続される。変圧器7の構造に特別な制約は無いが、良好な高周波特性を有することが好ましい。変圧器7は、一次巻線71に入力された交流電圧を昇圧して、二次巻線72から一対の電極92に印加する。
図2は、パルス幅変調電源2の回路構成を例示した回路図である。パルス幅変調電源2は、直流電源3、パルス発生回路4、およびパルス制御部5で構成される。直流電源3は、高圧端子31および低圧端子から32から直流電圧Vdcを出力する。直流電源3として、商用周波数の交流電圧を整流する整流電源や、バッテリ電源を用いることができる。
パルス発生回路4は、4個のスイッチング素子のブリッジ接続によって構成される。スイッチング素子として、MOSFET素子やIGBT素子などを用いることができ、以下MOSFET素子の場合を例にして説明する。第1スイッチング素子41は、ドレインDが直流電源3の高圧端子31に接続され、ソースSが第1出力端子47に接続される。第2スイッチング素子42は、ドレインDが第1出力端子47に接続され、ソースSが直流電源3の低圧端子32に接続される。第3スイッチング素子43は、ドレインDが直流電源3の高圧端子31に接続され、ソースSが第2出力端子48に接続される。第4スイッチング素子44は、ドレインDが第2出力端子48に接続され、ソースSが直流電源3の低圧端子32に接続される。
第1出力端子47および第2出力端子48は、引き出されて平滑回路6に接続される。第1スイッチング素子41のゲートGおよび第4スイッチング素子44のゲートGは、まとめられてパルス制御部5に接続される。第2スイッチング素子42のゲートGおよび第3スイッチング素子43のゲートGも、まとめられてパルス制御部5に接続される。スイッチング素子41〜44は、ゲートGに制御信号が入力されているときだけ、ドレインDとソースSの間が導通する。
パルス制御部5は、ゲートGに制御信号を送出して、スイッチング素子のスイッチング動作を制御する。パルス制御部5は、CPUを有してソフトウェアで動作する電子制御回路により構成される。これに限定されず、パルス制御部5は、ハードウェア回路によって構成されてもよい。パルス制御部5は、パルス電圧波形の繰り返し周波数を表すパルス周波数を設定する。また、パルス制御部5は、交流電圧の交流周波数を設定する。パルス周波数として200kHzを例示でき、交流周波数として5kHzを例示でき、これらに限定されない。パルス周波数を交流周波数で除算したパルス数は、交流電圧の1周期に対応するパルス電圧波形の個数を表す。パルス数は、数10個以上であることが好ましい。
交流電圧の正の半波に相当する時間帯に、パルス制御部5は、第2スイッチング素子42および第3スイッチング素子43に制御信号を送出せず、遮断状態に維持する。かつ、パルス制御部5は、第1スイッチング素子41および第4スイッチング素子44に時間長可変の制御信号を送出して開閉制御し、デューティ比を可変に調整する。これにより、パルス幅変調電源2は、デューティ比が調整された複数の正のパルス電圧波形を出力する。
また、交流電圧の負の半波に相当する時間帯に、パルス制御部5は、第1スイッチング素子41および第4スイッチング素子44に制御信号を送出せず、遮断状態に維持する。かつ、パルス制御部5は、第2スイッチング素子42および第3スイッチング素子43に時間長可変の制御信号を送出して開閉制御し、デューティ比を可変に調整する。これにより、パルス幅変調電源2は、デューティ比が調整された複数の負のパルス電圧波形を出力する。正負のパルス電圧波形の高さは、直流電源3の直流電圧Vdcに一致する。
(2.実施形態のプラズマ用電源装置1の動作および作用)
次に、実施形態のプラズマ用電源装置1の動作および作用について説明する。図3は、正弦波交流電圧を変圧器7に出力する比較例の場合に、パルス制御部5が行う制御方法を模式的に示した図である。また、図4は、比較例の場合におけるパルス電圧波形、および正弦波交流電圧波形Wsinを示した図である。図3の比較例で、パルス制御部5は、交流電圧の1周期に相当する時間帯を第1区間R1から第17区間R17までの17個に分割する。ただし、第1区間R1および第17区間R17は、時間幅の半分のみが交流電圧の1周期内に入る。第1〜第17区間R1〜R17には、それぞれ複数のパルス電圧波形が入る。
ここで、第1区間R1から第5区間R5は、交流電圧の正の半波の立ち上がりに対応している。したがって、第1〜第5区間R1〜R5において、パルス制御部5は、正弦波の立ち上がりの増加傾向に対応させて、デューティ比D1〜D5を順次増加させてゆく。これを不等式で表せば、次の関係が成り立つ。第1区間R1のデューティ比D1<第2区間R2のデューティ比D2<第3区間R3のデューティ比D3<第4区間R4のデューティ比D4<第5区間R5のデューティ比D5。
また、第5区間R5から第9区間R9は、交流電圧の正の半波の立ち下がりに対応している。したがって、第5〜第9区間R5〜R9において、パルス制御部5は、正弦波の立ち下がりの減少傾向に対応させて、デューティ比D5〜D9を順次減少させてゆく。これを不等式で表せば、次の関係が成り立つ。第5区間R5のデューティ比D5>第6区間R6のデューティ比D6>第7区間R7のデューティ比D7>第8区間R8のデューティ比D8>第9区間R9のデューティ比D9。
同様に、第9区間R9から第17区間R17は、交流電圧の負の半波に対応している。したがって、第9〜第17区間R9〜R17において、パルス制御部5は、正弦波の負の立ち上がりの減少傾向および立ち下がりの増加傾向に対応させて、デューティ比D9〜D17を順次増加および減少させてゆく。これを不等式で表せば、次の関係が成り立つ。第9区間R9のデューティ比D9<第10区間R10のデューティ比D10<第11区間R11のデューティ比D11<第12区間R12のデューティ比D12<第13区間R13のデューティ比D13>第14区間R14のデューティ比D14>第15区間R15のデューティ比D15>第16区間R16のデューティ比D16>第17区間R17のデューティ比D17。
具体例として、パルス制御部5は、第1〜第17区間R1〜R17のデューティ比D1〜D17を次のように設定する。
D1=D9=D17=0[%]
D2=D8=D10=D16=30[%]
D3=D7=D11=D15=70[%]
D4=D6=D12=D14=90[%]
D5=D13=100[%]
ここで、図4は、第1〜第17区間R1〜R17にそれぞれ3個のパルス電圧波形が入る場合であって、交流電圧の正の半波の立ち上がりに対応する時間帯を示している。図4には、デューティ比D1の1個半のパルス電圧波形、デューティ比D2〜D4の各3個のパルス電圧波形、およびデューティ比D5の1個半のパルス電圧波形が示され、合計で12個のパルス電圧波形が示されている。これらのパルス電圧波形が平滑回路6で平滑されて、ゼロ点ZPから正ピーク点PPまでの正弦波交流電圧波形Wsinが得られる。実際には、平滑回路6から出力される正弦波交流電圧波形Wsinは、パルス電圧波形に対して位相遅れをもつ。
図5は、歪み波交流電圧を変圧器7に出力する実施例の場合に、パルス制御部5が行う制御方法を模式的に示した図である。図5の実施例で、パルス制御部5は、正弦波交流電圧と比較して電圧波形の立ち上がりを早くする立ち上がり変調を施している。具体例として、パルス制御部5は、第1区間R1から第4区間R4のデューティ比D1A〜D4A、および第9区間R9から第12区間R12のデューティ比D9A〜D12Aを次のように大きく調整する。
D1A=D9A=(D1+α)[%]
D2A=D10A=(D2+α)[%]
D3A=D11A=(D3+α)[%]
D4A=D12A=(D4+α)[%]
なお、パルス制御部5は、立ち下がり変調を施さない。したがって、デューティ比D5〜D8、およびデューティ比D13〜D16は、正弦波交流電圧の場合に一致する。上記の+αは、各区間R1〜R4、R9〜R12で互いに異なっていてもよく、共通とされていてもよい。例えば、+αは、各区間R1〜R4、R9〜R12で共通に10[%]と設定される。
パルス制御部5が立ち上がり変調を施した結果、変圧器7に歪み波交流電圧波形Wris(図6参照)が出力される。実際には、平滑回路6から出力される歪み波交流電圧波形Wrisは、パルス電圧波形に対して位相遅れをもつ。図6は、実施例および比較例において、変圧器7に出力される交流電圧波形を示した図である。図6の横軸は時間軸tを表し、縦軸は電圧Vを表している。図6において、比較例の正弦波交流電圧波形Wsinは、破線で示されている。また、実施例の歪み波交流電圧波形Wrisは、立ち上がりが実線で示され、立ち下がりが正弦波交流電圧波形Wsinに一致している。
図6中の正の半波に示されるように、歪み波交流電圧波形Wrisは、正弦波交流電圧波形Wsinと比較して、電圧波形の立ち上がりが早くなっている。このため、歪み波交流電圧波形Wrisがプラズマ発生電圧Vpに到達する時刻t1は、正弦波交流電圧波形Wsinがプラズマ発生電圧Vpに到達する時刻t2よりも早くなる。上記した説明は、負の半波についても同様に成り立つ。したがって、実施例によれば、プラズマの発生可能な時間帯は、比較例より拡がる。
また、立ち上がり変調を施した歪み波交流電圧波形Wrisに代えて、立ち下がり変調を施した歪み波交流電圧波形Wdwnを用いることもできる。図6において、歪み波交流電圧波形Wdwnは、立ち上がりが正弦波交流電圧波形Wsinに一致し、立ち下がりが一点鎖線で示されている。立ち下がり変調を施す具体例として、パルス制御部5は、第6区間R6から第9区間R9のデューティ比D6〜D9、および第14区間R14から第17区間R17のデューティ比D14〜D17を+β[%]だけ大きく調整する。なお、パルス制御部5は、立ち上がり変調を施さないので、デューティ比D2〜D5、およびデューティ比D10〜D13は、正弦波交流電圧の場合に一致する。
図6中の正の半波に示されるように、立ち下がり変調を施した歪み波交流電圧波形Wdwnは、正弦波交流電圧波形Wsinと比較して、電圧波形の立ち下がり遅くなっている。このため、歪み波交流電圧波形Wdwnがプラズマ消滅電圧Vdまで低下する時刻t4は、正弦波交流電圧波形Wsinがプラズマ消滅電圧Vdまで低下する時刻t3よりも遅くなる。上記した説明は、負の半波についても同様に成り立つ。したがって、立ち下がり変調を施した歪み波交流電圧波形Wdwnを用いたとき、プラズマの発生可能な時間帯は、比較例より拡がる。
さらに、立ち上がり変調および立ち下がり変調の両方を施した歪み波交流電圧波形を用いることもできる。この場合、電圧波形の立ち上がりおよび立ち下がりの両方で、プラズマの発生可能な時間帯を拡げる効果が発生する。
なお、歪み波交流電圧波形Wrisおよび歪み波交流電圧波形Wdwnは、正弦波交流電圧波形Wsinと比較して、電圧波形のゼロ点ZP、正ピーク点PP、ゼロ点ZN、および負ピーク点PNが時間軸t上で移動しない。さらに、歪み波交流電圧波形Wrisおよび歪み波交流電圧波形Wdwnは、ゼロ点ZPから正ピーク点PPまでの間および負ピーク点PNからゼロ点ZPまでの間で電圧瞬時値が滑らかに単調増加し、かつ、正ピーク点PPからゼロ点ZNを経て負ピーク点PNまでの間で電圧瞬時値が滑らかに単調減少する。
歪み波交流電圧波形Wrisおよび歪み波交流電圧波形Wdwnは、上記の性質を有するので、高周波成分の含有率が限定される。これにより、変圧器7は、電圧波形の変歪を抑制しての昇圧が可能となる。さらに、変圧器7の発生損失は、正弦波交流電圧波形Wsinと比較して、顕著に増加しない。仮に、多くの高周波成分を含有するパルス波形を変圧器7の一次巻線71に入力すると、二次巻線72における電圧波形の変歪が顕著となる。さらには、変圧器7における発生損失の増加や、騒音および振動の増加を招く。このため、変圧器7でパルス波形を昇圧することは、実用的でない。
次に、比較例および実施例の場合におけるプラズマの発生状況の実測結果について説明する。図7は、比較例において、プラズマの発生状況を示す電極92間の電圧波形V1を実測した図である。また、図8は、実施例において、プラズマの発生状況を示す電極92間の電圧波形V2を実測した図である。図7に破線で示された正弦波交流電圧波形Wsinの交流周波数、および図8に破線で示された歪み波交流電圧波形Wrisの交流周波数は、ともに5kHzである。
図7において、プラズマが発生すると電極92間がほぼ導通され、電圧波形V1の電圧瞬時値は正弦波交流電圧波形Wsinから大きく減少する。このことから、プラズマの発生に寄与しない無効期間T11、T12、T13、T14を判別できる。同様に、図8において、プラズマが発生すると電極92間がほぼ導通され、電圧波形V2の電圧瞬時値は歪み波交流電圧波形Wrisから大きく減少する。このことから、プラズマの発生に寄与しない無効期間T21、T22、T23、T24を判別できる。各無効期間T11、T12、T13、T14、T21、T22、T23、T24は、ゼロ点ZPおよびゼロ点ZNの一方を含んでいる。
ここで、実施例の無効期間T21、T22、T23、T24は、比較例の無効期間T11、T12、T13、T14と比較して、平均的に時間幅が短い。特に、実施例の無効期間T21、T22、T23、T24は、ゼロ点ZP以降やゼロ点ZN以降の時間幅が短い。これは、図6を用いて説明したように、歪み波交流電圧波形Wrisの立ち上がりを正弦波交流電圧波形Wsinよりも早くすることによって生じる作用である。したがって、実施例の歪み波交流電圧波形Wrisによれば、比較例の正弦波交流電圧波形Wsinと比較して、交流電圧の1周期の中でプラズマの発生可能な時間帯が拡がる。
(3.実施形態のプラズマ用電源装置1の態様および効果)
実施形態のプラズマ用電源装置1は、一対の電極92に交流電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ用電源装置1であって、正弦波交流電圧波形Wsinと比較して電圧波形の立ち上がりを早くする立ち上がり変調を施した歪み波交流電圧波形Wris、および電圧波形の立ち下がりを遅くする立ち下がり変調を施した歪み波交流電圧波形Wdwnの少なくとも一方を出力する歪み波交流電源を備えた。
これによれば、正弦波交流電圧波形Wsinと比較して電圧波形の立ち上がりを早くし、または立ち下がりを遅くするので、交流電圧の1周期の中でプラズマの発生可能な時間帯が拡がる。したがって、実施形態のプラズマ用電源装置1は、プラズマ発生能力に優れる。
さらに、実施形態のプラズマ用電源装置1は、歪み波交流電圧を変成して一対の電極92に印加する変圧器7をさらに備えた。これによれば、変圧器7の昇圧機能により、高い交流電圧を電極92間に印加することができるので、プラズマ発生能力がさらに向上する。また、変圧器7による昇圧は容易であり、パルス電圧や直流電圧を印加する構成と比較して、装置コストが低廉になる。
さらに、歪み波交流電圧波形Wrisおよび歪み波交流電圧波形Wdwnは、正弦波交流電圧波形Wsinと比較して電圧波形のゼロ点ZP、正ピーク点PP、ゼロ点ZN、および負ピーク点PNが時間軸t上で移動せず、さらに、ゼロ点ZPから正ピーク点PPまでの間および負ピーク点PNからゼロ点ZPまでの間で電圧瞬時値が滑らかに単調増加し、かつ、正ピーク点PPからゼロ点ZNを経て負ピーク点PNまでの間で電圧瞬時値が滑らかに単調減少する。
これによれば、歪み波交流電圧波形Wrisおよび歪み波交流電圧波形Wdwnは、高周波成分の含有率が限定される。これにより、変圧器7は、電圧波形の変歪を抑制しての昇圧が可能となる。さらに、変圧器7の発生損失は、正弦波交流電圧波形Wsinと比較して、顕著に増加しない。
さらに、歪み波交流電源は、正負それぞれ複数のパルス電圧波形のデューティ比を可変に調整して出力するパルス幅変調電源2と、正負それぞれ複数のパルス電圧波形を平滑して歪み波交流電圧にする平滑回路6とを有する。これによれば、パルス幅変調方式を用いて、歪み波交流電圧波形Wrisや歪み波交流電圧波形Wdwnを簡易に生成できる。
さらに、パルス幅変調電源2は、直流電圧Vdcを出力する直流電源3と、4個のスイッチング素子41〜44のブリッジ接続によって構成され、直流電圧Vdcが入力されて、正負それぞれ複数のパルス電圧波形を出力するパルス発生回路4と、4個のスイッチング素子41〜44のスイッチング動作を制御して、正負それぞれ複数のパルス電圧波形の正負を制御し、かつデューティ比を可変に調整するパルス制御部5とを有する。これによれば、簡素な回路構成でパルス幅変調電源2を実現できる。
さらに、パルス幅変調電源2は、正弦波交流電圧波形Wsinを出力する場合と比較して、電圧波形の立ち上がりに相当するパルス電圧波形のデューティ比D1A〜D4A、D9A〜D12Aを大きく調整する立ち上がり変調、および、電圧波形の立ち下がりに相当するパルス電圧波形のデューティ比D6〜D9、D14〜D17を大きく調整する立ち下がり変調の少なくとも一方を施す。これによれば、デューティ比D1A〜D4A、D9A〜D12A、D6〜D9、D14〜D17を調整するだけで、所望する歪み波交流電圧波形Wrisおよび歪み波交流電圧波形Wdwnを生成できる。
(4.実施形態のプラズマ装置および実施形態のプラズマ発生方法の態様および効果)
実施形態のプラズマ装置は、プラズマを発生させる容器91と、容器91の内部に配置された一対の電極92と、実施形態のプラズマ用電源装置1と、を備えた。これによれば、実施形態のプラズマ装置は、プラズマ用電源装置1を備えるので、プラズマ発生能力に優れる。
さらに、実施形態のプラズマ装置は、一対の電極92の間に大気圧の原料ガスを導入するとともに、一対の電極92の間に発生したプラズマを移動させる大気圧ガス置換部93をさらに備えた。これによれば、実施形態のプラズマ装置は、大気圧プラズマ装置であり、低気圧プラズマ装置と比較してプラズマ発生電圧Vpが高くなる。したがって、前記した歪み波交流電圧波形Wrisおよび歪み波交流電圧波形Wdwnを用いる効果や、変圧器7を用いる効果が顕著となる。
また、実施形態のプラズマ発生方法は、一対の電極92に交流電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生方法であって、正弦波交流電圧波形Wsinと比較して電圧波形の立ち上がりを早くする立ち上がり変調を施した歪み波交流電圧波形Wris、および電圧波形の立ち下がりを遅くする立ち下がり変調を施した歪み波交流電圧波形Wdwnの少なくとも一方を出力する歪み波交流電源(パルス幅変調電源2および平滑回路6)を用い、歪み波交流電圧波形Wrisまたは歪み波交流電圧波形Wdwnを一対の電極92に印加する。
これによれば、本発明は、プラズマ発生方法として実施することもできる。実施形態のプラズマ発生方法は、実施形態のプラズマ用電源装置1と同様に、交流電圧の1周期の中でプラズマの発生可能な時間帯を拡げることができる。したがって、実施形態のプラズマ発生方法は、プラズマ発生能力に優れる。
(5.実施形態の応用および変形)
なお、実施形態で説明した第1〜第17区間R1〜R17、およびデューティ比D1〜D17、D1A〜D4A、D9A〜D12Aの設定方法は一例であって、変形例は多数ある。例えば、交流電圧の立ち上がりに対応する複数のパルス電圧波形のデューティ比が全て異なり、徐々に増加していてもよい。また、パルス周波数や交流周波数も適宜変更可能である。さらに、本発明のプラズマ用電源装置は、大気圧プラズマ装置への利用に限定されず、例えば、変圧器7を省略して低気圧プラズマ装置に利用することもできる。本発明は、その他にも様々な応用や変形が可能である。
1:プラズマ用電源装置 2:パルス幅変調電源 3:直流電源 4:パルス発生回路 41:第1スイッチング素子 42:第2スイッチング素子 43:第3スイッチング素子 44:第4スイッチング素子 5:パルス制御部 6:平滑回路 7:変圧器 9:本体部 92:電極 93:大気圧ガス置換部 D1〜D17、D1A〜D4A、D9A〜D12A:デューティ比 Wsin:正弦波交流電圧波形 Wris:歪み波交流電圧波形(立ち上がり変調) Wdwn:歪み波交流電圧波形(立ち下がり変調) ZP:ゼロ点 PP:正ピーク点 ZN:ゼロ点 PN:負ピーク点

Claims (8)

  1. 一対の電極に交流電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ用電源装置であって、
    正弦波交流電圧と比較して電圧波形の立ち上がりを早くする立ち上がり変調のみを施した歪み波交流電圧を出力する歪み波交流電源と
    前記歪み波交流電圧を昇圧して一対の前記電極に印加する変圧器と、を備え、
    前記歪み波交流電圧は、
    前記正弦波交流電圧と比較して前記電圧波形のゼロ点、正ピーク点、および負ピーク点が時間軸上で移動せず、さらに、
    前記ゼロ点から前記正ピーク点までの間および前記負ピーク点から前記ゼロ点までの間で電圧瞬時値が滑らかに単調増加し、かつ、前記正ピーク点から前記ゼロ点を経て前記負ピーク点までの間で前記電圧瞬時値が滑らかに単調減少し、
    前記歪み波交流電源は、
    正負それぞれ複数のパルス電圧波形のデューティ比を可変に調整して出力するパルス幅変調電源と、
    正負それぞれ複数の前記パルス電圧波形を平滑して前記歪み波交流電圧にする平滑回路とを有し、
    前記パルス幅変調電源は、
    直流電圧を出力する直流電源と、
    4個のスイッチング素子のブリッジ接続によって構成され、前記直流電圧が入力されて、正負それぞれ複数の前記パルス電圧波形を出力するパルス発生回路と、
    4個の前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御して、正負それぞれ複数の前記パルス電圧波形の正負を制御し、かつ前記デューティ比を可変に調整するパルス制御部とを有し、
    前記正弦波交流電圧を出力する場合と比較して、前記電圧波形の前記立ち上がりに相当する複数の前記パルス電圧波形の前記デューティ比をそれぞれ同じ比率だけ大きく調整する前記立ち上がり変調のみを施す、
    プラズマ用電源装置。
  2. 一対の電極に交流電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ用電源装置であって、
    正弦波交流電圧と比較して電圧波形の立ち上がりを早くする立ち上がり変調、および前記電圧波形の立ち下がりを遅くする立ち下がり変調を施した歪み波交流電圧を出力する歪み波交流電源と
    前記歪み波交流電圧を昇圧して一対の前記電極に印加する変圧器と、を備え、
    前記歪み波交流電圧は、
    前記正弦波交流電圧と比較して前記電圧波形のゼロ点、正ピーク点、および負ピーク点が時間軸上で移動せず、さらに、
    前記ゼロ点から前記正ピーク点までの間および前記負ピーク点から前記ゼロ点までの間で電圧瞬時値が滑らかに単調増加し、かつ、前記正ピーク点から前記ゼロ点を経て前記負ピーク点までの間で前記電圧瞬時値が滑らかに単調減少し、
    前記歪み波交流電源は、
    正負それぞれ複数のパルス電圧波形のデューティ比を可変に調整して出力するパルス幅変調電源と、
    正負それぞれ複数の前記パルス電圧波形を平滑して前記歪み波交流電圧にする平滑回路とを有し、
    前記パルス幅変調電源は、
    直流電圧を出力する直流電源と、
    4個のスイッチング素子のブリッジ接続によって構成され、前記直流電圧が入力されて、正負それぞれ複数の前記パルス電圧波形を出力するパルス発生回路と、
    4個の前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御して、正負それぞれ複数の前記パルス電圧波形の正負を制御し、かつ前記デューティ比を可変に調整するパルス制御部とを有し、
    前記正弦波交流電圧を出力する場合と比較して、前記電圧波形の前記立ち上がりに相当する複数の前記パルス電圧波形の前記デューティ比をそれぞれ同じ比率だけ大きく調整する前記立ち上がり変調、および、前記電圧波形の前記立ち下がりに相当する複数の前記パルス電圧波形の前記デューティ比をそれぞれ同じ比率だけ大きく調整する前記立ち下がり変調を施す、
    プラズマ用電源装置。
  3. 一対の電極に交流電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ用電源装置であって、
    正弦波交流電圧と比較して電圧波形の立ち上がりを早くする立ち上がり変調のみを施した歪み波交流電圧を出力する歪み波交流電源と
    前記歪み波交流電圧を昇圧して一対の前記電極に印加する変圧器と、を備え、
    前記歪み波交流電圧は、
    前記正弦波交流電圧と比較して前記電圧波形のゼロ点、正ピーク点、および負ピーク点が時間軸上で一致し、さらに、
    前記ゼロ点から前記正ピーク点までの前記立ち上がりの間で電圧瞬時値が滑らかに単調増加し、かつ、前記正ピーク点から前記ゼロ点までの立ち下がりの間で前記電圧瞬時値が前記正弦波交流電圧に一致する、
    プラズマ用電源装置。
  4. 一対の電極に交流電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ用電源装置であって、
    正弦波交流電圧と比較して電圧波形の立ち上がりを早くする立ち上がり変調、および、前記電圧波形の立ち下がりを遅くする立ち下がり変調を施した歪み波交流電圧を出力する歪み波交流電源と
    前記歪み波交流電圧を昇圧して一対の前記電極に印加する変圧器と、を備え、
    前記歪み波交流電圧は、
    前記正弦波交流電圧と比較して前記電圧波形のゼロ点、正ピーク点、および負ピーク点が時間軸上で一致し、さらに、
    前記ゼロ点から前記正ピーク点までの間および前記負ピーク点から前記ゼロ点までの間で電圧瞬時値が滑らかに単調増加し、かつ、前記正ピーク点から前記ゼロ点を経て前記負ピーク点までの間で前記電圧瞬時値が滑らかに単調減少する、
    プラズマ用電源装置。
  5. 前記プラズマを発生させる容器と、前記容器の内部に配置された一対の前記電極と、請求項1〜のいずれか一項に記載のプラズマ用電源装置と、を備えたプラズマ装置。
  6. 一対の前記電極の間に大気圧の原料ガスを導入するとともに、一対の前記電極の間に発生した前記プラズマを移動させる大気圧ガス置換部をさらに備えた請求項に記載のプラズマ装置。
  7. 一対の電極に交流電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生方法であって、
    正弦波交流電圧と比較して電圧波形の立ち上がりを早くする立ち上がり変調のみを施した歪み波交流電圧を出力する歪み波交流電源と、前記歪み波交流電圧を昇圧して一対の前記電極に印加する変圧器とを用い、
    前記歪み波交流電源が前記正弦波交流電圧を出力する場合と比較して、前記電圧波形の前記立ち上がりに相当する複数のパルス電圧波形のデューティ比をそれぞれ同じ比率だけ大きく調整して前記歪み波交流電圧を出力させる、プラズマ発生方法。
  8. 一対の電極に交流電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生方法であって、
    正弦波交流電圧と比較して電圧波形の立ち上がりを早くする立ち上がり変調、および前記電圧波形の立ち下がりを遅くする立ち下がり変調を施した歪み波交流電圧を出力する歪み波交流電源と、前記歪み波交流電圧を昇圧して一対の前記電極に印加する変圧器とを用い、
    前記歪み波交流電源が前記正弦波交流電圧を出力する場合と比較して、前記電圧波形の前記立ち上がりに相当する複数のパルス電圧波形のデューティ比をそれぞれ同じ比率だけ大きく調整するとともに、前記電圧波形の前記立ち下がりに相当する複数の前記パルス電圧波形の前記デューティ比をそれぞれ同じ比率だけ大きく調整して前記歪み波交流電圧を出力させる、プラズマ発生方法。
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