JP4234438B2 - ハイブリッド・イソタイプ抗体部分を含有する蛋白質の発現技術 - Google Patents

ハイブリッド・イソタイプ抗体部分を含有する蛋白質の発現技術 Download PDF

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Description

本出願は、2001年3月7日出願の米国特許出願第60/274096号を優先権主張し、その特典を請求しており、参照により、その開示を全て、本明細書に組み入れる。
本発明は、一般的に、2種類またはそれ以上のイソタイプに由来する部分を具える抗体のための手法と構成、および、それらから誘導される融合蛋白質に関し、この蛋白質には変更されたエフェクター機能、増強された蛋白質発現及び/または、オリゴマー化の抑制を具えている、抗体部分を含有している蛋白質が含まれる。本発明は、特には、ヒンジ領域は、1つのイソタイプに由来しており、かつCH2ドメインは、異なるイソタイプに由来している、抗体ならびに融合蛋白質に関する。
遺伝子操作した細胞による蛋白質発現の効率は、重要な商業的な関心事である。商業的に、重要な蛋白質の幾つかは、正確な折りたたみと糖付加を確実にするため、真核細胞、例えば、ほ乳類細胞、植物細胞、あるいは酵母細胞から、一番よく産生されている。しかし、真核細胞の大量培養物を維持するコストは、この方法で産生された蛋白質は、生産に大きな経費がかかることを意味している。したがって、当該分野では、真核細胞からの蛋白質発現水準を最大限にすることが、必要となっている。
関連する問題は、真核細胞から産生される治療用蛋白質は、正しい構造状態で発現されなければならないことである。通常、転写および翻訳の機構は、遺伝子操作された細胞が、蛋白質をコードする核酸によって、その配列が決定されている蛋白質を産生することを保証はしている。しかし、転写と翻訳の後、この蛋白質は、適切な折りたたみをし損ない、そして、分解される可能性がある。あるいは、蛋白質は、凝集状態で産生され、そのため、その活性が下がる可能性がある。凝集した蛋白質は、活性であったとしても、凝集していない蛋白質と比較して、増大した免疫原性のため、薬理学的に許容できない可能性がある。従って、一般的に、薬理学的に許容できる蛋白質調製物は、実質的に凝集した蛋白質を含んではならない。
遺伝子操作された真核細胞から発現される蛋白質の量は、コードしている遺伝子の転写速度、mRNAスプライシングならびに核からの輸送の効率、および翻訳の効率の関数がある。蛋白質発現における、これらの過程の役割は、十分理解されており、遺伝子操作ならびに蛋白質発現の技術分野の当業者は、一般的に、効果的な転写、スプライシング、mRNA輸送、および翻訳が可能な発現構造物の設計中に、適切な核酸配列を組み込ませることができる。
しかし、真核細胞から産生される、正しく折りたたまれ、凝集していない蛋白質の量は、また、転写、スプライシング、mRNA輸送、翻訳を決定する核酸配列と同様に、蛋白質のアミノ酸配列、ならびに翻訳後の修飾の関数でもある。例えば、細胞中で合成される蛋白質の相当の部分は分解されると考えられる。分解されるか否かを決定する、蛋白質の特性は、現在盛んな研究の対象であるが、現在のところは、単に蛋白質の配列を調べるだけで、蛋白質の折りたたみ、分解または凝集の効率を予測することは、不可能である。天然に存在する蛋白質の幾つかは、効率的に折りたたまれ、蛋白質分解に対して耐性を示し、かつ凝集をすることもない。反対に、他の蛋白質は、効率的な折りたたみがなされず、迅速に分解される、また、凝集を起こす。
抗体ならびに、ここでは、抗体融合蛋白質またはIg融合蛋白質と称する、抗体の一部を含む人工の蛋白質は、抗体の可変領域の標的能力ならびに種々のその他の蛋白質と結合する定常領域の能力に関連する、様々な目的に有用である。抗体および抗体融合蛋白質の調製物は、特に、それらが正しく折りたたまれ、かつ凝集していない際に、有用である。従って、当該技術分野では、低減された凝集性を示す、抗体および抗体融合蛋白質の調製物を製造するための手法と構成が必要とされている。
加えて、抗体および抗体融合蛋白質は、様々なその他の蛋白質と結合する、その能力は、例えば、特異的なエフェクター機能を引き出すことを可能とするので、有用である。場合によっては、特異的なエフェクター機能は、望ましいが、しばしば、エフェクター機能の欠失は好ましい。融合蛋白質の抗体成分を変更して、改変された抗体を利用することによって、エフェクター機能を低減させるか、または除去することも可能である。抗体および抗体融合蛋白質調製物は、また、改変されて、機能性が変更されている際に、有用である。従って、当該技術分野では、変更されたエフェクター機能を有する、改変された抗体および抗体融合蛋白質を産生するため手法と構成が必要とされている。
蛋白質薬剤は、プロテアーゼによって分解される可能性があり、そのため、それらの送達および薬物動態特性は、最適には及ばない。当該技術分野では、特定の蛋白質の有用な特性は有している上に、より高いプロテアーゼ耐性を有する、蛋白質薬剤の改善が必要とされている。
本発明は、本来の抗体、免疫サイトカイン、免疫融合物、免疫リガンド、ならびに、場合によっては、変更された、組み合わされた、あるいは減少されたFcのエフェクター機能を具える、所望する融合蛋白質の発現、適切なオリゴマー化、精製およびプロテアーゼ耐性を増強する、その他の抗体とFcの融合蛋白質を産生する上で有用な手法と構成を特徴にしている。具体的には、本発明は、本来の抗体ならびに抗体部分を含有している融合蛋白質中で使用するため、場合によっては、変異されたIg成分を使用している、ハイブリッド・イソタイプを有する抗体部分を提供する。

IgG/IgGハイブリッド・イソタイプ
一群の好ましい実施態様では、本発明は、減少したエフェクター機能と、改善された組み立て性を具える融合蛋白質を提供する。かかる融合蛋白質は、特には、該Ig部分は、発現を増強する、血漿半減期を改善するために役立つが、該Ig部分の免疫機能は、必要ではない際に、有用である。
これらの実施態様においては、融合蛋白質は、好ましくは、IgG1のヒンジ領域あるいはIgG4のヒンジ領域と組み合わされた、IgG2またはIgG4のCH1、CH2および/またはCH3ドメインを含み、後者のヒンジ領域は、重鎖に由来する部分の間での、正しいジスルフィド結合形成を促進する変異を含んでいることが好ましい(Angal S他、Mol Immunol 1993 Jan; 30(1):105〜8)。この実施態様の融合蛋白質は、高レベルの発現を容易となし、かつ完全な抗体ならびにFc領域を含有するIg融合蛋白質の正確な組み立てを向上させる。
より好ましい実施態様では、融合蛋白質は、また、Ig部分中に一つまたはそれ以上の変異を含有する。例えば、該Ig部分を変異させて、望ましくない、残存するエフェクター機能をさらに低減させる。例えば、IgG2のCH2ドメイン中のC1q結合部位を変異させる。例えば、通常のIgG4は、IgG1(Eu命名法)中の331位の対応するプロリンの代わりに、セリンを含有するので、補体と結合しない(Tao、 MA他(1993) J. Exp. Med. 178:661〜667; Brekke、OH他 (1994) Eur. J. Immunol. 24:2542〜2547)。IgG2中の同様な変異は、C1q結合を低減する。C1q結合に関与することが知られているその他の残基、例えは、318、320、322および297位の残基を改変して、その結果、C1q結合を減少させることができる(Duncan AR(1988)Nature:332:738〜740)。
他の一群の好ましい実施態様では、ヒンジ領域中の変異もまた存在する。例えば、抗体の軽鎖もまた存在している場合には、その通常の位置に通常の数のシステイン残基を具えているIgG1のヒンジ領域の形態が好ましい。しかし、抗体の軽鎖が、別個のペプチド鎖として存在していない場合には、第1のシステインは、他の残基へと変異されている、IgG1ヒンジが好ましい。例えば、Fc−X蛋白質、X−Fc蛋白質中、ならびに、ポリペプチド・リンカーによって、軽鎖の可変領域が重鎖に結び付けられている、1本鎖抗体中においては、かかる変異ヒンジ領域を使用すると有用である。IgG1ヒンジ中の第1のシステインは、この場合には、セリンに変異していることが好ましい。
変異ヒンジ領域を伴う、第2の種類の実施態様では、2個の重鎖間における効果的なジスルフィド結合を可能とする、変異型IgG4ヒンジを使用する。
変異ヒンジ領域を伴う、第3の種類の実施態様では、最初の2個のシステインがそれぞれ他のアミノ酸へと変異されている、変異型IgG2ヒンジが、ハイブリッド・イソイプ抗体またはIg融合蛋白質中で使用される。かかる変異ヒンジは、また、専らIgG2に由来している、抗体またはIg融合蛋白質中で好適に使用できる。例えば、配列 ERKSSVECPPCP(配列番号:1)を有する、改変IgG2ヒンジを、抗体またはIg融合蛋白質に応じて使用する。他のヒンジの有用な種類は、例えば、その中では、ダッシュより前の5個のアミノ酸は、IgG4に由来し、残りのアミノ酸は、IgG2に由来している、配列 ESKYG−VECPPCP(配列番号:2)のような、IgG2ヒンジとIgG4ヒンジとのハイブリッドである。これらのヒンジ実施態様は、該蛋白質の正しい組み立てを促進するので、これらの実施態様は、特には、真核細胞から発現し、分泌される抗体およびIg融合蛋白質に関して有用である。これらの実施態様は、IgG1ヒンジに対する代替として、使用してもよい。これら抗体ヒンジの実施態様の鍵となる特徴は、それらは、システイン残基2個のみを有している点であることである。
さらに他の実施態様の種類は、Igと非Ig部分との間の結合部における、ハイブリッド・イソタイプIg融合蛋白質のIg部分における改変に関連している。一つの実施態様では、融合蛋白質のアミノ酸配列中の変換は、該Ig部分と非Ig部分との結合部に選択的であり、好ましくは、結合点の10個のアミノ酸中に存在する。より好ましくは、該アミノ酸の変更は、抗体部分のC末端リジンの、アラニンまたはロイシンなどの疎水性アミノ酸への変更を含んでいる。
他の実施態様は、融合蛋白質の半減期を短縮することが望ましい状況において、有用である。IgG3は、CH3ドメイン中に位置するFcRn/FcRp結合部位における変異のため(H435からR)、他のIgGイソタイプと比較して、短い半減期を有する(Ward、ES.and Gheti、V (1995) Therapeutic Immunology 2:77〜94 参照)。短期間の曝露が望ましい際には、IgG3 CH2ドメインおよびCH3ドメインを具える融合蛋白質を、使用することが可能である。この実施態様によれば、IgG1ヒンジと組み合わせて、IgG3 CH3ドメインを使用することが有用である。かかるIgG1(ヒンジ)−IgG3(CH3)融合蛋白質は、IgG3ヒンジとIgG3 CH3ドメインを含有するIg融合蛋白質と比較して、優れた発現特性と組み立て特性とを有している。
短い血漿半減期、低減されたエフェクター機能、ならびに効率的な組み立て性を有するように、設計されるIg融合蛋白質のより好ましい実施態様では、ヒンジ領域は、IgG1に由来し、CH2ドメインは、IgG2に由来し、そして、CH3ドメインは、IgG3に由来している、ハイブリッドIg領域が使用される。

IgG/IgAハイブリッド・イソタイプ
本発明の別の実施態様は、高められたプロテアーゼ耐性と、増強された血漿半減期を具えたハイブリッド・イソタイプIg融合蛋白質を提供する。この実施態様は、特には、例えば、Ig融合蛋白質薬剤の経口的な送達において、消化管またはその他の粘膜組織のような、プロテアーゼが豊富な環境に、Ig融合蛋白質が曝露される状況に、有用である。この実施態様では、IgGおよびIgAの定常領域の要素を含有しているIg融合蛋白質が提供される。好ましい実施態様では、IgA1のヒンジと、IgGのCH2およびCH3ドメインとが利用される。別の好ましい実施態様では、IgAのFc領域中のO−結合糖鎖形成部位をコードするアミノ酸部分が、IgGのFc領域中に挿入される。

IgG/IgMハイブリッド・イソタイプ
本発明のさらに他の実施態様は、IgAまたはIgMのオリゴマー化特性を具えるが、IgGに特徴的なエフェクター機能を有している、ハイブリッド・イソタイプ抗体ならびにIg融合蛋白質を提供する。例えば、IgMのCH3およびCH4ドメインに融合されている、IgG1またはIgG3のヒンジ領域とCH2ドメインを含んている蛋白質が提供される。より好ましい実施態様では、重鎖ならびに軽鎖の可変領域を含み、かつ、IgMのCH3およびCH4ドメインに融合されている、IgGヒンジとCH2領域をも含んでいる抗体が、提供される。他のより好ましい実施態様では、その中で、Xは、好ましくは細胞表面受容体に対するリガンドであり、また、Fc部分は、IgMのCH3およびCH4ドメインを含んでいる、X−Fc型のIg融合蛋白質が、提供される。かかる分子は、IgGのADCCエフェクター機能に、IgMの高い結合価を組み合わせている。
IgMまたはIgAのCH4ドメインを利用する、ハイブリッド・イソタイプの好ましい実施態様では、該CH4ドメインのC末端システインを変異させて、J鎖へのジスルフィド結合を阻止する。これは、Ig融合蛋白質の消化管中へ分泌を抑制している。

好ましい非Ig部分
本発明の融合蛋白質中における、非Ig部分の好ましい種類は、Ig融合蛋白質の一部ではない際には、通常、細胞外にある蛋白質または部分である。例えば、ホルモン、サイトカイン、ケモカイン、分泌酵素、あるいは膜貫通型受容体の細胞外部分である。
好ましい実施態様では、該非イムノグロブリン成分は、抗肥満蛋白質などの蛋白質である。例えば、非イムノグロブリン成分とは、レプチン、CNTF、CLC/CLF−1、またはAcrp30の一部である。
さらに他の好ましい実施態様では、非イムノグロブリン成分は、エリスロポエチンまたはEPOなどの蛋白質である。
他の好ましい実施態様では、該融合蛋白質の非イムノグロブリン成分は、ホルモンである。例えば、非イムノグロブリン成分は、インシュリン、成長ホルモン、またはグルカゴン様ペプチド1(GLP−1)である。
他の実施態様では、該融合蛋白質の非イムノグロブリン成分は、サイトカインである。本明細書では「サイトカイン」という用語は、そのサイトカインに対する受容体を有する細胞中で特異的応答を惹起する、天然に存在する、または組換え蛋白質、それらの類縁体、ならびにそれらの断片を記述するために使用する。サイトカインは、細胞によって産生され、分泌されることが可能な蛋白質であることが好ましい。好ましくは、サイトカインには、インターロイキン−2(IL−2)、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−10、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、L−16およびIL−18などの、インターロイキン類、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、G−CSFおよびエリスロポエチンなどの、造血因子、TNFαなどの腫瘍壊死因子(TNF)、リンホトキシンなどのリンホトキシン類、レプチンなどの代謝過程制御因子、インターフェロンα、インターフェロンβ、およびインターフェロンγなどの、インターフェロン類、ならびにケモカインが含まれる。好ましくは、本発明のIg−サイトカイン融合蛋白質は、サイトカインの生物活性を示す。
他の好ましい実施態様では、該融合蛋白質の非イムノグロブリン成分は、生物活性を具えたリガンド結合蛋白質である。かかるリガンド結合蛋白質は、例えば、(1)細胞表面における、受容体−リガンド相互作用を遮断するか、または(2)血液の流体相中の分子(例えば、サイトカイン)の生物活性を中和することで、それによって、それがその細胞標的に到達するのを防ぐことができる。好ましいリガンド結合蛋白質には、CD4、CTLA−4、TNF受容体、またはIL−1やIL−4受容体などのインターロイキン受容体が含まれる。好ましくは、本発明の抗体受容体融合蛋白質は、該リガンド結合蛋白質の生物活性を示す。一つの非常に好ましい実施態様は、蛋白質薬剤 エンブレル中で使用される、細胞外TNF受容体ドメイン断片を、TNFR−ヒンジ−CH2−CH3またはヒンジ−CH2−CH3−TNFRの形態で含んでおり、その中の、該CH2ドメインおよびCH3ドメインは、IgG2またはIgG4に由来しており、該二量体Fc中の2個のヒンジ領域それぞれは、3個またはそれ以下のシステイン、さらに好ましくは、2個またはそれ以下のシステインを有する。
好ましいリガンド結合蛋白質の他の種類は、蛋白質よりは、小さい分子と結合する能力を有している。例えば、アビジンを、ハイブリッド・イソタイプIg部分、例えば抗体に融合すると好便である。そして、該ハイブリッド・イソタイプ抗体−アビジン融合体は、マウスまたはヒトなどのほ乳類に投与されると、該抗体のV領域の特異性によって決定される、体内の標的組織中に集中する。該抗体−アビジン融合蛋白質が、十分に体内から排除された後、ビオチンと治療分子との複合体が投与される。該ビオチン複合体は、アビジンとの結合によって、該標的組織中に集中し、その結果、非標的組織中における、該治療分子の濃縮によって引き起こされ得る副作用が減少する。この戦略は、その他のリガンド/リガンド結合蛋白質の対によっても、利用することができる。
他の好ましい非イムノグロブリン部分の種類は、酵素である。例えば、独特の特異性を具える酵素を、ハイブリッド・イソタイプIg部分、例えば抗体に融合することができる。そして、該ハイブリッド・イソタイプ抗体−酵素融合体は、マウスまたはヒトなどのほ乳類に投与されると、該抗体のV領域の特異性によって決定される、体内の標的組織中に集中する。本発明の一つの好ましい治療方法では、該抗体−酵素融合蛋白質が、十分に体内から排除された後、該酵素によって切断され、活性型になることができる、プロドラッグが投与される。該活性化された薬剤は、標的組織中に集中されていき、その結果、非標的組織中における、活性化された薬剤分子の濃縮によって引き起こされ得る副作用が減少する。この実施態様の非常に好ましい形態では、該活性化された薬剤は、例えば、細胞傷害性薬剤などの、抗癌剤である。他の非常に好ましい実施態様では、該酵素自体が治療活性を有する。例えば、オンコナーゼなどのRNアーゼを、ハイブリッド・イソタイプ抗体融合蛋白質と結合させて、抗体V領域によって、腫瘍を標的とさせる。

核酸
本発明はまた、ハイブリッド・イソタイプを具えるIg融合蛋白質および完全な抗体の発現および分泌を促進する、新規な核酸配列、ならびに、かかる核酸の構築方法を提供する。
抗体蛋白質をコードする遺伝子配列の特に有用な特徴は、その可変領域、CH1、ヒンジ、CH2、CH3およびCH4領域は、別々のエキソンによってコードされることである。この特徴は、「エキソン・シャッフリング」によるハイブリッド・イソタイプIg融合蛋白質の操作を容易としている(Zuckier他、 Cancer Research (1998) 58:3905〜8、Poon他、 J. Biol. Chem. (1995) 270:8571〜7、Jefferis R他、Mol. Immunol. (1990) 27:1237〜40、Chappel M.S.、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1991) 88:9036〜40、Senior BW他、 Infect. Immun. (2000) 68:463〜9)。
Fc融合蛋白質の場合、核酸分子は、様々な構造の蛋白質をコードすることができる。一群の好ましい実施態様では、核酸分子は、5’から3’方向に向かって、(i)シグナル配列、イムノグロブリンFc領域および標的蛋白質配列、または(ii)シグナル配列、標的蛋白質、およびイムノグロブリンFc領域、あるいは(iii)シグナル配列、第1標的蛋白質、イムノグロブリンFc領域、および第2標的蛋白質を順次コードする。それによって、得られた核酸分子は、そのXおよびYは、標的蛋白質または蛋白質類である、Fc−X、X−Fc、またはX−Fc−Y構造をコードする。例えば、XおよびYは、それ自身融合蛋白質であることが可能である。場合によっては、リンカー複数が、これらの部分の間に、コードされていてもよい。
同様に、本発明においては、完全な抗体Ig融合蛋白質は、重鎖部分のそれぞれおよび軽鎖部分のそれぞれ、そのN末端のシグナル配列をコードするように設計する。
本発明の核酸を、複製可能な発現ベクター中に、機能的に関連づけて組み込まれ、そして、それは、融合蛋白質の産生に適した、真核宿主細胞中に導入することができる。得られたIg融合蛋白質は、効率的に産生され、該真核宿主細胞から分泌される。分泌されたIg融合蛋白質は、真核宿主細胞を溶解することなく、培地から収集することができる。該蛋白質産物は、所望する通常の試薬を使用して、活性を測定し、かつ/または、いずれも汎用の技術を使用して、精製し、かつ/または融合パートナーから分離することができる。あるいは、本発明の核酸は、細菌細胞中に導入して、そして、標準的技術に従って、得られたIg融合蛋白質の精製することができる。
本発明はまた、細胞中で産生される抗体およびIg融合蛋白質の濃度を高める方法を提供する。該方法は、真核細胞、好ましくはほ乳類細胞中での産生に適用することが好ましい。例えば、該方法においては、Ig部分のドメインをコードしている核酸配列を、他の抗体イソタイプのドメインをコードしている対応の配列、または変異配列で交換して、本明細書中で記載するような、改変蛋白質の産生を評価することによって、発現濃度を比較し、最高濃度を与える特定の発現構造物を選択することによって、原料抗体あるいはIg融合蛋白質の産生が向上される。このプロセスは、反復して使用することが可能である。ヒンジ領域を交換することは、特に有用である。

治療
本発明はまた、改変された抗体およびIg融合蛋白質を使用する治療方法を提供する。従って、本発明は、効率的かつ安価である製造方法、ならびにより免疫原性の少ない蛋白質を提供する。
本発明の、前述およびその他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明、図面、ならびに、それに続くクレームによって、さらに明らかとなろう。

定義
本発明においては、イソタイプによって、抗体の機能活性を決定している、イムノグロブリンの重鎖定常(C)領域の種類を表す。IgA、IgG、IgM、IgDおよびIgEを含む5種類の主なクラスがある。
IgAは、α重鎖で特徴付けられるイムノグロブリンのクラスを意味する。
IgDは、β重鎖で特徴付けられるイムノグロブリンのクラスを意味する。
IgEは、ε重鎖で特徴付けられるイムノグロブリンのクラスを意味する。
IgMは、μ重鎖で特徴付けられるイムノグロブリンのクラスを意味する。
IgGは、γ重鎖で特徴付けられるイムノグロブリンのクラスを意味する。
「ガンマ1」または「γ1」は、IgG1に由来する重鎖またはその一部分を意味する。同様に、「ガンマ2」または「γ2」は、IgG2に由来している。以下同様。
本発明においては、アロタイプによって、イムノグロブリンの同一重鎖C遺伝子の対立遺伝子多型を意味する。これらの決定素は、全てではないが、いくつかの種において、見出される。
本発明においては、イディオタイプは、抗体の可変(V)領域上に見出される抗原決定基を意味し、個別的に再編成されている、VHおよびVL遺伝子による。
本発明においては、FcRpとしても知られる、FcRnは、IgGのクリアランスを調節する、ベータ−2ミクログロブリン含有新生児腸輸送受容体を意味し、また、抗体のin vivoにおける循環半減期に重要である。
本発明においては、FcγRI、RII、およびRIIIを含む、FcγRは、IgG分子のFc部分に結合し、そして、エフェクター細胞機能を引き出す、細胞表面受容体を意味する。FcγRは、食細胞、Bリンパ球、NK細胞および樹状細胞上で発現する。
本発明においては、「IgG1」や「IgG2」、あるいはその他のIg分子は、重鎖と軽鎖を含んでいる完全な抗体、またはそれの一部を意味する。
本発明においては、「2価モノマー」は、通常の抗体中で形成されるジスルフィド結合の形成によって、通常二量体化されている、抗体、Fc融合体、または抗体融合体を意味する。かかるジスルフィド結合の形成は、一般的に、変性・非還元SDSゲル上では、還元条件で見出される見かけの分子量の約2倍である、見かけの分子量を有する1本のバンドとして移動する、Fc含有蛋白質の能力によって推定される。2価モノマーの存在は、また、正確な分子量に対応する、限外ゲル濾過クロマトグラフィー中におけるピークの存在によっても推測される。その他の蛋白質サイズを測る方法もまた、2価モノマーの存在を確認するために使用することが可能である。
本発明においては、「Ig融合蛋白質」とは、好ましくは、非抗体または非イムノグロブリン(非Ig)蛋白質の一部または全体である、第2の部分に結合した抗体の一部または全体を含有する融合蛋白質を意味する。イムノサイトカイン、Fc−X蛋白質、X−Fc蛋白質、およびX−Fc−Y蛋白質は、全て、Ig融合蛋白質の例である。同様に、その中で、非Ig部分が2個のIg部分またはドメインの間に位置している融合蛋白質は、Ig融合蛋白質の一種を構成する。
本発明においては、蛋白質の「アセンブリー」とは、蛋白質の適切な折りたたみ、および正しい多量体状態へのオリゴマー化を意味する。組み立ては、当該技術分野において確立されている、多くの手法によってモニターすることができる。実際には、ジスルフィド結合に関して、蛋白質の正しい組み立ては、非還元ならびに還元SDSゲル上での移動を比較することによって、簡便にモニターすることができる。仮に、所与の蛋白質種が、非還元ゲル上では複数のバンドを形成するが、還元SDSゲル上では1本のバンドを形成するならば、高々、非還元SDSゲル上のバンドのうち1本のみが、正しく組み立てられた種であると推測できる。あるいは、限外ゲル濾過クロマトグラフィーを使用して、より高次のオリゴマーならびに正しくないジスルフィド結合または非共有相互作用に因って形成されるかもしれない凝集体から、単位蛋白質を弁別することができる。
本発明においては、抗体部分の「ドメイン」は、ヒト中において、抗体遺伝子中、個々のエキソンによってコードされているアミノ酸部分に対応する、構成上のドメインを意味する。例えば、IgGの定常ドメインは、CH1、ヒンジ、CH2およびCH3ドメインである。場合によっては、ヒンジおよびCH2ドメインは、同一のエキソンによってコードされている。幾つかの場合には、ヒンジとCH2ドメインとの間の結合部は、他のヒンジ/CH2結合部との整列対照によって特定される(Paul、前掲引用、p.46〜49)。
本発明においては、ドメイン、蛋白質、領域または分子は、完全なドメイン、蛋白質、領域、または分子、あるいは、それらの部分、変異体または操作された形態、または主にそれらから誘導されている形態を意味する。該部分、変異体、または操作された形態は、完全なドメイン、蛋白質、領域、または分子に特徴的な機能特性を有していることが好ましい。本発明においては、「主に由来している」とは、天然に存在する蛋白質またはドメインの特定の配列に由来する、そのアミノ酸の少なくとも95%を有することを意味する。例えば、ヒトIgG2 CH2ドメインに主に由来している配列は、アミノ酸の整列対比において、ヒトIgG2 CH2ドメインと少なくとも95%同一である。
本発明においては、「改変されたIgG1ヒンジ」とは、その中のシステイン、好ましくは第1システインが他のアミノ酸に変異されている、IgG1由来のヒンジ領域を意味する。このシステインは、通常、抗体軽鎖とジスルフィド結合を形成する。改変されているIgG1ヒンジは、軽鎖を欠失するか、あるいは、軽鎖に結合できる他のシステインを有する蛋白質において、特に有用である。
本発明においては、「エリスロポエチン分子」は、一般的に、脊椎動物のエリスロポエチンと同一の構造および同様のアミノ酸配列を有する分子を意味する、場合によっては、変異を含んでもよい。例えば、実施例18は、変異の有していないヒトエリスロポエチンならびに4個の変異を有するヒトエリスロポエチン変種の使用について説明する。

発明の詳細な説明
本発明は、イムノグロブリン融合蛋白質のin vivoおよびin vitro産生を促進する手法および構成を提供する。特には、本発明は、イムノグロブリン融合蛋白質の発現、凝集、および/または折りたたみ特性を改善するために有用な方法を提供する。本発明は、部分的に、イムノグロブリン融合蛋白質は、融合パートナーとして、野生型イムノグロブリンの代わりに、ハイブリッド・イムノグロブリンを使用する際、凝集および/または折りたたみの問題が少なく、高濃度で発現されるという驚くべき観察に基づいている。IgG1やIgG2などの野生型イムノグロブリンは、in vivoとin vitroのいずれでも効率的に発現される、うまく折りたたまれた蛋白質であると考えられでいるため、ハイブリッド・イムノグロブリンに付随して、改善された融合蛋白質の産生特性は、予想の外である。
従って、本発明の一つの形態には、ハイブリッド・イムノグロブリン(またはハイブリッドIg)部分を含んでいるイムノグロブリン融合蛋白質を発現するために有用な方法および構成が含まれている。好ましいハイブリッド・イムノグロブリンは、IgG1ヒンジならびにIgG2 CH2およびCH3ドメインを含んでいる。他の好ましいハイブリッドは、IgG1およびIgG4のドメインを含んでいる。
抗体の構造
抗体は、Y字型の分子であり、2個の重(H)鎖と2個の軽(L)鎖とで構成されている。重鎖はそれぞれ、ジスルフィド結合によって軽鎖と結合されており、該2本鎖が互いに対して適切な配向をとるには、共有および非共有相互反応に頼っている。これら2本鎖のアミノ末端にある可変ドメインは、抗原結合部位を含有しており、CH1ドメインと共に、該分子のFab末端を定めている。
該4本の鎖は、該複合体を安定化するため、重鎖間の疎水性結合ならびに1個またはそれ以上の鎖間のジスルフィド結合を利用している。従って、完全なイムノグロブリンは、2個の同一の抗原結合部位を具える2価である。ある種のイムノグロブリン、例えば、IgMおよびIgAでは、通常、更なる多量体化が進行する。
ポリペプチド鎖それぞれは、2個〜5個のドメインを有しており;軽鎖は、2個のドメインを含んでおり、一方、重鎖は、4個または5個を含んでいる。各鎖の単一のアミノ末端ドメインは、極めて大きな配列変動の故、可変と称され、いくつかのカルボキシ末端ドメインは、定常領域と呼ばれている。重鎖の領域は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、CH4と番号を付けされており、Fc受容体(FcR)結合および補体固定を含む、多くの重要な抗体機能を担っている。
5種類の主要なイソタイプ型の重鎖C領域があり、IgA、IgG、IgD、IgE、IgMと分類され、それぞれ、特徴的なエフェクター機能を具えている(IgGは、4個のγイソタイプサブクラス、γ1、γ2、γ3、γ4に区分される)。軽鎖の定常領域は、ただ一つのCドメインを有し、別個な機能的特質が判明していない、2種類のクラス、CκおよびCλのうちの何れかである。(W.E.Paul著、1993、Fundamental Immunology、Raven Press、New York、N.Y.)。
イムノグロブリンの全ては、該分子のFabとFc領域を分離している、重鎖のCH1ドメインのC末端に位置するヒンジ領域を有している。大半の場合、該ヒンジ領域は、該分子の抗原結合(Fab末端)成分とエフェクター相互反応(Fc)成分との間に、大きな度合いの柔軟さを可能としており、それによって、該抗体の2個の鍵となる機能要素を連結している。IgGイソタイプ中では、鎖間のジスルフィド結合は、一般的にこのヒンジ領域内に形成され、最終的な4量体分子を形成する。
IgM以外では、ヒンジ領域では、プロリン、セリンおよびトレオニン、二次構造の形成を防止する傾向を持ち、また、ヒンジに柔軟性を与えると考えられるアミノ酸が支配的である。融合蛋白質にしばしば利用される、IgG1イソタイプは、ヒンジ領域中に、重鎖を相互に連結する、2個のジスルフィド結合を有する。対照的に、IgG2イソタイプは、4個のジスルフィド結合を有する(図1)。本発明においては、これらのジスルフィド結合は、実施例中の予期せぬ知見で示すように、抗体ならびにIg融合蛋白質の正しくない組み立てを促進する傾向がある。

Ig融合蛋白質の有用な構造
イムノサイトカインは、本発明の方法および構成が有用である、腫瘍を標的とする融合蛋白質治療の一例に過ぎない。その他の腫瘍毒性分子もまた、本発明に従って、腫瘍特異的抗体との融合によって、腫瘍を標的とすることが可能である。加えて、ウイルス感染細胞などの、他の種類の病変細胞を、本発明にかかる抗体融合蛋白質で攻撃することも可能である。
本発明の方法および構成はまた、Fc−XおよびX−Fc技術の利用と組み合わせると有用である。本発明においては、融合蛋白質中でのハイブリッド抗体イソタイプの利用は、イムノグロブリンのFc部分に連結される、関心のある標的蛋白質あるいはポリペプチドの産生および収集を向上させる。Fc−X融合蛋白質では、イムノグロブリン遺伝子のFc断片がその後に続いている、シグナルペプチドは、標的蛋白質に対するN末端の融合パートナーである。そして、該融合蛋白質は、宿主細胞、例えば、天然に該イムノグロブリンを発現する細胞などの、ほ乳類細胞中で発現される。N末端の融合パートナー中のシグナルペプチド−Fc断片は、該標的蛋白質を分泌経路へと向かわせ、該融合蛋白質は容易に分泌される。加えて、通常、糖鎖が付加され、また、中性pHで強く荷電されている、Fc断片の使用は、より高い疎水性の蛋白質の可溶化を容易にする。分泌経路を介する、Fc−X融合蛋白質の標的化はまた、細胞内部における蛋白質毒性に関連する問題を緩和し、そして、安定した細胞株の単離を容易とする。該融合蛋白質産物は、生物学的活性および酵素的活性をともに保持している、その天然の構造で、培地から簡単に回収されるので、容易に評価ならびに精製できる。この技術の有効性は、Fc−レプチンならびにFc−エリスロポエチンによって、検証された。これらの利点のいくつかはまた、X−Fc蛋白質類に受け継がれている。
本発明においては、抗体部分の有用な融合物の例には、Fc−X、X−Fc、およびX−Fc−Y蛋白質が含まれる。かかる蛋白質は、そのN末端、C末端、またはN末端およびC末端の両方に融合されている非抗体蛋白質または蛋白質断片を具えている、Fc領域を含有している。Fc領域との融合の有利な効果の一つは、融合パートナーの血漿半減期を、顕著に延長できることである。第2の有利な効果は、該Fcに連結することによって、「X」は、効果的に二量体化できることである。例えば、エンブレルは、TNF受容体の一部とヒトIgG1 Fc領域とで成る融合蛋白質である。
本発明のいくつかの実施態様では、X−Fcの配向で、ハイブリッド・イソタイプを有する融合蛋白質を設計することが特に有利である。これらの構造をとる、該標的蛋白質は、N末端の融合蛋白質で、該Fc断片がそれに続いている。例えば、リンパ球細胞表面糖蛋白質(LHR)を用いる(米国特許第5428130号参照)などの、いくつかの蛋白質には、この方策が有用である。
本発明においては、抗体をベースとした組換え型融合蛋白質の効用は、蛋白質またはサイトカイン治療単独よりも良好であったとしても、抗体融合蛋白質は、遊離抗体よりも著しく短いin vivoの循環半減期を持つため、循環系からのin vivoで迅速な排除によって、限定される可能性がある。かかる減少された循環半減期は、おそらくは、Fc受容体(FcR)を介した、増加された排除の結果であろう。イソタイプの交換は、半減期などの特徴を変更できる1つの機構であることが証明されている。2個のイムノサイトカインの半減期の向上が、ヒト重鎖C領域のイソタイプをIgGγ1またはIgGγ3から、低減されたFcR結合を有するイソタイプの、IgGγ4へと変更することによって、実証されている(Cancer Research 59(9):2159〜66、 1999)。該IgG4をベースとしたイムノサイトカインおよび融合蛋白質は、10分の1に低減されたFcR結合と、減少されたADCCなどのFc受容体エフェクター機能とを有しているが、しかし、なお、マウス腫瘍モデルにおいて、元のIgGγ1をベースとした融合蛋白質と同等かまたはそれよりも高い有効性を示す。しかし、本発明は、単一の分子内に、異なる種類の抗体の機能的および構造的特性を組み合わせた、ハイブリッド抗体をベースとした融合蛋白質を提供する。
従って、ある種の適用では、IgG2イソタイプは、非常に抑制されたFc受容体結合を有するので、該IgG2イソタイプは、抗体融合蛋白質に優れた特性を付与する(Hulett他、 (1994) Adv. Immunol. 57:1127)。完全な抗体融合蛋白質にとっては、Fc領域のみを含有する融合蛋白質中では、γ2イソタイプを使用することが時には有利である。該原理は、完全な抗体の場合にも、同様である。他のイソタイプに由来するFc領域によって媒介される、Fc受容体への結合を回避することがしばしば望ましい。
しかし、融合蛋白質中におけるIgG2イソタイプの使用は、本明細書中で記載したように、一般的に、ある程度の不適切な組み立てを引き起こす。本発明の方法および構成は、最小限のIgG2イソタイプのエフェクター機能を有するが、このイソタイプの凝集特性は有していない抗体融合蛋白質を提供する。
本発明においては、新規ハイブリッド・イソタイプ抗体および融合蛋白質は、IgG2をベースとした融合蛋白質よりも、増進された発現と、改善された組み立てを示す。加えて、ハイブリッド・イソタイプ抗体および融合蛋白質は、Fc受容体エフェクター機能が望ましくない治療においては、増加された効果を有する可能である。

ヒンジの種類
本発明のハイブリッド・イソタイプにはまた、該ヒンジ領域が変異されたヒンジ領域、好ましくは、低減されたシステイン残基の数を持つヒンジ領域、例えば、最初のシステインがセリンへと変異されている、改変されたIgG1ヒンジ領域である抗体が含まれる。IgG1ヒンジ領域の最初のシステインは、通常軽鎖と結合する。Fc−X蛋白質またはX−Fc蛋白質、あるいは軽鎖を欠いたその他の抗体融合蛋白質中では、このシステインはその本来の機能を果たさず、従って、変異することができる。しかし、本発明においては、軽鎖は、通常IgG2 CH1ドメイン内のシステインとジスルフィド結合を形成するので、第1のシステインを欠いたIgG1ヒンジおよびIgG2 CH1ドメインを有するハイブリッド・イソタイプ抗体は、軽鎖と結合することができる。該IgG2ヒンジ内の4個のシステインは、相互にジスルフィド結合を形成していると考えられる。
本発明においては、重鎖−重鎖のホモ二量体化に関与している、該抗体またはIg融合蛋白質のヒンジ領域中のシステインは、抗体またはIg融合蛋白質の発現および組み立てに対して、顕著な影響を有する可能性がある。特には、より高いシステインの数は、正しくないジスルフィド結合形成によって、抗体またはIg融合蛋白質の正しくない組み立てにつながる可能性がある。従って、本発明は、重鎖ホモ二量体化に関与する、1個またはそれ以上のシステインの変異は、抗体またはIg融合蛋白質の発現または組み立ての向上を引き起こすことができることを開示する。好ましい実施態様では、重鎖ホモ二量体化のシステインは、一般的に好ましい順番として、セリン、アラニン、トレオニン、プロリン、グルタミン酸、グルタミン、リジン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グリシン、メチオニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンあるいはセレノシステインへと変異させることができる。
第1の、最もN末端のシステインに変異がなされている、IgG1ヒンジを使用すると特に好便である。このヒンジ領域の利点は、それは、システインを2個のみ有することである。該IgG1ヒンジ中の第1のシステインは、通常軽鎖中のシステインとジスルフィド結合を形成する。しかし、Fc−X、X−FcおよびX−Fc−Y蛋白質などの、軽鎖を欠失したIg融合蛋白質中では、該IgG1ヒンジ中の最もN末端のシステインは、かかる目的に役に立っておらず、従って、変異させることができる(Lo他、 Protein Engineering 11:405〜500 (1998))。実施例中に記載するように、IgG2 CH1ドメインは、軽鎖とジスルフィド結合を形成することができるシステインを有するので、システイン2個のIgG1ヒンジは、なおはそのCH1ドメインはIgG2に由来している、完全な抗体また完全な抗体融合蛋白質中で使用することができる。
Fc受容体
IgG分子は、IgG型の抗体に特異的な3種類のFcγ受容体(FcγR)、すなわち、FcγRI、FcγRII、およびFcγRIIIを含む、複数種類の細胞受容体と相互作用する。これらの受容体は、抗原抗体複合体の取り込みの任をおっている。Fc上のFc受容体結合部位は、ヒンジに近隣するCH2ドメイン上に見いだされ、そして、抗原に対するV領域の結合が、軽鎖定常領域を移動させ、該ヒンジに対する立体的な遮蔽の解消を助けると考えられる。このように、抗原と結合された抗体は、Fc受容体に選択的に結合される。
「保護受容体」(FcRp)または「新生児受容体」(FcRn)とも称される、第4の受容体は、抗体抗原複合体のエンドサイトーシスと、そのエンドソーム内で解離の後、エンドソームから抗体を再利用するのに任をおっている。FcRpへの結合部位は、3次元抗体構造中のCH2ドメインとCH3ドメインとの間の結合部に見いだされる。IgG抗体の血漿半減期は、機能的FcRpとの相次ぐ相互作用に依存する。その他の種類の抗体、例えば、IgM、IgD、IgE、およびIgAは、FcRpに結合しない。
ある種の抗体のその他の結合相手は、補体の固定を媒介する、C1qである。
Fc受容体とFcRpとの相互作用はまた、Fc部分を含有する融合蛋白質の生物学的活性および代謝に影響を及ぼす。
例えば、僅かにしかFcRへ結合しない融合蛋白質は、良くFcRに結合する対応の融合蛋白質よりも、長い血漿半減期を有する。僅かにしかFcRpへ結合しない融合蛋白質は、良くFcRpに結合する対応の融合蛋白質よりも短い血漿半減期を有する。
例えば、IgG2のCH2ドメインおよびCH3ドメインを含有しているIg融合蛋白質は、IgG1を含有する融合蛋白質よりも長い血漿半減期を有する。同様に、IgG3に由来するFc領域を含有している融合蛋白質は、IgG1またはIgG2を含有する対応の融合蛋白質よりも短い血漿半減期を有する。IgM、IgD、IgE、およびIgAに由来するCH2およびCH3ドメインを含有している融合蛋白質も、対応するIgG由来の融合蛋白質よりも短い血漿半減期を有する。
本発明の効用を説明するために、抗体およびIg融合蛋白質を2つの一般的な種類:その免疫学的エフェクター機能が望まれる蛋白質類、ならびにそのIg部分は、免疫学的に不活性な担体として役立ち、かつエフェクター機能を欠如している蛋白質類に区分すると便利である。前者の分類の蛋白質中では、特定の型のエフェクター機能が創製されているハイブリッド・イソタイプを用いて、蛋白質を構築すると便利である。後者の分類においては、最小のエフェクター機能を具えるある種のイソタイプの領域と、以下で説明するような、蛋白質の組み立てを促進するその他のイソタイプの領域とを含んでいるハイブリッド・イソタイプを用いて、蛋白質を構築すると便利である。
抗体およびIg融合蛋白質の組み立て
本発明は、抗体あるいはIg融合蛋白質のヒンジは、ほ乳類細胞から分泌されるIg融合蛋白質などの、融合蛋白質の適切な組み立て、ならびに凝集の欠如において、重要な役割を果たしているという発見を開示する。例えば、学説に囚われることを望むものではないが、抗体およびIg融合蛋白質の組み立てには、CH3ドメイン中の疎水性部分によって、2本の重鎖が先ず非共有的に結び付く工程を伴っていると考えられる。この会合の後、ヒンジ領域が整列し、そして、鎖間のジスルフィド結合が形成される。該ヒンジ領域は、CH3ドメイン中の疎水性部分から約50オングストロームにある。
抗体またはIg融合蛋白質の構造を設計する際、ヒンジ領域を変化させると有用である。例えば、所与の発現構築物中のヒンジ領域をコードするDNAを、異なるヒンジ領域、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA、IgD、IgE、またはIgYに由来するヒンジ領域をコードするDNAで置換すると有用である。
本発明の考えによれば、例えば、より多数のシステインを有するヒンジ領域を含有している、抗体およびIg融合蛋白質は、より少数のシステインを有する、対応の蛋白質ほどには、効率的に組み立てられない。理論に固執することは望まないが、より多数のシステインを有するヒンジ領域は、システインの間違った配列と正しくないジスルフィド結合形成のより高い可能性を示す。結果として、より多数のシステインを含んでいるヒンジ領域を有する抗体およびIg融合蛋白質は、より少数のシステインを含有するヒンジ領域を有する対応び抗体およびIg融合蛋白質と比較して、より強く凝集し、そして、複数の電気泳動種として存在することが判明している。この現象の具体例は、実施例に挙げている。
例えば、4個のシステインを含有するヒンジ領域を含む抗体およびIg融合蛋白質は、3個または2個のシステインを含有する抗体およびIg融合蛋白質よりも、より低い効率で組み立てられる。例えば、IgG2由来のヒンジ領域を含有する蛋白質は、IgG1由来のヒンジ領域を含有する対応の蛋白質よりも、より低い効率で組み立てられる。異なる例においては、IgG3由来のヒンジ領域を含有する蛋白質は、巧くは組み立てられない;IgG3ヒンジ領域は、11個のシステインを含んでいる。
特には、Fc受容体Iに対する最小の結合が望ましい場合について、本発明の効用を例証する。例えば、融合蛋白質に関しては、FcRへの結合が十分に低減されているので、IgG2に由来するCH2およびCH3領域を使用すると便利であり、ADCCは、抑制され、そして、血漿半減期は、増大される。しかし、該IgG2ヒンジ領域の使用は、得られる抗体またはIg融合物は、巧くは組み立てがなされないものとする。種々の実施例中に示されるように、IgG1ヒンジと組み合わせて、IgG2 CH2およびCH3領域を使用することが、特に好便である。
いくつかの実施例中に例示されるように、特定のヒンジあるいはその他のドメインの選択は、抗体またはIg融合蛋白質の産生濃度に影響を及ぼす可能性があることが、並行した発見である。この知見は、完全な抗体などの蛋白質薬剤は、例えば、一患者当たりの、一投与毎に、数百ミリグラムのような、大用量で投与することがしばしば必要となるので、経済的には極めて重要である。一般的に、3個または2個などの、最小のシステインの数を具えるヒンジの選択は、真核細胞発現系による抗体またはIg融合蛋白質の収量を向上することが見出される。システインの数の低減は、変異、あるいは、あるイソタイプのヒンジを他のもので置換すること、または、その両者によって、達成することができる。

プロテアーゼ耐性の増強
ヒンジ領域は、特にプロテアーゼに感受性である。古典的な実験においては、抗体は、ヒンジ領域中でのプロテアーゼ切断によって、Fab領域とFc領域とに分断されてさえいた。
IgA由来のヒンジ領域と、その他の抗体イソタイプ由来のその他の成分とを用いて、抗体およびIg融合蛋白質を構築すると便利である。例えば、抗体またはIg融合蛋白質が、経口的または、鼻、肺、膣、または直腸の粘膜などの他の粘膜表面を透過して、送達されるものである場合には、存在しているプロテアーゼから、該抗体またはIg融合蛋白質を防御するために、特にプロテアーゼ耐性な蛋白質を有することが便利である。例えば、IgAヒンジおよびIgG由来のCH2およびCH3ドメインを含有する抗体またはIg融合蛋白質を構築すると有用であり、そして、このハイブリッド・イソタイプ蛋白質は、該プロテアーゼ耐性の特質、ならびに、一旦蛋白質が循環系に入る際には、延長された血漿半減期を有するものとなる。該IgA1ヒンジ中の糖鎖付加部位は、広範なプロテアーゼに対する耐性を付与するので、IgA1のヒンジは、好ましいヒンジである。対照的に、IgA2のヒンジは、より短くて、IgA1ヒンジを特異的に切断する細菌性プロテアーゼに対して耐性である。
その他のイソタイプ重鎖もまた、プロテアーゼ耐性に寄与する、糖鎖付加部位を含有している。例えば、IgA、IgD、IgE、およびIgMは、プロテアーゼ耐性に寄与する糖鎖付加部位を、定常ドメイン中に含有している。例えば、IgE CH1ドメインは、3個のN結合型糖鎖付加部位を含有する。IgE CH1ドメインを、例えば、IgA由来のヒンジ領域、ならびに、IgG由来のCH2とCH3ドメインと組み合わせることが有用である。
あるイソタイプ由来の糖鎖付加部位を、他のイソタイプのCH2またはCH3中に取り込ませることもまた有用である。その際には、一般的に、全体のドメインが、単一のエキソンによってコードされた領域によって定められている、抗体またはIg融合蛋白質を構築することだけでは十分でなく、そのため、ハイブリッド・ドメインを構築すると有用である。例えば、IgGイソタイプに特徴的なFcRp結合特性と、その他のイソタイプに特徴的なプロテアーゼ耐性特性とを組み合わせると有用である。かかる特質の組み合わせを実現するためには、2個の異なるイソタイプに由来するアミノ酸配列を用いて、個々のドメインを構築することが必要である。そして、得られるハイブリッド・ドメインは、非Ig部分とのIg融合物を構築するために使用される。
例えば、VNLTW(配列番号:3)を含むIgE CH2ドメイン由来の一続きのアミノ酸を、IgG CH2ドメイン中の対応するアミノ酸に対して、置換することが便利である。例えば、IgG1中では、これらのアミノ酸は、VKFNW(配列番号4)であり、IgG3中では、これらのアミノ酸は、VQFKW(配列番号5)である。本発明においては、他のCH2ドメイン中の対応するアミノ酸は、その他のイソタイプの、コンピュータに基づいた、あるいは、構造的な整列によって、あるいは、発表された文献(Paul、W.E. Fundamental Immunology Fourth Edition、 chapter3、 p.46〜47)に基づき、決定することができる。
同様に、その他の糖鎖付加部位をIgG中に取り込ませることも、また有用である。例えば、IgD由来のNTSGF(配列番号6)またはLNASR(配列番号7)の配列を含む配列部分が、抗体またはIg融合蛋白質中のIgG由来Fc領域の対応する配列を置換するために、使用される。本発明においては、抗体定常領域内のその他の有用な糖鎖付加部位は、Paul(Fundamental Immunology Fourth Edition、 chapter3)ならびにその中の参照文献中に開示されている。
本発明のいくつかの実施態様では、非IgGの糖鎖付加部位の取り込みは、FcRpとの相互作用を減少させる。かかる場合では、プロテアーゼ耐性の増強と、血漿半減期の低減との間には、トレード・オフの関係があり、そして、かかるハイブリッド・イソタイプ蛋白質の有用性は、特定の適用の状況において、検討・評価しなければならない。
本発明においては、特定のハイブリッド・イソタイプ抗体またはIg融合蛋白質のプロテアーゼ耐性は、標準的な方法に従って測定される。プロテアーゼは、市販業者から購入でき、製造元の説明書に従って、特定のハイブリッド・イソタイプ抗体またはIg融合蛋白質の存在下で、インキュベートされる。蛋白質の分解は、例えば、SDSゲル電気泳動と、出発物質と切断生成物の定量によって測定する。
本発明においては、ハイブリッド・イソタイプ抗体またはIg融合蛋白質の、FcRpと相互作用する能力はまた、標準的な方法に従って測定する。例えば、抗体またはIg融合蛋白質の薬物動態学的特性は、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、非ヒト霊長類、またはヒトなどのほ乳類中で測定される。抗体またはIg融合蛋白質の薬物動態学的特性は、FcRp結合の実際的な示唆であり、そして一般的に、FcRp結合特性を抗体またはIg融合蛋白質中に取り込ませる目的は、抗体の薬物動態学的特性を改善することである。特定のハイブリッド・イソタイプ抗体またはIg融合蛋白質が、FcRpと相互作用するらしか否かを決定するために、FcRp−Fc複合体の3次元構造を調べることもまた便利である(Martin、W.L.他、 Crystal Structure at 2.8Å of an FcRn/Heterodimeric Fc Complex:Mechanism of pH−Dependent Binding. Mol. Cell 7 pp.867 (2001)、structure ID 1I1A http://www.rcsb.org/pdb/)。
本発明のこの形態では、そのFc領域は、IgA1由来のヒンジ領域、FcRpへの結合を媒介する、IgG2の要素を含有するCH2およびCH3領域、およびその他のIgGと比較して、低減されたエフェクター機能が有するCH2の要素を含有している、Fc−X型の蛋白質を構築することが特に有用である。

抗体またはIg融合蛋白質の結合価の増加
本発明においては、高い結合価を有し、また、より低い結合価の抗体に特徴的な、エフェクター機能またはその他の特性をも有する、ハイブリッド・イソタイプ抗体またはIg融合蛋白質を構築することが、時には有用である。IgAおよびIgMは、CH3領域中の鎖間ジスルフィド結合を介した、オリゴマー化によって、高い結合価を有する。IgAおよびIgMはまた、CH4のC末端近くのシステインからJ鎖へのジスルフィド結合を有する。IgAは、二量体であり、またIgMは、5量体または6量体であり、そのため、IgAは、4個の抗原結合部位を有し、また、IgMは、10個または12個の抗原結合部位を有する。
しかし、IgMおよびIgAは、ADCCを媒介しない。ADCCを媒介する、多価抗体またはIg融合物を構築するためには、IgGのCH2ドメインおよびIgMまたはIgAのCH3およびCH4ドメインを有する蛋白質を構築することが有用である。一般に、得られるハイブリッド・イソタイプ蛋白質は、対応するIgA含有ハイブリッド・イソタイプ蛋白質よりも結合価が高いので、IgM CH3およびCH4ドメインを使用することが好ましい。
以下の応用は、増加した結合価を具えるハイブリッド・イソタイプ蛋白質の効用を例示する。多くの腫瘍細胞は、その細胞表面上にEGF受容体を過剰発現している。該EGF−受容体はまた、多くの正常な細胞表面上でも発現されており、従って、正常細胞と腫瘍細胞の間でのEGF受容体発現の差違は、単に量的なものである。本発明の一態様においては、有用なIgG−IgMハイブリッド・イソタイプ蛋白質は、ヒトEGF受容体と弱く相互作用するV領域を含む。該V領域の親和性を選択することで、融合蛋白質は、正常細胞上のEGF−Rとは効率的に相互作用しないが、集積効果の結果として、腫瘍細胞上の過剰発現したEGF受容体とは相互作用する。IgGのCH2ドメイン、例えばIgG1のCH2ドメインの使用は、腫瘍細胞に対するADCCを媒介する。
腫瘍細胞に対する特異的殺傷を増大するために、サイトカインなどの、抗腫瘍活性を有する蛋白質に、抗EGF−R IgG−IgMハイブリッド・イソタイプ蛋白質を融合することもまた有用である。例えば、IL−2を使用することが可能である。あるいは、放射活性原子をハイブリッド・イソタイプ蛋白質に結合することも有用であり、それにより、腫瘍領域中へのハイブリッド・イソタイプ蛋白質の集中は、腫瘍への選択的な照射を引き起こされる。例えば、イットリウム−90を、IgG−IgMハイブリッド・イソタイプ蛋白質と結合することが可能である。ADCCとIL2の作用またはADCCと照射の組み合わせは、腫瘍細胞を殺傷する上で、特に有用である。
IgG−IgM融合蛋白質、例えば前述の抗腫瘍蛋白質中では、一般的に、IgG、好ましくはIgG1由来のヒンジ領域を使用することもまた有用である。IgG3由来のヒンジ領域は、このヒンジ領域は、様々な組み立てを引き起こす傾向があり、さらには、IgG3ヒンジは、容易に蛋白質分解される(Baici A他、 Scand. J. Immunol. (1980) 12、41〜50)ので、多くの適用で、余り好ましくはないIgGヒンジ領域である。
前述の例は、本発明のこの形態の一般的な原理:正常細胞よりも標的細胞種で強く発現する抗原は、高い結合価ではあるものの、比較的低い単価親和性を有する、抗体またはIg融合蛋白質によって、より効率的に標的とされる可能性がある点を説明している。
例えば、自己免疫疾患では、T細胞などのある種の免疫細胞は、より高い濃度で、サイトカイン受容体など細胞表面蛋白質を発現している。該アップ・レギュレートされている表面蛋白質を指向されている、高い結合価のIgG1、IgG2、またはIgG4−IgM抗体またはIg融合蛋白質を用いて、かかる免疫細胞を攻撃することは有用である。この方法では、該細胞表面蛋白質は存在するが、アップ・レギュレートはされていない細胞を標的とすることは、最小限に抑えられる。例えば、自己免疫疾患の発症中は、該V領域は、例えばIL−2受容体、IL−12受容体、またはその他のアップ・レギュレートされた受容体を指向している、IgG−IgM融合蛋白質で患者を処置すると有用である。ヒンジ領域およびCH2ドメインは、IgG1、IgG2、またはIgG4に由来することが好ましく、CH3およびCH4ドメインは、IgMに由来することが好ましい。該V領域は、自己免疫疾患の治療においては、IL−2またはIL−12受容体に弱く結合することが好ましい。この治療は、T細胞の部分群を殺傷するが、T細胞の全ての類は殺傷しない効果を有する。

ハイブリッド・イソタイプを有する抗体およびIg融合蛋白質を発現する発現ベクターの構築
本発明はまた、本発明の抗体および融合蛋白質をコードする核酸を提供する。本発明は、コードしている核酸は、また、転写、翻訳に際して、シグナル・ペプチドを生じさせる、分泌カセットをコードする場合に、最も良好に実施される。該シグナル・ペプチドは、一般的に、成熟した産物から切断される。分泌された融合蛋白質は、宿主細胞を溶解する必要なく、培地から収集することができ、また、活性の評価、あるいは、必要に応じて、通常の試薬を使用して、精製することができる。場合によっては、ある種の融合パートナー、例えばサイトカインCNTFの存在は、分泌カセット無しでも、Ig融合蛋白質の分泌を可能とする。
天然に存在しているイントロンは、CH1およびCH2ドメインをコードするDNAからヒンジをコードするDNAを分離するので、当業者は、イントロンを有するDNAを使用して、かかる組換えDNAの構築を実施することができる。イントロン内の制限部位を使用することができる。あるいは、該ヒンジ領域は、一般的に、ほんの約15から70のアミノ酸長であるので、例えば、オリゴヌクレオチド合成、PCR、あるいはそれらの組み合わせを用いて、ヒンジ領域全体をコードする合成DNAを構築することも可能である。そして、該合成ヒンジ・コード領域は、標準的な組換えDNA技術を使用して、Ig融合蛋白質をコードする発現プラスミド中に配置することができる。
以下の非限定的な実施例によって、さらに本発明を説明する。
実施例1: 異なる抗体イソタイプに由来するヒンジ領域とCH2領域を有するFc−X融合蛋白質を発現するプラスミドの構築
HuFcγ1−レプチンを発現するプラスミドの構築は、PCT公開公報 WO 00/040615A2中に記載されている。
IgG2由来のFcとC末端の融合パートナーとの融合物を発現するプラスミドは、以下のようにして構築した。
先ず、ヒトγ2Fcの遺伝子配列を獲得した。ヒトFcγ2をコードしている、ゲノムDNAは、ヒトPBMCから単離された、細胞DNAに対するPCRによって獲得した。フォワード側プライマーは、配列 5’ CC TTA AGC GAG CGC AAA TGT TGT GTC GAG(配列番号8)を有し、AflII制限部位 C TTA AGが、該γ2ヒンジ・コード領域 GAG CGC AAA TGT TGT GTC GAG(配列番号9)のすぐ上流に導入されている。リバース側プライマーは、配列 5’ CCTCGAG TCA TTT ACC CGG GGA CAG GGA G(配列番号10)を有し、XhoI制限部位 CTCGAGが、翻訳終止コドン(アンチコドンTCA)の直後に導入されている。加えて、リバース側プライマーにはまた、サイレント変異(下線を付したAからへの置換)によって、SmaI CCCGG Gを導入した。配列確認のために、910bpのPCR断片を、TOPO TAクローニング・ベクター(Invitrogen、Carlsbad、CA)中にクローニングした。
第2に、該ヒトγ2Fcを発現ベクター中に配置された。上部CH3領域をコードするDNA配列 CTG CCC CCA TCC CGG GAG GAG ATG ACC AAG(配列番号11)中の天然のSmaI制限部位を、重複PCR技術(Daugherty、B.L.他、 Nucleic Acids Res. 19:2471〜6、 1991)で導入したサイレント変異によって除去した。フォワード側プライマーは、配列 5’ CTG CCC CCA TC CGG GAG GAG ATG ACC AAG(配列番号12)を有し、その中の、CからAへの置換には下線が付してある。リバース側プライマーは、配列 5’ GGT CAT CTC CTC CCG GA TGG GGG CAG GGT GTA C(配列番号13)を有し、その中の、GからTへの置換には下線が付してある。配列を確認したところ、γ2のFcをコードしている、得られたAflII−XhoI制限断片は、翻訳終止コドンの上流に、単一のSmaI部位、ならびに、終止コドンの下流にXhoI部位を含有していた。そして、Fcγ2をコードする、該AflII−SmaI断片は、pdCs−huFcγ1−レプチン(PCT公開公報 WO 00/040615A2)中のFcγ1をコードする対応する制限断片を置換するために使用して、pdCs−huFcγ2−レプチンを得た。
第3に、Fcγ2のヒンジをコードするDNAは、γ1の改変ヒンジによって置換された。該γ2ヒンジ領域は、4個のシステイン・ジスルフィド結合を含有している。該γ2ヒンジのエキソンを含有するAflII−StuI断片を、下に示す。AflII部位(C TTA AG)の前には、シグナル・ペプチドをコードするDNA配列がある。グルタミン酸(E)は、γ2ヒンジの最初のアミノ酸残基である。小文字は、γ2ヒンジのエキソンに続くイントロン配列を示す。配列ccaggおよび逆向き鎖cctgg中のC−メチル化のため、該StuI制限部位(aggcct)は、DCMメチラーゼによって、ほとんどのE.coli菌株中においては、C−メチル化されている。メチル化された際には、この部位は、StuIでは切断不可能である。
Figure 0004234438
pdCs−huFcγ2−レプチン中のγ2ヒンジのエキソンを含有する、該AflII−StuI断片は、以下に示す、pdCs−huFcγ1−レプチン由来のγ1ヒンジのエキソンを含有する対応のAlII−StuI断片によって置換した。
Figure 0004234438
pdCs−huFcγ1−レプチン中のγ1ヒンジ配列は、IgG1の軽鎖とジスルフィド結合を形成するCys残基を除去する、(下線を付している)CysからSerへの変異を含有する(Lo他、 (1998) Protein Engineering 11:495〜500)。γ1およびγ2の両エキソン中のStuI部位は、C−メチル化されており、StuI制限エンドヌクレアーゼは、メチル化に感受性であるので、StuI酵素による消化に先立ち、両プラスミドは、DCM陰性の細菌株から単離された。pdCs−huFcγ1由来のヒンジ領域を有する、得られたpdCs−huFcγ2−レプチンは、pdCs−huFcγ2h−レプチンと称する(γ2h:改変されたヒンジを有するγ2)。

実施例2: huFcγ2−レプチンおよびhuFcγ2h−レプチン免疫融合物のオリゴマー化状態の特定
γ1、γ2およびγ2hイソタイプを具える、発現ベクター pdCs−huFc−huレプチンを使用して、NS/0細胞からの蛋白質発現を評価した。huFc部分がγ1、γ2およびγ2hイソタイプに由来している、異なる形態のhuFc−huレプチンの物理的状態を評価した。
前述のように、およびLo他の中に記載されたように、生成されたDNA構成物は、NS/0細胞中にトランスフェクトされ、そして、標準的手法に従って、安定した発現細胞株を創製した。
この実施例および以下の実施例では、安定したトランスフェクタントは、以下のように創製した。プラスミドDNAは、エレクトロポレーションによって、マウス・ミエローマNS/0細胞中に導入した。NS/0細胞は、10%ウシ胎児血清、グルタミン2mMおよびペニシリン/ストレプトマイシンを添加した、ダルベッコ改良イーグル培地中で増殖させた。約5×106細胞を、PBSで1回洗浄し、PBS 0.5ml中に懸濁した。次いで、氷冷したGene Pulser キュベット(電極間隙0.4cm、BioRad)内で、線状プラスミドDNA10μgを細胞とともに10分間インキュベートした。エレクトロポレーションは、0.25Vで500μFの設定において、Gene Pulser(BioRad、Hercules、CA)を使用して実施した。細胞は、氷冷下10分間回復させ、その後、増殖培地に再懸濁して、次に96ウェルプレート上に撒いた。安定にトランスフェクトされたクローンは、トランスフェクションの2日後に導入した、メトトレキセート(MTX)100nM存在下における増殖によって選択された。細胞には、3日毎に、2から3倍を供給して、そして、MTX耐性クローンは、2から3週間のうちに出現した。高い産生のものを同定するため、クローンの上清は、抗FcELISAで評価した。高い産生を示すクローンは、単離され、MTX100nMを含有する増殖培地中で増殖させた。
上清中のHuFc−huレプチンの濃度は、抗huFc抗体(西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ複合ヤギ抗huIgG、Fcγ1またはFcγ2、Jackson ImmunoResearch製)を使用して、抗huFcELISAにより測定した。比較的低い発現濃度は、γ2構築物の上清中で検出されたが、一方、γ1およびγ2h構築物では、一過性および安定トランスフェクションのいずれでも、高濃度の発現を与えている、
huFcγ2−huレプチンおよびhuFcγ2h−huレプチンをコードする同等の発現ベクターによる、一過性のトランスフェクションの場合、huFcγ2h−huレプチンは、8倍高い濃度で産生されていた。
精製のために、組織培養上清中の融合蛋白質は、プロテインA・セファロースに結合させ、その後、リン酸ナトリウム緩衝液(NaH2PO4 100mM、pH3およびNaCl 150mM)で溶出した。次いで、該溶出液は、0.1容の2M Tris−塩酸塩、pH8で中和され、ならびに、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)およびHPLC限外ゲル濾過クロマトグラフィー(SEC)で鑑定された。
融合蛋白質は、非還元条件下のSDS−PAGEで分析された。クーマシー・ブルー染色により可視化された、蛋白質バンドは、見かけ上のMW 96kDを有する、huFcγ1−huレプチンを示しており、2価モノマーであることを示唆している。SDS−PAGEによる分析は、huFcγ2−huレプチン融合蛋白質の多くは、Fc−レプチンよりも、さらに大きな見かけ上の分子量を具えた、はしご状のバンド群として泳動する、高分子型であることを示した。対照的に、huFcγ2h−huレプチンは、主に、96kDに移動する、単一の種であった。
huFcγ2h構築物の限外ゲル濾過クロマトグラフィー(SEC)分析は、SDS−PAGEの結果と良い相関があり、huFcγ2h−レプチンおよびhuFcγ1−レプチンはともに、約83%がモノマーであり、一方、対比されるhuFcγ2−huレプチン融合蛋白質は、約55%がモノマーであることを示した。
FcγR型の受容体が豊富である、固定されたJ774細胞を用いた研究は、huFcγ1−huレプチン融合蛋白質のみがFc結合性を示すことを示した。加えて、その増殖をレプチンによって誘発できるように、レプチン受容体を発現するためのトランスフェクトがなされている、BAF−3細胞(Gainsford、T.他、PNAS(1996)93:14564〜14568)を使用した。BAF3/レプチン受容体細胞を用いた研究は、huFcγ1−huレプチン、huFcγ2−huレプチンおよびhuFcγ2h−huレプチンは、レプチン生物活性については、同等であることを示した。
huFcγ2−huレプチンおよびhuFcγ2h−huレプチンを発現するほ乳類細胞の安定クローンもまた同定した。細胞のトランスフェクションは、本質的に同一の条件下で実施し、そして、同数の安定したトランスフェクト細胞をクローンし、huFcγ2−huレプチンおよびhuFcγ2h−huレプチンの産生について、試験した。huFcγ2h−huレプチンについて、最も発現するクローンは、huFcγ2−huレプチンについて、最も発現するクローンよりも、約5倍も多くのhuFc−huレプチンを生産した。
実施例3: 異なる抗体イソタイプ由来のヒンジ領域およびCH2領域を具えるX−Fc融合蛋白質を発現するプラスミドの構築
グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)のアミノ酸残基7から37(配列番号19)をコードする合成DNA配列(配列番号18)を以下に示す。
Figure 0004234438
該GLP−1ペプチドをコードするDNAの前には、C TTA AGCがあり、シグナル配列をコードするDNA断片に、このDNA断片を結合させるために、該AflII制限部位を使用した(Lo他、 Protein Engineerig)。3’末端において、該GLP−1をコードするDNAには、BamHI制限部位(GGA TCC、これは、アミノ酸残基GおよびSをコードしている)、ならびにAflII制限部位が続いており、それは、翻訳終止コドンを具えている、Fcγ2(またはFcγ2h)をコードするAflII−XhoI制限断片(実施例1参照)と連結するために使用した。

実施例4: GLP1−huFcγ2およびGLP1−huFcγ2h免疫融合物のオリゴマー化の特定
実施例3に基づき得られたベクター、pdCsGLP−1 huFcγ1、pdCsGLP−1 huFcγ2、およびpdCsGLP−1 huFcγ2hは、GLP−1(7〜37)huFcγ1、GLP−1(7〜37)huFcγ2およびGLP−1(7〜37)huFcγ2hを発現するために、ほ乳類細胞を一過性および安定トランスフェクトするために使用した。
各GLP−1huFc融合蛋白質の凝集状態および全蛋白質発現量の評価は、実施例2に記載した一般的手法を使用して、プロテインA・セファロースで精製した後、SDS−PAGEおよびHPLC−SECによって実施した。蛋白質バンドは、クーマジー・ブルー染色で可視覚化した。GLP1 huFcγ2およびGLP−1 huFcγ2hは、SDS−PAGEにおいて、約60kDの見かけ上の分子量を有していた。上清中のGLP−1 huFc変異体の濃度は、抗huFcElISAによって測定した。GLP1−huFcγ2およびGLP1−huFcγ2hをコードする同等の発現ベクターによる一過性トランスフェクションにおいては、GLP1−huFcγ2hは、約1.5倍の高い濃度で産生された。
SDS−PAGEによる全細胞溶解物の分析は、100から200kDの見かけ上の分子量で移動する、いくつかの高分子量型の存在により示されるように、GLP1−huFcγ2融合蛋白質の約半分は、正しくないジスルフィド結合を有していた。対照的に、検出可能なGLP1−huFcγ2h融合蛋白質の本質的に全ては、約60kDの見かけ上の分子量で移動した。試料をSDS−PAGE前に還元する際には、該GLP1−huFcγ2およびGLP1−huFcγ2h蛋白質は、約34kDの本質的に同一な見かけ上の分子量で移動した。
該γ1、γ2およびγ2h融合蛋白質のHPLC−SECによる比較分析は、改変されているγ2h融合蛋白質は、その他の融合蛋白質よりも、有意により多く、モノマーとなっていることを示した。単一ピークとして示されるように、改変されているGLP1−huFcγ2h融合蛋白質は、84%が2価のモノマーであり、一方、GLP1−huFcγ1とGLP1−huFcγ2融合蛋白質はともに、それぞれ、約42%と約33%の2価のモノマーに対応する、複数のピークを有していた。
従って、IgG1のヒンジおよびIgG2のCH2およびCH3ドメインを保持しているGLP−1−Fc融合蛋白質は、その中の全Fc領域がIgG1またはIgG2のいずれかに由来しているGLP1−Fc融合蛋白質よりも、驚くほど良好な組み立て特性を示した。

実施例5: IgG2 CH1、CH2とCH3ドメインおよびIgG1ヒンジを含有する、疾患細胞に特異的な、完全な抗体の構築
イムノグロブリンγ2の定常領域(CH1、ヒンジ、CH2およびCH3)をコードするゲノムDNAは、ヒトPBMCから単離した細胞DNAを使用して、PCRによって得た。フォワード側プライマーは、配列 5’ CAAGCTTTCTGGGGCGAGC(配列番号20)を有し、HindIII制限部位 AAGCTT が、CH1エキソンの約220bp上流のイントロン配列に導入された。リバース側プライマーは、配列 5’ CCTCGAG TCA TTT ACC CGG GGA CAG GGA G(配列番号21)を有し、XhoI制限部位 CTCGAG が、翻訳終止コドン(アンチコドンTCA)の直後に導入されており、また、SmaI CC CGGG が、実施例1で既に記載したように、サイレント変異によって作製されている。上部CH3領域をコードするDNA配列中の天然のSmaI制限部位はまた、実施例1で記載したように、重複PCRで導入されたサイレント変異によって除去された。当業者はまた、実施例1で得られたFcγ2をコードする制限断片を利用することによって、CH1、ヒンジ、CH2およびCH3領域をコードし、単一のSmaI制限部位を含んでいる、約1810塩基対(bp)のHindIII−XhoI制限断片が、容易に構築できることを認識するだろう。配列確認の後、γ2定常領域をコードする、該HindIII−XhoI断片を、pdHL7−huKSγ1−IL2のγ1中の定常領域−IL2をコードしているHindIII−XhoI断片を置換するために使用して、pdHL7−huKSγ2抗体を与える。
該huKSγ2h抗体の発現ベクターは、以下の通りに構築した。プラスミドpdCs−huFcγ2h−レプチンは、システインをセリンに改変されているγ1ヒンジ領域のみをコードする、約130bpのPstI−PvuII制限断片を作製するためのPCR用鋳型として使用された。フォワード側プライマーは、配列 5’ CTGCAGAGCCCAAATCTTC(配列番号22)を有し、γ1ヒンジ・エキソン(前述のCからSへの改変を有する)の始めに、天然のPstI(CTGCAG)制限部位を復元する。リバース側プライマーは、配列 5’ CAGCTGGGGCCTGTCCCTG(配列番号23)を有し、ヒンジとCH2エキソンとの間のイントロン中のPvuII部位(CAGCTG)に対応する。配列確認の後、この約130bpのPstI−PvuII制限断片を、使用して、pdHL7−huKSγ2抗体中の対応する断片と置換するために使用して、pdHL7−huKSγ2h抗体を与える。

実施例6: 疾患細胞を指向している、γ2抗体および対応するγ2h抗体の非還元状態の特定
一過性トランスフェクションのためには、IgGγ1、γ2、およびγ2hイソタイプを有するKS抗体のベクター、pdHL7は、Lipofectamine Plus(Life Technologies、Gaithersburg、MD)を使用して、供給元の手順に従って、リポフェクションによりほ乳類細胞中に導入した。安定トランスフェクタントは、実施例2で記載したように、創製された。
該改良培地(10%血清)中のKS抗体は、プロテインA・セファロース(Repligen、Cambridge、MA)に捕捉し、次に、SDS−PAGEによる特定に先立ち、2−メルカプトエタノールを添加した、または添加していない蛋白質試料緩衝液中で煮沸することによって溶出した。クーマジー・ブルー染色による可視化は、非還元KSγ2抗体は、約150kDの分子量複数を有する、いくつかの種として移動することを示した。対照的に、KSγ2h抗体は、見かけ上の分子量が150kDの主要なバンドとして移動した。KSγ2抗体およびKSγ2h抗体をSDS−PAGE前にメルカプトエタノールで還元すると、重鎖と軽鎖とに対応する、同一のバンド・パターンが、KSγ2抗体およびKSγ2h抗体の双方ともに観測された。
学説に囚われることを望むものではないが、これらの観察は、KSγ2において、見出だされた、該個別的に移動する種は、ジスルフィド結合のパターンのバラツキによることを示唆する。
KSγ2抗体およびKSγ2h抗体を発現する、ほ乳類細胞の安定したクローンもまた、同定した。細胞のトランスフェクションは、本質的に同一の条件下で実施され、同様の数の安定にトランスフェクトされた細胞をクローニングし、huFc KSγ2抗体およびKSγ2h抗体の産生を試験した。KSγ2h抗体を最も良く発現する4個のクローンは、組織培養上清の1ml当たり、約114、98、85および49マイクログラムの抗体を生産し、一方、同じ条件下で、huFc KSγ2抗体を最も発現する4個のクローンは、組織培養上清の1ml当たり、約36、34、15および13マイクログラムの抗体を生産した。

実施例7: IgG2 CH1、CH2、とCH3ドメインおよびIgG1ヒンジを含有する、完全な抗体を含む融合蛋白質の構築
この実施例では、抗体部分がハイブリッド・イソタイプを有する抗体融合蛋白質の有用性を検証した。
huKSγ2−IL2用の発現ベクター、pdHL7−huKSγ2−IL2は、配列 GGGTAAATGA (配列番号24)とそれに続くXhoI付着末端を含有する、pdHL7−huKSγ2抗体中のSmaI−XhoI制限断片を、pdHL7−huKS−IL2から単離されたSmaI−XhoI制限断片で置換することによって構築した。この後者の断片は、翻訳終止コドンを含んでいる、成熟IL2をコードするDNA配列が、その直後に続いている、配列 GGGTAAA を含有する。得られる発現ベクター、pdHL7−huKSγ2−IL2は、蛋白質発現のため細胞をトランスフェクトするために使用した。
同様に、huKSγ2h−IL2用の発現ベクター、pdHL7−huKSγ2h−IL2は、配列 GGGTAAATGA (配列番号24)とそれに続くXhoI付着末端を含有するpdHL7−huKSγ2h抗体中のSmaI−XhoI制限断片を、前段落で説明した、pdHL7−huKS−IL2から単離されたSmaI−XhoI制限断片で置換することによって構築した。得られる発現ベクター、pdHL7−huKSγ2h−IL2は、蛋白質発現のため細胞をトランスフェクトするために使用した。

実施例8: γ2抗体融合蛋白質および対応するγ2h抗体融合蛋白質の非還元状態の特定
一過性トランスフェクションのため、KSγ2−IL2およびKSγ2h−IL2をコードするプラスミドは、Lipofectamine Plus(Life Technologies、Gaithersburg、MD)を使用して、供給元の手順に従って、リポフェクションによりほ乳類細胞中に導入した。
安定にトランスフェクトされたクローンを得るために、プラスミドDNAは、実施例2で記載したように、エレクトロポレーションによってマウス・ミエローマNS/0細胞中に導入した。
γ2およびγ2hイソタイプを有するKS−IL2融合蛋白質は、実施例6で記載したように、SDS−PAGEによって同定した。該改良培地(10%血清)中の抗体融合蛋白質を、プロテインA・セファロース(Repligen、Cambridge、MA)に捕捉し、次に、SDS−PAGEによる特定に先立ち、2−メルカプトエタノールを添加した、または添加していない蛋白質試料緩衝液中で煮沸することによって溶出した。クーマジー・ブルー染色による可視化は、非還元KSγ2−IL2は、約180kDの分子量を有する、いくつかの種として移動することを示した。対照的に、KSγ2h−IL2は、約180kDの見かけ上の分子量を有する主要なバンドとして移動した。KSγ2−IL2およびKSγ2h−IL2をSDS−PAGE前にメルカプトエタノールで還元すると、重鎖−IL2および軽鎖に対応する、同一のバンド・パターンがKSγ2−IL2およびKSγ2h−IL2の両方ともで観測された。
学説に囚われることを望むものではないが、これらの観察は、KSγ2−IL2において、見出だされた、該個別的に移動する種は、ジスルフィド結合のパターンのバラツキによることを示唆する。
改変されているγ2hイムノサイトカインは、動物で試験され、そして、元のIgGγ1をベースとしたイムノサイトカインと対比して、動物腫瘍モデルにおいてより効果を有する、延長された半減期を有する。
KSγ2−IL2およびKSγ2h−IL2を発現するほ乳類細胞の安定なクローンもまた同定した。細胞のトランスフェクションは、本質的に同一の条件下で実施され、同様の数の安定にトランスフェクトした細胞をクローニングし、KSγ2−IL2およびKSγ2h−IL2の産生を試験した。KSγ2h−IL2を最も良く発現する4個のクローンは、組織培養上清の1ml当たり、約52、37、31および30マイクログラムの融合蛋白質を生産し、一方、同じ条件下で、KSγ2−IL2を最も発現する4個のクローンは、組織培養上清の1ml当たり、約31、27、27および17マイクログラムの融合蛋白質を生産した。

実施例9: ハイブリッド・イソタイプおよび融合蛋白質活性に影響を及ぼす第2の変異を有する抗体融合蛋白質を発現するプラスミドの構築
HuKSγ2−Ala−IL2 対 huKSγ2h−Ala−IL2
発現ベクターpdHL7−huKSγ2−Ala−IL2およびpdHL7−huKSγ2h−Ala−IL2(前述)はそれぞれ、配列 GGGTAAATGA (配列番号24)とそれに続くXhoI付着末端を含有する、pdHL7−huKSγ2抗体およびpdHL7−huKSγ2h抗体それぞれのSmaI−XhoI制限断片を、pdHL7−huKSγ1−Ala−IL2から単離された対応するSmaI−XhoI制限断片によって置換することによって構築した。この後者の断片は、配列 GGGTGCA およびその直後に、翻訳終止コドンを含んでいる成熟IL2をコードするDNA配列を含有する。該GCAは、融合蛋白質の連結部のリジンからアラニンへの置換をコードする。得られるベクターは、huKSγ2−Ala−IL2およびhuKSγ2h−Ala−IL2産生のため、細胞をトランスフェクトするために使用した。

実施例10: 融合蛋白質の機能に影響を与える第2の変異を有するγ2抗体融合蛋白質および対応するγ2h抗体融合蛋白質の非還元状態の特定
一過性のトランスフェクションのため、KSγ2−Ala−IL2およびKSγ2h−Ala−IL2をコードするプラスミドは、Lipofectamine Plus(Life Technologies、Gaithersburg、MD)を使用して、供給元の手順に従って、リポフェクションによりほ乳類細胞中に導入した。
KSγ2−Ala−IL2およびKSγ2h−Ala−IL2を発現するほ乳類細胞の安定なクローンもまた実施例2のように同定した。細胞のトランスフェクションは、本質的に同一な条件下で実施し、同様の数の安定なトランスフェクト細胞をクローニングし、KSγ2−Ala−IL2およびKSγ2h−Ala−IL2の産生を試験した。KSγ2h−Ala−IL2を最も良く発現する3個のクローンは、組織培養上清の1ml当たり、約39、38、および29マイクログラムの融合蛋白質を生産し、一方、同し条件下で、KSγ2−Ala−IL2を最も発現する3個のクローンは、組織培養上清の1ml当たり、約22、17および6マイクログラムの融合蛋白質を生産した。γ2およびγ2hイソタイプを有するKS−Ala−IL2融合蛋白質は、実施例6で記載したように、SDS−PAGEによって特定した。該改良培地(10%血清)中のKS−Ala−IL2融合蛋白質を、プロテインA・セファロース(Repligen、Cambridge、MA)で捕捉し、次に、SDS−PAGEによる特定に先立ち、2−メルカプトエタノールを添加した、または添加していない蛋白質試料緩衝液中で煮沸することによって溶出した。クーマジー・ブルー染色による可視化は、非還元KSγ2−Ala−IL2はいくつかの種として移動することが示した。対照的に、KSγ2h−Ala−IL2は、1本の主要なバンドとして移動した。KSγ2−Ala−IL2およびKSγ2h−Ala−IL2抗体をSDS−PAGE前にメルカプトエタノールで還元すると、重鎖−IL−2および軽鎖に対応する、同一のバンド・パターンがKSγ2−Ala−IL2およびKSγ2h−Ala−IL2の両方ともに観測された。
学説に囚われることを望むものではないが、これらの観察は、KSγ2−Ala−IL2において、見出だされた、該個別的に移動する種は、ジスルフィド結合のパターンのバラツキによることを示唆する。

実施例11: 異なるイソタイプに由来する定常領域を有する抗体融合蛋白質の発現
場合によっては、その中において、ヒンジ領域に加えて、異なる定常領域が異なる重鎖イソタイプに由来している、Ig融合蛋白質を構築することが望ましい。この類の分子の特性を調べるために、以下の実験を実施した。
KS VH、IgG1由来のCH1とヒンジ領域、ならびにそれの後にIL−2が続いているIgG2由来のCH2−CH3領域(前述のように、その融合結合部のリジンがアラニンへと置換されている)を含むIgG重鎖を有する抗体−IL2融合蛋白質である、huKS(γ1:CH1−H)(γ2:CH2−CH3)−Ala−IL2蛋白質を、以下のように発現させた。発現ベクター pdHL7−huKS(γ1:CH1−H)(γ2:CH2−CH3)−Ala−IL2は、pdHL7−huKSγ2−Ala−IL2中のHindIII−AflIII制限断片を、CH1およびヒンジ領域を含有する、pdHL7−KS−IL2由来の対応するHindIII−AflIII制限断片と置換することによって構築した。この発現ベクターを、前述のように培養ほ乳類細胞中にトランスフェクトすると、ハイブリッド・イソタイプを有する抗体融合蛋白質が産生した。
HuKS(γ1:CH1−H)(γ2:CH2−CH3)−Ala−IL2ハイブリッドおよびHuKSγ2(Ala)−IL2抗体−サイトカイン融合蛋白質は、実施例6で記載したように、非還元SDS−PAGEによって特定された。HuKS(γ1:CH1−H)(γ2:CH2−CH3)(Ala)−IL2ハイブリッド・イソタイプ蛋白質は、約180kDの分子量を有する主要なバンドとして移動した。対照的に、HuKSγ2(Ala)−IL2抗体−サイトカイン融合蛋白質は、180kDのサイズ範囲において、複数のバンドとして移動した。
HuKS(γ1:CH1−H)(γ2:CH2−CH3)(Ala)−IL2ハイブリッドおよびHuKS(γ2)(Ala)−IL2抗体−サイトカイン融合蛋白質を、還元SDS−PAGEによって特定した際には、両蛋白質は、軽鎖および重鎖−IL2融合ポリペプチドに対応する、同一のバンド・パターンを示した。
学説に囚われることを望むものではないが、HuKS(γ2)(Ala)−IL2抗体−サイトカイン融合蛋白質は、少なくとも2種類の異なる立体構造で存在し、その間の相違は、ジスルフィド結合のパターンの違いに起因しているようである。

実施例12: 非蛋白質抗原特異性ならびに複数サブユニット融合パートナーを有するハイブリッド・イソタイプ抗体融合蛋白質の発現
14.18抗体は、グリコシド抗原GD2に結合する。インターロイキン−12は、ジスルフィド結合によって共有結合的に連結された、p35およびp40サブユニットを含むヘテロ二量体サイトカインである。
前述のように、IgG1/IgG2ハイブリッドなどのハイブリッド・イソタイプの使用は、IgG2などの天然のイソタイプと比較して、促進された組み立てをもたらす。促進された組み立ては、上昇した発現濃度によって証明が可能である。
一例では、14.18(γ2)−Ala−IL12および14.18(γ2h)−Ala−IL12発現プラスミドを構築し、前述、ならびにGillies他(WO 09 929732)中に記載されたように、同一の条件下で、並行して細胞中に一過性にトランスフェクトされた。ヒトIL−12を使用した。組織培養上清中の蛋白質濃度は、14.18(γ2)−Ala−IL12発現プラスミドをトランスフェクトした培養物よりも、14.18(γ2h)−Ala−IL12発現プラスミドをトランスフェクトした培養物からのものでは、約40%高かった。
14.18(γ2)−Ala−IL12および14.18(γ2h)−Ala−IL12発現プラスミドはまた、前述のように、細胞中に安定にトランスフェクトし、それぞれのトランスフェクションによる、最も発現の高いクローン4個についてさらに研究した。14.18(γ2h)−Ala−IL12について、最も発現の高い4個のクローンの平均は、14.18(γ2)−Ala−IL12発現プラスミドに由来する、最も発現の高い4個のクローンよりも、約45%高かった。
第2の例では、14.18(γ2)−IL12および14.18(γ2h)−IL12発現プラスミドを構築し、前述のように、同一の条件下で、並行して、細胞中に一過性にトランスフェクトされた。マウスIL−12を使用した。組織培養上清中の蛋白質濃度は、14.18(γ2)−IL12発現プラスミドをトランスフェクトした培養物よりも、14.18(γ2h)−IL12発現プラスミドをトランスフェクトした培養物からのものが、約40%高かった。
マウスのIL−12を使用した、14.18(γ2)−IL12および14.18(γ2h)−IL12発現プラスミドはまた、前述のように、細胞中に安定にトランスフェクトし、それぞれのトランスフェクションによる、最も発現の高いクローン4個についてさらに研究した。14.18(γ2h)−IL12について、最も発現の高い4個のクローンの平均は、14.18(γ2)−IL12発現プラスミドに由来する、最も発現の高い4個のクローンよりも、約35%高かった。
これらの結果は、前の実施例におけるものとは異なる抗体および異なる非Ig部分を使用する際にも、融合蛋白質中における、ハイブリッド・イソタイプの使用は、増大した発現をもたらすことを示唆した。この実施例では、非Ig部分としてIL−12の使用は、IL−12はヘテロ二量体であるため、該Ig融合蛋白質の組み立てを著しく複雑とすると予期される。それにもかかわらず、ハイブリッド・イソタイプの使用は、有益な効果を有していた。

実施例13: IgA由来のヒンジ領域を使用したハイブリッド・イソタイプ抗体融合蛋白質の発現
増強されたプロテアーゼ耐性を具えるIg融合蛋白質を構築するため、IgA/IgG融合蛋白質を作製する。
例えば、ヒトIgA1のヒンジ領域およびIgG2のCH2およびCH3領域を含有するFc−X融合蛋白質を構築する。
ヒトIgA1由来のヒンジ領域およびIgG2のCH2およびCH3領域を含む、Fc−X融合蛋白質を生産するための発現ベクターの構築例は以下の通りである。実施例1のプラスミドpdCs−huFcγ2−レプチンを、ベクターとして使用する。
pdCs−huFcγ2−レプチン中のγ2ヒンジ・エキソンを含有するAflII−StuI断片を、以下に示す、対応するIgAヒンジ・エキソンを含有するAflII−StuI断片(配列番号25)と置換する。
Figure 0004234438
具体的には、以下のオリゴヌクレオチドを合成する。
上部鎖:
Figure 0004234438
下部鎖:
Figure 0004234438
これらのオリゴヌクレオチドを、アニールして、pdCs−huFcγ2−レプチン中の対応する断片と置換するために使用する。
γ2エキソン中のStuI部位は、C−メチル化されており、また、StuI制限エンドヌクレアーゼは、メチル化に感受性であるので、StuI酵素で消化する前に、該プラスミドをDCM陰性細菌株から単離する。IgA1由来のヒンジ領域を有する、得られるpdCs−huFcγ2−レプチンは、pdCs−huFcα1/γ2−レプチンと称する。
プラスミド pdCs−huFcα1/γ2−レプチンは、真核細胞中にトランスフェクトされ、α1(ヒンジ)−γ2(CH2、CH3)−レプチン型のFc−X蛋白質は、分泌蛋白質として発現される。例えば、実施例2の細胞および手法を使用する。得られるα1−γ2−レプチン蛋白質は、精製し、特定され、そして、レプチン活性を有し、かつヒンジ領域中におけるプロテアーゼ切断に対しては、比較的感受性がないことが見出された。

実施例14: IgGおよび多価イムノグロブリンの成分を使用したハイブリッド・イソタイプ抗体融合蛋白質の発現
IgG1またはIgG3などの、IgGのエフェクター機能ならびに、増加した結合価を具える抗体融合蛋白質を構築するために、IgGのCH1、ヒンジ、およびCH2領域およびIgGAまたはIgMのCH3およびCH4領域を使用した、ハイブリッド・イソタイプIg融合蛋白質を構築する。図4は、IgG−IgMハイブリッド・イソタイプ融合蛋白質の構造を示す。非Ig部分を、IgAまたはIgM CH4ドメインのC末端に融合すると便利である。
特には、IgG/IgAまたはIgG/IgMハイブリッド・イソタイプ融合蛋白質をJ鎖無しで発現する際には、最もC末端のシステインの前で、IgAまたはIgM重鎖を切断するか、あるいは、このシステインを変異させることもまた便利である。このC末端システインの通常の役割は、J鎖とのジスルフィド結合を形成することである。特には、非Ig部分を重鎖のC末端に融合する際には、しばしば、同時発現するJ鎖無しで、IgG/IgAまたはIgG/IgMハイブリッド・イソタイプ融合蛋白質を発現することが望ましい。
例えば、IgG−IgMハイブリッド・イソタイプ融合蛋白質は、以下の通りに構築する。プラスミド pdHL7−huKSγ1−IL2は、上皮細胞接着分子に結合する可変領域およびヒトIgG1の定常領域を有する抗体を発現することができる。このプラスミドは、IgG1 CH2とCH3コード配列との間のイントロン中に、単一のNgo M IV部位を含有し、また、IgG1 CH3とIL−2部分のコーディング配列間の結合部に、単一のXmaI部位もまた含有する。ヒトIgM CH3およびCH4配列をコードするDNA断片は、以下のプライマーを使用して、ヒトゲノムDNAからPCR増幅によって作製する。
Figure 0004234438
および
Figure 0004234438
あるいは、以下のプライマーを使用する。これらは、IgM部分中の最もC末端のシステインは、セリンに変異されているという特徴を有する。
Figure 0004234438
および
Figure 0004234438
得られたDNA断片を、Ngo M IVおよびXmaIで切断し、次に直接的に、または間接的に、Ngo M IVおよびXmaIで切断した、pdHL7−huKSγ1−IL2に連結する。例えば、IgM CH3およびCH4ドメインをコードする、該PCR断片を、まずTAクローニング・ベクター(Invitrogen、Carlsbad CA)などのベクター中にサブクローニングし、挿入部の配列を確認し、次に、Ngo M IVおよびXmaIを使用して挿入部を除去し、pdHL7−huKSγ1−IL2中に連結する。ヒトIL−2に融合されている、得られたハイブリッド・イソタイプ重鎖のアミノ酸配列を、配列番号33に示す。融合蛋白質のIgM部分には、下線を引いてある。ヒトIgM重鎖においては、遺伝子多型が天然に生じるので、機能的には類似する、近縁している配列を作製することもまた可能である。
Figure 0004234438
それに代わる、多くのDNA構築方法が可能である。例えば、IgM CH3およびCH4ドメインをコードするDNA配列は、IgM発現細胞株または細胞群からRT−PCRによって作製することが可能である。3’PCRプライマーは、前記に示したものと同一であってよいが、5’プライマーは、Ngo M IV部位とIgM CH3のコーディング配列の初めとの間に、人為的な5’スプライス部位を取り込む。
次に、真核細胞を得られたプラスミドpdHL7−huKSγ1/μ−IL2で形質転換し、そして、得られた蛋白質は、発現され、細胞から分泌させた。例えば、前記の実施例中に記載された、細胞および方法を使用する。精製された蛋白質を、例えば、電子顕微鏡または限外ゲル濾過クロマトグラフィーによって試験され、そして、多量体構造であることが見出された。精製された蛋白質は、例えばペプチドマッピングによってさらに研究され、そして、配列…ASICEDD…(配列番号34)中のシステインは、他のIgG/IgMハイブリッド・イソタイプ・サブユニットと鎖間ジスルフィド結合を形成することが判明した。このような連結の例を、図4に例示する。図4の5量体構造に加えて、IgG/IgMハイブリッド・イソタイプ蛋白質の最終形態は、6量体またはさらに他の種類の多量体構造であってもよい。
得られたIgG/IgMハイブリッド・イソタイプ融合蛋白質は、Fcγ受容体に結合することが見いだされた。例えば、この融合蛋白質は、ヒトIgGと競合する様式でJ774細胞に結合する。

実施例15: IgG1およびIgG4の成分を使用したハイブリッド・イソタイプ抗体の発現
実施例15〜17における実験の目的は、一部は、主にIgG4から成る分子の組み立ての改善における、ハイブリッド・イソタイプ抗体の効用を示すことである。一般的に、IgG分子の通常好ましい形態は、2本の重鎖および2本の軽鎖を具えている、H22形態である。しかし、IgG4抗体の重要な画分は、1本の重鎖および1本の軽鎖を具えた、HL「半分子」として合成される。Angal他(1993、 Molec. Immunol. 30:105)は、分泌されたヒトIgG4において見出される「半分子」の量を減少させる、セリンからプロリンへの置換について記載している。
この例は、同じV領域を含有する、3種類の抗体、IgG4型、IgG1由来のヒンジおよびIgG4 CH1、CH2、およびCH3ドメインを有する型、およびヒンジ領域中に変異を有するIgG4型の組み立て特性を比較している(Angal他、同文献)。
標準的なプラスミド構築技術を使用して、pdHL7−KS−γ4と称するプラスミドを構築した。このプラスミドは、IgG2重鎖の定常領域の代わりに、IgG4重鎖の定常領域をコードしていること以外は、実施例5中に記載したプラスミドpdHL7−huKSγ2と同一である。
pdHL7−KS−γ4hを構築するために、pdHL7−KS−γ2hプラスミドを、E.coliのdcm(−)株中で増殖させ、プラスミドDNAを単離し、改変されたIgG1ヒンジ領域をコードする60bpのPstI−StuI断片を単離し、pdHL7−KS−γ4中の対応する断片を置換するために使用した。
比較のために、ヒンジ領域に変異を有するIgG4型(Angal他、同文献)を以下の通りに構築した。セリンからプロリンへの置換、5’PstI付着末端および3’StuI平滑末端を有する、γ4ヒンジをコードするオリゴヌクレオチド2本鎖を以下の通りに設計した。
Figure 0004234438
このオリゴヌクレオチド2本鎖を使用して、pdHL7−KS−γ4中の対応するDNA断片を置換して、pdHL7−KS−γ4(StoP)を与えた。
pdHL7−KS−γ4、pdHL7−KS−γ4hおよびpdHL7−KS−γ4(StoP)プラスミドを、例えばLo他(1998、Protein Engineering 11:495〜500)中に記載されるような、標準的方法に従って、ほ乳類細胞中にトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞の上清から、pdHL7−KS−γ4、pdHL7−KS−γ4h、およびpdHL7−KS−γ4(StoP)によってコードされた抗体蛋白質は、精製され、そして、SDSゲル電気泳動によって特定し、還元試料および非還元試料が比較された。
非還元分子を調べることによって、KS−γ4抗体群は、約50%がHL「半分子」、50%がH22分子として存在することが見出された。対照的に、KS−γ4h抗体群およびKS−γ4(StoP)抗体群は、ほとんど全部、H22分子として存在していた。HL半分子の部分は、KS−γ4h抗体群およびKS−γ4(StoP)抗体群において、ほぼ同じである。還元した分子を調べた際には、KS−γ4、KS−γ4h、およびKS−γ4(StoP)において、見出される重鎖および軽鎖のパターンは、区別がつかなかった。

実施例16: IgG1およびIgG4の成分を使用したハイブリッド・イソタイプ抗体融合蛋白質の発現
プラスミド pdHL7−KS−γ4−IL2は、Gillies他(Cancer Research(1999)59:2159)中に記載されている。このプラスミドは、EpCAM抗原を認識し、かつそのC末端に融合したインターロイキン−2を有するIgG4の重鎖を含有する、V領域を具える抗体融合蛋白質をコードする。
実施例15で使用したものと類似した組換えDNA方法によって、プラスミド pdHL7−KS−γ4h−IL2およびpdHL7−KS−γ4(StoP)−IL2を構築した。プラスミド pdHL7−KS−γ4−IL2、pdHL7−KS−γ4h−IL2およびpdHL7−KS−γ4(StoP)−IL2を、ほ乳類細胞中にトランスフェクトし、そして、対応する蛋白質は、発現され、例えばLo他(文献)中に記載されるような、標準的方法に従って、精製された。トランスフェクトした細胞の上清から、pdHL7−KS−γ4−IL2、pdHL7−KS−γ4h−IL2およびpdHL7−KS−γ4(StoP)−IL2によってコードされた融合蛋白質は、精製され、そして、SDSゲル電気泳動によって特定され、そこで、還元試料および非還元試料が比較された。
非還元分子を調べることによって、KS−γ4−IL−2融合蛋白質群は、約50%がHL「半分子」、50%がH22分子として存在することが見出された。対照的に、KS−γ4h−IL−2融合蛋白質群およびKS−γ4(StoP)−IL−2融合蛋白質群は、ほとんど全部、H22分子として存在していた。HL半分子の部分は、KS−γ4h融合蛋白質群およびKS−γ4(StoP)−IL−2融合蛋白質群とにおいては、ほぼ同じである。還元した分子を調べた際、KS−γ4−IL−2、KS−γ4h−IL−2、およびKS−γ4(StoP)−IL−2において観測された、重鎖および軽鎖のパターンは、区別がつかなかった。

実施例17: IgG1およびIgG4の成分を使用したハイブリッド・イソタイプFc融合蛋白質の発現
ヒンジ領域、CH2およびCH3ドメイン、および非Ig部分を含有し、該Ig部分は、IgG4およびIgG1に由来している、融合蛋白質の発現のための一連のプラスミドを創製するために、以下の工程を試みた。
最初に、実施例1中に記載したものと類似した方法を使用して、IgG4由来のFc領域をコードする発現ベクターは、pdCs−huFcγ1のIgG1由来のDNA配列(Lo他、(1998) Protein Engineering 11:495〜500)を、IgG4の対応する部分をコードする配列で置換することによって作製した。具体的には、その5’末端にAflII部位をコードする以下のオリゴヌクレオチドを、
Figure 0004234438
IgG4 ヒンジ、CH2、およびCH3領域をコードするDNA部分を増幅するための5’プライマーとして使用した。3’プライマーは、IgG2 Fc領域を増幅するために実施例1中で使用したプライマーと類似して、XhoI部位を、その5’末端に含有していた。得られたAflII−XhoI断片を、XhoI+AflII切断pdCs−huFcγ1中に挿入して、pdCs−huFcγ4を作製した。
Fcγ4のC末端への非IgG部分をコードする核酸の挿入を容易にするために、以下のように、pdCs−huFcγ4中のFcγ4コード領域のC末端近隣に、以下のLeuからProへの変化を導入することによって、SmaI部位を作製した。
Figure 0004234438
が、
Figure 0004234438
へと変えられた。
標準的な部位特異的変異技術を使用して、pdCs−huFcγ4中にSmaI部位を導入した。
改変されたIgG1ヒンジとそれに続くIgG4 CH2およびCH3ドメインをコードする、pdCs−huFcγ4hと称する、プラスミドを作製するために、IgG2 CH2およびCH3ドメインをコードしている、pdCs−huFcγ2hのStuI−XhoI断片(実施例1)を、pdCs−huFcγ4由来の対応する断片で置換した。この構築物においては、親プラスミドは、いずれも、E.coliのdcm(−)株に由来している。γ4をコードするDNA中に付加的なStuI部位があるので、pdCs−huFcγ4プラスミドは、XhoIによって完全に消化し、そして、StuIによって部分的に消化し、約300、500および800塩基対の断片を生じた。約800塩基対の断片を使用して、pdCs−huFcγ2hの対応する断片を置換した。
IFNβ cDNAは、ATGは、成熟蛋白質のN末端残基で、CCCGGGは、導入されたSmaI制限部位である、センスプライマー CCCGGGT ATG AGC TAC AAC TTG CTT GGA TTC(配列番号43)と、TCAは翻訳終止コドンのアンチコドンで、CTCGAGは導入されたXhoI制限部位である、リバース側プライマー CTCGAG TCA GTT TCG GAG GTA ACC TGT AAG(配列番号44)とを使用して、PCRによってクローニングした。鋳型DNAは、pLG117R(Taniguchi他、 (1980) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 77:5230〜5233)であり、American Type Culture Collectionより(ATCC 番号 31903)入手した。配列確認の後、クローニングしたSmaI−XhoI断片を、pdCs−huFcγ4発現ベクターのSmaIおよびXhoI部位に連結し、pdCs−huFcγ4−IFNβを与えた。同様の方法によって、類似のpdCs−huFcγ4h−IFNβ発現プラスミドもまた構築した。
pdCs−huFcγ4(StoP)−IFNβ発現プラスミドを構築するために、セリンがプロリンへと置換され、5’AflII付着末端および3’StuI平滑末端を有するγ4ヒンジをコードするオリゴヌクレオチド二本鎖を、以下の通りに合成した。
Figure 0004234438
このDNAを使用して、pdCs−Fc−g4−IFNβ中の対応するDNA断片を置換し、pdCs−huFcγ4(StoP)−IFNβを与えた。
プラスミド pdCs−huFcγ4−IFNβ、pdCs−huFcγ4h−IFNβおよびpdCs−huFcγ4(StoP)−IFNβを、それぞれほ乳類細胞中にトランスフェクトした。発現したFc含有蛋白質を精製し、そして、還元および非還元SDSゲル電気泳動によって調べた。ほ乳類細胞から発現されたhuFcγ4−IFNβ蛋白質の大部分は、通常の二量体抗体ではなく、モノマーの半分子であった。しかし、発現されたhuFcγ4h−IFNβおよびhuFcγ4(StoP)−IFNβ融合蛋白質は、ほとんど全てが、正しく組み立てられた二量体であった。huFcγ4h−IFNβ、およびhuFcγ4(StoP)−IFNβ融合蛋白質の双方に関して、モノマーの比率は、ほぼ同じであった。
総合すると、実施例15、16および17の結果は、主にIgG4から成るが、改変されたIgG1ヒンジを有する、ハイブリッド・イソタイプ抗体およびIg融合蛋白質は、完全にIgG4に由来している対応する蛋白質と比較して、優れた組み立て特性を有することを示唆している。加えて、実施例15〜17の結果は、その他の実施例と組み合わせると、ハイブリッド・イソタイプ蛋白質の改善された組み立ては、いくつかの異なる方法で証明できることを示している。例えば、いくつかの場合では、ハイブリッド・イソタイプ抗体または融合蛋白質は、対応する単一イソタイプ抗体またはIg融合蛋白質と比較して、低減された凝集を示し、また、他の場合には、ハイブリッド・イソタイプ抗体または融合蛋白質は、単一イソタイプ抗体またはIg融合蛋白質と比較して、促進された正しいオリゴマー化を示す。

実施例18: IgG1およびIgG4の成分を使用したハイブリッド・イソタイプFc融合蛋白質の発現
ほ乳類細胞から発現された際、最小の凝集しか起こさない、Fcエリスロポエチン融合蛋白質を作製するために、以下の発現プラスミドを、標準的な分子生物学的技術を使用して構築した。WO 01/36489中に開示されているように、アミノ酸置換、His32Gly、Cys33Pro、Trp88Cys、およびPro90Alaを得られる変異を有する、ヒト・エリスロポエチン・コーディング配列の形態を含有している、XmaI−XhoI DNA断片を使用した。対応する蛋白質配列を、配列番号47に示す。
Figure 0004234438
このXmaI−XhoI DNA断片を、CH3 C末端の領域中にアミノ酸置換をもたらす、2組の変異があり、その結果、CH3 C末端およびEpo N末端の結合部の配列が以下の通りである以外は、実施例1中で構築したベクターと本質的に同一である、IgG1由来のヒンジ領域およびIgG2由来のCH2およびCH3領域をコードするプラスミドベクター中に挿入した。
Figure 0004234438
IgG2 CH3領域の配列 KSLSLSPG(配列番号49)を、KSATATPG(配列番号45)に変更する第1組の変異は、米国特許出願 第60/280625号に開示されている。Leu−Ser−Leu−Ser(配列番号49の位置3から位置6)を、Ala−Thr−Ala−Thr(配列番号50の位置3から位置6)に置換する効果は、ヒトFcとヒト・エリスロポエチンとの間の結合部は、非自己ペプチド配列を有するために生じる可能性のある、潜在的なヒト非自己T細胞エピトープを除去することである。CH3領域のC末端アミノ酸のKからAへの単一のアミノ酸置換からなる、第2組は、米国特許出願第09/780668号に開示されている。
実施例1および2の手順に従って、得られたプラスミドを、NS/0細胞中にトランスフェクトし、そして、Fc−Epo融合蛋白質を、発現、精製した。プロテインAへの結合に基づく精製の後、IgG2 CH3および前述のエリスロポエチン置換物を含有している、huFcγ2h−huEpo蛋白質は、ゲル濾過クロマトグラフィーによって特定し、そして、2種類の異なる調製物において、97%および90%のモノマーから構成されることが見出された。IgG2 CH3および前述のエリスロポエチン置換物を含有するhuFcγ2h−huEpo蛋白質は、分子ベースで、エリスロポエチンのTF−1細胞分化刺激能力を測定する、細胞をベースとしたアッセイにおいて、ヒト・エリスロポエチンとほぼ同じ活性があることが見出された。このアッセイは、WO 01/36489中に記載されるように、実施した。
加えて、IgG1(ヒンジ−CH2−CH3)、IgG2(ヒンジ−CH2−CH3)、またはIgG1(ヒンジ)−IgG2(CH2−CH3)のいずれかから構成されるFc領域のC末端へに、非変異ヒト・エリスロポエチンを融合したものも、特定した。非変異ヒトFc配列および非変異エリスロポエチン配列を含む発現プラスミドは、前述および実施例1中に記載されるプラスミドに類似して、構築した。NS/0細胞に、Fcγ1−Epo、Fcγ2−Epo、およびFcγ2h−Epo発現プラスミドをトランスフェクトし、そして、各プラスミドについて、ほぼ同数のクローンをスクリーニングした後、安定なクローンを単離した。最も多く産生するクローンは、Fcγ1−Epoに関しては、50μg/mlを、Fcγ2−Epoに関しては、20μg/mlを、また、Fcγ2h−Epoに関しては、120μg/mlを産生した。

均等物
本発明は、それらの本質および必須の特徴を逸脱することなく、他の特定の形態で実施することが可能である。従って、全ての点において、前述の実施態様は、本明細書中に記載した本発明を限定するものではなく、例示するものと考えるべきものである。すなわち、本発明の技術的範囲は、前述の記載よりも、寧ろ添付したクレームによって示され、そして、クレームの均等の意味するものおよび範囲内に入る、変更の全ては、それに含まれると意味する。

参考文献の援用
本明細書中で上述した、特許、特許出願、および科学的発行物の全ては、参照することで、その全体を、本出願中に組み入れられえる。
図1のA〜Dは、本発明のいくつかの形態にかかる融合蛋白質を調製するために使用する、IgGハイブリッド・イソタイプの模式的な図示である。太線は、システイン残基を結合している、ジスルフィド結合を表す。抗体のドメインは、図1 Aに示す。IgG1ドメインは、黒で、IgG2ドメインは、白で、可変ドメインおよび軽鎖ドメインは、縞模様で示す。
図1 Aは、IgG1イソタイプを示す。
図1 Bは、IgG2イソタイプを示す。
図1 Cは、IgG2と、第1のシステインに変異を有するIgG1ヒンジとのイソタイプ・ハイブリッドを示す。
図1 Dは、IgGハイブリッド γ1(CH1−H)γ2(CH2−CH3)を示す。
図2 A〜Cは、ハイブリッド・イソタイプを含む、Fc領域を含むIg融合蛋白質の模式的な図示である。「X」および「Y」は、いずれの非Ig部分であってもよい。
図2 Aは、一つの抗体イソタイプに由来するヒンジ、ならびに、第2のイソタイプに由来するCH2およびCH3ドメインから成るFc部分を含む、Fc−X構造のIg融合蛋白質を示す。該Fc部分のC末端には、蛋白質部分「X」がある。
図2 Bは、一つの抗体イソタイプに由来するヒンジ、ならびに、第2のイソタイプに由来するCH2およびCH3ドメインから成るFc部分を含む、X−Fc構造のIg融合蛋白質を示す。該Fc部分のN末端には、蛋白質部分「X」がある。
図2 Cは、一つの抗体イソタイプに由来するヒンジ、ならびに、第2のイソタイプに由来するCH2およびCH3ドメインから成るFc部分を含む、X−Fc−Y構造のIg融合蛋白質を示す。該Fc部分のN末端には、いずれの蛋白質でもよい、「X」があり、そして、該Fc部分のC末端には、蛋白質部分「Y」がある。
図3 A〜Dは、可変領域を含み、かつ、ハイブリッド・イソタイプを含んでいる、Ig融合蛋白質の模式的な図示である。「X」および「Y」は、いずれの非Ig部分であってもよい。
図3 Aは、一つの抗体イソタイプに由来するヒンジ(黒)ならびに異なるイソタイプに由来するCH1、CH2およびCH3領域を含むIg融合蛋白質を示す。非Ig蛋白質「X」は、重鎖のC末端に融合されている。
図3 Bは、一つの抗体イソタイプに由来するヒンジ(黒)ならびに異なるイソタイプに由来するCH1、CH2およびCH3領域を含むIg融合蛋白質を示す。非Ig蛋白質「X」は、重鎖のC末端に融合されている。矢印は、本明細書中に記載される、抗体部分中において、変異が可能な部位の部分群を示す。
図3 Cは、一つの抗体イソタイプに由来するヒンジとCH1領域(黒)ならびに異なるイソタイプに由来するCH2とCH3領域を含むIg融合蛋白質を示す。非Ig蛋白質「X」は、重鎖のC末端に融合されている。該ヒンジから出ている枝分かれ構造は、糖鎖付加部分を表す。
図3 Dは、一つの抗体イソタイプに由来するヒンジ(黒)ならびに異なるイソタイプに由来するCH1、CH2およびCH3領域を含むIg融合蛋白質を示す。非Ig蛋白質「X」は、重鎖のC末端に融合されている。第二の非Ig蛋白質「Y」は、軽鎖のN末端に融合されている。
図3 Eは、一つの抗体イソタイプに由来するヒンジ(黒)ならびに異なるイソタイプに由来するCH1、CH2およびCH3領域を含むIg融合蛋白質を示す。非Ig蛋白質「X」は、重鎖のC末端に融合されている。第二の非Ig蛋白質「Y」は、重鎖のN末端に融合されている。
複数のイソタイプを含んでいる、可変領域複数を含み、かつIgGと比較して、増加した結合価を有するIg融合蛋白質の模式的な図示である。黒色の楕円は、IgMに由来するCH3およびCH4ドメインを表し、白色の楕円は、IgGに由来するCH1、ヒンジおよびCH2ドメインを表し、縞模様の楕円は、可変ドメインおよび軽鎖定常ドメインを表し、太線は、IgG1中で通常見い出されるジスルフィド結合を表し、「s」の符号を付してある細い線は、IgM中で通常見い出されるジスルフィド結合を表す。
配列表
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Claims (8)

  1. 非イムノグロブリン部分と融合されたイムノグロブリン部分を含んでなる融合蛋白質であって、
    前記イムノグロブリン部分は、第1の抗体イソタイプに由来する第1の領域と、第2の抗体イソタイプに由来する第2の領域とを含んでおり、
    前記第1の抗体イソタイプに由来する第1の領域は、改変されたヒトIgG1由来のヒンジ領域であり、該改変されたヒンジ領域は、ヒトIgG1の軽鎖とのジスルフィド結合を形成するシステイン残基の少なくとも一つに対するアミノ酸置換による改変を含んでおり、
    前記第2の抗体イソタイプに由来する第2の領域は、ヒトIgG2由来のCH2とCH3ドメイン、または、ヒトIgG4由来のCH2とCH3ドメインであり、
    前記第1の抗体イソタイプに由来する第1の領域のC末端に、前記第2の抗体イソタイプに由来する第2の領域が連結されている
    ことを特徴とする融合蛋白質。
  2. 前記イムノグロブリン部分は、抗原結合部位を欠失している
    ことを特徴とする請求項1に記載の融合蛋白質。
  3. 前記イムノグロブリン部分は、抗原結合部位を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1に記載の融合蛋白質。
  4. 前記非イムノグロブリン部分は、該イムノグロブリン部分の重鎖のC末端に、遺伝子操作によって融合されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の融合蛋白質。
  5. 前記非イムノグロブリン部分は、該イムノグロブリン部分の重鎖のN末端に、遺伝子操作によって融合されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の融合蛋白質。
  6. 腫瘍に関連する抗原に対するVドメインを含むイムノグロブリン部分であって、
    第1の抗体イソタイプに由来する第1の領域と、第2の抗体イソタイプに由来する第2の領域とを含んでおり、
    前記第1の抗体イソタイプに由来する第1の領域は、改変されたヒトIgG1由来のヒンジ領域であり、該改変されたヒンジ領域は、ヒトIgG1の軽鎖とのジスルフィド結合を形成するシステイン残基の少なくとも一つに対するアミノ酸置換による改変を含んでおり、
    前記第2の抗体イソタイプに由来する第2の領域は、ヒトIgG2由来のCH2とCH3ドメイン、または、ヒトIgG4由来のCH2とCH3ドメインであり、
    前記第1の抗体イソタイプに由来する第1の領域のC末端に、前記第2の抗体イソタイプに由来する第2の領域が連結されている
    ことを特徴とするイムノグロブリン部分。
  7. 前記非イムノグロブリン部分は、エリスロポエチン分子を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の融合蛋白質。
  8. 前記第2の抗体イソタイプに由来する第2の領域は、ヒトIgG2由来のCH2とCH3ドメインであり、そのヒトIgG2由来のCH3ドメイン部分は、該CH3ドメインのC−末端アミノ酸のLysをAlaに置換する、単一のアミノ酸置換を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1に記載の融合蛋白質。
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