JP4045034B2 - センターピラー構造 - Google Patents

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    • B62D—MOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D25/00—Superstructure or monocoque structure sub-units; Parts or details thereof not otherwise provided for
    • B62D25/04—Door pillars ; windshield pillars

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体のセンターピラー構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、車両軽量化のために車体構成部材にアルミニウム材を使用することが考えられている。また、乗用車におけるフレーム構造としては図５に示されるものがあるが、そのセンターピラーにあっては、上部ではサイドガラスの面に対応させるべく車体幅方向内側に変位させ、センターピラー１１の下部ではシートベルト用リトラクタを収容するべく車体幅方向外側に出すように変位させることになる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記センターピラー１１をアルミ押し出しフレーム構造で形成しようとすると、上記したように比較的形状が複雑なため、接合部の高い精度を確保するべく曲げ加工後に不要な部分をカットすると、そのカット加工が複雑となって設計通りに形成することが困難である。また、例えばアルミニウム材をロ字断面形状に押し出し成形し、その後に上記したように車体形状に合わせるべく図６に示されるように曲げ加工すると、曲げ変形時に切断事象が発生するという問題がある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決して、押し出し成形品を用いたセンタピラーの加工性及び設計自由度を向上し得ることを実現するために、本発明に於いては、車体の前後方向中間部にて立設状態に設けられるセンターピラー（１）を当該車体のウェストライン近傍にて上側部材（２）と下側部材（３）とに二分割すると共に当該各部材をそれぞれ押し出し成形により形成し、前記下側部材（３）を車体幅方向外側にかつ前記上側部材（２）を車体幅方向内側に位置させると共に、前記下側部材（３）を前記車体に略垂直状態に設け、前記上側部材（２）を車体前後方向について後傾させて前記下側部材（３）の上端部と前記上側部材（２）の下端部との互いに重なり合う部分を結合し、前記上側部材（２）の前記下側部材（３）との結合部分から車体前方向にはみ出す部分（２ａ）を切除し、前記下側部材（３）の前記上端部を前記車体幅方向外側かつ下方に向けて斜めに切除した。
【０００５】
これによれば、センターピラーを上下二分割して上側を車体幅方向内側にして両者を結合することから、ウェストラインより下側を車体幅方向外側にし上側を車体幅方向内側にするというセンターピラー特有の形状を容易に形成することができると共に、下側部材の結合部における車体幅方向外側部分を斜めにカットすることにより、溶接により極端に強度が高まる結合部の応力集中を低減化し得る。
【０００６】
また、前記上側部材（２）を車体前後方向について後傾させて前記下側部材（３）に結合したことによれば、センターピラーを車体前後方向に曲折した形状に容易に形成することができる。
【０００７】
また、前記下側部材（３）の下部を前記車体のフロア部のサイドシル（５）に結合し、前記サイドシル（５）との結合部分を補強するべく前記下側部材（３）の車体幅方向外面側に補強板（６）を固着すると共に、前記補強板（６）を前記上側部材（２）の下部と重なり合わせるように延長しかつ結合したことによれば、下側部材のサイドシルとの結合部の補強を行う補強板の延長部により両部材の結合部を隠すことができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【０００９】
図１は、本発明が適用された自動車のセンターピラー１を車体の側面から見た側面図であり、図に示されるように本発明が適用されるセンターピラー１は、車室部分の左右側面における車体前後方向中間部にて立設状態に設けられている。このセンターピラー１により、前席と後席とへの各乗降時のドア開口形状や後席用ドアヒンジ取付位置や後席用ドアの窓形状などが制限される場合がある。
【００１０】
図２は本発明に基づくセンターピラー１の下半部を示す要部斜視図であり、図３は図２の矢印III線から見た要部分解図である。図１乃至図３に示されるように、本センターピラー１は、その中間部で二分割された上側部材２と下側部材３とを上下に結合した構造であり、各部材２・３共アルミニウム材を用いて略ロ字形断面形状にて押し出し成形したアルミ押し出し成形品からなる。その上側部材２の上端部がルーフサイドレール４に溶着され、下側部材３の下端部がフロア部のサイドシル５に溶着され、上側部材２の下部と下側部材３の上部とが溶接にて互いに結合されている。
【００１１】
下側部材３はサイドシル５に対して略垂直状態に設けられ、上側部材２は下側部材３の上部に対して車体前後方向について後傾すると共に、両者の重なり合う面が下側部材３の車体幅方向内側になるようにされている。そして、上記したように上側部材２の下部と下側部材３の上部との互いに重なり合う部分が溶接されて結合され、両部材２・３を一体化したセンターピラー１が形成されている。したがって、図１に良く示されるように、本発明に基づくセンターピラー１は、中間部（ウェストライン近傍）にて略くの字に曲折された形状であり、そのような形状であっても容易に形成可能である。
【００１２】
また、上記したように上側部材２を下側部材３に対して交差して結合した場合には、上側部材２の下端部の一部が図４の想像線に示されるように下側部材３との重なり合う部分（溶接結合部分）からはみ出すようになる。本発明によれば、そのはみ出し部分２ａを切除しており、それによりその部分の強度が低下するが、両部材２・３の溶着部分は他の部分よりも強度が極端に高くなるため、上記切除した状態で全体の強度のバランスが適切化されている。
【００１３】
センターピラー１の下半部の車体幅方向外面側には、下側部材３のサイドシル５との結合部の強度を補強するため逆Ｔ字形の補強板６が、下側部材３を覆いかつサイドシル５の対応する部分に渡って取り付けられている。また、下側部材３の上端面３ａが、図に示されるように車体幅方向外側かつ下方に向けて斜めに切除されており、これにより、両部材２・３間の結合部における応力集中が生じることを防止している。
【００１４】
また、上記補強板６の上端部は、下側部材３の上端面３ａを覆いかつ上側部材２の下部に密接するようになるまで延長されて、上側部材２に溶着されている。したがって、補強板６により、下側部材３のサイドシル５との結合部の強度が補強されると共に下側部材３と上側部材２との間の結合強度も補強される。さらに、下側部材３のサイドシル５と上側部材２とのそれぞれに対する結合部が隠されるため、外観性が向上し得る。なお、下側部材３には、後席ドア８用の上下一対のドアヒンジ９ａ・９ｂがねじ止めにて固定されている。
【００１５】
本発明によれば、上記したように上側部材２を斜め後方に後退するように下側部材３に結合しており、これにより、前席の窓１０の上部後方部分を車体後方側に広げることができ、前席乗員の乗降性や前席窓１０のガラススペースが向上し得る。また、下側部材３が相対的に前方に位置することから、ドアヒンジ９ａ・９ｂの取り付けスペースが向上し得る。
【００１６】
【発明の効果】
このように本発明によれば、センターピラーを上下二分割して上側部材を車体幅方向内側にして上下両部材を互いに結合することから、ウェストラインより下側部分を車体幅方向外側にしかつ上側部分を車体幅方向内側にするというセンターピラー特有の形状を容易に形成することができると共に、下側部材の結合部における車体幅方向外側部分を斜めにカットして、溶接により極端に強度が高まる結合部の応力集中を防止し得ることから、何ら問題なく押し出し材を用いたフレーム構造を採用することができる。
【００１７】
また、上側部材を車体前後方向に傾けて下側部材に結合することにより、車体前後方向に曲折したセンターピラー形状に容易にすることができるため乗降性や前席窓のスペース性を向上し得ると共に、例えばロ字形断面形状の押し出し成形部材を用いることにより同形状のプレス品よりも剛性が大となるためドアヒンジのスペース性などを向上し得る。また、下側部材とサイドシルとに取り付けた補強板の上部を延長することにより両部材の結合部を隠すことができ、外観性を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明が適用された自動車のセンターピラー１を車体の側面から見た側面図。
【図２】本発明に基づくセンターピラー１の下半部を示す要部斜視図。
【図３】図２の矢印III線から見た要部分解図。
【図４】上側・下側部材の結合要領を示す要部分解組立斜視図。
【図５】自動車のフレーム構造を示す概略斜視図。
【図６】従来のセンターピラーを示す要部斜視図。
【符号の説明】
１ センターピラー
２ 上側部材
３ 下側部材
５ サイドシル
６ 補強板

Claims (2)

  1. 車体の前後方向中間部にて立設状態に設けられるセンターピラー（１）を当該車体のウェストライン近傍にて上側部材（２）と下側部材（３）とに二分割すると共に当該各部材をそれぞれ押し出し成形により形成し、
    前記下側部材（３）を車体幅方向外側にかつ前記上側部材（２）を車体幅方向内側に位置させると共に、前記下側部材（３）を前記車体に略垂直状態に設け、前記上側部材（２）を車体前後方向について後傾させて前記下側部材（３）の上端部と前記上側部材（２）の下端部との互いに重なり合う部分を結合し、前記上側部材（２）の前記下側部材（３）との結合部分から車体前方向にはみ出す部分（２ａ）を切除し、
    前記下側部材（３）の前記上端部を前記車体幅方向外側かつ下方に向けて斜めに切除したことを特徴とするセンターピラー構造。
  2. 前記下側部材（３）の下部を前記車体のフロア部のサイドシル（５）に結合し、前記サイドシル（５）との結合部分を補強するべく前記下側部材（３）の車体幅方向外面側に補強板（６）を固着すると共に、前記補強板（６）を前記上側部材（２）の下部と重なり合わせるように延長しかつ結合したことを特徴とする請求項１に記載のセンターピラー構造。
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