JPH0714691B2

JPH0714691B2 - 自動車の後部開閉体構造

Info

Publication number: JPH0714691B2
Application number: JP63004400A
Authority: JP
Inventors: 清市麻生
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1988-01-11
Filing date: 1988-01-11
Publication date: 1995-02-22
Anticipated expiration: 2010-02-22
Also published as: JPH01182120A; US4886312A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は、自動車の後部を開閉可能に覆うバックドア
のような自動車の後部開閉体構造に関する。

（従来の技術）従来、トランクリッドのみ或はトランクリッドとリヤウ
インドシールドガラスとを同時に開閉するような自動車
の後部開閉体構造としては、例えば、実開昭62−79616
号公報に記載のような構造がある。

すなわち、リヤヘッダにヒンジを介してリヤウインドシ
ールドガラスの上端を開閉可能に連結すると共に、この
リヤウインドシールドガラスの下端にヒンジを介してト
ランクリッドに相当するラッゲージドアを開閉可能に連
結し、ラッゲージドアのみを開放した第１開放状態と、
ラッゲージドアおよびリヤウインドシールドガラスを共
に開放した自動車のバックドアである。

しかし、この構造では、バックドア開放時に大きい開口
幅を得る利点がある反面、バックドア開放支点としての
リヤヘッダ部分の強度を向上させるために構造物が該リ
ヤヘッダ部に集中するので、後席乗員とリヤヘッダとの
間の離間距離つまりヘッドクリアランスが小となる問題
点があった。

また、上述のバックドアの長さが長大かつ重量化するた
め、このバックドア開閉に必要なダンパステー等のアシ
スト手段が必然的に大型化して、コストアップを招くば
かりでなく、剛性を確保するために上述のリヤウインド
シールドガラスの板厚が厚くなり、ガラス重量およびガ
ラスコストが増大する問題点があった。

一方、トランクリッドのみを開閉可能に構成した一般的
な従来のセダン系の自動車では、ヘッドクリアランスの
充分な確保ができる利点がある反面、トランクリッドの
開閉のみでは充分な荷物積卸し用の開口量が得られない
問題点があった。

（発明の目的）この発明の第１発明は、開閉体（トランクリッド）の開
口幅を大きくして、荷物の積卸し性の向上と、後席乗員
のヘッドクリアランスの確保との両立を図り、セダン
系、ハッチバック系の両者の利点を兼備した自動車の後
部開閉体構造の提供を目的とする。

この発明の第２発明は、上述の第１発明の目的と併わせ
て、ガラスパーティング部の見栄えの向上を図ることが
できる自動車の後部開閉体構造の提供を目的とする。

（発明の構成）この発明の第１発明は、リヤウインドシールドガラスを
所定高さ位置において上下二分割して、上側ガラス部と
下側ガラス部とを構成し、上記上側ガラス部をリヤヘッ
ダおよび左右のリヤピラーに固定し、上記下側ガラス部
を車体に対して開閉自在に支持される開閉体側に固定し
て、上記下側ガラス部を上記開閉体と共に一体的に開閉
すべく構成した自動車の後部開閉体構造であることを特
徴とする。

この発明の第２発明は、リヤウインドシールドガラスを
所定高さ位置において上下二分割して、上側ガラス部と
下側ガラス部とを構成し、上記上側ガラス部をリヤヘッ
ダおよび左右のリヤピラーに固定して、上記下側ガラス
部を車体に対して開閉自在に支持される開閉体側に固定
して、上記下側ガラス部を上記開閉体と共に一体的に開
閉すべく構成する一方、上側ガラス部と下側ガラス部と
の合わせ部にリヤスポイラを配設した自動車の後部開閉
体構造であることを特徴とする。

（発明の効果）この発明の第１発明によれば、上述の開閉体を開放する
と、この開閉体と上述の下側ガラス部とが同時に開放さ
れるので、これら開閉体および下側ガラス部の同時開放
により、充分な開口量（開口幅）を得ることができ、こ
の結果、荷物の積卸し性の向上を図ることができる効果
がある。

しかも、上述の上側ガラス部はリヤヘッダ、リヤピラー
に固定されていて、リヤヘッダに構造物が何等集中しな
いので、このリヤヘッダの上下幅が増大することはな
く、後席乗員のヘッドクリアランスの確保を図ることが
でき、セダン系、ハッチバック系の両者の利点を兼ね備
えることができる効果がある。

この発明の第２発明によれば、上記第１発明の効果と併
せて、上側ガラス部と下側ガラス部との合わせ部にリヤ
スポイラを配設しているので、このリヤスポイラにより
上下の各ガラス部のパーティング部分の隙隠しを行なう
ことができる。この結果、ガラスパーティング部の見栄
えの向上を図ることができる効果がある。

（実施例）この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。

図面は自動車の後部開閉体構造を示し、第１図乃至第３
図において、リヤヘッダ１と左右のリヤピラー2,2と開
閉体としてのトランクリッド３前部との間にはリヤウイ
ンドシールドガラス４を配設している。

上述のリヤウインドシールドガラス４はハッチバックと
しての実質必要開口高さＨ（第２図参照）に相当する位
置で、上下に二分割して上側ガラス部５と下側ガラス部
６とを構成すると共に、これら両ガラス部5,6のガラス
パーティング部７には後述する開閉に必要な若干のクリ
アランスを形成している。

上述のリヤヘッダ１はルーフパネル８の後端下面に接合
した車幅方向に延びる部材で、このリヤヘッダ１とルー
フパネル８との間には閉断面９を形成している。

また、上述のリヤピラー２は第４図に示す如く、リヤピ
ラーアウタパネル10と、リヤピラーインナパネル11とを
接合して、閉断面12を形成した部材である。

さらに、上述の開閉体としてのトランクリッド３は、第
２図に示す如く、その前端下面および後端下面にレイン
フォースメント13,14を接合すると共に、このトランク
リッド３の左右前端部には第４図に示す如く左右のリヤ
ピラー2,2に対応した延設部15,15を一体形成している。

上述の延設部15は第５図、第６図にも示すように、リッ
ドアウタパネル16とリッドインナパネル17とで閉断面18
を形成した延設部である。

一方、前述のリヤピラー２におけるリヤピラーインナパ
ネル11の所定高さ位置（第２図のＨ参照）にはヒンジピ
ン19を介してスワンヒンジ20の基端を枢着し、このスワ
ンヒンジ20の遊端折曲部21を上述の延設部15にボルト止
めすることにより、トランクリッド３を開閉可能に構成
している。

このトランクリッド３は、左右のリヤフェンダパネル2
2,22とリヤエンドパネル23とで囲繞される後部荷室とし
てのトランクルーム24を開閉可能に覆う。

ところで、上下二分割した一方の上側ガラス部５は、第
２図、第４図に示すようにリヤヘッダ１と左右のリヤピ
ラー2,2とに固定している。

この実施例では、上述の上側ガラス部５を、ルーフパネ
ル８とリヤヘッダ１との接合部25および、リヤピラーイ
ンナパネル11とリヤピラーアウタパネル10との接合部26
に固定すると共に、左右のリヤピラー2,2間に、アウタ
クロスメンバ27とインナクロスメンバ28とで閉断面29を
形成したクロスメンバ30を張架し、上側ガラス部５の下
縁を、このクロスメンバ30に固定している。

また、上述のクロスメンバ30をガラスパーティング部７
と対向する部位において凹状に折曲げて、レインレール
31を形成すると共に、このレインレール31下端の立上り
部にはシールラバー32を嵌着している。

なお、上述のシールラバー32は第４図に示す如く、トラ
ンクリッド３の開口部に対応して、上述のリヤピラーイ
ンナパネル11とリヤピラーアウタパネル10との接合部26
に一体的に嵌着している。

上下二分割した他方の下側ガラス部６は、第２図、第４
図に示すようにトランクリッド３の前端折曲部3aと、左
右の延設部15,15とに固定されて、トランクリッド３と
一体的に開閉すべく構成している。

また、上述の左右の延設部15,15間にはアウタフレーム3
3とインナフレーム34とで閉断面35を形成した車幅方向
に延びる補強用の枠部材36を張架し、上述の下側ガラス
部６の上縁を、この枠部材36に固定している。

ところで、上述の上側ガラス部５と下側ガラス部６との
合わせ部としてのガラスパーティング部７には、リヤス
ポイラ37を離間配設している。

上述のリヤスポイラ37は第１図、第５図、第６図に示す
ように三分割構造のリヤスポイラで、左右のサイドスポ
イラ38,38はボルト・ナット39を用いて固定側部材とし
てのリヤピラーアウタパネル10,10に取付け、中央のメ
インスポイラ40はその両端部をボルト・ナット41により
可動側部材（開閉体）としてのトランクリッド３の延設
部15に取付けている。

図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用
を説明する。

第２図に示すトランクリッド３の閉成状態から、このト
ランクリッド３を開放操作すると、該トランクリッド３
はスワンヒンジ20を介して第３図にす如く開放される。

この時、上述のトランクリッド３に固定した下側ガラス
部６およびメインスポイラ40も同トランクリッド３と一
体的に開放されるので、第３図に示す如く充分な開口量
を得ることができる。

この結果、トランクルーム24に対する荷物の積卸し性の
向上を図ることができる効果がある。

また、上述の上側ガラス部５はリヤヘッダ１、リヤピラ
ー2,2に固定して非開閉構造としているので、このリヤ
ヘッダ１に構造物が集中することはなく、このため、リ
ヤヘッダ１の上下幅は何等増大しないので、後席乗員の
ヘッドクリアランスを充分に確保することができて、セ
ダン系、ハッチバック系の両者の利点を兼ね備えること
ができる効果がある。

さらに、上述の両ガラス部5,6の合わせ部としてのガラ
スパーティング部７にはリヤスポイラ37を配設して、こ
のリヤスポイラ37でガラスパーティング部７の隙隠しお
よび構造物が車外から目視されるを防止しているので、
上述のガラスパーティング部７の見栄えの向上を図るこ
とができる効果がある。

さらにまた、第２図に示すようにトランクリッド３を閉
じた状態において、運転席からの後方視界は、フロント
アイポイントと上下のガラス部5,6の後方透視可能部位
とを結ぶ線内に設定される上下の各エリアB,Cにより総
合的に確保される。

また、上述の上下のガラス部5,6のガラスパーティング
部７から流入した雨水等は、このガラスパーティング部
７に対向して設けたレインレール31を通って車体外部に
自然流出される。

第７図は上側ガラス部５の補強部材とリヤピラー２との
車体構造の他の実施例を示し、リヤピラーアウタパネル
10と、リヤピラーインナパネル11との接合部26を所定量
内方へ延出して、この延出部の上面にアウタクロスメン
バ27′を接合すると共に、このクロスメンバ27′の下面
にインナクロスメンバ28′を接合し、両クロスメンバ2
7′,28′間に閉断面29′を形成している。

また、上述の各クロスメンバ27′,28′の後方立上り部4
2およびリヤピラー２の接合部26の後方立上り部43に一
体的にシールラバー32を嵌着すると共に、上述のアウタ
クロスメンバ27′の上面をレインレール31′に設定して
いる。

このように構成しても、先の実施例とほぼ同様の作用・
効果を奏するので、第７図において、前図と同一部分に
は同一番号を付して、その詳しい説明を省略する。

この発明の構成と、上述の実施例との対応において、この発明の所定高さ位置は、実施例のハッチバックとし
ての実質必要開口高さＨ位置に対応し、以下同様に、開閉体は、トランクリッド３に対応し、合わせ部は、ガラスパーティング部７に対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるもの
ではない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し、第１図は自動車の後部開閉体構造を示す概略斜視図、第２図は第１図のII−II線矢視断面図、第３図は後部開閉体を開放した状態で示す断面図、第４図は後部開閉体の分解斜視図、第５図は第１図中のＡ部の断面図、第６図は第５図の斜視図、第７は補強部材とリヤピラーとの接合構造の他の実施例
を示す部分斜視図である。１……リヤヘッダ、２……リヤピラー３……トランクリッド（開閉体）４……リヤウインドシールドガラス５……上側ガラス部、６……上側ガラス部７……ガラスパーティング部 37……リヤスポイラ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】リヤウインドシールドガラス（４）を所定
高さ（Ｈ）位置において上下二分割して、上側ガラス部
（５）と下側ガラス部（６）とを構成し、上記上側ガラス部（５）をリヤヘッダ（１）および左右
のリヤピラー（２）に固定し、上記下側ガラス部（６）を車体に対して開閉自在に支持
される開閉体（３）側に固定して、上記下側ガラス部
（６）を上記開閉体（３）と共に一体的に開閉体すべく
構成した自動車の後部開閉体構造。
【請求項２】リヤウインドシールドガラス（４）を所定
高さ（Ｈ）位置において上下二分割して、上側ガラス部
（５）と下側ガラス部（６）とを構成し、上記上側ガラス部（５）をリヤヘッダ（１）および左右
のリヤピラー（２）に固定し、上記下側ガラス部（６）を車体に対して開閉自在に支持
される開閉体（３）側に固定して、上記下側ガラス部
（６）を上記開閉体（３）と共に一体的に開閉すべく構
成する一方、上側ガラス部（５）と下側ガラス部（６）
との合わせ部（７）にリヤスポイラ（37）を配設した自動車の後部開閉体構造。