JP2724507B2 - トラックと乗用車の兼用車体 - Google Patents

トラックと乗用車の兼用車体

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JP2724507B2 JP13170590A JP13170590A JP2724507B2 JP 2724507 B2 JP2724507 B2 JP 2724507B2 JP 13170590 A JP13170590 A JP 13170590A JP 13170590 A JP13170590 A JP 13170590A JP 2724507 B2 JP2724507 B2 JP 2724507B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、トラックと乗用車の各車体を成形するに
際し、これら両者に共通の構成の基本車体をそれぞれに
用いるようにしたトラックと乗用車の兼用車体に関す
る。
(従来の技術) 自動車には、トラックや乗用車など種々のものがある
が、これらの車体は、従来、個々に成形されている。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、上記のように自動車の種類毎に車体を成形
すると、その成形作業が煩雑になり、また、車体の部品
点数が多くなって、その管理等が煩雑になるという問題
がある。
(発明の目的) この発明は、上記のような事情に注目してなされたも
ので、トラックと乗用車の各車体を成形するための作業
が容易にできるようにし、かつ、車体の部品点数が少な
くて済むようにすることを目的とする。
(発明の構成) 上記目的を達成するためのこの発明の特徴とするとこ
ろは、トラックと乗用車の各車体の一部を共通の構成と
してこれを基本車体とし、この基本車体に所定の車体部
品を取り付けることによって、トラックと乗用車のいず
れをも成形できるようにした点にある。
また、上記基本車体に正面視枠状の補強材を設けて、
この基本車体をトラックと乗用車のいずれに用いた場合
でも、その車体の剛性が低下しないようにした点にあ
る。
(作 用) 上記構成による作用は次の如くである。
トラック車体2と乗用車車体43に共通の構成である基
本車体34は、フロントフロア18、フロントルーフ19、お
よびシートライザー31により構成されている。
そして、上記基本車体34におけるフロントルーフ19の
後縁から一旦下方に延びた後、シートライザー31の前部
にまで延びるトラック用車体部品36を、同上基本車体34
に取り付けた場合には、トラック車体2が成形される。
一方、同上基本車体34におけるフロントルーフ19の後縁
から後方に延びる乗用車用車体部品44を、同上基本車体
34に取り付けた場合には、乗用車車体43が成形されるこ
ととなる。
ところで、上記したように乗用車車体43を成形した場
合には、基本車体34に対しトラック用車体部品36を取り
付けないため、つまり、フロントルーフ19の後縁から下
方に向って延び、基本車体34の前後中途部の補強材とも
なる部材が存在しないため、上記基本車体34の前後中途
部における強度が不足するおそれを生じる。
そこで、これに対応するため、フロントフロア18とフ
ロントルーフ19の各後縁に沿って延びる正面視枠状の補
強材52を設けてもよい。このようにすれば、基本車体34
の前後中途部の車体の剛性が確保され、よって、上記基
本車体34を用いて乗用車車体43を成形した場合にも、そ
の車体の剛性が十分に保たれることとなる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面により説明する。
第1図と第2図において、1はトラックで、そのトラ
ック車体2の前部には前輪3が支承され、後部には後輪
4が支承されている。上記トラック車体2は板金製で、
その前後中途部における内部が運転室6となっており、
この運転室6にはドライバー用のシート7が設けられる
と共に、これに対応してハンドル8が設けられている。
また、この運転室6の左右各側部に位置するトラック車
体2には、それぞれドア開口9が形成されると共に、こ
れら各ドア開口9を開閉自在に閉じるドア10が設けられ
ている。
上記トラック車体2の後部は、上方に開放する荷室12
となっており、この荷室12の後方に位置するトラック車
体2の部分には、バックドア開口13が形成されている。
その他、15はフロントウィンド開口である。
第1図から第5図により上記トラック車体2につい
て、より詳しく説明する。
上記トラック車体2は前記シート7を支持するフロン
トフロア18を有している。また、このフロントフロア18
を上記シート7と共に上方から覆うフロントルーフ19が
設けられる。このフロントルーフ19は、上記フロントフ
ロア18の前部側から上方に向って延びる左右一対のフロ
ントピラー20,20と、同上フロントフロア18の後部側か
ら上方に向って延びる左右一対のリヤピラー21,21とに
より支持されている。
特に、第3図で示すように上記フロントルーフ19の後
部は上下に対面するルーフアウタパネル22とルーフイン
ナパネル23とで構成され、これら各後縁は互いに接合し
て溶接(各図中×印で示す。以下同じ)され、かつ、こ
の接合部によってドリップチャンネル24が形成されてい
る。
特に第4図で示すように上記リヤピラー21はピラーア
ウタパネル26とピラーインナパネル27とを最中状に接合
することにより形成されている。そして、前記ルーフア
ウタパネル22の側端とピラーアウタパネル26の上端とが
溶接され、また、前記ルーフインナパネル23の側端と、
ピラーインナパネル27の上端とが溶接されている。一
方、上記リヤピラー21の下部は、特に第5図で示すよう
にピラーアウタパネル26が前記荷室12を形成するロアサ
イドパネル28と一体成形されている。
第1図から第3図において、上記フロントフロア18の
後部から一段高くなるように後方に延びてその上面にリ
ヤシート30を支持可能とするシートライザー31が設けら
れている。また、このシートライザー31の後部から、更
に一段高くなるように後方に延びるリヤフロア32が設け
られている。そして、上記リヤフロア32が前記荷室12の
後部下面を形成している。
第3図で示すように、フロントフロア18の後部とシー
トライザー31とを結ぶ補強パネル33が設けられ、これら
三部材18,31,33の断面は箱形をなして、シートライザー
31の補強がなされている。また、上記フロントフロア18
やシートライザー31の各側縁は前記ピラーインナパネル
27の下部にそれぞれ溶接され、更に、リヤフロア32の各
側縁はインサイドパネル(図示せず)を介してロアサイ
ドパネル28側に溶接されている。
そして、上記フロントフロア18、フロントルーフ19、
フロントピラー20、リヤピラー21、ロアサイドパネル2
8、シートライザー31、リヤフロア32、補強パネル33、
およびこれらよりも前方に位置する各部材が基本車体34
を形成している。
第1図から第3図において、上記フロントルーフ19の
後縁、左右リヤピラー21,21、およびリヤフロア32の前
部によって囲まれた空間を閉じるトラック用車体部品36
が設けられる。このトラック用車体部品36は上記フロン
トルーフ19の後縁から後下方に向って延びるバックパネ
ル37と、このバックパネル37の下縁から後方に延びその
後縁がリヤフロア32の前部上面に溶接されるリヤデッキ
パネル38と、このリヤデッキパネル38の前縁に沿って車
幅方向に延びる断面U字状のクロスメンバ39とで構成さ
れている。
また、上記バックパネル37の各側縁はピラーインナパ
ネル27に溶接され、リヤデッキパネル38とクロスメンバ
39の各側縁はロアサイドパネル28側に溶接されている。
上記バックパネル37にはバックウィンド40が形成され、
上記リヤデッキパネル38は前記荷室12の前部下面を形成
している。また、前記バックドア開口13を開閉自在とす
るバックドア41が設けられている。
即ち、トラック車体2は、前記基本車体34に対し上記
バックパネル37はリヤデッキパネル38、また、バックド
ア41等からなるトラック用車体部品36を取り付けること
によって形成されている。
なお、上記シートライザー31とリヤデッキパネル38と
の間の空間は小物入れ35とされている。
第2図中仮想線、および、第6図において、図中42は
乗用車である。この乗用車42の乗用車車体43は上記基本
車体34に乗用車用車体部品44を取り付けることにより、
形成されている。
この乗用車用車体部品44は前記フロントルーフ19の後
端から後方に延びてシートライザー31とリヤフロア32と
を上方から覆うリヤルーフ45を備えている。また、この
リヤルーフ45の側縁から下方に向って延びるアッパサイ
ドパネル46が設けられ、このアッパサイドパネル46は同
上リヤルーフ45の側縁、前記リヤピラー21の後縁、およ
び前記ロアサイドパネル28の上縁で囲まれた空間を閉じ
ている。
上記リヤルーフ45と各アッパサイドパネル46の後縁に
よって囲まれた空間がバックドア開口47となっており、
このバックドア開口47と、前記バックドア開口13とを開
閉自在とするバックドア48が設けられている。そして、
上記乗用車用車体部品44によって覆われた空間が客室49
となっていて、この客室49で、前記シートライザー31に
リヤシート30が支持されている。
即ち、乗用車車体43は前記基本車体34に対し、トラッ
ク用車体部品36に代えて、リヤルーフ45やアッパサイド
パネル46、また、バックドア48等からなる乗用車用車体
部品44を取り付けることにより形成されている。
また、上記基本車体34において、フロントフロア18と
フロントルーフ19の各後縁、および左右各リヤピラー21
に沿って延びる板金製の補強材52が設けられている。
第3図において、上記補強材52は下部補強材53を有
し、この下部補強材53は前記シートライザー31と補強パ
ネル33とで形成された箱形断面内に位置し、かつ、シー
トライザー31と補強パネル33と共に二重の箱形断面を形
成することによって、フロントフロア18の後縁やシート
ライザー31を十分に補強している。また、上記補強材52
は上部補強材54を有し、この上部補強材54は前記ルーフ
インナパネル23と共に箱形断面を形成して、フロントル
ーフ19の後縁を十分に補強している。
更に、第4図と第5図とで示すように、同上補強材52
は側部補強材55を有し、この側部補強材55はリヤピラー
21の内部に位置し、このリヤピラー21の上部では、第4
図で示すようにピラーアウタパネル26とピラーインナパ
ネル27と共に二重の箱形断面を形成することによって、
リヤピラー21の上部を十分に補強している。また、リヤ
ピラー21の下部では、上記側部補強材55はピラーインナ
パネル27と共に箱形断面を形成して、リヤピラー21の下
部を十分に補強している。
更に、上記下部補強材53、上部補強材54、および側部
補強材55の各端部は直接的、もしくは間接的に互いに強
固に溶接され、かつ、この補強材52と、これに対応する
他の部材とによって形成される断面箱形部が正面視枠状
に構成されて、基本車体34の前後中途部が十分に補強さ
れることとなっている。このため、基本車体34の前後中
途部に設けられて、基本車体34の前後中途部を十分に補
強することともなっているトラック用車体部品36に代え
て、乗用車用車体部品44を設けた場合でも、乗用車車体
43には十分の強度が確保されるのであって、別途補強部
材を設けることを強制されることがない。
また、上記のように補強材52を設けたことから、トラ
ック用車体部品36におけるバックパネル37などの強度も
下げることができ、その分、トラック用車体部品36の構
成を簡単にすることができる。
(発明の効果) この発明によれば、シートを支持するフロントフロア
と、このフロントフロアを上方から覆うフロントルーフ
と、同上フロントフロアの後方近傍に位置してリヤシー
トを支持するシートライザーと、このシートライザーの
後方近傍でこのシートライザーよりも高い所に位置する
リヤフロアとで基本車体を形成し、上記フロントルーフ
の後縁から下方に延びた後、後方に折れ曲がりその折れ
曲がり端が上記リヤフロアの前部に接続されるトラック
用車体部品と、同上フロントルーフの後縁から後方に延
びてシートライザーとリヤフロアとを上方から覆う乗用
車用車体部品とのいずれか一方の車体部品を選択的に上
記基本車体に取り付け可能としたため、次の効果があ
る。
即ち、上記基本車体におけるフロントルーフの後縁か
ら一旦下方に延びた後、シートライザーの前部にまで延
びるトラック用車体部品を、同上基本車体に取り付けた
場合には、トラック車体が成形される。一方、同上基本
車体におけるフロントルーフの後縁から後方に延びる乗
用車用車体部品を、同上基本車体に取り付けた場合に
は、乗用車車体が成形されることとなる。
よって、トラック車体や乗用車車体を成形する場合
に、その一部が兼用されることから、各車体の成形作業
が容易にでき、部品点数も少なくなって、その管理等が
し易くなる。
また、上記構成において、フロントフロアとフロント
ルーフの各後縁に沿って延びる正面視枠状の補強材を設
けた場合には、次の効果がある。
即ち、乗用車車体を成形した場合には、基本車体に対
しトラック用車体部品を取り付けないため、基本車体の
前後中途部における強度が不足するおそれを生じるが、
上記したようにフロントフロアとフロントルーフの各後
縁に沿って延びる正面視枠状の補強材を設けておけば、
基本車体の前後中途部の車体の剛性が確保される。よっ
て、上記基本車体を用いて乗用車用車体を成形した場合
にも、その車体の剛性が十分に保たれることとなる。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明の実施例を示し、第1図はトラックの全体
側面図、第2図はトラック車体の全体斜視図、第3図は
第1図の一部拡大断面図、第4図は第2図のIV−IV線矢
視断面図、第5図は同上第2図のV−V線矢視断面図、
第6図は乗用車の全体側面図である。 1……トラック、2……トラック車体、18……フロント
フロア、19……フロントルーフ、30……リヤシート、31
……シートライザー、32……リヤフロア、34……基本車
体、36……トラック用車体部品、42……乗用車、43……
乗用車車体、44……乗用車用車体部品、52……補強材。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シートを支持するフロントフロアと、この
    フロントフロアを上方から覆うフロントルーフと、同上
    フロントフロアの後方近傍に位置してリヤシートを支持
    するシートライザーと、このシートライザーの後方近傍
    でこのシートライザーよりも高い所に位置するリヤフロ
    アとで基本車体を形成し、上記フロントルーフの後縁か
    ら下方に延びた後、後方に折れ曲がりその折れ曲がり端
    が上記リヤフロアの前部に接続されるトラック用車体部
    品と、同上フロントルーフの後縁から後方に延びてシー
    トライザーとリヤフロアとを上方から覆う乗用車用車体
    部品とのいずれか一方の車体部品を選択的に上記基本車
    体に取り付け可能としたトラックと乗用車の兼用車体。
  2. 【請求項2】フロントフロアとフロントルーフの各後縁
    に沿って延びる正面視枠状の補強材を設けた特許請求の
    範囲第1項に記載のトラックと乗用車の兼用車体。
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