JP3839342B2 - 給紙装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録紙の枚数を検知する手段を備えた給紙装置及びその給紙装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙類等の搬送媒体を搬送した際に、その搬送された媒体が1枚であるか、複数枚であるかを検知する装置が、例えば特開2000−34037号公報に記載されている。
この装置は、それぞれ対をなす可視光発光素子と可視光受光素子、及び赤外発光素子と赤外受光素子を設けると共に、その可視光受光素子が受光した光の強度に応じて第1の信号を出力する可視光受光回路と、赤外発光素子が受光した光の強度に応じて第2の信号を出力する赤外受光回路を設け、上記第1の信号と第2の信号を入力して演算した演算値が搬送媒体の重ね合わせを示す閾値以下の場合に搬送された搬送媒体が1枚であると判断し、閾値を越えていれば搬送媒体が複数枚搬送されたと枚数識別回路が判断するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この搬送された搬送媒体を検知する装置は、搬送された搬送媒体が1枚であるか、複数枚であるかを検知するだけの装置であるため、この装置を例えば画像形成装置の給紙装置に適用したとしても、その給紙装置の記録紙積載手段上に仮に数枚の記録紙が積載されていたとすると、その記録紙の枚数を正確に検知することはできないということがあった。
また、このような画像形成装置の給紙装置で、従来行っている記録紙の枚数検知は、例えば記録紙積載手段上に記録紙が有るか無いかを検知するものであったり、記録紙が50枚以上や100枚以上といった大ざっぱな枚数検知をするものが一般的であった。したがって、その残量枚数の不正確さから、次に説明するような不都合が生じる恐れがあった。
すなわち、近年は複写機やプリンタ等の画像形成装置はカラー化及び画像形成の高速化が進んでいるため、例えば図16に示すように大型の像担持体である中間転写ベルト91を装着し、その中間転写ベルト91上に複数(図16の例では5つ)の画像G〜Gを一度に担持できるようにしたものがある。
【0004】
このような画像形成装置では、給紙トレイ95の記録紙積載手段となる底板96上に積載されている記録紙の残量枚数を正確に検知できないと、その残量枚数が中間転写ベルト91上に一度に担持できる画像数よりも少ないときには、その残量枚数を超える数の画像を形成して、それを中間転写ベルト91上に担持してしまうことが生じる。
その場合、記録紙に転写できなかった余分な画像は、クリーニング装置で全て消去するようになるので、全く非生産的な動作を行ってしまうと共に、トナーの無駄使いが生じる。また、余分な画像をクリーニングすることにより大量のトナーを回収するようになるので、クリーニング装置への負荷も増大するようになる。
具体的には、図16に示した例の場合には中間転写ベルト91上に5枚分の画像G〜Gを担持することができるのに対し、給紙トレイ95から転写部94までに記録紙が3枚(P〜P)しか存在しなかったとすると、5−3=2枚の2枚分の画像を記録紙に転写することができないため、その画像がクリーニング装置によって消去されることになる。
【0005】
このような余分な画像の形成は、給紙トレイ内の記録紙の残量枚数を正確に検知することができれば防ぐことができるものである。
ところが、上述したように発光手段(発光素子)が発した光を記録紙に当て、その記録紙を透過した透過光を受光手段(受光素子)で検知し、その受光手段が受光した光の量により記録紙の枚数検知を行う場合には、記録紙の種類によっては正確な枚数検知ができないことがあるという問題点があった。
すなわち、一般的に使用されている記録紙の透過光率は1.5%以下であり、特に厚紙数枚となると透過光率は0.1%以下と非常に小さな値となる。このような領域ではノイズの影響が大きくなるため測定精度が低下する。
そこで、このような場合を予め想定して発光手段の発光量を増やす(例えば透過光率2%以下の領域を測定領域として、2%を超える領域の測定は行わないようにする)と、例えば透過光率が90%程度と高いOHPシート等については、今度は測定ができなくなってしまうようになる。
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、透過光率の高い領域であっても測定することができ、且つ透過光率の低い領域でもノイズを抑えて正確に記録紙枚数を検知することができるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、記録紙を積載する記録紙積載手段と、その記録紙積載手段に積載された記録紙を給紙する給紙手段とを備えた給紙装置において、
上記記録紙積載手段上に積載された記録紙の厚さ方向に光を透過可能に発光手段とその発光手段が発した光を受光する受光手段とを設けると共に、上記発光手段が発して記録紙を透過して上記受光手段が受光した透過光の減衰量の大小により上記記録紙積載手段上に積載された記録紙の枚数を検知する手段を設け、上記発光手段は、異なる光量の光を2種類以上出力する手段であり、その異なる2種類以上出力された光を上記受光手段が共に受光するようにしたものである。
上記発光手段は、発光量の異なるものを2個以上で構成することにより2種類以上の光量を出力可能にするとよい。また、受光手段も2個以上で構成するとよい。
上記発光手段の発光は、上記記録紙積載手段上に積載されている最上位の記録紙が停止状態にあるときに行うようにするとよい。
【0007】
上記給紙手段により給紙された記録紙を1枚に分離する分離手段と、その分離手段により1枚に分離された記録紙が搬送される搬送路上にその搬送路を搬送される記録紙の厚さ方向に光を透過可能に発光手段とその発光手段が発した光を受光する受光手段とを設けると共に、その発光手段が発して記録紙を透過して上記受光手段が受光した透過光の減衰量を検知する手段を設け、上記搬送路上の発光手段が発する光の光量を2種類以上出力可能にするとよい。
上記搬送路上の発光手段は、発光量の異なるものが2個以上で構成されていることにより2種類以上の光量が出力可能であるようにするとよい。また、上記搬送路上の受光手段も2個以上で構成されているようにするとよい。
上記搬送路上の発光手段の発光は、上記搬送路に送り込まれて停止状態にある記録紙に対して行うようにするとよい。
上記記録紙積載手段上に積載された記録紙の枚数を検知するための発光手段と受光手段及び上記搬送路に送り込まれた記録紙を検知するための発光手段と受光手段とにより、それぞれ記録紙が無いときに各発光手段が発した光を各受光手段でそれぞれ受光し、その各受光手段の出力値を経時的光量劣化に応じてそれぞれ補正する手段を設けるとよい。
上記いずれかの給紙装置を備えた画像形成装置も提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明による給紙装置の第1の実施形態を示す概略構成図、図2は同じくその給紙装置を備えたカラー画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
図2に示すカラー画像形成装置は、装置本体1の略中央に画像形成部20を配置し、その画像形成部20のすぐ下方に複数の給紙トレイ22を備えた給紙部2を配置している。なお、この給紙部2には、必要に応じて別の給紙装置を増設することもできるようになっている。
また、画像形成部20の上方には原稿を読取る読取部23を、その画像形成部20の図2で左側には排紙収納部24をそれぞれ設けており、その排紙収納部24には画像形成された記録紙Pが排紙収納される。
画像形成部20には、複数のローラ間に張装されて矢示A方向に回動するベルト状の中間転写ベルト25が設けられており、その中間転写ベルト25の回りには図示のように4個の作像部を構成するそれぞれドラム状の感光体26Y,26M,26C,26Kが並列配置されている。
【0009】
その各感光体の回りには、感光体の表面を帯電処理する各帯電装置62と、各感光体の表面に形成された静電潜像を各色のトナーで可視像化する各現像装置63と、その各感光体上のトナー像(可視像)を中間転写ベルト25に転写した後に各感光体上に残った残留トナーを除去回収する各クリーニング装置64をそれぞれ設けている。
この画像形成部20の上部には、その画像形成部20の各感光体26Y,26M,26C,26Kに、それぞれ各色の画像情報に対応したレーザ光を照射してそこに潜像を形成する露光装置7を設けている。
また、画像形成部20の記録紙搬送上流側にレジストローラ33を、その画像形成部20の記録紙搬送下流側に定着装置28をそれぞれ設け、そのレジストローラ33により記録紙のスキュー補正を行うと共に、感光体上の画像とタイミングをとって給紙するようにしている。また、記録紙上に転写したトナー像を定着装置28により定着処理するようにしている。
この定着装置28の下流側には、その定着装置28を通過した記録紙を排紙収納部24上に排出する排紙ローラ41を設けている。
なお、図2で3は、原稿を自動的にコンタクトガラス31上に搬送する自動原稿搬送装置である。
【0010】
このカラー画像形成装置は、フルカラーの画像形成動作を開始させると、画像形成部20の各帯電装置62により帯電された感光体26Y,26M,26C,26K上の各帯電面が露光装置7により、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(BK)の各色に対応した操作光により露光され、そこに潜像が形成される。
その露光装置7による各感光体26Y,26M,26C,26Kへの書き込みは、読取部23に設けられているコンタクトガラス31上にセットした原稿の画像を、原稿照明用光源とミラーからなる読み取り走行体32a、32bが図2で左右方向に往復移動することにより読み取り走査を行って、レンズ34の後方に設置されているCCD35に画像信号として読み込まれた画像情報を基にして行われる。
すなわち、CCD35に読み込まれた画像信号は、デジタル化されて画像処理され、その画像処理された信号に基づいて、露光装置7内のレーザダイオードの発光により、感光体26Y,26M,26C,26Kの各表面を露光して、そこに静電潜像を形成する。
その際、レーザダイオードからの光は、ポリゴンミラーやレンズを介して各感光体に至る。
【0011】
このようにして、各感光体26Y,26M,26C,26K上にそれぞれ形成された各潜像は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(BK)の4つの色にそれぞれ対応した各現像装置63により現像され、トナー像となる。
そのトナー像は、最初に感光体26Y上のイエロー色の画像が、図2の矢示A方向に回動している中間転写ベルト25上に転写され、次にそのイエロー色の画像が感光体26Mの位置まで移動したときに、そこにマゼンタ色の画像を重ね合わせて転写する。そのマゼンタ色の画像を転写した部分が感光体26Cの位置まで移動したときに、そこにシアン色の画像を重ね合わせて転写し、さらにそのシアン色の画像を転写した部分が感光体26Kの位置まで移動したときに、そこにブラック色の画像を重ね合わせて転写する。
【0012】
そして、そのイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの4色重ね合わせ画像が中間転写ベルト25の回動により転写ローラ51のある転写位置まで移動すると、そのタイミングに一致するように同期がとられて給紙された記録紙に、転写ローラ51により一括転写される。このように、このカラー画像形成装置は、中間転写ベルト25が1回動して1つのカラー画像を形成する作像プロセスを行う。
そして、その中間転写ベルト25上の4色重ねのトナー像が記録紙に一括転写された後は、その中間転写ベルト25上に残留するトナーが中間転写クリーニング装置52により除去回収される。
トナー像が定着されて定着装置28を通過した記録紙は、それが片面画像形成であるときには排紙ローラ41により排紙収納部24に排出される。
また、両面画像形成の指示が出されているときには、定着装置28と排紙ローラ41との間の搬送経路上に設けている分岐爪43により、記録紙が画像形成部20の下側に配設している両面装置29に送り込まれ、それが反転されて再びレジストローラ33に搬送され、今度は第2面に画像が形成された後に排紙ローラ41により排紙収納部24上に排出される。
【0013】
一方、記録紙を給紙する給紙部2には、各給紙段ごとに給紙装置4がそれぞれ設けられている。
その各給紙段の給紙装置4は、図1に示すように記録紙Pを積載する記録紙積載手段である底板5と、その底板5に積載された記録紙Pを同図で反時計回り方向に回転することにより給紙する給紙手段であるピックアップコロ6と、そのピックアップコロ6により給紙された記録紙Pが複数枚であったときにはそれを1枚に分離するフィードコロとリバースコロとからなる分離手段8とを備えている。
また、この給紙装置4は、底板5上に積載された記録紙Pの厚さ方向に光を透過可能に発光手段である発光素子13とその発光素子13が発した光を受光する受光手段である受光素子14とを設けると共に、その発光素子13が発して記録紙Pを透過して受光素子14が受光した透過光の減衰量の大小により底板5上に積載された記録紙Pの枚数を検出する手段として機能する制御装置50を設けている。
【0014】
発光素子13は、そこから発する光の光量を2種類(3種類以上であってもよい)出力可能な発光素子であり、所定の時間間隔で後述する弱い発光と強い発光を繰り返す。なお、底板5には、発光素子13が発した光を通過させるための切り欠き5aが形成してある。
底板5は、この実施の形態に示したものは、そこに記録紙Pを載置した状態で、図2で左方側の端部を支点にして矢示B方向に回動可能なものであり、その下側に設けられて図示しない例えばモータ等の駆動源により上昇側に回動する上昇レバーにより押し上げられて、記録紙送出端側が上昇するようになっている。
なお、発光素子13と受光素子14は共に底板5に一体に固定するようにするとよい。そうすれば、底板5が上昇したときでも発光素子13と受光素子14との間の距離が常に一定に保たれるようになる。
【0015】
この給紙装置4からの給紙は、底板5上に収納した未使用の記録紙Pが、その底板5が上昇側に回動することにより最上位に位置する記録紙がピックアップコロ6に当接する位置まで上昇し、その状態でピックアップコロ6が回転することにより行われる。
そこで、記録紙Pが2枚以上送り出されたときには、それが分離手段8によって1枚に分離される。そして、その記録紙Pが、停止状態にある図2に示したレジストローラ33へ搬送され、そこで一旦停止されて、その先端と感光体上のトナー像との位置関係が正確に一致するタイミングで、そのレジストローラ33が回転を開始することにより画像形成部20に向けて搬送される。以下、上述したプロセスを経て画像形成が行われ、それが排紙収納部24に排出される。
【0016】
ところで、この給紙装置4は、図1で説明したように、底板5上に積載された記録紙Pを厚さ方向で挾むように発光素子13と受光素子14を設けている。
その発光素子13としては、例えばLED素子,半導体レーザ等が考えられるが、白熱燈や蛍光灯等その他の発光手段であってもよい。波長も、可視光はもちろん、赤外光や紫外光等であってもよい。
このように、対をなす発光素子13と受光素子14を有することにより、その発光素子13から発した光が底板5上の記録紙Pを透過することにより減衰した光の光量を受光素子14が検知することができる。
ところで、前述したように発光素子13は、そこから発する光の光量を所定の時間間隔で弱い発光と強い発光の2種類を繰り返す。その発光素子13による発光量を時系列で示したものが図3である。この図に示すように、発光素子13からは最初に弱い発光Lが行われ、その所定時間後に強い発光Hが行われる。そして、その発光Hは発光Lの例えば50倍の強さとする。なお、このパルス発光の強弱の順番は任意である。
【0017】
図4は、図3に示した光量の異なる2種類の光を、記録紙が無い状態で受光素子14が直接受光した際の出力をそれぞれ示したものである。この例では、弱い発光Lにおける受光素子14の出力は4Vであり、強い発光Hにおける受光素子14の出力は5Vとなっている。
ここで、仮に弱い発光Lの1.1倍の強さの発光があったとすると、その場合における受光素子14の出力は、4×1.1=4.4Vとなる。ところが、強い発光Hの場合には、仮にその1.1倍の強さの発光があったとしても、受光素子14はその出力5Vが出力限界(飽和状態)であるため、出力は5Vのままであり、それ以上の出力はない。
図5は例えばOHPシートのように透過光率の高い用紙1枚に図3に示した光量の異なる2種類の光を当てた際にそこを透過することにより減衰した光を受光手段が受光した際の出力を示したものである。
この場合、弱い発光Lにおける受光素子14の出力は3Vであり、強い発光Hにおける受光素子14の出力は5Vとなっている。ここで、図4に示した弱い発光Lの記録紙の無い状態での受光素子14の出力は4Vであったので、この透過光率の高い用紙を透過した場合の透過光率は(3/4)×100=75%となる。
【0018】
ところが、同様に強い発光Hの場合の透過光率を計算してみると、発光Hにおける記録紙の無い状態での受光素子14の出力は5V(図4参照)であり、透過光率の高い用紙1枚に発光Hを当てた際の受光素子14の出力は5V(図5参照)であるので、記録紙有りと無しで共に5Vとなるため、ここでは透過光率が判らない。
図6は例えば厚紙のように透過光率の低い用紙1枚に図3に示した光量の異なる2種類の光を当てた際にそこを透過した光を受光手段が受光した際の出力を示したものである。
この場合、弱い発光Lにおける受光素子14の出力は0.04Vであり、強い発光Hにおける受光素子14の出力は2Vとなっている。ここで、図4に示した弱い発光Lの記録紙の無い状態での受光素子14の出力は4Vであったので、この透過光率の低い用紙を透過した場合の透過光率は(0.04/4)×100=1%となる。
また、この実施形態では、前述したように強い発光Hの発光量は、弱い発光Lの発光量の50倍の場合について説明しているので、透過光率の低い用紙における透過光率は、発光Hにおける受光素子14の出力2Vから、2/(4×50)×100=1%となる。ところが、ここで発光L及び発光Hにおける受光素子14の各出力に、図6に示したようにいずれにも±0.04Vのノイズが乗っているとすると、発光Lにおける受光素子14の出力は0.04±0.04Vとなるため、透過光率は0〜2%の間となる。
これに対し、発光Hの場合には、ノイズを考慮すると受光素子14の出力は2±0.04Vとなるので、±(0.04/4×50)×100=±0.02%が誤差となるので、透過光率は誤差を含めても0.08〜1.02%となり精度が向上する。
【0019】
以上のように、一般的に画像形成装置で使用される記録紙の透過光率は通常のもので1.5%以下であり、記録紙が厚紙であるときにそれが数枚であるときには透過光率が0.1%以下と非常に小さくなるため、このような領域ではノイズの影響が大きくなることにより測定精度が下がってしまう。
しかしながら、この実施の形態による給紙装置によれば、上述したように発光素子13を光量の異なる2種類の光を出力するようにしているので、透過光率の高い用紙であっても透過光率を測定することが出来、また透過光率の低い領域もノイズを考慮しても精度の高い枚数検知を行うことができる。
なお、この透過光率の演算は、図1に示した制御装置50のマイクロコンピュータが行う。その制御装置50のマイクロコンピュータは、各種判断及び処理機能を有する中央処理装置(CPU)と、各処理プログラム及び固定データを格納したROMと、処理データを格納するデータメモリであるRAMと、入出力回路(I/O)とからなる。
【0020】
このように、この給紙装置によれば、底板5上に積載されている記録紙の残量枚数を、正確に検出することができる。
それにより、底板5上に残っている記録紙の枚数以上の画像を図2で説明した中間転写ベルト25上に書き込んでしまうのを防止することができるため、それによりトナーの無駄使いを防止することができる。また、底板5上に残っている記録紙の枚数以上のトナー像を中間転写ベルト25上に形成してしまったときには、その余分に形成してしまったトナー像を中間転写クリーニング装置52で大量に消去するために中間転写クリーニング装置52に大きな負担がかかるが、それも防止することができる。
なお、透過光率の演算に必要となる記録紙が無い状態で受光素子14が発光素子13から直接受光した際の出力は、例えば画像形成装置を工場出荷時に制御装置50の記憶部に記憶させておく。
【0021】
図7はこの発明による給紙装置の第2の実施形態の記録紙枚数を検知する発光素子及び受光素子を記録紙と共に示す概略図であり、図1と対応する部分には同一の符号を付してある。
この実施形態による給紙装置は、発光手段を発光量の異なる発光素子13A,13Bの2個(3個としてもよい)で構成している点が図1で説明した給紙装置と異なる。そして、その発光素子13Aが強い発光(図3の発光H)を行い、発光素子13Bが弱い発光(図3の発光L)行うことにより、2種類の光量を出力可能にしている。
このようにすれば、発光手段が1個のときには、その発光手段は強弱2種類(3種類以上にしてもよい)の発光パルスを所定の時間ごとに変えて出力する必要があるためその分だけ時間がかかったが、発光素子13Aが常に強い発光を行い、発光素子13Bが常に弱い発光を行うので、1回の発光時間で記録紙Pを透過した透過光の減衰量を受光素子14で検出することができる。
なお、発光手段を3個以上の発光素子で構成する場合には、1個の発光素子を強い発光を行う発光素子とし、他の残りの発光素子を全て弱い発光を行う発光素子にする。
【0022】
図8はこの発明による給紙装置の第3の実施形態の記録紙枚数を検知する発光素子及び受光素子を記録紙と共に示す概略図であり、図7と対応する部分には同一の符号を付してある。
この実施形態による給紙装置は、受光手段を2個の受光素子14A,14Bで構成している点が図7で説明した給紙装置と異なる。なお、発光手段が3個以上の発光素子で構成されている場合には、その発光素子の数に対応させて受光素子の数を発光素子と同数だけ対向させて設ける。
この給紙装置は、発光素子13Aが発光させた強い光を受光素子14Aが受光し、発光素子13Bが発光させた弱い光を受光素子14Bが受光する。
この給紙装置によれば、発光素子13A,13Bからなる発光手段のレイアウト上の自由度を上げることができる。
【0023】
図9はこの発明による給紙装置の第4の実施形態を説明するために各部の動作タイミングを示すタイミング図である。
この実施形態による給紙装置の特徴は、発光素子13の発光は底板上に積載されている最上位の記録紙が停止状態にあるときに行うようにしている点である。
図9に示すように、給紙装置のピックアップコロ6と、分離手段のフィードローラ8a及びリバースローラ8bと、さらに搬送経路上に設けている搬送ローラ等のローラ類は、それらが回転駆動されているときには底板(図1の底板5を参照)上の記録紙に対して振動を与えるようになる。
そこで、この実施形態による給紙装置では、底板上の記録紙の透過光率を測定するとき、すなわち発光素子13を発光させるとき(ON)は、底板5上に積載されている最上位の記録紙が停止状態にあるときにしている。
それにより、記録紙の透過光率を測定するときは、その記録紙は静止状態にあるので安定した透過光率の測定ができる。
【0024】
図10はこの発明による給紙装置の第5の実施形態における記録紙枚数を検知する構成部分を示す概略図である。なお、この実施形態における給紙装置の説明にあたり、図1の給紙装置と同様な部分の説明には、図1で使用した各部の符号を使用して説明する。
この実施形態による給紙装置は、図1乃至図8で説明した各給紙装置に対し、給紙手段であるピックアップコロ6により給紙されて分離手段8により1枚に分離された記録紙が搬送されるレジストローラ33の直前の搬送路36上に、その搬送路36を搬送される記録紙Pの厚さ方向に光を透過可能に発光手段である発光素子13′とその発光素子13′が発した光を受光する受光手段である受光素子14′とを設けると共に、その発光素子13′が発して記録紙Pを透過して受光素子14′が受光した透過光の減衰量を検知する手段となる制御装置50′を設けた点が異なる。
したがって、図示は省略するが、この給紙装置にも図1で説明した給紙装置と同様に、底板5の付近にはその底板5上の記録紙を透過した透過光の減衰量の大小により底板5上の記録紙の枚数を検出する発光素子13と受光素子14が設けられている。
図10に示したように、発光素子13′及び受光素子14′は、レジストローラ33の直前(記録紙搬送方向の上流側)に配置してあり、記録紙Pがレジストローラ33に突き当てられて停止した状態にあるときに、発光素子13′を発光させて透過光率を測定するようにしている。
【0025】
なお、その際の発光素子13′と受光素子14′とによる発光/受光の関係は、図3乃至図6で説明した場合と同様であり、強弱2種類の発光H,Lを行う。また、この発光素子13′と受光素子14′は、例えば対のガイド板18,19にそれぞれ固定する。そうすることにより、発光素子13′と受光素子14′との間の距離を常に一定に保つことができる。
その発光素子13′の発光制御及び受光素子14′の出力から透過光率を演算するのは、全て制御装置50′が有するマイクロコンピュータが行う。
その制御装置50′は、図1で説明した制御装置50と同様に、各種判断及び処理機能を有する中央処理装置(CPU)と、各処理プログラム及び固定データを格納したROMと、処理データを格納するデータメモリであるRAMと、入出力回路(I/O)とからなるマイクロコンピュータを備えている。
このように、1枚に分離された後の記録紙を検知する発光素子13′と受光素子14′を搬送路36上に設ければ、それによって搬送された1枚の記録紙の透過光率を正確に検出することができる。それにより、その記録紙1枚の透過光率と底板5側の発光素子13と受光素子14とから得る透過光率との比較から、底板5上の記録紙の残量枚数を演算により正確に求めることができる。また、記録紙が厚紙、薄紙、色紙等のいずれであっても、それらの透過光率の違いを確実に検知することができる。
そして、搬送路36上の発光素子13′は、図3で説明した発光素子13と同様に発光量を強弱2種類を出力するので、透過光率の高い領域であってもその透過光率を測定することができると共に、透過光率の低い領域もノイズを抑えて正確な透過光率を測定することができる。
【0026】
図11はこの発明による給紙装置の第6の実施形態における搬送路上の記録紙を検知する構成部分を示す概略図であり、図10と対応する部分には同一の符号を付してある。
この実施形態による給紙装置は、図10で説明した給紙装置に対し、搬送路36上の発光手段が、発光量の異なる2個(3個以上にしてもよい)の発光素子13A′,13B′で構成されていることにより2種類の光量の出力が可能である点のみが異なる。そして、発光素子13A′が強い発光(図3の発光H)を行い、発光素子13B′が弱い発光(図3の発光L)を行う。
このようにすれば、発光手段が1個のときには、その発光手段は強弱2種類(3種類以上にしてもよい)の発光パルスを所定の時間ごとに変えて出力する必要があるためその分だけ時間がかかるが、発光素子13A′が常に強い発光を行い、発光素子13B′が常に弱い発光を行うので、1回の発光時間で記録紙Pを透過した透過光の減衰量を受光素子14′で検出することができる。
なお、発光素子を3個以上の発光素子で構成する場合には、1個の発光素子を強い発光を行う発光素子とし、他の残りの全ての発光素子を弱い発光を行う発光素子にする。
【0027】
図12はこの発明による給紙装置の第7の実施形態における搬送路上の記録紙を検知する構成部分を示す概略図であり、図11と対応する部分には同一の符号を付してある。
この実施形態による給紙装置は、搬送路36上の受光手段を2個(3個以上としてもよい)の受光素子14A′,14B′で構成するようにした点のみが図11で説明した給紙装置と異なる。
この給紙装置によれば、発光素子13A′,13B′からなる発光手段のレイアウト上の自由度を上げることができる。
【0028】
図13はこの発明による給紙装置の第8の実施形態を説明するために各部の動作タイミングを示すタイミング図である。
この実施形態による給紙装置では、搬送路上に設けた発光素子13′(図11及び図12の13A′,13B′も同様)の発光は、搬送路に送り込まれてレジストローラ33(図10参照)に突き当てられた状態で停止状態にある記録紙に対して行うようにしている。
それにより、記録紙に対して発光素子13′が発光を行うときには、図10で説明したレジストローラ33や搬送路36上に設けている搬送ローラは停止状態(OFF)にあるので、それらローラ類の回転時に発生する記録紙の振動を防止できると共に、その記録紙が回転するローラ類に引っ張られたりするのを防止できるので、記録紙の透過光率を安定して測定することができる。
【0029】
図14はこの発明による給紙装置の第9の実施形態を示すブロック図、図15は同じくその給紙装置に使用しているLEDの発光輝度と時間の関係を示した線図である。
この実施形態による給紙装置では、底板5上に積載された記録紙Pの枚数を検知するための発光素子13と受光素子14及び搬送路36に送り込まれた記録紙Pを検知するための発光素子13′と受光素子14′とにより、それぞれ記録紙が無いときに各発光素子13,13′が発した光を各受光素子14,14′でそれぞれ受光し、その各受光素子14,14′の出力値を経時的光量劣化に応じてそれぞれ補正する手段となる制御装置50″を設けている。
なお、この制御装置50″は、各種判断及び処理機能を有する中央処理装置(CPU)と、各処理プログラム及び固定データを格納したROMと、処理データを格納するデータメモリであるRAMと、入出力回路(I/O)とからなるマイクロコンピュータを備えている。
ところで、発光素子13,13′に例えばLEDを使用しているときには、そのLEDの発光輝度は図15に示すように、一般的に時間の経過に伴って低下していく(経時的光量劣化)。
【0030】
例えば、工場出荷時に記録紙を透過しないで直接発光素子が発した光を受光素子が受光して出力した際の出力が4Vだったとすると、経時ではそれが3.5Vになったりする。したがって、この実施形態による給紙装置では、記録紙が無い状態のときに発光素子13,13′を発光させて、その際に受光素子14,14′の出力が工場出荷時の出力になるように発光素子13,13′の出力(発光量)を補正するようにしている。
すなわち、上記の例のように工場出荷時に記録紙無しのときに受光素子が出力した際の出力が4Vだったときに、経時でそれが3.5Vに劣化したときには、受光素子の出力が4Vになるように発光素子の出力を補正(増大)する。
このようにすれば、発光素子13,13′の発光輝度が経時において低下しても、その低下分を補正することで経時(数年経過後)において誤った記録紙枚数を測定してしまうのを防止して、正確な枚数検知を行うことができる。
なお、図7,図8,図11及び図12で説明した各実施形態における給紙装置についても同様に、経時における発光素子の発光輝度低下分について発光素子の出力を補正する手段を設けるとよい。
また、画像形成装置としての実施形態は、図2にその一例として図1で説明した給紙装置4を装着した場合の例を示したが、その給紙装置4に替えて図7乃至図15で説明した各実施形態による給紙装置を装着するようにしても、同様の作用効果を奏する。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による給紙装置によれば、記録紙積載手段上に積載された記録紙に対して発光手段が2種類以上の異なる光量の光を発して、その記録紙を透過して受光手段が受光した透過光の減衰量の大小により記録紙積載手段上に積載された記録紙の枚数を検知するので、正確な枚数検知ができる。
すなわち、一般的に使用される記録紙1枚の透過光率は1.5%以下であり、厚紙の記録紙が数枚のときの透過光率は0.1%以下と非常に小さい出力となるため、このような領域ではノイズの影響が大きくなることによって透過光率の測定精度が低下してしまうようになる。そこで、受光手段の発光量を単純に増大させることが考えられるが、その場合には透過光率が高いOHPシート等の透過光率を測定できなくなる。しかしながら、この発明による給紙装置のように発光手段の発光量を2種類以上の異なる光量の光を記録紙に向けて発するようにすれば、透過光率の高い領域も測定することができ、且つ透過光率の低い領域もノイズを抑えて正確な記録紙の枚数検知ができる。
また、その給紙装置を備えた画像形成装置によれば、一度に複数枚の画像を担持可能な大きな像担持体を持つ場合であっても、記録紙積載手段上の記録紙の正確な残量枚数に合わせた画像形成ができるので、不用意に像担持体上に記録紙の残量枚数よりも多い数の画像を形成してしまい、その際に記録紙に転写できずに余分となった画像をクリーニング装置により消去しなければならないという非生産的な動作を未然に防ぐことができる。それにより、トナーの無駄使いを防止できると共に、クリーニング装置の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による給紙装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】同じくその給紙装置を備えたカラー画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
【図3】1つの発光素子が所定の時間間隔で発する弱い発光と強い発光のそれぞれ光量を示した図である。
【図4】図3の光量の異なる2種類の光を記録紙が無い状態でそれぞれ受光素子が受光した際の受光素子の出力を示す図である。
【図5】OHPシートのように透過率の高い用紙1枚に図3に示した光量の異なる2種類の光を当てた際にそこを透過した光を受光手段が受光した際の出力を示した図である。
【図6】厚紙のように透過率の低い用紙1枚に図3に示した光量の異なる2種類の光を当てた際にそこを透過した光を受光手段が受光した際の出力を示した図である。
【図7】この発明による給紙装置の第2の実施形態の記録紙枚数を検知する発光素子及び受光素子を記録紙と共に示す概略図である。
【図8】この発明による給紙装置の第3の実施形態の記録紙枚数を検知する発光素子及び受光素子を記録紙と共に示す概略図である。
【図9】この発明による給紙装置の第4の実施形態を説明するために各部の動作タイミングを示すタイミング図である。
【図10】この発明による給紙装置の第5の実施形態における記録紙枚数を検知する構成部分を示す概略図である。
【図11】この発明による給紙装置の第6の実施形態における搬送路上の記録紙を検知する構成部分を示す概略図である。
【図12】この発明による給紙装置の第7の実施形態における搬送路上の記録紙を検知する構成部分を示す概略図である。
【図13】この発明による給紙装置の第8の実施形態を説明するために各部の動作タイミングを示すタイミング図である。
【図14】この発明による給紙装置の第9の実施形態を示すブロック図である。
【図15】同じくその給紙装置に使用しているLEDの発光輝度と時間の関係を示した線図である。
【図16】記録紙の残量枚数よりも多くの数の画像を中間転写ベルト上に担持した場合の問題点を説明するための概略図である。
【符号の説明】
4:給紙装置
5:底板(記録紙積載手段)
6:ピックアップコロ(給紙手段)
8:分離手段
13,13′,13A,13B,13A′,13B′:発光素子(発光手段)
14,14′,14A,14B,14A′,14B′:受光素子(受光手段)
36:搬送路 50,50′,50″:制御装置
P:記録紙

Claims (10)

  1. 記録紙を積載する記録紙積載手段と、その記録紙積載手段に積載された記録紙を給紙する給紙手段とを備えた給紙装置において、
    前記記録紙積載手段上に積載された記録紙の厚さ方向に光を透過可能に発光手段とその発光手段が発した光を受光する受光手段とを設けると共に、前記発光手段が発して記録紙を透過して前記受光手段が受光した透過光の減衰量の大小により前記記録紙積載手段上に積載された記録紙の枚数を検知する手段を設け、前記発光手段は、異なる光量の光を2種類以上出力する手段であり、その異なる2種類以上出力された光を前記受光手段が共に受光するようにしたことを特徴とする給紙装置。
  2. 前記発光手段は、発光量の異なるものが2個以上で構成されていることにより2種類以上の光量を出力可能であることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  3. 前記受光手段は2個以上で構成されていることを特徴とする請求項2記載の給紙装置。
  4. 前記発光手段の発光は前記記録紙積載手段上に積載されている最上位の記録紙が停止状態にあるときに行うようにしていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の給紙装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の給紙装置において、前記給紙手段により給紙された記録紙を1枚に分離する分離手段と、該分離手段により1枚に分離された記録紙が搬送される搬送路上にその搬送路を搬送される記録紙の厚さ方向に光を透過可能に発光手段とその発光手段が発した光を受光する受光手段とを設けると共に、その発光手段が発して記録紙を透過して前記受光手段が受光した透過光の減衰量を検知する手段を設け、前記搬送路上の発光手段が発する光の光量を2種類以上出力可能にしたことを特徴とする給紙装置。
  6. 前記搬送路上の発光手段は、発光量の異なるものが2個以上で構成されていることにより2種類以上の光量を出力可能であることを特徴とする請求項5記載の給紙装置。
  7. 前記搬送路上の受光手段は2個以上で構成されていることを特徴とする請求項6記載の給紙装置。
  8. 前記搬送路上の発光手段の発光は、前記搬送路に送り込まれて停止状態にある記録紙に対して行うようにしていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の給紙装置。
  9. 請求項5乃至8のいずれか一項に記載の給紙装置において、前記記録紙積載手段上に積載された記録紙の枚数を検知するための発光手段と受光手段及び前記搬送路に送り込まれた記録紙を検知するための発光手段と受光手段とにより、それぞれ記録紙が無いときに各発光手段が発した光を各受光手段でそれぞれ受光し、その各受光手段の出力値を経時的光量劣化に応じてそれぞれ補正する手段を設けたことを特徴とする給紙装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の給紙装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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