JP3720995B2 - 媒体枚数検知方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光を用いて紙類、紙幣、各種フィルム等の搬送管理を行う装置に係り、特に重ね媒体を検知する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光を用いて紙類、紙幣、各種フィルム等(以下、媒体という)の搬送管理を行う装置には、重ね媒体を検知するために、例えばある波長の光の強度を電気信号に変換する受光手段が設けてある。尚、ここでいう光には発光波長帯域の広がりが少ないレ−ザ光や発光波長帯域の広がりのある発光ダイオ−ド(LED)光を用いる。
【0003】
この装置では、搬送路上を1枚ずつ媒体を通過させ、媒体が光を遮り、受光する光の強度(つまり、光の透過率)が下がることを利用し、受光手段が変換した電気信号に基づいて媒体が1枚であればカウントアップを行い、枚数を数える。この装置では、搬送路を高速で媒体を通過させることによりカウント効率を上げることができる。
【0004】
しかし、このような装置で大切なのは、高速に枚数を数えることと同時に正確に枚数を数えることである。特に、紙幣、金券等にあっては数え間違いがあってはならない。そのため、1枚ずつ搬送しなければならない媒体を、複数枚同時に搬送してしまわないように気を付ける必要がある。
【0005】
このような複数枚の同時搬送を検知するものとして、例えば特開平8−48439号公報に開示された媒体枚数検知装置がある。
【0006】
図4は従来の媒体枚数検知装置のブロック図である。発光素子401と受光素子402とは、搬送路403となる面に対して垂直に、対向して設けられている。発光素子401が発する光は、例えば赤外線である。受光素子402は、受光したある波長の光の強度を電気信号(以下、受光レベルという)に変換する。
【0007】
媒体404及び媒体405は、通常、モータ、ベルト及びローラ(図示せず)により、搬送路403を1枚ずつ通過する。その際、発光素子401と受光素子402とを結ぶ線分と垂直な面上を通過する。図4では媒体404と媒体405とが重なって搬送路403を通過している場合を表している。
【0008】
発光回路406は発光素子401を発光させる電流を供給する回路である。また、受光回路407は受光素子402に接続され、A/Dコンバータ408を介して枚数識別回路409とも接続されている。受光回路407は、光の強度を受光レベルに変換する受光素子402に電力を供給するとともに受光レベルを増幅する回路である。
【0009】
A/Dコンバータ408は、受光回路407から出力される受光レベルをサンプリング及び量子化し、デジタル信号に変換する。枚数識別回路409は、デジタル信号に基づいて搬送枚数を識別する。搬送された媒体が1枚であると判断すると、カウントアップを行う図示せぬカウント信号を出力する。また、2枚以上同時に搬送されたと判断すると、図示せぬ停止信号を出力してモータ等を停止させ、搬送を中止させたり、そのときの媒体をカウントせずに除外したりする。
【0010】
受光ゲイン調整回路410は、A/Dコンバータ408から出力されるデジタル信号に基づいて受光回路407にフイードバックを行い、受光レベルのゲイン(つまり、発光素子402に供給する電力)を補正及び調整する。
【0011】
次に媒体枚数検知装置の動作について説明する。オペレータは、媒体が搬送されていないとき、媒体が1枚搬送されたとき、媒体が2枚搬送されたときの、それぞれの受光レベルの閾値の設定を行う。設定が終了すると、搬送路403上を媒体を搬送させる。枚数識別回路409は、デジタル信号に基づいて受光レベルを算出し、その受光レベルに基づいて媒体の送信枚数を判断する。媒体が1枚送信されたと判断すると、カウント信号を出力する。2枚以上同時に搬送されたと判断すると、停止信号を出力してモータ等を停止させ、搬送を中止させたり、そのときの媒体をカウントせずに除外したりする。このようにして、媒体枚数検知装置では媒体の枚数を検知している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の媒体枚数検知装置にあっては、
(1)経時変化、電力の供給不安定等により、発光手段が発する光が一定でないので、他の条件(例えば、媒体の状態、質等)が同じでも、受光手段が受光する光の強度が一定とは限らない。
(2)受光手段の温度特性によって、同じ光の強度でも変換される電気信号に差がある。
という問題点があり、受光レベルのゲインを調整する受光ゲイン調整回路のような手段を必要とする。
【0013】
したがって、同じ媒体が同じ枚数だけ搬送路を通過しても、必ずしも同じ受光レベルに変換されるわけではない。しかも変動が大きいと、精度が低くなる。実際、受光レベルはすぐに変動し、こまめな調整を必要とする。そこで、素子や回路の特性等の影響をできるだけ少なくするようにする必要がある。そのため、受光ゲインを調整し、受光レベルをできるだけ一定に保つようにしなければならず、装置の回路規模が大きくなってしまうという新たな問題点があり、また、処理が多くなってしまい、時間的にも効率が悪いという問題点もあった。
【0014】
本発明は受光ゲインの調整手段を設けて調整を行わなくても、また、こまめな調整を必要としなくても、精度高く媒体の同時搬送枚数を検知できるような媒体枚数検知方法及び装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の媒体枚数検知方法は、媒体に第1の波長の光を照射して媒体を透過した光の強度を第1の信号に変換するとともに媒体に第2の波長の光を照射して媒体を透過した光の強度を第2の信号に変換し、第1の信号と第2の信号との差が前記媒体の重ね枚数に応じて予め定められた閾値以下の場合には媒体が1枚であると判断し前記差が前記閾値を越えている場合には前記媒体が複数重ねであると判断することを特徴としている。
【0016】
また、媒体枚数検知装置は、第1の波長の光を発する第1の発光手段と、第2の波長の光を発する第2の発光手段と、第1の発光手段に対向して設けられ、第1の発光手段が発する光の強度に基づいて第1の信号を出力する第1の受光手段と、第2の発光手段に対向して設けられ、第2の発光手段が発する光の強度に基づいて第2の信号を出力する第2の受光手投と、第1の信号と第2の信号とを入力して処理した演算値が媒体重ねを示す値以下の場合には媒体が1枚であると判断し、演算値が媒体重ねを示す値を越えている場合には媒体が複数枚重ねであると判断する枚数識別手段とを備え、前記枚数識別手段は、前記第1の信号と前記第2の信号との差を算出する演算手段と、該演算手段が算出した差が前記媒体の重ね枚数に応じて予め定められた閾値以下の場合には搬送された前記媒体が1枚であると判断し、閾値を越えている場合には前記媒体が複数枚重ねであると判断する枚数判定手段を備えている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。尚、各図面に共通な要素には同一符号を付す。
第1の実施の形態
図1は本発明の第1の実施の形態に係る媒体枚数検出装置の構成図である。第1の波長の光としての可視光を発光する可視光発光素子101と可視光受光素子102とは、搬送路113に対して垂直に対向して設けられている。可視光受光素子102は、例えばフォトダイオードであり、受光した可視光線領域のある波長の強度を電気信号に変換する。
【0018】
同様に、第2の波長の光としての赤外線を発光する赤外発光素子103と赤外受光素子104とは、搬送路113に対して垂直に、対向して設けられている。赤外受光素子104も、可視光受光素子102と同じように例えばフォトダイオードである。赤外受光素子104は、受光した赤外線領域のある波長の強度を電気信号に変換する。
【0019】
可視光発光素子101と赤外発光素子103とは温度等に関して同じような特性を有している。また、可視光受光素子102と赤外受光素子104とも、温度等に関して同じような特性を有している。
【0020】
媒体105及び媒体106は、通常、モータ、ベルト及びローラ(図示せず)により、搬送路113を1枚ずつ通過する。その際、可視光発光素子101(赤外発光素子103)と可視光受光素子102(赤外受光素子104)とを結ぶ線分と垂直な面上を通過する。図1では媒体105と媒体106とが重なって搬送路113を通過している場合を表している。
【0021】
発光回路107は可視光発光素子101及び赤外発光素子103に接続され、可視光発光素子101及び赤外発光素子103を発光させる電流を供給している。 可視光受光回路108は可視光受光素子102の出力端子と、演算手段となる差動アンプ110の一方の入力端子とに接続され、可視光受光素子102が可視光の強度に基づいて変換した電気信号(以下、可視光受光レベル信号という)を入力し、増幅して差動アンプ110の一方の入力端子に出力する回路である。
【0022】
また、赤外受光回路109は赤外受光素子104と、差動アンプ110の他方の入力端子とに接続され、赤外受光素子104が赤外線の強度に基づいて変換した電気信号(以下、赤外受光レベル信号という)を入力し、増幅して差動アンプ110の他方の入力端子に出力する回路である。
【0023】
差動アンプ110は、可視光受光レベル信号と赤外受光レベル信号との差を算出した電気信号(以下、差動信号という)をA/Dコンバータ111に出力する。A/Dコンバータ111は、差動信号をサンプリング及び量子化し、デジタル信号に変換して枚数識別回路112に出力する。
【0024】
枚数識別回路112は、デジタル信号に基づいて搬送枚数を識別する。1枚搬送されたものと判断するとカウントアップを行う図示せぬカウント信号を出力する。2枚以上同時に搬送されたものと判断すると、図示せぬ停止信号を出力してモータ等を停止させ、搬送を中止させる。
【0025】
本実施の形態の媒体枚数検知装置は、同じ枚数の媒体(媒体の同じ位置)に対し、赤外線と可視光線との透過率の差が違うことを利用するものである。赤外線と可視光線との受光レベルの差を算出することで、発光素子が発する強度、周囲温度などによる受光レベルのバラツキを抑えて高精度の同時搬送枚数の検知を行う。
【0026】
なお、図1では説明の都合上、可視光発光素子101と赤外発光素子103とを離して図示しているが、同じ条件(周囲温度、媒体の質等)での透過率の差を得ることが目的であるから、実際にはできるだけ近づけて配置している。
【0027】
また、可視光受光素子102と赤外受光素子104についても同様に、可視光発光素子101と赤外発光素子103に対向させて、できるだけ近づけて配置している。
【0028】
図2は図1に示した媒体枚数検知装置の可視光受光レベル信号、赤外受光レベル信号及び差動信号の例を示す波形図であり、実線で示しているのは光の透過率に基づいて通常時のそれぞれの受光レベル及びその差を表している。透過率が低くなるほど、受光レベルが高くなるようにしている。
【0029】
(A)は媒体なし、媒体1枚時、媒体2枚時の可視光受光レベル信号の波形、(B)は媒体なし、媒体1枚時、媒体2枚時の赤外受光レベル信号の波形、(C)は媒体なし、媒体1枚時、媒体2枚時の差動信号の波形を示す。可視光線に関しては、媒体が搬送されていないときの通常の受光レベル値は0、媒体が1枚搬送されたときの通常の受光レベル値は3、媒体が2枚搬送されたときの通常の受光レベル値は4となっている。
【0030】
また赤外線に関しては、媒体が搬送されていないときの通常の受光レベル値は0、媒体が1枚搬送されたときの受光レベル値は2、媒体が2枚搬送されたときの受光レベル値は2.5となっている。従って、受光レベルの差の値は、媒体が搬送されていないときは0、媒体が1枚搬送されたときは1、媒体が2枚搬送されたときは1.5となる。
【0031】
次に図1及び図2に基づいて本実施の形態の媒体枚数検知装置の動作について説明する。オペレータは、図2に示した通常時の各信号に基づいて、媒体が搬送されていないときと媒体が1枚搬送されたときとを区別する閾値と、媒体が1枚搬送されたときと媒体が2枚搬送されたときを区別する閾値とをそれぞれを予め設定する。例えば、媒体が搬送されていないときと媒体が1枚搬送されたときを識別する閾値として0.5を設定し、媒体が2枚搬送されたときを識別する閾値として1.1を設定する。
【0032】
また、各受光レベル信号のレベル調整を行う。これは、波長による透過率の違いにより差動信号が負の値になる場合があり、これを正の値となるようにする必要があるからである。だが、差動信号を正にする設定は煩雑なので、あらかじめ絶対値として算出するようにしておくことでこのような設定を簡単にすることもできる。
【0033】
媒体の搬送が開始されると、可視光発光素子101及び赤外発光素子103は発光する。可視光受光素子102は、可視光線領域のある波長の光の強度を可視光受光レベル信号に変換する。また赤外受光素子104は、赤外線領域のある波長の光の強度を赤外受光レベル信号に変換する。
【0034】
差動アンプ110は、可視光受光レベル信号と赤外受光レベル信号との差を算出し、差動信号を出力する。A/Dコンバータ111は、差動信号をサンプリング及び量子化し、デジタル信号に変換する。
【0035】
枚数識別回路112は、デジタル信号に基づいて受光レベルの差を算出する。そして、差動信号が0.5以上で1.1未満であれば媒体の枚数が1枚であると判断してカウント信号を出力する。また、差動信号が1.1以上であれば媒体の枚数が2枚以上であると判断して停止信号を出力し、モータ等を停止させ、搬送を中止させたり、そのときの媒体をカウントせずに除外したりする。以上のような動作を行い、媒体の複数同時搬送を検知する。
【0036】
ここで、例えば可視光発光素子101及び赤外発光素子103が発する光の強度が変わり、可視光受光素子102及び赤外発光素子104の受光レベルがそれぞれ通常時の3/4になった場合について考える。図2の破線で示している波形図は、可視光受光レベル信号及び赤外受光レベル信号が通常時の3/4になった時の受光レベル並びに受光レベルの差を表している。
【0037】
例えば、図2で可視光受光レベル信号だけで媒体枚数を検知することを考える。媒体が1枚搬送されたときの受光レベル値は2.25となり、媒体が2枚搬送されたときの受光レベル値は3となる。媒体が2枚搬送された場合には、媒体が1枚搬送されたときの受光レベル値3と同じ値となり、1枚搬送と検知される。
【0038】
また、赤外受光レベル信号だけで媒体枚数を検知する場合には、媒体が1枚搬送されたときの受光レベル値は1.5となり、媒体が2枚搬送されたときの受光レベル値は1.875となる。媒体が2枚搬送された場合には、媒体が1枚搬送されたときの受光レベル値2より小さい値となり、1枚搬送と検知される。
【0039】
一方、受光レベルの差を算出した場合は、媒体が1枚搬送されたときの差の値は0.75となり、媒体が2枚搬送されたときの差の値は1.125となる。ともに閾値0.5、1.1を越えているので、媒体は1枚搬送、2枚同時搬送であることが判定できる。
【0040】
尚、本実施の形態では枚数を検知するためにレベルを算出する光波として可視光線及び赤外線の組合せとしたが、本発明ではそれに限定されるものではなく、同一媒体の同位置に対する透過率が異なる組合せであればよい。例えば、紫外線と赤外線との組合せ又は紫外線と可視光線との組合せにしてもよい。また同じ光波領域(例えば可視光線どうし)であってもよい。
【0041】
また、本実施の形態では発光波長帯域が広がりを持つ可視光線、赤外線を使用したが、発光波長帯域広の広がりが少ないレ−ザ光線を用いてもよい。
【0042】
第1の実施の形態によれば、可視光受光素子と赤外受光素子が受光した光の強度に基づいて変換した可視光受光レベル信号と赤外受光レベル信号との差を、差動アンプが差動信号として出力し、A/Dコンバータでデジタル信号に変換し、デジタル信号が表す受光レベルの差に基づいて、枚数識別回路が閾値と比較して媒体の枚数を判断するようにしたので、素子又は回路の特性等による受光レベルの影響を抑えることができる。したがって、例えば可視光発光素子及び赤外発光素子の減光等による可視光受光素子び赤外受光素子の受光レベルの低減が起こったとしても、高精度に媒体の枚数検知することができる。そのため、受光ゲイン調整回路のような手段を設ける必要がなく、回路規模を小さくでき、装置の小型化を図ることができる。また、受光レベルのゲインを調整するという処理を行う必要がなくなり、効率のよい装置を得ることができる。さらにこまめに調整する必要もなくなる。
【0043】
第2の実施の形態
図3は本発明の第2の実施の形態に係る媒体枚数検知装置のブロック図である。本実施の形態では発光素子に白色光発光素子を用いる。ここでいう白色光発光素子とは、少なくとも可視光線領域及び赤外線領域で同じ強度の光を発するものとする。
【0044】
可視光受光素子102と赤外受光素子104が、白色光発光素子301から発光された光を受光してからの媒体枚数検知装置の各手段の動作は、第1の実施の形態で説明したことと同じ動作を行うので説明を省略する。
【0045】
第2の実施の形態によれば、白色光発光素子が、同じスペクトル強度の赤外線及び可視光を発光するので、可視光発光素子及び赤外発光素子のような波長帯域の違う2つの発光素子を設けなくても1つの発光素子で代用でき、素子数を滅らすことができる。
【0046】
第3の実施の形態
図5は本発明の第3の実施の形態に係る媒体枚数検知装置のブロック図である。本実施の形態が第1の実施の形態と異なるところは、それぞれの受光回路108、109の出力をA/Dコンバ−タ111a、111bを通じてデジタル信号化した後、メモリ付きマイクロプロセッサで構成された演算回路113で出力比の演算処理を行ない、枚数を識別するようにしたものである。
【0047】
図6は図5に示した媒体枚数検知装置の受光レベルの出力比の説明図である。媒体105、106に対する可視光の透過率を35%、赤外線の透過率を60%とした場合に媒体105が1枚のとき、媒体105と媒体106とが重なった2枚のときの受光レベルの出力比は以下のようになる。
【0048】
可視光発光素子101、赤外発光素子102の発光出力100として媒体105が1枚時、2枚時の受光レベルはそれぞれ100×0.35=35、100×0.35×0.35=12.25であり、媒体106が1枚時、2枚時の受光レベルはそれぞれ100×0.60=60、100×0.60×0.60=36である。
【0049】
従って、媒体105が1枚のときの受光レベルの出力比は60/35=1.71となり、媒体105と媒体106とが重なった2枚のときの受光レベルの出力比は36/12.25=2.94となる。よって予め決めておいた値と出力比とを比べて媒体が1枚か2枚かを検出できる。
【0050】
図7は温度変化により発光出力、受光感度が変化した場合の説明図である。可視光発光素子101、赤外発光素子102の発光出力が90に減光し、受光感度が1.3倍になったとして媒体105が1枚時、2枚時の受光レベルはそれぞれ90×0.35×1.3=40.95、90×0.35×0.35×1.3=14.33であり、媒体106が1枚時、2枚時の受光レベルはそれぞれ90×0.60×1.3=70.2、90×0.60×0.60×1.3=42.12である。
【0051】
従って、媒体105が1枚のときの受光レベルの出力比は70.2/40.95=1.71となり、媒体105と媒体106とが重なった2枚のときの受光レベルの出力比は42.12/14.33=2.94となる。よって温度変化により発光出力、受光感度が変化しても、予め決めておいた値と出力比とを比べて媒体が1枚か2枚かを検出できる。
【0052】
第3の実施の形態によれば、受光レベルの出力比で媒体重ねか否かを検出できるようにしたことにより、媒体に対する照射光の透過率の比のみの関係で媒体重ねを検出できるので、温度変化による発光素子の出力、受光素子の受光感度の変化に関係なく媒体重ねを検出できる。
【0053】
第4の実施の形態
第4の実施の形態に係る媒体枚数検知装置のブロック図は第3の実施の形態と同じであり、異なるのは、演算回路での枚数を識別する演算処理である。
【0054】
図8は本発明の第4の実施の形態に係る媒体枚数検知装置の受光回路図である。一般に、受光回路は感度が得られる範囲が限定されている。図8に示すホトトランジスタは受光すると光電流Iが流れ、負荷抵抗Rでの電圧降下RIが駆動電圧Vと等しくなると、それ以上の光照射を受けても検出するレベルは一定となり、飽和してしまう。
【0055】
逆にホトトランジスタの検出能力よりも弱い光の照射を受けても光電流が流れない。即ち、受光感度の領域は、ホトトランジスタの検出できる最小の光量から負荷抵抗Rでの電圧降下RIが駆動電圧Vと等しくなる光量ということになる。
本実施の形態では、受光感度の領域外の光量を考慮に入れて検出を行なうことで、媒体の枚数検出を用意にかつ明確にできるようにしたものである。
【0056】
図9は図8に示した媒体枚数検知装置の検出動作の説明図である。可視光、赤外線の発光素子の出力は100、50とし、受光回路108、109の受光感度が発光素子の出力範囲の20〜40とする。また、媒体105、106に対する可視光の透過率を35%、赤外線の透過率を60%とする。
【0057】
媒体が存在しないとき、受光レベルはそれぞれ100、50であり、受光感度40を越えているので受光回路108、109は受光感度100%として出力する。演算回路113では両者の差を取っており、0である。
【0058】
媒体が1枚存在するとき、受光素子103、104の受光レベルは35、30であるから、受光回路108、109は受光感度(35−20)×100/(40−20)=75%、(30−20)×100/(40−20)=50%として出力する。演算回路113では両者の差を取っており、25%である。
【0059】
媒体が2枚存在するとき、受光素子103、104の受光レベルはそれぞれ12.25、18であり、受光感度20を下回っているので受光回路108、109は共に受光感度0%として出力する。演算回路113では両者の差を取っており、0%である。
【0060】
図10は温度変化により発光出力、受光感度が変化した場合の説明図である。可視光発光素子101、赤外発光素子102の発光出力が90に減光し、受光感度が1.3倍になったとして説明する。
【0061】
受光感度が1.3倍になったことにより、受光感度の範囲は20〜40から15.4(20/1.3)〜30.8(40/1.3)となる。また、発光出力が90に減光したことにより、媒体が存在しないときの受光レベルは90、45であり、受光感度30.8を越えているので受光回路108、109は受光感度100%として出力する。従って、両者の差は0である。
【0062】
媒体が1枚存在するとき、受光素子103、104の受光レベルは31.5、27であるから、受光回路108、109は受光感度100%、(30.8−27)×100/(30.8−15.4)=75%として出力する。従って、両者の差は25%である。
【0063】
媒体が2枚存在するとき、受光素子103、104の受光レベルは11.025、16.8であるから、受光回路108、109は受光感度0%、(30.8−16.8)×100/(30.8−15.4)=5%として出力する。従って、両者の差は5%である。
【0064】
従って、温度変化により発光出力、受光感度が変化した場合でも受光感度が大きい値となるのは、媒体1枚のときであるから予め閾値、例えば5%を決めて媒体が存在しない場合及び媒体が2枚存在する場合と媒体1枚のときとを区別できる。
【0065】
第4の実施の形態によれば、受光回路の受光感度の範囲外をも考慮に入れて検出を行なうようにしたことにより、媒体の枚数検知を容易にかつ明確にできる。
実施の形態1〜4では本発明を媒体枚数を数える装置に用いたが、例えばコピー機等に利用し、紙の複数枚同時搬送を検知させることで、紙の節約を行うことにも利用できる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、媒体に第1の波長の光を照射して媒体を透過した光の強度を第1の信号に変換するとともに媒体に第2の波長の光を照射して媒体を透過した光の強度を第2の信号に変換し、第1の信号と第2の信号との差が前記媒体の重ね枚数に応じて予め定められた閾値以下の場合には媒体が1枚であると判断し前記差が前記閾値を越えている場合には前記媒体が複数重ねであると判断するようにしたことにより、温度特性などによる受光レベルの変動分を相殺することで、素子又は回路の特性等による信号の変動の影響を抑えることができる。したがって、受光ゲイン調整回路のような手段を設ける必要がなく、回路規模を小さくでき、装置の小型化を図ることができる。また、受光レベルのゲインを調整するという処理を行う必要がなくなり、効率のよい装置を得ることができる。さらにこまめに調整する必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る媒体枚数検知装置のブロック図である。
【図2】図1に示した媒体枚数検知装置の波形図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る媒体枚数検知装置のブロック図である。
【図4】従来の媒体枚数検知装置のブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る媒体枚数検知装置のブロック図である。
【図6】図5に示した媒体枚数検知装置の受光レベルの出力比の説明図である。
【図7】発光出力、受光感度が変化した場合の説明図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る媒体枚数検知装置の受光回路図である。
【図9】図8に示した媒体枚数検知装置の検出動作の説明図である。
【図10】発光出力、受光感度が変化した場合の説明図である。
【符号の説明】
101 可視光発光素子
102 可視光受光素子
103 赤外発光素子
104 赤外受光素子
105、106 媒体
107 発光回路
108 可視光受光回路
109 赤外受光回路
110 差動アンプ
111、111a、111b A/Dコンバ−タ
112 枚数識別回路
113 演算回路
301 白色光発光素子
Claims (4)
- 媒体に光を照射し、媒体を透過した光に基づいて媒体の枚数を検知する媒体枚数検知方法において、
前記媒体に第1の波長の光を照射して媒体を透過した光の強度を第1の信号に変換するとともに前記媒体に第2の波長の光を照射して媒体を透過した光の強度を第2の信号に変換し、
前記第1の信号と前記第2の信号との差が前記媒体の重ね枚数に応じて予め定められた閾値以下の場合には媒体が1枚であると判断し前記差が前記閾値を越えている場合には前記媒体が複数枚重ねであると判断することを特徴とする媒体枚数検知方法。 - 媒体に光を照射し、媒体を透過した光に基づいて媒体の枚数を検知する媒体枚数検知装置において、
第1の波長の光を発する第1の発光手段と、
第2の波長の光を発する第2の発光手段と、
前記第1の発光手段に対向して設けられ、前記第1の発光手段が発する光の強度に基づいて第1の信号を出力する第1の受光手段と、
前記第2の発光手段に対向して設けられ、前記第2の発光手段が発する光の強度に基づいて第2の信号を出力する第2の受光手投と、
前記第1の信号と前記第2の信号とを入力して処理した演算値が媒体重ねを示す値以下の場合には媒体が1枚であると判断し、前記演算値が媒体重ねを示す値を越えている場合には前記媒体が複数枚重ねであると判断する枚数識別手段とを有し、
前記枚数識別手段は、前記第1の信号と前記第2の信号との差を算出する演算手段と、
該演算手段が算出した差が前記媒体の重ね枚数に応じて予め定められた閾値以下の場合には搬送された前記媒体が1枚であると判断し、閾値を越えている場合には前記媒体が複数枚重ねであると判断する枚数判定手段とを備えたことを特徴とする媒体枚数検知装置。 - 前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段は1つの白色光発光手段からなることを特徴とする請求項2記載の媒体枚数検知装置。
- 前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段は、赤外線、可視光線又は紫外線の何れかそれぞれ異なる波長の光を発する請求項2記載の媒体枚数検知装置。
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