JP4465140B2 - 紙葉類処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、紙幣等の紙葉類を搬送しつつ金種や真贋を鑑別する紙葉類処理装置に関するものであり、特に、入金、出金等の自動取引を実行する自動取引装置(Automatic Teller Machine:以下、ATMと称する)に組み込まれ、紙葉類を処理する紙葉類処理装置に関するものである。
【0002】
(背景技術)
近時においては、さまざまな分野で自動化が進み、紙幣、入場券等の紙葉類の鑑別も、紙葉類処理装置により自動的に行われている。この紙葉類処理装置は、たとえば、ATMに組み込まれている。また、最近の傾向として、ATMの無人運用が進んでいるが、係員が当該ATMを保守/点検するスパンが長くなるため、かかる無人運用に伴う問題が多数浮上している。
【0003】
従来の紙葉類処理装置は、ATMに組み込まれており、1枚づつ順次、高速搬送される紙葉類の表裏面の模様、濃淡に対応する光量を検出する光センサと、該光センサの出力を所望の増幅率で増幅する増幅器と、増幅器の出力をA/D(Analog/Digital)変換するA/D変換器と、A/D変換器の出力とあらかじめ用意された鑑別用の辞書データとを比較することにより、紙葉類の金種特定、真贋判定を行う鑑別部とから概略構成されている。
【0004】
従来の紙葉類処理装置において、紙葉類が2枚以上重ねられた状態で搬送(ダブルフィード)された場合や、紙葉類間の離間距離が過小状態で搬送された場合には、金種判定ができない。したがって、このような場合、金種判定ができなかった紙葉類は、金種不定扱いとなり、リジェクトボックスに収納されるか、または紙葉類を投入した顧客に返却される。
【0005】
ところで、従来の紙葉類処理装置においては、ダブルフィード等の搬送異常が生じやすい機構を持つATMに適用された場合、おのずとリジェクト率(金種不定扱いになった紙葉類の枚数/搬送された全紙葉類の枚数)が高くなるため、顧客に頻繁に紙葉類が返却されることになり、顧客にとって非常に使いにくいという問題があった。
【0006】
また、近時、ATMの無人運用化が進んでいるが、このような無人運用の形態をとるものにおいては、その運用形態の性質上、係員がリジェクトボックス内の紙葉類を回収するスパンが長くなる傾向にある。したがって、この場合には、リジェクト率が高いと、係員による回収が行われる前に、リジェクトボックスが一杯になってしまうため、運用に支障をきたすという問題があった。
【0007】
さらに、無人運用の形態をとるATMにおいては、装置内部に保有されている紙葉類の全在高(トータル金額)が監視センタで遠隔監視されており、この遠隔監視結果に基づいて、補充/回収すべき紙葉類の枚数、金種が決定される。しかしながら、かかるATMにおいては、リジェクトボックスに収納された紙葉類の金種、枚数が不定であるため、紙葉類の全在高を監視センタ側で的確に把握することができなくなり、運用に支障をきたすという問題があった。
【0008】
従って、本発明は、紙葉類の種別判定、枚数判定の精度を向上させ、円滑な運用を行うことができる紙葉類処理装置を提供することを目的としている。
【0009】
(発明の開示)
本発明は、紙葉類を繰り出した後、搬送する搬送手段(後述する一実施の形態の搬送モータ112、搬送ベルト113および中央処理装置210に相当)と、搬送中の前記紙葉類へ光を照射する光照射手段(後述する一実施の形態の光センサ241に相当)と、前記紙葉類における透過光量を検出する透過光量検出手段(後述する一実施の形態の光センサ241に相当)と、前記透過光量から得られる前記紙葉類の外形が規定形と一致しているか否かを判定する外形判定手段(後述する一実施の形態の金種判定部290に相当)と、前記外形判定手段の判定結果が一致であって、かつ前記透過光量が、あらかじめ設定された透過光量しきい値より低い場合、前記透過光量に対して補正をかける補正手段(後述する一実施の形態の金種判定部290に相当)と、前記補正手段により補正がかけられた透過光量に基づいて、前記紙葉類の種別および枚数を鑑別する鑑別手段(後述する一実施の形態の金種判定部290に相当)とを備えることを特徴とする。この発明によれば、繰り出し時に複数枚の紙葉類が完全に重なった状態で搬送された場合、当該紙葉類の透過光量は、透過光量しきい値に比して低い値となる。したがって、上記透過光量では、当該紙葉類の種別および枚数を鑑別することができない。また、複数枚の紙葉類が完全に重なっているため、外形判定手段は、当該紙葉類の外形が規定形と一致であるという判定結果を出す。したがって、この場合には、補正手段により当該紙葉類に対応する透過光量に対して補正がかけられた後、鑑別手段により、補正された透過光量に基づいて、当該紙葉類の種別および枚数が鑑定される。
【0010】
このように、本発明によれば、鑑別すべき紙葉類に関する透過光量が透過光量しきい値より低い場合に、この透過光量に補正をかけるようにしたので、複数枚の紙葉類が完全に重なった状態等であっても、紙葉類の種別判定、枚数判定の精度を向上させることができるとともに、円滑な運用を行うことができる。
【0011】
また、本発明は、紙葉類を繰り出した後、搬送する搬送手段(後述する一実施の形態の搬送モータ112、搬送ベルト113および中央処理装置210に相当)と、搬送中の前記紙葉類へ光を照射する光照射手段(後述する一実施の形態の光センサ241に相当)と、前記紙葉類における透過光量を検出する透過光量検出手段(後述する一実施の形態の光センサ241に相当)と、前記紙葉類の表裏面における反射光量を検出する反射光量検出手段(後述する一実施の形態の光センサ241に相当)と、前記透過光量から得られる前記紙葉類の外形が規定形と一致しているか否かを判定する外形判定手段(後述する一実施の形態の金種判定部290に相当)と、前記外形判定手段の判定結果が不一致である場合、前記反射光量に基づいて、前記紙葉類の種別および枚数を鑑別する鑑別手段(後述する一実施の形態の金種判定部290に相当)とを備えることを特徴とする。この発明によれば、繰り出し時にたとえば2枚の紙葉類の一部が重なった状態で搬送された場合、外形判定手段は、当該紙葉類の外形が規定形と不一致であるという判定結果を出す。したがって、この場合には、鑑別手段は、紙葉類の表面における反射光量に基づいて一方の紙葉類の種別および枚数を鑑別するとともに、紙葉類の裏面における反射光量に基づいて他方の紙葉類の種別および枚数を鑑別する。
【0012】
このように、本発明によれば、鑑別すべき紙葉類の外形が規定形と不一致である場合に、紙葉類の表裏面における反射光量に基づいて紙葉類の種別および枚数を鑑別するようにしたので、少なくとも2枚の紙葉類の一部が重なった状態であっても、精度良く、鑑別を行うことができる。
【0013】
また、本発明は、上記紙葉類処理装置において、装置内に保有された全紙葉類の金種および枚数のデータを記憶する記憶手段(後述する一実施の形態の記憶部350に相当)と、前記鑑別手段により鑑別された前記金種および枚数に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記データを更新するデータ更新手段(後述する一実施の形態の中央処理装置210、補正部340に相当)とを備えることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、データ更新手段により、重なった状態で搬送された紙葉類の種別および枚数に基づいて、記憶手段に記憶されているデータが更新されるため、常に、装置内に保有されている紙葉類の種別および枚数を正確に把握することができる。
【0015】
また、本発明は、上記紙葉類処理装置において、前記搬送手段により繰り出された紙葉類の枚数と前記鑑別手段により鑑別された枚数とを照合する枚数照合手段(後述する一実施の形態の中央処理装置210、枚数照合部320に相当)を備え、前記データ更新手段は、前記枚数照合手段の照合結果に基づいて、前記データを更新することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、枚数照合手段により、実際に繰り出された紙葉類の枚数と鑑別手段により鑑別された枚数とが照合された結果に基づいて、データを更新するようにしたので、当該データの信頼性を向上させることができる。
【0017】
また、本発明は、紙葉類を繰り出した後、搬送する搬送手段(後述する一実施の形態の搬送モータ112、搬送ベルト113および中央処理装置210に相当)と、搬送中の前記紙葉類へ光を照射する光照射手段(後述する一実施の形態の光センサ241に相当)と、前記紙葉類における透過光量を検出する透過光量検出手段(後述する一実施の形態のセンサ部240に相当)と、少なくとも前記透過光量に基づいて前記紙葉類の種別および枚数を鑑別する鑑別手段(後述する一実施の形態の金種判定部290に相当)と、前記透過光量から得られる前記紙葉類の外形が規定形と一致しているか否かを判定する外形判定手段(後述する一実施の形態の金種判定部290に相当)と、前記外形判定手段の判定結果または前記透過光量に基づいて、搬送中の紙葉類が複数枚重なった状態で重搬送されているか否かを判断する重搬送判断手段(後述する一実施の形態の中央処理装置210に相当)と、前記重搬送判断手段により紙葉類が重搬送されていると判断された場合、当該紙葉類を所定の場所に一時的に待避させる待避手段(後述する一実施の形態の中央処理装置210に相当)を備え、前記搬送手段は、一時的に待避された前記紙葉類を繰り出した後、再搬送し、前記鑑別手段は、再搬送された前記紙葉類の金種および枚数を再鑑別することを特徴とする。この発明によれば、繰り出し時に複数枚の紙葉類が重なった状態で搬送された場合、待避手段により、当該紙葉類が所定の場所に一時的に待避される。そして、搬送手段は、一時的に待避された当該紙葉類を繰り出した後、再搬送する。この繰り出し時には、複数枚の紙葉類が一枚づつ順次繰り出される確率が高い。すなわち、再搬送時においては、一枚づつ紙葉類が搬送されることになる。したがって、鑑別手段による再鑑別時には、紙葉類の種別および枚数が正確に鑑別される。
【0018】
このように、本発明によれば、重搬送された紙葉類を一時的に待避させた後、再搬送および再鑑別を行うようにしたので、重なった紙葉類が一枚づつ繰り出される確率を高くすることができることから、紙葉類の種別判定、枚数判定の精度を向上させることができる。
【0019】
また、本発明は、紙葉類を繰り出した後、搬送する搬送手段(後述する一実施の形態の搬送モータ112、搬送ベルト113および中央処理装置210に相当)と、搬送中の前記紙葉類へ光を照射する光照射手段(後述する一実施の形態の光センサ241に相当)と、前記紙葉類における透過光量を検出する透過光量検出手段(後述する一実施の形態の光センサ241に相当)と、前記紙葉類の表裏面における反射光量を検出する反射光量検出手段(後述する一実施の形態の光センサ241に相当)と、前記紙葉類の厚みを機械的に検出する厚み検出手段(後述する一実施の形態の厚みセンサ242に相当)と、前記透過光量から得られる前記紙葉類の外形が規定形と一致しているか否かを判定する外形判定手段(後述する一実施の形態の金種判定部290に相当)と、前記外形判定手段の判定結果が不一致である場合、前記反射光量、前記透過光量および前記厚み検出手段の検出結果に基づいて、前記紙葉類の種別および枚数を鑑別する鑑別手段(後述する一実施の形態の金種判定部290に相当)とを備えることを特徴とする。この発明によれば、繰り出し時にたとえば2枚の紙葉類の一部が重なった状態で搬送された場合や、異物が付着した状態で紙葉類が搬送された場合には、当該紙葉類の外形が規定形と不一致であるという判定結果を出す。また、当該紙葉類の厚みは、厚み検出手段により検出される。この場合、鑑別手段は、紙葉類の表裏面における反射光量、透過光量に加えて、厚み検出手段の検出結果という三つの要素を用いて、紙葉類の種別および枚数を鑑別する。
【0020】
このように、本発明によれば、反射光量、透過光量および厚み検出手段の検出結果という三つの要素を用いて、鑑別を行うようにしたので、一つの要素のみからでは鑑別できない場合であっても、他の要素から鑑別が可能になることから、さらに精度良く、紙葉類の種別および枚数の鑑別を行うことができる。
【0021】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。第1図は、本発明にかかる一実施の形態が適用されたATMの構成を示す側断面図である。この図に示したATMは、顧客との間で入金、出金等の取引を自動で行う装置である。なお、同図においては、硬貨を取り扱う硬貨取扱部、通帳を光学的に読み取る通帳読取部、キャッシュカードを磁気的または電気的に読み取るカードリーダ、取引に必要な情報を表示する表示部、数字入力等に用いられる入力部等の図示が省略されている。
【0022】
以下においては、同図の右側を「前面側」と称するとともに、左側を「背面側」と称する。同図に示したATMは、千円券スタッカ101、一万円券スタッカ102、五千円券ボックス103、取出収容機構104Aおよび取出収容機構104Bを備えている。これらの千円券スタッカ101および一万円券スタッカ102は、紙葉類としての千円券および一万円券を収容する。五千円券ボックス103は、バッファとして一時的に五千円券を収容する。
【0023】
取出収容機構104Aは、千円券スタッカ101の上方に配設されており、千円券スタッカ101から千円券を取り出す機構と、千円券スタッカ101へ千円券を収容する機構とから構成されている。取出収容機構104Bは、一万円券スタッカ102の上方に配設されており、一万円券スタッカ102から一万円券を取り出す機構と、一万円券スタッカ102へ一万円券を収容する機構とから構成されている。
【0024】
上述した千円券スタッカ101および一万円券スタッカ102にそれぞれ収容された千円券および一万円券は、ATMから顧客への支払いに利用される。一方、五千円券ボックス103に収容された五千円券は、支払いに利用されることなく、回収される。
【0025】
リジェクトボックス105は、ATMの背面側の上方に配設されており、金種不明の紙葉類を収容する。このリジェクトボックス105内には、五千円券室105aが設けられている。この五千円券室105aは、五千円券ボックス103より移送される五千円券を収容する。
【0026】
投入ボックス106は、ATMの前面側の上方に配設されており、顧客によってATMの外部から紙葉類が投入される際の投入口としての役目と、顧客によってATMから外部へ紙葉類が取り出される際の取出口としての役目とを担っている。この投入ボックス106の近傍には、投入ボックス106から紙葉類を取り出すための取出機構106aが配設されている。
【0027】
また、投入ボックス106の内部は、仕切板106bにより二つの空間に仕切られている。この二つの空間のうち、一方の空間には、顧客により投入された紙葉類が収容され、他方の空間には、投入ボックス106からATM内に一旦取り込まれた紙葉類のうち金種不定や形状異常の紙葉類が収容される。
【0028】
カセット107Aは、ATMの背面側に配設されており、紙葉類室107Aaおよびリジェクト室107Abを備えている。取出機構108Aは、カセット107Aの下部に配設されており、カセット107Aから紙葉類を取り出すための機構である。収容機構109Aは、カセット107Aの上部に配設されており、カセット107Aに紙葉類を収容するための機構である。
【0029】
また、紙葉類室107Aaには、管理者により回収すべき、千円券スタッカ101および一万円券スタッカ102内の千円券および一万円券が移送された後、収容される。また、紙葉類室107Aaには、千円券スタッカ101および一万円券スタッカ102へ補充(移送)すべき千円券または一万円券が収容される。リジェクト室107Abには、紙葉類室107Aaから千円券スタッカ101および一万円券スタッカ102への移送中に発見された形状異常の紙葉類が収容される。
【0030】
カセット107Bは、カセット107Aの近傍に配設されており、カセット107Aの予備カセットとして用いられる。すなわち、カセット107Bは、千円券スタッカ101および一万円券スタッカ102に収容されている紙葉類の量が、カセット107Aに収容可能な紙葉類の量を超えた場合に用いられる。このカセット107Bは、カセット107Aと同様にして、紙葉類室107Baおよびリジェクト室107Bbを備えている。カセット107Bの下部には、カセット107Bから紙葉類を取り出すための取出機構108Bが配設されており、カセット107Bの上部には、カセット107Bに紙葉類を収容するための収容機構109Bが配設されている。
【0031】
鑑別ユニット110は、ATMの中央よりやや上方に配設されており、紙葉類の金種判別や真贋判別を行う。またATM内部には、搬送ローラ111、111、・・・、搬送モータ112、搬送ベルト113、113、・・・がそれぞれ配設されている。搬送ベルト113、113、・・・は、搬送ローラ111、111、・・・により支持された無端ベルトであり、搬送モータ112により駆動される。
【0032】
搬送ベルト113、113、・・・は、紙葉類(図示略)を各部へ搬送するとともに、鑑別ユニット110内を通過させる。この紙葉類の搬送経路は、第1図〜第4図にそれぞれ太線で示したように、ATMの動作モード(入金モード、出金モード、補充モード、回収モード)に応じて変更される。なお、動作モードの詳細については、後述する。ゲート114は、上記搬送経路の分岐点に配設されており、搬送経路を変更するためのものである。制御部115は、装置各部の駆動制御や鑑別ユニット110の制御を行うものであり、この制御部115の動作の詳紬について後述する。
【0033】
第5図は、一実施の形態の電気的構成を示すブロック図である。第5図には、一実施の形態による紙葉類処理装置が図示されており、この紙葉類処理装置は、第1図に示したATMに組み込まれてる。第5図において、第1図の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。
【0034】
この図において、中央処理装置210は、各部を制御するものであり、制御部115(第1図参照)内に収容されている。この中央処理装置210の動作の詳細については後述する。搬送速度設定部220は、第1図に示した搬送ベルト113による紙葉類の搬送速度、すなわち、搬送モータ112の回転数を設定するものである。
【0035】
突入センサ230は、鑑別ユニット110内に設けられており、鑑別ユニット110内に突入(搬送)してきた第6図に示した紙葉類Mを光学的に検知する光センサである。ここで、中央処理装置210は、上記突入センサ230による突入検知をトリガとして、各部を制御する。センサ部240は、鑑別ユニット110内に設けられており、第6図に示した光センサ241および厚みセンサ242から構成されている。
【0036】
光センサ241は、第7図に示した紙葉類Mの搬送方向(y方向)に対して垂直方向(z方向)に、紙葉類Mを挟むようにして配設された第1光センサ241aおよび第2光センサ241bから構成されている。第1光センサ241aは、同図x方向にアレイ状に配設された複数の発光/受光素子からなる。同様にして、第2光センサ241bは、x方向にアレイ状に配設された複数の発光/受光素子からなる。第1光センサ241aにおける複数の発光/受光素子、第2光センサ241bにおける複数の発光/受光素子のそれぞれは、紙葉類Mの1画素に対応している。
【0037】
これらの第1光センサ241aおよび第2光センサ241bは、紙葉類Mの表面および裏面からの反射光、透過光を1ライン単位でラインL1〜Lnまで検出する。具体的には、第1光センサ241aの発光素子と第2光センサ241bの発光素子とでは、中央処理装置210の制御により発光タイミングがずらされる。したがって、第1光センサ241aの発光素子が発光している間には、第1光センサ241aの受光素子により紙葉類Mの表面からの反射光が検出されるとともに、紙葉類Mを透過した透過光が、第2光センサ241bの受光素子により検出される。
【0038】
同様にして、第2光センサ241bの発光素子が発光している間には、第2光センサ241bの受光素子により紙葉類Mの裏面からの反射光が検出されるとともに、紙葉類Mを透過した透過光が、第1光センサ241aの受光素子により検出される。すなわち、光センサ241においては、紙葉類Mの表面からの反射光と、紙葉類Mの裏面からの反射光と、紙葉類Mの表面から裏面へ透過した透過光と、紙葉類Mの裏面から表面へ透過した透過光という都合四種類の光が画像として検出される。
【0039】
第6図に示した厚みセンサ242は、紙葉類Mの厚さを機械的に検出するセンサであり、変位ローラ243、厚み検出部244a、厚み検出部244bおよびサンプリング回路245を備えている。変位ローラ243は、搬送中の紙葉類Mの表面に接触し、かつ搬送方向(y方向)に対して垂直方向(z方向)に変位自在に配設されており、紙葉類Mの厚さに応じてz方向に変位する。
【0040】
厚み検出部244aは、変位ローラ243の一端部243aにおけるz方向の変位量を検出するセンサであり、変位量検出結果をサンプリング回路245へ出力する。同様にして、厚み検出部244bは、変位ローラ243の他端部243bにおけるz方向の変位量を検出するセンサであり、変位量検出結果をサンプリング回路245へ出力する。
【0041】
サンプリング回路245は、突入センサ230からの突入検出信号をトリガとして、厚み検出部244aおよび厚み検出部244bからそれぞれ入力される変位量検出結果を搬送同期信号に同期させてサンプリングする。この搬送同期信号は、中央処理装置210から供給される。また、サンプリング回路245は、紙葉類Mの厚さに対応する厚みセンサ出力値のデータを中央処理装置210へ出力する。
【0042】
第5図に戻り、増幅部250は、光センサ241(第1光センサ241a、第2光センサ241b)からの出力信号(たとえば、透過光量に対応する信号)を所定の増幅率で増幅する。A/D変換部260は、増幅部250の出力信号をディジタル化し、これを画像データとして出力する。透過光量加算部270は、A/D変換部260からの画像データに対応する1画素単位の透過光量を全画素分、加算する。
【0043】
画像処理部280は、透過光量加算部270からの画像データに対して傾き補正(座標変換)処理や正規化処理等の画像処理を施す。金種判定部290は、辞書データ部310に記憶されている辞書データと、画像処理部280からの画像データとに基づいて、紙葉類の金種を判定する。ここでいう辞書データは、紙葉類の金種を判定する基準である、反射光、透過光による紙葉類全体の各画像データである。また、辞書データとしては、紙葉類の厚み分布に対応するテーブル(第8図参照)がある。
【0044】
真贋判定部300は、上述した辞書データに基づいて、紙葉類の真贋を判定する。枚数照合部320は、紙葉類の繰り出し枚数と、金種判定部290および真贋判定部300による鑑別結果における枚数とを照合し、照合結果を中央処理装置210へ渡す。再鑑別実施有無判定部330は、中央処理装置210によりセットされるモード(リジェクトモードまたは再鑑定モード)に基づいて、当該紙葉類に関する再鑑別の実施の有無を判別する。上記リジェクトモードは、金種判定部290における金種判定ができなかった場合に、当該紙葉類をリジェクトボックス105(第1図参照)へ格納するモードである。一方、再鑑定モードは、金種判定ができなかった当該紙葉類に関する再鑑定を実施するモードである。
【0045】
補正部340は、完全に重なった紙葉類がセンサ部240により検出された際に、透過光量に補正をかける。ここで完全に紙葉類が重なる場合としては、完封券と呼ばれる連番の新札が静電気等により、方向、模様が完全に一致した状態で重なることが挙げられる。記憶部350は、ATM内の金種および枚数に関するデータを記憶する。
【0046】
つぎに、前述したATMの基本的な動作モードである入金モード、出金モード、補充モードおよび回収モードについて説明する。はじめに、入金モードにおけるATMの動作について第1図、第5図〜第13図を参照しつつ説明する。第1図において、顧客により投入ボックス106に紙葉類が投入されると、投入ボックス106は、下方に移動される。この場合、投入された紙葉類は、仕切板106bの下側に積載されている。
【0047】
上記紙葉類は、一枚づつ取出機構106aにより繰り出された後、搬送モータ112により駆動された搬送ベルト113により、同図左側に位置する鑑別ユニット110へ向けて搬送される。そして、第6図に示したように紙葉類Mが突入センサ230により検出されると、第5図に示した中央処理装置210は、センサ部240の各部を制御することで、紙葉類Mにおける透過光、反射光、厚さの検出を実行させる。
【0048】
これにより、光センサ241により、搬送中の紙葉類Mにおける透過光、反射光が1ライン単位で検出され、光センサ241からは、検出結果が増幅部250および中央処理装置210へ出力される。また、紙葉類Mが変位ローラ243の下方まで搬送されると、変位ローラ243は、紙葉類Mの厚さに応じてz方向へ変位する。この変位量は、厚み検出部244aおよび厚み検出部244bにより検出される。これらの厚み検出部244aおよび厚み検出部244bのそれぞれの検出結果は、サンプリング回路245に入力される。これにより、サンプリング回路245からは、紙葉類Mの厚さに対応する厚みセンサ出力値のデータが中央処理装置210へ出力される。
【0049】
また、第1光センサ241aおよび第2光センサ241bからの出力信号は、増幅部250により増幅された後、A/D変換部260によりディジタル化される。これにより、透過光量加算部270は、A/D変換部260からの画像データに対応する1画素単位の透過光量を全画素分、加算する。つぎに、画像処理部280は、透過光量加算部270からの画像データに対して傾き補正(座標変換)処理や正規化処理等の画像処理を施す。
【0050】
つぎに、金種判定部290は、辞書データ部310に記憶されている辞書データと、画像処理部280からの画像データとのパターンマッチングを図ることにより、紙葉類Mの金種を判定し、金種判定結果を中央処理装置210へ出力する。これにより、中央処理装置210は、第10図に示したステップSA1へ進み、金種判定部290における金種判定ができたか否かを判断する。
【0051】
この場合、金種判定ができたものとすると、中央処理装置210は、ステップSA6へ進み正常処理を実行する。すなわち、中央処理装置210は、真贋判定部300へ鑑別開始指示を出す。これにより真贋判定部300は、辞書データと画像処理部280からの画像データとに基づいて、当該紙葉類Mの真贋判定を行う。この真贋判定による紙葉類Mが真券である場合には、枚数照合部320は、投入ボックス106から繰り出された紙葉類Mの枚数と、金種判定部290および真贋判定部300における鑑別結果の枚数と、投入ボックス106から繰り出された紙葉類の枚数とを照合し、照合結果を中央処理装置210へ渡す。この照合結果が一致であるとき、中央処理装置210は、記憶部350における金種および枚数に関するデータを更新した後、一連の鑑別に関する処理を終了する。
【0052】
また、第1図に示した鑑別ユニット110によりたとえば千円券の真券と鑑別された紙葉類は、搬送ベルト113により分岐点P1まで搬送される。ここで、紙葉類が千円券の真券である場合には、分岐点P1に配設されたゲート(図示略)により、分岐点P1から下方に向かう搬送経路が選択される。したがって、この場合には、当該紙葉類は、上記搬送経路を経て、分岐点P2により千円券スタッカ101側へ搬送された後、千円券スタッカ101に収容される。
【0053】
また、第1図に示した鑑別ユニット110により一万円券の真券と鑑別された紙葉類は、搬送ベルト113により分岐点P1より下方に向かう搬送経路を経て一万円券スタッカ102に収容される。さらに、鑑別ユニット110により五千円券の真券と鑑別された紙葉類は、分岐点P1より上方の搬送経路を経て、分岐点P3より左下方に位置する五千円券ボックス103に収容される。
【0054】
一方、第10図に示したステップSA1の判断結果が「No」である場合、すなわち、複数枚の紙葉類が重なった状態で鑑別ユニット110まで搬送された場合、中央処理装置210は、ステップSA2へ進む。ステップSA2では、中央処理装置210は、金種判定部290に紙葉類の外形が正常であるか否かを判断させる。すなわち、金種判定部290は、画像処理部280からの画像データ(紙葉類)における長手方向の長さおよび短手方向の長さが、辞書データにおける長手方向の長さおよび短手方向の長さとが一致するか否かにより、外形の正常性を判断する。
【0055】
この場合、複数枚の紙葉類が完全に重なった状態にあるものとすると、金種判定部290は、ステップSA2の判断結果を「Yes」として、第11図に示したステップSA8へ進む。ステップSA8では、金種判定部290は、透過光量加算部270からの全透過光量の加算値のデータを、辞書データに含まれる紙葉類の面積のデータで除算することで、当該紙葉類における平均透過光量を求めた後、ステップSA9へ進む。この平均透過光量は、紙葉類における単位面積あたりの透過光量である。
【0056】
ステップSA9では、金種判定部290は、ステップSA8で求められた平均透過光量があらかじめ設定されているしきい値THより小さいか否かを判断する。このしきい値THは、平均透過光量が過小であるか否かを判断するために用いられる。すなわち、平均透過光量がしきい値THより小さい場合には、紙葉類がすくなくとも2枚完全に重なるか、または1枚の紙葉類が汚損していることにより、1枚の清潔な紙葉類における平均透過光量に比して、平均透過光量が極度に小さいことを意味している。
【0057】
この場合、ステップSA9の判断結果が「Yes」であるものとすると、金種判定部290は、ステップSA10へ進む。ステップSA10では、金種判定部290は、ステップSA8で求められた平均透過光量を、許容平均透過光量(たとえば、256階調における40H)で除算した結果を定数Kとして求める。上記許容平均透過光量は、出荷時にあらかじめ設定されるものであり、金種判定を正常に行い得る平均透過光量の最低値である。つぎに、金種判定部290は、光センサ241により検出された全画素分の透過光量を定数K倍し、これらを加算した結果を補正全透過光量加算値として求めた後、ステップSA11へ進む。
【0058】
ステップSA11では、金種判定部290は、辞書データ部310に記憶されている辞書データと、補正全透過光量加算値に対応する画像データとのパターンマッチングを図ることにより、紙葉類Mの金種を判定し、金種判定結果を中央処理装置210へ出力する。これにより、ステップSA12では、中央処理装置210は、金種判定部290における金種を特定できたか否かを判断する。
【0059】
この場合、金種を特定できたものとすると、中央処理装置210は、ステップSA12の判断結果を「Yes」として、ステップSA13へ進み、ステップSA6と同様にして、正常処理を実行する。すなわち、中央処理装置210は、真贋判定部300へ鑑別開始指示を出す。これにより、真贋判定部300は、辞書データと画像処理部280からの画像データとに基づいて、当該紙葉類Mの真贋判定を行う。この真贋判定による紙葉類Mが真券である場合には、枚数照合部320は、投入ボックス106から繰り出された紙葉類Mの枚数と、金種判定部290および真贋判定部300における鑑別結果の枚数と、投入ボックス106から繰り出された紙葉類の枚数とを照合し、照合結果を中央処理装置210へ渡す。この照合結果が一致であるとき、中央処理装置210は、記憶部350における金種および枚数に関するデータを更新した後、一連の鑑別に関する処理を終了する。
【0060】
一方、金種の特定ができなかったものとすると、中央処理装置210は、ステップSA12の判断結果を「No」として、ステップSA14へ進む。なお、ステップSA12の判断結果が「No」となるのは、紙葉類が極度に汚損しているという極めて稀なケースである。ステップSA14では、中央処理装置210は、当該紙葉類を不明券と判断し、一連の鑑別に関する処理を終了する。この場合には、第4図に示したように、鑑別ユニット110により不明券として鑑別された紙葉類は、分岐点P8の左方に配設されたリジェクトボックス105に収容される。
【0061】
また、第10図に示したステップSA2の判断結果が「No」である場合、金種判定部290は、ステップSA3へ進む。ここで、ステップSA2の判断結果が「No」となるのは、鑑別ユニット110により鑑別された紙葉類がたとえば紙葉類M1および紙葉類M2という2枚の紙葉類の一部分Wが重なった状態にある場合である。
【0062】
ステップSA3では、金種判定部290は、中央処理装置210より、光センサ241(第6図参照)からの反射光に対応する画像データを受領する。この画像データとしては、重なった状態の紙葉類M1およびM2の表面に対応する表面画像データと、同紙葉類M1およびM2の裏面に対応する裏面画像データとがある。つぎに、金種判定部290は、上記表面画像データにおける、紙葉類M1およびM2の前端Fから1枚分(短手方向の長さで76mmに相当)の反射画像を切り出した後、この反射画像と辞書データとのパターンマッチングを採ることにより、金種判定を行う。
【0063】
同様にして、金種判定部290は、上記裏面画像データにおける、紙葉類M1およびM2の前端Fから1枚分(短手方向の長さで76mmに相当)の反射画像を切り出した後、この反射画像と辞書データとのパターンマッチングを採ることにより、金種判定を行った後、ステップSA4へ進む。
【0064】
ステップSA4では、金種判定部290は、上記表面画像データにおける、紙葉類M1およびM2の後端Eから1枚分(短手方向の長さで76mmに相当)の反射画像を切り出した後、この反射画像と辞書データとのパターンマッチングを採ることにより、金種判定を行う。つぎに、金種判定部290は、上記裏面画像データにおける、紙葉類M1およびM2の後端Eから1枚分(短手方向の長さで76mmに相当)の反射画像を切り出した後、この反射画像と辞書データとのパターンマッチングを採ることにより、金種判定を行った後、ステップSA5へ進む。
【0065】
このように、ステップSA4およびステップSA5では、重なった紙葉類M1およびM2の裏面に関する都合四種類の画像データに基づいて、四回のパターンマッチングが行われる。この四回のパターンマッチングにおいては、紙葉類が2枚重なった状態であれば、表面画像データから切り出した一方の反射画像から、たとえば、紙葉類M2の金種が特定されるとともに、裏面画像データから切り出した他方の反射画像から、たとえば、紙葉類M1の金種が特定される。ステップSA5では、金種判定部290は、重なった紙葉類の金種が特定されたか否かを判断する。
【0066】
この場合、金種を特定できたものとすると、中央処理装置210は、ステップSA5の判断結果を「Yes」として、ステップSA6へ進み、前述した動作と同様にして、正常処理を実行する。すなわち、中央処理装置210は、真贋判定部300へ鑑別開始指示を出す。これにより、真贋判定部300は、辞書データと画像処理部280からの画像データとに基づいて、当該紙葉類Mの真贋判定を行う。この真贋判定結果が真券である場合には、枚数照合部320は、投入ボックス106から繰り出された紙葉類Mの枚数と、金種判定部290および真贋判定部300における鑑別結果の枚数と、投入ボックス106から繰り出された紙葉類の枚数とを照合し、照合結果を中央処理装置210へ渡す。この照合結果が一致であるとき、中央処理装置210は、記憶部350における金種および枚数に関するデータを更新した後、一連の鑑別に関する処理を終了する。
【0067】
一方、金種の特定ができなかったものとすると、中央処理装置210は、ステップSA5の判断結果を「No」としてステップSA7へ進む。なお、ステップSA5の判断結果が「No」となる場合は、紙葉類が3枚以上重なっているという極めて稀なケースである。ステップSA7では、中央処理装置210は当該紙葉類を不明券と判断し、一連の鑑別に関する処理を終了する。この場合には、第4図に示したように、鑑別ユニット110により不明券として鑑別された紙葉類は、分岐点P8の左方に配設されたリジェクトボックス105に収容される。
【0068】
ここで、第2図に示したように、出金モードにおいては、千円券スタッカ101(または一万円券スタッカ102)から千円券(または一万円券)の紙葉類が同図に太線で示した搬送経路を経て投入ボックス106へ搬送される。この場合、千円券スタッカ101から繰り出された千円券は、分岐点P4の上方へ搬送された後、鑑別ユニット110により鑑別を受ける。この鑑別結果が真券である場合には、当該千円券は、分岐点P5の右方へ搬送された後、投入ボックス106から出金される。
【0069】
第2図に示した例においては、第10図に示したステップSA6および第11図に示したステップSA13に代えて、第12図に示したステップSB1〜ステップSB5までの処理を実行するようにしてもよい。すなわち、同図に示したステップSB1では、中央処理装置210は真贋判定部300へ鑑別開始指示を出す。これにより、真贋判定部300は辞書データと画像処理部280からの画像データとに基づいて、当該紙葉類Mの真贋判定を行う。この真贋判定結果が真券である場合には、金種および枚数に関するデータを記憶部350に格納する。
【0070】
つぎのステップSB2では、中央処理装置210は、たとえば、千円券スタッカ101から繰り出された紙葉類の金種(千円券)と、金種判定部290および真贋判定部300における鑑別結果の金種とを照合する。この照合結果が一致である場合、中央処理装置210は、ステップSB3へ進む。ステップSB3では、中央処理装置210は、千円券スタッカ101から繰り出された紙葉類の枚数と、金種判定部290および真贋判定部300における鑑別結果の枚数とを照合し、この照合結果が一致であるとき、判断結果を「Yes」として、ステップSB4へ進む。ステップSB4では、中央処理装置210は、鑑別された紙葉類を投入ボックス106まで搬送するための正常処理を実行した後、一連の処理を終了する。
【0071】
一方、ステップSB2またはステップSB3の判断結果が「No」である場合、中央処理装置210は、異常が発生したことを示すアラーム等を管理者に報知する等の異常処理を実行した後、一連の処理を終了する。なお、上述した第12図に示したステップSB1〜ステップSB5までの処理は、第3図に示した補充モード時および第4図に示した回収モード時にも適用してもよい。
【0072】
第3図に示した補充モードにおいては、千円券スタッカ101または一万円券スタッカ102における紙葉類の残量が少なくなった場合、カセット107Aに格納されている紙葉類が同図に太線で示した搬送経路を経て、千円券スタッカ101または一万円券スタッカ102に搬送される。この搬送途中において、紙葉類は、鑑別ユニット110により鑑別を受ける。ここで第12図に示したステップSB2またはステップSB3の判断結果が「No」である場合、紙葉類は、分岐点P6より左側に位置するリジェクト室107Abにリジェクトされる。
【0073】
また、第4図に示した回収モードにおいては、千円券スタッカ101または一万円券スタッカ102における紙葉類の収容量が規定以上になった場合、千円券スタッカ101または一万円券スタッカ102に格納されている紙葉類が同図に太線で示した搬送経路を経て、カセット107Aに回収される。ただし、一万円券スタッカ102の場合には、分岐点P7より左方の搬送経路を除く搬送経路を経て一万円券が回収される。この搬送途中において、紙葉類は鑑別ユニット110により鑑別を受ける。ここで、第12図に示したステップSB2またはステップSB3の判断結果が「No」である場合、紙葉類は、分岐点P8より左側に位置するリジェクトボックス105にリジェクトされる。
【0074】
さて、前述においては、第10図に示したステップSA5または第11図に示したステップSA12が「No」である場合、当該紙葉類を不明券として判断する例について説明したが、当該不明券を一時的に待避させておき、一取引終了後に当該不明券に関して再度、鑑別を行うようにしてもよい。この場合には、第10図に示したステップSA5〜ステップSA7および第11図に示したステップSA12〜ステップSA14に代えて、第13図に示したステップSC1〜ステップSC4までの処理を実行するようにすればよい。
【0075】
すなわち、第1図(入金モード時)または第2図(出金モード時)に示した鑑別ユニット110により鑑別された紙葉類が3枚以上重なったものである場合、前述したように、第10図に示したステップSA2の判断結果が「No」となる。そして、ステップSA3およびステップSA4の処理が実行されると、第13図に示したステップSC1では、中央処理装置210は、金種判定部290および真贋判定部300における鑑別結果の金種および枚数に関するデータを記憶部350に格納した後、ステップSC2へ進む。ここで記憶部350に格納された金種および枚数に関するデータは、不確定のものである。
【0076】
ステップSC2では、中央処理装置210は、紙葉類が複数枚、重ねられた状態で重搬送されたか否かを判断し、この場合、判断結果を「Yes」として、ステップSC3へ進む。ステップSC3では、中央処理装置210は、鑑別ユニット110からたとえば五千円券ボックス103へ紙葉類(この場合、三枚重ねの紙葉類)を一時的に待避させた後、ステップSC4へ進む。この場合、入金モードまたは出金モードであり、投入ボックス106、千円券スタッカ101および一万円券スタッカ102が使用中であるため、紙葉類の一時待避先として五千円券ボックス103が選定されている。
【0077】
ステップSC4では、中央処理装置210は再鑑別実施有無判定部330に再鑑別モードをセットする。これにより、入金または出金に関する一取引が終了すると、再鑑別実施有無判定部330は、五千円券ボックス103に一時待避されていた紙葉類(三枚重ねの紙葉類)を取り出させる。このとき、三枚の紙葉類は一枚づつ順次取り出される確率が非常に高い。そして、当該紙葉類が一枚づつ鑑別ユニット110内を通過すると、前述した動作と同様にして、再鑑別が行われ、当該紙葉類の金種および枚数が判別される。すなわち、この場合には、再鑑別により正確な金種および枚数が判別されるのである。つぎに、中央処理装置210は、上記金種および枚数に関する正確なデータを記憶部350に格納する。
【0078】
すなわち、第1図(入金モード時)または第2図(出金モード時)に示した鑑別ユニット110により鑑別された紙葉類が3枚以上完全に重なったものである場合、前述したように、第10図に示したステップSA2の判断結果が「Yes」となる。そして、第11図に示したステップSA8〜ステップSA11の処理が実行されると、第13図に示したステップSC1では、中央処理装置210は、金種判定部290および真贋判定部300における鑑別結果の金種および枚数に関するデータを記憶部350に格納した後ステップSC2へ進む。ここで記憶部350に格納された金種および枚数に関するデータは不確定のものである。
【0079】
ステップSC2では、中央処理装置210は、紙葉類が複数枚、重ねられた状態で重搬送されたか否かを判断し、この場合、判断結果を「Yes」として、ステップSC3へ進む。以後、ステップSC3およびステップSC4の処理が実行されることにより、前述した処理と同様にして、当該紙葉類(この場合、三枚重ねの紙葉類)が五千円券ボックス103に一時的に待避され、一取引が終了した後、当該紙葉類に関する再鑑別が実行される。なお、第13図に示したステップSC2の判断結果が「No」である場合、正常として一連の鑑別に関する処理を終了する。
【0080】
ここで、第13図に示したステップSC3では、第1図に示した入金モード時および第2図に示した出金モード時に、紙葉類の一時待避先を五千円券ボックス103とした例について説明した。これに対して、第3図に示した補充モード時または第4図に示した回収モード時においては、紙葉類の一時待避先を投入ボックス106とすればよい。なお、変形例として、紙葉類の一時待避先を千円券スタッカ101または一万円券スタッカ102としてもよい。
【0081】
つぎに、一実施の形態の動作例2について、第14図および第15図に示したフローチャートを参照しつつ説明する。この動作例2は、第6図に示した光センサ241および厚みセンサ242の双方を用いて、重搬送された紙葉類の枚数、種別の判定の精度を高めるための動作例である。
【0082】
第1図において、顧客により投入ボックス106に紙葉類が投入されると、上記紙葉類は、取出機構106aにより繰り出された後、搬送ベルト113により、鑑別ユニット110へ向けて搬送される。そして、第6図に示したように紙葉類が突入センサ230により検出されると、第5図に示した中央処理装置210は、前述した動作と同様にして、センサ部240の各部を制御することで、紙葉類における透過光、反射光、厚さの検出を実行させる。
【0083】
これにより、光センサ241により、搬送中の紙葉類における透過光、反射光が1ライン単位で検出され、光センサ241からは、検出結果が増幅部250および中央処理装置210へ出力される。また、紙葉類が変位ローラ243の下方まで搬送されると、変位ローラ243は、紙葉類の厚さに応じてz方向へ変位する。
【0084】
この変位量は、厚み検出部244aおよび厚み検出部244bにより検出される。これらの厚み検出部244aおよび厚み検出部244bのそれぞれの検出結果は、サンプリング回路245に入力される。これにより、サンプリング回路245からは、紙葉類の厚さに対応する厚みセンサ出力値のデータが中央処理装置210へ出力される。
【0085】
また、第1光センサ241aおよび第2光センサ241bからの出力信号は、増幅部250により増幅された後、A/D変換部260によりディジタル化される。これにより、透過光量加算部270は、A/D変換部260からの画像データに対応する1画素単位の透過光量を全画素分、加算する。つぎに、画像処理部280は、透過光量加算部270からの画像データに対して傾き補正(座標変換)処理や正規化処理等の画像処理を施す。
【0086】
つぎに、金種判定部290は、辞書データ部310に記憶されている辞書データと、画像処理部280からの画像データとのパターンマッチングを図ることにより、紙葉類の金種を判定し、金種判定結果を中央処理装置210へ出力する。これにより、中央処理装置210は、第14図に示したステップSD1へ進み、金種判定部290における金種判定ができたか否かを判断する。
【0087】
この場合、金種判定ができたものとすると、中央処理装置210は、第15図に示したステップSD17へ進み、前述したステップSA6(第10図参照)と同様の正常処理を実行する。
【0088】
一方、第14図に示したステップSD1の判断結果が「No」である場合、すなわち、複数枚の紙葉類が重なった状態で鑑別ユニット110まで搬送された場合、中央処理装置210は、ステップSD2へ進む。ステップSD2では、中央処理装置210は、金種判定部290に紙葉類の外形が正常であるか否かを判断させる。すなわち、金種判定部290は、画像処理部280からの画像データ(紙葉類)における長手方向の長さおよび短手方向の長さと、辞書データにおける長手方向の長さおよび短手方向の長さとが一致するか否かにより、外形の正常性を判断する。
【0089】
この場合、複数枚の紙葉類が完全に重なった状態にあるものとすると、金種判定部290は、ステップSD2の判断結果を「Yes」として、第11図に示したステップSA8へ進む。以後、同図に示したステップSA8〜ステップSA14の処理が実行される。
【0090】
また、ステップSD2の判断結果が「No」である場合、金種判定部290は、ステップSD3へ進む。ここで、ステップSD2の判断結果が「No」となるのは、鑑別ユニット110により鑑別された紙葉類がたとえば紙葉類M1および紙葉類M2という2枚の紙葉類の一部分Wが重なった状態にある場合や、紙葉類に異物(テープ等)が付着している場合である。
【0091】
ステップSD3では、金種判定部290は、ステップSA3(第10図参照)と同様にして、中央処理装置210より、光センサ241(第6図参照)からの反射光に対応する画像データを受領する。この画像データとしては、重なった状態の紙葉類M1およびM2の表面に対応する表面画像データと、同紙葉類M1およびM2の裏面に対応する裏面画像データとがある。つぎに、金種判定部290は、上記表面画像データにおける、紙葉類M1および紙葉類M2の前端Fから1枚分(短手方向の長さで76mmに相当)の反射画像を切り出した後、この反射画像と辞書データとのパターンマッチングを採ることにより金種判定を行う。
【0092】
同様にして、金種判定部290は、上記裏面画像データにおける、紙葉類M1およびM2の前端Fから1枚分(短手方向の長さで76mmに相当)の反射画像を切り出した後、この反射画像と辞書データとのパターンマッチングを採ることにより、金種判定を行った後、ステップSD4へ進む。
【0093】
ステップSD4では、金種判定部290は、ステップSA4(第10図参照)と同様にして、上記表面画像データにおける、紙葉類M1およびM2の後端Eから1枚分(短手方向の長さで76mmに相当)の反射画像を切り出した後、この反射画像と辞書データとのパターンマッチングを採ることにより、金種判定を行う。つぎに、金種判定部290は、上記裏面画像データにおける、紙葉類M1およびM2の後端Eから1枚分(短手方向の長さで76mmに相当)の反射画像を切り出した後、この反射画像と辞書データとのパターンマッチングを採ることにより、金種判定を行った後、ステップSD5へ進む。
【0094】
ステップSD5では、金種判定部290は、重なった紙葉類の金種が特定されたか否かを判断する。この場合、金種を特定できたものとすると、中央処理装置210は、ステップSD5の判断結果を「Yes」として、ステップSD6へ進む。なお、ステップSD5の判断結果が「No」である場合、中央処理装置210は、第15図に示したステップSD18へ進み、ステップSA7(第10図参照)と同様にして、当該紙葉類を不明券として判断する。
【0095】
この場合、ステップSD6では、中央処理装置210は、光センサ241からの透過光量が異常であるか否かを判断する。具体的には、中央処理装置210は、光センサ241からの透過光量が、第9図に示した透過光量P2未満であるか否か、すなわち、紙葉類の枚数が3枚以上であるか否かを判断する。ここで、第9図には、透過光量と紙葉類の厚み(枚数)との関係を示すデータが図示されている。
【0096】
同図において、透過光量P1〜P4は、紙葉類の厚みd1〜d4(枚数)に対応している。したがって、光センサ241からの透過光量を同図に示したデータに適用することにより、上記透過光量から当該紙葉類の枚数がわかる。また、第9図に示したデータは、実験に基づいて得られたものであり、厚み/透過光量テーブルとして、中央処理装置210のメモリ(図示略)に保持されている。
【0097】
この場合、光センサ241からの透過光量が、第9図に示した透過光量P2以上P3未満であるものとすると、中央処理装置210は、ステップSD6の判断結果を「No」として、ステップSD7へ進む。
【0098】
ステップSD7では、中央処理装置210は、厚みセンサ242の検出結果である厚みセンサ出力値(第6図参照)が異常であるか否かを判断する。具体的には、中央処理装置210は、厚みセンサ出力値が、第8図に示した厚みセンサ出力値S2以上であるか否か、すなわち、紙葉類の枚数が3枚以上であるか否かを判断する。ここで、第8図には、厚みセンサ出力値と紙葉類の枚数との関係を示すデータが図示されている。
【0099】
同図において、オフセット出力値S0は、厚みセンサ242により紙葉類が検出されない場合の値である。厚みセンサ出力値S1は、厚みセンサ242により1枚の紙葉類(同図の場合、紙葉類M1および紙葉類M2における重なりがない部分)の厚さが検出された場合の値である。厚みセンサ出力値S2は、厚みセンサ242により2枚の紙葉類(同図の場合、紙葉類M1と紙葉類M2との重なり部分W)の厚さが検出された場合の値である。
【0100】
この場合、厚みセンサ出力値が、第8図に示した厚みセンサ出力値S1以上S2未満であるものとすると、中央処理装置210は、ステップSD7の判断結果を「No」として、ステップSD9へ進む。ステップSD9では、中央処理装置210は、2枚の紙葉類が搬送されたものと判断した後、第15図に示したステップSD14へ進む。
【0101】
一方、厚みセンサ出力値が第8図に示した厚みセンサ出力値S2以上であるものとすると、中央処理装置210は、ステップSD7の判断結果を「Yes」として、ステップSD8へ進む。ステップSD8では、中央処理装置210は、紙葉類に異物(テープ等)が付着したものと判断した後、第15図に示したステップSD14へ進む。
【0102】
また、ステップSD6の判断結果が「Yes」である場合、中央処理装置210は、ステップSD10へ進む。ステップSD10では、中央処理装置210は、前述した厚み/透過光量テーブル(第9図参照)を参照し、光センサ241からの透過光量と厚みとの関係を当該紙葉類の全面に亘ってチェックした後、ステップSD11へ進む。
【0103】
ステップSD11では、中央処理装置210は、ステップSD7と同様にして、厚みセンサ242の検出結果である厚みセンサ出力値(第6図参照)が異常であるか否かを判断する。具体的には、中央処理装置210は、厚みセンサ出力値が、第8図に示した厚みセンサ出力値S2以上であるか否か、すなわち、紙葉類の枚数が3枚以上であるか否かを判断する。ここで、ステップSD11の判断結果が「Yes」である場合、中央処理装置210はステップSD12へ進む。
【0104】
ステップSD12では、中央処理装置210は、紙葉類が3枚以上重なった状態で搬送されたと判断した後、第15図に示したステップSD14へ進む。一方、ステップSD11の判断結果が「No」である場合、中央処理装置210は、ステップSD13へ進む。ステップSD13では、中央処理装置210は、汚れた紙葉類が2枚重ねられた状態で搬送されたと判断した後、第15図に示したステップSD14へ進む。
【0105】
ステップSD14では、中央処理装置210は、ステップSD9、ステップSD8、ステップSD12またはステップSD13の判断結果を、当該紙葉類の枚数として判定した後、ステップSD15へ進む。ステップSD15では、中央処理装置210は、たとえば、第1図に示した取出機構106aにより繰り出された紙葉類の枚数と、ステップSD14における判定枚数とを比較した後、ステップSD16へ進む。
【0106】
ステップSD16では、中央処理装置210は、ステップSD15における比較結果が一致した場合に、補正部340を制御することにより記憶部350に記憶されている枚数に関するデータを補正(更新)した後、ステップSD17へ進む。ステップSD17では、中央処理装置210は、前述したステップSA6(第10図参照)と同様にして、正常処理を実行した後一連の処理を終了する。
【0107】
以上説明したように、一実施の形態によれば、第11図を参照して説明したように、鑑別すべき紙葉類に関する透過光量が透過光量しきい値より低い場合に、この透過光量に補正をかけるようにしたので、複数枚の紙葉類が完全に重なった状態等であっても、紙葉類の金種判定、枚数判定の精度を向上させることができるとともに、円滑な運用を行うことができる。
【0108】
また、一実施の形態によれば、第10図を参照して説明したように、鑑別すべき紙葉類の外形が規定形と不一致である場合に、紙葉類の表裏面における反射光量に基づいて紙葉類の金種および枚数を鑑別するようにしたので、少なくとも2枚の紙葉類の一部が重なった状態であっても、精度良く、鑑別を行うことができる。
【0109】
また、一実施の形態によれば、中央処理装置210または補正部340により、重なった状態で搬送された紙葉類の金種および枚数に基づいて、記憶部350に記憶されている金種および枚数に関するデータが更新されるため、常にATM内に保有されている紙葉類の金種および枚数を正確に把握することができる。また、一実施の形態によれば、不明券として処理されるリジェクト率が従来に比して低下するため、特に、無人運用の形態を採るATMにおける前述した問題を効果的に解決することができる。
【0110】
また、一実施の形態によれば、中央処理装置210または枚数照合部320により、実際に繰り出された紙葉類の枚数と金種判定部290および真贋判定部300により鑑別された枚数とが照合された結果に基づいて、記憶部350に記憶されているデータを更新するようにしたので、当該データの信頼性を向上させることができる。
【0111】
さらに、一実施の形態によれば、第13図を参照して説明したように、重搬送された紙葉類を一時的に待避させた後、再搬送および再鑑別を行うようにしたので、重なった紙葉類が一枚づつ繰り出される確率を高くすることができることから、紙葉類の金種判定、枚数判定の精度を向上させることができる。
【0112】
加えて、一実施の形態によれば、第14図および第15図を参照して説明したように、反射光量、透過光量および厚みセンサ242の検出結果という三つの要素を用いて、鑑別を行うようにしたので、一つの要素のみからでは鑑別できない場合であっても、他の要素から鑑別が可能になることから、さらに精度良く、紙葉類の金種および枚数の鑑別を行うことができる。
【0113】
以上説明したように、本発明によれば、鑑別すべき紙葉類に関する透過光量が透過光量しきい値より低い場合に、この透過光量に補正をかけるようにしたので、複数枚の紙葉類が完全に重なった状態等であっても、紙葉類の種別判定、枚数判定の精度を向上させることができるとともに、円滑な運用を行うことができるという効果を奏する。
【0114】
また、本発明によれば、鑑別すべき紙葉類の外形が規定形と不一致である場合に、紙葉類の表裏面における反射光量に基づいて紙葉類の種別および枚数を鑑別するようにしたので、少なくとも2枚の紙葉類の一部が重なった状態であっても、精度良く鑑別を行うことができるという効果を奏する。
【0115】
また、本発明によれば、データ更新手段により、重なった状態で搬送された紙葉類の種別および枚数に基づいて、記憶手段に記憶されているデータが更新されるため、常に、装置内に保有されている紙葉類の種別および枚数を正確に把握することができるという効果を奏する。
【0116】
また、本発明によれば、枚数照合手段により、実際に繰り出された紙葉類の枚数と鑑別手段により鑑別された枚数とが照合された結果に基づいて、データを更新するようにしたので、当該データの信頼性を向上させることができるという効果を奏する。
【0117】
また、本発明によれば、重搬送された紙葉類を一時的に待避させた後、再搬送および再鑑別を行うようにしたので、重なった紙葉類が一枚づつ繰り出される確率を高くすることができることから、紙葉類の種別判定、枚数判定の精度を向上させることができるという効果を奏する。
【0118】
また、本発明によれば、反射光量、透過光量および厚み検出手段の検出結果という三つの要素を用いて、鑑別を行うようにしたので、一つの要素のみからでは鑑別できない場合であっても、他の要素から鑑別が可能になることから、さらに精度良く、紙葉類の種別および枚数の鑑別を行うことができるという効果を奏する。
【0119】
(産業上の利用可能性)
以上のように、本発明にかかる紙葉類処理装置は、紙葉類として紙幣を扱うATM等に対して有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる一実施の形態が適用されたATMの構成を示す側断面図である。
【図2】 第1図に示したATMにおける出金モード時の動作を説明する側断面図である。
【図3】 第1図に示したATMにおける補充モード時の動作を説明する側断面図である。
【図4】 第1図に示したATMにおける回収モード時の動作を説明する側断面図である。
【図5】 本発明にかかる一実施の形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】 第5図に示したセンサ部240の構成を示す斜視図である。
【図7】 第6図に示した光センサ241の構成を示す斜視図である。
【図8】 第6図に示したセンサ部240の厚みセンサ出力値の変化を示す図である。
【図9】 同一実施の形態における紙葉類の厚み(枚数)と透過光量との関係を示す図である。
【図10】 同一実施の形態の動作例1を説明するフローチャートである。
【図11】 同一実施の形態の動作例1を説明するフローチャートである。
【図12】 同一実施の形態の動作例1を説明するフローチャートである。
【図13】 同一実施の形態の動作例1を説明するフローチャートである。
【図14】 同一実施の形態の動作例2を説明するフローチャートである。
【図15】 同一実施の形態の動作例2を説明するフローチャートである。

Claims (5)

  1. 紙葉類を繰り出した後、搬送する搬送手段と、
    搬送中の前記紙葉類へ光を照射する光照射手段と、
    前記紙葉類における透過光量を検出する透過光量検出手段と、
    前記透過光量から得られる前記紙葉類の外形が規定形と一致しているか否かを判定する外形判定手段と、
    前記外形判定手段の判定結果が一致であって、かつ前記透過光量が、あらかじめ設定された透過光量しきい値より低い場合、前記透過光量に対して補正をかける補正手段と、
    前記補正手段により補正がかけられた透過光量に基づいて、前記紙葉類の種別および枚数を鑑別する鑑別手段と、
    を備えることを特徴とする紙葉類処理装置。
  2. 紙葉類を繰り出した後、搬送する搬送手段と、
    搬送中の前記紙葉類へ光を照射する光照射手段と、
    前記紙葉類における透過光量を検出する透過光量検出手段と、
    前記紙葉類の表裏面における反射光量を検出する反射光量検出手段と、
    前記透過光量から得られる前記紙葉類の外形が規定形と一致しているか否かを判定する外形判定手段と、
    前記外形判定手段の判定結果が不一致である場合、前記反射光量に基づいて、前記紙葉類の種別および枚数を鑑別する鑑別手段と、
    を備えることを特徴とする紙葉類処理装置。
  3. 装置内に保有された全紙葉類の金種および枚数のデータを記憶する記憶手段と、前記鑑別手段により鑑別された前記金種および枚数に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記データを更新するデータ更新手段とを備えることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項記載の紙葉類処理装置。
  4. 前記搬送手段により繰り出された紙葉類の枚数と前記鑑別手段により鑑別された枚数とを照合する枚数照合手段を備え、前記データ更新手段は、前記枚数照合手段の照合結果に基づいて、前記データを更新することを特徴とする請求の範囲第3項記載の紙葉類処理装置。
  5. 紙葉類を繰り出した後、搬送する搬送手段と、
    搬送中の前記紙葉類へ光を照射する光照射手段と、
    前記紙葉類における透過光量を検出する透過光量検出手段と、
    前記紙葉類の表裏面における反射光量を検出する反射光量検出手段と、
    前記紙葉類の厚みを機械的に検出する厚み検出手段と、
    前記透過光量から得られる前記紙葉類の外形が規定形と一致しているか否かを判定する外形判定手段と、
    前記外形判定手段の判定結果が不一致である場合、前記反射光量、前記透過光量および前記厚み検出手段の検出結果に基づいて、前記紙葉類の種別および枚数を鑑別する鑑別手段と、
    を備えることを特徴とする紙葉類処理装置。
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