JP3792699B2 - SiC単結晶の製造方法およびSiC単結晶の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、SiC単結晶の製造方法およびSiC単結晶の製造装置に関するものである。
筒状のガイド部材を用いてSiCバルク単結晶を成長させることが行われており、この技術を図24,25を用いて説明する。図24に示すように、坩堝100の内部にSiC原料101が配置されるとともに坩堝蓋102側にSiC種結晶103が固定され、さらに、坩堝100の内部にはテーパ状のガイド部材(円筒材)104が配置されている。そして、SiC原料101の加熱に伴なう昇華ガスがガイド部材104の内壁に沿って上昇し、SiC種結晶103からSiC単結晶105が拡大成長する。一方、図25に示すように、坩堝100の内部には内径が均一なガイド部材(円筒材)110が配置され、SiC原料101の加熱に伴なう昇華ガスがガイド部材110の内壁に沿って上昇し、SiC種結晶103からSiC単結晶105が長尺成長する。
SiC単結晶(成長結晶)105とガイド部材104,110の内壁が固着すると、割れ、亀裂、多結晶、介在物、異種多形、異方位結晶、マイクロパイプ、転位、ボイド、マクロ欠陥などの結晶欠陥を新たに発生することが分かってきた。SiC単結晶(成長結晶)105とガイド部材104,110の内壁に常に微小の空間がある方が、結晶欠陥が発生せずに高品質な結晶が得られる。
しかし、実際はSiC単結晶(成長結晶)105とガイド部材104,110は成長途中で固着するため、上記欠陥がSiC単結晶105に発生する(特に外周部分)。そのため、長尺、大口径の高品質結晶ができないという問題があった。
具体的には、SiC単結晶105の外径が50mm、SiC単結晶105の長さ(長尺量)が20mmの場合、マイクロパイプ密度が100個/cm2以下、エッチピット密度が1.0×104個/cm2以上であった。
SiC単結晶105とガイド部材104,110が成長途中で固着する理由は、図26(図24のA部拡大図)で示すように SiC単結晶105の外周面の温度と、隣接するガイド部材104,110の内壁の部分の温度がほぼ等しいからである。ほぼ等しい理由は、SiC単結晶105もガイド部材104,110も共にSiC原料101からの輻射熱で温められ、SiC単結晶105は上部から、ガイド部材104,110は外壁から放熱するからである。
本発明は、上記問題点に着目してなされたものであり、その目的は、筒状のガイド部材を用いてその内方で高品質な結晶を製造することができるSiC単結晶の製造方法およびSiC単結晶の製造装置を提供することにある。
請求項1に記載のSiC単結晶の製造方法においては、成長用容器内におけるSiC単結晶の成長領域を囲うように、筒状のガイド部材を配置するとともに、当該ガイド部材の外壁に断熱材を設置し、ガイド部材の内壁の温度よりも原料となるガスの温度の方が高く、かつ、SiC単結晶の外周面の温度よりもガイド部材の内壁の温度の方が高く、かつ、SiC単結晶の中心部の温度よりもSiC単結晶の外周面の温度の方が高い状態を維持したままSiC単結晶を成長させるようにしたことを特徴としている。よって、SiC単結晶の外周面の温度よりもガイド部材の内壁の温度の方が高いという関係を維持することで、SiC単結晶(成長結晶)とガイド部材が成長途中で固着しにくくなり、そのため、結晶欠陥がSiC単結晶(成長結晶)の外周部分に発生しにくくなる。また、SiC単結晶の中心部の温度よりもSiC単結晶の外周面の温度の方が高いという関係を維持することで、SiC単結晶は成長進行方向において拡径したテーパ状に成長して、欠陥が発生することが少なく長尺化が促進される。その結果、筒状のガイド部材を用いてその内方で高品質な結晶を製造することができる。
この請求項1に記載のSiC単結晶の製造方法を実施するための装置として、請求項3に記載のSiC単結晶の製造装置を用いるとよい。つまり、成長用容器内におけるSiC単結晶の成長領域を囲うように、筒状の黒鉛製ガイド部材を配置するとともに、当該ガイド部材の外壁に断熱材を設置する。
ここで、請求項4に記載のように、請求項3に記載のSiC単結晶の製造装置においてガイド部材は、結晶口径拡大用のテーパ形状をなしていても、請求項5に記載のように、結晶長尺用の内径が均一な筒状をなしていてもよい。また、請求項6に記載のように、請求項3〜5のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置において断熱材として黒鉛製シート材を用いることができる。さらに、請求項7に記載のように、請求項3〜6のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置において断熱材をガイド部材の外壁にカーボン接着剤を用いて接着して設置することにより、ガイド部材の内壁の温度をSiC単結晶(成長結晶)の外周面の温度よりも相対的に高温化することができる。さらには、請求項8に記載のように、請求項3〜7のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置においてガイド部材の内壁にガイド部材内壁被覆材を設置することによりガイド部材の内壁からSiC単結晶(成長結晶)の内部に異物が混入して品質劣化するのを抑制することができる。特に、請求項9に記載のように、ガイド部材内壁被覆材は熱分解炭素コーティング膜であってもよく、請求項10に記載のように、熱分解炭素コーティング膜の膜厚は20〜100μmであるとよい。また、請求項11に記載のように、前記ガイド部材内壁被覆材はTaCコーティング膜であってもよく、請求項12に記載のように、TaCコーティング膜の膜厚は20〜100μmであるとよい。さらに、請求項13に記載のように、前記ガイド部材内壁被覆材はTaC板であってもよく、当該TaC板の厚さは請求項14に記載のように、0.01〜1.0mmであるとよい。
請求項15に記載のように、請求項3〜14のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置においてガイド部材にガス抜き部を設置することにより過剰な原料ガスを通過させて成長速度を適正に制御することができる。特に、請求項16に記載のようにガス抜き部はガイド部材における原料となるガスの入口側に設けたものであり、請求項17に記載のように、ガス抜き部は、ガイド部材における原料となるガスの入口側の周囲において等間隔に6n(nは自然数)個設けるとよい。あるいは、請求項18に記載のように、ガス抜き部はガイド部材における原料となるガスの出口側に設けたものであり、請求項19に記載のように、ガス抜き部は、ガイド部材における原料となるガスの出口側の周囲において等間隔に6n(nは自然数)個設けるとよい。
請求項20に記載のように、請求項3〜19のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置において成長用容器の内壁から突出する種結晶支持部の長さは5〜40mm、特に、請求項21に記載のように、10〜30mm、さらに好ましくは、請求項22に記載のように、15〜25mmであると、SiC単結晶(成長結晶)が、種結晶支持部の横で成長する多結晶と固着しないようにするという観点から好ましい。
また、請求項23に記載のように、請求項3〜22のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置において、原料となるガスの流れにおける成長用容器の出口に多結晶捕獲用チャンバーを設けることにより、過剰な原料ガスが同チャンバー内で多結晶となり原料ガスが外部に漏れるのを防止することができる。特に、請求項24に記載のように、多結晶捕獲用チャンバーの内部空間は、その径が成長用容器の内径と同じであり、かつ、その長さが5〜50mm、特に、請求項25に記載のように、20〜40mmであるとよい。
請求項26に記載のように請求項3〜25のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置において、断熱材は、その熱伝導度が厚さ方向で1〜20W/m・K、面方向で100〜400W/m・Kであると、断熱効果という観点から好ましく、請求項27に記載のように、断熱材は、その密度が0.5×103〜1.5×103kg/m3であるとよく、請求項28に記載のように、断熱材は、その厚さが0.1〜2mmであるとよい。また、請求項29に記載のように、請求項3〜28のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置において断熱材は黒鉛製シート材を積層した構造体よりなるものであってもよい。
請求項30に記載のように、請求項3〜29のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置において、ガイド部材は黒鉛製であり、その厚さは1〜10mmとするとよく、また、SiC種結晶に関しては請求項31に記載のように、厚さが0.6mm以上、特に、請求項32に記載のように、1.2mm以上であるとよい。
また、請求項33に記載のように、請求項3〜32のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置において、ガイド部材のSiC種結晶側の開口部の口径は、SiC種結晶の口径よりも小さくなっていると、高品質な結晶を製造する上で好ましいものとなる。
請求項34に記載のように、成長用容器内におけるSiC単結晶の成長領域を囲うように、筒状のガイド部材を配置するとともに、SiC種結晶と同じ高さで水平位置にリング状の断熱材をガイド部材と連結するように設置したSiC単結晶の製造装置を用いて、ガイド部材の内壁の温度よりも原料となるガスの温度の方が高く、かつ、SiC単結晶の外周面の温度よりもガイド部材の内壁の温度の方が高く、かつ、SiC単結晶の中心部の温度よりもSiC単結晶の外周面の温度の方が高い状態を維持したままSiC単結晶を成長させる。
ここで、請求項35に記載のように、請求項34に記載のSiC単結晶の製造装置において断熱材は、その厚さが1〜10mmであるとよい。
また、請求項2,36に記載のように、SiC種結晶およびSiC単結晶は4H型であるとよい。
(第1の実施の形態)
以下、この発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の概略構成による縦断面図である。図2は、図1のA部を拡大した図である。
図1において、黒鉛製の坩堝1と黒鉛製の坩堝蓋2にて成長用容器(単結晶の成長用容器)が構成されている。坩堝1は有底円筒状をなし、その上端開口部に坩堝蓋2が設置され、当該開口部を塞いでいる。坩堝1の底面部にはSiC原料(粉末)3が充填されている。
坩堝蓋2の下面においてその中央部には下方に突出する種結晶支持部4が一体的に形成され、種結晶支持部4は円柱状をなしている。種結晶支持部4の下面にはSiC種結晶(SiC単結晶基板)5の一方の面が接着(接合固定)され、他方の面がSiC原料3と対向した状態で配置されている。SiC種結晶5は種結晶支持部4と同径である。SiC種結晶5は水平方向に配置され、その下面に対する法線方向、即ち、下方向が結晶成長方向となる。つまり、SiC種結晶5の下面から下方に向かってSiC単結晶6が成長することになる。本実施形態においては、SiC種結晶5およびSiC単結晶6は4H型である。
また、坩堝1の周囲には誘導コイル等の加熱装置(図示略)が設けられ、坩堝1の内部、特にSiC原料3を加熱することができるようになっている。その結果、SiC原料3の配置高さと種結晶5(SiC単結晶6)の配置高さにおいて温度差(温度勾配)が作られ、SiC原料3の配置高さが高温側となるとともに種結晶5(SiC単結晶6)の配置高さが低温側となる。
さらに、成長用容器(1,2)内におけるSiC種結晶5よりも下側のSiC単結晶6が成長する領域には(SiC単結晶6の形成予定領域の周囲に)、黒鉛製のガイド部材7が設置されている。ガイド部材7は、円筒状の板材にて構成され、かつ、下側ほど内径が広がるテーパ状をなしている。このガイド部材7は坩堝1の内壁の段差部1aに固定されている。前述の加熱装置による温度分布により、ガイド部材7の内壁の温度TgよりもSiC原料3の表面温度Tsの方が高くなる(Ts>Tg)。
また、黒鉛製ガイド部材7は厚さが1〜10mmの範囲であり、より具体的には例えば2mmである。黒鉛製ガイド部材7の厚さを1〜10mmとしたのは次の理由による。薄いほどガイド部材7の温度が上がりやすいが、厚さが1mm未満であると、黒鉛の形状加工が困難であるとともに、成長中に高温となるので昇華してしまうおそれがある。また、10mmを超えるとガイド部材7が高温になりにくい。
さらに、ガイド部材7の外壁には断熱材としての黒鉛製のシート材8が接着されている。シート材8は厚さが0.5mm、密度が1×103kg/m3であり、厚み方向の熱伝導度が小さく、面方向の熱伝導度が大きいという特性を有している。黒鉛製シート材8の熱伝導度は厚さ方向で1〜20W/m・K、面方向で100〜400W/m・Kであるとよい。つまり、熱伝導度が厚さ方向で小さく、面方向で大きいものが断熱性という観点から好ましく、上述した範囲がよい。厚さに関しては厚い方がよいが0.1〜2mmであるとよく、また、密度に関しては0.5×103〜1.5×103kg/m3であるとよい。
そして、製造工程において、SiC原料3の加熱により昇華ガスが発生し、このガスが原料ガスとしてガイド部材7の内壁に沿って上昇し、SiC種結晶5に至る。つまり、成長用容器(1,2)内に配したSiC種結晶5に対して同じく成長用容器(1,2)内に配したSiC原料(SiC固体原料)3の昇華ガスが下流側ほど低温となる雰囲気下で供給され当該SiC種結晶5からSiC単結晶6が拡大成長する。
ここで、筒状のガイド部材7が、成長用容器(1,2)内におけるSiC単結晶6の成長領域を囲うように配置されているが、そのガイド部材7の外壁に断熱性のシート材(広義には断熱材)8を設置しており、図24,25の場合に比べて以下のような効果がある。
図2に示すように、SiC原料3の輻射熱で温められたガイド部材7の内壁の熱が外壁から逃げるのを抑制できる。一方、種結晶支持部4を通して坩堝蓋2に放熱され、SiC単結晶(成長結晶)6の温度が低下する。これにより、ガイド部材7の内壁の温度Tgを、隣接するSiC単結晶(成長結晶)6の外周面の温度Tieより相対的に高温化できる(Tg>Tie)。また、SiC原料3の輻射熱で温められたSiC単結晶6は種結晶支持部4を通して坩堝蓋2に放熱されるとともにSiC単結晶6の外周部からガイド部材7を通して坩堝1に放熱されるが、シート材(断熱材)8により、SiC単結晶6の外周面の温度TieがSiC単結晶(成長結晶)6の下面中心部の温度Ticよりも高くなる(Tie>Tic)。このようにして、SiC原料3の表面温度がTsのとき、Ts>Tg>Tie>Ticの関係が成長中は常に成立している。
そして、図1では、高温のガイド部材7ではなく、低温のSiC単結晶(成長結晶)6にSiC原料3から昇華したガスが付着する。よって、SiC単結晶(成長結晶)6の長尺化が促進される。また、成長時には前述したようにTg>Tieが成立しており、SiC単結晶(成長結晶)6とガイド部材7が成長途中で固着しにくく、結晶欠陥がSiC単結晶(成長結晶)6の外周部分に発生するのが防止される。
また、SiC単結晶(成長結晶)6の成長面における径方向の中心での温度Ticとの関係において、Tie>Ticという関係を維持することで、SiC単結晶(成長結晶)6は下側ほど拡径したテーパ状に成長して口径拡大が促進される。つまり、Tie≦Ticであると、SiC単結晶(成長結晶)6は下側ほど縮径した逆テーパ状に成長して口径が縮小し、この場合には結晶欠陥が発生してしまう。また、低温のSiC単結晶(成長結晶)6は高温のガイド部材7から輻射熱を得る。これにより、SiC単結晶(成長結晶)6の外周部の原子マイグレーションが促進され、拡径部も高品質な結晶が得られる。その結果、コスト的に有利な大口径の高品質結晶が得られる。
なお、この成長で用いるSiC種結晶5が薄いとガイド部材7からの輻射熱でSiC種結晶5は熱エッチングされやすくなり、ボイド欠陥発生の原因となるため、SiC種結晶5は0.6mm以上の厚さであると、種結晶裏面からのボイド欠陥が抑制でき好ましい。詳しくは、0.3mm未満であると、熱エッチングされやすく、厚ければ厚いほどよい。SiC種結晶5の厚さはさらに好ましくは1.2mm以上であるとよい。
以上のごとく、成長用容器(1,2)内におけるSiC単結晶6の成長領域を囲うように、筒状のガイド部材7を配置し、ガイド部材7の内壁の温度Tgよりも原料となるガスの温度(具体的にはSiC固体原料(3)の表面温度Ts)の方が高く、かつ、SiC単結晶6の外周面の温度Tieよりもガイド部材7の内壁の温度Tgの方が高く、かつ、SiC単結晶6の中心部の温度TicよりもSiC単結晶6の外周面の温度Tieの方が高い状態を維持したままSiC単結晶6を成長させるようにした。よって、SiC単結晶6の外周面の温度Tieよりもガイド部材7の内壁の温度Tgの方が高いという関係を維持することで、SiC単結晶(成長結晶)6とガイド部材7が成長途中で固着しにくくなり、そのため、結晶欠陥がSiC単結晶(成長結晶)6の外周部分に発生しにくくなる。また、SiC単結晶6の中心部の温度TicよりもSiC単結晶6の外周面の温度Tieの方が高いという関係を維持することで、SiC単結晶6は成長進行方向において拡径したテーパ状に成長して、欠陥が発生することが少なく長尺化が促進される。その結果、筒状のガイド部材7を用いてその内方で大口径高品質結晶が得られる。具体的には、SiC単結晶(成長結晶)6の直径を60mm、マイクロパイプ密度を30個/cm2以下、エッチピット密度を1.0×104個/cm2未満とすることができる。
また、断熱材はシート材8であり、その熱伝導度は厚さ方向で1〜20W/m・K、面方向で100〜400W/m・Kであるとよく、また、シート材8の密度は0.5×103〜1.5×103kg/m3であるとよく、さらに、シート材8の厚さは0.1〜2mmであるとよい。一方、ガイド部材7は黒鉛製であり、その厚さは1〜10mmの範囲であるとよい。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図3は、図1に代わる本実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の概略構成による縦断面図である。図4は、図3のA部を拡大した図である。
図3に示すように本実施形態では、黒鉛製ガイド部材7の外壁に、黒鉛製シート材8をカーボン接着剤10で貼り付けている(断熱材としての黒鉛製シート材8をガイド部材7の外壁にカーボン接着剤10を用いて接着して設置している)。よって、第1の実施の形態に対して、図4に示すように、SiC原料3の輻射熱で温められたガイド部材7の内壁の熱の断熱効果がより高まるために外壁から逃げるのを更に抑制でき、ガイド部材7の内壁の温度Tgを、隣接するSiC単結晶(成長結晶)6の外周面の温度Tieより相対的に高温化することができる。その結果、大口径高品質結晶が得られる。具体的には、SiC単結晶(成長結晶)6の直径を60mm、マイクロパイプ密度を20個/cm2以下、エッチピット密度を1×104個/cm2未満にすることができる。
以上のように、ガイド部材7の外壁に、断熱性のシート材8をカーボン接着剤10で貼り付けることで、図24の場合に比べ、SiC原料3の輻射熱で温められたガイド部材7の内壁の熱が外壁から逃げるのを抑制でき、ガイド部材7の内壁の温度Tgを、隣接するSiC単結晶(成長結晶)6の外周面の温度Tieより相対的に高温化できる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態を、第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図5は、図3に代わる本実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の概略構成による縦断面図である。図6は、図5のA部を拡大した図である。
図5に示すように、成長用容器(1,2)内におけるSiC種結晶5よりも下側のSiC単結晶(成長結晶)6が成長する領域には(SiC単結晶6の形成予定領域の周囲に)、黒鉛製のガイド部材20が設置されている。ガイド部材20は、円筒部20aと円板部20bとからなり、内径が等しい円筒部20aの上端の外周部には円板部20bが形成され、円板部20bの外周縁が坩堝1の内壁の段差部1aにおいて固定されている。ガイド部材20は厚さが1〜10mmの範囲であり、より具体的には例えば2mmである。
このように、図1,3ではガイド部材7は結晶口径拡大用のテーパ形状をなしていたが、本実施形態においてはガイド部材20は結晶長尺用の内径が均一な筒状をなしている。
また、ガイド部材20(円筒部20a)の外壁に、第1の実施の形態と同様の黒鉛製シート材21がカーボン接着剤22で貼り付けられている。
よって、図25の装置に比べ、図6に示すように、SiC原料3の輻射熱で温められたガイド部材20の内壁の熱が外壁から逃げるのを抑制でき、ガイド部材20の内壁の温度Tgを、隣接するSiC単結晶(成長結晶)6の外周面の温度Tieより相対的に高温化できる。また、高温のガイド部材20ではなく、低温のSiC単結晶(成長結晶)6にSiC原料3から昇華したガスが付着し、さらにTie>Ticという関係を維持することで、SiC単結晶(成長結晶)6は下側ほど拡径したテーパ状に成長して、欠陥が発生することが少なく、長尺化が促進される。つまり、Tie≦Ticであると、SiC単結晶(成長結晶)6は下側ほど縮径した逆テーパ状に成長して口径が縮小し、この場合には結晶欠陥が発生する。また、低温のSiC単結晶(成長結晶)6は高温のガイド部材20から輻射熱を得るので、SiC単結晶(成長結晶)6の外周部の原子マイグレーションは促進され外周部も高品質な結晶が得られる。よって、コスト的に有利な長尺高品質結晶が得られる。具体的には、SiC単結晶(成長結晶)6の長さ(長尺量)を60mm、マイクロパイプ密度を20個/cm2以下、エッチピット密度を1×104個/cm2未満にすることができる。
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態を、第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図7は、図3に代わる本実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の概略構成による縦断面図である。図8は、図7のA部を拡大した図である。
図7に示すように、黒鉛製ガイド部材7の内壁には、ガイド部材内壁被覆材としての熱分解炭素コーティング膜30が形成されている(予めコーティングされている)。このガイド部材7の内壁に設置した熱分解炭素コーティング膜30は、SiC種のガス(Si、SiC2、Si2Cなどのガス)に対し不活性である。熱分解炭素コーティング膜30の膜厚は20〜100μmが好ましい範囲であり、気相法で黒鉛をコーティングする場合には30〜90μmとするとよく、それ未満でもそれ以上でもひび割れが発生しやすい。
これにより、第2の実施の形態に比べて、黒鉛製ガイド部材7の内壁からカーボン粉等が昇華しSiC単結晶(成長結晶)6の内部に混入し品質を劣化させることを抑制できる。よって、大口径高品質結晶が得られる。具体的には、SiC単結晶(成長結晶)6の直径を60mm、マイクロパイプ密度を1個/cm2以下、エッチピット密度を5×103個/cm2未満にすることができる。
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態を、第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図9は、図3に代わる本実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の概略構成による縦断面図である。図10は、図9のA部を拡大した図である。
図9に示すように、黒鉛製のガイド部材7の内壁には、ガイド部材内壁被覆材としてのTaCコーティング膜40が形成されている(予めコーティングされている)。このTaCコーティング膜40は、SiC種のガス(Si、SiC2、Si2Cなどのガス)に対し不活性である。TaCコーティング膜40の膜厚の好ましい範囲は20〜100μmである。詳しくは、気相法でTaC膜をコーティングする場合には20〜100μmとするとよく、それ未満でもそれ以上でもひび割れが発生しやすい。
よって、第2の実施の形態に比べて黒鉛製ガイド部材7の内壁からカーボン粉等が昇華しSiC単結晶(成長結晶)6の内部に混入し品質を劣化させることを抑制できる。これにより、大口径高品質結晶が得られる。具体的には、SiC単結晶(成長結晶)6の直径を60mm、マイクロパイプ密度を1個/cm2以下、エッチピット密度を5×103個/cm2未満にすることができる。
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態を、第4および第5の実施の形態との相違点を中心に説明する。
第4および第5の実施の形態においては熱分解炭素コーティング膜30やTaCコーティング膜40を用いたが、本実施形態においてはそれに代わり、図11(a)に示すように、黒鉛製のガイド部材7の内壁にTaC板50を密着した状態で固定している。TaC板50はその厚さが0.2mmである。製造の際には、図11(b)に示すように、ガイド部材7の内壁に厚さが0.2mmのTa板51を密着した状態で固定した後に炭化熱処理することにより、図11(a)に示すように、ガイド部材7の内壁にTaC板50を配置する。このようにして、予めガイド部材7の内壁に約0.2mmの不活性なTaC板50を密着固定しておく。炭化熱処理の条件は、温度が2300℃で、圧力が100Torr、雰囲気ガスが不活性ガス+H2+炭素雰囲気、時間が1hrである。
なお、Ta板51の厚さに関して0.2mmとしたのは、0.01mm未満であったり0.5mmを超えるとガイド部材7に密着して均一に取り付けることが難しいからである。また、温度に関して2300℃としたのは、2000℃未満だとTaがSiC雰囲気で不活性なTaCに変化せず、また、2500℃を超えると黒鉛製ガイド部材7とTaの熱膨張係数差が大きくてTa板が割れてしまうからである。圧力を100Torrとしたのは、0.1Torr未満だとTa板が軟化してしまう虞があり、また、760Torr以上だとTaがSiC雰囲気で不活性なTaCに変化しないからである。さらに、雰囲気ガスとしての不活性ガス+H2+炭素雰囲気において時間を1hrとしたのは、30分未満だとTaがSiC雰囲気で不活性なTaCに変化せず、また、10時間以上だと熱処理に電力を消費しすぎるからである。
このようにして、ガイド部材7の内壁に予めSiC種のガス(Si、SiC2、Si2Cなどのガス)に対して不活性なTaC板50を形成することで、第4および第5の実施の形態に比べて以下の効果を奏する。高価な熱分解炭素コーティング膜30やTaCコーティング膜40に比べて安価にTaC板50を形成でき、品質的には第4および第5の実施の形態と同様の効果が得られる。よって、大口径高品質結晶が得られる。具体的には、SiC単結晶(成長結晶)6の直径を60mm、マイクロパイプ密度を1個/cm2以下、エッチピット密度を5×103個/cm2未満にすることができる。
また、ガイド部材内壁被覆材としてのTaC板50の形成方法として、ガイド部材7の内壁にTa板51を形成した後に、2000〜2500℃で炭化熱処理してTaをTaCに化学変化させることでTaCはTaよりも体積増加し、黒鉛の方がTaCよりも熱膨張係数が小さいことを利用して炭化後にTaC板50をガイド部材7の内壁に密着させる。この場合、Ta板51の厚さは0.01〜0.5mmであるとともに、Taを炭化させた後におけるTaC板50の厚さは0.01〜1.0mmであるとよい。
(第7の実施の形態)
次に、第7の実施の形態を、第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図12は、図3に代わる本実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の概略構成による縦断面図である。図13は、ガイド部材7の平面図、図14は、ガイド部材7の構造(断面および正面)を示す図である。
図13,14に示すように、第2の実施の形態に比べ、ガイド部材7の下部、即ち、ガイド部材7における原料となるガスの入口側にスリット60が複数設置されている。このスリット60を通してSiCの昇華ガスが通り抜ける。ガス抜き部としてのスリット60について、詳しくは、各スリット60は、長方形状をなし、上下方向に延び、スリット幅が1.5mm、スリット長さが4mmである。スリット(抜け穴)60はガイド部材7の下部の周囲、即ち、ガイド部材7における原料となるガスの入口側の周囲において等間隔に12個設けられている。スリット(抜け穴)60の個数に関して、広義には、6n(nは自然数)とするとよい。
なお、スリット60の形状は、上記のような長方形に限らず長さと幅は問わず、正方形、三角形、円形、楕円形等でもよく、SiC単結晶(成長結晶)6の成長速度が0.1〜2mm/hに制御できるように設ける。さらに好ましくは0.2〜0.7mm/hに制御できるようにする。また、SiC単結晶(成長結晶)6が同心円状ではなくいびつに成長すると結晶欠陥発生の原因となるので、スリット60(抜け穴)は上から見た場合、等間隔で同形状が好ましい。さらに、通常SiC種結晶5はc面の六方晶であるためスリット(抜け穴)60の数は6の倍数であることが効果的である。また、上記成長速度となるように、ガイド部材7を下から支持するのではなく、上部で支持するようにして、ガイド部材7の下部全周をガス通路としてもよい。
このようにすることにより、第2の実施の形態に比べて、成長に必要のない過剰なSiCの昇華ガスがスリット(抜け穴)60を通ってSiC単結晶(成長結晶)6に付着しないため、高品質結晶を得るために必要不可欠な成長速度を適正に制御でき、高品質な結晶が得られる。よって、大口径高品質結晶が得られる。具体的には、SiC単結晶(成長結晶)6の直径を60mm、マイクロパイプ密度を10個/cm2以下、エッチピット密度を8×103個/cm2未満にすることができる。
(第8の実施の形態)
次に、第8の実施の形態を、第7の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図15は、図13に代わる本実施形態でのガイド部材7の平面図である。図16は、図14に代わる本実施形態でのガイド部材7の構造(断面および正面)を示す図である。
本実施形態ではガイド部材7の上部、即ち、ガイド部材7における原料となるガスの出口側にガス抜き部としての透孔65を複数設けている。この透孔65を通してSiCの昇華ガスが通り抜ける。各透孔65は円形をなし、その直径は1mmである。透孔65はガイド部材7の上部の周囲、即ち、ガイド部材7における原料となるガスの出口側の周囲において等間隔に6個設けている。透孔(抜け穴)65の個数に関して、広義には、6n(nは自然数)とするとよい。
なお、各透孔(抜け穴)65の形状は、円形に限らず三角形、正方形、長方形、楕円形等でもよく、SiC単結晶(成長結晶)6の成長速度が0.1〜2mm/hに制御できるように設ける。さらに好ましくは0.2〜0.7mm/hに制御できるようにする。また、SiC単結晶(成長結晶)6が同心円状ではなくいびつに成長すると結晶欠陥発生の原因となるので、それぞれの各透孔(抜け穴)65は上から見た場合、等間隔で同形状が好ましい。さらに通常SiC種結晶5はc面の六方晶であるため透孔(抜け穴)65の数は6の倍数であることが好ましい。また、SiC単結晶(成長結晶)6が透孔(抜け穴)65から、はみ出て成長しないように、各々の透孔(抜け穴)65の面積(一個の面積)は9mm2以下、さらに好ましくは4mm2以下にする。
このようにすることにより、第2の実施の形態に比べて、成長に必要のない過剰なSiCの昇華ガスが透孔(抜け穴)65を通ってSiC単結晶(成長結晶)6に付着しないため、高品質結晶を得るために必要不可欠な成長速度を適正に制御でき、高品質な結晶が得られる。よって、大口径高品質結晶が得られる。具体的には、SiC単結晶(成長結晶)6の直径を60mm、マイクロパイプ密度を10個/cm2以下、エッチピット密度を8×103個/cm2未満にすることができる。
(第9の実施の形態)
次に、第9の実施の形態を、第7の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図17は、図12に代わる本実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の概略構成による縦断面図である。
坩堝蓋2の天井面における種結晶支持部(突起部)4の長さが20mmと長くなっている。種結晶支持部4の長さは5〜40mmの範囲がよい。その理由は以下の通りである。
種結晶支持部4に固定したSiC種結晶5からSiC単結晶6が成長するが、このSiC単結晶6が種結晶支持部4の横で成長する多結晶68と固着するとSiC単結晶(成長結晶)6に結晶欠陥が発生する。そこで、SiC単結晶(成長結晶)6が多結晶68と固着しないようにするために、種結晶支持部4の長さを5mm以上とする。また、種結晶支持部4が長すぎると、SiC単結晶(成長結晶)6の放熱が妨げられ成長が困難となることから40mm以下にする。好ましくは、種結晶支持部4の長さの範囲は10〜30mm、さらに好ましくは15〜25mmである。
つまり、成長用容器(1,2)の内壁(坩堝蓋2の内壁)から突出する種結晶支持部4の長さは5〜40mmが望ましい範囲であり、10〜30mmがより好ましい範囲であり、15〜25mmが更に好ましい範囲である。
このように本実施形態は、第7の実施の形態に比べて次の効果を奏する。SiC単結晶(成長結晶)6に付着しなかったガスは、坩堝蓋2の天井面で再結晶化し多結晶68が形成されるが、その多結晶68はSiC単結晶(成長結晶)6よりも成長速度が速いため、SiC単結晶(成長結晶)6に追いついて、SiC単結晶(成長結晶)6の品質を劣化させる虞がある。しかし、種結晶支持部4を20mmと長くすることで、多結晶68が追いつくのに時間がかかるため、さらに大口径、長尺化ができる。よって、大口径、長尺高品質結晶が得られる。具体的には、SiC単結晶(成長結晶)6の直径を80mm、長さ(長尺量)を60mm、マイクロパイプ密度を10個/cm2以下、エッチピット密度を8×103個/cm2未満にすることができる。
(第10の実施の形態)
次に、第10の実施の形態を、第9の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図18は、図12に代わる本実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の概略構成による縦断面図である。図19は、図18のA−A線での断面図である。
図18に示したように、ガイド部材7の下部の周囲に、SiCの昇華ガスが通り抜けるように長さ4mm×幅1.5mmのスリット60が等間隔で12箇所設けられている。また、図18に示すように、坩堝蓋2に透孔71が多数形成されている。透孔71は、円形をなし、直径が1mmであり、図19に示すように、12個設けられている。
透孔71の形状は円形に限らず、長方形、正方形、三角形、楕円形等でもよい。透孔71の全面積は6〜300mm2の範囲が好ましい。なぜなら、全面積は300mm2を超えると、SiC種結晶5の付近のSiCガス過飽和度が低くなりSiC単結晶(成長結晶)6が成長せず、6mm2未満だと効果がないからである。また、SiC単結晶(成長結晶)6が同心円状ではなくいびつに成長すると結晶欠陥発生の原因となるので、それぞれの透孔71は上から見た場合、等間隔で同形状が好ましい。さらに、通常SiC種結晶5はc面の六方晶であるため透孔71の数は6の倍数であることが好ましい。
また、図18に示すように、坩堝蓋2の上に多結晶捕獲用チャンバー(トラッパー)70が設けられている。多結晶捕獲用チャンバー(トラッパー)70の空間容積は、坩堝1の内径と同じで、長さが30mmである。
多結晶捕獲用チャンバー(トラッパー)70の空間容積は、坩堝1の内径と同じで、長さは5〜50mmの範囲であるとよい。なぜなら、容積が坩堝1の内径と同じで、長さが5mm未満だと、長時間成長したとき多結晶75がSiC単結晶(成長結晶)6に追いつき結晶欠陥が発生する。また、容積が坩堝1の内径と同じで、長さが50mmを超えると、多結晶捕獲用チャンバー(トラッパー)70のコストが高くなり問題である。好ましくは、多結晶捕獲用チャンバー(トラッパー)70の空間容積は、坩堝1の内径と同じで、長さは20〜40mmの範囲であるとよい。
このように、第7の実施の形態に比べ、透孔(ガス通路)71を設けることで、さらに多結晶が追いつくのに時間がかかるため、さらに大口径、長尺化ができる。また、多結晶捕獲用チャンバー(トラッパー)70を設けることで、SiCガスが坩堝外の成長炉内に漏れることを抑制でき、成長装置を劣化させることがない。よって、大口径、長尺高品質結晶が得られる。具体的には、SiC単結晶(成長結晶)6の直径を100mm、長さ(長尺量)を80mm、 マイクロパイプ密度を10個/cm2以下、エッチピット密度を8×103個/cm2未満にすることができる。
以上のように、原料となるガスの流れにおける成長用容器(1,2)の出口に多結晶捕獲用チャンバー70を設けるとよい。特に、多結晶捕獲用チャンバー70の内部空間は、その径が成長用容器(1,2)の内径と同じであり、かつ、その長さが5〜50mmが好ましい範囲であり、20~40mmがより好ましい範囲である。
(第11の実施の形態)
次に、第11の実施の形態を、第6および第9の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図20は、図9に代わる本実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の概略構成による縦断面図である。図21は、図20のA部を拡大した図である。
図20に示すように、坩堝蓋2における天井面での種結晶支持部4の長さが20mmと長くなっている。また、図20に示すように、ガイド部材7の下部に、SiCの昇華ガスが通り抜けるように長さ4mm×幅1.5mmのスリット60が等間隔で12箇所設けられている。図21に示すように、ガイド部材7の内壁にTaC板80が設置されている。また、ガイド部材7の外壁に、2枚の黒鉛製シート材81が重ねてカーボン接着剤82で貼り付けられている。つまり、図1等での断熱材(8)は本実施形態では黒鉛製シート材81を積層した構造体よりなるものである。なお、黒鉛製シート材81の積層枚数は2〜5枚の範囲であり、5枚を超えても5枚と同等の効果しか得られないのでコスト的に無駄である。
このようにすることにより、第6の実施の形態で説明したようにガイド部材7の内壁に、SiC種のガス(Si、SiC2、Si2Cなどのガス)に対して不活性なTaC板80を形成することで、黒鉛製ガイド部材7の内壁からカーボン粉が昇華しSiC単結晶(成長結晶)6の内部に混入し品質を劣化させることを抑制できる。さらに、シート材81を2枚積層することにより、ガイド部材7は高温になりやすいのでより効果的である。さらには、成長に必要のない過剰なSiCの昇華ガスがスリット60を通ってSiC単結晶(成長結晶)6に付着しないため、高品質結晶を得るために必要不可欠な成長速度を適正に制御でき、高品質な結晶が得られる。
また、成長結晶に付着しなかったガスは、坩堝蓋2の天井面で再結晶化し多結晶が形成されるが、その多結晶はSiC単結晶(成長結晶)6よりも成長速度が速いため、SiC単結晶(成長結晶)6に追いついて、SiC単結晶(成長結晶)6の品質を劣化させる虞がある。しかし、図20のごとく、種結晶支持部4を20mmと長くすることで、多結晶が追いつくのに時間がかかるため、さらに大口径、長尺化ができる。
よって、大口径・長尺高品質結晶が得られる。具体的には、SiC単結晶(成長結晶)6の直径を80mm、長さ(長尺量)を60mm、マイクロパイプ密度を1個/cm2以下、エッチピット密度を3×103個/cm2未満にすることができる。
(第12の実施の形態)
次に、第12の実施の形態を、第1〜第11の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図22は、図1に代わる本実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の概略構成による縦断面図である。
図22において、SiC種結晶5の外形寸法Dsと、ガイド部材7の上端開口部(SiC種結晶5側の開口部)の内径寸法Dgとの関係において、SiC種結晶5の外形寸法Dsよりもガイド部材7の上端開口部の内径寸法Dgの方が小さくなっている(Dg<Ds)。また、SiC種結晶5の下面よりも下方にガイド部材7の上端開口部が位置している。よって、SiC種結晶5からSiC単結晶6が成長する過程において、SiC種結晶5からの成長直後においてはその周囲にガイド部材7が無いので拡径しつつ成長し、その後にガイド部材7の上端開口部において縮径した形状となり、以後はガイド部材7の内壁に沿って成長する。
このように本実施形態においては、ガイド部材7のSiC種結晶5側の開口部の口径は、SiC種結晶5の口径よりも小さくなっている。この構成とすることにより、高品質な結晶を製造する上で好ましいものとなる。当該構成は第2〜第11の実施の形態において用いてもよい。
(第13の実施の形態)
次に、第13の実施の形態を、第1〜第12の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図23は、図1に代わる本実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の概略構成による縦断面図である。
図23において、坩堝1内においてSiC種結晶5と同水準に(SiC種結晶5と同じ高さで水平位置に)、リング状の断熱材90が配置されている。リング状の断熱材90は平板状をなしている。断熱材90に関してより詳しくは、リング状の断熱材90の外周面が坩堝1の内壁に固定され、リング状の断熱材90の内周面がSiC種結晶5の外周面と接近し、さらに、リング状の断熱材90の内周部においてガイド部材7と連結されている。
ここで、リング状の断熱材90の設置場所に関して、図23においてガイド部材7のガス入口よりも上に配置する。断熱材90は、その厚さが1〜10mmである。これは、断熱材90の厚さが1mmよりも薄いとガイド部材7が高温になりにくく、断熱材90の厚さが10mmを超えて厚くしても断熱効果が飽和に達してしまうからである。
このように本実施形態においては、成長用容器(1,2)内におけるSiC単結晶6の成長領域を囲うように、筒状のガイド部材7を配置するとともに、原料となるガスの流れにおけるガイド部材7のガス入口よりも下流にSiC種結晶5またはSiC単結晶6を中心位置とするリング状の断熱材90を設置している。このようにしても、成長用容器(1,2)内におけるSiC単結晶6の成長領域を囲うように、筒状のガイド部材7を配置し、ガイド部材7の内壁の温度Tgよりも原料となるガスの温度(具体的にはSiC固体原料(3)の表面温度Ts)の方が高く、かつ、SiC単結晶6の外周面の温度Tieよりもガイド部材7の内壁の温度Tgの方が高く、かつ、SiC単結晶6の中心部の温度TicよりもSiC単結晶6の外周面の温度Tieの方が高い状態を維持したままSiC単結晶6を成長させることができる。
その他の実施の形態を以下に説明する。
・図4等における黒鉛製シート材8に代わり、厚み方向の熱伝導度が小さく面方向の熱伝導度が大きい特性をもつ、フェルト状断熱材もしくは成形断熱材等を黒鉛製ガイド部材7の外壁に設置してもよい。
・黒鉛製ガイド部材7に代わり、TaCなどの高融点金属の炭化物を用いてもよい。
・黒鉛製ガイド部材7の内壁にはTaC膜(40)、熱分解炭素コーティング膜(30)以外に他の高融点金属(例えば、タングステン、モリブデン、ジルコニア、チタン、レニウム、イリジウム、バナジウム、ハフニウム、ルテニウムなど)の炭化物を用いてもよい。また、これらの複数を組み合わせて使用することもできる。
・いくつかの実施形態を組み合わせ(例えば、第4の実施形態と第7の実施形態と第9の実施形態と第10の実施形態の組み合わせ、第10の実施形態と第11の実施形態の組み合わせなど)ても、同等もしくはそれ以上の効果がある。
・準密閉系坩堝(1,2)の代わりに開放系の坩堝を用いて、原料にSiC原料3に代わりSiやCを含む気体原料(例えば、シランやプロパン)を用いて、この気体原料を坩堝外部から坩堝内部に種結晶5に向かって導入してもよい。つまり、これまでの説明においては昇華法(原料として固定原料を用いる方法)にて単結晶を成長する場合について説明してきたが、例えば、Si含有ガスとしてモノシランと、C含有ガスとしてプロパンといった混合ガスを成長用容器を導入して単結晶を成長する場合に適用してもよい。要は、成長用容器(1,2)内に配したSiC種結晶5に対して原料となるガスを供給して当該SiC種結晶5からSiC単結晶6を成長させるSiC単結晶の製造装置に適用することができる。
・また、Siの固体を原料に用いてもよい。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項12に記載のSiC単結晶の製造装置におけるガイド部材内壁被覆材(50)を形成するための方法であって、
ガイド部材7の内壁にTa板51を形成した後に、2000〜2500℃で炭化熱処理してTaをTaCに化学変化させてTaC板50をガイド部材7の内壁に密着させたことを特徴とするSiC単結晶の製造装置におけるガイド部材内壁被覆材の形成方法。これにより、TaC板50をガイド部材7の内壁に密着して配置することができる。
(ロ)前記ガイド部材7は黒鉛製であることを特徴とする(イ)に記載のSiC単結晶の製造装置におけるガイド部材内壁被覆材の形成方法。これにより、(イ)において2000〜2500℃で炭化熱処理してTaをTaCに化学変化させてTaC板50をガイド部材7の内壁に密着させる際に、Ta→TaC時の体積膨張により、炭化後にTaC板50をガイド部材7の内壁に確実に密着させることができる。
(ハ)Ta板51の厚さは0.01〜0.5mmであることを特徴とする(イ)または(ロ)に記載のSiC単結晶の製造装置におけるガイド部材内壁被覆材の形成方法。これにより、Ta板51の厚さを好ましいものにすることができる。
(ニ)Taを炭化させた後におけるTaC板50の厚さは0.01〜1.0mmであることを特徴とする(イ)〜(ハ)のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置におけるガイド部材内壁被覆材の形成方法。これにより、TaC板50の厚さを好ましいものにすることができる。
第1の実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 図1のA部の拡大図。 第2の実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 図3のA部の拡大図。 第3の実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 図5のA部の拡大図。 第4の実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 図7のA部の拡大図。 第5の実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 図9のA部の拡大図。 (a)は第6の実施の形態におけるガイド部材の断面図、(b)はガイド部材内壁被覆材の形成工程を説明するための断面図。 第7の実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 ガイド部材の平面図。 ガイド部材の断面および平面図。 第8の実施の形態におけるガイド部材の平面図。 ガイド部材の断面および平面図。 第9の実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 第10の実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 図18のA−A線での断面図。 第11の実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 図20のA部の拡大図。 第12の実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 第13の実施の形態におけるSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 背景技術を説明するためのSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 背景技術を説明するためのSiC単結晶の製造装置の縦断面図。 図24のA部の拡大図。
符号の説明
1…坩堝、2…坩堝蓋、3…SiC原料、4…種結晶支持部、5…SiC種結晶、6…SiC単結晶、7…ガイド部材、8…シート材、10…カーボン接着剤、20…ガイド部材、30…熱分解炭素コーティング膜、40…TaCコーティング膜、50…TaC板、51…Ta板、60…スリット、65…透孔、70…多結晶捕獲用チャンバー、81…黒鉛製シート材、90…断熱材。

Claims (36)

  1. 成長用容器(1,2)内に配したSiC種結晶(5)に対して原料となるガスを供給して当該SiC種結晶(5)からSiC単結晶(6)を成長させるSiC単結晶の製造方法において、
    成長用容器(1,2)内におけるSiC単結晶(6)の成長領域を囲うように、筒状のガイド部材(7)を配置するとともに、当該ガイド部材(7)の外壁に断熱材(8)を設置し、ガイド部材(7)の内壁の温度(Tg)よりも原料となるガスの温度の方が高く、かつ、SiC単結晶(6)の外周面の温度(Tie)よりもガイド部材(7)の内壁の温度(Tg)の方が高く、かつ、SiC単結晶(6)の中心部の温度(Tic)よりもSiC単結晶(6)の外周面の温度(Tie)の方が高い状態を維持したままSiC単結晶(6)を成長させるようにしたことを特徴とするSiC単結晶の製造方法。
  2. 前記SiC種結晶(5)およびSiC単結晶(6)は4H型であることを特徴とする請求項1に記載のSiC単結晶の製造方法。
  3. 成長用容器(1,2)内に配したSiC種結晶(5)に対して原料となるガスを下流側ほど低温となる雰囲気下で供給して当該SiC種結晶(5)からSiC単結晶(6)を成長させるSiC単結晶の製造装置であって、
    成長用容器(1,2)内におけるSiC単結晶(6)の成長領域を囲うように、筒状の黒鉛製ガイド部材(7)を配置するとともに、当該ガイド部材(7)の外壁に断熱材(8)を設置したことを特徴とするSiC単結晶の製造装置。
  4. 前記ガイド部材(7)は、結晶口径拡大用のテーパ形状をなしていることを特徴とする請求項3に記載のSiC単結晶の製造装置。
  5. 前記ガイド部材(20)は、結晶長尺用の内径が均一な筒状をなしていることを特徴とする請求項3に記載のSiC単結晶の製造装置。
  6. 前記断熱材(8)は黒鉛製シート材であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  7. 前記断熱材(8)を前記ガイド部材(7)の外壁にカーボン接着剤(10)を用いて接着して設置したことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  8. 前記ガイド部材(7)の内壁にガイド部材内壁被覆材(30)を設置したことを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  9. 前記ガイド部材内壁被覆材(30)は熱分解炭素コーティング膜であることを特徴とする請求項8に記載のSiC単結晶の製造装置。
  10. 前記熱分解炭素コーティング膜(30)の膜厚は20〜100μmであることを特徴とする請求項9に記載のSiC単結晶の製造装置。
  11. 前記ガイド部材内壁被覆材(40)はTaCコーティング膜であることを特徴とする請求項8に記載のSiC単結晶の製造装置。
  12. 前記TaCコーティング膜(40)の膜厚は20〜100μmであることを特徴とする請求項11に記載のSiC単結晶の製造装置。
  13. 前記ガイド部材内壁被覆材(50)はTaC板であることを特徴とする請求項8に記載のSiC単結晶の製造装置。
  14. 前記TaC板(50)の厚さは0.01〜1.0mmであることを特徴とする請求項13に記載のSiC単結晶の製造装置。
  15. 前記ガイド部材(7)にガス抜き部(60)を設置したことを特徴とする請求項3〜14のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  16. 前記ガス抜き部(60)はガイド部材(7)における原料となるガスの入口側に設けたものであることを特徴とする請求項15に記載のSiC単結晶の製造装置。
  17. 前記ガス抜き部(60)は、ガイド部材(7)における原料となるガスの入口側の周囲において等間隔に6n(nは自然数)個設けたものであることを特徴とする請求項16に記載のSiC単結晶の製造装置。
  18. 前記ガス抜き部(65)はガイド部材(7)における原料となるガスの出口側に設けたものであることを特徴とする請求項15に記載のSiC単結晶の製造装置。
  19. 前記ガス抜き部(65)は、ガイド部材(7)における原料となるガスの出口側の周囲において等間隔に6n(nは自然数)個設けたものであることを特徴とする請求項18に記載のSiC単結晶の製造装置。
  20. 前記成長用容器(1,2)の内壁から突出する種結晶支持部(4)の長さは5〜40mmであることを特徴とする請求項3〜19のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  21. 前記成長用容器(1,2)の内壁から突出する種結晶支持部(4)の長さは10〜30mmであることを特徴とする請求項3〜19のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  22. 前記成長用容器(1,2)の内壁から突出する種結晶支持部(4)の長さは15〜25mmであることを特徴とする請求項3〜19のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  23. 原料となるガスの流れにおける成長用容器(1,2)の出口に多結晶捕獲用チャンバー(70)を設けたことを特徴とする請求項3〜22のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  24. 前記多結晶捕獲用チャンバー(70)の内部空間は、その径が成長用容器(1,2)の内径と同じであり、かつ、その長さが5〜50mmであることを特徴とする請求項23に記載のSiC単結晶の製造装置。
  25. 前記多結晶捕獲用チャンバー(70)の内部空間は、その径が成長用容器(1,2)の内径と同じであり、かつ、その長さが20〜40mmであることを特徴とする請求項23に記載のSiC単結晶の製造装置。
  26. 前記断熱材(8)は、その熱伝導度が厚さ方向で1〜20W/m・K、面方向で100〜400W/m・Kであることを特徴とする請求項3〜25のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  27. 前記断熱材(8)は、その密度が0.5×103〜1.5×103kg/m3であることを特徴とする請求項3〜26のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  28. 前記断熱材(8)は、その厚さが0.1〜2mmであることを特徴とする請求項3〜27のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  29. 前記断熱材は黒鉛製シート材(81)を積層した構造体よりなるものであることを特徴とする請求項3〜28のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  30. 前記ガイド部材(7)は黒鉛製であり、その厚さは1〜10mmであることを特徴とする請求項3〜29のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  31. 前記SiC種結晶(5)の厚さは0.6mm以上であることを特徴とする請求項3〜30のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  32. 前記SiC種結晶(5)の厚さは1.2mm以上であることを特徴とする請求項3〜30のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  33. 前記ガイド部材(7)のSiC種結晶(5)側の開口部の口径は、前記SiC種結晶(5)の口径よりも小さいことを特徴とする請求項3〜32のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
  34. 成長用容器(1,2)内に配したSiC種結晶(5)に対して原料となるガスを下流側ほど低温となる雰囲気下で供給して当該SiC種結晶(5)からSiC単結晶(6)を成長させるSiC単結晶の製造装置であって、
    成長用容器(1,2)内におけるSiC単結晶(6)の成長領域を囲うように、筒状のガイド部材(7)を配置するとともに、前記SiC種結晶(5)と同じ高さで水平位置にリング状の断熱材(90)を前記ガイド部材(7)と連結するように設置したことを特徴とするSiC単結晶の製造装置。
  35. 前記断熱材(90)は、その厚さが1〜10mmであることを特徴とする請求項34に記載のSiC単結晶の製造装置。
  36. 前記SiC種結晶(5)およびSiC単結晶(6)は4H型であることを特徴とする請求項3〜35のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置。
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