JP5287675B2 - 炭化珪素単結晶の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パワーMOSFET等の素材に利用することができる炭化珪素(以下、SiCという)単結晶の製造装置に関するものである。
従来より、例えば、特許文献1には、容器本体の上面開口部が蓋体で塞がれると共に容器本体内にSiC原料が配置されており、蓋体の下面から突出させた種結晶支持部に種結晶を固定するSiC単結晶の製造装置が開示されている。このような製造装置では、蓋体の下面中央に形成させた台座に種結晶を固定させることにより、種結晶から成長する単結晶と、台座の周辺に付着する多結晶が接触するタイミングを遅らせ、単結晶の口径を拡大させながら成長するように工夫されている。
しかしながら、特許文献1に記載の製造装置では、単結晶と多結晶とが接触するタイミングを遅らせることが可能であるものの、成長が進むと最終的には単結晶と多結晶が接触するため、それ以上の単結晶の口径拡大および長尺成長が阻まれるという不具合があった。また、単結晶に多結晶が接触すると、その界面から単結晶に向かって歪みが導入されたり、マクロ欠陥と呼ばれる欠陥が発生したりすることは周知のことである。
そこで、例えば、特許文献2には、容器本体の側壁に、中空部を有する筒状部材であって、SiC原料側に向かって径が広くなるテーパ形状のガイド部を備えたSiC単結晶の製造装置が開示されている。このような製造装置では、ガイド部により、SiC原料からの昇華ガスの流れを種結晶に導くことによって単結晶の成長を優勢に起こし、台座の周辺に多結晶が付着することを遅らせることができる。すなわち、単結晶と多結晶との分離状態を長く続けて単結晶を成長させることが可能である。
特開平10−36195号公報 特開2002−60297号公報
しかしながら、特許文献2に記載のSiC単結晶の製造装置には、次のような問題がある。すなわち、ガイド部のうち種結晶側の端部では、単結晶の成長が進むと、容器本体の軸方向において、SiC原料との間に単結晶が位置することになり、SiC原料からの輻射熱が成長した単結晶により妨げられて温度が低下することになる。また、単結晶が成長することにより種結晶は温度が低下するため、ガイド部のうち種結晶側の端部では、種結晶の温度低下に伴って温度が低下することになる。つまり、単結晶の成長が進むことにより、ガイド部における種結晶側の端部の温度は低下していき、これに伴ってガイド部の温度勾配が変化することになる。具体的には、ガイド部のうち種結晶側の端部とSiC原料側の端部との間の中間部の温度が下がることになる。反対に、単結晶は成長するほど成長表面がSiC原料に近づくことになるため、成長表面の温度が高くなる。
そして、単結晶の成長が進むことにより、ガイド部のうち単結晶の成長表面近傍の部分の温度が当該成長表面の温度付近にまで低下すると、ガイド部の内壁面には多結晶が付着(成長)することになる。すると、ガイド部の内壁面に付着した多結晶が単結晶と接することにより、単結晶の口径拡大が阻害されると共に、単結晶に欠陥や歪みが導入されることになる。
本発明は上記点に鑑みて、結晶の品質を保ちつつ、さらに口径拡大や長尺化した単結晶を得ることのできるSiC単結晶の製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明では、容器本体(10)のうち種結晶(23)とSiC原料(30)との間には、昇華ガスを種結晶(23)へ導くと共に、SiC単結晶(22)の成長空間を構成するガイド部(40)が配置されており、ガイド部(40)は、中空部を有する筒部(41a〜44a)を備えた複数のガイド部材(41〜44)を有する構成とされ、複数のガイド部材(41〜44)は、容器本体(10)の軸方向においてそれぞれ離間した状態で容器本体(10)の内部に備えられ、炭化珪素原料(30)側のそれぞれの端部において、容器本体(10)に固定されていることを特徴としている。
このようなSiC単結晶の製造装置では、ガイド部(40)が複数のガイド部材(41〜44)を有した構成とされており、各ガイド部材(41〜44)は離間して配置されている。このため、各ガイド部材(41〜44)を熱的に分離した状態とすることができる。
したがって、軸方向に隣合う二つのガイド部材(41〜44)において、種結晶(23)側のガイド部材の温度が低下したとしても、SiC原料(30)側のガイド部材は、当該種結晶(23)側のガイド部材の温度変化の影響を受け難くすることができる。すなわち、SiC原料(30)側のガイド部材の温度を維持することができるため、当該ガイド部材に多結晶が付着することを抑制することができる。そして、ガイド部(40)に多結晶が付着することを抑制することができるため、結晶の品質を保ちつつ、さらにSiC単結晶(22)の口径拡大および長尺成長をさせるようにすることができる。
また、請求項に記載の発明のように、複数のガイド部材(41〜44)それぞれにおいて、筒部(41a〜44a)の壁面の厚さを1mm以上10mm以下とすることができる。
さらに、請求項に記載の発明のように、複数のガイド部材(41〜44)における最も種結晶(23)側に位置するガイド部材(41)を、種結晶(23)側の他端部が種結晶(23)、蓋体(20)、容器本体(10)のいずれとも接触せず、かつ当該他端部と種結晶(23)の成長面との間の容器本体(10)の軸方向の距離が1mm以上10mm以下となるように配置することができる。また、請求項に記載の発明のように、複数のガイド部材(41〜44)のうち容器本体(10)の軸方向に隣合う二つのガイド部材(41〜44)の相対する端面の間における容器本体(10)の軸方向の距離を1mm以上10mm以下とすることもできる。
さらに、請求項に記載の発明のように、種結晶(23)を円板状とし、複数のガイド部材(41〜44)における最も種結晶(23)側に位置するガイド部材(41)を、種結晶(23)側の他端部の内径をD、種結晶(23)側の他端部と種結晶(23)との間の容器本体(10)の軸方向の距離をh、種結晶(23)の径をAとすると、A+2(h・tan60°−10)≦D≦A+2h・tan60°を満たすようにすることができる。
このような製造装置では、ガイド部材(41)の他端部の内径をA+2h・tan60°以下にしているため、種結晶(23)とガイド部材(41)の他端面との間において、SiC単結晶(22)の外周側面に欠陥が発生しても、ネッキング効果により当該欠陥が成長方向に伝播することを抑制することができる。
また、請求項に記載の発明のように、複数のガイド部材(41〜44)における容器本体(10)の軸方向に隣合う二つのガイド部材(41〜44)の相対する端面において、種結晶(23)側のガイド部材のうち、種結晶(23)側の他端部の内径をDa+1、容器本体(10)の軸方向に対するガイド部材の内壁面の傾きをθ、ガイド部材の容器本体(10)の軸方向の長さをHとし、SiC原料(30)側のガイド部材のうち、種結晶(23)側の他端部の内径をDa+2、容器本体(10)の軸方向に対するガイド部材の内壁面の傾きをθa+1、ガイド部材の容器本体(10)の軸方向の長さをHa+1とし、当該二つのガイド部材における相対する二つの端面の間の容器本体(10)の軸方向の長さをhとすると、SiC原料(30)側に位置するガイド部材の他端部の内径Da+2を、Da+1≦Da+2≦(Da+1+2H・tanθ)+2(h+Ha+1)tan60°−2Ha+1・tanθa+1満たすようにすることができる。
さらに、請求項に記載の発明のように、複数のガイド部材(41〜44)それぞれを、黒鉛を有する構成とし、筒部(41a〜44a)の内壁面をそれぞれ高融点金属素材を有して構成されるインナーガイド(50a〜50d)で覆い、当該内壁面に配置されるインナーガイド(50)をそれぞれの内壁面を跨いで配置することもできる。また、請求項に記載の発明のように、当該内壁面に配置されるインナーガイド(50a〜50d)それぞれを互いに離間して配置することができる。
このような製造装置では、ガイド部(40)またはガイド部材(41〜44)の内壁からカーボン粉等が昇華してSiC単結晶(22)の内部に混入することを抑制することができ、SiC単結晶(22)の品質が劣化することを抑制できる。
この場合、請求項に記載の発明のように、インナーガイド(50、50a〜50d)の厚さを0.1mm以上1mm以下とすることができる。
また、請求項1に記載の発明のように、複数のガイド部材(41〜44)それぞれを、容器本体(10)の軸方向に対する内壁面の傾きが0°以上60°以下となるようにすることができる。
さらに、請求項1に記載の発明のように、複数のガイド部材(41〜44)のうちの少なくとも一つのガイド部材を、種結晶(23)側からSiC原料(30)側に向かって内径を一定とすることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるSiC単結晶製造装置の断面構成を示した図である。 (a)は、SiC単結晶の成長前における種結晶、および成長中のSiC単結晶と種結晶を示した模式図であり、(b)はSiC単結晶の成長前における種結晶とガイド部材、および成長中のSiC単結晶、種結晶、ガイド部材を示した模式図である。 図1に示す二点鎖線部分の拡大図である。 本発明の第2実施形態にかかるSiC単結晶製造装置の断面構成を示した図である。 本発明の第3実施形態にかかるSiC単結晶製造装置の断面構成を示した図である。 図5に示す二点鎖線部分の模式図である。 本発明の第4実施形態にかかるSiC単結晶製造装置の断面構成を示した図である。 本発明の第5実施形態にかかるSiC単結晶製造装置の断面構成を示した図である。 本発明の第6実施形態にかかるSiC単結晶製造装置の断面構成を示した図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかるSiC単結晶の製造装置の断面構成を示した図であり、この図に基づいて説明する。
図1に示されるように、SiC単結晶製造装置は、有底円筒状の容器本体10と、当該容器本体10の開口部を蓋閉めする円形状の蓋体20と、によって構成された黒鉛製の坩堝1を備えている。そして、容器本体10の底部には、SiCからなる粉末原料30が充填されている。なお、本実施形態では、粉末原料30が本発明の炭化珪素原料に相当している。
蓋体20は、下面中央部に、周囲の他の部位よりも下方に突出した円柱状の種結晶支持部21を備えている。この種結晶支持部21は、例えば、蓋体20と一体的に形成されることにより備えられる。そして、種結晶支持部21の下面には、種結晶支持部21と同径であり、SiC単結晶22を成長させるためのSiC単結晶基板からなる円板状の種結晶23が接着(接合固定)されている。この種結晶23は、一面が種結晶支持部21に接着されており、当該一面と反対側の一面が成長面となる。そして、本実施形態では、この成長面に対する法線方向(図1中紙面下方向)が結晶成長方向となり、種結晶23の成長面から下方に向かってSiC単結晶22が成長する。なお、本実施形態においては、種結晶23として4H−SiCが用いられる。
また、容器本体10には、種結晶23と粉末原料30との間に、昇華ガスを種結晶23へ導くと共に、SiC単結晶22の成長空間を構成するガイド部40が配置されている。このガイド部40は、黒鉛等を用いて構成される筒状のガイド部材41〜44が、容器本体10の軸方向(以下、軸方向という)においてそれぞれ離間した状態で容器本体10の内部に備えられることにより構成されている。
以下、ガイド部40について説明するが、各ガイド部材41〜44において、粉末原料30側の端部を一端部、種結晶23側の端部を他端部とし、各ガイド部材41〜44の両端面をそれぞれ端面、一端部の端面を一端面、他端部の端面を他端面として説明する。
各ガイド部材41〜44は、それぞれ中空部を有する筒部41a〜44aを備えていると共に、筒部41a〜44aの一端部にそれぞれフランジ41b〜44bを備えている。このフランジ41b〜44bは、軸方向と垂直方向に延設されており、当該フランジ41b〜44bにて各ガイド部材41〜44は容器本体10に形成されている各段差部11〜14に保持されている。また、各ガイド部材41〜44は、他端部から一端部に向かって径が広くなるテーパ形状とされている。本実施形態では、各ガイド部材41〜44により構成されるガイド部40もテーパ形状とされている。なお、種結晶23にSiC単結晶22を成長させる場合には、軸方向に対するSiC単結晶22の口径角度の最大が60°であるため、各ガイド部材41〜44の軸方向に対する内壁面の角度(テーパ角)は60°以下とすることが好ましい。
さらに、各ガイド部材41〜44は、壁面の厚さが1〜10mmの範囲のものが用いられている。これは以下の理由による。すなわち、各ガイド部材41〜44は、厚さが薄いものほど輻射熱により加熱されやすいために厚さが薄いものほど好ましいが、厚さが1mm未満となると黒鉛の形状加工が困難になると共に、SiC単結晶22を成長させている最中に昇華してしまう可能性がある。また、厚さが10mmを超えると、輻射熱による加熱効果が厚みにより分散されるため、高温になりにくくなる。したがって、各ガイド部材41〜44は、加熱されやすいと共に黒鉛の形状加工が困難にならず、かつ、成長中に昇華することを抑制することができる厚さにすることが好ましく、本実施形態では、壁面の厚さを2mmとしている。
また、種結晶23に最も近いガイド部材41は、他端部が種結晶23、蓋体20および容器本体10のいずれとも接触しないように配置されている。これにより、ガイド部材41の他端部がいずれかの部位と接触している場合と比較して、ガイド部材41の熱が各部位に伝達されることを抑制することができ、温度が低下することを抑制することができる。
また、より好ましくは、種結晶23と、ガイド部材41の他端面との間の軸方向の距離を1mm以上10mm以下とするのがよい。すなわち、種結晶23とガイド部材41との軸方向の距離が1mm未満であると、種結晶23とガイド部材42との温度差が付きにくくなり、10mmより大きいとSiC単結晶22の自然拡大成長の形状による応力により歪みや亀裂が発生しやすくなるためである。同様に、各ガイド部材41〜44の相対する端面の間の軸方向の距離についても1mm以上10mm以下とするのが好ましい。
次に、各ガイド部材41〜44の軸方向の長さについて説明する。まず、種結晶23に最も近いガイド部材41の軸方向の長さについて説明する。図2(a)は、SiC単結晶22の成長前における種結晶23、および成長中のSiC単結晶22と種結晶23を示した模式図であり、図2(b)はSiC単結晶22の成長前における種結晶23とガイド部材41、および成長中のSiC単結晶22、種結晶23、ガイド部材41を示した模式図である。なお、図2(b)中のハッチング部分は、ガイド部材41のうち輻射熱がSiC単結晶22により妨げられる領域を示している。
図2(a)に示されるように、種結晶23の成長面を基準面とし、SiC単結晶22が種結晶23に成長し始めるときの種結晶23の温度をTe、SiC単結晶22が軸方向に成長したときの単位長さあたりの温度上昇量をTdとすると、基準面からxの位置にある外周側面の温度は基準面よりTd・(x)高くなるため、SiC単結晶22の外周側面のうち基準面からxの位置にある部分の温度Tfは、次のように表すことができる。
(式1)Tf=Te+Td・(x)
また、図2(b)に示されるように、ガイド部材41のうち軸方向において粉末原料30との間にSiC単結晶22が位置する部分における最も一端部側の部位、つまり図2(b)中の基準面からxの距離に位置する部位の温度Tgは次のように示される。
まず、種結晶23の成長面を基準面とし、ガイド部材41の他端面と種結晶23の成長面との間の軸方向の距離をhとする。また、ガイド部材41のうち他端部からxの距離までの部分は、SiC単結晶22成長前のガイド部材41において軸方向における単位長さあたりの温度上昇量をTaとする。そして、SiC単結晶22成長中は、SiC単結晶22により輻射熱が妨げられるため、これによる温度上昇量の減少量をTbとすると、単位長さあたりの温度上昇量を(Ta−Tb)とすることができる。したがって、SiC単結晶22が図2(b)のように成長しているとき、ガイド部材41のうち種結晶23からxの距離に位置する部位の温度は、他端部からxの部位までの距離が(x−h)であるため、他端部の温度より(Ta−Tb)・(x−h)だけ高くなる。
そして、SiC単結晶22が種結晶23に成長し始めるときのガイド部材41の他端部の温度は、当該他端部が種結晶23より粉末原料30側に近いため、Teより温度が高いThとすることができる。また、ガイド部材41の他端部は、SiC単結晶22成長中において、SiC単結晶22が成長することに伴って種結晶23の温度が低下することにより、種結晶23の温度低下に伴って低下する。したがって、ガイド部材41の他端部の温度は、SiC単結晶22が単位長さ成長することによる温度下降量をTcとすると、SiC単結晶22のうちの成長表面近傍が成長面からx成長した場合には、{Th−Tc・(x)}と表される。
以上より、ガイド部材41のうち基準面からxの距離に位置する部位の温度Tgは次式のように表せる。
(式2)
Tg={Th−Tc・(x)}+(Ta−Tb)・(x−h
ここで、Tgが低下してTfに近づくとガイド部材41の内壁面に多結晶が付着する事になるため、Tf<Tgとなるxの位置にガイド部材41の一端面が位置していればガイド部材41に多結晶が付着する事を抑制できることになる。すなわち、種結晶23にSiC単結晶22が軸方向に成長し、外周側面のうち最も粉末原料30側の端部が軸方向においてガイド部材41における一端面のうちの最も内側の部分と重なるときの基準面からxの位置にある外周側面の温度に対して、ガイド部材41の一端面の温度が高くなるようにガイド部材41の軸方向の長さを設定することにより、ガイド部材41に多結晶が付着することを抑制できる。したがって、ガイド部材41の軸方向の長さ(x−h)は次式を満たす長さとされている。
(式3)
Te+Td・(x)<{Th−Tc・(x)}+(Ta−Tb)・(x−h
同様に、ガイド部材42〜44は、軸方向の長さが次のようにされている。例えば、ガイド部材42においては、ガイド部材41における一端面を基準面とし、上記(式1)〜(式3)において、上記Teの代わりに、SiC単結晶22における外周側面のうち最も粉末原料30側の端部がガイド部材41の一端面まで成長したときの当該端部の温度をTe、上記hの代わりに、ガイド部材42の他端面とガイド部材41の一端面との間の軸方向の距離をhとする。そして、(Ta−Tb)の代わりに、ガイド部材42の単位長さあたりの温度上昇量を(Ta−Tb)、Tcの代わりに、SiC単結晶22が単位長さ成長することによるガイド部材42の他端部の温度下降量をTc、SiC単結晶22が種結晶23に成長し始めるときのガイド部材41の他端部の温度をTh(Th>Te)とする。したがって、ガイド部材41と同様に、ガイド部材42は、次式に示すxを満たす位置にガイド部材42の一端面が位置しており、軸方向の長さ(x−h)は次式を満たす長さとされている。
(式4)
Te+Td・(x)<{Th−Tc・(x)}+(Ta−Tb)・(x−h
さらに、ガイド部材43、44においても上記(式4)を満たす(x−h)が軸方向の長さとされている。なお、ガイド部材43においてはガイド部材42の一端面を基準面とし、ガイド部材44においてはガイド部材43の一端面を基準面とし、ガイド部材43、44の単位長さあたりの温度上昇量を適宜置き換えることにより、上記(式4)と同様の関係が成立する。
さらに、ガイド部材41は他端部の内径が次のように構成されている。図3は、図1に示す二点鎖線部分の拡大図である。図3に示されるように、ガイド部材41は、種結晶23の径をA、種結晶23と他端面との間の軸方向の距離をh、他端部の内径をDとすると、A+2(h・tan60°−10)≦D≦A+2h・tan60°を満たす内径とされている。これは、以下の理由によるものである。
すなわち、種結晶23からSiC単結晶22を自然に口径拡大させながら成長させた場合には、SiC単結晶22の外周側面における軸方向の傾きは60°となるため、SiC単結晶22における種結晶23からh離れた位置の径はA+2h・tan60°と表される。したがって、ガイド部材41の他端部の内径をA+h・tan60°以下にすることにより、ネッキング効果を得ること、つまりSiC単結晶22の外周側面に発生する欠陥が成長方向に伝播することを抑制することができる。
しかしながら、ガイド部材41の他端部の内径をA+h・tan60°以下にすることによりネッキング効果を得ることができるが、内径をあまり小さくしすぎると、その後にSiC単結晶22の口径を拡大することが難しくなる。また、SiC単結晶22を自然に口径拡大させながら成長させた場合には、SiC単結晶22の外周側面から軸方向に向かって約10mmの範囲に欠陥が導入されやすいことが知られている。したがって、本実施形態では、Dの最小内径をA+2(h・tan60°−10)としている。以上、説明したように、本実施形態のSiC単結晶の製造装置が構成されている。
次に、このようなSiC単結晶の製造装置を用いてSiC単結晶22を製造する方法について説明する。
まず、容器本体10に粉末原料30を配置すると共に、蓋体20の種結晶支持部21に種結晶23を接着剤等により接合する。そして、容器本体10に蓋体20を取り付ける。
続いて、坩堝1を図示しない加熱チャンバに設置し、図示しない排気機構を用いてガス排出を行うことで、坩堝1内を含めた加熱チャンバ内を真空にし、抵抗加熱ヒータに通電することで加熱し、その輻射熱により坩堝1を加熱することで坩堝1内を所定温度にする。このとき、各抵抗加熱ヒータへの電流値(電圧値)を異ならせることにより、ヒータで温度差が発生させられる加熱を行えるようにしている。
その後、加熱チャンバ内に、例えば、不活性ガス(Arガス等)や水素、結晶へのドーパントとなる窒素などの混入ガスを流入させる。この不活性ガスは排気配管を介して排出される。種結晶23の成長面の温度および粉末原料30の温度を目標温度まで上昇させるまでは、加熱チャンバ内は大気圧に近い雰囲気圧力にして粉末原料30からの昇華を抑制し、目標温度になったところで、真空雰囲気とする。本実施形態では、SiC単結晶22が4H−SiCであるため、粉末原料30の温度を2100〜2300℃とし、成長結晶表面の温度をそれよりも10〜200℃程度低くして、真空雰囲気は1.33Pa〜6.67kPa(0.01〜50Torr)とする。
このようにして、粉末原料30を加熱することで粉末原料30が昇華し、粉末原料30から昇華ガスが発生する。この昇華ガスは、各ガイド部40の内壁に沿って上昇して種結晶23に供給され、種結晶23にSiC単結晶22が拡大成長していく。このとき、昇華ガスは、種結晶23の表面やSiC単結晶22の成長表面だけでなく、蓋体20の下面や種結晶支持部21の側壁にも供給される。このため、図1に示されるように、蓋体20の表面や種結晶支持部21の側壁にSiC多結晶24が成長する。
なお、上記のようにガイド部40は複数のガイド部材41〜44が軸方向において離間して配置されることにより構成されており、各ガイド部材41〜44は熱的に分離された状態とされている。したがって、例えば、SiC単結晶22がガイド部材41の一端部まで成長し、ガイド部材41への輻射熱がSiC単結晶22によって妨げられる事等によりガイド部材41の温度が低下したとしても、ガイド部材41とガイド部材42とは熱的に分離されているため、ガイド部材42の温度がガイド部材41の温度低下に伴って低下することを抑制することができる。すなわち、ガイド部材42のうちSiC単結晶22における成長表面近傍の部分の温度が当該成長表面の温度付近にまで低下することを抑制することができ、ガイド部材42に多結晶が付着することを抑制することができる。また、ガイド部材43、44においても同様である。
以上説明したように、本実施形態にかかるSiC単結晶の製造装置では、ガイド部40が複数のガイド部材41〜44を有した構成とされており、各ガイド部材41〜44は軸方向に離間して配置されている。これにより、各ガイド部材41〜44は熱的に分離された状態となるため、各ガイド部材41〜44の間で熱が移動することを抑制することができる。
具体的には、ガイド部を一つの筒状部材で構成している従来の製造装置と比較すると、例えば、ガイド部材42は、SiC単結晶22が成長して輻射熱が妨げられる事等によりガイド部材41の温度が低下したとしても、ガイド部材41の温度変化の影響を受け難くすることができ、従来のガイド部のうちガイド部材42と対応する部分よりも高温状態を維持することができる。このため、従来の製造装置より、ガイド部40に多結晶が付着することを抑制することができ、結晶の品質を保ちつつ、さらにSiC単結晶22の口径拡大および長尺成長をさせるようにすることができる。もちろん、ガイド部材43、44においても、従来のガイド部のうちガイド部材43、44と対応する部分よりも高温状態を維持することができ、同様の効果を得ることができる。
また、このように各ガイド部材41〜44が離間して配置されていることにより、例えば、ガイド部材41〜44の一部を接触させてガイド部40を構成するような場合と比較しても、さらにガイド部材41〜44の間で熱が移動することを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、各ガイド部材41〜44の軸方向の長さは、上記(式3)または(式4)を満たす長さとされている。これにより、各ガイド部材41〜44は、SiC単結晶22の外周側面のうち粉末原料30側の端部がガイド部材41〜44の一端部まで成長したとしても、ガイド部材41〜44の一端部の温度をSiC単結晶22の当該端部の温度より高くすることができる。したがって、さらにガイド部材41〜44に多結晶が付着することを抑制することができる。
また、ガイド部材41の他端部の内径をA+2h・tan60°以下にしているため、SiC単結晶22の外周側面に欠陥が発生しても、ネッキング効果により当該欠陥が成長方向に伝播することを抑制することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態のSiC単結晶の製造装置は、第1実施形態に対して、ガイド部材42〜44の内径を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。図4は、本実施形態にかかるSiC単結晶の製造装置の断面構成を示す図である。
図4に示されるように、本実施形態にかかるSiC単結晶の製造装置では、各ガイド部材41〜44は同一形状とされている。すなわち、ガイド部材42の他端部の内径はガイド部材41の一端部の内径より小さくされ、ガイド部材43の他端部の内径はガイド部材42の一端部の内径より小さくされ、ガイド部材44の他端部の内径はガイド部材43の一端部の内径より小さくされている。
このようなSiC単結晶の製造装置では、例えば、ガイド部材42の他端部の内径がガイド部材41の一端部の内径より小さくされている。このため、ガイド部材41に沿ってSiC単結晶22が成長するとき、外周側面に欠陥が発生しても、ガイド部材42のネッキング効果により当該欠陥が成長方向に伝播することを抑制することができる。また、ガイド部材43、44においても同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態のSiC単結晶の製造装置では、さらに高品質なSiC単結晶22を得つつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、ガイド部材41〜44に対して輻射熱は、粉末原料30から軸方向のみだけでなく、軸方向に対して傾きを有して照射されたり、迂回して照射されたりする。したがって、軸方向に隣合う二つのガイド部材41〜44において、粉末原料30側のガイド部材により種結晶23側のガイド部材に対して輻射熱が照射されないことはない。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態のSiC単結晶の製造装置は、第1実施形態に対して、ガイド部40をガイド部材41〜43にて構成したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。図5は、本実施形態にかかるSiC単結晶の製造装置の断面構成を示す図である。
図5に示されるように、本実施形態のSiC単結晶の製造装置では、ガイド部40が3つのガイド部材41〜43で構成されている。そして、上記第1実施形態と比較して、ガイド部材42の他端部の内径はガイド部材41の一端部の内径よりさらに大きくされており、ガイド部材43の他端部の内径はガイド部材42の一端部の内径よりさらに大きくされている。
このようなSiC単結晶の製造装置では、軸方向に隣合う二つのガイド部材41〜43の端面の間において、SiC単結晶22は自然口径拡大をするため、少ないガイド部材41〜43で効果的に口径拡大をしつつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、ガイド部材42、43は、他端部の内径を大きくし過ぎると、SiC単結晶22の口径角度を決める等のガイドとしての機能が無くなるため、次のようにするのが好ましい。図6は、図5に示す二点鎖線部分の模式図である。
図6に示されるように、ガイド部材42において、他端部の内径をDa+1、軸方向に対するガイド部材42の内壁面の傾きをθ、ガイド部材42の軸方向の長さをHとすると、ガイド部材42の一端部に相当する位置のSiC単結晶22の径は、Da+1+2Ha・tanθと表すことができる。
そして、ガイド部材43において、ガイド部材43の軸方向の長さをHa+1とし、ガイド部材42、43における相対する二つの端面の間の軸方向の長さをhとすると、ガイド部材43の一端部に相当する位置のSiC単結晶22の径は、ガイド部材43が無いと仮定した場合、SiC単結晶22は、軸方向に対して60°の角度を保って成長していくことから、(Da+1+2H・tanθ)+2(h+Ha+1)tan60°と表すことができる。
したがって、ガイド部材43の一端部の内径をDa+3とすると、Da+3≦(Da+1+2H・tanθ)+2(h+Ha+1)tan60°であれば、ガイド部材43がガイドとしの機能を果たすことになる。すなわち、ガイド部材43の他端部の内径をDa+2、軸方向に対するガイド部材43の内壁面の傾きをθa+1、とすると、Da+2≦(Da+1+2H・tanθ)+2(h+Ha+1)tan60°−2Ha+1・tanθa+1であればよいことになる。なお、ガイド部材41とガイド部材42との関係においても同様の関係が成立する。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態のSiC単結晶の製造装置は、第1実施形態に対して、ガイド部材42の内径を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。図7は、本実施形態にかかるSiC単結晶の製造装置の断面構成を示す図である。
図7に示されるように、本実施形態のSiC単結晶の製造装置では、ガイド部材42は、一端部から他端部に向かって内径が一定とされている、すなわち、軸方向に対する内壁面の傾きが0°とされている。このようなSiC単結晶の製造装置では、SiC単結晶22は、ガイド部材41に沿って成長する、すなわち、径方向に拡大しながら成長するときに外周縁部に歪みが発生することになるが、内径が一定径である(テーパ形状でない)ガイド部材42に沿って成長するときに当該歪みを緩和することができる。したがって、さらに高品質なSiC単結晶22を得つつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態のSiC単結晶の製造装置は、第1実施形態に対して、ガイド部40にインナーガイドを配置したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。図8は、本実施形態にかかるSiC単結晶の製造装置の断面構成を示す図である。
図8に示されるように、本実施形態にかかるSiC単結晶の製造装置では、複数のガイド部材41〜44それぞれは、筒部41a〜44aの内壁面がそれぞれ高融点金属素材を有して構成されるインナーガイド50で覆われている。具体的には、このインナーガイド50は、各ガイド部材41〜44の内壁面に跨がって配置されている。このようなインナーガイド50は、例えば、タンタル、モリブデン、タングステン等の高融点金属素材を用いて構成されている。また、厚さが0.1mm以上1mm以下とされている。インナーガイド50の厚さが1.0mmより薄いと、インナーガイド50を配置する際や、SiC単結晶22を成長させる際にインナーガイド50に印加される負荷により破損する可能性があるためである。また、1.0mmより厚いと、輻射熱の加熱効果がインナーガイド50の厚みより分散されてしまうからである。
このようなSiC単結晶の製造装置では、原料昇華ガス(Si、SiC2、Si2C等のガス)に対し不活性である高融点金属素材をガイド部40の内壁に配置したことにより、ガイド部40の内壁からカーボン粉等が昇華してSiC単結晶22の内部に混入することを抑制することができる。このため、SiC単結晶22の品質が劣化することを抑制でき、さらに高品質なSiC単結晶22を成長させつつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、インナーガイド50としてタンタルを用いた場合には、黒鉛製の坩堝1で加熱処理をすることにより熱的安定性の高い炭化タンタルが形成されるため、さらに欠陥の少ない高品質なSiC単結晶22を成長させることができる。
なお、本実施形態では、各ガイド部材41〜44は、インナーガイド50を介して接続されることになるが、インナーガイド50を介して各ガイド部材41〜44の間を移動する熱量は、インナーガイド50のうち各ガイド部材41〜44と接触している部分と、当該ガイド部材41〜44の間を移動する熱量よりはるかに小さいため、各ガイド部材41〜44は熱的に分離している状態であると言える。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態のSiC単結晶の製造装置は、第5実施形態に対して、各ガイド部材41〜44の内壁にそれぞれインナーガイド50を配置したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。図9は、本実施形態にかかるSiC単結晶の製造装置の断面構成を示す図である。
図9に示されるように、本実施形態にかかるSiC単結晶の製造装置では、ガイド部材41〜44それぞれは、筒部41a〜44aの内壁面がそれぞれ高融点金属素材を有して構成されるインナーガイド50a〜50dで覆われている。そして、当該内壁面に配置されるインナーガイド50a〜50dそれぞれは、互いに離間して配置されている。
このようなSiC単結晶の製造装置では、各ガイド部材41〜44に備えられるインナーガイド50a〜50dがそれぞれ離間して配置されているため、上記第5実施形態より各ガイド部材41〜44の間の熱の移動を抑制することができつつ、上記第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、各ガイド部材41〜44には、それぞれ一端部に軸方向と垂直方向に延設されたフランジ41b〜44bが備えられている例について説明したが、これに限定されるものでなく、軸方向に対して所定の傾きを有するフランジ41b〜44bを備える構成とすることもできる。
上記第2実施形態では、各ガイド部材41〜44がそれぞれ同じ形状である例について説明したが、ガイド部材42の他端部の内径をガイド部材41の一端部の内径より小さくし、ガイド部材43の他端部の内径をガイド部材42の一端部の内径より小さくし、ガイド部材44の他端部の内径をガイド部材43の一端部の内径より小さくすれば第2実施形態の効果を得ることができる。このとき、SiC単結晶22の口径を考慮すると、ガイド部材42の他端部の内径はガイド部材41の他端部の内径以上であることが好ましく、ガイド部材43の他端部の内径はガイド部材42の他端部の内径以上であることが好ましく、ガイド部材44の他端部の内径はガイド部材43の他端部の内径以上であることが好ましい。上記第1実施形態で説明したガイド部材41の他端部の内径と同様に、内径をあまり小さくしすぎると、その後にSiC単結晶22の口径を拡大することが難しくなるためである。
また、上記第4実施形態では、ガイド部材42の内径が一定とされている例について説明したが、例えば、ガイド部材42だけでなく、ガイド部材43、44の内径を一定とすることもできるし、ガイド部材43のみの内径を一定径とすることもできる。
そして、上記各実施形態では、容器本体10に粉末原料30が配置されている製造装置について説明したが、例えば、原料ガスを坩堝1の外部から供給するガス供給法を用いる製造装置に適用することもできる。
さらに、上記各実施形態では、各ガイド部材41〜44の軸方向の長さは、上記(式3)または(式4)を満たす長さとされているが、上記(式3)または(式4)を満たさない長さであっても、ガイド部40が複数のガイド部材41〜44を離間した状態で配置することにより構成されているため、従来の製造装置よりガイド部40に多結晶が付着することを抑制することができる。
1 坩堝
10 容器本体
11 段差部
20 蓋体
21 種結晶支持部
22 SiC単結晶
23 種結晶
30 粉末原料
40 ガイド部
41〜44 ガイド部材

Claims (11)

  1. 有底円筒状の容器本体(10)と当該容器本体(10)を蓋閉めするための蓋体(20)とを有した中空状の円柱形状をなす坩堝(1)を有し、前記蓋体(20)に炭化珪素基板からなる種結晶(23)を配置すると共に前記容器本体(10)に炭化珪素原料(30)を配置し、前記炭化珪素原料(30)の昇華ガスを供給することにより、前記種結晶(23)の一面を成長面として、当該成長面上に炭化珪素単結晶(22)を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記容器本体(10)のうち前記種結晶(23)と前記炭化珪素原料(30)との間には、前記昇華ガスを前記種結晶(23)へ導くと共に、前記炭化珪素単結晶(22)の成長空間を構成するガイド部(40)が配置されており、
    前記ガイド部(40)は、中空部を有する筒部(41a〜44a)を備えた複数のガイド部材(41〜44)を有する構成とされ、
    前記複数のガイド部材(41〜44)は、前記容器本体(10)の軸方向においてそれぞれ離間した状態で前記容器本体(10)の内部に備えられ、前記炭化珪素原料(30)側のそれぞれの端部において、前記容器本体(10)に固定されていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記複数のガイド部材(41〜44)それぞれは、前記筒部(41a〜44a)の壁面の厚さが1mm以上10mm以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 前記複数のガイド部材(41〜44)における最も前記種結晶(23)側に位置する前記ガイド部材(41)は、前記種結晶(23)側の他端部が前記種結晶(23)、前記蓋体(20)、前記容器本体(10)のいずれとも接触しておらず、かつ当該他端部と前記種結晶(23)の前記成長面との間の前記容器本体(10)の軸方向の距離が、1mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  4. 前記複数のガイド部材(41〜44)のうち前記容器本体(10)の軸方向に隣合う二つの前記ガイド部材(41〜44)の相対する端面の間における前記容器本体(10)の軸方向の距離が、1mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  5. 前記種結晶(23)は円板状とされており、
    前記複数のガイド部材(41〜44)における最も前記種結晶(23)側に位置する前記ガイド部材(41)は、前記種結晶(23)側の他端部の内径をD、前記種結晶(23)側の他端部と前記種結晶(23)との間の前記容器本体(10)の軸方向の距離をh、前記種結晶(23)の径をAとすると、A+2(h・tan60°−10)≦D≦A+2h・tan60°であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  6. 前記複数のガイド部材(41〜44)における前記容器本体(10)の軸方向に隣合う二つの前記ガイド部材(41〜44)の相対する端面において、
    前記種結晶(23)側のガイド部材において、前記種結晶(23)側の他端部の内径をDa+1、前記容器本体(10)の軸方向に対する前記ガイド部材の内壁面の傾きをθ、前記ガイド部材の前記容器本体(10)の軸方向の長さをHとし、
    前記炭化珪素原料(30)側のガイド部材において、前記種結晶(23)側の他端部の内径をDa+2、前記容器本体(10)の軸方向に対する前記ガイド部材の内壁面の傾きをθa+1、前記ガイド部材の前記容器本体(10)の軸方向の長さをHa+1とし、当該二つの前記ガイド部材における相対する二つの端面の間の前記容器本体(10)の軸方向の長さをhとすると、
    前記炭化珪素原料(30)側に位置する前記ガイド部材の他端部の内径Da+2が、Da+1≦Da+2≦(Da+1+2H・tanθ)+2(h+Ha+1)tan60°−2Ha+1・tanθa+1であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  7. 前記複数のガイド部材(41〜44)それぞれは、黒鉛を有する構成とされており、前記筒部(41a〜44a)の内壁面がそれぞれ高融点金属素材を有して構成されるインナーガイド(50)で覆われており、
    当該内壁面に配置されるインナーガイド(50)は、それぞれの前記内壁面を跨いで配置されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  8. 前記複数のガイド部材(41〜44)それぞれは、黒鉛を有する構成とされており、前記筒部(41a〜44a)の内壁面がそれぞれ高融点金属素材を有して構成されるインナーガイド(50a〜50d)で覆われており、
    当該内壁面に配置されるインナーガイド(50a〜50d)それぞれは、互いに離間して配置されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  9. 前記インナーガイド(50、50a〜50d)は、厚さが0.1mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項またはに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  10. 前記複数のガイド部材(41〜44)それぞれは、前記容器本体(10)の軸方向に対する内壁面の傾きが、0°以上60°以下とされていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  11. 前記複数のガイド部材(41〜44)のうちの少なくとも一つの前記ガイド部材は、前記種結晶(23)側から前記炭化珪素原料(30)側に向かって内径が一定とされていることを特徴とする請求項1ないし1のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
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