JP5831339B2 - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)単結晶で構成される種結晶に対して原料ガスを供給することでSiC単結晶の製造を行うSiC単結晶の製造方法に関するものである。
従来、原料ガスを種結晶に供給することでSiC単結晶を成長させるSiC単結晶の製造方法が特許文献1、2に開示されている。このSiC単結晶の製造方法によれば、底面の中央部がガス導入口とされると共に上方が開口させられた有底円筒形状の反応容器内に原料ガスを供給することで、反応容器の上方に配置した種結晶上にSiC単結晶を成長させるようにしている。
特開2002−154898号公報 特開2003−306398号公報
SiC単結晶を製造する際には、SiC単結晶の成長表面が中央部において外縁部よりも窪んだ凹形状となるよりも、フラット形状もしくは中央部において外縁部よりもやや突き出た凸形状となるようにする方が好ましい。SiC単結晶の成長表面が凹形状になると、結晶内部に応力が発生し、結晶欠陥(転位)が発生するなどにより品質を劣化させる。このため、SiC単結晶の成長表面が凹形状であったとしてもその曲率が小さい方が品質の劣化を抑制でき、その成長表面がフラット形状もしくはやや凸形状になるとより好ましい。
SiC単結晶の成長表面を制御するためには、SiC単結晶の周囲を囲むようにガイドを配置し、このガイドの熱によってSiC単結晶の外縁部の温度が内部よりも高くなるようにすることが考えられる。具体的には、反応容器の上方から円筒状のガイドを延設し、ガイドの内周面に沿ってSiC単結晶を成長させるようにすれば良い。このようにすれば、SiC単結晶の温度分布が中央部から外縁部にかけて急峻に変化し、外縁部において中央部よりも高温となるようにすることができる。これにより、SiC単結晶の成長表面が凹形状になっても、凹部の凹み量が小さくなって、曲率が小さくなるようにできる。
しかしながら、反応容器の上方から円筒状のガイドを延設する場合、SiC単結晶の成長方向においてガイドに温度分布をつけることが難しく、SiC単結晶の結晶表面の分布に影響を与え難い。つまり、反応容器の上方に行くほど温度が低くなるが、ガイドの温度がその上方の温度に引っ張られ、期待する高温化が十分に行えず、SiC単結晶の中央部から外縁部にかけて急峻に温度が変化しなくなる。その結果、反応容器との温度バランスによりSiC単結晶の表面が凹形状になってしまう。
本発明は上記点に鑑みて、よりSiC単結晶の成長表面が凹形状になることを抑制し、少なくとも凹形状の曲率を小さくすること、好ましくは成長表面がフラット形状もしくはやや凸形状となるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、台座(9)に対してSiC単結晶基板からなる種結晶(5)を設置すると共に加熱容器(8)の外周を囲むように外周断熱材(10)を設置し、加熱装置(13)にて台座の周囲を加熱しつつ種結晶の表面に下方からSiCの原料ガス(3a)を供給することで種結晶の表面にSiC単結晶(20)を結晶成長させると共に、引上機構(11)によって台座を引上げることでSiC単結晶を長尺化させるSiC単結晶の製造方法において、加熱容器および外周断熱材を上下に分割し、分割された加熱容器の下部と上部の間および分割された前記外周断熱材の上部と下部の間に、台座の外周部を囲む断熱材(16)を加熱容器の内壁面から突き出すように配置し、該断熱材にて台座を囲んだ状態でSiC単結晶を結晶成長させることを特徴としている。
このように、台座を囲みつつ加熱容器の内周壁面から突き出すように断熱材を備えることで、SiC単結晶の外縁部の温度が断熱材の温度に引っ張られるようにでき、SiC単結晶の成長表面が凹形状になることを抑制できる。少なくともSiC単結晶の成長表面の凹形状の曲率を小さくすることができ、好ましくは成長表面がフラット形状もしくはやや凸形状となるようにすることができる。
具体的には、請求項2に記載したように、断熱材の下端面がSiC単結晶の成長表面と同じ高さもしはそれより上方に位置した状態でSiC単結晶を結晶成長させると、よりSiC単結晶の成長表面の凹形状の曲率を小さくすることが可能となる。特に、請求項3に記載したように、SiC単結晶の成長方向において断熱材の下端面からSiC単結晶の成長表面までの距離が0〜50mmの範囲内となるようにした状態でSiC単結晶を結晶成長させるようにすると、SiC単結晶の成長表面がフラット形状もしくはやや凸形状となるようにできる。
また、請求項5に記載したように、断熱材の下端面がSiC単結晶の成長表面よりも下方に位置した状態でSiC単結晶を結晶成長させるようにすれば、より下方位置から原料ガスが中央部に集められるようにできるため、SiC単結晶の結晶成長に寄与するガス収率を増大することが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 SiC単結晶20の成長表面の温度を調べた結果を示すグラフである。 本発明の第2実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 本発明の第4実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 加熱容器8の内部のガス高温部からSiC単結晶20の成長表面までの距離に対する温度を調べた結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
図1に示すように、SiC単結晶製造装置1は、底部に備えられた流入口2を通じて原料ガス供給源3からの原料ガス3aを供給すると共に、上部の流出口4を通じて原料ガス3aのうちの未反応ガスを排出する。そして、SiC単結晶製造装置1は、装置内に配置したSiC単結晶基板からなる種結晶5上にSiC単結晶20を成長させることにより、SiC単結晶20のインゴットを形成する。
SiC単結晶製造装置1には、原料ガス供給源3、真空容器6、第1断熱材7、加熱容器8、台座9、第2断熱材10、回転引上ガス供給機構11、第1、第2加熱装置12、13、パージガス供給源14および第3断熱材16が備えられている。
原料ガス供給源3は、キャリアガスと共にSiおよびCを含有するSiCの原料ガス3a(例えば、シラン等のシラン系ガスとプロパン等の炭化水素系ガスの混合ガス)を流入口2より供給する。
真空容器6は、石英ガラスなどで構成され、中空円筒状を為しており、キャリアガスや原料ガス3aの導入導出が行え、かつ、SiC単結晶製造装置1の他の構成要素を収容すると共に、その収容している内部空間の圧力を真空引きすることにより減圧できる構造とされている。この真空容器6の底部に原料ガス3aの流入口2が設けられ、上部(具体的には側壁の上方位置)に原料ガス3aの流出口4が設けられている。
第1断熱材7は、円筒形状を為しており、真空容器6に対して同軸的に配置され、中空部により原料ガス導入管7aを構成している。第1断熱材7は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしている。
加熱容器8は、中空形状で構成され、種結晶5の表面にSiC単結晶20を成長させる反応室を構成している。加熱容器8は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしている。この加熱容器8は、台座9を囲むように、台座9に対して原料ガス3aの流動方向の上流側より下流側まで配置されている。この加熱容器8により、流入口2から供給された原料ガス3aを種結晶5に導くまでに、原料ガス3aに含まれたパーティクルを排除しつつ、原料ガス3aを分解している。
具体的には、加熱容器8は、中空円筒状部材を有した構造とされ、本実施形態の場合は有底円筒状部材で構成されている。加熱容器8には、底部に第1断熱材7の中空部と連通させられるガス導入口8aが備えられ、第1断熱材7の中空部を通過してきた原料ガス3aがガス導入口8aを通じて加熱容器8内に導入される。
また、加熱容器8の内周壁面のうち、台座9よりも原料ガス3aの流動方向の上流側において、パージガス導入孔8bが備えられている。このパージガス導入孔8bより、後述するパージガス供給源14から供給されるパージガス15を加熱容器8内に導入し、加熱容器8と台座9との間の隙間を通じて流動させるようにしている。パージガス導入孔8bは、加熱容器8の内周を全周囲むように形成されており、台座9の周囲を囲むようにパージガス15を導入する。
台座9は、加熱容器8の中心軸と同軸的に配置された板状部材で構成されている。例えば、台座9は、黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成され、熱エッチングが抑制できるようにしてある。この台座9に、種結晶5が貼り付けられ、種結晶5の表面にSiC単結晶20を成長させる。台座9は、成長させたい種結晶5の形状と対応する形状、例えば円盤形状で構成され、種結晶5が配置される面と反対側の面において回転引上ガス供給機構11と連結される。
第2断熱材10は、加熱容器8や台座9の外周を囲みつつ、パージガス15を加熱容器8内に導く外周断熱材を構成する。本実施形態では、第2断熱材10は、円筒形状で構成されており、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしてある。第2断熱材10の内径は第1断熱材7や加熱容器8の外径よりも大きくされており、これらの間にパージガス15が導入される隙間が構成されるようにしてある。なお、図には示していないが、第2断熱材10の内径を上方において縮径することもでき、このような構成とすればパージガス15がよりパージガス導入孔8b側に抜けるようにできる。
回転引上ガス供給機構11は、パイプ材11aを介して台座9の回転および引上げを行う。パイプ材11aは、一端が台座9のうちの種結晶5の貼付面と反対側の面に接続されており、他端が回転引上ガス供給機構11の本体に接続されている。このパイプ材11aも、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしてある。このような構成により、パイプ材11aと共に台座9、種結晶5およびSiC単結晶20の回転および引き上げが行え、SiC単結晶20の成長面が所望の温度分布となるようにしつつ、SiC単結晶20の成長に伴って、その成長表面の温度を常に成長に適した温度に調整できる。
また、回転引上ガス供給機構11は、パイプ材11aの内部にパージガス15を導入し、パイプ材11aの先端に接続された台座9の裏面側に対してパージガス15を供給する。具体的には、パイプ材11aのうち台座9側の先端位置にガス導入孔11bが形成されており、このガス導入孔11bを通じてパージガス15が台座9の裏面側に供給される。ガス導入孔11bはパイプ材11aの周方向に等間隔に複数個備えられており、台座9の裏面のほぼ全面に対してパージガス15を供給できる配置とされている。この回転引上ガス供給機構11から供給されるパージガス15は、台座9の裏面側にて径方向外方に流動させられた後、原料ガス3aのうちの未反応ガスや後述するパージガス供給源14から供給されるパージガス15の流れに基づいて流出口4側に導かれる。このように、回転引上ガス供給機構11から台座9の裏面側にパージガス15を導入することで、台座9の裏面側には原料ガス3aが回り込まないようにでき、台座9の裏面側にSiC多結晶の析出が抑制される。
第1、第2加熱装置12、13は、例えば加熱コイル(誘導加熱用コイルや直接加熱用コイル)によって構成され、真空容器6の周囲を囲むように配置されている。本実施形態の場合、第1、第2加熱装置12、13を誘導加熱用コイルによって構成しており、例えば誘導加熱用コイルを銅製で内部を水冷できる構成としている。これら第1、第2加熱装置12、13は、対象場所をそれぞれ独立して温度制御できるように構成されており、第1加熱装置12は、加熱容器8の下方と対応した位置に配置され、第2加熱装置13は、台座9と対応した位置に配置されている。したがって、第1加熱装置12によって加熱容器8の下方部分の温度を制御することができ、第2加熱装置13によって台座9や種結晶5およびSiC単結晶20の周囲の温度を制御することができる。
パージガス供給源14は、パージガス15を供給するものである。パージガス15は、ArやHeなどの不活性ガスやH2やHClなどのエッチングガスにて構成され、SiC多結晶の付着を防止する付着防止ガスとして機能する。パージガス供給源14から供給されるパージガス15は、第1断熱材7や加熱容器8の外周壁と第2断熱材10の内周壁との間の隙間を介し、パージガス導入孔8bを通じて加熱容器8内に導入されるようになっている。
第3断熱材16は、台座9の外周部を囲むように配置されている。第3断熱材16は、例えば比較的密度の薄いフェルトカーボンなどの黒鉛によって構成され、その表面がそれよりも高密度の黒鉛(例えばグラフォイルやニカフィルム(共に登録商標)等の黒鉛シート、TaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした構成とされている。これにより、第3断熱材16をフェルトカーボンなどの比較的密度の薄い黒鉛のみによって構成した場合に、未反応ガスが吸収されて多結晶化してしまうことを抑制している。
本実施形態では、第3断熱材16の設置開始位置、つまり下端面は、SiC単結晶20の成長表面(SiC単結晶20の成長前の段階では台座9の表面に貼り付けた種結晶5の表面)からそれより上方とされ、例えばSiC単結晶20の表面より0〜50mmの範囲内とされている。また、第3断熱材16の設置終了位置、つまり上端面は、台座9の裏面もしくはそれより上方とされている。具体的には、第3断熱材16の厚みは、台座9の厚み以上かつSiC単結晶20を長尺成長させたときに予定する成長量以下となるようにしている。
この第3断熱材16は、台座9の外周において加熱容器8の内壁面から突き出して成長させるSiC単結晶20の側面から所定距離の位置まで配置されるように設置され、加熱容器8のうち台座9と同じ高さ近傍の温度が伝わり、より高温化する配置になっている。本実施形態の場合、第3断熱材16をリング状のもので構成しており、加熱容器8や第2断熱材10を上下に分割し、その分割された下部と上部の間に第3断熱材16が設置されるようにしている。このような構成とすることで、第3断熱材16や加熱容器8や第2断熱材10を簡素な構造にすることができ、第3断熱材16の交換も容易に行うことができる。
このような構造により、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1が構成されている。続いて、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1を用いたSiC単結晶20の製造方法について説明する。
まず、台座9に種結晶5を取り付け、加熱容器8内に設置する。このとき、種結晶5の表面に対して第3断熱材16の下端面が同じ高さもしくはそれより上方に配置され、例えば種結晶5の表面より0〜50mmの位置に配置されるようにする。
そして、第1、第2加熱装置12、13を制御し、所望の温度分布を付ける。すなわち、種結晶5の表面において原料ガス3aが再結晶化されることでSiC単結晶が成長しつつ、加熱容器8内において再結晶化レートよりも昇華レートの方が高くなる温度となるようにする。このようにすることで、SiC単結晶20を成長させるべき種結晶5の表面側が加熱される。また、第2加熱装置13の配置位置が台座9と対応した位置となっているため、台座9の裏面側はあまり加熱されないようにできる。
また、真空容器6を所望圧力にしつつ、必要に応じてArやHeなどの不活性ガスによるキャリアガスやH2やHClなどのエッチングガスを導入しながら原料ガス導入管7aを通じて原料ガス3aを導入する。これにより、原料ガス3aが図1中の矢印で示したように流動し、種結晶5に供給されてSiC単結晶20が成長させられる。そして、回転引上ガス供給機構11によってパイプ材11aを介して台座9や種結晶5およびSiC単結晶20を回転させつつ、SiC単結晶20の成長レートに合せて引上げる。これにより、SiC単結晶20の成長表面の高さがほぼ一定に保たれ、成長表面温度の温度分布を制御性良く制御することが可能となる。
また、パージガス供給源14より、パージガス導入孔8bを通じてパージガス15を導入している。これにより、パージガス15が図1中の矢印で示したようにパージガス導入孔8bおよび台座9やSiC単結晶20と加熱容器8の間を通じて流出口4側に流動させられる。さらに、回転引上ガス供給機構11からも、パイプ材11aおよびガス導入孔11bを通じてパージガス15を導入している。これにより、図1中の矢印に示したように、パージガス15が台座9の裏面側に導かれたのち、台座部10の径方向外方に流動させられる。このようにパージガス15を導入しているため、台座9と加熱容器8や第3断熱材16との間や台座9の裏面などにSiC多結晶が堆積することを抑制することが可能となる。
このようにしてSiC単結晶20を成長させるが、台座9の周囲を囲みつつ加熱容器8の内周壁から突き出すように第3断熱材16を備えていることから、SiC単結晶20の結晶表面の温度が第3断熱材16の温度に引っ張られる。すなわち、第2加熱装置13によって誘導加熱される加熱容器8の方がそれよりも内側と比較して温度が高くなるため、SiC単結晶20のうち第3断熱材16に近くの部分は第3断熱材16の熱の影響で高温化する。そして、第3断熱材16が加熱容器8の内周壁から突き出すように備えられていることから、第3断熱材16には加熱容器8のうち台座9と同じ高さ近傍の温度が伝わる。この温度は、加熱容器8の温度が下方から上方に向かって徐々に低温化させられることに基づけば、最も低温となる加熱容器8の上方と比べて高温となる。このため、本実施形態のように第3断熱材16を加熱容器8の内周壁から突き出すように備えることで、第3断熱材16を加熱容器8の上方から延設する場合と比較して、よりSiC単結晶20の外縁部を高温にできる。
したがって、SiC単結晶20の成長表面のうちの外縁部の温度を従来よりも高温化することが可能となり、成長レートが抑制されるようにできるため、SiC単結晶20の成長表面が凹形状になることを抑制することが可能となる。より好ましくは、SiC単結晶20の成長表面がフラット形状もしくはやや凸形状となるようにできる。
このSiC単結晶20の成長表面の温度について調べたところ、図2に示す結果が得られた。この図において、xはSiC単結晶20の中心からの距離を示しており、yはSiC単結晶20の成長方向におけるSiC単結晶20の成長表面から第3断熱材16の下端面までの距離を示している。
この図に示されるように、第3断熱材16を備えなかった通常の状態(従来)では、SiC単結晶20の成長表面の外縁部が中央部と比べて20℃程度低温化していた。このため、SiC単結晶20は外縁部の方が中央部よりも成長レートが大きくなり、成長表面が凹形状になっていたと考えられる。これに対して、本実施形態のような第3断熱材16を備えた場合、y=0mmのときにSiC単結晶20の成長表面の温度をほぼ一定にすることができていることが分かる。さらに、y=25mm、50mmのときには、SiC単結晶20のうち外縁部の方が中央部よりも温度が高くなっていることが判る。
したがって、第3断熱材16を備えることでSiC単結晶20の成長表面が凹形状になることを抑制でき、凹形状になったとしてもその曲率を従来と比較して小さくすることが可能となる。そして、y=0mm以上でSiC単結晶20の成長表面がほぼフラット形状となるようにでき、y=25mm以上にするとSiC単結晶20の成長表面が凸形状となるようにできる。ただし、図2から判るように、y=25mmのときとy=50mmのときを比較すると、y=25mmのときの方がよりSiC単結晶20の外縁部の温度が高くなっている。このため、y=50mmを超えて、SiC単結晶20の成長表面から第3断熱材16の下端面までの距離が大きくなり過ぎても、SiC単結晶20の外縁部の温度が第3断熱材16の温度に引っ張られなくなってくることから、y=50mm以下となるようにするのが好ましい。
以上説明したように、台座9を囲みつつ加熱容器8の内周壁面から突き出すように第3断熱材16を備えることで、SiC単結晶20の外縁部の温度が第3断熱材16の温度に引っ張られるようにでき、SiC単結晶20の成長表面が凹形状になることを抑制できる。具体的には、少なくともSiC単結晶20の成長表面の凹形状の曲率を小さくすることができ、好ましくは成長表面がフラット形状もしくはやや凸形状となるようにすることができる。よって、SiC単結晶20の結晶内部に応力が発生することを抑制でき、結晶欠陥(転位)が発生するなどによって品質が劣化することを防止することが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して第3断熱材16の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図3に示すように、本実施形態では、第3断熱材16を加熱容器8の内壁面に取り付けるようにしている。例えば、加熱容器8に対して隙間や溝もしくは取付穴を形成しておき、それに嵌め込むことによって第3断熱材16を加熱容器8の内壁面に固定することができる。このように、加熱容器8に対して第3断熱材16を取り付けるようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態も、第1実施形態に対して第3断熱材16の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図4に示すように、本実施形態では、第3断熱材16をSiC単結晶20の成長方向において複数に分割し、分割された各第3断熱材16の間に隙間を空けるようにしている。本実施形態に示すように、第3断熱材16を複数に分割することが可能であるが、分割された各第3断熱材16の間に隙間を設けることで、各第3断熱材16の間の温度を分断することができ、温度分布変化を変更することができる。例えば、第3断熱材16はSiC単結晶20の成長方向の長さが長くなるほど、上方部分の温度の影響を受けて下方部分の温度が低くなる可能性がある。したがって、本実施形態のように第3断熱材16を分割することで、第3断熱材16のうちより下方に配置されているものの温度が低くなることを抑制できる。これにより、第3断熱材16のうちより下方に配置されているものの温度の影響を受けるSiC単結晶20の外縁部の温度を高くすることが可能となり、より第1実施形態に示した効果を得ることが可能となる。
なお、このように第3断熱材16を複数に分割する場合、それぞれを断熱性能の異なる断熱材とすることもできる。その場合、より断熱性能の高いものを下方に配置するなど、断熱性能の異なるものを重ねて配置することで、より上記効果を得ることが可能となる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態も、第1実施形態に対して第3断熱材16の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図5に示すように、本実施形態では、第3断熱材16をSiC単結晶20の成長方向にいて延長し、第3断熱材16の設置開始位置、つまり下端面がSiC単結晶20の成長表面より下方に位置するようにしてある。
このようにすると、より下方位置から原料ガス3aが中央部に集められるようにできるため、第1実施形態と同様の効果が得られるのに加えて、SiC単結晶20の結晶成長に寄与するガス収率を増大することが可能となる。また、本実施形態のように第3断熱材16を備えた場合と備えていない通常の場合それぞれについて、加熱容器8の内部のガス高温部からSiC単結晶20の成長表面までの距離に対する温度を調べたところ図6に示す結果となった。なお、ガス高温部は温度が第1加熱装置12の加熱により最も高温(例えば2300℃を超える温度)になる場所のことであり、本実施形態の場合には、第3断熱材16の設置開始位置近辺が該当する。
この図に示されるように、第3断熱材16を備えた場合には、それを備えていない場合と比較して、第3断熱材16が備えられている場所において高温が維持される。このため、SiC単結晶20の成長方向において急峻な温度分布を実現することが可能となる。この結果、気相中での核生成や加熱容器8の側壁へのSiC多結晶の付着を抑制することも可能となる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、SiC単結晶製造装置1として、原料ガス3aがSiC単結晶20の成長表面に供給されてからSiC単結晶20の外周表面や台座9の横を通過して更に上方に排出させられる方式(アップフロー方式)のものを例に挙げて説明した。しかしながら、それに限らず、原料ガス3aがSiC単結晶20の成長表面に供給されてから、再度その供給方向と同方向に戻されるリターンフロー方式や、原料ガス3aがSiC単結晶20の成長表面に供給されてから、加熱容器8の外周方向に排出させられる方式(サイドフロー方式)にも適用できる。
また、本発明は原料ガス3aを供給するガス供給法成長とは異なる成長法に適用することもできる。すなわち、真空容器内に配置された坩堝に予めSiC原料粉末を配置しておき、加熱装置による加熱によってSiC原料粉末からSiC原料を昇華させた原料ガスを発生させ、種結晶表面にSiC単結晶を成長させる昇華法成長に対しても本発明を適用できる。
さらに、上記実施形態では、台座9の回転と引き上げおよびパージガス15の導入が行える回転引上ガス供給機構11を例に挙げたが、少なくとも引上げが行える引上機構であれば良い。
1 単結晶製造装置
3 原料ガス供給源
3a 原料ガス
5 種結晶
8 加熱容器
9 台座
10 第2断熱材
11 回転引上ガス供給機構
12、13 第1、第2加熱装置
14 パージガス供給源
15 パージガス
16 第3断熱材
20 SiC単結晶

Claims (7)

  1. 反応室を構成する中空形状の加熱容器(8)と、
    前記加熱容器内に配置された台座(9)と、
    前記加熱容器の外周を囲む外周断熱材(10)と、
    前記加熱容器の外周のうち前記台座と対応する位置に配置され、前記加熱容器を加熱する加熱装置(13)と、
    前記台座を上方に引上げる引上機構(11)とを有する製造装置(1)を用いて、
    前記台座に対して炭化珪素単結晶基板からなる種結晶(5)を設置し、前記加熱装置にて前記台座の周囲を加熱しつつ前記種結晶の表面に下方から炭化珪素の原料ガス(3a)を供給することで前記種結晶の表面に炭化珪素単結晶(20)を結晶成長させると共に、前記引上機構によって前記台座を引上げることで前記炭化珪素単結晶を長尺化させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、
    前記加熱容器および前記外周断熱材は上下に分割されており、分割された前記加熱容器の下部と上部の間および分割された前記外周断熱材の上部と下部の間に、前記台座の外周部を囲む断熱材(16)を前記加熱容器の内壁面から突き出すように配置し、該断熱材にて前記台座を囲んだ状態で前記炭化珪素単結晶を結晶成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 前記断熱材の下端面が前記炭化珪素単結晶の成長表面と同じ高さもしはそれより上方に位置した状態で前記炭化珪素単結晶を結晶成長させることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 前記炭化珪素単結晶の成長方向において前記断熱材の下端面から前記炭化珪素単結晶の成長表面までの距離が0〜50mmの範囲内となるようにした状態で前記炭化珪素単結晶を結晶成長させることを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記断熱材の厚みを前記台座の厚み以上かつ成長させたときに予定する前記炭化珪素単結晶の成長量以下とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記断熱材の下端面が前記炭化珪素単結晶の成長表面よりも下方に位置した状態で前記炭化珪素単結晶を結晶成長させることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記断熱材を前記炭化珪素単結晶の成長方向において複数に分割することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 複数に分割された前記断熱材の間に隙間を設けることを特徴とする請求項6に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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