JP5811012B2 - 炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法 Download PDF

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本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)単結晶で構成される種結晶に対して原料ガスを供給することでSiC単結晶の製造を行うSiC単結晶の製造装置および製造方法に関するものである。
従来より、SiC単結晶製造装置として、例えば特許文献1に示される構造の製造装置が提案されている。この従来のSiC単結晶製造装置では、円筒形状の真空容器の周囲を囲むように加熱コイルを配置すると共に、真空容器の内側に原料ガス加熱容器と結晶成長容器を配置し、結晶成長容器を上下動機構によって引き上げ可能な構成としている。このような構成により、加熱コイルによる誘導加熱によって原料ガス加熱容器を加熱することで原料ガスを加熱しながら結晶成長容器に取り付けられた種結晶表面にSiC単結晶を成長させる。また、上下動機構によって結晶成長容器を引上げることでSiC単結晶の長尺成長が可能となるようにしている。そして、SiC単結晶の長尺成長に伴い、加熱コイルのパワーを調整することでSiC単結晶の長尺方向(成長方向)におけるSiC単結晶表面温度を制御している。これにより、SiC単結晶表面の温度および過飽和度を制御でき、長尺成長時にも成長初期と同様の成長速度を得ることが可能となる。
特開2008−169098号公報
しかしながら、特許文献1のようにSiC単結晶の周囲を囲むように配置された加熱コイルが単一のものであると、SiC単結晶表面の温度について制御しても長尺方向における温度分布の制御が難しく、長尺成長させるほど長尺方向において温度分布が生じ、熱応力が発生してしまう。このため、成長中のSiC単結晶の内部に発生した熱応力によって欠陥が増加し、結晶品質を劣化させるという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、SiC単結晶を長尺成長させる際にSiC単結晶表面の温度分布をより均一にでき、結晶品質の劣化を抑制できるSiC単結晶製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、台座(9)に対してSiC単結晶基板からなる種結晶(5)を設置し、加熱装置(13)にて台座の周囲を加熱しつつ種結晶の表面にSiCの原料ガス(3a)を供給することで種結晶の表面にSiC単結晶(20)を結晶成長させると共に、引上機構(11)によって台座を引上げることでSiC単結晶を長尺化させるSiC単結晶の製造装置において、加熱装置は、加熱コイルによって構成されていると共にSiC単結晶の成長方向において加熱コイルが多段(13a〜13c)に並べられた多段構造とされ、かつ、加熱コイルの各段が別々の電気回路によって駆動されることで独立して温度制御される構成とされていることを特徴としている。
このように、加熱装置を構成する加熱コイルを多段構造とし、各段が独立して温度制御できる構成とされている。このため、加熱コイルの各段による温度制御によりSiC単結晶の成長に伴った細やかな温度制御を行うことができる。これにより、SiC単結晶の成長表面の温度分布をSiC単結晶の成長に適した温度に調整できると共に、長尺成長中のSiC単結晶の外周表面の温度をほぼ均一に制御でき、SiC単結晶の結晶品質の劣化を抑制することが可能となる。
請求項3に記載の発明では、加熱装置を加熱コイルによって構成すると共にSiC単結晶の成長方向において加熱コイルを多段(13a〜13c)に並べられた多段構造とし、かつ、加熱コイルの各段を別々の電気回路によって駆動することで独立して温度制御できるように構成し、SiC単結晶の成長に合せて引上機構によって台座を引上げることで、SiC単結晶の成長表面の高さを一定に保ちつつ、該SiC単結晶の成長に合せて加熱コイルの各段を制御することを特徴としている。
このように、SiC単結晶の成長に伴って加熱装置による加熱形態を変化させるようにしている。例えば、請求項4に記載の発明のように、種結晶の表面が多段のうち最も下方に位置する第1段(13a)と対応する位置に配置した状態で第1段を駆動して加熱を行いつつSiC単結晶を成長させ始め、SiC単結晶が成長するに連れて多段のうちの下方から順に駆動電力を増大していく。これにより、SiC単結晶の長尺方向において温度分布がほぼ均一になるようにでき、SiC単結晶の結晶品質の劣化を抑制することが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 SiC単結晶20の成長に伴った第2加熱装置13の各段13a〜13cの駆動電力の制御形態を示した図である。 図2に示す制御形態で加熱を行った場合のSiC単結晶20の長尺方向における温度分布を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
図1に示すように、SiC単結晶製造装置1は、底部に備えられた流入口2を通じて原料ガス供給源3からの原料ガス3aを供給すると共に、上部の流出口4を通じて原料ガス3aのうちの未反応ガスを排出する。そして、SiC単結晶製造装置1は、装置内に配置したSiC単結晶基板からなる種結晶5上にSiC単結晶20を成長させることにより、SiC単結晶20のインゴットを形成する。
SiC単結晶製造装置1には、原料ガス供給源3、真空容器6、第1断熱材7、加熱容器8、台座9、第2断熱材10、回転引上機構11、第1、第2加熱装置12、13、干渉防止部材14、パージガス供給源15およびパイロメータ16(16a〜16f)が備えられている。
原料ガス供給源3は、キャリアガスと共にSiおよびCを含有するSiCの原料ガス3a(例えば、シラン等のシラン系ガスとプロパン等の炭化水素系ガスの混合ガス)を流入口2より供給する。
真空容器6は、石英ガラスなどで構成され、中空円筒状を為しており、キャリアガスや原料ガス3aの導入導出が行え、かつ、SiC単結晶製造装置1の他の構成要素を収容すると共に、その収容している内部空間の圧力を真空引きすることにより減圧できる構造とされている。この真空容器6の底部に原料ガス3aの流入口2が設けられ、上部(具体的には側壁の上方位置)に原料ガス3aの流出口4が設けられている。
第1断熱材7は、円筒形状を為しており、真空容器6に対して同軸的に配置され、中空部により原料ガス導入管7aを構成している。第1断熱材7は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしている。
加熱容器8は、中空形状で構成され、種結晶5の表面にSiC単結晶20を成長させる反応室を構成している。加熱容器8は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしている。この加熱容器8は、台座9を囲むように、台座9に対して原料ガス3aの流動方向の上流側より下流側まで配置されている。この加熱容器8により、流入口2から供給された原料ガス3aを種結晶5に導くまでに、原料ガス3aに含まれたパーティクルを排除しつつ、原料ガス3aを分解している。
具体的には、加熱容器8は、中空円筒状部材を有した構造とされ、本実施形態の場合は有底円筒状部材で構成されている。加熱容器8には、底部に第1断熱材7の中空部と連通させられるガス導入口8aが備えられ、第1断熱材7の中空部を通過してきた原料ガス3aがガス導入口8aを通じて加熱容器8内に導入される。
また、加熱容器8の内周壁面のうち、台座9よりも原料ガス3aの流動方向の上流側において、パージガス導入孔8bが備えられている。このパージガス導入孔8bより、後述するパージガス供給源15から供給されるパージガス15aを加熱容器8内に導入し、加熱容器8と台座9との間の隙間を通じて流動させるようにしている。パージガス導入孔8bは、加熱容器8の内周を全周囲むように形成されており、台座9の周囲を囲むようにパージガス15aを導入する。
台座9は、加熱容器8の中心軸と同軸的に配置された板状部材で構成されている。例えば、台座9は、黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成され、熱エッチングが抑制できるようにしてある。この台座9に、種結晶5が貼り付けられ、種結晶5の表面にSiC単結晶20を成長させる。台座9は、成長させたい種結晶5の形状と対応する形状、例えば円盤形状で構成され、種結晶5が配置される面と反対側の面において回転引上機構11と連結される。
第2断熱材10は、加熱容器8や台座9の外周を囲みつつ、パージガス15aを加熱容器8内に導く外周断熱材を構成する。本実施形態では、第2断熱材10は、円筒形状で構成されており、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしてある。第2断熱材10の内径は第1断熱材7や加熱容器8の外径よりも大きくされており、これらの間にパージガス15aが導入される隙間が構成されるようにしてある。なお、図には示していないが、第2断熱材10の内径を上方において縮径することもでき、このような構成とすればパージガス15aがよりパージガス導入孔8b側に抜けるようにできる。
回転引上機構11は、パイプ材11aを介して台座9の回転および引上げを行う。パイプ材11aは、一端が台座9のうちの種結晶5の貼付面と反対側の面に接続されており、他端が回転引上機構11の本体に接続されている。このパイプ材11aも、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしてある。このような構成により、パイプ材11aと共に台座9、種結晶5およびSiC単結晶20の回転および引き上げが行え、SiC単結晶20の成長面が所望の温度分布となるようにしつつ、SiC単結晶20の成長に伴って、その成長表面の温度を常に成長に適した温度に調整できる。
第1、第2加熱装置12、13は、加熱コイル(誘導加熱用コイルや直接加熱用コイル)によって構成され、真空容器6の周囲を囲むように配置されている。本実施形態の場合、第1、第2加熱装置12、13を誘導加熱用コイルによって構成しており、例えば誘導加熱用コイルを銅製で内部を水冷できる構成としている。これら第1、第2加熱装置12、13は、それぞれ独立して温度制御できるように構成されており、第1加熱装置12は、加熱容器8の下方と対応した位置に配置され、第2加熱装置13は、台座9と対応した位置に配置されている。したがって、第1加熱装置12によって加熱容器8の下方部分の温度を制御することができ、第2加熱装置13によって台座9や種結晶5およびSiC単結晶20の周囲の温度を制御することができる。
また、第2加熱装置13については、さらに長尺成長させられるSiC単結晶20の長尺方向(成長方向)において第1〜第3段13a〜13cが並べられた多段構造とされている。各段13a〜13cはそれぞれ別々の電気回路によって駆動され、各段13a〜13cの温度制御が独立して行えるように構成されている。各段13a〜13cは、所定の間隔を空けて配置されており、その間隔が10mm以上かつ100mm以下となるようにしている。本実施形態の場合、各段13a〜13cの間隔を等間隔としており、長尺成長させるSiC単結晶20のインゴットの長さを100mmと想定し、その間隔を50mmに設定している。
各段13a〜13cは、長尺成長後においてSiC単結晶20を長尺方向に囲めるように配置されている。具体的には、第1段13aは、最も原料ガス3aの流動方向上流側に位置しており、回転引上機構11によって台座9が最も引き下げられている状態、つまりSiC単結晶20の成長前の状態において、種結晶5の表面と対応する位置に配置されている。第2段13bは、第1段13aと第3段13cの間に配置され、第1〜第3段13a〜13cの内側においてSiC単結晶20の表面の温度分布ができるだけ均一となるように第1段13aと第3段13cから等間隔の場所に配置されていると好ましい。第3段13cは、SiC単結晶20を長尺成長させた後、つまり回転引上機構11によって引上げられた後の種結晶5の位置と対応した位置に配置されている。
これら各段13a〜13cは、加熱時に互いに干渉しないように設定されている。例えば、第2加熱装置13が加熱コイルによって構成されることから、各段13a〜13cが電磁誘導による干渉を受けて所望のパワーを発揮できなくなることがある。このため、所望のパワーを発揮できなくなるような相互干渉が抑制されるように、例えば各段13a〜13cの駆動周波数を異ならせ、各段13a〜13cの駆動周波数が近似した周波数や逓倍周波数にはならないようにしてある。例えば各段13a〜13cの周波数を3kHz、5kHz、7kHzとすることができる。また、各段13a〜13cは、それぞれSiC単結晶20の長尺方向において移動させられるようになっており、それにより長尺方向での配置場所の微調整が可能となっている。
このように、第2加熱装置13を多段構造とし、各段13a〜13cが独立して温度制御できる構成とされている。このため、各段13a〜13cによる温度制御によりSiC単結晶20の成長に伴った細やかな温度制御を行うことができる。これにより、SiC単結晶20の成長表面の温度分布をSiC単結晶20の成長に適した温度に調整できると共に、長尺成長中のSiC単結晶20の表面(外周表面)の温度をほぼ均一に制御できる。したがって、SiC単結晶20の結晶品質の劣化を抑制することが可能となる。
なお、第2加熱装置13のうち最も原料ガス3aの流動方向下流側に位置するもの(本実施形態の場合第3段13c)がSiC単結晶20の長尺成長後における台座9の位置よりも更に流動方向下流側に位置するように配置することもできる。しかしながら、本実施形態では第2加熱装置13が台座9よりも原料ガス3aの流動方向下流側に配置されないようにすることで、その下流側が加熱されないようにしている。
干渉防止部材14は、多段構成とされた第2加熱装置13の各段13a〜13cの間に配置され、各段13a〜13cの相互干渉がより抑制されるようにする。干渉防止部材14は、例えば銅製で内部を水冷できる干渉防止用コイルによって構成されている。
パージガス供給源15は、パージガス15aを供給するものである。パージガス15aは、ArやHeなどの不活性ガスやH2やHClなどのエッチングガスにて構成され、SiC多結晶の付着を防止する付着防止ガスとして機能する。パージガス供給源15から供給されるパージガス15aは、第1断熱材7や加熱容器8の外周壁と第2断熱材10の内周壁との間の隙間を介し、パージガス導入孔8bを通じて加熱容器8内に導入されるようになっている。
パイロメータ16は、SiC単結晶製造装置1の内部の複数箇所の温度測定が行えるように複数個備えられている。第1メータ16aは、原料ガス導入管7aおよびガス導入口8aを通じてSiC単結晶20の成長表面温度を測定する。第2〜第5メータ16b〜16eは、SiC単結晶20の長尺方向に並べて配置されており、第2加熱装置13を構成する各段13a〜13cや干渉防止部材14の間の隙間や第2断熱材10および加熱容器8に形成された透孔もしくはスリットを通じてSiC単結晶20の外周表面等の表面温度を測定する。第6メータ16fは、台座9の裏面温度を測定する。
このような構造により、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1が構成されている。続いて、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1を用いたSiC単結晶20の製造方法について図2および図3を参照して説明する。
まず、台座9に種結晶5を取り付け、加熱容器8内に設置する。このとき、図2(b)に示すように、種結晶5の表面が第2加熱装置13における最も下方に位置している第1段13aと対応する位置に配置されるようにする。そして、第1、第2加熱装置12、13を制御し、所望の温度分布を付ける。すなわち、種結晶5の表面において原料ガス3aが再結晶化されることでSiC単結晶が成長しつつ、加熱容器8内において再結晶化レートよりも昇華レートの方が高くなる温度となるようにする。具体的には、図2(a)に示すように、第2加熱装置13については第1段13aを10kWの電力で駆動し、第2段13bを第1段13aよりも低い5kWの電力で駆動する。第3段13cについてはこの時点では電力を0kWとして駆動しない。このようにすることで、SiC単結晶20を成長させるべき種結晶5の表面側を加熱しつつ、台座9の裏面側はあまり加熱されないようにできる。
また、真空容器6を所望圧力にしつつ、必要に応じてArやHeなどの不活性ガスによるキャリアガスやH2やHClなどのエッチングガスを導入しながら原料ガス導入管7aを通じて原料ガス3aを導入する。これにより、原料ガス3aが図1中の矢印で示したように流動し、種結晶5に供給されてSiC単結晶20が成長させられる。そして、回転引上機構11によってパイプ材11aを介して台座9や種結晶5およびSiC単結晶20を回転させつつ、SiC単結晶20の成長レートに合せて引上げる。これにより、SiC単結晶20の成長表面の高さがほぼ一定に保たれ、成長表面温度の温度分布を制御性良く制御することが可能となる。
また、パージガス供給源15より、パージガス導入孔8bを通じてArやHeなどの不活性ガスやH2やHClなどのエッチングガスにて構成されるパージガスを導入している。これにより、パージガス15aが図1中の矢印で示したようにパージガス導入孔8bおよび台座9やSiC単結晶20と加熱容器8の間を通じて流出口4側に流動させられる。このため、パージガス15aの影響により、台座9の周囲や加熱容器8の内周壁面に多結晶が形成されることを抑制することが可能となる。これにより、種結晶5の周囲に位置する部分に多結晶が形成されることを抑制でき、多結晶の成長による原料ガス3aの流路の閉塞を防止することができるため、より長時間のSiC単結晶の成長が可能となる。
さらに、パイロメータ16a〜16fを用いてSiC単結晶20の成長表面やSiC単結晶20の外周表面および台座9の裏面の温度を測定し、その結果をフィードバックして第1、第2加熱装置12、13を微調整することで各部の温度が所望温度となるようにする。例えば、第2加熱装置13を構成する各段13a〜13cへ供給する電力を微調整したり、これらの配置を微調整している。
このようにしてSiC単結晶20を成長させるが、SiC単結晶20の成長初期の段階では、第2加熱装置13への電力供給を上記形態とし、その長さ(長尺量)が第1段13aと第2段13bの間隔程度までその形態を継続する。そして、SiC単結晶20が成長して長尺量が第1段13aと第2段13bの間の距離に相当する長さ(ここでは50mm)程度になると、第2加熱装置13の電力供給の形態を変化させる。具体的には、図2(b)に示すように、第1段13aおよび第2段13bを10kWの電力で駆動し、第3段13cを第1段13aおよび第2段13bよりも低い5kWの電力で駆動する。このようにすることで、SiC単結晶20を成長させるべき種結晶5の表面側を加熱しつつ、SiC単結晶20の外周表面についても加熱でき、かつ、台座9の裏面側はあまり加熱されないようにできる。
そして、さらにSiC単結晶20が成長してその長さ(長尺量)が第1段13aと第3段13cの間の距離に相当する長さ(ここでは100mm)程度になると、第2加熱装置13の電力供給の形態を再度変化させる。具体的には、図2(c)に示すように、各段13a〜13cをすべて10kWの電力で駆動する。このようにすることで、SiC単結晶20を成長させるべき種結晶5の表面側を加熱しつつ、SiC単結晶20の外周表面についても加熱でき、かつ、台座9の裏面側はあまり加熱されないようにできる。その後、SiC単結晶20の長さが100mmに至るとSiC単結晶20の成長を終了する。
このように、SiC単結晶20を成長させ、SiC単結晶20の成長に伴って第2加熱装置13による加熱形態を変化させるようにしている。具体的には、SiC単結晶20が長尺化するほど外周表面を加熱するために、各段13a〜13cについて下方から順に駆動電力を増大させるようにし、各段13a〜13cのうちSiC単結晶20が存在している場所と対応する部分について順に加熱が行われるようにする。これにより、SiC単結晶20の長尺方向において温度分布がほぼ均一になるようにでき、SiC単結晶20の結晶品質の劣化を抑制することが可能となる。例えば、図3に示されるように、本実施形態の加熱形態とした場合、従来技術と比較してSiC単結晶20の厚み内における温度分布がより均一となるようにできる。
SiC単結晶20を放熱するために、SiC単結晶20の裏面側の冷却は必要であるが、例えば数MPa以下の小さな熱応力でもすべり転位などの結晶欠陥がSiC単結晶20に発生してしまう。このため、SiC単結晶20の内部の温度勾配を小さくすることが必要であり、そのためにはSiC単結晶20の外周表面での温度分布が均一となり、温度勾配が小さくなることが必要となる。
これに対して、本実施形態では、SiC単結晶20の成長に伴って第2加熱装置13による加熱形態を変化させるようにしている。このため、SiC単結晶20の成長に合せてSiC単結晶20の裏面側の冷却を行いつつ、SiC単結晶20の外周表面の温度分布をほぼ均一にでき、温度勾配を小さくできる。したがって、結晶欠陥少ない長尺成長させたSiC単結晶20のインゴットを得ることができる。
なお、本実施形態のSiC単結晶製造装置1を用いた場合と従来のように第2加熱装置13が各段13a〜13cを独立して制御できない構造を用いた場合とで、SiC単結晶20を成長させたときのSiC単結晶20の表裏面での温度差と結晶内部のせん断応力分布を確認した。その結果、本実施形態のSiC単結晶製造装置1を用いた場合には、SiC単結晶20の表裏面での温度差が200℃となり、結晶内部のせん断応力が発生しない応力であった。また、従来の構造を用いた場合には、SiC単結晶20の表裏面での温度差が400℃となり、結晶内部のせん断応力が発生する応力となった。このことからも、本実施形態のSiC単結晶製造装置1を用いることで、SiC単結晶20の外周表面の温度分布をほぼ均一にして温度勾配を小さくでき、結晶欠陥を抑制することが可能になることが分かる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、SiC単結晶製造装置1として、原料ガス3aがSiC単結晶20の成長表面に供給されてからSiC単結晶20の外周表面や台座9の横を通過して更に上方に排出させられる方式(アップフロー方式)のものを例に挙げて説明した。しかしながら、それに限らず、原料ガス3aがSiC単結晶20の成長表面に供給されてから、再度その供給方向と同方向に戻されるリターンフロー方式や、原料ガス3aがSiC単結晶20の成長表面に供給されてから、加熱容器8の外周方向に排出させられる方式(サイドフロー方式)にも適用できる。
また、本発明は原料ガス3aを供給するガス供給法成長とは異なる成長法に適用することもできる。すなわち、真空容器内に配置された坩堝に予めSiC原料粉末を配置しておき、加熱装置による加熱によってSiC原料粉末からSiC原料を昇華させた原料ガスを発生させ、種結晶表面にSiC単結晶を成長させる昇華法成長に対しても本発明を適用できる。
また、上記実施形態では、温度測定にパイロメータ16を用いたが、パイロメータ16の代わりに熱電対を用いることもできる。例えば、第2断熱材10に対して熱電対を設置し、この熱電対の出力に基づいて各部の温度を検出することで第2〜第5メータ16b〜16eとして用いることができる。さらに、台座9の回転と引き上げの双方が行える回転引上機構12を例に挙げたが、少なくとも引上げが行える引上機構であれば良い。
なお、上記実施形態で説明した第2加熱装置13を構成する各段13a〜13cの段数や各段13a〜13cの間隔は適宜変更可能であり、長尺成長させたいSiC単結晶20の長さに応じて設定すれば良い。
1 単結晶製造装置
3a 原料ガス
5 種結晶
8 加熱容器
9 台座
10 第2断熱材
11 回転引上機構
11a パイプ材
12、13 第1、第2加熱装置
13a〜13c 各段
14 干渉防止部材
16 パイロメータ
20 SiC単結晶

Claims (10)

  1. 反応室を構成する中空形状の加熱容器(8)と、
    前記加熱容器内に配置された台座(9)と、
    前記加熱容器の外周のうち前記台座と対応する位置に配置され、前記加熱容器を加熱する加熱装置(13)と、
    前記台座を上方に引上げる引上機構(11)とを有し、
    前記台座に対して炭化珪素単結晶基板からなる種結晶(5)を設置し、前記加熱装置にて前記台座の周囲を加熱しつつ前記種結晶の表面に炭化珪素の原料ガス(3a)を供給することで前記種結晶の表面に炭化珪素単結晶(20)を結晶成長させると共に、前記引上機構によって前記台座を引上げることで前記炭化珪素単結晶を長尺化させる炭化珪素単結晶の製造装置であって、
    前記加熱装置は、加熱コイルによって構成されていると共に前記炭化珪素単結晶の成長方向において前記加熱コイルが多段(13a〜13c)に並べられた多段構造とされ、かつ、前記加熱コイルの各段が別々の電気回路によって駆動されることで独立して温度制御される構成とされていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記加熱コイルの各段の間には、前記各段を駆動するときの相互干渉を防止する干渉防止部材(14)が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 反応室を構成する中空形状の加熱容器(8)と、
    前記加熱容器内に配置された台座(9)と、
    前記加熱容器の外周のうち前記台座と対応する位置に配置され、前記加熱容器を加熱する加熱装置(13)と、
    前記台座を上方に引上げる引上機構(11)とを有する製造装置(1)を用いて、
    前記台座に対して炭化珪素単結晶基板からなる種結晶(5)を設置し、前記加熱装置にて前記台座の周囲を加熱しつつ前記種結晶の表面に炭化珪素の原料ガス(3a)を供給することで前記種結晶の表面に炭化珪素単結晶(20)を結晶成長させると共に、前記引上機構によって前記台座を引上げることで前記炭化珪素単結晶を長尺化させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、
    前記加熱装置を加熱コイルによって構成すると共に前記炭化珪素単結晶の成長方向において前記加熱コイルを多段(13a〜13c)に並べられた多段構造とし、かつ、前記加熱コイルの各段を別々の電気回路によって駆動することで独立して温度制御できるように構成し、
    前記炭化珪素単結晶の成長に合せて前記引上機構によって前記台座を引上げることで、前記炭化珪素単結晶の成長表面の高さを一定に保ちつつ、該炭化珪素単結晶の成長に合せて前記加熱コイルの各段を制御することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記種結晶の表面が前記多段のうち最も下方に位置する第1段(13a)と対応する位置に配置した状態で前記第1段(13a)を駆動して加熱を行いつつ前記炭化珪素単結晶を成長させ始め、前記炭化珪素単結晶が成長するに連れて前記多段のうちの下方から順に駆動電力を増大していくことを特徴とする請求項3に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記第1段(13a)を残りの段(13b、13c)よりも高い電力で駆動した状態で前記炭化珪素単結晶を成長させ始め、前記炭化珪素単結晶が成長するに連れて前記多段のうちの下方から順に駆動電力を増大させて前記第1段の駆動電力にすることを特徴とする請求項4に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記加熱コイルの各段の駆動周波数を異ならせることを特徴とする請求項3に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 前記加熱コイルの各段の間に、前記各段を駆動するときの相互干渉を防止する干渉防止部材(14)を設置することを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 前記SiC単結晶の成長表面と裏面および外周表面の温度測定を行い、該温度測定の結果に基づいて前記加熱コイルを制御することを特徴とする請求項3ないし7のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  9. 前記加熱容器の外周のうち前記台座よりも下方の位置に配置された第1加熱装置(12)を備え、
    前記加熱容器の外周のうち前記台座と対応する位置に配置された前記加熱装置を第2加熱装置として、前記第1加熱装置と前記第2加熱装置が独立して温度制御されることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  10. 前記加熱容器の外周のうち前記台座よりも下方の位置に第1加熱装置(12)を配置し、
    前記加熱容器の外周のうち前記台座と対応する位置に配置された前記加熱装置を第2加熱装置として、前記第1加熱装置と前記第2加熱装置とを独立して温度制御することを特徴とする請求項3ないし8のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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