JP3959952B2 - 炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置 Download PDF

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    • Y10T117/1004Apparatus with means for measuring, testing, or sensing

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、欠陥の少ない高品質な炭化珪素単結晶を効率良く製造する炭化珪素単結晶の製造方法及びこれに適した炭化珪素単結晶の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素単結晶は、高耐圧、高電子移動度という特徴を有するため、パワーデバイス用半導体基板として期待されている。炭化珪素単結晶には、一般に昇華法(改良レーリー法)と呼ばれる単結晶成長方法が用いられる。
【0003】
改良レーリー法は、黒鉛製るつぼ内に炭化珪素原料を挿入すると共にこの原料部と対向するように種結晶を黒鉛製るつぼの内壁に装着し、原料部を2200〜2400℃に加熱して昇華ガスを発生させ、原料部より数十〜数百℃低温にした種結晶に再結晶化させることで炭化珪素単結晶を成長させるものである。
【0004】
この改良レーリー法では、炭化珪素単結晶の成長に伴って炭化珪素原料が減少するため、成長させることができる量に限界がある。たとえ、成長途中に原料を追加する手段をとったとしても、SiCが昇華する際にSi/C比が1を超える比で昇華するため、成長中に原料を追加するとるつぼ内の昇華ガスの濃度が揺らぎ、結晶を連続的に高品質に作製することの障害となってしまう。
【0005】
一方、CVDによって炭化珪素をエピタキシャル成長させるものとして、特表平11−508531号公報に記載の発明が開示されている。図3はこの発明の製造装置の概略断面図である。図3に示すように、円筒形状のケース1の中央付近に円筒形状のるつぼであるサセプタ2を配置している。このサセプタ2は高純度の黒鉛等からなる。サセプタ2の上端面には種結晶となる炭化珪素単結晶基板3が配置されている。ケース1外部のサセプタ2の外周に相当する位置にはサセプタ2内の気体を加熱するための加熱手段4が配置されている。
【0006】
サセプタ2の周囲は断熱材5である多孔質の黒鉛により充填されている。そして、サセプタ2の下端において、この断熱材5によって漏斗状の通路6が形成されている。ケース1の下端には炭化珪素単結晶の成長に必要なSiやCを含有する混合ガスを供給する供給手段7が配置されている。また、サセプタ2の上端面には混合ガスが排気される通路8が形成されており、ケース1の上部にはケース1の外部に繋がる通路9が形成されている。
【0007】
この様な構成の製造装置では、供給手段7から供給された混合ガスが断熱材5により形成された通路6を通ってサセプタ2内に移動し、混合ガスが加熱手段4により加熱されて種結晶3上に炭化珪素単結晶としてエピタキシャル成長される。そして残留した混合ガスはサセプタ2上端面の通路8を通り、ケース1の上部に形成された通路9を通って排気される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3に示すように、上述の特表平11−508531号公報に記載の発明では、サセプタ2に対する混合ガスの流入口6aと流出口(サセプタ2上端面の通路)8との断面積の差が小さい。そのため、サセプタ2内とサセプタ2外とで圧力差がほとんど無い。サセプタ2内には連続して混合ガスが導入されており、この様な圧力差の無い状態では、サセプタ2内に導入された混合ガスはサセプタ2内に止まり難く、流出口8から排出されてしまう。
【0009】
従って、混合ガスが炭化珪素単結晶の成長に十分使われずに排出されてしまい、その分、多量の混合ガスをサセプタ2内に導入しなけらばならない。その結果、サセプタ2内に供給された混合ガス中のSiとCのモル数に対する炭化珪素単結晶のモル数の割合である収率が小さくなってしまう。
【0010】
本発明は上記点に鑑みて、収率を向上した炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、るつぼ(30)内に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(34)を配置し、るつぼ内にSiを含有するガスとCを含有するガスとを含む混合ガスを導入することにより、炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、混合ガスを、るつぼ内に導入した後、るつぼ内でるつぼ内に導入した方向に対して逆方向に戻し、再びるつぼに導入した方向に移動させ、その後、るつぼから排出することを特徴としている。
【0014】
この様に、蛇行状に混合ガスを移動させると、混合ガスが容易にるつぼ外に排出されることを防ぐことができる。従って、るつぼ内における混合ガスの滞留時間を長くすることができ、混合ガスの多くの成分が炭化珪素単結晶基板上に結晶成長することができる。その結果、収率を向上した炭化珪素単結晶の製造方法を提供することができる。
【0015】
また、請求項に記載の発明では、るつぼ内に混合ガスを導入する際のコンダクタンスを、るつぼ外に混合ガスを排出する際のコンダクタンスよりも大きくすることを特徴としている。
【0016】
これにより、るつぼ内に導入された混合ガスがるつぼ外に排出され難くなるため、請求項の発明と同様の効果を発揮することができる。なお、本発明で言うコンダクタンスとは混合ガスの流れ易さを示す。
【0017】
この場合、例えば、請求項に記載の発明のように、るつぼに混合ガスを導入する導入口の断面積をるつぼから混合ガスを排出する排出口の断面積よりも大きくすると請求項の発明の効果を得ることができる。
【0018】
また、請求項1〜の発明において、具体的には、請求項に記載の発明の様に、るつぼ内の混合ガスの流れを粘性流にすると、混合ガスのるつぼ内における滞留時間が長くなり好適である。
【0020】
また、請求項に記載の発明では、るつぼは、第1の筒状部材である第1の部材(31)と、第2の筒状部材(36)と該第2の筒状部材の一方の開口部に設けられ、部分的に開口部が設けられた壁面(37)とを有する第2の部材(32)とを有して構成され、第1の部材が第2の筒状部材の内側に、第2の部材と隙間を有して配置され、第1の部材のうち壁面とは反対側の内側に炭化珪素単結晶基板が配置され、壁面に設けられた開口部を介して導入された混合ガスが炭化珪素単結晶基板に達し、その後、第1の部材の壁面側の先端部と壁面との間を通過し、第1の部材の外壁と第2の筒状部材の内壁との間に形成された隙間を通ってるつぼ外に排出される構成となっていることを特徴としている。
【0021】
これにより、請求項の発明の炭化珪素単結晶の製造方法を好適に行うことができる製造装置を提供することができる。
【0022】
この場合、請求項に記載の発明のように、第1の部材が黒鉛を主成分とするものからなる場合、第1の部材の内壁面にTaCを形成すると、第1の筒状部材に混合ガスが衝突して第1の筒状部材が劣化することを防ぎ、第1の筒状部材から発生したCがるつぼの空間内に浮遊するのを防止できる。そのため、混合ガス中のSiとCの分圧比を一定に保つことができる。
【0023】
また、請求項に記載の発明では、るつぼが、該るつぼ内に混合ガスを導入する際のコンダクタンスが、るつぼ外に混合ガスを排出する際のコンダクタンスよりも大きくなる構成になっていることを特徴としている。
【0024】
これにより、混合ガスはるつぼ外に排出され難くなるため、るつぼ内における混合ガスの滞留時間を長くすることができ、混合ガスの多くの成分が炭化珪素単結晶基板上に結晶成長することができる。従って、収率を向上した炭化珪素単結晶の製造装置を提供することができる。
【0025】
この場合、具体的には、請求項に記載の発明のように、るつぼとして、導入口の断面積が排出口の断面積よりも大きくなっているものを用いることができる。
【0026】
また、請求項に記載の発明では、成長室(35)と混合ガスをるつぼ内に導入するために用いる導入配管(50)とを繋ぐ連通通路(38a)を有する突出部(38)が、炭化珪素単結晶側に突出するようにしてるつぼ内に形成されており、連通通路の導入配管側の断面積は、連通通路の成長室側の断面積よりも小さくなっていることを特徴としている。
【0027】
これにより、炭化珪素単結晶基板近傍における混合ガスの流速を遅くすることができる。そのため、炭化珪素単結晶基板近傍に長時間混合ガスを滞留させることができる。従って、混合ガスの多くの成分が炭化珪素単結晶基板上に結晶成長することができるため、収率を向上した炭化珪素単結晶の製造方法を提供することができる。
【0028】
この場合、請求項10に記載の発明のように、連通通路が、導入配管側から成長室側に向かうにつれて断面積が大きくなっているものであると、段差部など通路内に混合ガスが滞る部位が無いため、連通通路内に混合ガスが滞って結晶成長に好ましくないガスが形成されることを防止することができる。
【0032】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図に示す実施形態について説明する。図1は炭化珪素単結晶の製造装置(以下、単に製造装置という)の概略断面図である。図1に示すように、筒形状の容器1は、るつぼを入れる部位である下部容器2と完成した炭化珪素(SiC)を取り出す部位である上部容器3とを有し、上部容器3の空間と下部容器2の空間とが連通されて構成されている。
【0034】
上部容器3は例えばSUS(ステンレス)からなり、その側面には、結晶成長させたSiC単結晶を取り出すための試料取り出し口3aが設けられている。この上部容器3の上端の開口部は例えばSUSからなる上部蓋材4により塞がれている。上部蓋材4には排気配管6が接続されており、排気配管6には真空ポンプ(図示せず)が接続されている。この真空ポンプにより容器1の中が圧力制御されて真空排気されるようになっている。
【0035】
下部容器2は例えば石英からなり、下端の開口部が例えばSUS(ステンレススチール)からなる下部蓋材5によって塞がれている。この下部容器2内には断熱部材7により囲まれてるつぼ30が配置されている。
【0036】
るつぼ30は、第1の部材31と第2の部材32とを有して構成されている。第1の部材31は筒状部材(第1の筒状部材)からなる。第1の部材31のうち上部容器3に近い側(請求項で言う後述の壁面とは反対側)の内側には、第1の部材31の内壁との間に隙間が形成されるように、SiC単結晶基板取り付け台座(以下、単に台座という)33が配置されている。この台座33の一面に、炭化珪素単結晶基板34が取り付けられ、この炭化珪素単結晶基板34を種結晶として、第1の部材31の内側の空間35内でSiC単結晶が成長するようになっている。以下、炭化珪素単結晶基板34を種結晶といい、第1の部材31の内側の空間35を成長室と言う。
【0037】
この第1の部材31の材料としては、例えば高温(例えば、2400℃程度)に耐え得る高純度の黒鉛を用いることができる。また、第1の部材31の内壁面にはTaC等の高融点金属が形成されている。これにより、後述のように成長室35内に混合ガスを導入した際に、混合ガスが第1の部材31の内壁に衝突して第1の部材31が劣化することを防ぎ、第1の部材31から発生したCが成長室内に浮遊することを防止することができる。その結果、混合ガス中のCと他の成分との分圧比を一定に保つことができる。
【0038】
第2の部材32は、筒状部材(第2の筒状部材)36と壁面37とを備えて構成されている。壁面37は第2の筒状部材36のうち上部容器3から遠い側の端部に設けられ、壁面37の中央付近に部分的に開口部が設けられて、この開口部を介して第2の部材32の外部と第2の筒状部材36の内側とが連通されている。この第2の部材32の材料としても、例えば高純度の黒鉛を用いることができる。
【0039】
この様に構成された第2の部材32の内側に第1の部材31が配置されて、第1の部材31の外壁と第2の筒状部材36の内壁との間に隙間を有し、第1の部材31の種結晶34とは反対側の先端と壁面37との間に隙間を有した状態となっている。
【0040】
そして、るつぼ30内に導入された混合ガスはこれらの隙間を通ってるつぼ30外に排出されるようになっている。これらの隙間は、成長室35からの混合ガスの排出が制限される程度に狭くなっている。つまり、るつぼ30は、るつぼ30内に混合ガスを導入する際のコンダクタンスが、るつぼ30外に混合ガスを排出する際のコンダクタンスよりも大きくなる構成になっている。従って、成長室35内に導入される混合ガスはるつぼ30から排出され難くなっており、成長室35内における混合ガスの滞留時間が長くなっている。なお、コンダクタンスとは混合ガスの流れ易さを示す。
【0041】
なお、第1及び第2の筒状部材31、32における上部容器3側は、部分的に互いに連結されて一体となっている。
【0042】
この様な構成のるつぼ30は、言い換えれば以下のような構成になっている。すなわち、るつぼ30は、第1の部材31に相当する円筒部材と、第2の部材32に相当するコップ形状部材とを有して構成されている。コップ形状部材の内側に円筒部材が配置され、コップ形状部材の入口側端部と円筒部材の一端とが同じ面上に位置すると共に、円筒部材の他端が壁面37に相当するコップ形状部材の底部側に位置し、円筒部材の他端とコップ形状部材の底面との間に隙間が空けられた状態とされている。また、コップ形状部材の底部の中央付近が開口しており、円筒部材の内側とコップ形状部材の外側とを連通している。
【0043】
一方、第2の筒状部材36の壁面37には導入配管50が接続されており、導入配管50と成長室35とが連通されている。そして、導入配管50を通じて、成長室35内にSiCの結晶成長に使用される混合ガスが導入されるようになっている。
【0044】
導入配管50は、るつぼ30に近づく程導入配管50が高温になる温度勾配が設けられる構成になっている。本実施形態では、導入配管50は3つの部位から構成され、導入配管50のうちの成長室35に混合ガスが排出される部位である出口50d側から順に、第1の導入配管50a、第2の導入配管50b、第3の導入配管50cが配置されている。
【0045】
第1の導入配管50aは導入配管50の出口50d方向の先端部に位置しており、高温となるるつぼ30の近傍に配置されるため、高温にも耐え得る物質、例えば黒鉛によって構成されている。この第1の導入配管50aの途中には第1の断熱部材51が設けられ、第1の導入配管50aにおいて好適に温度勾配を設けられるようになっている。
【0046】
また、第1の導入配管50aとるつぼ30との間には第2の断熱部材52が設けられている。これにより、高温になるるつぼ30から第1の導入配管50aへの伝熱量を減少させ、好適に第1の導入配管50に温度勾配が設けられるようになっている。
【0047】
この様な構成により、第1の導入配管50aのうち第1の断熱部材51の下方における温度が500℃程度となるようにすることができる。なお、第1及び第2の断熱部材51、52としては、具体的には多孔質な黒鉛を用いることができる。
【0048】
第2の導入配管50bは第1の導入配管50aの熱を第3の導入配管50cに伝え難くするために設けられており、熱伝導率の低い物質、例えば石英から構成されている。また、第3の導入配管50cは、例えば金属によって構成され、具体的にはSUSによって構成されている。この第3の導入配管50cには、例えば第3の導入配管50cを水で冷却する等の冷却機構50eが備えられている。
【0049】
ここで、導入配管50の内表面において、表面における出ている部位と凹んだ部位における面に垂直な方向の寸法の差の平均を表面粗さRaとすると、第1の導入配管50aの内表面の表面粗さRaが7μm以下、望ましくは1μm以下とされている。
【0050】
これは、特に第1の導入配管50a内において、混合ガスが高温(例えば500℃以上)になることから、第1の導入配管50aの内面に混合ガスによる堆積物が堆積し易いためである。この様に、第1の導入配管50aの内面の表面粗さRaを制御すると、第1の導入配管50aの内面と混合ガスとの接触面積を小さくすることができ、導入配管50の内面付近での混合ガスの流速の低下を抑制することができる。その結果、導入配管50が詰まることを抑制することができる。
【0051】
更に、導入配管50の出口50dとは反対側(以下、下方側という)の部位は、下部蓋材5を貫いて容器1外まで延設されている。その更に下方側には、図示していないが、マスフローコントローラが備えられており、導入配管50に流す混合ガスの流量を制御できるようになっている。また、図示していないが、導入配管50の下方にはパイロメータが備えられており、このパイロメータにより導入配管50を通して種結晶34又は結晶成長しつつあるSiC単結晶の表面の温度を測定できるようになっている。
【0052】
また、台座33のうち種結晶34が配置されている側とは反対側である他面側には、種結晶34をSiC単結晶の成長方向とは反対側に引き上げる結晶引き上げシャフト(以下、単にシャフトという)8が接合されている。このシャフト8は管状になっており、シャフト8のうちるつぼ30に近い側は石英からなり遠い側はSUSからなる。そして、シャフト8の上方にパイロメータが備えられ、台座33の温度を測定できるようになっている。なお、シャフト8のうちるつぼ30の近傍も断熱部材7により覆われている。
【0053】
また、容器1の外部におけるるつぼ30とほぼ同じ高さの部位には、温度上昇手段9が配置されている。この温度上昇手段としてはRFコイル9を用いている。本実施形態では、RFコイル9は上下に独立しており、るつぼ30の上方と下方の温度を独立して制御できるようになっている。また、図示していないが、容器1の外部にはX線装置が配置されている。
【0054】
次に、この様な製造装置を用いたSiC単結晶の製造方法について述べる。まず、台座33の一面側に種結晶34を取り付け、シャフト8により調節して成長室35内の所定の位置に種結晶34を配置する。
【0055】
次に、容器1の中を真空排気すると共に、るつぼ30内に導入配管50を介してArを導入する。その後、RFコイル9に電力投入してるつぼ30を誘導加熱する。そして、るつぼ30の温度を所定温度(Siの溶融温度以上)で安定させると同時に、容器1の中の圧力を所定圧力とする。これにより、断熱部材7により囲まれたるつぼ30が均一に高温になると共に、導入配管50に対してるつぼ30に近づく程高温になる温度勾配が設けられる。
【0056】
本実施形態では、るつぼ30に第1及び第2の断熱部材51、52を配置しており、多孔質な黒鉛は高温に耐えられ、かつ多孔質であるためにRFコイル9による誘導加熱がされ難い。このため、断熱部材51、52として多孔質な黒鉛を用いることで、好適に導入配管50に対して温度勾配を設けることができる。なお、本実施形態では、第1の導入配管50aのうち第1の断熱部材51の下部において500℃程度になる。
【0057】
そして、導入配管50を介して、混合ガスとキャリアガスをるつぼ30内に導入する。これらのうち混合ガスは、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含んでいる。具体的には混合ガスとして、SiH4、C38、H2、N2を用いている。
【0058】
これらのガスのうち、SiH4とC38は、SiC単結晶を結晶成長させるために必要なガスである。また、H2はSiC単結晶表面の炭化を防ぐためのものであり、SiC単結晶の表面の過剰な炭素と結合して炭化水素となる。また、N2はドーピングガスであり、n型伝導のSiCを得るために導入している。なお、p型伝導のSiCを得るためには、トリメチルアルミニウム等のガスを用いてAlを導入すれば良い。
【0059】
また、キャリアガスは導入配管50内におけるガスの流量を大きくするためのものであり、例えばArを用いることができる。
【0060】
この様に、温度勾配が設けられた導入配管50を介してるつぼ30内に混合ガスを導入することより、混合ガスがるつぼ30内に導入されてから急激に加熱されるのではなく、導入配管50を通過する際に加熱された高温の混合ガスがるつぼ30内に導入される。そのため、品質の良い炭化珪素単結晶を形成することができる。
【0061】
この場合、混合ガスの温度が高くなり500℃程度以上になると、SiH4が導入配管50の内面に衝突し、この内面にSiが堆積する恐れがある。また、更に高温になると混合ガス中のSiH4とC38とが反応温度に達し、SiCが導入配管50の内面に堆積する恐れがある。ただし、Si、SiCが昇華する温度以上の高温な導入配管内の領域に速やかにその混合ガスが移動すれば、これらの堆積は起こらない。
【0062】
本実施形態では、導入配管50に温度勾配を設けてより高温な部位に移動させるようにしており、高温になる程混合ガスは体積膨張するため、高温になる程導入配管50内の混合ガスの流速を大きくすることができる。また、混合ガスにキャリアガスを混ぜているため、好適に導入配管50内の流速を高めることができる。
【0063】
この様に、混合ガスをより高温な部位に速く移動させることができるため、導入配管50における混合ガスによる詰まりを抑制することができる。
【0064】
また、導入配管50を介してるつぼ30の成長室35内に導入された混合ガスは、種結晶34上又は先に種結晶34上に結晶化したSiC単結晶上で結晶化される。この時のSiC単結晶の結晶性は、種結晶34の結晶性やるつぼ30の温度等の条件により変化し、4H−SiCや6H−SiC等のSiC単結晶を成長させることができる。
【0065】
その後、混合ガスは、第1の部材31の先端部と第2の部材32の壁面37(コップ形状部材の底部)との間の隙間を通り、第1の部材31の外壁と第2の筒状部材36の内壁との間に形成された隙間を通ってるつぼ30外に排出される。
【0066】
つまり、混合ガスはるつぼ30のうちの成長室35内に導入されてSiC単結晶の結晶成長に寄与した後、成長室35内で成長室35内に導入した方向に対して逆方向に戻り、再び成長室35内に導入した方向に移動してるつぼ30から排出される。この様に、第1の部材31によりるつぼ30内が仕切られているため、るつぼ30内において混合ガスは蛇行状に移動し、混合ガスは容易にはるつぼ30外に排出されない。
【0067】
その結果、成長室35内の混合ガスの圧力がるつぼ30から排出された後における混合ガスの圧力よりも大きくなる。この様に、るつぼ30の内外で圧力差を設けた状態では、成長室35内の混合ガスの濃度が高まることになる。そのため、混合ガスの多くの成分を種結晶34上にSiC単結晶として成長させることができる。
【0068】
なお、るつぼ30が主に高純度な黒鉛で構成されているため、加熱されたるつぼ30から不純物が発生して結晶成長中に結晶内に不純物が取り込まれることが低減され、良好なSiC単結晶となる。また、上述の様に第1の部材31の内壁に高融点金属が形成されているため、るつぼ30に混合ガスを導入する際に混合ガス中のCとSiとの分圧比を一定に保ち、好適に種結晶34上にSiC単結晶を結晶成長させることができる。
【0069】
また、本実施形態では、上下に独立したRFコイル9の各々の出力を調節して、るつぼ30のうち混合ガスが導入される導入部の温度よりも、混合ガスがるつぼ30から排出される排出部の温度の方を高くしている。一般に、混合ガスによる堆積物(例えば、多結晶SiC等の混合ガスの成分が固体化したもの)は周囲よりも低温になっている部位に堆積し易いため、この様に排出部の温度を高くすることにより、混合ガスがるつぼ30から排出される際に排出部が混合ガスによる堆積物により詰まることを防止できる。
【0070】
つまり、高温な部位ではSiCの蒸気圧が高くなるため、多結晶SiCの付着を防止して滞りなくガスをるつぼ30外に排出することができる。なお、図示例では、導入部とは壁面37のうち導入配管50と接続されている部位であり、排出部とは第1の部材31と第2の筒状部材36とで形成されている隙間を示す。
【0071】
そして、結晶成長を終了する際は、混合ガスの供給を停止し、RF電源の電力を下げて降温する。その後、SiC単結晶を上部容器3に搬送してArガスで上部容器3を大気圧まで昇圧した後、試料取り出し口3aからSiC単結晶を取り出す。
【0072】
この様にして、成長室35内における混合ガスの滞留時間を長くすることができ、その結果、混合ガス中のSiとCのモル数に対する種結晶34上に結晶成長したSiC単結晶のモル数の割合である収率を向上させることができる。
【0073】
具体的には、るつぼ30内では、3SiH4(gas)+C3H8(gas)+Ar(gas) → 3SiC(solid) + 10H2(gas)+Ar(gas)、等の反応が起きている。そのため排出ガスは理想的には水素とアルゴンとなるが、るつぼ30内でのガスの滞留時間が短い場合はSiH4とC38がSiC化せずにるつぼ30外に排出されてしまう。そのため、本実施形態のように混合ガスがるつぼ30内に滞るようにすれば理想的な状態に近くなり、混合ガスが高効率で種結晶34上に結晶成長することが可能になり、収率を向上させることができる。
【0074】
なお、結晶成長時において、種結晶34又はSiC単結晶の温度は導入配管50の下方に取り付けたパイロメータによりこれらの温度を測温し、これらの温度がるつぼ30よりも低くなるように設定することができる。従って、るつぼ30や台座33の配置状態や熱的劣化に伴う温度変化に関わらず、混合ガスが種結晶34又はSiC単結晶の表面で一定温度で結晶化することができる。
【0075】
なお、この様な製造装置では、台座33はシャフト8に接続され、SiC単結晶の結晶成長の進行により上方向(上部容器3方向)に移動させることができる構成になっている。そのため、限られた空間である成長室35内であっても、結晶を連続的に長尺に成長させることができる。
【0076】
(第2実施形態)
図2は第2実施形態に係る製造装置の概略断面図である。以下、主として第1実施形態と異なる部分について述べ、図2中、図1と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0077】
本実施形態では、第1実施形態と比較して第2の部材32の形状が異なる。図2に示すように、第2の部材32の壁面37の中央部には突出部38が設けられている。突出部38は、第2の筒状部材36の内側に向けて突出するように形成され、突出部38の内部には第2の筒状部材36の内側と第2の部材32の外部とを連通する連通通路38aが形成されている。この連通通路38aにおいて、導入配管50側の断面積が、成長室35側の断面積よりも小さくなっている。具体的には、導入配管50側から成長室35側に向かうにつれて断面積が大きくなっており、表面に段差部等の凹凸が形成されていない構成となっている。
【0078】
そして、第1の部材31が第2の筒状部材36と突出部38との間に挟まれ、第1の部材31の壁面37側の先端部と壁面37との間に隙間が形成されるように配置されている。これにより、突出部38が壁面37から種結晶34側に突出した状態となり、連通通路38aによって成長室35と導入配管50とが連通された構成となる。
【0079】
この様な構成のるつぼ30の特徴部分を第1実施形態と同様に言い換えれば以下のような構成になっている。第2の部材32に相当するコップ形状部材の底部の中央付近にコップ形状部材の入口方向に突出させた突出部38が形成され、この突出部38に、第1の部材31に相当する円筒部材の内側の空間(成長室35)とるつぼ30の外部とを繋ぐ連通通路38aが形成された構成となっている。そして、連通通路38aを介して導入配管50と成長室35とが連通されている。
【0080】
上述の様な構成のるつぼ30に設けられた突出部38では、連通通路38aの成長室35側における断面積が導入配管50側における断面積よりも大きいため、種結晶34近傍での混合ガスの流速を遅くすることができる。そのため、種結晶34近傍に長時間混合ガスを滞留させることができる。従って、混合ガスの多くの成分を種結晶34上に結晶成長させることができるため、SiC単結晶の収率を向上させることができる。
【0081】
この場合、連通通路38aの表面に段差部などがあると、混合ガスがその部位に滞ってしまい、連通通路38a内に結晶成長に好ましくないガスが形成される恐れがある。
【0082】
しかしながら、本実施形態では、連通通路38aの断面積が種結晶34に向かうに連れて大きくなっており、連通通路38aの表面に段差部等が形成されていないなめらかな形状になっているため、連通通路38aにおけるガスの滞りを防止することができる。
【0083】
また、本実施形態において第1実施形態と異なる部分として、台座33のうち種結晶34が取り付けられている側とは反対側に冷却用のガスを供給する様な構成になっている。具体的には、図2に示す様に、シャフト8の内部にガスを供給するための冷却用ガス配管10を配置し、台座33の近傍に冷却用のガスが供給されるように構成されている。この冷却用のガスとしては、例えばArガスを用いることができ、冷却用ガス配管10を通じて例えば5リットル/分の流量のArガスを台座33の他面側に供給することができる。
【0084】
この様に冷却用のガスを供給することにより、台座33を介して種結晶34又は種結晶34に結晶成長したSiC単結晶の表面の温度をるつぼ30の温度よりも低くすることができる。このため、混合ガスの多くの成分を種結晶34上に結晶成長させることができ、SiC単結晶の収率を向上させることができる。
【0085】
なお、冷却用ガス配管10を用いて台座33近傍にガスを供給しているため、小流量のガスで効率的に種結晶34又は種結晶34に結晶成長したSiC単結晶を冷却することができる。
【0086】
また、本実施形態において第1実施形態と異なる部分として、るつぼ30に対する上部容器3側に、成長室35から排出される混合ガスを通過させる部屋としてのガストラップ容器40を設けている。このガストラップ容器40は成長室35よりも低温になっている。また、ガストラップ容器40にはるつぼ30の排出部と連通する開口部41がるつぼ30側の一面に形成されており、るつぼ30とは反対側の他面には1つの開口部42が形成されている。この他面の開口部42と位置合わせして、断熱部材7にも開口部7aが形成されている。
【0087】
この様にガストラップ容器40が設けられているため、るつぼ30から排出される混合ガスはガストラップ容器40を通過する。混合ガスによる堆積物は温度が低い部位に堆積し易いため、このガストラップ容器40に堆積物を堆積させることができる。従って、混合ガスの成分を固体化して混合ガス中の成分濃度を低減化することができる。その結果、混合ガスを装置の外部に排出する排気配管6が、混合ガスによる堆積物により詰まることを抑制することができる。
【0088】
なお、堆積物はこのガストラップ容器40の壁面に堆積するため、ガストラップ容器40内におけるガスの流路は十分に確保される。また、ガストラップ容器40はるつぼ30と別体で設けて、堆積物の量が多くなったら適宜交換すれば良い。
【0089】
なお、図2に示すように本実施形態では第1の部材の先端部と壁面37との距離は図1に示す第1実施形態よりも広くなっているが、第1の部材31と第2の部材32との構成により、るつぼ30から混合ガスが排出され難ければ、第1の部材の先端部と壁面37との距離を広くしても良い。
【0090】
なお、上記第1実施形態では、導入配管50を3つの異なる部材を有して構成し、また第1及び第2の断熱部材51、52を設けることにより導入配管に温度勾配を設けたが、図2に示すように1つ(又は2つ)の部材から構成し第1及び第2の断熱部材51、52を設けなくても良い。
【0091】
(他の実施形態)
上記実施形態では、主として第1の部材31と第2の部材32との間隔を調節して狭くて長い通路を通って混合ガスをるつぼ30外に排出させることで、成長室35内における混合ガスの滞留時間を長くしたが、るつぼ30に混合ガスを導入する導入口の断面積をるつぼ30から混合ガスを排出する排出口の断面積よりも大きくすることにより、るつぼ30内に混合ガスが滞るようにしても良い。
【0092】
また、るつぼ30がどのような構成であっても、るつぼ30内、特に成長室35内の混合ガスの流れが粘性流になっていると、混合ガスのるつぼ30内における滞留時間が長くなり、好適にSiCの収率を向上させることができる。
【0093】
また、上記実施形態では、第1の部材31の内壁に高融点金属を形成して混合ガスによる第1の部材31の劣化を防止したが、この第1の部材31の劣化が特に問題とならない場合は第1の部材31の内壁に高融点金属を形成しなくても良い。
【0094】
また、上記実施形態ではキャリアガスとしてArを用いているが、Ar以外にもHe等の不活性ガスを用いることができる。また、上記実施形態では、混合ガスにH2を含めるようにしているがH2をキャリアガスとしても良い。H2やHeはSiH4やC38よりも熱伝導度が高いため、種結晶34又はSiC単結晶表面に到達した際に、これらの表面から熱を奪うことができる。従って、これらの表面がるつぼ30よりも低温になるため、SiCの結晶成長を促すことができ、収率を向上させることができる。
【0095】
【実施例】
まず、台座33に種結晶34を取り付け、るつぼ内の所定の位置に種結晶34を配置した。この際、種結晶34は、6H−SiCの(0001)のSi面が成長室35側に向くように配置した。
【0096】
そして、容器1内を真空排気すると共に、導入配管50を介してArを10リットル/分の流量で導入した。また、RFコイル9に電力を投入し、るつぼを2400℃に昇温加熱した。
【0097】
その後、るつぼ30の温度が2400℃で安定した時点で容器1の中の圧力を2.66×104Paとし、上述の混合ガスとキャリアガスをマスフローコントローラにより流量を調節してるつぼ30内に導入した。これらのガスの流量は、SiH4を1リットル/分、C38を0.27リットル/分、H2を1リットル/分、N2を0.4リットル/分、Arを5リットル/分とした。
【0098】
結晶成長時において、種結晶34又は種結晶34上に結晶成長したSiC単結晶の表面温度を、導入配管50の下方に配置したパイロメータにより測定して、この表面温度を2350℃に制御した。また、シャフト8を回転させることで結晶表面での温度分布とガス濃度分布を均一化した。
【0099】
結晶成長開始後1時間経過した時点で、X線装置を用いたるつぼ30の透過像の観察から、結晶成長中に結晶成長量をモニタリングした。その結果、その成長量から成長速度が1.5mm/時であることが分かった。この成長速度にあわせてシャフト8を上方に引き上げ、結晶成長を引き続き行った。
【0100】
この様にして結晶成長を40時間行った時点でSiH4、C38、H2、N2のガスの供給を停止し、RF電源の電力を下げ降温した。その後、作製したSiC単結晶を上部容器3へ搬送しArガスで上部容器3を大気圧まで昇圧した後、試料取り出し口3aより取り出した。
【0101】
上記の実験の後、SiH4とC38の投入量を基準にしてSiC単結晶の収率を求めたところ、20%と高効率であることが分かった。
【0102】
また、SiC単結晶の成長量を測定したところ57mmほどの成長量であった。取り出したSiC単結晶のインゴットは成長した表面の中央に(0001)面のファセットとを有していたことから、中心対象に温度分布、ガス濃度分布が形成できていることが分かった。
【0103】
更にSiC単結晶からSiC単結晶切断機を使用して厚さ500μmのウエハを切り出し研磨した。この様にして得られたSiCウエハのラマン散乱分光特性を調べた結果、6H−SiC結晶多形であることが分かった。また、He−Cdレーザー(325nm)をSiCウエハに照射し、面内の発光特性分布を調査した結果、ウエハ全面で同じ結晶多形の6H−SiCであることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における製造装置の概略断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態における製造装置の概略断面図である。
【図3】従来の製造装置の概略断面図である。
【符号の説明】
10…冷却用ガス配管、30…るつぼ、31…第1の部材、
32…第2の部材、33…台座、34…種結晶(炭化珪素単結晶基板)、
35…成長室、36…第2の筒状部材、37…壁面、38…突出部、
38a…連通通路、50…導入配管。

Claims (10)

  1. るつぼ(30)内に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(34)を配置し、前記るつぼ内にSiを含有するガスとCを含有するガスとを含む混合ガスを導入することにより、前記炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記混合ガスを、前記るつぼ内に導入した後、前記るつぼ内で前記るつぼ内に導入した方向に対して逆方向に戻し、再び前記るつぼに導入した方向に移動させ、その後、前記るつぼから排出することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. るつぼ(30)内に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(34)を配置し、前記るつぼ内にSiを含有するガスとCを含有するガスとを含む混合ガスを導入することにより、前記炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記るつぼ内に前記混合ガスを導入する際のコンダクタンスを、前記るつぼ外に前記混合ガスを排出する際のコンダクタンスよりも大きくすることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 前記るつぼに前記混合ガスを導入する導入口の断面積を前記るつぼから前記混合ガスを排出する排出口の断面積よりも大きくすることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記るつぼ内の前記混合ガスの流れを粘性流にすることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. るつぼ(30)内に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(34)が配置され、前記るつぼ内にSiを含有するガスとCを含有するガスとを含む混合ガスを導入することにより、前記炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記るつぼは、第1の筒状部材である第1の部材(31)と、第2の筒状部材(36)と該第2の筒状部材の一方の端部に設けられ、部分的に開口部が設けられた壁面(37)とを有する第2の部材(32)とを有して構成され、
    前記第1の部材が前記第2の筒状部材の内側に、前記第2の部材と隙間を有して配置され、
    前記第1の部材のうち前記壁面とは反対側の内側に前記炭化珪素単結晶基板が配置され、
    前記壁面に設けられた前記開口部を介して導入された前記混合ガスが前記炭化珪素単結晶基板に達し、その後、前記第1の部材の前記壁面側の先端部と前記壁面との間を通過し、前記第1の部材の外壁と前記第2の筒状部材の内壁との間に形成された隙間を通って前記るつぼ外に排出される構成となっていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  6. 前記第1の部材は黒鉛を主成分とするものからなり、前記第1の部材の内壁面にTaCが形成されていることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  7. るつぼ(30)内に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(34)が配置され、前記るつぼ内にSiを含有するガスとCを含有するガスとを含む混合ガスを導入することにより、前記炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記るつぼは、該るつぼ内に前記混合ガスを導入する際のコンダクタンスが、前記るつぼ外に前記混合ガスを排出する際のコンダクタンスよりも大きくなる構成になっていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  8. 前記るつぼは、該るつぼに前記混合ガスを導入する導入口の断面積が前記るつぼから前記混合ガスを排出する排出口の断面積よりも大きくなっていることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  9. るつぼ(30)内に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(34)が配置され、前記るつぼ内にSiを含有するガスとCを含有するガスとを含む混合ガスを導入することにより、前記炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記るつぼのうち前記炭化珪素単結晶基板上への炭化珪素単結晶の成長が行われる領域である成長室(35)と前記混合ガスを前記るつぼ内に導入するために用いる導入配管(50)とを繋ぐ連通通路(38a)を有する突出部(38)が、前記炭化珪素単結晶側に突出するようにして前記るつぼ内に形成されており、
    前記連通通路の前記導入配管側の断面積は、前記連通通路の前記成長室側の断面積よりも小さくなっていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  10. 前記連通通路は、前記導入配管側から前記成長室側に向かうにつれて断面積が大きくなっているものであることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
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