JP5206694B2 - 炭化珪素単結晶の製造装置およびそれを用いた炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置およびそれを用いた炭化珪素単結晶の製造方法 Download PDF

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本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)単結晶で構成される種結晶に対して原料ガスを供給することでSiC単結晶の製造を行うSiC単結晶の製造装置およびそれを用いたSiC単結晶の製造方法に関するものである。
従来より、原料ガスを種結晶に供給することでSiC単結晶を成長させるSiC単結晶の製造装置として、特許文献1および2に以下のような製造装置が開示されている。
具体的には、特許文献1の製造装置は、底面の中央部に貫通孔を有し、内部に種結晶が備えられる有底円筒状の反応容器と、当該貫通孔と連通されて反応容器内に原料ガスを導入する原料ガス導入孔と、多孔質材料で構成され、反応容器を囲む断熱材と、反応容器および断熱材を収容し、流出口を有する真空容器と、を備えた構成とされている。
そして、特許文献2の製造装置は、上記特許文献1の反応容器および原料ガス導入孔と、反応容器の外径より大きい内径を有する有底円筒部材であって、内壁面が反応容器の外壁面と所定の距離を有するように、反応容器に覆い被さった状態で配置される蓋体と、反応容器および蓋体の側壁を囲む筒状の断熱材と、反応容器および断熱材を収容し、流出口を有する真空容器と、を備えた構成とされている。
これら特許文献1および2のような製造装置では、例えば、反応容器内に種結晶を配置した後、原料ガス導入管からSiH、C等の原料ガスを導入することにより、種結晶上にSiC単結晶が成長させられる。
このとき、上記特許文献1の製造装置では、反応容器内で結晶成長に寄与しなかった原料ガス(以下、未反応原料ガス)は、断熱材が多孔質材料にて構成されていることから、断熱材を通過して真空容器に備えられている排出口を介して真空容器の外部に排気される。また、上記特許文献2の製造装置では、未反応原料ガスは反応容器の外壁面と蓋体の内壁面との間を通じて反応容器外に排気され、断熱材の壁面に沿って真空容器に備えられている排出口へと流れた後、当該排出口を介して真空容器の外部に排気される。
特開2002−154898号公報 特開2004−311649号公報
しかしながら、上記特許文献1および2の製造装置では、未反応原料ガスが再結晶化して、断熱材にSiC多結晶が付着(堆積)することになり、SiC多結晶が付着(堆積)するにつれて断熱材の断熱機能が損なわれることになる。このため、反応容器内の温度分布が成長途中で変化してしまうことになり、SiC単結晶の成長を理想的に行うことができなくなるため、SiC単結晶の品質が低下すると共に、長尺化が困難になるという問題がある。
そこで、このような問題を解決するために、断熱材に所定量の多結晶が付着した場合、断熱材を新しいものと交換することが考えられるが、上記特許文献1および2の製造装置では、断熱材の全てを交換しなければならないという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、断熱材の全てを交換することなく、品質を向上させることができると共に、長尺化することのできるSiC単結晶の製造装置およびそれを用いたSiC単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、断熱材は、反応容器(9)の側壁を囲む円筒状の側壁断熱材(12)と、側壁断熱材(12)と機械的に分離可能とされた円板部材からなり、多孔質材料で構成された吸収断熱材(13)と、を有し、吸収断熱材(13)は、円板部材の軸方向に貫通する貫通孔(13a)が形成され、側壁が側壁断熱材(12)の内壁と接した状態で、反応容器(9)のうち一端部と反対側の他端部の端面に配置されており、反応容器(9)内に供給された原料ガス(3)のうちSiC単結晶(6)の成長に寄与しなかった未反応原料ガスは、吸収断熱材(13)を介して真空容器(7)に備えられた流出口(4)から排気され、台座(10)のうち種結晶(5)が配置される側と反対側には、反応容器(9)の軸方向に移動可能とされた断熱材引き上げ機構(15)が備えられており、吸収断熱材(13)は、断熱材引き上げ機構(15)に保持されることにより、断熱材引き上げ機構(15)と共に移動可能とされており、断熱材引き上げ機構(15)は、筒状部材を用いて構成され、貫通孔(13a)を貫通して配置されると共に、吸収断熱材(13)を保持する突出部(15a)を筒状部材の軸方向に複数備えていることを特徴としている。
このような製造装置では、反応容器(9)のうち他端部の端面に、側壁断熱材(12)と機械的に分離可能とされ、多孔質材料で構成された吸収断熱材(13)を配置している。そして、反応容器(9)内の未反応原料ガスを、吸収断熱材(13)を介して真空容器(7)に備えられた流出口(4)から排気している。
これにより、未反応原料ガスは、吸収断熱材(13)を通過しながら吸収断熱材(13)の内部で再結晶化して、SiC多結晶として吸収断熱材(13)に付着(堆積)することになる。したがって、吸収断熱材(13)にSiC多結晶が付着して断熱機能が損なわれた場合には、当該吸収断熱材(13)のみを新しいものと交換すればよく、断熱材(8、12、13)の全てを交換する必要はない。また、吸収断熱材(13)を交換することにより反応容器(9)内の温度分布が変化することを抑制することができるので、SiC単結晶(6)の品質を向上させることができると共に、長尺化することができる。
さらに、請求項に記載の発明のように、吸収断熱材(13)を構成する円板部材が中心軸を中心にして径方向に分割された複数の交換用断熱材(14)を備え、複数の交換用断熱材(14)を、反応容器(9)のうち他端部の端面に配置された吸収断熱材(13)の側壁から反応容器(9)の軸方向と平行な方向に仮想線を引いたとき、側壁断熱材(12)のうち反応容器(9)の一端部側と反対側の端部であって、仮想線で囲まれる領域の外側に備えに備えることができる。
この場合、請求項に記載の発明のように、真空容器(7)に、複数の交換用断熱材(14)をそれぞれ真空容器(7)の径方向に移動させ、断熱材引き上げ機構(15)が貫通孔(13a)内に配置される状態で、交換用断熱材(14)を組み合わせることにより新たな吸収断熱材(13)を構成すると共に、断熱材引き上げ機構(15)に当該新たな吸収断熱材(13)を保持させるスライド機構(17)を備えることができる。
このような製造装置では、反応容器(9)のうち他端部の端面に配置された吸収断熱材(13)が劣化したとき、スライド機構(17)にて交換用断熱材(14)を移動させて組み合わせることにより、新たな吸収断熱材(13)を断熱材引き上げ機構(15)に保持することができる。
また、請求項に記載の発明のように、反応容器(9)のうち他端部の端面に配置された吸収断熱材(13)の劣化状態を判定する検出機構(16)を備えることもできる。
例えば、請求項に記載の発明のように、検出機構(16)を吸収断熱材(13)の重量を検出する重量センサを含んで構成することができる。そして、請求項に記載の発明のように、検出機構(16)を台座(10)、もしくは反応容器(9)の温度を検出する温度センサを含んで構成することができる。また、請求項に記載の発明のように、検出機構(16)を種結晶(5)の表面に成長するSiC単結晶(6)の成長量を検出するX線装置を含んで構成することができる。
さらに、請求項に記載の発明のように、貫通孔(13a)の内径を断熱材引き上げ機構(15)に用いられる筒状部材の外径より大きくし、貫通孔(13a)の壁面と当該筒状部材の外壁面との間に隙間を有するようにすることができる。
このような製造装置では、吸収断熱材(13)がSiC多結晶で満たされても、未反応原料ガスを貫通孔(13a)の壁面と断熱材引き上げ機構(15)との間の隙間を介して排気することができる。
以上では、本発明をSiC単結晶の製造装置の発明として把握した場合について説明したが、本発明をSiC単結晶の製造方法の発明として把握することも可能である。
すなわち、請求項に記載の発明は、断熱材として、反応容器(9)の側壁を囲む筒状の側壁断熱材(12)と、側壁断熱材(12)と機械的に分離可能とされた円板部材からなり、多孔質材料で構成された吸収断熱材(13)と、を含むものを用い、吸収断熱材(13)を、側壁が側壁断熱材(12)の内壁と接した状態で、反応容器(9)のうち一端部と反対側の他端部の端面に配置し、反応容器(9)内に供給された原料ガス(3)のうちSiC単結晶(6)の成長に寄与しなかった未反応原料ガスを、吸収断熱材(13)を介して真空容器(7)に備えられた流出口(4)から排気し、反応容器(9)のうち他端部の端面に配置された吸収断熱材(13)の劣化状態を判定する工程と、判定した結果に基づいて、当該吸収断熱材(13)と異なる新たな吸収断熱材(13)を反応容器(9)のうち他端部の端面に配置する工程と、を含むことを特徴としている。
このような製造方法では、反応容器(9)のうち他端部の端面に、側壁断熱材(12)と機械的に分離可能とされ、多孔質材料で構成された吸収断熱材(13)を配置している。そして、反応容器(9)内の未反応原料ガスを、吸収断熱材(13)を介して真空容器(7)に備えられた流出口(4)から排気している。
これにより、未反応原料ガスは、吸収断熱材(13)を通過しながら吸収断熱材(13)の内部で再結晶化して、SiC多結晶として吸収断熱材(13)に付着(堆積)することになる。したがって、吸収断熱材(13)にSiC多結晶が付着して断熱機能が損なわれた場合には、当該吸収断熱材(13)のみを新しいものと交換すればよく、断熱材(8、12、13)の全てを交換する必要はない。また、吸収断熱材(13)を交換することにより反応容器(9)内の温度分布が変化することを抑制することができるので、SiC単結晶(6)の品質を向上させることができると共に、長尺化することができる。
そして、請求項1に記載の発明のように、円板部材の軸方向に形成された貫通孔(13a)を有する吸収断熱材(13)と、筒状部材を用いて構成され、反応容器(9)の軸方向に移動可能とされていると共に、吸収断熱材(13)を保持する突出部(15a)を筒状部材の軸方向に複数備えることにより、複数の吸収断熱材(13)を同時に保持することのできる断熱材引き上げ機構(15)と、吸収断熱材(13)を構成する円板部材が中心軸を中心にして径方向に複数に分割され、反応容器(9)のうち他端部の端面に配置された吸収断熱材(13)の側壁から反応容器(9)の軸方向と平行な方向に仮想線を引いたとき、側壁断熱材(12)のうち反応容器(9)の一端部側と反対側の端部であって、仮想線で囲まれる領域の外側に備えられている交換用断熱材(14)と、真空容器(7)に備えられ、複数の交換用断熱材(14)をそれぞれ真空容器(7)の径方向に移動させ、断熱材引き上げ機構(15)が貫通孔(13a)内に配置される状態で、交換用断熱材(14)を組み合わせることにより新たな吸収断熱材(13)を構成すると共に、断熱材引き上げ機構(15)に当該新たな吸収断熱材(13)を保持させるスライド機構(17)と、を用意し、次の工程を行うことができる。
すなわち、新たな吸収断熱材(13)を反応容器(9)のうち他端部の端面に配置する工程では、断熱材引き上げ機構(15)により吸収断熱材(13)を反応容器(9)の底面に対して引き上げる工程と、当該吸収断熱材(13)と反応容器(9)の他端部との間にスライド機構(17)により交換用断熱材(14)を移動させると共に組み合わせて新たな吸収断熱材(13)を配置し、新たな吸収断熱材(13)を断熱材引き上げ機構(15)に保持する工程と、断熱材引き上げ機構(15)により新たな吸収断熱材(13)を反応容器(9)の底面に対して引き下げることにより、新たな吸収断熱材(13)を反応容器(9)のうち他端部の端面に配置する工程と、を含むことができる。
また、請求項1に記載の発明のように、吸収断熱材(13)の劣化状態を判定する工程では、反応容器(9)のうち他端部の端面に配置された吸収断熱材(13)の重量を検出し、検出された重量が所定の閾値より重いときに当該吸収断熱材(13)が劣化したと判定することができる。
そして、請求項1に記載の発明のように、吸収断熱材(13)の劣化状態を判定する工程では、台座(10)の温度を検出し、検出された温度が所定の閾値より低いときに当該吸収断熱材(13)が劣化したと判定することができる。
さらに、請求項1に記載の発明のように、吸収断熱材(13)の劣化状態を判定する工程では、種結晶(5)の表面に成長するSiC単結晶(6)の成長量を検出し、検出された成長量、および反応容器(9)内に供給された原料ガス(3)の供給量を用いて未反応ガスの現存量を演算し、未反応ガスの現存量が所定の閾値より多いときに吸収断熱材(13)が劣化したと判定することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態における結晶成長装置の断面構成を示す図である。 図1に示す交換用断熱材の上面図である。 反応容器の開口部の端面に新しい吸収断熱材を配置する工程を示す断面図である。 本発明の第2実施形態における結晶成長装置の断面構成を示す図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態における結晶成長装置の断面構成を示す図であり、この図に基づいて説明する。
図1に示す結晶成長装置1は、底部に備えられた流入口2を通じてSiおよびCを含有するSiCの原料ガス3を供給し、上部に備えられた流出口4を通じて排出することで、結晶成長装置1内に配置したSiC単結晶基板からなる円板状の種結晶5の表面にSiC単結晶6を結晶成長させるものである。
本実施形態の結晶成長装置1は、真空容器7、底面側断熱材8、反応容器9、台座10、台座引き上げ機構(以下、第1シャフトという)11、側壁断熱材12、吸収断熱材13、交換用断熱材14、断熱材引き上げ機構(以下第2シャフトという)15、検出機構16、スライド機構17、加熱装置18を有して構成されている。
真空容器7は、中空円筒状を為しており、アルゴンガス等が導入でき、かつ、結晶成長装置1の他の構成要素を収容すると共に、その収容している内部空間の圧力を真空引きすることにより減圧できる構造とされている。そして、この真空容器7の底部に原料ガス3の流入口2が設けられると共に、上部(具体的には側壁の上方位置)に原料ガス3の流出口4が設けられている。また、真空容器7の上面には、貫通孔7aが形成されており、第1、第2シャフト11、15が貫通孔7aを貫通して真空容器7の外部に突出するようになっている。
底面側断熱材8は、円筒等の筒形状を為しており、中空部により流入孔2と連通する原料ガス導入孔8aが構成されている。この底面側断熱材8は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングした黒鉛等で構成される。
反応容器9は、原料ガス3が流れる空間を構成しており、中空部を有する有底円筒状とされている。本実施形態では、この反応容器9は、底面が底面側断熱材8と同径とされており、例えば、黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングした黒鉛等で構成される。そして、反応容器9の底面の中央位置には、原料ガス導入孔8aと対応する貫通孔9aが形成されており、底面が底面側断熱材8に接触させられることにより原料ガス導入孔8aと貫通孔9aとが繋げられている。すなわち、本実施形態では、貫通孔9aを介して原料ガス3が反応容器9内に導入されることになり、反応容器9のうち底面側の端部が本発明の一端部に相当し、反応容器9のうち開口部側の端部が本発明の他端部に相当している。以下、反応容器9のうち開口部側の端部の端面を、開口部の端面として説明する。
また、反応容器9の中空部内には種結晶5が配置されており、その中空部内において種結晶5の表面にSiC単結晶6が成長させられる。種結晶5は、例えば、円柱状の台座10の一面(図1中下側の面)に取り付けられた状態で反応容器9内に配置され、台座10と同径、もしくはやや大きくされている。そして、この台座10は、反応容器9の壁面と離間した状態で反応容器9内に配置されている。なお、このような台座10は、例えば、黒鉛で構成されており、側面がTaC(炭化タンタル)でコーティングされている。
そして、台座10のうち種結晶5が配置されている一面側と反対側の他面側(図1中上側の面)には、反応容器9の軸方向に移動可能とされた第1シャフト11が備えられている。これにより、台座10を反応容器9内の適切な位置に配置することができるようになっている。なお、この第1シャフト11は筒状とされており、例えば、第1シャフト11のうち反応容器9に近い側の部分が黒鉛等を用いて構成され、反応容器9に遠い側の部分がSUS等を用いて構成されている。
側壁断熱材12は、反応容器9の側壁を囲む円筒状とされている。吸収断熱材13は、側壁断熱材12と機械的に分離可能とされた円板部材からなり、フェルトカーボン、多孔質カーボン、カーボン断熱材等の多孔質材料で構成されている。そして、吸収断熱材13は、側壁が側壁断熱材12の内壁と接した状態で、反応容器9のうち開口部の端面に配置されている。言い換えると、吸収断熱材13は、側壁断熱材12の内径と同じ外径を有する円板部材を用いて構成されている。また、側壁断熱材12のうち反応容器9における開口部側の端部の端面と、吸収断熱材13のうち反応容器9の開口部の端面に配置される一面と反対側の他面とは同一平面とされている。すなわち、側壁断熱材12の内壁は、吸収断熱材13により密閉された状態となっている。また、吸収断熱材13には貫通孔13aが形成されており、当該貫通孔13aを貫通して、第1、第2シャフト11、15が配置されている。
なお、側壁断熱材12としては、例えば、吸収断熱材13と同様に、フェルトカーボン、多孔質カーボン、カーボン断熱材等を用いて構成することができるし、フェルトカーボン等の表面を黒鉛でコーティングしたものを用いて構成することもできる。また、貫通孔13aの内径と第2シャフト15の外径とは略等しくされている。
交換用断熱材14は、吸収断熱材13を構成する円板部材が中心軸を中心にして径方向に分割されたものである。図2に、交換用断熱材14の上面図を示す。図2に示されるように、本実施形態では、交換用断熱材14は、吸収断熱材13が径方向に二分割されて構成されている。そして、この交換用断熱材14は、側壁断熱材12のうち反応容器9における開口部側の端部にそれぞれ備えられている。具体的には、吸収断熱材13の側壁(側壁断熱材12の内壁)から反応容器9の軸方向と平行な方向に仮想線を引いたとき、仮想線で囲まれる領域の外側に備えられている。すなわち、吸収断熱材13を反応容器9の軸方向に移動させることができるように、交換用断熱材14は備えられている。
第2シャフト15は、第1シャフト11を囲む筒状部材を用いて構成され、第1シャフト11から独立して当該筒状部材の軸方向に移動可能とされている。また、第2シャフト15は、吸収断熱材13を保持する突出部15aを軸方向に複数備えており、突出部15aにて吸収断熱材13を保持している。すなわち、第2シャフト15は、複数の吸収断熱材13を同時に保持できる構成とされている。また、これら突出部15aは、本実施形態では、筒状部材に備えられたフランジとされており、例えば、黒鉛等で構成される。
さらに、本実施形態では、吸収断熱材13の劣化状態を検出する検出機構16が備えられている。この検出機構16は、吸収断熱材13の重量を検出する重量センサおよび重量センサと接続された制御部を含んで構成されており、重量センサは第2シャフト15に備えられている。そして、重量センサによって吸収断熱材13の重量を検出し、制御部によって吸収断熱材13の重量が閾値より重いか否かを判定することにより、吸収断熱材13の劣化状態を判定する。具体的には、SiC多結晶が多量に付着すると吸収断熱材13の重量が所定の閾値より重くなるため、制御部は吸収断熱材13の重量が所定の閾値より重い場合に吸収断熱材13が劣化したと判定する。なお、重量センサとしては、例えば、圧力センサやバネばかり等を用いることができる。
また、制御部は、図示していないが、第2シャフト15、スライド機構17とも接続されている。そして、具体的には、後述するが、重量センサの検出結果から反応容器9の開口部側の端面に備えられた吸収断熱材13が劣化したと判定したとき、第2シャフト15、スライド機構17を制御して、新たな吸収断熱材13を反応容器9の開口部の端面に配置する。
スライド機構17は、真空容器7の側壁を貫通して備えられた筒状部材であり、交換用断熱材14をそれぞれ真空容器7の径方向に移動させる。そして、第2シャフト15が貫通孔13a内に配置される状態で、交換用断熱材14を組み合わせることにより新たな吸収断熱材13を構成すると共に、第2シャフト15に当該新たな吸収断熱材13を保持させる。
加熱装置18は、例えば誘導加熱用コイルやヒータ等で構成され、真空容器7の周囲を囲むように配置されている。この加熱装置18は、通電されることにより誘導加熱用コイル等が加熱されて輻射熱により反応容器9を加熱するものである。そして、通電量等が調整されることにより、反応容器9内の温度を所定温度に制御することができるようになっている。
このように構成された結晶成長装置1を用いたSiC単結晶6の製造方法について説明する。
まず、台座10の一面側に種結晶5を取り付け、第1シャフト11により位置調整を行いつつ、反応容器9内の所定の位置に種結晶5を配置する。その後、反応容器9内を真空排気すると共に、反応容器9内に原料ガス導入孔8aを介してArを導入し、加熱装置18により反応容器9を誘導加熱する。そして、反応容器9の温度を所定温度で安定させると同時に、反応容器9の中の圧力を所定圧力とする。その後、原料ガス導入孔8aを介して反応容器9内に、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含んだ原料ガス3を導入し、種結晶5にSiC単結晶6を成長させる。
このとき、反応容器9内の未反応原料ガスは、吸収断熱材13が多孔質材料で構成されていることから、吸収断熱材13を介して真空容器7に備えられた流出口4から排気される。すなわち、未反応原料ガスは、吸収断熱材13を通過しながら吸収断熱材13の内部で再結晶化して、SiC多結晶として吸収断熱材13に付着(堆積)することになる。そして、SiC単結晶6の成長を続けるにつれて、吸収断熱材13に徐々にSiC多結晶が付着(堆積)していくため、これに伴って吸収断熱材13の断熱機能が損なわれていくことになる。そこで、本実施形態では、反応容器9の開口部の端面に配置された吸収断熱材13の重量が所定の閾値を超えたとき、反応容器9の開口部の端面に新しい吸収断熱材13を配置するようにしている。
具体的には、次のような工程を行っている。図3は、反応容器9の開口部の端面に新しい吸収断熱材13を配置する工程を示す概略断面図である。なお、図3の工程は、上記検出機構16を構成する制御部からの信号に基づいて行われ、制御部はSiC単結晶6を成長させる工程中に繰り返しこの工程を行っている。
まず、図3(a)の工程では、吸収断熱材13の重量を検出して劣化状態を判定する工程を行う。具体的には、重量センサに吸収断熱材13の重量を検出させ、検出された吸収断熱材13の重量が予め設定された所定の閾値より重いか否かを判定する。吸収断熱材13の重量が所定の閾値より重いと判定した場合はSiC多結晶が多量に付着して吸収断熱材13が劣化しているため、図3(b)の工程を行う。所定の閾値より重くないと判定した場合には、吸収断熱材13の重量が所定の閾値より重くなるまで重量センサに検出を続けさせる。なお、この工程では、吸収断熱材13の重量に基づいて吸収断熱材13の劣化状態を判定しているが、例えば、吸収断熱材13および第2シャフト15の重量が閾値より重いか否かを判定することにより、吸収断熱材13の劣化状態を判定することもできる。この場合は、第2シャフト15の重量を加えたものを所定の閾値としておけばよい。
続いて、図3(b)の工程では、反応容器9の開口部の端面から劣化した吸収断熱材13を取り除く工程を行う。具体的には、第2シャフト15を制御し、反応容器9の開口部の端面に配置されている吸収断熱材13を保持しつつ、第2シャフト15を反応容器9の底面に対して引き上げさせる。具体的には、第2シャフト15に既に保持されている吸収断熱材13と、反応容器9の開口部の端面との間に、交換用断熱材14を配置することができるまで第2シャフト15を引き上げさせる。なお、この工程を行っているとき、例えば、第2シャフト15を引き上げさせていることを外部に知らせる警報等を作動させるようにしてもよい。
その後、図3(c)の工程では、劣化した吸収断熱材13と、反応容器9の開口部の端面との間に、新しい吸収断熱材13を配置する工程を行う。具体的には、スライド機構17を制御し、交換用断熱材14を真空容器7の径方向にスライドさせる。そして、第2シャフト15が貫通孔13a内に配置されるように、交換用断熱材14を組み合わせることにより新たな吸収断熱材13を構成すると共に、第2シャフト15に当該新たな吸収断熱材13を保持させる。
続いて、図3(d)の工程では、新たな吸収断熱材13を反応容器9の開口部の端面に配置する工程を行う。具体的には、第2シャフト15を制御し、図3(a)の工程にて反応容器9の開口部の端面に配置されていた吸収断熱材13および図3(c)の工程にて第2シャフト15に保持された新たな吸収断熱材13の両方を保持しつつ、第2シャフト15を反応容器9の底面に対して引き下げさせ、新たな吸収断熱材13を反応容器9の開口部の端面に配置する。以上、説明したようにして、本実施形態では、反応容器9の開口部の端面に配置された吸収断熱材13の重量が所定の閾値より重くなったとき、制御部にて新たな吸収断熱材13が反応容器9の開口部の端面に配置される。
なお、図3(b)の工程では、吸収断熱材13を引き上げることにより反応容器9内の温度分布が変わるため、原料ガス3の供給を中断してSiC単結晶6の成長を中断することが好ましい。そして、図3(b)の工程において原料ガス3の供給を中断した場合には、図3(d)の工程を行った後、再び原料ガス3の供給を行うことにより、SiC単結晶6の成長を行う。
しかしながら、図3(b)の工程において原料ガス3の供給を中断しても、図3(c)および図3(d)の工程を行っているとき、反応容器9中に残存している原料ガス3によってSiC単結晶6が成長することになる。そして、この状態で成長するSiC単結晶6は、反応容器9内の温度分布が変化しているため、欠陥等を含んで成長する可能性がある。したがって、図3(d)の工程を行った後、原料ガス3の供給を行う前に、水素、ハロゲンガス、またはハロゲン化水素等のエッチングガスを供給してSiC単結晶6の成長表面を所定量だけエッチングするようにし、図3(c)および図3(d)の工程中に成長したSiC単結晶6を除去するようにしてもよい。
以上、説明したように、本実施形態では、反応容器9の開口部の端面に、側壁断熱材12と機械的に分離可能とされ、多孔質材料で構成された吸収断熱材13を配置している。そして、反応容器9内の未反応原料ガスを、吸収断熱材13を介して真空容器7に備えられた流出口4から排気している。すなわち、未反応原料ガスは、吸収断熱材13を通過しながら吸収断熱材13の内部で再結晶化して、SiC多結晶として吸収断熱材13に付着(堆積)することになる。しかしながら、本実施形態の結晶成長装置では、側壁断熱材12と吸収断熱材13とは機械的に分離可能とされているので、吸収断熱材13のみを新しいものと交換すればよく、断熱材8、12、13の全てを交換する必要はない。
また、吸収断熱材13が劣化したと判定した場合には、反応容器9の開口部の端面に新しい吸収断熱材13を配置しているので、反応容器9内の温度分布が変化することを抑制することができる。このため、SiC単結晶6の品質を向上させることができると共に、長尺化することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の結晶成長装置1は、第1実施形態に対して、吸収断熱材13の貫通孔13aの壁面と、第2シャフト15の外壁面との間に隙間を設けたものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。図4は、本実施形態の結晶成長装置1の断面構成を示す図である。
図4に示されるように、本実施形態の結晶成長装置1は、貫通孔13aの壁面と第2シャフト15の外壁面との間に隙間が設けられている。言い換えると、貫通孔13aの内径が第2シャフト15の外径より大きくされている。また、突出部15aには、フランジの内縁部分に貫通孔13aと連通する貫通孔15bが形成されている。すなわち、未反応原料ガスを、突出部15aに備えられた貫通孔15b、および貫通孔13aの内壁面と第2シャフト15の外壁面との間の隙間を介して排気することができるようになっている。
このような結晶成長装置1では、未反応原料ガスは、吸収断熱材13を介して真空容器7に備えられた流出口4から排気されると共に、貫通孔15b、および貫通孔13aの壁面と第2シャフト15の外壁面との間の隙間を介して流出口4から排気される。したがって、吸収断熱材13がSiC多結晶で満たされても、未反応原料ガスを貫通孔13aの壁面と第2シャフト15との間の隙間を介して排気することができつつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、吸収断熱材13の劣化状態を判定する検出機構16として重量センサと制御部とを含んだものを説明したが、もちろんこれに限られるものではない。例えば、吸収断熱材13にSiC多結晶が付着した場合には、吸収断熱材13の断熱機能が損なわれることになるため、反応容器9内の温度分布が変化して台座10やSiC単結晶の成長表面、反応容器9の壁面等の温度が変化することになる。このため、第1シャフト11の上部にパイロメータ等の温度センサを設置して台座10の温度を検出させ、検出された温度が所定の閾値より低いときに吸収断熱材13が劣化したと判定することもできる。また、流入口2の下側にパイロメータ等の温度センサを設置してSiC単結晶6の成長表面の温度を検出させ、検出された温度が所定の閾値より低いときに吸収断熱材13が劣化したと判定することもできる。さらに、反応容器9の壁面の温度も変化するため、反応容器9の温度を検出させ、検出された温度が所定の閾値より低いときに吸収断熱材13が劣化したと判定することもできる。
また、真空容器7の周囲にX線装置を配置してSiC単結晶6の成長量を検出し、当該成長量に基づいて吸収断熱材13の劣化状態を判定することもできる。この場合は、例えば、まず、X線装置にてSiC単結晶6の成長量を検出し、検出された成長量、および反応容器9内に供給された原料ガス3の供給量を用いて未反応ガスの現存量を演算する。そして、この未反応ガスがSiC多結晶として吸収断熱材13に付着(堆積)したものとして推定し、未反応ガスの現存量が所定の閾値より多いときに吸収断熱材13が劣化したと判定することもできる。
さらに、上記各実施形態では、制御部からの信号に基づいて図3に示す工程を行う例について説明したが、もちろんユーザが重量センサにて検出された重量に基づいて第2シャフト15やスライド機構17を制御することもできる。
また、上記各実施形態では、台座10が円柱状である例について説明したが、台座10は、もちろん円柱状でなくてもよく、例えば、円錐台形状や断面放物線状等の他の形状で構成されていても構わない。
さらに、上記各実施形態では、突出部15aがフランジとされている例について説明したが、例えば、突出部15aの平面形状が略十字型とされるように、筒状部材から4つの径方向に突出した突出部分を有する突出部15aとすることもできる。このような場合は、それぞれの突出部分の間の部分が上記第2実施形態の貫通孔15bに相当することになる。
1 結晶成長装置
2 流入口
3 原料ガス
4 流出口
5 種結晶
6 SiC単結晶
7 真空容器
8 底面側断熱材
9 反応容器
10 台座
11 第1シャフト
12 側壁断熱材
13 吸収断熱材
14 交換用断熱材
15 第2シャフト
16 検出機構
17 スライド機構
18 加熱装置

Claims (13)

  1. 流出口(4)を有する真空容器(7)内に収容された断熱材(8、12、13)に囲まれ、中空部を有する円筒状とされた反応容器(9)内に台座(10)を配置すると共に、当該台座(10)に対して炭化珪素単結晶基板にて構成された種結晶(5)を配置し、前記反応容器(9)の一端部側から炭化珪素の原料ガス(3)を供給することにより、前記種結晶(5)の表面に炭化珪素単結晶(6)を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記断熱材は、前記反応容器(9)の側壁を囲む円筒状の側壁断熱材(12)と、前記側壁断熱材(12)と機械的に分離可能とされた円板部材からなり、多孔質材料で構成された吸収断熱材(13)と、を有し、
    前記吸収断熱材(13)は、前記円板部材の軸方向に貫通する貫通孔(13a)が形成され、側壁が前記側壁断熱材(12)の内壁と接した状態で、前記反応容器(9)のうち前記一端部と反対側の他端部の端面に配置されており、
    前記反応容器(9)内に供給された前記原料ガス(3)のうち前記炭化珪素単結晶(6)の成長に寄与しなかった未反応原料ガスは、前記吸収断熱材(13)を介して前記真空容器(7)に備えられた流出口(4)から排気され
    前記台座(10)のうち前記種結晶(5)が配置される側と反対側には、前記反応容器(9)の軸方向に移動可能とされた断熱材引き上げ機構(15)が備えられており、前記吸収断熱材(13)は、前記断熱材引き上げ機構(15)に保持されることにより、前記断熱材引き上げ機構(15)と共に移動可能とされており、
    前記断熱材引き上げ機構(15)は、筒状部材を用いて構成され、前記貫通孔(13a)を貫通して配置されると共に、前記吸収断熱材(13)を保持する突出部(15a)を前記筒状部材の軸方向に複数備えていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記吸収断熱材(13)を構成する円板部材が中心軸を中心にして径方向に分割された複数の交換用断熱材(14)を有し、
    複数の前記交換用断熱材(14)は、前記反応容器(9)のうち前記他端部の端面に配置された前記吸収断熱材(13)の側壁から前記反応容器(9)の軸方向と平行な方向に仮想線を引いたとき、前記側壁断熱材(12)のうち前記反応容器(9)の一端部側と反対側の端部であって、前記仮想線で囲まれる領域の外側に備えられていることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 前記真空容器(7)には、複数の前記交換用断熱材(14)をそれぞれ前記真空容器(7)の径方向に移動させ、前記断熱材引き上げ機構(15)が前記貫通孔(13a)内に配置される状態で、前記交換用断熱材(14)を組み合わせることにより新たな吸収断熱材(13)を構成すると共に、前記断熱材引き上げ機構(15)に当該新たな吸収断熱材(13)を保持させるスライド機構(17)が備えられていることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  4. 前記反応容器(9)のうち前記他端部の端面に配置された前記吸収断熱材(13)の劣化状態を判定する検出機構(16)を備えていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  5. 前記検出機構(16)は、前記吸収断熱材(13)の重量を検出する重量センサを含んでいることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  6. 前記検出機構(16)は、前記台座(10)の温度を検出する温度センサを含んでいることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  7. 前記検出機構(16)は、前記種結晶(5)の表面に成長する前記炭化珪素単結晶(6)の成長量を検出するX線装置を含んでいることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  8. 前記貫通孔(13a)の内径は、前記断熱材引き上げ機構(15)に用いられる前記筒状部材の外径より大きくされており、
    前記貫通孔(13a)の壁面と当該筒状部材の外壁面との間に隙間を有していることを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  9. 流出口(4)を有する真空容器(7)内に収容された断熱材(8、12、13)に囲まれ、中空部を有する円筒状とされた反応容器(9)内に台座(10)を配置すると共に、当該台座(10)に対して炭化珪素単結晶基板にて構成された種結晶(5)を配置し、前記反応容器(9)の一端部側から炭化珪素の原料ガス(3)を供給することにより、前記種結晶(5)の表面に炭化珪素単結晶(6)を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記断熱材として、前記反応容器(9)の側壁を囲む筒状の側壁断熱材(12)と、前記側壁断熱材(12)と機械的に分離可能とされた円板部材からなり、多孔質材料で構成された吸収断熱材(13)と、を含むものを用い、
    前記吸収断熱材(13)を、側壁が前記側壁断熱材(12)の内壁と接した状態で、前記反応容器(9)のうち前記一端部と反対側の他端部の端面に配置し、
    前記反応容器(9)内に供給された前記原料ガス(3)のうち前記炭化珪素単結晶(6)の成長に寄与しなかった未反応原料ガスを、前記吸収断熱材(13)を介して前記真空容器(7)に備えられた流出口(4)から排気し、
    前記反応容器(9)のうち前記他端部の端面に配置された前記吸収断熱材(13)の劣化状態を判定する工程と、
    判定した結果に基づいて、当該吸収断熱材(13)と異なる新たな吸収断熱材(13)を前記反応容器(9)のうち前記他端部の端面に配置する工程と、を含むことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  10. 前記円板部材の軸方向に形成された貫通孔(13a)を有する吸収断熱材(13)と、 筒状部材を用いて構成され、前記反応容器(9)の軸方向に移動可能とされていると共に、前記吸収断熱材(13)を保持する突出部(15a)を前記筒状部材の軸方向に複数備えることにより、複数の前記吸収断熱材(13)を同時に保持することのできる断熱材引き上げ機構(15)と、
    前記吸収断熱材(13)を構成する円板部材が中心軸を中心にして径方向に複数に分割され、前記反応容器(9)のうち前記他端部の端面に配置された前記吸収断熱材(13)の側壁から前記反応容器(9)の軸方向と平行な方向に仮想線を引いたとき、前記側壁断熱材(12)のうち前記反応容器(9)の一端部側と反対側の端部であって、前記仮想線で囲まれる領域の外側に備えられている交換用断熱材(14)と、
    前記真空容器(7)に備えられ、複数の前記交換用断熱材(14)をそれぞれ前記真空容器(7)の径方向に移動させ、前記断熱材引き上げ機構(15)が前記貫通孔(13a)内に配置される状態で、前記交換用断熱材(14)を組み合わせることにより新たな吸収断熱材(13)を構成すると共に、前記断熱材引き上げ機構(15)に当該新たな吸収断熱材(13)を保持させるスライド機構(17)と、を用意し、
    前記新たな前記吸収断熱材(13)を前記反応容器(9)のうち前記他端部の端面に配置する工程では、前記断熱材引き上げ機構(15)により前記吸収断熱材(13)を前記反応容器(9)の底面に対して引き上げる工程と、当該吸収断熱材(13)と前記反応容器(9)の前記他端部との間に前記スライド機構(17)により前記交換用断熱材(14)を移動させると共に組み合わせて新たな吸収断熱材(13)を配置し、前記新たな吸収断熱材(13)を前記断熱材引き上げ機構(15)に保持する工程と、前記断熱材引き上げ機構(15)により前記新たな吸収断熱材(13)を前記反応容器(9)の底面に対して引き下げることにより、前記新たな吸収断熱材(13)を前記反応容器(9)のうち前記他端部の端面に配置する工程と、を含むことを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  11. 前記吸収断熱材(13)の劣化状態を判定する工程では、前記反応容器(9)のうち前記他端部の端面に配置された前記吸収断熱材(13)の重量を検出し、検出された前記重量が所定の閾値より重いときに当該吸収断熱材(13)が劣化したと判定することを特徴とする請求項または10に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  12. 前記吸収断熱材(13)の劣化状態を判定する工程では、前記台座(10)、もしくは反応容器(9)の温度を検出し、検出された前記温度が所定の閾値より低いときに当該吸収断熱材(13)が劣化したと判定することを特徴とする請求項または10に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  13. 前記吸収断熱材(13)の劣化状態を判定する工程では、前記種結晶(5)の表面に成長する前記炭化珪素単結晶(6)の成長量を検出し、検出された前記成長量、および前記反応容器(9)内に供給された原料ガス(3)の供給量を用いて前記未反応ガスの現存量を演算し、前記未反応ガスの現存量が所定の閾値より多いときに前記吸収断熱材(13)が劣化したと判定することを特徴とする請求項または1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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