JP5811013B2 - 炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)単結晶で構成される種結晶に対して原料ガスを供給することでSiC単結晶の製造を行うSiC単結晶の製造装置および製造方法に関するものである。
従来、原料ガスを供給してSiC単結晶を種結晶上に成長させるガス供給法によるSiC単結晶成長では、原料ガスのうちの未反応ガスの多くがSiC単結晶や種結晶が貼り付けられる台座およびその周辺の反応容器にSiC多結晶として堆積してしまう。これにより、ガス流路を塞いだり、SiC多結晶が落下して原料ガスを導入するためのガス導入管を封鎖してしまい、SiC単結晶の連続成長が行えなくなるという問題を発生させる。
この問題を解決するために、特許文献1、2では、台座からエッチングガスを流し、SiC多結晶をエッチングしたり、未反応ガスを希釈することによってSiC多結晶の堆積を抑制するという方法を適用している。また、特許文献3では、未反応ガスを下部排気する際にパーティクルが自然発生するため、そのパーティクルによる出口詰まりを抑制すべくパーティクルコレクタを備えるようにしている。
米国特許第7361222号明細書 特開2004−323351号公報 特開2003−306398号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法では、結晶周囲で堆積しなかった未反応ガスが反応容器のさらに下流で多結晶化もしくはパーティクル化し、堆積することによってガス流路が塞がれて排気が妨げられたり、これらが落下してSiC単結晶の連続成長を妨げるという問題がある。また、特許文献3に記載の方法では、パーティクル化するまでの反応容器に多結晶が堆積し、SiC単結晶の連続成長を妨げるという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、SiC多結晶やパーティクルによって排気が妨げられることを抑制し、SiC単結晶の連続成長を行うことが可能なSiC単結晶の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、台座(9)に対してSiC単結晶基板からなる種結晶(5)を設置し、加熱装置(13)にて台座の周囲を加熱しつつ、真空容器(6)に設けられた流入口(2)を通じて下方から種結晶の表面にSiCの原料ガス(3a)を供給し、真空容器に設けられた流出口(4)を通じて排気ガスを排出することで種結晶の表面にSiC単結晶(20)を結晶成長させるSiC単結晶の製造装置であって、SiC単結晶の成長表面よりも原料ガスの流動方向下流側において、原料ガスのうちSiC単結晶の成長に用いられなかった未反応ガスをパーティクル化させてパーティクル(18)を生成するパーティクル生成機構(16、21、30)と、パーティクルを回収するパーティクル回収機構(17)と、を有していることを特徴としている。
このように、パーティクル生成機構を備えることによってパーティクルが積極的に生成されるようにし、さらにそのパーティクルをパーティクル回収機構によって回収するようにしている。このように、パーティクルが積極的に生成されるようにすることで、パーティクル化する前に未反応ガスが多結晶化することを抑制でき、SiC多結晶で排気ガスの流路が塞がれることを抑制できる。また、パーティクル回収機構によってパーティクルを回収することで、パーティクルの堆積によって排気ガスの流路が塞がれることも抑制できる。したがって、SiC多結晶やパーティクルによって排気が妨げられることを抑制でき、SiC単結晶の連続成長を行うことが可能となる。
具体的には、請求項に記載の発明では、パーティクル生成機構は、SiC単結晶の成長表面よりも原料ガスの流動方向下流側をそれよりも上流側と比較して低温化し、成長表面の上下流間において温度勾配を形成するものによって構成される。また、請求項に記載の発明のように、パーティクル生成機構は、SiC単結晶の成長表面よりも原料ガスの流動方向下流側をそれよりも上流側と比較して流路の断面積を拡大し、未反応ガスの流速を低下させるものによって構成されても良い。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 図1に示すSiC単結晶製造装置1に備えられたパーティクル回収機構17の拡大断面図である。 加熱容器8の壁面温度の変化の測定を行ったときの測定対象として用いたSiC単結晶製造装置1の断面図である。 図3に示す測定対象での加熱容器8の壁面温度の変化の測定結果を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 SiC単結晶20などの中心からの径方向距離xに対する温度変化の測定を行ったときの測定対象として用いたSiC単結晶製造装置1の断面図である。 図6に示す測定対象でのSiC単結晶20などの中心からの径方向距離xに対する温度変化の測定結果を示す図である。 本発明の第3実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 加熱容器8の壁面温度の変化の測定を行ったときの測定対象として用いたSiC単結晶製造装置1の断面図である。 図9に示す測定対象での加熱容器8の壁面温度の変化の測定結果を示す図である。 本発明の第4実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 SiC単結晶20などの中心からの径方向距離xに対する温度変化の測定結果を示す図である。 本発明の第5実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 本発明の第6実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
図1に示すように、SiC単結晶製造装置1は、底部に備えられた流入口2を通じて原料ガス供給源3からの原料ガス3aを供給すると共に、上部の流出口4を通じて原料ガス3aのうちの未反応ガスを排出する。そして、SiC単結晶製造装置1は、装置内に配置したSiC単結晶基板からなる種結晶5上にSiC単結晶20を成長させることにより、SiC単結晶20のインゴットを形成する。
SiC単結晶製造装置1には、原料ガス供給源3、真空容器6、第1断熱材7、加熱容器8、台座9、第2断熱材10、回転引上ガス供給機構11、第1、第2加熱装置12、13、干渉防止部材14、第3断熱材16およびパーティクル回収機構17が備えられている。
原料ガス供給源3は、キャリアガスと共にSiおよびCを含有するSiCの原料ガス3a(例えば、シラン等のシラン系ガスとプロパン等の炭化水素系ガスの混合ガス)を流入口2より供給する。
真空容器6は、石英ガラスなどで構成され、中空円筒状を為しており、キャリアガスや原料ガス3aの導入導出が行え、かつ、SiC単結晶製造装置1の他の構成要素を収容すると共に、その収容している内部空間の圧力を真空引きすることにより減圧できる構造とされている。この真空容器6の底部に原料ガス3aの流入口2が設けられ、上部(具体的には側壁の上方位置)に原料ガス3aの流出口4が設けられている。
第1断熱材7は、円筒形状を為しており、真空容器6に対して同軸的に配置され、中空部により原料ガス導入管7aを構成している。第1断熱材7は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしている。
加熱容器8は、中空形状で構成され、種結晶5の表面にSiC単結晶20を成長させる反応室を構成している。加熱容器8は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしている。この加熱容器8は、台座9を囲むように、台座9に対して原料ガス3aの流動方向の上流側より下流側まで配置されている。この加熱容器8により、流入口2から供給された原料ガス3aを種結晶5に導くまでに、原料ガス3aに含まれたパーティクルを排除しつつ、原料ガス3aを分解している。
具体的には、加熱容器8は、中空円筒状部材を有した構造とされ、本実施形態の場合は有底円筒状部材で構成されている。加熱容器8には、底部に第1断熱材7の中空部と連通させられるガス導入口8aが備えられ、第1断熱材7の中空部を通過してきた原料ガス3aがガス導入口8aを通じて加熱容器8内に導入される。
また、加熱容器8の内周壁面のうち、台座9よりも原料ガス3aの流動方向の上流側において、パージガス導入孔8bが備えられている。このパージガス導入孔8bより、後述するパージガス供給源14から供給されるパージガス15を加熱容器8内に導入し、加熱容器8と台座9との間の隙間を通じて流動させるようにしている。パージガス導入孔8bは、加熱容器8の内周を全周囲むように形成されており、台座9の周囲を囲むようにパージガス15を導入する。
台座9は、加熱容器8の中心軸と同軸的に配置された板状部材で構成されている。例えば、台座9は、黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成され、熱エッチングが抑制できるようにしてある。この台座9に、種結晶5が貼り付けられ、種結晶5の表面にSiC単結晶20を成長させる。台座9は、成長させたい種結晶5の形状と対応する形状、例えば円盤形状で構成され、種結晶5が配置される面と反対側の面において回転引上ガス供給機構11と連結される。
第2断熱材10は、加熱容器8や台座9の外周を囲みつつ、パージガス15を加熱容器8内に導く外周断熱材を構成する。本実施形態では、第2断熱材10は、円筒形状で構成されており、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしてある。第2断熱材10の内径は第1断熱材7や加熱容器8の外径よりも大きくされており、これらの間にパージガス15が導入される隙間が構成されるようにしてある。なお、図には示していないが、第2断熱材10の内径を上方において縮径することもでき、このような構成とすればパージガス15がよりパージガス導入孔8b側に抜けるようにできる。
回転引上ガス供給機構11は、パイプ材11aを介して台座9の回転および引上げを行う。パイプ材11aは、一端が台座9のうちの種結晶5の貼付面と反対側の面に接続されており、他端が回転引上ガス供給機構11の本体に接続されている。このパイプ材11aも、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしてある。このような構成により、パイプ材11aと共に台座9、種結晶5およびSiC単結晶20の回転および引き上げが行え、SiC単結晶20の成長面が所望の温度分布となるようにしつつ、SiC単結晶20の成長に伴って、その成長表面の温度を常に成長に適した温度に調整できる。
また、回転引上ガス供給機構11は、パイプ材11aの内部にパージガス15を導入し、パイプ材11aの先端に接続された台座9の裏面側に対してパージガス15を供給する。具体的には、パイプ材11aのうち台座9側の先端位置にガス導入孔11bが形成されており、このガス導入孔11bを通じてパージガス15が台座9の裏面側に供給される。ガス導入孔11bはパイプ材11aの周方向に等間隔に複数個備えられており、台座9の裏面のほぼ全面に対してパージガス15を供給できる配置とされている。この回転引上ガス供給機構11から供給されるパージガス15は、台座9の裏面側にて径方向外方に流動させられた後、原料ガス3aのうちの未反応ガスや後述するパージガス供給源14から供給されるパージガス15の流れに基づいて流出口4側に導かれる。このように、回転引上ガス供給機構11から台座9の裏面側にパージガス15を導入することで、台座9の裏面側には原料ガス3aが回り込まないようにでき、台座9の裏面側にSiC多結晶の析出が抑制される。
第1、第2加熱装置12、13は、例えば加熱コイル(誘導加熱用コイルや直接加熱用コイル)によって構成され、真空容器6の周囲を囲むように配置されている。本実施形態の場合、第1、第2加熱装置12、13を誘導加熱用コイルによって構成しており、例えば誘導加熱用コイルを銅製で内部を水冷できる構成としている。これら第1、第2加熱装置12、13は、対象場所をそれぞれ独立して温度制御できるように構成されており、第1加熱装置12は、加熱容器8の下方と対応した位置に配置され、第2加熱装置13は、台座9と対応した位置に配置されている。したがって、第1加熱装置12によって加熱容器8の下方部分の温度を制御することができ、第2加熱装置13によって台座9や種結晶5およびSiC単結晶20の周囲の温度を制御することができる。
パージガス供給源14は、パージガス15を供給するものである。パージガス15は、ArやHeなどの不活性ガスやH2やHClなどのエッチングガスにて構成され、SiC多結晶の付着を防止する付着防止ガスとして機能する。パージガス供給源14から供給されるパージガス15は、第1断熱材7や加熱容器8の外周壁と第2断熱材10の内周壁との間の隙間を介し、パージガス導入孔8bを通じて加熱容器8内に導入されるようになっている。
第3断熱材16は、本発明におけるパーティクル生成機構を構成するもので、台座9の外周部を囲むように配置されている。第3断熱材16は、例えば比較的密度の薄いフェルトカーボンなどの黒鉛によって構成され、その表面がそれよりも高密度の黒鉛(例えばグラフォイルやニカフィルム(共に登録商標)等の黒鉛シート、TaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした構成とされている。これにより、第3断熱材16をフェルトカーボンなどの比較的密度の薄い黒鉛のみによって構成した場合に、未反応ガスが吸収されて多結晶化してしまうことを抑制している。
本実施形態では、第3断熱材16の設置開始位置、つまり下端面は、SiC単結晶20の成長表面(SiC単結晶20の成長前の段階では台座9の表面に貼り付けた種結晶5の表面)からそれより上方とされている。また、第3断熱材16の設置終了位置、つまり上端面は、台座9の裏面もしくはそれより上方とされている。具体的には、第3断熱材16の厚みは、SiC単結晶20の引き上げを考慮して、長尺成長させたときに予定する成長量以上となるようにしている。
この第3断熱材16は、台座9の外周において加熱容器8の内壁面から突き出すように設置され、加熱容器8のうち台座9と同じ高さ近傍の温度が伝わることで高温になるが、第3断熱材16よりも原料ガス3aの流動方向下流側において急激に温度を低下させる。本実施形態の場合、第3断熱材16をリング状のもので構成しており、加熱容器8の内壁面に固定してある。例えば、加熱容器8の内壁面に第3断熱材16を貼り付けたり、または過熱容器8の内壁に対して隙間や溝もしくは取付穴に第3断熱材16を嵌め込むことによって、これらを固定している。
このような第3断熱材16を配置することにより、第3断熱材16よりも原料ガス3aの流動方向下流において、それよりも上流側に対して急激に温度を低下させることが可能となり、急激な温度勾配を形成することが可能となる。そして、このような急激な温度勾配が形成されることにより、原料ガス3aのうちの未反応ガスが急激に冷却されて過飽和度が高められるため、凝集してパーティクル化させることが可能となる。したがって、本実施形態では、この第3断熱材16がパーティクル生成機構を構成することになる。
パーティクル回収機構17は、第3断熱材16よりも原料ガス3aの流動方向下流側において形成されたパーティクル18を回収する。パーティクル回収機構17は、SUSや高融点金属等によって構成され、流出口4から排出されるパージガスやキャリアガスなどの排出ガスの流路内に設置されており、排出ガスと共に流動してくるパーティクル18をトラップする。本実施形態では、パーティクル回収機構17を流出口4の入口側に取り付けているが、例えば反応容器の上部におけるパイプ材11aの周囲を囲む円環状に配置するなど広範囲に配置されるようにしても良い。
図2に示すように、本実施形態のパーティクル回収機構17は、内部に加熱容器8内から流出口4を通過する排気ガスの経路に対して非並行、例えば垂直方向に延設された仕切壁17aが内蔵された容器17bによって構成されている。具体的には、容器17bの内部では、上壁面から下方に向けて延設された仕切壁17aと下壁面から上方に向けて延設された仕切壁17aとが交互に配置されることによって排出ガスの流路が上下に繰り返し折り曲げられた構造とされている。このように排出ガスの流路が上下に折り曲げられたけ以上とされることで、パーティクル18が仕切壁17aもしくは容器17bの内壁面に衝突してトラップされ、流出口4内まではパーティクル18が流動しないようになっている。各仕切壁17aの間隔や容器17aの容積は、パーティクル18の捕獲後にも排気ガスの流動の妨げにならないように大きくされている。また、パーティクル回収機構17を流出口4に対して脱着可能な構成とすれば、パーティクル18が或る程度トラップされたときに新しいパーティクル回収機構17に取り替えられるため、より確実に排気ガスの流動を妨げないようにすることができる。
このような構造により、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1が構成されている。続いて、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1を用いたSiC単結晶20の製造方法について説明する。
まず、台座9に種結晶5を取り付け、加熱容器8内に設置する。このとき、種結晶5の表面に対して第3断熱材16の下端面が同じ高さもしくはそれより上方に配置されるようにすると好ましい。
そして、第1、第2加熱装置12、13を制御し、所望の温度分布を付ける。すなわち、種結晶5の表面において原料ガス3aが再結晶化されることでSiC単結晶が成長しつつ、加熱容器8内において再結晶化レートよりも昇華レートの方が高くなる温度となるようにする。このようにすることで、SiC単結晶20を成長させるべき種結晶5の表面側が加熱される。また、第2加熱装置13の配置位置が台座9と対応した位置となっているため、台座9の裏面側はあまり加熱されないようにできる。
また、真空容器6を所望圧力にしつつ、必要に応じてArやHeなどの不活性ガスによるキャリアガスやH2やHClなどのエッチングガスを導入しながら原料ガス導入管7aを通じて原料ガス3aを導入する。これにより、原料ガス3aが図1中の矢印で示したように流動し、種結晶5に供給されてSiC単結晶20が成長させられる。そして、回転引上ガス供給機構11によってパイプ材11aを介して台座9や種結晶5およびSiC単結晶20を回転させつつ、SiC単結晶20の成長レートに合せて引上げる。これにより、SiC単結晶20の成長表面の高さがほぼ一定に保たれ、成長表面温度の温度分布を制御性良く制御することが可能となる。
また、パージガス供給源14より、パージガス導入孔8bを通じてパージガス15を導入している。これにより、パージガス15が図1中の矢印で示したようにパージガス導入孔8bおよび台座9やSiC単結晶20と加熱容器8の間を通じて流出口4側に流動させられる。さらに、回転引上ガス供給機構11からも、パイプ材11aおよびガス導入孔11bを通じてパージガス15を導入している。これにより、図1中の矢印に示したように、パージガス15が台座9の裏面側に導かれたのち、台座部10の径方向外方に流動させられる。このようにパージガス15を導入しているため、さらに台座9と加熱容器8や第3断熱材16との間や台座9の裏面などにSiC多結晶が堆積することを抑制することが可能となる。
このようにしてSiC単結晶20を成長させるが、台座9の周囲を囲みつつ加熱容器8の内周壁から突き出すように第3断熱材16を備えていることから、SiC単結晶20の結晶表面の温度が第3断熱材16の温度に引っ張られる。すなわち、第2加熱装置13によって誘導加熱される加熱容器8の方がそれよりも内側と比較して温度が高くなるため、SiC単結晶20のうち第3断熱材16に近くの部分は第3断熱材16の熱の影響で高温化する。そして、第3断熱材16よりも原料ガス3aの流動方向下流において、それよりも上流側に対して急激に温度が低下させられ、急激な温度勾配が形成される。この急激な温度勾配によって未反応ガスが急激に冷却されて過飽和度が高められ、凝集してパーティクル18が生成される。
この後、排出ガスと共にパーティクル18が流出口4の入口に備えておいたパーティクル回収機構17内に流動させられ、流出口4に届く前にトラップされる。そして、排出ガスのみが流出口4から排出させられる。
具体的に、図3に示すように、本実施形態のように第3断熱材16を加熱容器8の内壁面から突き出すように配置した場合と、加熱容器8の内壁に埋め込んで内壁面と同一面を構成した場合(比較)、および、従来のように第3断熱材16を備えない場合について、加熱容器8の壁面温度の変化(図中矢印yに沿った温度)を計算した。このとき、SiC単結晶20の成長表面の温度を2200℃として計算を行った。その結果、図4に示すように、従来の場合や第3断熱材16が加熱容器8の内壁に埋め込まれて突き出していない構成とした場合には大きな温度変化が無かったが、本実施形態のように第3断熱材16を加熱容器8の内壁面から突き出すように配置した場合には、急激に温度が低下していた。具体的には、従来の構造や第3断熱材16を加熱容器8の内壁面から突き出さないようにした場合には、壁面温度がほぼ線形的に減少し、SiC単結晶20の成長表面から200mm下流でも多結晶が成長し、かつ、パーティクル化しない温度である2100℃であった。これに対して、本実施形態のように第3断熱材16を加熱容器8の内壁面から突き出させた構造では、SiC単結晶20の成長表面から100mm下流でも2050℃以下となり、ほぼパーティクル化すると考えられる温度まで低温化している。このことからも、本実施形態のように第3断熱材16を加熱容器8の内壁面から突き出すように配置することで、急激な温度勾配が形成され、パーティクル18を生成できることが実験によっても確認された。
以上説明したように、本実施形態では、第3断熱材16によって急激な温度勾配を形成することでパーティクル18が積極的に生成されるようにし、さらにそのパーティクル18をパーティクル回収機構17によって回収するようにしている。このように、パーティクル18が積極的に生成されるようにすることで、パーティクル化する前に未反応ガスが多結晶化することを抑制でき、SiC多結晶で排気ガスの流路が塞がれることを抑制できる。また、パーティクル回収機構17によってパーティクル18を回収することで、パーティクル18の堆積によって排気ガスの流路が塞がれることも抑制できる。したがって、SiC多結晶やパーティクル18によって排気が妨げられることを抑制でき、SiC単結晶20の連続成長を行うことが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対してガスフロー形態を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図5に示すように、本実施形態では、加熱容器8および第2断熱材10の高さ方向中間位置、具体的にはSiC単結晶20の成長表面の高さにおいて、SiC単結晶20や台座9の外周方向にガス排気を行う方式(サイドフロー方式)を適用している。
具体的には、本実施形態のSiC単結晶製造装置1には、SiC単結晶20の成長表面より外周方向に向かって排出口21が備えられ、この排出口21を通じてガス排気を行う。加熱容器8および第2断熱材10の高さ方向中間位置に隙間もしくは孔で構成された排気部8c、10aが形成されており、排気部8c、10aに嵌め込むようにして排気用黒鉛22が備えられ、この排気用黒鉛22を挟むように第3断熱材16を配置している。排気用黒鉛22は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にてコーティングした黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしている。このように、本実施形態では、排気部8c、10aや第3断熱材16および排気用黒鉛22によって排出口21が構成されている。
また、流出口4も排気用黒鉛22と対応する場所に備えられている。この流出口4の入口にパーティクル回収機構17が備えられており、排出用黒鉛22より排気ガスと共に流動してくるパーティクル18をパーティクル回収機構17によって回収したのち流出口4より排出できるようになっている。そして、排気用黒鉛22を覆うように、第3断熱材16を配置しているため、排出口21の内外において急激な温度勾配を形成することができる。このように、SiC単結晶20の成長表面に原料ガス3aを供給した後、排気ガスがSiC単結晶20や台座9の外周方向に排出されるサイドフロー方式となる排気形態により、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1が構成されている。
なお、本実施形態のようなサイドフロー方式の場合、台座9よりも原料ガス3aの流動方向上流において排気ガスが外周方向に導かれるため、台座9よりも上方には排気ガスがあまり流動しない。しかし、台座9の上方に排気ガスが流動するとSiC多結晶が形成される要因になるため、よりSiC多結晶の形成が抑制されるように、パイプ材11aと加熱容器8との間において、加熱容器8の内壁面に沿ってパージガス15が流動されるようにしている。また、パージガス供給源14からのパージガス15についても、加熱容器8の内壁面を沿うように供給している。
このように、サイドフロー方式による排気形態とする場合には、加熱容器8の内外を連通させる排出口21、つまり排出口21を構成する排気部8c、10aや第3断熱材16もしくは排気用黒鉛22をパーティクル生成機構として機能させることができる。すなわち、排出口21によって加熱容器8の内外を連通させているが、排出口21によって加熱容器8の内外で急激な温度勾配を形成することができる。このため、排気部8c、10aや第3断熱材16もしくは排気用黒鉛22を通過することによって、未反応ガスが排出口21を通過するときにパーティクル18を生成することが可能となる。そして、このパーティクル18をパーティクル回収機構17によって回収することで、流出口4にはパーティクル18が流動しないようにできる。したがって、本実施形態においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、第3断熱材16を排気部10a内に入り込ませるように配置してあるが排気部10aよりも第2断熱材10の径方向外側に配置しても良い。また、第3断熱材16を排気部8c、10aの輪郭に沿って配置したが、第3断熱材16の長さについては短いほど好ましく、第3断熱材16を備えない構造としても構わない。具体的には、図6に示すように、第3断熱材16の長さ(図5中矢印z方向の長さ)を200mm、60mm、0mmと変化させ、SiC単結晶20の表面を2200℃とした場合のSiC単結晶20や排気用黒鉛22の中心からの径方向距離xに対する温度変化、つまり加熱容器8の内外での温度変化を計算した。その結果、図7に示すように、第3断熱材16の長さが短くなるほど急激な温度勾配を形成することができた。特に、第3断熱材16を無くした場合(0mmの場合)には、加熱容器8の外部の温度が1400℃程度まで低下しており、最も急激な温度勾配を設けることが可能であった。このような計算を第3断熱材16の長さを様々に変えて行ったところ、第3断熱材16の長さが100mm以下になると、温度勾配を所望の温度勾配より大きくできることが確認された。また、第3断熱材16だけでなく排気用黒鉛22も無くしても良いし、第3断熱材16を残しつつ排気用黒鉛22を無くしても良い。
したがって、各排気部8c、10aや第3断熱材16もしくは排気用黒鉛22をパーティクル生成機構として機能させることができ、加熱容器8の外でパーティクル18を生成することが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対してパーティクル生成機構およびパーティクル回収機構17を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図8に示すように、本実施形態では、SiC単結晶20の成長表面よりも原料ガス3aの流動方向下流側に冷却機構30を備えた構造としてある。冷却機構30は、第2断熱材10の外周に嵌め込まれることで固定され、SiC単結晶20の成長表面よりも原料ガス3aの流動方向下流側を冷却する。原料ガス3aの流動方向における冷却機構30の長さは、同方向においてSiC単結晶20の成長表面よりも下流位置から台座9よりも下流位置までを囲める長さであれば良いが、SiC単結晶20の引き上げを考慮すると、SiC単結晶20を長尺成長させたときに予定する成長量以上となるようにしている。冷却機構30は、例えば内部を水冷できるパイプ状部材によって構成でき、図示しないが、真空容器1の外部までパイプ部材が引き出されて冷却水が循環できるように構成されている。パイプ状部材については、例えば石英管によって構成できるが、石英が高温にならないようにフェルトカーボンなどによって覆うようにしても良い。
このように、冷却機構30を備えることで、冷却機構30による冷却効果により、冷却機構30よりも下方と上方とに急激な温度勾配を形成できる。したがって、冷却機構30がパーティクル生成機構として機能し、冷却機構30を通過することで未反応ガスが急激に冷却されて過飽和度が高められるため、凝集してパーティクル化させることが可能となる。このように、第3断熱材16に代えて冷却機構30を備えることによってパーティクル生成機構を構成することもできる。このようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
また、本実施形態では、パーティクル回収機構17をSiC単結晶製造装置1から脱着可能な吸着板17cによって構成している。吸着板17cは、パーティクル18を吸着する機能を有するものであり、静電吸着もしくは冷熱吸着によってパーティクル18を吸着する。例えば、吸着板17cは、金属板もしくは石英板などによって構成される。吸着板17cは、静電吸着を行うものとされる場合には外部に備えられた図示しない電位固定部によって電位が固定されることで正電位もしくは負電位に帯電可能な構成とされる。また、吸着板17cは、冷熱吸着を行うものとされる場合には外部に備えられた図示しない冷却機構によって冷却可能な構成とされ、内部に冷却水が流動させられる中空板もしくは冷却管をとぐろ状に巻回して板状として冷却水による冷却を行うようにすると、より吸着力を増すことができる。このように、パーティクル回収機構17を吸着板17cによって構成することも可能である。このような吸着板17cについては、SiC単結晶製造装置1から脱着可能な構成としてあることから、パーティクル18を吸着した後には一旦SiC単結晶製造装置1から取り外して清掃することで、吸着力を維持することが可能である。
なお、このような吸着板17cを用いる場合、表面積が大きいほどパーティクル18をより確実に吸着することが可能となるため、好ましくは加熱容器8の開口部全域を覆うように配置されると好ましい。この場合にも、排気ガスの排出が妨げられることを防止すべく、流出口4が塞がれないように吸着板17cを配置するようにする必要がある。
参考として、図9に示すように、本実施形態のように冷却機構30を備えた場合と、従来のように冷却機構30を備えない場合について、加熱容器8の壁面温度の変化(図中矢印yに沿った温度)を計算した。その結果、図10に示すように、従来の場合には大きな温度変化が無かったが、本実施形態のように冷却機構30を備えた場合には、急激に温度が低下していた。このことからも、本実施形態のように冷却機構30を備えることで、急激な温度勾配が形成され、パーティクル18を生成できることが確認された。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対して冷却機構30を備えたものであり、その他に関しては第2実施形態と同様であるため、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図11に示すように、本実施形態では、サイドフロー方式の排気形態とされたSiC単結晶製造装置1について、冷却機構30を備えている。冷却機構30は、原料ガス3aの流動方向においてSiC単結晶20よりも下流位置に配置してあり、本実施形態の場合、第2加熱装置13よりも径方向外側に配置してある。第2実施形態で説明したように、第3断熱材16や排出用黒鉛22については無くしても良いが、本実施形態のようにこれらを備える場合には、冷却機構30が排出口21の出口部分を対向する位置、例えば第3断熱材16および排出用黒鉛22のうち流出口4側の端部と対向する位置に配置されるようにすると好ましい。
このように、サイドフロー方式の排気形態とする場合においても冷却機構30を備えることにより、より加熱容器8の内外において急激な温度勾配を形成することが可能となる。したがって、より未反応ガスのパーティクル化を促進することが可能となる。なお、本実施形態のように、排気部8c、10aに加えて第3断熱材16や排出用黒鉛22および冷却機構30を備えた構造の場合には、これらがパーティクル生成機構を構成することになる。また、排気部8c、10aと冷却機構30のみとした場合にはこれらがパーティクル生成機構を構成することになる。この場合に、さらに第3断熱材16と排出用黒鉛22のうちの一方のみ備えるようにしても良い。
参考として、本実施形態のように冷却機構30を更に備えた構造についても、SiC単結晶20の表面を2200℃とした場合のSiC単結晶20や排気用黒鉛22の中心からの径方向距離xに対する温度変化、つまり加熱容器8の内外での温度変化を計算した。その結果、図12に示すように、冷却機構30を備えていない第2実施形態の場合よりも更に急激な温度勾配を形成することができた。したがって、冷却機構30を備えることで、より未反応ガスのパーティクル化を促進することが可能になると言える。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して急激な温度勾配を形成するのではなく急激な流速変化を形成することでパーティクル生成機構を構成したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図13に示すように、本実施形態のSiC単結晶製造装置1は、第1実施形態で説明した第3断熱材16を備えた構造にするのではなく、SiC単結晶20の成長表面よりも原料ガス3aの流動方向下流側において加熱容器8の側壁の内径および外径を拡大した円錐台形状としている。また、加熱容器8の側壁の径拡大に伴って第2断熱材10や真空容器6についても径を拡大しており、これらが加熱容器8の側壁に沿って配置されるようにしてある。このように、SiC単結晶20の成長表面よりも原料ガス3aの流動方向下流側において加熱容器8の内径を拡大すると、未反応ガスの流路の断面積が急激に拡大する。このため、空間が拡大することでSiC多結晶の堆積が抑制されると共に、未反応ガスの流速が急激に低下し、逆圧力勾配が加わることでパーティクル化し易くなって、パーティクル18を生成することが可能となる。
例えば、未反応ガスの流路の断面積の拡大率は、拡大前と比較して2倍以上となるようにすると良い。流速は流路の断面積の拡大率に応じて決まるため、拡大前の2倍以上の拡大率となるようにすることで、流速を1/2以下にすることができる。また、SiC多結晶の成長も1/2以下になると考えられる。
また、パーティクル回収機構17をSUSや高融点金属等で構成された吸引管17eを備えた吸引機17dおよび除害装置17fによって構成している。吸引機17dや除害装置17fについては真空容器6の外部に設置してある。このようなパーティクル回収機構17では、吸引管17eを通じて吸引機17dによる吸引を行うことでパーティクル18を回収することができる。そして、吸引によって溜まったパーティクル18については、除害装置17fによって取り除くことで、吸引機17dの吸引能力の低下を防止することができる。このように、吸引機17dや除害装置17fを用いてパーティクル回収機構17を構成することもできる。このような構成とする場合、吸引機17dによる吸引能力が流出口4からの排気ガスの排出能力よりも高くなることから、連続的に吸引を行うのではなく、瞬間的かつ断続的に吸引を行うようにするのが好ましい。
このように、SiC単結晶20の成長表面よりも原料ガス3aの流動方向下流側において未反応ガスの流路の断面積を拡大することによっても、パーティクル18を生成することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態と第5実施形態を適用した組み合わせたものであり、その他に関しては第2実施形態と同様であるため、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図14に示すように、本実施形態も、第2実施形態と同様にサイドフロー方式としてあるが、原料ガス3aの流動方向下流側において上流側よりも排出口21を拡大することで、未反応ガスの流路の断面積が拡大するようにしてある。具体的には、排気部8c、10aや第3断熱材16および排気用黒鉛22のうち、排出口21の上方に位置する部分についてはSiC単結晶20の中心から径方向外側に離れるに従って上を向くように傾斜させ、排出口21の下方位置する部分についてはSiC単結晶20の中心から径方向外側に離れるに従って下を向くように傾斜させている。そして、この排出口21の出口と流出口4の入口との間に吸引管17eを配置するようにしている。
このように、第2実施形態のようなサイドフロー方式の排気形態とされたSiC単結晶製造装置1においても、排出口21を原料ガス3aの流動方向において拡大し、未反応ガスの流路の断面積を拡大させることで、第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、パーティクル生成機構とパーティクル回収機構17の組み合わせ例を示してきたが、上記した実施形態相互間においてその組み合わせを変えても良い。すなわち、第1実施形態などで示した仕切壁17aおよび容器17bを有したパーティクル回収機構17を第3、第5、第6実施形態に適用しても良い。また、第3実施形態などで示した吸着板17cを有したパーティクル回収機構17を第1、第2、第4〜第6実施形態に適用しても良い。また、第5実施形態などで示した吸引機17dや除害装置17fを有したパーティクル回収機構17を第1〜第4実施形態に適用しても良い。さらに、別のパーティクル回収機構17としても良い。例えば、パーティクル18の径よりも大きな気孔が無数に存在する多孔質材をパーティクル回収機構17として用いても良い。
また、パーティクル生成機構を重複して備えるようにすることもできる。例えば、加熱容器の上方からガス排気を行う方式(アップフロー方式)において、第1実施形態のような第3断熱材16を備えつつ、第3実施形態のような冷却機構30を備えることもできる。
また、上記第5実施形態では、加熱容器8の径拡大を行うことによって未反応ガスの流路の断面積を拡大したが、回転引上ガス供給機構11に備えられたパイプ材11aの径が上方に向かうに連れて縮小されるようにしても良い。勿論、加熱容器8の径拡大とパイプ材11aの径縮小の両方を行っても良い。
さらに、上記実施形態では、台座9の回転と引き上げおよびパージガス15の導入が行える回転引上ガス供給機構11を例に挙げたが、少なくとも引上げが行える引上機構であれば良い。
1 単結晶製造装置
5 種結晶
8 加熱容器
9 台座
11 回転引上ガス供給機構
12、13 第1、第2加熱装置
16 第3断熱材
17 パーティクル回収機構
18 パーティクル
20 SiC単結晶
21 排出口
22 排気用黒鉛
30 冷却機構

Claims (15)

  1. 真空容器(6)と、
    前記真空容器内に配置され、反応室を構成する中空形状の加熱容器(8)と、
    前記加熱容器内に配置された台座(9)と、
    前記加熱容器の外周のうち前記台座と対応する位置に配置され、前記加熱容器を加熱する加熱装置(13)と、
    前記台座に対して炭化珪素単結晶基板からなる種結晶(5)を設置し、前記加熱装置にて前記台座の周囲を加熱しつつ、前記真空容器に設けられた流入口(2)を通じて下方から前記種結晶の表面に炭化珪素の原料ガス(3a)を供給し、前記真空容器に設けられた流出口(4)を通じて排気ガスを排出することで前記種結晶の表面に炭化珪素単結晶(20)を結晶成長させる炭化珪素単結晶の製造装置であって、
    前記炭化珪素単結晶の成長表面よりも前記原料ガスの流動方向下流側において、前記炭化珪素単結晶の成長表面よりも前記原料ガスの流動方向下流側をそれよりも上流側と比較して低温化し、前記成長表面の上下流間において温度勾配を形成することにより、前記原料ガスのうち前記炭化珪素単結晶の成長に用いられなかった未反応ガスをパーティクル化させてパーティクル(18)を生成するパーティクル生成機構(1630)と、
    前記パーティクル生成機構よりも前記原料ガスの流動方向下流側に配置され、前記排気ガスと共に流動してくる前記パーティクルをトラップすることで回収するパーティクル回収機構(17)と、を有していることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記加熱容器の上方からガス排気を行うアップフロー方式とされ、
    前記パーティクル生成機構は、前記台座と対応する位置において、該台座を囲むように、前記加熱容器の内周壁から突き出す断熱材(16)によって構成されていることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 前記加熱容器の上方からガス排気を行うアップフロー方式とされ、
    前記パーティクル生成機構は、前記台座と対応する位置において、該台座を囲むように配置された冷却機構(30)によって構成されていることを特徴とする請求項またはに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  4. 前記炭化珪素単結晶の成長表面の高さにおいて、前記加熱容器の内外を連通させる排出口(21)を通じて前記炭化珪素単結晶の外周方向にガス排気を行うサイドフロー方式とされ、
    前記パーティクル生成機構は、前記排出口によって構成されていることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  5. 前記加熱容器の外周を囲む外周断熱材(10)を備え、
    前記排出口は、前記加熱容器と前記外周断熱材の隙間もしくは孔によって構成された排気部(8c、10a)のみによって構成されていることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  6. 前記パーティクル生成機構は、前記排出口のうちの出口側に備えられた冷却機構(30)も含んでいることを特徴とする請求項またはに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  7. 真空容器(6)と、
    前記真空容器内に配置され、反応室を構成する中空形状の加熱容器(8)と、
    前記加熱容器内に配置された台座(9)と、
    前記加熱容器の外周のうち前記台座と対応する位置に配置され、前記加熱容器を加熱する加熱装置(13)と、
    前記台座に対して炭化珪素単結晶基板からなる種結晶(5)を設置し、前記加熱装置にて前記台座の周囲を加熱しつつ、前記真空容器に設けられた流入口(2)を通じて下方から前記種結晶の表面に炭化珪素の原料ガス(3a)を供給し、前記真空容器に設けられた流出口(4)を通じて排気ガスを排出することで前記種結晶の表面に炭化珪素単結晶(20)を結晶成長させる炭化珪素単結晶の製造装置であって、
    前記炭化珪素単結晶の成長表面よりも前記原料ガスの流動方向下流側において、前記炭化珪素単結晶の成長表面よりも前記原料ガスの流動方向下流側をそれよりも上流側と比較して流路の断面積を拡大し、前記未反応ガスの流速を低下させることにより、前記原料ガスのうち前記炭化珪素単結晶の成長に用いられなかった未反応ガスをパーティクル化させてパーティクル(18)を生成するパーティクル生成機構(21、30)と、
    前記パーティクル生成機構よりも前記原料ガスの流動方向下流側に配置され、前記排気ガスと共に流動してくる前記パーティクルをトラップすることで回収するパーティクル回収機構(17)と、を有していることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  8. 前記加熱容器の上方からガス排気を行うアップフロー方式とされ、
    前記パーティクル生成機構は、円筒形状とされた前記加熱容器の内径を前記原料ガスの流動方向下流側において同上流側よりも拡大することによって構成されていることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  9. 前記炭化珪素単結晶の成長表面の高さにおいて、前記加熱容器の内外を連通させる排出口(21)を通じて前記炭化珪素単結晶の外周方向にガス排気を行うサイドフロー方式とされ、
    前記パーティクル生成機構は、前記排出口を前記原料ガスの流動方向下流側において同上流側よりも拡大することによって構成されていることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  10. 前記パーティクル回収機構は、前記加熱容器内から前記流出口を通過する前記排気ガスの経路に対して垂直方向に延設された仕切壁(17a)と該仕切壁が内蔵された容器(17b)とを有した構成とされていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  11. 前記パーティクル回収機構は、前記パーティクルの径よりも大きな気孔が無数に存在する多孔質材によって構成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  12. 前記パーティクル回収機構は、前記パーティクルを静電吸着もしくは冷熱吸着する吸着板(17c)によって構成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  13. 前記パーティクル回収機構は、前記パーティクルを吸引する吸引管(17e)を有する吸引機(17d)を有した構成とされていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  14. 真空容器(6)と、
    前記真空容器内に配置され、
    反応室を構成する中空形状の加熱容器(8)と、
    前記加熱容器内に配置された台座(9)と、
    前記加熱容器の外周のうち前記台座と対応する位置に配置され、前記加熱容器を加熱する加熱装置(13)と、を有する製造装置を用いて炭化珪素単結晶(20)を結晶成長させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、
    前記台座に対して炭化珪素単結晶基板からなる種結晶(5)を設置し、前記加熱装置にて前記台座の周囲を加熱しつつ、前記真空容器に設けられた流入口(2)を通じて下方から前記種結晶の表面に炭化珪素の原料ガス(3a)を供給し、前記真空容器に設けられた流出口(4)を通じて排気ガスを排出することで前記種結晶の表面に炭化珪素単結晶(20)を結晶成長させると共に、
    前記炭化珪素単結晶の成長表面よりも前記原料ガスの流動方向下流側に、前記炭化珪素単結晶の成長表面よりも前記原料ガスの流動方向下流側をそれよりも上流側と比較して低温化し、前記成長表面の上下流間において温度勾配を形成するパーティクル生成機構(1630)を配置することにより、前記原料ガスのうち前記炭化珪素単結晶の成長に用いられなかった未反応ガスをパーティクル化させてパーティクル(18)を生成したのち、前記排気ガスと共に流動してくる前記パーティクルを前記パーティクル生成機構よりも前記原料ガスの流動方向下流側に配置されたパーティクル回収機構(17)にてトラップすることで回収することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  15. 真空容器(6)と、
    前記真空容器内に配置され、
    反応室を構成する中空形状の加熱容器(8)と、
    前記加熱容器内に配置された台座(9)と、
    前記加熱容器の外周のうち前記台座と対応する位置に配置され、前記加熱容器を加熱する加熱装置(13)と、を有する製造装置を用いて炭化珪素単結晶(20)を結晶成長させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、
    前記台座に対して炭化珪素単結晶基板からなる種結晶(5)を設置し、前記加熱装置にて前記台座の周囲を加熱しつつ、前記真空容器に設けられた流入口(2)を通じて下方から前記種結晶の表面に炭化珪素の原料ガス(3a)を供給し、前記真空容器に設けられた流出口(4)を通じて排気ガスを排出することで前記種結晶の表面に炭化珪素単結晶(20)を結晶成長させると共に、
    前記炭化珪素単結晶の成長表面よりも前記原料ガスの流動方向下流側に、前記炭化珪素単結晶の成長表面よりも前記原料ガスの流動方向下流側をそれよりも上流側と比較して流路の断面積を拡大し、前記未反応ガスの流速を低下させるパーティクル生成機構(21、30)を配置することにより、前記原料ガスのうち前記炭化珪素単結晶の成長に用いられなかった未反応ガスをパーティクル化させてパーティクル(18)を生成したのち、前記排気ガスと共に流動してくる前記パーティクルを前記パーティクル生成機構よりも前記原料ガスの流動方向下流側に配置されたパーティクル回収機構(17)にてトラップすることで回収することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
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