JP5407899B2 - 炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法 Download PDF

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本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)単結晶の製造装置および製造方法に関するものである。
従来より、SiC単結晶製造装置として、例えば特許文献1に示される構造の製造装置が提案されている。このSiC単結晶製造装置では、導入管を通じてSiCの原料ガスを加熱容器内に導入すると共に加熱容器にて原料ガスを分解し、分解した原料ガスを台座に貼り付けられた種結晶に導いている。
特開2004−339029号公報
図7は、従来のSiC単結晶製造装置における原料ガス流の様子を示した模式的断面図である。この図に示す製造装置では、従来のSiC単結晶製造装置の加熱容器J1に邪魔板J2を備えた構造としており、導入通路J3を通じて加熱容器J1に導入された原料ガスJ4が邪魔板J2に衝突させられることでパーティクルが除去されるようにしている。そして、加熱容器J1内で分解した原料ガスJ4を台座J5に貼り付けられた種結晶J6に供給することで、種結晶J6の表面にSiC単結晶を成長させている。
このようにしてSiC単結晶を製造するとき、台座J5の周囲等にSiC多結晶で構成されるスラグJ7が形成される。このスラグJ7が加熱容器J1の底部に降り積もると、原料ガスJ4の流動経路中にスラグJ7が存在することで、パーティクルの発生原因となったり、原料ガスJ4の流動が阻害されて原料ガスJ4が良好に供給されなくなる等の問題を発生させる。特に、上記のように加熱容器J1に邪魔板J2を備えた構造とする場合、降り積もったスラグJ9によって邪魔板J2の連通孔が塞がれたり、邪魔板J2にスラグが溶着してしまうという問題も発生し得る。
本発明は上記点に鑑みて、加熱容器内に落下するSiC多結晶の影響を抑制できるSiC単結晶製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、加熱容器(8)は、中空円筒状部材を有した構造とされ、該中空円筒状部材の一端側から原料ガス(3)を導入すると共に、該中空円筒状部材の他端側から原料ガス(3)を導出することで種結晶(5)に対して原料ガス(3)を供給しており、中空円筒状部材の内壁面に内径が台座の寸法よりも小さくされ、かつ、中空円筒状部材の軸方向における中間位置に配置された円環状の受皿(8d)を備えていることを特徴としている。
このように、加熱容器(8)に受皿(8d)を備えることによってSiC多結晶(15)が加熱容器(8)の底部に落下することを防止できる。これにより、SiC多結晶(15)がパーティクルの発生原因となったり、原料ガス(3)の流動が阻害されて原料ガス(3)が良好に供給されなくなることを防止することができる。また、邪魔板(8b)を備える場合には、邪魔板(8b)にSiC多結晶(15)が溶着してしまうことを防止できる。したがって、加熱容器(8)内に落下するSiC多結晶(15)の影響を抑制することが可能となる
請求項2に記載の発明では、加熱容器(8)の外周を囲む円筒状の外周壁(10)と、外周壁(10)における台座(9)と対応する位置に形成されるSiC多結晶(15)を掻き出すための掻き出し機構(20)とを有し、加熱容器(8)における中空円筒状部材の台座(9)側の端部には外径が徐々に拡大されるテーパ部(8e)が設けられていると共に、該テーパ部(8e)が外周壁(10)の内壁面と接触した構造とされていることを特徴としている。
このように、掻き出し機構(20)を備えると共に、加熱容器(8)にテーパ部(8e)を備えることで、外周壁(10)の内周面に形成されるSiC多結晶(15)を積極的に掻き出し、掻き出されたSiC多結晶(15)がテーパ部(8e)を転がって受皿(8d)に落下するようにできる。このように、外周壁(10)の内周面に形成されるSiC多結晶(15)を積極的に除去することも可能である。
この場合、例えば、請求項3に記載したように、台座(9)に接続される回転軸(11a)を有し、回転軸(11a)を回転させることで台座(9)と共に種結晶(5)を回転させる回転機構(11)を備え、回転軸(11a)を中心として径方向に延ばされ、かつ、先端が外周壁(10)の内壁面に接した掻き出し板(21)によって掻き出し機構(20)を構成し、該掻き出し板(21)が回転軸(11a)の回転に伴って回転させられるような構成とすることができる。
請求項4、5に記載の発明は、請求項1、2に記載の発明をSiC単結晶の製造方法として把握したものである。このような製造方法により、請求項1、2に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
さらに、請求項6に記載したように、受皿(8d)に落下したSiC多結晶(15)を再び昇華させ、SiC単結晶に供給することで成長原料とすることもできる。このように、SiC多結晶(15)を再利用することで、SiC単結晶の成長効率、すなわち原料ガス(3)の導入量に対するSiC単結晶の成長量をより向上させることが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 図1に示すSiC単結晶製造装置1を用いたSiC単結晶の製造中の様子を示したイメージ図である。 (a)は、本発明の第2実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図であり、(b)は、掻き出し機構20の斜視図である。 本発明の第3実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 本発明の第4実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 本発明の他の実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 従来のSiC単結晶製造装置1の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に、本実施形態のSiC単結晶製造装置1の断面図を示す。また、図2は、図1に示すSiC単結晶製造装置1を用いたSiC単結晶の製造中の様子を示したイメージ図である。以下、この図を参照してSiC単結晶製造装置1の構造について説明する。
図1に示すSiC単結晶製造装置1は、底部に備えられた流入口2を通じてキャリアガスと共にSiおよびCを含有するSiCの原料ガス3(例えば、シラン等のシラン系ガスとプロパン等の炭化水素系ガスの混合ガス)を供給し、上部の流出口4を通じて排出することで、SiC単結晶製造装置1内に配置したSiC単結晶基板からなる種結晶5上にSiC単結晶を結晶成長させるものである。
SiC単結晶製造装置1には、真空容器6、第1断熱材7、加熱容器8、台座9、外周壁10、回転引上機構11、第2断熱材12および第1、第2加熱装置13、14が備えられている。
真空容器6は、石英ガラスなどで構成され、中空円筒状を為しており、キャリアガスや原料ガス3の導入導出が行え、かつ、SiC単結晶製造装置1の他の構成要素を収容すると共に、その収容している内部空間の圧力を真空引きすることにより減圧できる構造とされている。この真空容器6の底部に原料ガス3の流入口2が設けられ、上部(具体的には側壁の上方位置)に原料ガス3の流出口4が設けられている。
第1断熱材7は、円筒形状を為しており、真空容器6に対して同軸的に配置され、中空部により原料ガス導入管7aを構成している。第1断熱材7は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングした黒鉛などで構成される。
加熱容器8は、種結晶5の表面にSiC単結晶を成長させる反応室を構成しており、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングした黒鉛などで構成され、台座9よりも原料ガス3の流動経路上流側に配置されている。この加熱容器8により、流入口2から供給された原料ガス3を種結晶5に導くまでに、原料ガス3に含まれたパーティクルを排除しつつ、原料ガス3を分解している。
具体的には、加熱容器8は、中空円筒状部材を有した構造とされ、本実施形態の場合は有底円筒状部材で構成されている。加熱容器8には、底部に第1断熱材7の中空部と連通させられるガス導入口8aが備えられ、第1断熱材7の中空部を通過してきた原料ガス3がガス導入口8aを通じて加熱容器8内に導入される。また、加熱容器8には、邪魔板8bが備えられ、この邪魔板8bに原料ガス3が衝突することで原料ガス3の流動経路が曲げられ、原料ガス3に含まれるパーティクルの排除と原料ガス3のミキシングが行われると共に、未分解の原料ガス3が種結晶5側に供給されることが抑制されている。
例えば、邪魔板8bは、有底円筒状で、側壁に複数の連通孔8cが形成された構造とされ、邪魔板8bの開口部側、つまり底部と反対側の端部が加熱容器8の底部のガス導入口8aを向けて配置される。このような構造の場合、ガス導入口8aから導入された原料ガス3が邪魔板8bの底面に衝突するため、邪魔板8bに衝突したパーティクルが加熱容器8の底部に落下して原料ガス3から排除される。そして、流動経路が加熱容器8の軸方向と平行な方向から垂直な方向に変えられた原料ガス3が、連通孔8cを通じて加熱容器8における邪魔板8bよりも流動経路下流側に導かれる。
さらに、本実施形態では、加熱容器8の内周面にスラグを受け止めるための受皿8dを備えてある。受皿8dは、加熱容器8における中空円筒状部材の内周面全周に配置されるように上面形状が円環状(リング状)とされていて、スラグが収容される所定深さの溝部を備えている。受皿8dの配置される高さは、例えば加熱容器8の中間位置近傍とされ、少なくとも邪魔板8bよりも高く、かつ、受皿8dの底面または内周面と邪魔板8bとの間に原料ガス3が通過する隙間が空けられる高さとされている。また、受皿8dの内径は、後述する台座9の外径以下の寸法とされており、台座9の周囲に付着したスラグが落下してきた時に、受皿8dに受け止められるようになっている。
台座9は、例えば円柱形状とされており、加熱容器8の中心軸と同軸的に配置され、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングした黒鉛などで構成される。この台座9に、同等寸法の径を有する種結晶5が貼り付けられ、種結晶5の表面にSiC単結晶を成長させる。
外周壁10は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングした黒鉛などで構成され、加熱容器8や台座9の外周を囲みつつ、台座9側に導かれた原料ガス3の残りを流出口4側に導く。具体的には、種結晶5に供給された後の原料ガス3の残りが台座9と外周壁10との間の隙間を通過し、流出口4に導かれるようになっている。
回転引上機構11は、パイプ材11aの回転および引上げを行うものである。パイプ材11aは、一端が台座9のうち種結晶5が貼り付けられる面と反対側の面に接続されており、他端が回転引上機構11の本体に接続されている。このような構造により、パイプ材11aと共に台座9、種結晶5およびSiC単結晶の回転および引き上げが行え、SiC単結晶の成長面が所望の温度分布となるようにしつつ、SiC単結晶の成長に伴って、その成長表面の温度が常に成長に適した温度に調整できる。パイプ材11aも、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングした黒鉛などで構成される。なお、パイプ材11aは回転軸や引上軸となるものであれば良いため、単なる棒状部材などであっても良い。
第2断熱材12は、真空容器6の側壁面に沿って配置され、中空円筒状を為している。この第2断熱材12により、ほぼ第1断熱材7や加熱容器8、台座9および外周壁10等が囲まれている。この第2断熱材12も、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングされた黒鉛などで構成される。
第1、第2加熱装置13、14は、例えば誘導加熱用コイルやヒータなどで構成され、真空容器6の周囲を囲むように配置されている。これら第1、第2加熱装置13、14は、それぞれ独立して温度制御できるように構成されている。このため、より細やかな温度制御を行うことができる。第1加熱装置13は、加熱容器8と対応した位置に配置されている。第2加熱装置14は、台座9と対応した位置に配置されている。このような配置とされているため、第1、第2加熱装置13、14を制御することにより、SiC単結晶の成長表面の温度分布をSiC単結晶の成長に適した温度に調整できると共に、加熱容器8の温度をパーティクルの除去に適した温度に調整できる。
続いて、このように構成されたSiC単結晶製造装置を用いたSiC単結晶の製造方法について説明する。
まず、第1、第2加熱装置13、14を制御し、所望の温度分布を付ける。すなわち、種結晶5の表面において原料ガス3が再結晶化されることでSiC単結晶が成長しつつ、加熱容器8内において再結晶化レートよりも昇華レートの方が高くなる温度となるようにする。
また、真空容器6を所望圧力にしつつ、必要に応じてArガスなどの不活性ガスによるキャリアガスや水素などのエッチングガスを導入しながら原料ガス導入管7aを通じて原料ガス3を導入する。これにより、図1および図2中の矢印で示したように、原料ガス3が流動し、種結晶5に供給されてSiC単結晶を成長させることができる。
このとき、原料ガス3にパーティクルが含まれていることがある。パーティクルは、例えば原料ガス3中のSi成分もしくはC成分の凝集または黒鉛で構成された部材の通路内面の剥離や通路内面に付着したSiCの剥離などによって形成され、原料ガス3に含まれて流動させられる。しかしながら、パーティクルを含む原料ガス3を邪魔板8bに衝突させて落下させることができるため、種結晶5の表面やSiC単結晶の成長表面に辿り着かないようにできる。したがって、高品質なSiC単結晶を製造することができる。
そして、このようにSiC単結晶を製造しているときに、台座9の周囲などにSiC多結晶で構成されるスラグ15が形成され、それが落下してくることがある。しかしながら、本実施形態では、加熱容器8の内周面にスラグ15を受け止めるための受皿8dを備えてあるため、スラグ15が受皿8dよりも下方、つまり加熱容器8の底部まで落下してしまうことを防止することができる。
このため、落下したスラグ15が原料ガス3の流動経路中にスラグ15が存在しないようにできるため、パーティクルの発生原因となったり、原料ガス3の流動が阻害されて原料ガス3が良好に供給されなくなる等の問題を発生させないようにできる。また、加熱容器8に邪魔板8bを備えた構造としても、降り積もったスラグ15によって邪魔板8bの連通孔8cが塞がれることも防止できるし、邪魔板8bにスラグ15が溶着してしまうことも防止できる。よって、より高品質なSiC単結晶を製造することができるし、SiC単結晶を長時間成長させてもスラグ15による影響を抑制できるため、よりSiC単結晶を長尺成長させることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、加熱容器8に受皿8dを備えることによってスラグ15が加熱容器8の底部に落下することを防止できる。これにより、スラグ15がパーティクルの発生原因となったり、原料ガス3の流動が阻害されて原料ガス3が良好に供給されなくなることを防止することができる。また、邪魔板8bにスラグ15が溶着してしまうことを防止できる。したがって、加熱容器8内に落下するSiC多結晶の影響を抑制することが可能となる。そして、このようなSiC単結晶製造装置1により、より高品質なSiC単結晶をより長尺成長させることが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して加熱容器8の構成を変更すると共にスラグ掻き出し機構を備えたものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図3(a)は、本実施形態のSiC単結晶製造装置の断面図である。図3(a)に示されるように、本実施形態では、加熱容器8における中空円筒状部材の台座9側の端部に、外径が徐々に拡大されるテーパ部8eを設け、テーパ部8eが外周壁10の内壁面と接触した構造となるようにしている。また、パイプ材11aの周囲には、台座9と共に回転させられる掻き出し機構20が備えられ、外周壁10の内壁面に形成されるスラグ15を掻き出し機構20によって積極的に掻き出し、落下させることで受皿8dに落下させるようにしている。
例えば、図3(b)に示す斜視図のように、掻き出し機構20は、パイプ材11aを中心として、パイプ材11aから径方向に伸ばされた複数本の掻き出し板21にて構成され、複数本の掻き出し板21の先端面が外周壁10の内壁面に沿って摺動させられることでスラグ15の掻き出しを行う。そして、掻き出し機構20のうち、掻き出し板21が備えられていない箇所を通じて原料ガス3が流出口4側に導かれるようにしている。
このように、掻き出し機構20を備えると共に、加熱容器8にテーパ部8eを備えることで、外周壁10の内周面に形成されるスラグ15を積極的に掻き出し、掻き出されたスラグ15がテーパ部8eを転がって受皿8dに落下するようにできる。このように、外周壁10の内周面に形成されるスラグ15を積極的に除去することも可能である。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して受皿8dの位置を調整したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図4は、本実施形態のSiC単結晶製造装置の断面図である。この図に示されるように、本実施形態では、加熱容器8に備えた受皿8dの位置を調整し、受皿8dに落下してきたスラグ15を昇華させて原料ガス3と共にSiC単結晶の成長用原料として用いるようにしている。受皿8dの場所に関しては、SiC単結晶製造装置1のサイズなどによって決まるが、基本的には、加熱容器8のうちSiC単結晶を成長させているときに温度が2450℃位となる位置に備えるようにしている。
このように、スラグ15は、SiC多結晶で構成されていることから、受皿8dに落下してきたスラグ15を昇華させることでSiC単結晶の成長原料として再利用することができる。このため、スラグ15を再利用することで、SiC単結晶の成長効率、すなわち原料ガス3の導入量に対するSiC単結晶の成長量をより向上させることが可能となる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対して第3実施形態と同様に受皿8dの位置を調整したものであり、その他に関しては第2実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図5は、本実施形態のSiC単結晶製造装置の断面図である。この図に示されるように、本実施形態では、第2実施形態のように掻き出し機構20を備えたものにおいて、加熱容器8に備えた受皿8dの位置を調整し、受皿8dに落下してきたスラグ15を昇華させて原料ガス3と共にSiC単結晶の成長用原料として用いるようにしている。この場合においても、SiC単結晶製造装置1のサイズなどによって受皿8dの場所が決まることになるが、基本的には、加熱容器8のうちSiC単結晶を成長させているときに温度が2450℃位となる位置に備えるようにする。
このように、第2実施形態の構造のSiC単結晶製造装置に関しても、受皿8dに落下してきたスラグ15を昇華させることでSiC単結晶の成長原料として再利用することができる。そして、掻き出し機構20によって外周壁10の内周面に形成されたスラグ15も積極的に掻き出して成長原料として再利用することが可能となるため、SiC単結晶の成長効率をさらに向上させることが可能となる。
(他の実施形態)
上記各実施形態に示したSiC単結晶製造装置1の具体的な構造は、単なる一例であり、形状や材質などについて適宜変更することができる。
また、台座9および種結晶5が共に円形状である場合について説明したが、これらは必ずしも円形状である必要はなく、正方形などの他の形状であっても構わない。この場合でも、受皿8dの内径が台座9よりも小さくなるようにしておけば、台座9の周囲に形成されたスラグ15を受皿8dで受け止めることが可能である。
さらに、上記各実施形態では、加熱容器8を有底円筒状部材としたが底部を有しない単なる中空円筒状部材としても良い。
また、上記第3、第4実施形態では、スラグ15をSiC単結晶の成長原料として再利用する場合について説明したが、スラグ15に水素ガスが供給されるようにすると、より効果的にスラグ15を昇華させることが可能となる。図6は、スラグ15に対して水素ガスを供給できる構造としたSiC単結晶製造装置の一例を示した断面図である。この図に示されるように、加熱容器8のうちの中空円筒状部材や受皿8dに水素ガス供給路8fを形成し、この供給路8fを通じて受皿8dの底面側から上方に向けて水素ガスが供給されるようにすることができる。このように、スラグ15に水素ガスが供給されるようにするとスラグ15の昇華を促進することが可能となり、SiC単結晶の成長効率をさらに向上させることが可能となる。
また、上記第4実施形態において、冷却装置などを用いることで外周壁10のうち台座9の近傍が比較的低温となるようにし、積極的にスラグ15が形成されるようにすれば、スラグ15の発生量が増加する。このため、よりスラグ15からの昇華量を増加させることが可能となり、SiC単結晶の成長効率をさらに向上させることが可能となる。
さらに、上記第1〜第4実施形態では、パイプ材11aが回転引き上げ機構に接続されることで、台座9と共に種結晶5が回転および引上げられるようにしている。しかしながら、回転と引上げの双方を行う必要はなく、台座9と共に種結晶5が回転させられるだけであっても構わない。このような回転機構のみが備えられるような構成であっても、第2、第4実施形態で示したような掻き出し機構20を備えることは可能であり、その場合であっても、スラグ15をSiC単結晶の成長原料として再利用することができる。ただし、引き上げ機構を備えておらず、SiC単結晶の長尺成長に限界があることから、より長尺なSiC単結晶を成長させるのであれば、引上げ機構も備えるのが好ましい。
なお、上記各実施形態では、邪魔板8bを備えた例について説明した。これは、邪魔板8bを備えることにより、邪魔板8bに原料ガス3を衝突させ、原料ガス3に含まれるパーティクルの排除と原料ガス3のミキシングを行いつつ、未分解の原料ガス3が種結晶5側に供給されることを抑制するためである。しかしながら、邪魔板8bは必ず必要な物という訳ではなく、邪魔板8bを無くしても構わない。その場合、受皿8dの内径を小さくし、例えば原料ガス導入管7aの内径の1/6〜1/4程度に設定すれば、受皿8dによって原料ガス3に含まれるパーティクルの排除を行うことも可能となる。
1 SiC単結晶製造装置
3 原料ガス
5 種結晶
6 真空容器
8 加熱容器
8a ガス導入口
8b 邪魔板
8c 連通孔
8d 受皿
8e テーパ部
9 台座
10 外周壁
11 パイプ材
13 第1加熱装置
14 第2加熱装置
20 掻き出し機構

Claims (6)

  1. 台座(9)に対して炭化珪素単結晶基板にて構成された種結晶(5)を配置し、該種結晶(5)の下方から炭化珪素の原料ガス(3)を供給することにより、前記種結晶(5)の表面に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記台座(9)よりも前記原料ガス(3)の流動経路上流側に配置され、前記原料ガス(3)の加熱を行う加熱容器(8)を備え、
    前記加熱容器(8)は、中空円筒状部材を有した構造とされ、該中空円筒状部材の一端側から前記原料ガス(3)を導入すると共に、該中空円筒状部材の他端側から前記原料ガス(3)を導出することで前記種結晶(5)に対して前記原料ガス(3)を供給しており、前記中空円筒状部材の内壁面に内径が前記台座の寸法よりも小さくされ、かつ、前記中空円筒状部材の軸方向における中間位置に配置された円環状の受皿(8d)を備えていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記加熱容器(8)の外周を囲む円筒状の外周壁(10)と、
    前記外周壁(10)における前記台座(9)と対応する位置に形成される炭化珪素多結晶(15)を掻き出すための掻き出し機構(20)とを有し、
    前記加熱容器(8)における前記中空円筒状部材の前記台座(9)側の端部には外径が徐々に拡大されるテーパ部(8e)が設けられていると共に、該テーパ部(8e)が前記外周壁(10)の内壁面と接触した構造とされていることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 前記台座(9)に接続される回転軸(11a)を有し、前記回転軸(11a)を回転させることで前記台座(9)と共に前記種結晶(5)を回転させる回転機構(11)を備え、
    前記掻き出し機構(20)は、前記回転軸(11a)を中心として径方向に延ばされ、かつ、先端が前記外周壁(10)の内壁面に接した掻き出し板(21)であり、該掻き出し板(21)が前記回転軸(11a)の回転に伴って回転させられるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  4. 台座(9)に対して炭化珪素単結晶基板にて構成された種結晶(5)を配置し、炭化珪素の原料ガス(3)を下方から供給することで上方に位置する前記種結晶(5)に供給し、前記種結晶(5)の表面に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    中空円筒状部材を有した構造とされ、前記中空円筒状部材の一端側から前記原料ガス(3)を導入すると共に、該原料ガス(3)を加熱したのち前記中空円筒状部材の他端側から前記原料ガス(3)を導出することで前記種結晶(5)に対して供給する加熱容器(8)を前記台座(9)よりも前記原料ガス(3)の流動経路上流側に配置すると共に、該加熱容器(8)における前記中空円筒状部材の内周面に内径が前記台座の寸法よりも小さくされ、かつ、前記中空円筒状部材の軸方向における中間位置に配置された円環状の受皿(8d)を配置し、
    前記台座(9)の周囲に発生する炭化珪素多結晶(15)の落下を前記受皿(8d)にて受け止めつつ、前記加熱容器(8)を通じて前記種結晶(5)の前記原料ガス(3)を供給することで、前記種結晶(5)の表面に前記炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記加熱容器(8)の外周を円筒状の外周壁(10)にて囲むと共に、前記外周壁(10)における前記台座(9)と対応する位置に形成される炭化珪素多結晶(15)を掻き出すための掻き出し機構(20)を設置し、
    前記加熱容器(8)における前記中空円筒状部材の前記台座(9)側の端部に外径が徐々に拡大されるテーパ部(8e)を設けることで、該テーパ部(8e)を前記外周壁(10)の内壁面と接触させ、
    前記掻き出し機構(20)にて掻き出した前記炭化珪素多結晶(15)が前記テーパ部(8e)で転がって前記受皿(8d)に落下させるようにすることを特徴とする請求項4に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記受皿(8d)に落下した前記炭化珪素多結晶(15)を再び昇華させ、前記炭化珪素単結晶に供給することで成長原料とすることを特徴とする請求項4または5に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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