JP3788219B2 - プリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体 - Google Patents

プリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、余白なし印刷を実行するためのプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンタで、余白なし印刷を実現するための技術開発が進められている。このような技術の一つとして、インクジェットプリンタのプラテンに、インク受け開口穴を形成し、このインク受け開口穴上に印刷用紙の端が位置しているときに、印刷ヘッドからインクを噴射して、印刷用紙の端にインク滴を当てる一方で、印刷用紙の端にあたらなかったインク滴をインク受け開口穴で受けることで、プラテン上を汚さずに印刷用紙の端を印刷する技術がある。この余白なし印刷を実行する際、プリンタは、印刷用紙サイズよりも僅かに大きなサイズの領域に対して、インクを噴射する必要がある。このため、ユーザは、例えば、A4サイズの用紙に対して、A4サイズより僅かに大きなサイズのドキュメントを準備した後、ユーザは、プリンタドライバに対して、A4サイズよりも僅かに大きな用紙サイズ及び印刷領域を設定する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術では、前述したように、A4サイズの用紙に対して余白なし印刷を実行する場合、ユーザは、プリンタドライバに対して、A4サイズよりも僅かに大きな用紙サイズ及び印刷領域をわざわざ設定しなければならず、甚だ面倒であるという問題点がある。
【0004】
本発明は、このような従来技術の問題点を踏まえ、余白なし印刷する際のユーザの負担を軽減することができるプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための第一の記憶媒体は、
アプリケーションで作成された描画データであって、特定のサイズの印刷用紙に対する描画データを、印刷コマンドに変換し、該印刷コマンドをプリンタへ送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付ステップと、前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズよりも大きなサイズの印刷領域を設定する余白なし印刷条件設定ステップと、前記余白なし印刷条件設定ステップで設定された前記印刷領域のサイズに応じて前記描画データの示すイメージを拡大し、該印刷領域内で前記プリンタが印刷を実行するよう、該描画データを前記印刷コマンドに変換する印刷コマンド作成ステップと、を有し、
前記プリンタホストに接続される前記プリンタで余白なし印刷する際の各種サイズの印刷用紙に対する必要最小限度の拡大量が予め記憶され、
前記余白なし印刷条件設定ステップでは、前記印刷領域として、実際に印刷される特定のサイズの印刷用紙に対する前記必要最小限度の拡大量に基づいて必要最小限度の印刷領域を定めると共に、該必要最小限度の印刷領域に外接し且つ前記印刷用紙と相似形の拡大イメージ領域を定め、
前記印刷コマンド作成ステップでは、前記印刷用紙の前記特定のサイズに対する前記拡大イメージ領域のサイズの拡大倍率で、前記描画データの示すイメージを拡大し、前記印刷領域としての前記必要最小限度の印刷領域内で前記プリンタが印刷を実行するよう、該描画データを前記印刷コマンドに変換する、
ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されているものである。
【0010】
前記目的を達成するための第二の記憶媒体は、
アプリケーションで作成された描画データであって、特定のサイズの印刷用紙に対する描画データを、印刷コマンドに変換し、該印刷コマンドをプリンタへ送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付ステップと、前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズよりも大きなサイズの印刷領域を設定する余白なし印刷条件設定ステップと、前記余白なし印刷条件設定ステップで設定された前記印刷領域のサイズに応じて前記描画データの示すイメージを拡大し、該印刷領域内で前記プリンタが印刷を実行するよう、該描画データを前記印刷コマンドに変換する印刷コマンド作成ステップと、を有し、
前記印刷領域の前記拡大量は、各種プリンタで各種サイズの印刷用紙に余白なし印刷する際の各必要最小限度の拡大量のうち、最大拡大量であり、前記余白なし印刷条件設定ステップでは、実際に印刷される特定のサイズの印刷用紙に対する前記最大拡大量に基づいて前記印刷領域を定めると共に、該印刷領域に外接し且つ前記印刷用紙と相似形の拡大イメージ領域を定め、前記印刷コマンド作成ステップでは、前記印刷用紙の前記特定のサイズに対する前記拡大イメージ領域のサイズの拡大倍率で、前記描画データの示すイメージを拡大し、前記印刷領域としての前記必要最小限度の印刷領域内で前記プリンタが印刷を実行するよう、該描画データを前記印刷コマンドに変換する、ことを特徴とするものである。
【0011】
前記目的を達成するための第三の記憶媒体は、
前記第一の記憶媒体において、
前記余白なし印刷条件設定ステップで設定する前記印刷領域は、実際に印刷する印刷用紙の前記特定のサイズが変わっても、該特定のサイズに対する拡大量は一定である、ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されているものである。
【0012】
前記目的を達成するための第四の記憶媒体は、
前記第三の記憶媒体において、
前記印刷領域の前記拡大量は、各種プリンタで各種サイズの印刷用紙に余白なし印刷する際の各必要最小限度の拡大量のうち、最大拡大量であり、前記プリンタホストに接続される前記プリンタで余白なし印刷する際の各種サイズの印刷用紙に対する必要最小限度の拡大量が予め記憶され、前記余白なし印刷条件設定ステップでは、実際に印刷される特定のサイズの印刷用紙に対する前記必要最小限度の拡大量よりも前記印刷領域の拡大量が大きい場合、該印刷領域の端から両拡大量の差分の寸法の位置までの部分を印刷不要領域として定め、前記印刷コマンド作成ステップでは、前記印刷コマンドとして、前記印刷不要領域には、印刷するデータが無いものとする印刷コマンドを作成する、ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されているものである。
前記目的を達成するための第五の記憶媒体は、
アプリケーションで作成された描画データであって、実際に印刷される印刷用紙の特定のサイズよりも大きなサイズの印刷用紙に対する描画データを、印刷コマンドに変換し、該印刷コマンドをプリンタへ送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズを受け付ける用紙サイズ受付ステップと、余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付ステップと、前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズよりも大きなサイズの印刷領域を設定する余白なし印刷条件設定ステップと、前記余白なし印刷条件設定ステップで設定された前記印刷領域内に、前記プリンタが印刷を実行するよう、前記描画データを前記印刷コマンドに変換する印刷コマンド作成ステップと、を有し、
前記余白なし印刷条件設定ステップで設定する前記印刷領域は、実際に印刷する印刷用紙の前記特定のサイズが変わっても、該特定のサイズに対する拡大量は一定で、前記印刷領域の前記拡大量は、各種プリンタで各種サイズの印刷用紙に余白なし印刷する際の各必要最小限度の拡大量のうち、最大拡大量であり、前記プリンタホストに接続される前記プリンタで余白なし印刷する際の各種サイズの印刷用紙に対する必要最小限度の拡大量が予め記憶され、前記余白なし印刷条件設定ステップでは、実際に印刷される特定のサイズの印刷用紙に対する前記必要最小限度の拡大量よりも前記印刷領域の拡大量が大きい場合、該印刷領域の端から両拡大量の差分の寸法の位置までの部分を印刷不要領域として定め、前記印刷コマンド作成ステップでは、前記印刷コマンドとして、前記印刷不要領域には、印刷するデータが無いものとする印刷コマンドを作成する、ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されているものである。
【0013】
前記目的を達成するための第六の記憶媒体は、
前記第三の記憶媒体において、
前記印刷領域の前記拡大量は、各種プリンタで各種サイズの印刷用紙に余白なし印刷する際の各必要最小限度の拡大量のうち、最大拡大量であり、前記プリンタホストに接続される前記プリンタで余白なし印刷する際の各種サイズの印刷用紙に対する必要最小限度の拡大量が予め記憶され、前記余白なし印刷条件設定ステップでは、実際に印刷される特定のサイズの印刷用紙に対する前記必要最小限度の拡大量よりも前記印刷領域の拡大量が大きい場合、実際に印刷される印刷用紙の該特定のサイズと前記必要最小限度の前記拡大量とから、余白なし印刷時の必要最小限度の印刷領域の寸法を定め、前記印刷コマンド作成ステップでは、前記余白なし印刷条件設定ステップで定めた前記必要最小限度の寸法をコマンド化し、該必要最小限度の寸法の範囲外を前記プリンタに印刷させない、ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されているものである。
前記目的を達成するための第七の記憶媒体は、
アプリケーションで作成された描画データであって、実際に印刷される印刷用紙の特定のサイズよりも大きなサイズの印刷用紙に対する描画データを、印刷コマンドに変換し、該印刷コマンドをプリンタへ送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズを受け付ける用紙サイズ受付ステップと、余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付ステップと、前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズよりも大きなサイズの印刷領域を設定する余白なし印刷条件設定ステップと、前記余白なし印刷条件設定ステップで設定された前記印刷領域内に、前記プリンタが印刷を実行するよう、前記描画データを前記印刷コマンドに変換する印刷コマンド作成ステップと、を有し、
前記余白なし印刷条件設定ステップで設定する前記印刷領域は、実際に印刷する印刷用紙の前記特定のサイズが変わっても、該特定のサイズに対する拡大量は一定で、前記印刷領域の前記拡大量は、各種プリンタで各種サイズの印刷用紙に余白なし印刷する際の各必要最小限度の拡大量のうち、最大拡大量であり、前記プリンタホストに接続される前記プリンタで余白なし印刷する際の各種サイズの印刷用紙に対する必要最小限度の拡大量が予め記憶され、前記余白なし印刷条件設定ステップでは、実際に印刷される特定のサイズの印刷用紙に対する前記必要最小限度の拡大量よりも前記印刷領域の拡大量が大きい場合、実際に印刷される印刷用紙の該特定のサイズと前記必要最小限度の前記拡大量とから、余白なし印刷時の必要最小限度の印刷領域の寸法を定め、前記印刷コマンド作成ステップでは、前記余白なし印刷条件設定ステップで定めた前記必要最小限度の寸法をコマンド化し、該必要最小限度の寸法の範囲外を前記プリンタに印刷させない、ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されているものである。
【0014】
なお、以上の第一から第七までの記憶媒体において、プリンタホストに接続されるプリンタは、インクジェットプリンタでも、レーザプリンタでもよい。
【0015】
前記目的を達成するための第八の記憶媒体は、
前記第一から第七のいずれかの記憶媒体であって、
給紙方向に並んでいる複数のノズルを有する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドと対向する位置に配置されているプラテンとを備え、該プラテンには、前記給紙方向に対して垂直な方向に伸びている給紙側インク受け開口及び排紙側インク受け開口が形成されているプリンタに対して、前記印刷コマンドを送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
前記印刷コマンド作成ステップでは、前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、前記印刷コマンドとして、実際に印刷される印刷用紙の前記給紙方向における前端部の印刷時には、前記印刷ヘッドの複数の前記ノズルのうち、前記給紙側インク受け開口と前記排紙側インク受け開口とうちの一方の開口内に、噴射されたインクが収まるノズルのみからインクを噴射させる印刷コマンドを作成し、前記印刷用紙の後端部の印刷時には、該印刷ヘッドの複数の該ノズルのうち、該給紙側インク受け開口と該排紙側インク受け開口とのうちの他方の開口内に、噴射されたインクが収まるノズルのみからインクが噴射される印刷コマンドを作成する、ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されているものである。
前記目的を達成するための第九の記憶媒体は、
給紙方向に並んでいる複数のノズルを有する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドと対向する位置に配置されているプラテンとを備え、該プラテンには、前記給紙方向に対して垂直な方向に伸びている給紙側インク受け開口及び排紙側インク受け開口が形成されているプリンタに対して、
アプリケーションで作成された描画データであって、実際に印刷される印刷用紙の特定のサイズよりも大きなサイズの印刷用紙に対する描画データを、印刷コマンドに変換し、該印刷コマンドを送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズを受け付ける用紙サイズ受付ステップと、
余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付ステップと、
前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズよりも大きなサイズの印刷領域を設定する余白なし印刷条件設定ステップと、
前記余白なし印刷条件設定ステップで設定された前記印刷領域内に、前記プリンタが印刷を実行するよう、前記描画データを前記印刷コマンドに変換する印刷コマンド作成ステップと、
を有し、
前記印刷コマンド作成ステップでは、前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、前記印刷コマンドとして、実際に印刷される印刷用紙の前記給紙方向における前端部の印刷時には、前記印刷ヘッドの複数の前記ノズルのうち、前記給紙側インク受け開口と前記排紙側インク受け開口とうちの一方の開口内に、噴射されたインクが収まるノズルのみからインクを噴射させる印刷コマンドを作成し、前記印刷用紙の後端部の印刷時には、該印刷ヘッドの複数の該ノズルのうち、該給紙側インク受け開口と該排紙側インク受け開口とのうちの他方の開口内に、噴射されたインクが収まるノズルのみからインクが噴射される印刷コマンドを作成する、
ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されているものである。
前記目的を達成するための第十の記憶媒体は、
給紙方向に並んでいる複数のノズルを有する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドと対向する位置に配置されているプラテンとを備え、該プラテンには、前記給紙方向に対して垂直な方向に伸びている給紙側インク受け開口及び排紙側インク受け開口が形成されているプリンタに対して、
アプリケーションで作成された描画データであって、特定のサイズの印刷用紙に対する描画データを、印刷コマンドに変換し、該印刷コマンドを送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付ステップと、
前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズよりも大きなサイズの印刷領域を設定する余白なし印刷条件設定ステップと、
前記余白なし印刷条件設定ステップで設定された前記印刷領域のサイズに応じて前記描画データの示すイメージを拡大し、該印刷領域内で前記プリンタが印刷を実行するよう、該描画データを前記印刷コマンドに変換する印刷コマンド作成ステップと、
を有し、
前記印刷コマンド作成ステップでは、前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、前記印刷コマンドとして、実際に印刷される印刷用紙の前記給紙方向における前端部の印刷時には、前記印刷ヘッドの複数の前記ノズルのうち、前記給紙側インク受け開口と前記排紙側インク受け開口とうちの一方の開口内に、噴射されたインクが収まるノズルのみからインクを噴射させる印刷コマンドを作成し、前記印刷用紙の後端部の印刷時には、該印刷ヘッドの複数の該ノズルのうち、該給紙側インク受け開口と該排紙側インク受け開口とのうちの他方の開口内に、噴射されたインクが収まるノズルのみからインクが噴射される印刷コマンドを作成する、
ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されているものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプリンタシステムの各種実施形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
まず、本発明に係るプリンタシステムの第一の実施形態について、図1〜図10を用いて説明する。
【0019】
本実施形態のプリンタシステムは、図1に示すように、プリンタホスト10と、このプリンタホスト10から出力された印刷コマンドに基づいて印刷するインクジェットプリンタ30と、を備えている。
【0020】
プリンタホスト10は、ホスト本体11と、ディスプレイ装置12と、キーボード13と、を備えている。ホスト本体11は、各種プログラムを実行するCPU20と、各種データや各種プログラムが記憶されているROM21と、各種データや各種プログラムが一時的に記憶されるRAM22と、ディスプレイ装置12を制御するディスプレイコントローラ23と、キーボード13を制御するキーボードコントローラ24と、フロッピーディスクドライブ25と、ハードディスクドライブ26と、CD−ROMドライブ27と、プリンタインタフェース28と、ネットワークインタフェース29と、を有している。
【0021】
プリンタ30は、モニタ37と、印刷機構40と、これらを制御する印刷制御器31と、を有している。印刷制御器31は、各種プログラムを実行するCPU32と、各種データや各種プログラムが記憶されているROM33と、各種データや各種プログラムが一時的に記憶されるRAM34と、モニタ37を制御するモニタコントローラ35と、インタフェース36と、を有している。
【0022】
印刷機構40は、印刷ヘッド41と、この印刷ヘッド41を移動させるキャリッジ42と、印刷ヘッド41と対向する位置に配置されているプラテン43と、複数の印刷用紙が収納される用紙カセット44と、この用紙カセット44内の印刷用紙をプラテン43上へ送る給紙ローラ45a,45bと、印刷された印刷用紙を排紙する排紙ローラ46a,46bと、排紙された用紙を受ける排紙トレイ47と、給紙ローラ45a,45bの駆動量を検知するセンサ48と、を有している。
【0023】
プラテン43には、図2に示すように、給紙方向Fと平行な方向に伸びている複数のインク受け縦開口43c,43d,43e,43fと、給紙方向Fに対して垂直な方向(走査方向)に伸びている複数のインク受け横開口43a,43bとが形成されている。複数のインク受け縦開口43c,43d,43e,43fとしては、A3サイズの印刷用紙の左右端がそれぞれ真上を通過するように配置されている一対のA3用インク受け開口43cと、B4サイズの印刷用紙の左右端がそれぞれ真上を通過するように配置されている一対のB4用インク受け開口43dと、A4サイズの印刷用紙の両端がそれぞれ真上を通過するよう配置されている一対のA4サイズ用インク受け開口43eと、B5サイズの印刷用紙の両端がそれぞれ真上を通過するよう一対のB5サイズ用インク受け開口43fと、がある。また、複数のインク受け横開口43a,43bとしては、給紙側に配置されている給紙側インク受け開口43aと、排紙側に配置されている排紙側インク受け開口43bと、がある。これらの開口内には、いずれもインク吸着材が入れられている。
【0024】
印刷ヘッド41には、各インク色、具体的には、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(ブラック)・c(ライトシアン)・m(ライトマゼンタ)毎のノズル41aが走査方向に並んで設けられている。また、同色のノズル41aは、給紙方向に、64個並んで設けられている。
【0025】
また、ホスト本体11は、機能的には、図5に示すように、アプリケーション50と、オペレーティングシステム52と、プリンタドライバ55と、を有している。プリンタドライバ55は、アプリケーション50で作成されたドキュメント51を受け取ってこれをスプールファイル62に展開するスプーラ61と、スプールファイル62に記憶されているドキュメントを形成している描画データをRGBイメージデータに展開するレンダラ63と、RGBイメージデータをCMYKcm二値化イメージデータに変換すると共にこれにハーフトーン処理を施すハーフトーン処理部64と、CMYKcm二値化イメージデータをプリンタ30が解釈できる印刷コマンドに変換するコマンド化部65と、この印刷コマンドをプリンタ30へ送信する送受信部66と、印刷時におけるディスプレイ装置12やキーボード13との間のインタフェースとなるユーザインタフェース58と、余白なし印刷時の印刷条件を設定する余白なし印刷条件設定部56と、これらを統合的に管理する統合管理部60と、印刷条件等が記憶される印刷条件ファイル59とを有している。ユーザインタフェース58は、ユーザからの余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付部57を有している。また、コマンド化部65は、CMYKcm二値化イメージデータ中のどのラスタを何パス目で印刷させるか等を定めるマイクロウィーブ処理部65aを有している。
【0026】
なお、ホスト本体11の各機能構成要素は、いずれも、各種プログラムが記憶されるRAM22と、このRAM22に記憶されるプログラムを実行するCPU20とを有して構成される。すなわち、以上の各機能構成要素は、以上の各機能に関するプログラムが記憶されているCD−ROM17(図1に示す)をCD−ROMドライブ27で再生し、再生したプログラムをRAM22にロードして、このプログラムをCPU20が実行することで機能する。
【0027】
プリンタ30の印刷制御器31は、機能的には、プリンタホスト10からの印刷コマンド等を受け付ける送受信部76と、この送受信部が受け付けた印刷コマンド等に基づいて印刷機構を制御する印刷制御部70と、を有している。
【0028】
次に、本実施形態のプリンタホスト10の余白なし印刷時の動作について説明する。
【0029】
例えば、A3用紙に対して余白なし印刷をする場合には、このA3用紙の端を確実に印刷するため、このA3サイズよりいくらか大きいサイズの領域に対するドキュメントを作成する必要がある。そこで、ユーザは、アプリケーション50を利用してドキュメントを作成する場合には、印刷用紙のサイズ設定段階で、用紙サイズとして、「規格外」又は「カスタム用紙」を選択して、後述するA3用紙用の拡張印刷領域と同じ寸法を設定し、さらに、この用紙サイズ内でドキュメント51を作成する。なお、この場合、ユーザは、規格外又はカスタム用紙サイズの領域いっぱいに印刷領域を設定する。
【0030】
このドキュメント51の作成が終了すると、これを印刷するために、プリンタドライバ55を起動する。以下、このプリンタドライバ55の動作について、図6に示すフローチャートに従って説明する。
【0031】
プリンタドライバ55を起動すると、このプリンタドライバ55のユーザインタフェース58により、図8に示すような印刷設定画面がディスプレイ装置12に表示される(ステップ1)。ユーザインタフェース58は、ユーザから実際に印刷される印刷用紙サイズの設定を受け付けると共に(ステップ2)、「余白なし印刷」の指定を受け付ける(ステップ3)。これらの印刷条件は、統合管理部60により印刷条件ファイル59に登録される。「余白なし印刷」を受け付けると、統合管理部60の指示で余白なし印刷条件設定部56が起動して、拡張印刷領域を設定する(ステップ4)。
【0032】
この拡張印刷領域は、印刷用紙を基準として、各方向への一定の拡大量で定められる。図9に示すように、例えば、実際に印刷される印刷用紙がA3である場合、給紙方向Fにおける前端側の拡大量が3mm、後端側の拡大量が5mm、左右端側の拡大量が2.5mmとなる。なお、前述したように、ドキュメント作成時には、この拡張印刷領域のサイズを印刷用紙のサイズとして設定することになる。
【0033】
余白なし印刷時の必要最小限度の拡大量は、図10に示すように、プリンタの機種(A,B,C)、実際に印刷する印刷用紙のサイズ(A3,A4)、実際に印刷する用紙を基準とした拡大方向(前方,後方,左右方向)によって変わる。これは、必要最小限度の拡大量は、用紙のスキューや紙送り量公差等により定められるからである。本実施形態において、拡張印刷領域を設定する際に用いる各方向の拡大量は、プリンタ機種や用紙サイズによって変わる各種拡大量のうち、各方向毎の最大拡大量を採用している。つまり、接続プリンタの機種や用紙サイズに関わりなく、各方向の拡大量は常に一定で、給紙方向における前端側の拡大量が3mm、後端側の拡大量が5mm、左右端側の拡大量が2.5mmである。
【0034】
このように、本実施形態において、接続プリンタの機種や印刷用紙のサイズが変わっても各方向の拡大量を同じにしているのは、アプリケーション50でドキュメントを作成する前の印刷用紙サイズを設定する段階で、余白なし印刷時の用紙拡大量が各サイズの印刷用紙に対しても拡大量が同じであると、ユーザが混乱を来たすことなく、簡単に印刷用紙サイズを設定できるからである。さらに、あるプリンタ用に作成したドキュメントを別のプリンタで印刷する場合でも、どのプリンタに対しても領域拡張量が同じであるため、ドキュメントを形成する領域サイズの変更で、ドキュメントを作成し直す必要がなくなるからである。
【0035】
しかしながら、以上のように定めた拡張印刷領域のサイズは、特定のプリンタを用いて特定のサイズの印刷用紙に余白なし印刷を実行する場合の必要最小限度の印刷領域のサイズよりも大きいため、実際に余白なし印刷を実行する際、印刷用紙に対する相対的な印刷ヘッドの移動量が大きくなり、印刷時間が長くなる上に、インク使用量も多くなってしまう。具体的には、図10に示すプリンタ機種BでA3用紙に余白なし印刷する場合、同図及び図9に示すように、必要最小限度の前端側拡大量は1mmで、必要最小限度の後端側拡大量は3mmで、必要最小限度の左右端側拡大量は2.5mmであるから、A3用紙に対する拡張印刷領域は、前端側で2mm、後端側で2mm、左右端側で0mm、大きいことになる。
【0036】
そこで、本実施形態では、余白なし印刷条件設定部56が、拡張印刷領域を設定した後、実際の接続プリンタで実際に印刷するサイズの印刷用紙に余白なし印刷を実行する場合の必要最小限度の印刷領域も定めている(ステップ5)。印刷条件ファイル59には、図10に示す、接続プリンタの印刷用紙のサイズ毎の必要最小限度の拡大量、及び前述した最大拡大量が登録されており、余白なし印刷条件設定部56は、この登録内容を参照して、実際の接続プリンタで実際に印刷するサイズの印刷用紙に余白なし印刷を実行する場合の必要最小限度の印刷領域のサイズを定めている。なお、印刷条件ファイル59に登録されている各種拡大量は、プリンタドライバ55のソフトウェアを提供する記憶媒体中に、予め記憶されている。
【0037】
余白なし印刷条件設定部56は、必要最小限度の印刷領域を定めると(ステップ5)、ステップ4で定めた拡張印刷領域中であって、この拡張印刷領域の端から、拡張印刷領域の拡大量と必要最小限度の拡大量との差分の位置までの部分を印刷不要領域として定める(ステップ6)。ここで求める印刷不要領域は、給紙方向Fにおける前端側の印刷不要領域である。具体的に、この前端側の印刷不良領域の不良量は、図9に示すように、A3用紙に対して余白なし印刷をする場合、拡張印刷領域の設定に採用している最大の前端側拡大量(3mm)から、必要最小限度の前端側拡大量(1mm)を引いた値(2mm)になる。
【0038】
ユーザインタフェース58は、ユーザからの印刷実行指示を待ち、印刷実行指示を受け付けると、その旨を統合管理部60に伝える(ステップ7)。統合管理部60は、ユーザインタフェース58から印刷実行指示を受け付けると、レンダラ63で、スプールファイル62に記憶されているドキュメントを形成する描画データをRGBイメージデータに変換させ(ステップ8)、続いて、ハーフトーン処理部64で、このRGBイメージデータをCMYKcm二値化イメージデータに変換させると共に、これにハーフトーン処理を施させる(ステップ9)。そして、統合管理部60は、コマンド化部65で、以上で設定された印刷条件に基づき、このCMYKcm二値化イメージデータをプリンタ30が解釈できる印刷コマンドに変換させ(ステップ10)、この印刷コマンドを送受信部66からプリンタ30へ送信させる(ステップ11)。
【0039】
ステップ10のコマンド化処理を実行するコマンド化部65は、図7のフローチャートに示すように、まず、各種印刷条件のコマンド化を行う(ステップ20)。このコマンド化では、ステップ5で設定した必要最小限度の印刷領域のサイズであって、給紙方向の寸法もコマンド化される。
【0040】
続いて、CMYKcm二値化イメージデータをコマンド化するにあたり、コマンド化部65のマイクロウィーブ処理部65aは、拡張印刷領域中であってステップ6で定めた印刷不要領域には、印刷するデータがない、つまり、印刷するデータを「null」に差し替えて、これをコマンド化する(ステップ21)。
【0041】
次に、マイクロウィーブ処理部65aは、図3に示すように、実際に印刷される印刷用紙の給紙方向Fにおける前端部の印刷時には、プリンタ30の印刷ヘッド41に設けられている給紙方向Fに並んだ複数のノズル41aのうち、プリンタ30のプラテン43に形成されている排紙側インク受け開口43b内に、噴射されたインクが収まるノズル41bのみからインクを噴射させる印刷コマンドを作成し、言い換えると、給紙方向Fに並んだ複数のノズル41aのうち、排紙側の所定数のノズル41bのみで印刷を実行させる印刷コマンドを作成する(ステップ22)。印刷用紙の前端部を印刷するためのデータのコマンド化が終了すると、通常通り、印刷ヘッド30の全てのノズルを使用させる印刷コマンドを作成する(ステップ23)。そして、印刷用紙の給紙方向Fにおける後端部の印刷時には、図4に示すように、プリンタ30の印刷ヘッド41に設けられている給紙方向Fに並んだ複数のノズル41aのうち、プリンタ30のプラテン43に形成されている給紙側インク受け開口43a内に、噴射されたインクが収まるノズル41cのみからインクを噴射させる印刷コマンドを作成し、言い換えると、給紙方向に並んだ複数のノズル41aのうち、給紙側の所定数のノズル41cのみで印刷を実行させる印刷コマンドを作成する(ステップ24)。
【0042】
プリンタ30は、以上のように作成された印刷コマンドを受け付けると、この印刷コマンドに従って、以下のような印刷処理を開始する。
【0043】
プリンタ30の印刷制御部70は、給紙ローラ46a,46bを駆動させて、センサ48からの信号で、図2及び図3に示すように、印刷用紙の前端がプラテン43の排紙側インク受け開口46bの上に至ったことを認識すると、印刷ヘッド41を駆動させて、印刷を開始させる。
【0044】
基本的に、本実施形態では、前述のステップ4で設定された拡張印刷領域内を印刷することになるが、この拡張印刷領域の前端部分は印刷不要領域に設定され(ステップ6)、この印刷不要領域に関しては印刷データがないものとする「null」の印刷コマンド(ステップ21)を受けているので、この印刷不要領域内は印刷されず、前述のステップ5で設定された必要最小限度の印刷領域の前端から給紙側の領域のみが印刷される。従って、印刷用紙の前端部の印刷において、インクの無駄を省くと共に、印刷時間の短縮化を図ることができる。
【0045】
また、印刷用紙の前端部の印刷は、図3に示すように、印刷用紙の前端よりも、さらに排紙トレイ側に広げられた必要最小限度の印刷領域に対して行われるので、印刷用紙の前端部を余白なしで確実に印刷することができる。さらに、印刷用紙の前端部の印刷では、ステップ22で作成された印刷コマンドにより、プリンタ30の印刷ヘッド41に設けられている給紙方向Fに並んだ複数のノズル41aのうち、プラテン43に形成されている排紙側インク受け開口43b内に、噴射されたインクが収まるノズル41bのみが使用されるので、印刷用紙の給紙公差や給紙ミス等があって、印刷用紙の先端部がプラテン43の排紙側インク受け開口43bに至らないことがあっても、この際に噴射されるインクは、全て排紙側インク受け開口43b内に収まり、プラテン43の表面を汚してしまうことを回避することができる。
【0046】
印刷用紙の中間部(前端部及び後端部を除く部分)の印刷では、ステップ23で作成された印刷コマンドに基づいて、印刷ヘッド41の全てのノズル41aを用いて印刷が行われる。なお、ここで、全てのノズル41aを用いるとは、常時、全てのノズル41aからインクを噴射するという意味でなく、全てのノズル41aを用いてもよい状態で、印刷するイメージや色に応じて適宜いずれかのノズルからインクを噴射するという意味である。
【0047】
印刷用紙の左右端部の印刷は、給紙方向の全領域において、印刷用紙の左右端よりも、さらに側方に広げられた拡張印刷領域に対して行われるので、印刷用紙の左右端部を余白なしで確実に印刷することができる。なお、この実施形態では、印刷用紙の左右端部に関しては、拡張印刷領域に対して行うことにしているが、印刷用紙の前端部の印刷時と同様に、拡張印刷領域内であって必要最小限度の印刷領域よりも外側の領域を印刷不要領域として、ここを印刷しないようにしてもよい。
【0048】
印刷制御部70は、センサ48からの信号で、図4に示すように、印刷用紙の後端がプラテン43の給紙側インク受け開口46aの上に至ったことを認識すると、ステップ24で作成された印刷コマンドにより、プリンタ30の印刷ヘッド41に設けられている給紙方向Fに並んだ複数のノズル41aのうち、プラテン43に形成されている給紙側インク受け開口43a内に、噴射されたインクが収まるノズル41cのみが使用される。このため、印刷用紙の前端部の印刷時と同様に、印刷用紙の給紙公差や給紙ミス等があって、印刷用紙の後端部がプラテン43の給紙側インク受け開口43aよりも先へ行ってしまうことがあっても、この際に噴射されるインクは、全て給紙側インク受け開口43a内に収まり、プラテン43の表面を汚してしまうことを回避することができる。
【0049】
印刷制御部70は、センサ48からの信号で、必要最小限度の印刷領域の前端から、必要最小限度の印刷領域の給紙方向の寸法の位置に印刷ヘッド41での印刷箇所が至ったことを認識すると、印刷ヘッド41の各ノズルからのインク噴射を停止させる。つまり、必要最小限度の印刷領域の後端で、インク噴射が停止する。このため、ステップ4で設定された拡張印刷領域内であって、必要最小限度の印刷領域の後端よりも給紙カセット側の領域は印刷されないので、印刷用紙の前端部の印刷時と同様に、インクの無駄を省くと共に、印刷時間の短縮化を図ることができる。
【0050】
また、印刷用紙の後端部の印刷は、印刷用紙の後端よりも、さらに給紙カセット側に広げられた必要最小限度の印刷領域に対して行われるので、印刷用紙の後端部を余白なしで確実に印刷することができる。
【0051】
以上のように、本実施形態では、余白なし印刷を実行する際、余白なし印刷を指定すると、自動的に、実際に印刷される印刷用紙のサイズよりも大きな印刷領域が設定されるので、ユーザの負担を軽減することができる。しかも、本実施形態では、アプリケーションでドキュメントを作成する前の印刷用紙サイズを設定する段階で、実際に印刷される印刷用紙のサイズが変わっても、実際に印刷される印刷用紙に対する仮想の印刷用紙の拡大量が一定であるので、ユーザが印刷用紙サイズの設定で混乱を来たすことがなくなり、この面からもユーザの負担を軽減することができる。
【0052】
なお、以上の実施形態では、印刷用紙の前端部が排紙側インク受け開口43b上に至ったときに、ここを印刷し、印刷用紙の後端部が給紙側インク受け開口43a上に至ったときに、ここを印刷しているが、これとは逆に、印刷用紙の前端部が給紙側インク受け開口43a上に至ったときに、ここを印刷し、印刷用紙の後端部が排紙側インク受け開口43b上に至ったときに、ここを印刷するようにしてもよい。
【0053】
また、以上では、拡張印刷領域内に印刷不要領域を設定して、この印刷不要領域を印刷しないようにしているが、印刷不要領域を設定せず、拡張印刷領域の全体を印刷するようにしてもよい。ただし、この場合には、拡張印刷領域内の印刷不要領域内を印刷することになるので、以上の実施形態よりも、インク消費量が多くなると共に、印刷時間が長くなることは言うまでもない。
【0054】
また、以上の実施形態のアプリケーションは、プリンタドライバとは独立して自身で印刷領域を管理するものであるが、プリンタドライバが設定する印刷領域を実際に印刷する用紙サイズに反映させるアプリケーションもある。そこで、後者のアプリケーションによるドキュメントを作成時の動作について、図11に示すフローチャートに従って説明する。
【0055】
アプリケーションが起動すると、アプリケーションはプリンタドライバから印刷領域を取得する(ステップ30)。この際、アプリケーションは、規格用紙サイズと関連付けて、通常の印刷領域を取得すると共に、前述した拡張印刷領域も取得する。なお、この印刷用紙の取得は、アプリケーションが起動する毎に行ってもよいが、アプリケーションの最初の起動時の一回のみ行って、以降は取得した印刷領域を記憶しておくようにしてもよい。
【0056】
ドキュメント作成条件の受付(ステップ31)では、実際に印刷する用紙サイズ等の受付(ステップ32)が行われる。アプリケーションは、この用紙サイズを受け付け、さらに余白なし印刷を受け付けた場合には(ステップ33)、ステップ32で受け付けた規格用紙サイズに関連付けられた拡張印刷領域を印刷領域として設定し(ステップ34)、余白なし印刷を受け付けなかった場合には(ステップ33)、ステップ32で受け付けた規格用紙サイズに関連付けられた通常の印刷領域を印刷領域として設定する(ステップ35)。なお、余白なし印刷の受付では、プリンタドライバが受け付けたものを間接的に取得してもよいし、アプリケーション自身が直接受け付けてもよい。
【0057】
その後、アプリケーションは、ドキュメント作成処理(ステップ36)、及び、ドキュメント登録処理(ステップ37)を行って終了する。
【0058】
以上のように、この例では、ドキュメント作成の際、余白なし印刷の受付で自動的に拡張印刷領域が設定されるので、先に述べた第一の実施形態のように、カスタム用紙の選択、及びこのカスタム用紙に対する拡張印刷領域の設定が不要になり、第一の実施形態よりもさらにユーザの負担を軽減することができる。言い換えると、この例でユーザは、余白なし印刷を希望する場合、実際に印刷する印刷用紙サイズと余白なし印刷を設定すれば、後は、通常通り、アプリケーションが設定した領域いっぱいにドキュメントを作成すればよい。
【0059】
次に、図12〜図14を用いて、本発明に係る第二の実施形態としてのプリンタシステムについて説明する。なお、本実施形態のプリンタシステムは、第一の実施形態の各機能構成要素の動作が若干異なっているのみで、基本的に、ハード構成及び機能構成は、第一の実施形態と同じである。したがって、本実施形態のハード構成及び機能構成の説明を省略し、その動作のみについて説明する。
【0060】
本実施形態において、ユーザは、アプリケーション50でドキュメントを作成する前の印刷用紙のサイズ設定段階では、第一の実施形態のように、実際に印刷する印刷用紙サイズよりもサイズの大きな仮想印刷用紙を設定する必要はなく、第一の実施形態の最後に述べたものと同様、通常通り、実際に印刷する用紙のサイズを設定し、この用紙サイズ内でドキュメント51を作成する。
【0061】
このドキュメント51の作成が終了すると、これを印刷するために、プリンタドライバ55を起動する。以下、このプリンタドライバ55の動作について、図12に示すフローチャートに従って説明する。
【0062】
プリンタドライバ55を起動すると、このプリンタドライバ55のユーザインタフェース58により、第一の実施形態と同様の印刷設定画面がディスプレイ装置12に表示される(ステップ1)。ユーザインタフェース58は、ユーザから「余白なし印刷」の指定を受け付け(ステップ3)、この印刷条件は、統合管理部60により印刷条件ファイル59に登録される。この実施形態では、アプリケーション50で設定される印刷用紙サイズと実際に印刷される印刷用紙サイズとは、前述したように同じであるため、第一の実施形態のステップ2の処理、つまり、ユーザからの実際に印刷される印刷用紙サイズの設定受付を行わない。但し、これは、ユーザからの受付処理を行わないだけで、実際には、アプリケーション50から印刷用紙サイズを受け付けて、これを印刷条件ファイル59に登録していることは言うまでもない。
【0063】
「余白なし印刷」を受け付けると、統合管理部60の指示で余白なし印刷条件設定部56が起動して、第一の実施形態のように、拡張印刷領域を設定(ステップ4)することなく、直ちに、必要最小限度の印刷領域を設定する(ステップ5)。第一の実施形態では、前述したように、アプリケーションで用紙サイズを設定する段階で、実際に印刷される印刷用紙サイズよりも大きなサイズの仮想の印刷用紙を設定しなければならないユーザの便宜を考慮して、拡張印刷領域を設定している。しかしながら、本実施形態では、アプリケーションで設定する用紙サイズは、通常と同様、実際に印刷される用紙サイズであるので、基本的に、用紙サイズ設定でユーザの便宜を考慮する必要はない。このため、本実施形態では、拡張印刷領域を設定していない。
【0064】
印刷条件ファイル59には、図10を用いて前述したように、このプリンタホスト10に接続されているプリンタ30の印刷用紙のサイズ毎の必要最小限度の拡大量が予め登録されており、余白なし印刷条件設定部56は、この登録内容を参照して、実際に印刷するサイズの印刷用紙に余白なし印刷を実行する場合の必要最小限度の印刷領域のサイズを定める。
【0065】
余白なし印刷条件設定部56は、続いて、図14に示すように、ステップ5で定めた必要最小限度の印刷領域の少なくとも一部に外接し、且つ実際に印刷する印刷用紙と相似形、つまり、実際に印刷する印刷用紙の縦横比が同じ拡大イメージ領域を設定して、実際に印刷する印刷用紙サイズに対する拡大イメージ領域サイズの拡大倍率を決める(ステップ6a)。
【0066】
以上の過程で、本実施形態では、第一の実施形態の印刷不要領域設定(ステップ6)を行わない。これは、第一の実施形態の印刷領域は、基本的に拡張印刷領域であるのに対して、本実施形態の印刷領域は、余白なし印刷を実行するための必要最小限度の印刷領域であるため、この印刷領域内に印刷不要の領域は存在しないからである。
【0067】
ユーザインタフェース58は、ユーザからの印刷実行指示を待ち、印刷実行指示を受け付けると、その旨を統合管理部60に伝える(ステップ7)。統合管理部60は、ユーザインタフェース58から印刷実行指示を受け付けると、レンダラ63にレンダリングの実行を指示する。レンダラ63は、この指示を受けると、スプールファイル62に記憶されているドキュメントを形成する描画データをRGBイメージデータに変換し、ステップ6aで定めた拡大倍率に応じて、このイメージデータを拡大して、イメージデータ展開領域に、この拡大されたRGBイメージデータを展開する(ステップ8a)。
【0068】
次に、第一の実施形態と同様に、ハーフトーン処理部64で、このRGBイメージデータをCMYKcm二値化イメージデータに変換させると共に、これにハーフトーン処理を施させる(ステップ9)。そして、統合管理部60は、コマンド化部65で、以上で設定された印刷条件に基づき、このCMYKcm二値化イメージデータをプリンタ30が解釈できる印刷コマンドに変換させ(ステップ10a)、この印刷コマンドを送受信部66からプリンタ30へ送信させる(ステップ11)。
【0069】
ステップ10aのコマンド化処理を実行するコマンド化部65は、図13のフローチャートに示すように、まず、各種印刷条件のコマンド化を行う(ステップ20)。
【0070】
続いて、第一の実施形態のように、コマンド化部65のマイクロウィーブ処理部65aは、実際に印刷される印刷用紙の給紙方向Fにおける前端部の印刷時には、給紙方向Fに並んだ複数のノズル41aのうち、排紙側の所定数のノズル41bのみで印刷を実行させる印刷コマンドを作成し(ステップ22)、この印刷用紙の前端部を印刷するためのデータのコマンド化が終了すると、通常通り、印刷ヘッド30の全てのノズルを使用させる印刷コマンドを作成する(ステップ23)。そして、印刷用紙の給紙方向における後端部の印刷時には、給紙方向Fに並んだ複数のノズル41aのうち、給紙側の所定数のノズル41cのみで印刷を実行させる印刷コマンドを作成する(ステップ24)。
【0071】
なお、本実施形態において、イメージデータのうち、必要最小限度の印刷領域外のイメージデータは、以上のコマンド化処理過程で、印刷領域外のデータであるが故、コマンド化されない。
【0072】
プリンタ30は、以上のように作成された印刷コマンドを受け付けると、この印刷コマンドに従って、印刷処理を開始する。
【0073】
本実施形態においても、プリンタ30は、第一の実施形態と同様に、実際の印刷用紙のサイズよりも広い必要最小限度の印刷領域に対して、印刷が行われるので、印刷用紙の各端部を余白なしで確実に印刷することができる。また、印刷用紙の前端部及び後端部の印刷では、プラテン43に形成された各インク受け開口43a,43b内に、噴射されたインクが収まるノズル41b、41cのみが使用されるので、印刷用紙の給紙公差や給紙ミス等があっても、プラテン43の表面を汚してしまうことを回避することができる。
【0074】
また、本実施形態では、アプリケーション50でドキュメントを作成する前の用紙サイズ設定段階で、ユーザは、特に余白なし印刷を意識せずに通常通りに用紙サイズを設定することができるので、第一の実施形態よりも更にユーザの負担を軽減することができる。特に、この効果は、年賀状作成ソフト等、プリンタドライバとは独立してアプリケーション自身が印刷領域を設定するような場合、つまり、第一の実施形態のアプリケーションを用いた場合に、有効である。
【0075】
なお、本実施形態では、図14に示すように、必要最小限度の印刷領域に対して、その後端辺及び左右端辺に外接するように拡大イメージ領域を設定したが、例えば、図15に示すように、必要最小限度の印刷領域に対して、その前端辺及び左右端辺に外接するように拡大イメージ領域を設定してもよいし、必要最小限度の印刷領域に対して、その左右端辺のみに外接するように拡大イメージ領域を設定してもよい。また、図16に示すように、必要最小限度の印刷領域の前端側及び後端側の拡大量が左右端側の拡大量よりも大きな場合には、この印刷領域に対して、その前端辺及び後端辺に外接するように拡大イメージ領域を設定してもよい。
【0076】
次に、図17及び図18を用いて、本発明に係る第三の実施形態としてのプリンタシステムについて説明する。なお、本実施形態のプリンタシステムも、第二の実施形態と同様に、第一の実施形態の各機能構成要素の動作が若干異なっているのみで、基本的に、ハード構成及び機能構成は、第一の実施形態と同じである。したがって、本実施形態のハード構成及び機能構成の説明を省略し、その動作のみについて説明する。
【0077】
本実施形態は、第二の実施形態が必要最小限度の印刷領域に外接するように拡大イメージ領域を設定するのものであるのに対して、第一の実施形態で説明した拡張印刷領域に外接するように拡大イメージ領域を設定するものである。
【0078】
図17のフローチャートに示すように、プリンタドライバ55を起動すると、このプリンタドライバ55のユーザインタフェース58は、第二の実施形態と同様に、印刷設定画面をディスプレイ装置12に表示し(ステップ1)、ユーザから「余白なし印刷」の指定を受け付ける(ステップ3)。
【0079】
「余白なし印刷」を受け付けると、統合管理部60の指示で余白なし印刷条件設定部56が起動して、第一の実施形態のように、拡張印刷領域を設定し(ステップ4)、必要最小限度の印刷領域を設定する(ステップ5)。
【0080】
余白なし印刷条件設定部56は、続いて、図18に示すように、ステップ4で定めた拡張印刷領域の少なくとも一部に外接し、且つ実際に印刷する印刷用紙と相似形、つまり、実際に印刷する印刷用紙の縦横比が同じ拡大イメージ領域を設定して、実際に印刷する印刷用紙サイズに対する拡大イメージ領域サイズの拡大倍率を決める(ステップ6b)。余白なし印刷条件設定部56は、さらに、第一の実施形態と同様に、ステップ4で定めた拡張印刷領域中であって、この拡張印刷領域の端から、拡張印刷領域の拡大量と必要最小限度の拡大量との差分の位置までの部分を印刷不要領域として定める(ステップ6)。
【0081】
ユーザインタフェース58は、ユーザからの印刷実行指示を待ち、印刷実行指示を受け付けると、その旨を統合管理部60に伝える(ステップ7)。統合管理部60は、ユーザインタフェース58から印刷実行指示を受け付けると、レンダラ63にレンダリングの実行を指示する。レンダラ63は、この指示を受けると、スプールファイル62に記憶されているドキュメントを形成する描画データをRGBイメージデータに変換し、第二の実施形態と同様に、ステップ6bで定めた拡大倍率に応じて、このイメージデータを拡大して、イメージデータ展開領域に、この拡大されたRGBイメージデータを展開する(ステップ8b)。なお、この実施形態では、拡大イメージ領域として、拡張印刷領域に外接する領域を設定しているので、必要最小限度の印刷領域に外接する領域を設定する第二の実施形態よりも、イメージデータの拡大倍率が大きい。
【0082】
次に、第二の実施形態と同様に、ハーフトーン処理部64で、このRGBイメージデータをCMYKcm二値化イメージデータに変換させると共に、これにハーフトーン処理を施させる(ステップ9)。そして、統合管理部60は、コマンド化部65で、以上で設定された印刷条件に基づき、このCMYKcm二値化イメージデータをプリンタ30が解釈できる印刷コマンドに変換させ(ステップ10)、この印刷コマンドを送受信部66からプリンタ30へ送信させる(ステップ11)。なお、ステップ10のコマンド化処理を実行するコマンド化部65は、第一の実施絵形態と同様の処理が行われる。従って、コマンド化部65でコマンド化さらたデータを受けたプリンタ30は、第一の実施形態と同様に動作する。
【0083】
以上のように、本実施形態においても、第二の実施形態と同様に、プリンタドライバ55が余白なし印刷を受け付けると、自動的にイメージを拡大しているので、アプリケーション50でドキュメントを作成する前の用紙サイズ設定段階で、ユーザは、特に余白なし印刷を意識せずに通常通りに用紙サイズを設定することができる。また、本実施形態では、第二の実施形態と異なり、プリンタの種類に影響を受けない拡張印刷領域を基準にして拡大イメージ領域を設定しているので、プリンタが変わっても、イメージの拡大倍率を常に一定にすることができる。
【0084】
なお、本実施形態では、拡張印刷領域に外接するように拡大イメージ領域を設定したが、拡大印刷領域又はこの拡大印刷領域よりも大きな領域に内接するように拡大イメージ領域を設定してもよい。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、余白なし印刷を実行する際、余白なし印刷を指定すると、自動的に、実際に印刷される印刷用紙のサイズよりも大きな印刷領域が設定されるので、ユーザの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一の実施形態におけるプリンタシステムの回路ブロック図である。
【図2】本発明に係る第一の実施形態におけるプリンタのプラテン周りの平面図である。
【図3】本発明に係る第一の実施形態におけるプリンタのプラテン周りの側面図(その1)である。
【図4】本発明に係る第一の実施形態におけるプリンタのプラテン周りの側面図(その2)である。
【図5】本発明に係る第一の実施形態におけるプリンタシステムの機能ブロック図である。
【図6】本発明に係る第一の実施形態におけるプリンタドライバの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る第一の実施形態におけるコマンド化部の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る第一の実施形態における印刷設定画面を示す説明図である。
【図9】本発明に係る第一の実施形態における印刷用紙と拡大印刷領域との関係を示す説明図である。
【図10】プリンタの機種毎、用紙サイズ毎、用紙を基準にした各方向毎の、余白なし印刷を実行するための印刷用紙に対する必要最小限度の拡大量を示す説明図である。
【図11】本発明に係る一実施形態におけるアプリケーションのドキュメント作成動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る第二の実施形態におけるプリンタドライバの動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る第二の実施形態におけるコマンド化部の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る第二の実施形態における印刷用紙と必要最小限度の印刷領域と拡大イメージ領域との関係を示す説明図である。
【図15】本発明に係る他の実施形態における印刷用紙と必要最小限度の印刷領域と拡大イメージ領域との関係を示す説明図である。
【図16】本発明に係るさらに他の実施形態における印刷用紙と必要最小限度の印刷領域と拡大イメージ領域との関係を示す説明図である。
【図17】本発明に係る第三の実施形態としてのプリンタドライバの動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明に係る第三の実施形態における印刷用紙と必要最小限度の印刷領域と拡大イメージ領域との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10…プリンタホスト
11…ホスト本体
17…CD−ROM
20…CPU
21…ROM
22…RAM
30…プリンタ
40…印刷機構
41…印刷ヘッド
41a…ノズル
43…プラテン
43a…給紙側インク受け開口
43b…排紙側インク受け開口
50…アプリケーション
51…ドキュメント
55…プリンタドライバ
56…余白なし印刷設定部
57…余白なし印刷受付部
58…ユーザインタフェース
59…印刷条件ファイル
60…統合管理部
63…レンダラ
64…ハーフトーン処理部
65…コマンド化部
65a…マイクロウィーブ処理部
66…送受信部
70…印刷制御部

Claims (10)

  1. アプリケーションで作成された描画データであって、特定のサイズの印刷用紙に対する描画データを、印刷コマンドに変換し、該印刷コマンドをプリンタへ送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
    余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付ステップと、
    前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズよりも大きなサイズの印刷領域を設定する余白なし印刷条件設定ステップと、
    前記余白なし印刷条件設定ステップで設定された前記印刷領域のサイズに応じて前記描画データの示すイメージを拡大し、該印刷領域内で前記プリンタが印刷を実行するよう、該描画データを前記印刷コマンドに変換する印刷コマンド作成ステップと、
    を有し、
    前記プリンタホストに接続される前記プリンタで余白なし印刷する際の各種サイズの印刷用紙に対する必要最小限度の拡大量が予め記憶され、
    前記余白なし印刷条件設定ステップでは、前記印刷領域として、実際に印刷される特定のサイズの印刷用紙に対する前記必要最小限度の拡大量に基づいて必要最小限度の印刷領域を定めると共に、該必要最小限度の印刷領域に外接し且つ前記印刷用紙と相似形の拡大イメージ領域を定め、
    前記印刷コマンド作成ステップでは、前記印刷用紙の前記特定のサイズに対する前記拡大イメージ領域のサイズの拡大倍率で、前記描画データの示すイメージを拡大し、前記印刷領域としての前記必要最小限度の印刷領域内で前記プリンタが印刷を実行するよう、該描画データを前記印刷コマンドに変換する、
    ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体。
  2. アプリケーションで作成された描画データであって、特定のサイズの印刷用紙に対する描画データを、印刷コマンドに変換し、該印刷コマンドをプリンタへ送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
    余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付ステップと、
    前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズよりも大きなサイズの印刷領域を設定する余白なし印刷条件設定ステップと、
    前記余白なし印刷条件設定ステップで設定された前記印刷領域のサイズに応じて前記描画データの示すイメージを拡大し、該印刷領域内で前記プリンタが印刷を実行するよう、該描画データを前記印刷コマンドに変換する印刷コマンド作成ステップと、
    を有し、
    前記印刷領域の前記拡大量は、各種プリンタで各種サイズの印刷用紙に余白なし印刷する際の各必要最小限度の拡大量のうち、最大拡大量であり、
    前記余白なし印刷条件設定ステップでは、実際に印刷される特定のサイズの印刷用紙に対する前記最大拡大量に基づいて前記印刷領域を定めると共に、該印刷領域に外接し且つ前記印刷用紙と相似形の拡大イメージ領域を定め、
    前記印刷コマンド作成ステップでは、前記印刷用紙の前記特定のサイズに対する前記拡大イメージ領域のサイズの拡大倍率で、前記描画データの示すイメージを拡大し、前記印刷領域としての前記必要最小限度の印刷領域内で前記プリンタが印刷を実行するよう、該描画データを前記印刷コマンドに変換する、
    ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体。
  3. 請求項1に記載の記憶媒体において、
    前記余白なし印刷条件設定ステップで設定する前記印刷領域は、実際に印刷する印刷用紙の前記特定のサイズが変わっても、該特定のサイズに対する拡大量は一定である、
    ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体。
  4. 請求項3に記載の記憶媒体において、
    前記印刷領域の前記拡大量は、各種プリンタで各種サイズの印刷用紙に余白なし印刷する際の各必要最小限度の拡大量のうち、最大拡大量であり、
    前記プリンタホストに接続される前記プリンタで余白なし印刷する際の各種サイズの印刷用紙に対する必要最小限度の拡大量が予め記憶され、
    前記余白なし印刷条件設定ステップでは、実際に印刷される特定のサイズの印刷用紙に対する前記必要最小限度の拡大量よりも前記印刷領域の拡大量が大きい場合、該印刷領域の端から両拡大量の差分の寸法の位置までの部分を印刷不要領域として定め、
    前記印刷コマンド作成ステップでは、前記印刷コマンドとして、前記印刷不要領域には、印刷するデータが無いものとする印刷コマンドを作成する、
    ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体。
  5. アプリケーションで作成された描画データであって、実際に印刷される印刷用紙の特定のサイズよりも大きなサイズの印刷用紙に対する描画データを、印刷コマンドに変換し、該印刷コマンドをプリンタへ送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
    実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズを受け付ける用紙サイズ受付ステップと、
    余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付ステップと、
    前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズよりも大きなサイズの印刷領域を設定する余白なし印刷条件設定ステップと、
    前記余白なし印刷条件設定ステップで設定された前記印刷領域内に、前記プリンタが印刷を実行するよう、前記描画データを前記印刷コマンドに変換する印刷コマンド作成ステップと、
    を有し、
    前記余白なし印刷条件設定ステップで設定する前記印刷領域は、実際に印刷する印刷用紙の前記特定のサイズが変わっても、該特定のサイズに対する拡大量は一定で、
    前記印刷領域の前記拡大量は、各種プリンタで各種サイズの印刷用紙に余白なし印刷する際の各必要最小限度の拡大量のうち、最大拡大量であり、
    前記プリンタホストに接続される前記プリンタで余白なし印刷する際の各種サイズの印刷用紙に対する必要最小限度の拡大量が予め記憶され、
    前記余白なし印刷条件設定ステップでは、実際に印刷される特定のサイズの印刷用紙に対する前記必要最小限度の拡大量よりも前記印刷領域の拡大量が大きい場合、該印刷領域の端から両拡大量の差分の寸法の位置までの部分を印刷不要領域として定め、
    前記印刷コマンド作成ステップでは、前記印刷コマンドとして、前記印刷不要領域には、印刷するデータが無いものとする印刷コマンドを作成する、
    ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体。
  6. 請求項3に記載の記憶媒体において、
    前記印刷領域の前記拡大量は、各種プリンタで各種サイズの印刷用紙に余白なし印刷する際の各必要最小限度の拡大量のうち、最大拡大量であり、
    前記プリンタホストに接続される前記プリンタで余白なし印刷する際の各種サイズの印刷用紙に対する必要最小限度の拡大量が予め記憶され、
    前記余白なし印刷条件設定ステップでは、実際に印刷される特定のサイズの印刷用紙に対する前記必要最小限度の拡大量よりも前記印刷領域の拡大量が大きい場合、実際に印刷される印刷用紙の該特定のサイズと前記必要最小限度の前記拡大量とから、余白なし印刷時の必要最小限度の印刷領域の寸法を定め、
    前記印刷コマンド作成ステップでは、前記余白なし印刷条件設定ステップで定めた前記必要最小限度の寸法をコマンド化し、該必要最小限度の寸法の範囲外を前記プリンタに印刷させない、
    ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体。
  7. アプリケーションで作成された描画データであって、実際に印刷される印刷用紙の特定のサイズよりも大きなサイズの印刷用紙に対する描画データを、印刷コマンドに変換し、該印刷コマンドをプリンタへ送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
    実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズを受け付ける用紙サイズ受付ステップと、
    余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付ステップと、
    前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズよりも大きなサイズの印刷領域を設定する余白なし印刷条件設定ステップと、
    前記余白なし印刷条件設定ステップで設定された前記印刷領域内に、前記プリンタが印刷を実行するよう、前記描画データを前記印刷コマンドに変換する印刷コマンド作成ステップと、
    を有し、
    前記余白なし印刷条件設定ステップで設定する前記印刷領域は、実際に印刷する印刷用紙の前記特定のサイズが変わっても、該特定のサイズに対する拡大量は一定で、
    前記印刷領域の前記拡大量は、各種プリンタで各種サイズの印刷用紙に余白なし印刷する際の各必要最小限度の拡大量のうち、最大拡大量であり、
    前記プリンタホストに接続される前記プリンタで余白なし印刷する際の各種サイズの印刷用紙に対する必要最小限度の拡大量が予め記憶され、
    前記余白なし印刷条件設定ステップでは、実際に印刷される特定のサイズの印刷用紙に対する前記必要最小限度の拡大量よりも前記印刷領域の拡大量が大きい場合、実際に印刷される印刷用紙の該特定のサイズと前記必要最小限度の前記拡大量とから、余白なし印刷時の必要最小限度の印刷領域の寸法を定め、
    前記印刷コマンド作成ステップでは、前記余白なし印刷条件設定ステップで定めた前記必要最小限度の寸法をコマンド化し、該必要最小限度の寸法の範囲外を前記プリンタに印刷させない、
    ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の記憶媒体であって、
    給紙方向に並んでいる複数のノズルを有する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドと対向する位置に配置されているプラテンとを備え、該プラテンには、前記給紙方向に対して垂直な方向に伸びている給紙側インク受け開口及び排紙側インク受け開口が形成されているプリンタに対して、前記印刷コマンドを送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
    前記印刷コマンド作成ステップでは、前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、前記印刷コマンドとして、実際に印刷される印刷用紙の前記給紙方向における前端部の印刷時には、前記印刷ヘッドの複数の前記ノズルのうち、前記給紙側インク受け開口と前記排紙側インク受け開口とうちの一方の開口内に、噴射されたインクが収まるノズルのみからインクを噴射させる印刷コマンドを作成し、前記印刷用紙の後端部の印刷時には、該印刷ヘッドの複数の該ノズルのうち、該給紙側インク受け開口と該排紙側インク受け開口とのうちの他方の開口内に、噴射されたインクが収まるノズルのみからインクが噴射される印刷コマンドを作成する、
    ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体。
  9. 給紙方向に並んでいる複数のノズルを有する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドと対向する位置に配置されているプラテンとを備え、該プラテンには、前記給紙方向に対して垂直な方向に伸びている給紙側インク受け開口及び排紙側インク受け開口が形成されているプリンタに対して、
    アプリケーションで作成された描画データであって、実際に印刷される印刷用紙の特定のサイズよりも大きなサイズの印刷用紙に対する描画データを、印刷コマンドに変換し、該印刷コマンドを送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
    実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズを受け付ける用紙サイズ受付ステップと、
    余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付ステップと、
    前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズよりも大きなサイズの印刷領域を設定する余白なし印刷条件設定ステップと、
    前記余白なし印刷条件設定ステップで設定された前記印刷領域内に、前記プリンタが印刷を実行するよう、前記描画データを前記印刷コマンドに変換する印刷コマンド作成ステップと、
    を有し、
    前記印刷コマンド作成ステップでは、前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、前記印刷コマンドとして、実際に印刷される印刷用紙の前記給紙方向における前端部の印刷時には、前記印刷ヘッドの複数の前記ノズルのうち、前記給紙側インク受け開口と前記排紙側インク受け開口とうちの一方の開口内に、噴射されたインクが収まるノズルのみからインクを噴射させる印刷コマンドを作成し、前記印刷用紙の後端部の印刷時には、該印刷ヘッドの複数の該ノズルのうち、該給紙側インク受け開口と該排紙側インク受け開口とのうちの他方の開口内に、噴射されたインクが収まるノズルのみからインクが噴射される印刷コマンドを作成する、
    ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体。
  10. 給紙方向に並んでいる複数のノズルを有する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドと対向する位置に配置されているプラテンとを備え、該プラテンには、前記給紙方向に対して垂直な方向に伸びている給紙側インク受け開口及び排紙側インク受け開口が形成されているプリンタに対して、
    アプリケーションで作成された描画データであって、特定のサイズの印刷用紙に対する描画データを、印刷コマンドに変換し、該印刷コマンドを送信するプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体において、
    余白なし印刷を受け付ける余白なし印刷受付ステップと、
    前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、実際に印刷される印刷用紙の前記特定のサイズよりも大きなサイズの印刷領域を設定する余白なし印刷条件設定ステップと、
    前記余白なし印刷条件設定ステップで設定された前記印刷領域のサイズに応じて前記描画データの示すイメージを拡大し、該印刷領域内で前記プリンタが印刷を実行するよう、該描画データを前記印刷コマンドに変換する印刷コマンド作成ステップと、
    を有し、
    前記印刷コマンド作成ステップでは、前記余白なし印刷受付ステップで余白なし印刷を受け付けると、前記印刷コマンドとして、実際に印刷される印刷用紙の前記給紙方向における前端部の印刷時には、前記印刷ヘッドの複数の前記ノズルのうち、前記給紙側インク受け開口と前記排紙側インク受け開口とうちの一方の開口内に、噴射されたインクが収まるノズルのみからインクを噴射させる印刷コマンドを作成し、前記印刷用紙の後端部の印刷時には、該印刷ヘッドの複数の該ノズルのうち、該給紙側インク受け開口と該排紙側インク受け開口とのうちの他方の開口内に、噴射されたインクが収まるノズルのみからインクが噴射される印刷コマンドを作成する、
    ことを特徴とするプリンタホストの動作プログラムが記憶されている記憶媒体。
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