JPH11254657A - カード用のインクジェット式プリンタおよび画像形成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成時においてカードを確実に保持で
き、はみ出しインクによる汚れを回避することができる
カード用のインクジェット式プリンタおよび画像形成方
法を提供する。 【解決手段】 画像形成可能なカード１を平坦な状態に
保持して、該保持された状態の前記カードに対してイン
ク滴を吐出して画像を形成するときに、前記カードの全
周にインク滴を吸収することのできるインク吸収体２を
設けた状態とし、前記画像の縁部が前記カードの縁部を
越えて前記インク吸収体上に位置するようにして画像形
成を行うインクジェット式プリンタ１および画像形成方
法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カード用のインク
ジェット式プリンタおよび画像形成方法に関し、より詳
しくは、曲げた状態にして画像形成することのできない
比較的硬質のカードに適用して好適なカード用のインク
ジェット式プリンタおよび画像形成方法関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、キャッシュカード、メンバー
ズカードやその他多種多様のカードが用いられている。
この種のカードは、当然のことながら、その種別を識別
できるように、種々の文字や図柄（以下、文字や図柄を
総称して「画像」と云う）が形成されたり、必要に応じ
て適宜磁気情報が設けられている。

【０００３】この種のカードにおいては、その多くは、
名刺サイズの大きさであり、多くの場合、例えば、塩化
ビニールやポリエチレンテレフタレート(ＰＥＴ)等の合
成樹脂から構成されている。上記のカードにおいて、例
えば、カード使用者特有の画像を形成することができ
る、所謂画像形成可能なカードが提案されてきている
（特開平８−２０９０号公報等）。特に、インクジェッ
ト式プリンタを用いて画像形成可能なインク受容層を有
するガードにあっては、その画像形成の容易性、また、
カラー印刷が可能であるばかりか極めて高品質な画像を
得ることができることから、その適用形態が多種多様に
わたるものであり、カードの付加価値を高めるものと期
待されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記カ
ードにおいては、多くの場合、合成樹脂等からなり、厚
みも比較的厚く構成されており、曲げなどに強く損傷し
難い構成となっている。したがって、プリンタにて画像
を印刷するときに、プリンタ内においてカード保持を如
何に確実に保持するかが大きな課題である。

【０００５】また、上記カードは、前述のごとく、その
ほとんどは名刺サイズ程度の大きさであって、画像形成
領域がかなり小さい。このことから、カードの縁部まで
めいっぱいに印刷を実施することが望ましい。したがっ
て、従来における紙などの印刷のごとく紙の端部をロー
ラ等のガイド手段により押さえるようにすると、画像形
成可能な領域が極めて小さくなってしまい、実用性に乏
しくなってしまうという問題があった。

【０００６】また、仮に、カードの縁部まで画像形成領
域にできるように保持できたとしても、カード縁部と画
像形成領域の縁部を正確に位置合わせするのは極めて困
難であり、カードの縁部まで画像形成を行うようにする
と、画像形成領域がカード縁部からはみ出すような事態
が生じる。この結果、カード以外の部分がインクにより
汚染されたり、はみ出したインクにより、カード自体が
汚れてしまう危険性があった。

【０００７】本発明は、上記問題点に鑑み成されたもの
であって、その目的とするところは、画像形成時におい
てカードを確実に保持できること、しかもカードの画像
形成可能な領域を狭くするような制限を加えることなく
保持できること、すなわち、カード縁部まで画像形成領
域できるように保持できること、さらには、画像形成領
域がカード縁部からはみ出した場合でも、はみ出しイン
クによる汚れを回避することができる、カード用のイン
クジェット式プリンタおよび画像形成方法を提供するこ
とである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係るカード用の
インクジェット式プリンタは、画像形成可能なカードを
平坦な状態に保持しかつ搬送可能な搬送手段と、該搬送
手段上に保持された状態の前記カードに対してインク滴
を吐出して画像を形成するインク滴吐出手段とを具備す
るカード用のインクジェット式プリンタであって、前記
搬送手段には、前記カードの全周を囲むようにインク滴
を吸収することのできるインク吸収体が設けられたこと
を特徴とし(請求項１)、これにより、上記目的を達成す
ることができる。

【０００９】また、本発明に係るカード用のインクジェ
ット式プリンタにおいて、 ・前記インク吸収体が、プリンタ内に装填可能なトレー
に設けられたこと(請求項２)。 ・前記インク吸収体が、前記カードを受容する凹部を形
成するように構成されるとともに、該凹部の深さが前記
カードの厚さと同じになるように構成されたこと(請求
項３)。 ・前記トレーにトレー凹部が形成され、該凹部の側面沿
って前記インク吸収体が設けられ、かつ該インク吸収体
の内側に前記カードを受容可能に構成されたこと(請求
項４)。 ・前記カードを保持する保持力が粘着部材により生じる
ように構成されたこと(請求項５)。 ・前記インク吸収体が、粘着性を有すること(請求項
６)。 を特徴とする。

【００１０】本発明に係る画像形成方法は、画像形成可
能なカードを平坦な状態に保持して、該保持された状態
の前記カードに対してインク滴を吐出して画像を形成す
るときに、前記カードの全周にインク滴を吸収すること
のできるインク吸収体を設けた状態とし、前記画像の縁
部が前記カードの縁部を越えて前記インク吸収体上に位
置するようにして画像形成を行うことを特徴とし(請求
項７)、これにより上記目的を達成することができる。

【００１１】また、本発明に係る画像形成方法におい
て、 ・前記カードの画像形成面と前記インク吸収体の吸収面
とを略同一面にすること(請求項８)、 ・前記カードとして、カード端面が発水処理されたカー
ドを用いること(請求項９)、 を特徴とする。

【００１２】（作用）本発明に係るカード用のインクジ
ェット式プリンタによれば、画像形成可能なカードを平
坦な状態に保持しかつ搬送可能な搬送手段に、前記カー
ドの全周にインク滴を吸収することのできるインク吸収
体が設けられたことにより、画像形成時にインクがカー
ド縁部からはみ出しても、はみ出しインクをインク吸収
体により吸収することができる(請求項１)。

【００１３】また、本発明に係るカード用のインクジェ
ット式プリンタにおいて、インク吸収体が、プリンタ内
に装填可能なトレーに着脱自在に設けられたことによ
り、インク吸収体がインクによる汚れが酷くなった場合
に交換することができる(請求項２)。

【００１４】本発明に係るカード用のインクジェット式
プリンタにおいて、前記インク吸収体が、前記カードを
受容する凹部を形成するように構成されることにより、
インク吸収体とカードの端面とを係合させてカード保持
が可能であり、カード保持に際して画像形成面積に影響
を及ぼすことがなく、さらに、凹部の深さがカードの厚
さと同じになるように構成されたことにより、カード端
部からはみ出すように吐出されたインク滴によるカード
端面の汚れを防止することができる(請求項３)。

【００１５】本発明に係るカード用のインクジェット式
プリンタにおいて、前記トレーにトレー凹部が形成さ
れ、該凹部の側面沿って前記インク吸収体が設けられ、
かつ該インク吸収体の内側に前記カードを受容可能に構
成されたことにより、カード並びにインク吸収体がトレ
ー表面から突出しないようにできる(請求項４)。

【００１６】本発明に係るカード用のインクジェット式
プリンタにおいて、前記カードを保持する保持力が粘着
部材により生じるように構成されたことにより、カード
をその裏面から保持することができる(請求項５)。

【００１７】本発明に係るカード用のインクジェット式
プリンタにおいて、前記インク吸収体が粘着性を有して
いることで、該インク吸収体上に前記カード保持を接着
することができる(請求項６)。

【００１８】また、本発明に係る画像形成方法は、画像
形成可能なカードを平坦な状態に保持して、該保持され
た状態の前記カードに対してインク滴を吐出して画像を
形成するときに、前記カードの全周にインク滴を吸収す
ることのできるインク吸収体を設けた状態とし、前記画
像の縁部が前記カードの縁部を越えて前記インク吸収体
上に位置するようにして画像形成を行うことにより、画
像形成時にカード縁部からはみ出したインクをインク吸
収体により吸収できるので、カード縁部までも画像形成
とすることができ、かつはみ出したインクによる不測の
汚れを防止することができる(請求項７)。

【００１９】本発明に係る画像形成方法において、前記
カードの画像形成面と前記インク吸収体の吸収面とを略
同一面にすることにより、カード端部からはみ出すよう
に吐出されたインク滴によるカード端面の汚れを回避で
きる(請求項８)。

【００２０】また、本発明に係る画像形成方法におい
て、前記カードとして、カード端面が発水処理されたカ
ードを用いることにより、画像形成領域をカード端部か
らはみ出すようにしても、カード端面の汚れを効果的に
回避することができる(請求項９)。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るカード用のイ
ンクジェット式プリンタおよび画像形成方法の一実施の
形態について、添付図に基づいて詳細に説明する。

【００２２】なお、図１は、本発明に係るカード用のイ
ンクジェット式プリンタの第１の実施の形態における概
略斜視図である。図２は、図１に示すカード用のインク
ジェット式プリンタにおける要部の拡大斜視図である。
図３は、図２におけるＸ−Ｘ線に沿った部分の断面図で
ある。図４は、本発明に係る画像形成方法を説明するた
めの概略平面図である。

【００２３】また、図５は、本発明に係るカード用のイ
ンクジェット式プリンタの第２の実施の態様における要
部拡大断面図である。また、図６は、本発明に係るカー
ド用のインクジェット式プリンタの第３の実施の態様に
おける要部拡大断面図である。図７は、本発明に係るカ
ード用のインクジェット式プリンタの第４の実施の形態
における要部断面図である。図８は、本発明に係るカー
ド用のインクジェット式プリンタの第５の実施の形態の
要部断面図である。図９は、本発明に係るカード用のイ
ンクジェット式プリンタの第６の実施の形態の概略斜視
図である。図１０は、図９に示すカード用のインクジェ
ット式プリンタの概略側面図である。

【００２４】（第１の実施の形態）図１〜図３は、本発
明に係るカード用のインクジェット式プリンタにおける
第１の実施の形態を示す。図１に示す本実施の形態にお
けるインクジェット式プリンタ１０（以下、単に“プリ
ンタ”という）は、画像形成可能なカード１を平坦な状
態に保持しかつ搬送可能な搬送手段であるトレー３およ
びトレー保持部１２と、このトレー保持部１２上に保持
された状態のカード１に対してインク滴を吐出して画像
を形成するインク滴吐出手段５とを具備するプリンタ本
体１１にて構成されている。なお、プリンタ１０の作動
指示を行う操作部１５がプリンタ本体１１の例えば上面
に設けられている。

【００２５】また、トレー３には、カー１ドの全周に、
インク滴を吸収することのできるインク吸収体２が設け
られている。このインク吸収体２は、図２および図３に
示すように、カード１を受容する凹部２ａを形成するよ
うに構成されている。そして、この凹部２ａは、その深
さがカード１の厚さ(ｔ)と同じになるように構成されて
いる。インク吸収体２としては、高分子吸収体が好まし
いが、その他にも、ウレタンフォーム、紙、不織布など
を用いることができる。カード１は、インク吸収体２に
よって形成された凹部２ａ内に着脱自在に保持される。

【００２６】プリンタ１を使用して、カード１に画像形
成(印刷)する方法について説明する。先ず、トレー３の
凹部２ａ内にカード１を装着する。このとき、トレー３
は、トレー保持部１２上に設けられてた場合でも、又、
カード１を装着してからトレー保持部１２に装着する方
法の何れでもよい。その後、トレー保持部１２上のトレ
ー１２に装着されたカード１は、例えば、操作部１５を
操作することにより、プリンタ本体１内に導入(矢印Ａ
方向への移動)される。このとき、トレー３がトレー保
持部１２上をスライドしてプリンタ本体内に移動して
も、又、トレー保持部１２とともにプリンタ本体内に移
動してもよい。

【００２７】プリンタ本体１１内に導入されたカード１
には、インク滴吐出手段５が、カード５に対して、水平
方向に移動(矢印Ｃ方向)して、予め設定された画像が形
成される。この画像形成に際しては、図４に示すよう
に、印刷領域の端部８(図中において、一点鎖線にて示
す領域)の大きさを、カード１よりも大きくし且つイン
ク吸収体２の外周縁２ｃよりも内側となるようにする。

【００２８】画像形成が完了すると、トレー３がプリン
タ本体１１の外側に移動する。そのご、画像形成された
カード１をトレー２から取り出すことができる。

【００２９】このように、本実施の形態のプリンタ１お
よび該プリンタ１を用いる画像形成方法は、画像形成可
能なカードを平坦な状態に保持しかつ搬送するトレー２
に、カード１の全周を囲むようにインク滴を吸収するこ
とのできるインク吸収体２が設けられたことで、画像形
成時にインクがカード縁部１ｃからはみ出しても、はみ
出しインクをインク吸収体２により吸収することができ
る。

【００３０】また、インク吸収体２が、カード１を受容
する凹部２ａを形成するように構成されることで、イン
ク吸収体２とカード１の端面１ｗとを係合させてカード
保持が可能である。このように、カード１の端面１ｗを
係止するようにしたカード保持によれば、カード保持構
造が画像形成面積に影響を及ぼすことがない。さらに、
凹部２ａの深さがカード１の厚さ(ｔ)と同じになるよう
に構成されたことで、カード端部からはみ出すように吐
出されたインク滴によるカード１の端面１ｗの汚れを防
止することができる。

【００３１】また、カード１の端面１ｗが発水処理され
ている。したがって、画像形成領域をカード端部からは
み出すようにした場合でも、該端面１ｗの汚れを効果的
に回避することができる。

【００３２】（第２の実施の形態）図５には、本発明に
係る第２の実施の形態における要部拡大断面図を示す。
本実施の形態においては、インク吸収体２０が、プリン
タ内に装填可能なトレー３に着脱自在に設けられ構成が
特徴である。すなわち、インク吸収体２０は、凹部２０
ａを有する板状の部材に構成され、その裏面側(凹部が
形成された側とは反対側)に粘着層２４が設けられてい
る。

【００３３】このように、インク吸収体２０が、プリン
タ内に装填可能なトレー３に対して着脱自在に設けられ
たことにより、インク吸収体２０がインクによりる汚れ
が酷くなった場合に交換することができる。また、イン
ク吸収体２０が板状に構成されていることから、トレー
３への貼り付けが容易であり、また、貼り付け時におい
て、凹部２０ａの変形もなく貼り付けが容易である。

【００３４】（第３の実施の形態）図６には、本発明に
係るプリンタの第３の実施の形態の要部断面図を示す。
本実施の形態においては、トレー５３にトレー凹部５４
が形成されており、このトレー凹部５４の側面沿って、
インク吸収体５２が設けられている点が特徴である。

【００３５】したがって、このインク吸収体５２の内側
にカード１を受容でき、また、トレー凹部５４の底面に
は粘着パッド５６が設けられていることにより、カード
１をインク吸収体５２の内側にしっかりと保持すること
ができる。このように、トレー凹部５４が形成され、こ
のトレー凹部５４内にインク吸収体５２が埋没するよう
に設けられたことにより、カード１並びにインク吸収体
５２がトレー表面から突出せず、プリンタ内での移動や
画像形成時のインク滴吐出手段の動作に制約を与えるこ
となく、好都合である。

【００３６】また、画像形成後におけるカード１の取り
出しに際しては、トレー５３に形成された貫通孔５７
に、例えば突き出しピン５８等の取り出し手段を挿入す
ることにより、突き出すことができる。この突き上げピ
ン５８は、図１に示すプリンタ１においては、トレー保
持部１２に設けることができる。

【００３７】また、カード１を保持する保持力として
は、粘着パッド５６に限らず、例えば、貫通孔５７など
から空気を吸引し、その吸引力を利用することができ
る。この場合、カード１をその裏面から保持することが
でき、また、カード保持の解除は、吸引を解除すること
により容易である。

【００３８】（第４の実施の形態）図７に本発明に係る
第４の実施の形態における要部拡大断面図を示す。本実
施の形態においては、インク吸収体６２が、プリンタ内
に装填可能なトレー６３上に、凹部６２ａを形成するよ
うに設けられている。そして、カード１が、インク吸収
体６２の上に仮固定できるように、該インク吸収体６２
の上面が粘着性を有している。したがって、カード１
は、インク吸収体６２の粘着性により固定される。本実
施の形態の場合、凹部６２ａが形成されるので、カード
全面での粘着でなく、カード１の着脱が容易である。

【００３９】（第５の実施の形態）図８に本発明に係る
第５の実施の形態における要部拡大断面図を示す。本実
施の形態においては、インク吸収体７２が、プリンタ内
に装填可能なトレー７３上に、一枚板状に着脱自在に設
けられている。すなわち、インク吸収体７２は、カード
１を仮固定できるように、該インク吸収体７２の上面が
粘着性を有しているだけでなく、トレー７３との固定も
粘着力を利用した構成となっている。

【００４０】カード１は、インク吸収体７２の上面の粘
着性により固定され、インク吸収体７２のよって裏面全
体が保持されるので、しっかりした固定を行うことがで
きる。したがって、比較的剛性の小さいカード１に適し
た構成である。また、インク吸収体７２の表裏の粘着力
は同じ程度でもよいが、裏面側（トレー側）の粘着力を
大きく設定することが望ましい。

【００４１】（第６の実施の形態）図９および図１０
は、本発明に係るプリンタにおける第６の実施の形態を
示す。図９に示す本実施の形態におけるプリンタ８０
は、カード１を平坦な状態に保持しかつ搬送するトレー
８３および該トレーを保持する搬送ベルト８８と、この
トレー８３に保持された状態のカード１に対してインク
滴を吐出するインク滴吐出手段８５とを具備するプリン
タ本体８１にて構成されている。

【００４２】また、トレー８３には、図１０に示すよう
に、カード１の全周に、インク滴を吸収することのでき
るインク吸収体８２が、前掲の図２および図３に示す構
成と同様に、カード１を受容する凹部を形成するように
構成されている。また、この凹部は、その深さについて
も、図３に示した構成と同様に、カード１の厚さと同じ
に構成されている。

【００４３】本実施の形態においては、トレー８３を移
動させる構成として、ローラ８７等により前後動（カー
ド１をインク滴吐出手段８５側への移動させるＡ方向お
よびカード１を装着・取り出し側に移動させるＢ方向の
移動）できる搬送ベルト８８を用いている。

【００４４】上記各実施の形態においては、プリンタに
カードを一枚だけ装着した形態について説明したが、本
発明においては、このような形態に何ら制限されるもの
ではなく、トレーに装着するカードは多数枚設けるよう
にしても良い。

【００４５】

【発明の効果】以上詳記したとおり、本発明に係るカー
ド用のインクジェット式プリンタは、画像形成可能なカ
ードを平坦な状態に保持しかつ搬送可能な搬送手段に、
カードの全周を囲むようにインク滴を吸収することので
きるインク吸収体が設けられた構成であるので、画像形
成時にインクがカード縁部からはみ出しても、このはみ
出しインクをインク吸収体により吸収することができ、
はみ出しインクによる不測の汚れを防止することができ
る。また、本発明に係るカード用のインクジェット式プ
リンタによれば、はみ出しインクによる汚れが回避でき
るので、画像形成領域をカード端部まであるような設定
或いはカード端部を越えるような設定とすることがで
き、カード全面に画像形成が可能である。

【００４６】また、本発明に係るカード用のインクジェ
ット式プリンタは、インク吸収体が、プリンタ内に装填
可能なトレーに着脱自在に設けられた構成の場合、イン
ク吸収体がインクによる汚れが酷くなった場合に交換す
ることができ、良好なインク吸収性を維持することがで
きる。

【００４７】本発明に係るカード用のインクジェット式
プリンタは、インク吸収体が、カードを受容する凹部を
形成するように構成された場合には、インク吸収体の端
面によりカード保持が可能であるので、カードのどの位
置にも画像形成をすることができ、また、この凹部の深
さがカードの厚さと同じになるように構成されたことに
より、カード端部からはみ出すように吐出されたインク
滴を効果的に吸収できる。

【００４８】本発明に係るカード用のインクジェット式
プリンタにおいて、トレーにトレー凹部が形成され、該
凹部の側面沿ってインク吸収体が設けられ、該インク吸
収体の内側にカードを受容するように構成した場合は、
トレー表面から、カード並びにインク吸収体が突出しな
いようにできるので、トレー搬送経路での、インク吸収
体並びにカードの引っかかり等のトラブルの危険性を回
避することができる。

【００４９】本発明に係るカード用のインクジェット式
プリンタが、カードを保持する保持力が粘着部材により
生じるように構成された場合は、カードをその裏面から
保持できるので、カード着脱が容易でありあるだけでな
く、カードの画像形成面を小さくするような制約を与え
ることがなく、カードのいずれの部分も画像形成可能な
領域に設定できる。

【００５０】また、本発明に係るカード用のインクジェ
ット式プリンタにおいて、インク吸収体が、その上に前
記カード保持可能に粘着性を有するように構成された場
合には、カードの装着が極めて容易である。

【００５１】本発明に係るカード用の画像形成方法は、
画像形成可能なカードを平坦な状態に保持し、該保持し
た状態のカードに対してインク滴を吐出して画像を形成
するときに、カードの全周にインク滴を吸収することの
できるインク吸収体を設けて、画像の縁部が前記カード
の縁部を越えて前記インク吸収体上に位置するようにし
て画像形成を行うようにするので、画像形成時にカード
縁部からはみ出したインクをインク吸収体により吸収で
き、はみ出しインクによる汚れを心配することなくカー
ド縁部までも画像形成することができる。

【００５２】また、本発明に係る画像形成方法におい
て、カード端面が発水処理されたカードを用いることに
より、画像形成領域をカード端部からはみ出すようにし
ても、カード端面の汚れを効果的に回避することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るカード用のインクジェット式プリ
ンタの一実施の形態(第１の実施の形態)の概略斜視図で
ある。

【図２】図１に示すカード用のインクジェット式プリン
タにおける要部の拡大斜視図である。

【図３】図２におけるＸ−Ｘ線に沿った部分の断面図で
ある。

【図４】本発明に係る画像形成方法を説明するための概
略平面図である。

【図５】本発明に係るカード用のインクジェット式プリ
ンタの他の実施の形態(第２の実施の形態)の要部拡大断
面図である。

【図６】本発明に係るカード用のインクジェット式プリ
ンタの他の実施の形態(第３の実施の形態)の要部拡大断
面図である。

【図７】本発明に係るカード用のインクジェット式プリ
ンタの他の実施の形態(第４の実施の形態)の要部断面図
である。

【図８】本発明に係るカード用のインクジェット式プリ
ンタの他の実施の形態(第５の実施の形態)の要部断面図
である。

【図９】本発明に係るカード用のインクジェット式プリ
ンタの一実施の形態(第６の実施の形態)の概略斜視図で
ある。

【図１０】図９に示すカード用のインクジェット式プリ
ンタの概略側面図である。

【符号の説明】

１ カード ２，２０，５２，６２，７２ インク吸収体 ３ トレー ５ インク滴吐出手段 １０，８０ インクジェット式プリンタ １１，８１ プリンタ本体 １２ トレー保持部 １５ 操作部

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像形成可能なカードを平坦な状態に保
   持しかつ搬送可能な搬送手段と、該搬送手段上に保持さ
   れた状態の前記カードに対してインク滴を吐出して画像
   を形成するインク滴吐出手段とを具備するカード用のイ
   ンクジェット式プリンタにおいて、 前記搬送手段には、前記カードの全周を囲むように、イ
   ンク滴を吸収することのできるインク吸収体が設けられ
   たことを特徴とするカード用のインクジェット式プリン
   タ。
2. 【請求項２】 前記インク吸収体が、プリンタ内に装填
   可能なトレーに着脱自在に設けられたことを特徴とする
   請求項１に記載のカード用のインクジェット式プリン
   タ。
3. 【請求項３】 前記インク吸収体が、前記カードを受容
   する凹部を形成するように構成されるとともに、該凹部
   の深さが前記カードの厚さと同じになるように構成され
   たことを特徴とする請求項１又は２に記載のカード用の
   インクジェット式プリンタ。
4. 【請求項４】 前記トレーにトレー凹部が形成され、該
   凹部の側面沿って前記インク吸収体が設けられ、かつ該
   インク吸収体の内側に前記カードを受容可能に構成され
   たことを特徴とする請求項２に記載のカード用のインク
   ジェット式プリンタ。
5. 【請求項５】 前記カードを保持する保持力が粘着部材
   により生じるように構成されたことを特徴とする請求項
   １から４のいずれかに記載のカード用のインクジェット
   式プリンタ。
6. 【請求項６】 前記インク吸収体が、粘着性を有するこ
   とを特徴とする請求項１又は２に記載のカード用のイン
   クジェット式プリンタ。
7. 【請求項７】 画像形成可能なカードを平坦な状態に保
   持して、該保持された状態の前記カードに対してインク
   滴を吐出して画像を形成するときに、前記カードの全周
   にインク滴を吸収することのできるインク吸収体を設け
   た状態とし、前記画像の縁部が前記カードの縁部を越え
   て前記インク吸収体上に位置するようにして画像形成を
   行うことを特徴とするカード用の画像形成方法。
8. 【請求項８】 前記カードの画像形成面と前記インク吸
   収体の吸収面とを略同一面にすることを特徴とする請求
   項９に記載のカード用の画像形成方法。
9. 【請求項９】 前記カードとして、カード端面が発水処
   理されたカードを用いることを特徴とする請求項７又は
   ８に記載のカード用の画像形成方法。