JP3687832B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、積層セラミックコンデンサに関するもので、特に、金属板からなる端子部材が外部電極に接合された構造を有する積層セラミックコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、積層セラミックコンデンサは、矩形状の形態をなしていて、相対向する端部には、それぞれ、外部電極が形成されている。このような積層セラミックコンデンサを適宜の配線基板上に実装しようとする場合、通常、上述の外部電極を、直接、配線基板上の所定の導電ランドに半田付けすることによって表面実装するようにされる。
【0003】
しかしながら、上述のように、外部電極を、直接、配線基板に半田付けするような実装状態としたときには、セラミックをもって構成されるコンデンサ本体にクラックが生じたり、外部電極がコンデンサ本体から剥離されたりするといった機械的損傷が、積層セラミックコンデンサにもたらされることがある。
【0004】
このような機械的損傷は、たとえば、半田付けのための半田の凝固による収縮に基づいて生じる応力が原因となったり、配線基板と積層セラミックコンデンサとの熱膨張係数の差によって生じる応力が原因となったり、配線基板の撓みによって生じる応力が原因となったりして、もたらされることが多い。
【0005】
この問題を解決するため、積層セラミックコンデンサの各外部電極に金属板からなる端子部材を取付けたものも実用に供されている。このような構造の積層セラミックコンデンサによれば、上述した機械的損傷の原因となる応力の多くは、端子部材を構成する金属板の撓みを伴う変形により有利に吸収されるので、積層セラミックコンデンサにおいて機械的損傷を生じにくくすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した端子部材は、その特定の面を外部電極に対向させた状態で、たとえば半田のような導電性接合材によって接合されるのが通常である。
【0007】
しかしながら、上述のように接合された端子部材を備える積層セラミックコンデンサは、新たに、次のような問題に遭遇することがある。
【0008】
すなわち、誘電体としてチタン酸バリウム系セラミックを用いるような積層セラミックコンデンサを特に高電圧や高周波領域で使用した場合、コンデンサ本体に備える誘電体の圧電現象により、電歪が発生しやすい。この電歪による応力は、特に大容量の積層セラミックコンデンサにおいて大きく生じる。
【0009】
このように電歪が発生する状況において、前述したように、面と面とを対向させて端子部材が外部電極に接合されていると、コンデンサ本体の電歪による変位が端子部材によって比較的大きく拘束されるため、電歪による応力の逃げ道が大きく制限されてしまう。
【0010】
その結果、この電歪による応力は、端子部材と外部電極との接合部分に集中的に繰り返し加わり、この接合部分に疲労破壊がもたらされることがある。また、最悪の場合には、コンデンサ本体の誘電体セラミック部分においてクラックを生じさせることもある。また、このような破壊等には至らなくても、電歪が配線基板等へ伝わって共鳴し、「鳴き」と呼ばれる現象が時折引き起こされている。
【0011】
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決し得る積層セラミックコンデンサを提供しようとすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、圧電性を有する誘電体を含み、相対向する端部にそれぞれ外部電極が形成され、かつ外部電極の特定のものに電気的に接続されるように複数の内部電極が積層状に形成されている、チップ状のコンデンサ本体と、外部電極に対して導電性接合材によって接合される、金属板からなる端子部材とを備える、積層セラミックコンデンサに向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、端子部材が、複数の櫛歯状片を備え、外部電極に対する導電性接合材による接合部分を外部電極の一部において実質的に線状に延びるようにするため、各櫛歯状片は、外部電極に向かって突出する突起を形成していて、複数の突起は、実質的に線状に分布していることを第1の特徴としている。
【0013】
この発明は、上述の接合部分が実質的に線状に延びる方向は、内部電極の延びる方向と略平行になるように選ばれることを第2の特徴としている。
【0014】
この発明は、また、接合部分の幅が、内部電極の積層方向に測定した、コンデンサ本体の端面の寸法の2/3以下に選ばれることを第3の特徴としている。この接合部分の幅に関して、より好ましくは4/9以下、さらに好ましくは1/3以下に選ばれる。
【0015】
この発明は、さらに、接合部分の幅方向の中心が、コンデンサ本体の端面の内部電極の積層方向における一方端から、内部電極の積層方向に測定した、端面の寸法の1/5〜4/5の範囲内に位置するようにされることを第4の特徴としている。この接合部分の幅方向の中心に関して、より好ましくは2/8〜6/8の範囲内、さらに好ましくは3/8〜5/8の範囲内に位置するようにされる。
【0016】
この発明において、ある特定的な実施態様では、突起は、端子部材を構成する金属板の折り曲げ線によって与えられることができる。
【0017】
また、この発明は、複数のコンデンサ本体を備える積層セラミックコンデンサにも適用される。この場合、複数のコンデンサ本体の各々の外部電極に端子部材が共通に取付けられる。
【0018】
また、この発明に係る積層セラミックコンデンサは、端子部材の一部を突出させた状態でコンデンサ本体を収容するためのケースをさらに備えていてもよい。
【0019】
上述の場合、端子部材には、コンデンサ本体をケース内で位置決めするための位置決め片が一体に形成されていることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、この発明をなすに至った第1の背景技術による積層セラミックコンデンサ1を示すもので、図1は正面図、図2は斜視図である。
【0021】
積層セラミックコンデンサ1は、たとえば、チタン酸バリウム系セラミックのような誘電体を含み、相対向する端部にそれぞれ外部電極2が形成され、かつ外部電極2の特定のものに電気的に接続されるように複数の内部電極3(図3参照)が積層状に形成されている、チップ状のコンデンサ本体4を備えるとともに、外部電極2に対して導電性接合材としての半田5によって接合される、金属板からなる端子部材6を備えている。
【0022】
このような積層セラミックコンデンサ1において、この背景技術では、端子部材6が、外部電極2に向かって突出する突起7を形成していて、外部電極2に対する半田5による接合部分8を外部電極2の一部において実質的に線状に延びるようにしていることが特徴となっている。
【0023】
より詳細には、上述の接合部分8は、内部電極3(図3)の延びる方向と略平行に実質的に線状に延びている。また、実質的に線状に延びる接合部分8を与えるための突起7も、連続的に線状に延びるように形成され、より具体的には、端子部材6を構成する金属板の折り曲げ線によって与えられる。なお、上述の接合部分8は、たとえば、外部電極2に予め半田膜を形成しておき、これに端子部材6を当接させた状態で半田膜を溶融させ、半田の表面張力による収縮によってフィレット付きで形成される。また、接合部分8の長手方向寸法(図1において紙面に垂直な方向の寸法)は、コンデンサ本体4の端面の幅方向寸法(図1において紙面に垂直な方向の寸法)より短くなるようにされる。これは、半田5による半田付けの際に及ぼされる熱衝撃をできるだけ緩和するための対策となる。
【0024】
図3には、対をなす内部電極3間における電歪による変位分布が図解的に示されている。また、図4には、図1に示した積層セラミックコンデンサ1の一部が拡大されて示されている。
【0025】
図3に示すように、電歪による変位は、対をなす内部電極3間の中心線C1から離れるほど、より大きな変位量となるような分布を有している。そのため、このような内部電極3を複数層に積層したコンデンサ本体4全体しては、図4において矢印9で示すように、厚みモードの電歪による変位が最も生じやすい。
【0026】
この背景技術によれば、端子部材6と外部電極2との接合部分8が、外部電極2の一部といった限られた領域にあり、しかも内部電極3の延びる方向と略平行に実質的に線状に延びているので、上述したような厚みモードの電歪による変位は、端子部材6によっては実質的に拘束されず、コンデンサ本体4の両主面10にまで伝達され、このような変位エネルギーは、矢印11で示すように、コンデンサ本体4の自由端である両主面10から効果的に放出される。
【0027】
したがって、このような電歪による応力は、接合部分8、コンデンサ本体4、さらには端子部材6が半田付けされる配線基板(図示せず。)のいずれにも実質的に及ぼされないようにすることができる。
【0028】
上述のような原理に従って電歪による応力の緩和を図るためには、図4に示すように、コンデンサ本体4の厚み方向の中心線Cにできるだけ近接させて端子部材6の突起7を配置し、半田5による接合部分8の幅方向の中心を、この中心線Cのできるだけ近傍に位置させることが好ましい。これに関して、接合部分8の幅方向の中心とコンデンサ本体4の端面の内部電極3の積層方向(コンデンサ本体4の厚み方向)における一方端との間の寸法aは、内部電極3の積層方向に測定した、コンデンサ本体4の端面の寸法(コンデンサ本体4の厚み方向寸法)bの1/5〜4/5の範囲内になるようにされることが好ましく、より好ましくは、2/8〜6/8の範囲内になるように、さらに好ましくは3/8〜5/8の範囲内になるようにされる。
【0029】
また、同様に、電歪による応力の緩和を図るためには、接合部分8の幅cは、できるだけ小さい方が好ましい。これに関連して、接合部分8の幅cは、内部電極3の積層方向に測定した、コンデンサ本体4の端面の寸法bの2/3以下に選ばれることが好ましく、より好ましくは4/9以下、さらに好ましくは1/3以下に選ばれる。
【0030】
図5、図6、図7および図8は、この発明の第2、第3、第4および第5の各背景技術による積層セラミックコンデンサ1a、1b、1cおよび1dの各一部をそれぞれ示す正面図である。図5ないし図8において、図1に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0031】
図5に示した積層セラミックコンデンサ1aでは、端子部材6aの屈曲した部分の先端において突起7を形成している。
【0032】
図6に示した積層セラミックコンデンサ1bにおいては、端子部材6bをC字状に曲成した部分において突起7を形成している。
【0033】
図7に示した積層セラミックコンデンサ1cにおいては、端子部材6cの曲成された端部において突起7を形成している。
【0034】
図8に示した積層セラミックコンデンサ1dにおいては、端子部材6dの突起7は、図1に示した突起7のように鋭利ではなく、所定の幅を有している。
【0035】
図9、図10および図11は、この発明の第6、第7および第8の各背景技術による積層セラミックコンデンサ1e、1fおよび1gをそれぞれ示すもので、図9および図10は正面図であり、図11は斜視図である。図9ないし図11において、図1に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0036】
図9に示した積層セラミックコンデンサ1eは、複数、たとえば2つのコンデンサ本体4を積み重ねて一体化したスタック部品の形態を有している。2つのコンデンサ本体4の各々の外部電極2には、端子部材6eが共通に取付けられていて、これら端子部材6eによって、2つのコンデンサ本体4は電気的に並列に接続されている。端子部材6eは、各外部電極2に対応して、突起7を形成している。
【0037】
2つのコンデンサ本体4の間には、各々において生じる電歪現象が互いに干渉することを防止するため、ギャップ12が設けられる。なお、ギャップ12に代えて、ショアA硬度90以下の電歪現象を吸収できるような接着剤によって、2つのコンデンサ本体4を互いに接合してもよい。
【0038】
図10に示した積層セラミックコンデンサ1fは、複数、たとえば2つのコンデンサ本体4を備えていて、これらコンデンサ本体4は、直列に平面的に配列されている。これら2つのコンデンサ本体4のそれぞれの互いに接続される外部電極2は、半田または導電性接着剤のような導電性接合材によって互いに接合される。なお、これら導電性接合材によって互いに接合される外部電極2間に、必要に応じて、図示しないが、好ましくは何らかの突起を有する適当な端子部材を挿入するようにしてもよい。
【0039】
このようにして電気的に直列に接続された2つのコンデンサ本体4の両端に位置する外部電極2には、端子部材6fがそれぞれ取付けられる。端子部材6fは、図1に示した端子部材6と実質的に同様の形状を有している。
【0040】
図11に示した積層セラミックコンデンサ1gは、複数、たとえば2つのコンデンサ本体4を備え、これらコンデンサ本体4は、平面的に並列に配列されている。これら2つのコンデンサ本体4は、たとえば両面粘着テープまたは接着剤によって互いに接合される。
【0041】
端子部材6gは、2つのコンデンサ本体4の各々の外部電極2を共通に接続する長さを有している。
【0042】
図14は、この発明の第9の背景技術による積層セラミックコンデンサ1iを示す正面図である。図14において、図1に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0043】
図14に示した積層セラミックコンデンサ1iは、図15に単独で示すような端子部材6iを備えている。図15は、端子部材6iの、外部電極2側に向く面を示している。端子部材6iは、実質的に線状に分布する複数の突起7を備えている。これら突起7は、たとえば、端子部材6iを成形するとき、プレスによって深絞りすることによって形成することができる。
【0044】
この背景技術のように、実質的に線状に分布する複数の突起7を備えている場合にも、外部電極2に対する半田5による接合部分8を外部電極2の一部において実質的に線状に延びるようにすることができる。
【0045】
図12は、この発明の一実施形態による積層セラミックコンデンサ1hを示す正面図であり、一部を断面で示している。図12において、図1に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0046】
図12に示した積層セラミックコンデンサ1hは、端子部材6hの一部を突出させた状態でコンデンサ本体4を収容するためのケース13を備えることを特徴としている。図13には、積層セラミックコンデンサ1hにおけるケース13内に収容されている要素が斜視図で示されている。
【0047】
端子部材6hは、複数、たとえば3つの櫛歯状片14を備え、各櫛歯状片14に突起7が形成されている。したがって、この実施形態では、各端子部材6hは、実質的に線状に分布する複数の突起7を形成していることになる。
【0048】
また、端子部材6hは、その両側において位置決め片15を一体に形成している。位置決め片15は、図12によく示されているように、コンデンサ本体4をケース13内で位置決めするためのものである。
【0049】
この実施形態によれば、ケース13によってコンデンサ本体4を覆うことになるので、実装時の衝撃がコンデンサ本体4に伝わることを低減でき、また、外部からの衝突物によってコンデンサ本体4が破損されることを防止でき、さらに、端子部材6hに加わる不所望な応力を接合部分8にまで伝播させないようにすることができる。
【0050】
また、この実施形態において、図示しないが、ケース13内の空間を適当な樹脂で充填(ポッティング)するようにしてもよい。このようにすれば、ケース13内が湿気やガス等から遮断され、さらなる信頼性の向上を期待することができる。また、高周波電流をこの積層セラミックコンデンサ1hに印加するとき、コンデンサ本体4のインピーダンスにより発熱を生じるが、ポッティング樹脂として高熱伝導性のものを用いれば、ケース13内に空間を残す場合に比べて、放熱効率を向上させることができる。
【0051】
以上、この発明を図示したいくつかの背景技術および実施形態に関連して説明したが、この発明の範囲内において、その他、種々の変形例が可能である。
【0052】
たとえば、上述した各背景技術および実施形態では、端子部材6等を外部電極2に接合するための導電性接合材として、半田5を用いたが、これに代えて、導電性接着剤を用いてもよい。また、半田5を用いる場合、鉛フリー半田のような、比較的硬度が高いものを用いれば、この発明の効果がより顕著に得られる。
【0053】
また、上述した各背景技術および実施形態では、接合部分8は、1つの直線に沿って線状に延びるように形成されたが、2つ以上の直線に沿って、あるいは曲線に沿って延びるように形成されてもよい。
【0054】
また、接合部分8は、上述の各背景技術および実施形態では、半田5によって与えられたが、このような半田は、接合部分8を実質的に構成しない態様で、端子部材6等または外部電極2の他の領域に付与されていてもよい。たとえば、半田は、外部電極2の全面または端子部材6の全面にコートされていてもよい。
【0055】
また、上述した各背景技術および実施形態のそれぞれの特徴を組み合わせた実施形態も可能である。たとえば、図12に示したケース13を備える構成は、図1、図5ないし図11および図14にそれぞれ示した背景技術にも採用することができる。また、図9ないし図11に示した複数のコンデンサ本体4を備える各背景技術において、端子部材の形状として、図5ないし図8、図12および図14に示したものを採用することもできる。また、図12に示した端子部材6hは、ケース13を備えない積層セラミックコンデンサにも適用することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、圧電性を有する誘電体を含むコンデンサ本体の外部電極に対して導電性接合材によって接合される端子部材には、複数の櫛歯状片が設けられ、各櫛歯状片には、外部電極に向かって突出する突起が実質的に線状に分布するように形成されていて、それによって、外部電極に対する導電性接合材による接合部分を外部電極の一部において実質的に線状に延びるようにしているので、コンデンサ本体の電歪現象をほとんど拘束することがなく、電歪によって生じる応力を緩和することができる。したがって、このような応力によってもたらされる接合部分の破損およびコンデンサ本体のクラック等を有利に防止することができ、また、「鳴き」も大幅に低減することができる。
【0057】
複数の内部電極を積層状に形成しているコンデンサ本体においては、厚みモードの電歪、すなわち内部電極と直交する方向の電歪が最も発生しやすい。この発明によれば、接合部分の上述した実質的に線状に延びる方向が、内部電極の延びる方向と略平行にされるので、電歪による振動は接合部分ないしは端子部材によってほとんど受け止めることをせず、コンデンサ本体の自由端において効果的に放出されるようになる。したがって、電歪による応力の緩和という作用をより効果的に発揮させることができる。
【0058】
また、この発明によれば、接合部分の幅が、内部電極の積層方向に測定した、コンデンサ本体の端面の寸法の2/3以下、より好ましくは4/9以下、さらに好ましくは1/3以下に選ばれるので、上述したような電歪による応力の緩和という効果をより確実に達成することができる。
【0059】
また、この発明によれば、接合部分の幅方向の中心が、コンデンサ本体の端面の内部電極の積層方向における一方端から、内部電極の積層方向に測定した、端面の寸法の1/5〜4/5、より好ましくは2/8〜6/8、さらに好ましくは3/8〜5/8の範囲内に位置するようにされるので、上述した場合と同様、電歪による応力の緩和という効果をより確実に達成することができる。
【0060】
また、この発明において、複数のコンデンサ本体を備え、これらコンデンサ本体の各々の外部電極に端子部材が共通に取付けられている構造を採用すれば、端子部材を、たとえば複数のコンデンサ本体を並列接続するための導電部材としても機能させることができるとともに、たとえばスタック部品を容易に得ることができる。
【0061】
また、この発明において、コンデンサ本体がケースに収容される構造が採用されると、実装時の衝撃がコンデンサ本体に伝わりにくくなり、また、外部からの衝突物によるコンデンサ本体の破損の防止が可能になり、さらには、端子部材に加わる不所望な応力を接合部分にまで伝播させないようにすることができる。
【0062】
また、上述したようにケースを備える場合、端子部材に、コンデンサ本体をケース内で位置決めするための位置決め片を一体に形成すれば、特別な位置決め用の部品を追加することなく、コンデンサ本体をケース内で位置決めすることが容易となり、積層セラミックコンデンサの組立作業が容易になるとともに、実装状態における積層セラミックコンデンサの破損も有利に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明をなすに至った第1の背景技術による積層セラミックコンデンサ1を示す正面図である。
【図2】図1に示した積層セラミックコンデンサ1の斜視図である。
【図3】図1に示したコンデンサ本体4内の対をなす内部電極3間における電歪による変位分布を図解的に示す拡大断面図である。
【図4】図1に示した積層セラミックコンデンサ1の一部を拡大して示す正面図であり、電歪モードおよび電歪によるエネルギーの放出状態を図解的に示す。
【図5】この発明の第2の背景技術による積層セラミックコンデンサ1aの一部を示す正面図である。
【図6】この発明の第3の背景技術による積層セラミックコンデンサ1bの一部を示す正面図である。
【図7】この発明の第4の背景技術による積層セラミックコンデンサ1cの一部を示す正面図である。
【図8】この発明の第5の背景技術による積層セラミックコンデンサ1dの一部を示す正面図である。
【図9】この発明の第6の背景技術による積層セラミックコンデンサ1eを示す正面図である。
【図10】この発明の第7の背景技術による積層セラミックコンデンサ1fを示す正面図である。
【図11】この発明の第8の背景技術による積層セラミックコンデンサ1gを示す斜視図である。
【図12】この発明の一実施形態による積層セラミックコンデンサ1hを示す正面図であり、その一部を断面で示している。
【図13】図12に示した積層セラミックコンデンサ1hに備えるコンデンサ本体4および端子部材6hを示す斜視図である。
【図14】この発明の第9の背景技術による積層セラミックコンデンサ1iを示す正面図である。
【図15】図14に示した積層セラミックコンデンサ1iに備える端子部材6iの、外部電極2側に向く面を示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i 積層セラミックコンデンサ
2 外部電極
3 内部電極
4 コンデンサ本体
5 半田
6,6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i 端子部材
7 突起
8 接合部分
13 ケース
14 櫛歯状片
15 位置決め片
C 接合部分の幅方向の中心線
a 端面の内部電極の積層方向における一方端から、内部電極の積層方向に測定した、端面の寸法
b 内部電極の積層方向に測定した、端面の寸法
c 接合部分の幅
Claims (9)
- 圧電性を有する誘電体を含み、相対向する端部にそれぞれ外部電極が形成され、かつ前記外部電極の特定のものに電気的に接続されるように複数の内部電極が積層状に形成されている、チップ状のコンデンサ本体と、
前記外部電極に対して導電性接合材によって接合される、金属板からなる端子部材と
を備え、
前記端子部材は、複数の櫛歯状片を備え、前記外部電極に対する前記導電性接合材による接合部分を前記外部電極の一部において実質的に線状に延びるようにするため、各前記櫛歯状片は、前記外部電極に向かって突出する突起を形成し、複数の前記突起は、実質的に線状に分布し、
前記接合部分は、前記内部電極の延びる方向と略平行に実質的に線状に延び、前記接合部分の幅は、前記内部電極の積層方向に測定した、前記コンデンサ本体の端面の寸法の2/3以下に選ばれ、前記接合部分の幅方向の中心は、前記端面の前記内部電極の積層方向における一方端から、前記内部電極の積層方向に測定した、前記端面の寸法の1/5〜4/5の範囲内に位置するようにされる、
積層セラミックコンデンサ。 - 前記接合部分の幅は、前記内部電極の積層方向に測定した、前記端面の寸法の4/9以下に選ばれる、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記接合部分の幅は、前記内部電極の積層方向に測定した、前記端面の寸法の1/3以下に選ばれる、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記接合部分の幅方向の中心は、前記端面の前記内部電極の積層方向における一方端から、前記内部電極の積層方向に測定した、前記端面の寸法の2/8〜6/8の範囲内に位置するようにされる、請求項1ないし3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記接合部分の幅方向の中心は、前記端面の前記内部電極の積層方向における一方端から、前記内部電極の積層方向に測定した、前記端面の寸法の3/8〜5/8の範囲内に位置するようにされる、請求項1ないし3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記突起は、前記端子部材を構成する金属板の折り曲げ線によって与えられる、請求項1ないし5のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
- 複数の前記コンデンサ本体を備え、前記複数のコンデンサ本体の各々の前記外部電極に前記端子部材が共通に取り付けられている、請求項1ないし6のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記端子部材の一部を突出させた状態で前記コンデンサ本体を収容するためのケースをさらに備える、請求項1ないし7のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記端子部材は、前記コンデンサ本体を前記ケース内で位置決めするための位置決め片を一体に形成している、請求項8に記載の積層セラミックコンデンサ。
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