JP7395818B2 - 積層セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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この発明は、積層セラミック電子部品およびその製造方法に関する。
近年、セラミック製のチップ型電子部品である積層セラミック電子部品が一般に使用されるようになった。このような積層セラミック電子部品のようなチップ型電子部品は、配線基板に実装する場合、電子部品の端子電極を配線基板のランド上に直接はんだ付けする表面実装方式が一般的である。 しかしながら、配線基板と電子部品との熱膨張係数差によって生じる応力や、配線基板の撓みによって生じる応力などにより、機械的応力が電子部品に加わってクラックが発生したり、端子電極が電子部品本体から剥離するといった問題が発生する可能性があった。
また、チップ型電子部品においては、誘電率の比較的高いチタン酸バリウムなどの強誘電体材料が一般的に用いられているが、この強誘電体材料は圧電性及び電歪性を有する為、この強誘電体材料に電界が加わった際に応力及び機械的歪みが生じる。
そして、電界が加わった際の応力及び機械的歪みに伴い、積層セラミック電子部品の端子電極から基板側にこの振動が伝わるようになり、この基板全体が音響放射面となって、雑音となる振動音(いわゆる鳴き)を発生する可能性があった。
このような問題を解決するため、電子部品の端子電極に弾性を有する金属板からなる端子板を両側から対向させた状態で接合し、端子板を配線基板上に実装することによって、電子部品への応力、または基板への応力を緩和するという方法が採用されている(特許文献1、特許文献2参照)。
特開平11―74147号公報 特開2005―64377号公報
特許文献1や特許文献2には、積層セラミック電子部品を複数個積み重ねた構造が開示されている。このような多段の構造の場合、積層セラミック電子部品の外部電極と金属端子とを接続する際に、積層セラミック電子部品の外部電極と金属端子とを接続する際に用いるはんだに含まれているフラックス成分が、積み重ねられた積層セラミック電子部品の間に滲み出すことがある。積み重ねられた積層セラミック電子部品の間に滲み出したフラックス成分は、そのまま積層セラミック電子部品間に残留することがある。このような場合、湿中環境において、積層セラミック電子部品の外部電極に含まれるガラス成分を溶解させることがあり、そこから水分の浸入が起こり、積層セラミック電子部品の絶縁抵抗(以下、「IR」という。)が劣化するといった不具合が生じる可能性がある。
よって、本発明では、はんだに含まれるフラックス成分によるIRの劣化が生じない積層セラミック電子部品およびその製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係る積層セラミック電子部品は、積層された複数の誘電体層と積層された複数の内部電極とを含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を有する第1の積層体と、第1の積層体の第1の端面上に配置される第1の外部電極と、第1の積層体の第2の端面上に配置される第2の外部電極と、を備える第1の積層セラミック電子部品本体と、第1の積層体と対向するように設けられ、積層された複数の誘電体層と積層された複数の内部電極とを含み、積層方向に相対する第3の主面および第4の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第3の側面および第4側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第3の端面および第4の端面と、を有する第2の積層体と第2の積層体の第3の端面上に配置される第3の外部電極と、第2の積層体の第4の端面上に配置される第4の外部電極と、を備える第2の積層セラミック電子部品本体と、第1の外部電極と第3の外部電極とに跨るようにはんだによって接続される第1の金属端子と、第2の外部電極と第4の外部電極とに跨るようにはんだによって接続される第2の金属端子と、を有し、第1の金属端子は、母材と母材の表面に配置されるめっき層とから構成され、第2の金属端子は、母材と母材の表面に配置されるめっき層とから構成され、第1の積層セラミック電子部品本体および第2の積層セラミック電子部品本体は、空間をあけて第2の主面と第3の主面とが対向するように配置され、第1の金属端子および第2の金属端子は、それぞれ、互いに対向する面であって第1の積層セラミック電子部品本体及び第2の積層セラミック電子部品本体側の面の一部において、それぞれの母材を露出する露出部を有し、第1の金属端子および第2の金属端子の露出部は、第1の積層セラミック電子部品本体および第2の積層セラミック電子部品本体間の空間の位置と対向するように設けられ、第1の金属端子の露出部は、高さ方向において、第1の積層セラミック電子部品本体の第1の外部電極と、第2の積層セラミック電子部品本体の第3の外部電極との間の領域に配置され、第2の金属端子の露出部は、高さ方向において、第1の積層セラミック電子部品本体の第2の外部電極と、第2の積層セラミック電子部品本体の第4の外部電極との間の領域に配置されている
本発明に係る積層セラミック電子部品によれば、第1の積層セラミック電子部品本体及び第2の積層セラミック電子部品本体は、空間をあけて第2の主面と第3の主面とが対向するように配置され、第1の金属端子および第2の金属端子は、それぞれ、互いに対向する面であって第1の積層セラミック電子部品本体及び第2の積層セラミック電子部品本体側の面の一部において、それぞれの母材を露出する露出部を有する。露出部は、金属端子の一部の平滑な表面を持つめっき層を除去し、母材を露出させることで、第1の積層セラミック電子部品本体および第2の積層セラミック電子部品本体付近のフラックスを露出部に拘束し、流動を抑制する。加えて、第2の主面と第3の主面との間に空間を空けることは、第2の主面と第3の主面との濡れ性とフラックスの表面張力とによって決まるフラックス流動を抑制することで、フラックスが第2の主面と第3の主面との間に進入することを抑制する。これにより、第1の積層セラミック電子部品本体及び第2の積層セラミック電子部品本体の第1ないし第4の外部電極と第1及び第2の金属端子とを接続する際に用いるはんだに含まれているフラックス成分が、積み重ねられた第1の積層セラミック電子部品本体及び第2の積層セラミック電子部品本体の間に滲み出すことを防止することが可能になる。
したがって、本発明に係る積層セラミック電子部品によれば、第1の積層セラミック電子部品本体及び第2の積層セラミック電子部品本体の第1ないし第4の外部電極や誘電体層に生じる不具合を防止することが可能となり、はんだに含まれるフラックス成分によるIRの劣化が生じないようにすることができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明に係る積層セラミック電子部品の一例を示す斜視図である。 この発明に係る第1の積層セラミック電子部品本体のL-T平面で切断した断面における断面図である。 この発明に係る第2の積層セラミック電子部品本体のL-T平面で切断した断面における断面図である。 この発明に係る第1の積層セラミック電子部品本体のW-T平面で切断した断面における断面図である。 この発明に係る第2の積層セラミック電子部品本体のW-T平面で切断した断面における断面図である。 この発明に係る積層セラミック電子部品のW方向から見た正面図である。 この発明に係る積層セラミック電子部品のL-T平面で切断した断面であって図1のV-V断面における断面図である。 この発明に係る第1の金属端子を示す図であり、(a)は、第1の金属端子をL-T平面で切断した断面における断面図であり、(b)は、第1の金属端子をL方向であって第1及び第2の積層セラミック電子部品本体側から見た方向における側面図である。 この発明に係る第2の金属端子を示す図であり、(a)は、第2の金属端子をL-T平面で切断した断面における断面図であり、(b)は、第2の金属端子をL方向であって第1及び第2の積層セラミック電子部品本体側から見た方向における側面図である。 この発明に係る第1及び第2の金属端子の露出部をL方向であって第1及び第2の積層セラミック電子部品本体側から見た場合における露出部の形状の複数例を示す図である。 この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法におけるリフロー工程を示す正面図である。 この発明に係る第1及び第2の金属端子の変形例を示す斜視図である。
この明細書で用いられる方向を、次のように定義する。図1に示すように、積層セラミック電子部品1の高さ方向(積層方向)を、T方向とする。積層セラミック電子部品1の長さ方向を、L方向とする。積層セラミック電子部品1の幅方向を、W方向とする。
1.積層セラミック電子部品
図1、図4および図5に示すように、積層セラミック電子部品1は、第1の積層セラミック電子部品本体10Aと第2の積層セラミック電子部品本体10Bと第1の金属端子30Aと第2の金属端子30Bとを有する。第1の積層セラミック電子部品本体10Aは、第1の積層体12Aと、第1の積層体12Aの第1の端面12Ae上に接続される第1の外部電極22Aaと、第1の積層体12Aの第2の端面12Af上に接続される第2の外部電極22Abと、を有する。第2の積層セラミック電子部品本体10Bは、第2の積層体12Bと、第2の積層体12Bの第3の端面12Be上に接続される第3の外部電極22Baと、第2の積層体12Bの第4の端面12Bf上に接続される第4の外部電極22Bbと、を有する。
(積層体)
第1の積層体12Aは、図2Aおよび図3Aに示すように、積層された複数の誘電体層14Aと積層された複数の内部電極層16Aとを含む。第1の積層体12Aは、積層方向に相対する第1の主面12Aaおよび第2の主面12Abと、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面12Acおよび第2の側面12Adと、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面12Aeおよび第2の端面12Afと、を含む。
第2の積層体12Bは、図2Bおよび図3Bに示すように、積層された複数の誘電体層14Bと積層された複数の内部電極層16Bとを含む。第2の積層体12Bは、積層方向に相対する第3の主面12Baおよび第4の主面12Bbと、積層方向に直交する幅方向に相対する第3の側面12Bcおよび第4の側面12Bdと、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第3の端面12Beおよび第4の端面12Bfと、を含む。
第1の積層体12Aの第1主面12Aaおよび第2主面12Ab、第2の積層体12Bの第3の主面12Baおよび第4の主面12Bbは、積層セラミック電子部品1が実装される面(以下、「実装面」という。図示しない。)と平行な面である。第1および第2の積層体12A、12Bは、角部(符号なし)および稜線部(符号なし)に丸みがつけられていることが好ましい。角部は、積層体の3面が交る部分であり、稜線部は、積層体の2面が交る部分である。
誘電体層14A、14Bを形成する誘電体材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。また、これらの成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない成分を添加したものを用いてもよい。誘電体層14A、14Bの厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
誘電体層14A、14Bは、外層部14Aa、14Baと内層部14Ab、14Bbとを含む。外層部14Aa、14Baは、第1および第2の積層体12A、12Bの両主面12Aa、12Ab、12Ba、12Bb側に位置し、主面とその主面に最も近い内部電極層16A、16Bとの間に位置する誘電体層14A、14Bである。そして、第1の積層体12Aにおける両主面12Aa、12Ab側に位置する両外層部14Aaに挟まれた領域が内層部14Abである。同様に、第2の積層体12Bにおける両主面12Ba、12Bb側に位置する両外層部14Baに挟まれた領域が内層部14Bbである。
第1および第2の積層体12A、12Bは、積層された複数の内部電極層16A、16Bを含む。複数の内部電極層16A、16Bは、第1の内部電極層16Aa、16Baと第2の内部電極層16Ab、16Bbとを含む。第1および第2の内部電極層16Aa、16Ba、16Ab、16Bbは、複数の誘電体層14A、14Bに挟まれて交互に積層されている。第1の内部電極層16Aaと第2の内部電極層16Abとは、互いに対向する対向電極部20Aaと、対向電極部20Aaから第1の積層体12Aの第1の端面12Aeおよび第2の端面12Afまでの引出電極部18Aa、18Abと、を備えている。引出電極部18Aa、18Abは、第1の端面12Aeおよび第2の端面12Afに露出している。同様に、第1の内部電極層16Baと第2の内部電極層16Bbとは、互いに対向する対向電極部20Baと、対向電極部20Baから第2の積層体12Bの第3の端面12Beおよび第4の端面12Bfまでの引出電極部18Ba、18Bbと、を備えている。引出電極部18Ba、18Bbは、第3の端面12Beおよび第4の端面12Bfに露出している。対向電極部20Aa、20Baにより電気特性(たとえば、静電容量など)が発生する。
内部電極層16A、16Bは、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、これらの金属の一種を含む例えばAg-Pd合金などの合金により構成することができる。内部電極層16A、16Bは、さらに誘電体層14A、14Bに含まれるセラミックスと同一組成系の誘電体粒子を含んでいても良い。内部電極層16A、16Bの厚みは、0.1μm以上2μm以下であることが好ましい。
第1の積層体12Aは、図2Aおよび図3Aに示すように、対向電極部20Aaと第1および第2の側面12Ac、12Adとの間に位置する積層体の側部(いわゆるWギャップ20Ab)と、対向電極部20Aaと第1および第2の端面12Ae、12Afとの間に位置し第1および第2の内部電極層16Aa、16Abのいずれか一方の引出部電極部18Aa、18Abを含む積層体の端部(いわゆるLギャップ20Ac)と、を含む。
同様に、第2の積層体12Bは、図2Bおよび図3Bに示すように、対向電極部20Baと第3および第4の側面12Bc、12Bdとの間に位置する積層体の側部(いわゆるWギャップ20Bb)と、対向電極部20Baと第3および第4の端面12Be、12Bfとの間に位置し第1および第2の内部電極層16Ba、16Bbのいずれか一方の引出部電極部18Ba、18Bbを含む積層体の端部(いわゆるLギャップ20Bc)と、を含む。
(外部電極)
第1の積層体12Aの外部電極22Aは、図2Aに示すように、第1の積層体12Aの第1の端面12Ae上に接続される第1の外部電極22Aaと、第1の積層体12Aの第2の端面12Af上に接続される第2の外部電極22Abと、を有する。第1及び第2の外部電極22Aa、22Abは、下地電極層24Aa、24Abと、下地電極層24Aa、24Ab上に配置されためっき電極層26Aa、26Abと、を含む。下地電極層24Aa、24Abは、焼付け層、樹脂層、薄膜層等から選ばれる少なくとも1つを含む。
同様に、第2の積層体12Bの外部電極22Bは、図2Bに示すように、第2の積層体12Bの第3の端面12Be上に接続される第3の外部電極22Baと、第2の積層体12Aの第4の端面12Bf上に接続される第4の外部電極22Bbと、を有する。第3及び第4の外部電極22Ba、22Bbは、下地電極層24Ba、24Bbと、下地電極層24Ba、24Bb上に配置されためっき電極層26Ba、26Bbと、を含む。下地電極層24Ba、24Bbは、焼付け層、樹脂層、薄膜層等(図示しない)から選ばれる少なくとも1つを含む。
焼付け層は、ガラスと金属とを含む。ガラスは、B、Si、Ba、Mg、AlおよびLiなどから選ばれる少なくとも1つを含む。また、ガラスの代わりに誘電体層と同種のセラミック材料を用いてもよい。焼付け層の金属としては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は、複数層で形成されていてもよい。焼付け層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体に塗布して焼き付けたものであり、内部電極層と同時焼成したものでもよく、内部電極を焼成した後に焼き付けてもよい。なお、内部電極層と同時焼成する場合には、ガラスの代わりに誘電体層と同種のセラミック材料を用いることが好ましい。焼付け層の厚み(最も厚い部分)は、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
樹脂層は、例えば、導電性粒子と熱硬化性樹脂とを含む。樹脂層を形成する場合は、焼付け層を形成せずに積層体上に直接形成してもよい。樹脂層は、焼付け層の表面に形成されてもよいし、焼付け層を形成せずに第1ないし第4の端面12Ae、12Af、12Be、12Bfの表面に直接形成されてもよい。樹脂層は、複数層で形成されていてもよい。樹脂層の厚み(最も厚い部分)は、10μm以上150μm以下であることが好ましい。
薄膜層は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された1μm以下の層である。
めっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbとしては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1種の金属またはそれらの合金を含むことが好ましい。めっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbは、複数層により形成されていてもよく、好ましくは、Niめっき層とSnめっき層との2層構造である。Niめっき層は、下地電極層24Aa、24Ab、24Ba、24Bbが第1及び第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bを実装する際のはんだによって侵食されることを防止することができ、Snめっき層は、第1及び第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bを実装する際のはんだの濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。めっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bb一層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
(金属端子)
第1および第2の金属端子30A、30Bは、図1および図4ないし図6Bに示すように、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bを実装基板に実装するために設けられる。第1の金属端子30Aは、第1の外部電極22Aaと第3の外部電極22Baとに跨るようにはんだによって接続されている。第2の金属端子30Bは、第2の外部電極22Abと第4の外部電極22Bbとに跨るようにはんだによって接続されている。第1および第2の金属端子30A、30Bには、たとえば、板状のリードフレームが用いられる。そして、この板状のリードフレームにより形成される一対の第1および第2の金属端子30A、30Bは、断面の形状がL字形状に形成されている。このように、一対の第1および第2の金属端子30A、30Bの断面の形状がL字形状に形成されると、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bを実装基板に実装したとき、実装基板のたわみに対する耐性を向上させることができる。
第1の金属端子30Aは、第1の外部電極22Aa及び第3の外部電極22Baと接続される第1の主面30Aaと、第1の主面30Aaと対向する第2の主面30Ab(積層セラミック電子部品本体とは反対側の面)と、第1の主面30Aaと第2の主面30Abとの間の厚みを形成する周囲面30Acと、を有する。また、第1の金属端子30Aは、母材となる端子本体42Aと端子本体42Aの表面に配置されるめっき層44Aとから構成される。
同様に、第2の金属端子30Bは、第2の外部電極22Ab及び第4の外部電極22Bbと接続される第1の主面30Baと、第1の主面30Baと対向する第2の主面30Bb(積層セラミック電子部品本体とは反対側の面)と、第1の主面30Baと第2の主面30Bbとの間の厚みを形成する周囲面30Bcと、を有する。また、第2の金属端子30Bは、母材となる端子本体42Bと端子本体42Bの表面に配置されるめっき層44Bとから構成される。
第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bは、第1の金属端子30Aと第2の金属端子30Bとにおいて、空間があくように第2の主面12Abと第3の主面12Baとが対向するように配置されている。これにより、第2の主面12Abと第3の主面12Baとの濡れ性と、フラックスの表面張力によって決まるフラックス流動と、を抑制することで、フラックスが第2の主面12Abと第3の主面12Baとの間に進入することを抑制する。
第1の金属端子30Aおよび第2の金属端子30Bは、図4ないし図6Bに示すように、互いに対向する面であって第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10B側の面の一部において、母材を露出する露出部34Ae、34Beを有している。言い換えると、第1の金属端子30Aおよび第2の金属端子30Bの母材が露出している部分は、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10B間の空間の位置と対向するように設けられる。具体的には、第1および第2の金属端子30A、30Bの一部の平滑な表面を持つめっき層44A、44Bを除去し、母材を露出させることで、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10B付近のフラックスを露出部34Ae、34Beに拘束し、流動を抑制する。これにより、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbと第1及び第2の金属端子30A、30Bとを接続する際に用いるはんだに含まれているフラックス成分が、積み重ねられた第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bの間に滲み出すことを防止することが可能になる。したがって、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第1ないし第4外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbや誘電体層14A、14Bに生じる不具合を防止することが可能となり、はんだに含まれるフラックス成分によるIRの劣化を生じないようにすることができる。なお、露出部34Ae、34Beにめっき成分が一部残存してもよいが、露出部34Ae、34Beの表面を荒らすことで、より顕著な効果が得られる。
第1の金属端子30Aは、第1の外部電極22Aaに接続される第1の端子接合部32Aと、第1の端子接合部32Aから延びる第1の延長部34Aと、第1の延長部34Aを介して第3の外部電極22Baに接続される第2の端子接合部36Aと、第2の端子接合部36Aから第2の積層セラミック電子部品本体10Bと実装面との間に隙間ができるように延びる第2の延長部38Aと、第2の延長部38Aに接続され第2の延長部38Aから実装面と平行に延びる第1の実装部40Aと、を有する。
同様に、第2の金属端子30Bは、第2の外部電極22Abに接続される第3の端子接合部32Bと、第3の端子接合部32Bから延びる第3の延長部34Bと、第3の延長部34Bを介して第4の外部電極22Bbに接続される第4の端子接合部36Bと、第4の端子接合部36Bから第2の積層セラミック電子部品本体10Bと実装面との間に隙間ができるように延びる第4の延長部38Bと、第4の延長部38Bに接続され第4の延長部38Bから実装面と平行に延びる第2の実装部40Bと、を有する。
この構成による第1および第2の金属端子30A、30Bを介在させることで、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bに対して、熱衝撃を加わりにくくすることができる。また、温度変化によるストレスや、配線基板の変形が生じたとしても、第1および第2の金属端子30A、30Bの弾性的変形によって有利に吸収することができる。
(端子接合部)
第1の金属端子30Aの第1の端子接合部32Aは、第1の積層セラミック電子部品本体10Aの第1の端面12Aeに設けられた第1の外部電極22Aaに接続される部分である。第1の金属端子30Aの第2の端子接合部36Aは、第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第3の端面12Beに設けられた第3の外部電極22Baに接続される部分である。第2の金属端子30Bの第3の端子接合部32Bは、第1の積層セラミック電子部品本体10Aの第2の端面12Afに設けられた第2の外部電極22Abに接続される部分である。第2の金属端子30Bの第4の端子接合部36Bは、第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第4の端面12Bfに設けられた第4の外部電極22Bbに接続される部分である。
第1の金属端子30Aの第1の端子接合部32Aは、たとえば、第1の積層セラミック電子部品本体10Aの第1の端面12Ae上の第1の外部電極22Aaと同等の大きさの矩形状に形成され、片面が第1の外部電極22Aaにはんだによって接続されていることが好ましい。第1の金属端子30Aの第2の端子接合部36Aは、たとえば、第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第3の端面12Be上の第3の外部電極22Baと同等の大きさの矩形状に形成され、片面が第3の外部電極22Baにはんだによって接続されていることが好ましい。第2の金属端子30Bの第3の端子接合部32Bは、たとえば、第1の積層セラミック電子部品本体10Aの第2の端面12Af上の第2の外部電極22Abと同等の大きさの矩形状に形成され、片面が第2の外部電極22Abにはんだによって接続されていることが好ましい。第2の金属端子30Bの第4の端子接合部36Bは、たとえば、第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第4の端面12Bf上の第4の外部電極22Bbと同等の大きさの矩形状に形成され、片面が第4の外部電極22Bbにはんだによって接続されていることが好ましい。
(第1の延長部および第3の延長部)
第1の金属端子30Aの第1の延長部34Aは、第1の端子接合部32Aの一方の端部と第2の端子接合部36Aの一方の端部とを接続する部分である。第1の延長部34Aは、第3の延長部34Bと対向する面であって第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10B側の面において、第1の金属端子30Aの母材が露出している露出部34Aeを有している。露出部34Aeは、第1の金属端子30Aの一部の平滑な表面を持つめっき層44Aを除去し、母材を露出させて、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10B付近のフラックスを拘束し、流動を抑制する。
第2の金属端子30Bの第3の延長部34Bは、第3の端子接合部32Bの一方の端部と第4の端子接合部36Bの一方の端部とを接続する部分である。第3の延長部34Bは、第1の延長部34Aと対向する面であって第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10B側の面において、第2の金属端子30Bの母材が露出している露出部34Beを有している。露出部34Beは、第2の金属端子30Bの一部の平滑な表面を持つめっき層44Bを除去し、母材を露出させて、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10B付近のフラックスを拘束し、流動を抑制する。
これにより、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbと第1ないし第2の金属端子30A、30Bとを接続する際に用いるはんだに含まれているフラックス成分が、積み重ねられた第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bの間に滲み出すことを防止することが可能になる。したがって、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbや誘電体層14A、14Bに生じる不具合を防止することが可能となり、はんだに含まれるフラックス成分によるIRの劣化が生じないようにすることができる。なお、露出部34Ae、34Beの表面を荒らすことで、より顕著な効果が得られる。
第1の金属端子30Aおよび第2の金属端子30Bの露出部34Ae、34Beの高さ方向Tに沿った長さは、第1の積層セラミック電子部品本体10Aまたは第2の積層セラミック電子部品本体10Bの高さの4%以上100%以下の長さを持つことが好ましく、8%以上80%以下の長さであることがより好ましい。これにより、フラックスによる第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bの誘電体層14A、14Bや第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbに生じる不具合を防止し、はんだに含まれるフラックス成分によるIRの劣化が生じないようにすることができるだけでなく、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bと第1および第2の金属端子30A、30Bの接合面積を一定量以上確保することができるため、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bと実装基板との固着力を確保することができる。
第1の金属端子30Aおよび第2の金属端子30Bの露出部34Ae、34Beの形状としては、例えば、図7(a)ないし(g)に示すように、ストライプ形状、複数のストライプ形状、分割したストライプ形状、第1および第3の延長部34A、34Bの中央部のみ露出する形状、十字形状、円形状、ジグザグ形状などが挙げられる。
第1の延長部34Aおよび第3の延長部34Bは、たとえば矩形板状を有しており、第1および第3の端子接合部32A、32Bから実装面に向かって延び、第1および第3の端子接合部32A、32Bと一平面状に形成されている。第1の延長部34Aおよび第3の延長部34Bは、幅方向の長さすなわち第1の側面12Acおよび第2の側面12Adを結ぶ方向の長さが、第1ないし第4の端子接合部32A、36A、32B、36Bの幅方向の長さと同じ長さで形成されていることが好ましいが、第1ないし第4の端子接合部32A、36A、32B、36Bの幅方向の長さより短くても長くても良い。また、第1の延長部34Aおよび第3の延長部34Bには、切り欠きなどが設けられていてもよい。
(第2の延長部および第4の延長部)
第1の金属端子30Aの第2の延長部38Aは、第2の端子接合部36Aの第1の延長部34Aが接続する端部と反対側の端部に接続され、第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第4の主面12Bbと実装面との間に隙間ができるように延びる部分である。第2の延長部38Aは、幅方向の長さすなわち第1の側面12Acおよび第2の側面12Adを結ぶ方向の長さが、第1ないし第4の端子接合部32A、36A、32B、36Bの幅方向の長さと同じ長さで形成されていることが好ましいが、第1ないし第4の端子接合部32A、36A、32B、36Bの幅方向の長さより短くても長くても良い。また、第2の延長部38Aには、切り欠きなどが設けられていてもよい。
第2の金属端子30Bの第4の延長部38Bは、第4の端子接合部36Bの第3の延長部34Bが接続する端部と反対側の端部に接続され、第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第4の主面12Bbと実装面との間に隙間ができるように延びる部分である。第4の延長部38Bは、幅方向の長さすなわち第1の側面12Acおよび第2の側面12Adを結ぶ方向の長さが、第1ないし第4の端子接合部32A、36A、32B、36Bの幅方向の長さと同じ長さで形成されていることが好ましいが、第1ないし第4の端子接合部32A、36A、32B、36Bの幅方向の長さより短くても長くても良い。また、第4の延長部38Bには、切り欠きなどが設けられていてもよい。
第2の延長部38Aおよび第4の延長部38Bは、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bを、実装基板から浮かせるためのものである。これにより、交流電圧が加わることで第1および第2の金属端子30A、30Bの弾性変形によって誘電体層14A、14Bに生じる機械的歪みを吸収することができ、その機械的歪みによる振動が第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbを介して基板に伝達されることを抑えて雑音の発生を減少することができる。
(第1の実装部および第2の実装部)
第1の実装部40Aは、第1の金属端子30Aの第2の延長部38Aに接続され、第2の延長部38Aから第1の端面12Aeおよび第2の端面12Af同士を結ぶ方向並びに第3の端面12Beおよび第4の端面12Bf同士を結ぶ方向に延びる部分である。この部分によって、積層セラミック電子部品1は、実装基板に実装される。第1の実装部40Aは、第2の延長部38Aの端部から第1の端面12Aeおよび第2の端面12Af同士を結ぶ方向並びに第3の端面12Beおよび第4の端面12Bf同士を結ぶ方向に延びて折り曲げて形成される。なお、第1の実装部40Aの折り曲げられる方向は、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10B側に折り曲げられていても良いし、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10B側と反対側に折り曲げられていても良い。第1の実装部40Aの第1の端面12Aeおよび第2の端面12Af同士を結ぶ方向並びに第3の端面12Beおよび第4の端面12Bf同士を結ぶ方向の長さは、特に限定されないが、第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第4の主面12Bb上に形成される第3の外部電極22Baの同方向の長さよりも長く形成されていてもよい。これによって、積層セラミック電子部品1をマウントする際において、積層セラミック電子部品1を下方からカメラで画像認識して部品の位置を検出する場合、積層セラミック電子部品1の第3の外部電極22Baを金属端子として誤認識することを防止でき、検出ミスを防止することができる。
第2の実装部40Bは、第2の金属端子30Bの第4の延長部38Bに接続され、第4の延長部38Bから第1の端面12Aeおよび第2の端面12Af同士を結ぶ方向並びに第3の端面12Beおよび第4の端面12Bf同士を結ぶ方向に延びる部分である。この部分によって、積層セラミック電子部品1は、実装基板に実装される。第2の実装部40Bは、第4の延長部38Bの端部から第1の端面12Aeおよび第2の端面12Af同士を結ぶ方向並びに第3の端面12Beおよび第4の端面12Bf同士を結ぶ方向に延びて折り曲げて形成される。なお、第2の実装部40Bの折り曲げられる方向は、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10B側に折り曲げられていても良いし、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10B側と反対側に折り曲げられていても良い。第2の実装部40Bの第1の端面12Aeおよび第2の端面12Af同士を結ぶ方向並びに第3の端面12Beおよび第4の端面12Bf同士を結ぶ方向の長さは、特に限定されないが、第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第4の主面12Bb上に形成される第4の外部電極22Bbの同方向の長さよりも長く形成されていてもよい。これによって、積層セラミック電子部品1をマウントする際において、積層セラミック電子部品1を下方からカメラで画像認識して部品の位置を検出する場合、積層セラミック電子部品1の第4の外部電極22Bbを金属端子として誤認識することを防止でき、検出ミスを防止することができる。
(金属端子全般)
端子本体42A、42Bは、Ni、Fe、Cu、Ag、Crまたはこれらの金属のうちの一種以上の金属を主成分として含む合金からなる。さらに、端子本体42A、42Bは、Ni、Fe、Crまたはこれらの金属のうちの一種以上の金属を主成分として含む合金からなることが好ましい。具体的には、例えば、端子本体42A、42Bの母材をFe-42Ni合金やFe-18Cr合金とすることができる。端子本体42A、42Bの厚みは0.05mmから0.5mm程度であることが好ましい。めっき層44A、44Bのそれぞれは、下層めっき層(図示しない)と上層めっき層(図示しない)とを有する。下層めっき層は、端子本体42A、42Bの上に形成されており、上層めっき層は、下層めっき層の上に形成されている。なお、下層めっき層及び上層めっき層のそれぞれは、複数のめっき層により構成されていてもよい。さらに、めっき層44A、44Bは、少なくとも、第1の金属端子30Aの第1の実装部40A及び第2の延長部38A並びに第2の金属端子30Bの第2の実装部40B及び第4の延長部38Bの周囲面30Ac、30Bcにおいては形成されていなくてもよい。これにより、積層セラミック電子部品1を実装基板にはんだにより実装する際に、はんだの第1及び第2の金属端子30A、30Bへの濡れ上がりを抑制することが可能になる。そのため、第2の積層セラミック電子部品本体10Bと第1の実装部40Aおよび第2の実装部40Bとの間(浮き部分)にはんだが濡れ上がることを抑制することができ、浮き部分にはんだが充填されることを防止することができる。よって、浮き部分の空間を十分に確保することができるため、基板への振動伝達を抑制することができ、安定して積層セラミック電子部品1の鳴き抑制効果を発揮することが可能になる。尚、第1及び第2の金属端子30A、30Bの周囲面30Ac、30Bcの全面においてめっき層44A、44Bが形成されていなくても良い。
第1の金属端子30Aの第1の実装部40A及び第2の延長部38A並びに第2の金属端子30Bの第2の実装部40B及び第4の延長部38Bの周囲面30Ac、30Bc、または、第1及び第2の金属端子30A、30Bの周囲面30Ac、30Bcの全面のめっき層44A、44Bを除去する場合、その除去の方法は機械的に除去(切削、研磨)、または、レーザートリミングによる除去、めっき剥離剤(たとえば水酸化ナトリウム)による除去、めっき層形成前にレジストでめっきを形成しない部分を覆って第1及び第2の金属端子30A、30Bにめっき層44A、44Bを形成した後にレジストを除去するといった方法で除去することができる。
下層めっき層は、Ni、Fe、Cu、Ag、Crまたはこれらの金属のうちの一種以上の金属を主成分として含む合金からなる。さらに、下層めっき層のそれぞれは、Ni、Fe、Crまたはこれらの金属のうちの一種以上の金属を主成分として含む合金からなることが好ましい。上層めっき層は、Sn、Ag、Auまたはこれらの金属のうちの一種以上の金属を主成分として含む合金からなる。さらに、上層めっき層は、SnまたはSnを主成分として含む合金からなることが好ましい。これにより、第1および第2の金属端子30A、30Bと第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbとのはんだ濡れ性を向上させるとともに、露出部34Ae、34Beのはんだ濡れ性に大きな差をつけることができる。図8に示すように、第1および第2の金属端子30A、30Bと第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bとをはんだによって接合する際に、はんだを濡れ性のよいめっき層部分に選択的に移動させることで、第1の積層セラミック電子部品本体10Aと第2の積層セラミック電子部品本体10Bとを引き離す応力を生じさせ、第1の積層セラミック電子部品本体10Aと第2の積層セラミック電子部品本体10Bとの間に隙間を確実に確保することが可能になる。下層めっき層の厚みは、0.2μmから5.0μm程度であることが好ましい。上層めっき層の厚みは、1.0μmから5.0μm程度であることが好ましい。端子本体42A、42B及び下層めっき層のそれぞれを、高融点のNi、Fe、Crまたはこれらの金属のうちの一種以上の金属を主成分として含む合金により形成することにより、第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbの耐熱性を向上させることができる。
(はんだ)
はんだは、第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbと第1ないし第4の端子接合部32A、36A、32B、36Bとを接合するために用いられる。はんだは、例えば、Sn-Sb系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Cu系、Sn-Bi系などのLFはんだを用いることができる。特に、Sn-Sb系のはんだの場合は、Sbの含有率が5%以上15%以下程度であることが好ましい。
(積層セラミック電子部品)
第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bは、空間があくように第2の主面12Abと第3の主面12Baとが対向するように配置されている。第1の積層セラミック電子部品本体10Aと第2の積層セラミック電子部品本体10Bとの間の空間の長さは、積層セラミック電子部品1の高さ方向(T方向)に沿って、0.1mm以上1.0mm以下の間隔があいていることが好ましい。これにより、第2の主面12Abと第3の主面12Baとの濡れ性と、フラックスの表面張力によって決まるフラックス流動と、を抑制することで、フラックスが第2の主面12Abと第3の主面12Baとの間に進入することを抑制することができるようになる。積層セラミック電子部品1の長さ方向(L方向)の寸法、すなわち、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bと第1および第2の金属端子30A、30Bとを含むL方向の寸法を、L寸法とする。L寸法は、2.0mm以上7.0mm以下であることが好ましい。積層セラミック電子部品1の高さ方向(T方向)の寸法、すなわち、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bと第1および第2の金属端子30A、30Bとを含むT方向の寸法を、T寸法とする。T寸法は、2.0mm以上8.0mm以下であることが好ましい。積層セラミック電子部品1の幅方向(W方向)の寸法、すなわち、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bと第1および第2の金属端子30A、30Bとを含むW方向の寸法を、W寸法とする。W寸法は、1.2mm以上6.5mm以下であることが好ましい。
(積層セラミック電子部品の変形例)
第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bのそれぞれの内部電極層16A、16Bは、実装面に対して平行になるように配置されていてもよく、垂直になるように配置されていてもよい。本実施形態において、対向電極部20Aa、20Baでは内部電極層16A、16Bが誘電体セラミックによる誘電体層14A、14Bを介して対向することにより容量が形成されている。これにより、積層セラミック電子部品1は、コンデンサとして機能する。そのほか、誘電体層14A、14Bには、PZT系セラミックなどの圧電体セラミック、スピネル系セラミックなどの半導体セラミック、フェライトなどの磁性体セラミックを用いられることもできる。また、積層セラミック電子部品1は、圧電体セラミックを用いた場合、圧電部品として機能し、半導体セラミックを用いた場合、サーミスタとして機能し、磁性体セラミックを用いた場合、インダクタとして機能する。ただし、インダクタの場合、内部電極層16A、16Bは、コイル状の導体となる。
めっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbに関し、第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbのそれぞれは、第1の積層体12Aまたは第2の積層体12Bの表面に直接形成され第1の内部電極層16Aa、16Baまたは第2の内部電極層16Ab、16Bbに電気的に接続されるめっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbを含む構造であってもよい。すなわち、第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbのそれぞれは、下地電極層24Aa、24Ab、24Ba、24Bbが設けられずにめっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbが設けられる構造であってもよい。このような場合、前処理として第1の積層体12Aまたは第2の積層体12Bの表面に触媒を配設した後で、めっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbが形成されてもよい。めっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbは、第1の積層体12Aまたは第2の積層体12Bの表面に形成される下層めっき電極(図示しない)と、当該下層めっき電極の表面に形成される上層めっき電極(図示しない)と、を含むことが好ましい。下層めっき電極および上層めっき電極は、それぞれ、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、BiおよびZnなどから選ばれる少なくとも1種の金属またはそれらの合金を含むことが好ましい。下層めっき電極は、はんだバリア性能を有するNiを用いて形成されることが好ましく、上層めっき電極は、はんだ濡れ性が良好なSnやAuを用いて形成されることが好ましい。また、例えば、第1の内部電極層16Aa、16Baおよび第2の内部電極層16Ab、16BbがNiを用いて形成される場合、下層めっき電極は、Niと接合性のよいCuを用いて形成されることが好ましい。なお、上層めっき電極は、必要に応じて形成されればよく、第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbは、それぞれ、下層めっき電極のみで構成されてもよい。さらに、上層めっき電極を最外層としてもよいし、上層めっき電極の表面にさらに他のめっき電極を形成してもよい。めっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbの1層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。めっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbは、ガラスを含まないことが好ましい。めっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbの単位体積あたりの金属割合は、99体積%以上であることが好ましい。
また、第1ないし第4の端子接合部32A、36A、32B、36Bの形状は、矩形状に限らず、図9に示すような切り欠きや穴が形成されている形状であってもよい。この場合において、切り欠きや穴の数は、単数であっても複数にわたって形成されていてもよい。
第1の金属端子30Aの第1の端子接合部32Aおよび第2の端子接合部36Aならびに第2の金属端子30Bの第3の端子接合部32Bおよび第4の端子接合部36Bには、第1の積層セラミック電子部品本体10Aの第1および第2の側面12Ac、12Adならびに第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第3および第4の側面12Bc、12Bdと対向するように延びるリブ部(図示しない)が設けられていてもよい。このように、リブ部を設けることにより、第1の金属端子30Aおよび第2の金属端子30Bの第1ないし第4の端子接合部32A、36A、32B、36Bの剛性を向上させることができる。これにより、例えば、積層セラミック電子部品1にL方向から荷重が加わった際に、第1ないし第4の端子接合部32A、36A、32B、36Bの変形を抑制することができる。
2.積層セラミック電子部品の製造方法
(第1および第2の積層セラミック電子部品本体の製造方法)
誘電体シートと、内部電極層16A、16B用の導電性ペーストと、を準備する。誘電体シートと内部電極層16A、16B用の導電性ペーストとには、バインダおよび溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
誘電体シート上に、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより所定のパターンで内部電極層16A、16B用の導電性ペーストを印刷し、内部電極パターンを形成する。
内部電極パターンが印刷されていない外層部14Aa、14Ba用の誘電体シートを所定枚数積層し、その上に内部電極パターンが印刷された誘電体シートを順次積層し、その上に外層部14Aa、14Ba用の誘電体シートを所定枚数積層し、積層シートを作製する。
積層シートを静水圧プレスなどの手段により積層方向(T方向)にプレスし積層ブロックを作製する。
積層ブロックを所定のサイズにカットし、積層チップを切り出す。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部および稜線部に丸みをつけてもよい。
積層チップを焼成し、第1の積層体12A及び第2の積層体12Bを作製する。焼成温度は、誘電体層14A、14Bや内部電極層16A、16Bの材料にもよるが、900℃以上1400℃以下であることが好ましい。
下地電極層24Aa、24Ab、24Ba、24Bbが焼付け層である場合には、第1の積層体12A及び第2の積層体12Bの両端面に外部電極22A、22B用の導電性ペーストを塗布し、焼き付け、外部電極22A、22Bの下地電極層24Aa、24Ab、24Ba、24Bbとなる焼付け層を形成する。焼き付け温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。さらに、必要に応じて、焼付け層の表面にめっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbを施す。焼付け層を形成する場合には、ガラス成分と金属とを含む導電性ペーストを、例えばディッピングなどの方法により、塗布し、その後、焼き付け処理を行い、下地電極層24Aa、24Ab、24Ba、24Bbを形成する。
下地電極層24Aa、24Ab、24Ba、24Bbを導電性樹脂層で形成する場合は、以下の方法で導電性樹脂層を形成することができる。なお、導電性樹脂層は、焼付け層の表面に形成されてもよく、焼付け層を形成せずに導電性樹脂層を単体で第1の積層体12A及び第2の積層体12B上に直接形成してもよい。
導電性樹脂層の形成方法としては、熱硬化性樹脂および金属成分を含む導電性樹脂ペーストを焼付け層上もしくは第1の積層体12A及び第2の積層体12B上に塗布し、250℃以上550℃以下の温度で熱処理を行い、樹脂を熱硬化させ、導電性樹脂層を形成する。この時の熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えることが好ましい。
下地電極層24Aa、24Ab、24Ba、24Bbを薄膜層で形成する場合は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により下地電極層24Aa、24Ab、24Ba、24Bbを形成することができる。薄膜層で形成された下地電極層24Aa、24Ab、24Ba、24Bbは、金属粒子が堆積された1μm以下の層とする。
下地電極層24Aa、24Ab、24Ba、24Bbを設けずに第1の積層体12A及び第2の積層体12Bの内部電極層16A、16Bの露出部にめっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbを設けてもよい。その場合は、以下の方法で形成することができる。
第1の積層体12A及び第2の積層体12Bの第1の端面12Ae及び第2の端面12Afならびに第3の端面12Be及び第4の端面12Bfにめっき処理を施し、内部電極層16A、16Bの露出部上に下層めっき電極を形成する。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよいが、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。また、必要に応じて、下層めっき電極の表面に上層めっき電極を同様に形成してもよい。
その後、下地電極層24Aa、24Ab、24Ba、24Bbの表面に、めっき電極層26Aa、26Ab、26Ba、26Bbが形成される。本実施形態では焼付け層上にNiめっき層およびSnめっき層を形成した。Niめっき層およびSnめっき層は、たとえばバレルめっき法により、順次形成される。このようにして、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bが得られる。
(積層セラミック電子部品の製造方法)
上記方法で製造された第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bに対して、第1および第2の金属端子30A、30Bを取り付け、積層セラミック電子部品1を製造する方法を説明する。
第1の積層セラミック電子部品本体10Aと第2の積層セラミック電子部品本体10Bとを、第2の主面12Ab及び第3の主面12Ba同士が対向するように整列させる。
第1の延長部34Aおよび第3の延長部34Bの第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10A側の面において、露出部34Aeおよび露出部34Beが形成されている第1の金属端子30Aおよび第2の金属端子30Bを準備する。露出部34Ae、34Beを形成する方法すなわち第1の金属端子30Aおよび第2の金属端子30Bにおいて端子本体42A、42B(母材)を露出させる方法としては、機械的に除去(切削、研磨)、または、レーザートリミングによる除去、めっき剥離剤(例えば水酸化ナトリウム)による除去、第1の金属端子30Aおよび第2の金属端子30Bのめっき層44A、44B形成前にレジストでめっきを形成しない部分を覆って第1の金属端子30Aおよび第2の金属端子30Bにめっき層44A、44Bを形成した後にレジストを除去するといった方法、などが挙げられる。
第1の積層セラミック電子部品本体10Aの第1の外部電極22Aaおよび第2の外部電極22Abにはんだを塗布する。
同様に、第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第3の外部電極22Baおよび第4の外部電極22Bbにはんだを塗布する。
はんだが塗布された第1の外部電極22Aaと第1の端子接合部32Aとが接触するように、かつ、はんだが塗布された第3の外部電極22Baと第2の端子接合部36Aとが接触するように、第1の積層セラミック電子部品本体10Aと第2の積層セラミック電子部品本体10Bとを保持した状態で、リフローによって接合する。リフロー温度は260℃以上280℃以下であることが好ましい。
同様に、はんだが塗布された第2の外部電極22Abと第3の端子接合部32Bとが接触するように、かつ、はんだが塗布された第4の外部電極22Bbと第4の端子接合部36Bとが接触するように、第1の積層セラミック電子部品本体10Aと第2の積層セラミック電子部品本体10Bとを保持した状態で、リフローによって接合する。リフロー温度は260℃以上280℃であることが好ましい。
リフロー実装する工程では、図8に示すように、はんだが溶融し、溶融したはんだにおいて、露出部34Ae、34Beを有する第1の延長部34Aおよび第3の延長部34Bを避けるように表面張力が働くことによって、対向する第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bとが引き離される力が働き、所定の空間が空いた状態で、第1の外部電極22Aaと第1の端子接合部32Aおよび第3の外部電極22Baと第2の端子接合部36A、ならびに、第2の外部電極22Abと第3の端子接合部32Bおよび第4の外部電極22Bbと第4の端子接合部36Bが接合される。これにより、第1の積層セラミック電子部品本体10Aと第2の積層セラミック電子部品本体10Bとの間に容易に空間を設けることができる。
第1および第2の金属端子30A、30Bの平滑な表面を持つめっき層の一部を除去し、母材を露出させて、第1の積層セラミック電子部品本体10Aと第2の積層セラミック電子部品本体10B付近のフラックスを露出部34Ae、34Beに拘束し、流動を抑制することができる。これにより、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbと第1および第2の金属端子30A、30Bとを接続する際に用いるはんだに含まれているフラックス成分が、積み重ねられた第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bの間に滲み出すことを防止することが可能になる。したがって、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbや誘電体層14A、14Bに生じる不具合を防止することが可能となり、はんだに含まれるフラックス成分によるIRの劣化が生じないようにすることができる。
3.実験データ
上記の製造方法にしたがって、実施例1ないし実施例7の積層セラミック電子部品1をそれぞれ複数作製し、フラックス残渣の有無確認、耐湿負荷試験および固着力試験を行なった。ここでは、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bとして積層セラミックコンデンサを用いた。
また比較例として、母材が露出しない金属端子を用いた金属端子付きの積層セラミック電子部品を準備した。
実施例および比較例に用いた積層セラミック電子部品1の各種パラメータは、以下のとおりである。
(実施例1の構造)
第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bのサイズ設計値:L×W×T=5.7mm×5.0mm×2.5mm
チップ(積層セラミック電子部品本体)個数:2個
誘電体層:ZrCaO3
内部電極層:Ni
・外部電極構造
下地電極層(焼付け層):Cu
めっき電極層:Niめっき、Snめっきの2層構造
第1ないし第4の外部電極は、第1および第2の積層セラミック電子部品本体の第1ないし第4の端面にのみ形成する。
第1および第2の端面の周囲を周回するようにサドル部分を形成する。
・金属端子
端子本体:SUS430ステンレス鋼
下層めっき電極:Cu
上層めっき電極:Sn
露出部形状:図7(a)に示すストライプ形状
露出部幅:100μm(チップT寸の4%)
(実施例2の構造)
露出部幅以外は実施例1と同様
露出部幅:200μm(チップT寸の8%)
(実施例3の構造)
露出部幅以外は実施例1と同様
露出部幅:500μm(チップT寸の20%)
(実施例4の構造)
露出部幅以外は実施例1と同様
露出部幅:1000μm(チップT寸の50%)
(実施例5の構造)
露出部幅以外は実施例1と同様
露出部幅:2000μm(チップT寸の80%)
(実施例6の構造)
露出部幅以外は実施例1と同様
露出部幅:2500μm(チップT寸の100%)
(実施例7の構造)
露出部幅以外は実施例1と同様
露出部幅:3000μm(チップT寸の120%)
(比較例の構造)
露出部幅以外は実施例1と同様
露出部幅:トリミング無し
積み重ねられた第1の積層セラミック電子部品本体と第2の積層セラミック電子部品本体との間に滲み出したフラックス残渣の有無についての試験結果は、表1のとおりである。
なお、実施例1において、フラックス残渣有りサンプル数3/10となっているが、比較例と比して効果が認められる。
Figure 0007395818000001
耐湿負荷試験についての結果は、表2のとおりである。
Figure 0007395818000002
固着力試験についての結果は、表3のとおりである。
Figure 0007395818000003
(試験方法)
・積み重ねられた第1の積層セラミック電子部品本体および第2の積層セラミック電子部品本体の間に滲み出したフラックス残渣の確認方法
上記の方法で作製したそれぞれのサンプルに関してデジタルマイクロスコープによる観察を行った。サンプルを正立させ、第1および第2の積層セラミック電子部品本体の側面と直交する方向から観察した。その際、観察側の180°対向側に光源を配置した。第1および第2の積層セラミック電子部品本体の下地電極層が第1および第2の積層体の端面から主面又は側面側へ延在している距離(e寸)を形成する部分よりも内側にフラックスが滲み出しているサンプルをNGと判断した。
・耐湿負荷試験
上記の方法で作製したそれぞれのサンプルについて耐湿負荷試験を実施した。周囲温度85℃、湿度85%の環境下で、第1および第2の積層セラミック電子部品本体の定格電圧の120%のDC電圧を印加した。試験中のサンプルのIR値を測定し、故障したサンプル、または、0時間(印加時)のIR値に対し2000時間後のIR値が31.6%以下(logで0.5桁)となったサンプルをNGと判断した。
・固着力測定
上記の方法で作製したサンプルをそれぞれ、ガラスエポキシ基板に実装した。実装は、SnAgCu系はんだを用い、リフローにて実装を行った。実装したサンプルについて、第1および第2の積層セラミック電子部品本体の側面のL寸法1/2、W寸法1/2の位置を側面と直交する方向から荷重をかけた。そして、サンプルが基板から離脱するまでの最大荷重を固着力として測定した。
以上の結果から、本発明においては、第1の積層セラミック電子部品本体10Aと第2の積層セラミック電子部品本体10Bとは、空間をあけるように第2の主面12Abと第3の主面12Baとが対向するように配置され、第1の金属端子30Aおよび第2の金属端子30Bは、それぞれ、互いに対向する面であって第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10B側の面の一部において、それぞれの母材を露出する露出部34Ae、34Beを有しているため、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10B付近のフラックスが露出部34Ae、34Beに拘束されるこれにより、第1および第2の積層セラミック電子部品本体10A、10Bの第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbと第1および第2の金属端子30A、30Bとを接続する際に用いるはんだに含まれているフラックス成分が、積み重ねられた第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bの間に滲み出すことを防止することが可能になる。したがって、第1の積層セラミック電子部品本体10Aおよび第2の積層セラミック電子部品本体10Bの第1ないし第4の外部電極22Aa、22Ab、22Ba、22Bbや誘電体層14A、14Bに生じる不具合を防止することが可能となり、はんだに含まれるフラックス成分によるIRの劣化が生じないようにすることができる。
また、第1の延長部34Aおよび第3の延長部34Bの露出部34Ae、34Beの高さ方向(T方向)に沿った露出長さは、第1の積層セラミック電子部品本体10A又は第2の積層セラミック電子部品本体10Bの高さ(T寸)の8%以上80%以下の長さにすることで、フラックス残渣の抑制だけでなく、積層セラミック電子部品1と実装基板との固着力を十分に確保することができる。
1 積層セラミック電子部品
10A 第1の積層セラミック電子部品本体
10B 第2の積層セラミック電子部品本体
12A 第1の積層体
12B 第2の積層体
12Aa 第1の主面
12Ab 第2の主面
12Ba 第3の主面
12Bb 第4の主面
12Ac 第1の側面
12Ad 第2の側面
12Bc 第3の側面
12Bd 第4の側面
12Ae 第1の端面
12Af 第2の端面
12Be 第3の端面
12Bf 第4の端面
14A、14B 誘電体層
14Aa、14Ba 外層部
14Ab、14Bb 内層部
16A、16B 内部電極層
16Aa、16Ba 第1の内部電極層
16Ab、16Bb 第2の内部電極層
18Aa、18Ab、18Ba、18Bb 引出電極部
20Aa、20Ba 対向電極部
20Ab、20Bb Wギャップ
20Ac、20Bc Lギャップ
22A 第1の積層体の外部電極
22B 第2の積層体の外部電極
22Aa 第1の外部電極
22Ab 第2の外部電極
22Ba 第3の外部電極
22Bb 第4の外部電極
24Aa、24Ab、24Ba、24Bb 下地電極層
26Aa、26Ab、26Ba、26Bb めっき電極層
30A 第1の金属端子
30B 第2の金属端子
30Aa、30Ba 第1の主面
30Ab、30Bb 第2の主面
30Ac、30Bc 周囲面
32A 第1の端子接合部
32B 第3の端子接合部
34A 第1の延長部
34B 第3の延長部
34Ae、34Be 露出部
36A 第2の端子接合部
36B 第4の端子接合部
38A 第2の延長部
38B 第4の延長部
40A 第1の実装部
40B 第2の実装部
42A、42B 端子本体(母材)
44A、44B めっき層

Claims (7)

  1. 積層された複数の誘電体層と積層された複数の内部電極とを含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を有する第1の積層体と、
    前記第1の積層体の前記第1の端面上に配置される第1の外部電極と、
    前記第1の積層体の前記第2の端面上に配置される第2の外部電極と、
    を備える第1の積層セラミック電子部品本体と、
    前記第1の積層体と対向するように設けられ、積層された複数の誘電体層と積層された複数の内部電極とを含み、積層方向に相対する第3の主面および第4の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第3の側面および第4の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第3の端面および第4の端面と、を有する第2の積層体と、
    前記第2の積層体の前記第3の端面上に配置される第3の外部電極と、
    前記第2の積層体の前記第4の端面上に配置される第4の外部電極と、
    を備える第2の積層セラミック電子部品本体と、
    前記第1の外部電極と前記第3の外部電極とに跨るようにはんだによって接続される第1の金属端子と、
    前記第2の外部電極と前記第4の外部電極とに跨るようにはんだによって接続される第2の金属端子と、
    を有し、
    前記第1の金属端子は、母材と前記母材の表面に配置されるめっき層とから構成され、
    前記第2の金属端子は、母材と前記母材の表面に配置されるめっき層とから構成され、
    前記第1の積層セラミック電子部品本体および前記第2の積層セラミック電子部品本体は、空間をあけて前記第2の主面と前記第3の主面とが対向するように配置され、
    前記第1の金属端子および前記第2の金属端子は、それぞれ、互いに対向する面であって前記第1の積層セラミック電子部品本体及び前記第2の積層セラミック電子部品本体側の面の一部において、それぞれの母材を露出する露出部を有し、
    前記第1の金属端子および前記第2の金属端子の露出部は、前記第1の積層セラミック電子部品本体および前記第2の積層セラミック電子部品本体間の空間の位置と対向するように設けられ、
    前記第1の金属端子の露出部は、高さ方向において、前記第1の積層セラミック電子部品本体の前記第1の外部電極と、前記第2の積層セラミック電子部品本体の前記第3の外部電極との間の領域に配置され、
    前記第2の金属端子の露出部は、高さ方向において、前記第1の積層セラミック電子部品本体の前記第2の外部電極と、前記第2の積層セラミック電子部品本体の前記第4の外部電極との間の領域に配置されている、積層セラミック電子部品。
  2. 前記第1の金属端子は、前記第1の外部電極に接続される第1の端子接合部と、前記第1の端子接合部から延びる第1の延長部と、前記第1の延長部を介して前記第3の外部電極に接続される第2の端子接合部と、前記第2の端子接合部から前記第2の積層セラミック電子部品本体と実装面との間に隙間ができるように延びる第2の延長部と、前記第2の延長部に接続され、前記第2の延長部から実装面と平行に延びる第1の実装部と、を有し、
    前記第2の金属端子は、前記第2の外部電極に接続される第3の端子接合部と、前記第3の端子接合部から延びる第3の延長部と、前記第3の延長部を介して、前記第4の外部電極に接続される第4の端子接合部と、前記第4の端子接合部から前記第2の積層セラミック電子部品本体と実装面との間に隙間ができるように延びる第4の延長部と、前記第4の延長部に接続され、前記第4の延長部から実装面と平行に延びる第2の実装部と、を有する、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 前記第1の延長部および前記第3の延長部は、それぞれ、互いに対向する面であって前記第1の積層セラミック電子部品本体及び前記第2の積層セラミック電子部品本体側の面において、それぞれの母材を露出する露出部を有する、請求項2に記載の積層セラミック電子部品。
  4. 前記第1の金属端子および前記第2の金属端子の露出部の高さ方向に沿った露出長さは、前記第1の積層セラミック電子部品本体又は前記第2の積層セラミック電子部品本体の高さの4%以上100%以下の長さである、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
  5. 前記第1の金属端子および前記第2の金属端子の露出部の高さ方向に沿った露出長さは、前記第1の積層セラミック電子部品本体又は前記第2の積層セラミック電子部品本体の高さの8%以上80%以下の長さである、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
  6. 前記めっき層は、SnまたはSnを主成分として含む合金からなる、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
  7. 請求項2または請求項3に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記第1の積層セラミック電子部品本体と前記第2の積層セラミック電子部品本体とを、前記第2の主面と前記第3の主面とが対向するように整列する工程と、
    前記第1の延長部および前記第3の延長部において、母材が露出している露出部を有する前記第1の金属端子および前記第2の金属端子を準備する工程と、
    前記第1の積層セラミック電子部品本体の前記第1の外部電極および前記第2の外部電極にはんだを塗布する工程と、
    前記第2の積層セラミック電子部品本体の前記第3の外部電極および前記第4の外部電極にはんだを塗布する工程と、
    はんだが塗布された前記第1の外部電極と前記第1の端子接合部とが接触するように、かつ、はんだが塗布された前記第3の外部電極と前記第2の端子接合部とが接触するように、前記第1の積層セラミック電子部品本体と前記第2の積層セラミック電子部品本体とを保持した状態で、リフローによって接合する工程と、
    はんだが塗布された前記第2の外部電極と前記第3の端子接合部とが接触するように、かつ、はんだが塗布された前記第4の外部電極と前記第4の端子接合部とが接触するように、前記第1の積層セラミック電子部品本体と前記第2の積層セラミック電子部品本体とを保持した状態で、リフローによって接合する工程と、を有し、
    前記リフローによって接合する工程では、はんだが溶融し、溶融したはんだにおいて、露出部を有する前記第1の延長部および前記第3の延長部を避けるように表面張力が働くことによって、前記第1の積層セラミック電子部品本体と前記第2の積層セラミック電子部品本体とが引き離される力が働き、所定の空間が空いた状態で、前記第1の外部電極と前記第1の端子接合部と、前記第3の外部電極と前記第2の端子接合部と、前記第の外部電極と前記第の端子接合部と、前記第4の外部電極と前記第4の端子接合部と、がそれぞれ接合される、積層セラミック電子部品の製造方法。
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