JP7331622B2 - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、積層セラミック電子部品に関する。
一般的に、積層セラミック電子部品に含まれる積層セラミックコンデンサを実装基板にはんだを用いて実装した場合、配線基板および電子部品本体は、温度変化が生じた際に、それぞれの熱膨張係数に基づいて膨張または収縮する。これらの熱膨張係数の差は、たとえば、電子部品本体の損傷または接合部分の破壊等を招くストレスの原因となる。
また、配線基板が薄型のガラスエポキシ基板のように撓みやすい場合、配線基板が撓んだときにも、同様のストレスが生じ得る。さらに、配線基板自体に力が加わった際に基板が撓んで変形することによっても同様のストレスが生じ得る。これらのストレス(応力)が、積層セラミックコンデンサに加わることで、積層セラミックコンデンサにクラックが生じるおそれがあった。
特許文献1には、上述した問題を解決するため、コンデンサ素子の端子電極に金属端子を取り付けて、コンデンサ素子を配線基板から浮かした状態にしながら、金属端子を配線基板にはんだ付けする方法が示されている。
特許文献1に示す方法は、はんだ付け時の熱が金属端子を通して電子部品本体に伝わることになるので、電子部品本体に対して、熱衝撃を加わりにくくすることができる。また、温度変化によるストレスや配線基板の変形が生じたとしても、金属端子の弾性的変形によって有利に吸収することができる。
さらに、近年では、上記に記載したような例えば、特許文献1に記載されるような構造において、より高耐圧かつより大容量のものが求められるようになってきている。
このような状況において、例えば、特許文献2のように、金属端子付きの積層セラミック電子部品において、2個以上の積層セラミックコンデンサを直列に接続して高耐圧、大容量化をはかる技術が開示されている。
特開2005-64377号公報 特開2015-228435号公報
ここで、特許文献1や特許文献2に示す金属端子付きの積層セラミック電子部品において、2個以上の積層セラミックコンデンサを直列に接続すると、金属端子間の耐圧を上げることができるが、積層セラミックコンデンサの外部電極の端子間距離や、外部電極と金属端子間の距離が短いため、沿面放電によって、製品の耐圧低下が発生することがある。このため、金属端子付きの積層セラミック電子部品は、各端子間の沿面距離を長くとる必要があった。したがって、積層セラミック電子部品を樹脂でモールドする必要のある場合があった。
しかしながら、2個以上の積層セラミックコンデンサを直列に接続した積層セラミック電子部品を樹脂でモールドした場合、特性選別の際に問題が生じる場合がある。たとえば、仮に、2個以上の積層セラミックコンデンサを直列に接続した構造において、樹脂モールドを行い樹脂モールドから突出する2つの金属端子で特性を選別する場合、IR値は各積層セラミックコンデンサの総和となる。このため、直列に接続された樹脂モールド品の内部における積層セラミックコンデンサのいずれかにおいて、規格のIR値の下限を下回る積層セラミックコンデンサが含まれていたとしても、もう一方の積層セラミックコンデンサのIR値が総和の値において規格のIR値を満たしていた場合、規格のIR値の下限を下回る積層セラミックコンデンサを特性選別で取り除くことができなくなる。よって、信頼性の低下を招いてしまうことに繋がる可能性があった。
それゆえに、本発明の主たる目的は、複数の電子部品本体が外装材でモールドされている場合であっても、各電子部品本体の品質を考慮しうる積層セラミック電子部品を提供することである。
本発明に係る積層セラミック電子部品は、積層された複数のセラミック層と積層された複数の内部電極層とを含み、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を有する第1の積層体と、第1の積層体の第1の端面上に配置される第1の外部電極と、第1の積層体の第2の端面上に配置される第2の外部電極と、を備える第1の積層セラミック電子部品本体と、積層された複数のセラミック層と、積層された複数の内部電極層と、を含み、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を有する第2の積層体と、第2の積層体の第1の端面上に配置される第3の外部電極と、第2の積層体の第2の端面上に配置される第4の外部電極と、を備える第2の積層セラミック電子部品本体と、を有する積層セラミック電子部品であって、第1の積層セラミック電子部品本体と第2の積層セラミック電子部品本体とは、第1の端面と第2の端面とを結ぶ長さ方向に対向するように配置されており、第1の外部電極は第1の積層体の実装面側に位置することになる第2の主面上にも配置されており、第1の積層体の第2の主面上に位置する第1の外部電極に、第1の金属端子が接続され、第4の外部電極は第2の積層体の実装面側に位置することになる第2の主面上にも配置されており、第2の積層体の第2の主面上に位置する第4の外部電極に、第2の金属端子が接続され、第1の積層セラミック電子部品本体および第2の積層セラミック電子部品本体と、第1の金属端子の少なくとも一部および第2の金属端子の少なくとも一部を覆うように外装材が設けられており、第1の積層セラミック電子部品本体の第2の外部電極と、第2の積層セラミック電子部品本体の第3の外部電極とに跨るように接続され、実装面側とは反対側の面側のみにおいて外装材から露出するように設けられた第3の金属端子をさらに有しており、第2の積層セラミック電子部品本体の第2の積層体のセラミック層の材料は、第1の積層セラミック電子部品本体の第1の積層体のセラミック層と同一の材料であり、第1の積層セラミック電子部品本体の第2の外部電極と、第2の積層セラミック電子部品本体の第3の外部電極とは、外装材の内部、高さ方向において接合材を介して第3の金属端子接続され、且つ、外装材の内部で第3の金属端子を介さず、長さ方向において接合材を介して接続されている、積層セラミック電子部品である。
この発明にかかる積層セラミック電子部品では、外装材から露出するように設けられた第3の金属端子を有している。したがって、積層セラミック電子部品本体を直列に接続した状態で外装材により覆ったとしても、第3の金属端子を用いることで、それぞれの積層セラミック電子部品本体の絶縁抵抗値(IR値)を正確に測定することが可能となる。
すなわち、第1の積層セラミック電子部品本体の絶縁抵抗値(IR値)を測定する場合は、第1の金属端子と第3の金属端子に測定端子を接続して第1の積層セラミック電子部品本体の絶縁抵抗値(IR値)を測定し、第2の積層セラミック電子部品本体の絶縁抵抗値(IR値)を測定する場合は、第2の金属端子と第3の金属端子に測定端子を接続して第2の積層セラミック電子部品本体の絶縁抵抗値(IR値)を測定する。
これにより、外装材で覆われた直列に接続された複数の積層セラミック電子部品本体のいずれかにおいて、規格の絶縁抵抗値(IR値)の下限を下回る積層セラミック電子部品本体が含まれていた場合には、確実に特性選別で、そのような積層セラミック電子部品本体を含む積層セラミック電子部品を取り除くことができる。
なお、外装材で覆われた直列に接続された複数の積層セラミック電子部品本体のいずれかにおいて、規格の絶縁抵抗値(IR値)の下限を下回る積層セラミック電子部品本体が含まれていた場合、積層セラミック電子部品の寿命が低下してしまう。
したがって、本発明では、外装材で覆われた直列に接続された複数の積層セラミック電子部品本体の絶縁抵抗値(IR値)の総和としては良品であっても、積層セラミック電子部品本体のいずれか単体で規格の絶縁抵抗値(IR値)の下限を下回っている積層セラミック電子部品本体が含まれる積層セラミック電子部品を不良として選別が可能となる。よって、確実にそれぞれの積層セラミック電子部品本体において規格となる絶縁抵抗値(IR値)を上回る品質の高い積層セラミック電子部品を提供することが可能となる。
この発明によれば、複数の電子部品本体が外装材でモールドされている場合であっても、各電子部品本体の品質を考慮しうる積層セラミック電子部品を得ることができる。
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の一例を示す外観斜視図である。 図1の線II-IIにおける断面図である。 図1の線III-IIIにおける断面図である。 図1の線IV-VIにおける断面図である。 (a)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が2つに分割された構造を示す図1の線III-IIIにおける断面図であり、(b)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が3つに分割された構造を示す図1の線III-IIIにおける断面図であり、(c)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が4つに分割された構造を示す図1の線III-IIIにおける断面図である。 図1に示した金属端子の変形例を備えた積層セラミック電子部品の一例を示す外観斜視図である。 図6の線VI-VIにおける断面図である。 図1に示した金属端子の変形例を備えた積層セラミック電子部品の一例を示す外観斜視図である。
1.積層セラミック電子部品
本発明の実施の形態に係る積層セラミック電子部品について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の一例を示す外観斜視図である。図2は、図1の線II-IIにおける断面図である。図3は、図1の線III-IIIにおける断面図である。図4は、図1の線IV-VIにおける断面図である。
図1ないし図4に示すように、積層セラミック電子部品10は、積層セラミック電子部品本体12と、第2の積層セラミック電子部品本体14と、第1の金属端子16と、第2の金属端子18と、第3の金属端子19と、外装材500とにより構成される。
積層セラミック電子部品10の長さ方向Zの寸法はL寸法とされる。L寸法は、特に限定はされないが、1.0mm以上100.0mm以下とする。積層セラミック電子部品10の高さ方向Xの寸法はT寸法とされる。T寸法は、特に限定はされないが、0.5mm以上20.0mm以下とする。積層セラミック電子部品10の幅方向Yの寸法はW寸法とされる。W寸法は、特に限定はされないが、0.5mm以上50.0mm以下とすることができる。
この発明の実施の形態の積層セラミック電子部品10は、図1ないし図4に示すように、第1の積層セラミック電子部品本体12と第2の積層セラミック電子部品本体14を有する。なお、3つ以上積層セラミック電子部品本体が用いられていてもよい。
第1の積層セラミック電子部品本体12と第2の積層セラミック電子部品本体14とは、第1の積層体20の第1の端面20eと第2の積層体40の第4の端面40fとを結ぶ長さ方向に対向するように配置されている。
第1の積層セラミック電子部品本体12と第2の積層セラミック電子部品本体14とは、後述する第2の外部電極30bと第3の外部電極50aとで接続される。接続方法としては、接合材70を用いて接続される。接合材70の材料は、例えば、はんだ、導電性接着材、TLP(遷移的液相焼結)材などを用いることができる。
第1の積層セラミック電子部品本体12は、直方体状の第1の積層体20と、第1の外部電極30aと、第2の外部電極30bとにより構成される。第2の積層セラミック電子部品本体14は、直方体状の第2の積層体40と、第3の外部電極50aと、第4の外部電極50bとにより構成される。
積層セラミック電子部品10の高さ方向Xの下部において、第1の金属端子16は、第1の外部電極30aに接続されると共に、第2の金属端子18は、第4の外部電極50bに接続されている。
以下、積層セラミック電子部品10の構成要素について、より詳細に説明する。
(A)第1の積層セラミック電子部品本体
(i)第1の積層体
図1ないし図4に示すように、第1の積層体20は、積層された複数のセラミック層22と積層された複数の内部電極層24とを含んでいる。さらに、第1の積層体20は、積層方向に相対する第1の主面20aおよび第2の主面20bと、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面20cおよび第2の側面20dと、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面20eおよび第2の端面20fとを有する。
この第1の積層体20には、角部および稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。なお、角部とは、積層体の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第1の主面20aおよび第2の主面20b、並びに、第1の側面20cおよび第2の側面20d、並びに、第1の端面20eおよび第2の端面20fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。
第1の積層体20は、複数枚のセラミック層22から構成される外層部23aと単数もしくは複数枚のセラミック層22とそれらの上に配置される複数枚の内部電極層24から構成される内層部23bとを含む。外層部23aは、第1の積層体20の第1の主面20a側および第2の主面20b側に位置し、第1の主面20aと最も第1の主面20aに近い内部電極層24との間に位置する複数枚のセラミック層22、および第2の主面20bと最も第2の主面20bに近い内部電極層24との間に位置する複数枚のセラミック層22の集合体である。そして、両外層部23aに挟まれた領域が内層部23bである。言い換えれば、内層部23bは内部電極層24を含み、外層部23aは内部電極層24を含まない。
第1の積層体20がコンデンサとして機能する場合には、セラミック層22の材料として、たとえば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主成分として含む場合、所望する第1の積層体20の特性に応じて、たとえば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物またはNi化合物などの主成分よりも含有量の少ない成分を添加したものを用いてもよい。
なお、第1の積層体20に、圧電体セラミックを用いた場合、積層セラミック電子部品本体12は、セラミック圧電素子として機能する。圧電セラミック材料の具体例としては、たとえば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミック材料などが挙げられる。
また、第1の積層体20に、半導体セラミックを用いた場合、積層セラミック電子部品本体12は、サーミスタ素子として機能する。半導体セラミック材料の具体例としては、たとえば、スピネル系セラミック材料などが挙げられる。
また、第1の積層体20に、磁性体セラミックを用いた場合、積層セラミック電子部品本体12は、インダクタ素子として機能する。また、インダクタ素子として機能する場合は、内部電極層24は、コイル状の導体となる。磁性体セラミック材料の具体例としては、たとえば、フェライトセラミック材料などが挙げられる。
焼成後のセラミック層22の厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
第1の積層体20は、複数の内部電極層24として、たとえば略矩形状の複数の第1の内部電極層24aおよび複数の第2の内部電極層24bを有する。複数の第1の内部電極層24aおよび複数の第2の内部電極層24bは、第1の積層体20の積層方向に沿って等間隔に交互に配置されるように埋設されている。このとき、セラミック層22が1枚ではなく複数枚に重ねられた上に内部電極層24が配置されていてもよい。
なお、第1の内部電極24層aおよび第2の内部電極層24bは、実装面に対して平行になるように配置されていてもよく、垂直になるように配置されていてもよい。
第1の内部電極層24aは第2の内部電極層24bと対向する第1の対向電極部28aと、第1の内部電極層24aの一端側に位置し第1の対向電極部28aから第1の積層体20の第1の端面20eまでの第1の引出電極部26aを有する。第1の引出電極部26aは、その端部が第1の端面20eに引き出され、露出している。
第2の内部電極層24bは、第1の内部電極層24aと対向する第2の対向電極部28bと、第2の内部電極層24bの一端側に位置し、第2の対向電極部28bから第1の積層体20の第2の端面20fまでの第2の引出電極部26bを有する。第2の引出電極部26bは、その端部が第2の端面20fに引き出され、露出している。
第1の内部電極層24aの第1の対向電極部28aと第1の内部電極層24bの第2の対向電極部28bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、コーナー部が丸められていたり、コーナー部が斜めに(テーパ状)形成されていたりしてもよい。
第1の内部電極層24aの第1の引出電極部26aと第2の内部電極層24bの第2の引出電極部26bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、コーナー部が丸められていたり、コーナー部が斜めに(テーパ状)形成されていたりしてもよい。
第1の内部電極層24aの第1の対向電極部28aの幅と第1の内部電極層24aの第1の引出電極部26aの幅とは、同じ幅に形成されていてもよく、どちらか一方が狭く形成されてもよい。同様に、第2の内部電極層24bの第2の対向電極部28bの幅と第2の内部電極層24bの第2の引出電極部26bの幅とは、同じ幅に形成されていてもよく、どちらか一方が狭く形成されてもよい。
第1の内部電極層24aおよび第2の内部電極層24bは、第1の端面20eや第2の端面20fにのみ引き出されていてもよい、第1の端面20eや第2の端面20fだけでなく、第1の側面20cおよび第2の側面20dに引き出されるようなT字形状でもよい。
第1の積層体20は、第1の対向電極部28aおよび第2の対向電極部28bの幅方向の一端と第1の側面20cとの間および第1の対向電極部28aおよび第2の対向電極部28bの幅方向の他端と第2の側面20dとの間に形成される第1の積層体20の側部(Wギャップ)29aを含む。さらに、第1の積層体20は、第1の内部電極層24aの第1の引出電極部26aとは反対側の端部と第2の端面20fとの間および第2の内部電極層24bの第2の引出電極部26bとは反対側の端部と第1の端面20eとの間に形成される第1の積層体20の端部(Lギャップ)29bを含む。
内部電極層24は、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、またはAuなどの金属や、これらの金属の一種を含む、たとえば、Ag-Pd合金などの合金を含有している。内部電極層24は、さらにセラミック層22に含まれるセラミックスと同一組成系の誘電体粒子を含んでいてもよい。
内部電極層24の厚みは、例えば、0.2μm以上3.0μm以下であることが好ましい。
(ii)第1の外部電極および第2の外部電極
第1の積層体20の第1の端面20e側には、第1の外部電極30aが配置され、第2の端面20f側には、第2の外部電極30bが配置される。
第1の外部電極30aは、第1の積層体20の第1の端面20eの表面に配置され、第1の端面20eから延伸して第1の主面20a、第2の主面20b、第1の側面20cおよび第2の側面20dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第1の外部電極30aは、第1の内部電極層24aの第1の引出電極26aと電気的に接続される。ただし、第1の外部電極30aは、第1の積層体20の第1の端面20eの表面にのみ配置されていてもよい。第1の外部電極30aは、少なくとも第1の積層体20の実装面側に位置することになる第2の主面20b上の一部にも配置にのみ配置されていることが好ましい。これにより、第1の金属端子16を第1の積層体20の実装面側で接続することが可能となるため、低背化が可能となる。
第2の外部電極30bは、第1の積層体20の第2の端面20fの表面に配置され、第2の端面20fから延伸して第1の主面20a、第2の主面20b、第1の側面20cおよび第2の側面20dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第2の外部電極30bは、第2の内部電極層24bの第2の引出電極26bと電気的に接続される。ただし、第2の外部電極30bは、第1の積層体20の第2の端面20fの表面にのみ配置されていてもよい。
第1の積層体20内においては、第1の内部電極層24aの第1の対向電極部28aと第2の内部電極層24bの第2の対向電極部28bとがセラミック層22を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層24aが接続された第1の外部電極30aと第2の内部電極層24bが接続された第2の外部電極30bとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
なお、図5に示すように、内部電極層24として、第1の内部電極層24aおよび第2の内部電極層24bに加えて、第1の端面20eおよび第2の端面20fのどちらにも引き出されない浮き内部電極層24cが設けられ、浮き内部電極層24cによって、対向電極部28cが複数に分割された構造としてもよい。たとえば、図5(a)に示すような2連、図5(b)に示すような3連、図5(c)に示すような4連構造であり、4連以上の構造でもよいことは言うまでもない。このように、対向電極部28cを複数個に分割した構造とすることによって、対向する内部電極層24a、24b、24c間において複数のコンデンサ成分が形成され、これらのコンデンサ成分が直列に接続された構成となる。そのため、それぞれのコンデンサ成分に印加される電圧が低くなり、積層セラミックコンデンサの高耐圧化を図ることができる。
第1の外部電極30aは、図2に示すように、第1の積層体20側から順に、第1の下地電極層32aと第1の下地電極層32aの表面に配置された第1のめっき層34aとを有する。同様に、第2の外部電極30bは、第1の積層体20側から順に、第2の下地電極層32bと第2の下地電極層32bの表面に配置された第2のめっき層34bとを有する。
第1の下地電極層32aは、第1の積層体20の第1の端面20eの表面に配置され、第1の端面20eから延伸して第1の主面20a、第2の主面20b、第1の側面20cおよび第2の側面20dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。ただし、第1の下地電極層32aは、第1の積層体20の第1の端面20eの表面にのみ配置されていてもよい。
また、第2の下地電極層32bは、第1の積層体20の第2の端面20fの表面に配置され、第2の端面20fから延伸して第1の主面20a、第2の主面20b、第1の側面20cおよび第2の側面20dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。ただし、第2の下地電極層32bは、第1の積層体20の第2の端面20fの表面にのみ配置されていてもよい。
第1の下地電極層32aおよび第2の下地電極層32b(以下、単に下地電極層ともいう)は、それぞれ、焼付け層や樹脂層や薄膜層などから選ばれる少なくとも1つを含むが、本実施の形態では、焼付け層で形成された第1の下地電極層38aおよび第2の下地電極層38bについて説明する。
焼付け層は、ガラスと金属とを含む。焼付け層の金属としては、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金またはAu等から選ばれる少なくとも1つを含む。また、焼付け層のガラスとしては、B、Si、Ba、Mg、AlまたはLi等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は、複数層であってもよい。焼付け層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを第1の積層体20に塗布して焼き付けたものであり、セラミック層22よび内部電極層24と同時に焼成したものでもよく、セラミック層22および内部電極層24を焼成した後に焼き付けたものでもよい。
次に、下地電極層が、導電性樹脂層で形成された第1の下地電極層32aおよび第2の下地電極層32bについて説明する。
導電性樹脂層は、焼付け層の表面に焼付け層を覆うように配置されるか、第1の積層体20の表面に直接配置されてもよい。
導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂および金属を含む。導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂を含むため、たとえば、めっき膜や導電性ペーストの焼成物からなる導電層よりも柔軟性に富んでいる。このため、積層セラミックコンデンサに物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層が緩衝層として機能し、積層セラミックコンデンサへのクラックを防止することができる。
導電性樹脂層に含まれる金属としては、Ag、Cu、またはそれらの合金を使用することができる。また、金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用することができる。金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用する際には金属粉としてCuやNiを用いることが好ましい。また、Cuに酸化防止処理を施したものを使用することもできる。特に、導電性樹脂層に含まれる金属としてAgの導電性金属粉を用いることは、Agは金属の中でもっとも比抵抗が低いため電極材料に適しており、Agは貴金属であるため酸化せず耐候性が高いため、好ましい。なお、導電性樹脂層に含まれる金属としてAgコーティングされた金属を用いることは、上記のAgの特性を保ちつつ、母材の金属を安価なものにすることが可能になるため、好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属は、導電性樹脂全体の体積に対して、35vol%以上75vol%以下で含まれていることが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属(導電性フィラー)の形状は、特に限定されない。導電性フィラーは、球形状、扁平状などのものを用いることができるが、球形状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いるのが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属(導電性フィラー)の平均粒径は、特に限定されない。導電性フィラーの平均粒径は、たとえば、0.3μm以上10μm以下程度であってもよい。
導電性樹脂層に含まれる金属(導電性フィラー)は、主に導電性樹脂層の通電性を担う。具体的には、導電性フィラーどうしが接触することにより、導電性樹脂層内部に通電経路が形成される。
導電性樹脂層の樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂は、最も適切な樹脂の一つである。
導電性樹脂層に含まれる樹脂は、導電性樹脂全体の体積に対して、25vol%以上65vol%以下で含まれていることが好ましい。
また、導電性樹脂層には、熱硬化性樹脂とともに、硬化剤を含むことが好ましい。ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール樹脂、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系など公知の種々の化合物を使用することができる。
第1の端面20eに位置する第1の下地電極層32aおよび第2の端面20fに位置する第2の下地電極層32bの高さ方向中央部におけるそれぞれの導電性樹脂層の厚みは、たとえば、15μm以上160μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面20aおよび第2の主面20b、ならびに第1の側面20cおよび第2の側面20dの表面に下地電極層を設ける場合には、第1の主面20aおよび第2の主面20b、ならびに第1の側面20cおよび第2の側面20dの表面に位置する第1の下地電極層32aおよび第2の下地電極層32bである長さ方向の中央部におけるそれぞれの導電性樹脂層の厚みは、5μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
また、下地電極層が薄膜層の場合、薄膜層は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された1μm以下の層である。
第1のめっき層34aは、第1の下地電極層32aを覆うように、その表面に配置される。同様に、第2のめっき層34bは、第2の下地電極層32bを覆うように、その表面に配置される。
また、第1のめっき層34aおよび第2のめっき層34b(以下、単にめっき層ともいう)としては、たとえば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag-Pd合金、またはAu等から選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金が用いられる。
めっき層は、複数層によって形成されてもよい。この場合、めっき層は、Niめっき層とSnめっき層の2層構造であることが好ましい。Niめっき層が、下地電極層の表面を覆うように設けられることで、下地電極層が積層セラミック電子部品10を実装基板に実装する際のはんだによって侵食されることを防止できる。また、Niめっき層の表面に、Snめっき層を設けることにより、積層セラミック電子部品10と金属端子とを接続する際の半田の濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。
めっき層一層あたりの厚みは、2μm以上10μm以下であることが好ましい。また、めっき層は、ガラスを含まないことが好ましい。さらに、めっき層は、単位体積あたりの金属割合が99体積%以上であることが好ましい。
次に、第1の下地電極層32aおよび第2の下地電極層32bがめっき電極からなる場合について説明する。第1の下地電極層32aは、内部電極層24と直接接続されるめっき層から構成され、第1の積層体20の第1の端面20eの表面に直接に配置され、第1の端面20eから延伸して第1の主面20a、第2の主面20b、第1の側面20cおよび第2の側面20dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
また、第2の下地電極層32bは、内部電極層24と直接接続されるめっき層から構成され、第1の積層体20の第2の端面20fの表面に直接に配置され、第2の端面20fから延伸して第1の主面20a、第2の主面20b、第1の側面20cおよび第2の側面20dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
ただし、第1の下地電極層32aおよび第2の下地電極層32bがめっき層から構成されるためには、前処理として第1の積層体20上に触媒が設けられる。
めっき層からなる第1の下地電極層32aは、前記第1のめっき層34aにて覆うことが好ましい。同様に、めっき層からなる第2の下地電極層32bは、前記第2のめっき層34bにて覆うことが好ましい。
第1の下地電極層32a、第2の下地電極層32b、第1のめっき層34aおよび第2のめっき層34bは、例えば、Cu、Ni、Sn、Pd、Au、Ag、Pd、BiまたはZn等から選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金のめっきを含むことが好ましい。
第1のめっき層34aおよび第2のめっき層34bは必要に応じて形成されるものであり、第1の外部電極30aは第1の下地電極層32aのみから構成され、第2の外部電極30bは第2の下地電極層32bのみから構成されたものであってもよい。また、第1のめっき層34aおよび第2のめっき層34bを、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bの最外層として設けてもよく、第1のめっき層34aまたは第2のめっき層34b上に他のめっき層を設けてもよい。
めっき層一層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。また、めっき層は、ガラスを含まないことが好ましい。さらに、めっき層は、単位体積あたりの金属割合が99体積%以上であることが好ましい。
(B)第2の積層セラミック電子部品本体
第2の積層セラミック電子部品本体14は、第1の積層セラミック電子部品本体12と同様の構成を有しており、第1の積層セラミック電子部品本体12の部分と同一の部分には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
(i)第2の積層体
図1ないし図4に示すように、第2の積層体40は、積層された複数のセラミック層42と積層された複数の内部電極層44とを含んでいる。さらに、第2の積層体40は、積層方向に相対する第3の主面40aおよび第4の主面40bと、積層方向に直交する幅方向に相対する第3の側面40cおよび第4の側面40dと、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第3の端面40eおよび第4の端面40fとを有する。
この第2の積層体40には、角部および稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。なお、角部とは、積層体の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第3の主面40aおよび第4の主面40b、並びに、第3の側面40cおよび第4の側面40d、並びに、第3の端面40eおよび第4の端面40fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。
第2の積層体40は、複数枚のセラミック層42から構成される外層部43aと単数もしくは複数枚のセラミック層42とそれらの上に配置される複数枚の内部電極層44から構成される内層部43bとを含む。外層部43aは、第2の積層体40の第3の主面40a側および第4の主面40b側に位置し、第3の主面40aと最も第3の主面40aに近い内部電極層44との間に位置する複数枚のセラミック層42、および第4の主面40bと最も第4の主面40bに近い内部電極層44との間に位置する複数枚のセラミック層42の集合体である。そして、両外層部43aに挟まれた領域が内層部43bである。言い換えれば、内層部43bは内部電極層44を含み、外層部43aは内部電極層44を含まない。
第2の積層体40のセラミック層42の材料は、第1の積層体20のセラミック層22と同様の材料を用いることができる。
焼成後のセラミック層42の厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
第2の積層体40は、複数の内部電極層44として、たとえば略矩形状の複数の第3の内部電極層44aおよび複数の第4の内部電極層44bを有する。複数の第3の内部電極44aおよび複数の第4の内部電極層44bは、第2の積層体40の積層方向に沿って等間隔に交互に配置されるように埋設されている。このとき、セラミック層42が1枚ではなく複数枚に重ねられた上に内部電極層44が配置されていてもよい。
なお、第3の内部電極層44aおよび第4の内部電極層44bは、実装面に対して平行になるように配置されていてもよく、垂直になるように配置されていてもよい。
第3の内部電極層44aは第4の内部電極層44bと対向する第3の対向電極部48aと、第3の内部電極層44aの一端側に位置し第3の対向電極部48aから第2の積層体40の第3の端面40eまでの第3の引出電極部46aを有する。第3の引出電極部46aは、その端部が第3の端面40eに引き出され、露出している。
第4の内部電極層44bは、第3の内部電極層44aと対向する第4の対向電極部48bと、第4の内部電極層44bの一端側に位置し、第4の対向電極部48bから第2積層体40の第4の端面40fまでの第4の引出電極部46bを有する。第4の引出電極部46bは、その端部が第4の端面40fに引き出され、露出している。
第3の内部電極層44aの第3の対向電極部48aと第4の内部電極層44bの第4の対向電極部48bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、コーナー部が丸められていたり、コーナー部が斜めに(テーパ状)形成されていたりしてもよい。
第3の内部電極層44aの第3の引出電極部46aと第4の内部電極層44bの第4の引出電極部46bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、コーナー部が丸められていたり、コーナー部が斜めに(テーパ状)形成されていたりしてもよい。
第3の内部電極層44aの第3の対向電極部48aの幅と第3の内部電極層44aの第3の引出電極部46aの幅とは、同じ幅に形成されていてもよく、どちらか一方が狭く形成されてもよい。同様に、第4の内部電極層44bの第4の対向電極部48bの幅と第4の内部電極層44bの第4の引出電極部46bの幅とは、同じ幅に形成されていてもよく、どちらか一方が狭く形成されてもよい。
第3の内部電極層44aおよび第4の内部電極層44bは、第3の端面40eや第4の端面40fにのみ引き出されていてもよい、第3の端面40eや第4の端面40fだけでなく、第3の側面40cおよび第4の側面40dに引き出されるようなT字形状でもよい。
第2の積層体40は、第3の対向電極部48aおよび第4の対向電極部48bの幅方向の一端と第3の側面40cとの間および第3の対向電極部48aおよび第4の対向電極部48bの幅方向の他端と第4の側面40dとの間に形成される第2の積層体40の側部(Wギャップ)49aを含む。さらに、第2の積層体40は、第3の内部電極層44aの第3の引出電極部46aとは反対側の端部と第4の端面40fとの間および第4の内部電極層44bの第4の引出電極部46bとは反対側の端部と第3の端面40eとの間に形成される第2の積層体40の端部(Lギャップ)49bを含む。
内部電極層44の材料は、内部電極層24と同様の材料を用いることができる。
内部電極層44の厚みは、例えば、0.2μm以上3.0μm以下であることが好ましい。
(ii)第3の外部電極および第4の外部電極
第2の積層体40の第3の端面40e側には、第3の外部電極50aが配置され、第4の端面40f側には、第4の外部電極50bが配置される。
第3の外部電極50aは、第2の積層体40の第3の端面40eの表面に配置され、第3の端面40eから延伸して第3の主面40a、第4の主面40b、第3の側面40cおよび第4の側面40dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第3の外部電極50aは、第3の内部電極層44aの第3の引出電極46aと電気的に接続される。ただし、第3の外部電極50aは、第2の積層体40の第3の端面40eの表面にのみ配置されていてもよい。
第4の外部電極50bは、第2の積層体40の第4の端面40fの表面に配置され、第4の端面40fから延伸して第3の主面40a、第4の主面40b、第3の側面40cおよび第4の側面40dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第4の外部電極50bは、第4の内部電極層44bの第4の引出電極46bと電気的に接続される。ただし、第4の外部電極50bは、第2の積層体40の第4の端面40fの表面にのみ配置されていてもよい。第4の外部電極50bは、少なくとも第2の積層体40の実装面側に位置することになる第4の主面40b上の一部にも配置にのみ配置されていることが好ましい。これにより、第2の金属端子18を第2の積層体40の実装面側で接続することが可能となるため、低背化が可能となる。
第2の積層体40内においては、第3の内部電極層44aの第3の対向電極部48aと第4の内部電極層44bの第4の対向電極部48bとがセラミック層42を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第3の内部電極層44aが接続された第3の外部電極50aと第2の内部電極層44bが接続された第4の外部電極50bとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
なお、図5に示すように、内部電極層44として、第1の内部電極層44aおよび第2の内部電極層44bに加えて、第3の端面40eおよび第4の端面40fのどちらにも引き出されない浮き内部電極層44cが設けられ、浮き内部電極層44cによって、対向電極部48cが複数に分割された構造としてもよい。たとえば、図5(a)に示すような2連、図5(b)に示すような3連、図5(c)に示すような4連構造であり、4連以上の構造でもよいことは言うまでもない。このように、対向電極部48cを複数個に分割した構造とすることによって、対向する内部電極層44a,44b,44c間において複数のコンデンサ成分が形成され、これらのコンデンサ成分が直列に接続された構成となる。そのため、それぞれのコンデンサ成分に印加される電圧が低くなり、積層セラミックコンデンサの高耐圧化を図ることができる。
第3の外部電極50aは、図2に示すように、第2の積層体40側から順に、第3の下地電極層52aと第3の下地電極層52aの表面に配置された第3のめっき層54aとを有する。同様に、第4の外部電極50bは、第2の積層体40側から順に、第4の下地電極層52bと第4の下地電極層52bの表面に配置された第4のめっき層54bとを有する。
第3の下地電極層52aは、第2の積層体40の第3の端面40eの表面に配置され、第3の端面40eから延伸して第3の主面40a、第4の主面40b、第3の側面40cおよび第4の側面40dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。ただし、第3の下地電極層52aは、第2の積層体40の第3の端面40eの表面にのみ配置されていてもよい。
また、第4の下地電極層52bは、第2の積層体40の第4の端面40fの表面に配置され、第4の端面40fから延伸して第3の主面40a、第4の主面40b、第3の側面40cおよび第4の側面40dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。ただし、第4の下地電極層52bは、第2の積層体40の第4の端面40fの表面にのみ配置されていてもよい。
第3の下地電極層52aおよび第4の下地電極層52b(以下、単に下地電極層ともいう)は、それぞれ、焼付け層や樹脂層や薄膜層などから選ばれる少なくとも1つを含む。
第3のめっき層54aは、第3の下地電極層52aを覆うように、その表面に配置される。同様に、第4のめっき層54bは、第4の下地電極層52bを覆うように、その表面に配置される。
(C)金属端子
金属端子は、第1の金属端子16、第2の金属端子18および第3の金属端子19を有する。
第1の金属端子16は、第1の外部電極30aに接続されている。第2の金属端子18は、第4の外部電極50bに接続されている。第3の金属端子19は、第1の積層セラミック電子部品本体12の第2の外部電極30bと、第2の積層セラミック電子部品本体14の第3の外部電極50aとに跨るように接続され、後述する外装材500から露出するように設けられる。
第1の金属端子16は、第1の積層体20の第2の主面20b上に位置する第1の外部電極30aに接続され、第2の主面20bと対向する第1の接合部62と、第1の接合部62に接続され、第1の接合部62から第1の積層体20の第1の端面20eと第2の端面20fとを結ぶ方向に延びる第1の延長部64と、第1の延長部64に接続され、実装面に対向する面となる第1の積層体20の第2の主面20bと実装面との間に隙間を設けるように実装面方向に延びる第2の延長部65と、第2の延長部65に接続され、第2の延長部65から実装面と略平行に延びる第1の実装部66と、を有する。第2の延長部65を設けることにより、実装基板からの距離を長くすることができ、実装基板からの応力を緩和する効果を得ることができる。
第2の金属端子18は、第2の積層体40の第4の主面40b上に位置する第4の外部電極50bに接続され、第4の主面40bと対向する第2の接合部82と、第2の接合部82から第2の積層体40の第3の端面40eと第4の端面40fとを結ぶ方向に延びる第3の延長部84と、第3の延長部84に接続され、実装面に対向する面となる第2の積層体40の第4の主面40bと実装面との間に隙間を設けるように実装面方向に延びる第4の延長部85と、第4の延長部85に接続され、第4の延長部85から実装面と略平行に延びる第2の実装部86と、を有する。第4の延長部85を設けることにより、実装基板からの距離を長くすることができ、実装基板からの応力を緩和する効果を得ることができる。
第1の金属端子16および第2の金属端子18は、積層セラミック電子部品10を実装基板に実装するために設けられる。第1の金属端子16および第2の金属端子18には、たとえば、板状のリードフレームが用いられる。
この板状のリードフレームにより形成される第1の金属端子16および第2の金属端子18は、第1の外部電極30aと第4の外部電極50bと接続される第1の主面、第1の主面と対向する第2の主面(各積層セラミック電子部品本体とは反対側の面)および第1の主面と第2の主面との間の厚みを形成する周囲面を有する。
第1の金属端子16の第1の接合部62は、第1の積層体20の第2の主面20b上に位置する第1の外部電極30aに接続され、第1の積層体20の第2の主面20bと対向する部分である。第1の接合部62は、たとえば、第1の積層体20の第1の端面20e上の第1の外部電極30aの幅と同等の大きさの矩形板状に形成され、片面が、第1の外部電極30aに接合材70によって接続されていることが好ましい。また、第1の接合部62の形状は、矩形形状に限らず、切り欠きや穴が形成されていてもよい。なお、切り欠きや穴の数は単数であっても複数にわたって形成されていてもよい。
第2の金属端子18の第2の接合部82は、第2の積層体40の第4の主面40b上に位置する第4の外部電極50bに接続され、第2の積層体40の第4の主面40bと対向する部分である。第2の接合部82は、たとえば、第2の積層体40の第4の端面40f上の第4の外部電極50bの幅と同等の大きさの矩形板状に形成され、片面が、第4の外部電極50bに接合材70によって接続されていることが好ましい。また、第2の接合部82の形状は、矩形形状に限らず、切り欠きや穴が形成されていてもよい。なお、切り欠きや穴の数は単数であっても複数にわたって形成されていてもよい。
第1の金属端子16の第1の接合部62は、第1の外部電極30aに接合材70によって接続されている。第2の金属端子18の第2の接合部82は、第4の外部電極50bに接合材70によって接続されている。
また、第1の外部電極30aと第1の接合部62とを接合するために、あるいは第4の外部電極50bと第2の接合部82とを接合するために用いられる接合材70は、たとえば、半田、導電性接着剤、TLP(遷移的液相、焼結)材を用いることができる。接合材として、半田を用いる場合は、Sn-Sb系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Cu系、Sn-Bi系などのLF半田を用いることができる。特に、Sn-Sb系半田の場合は、Sbの含有率が5%以上15%以下程度であることが好ましい。
第1の金属端子16の第1の延長部64は、第1の接合部62に接続され、第1の積層体20の第1の主面20aまたは第2の主面20bと略平行となる方向に、第1の積層体20から遠ざかるように延びている。これにより、積層セラミック電子部品本体12に対して、熱衝撃が加わりにくくすることができる。また、温度変化によるストレスや、実装基板に変形が生じたとしても、金属端子の弾性的変形によって有利に吸収することができる。また、第1の金属端子16において外装材500でモールドされている距離を長くすることができ、その結果、導体間の絶縁表面距離(沿面距離)を確保することができる。
なお、第1の金属端子16の第1の延長部64の積層セラミック電子部品10の長さ方向Zに沿った長さは、特に限定されない。
また、第1の金属端子16の第1の延長部64の第1の積層体20の幅方向に沿った長さは、第1の接合部62と同じ長さで引き出されていてもよいが、階段状に段階的に長さを短くしてもよいし、テーパ状に長さを短くしてもよい。
第1の金属端子16の第1の延長部64の一部は、表面が凹状に加工されており、加工部において第1の金属端子16の母材が露出していても良い。これにより、万が一、第1の金属端子16の第1の接合部62における接合材70が溶融したとしても、この凹状の加工部おいて、第1の金属端子16の母材が露出することにより半田の濡れ性が低下しているため、半田の流出をくいとめられ、溶融した半田が外装材500の外に流れ出ることを抑制することができる。
さらに、第1の金属端子16の第1の延長部64には、切り欠き部が形成されていてもよい。これにより、第1の金属端子16の材料量の低減をする事ができ、コスト削減効果を得られる。また、基板実装後の基板からの応力を緩和する効果を得られる。
第2の金属端子18の第3の延長部84は、第2の接合部82に接続され、第2の積層体40の第3の主面40aまたは第4の主面40bと略平行となる方向に、第2の積層体40から遠ざかるように延びている。これにより、積層セラミック電子部品本体14に対して、熱衝撃が加わりにくくすることができる。また、温度変化によるストレスや、実装基板に変形が生じたとしても、金属端子の弾性的変形によって有利に吸収することができる。また、第2の金属端子18において外装材500でモールドされている距離を長くすることができ、その結果、導体間の絶縁表面距離(沿面距離)を確保することができる。
なお、第2の金属端子18の第3の延長部84の積層セラミック電子部品10の長さ方向Zに沿った長さは、特に限定されない。
また、第2の金属端子18の第3の延長部84の第2の積層体40の幅方向に沿った長さは、第2の接合部82と同じ長さで引き出されていてもよいが、階段状に段階的に長さを短くしてもよいし、テーパ状に長さを短くしてもよい。
第2の金属端子18の第3の延長部84の一部は、表面が凹状に加工されており、加工部において第2の金属端子18の母材が露出していても良い。これにより、万が一、第2の金属端子18の第2の接合部82における接合材70が溶融したとしても、この凹状の加工部おいて、第2の金属端子18の母材が露出することにより半田の濡れ性が低下しているため、半田の流出をくいとめられ、溶融した半田が外装材500の外に流れ出ることを抑制することができる。
さらに、第2の金属端子18の第3の延長部84には、切り欠き部が形成されていてもよい。これにより、第2の金属端子18の材料量の低減をする事ができ、コスト削減効果を得られる。また、基板実装後の基板からの応力を緩和する効果を得られる。
第1の金属端子16の第2の延長部65は、第1の延長部64に接続され、実装面に対向する面となる第1の積層体20の第2の主面20bと実装面との間に隙間を設けるように実装面方向に延びる。具体的には、第1の延長部64の終端から湾曲して実装面の方向に延びている。なお、湾曲部分の角度は緩やかに湾曲していても良く、ほぼ直角となるように湾曲していても良い。これにより、実装基板からの距離を長くする事ができ、実装基板からの応力を緩和する効果を得られる。また、第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14の下側の外装材500の厚みを厚くすることができ、絶縁性を確保することができる。
第1の金属端子16の第2の延長部65の第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14の長さ方向に沿った長さは、特に限定されないが、第1の延長部64の第1の積層セラミック電子部品本体12の長さに沿った長さと略同じ長さで形成されていてもよい。
第2の延長部65の実装面へと延びる長さは、特に限定されないが、後述する外装材500の実装面に対向する面と実装面との間に隙間が形成されるように設けられる。例えば、0.15mm以上2mm以下になるように設定することができる。このように外装材500に被覆された第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14を実装面から浮かすことで、実装基板からの距離を長くする事ができ、実装基板からの応力を緩和する効果を得られる。また、下側の外装材500の樹脂厚みを厚くする事ができ、絶縁性を確保する事ができる。
第2の延長部65の一部は、第1の延長部64と同様に、表面が凹状に加工されており、加工部において金属端子の母材が露出していても良い。これにより、万が一、第1の接合部62における接合材70が溶融したとしても、この凹状の加工部おいて、金属端子の母材が露出することにより半田の濡れ性が低下しているため、半田の流出をくいとめられ、溶融した半田が外装材500の外に流れ出ることを抑制することができる。
さらに、第2の延長部65の中央部には、切り欠き部が形成されており、二股形状やそれ以上に分割されていてもよい。これにより、基板実装後の基板からの応力を緩和する効果を得られる。
第2の金属端子18の第4の延長部85は、第3の延長部84に接続され、実装面に対向する面となる第2の積層体40の第4の主面40bと実装面との間に隙間を設けるように実装面方向に延びる。具体的には、第3の延長部84の終端から湾曲して実装面の方向に延びている。なお、湾曲部分の角度は緩やかに湾曲していても良く、ほぼ直角となるように湾曲していても良い。これにより、実装基板からの距離を長くする事ができ、実装基板からの応力を緩和する効果を得られる。また、第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14の下側の外装材500の厚みを厚くすることができ、絶縁性を確保することができる。
第2の金属端子18の第4の延長部85の第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14の長さ方向に沿った長さは、特に限定されないが、第3の延長部84の第2の積層セラミック電子部品本体14の長さに沿った長さと略同じ長さで形成されていてもよい。
第4の延長部85の実装面へと延びる長さは、特に限定されないが、後述する外装材500の実装面に対向する面と実装面との間に隙間が形成されるように設けられる。例えば、0.15mm以上2mm以下になるように設定することができる。このように外装材500に被覆された第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14を実装面から浮かすことで、実装基板からの距離を長くする事ができ、実装基板からの応力を緩和する効果を得られる。また、下側の外装材500の樹脂厚みを厚くする事ができ、絶縁性を確保する事ができる。
第4の延長部85の一部は、第3の延長部84と同様に、表面が凹状に加工されており、加工部において金属端子の母材が露出していても良い。これにより、万が一、第2の接合部82における接合材70が溶融したとしても、この凹状の加工部おいて、金属端子の母材が露出することにより半田の濡れ性が低下しているため、半田の流出をくいとめられ、溶融した半田が外装材500の外に流れ出ることを抑制することができる。
さらに、第4の延長部85の中央部には、切り欠き部が形成されており、二股形状やそれ以上に分割されていてもよい。これにより、基板実装後の基板からの応力を緩和する効果を得られる。
第1の金属端子16の第1の実装部66は、第2の延長部65に接続され、第2の延長部65から第1の積層体20第1の端面20eおよび第2の端面20fの端面同士を結ぶ方向に延びる部分である。この部分によって、実装基板に実装される。
第1の金属端子16の第1の実装部66は、第2の延長部65の端部から第1の端面20eおよび第2の端面20fの端面同士を結ぶ長さ方向に延びて折り曲げて形成される。なお、第1の実装部66の折り曲げられる方向は、第1の積層体20および第2の積層体40側に折り曲げられていても良いし、第1の積層体20および第2の積層体40とは反対側に折り曲げられていても良い。
第1の金属端子16の第1の実装部66の第1の端面20eおよび第2の端面20f同士を結ぶ長さ方向の長さは、特に限定されないが、第1の積層体20の第2の主面20b(実装面側)上に形成される第1の外部電極30aの長さ方向の長さよりも長く形成されていてもよい。
第2の金属端子18の第2の実装部86は、第4の延長部85に接続され、第4の延長部85から第2の積層体40の第3の端面40eおよび第4の端面40f同士を結ぶ方向に延びる部分である。この部分によって、実装基板に実装される。
第2の金属端子18の第2の実装部86は、第4の延長部85の端部から第3の端面40eおよび第4の端面40fの端面同士を結ぶ長さ方向に延びて折り曲げて形成される。なお、第2の実装部86の折り曲げられる方向は、第1の積層体20および第2の積層体40側に折り曲げられていても良いし、第1の積層体20および第2の積層体40とは反対側に折り曲げられていても良い。
第2の金属端子18の第2の実装部86の第3の端面40eおよび第4の端面40f同士を結ぶ長さ方向の長さは、特に限定されないが、第2の積層体40の第4の主面40b(実装面側)上に形成される第4の外部電極50bの長さ方向の長さよりも長く形成されていてもよい。
第3の金属端子19は、図2に示すように、第1の積層セラミック電子部品本体12の第2の外部電極30bに接続される第3の接合部92と、第2の積層セラミック電子部品本体14の第3の外部電極50aに接続される第4の接合部94とを有する。なお、第3の接合部92と第4の接合部94との間に第5の延長部96を有していてもよい。
第3の金属端子19は、特性選別の際にIR値を測定するために用いられる。具体的には、第1の積層セラミック電子部品本体12のIR値を測定する場合は、第1の金属端子16と第3の金属端子19に測定端子を接続して第1の積層セラミック電子部品本体12のIR値を測定し、第2の積層セラミック電子部品本体14のIR値を測定する場合は、第2の金属端子18と第3の金属端子19に測定端子を接続して第2の積層セラミック電子部品本体14のIR値を測定する。
これにより、外装材500で覆われた直列に接続された第1の積層セラミック電子部品本体12、または、第2の積層セラミック電子部品本体14のいずれかが、規格のIR値の下限を下回っていた場合には、確実に特性選別で取り除くことができる。したがって、本発明では、外装材500で覆われた直列に接続された第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14の総和としては良品であっても、第1の積層セラミック電子部品本体12、または、第2の積層セラミック電子部品本体14のいずれか単体で規格のIR値の下限を下回っている積層セラミック電子部品本体が含まれる積層セラミック電子部品10を不良として選別が可能となる。よって、確実にそれぞれの積層セラミック電子部品本体においてIR値の規格を上回る品質の高い積層セラミック電子部品10を提供することが可能となる。
第3の金属端子19には、たとえば、板状のリードフレームが用いられる。なお、リードフレームは板状ではなく厚いブロックであってもよい。この板状のリードフレームにより形成される第3の金属端子19は、第2の外部電極30bと第3の外部電極50aと接続される第1の主面、第1の主面と対向する第2の主面(各積層セラミック電子部品本体とは反対側の面)および第1の主面と第2の主面との間の厚みを形成する周囲面を有する。
第3の金属端子19としては、第1の金属端子16および第2の金属端子18と同様の素材を用いてもよいが、電気的な測定のみを対象にしているので、実装するために形成するめっき層(例えば、Niめっき、Snめっき)は形成されていなくてもよい。
また、第3の金属端子19の材質は、金属だけでなく、測定に影響が出ない程度の伝導率のものであればよい。例えば、金属全般、グラファイト、半導体、導電性高分子などを用いることができる。また、第3の金属端子19の厚みについても、特に限定はされない。
第3の金属端子19の第3の接合部92は、図2に示すように、第1の積層セラミック電子部品本体12の第2の外部電極30bに接合材70によって接続されている。
第3の金属端子19の第4の接合部94は、図2に示すように、第2の積層セラミック電子部品本体14の第3の外部電極50aに接合材70によって接続されている。
第2の外部電極30bと第3の接合部92、第3の外部電極50aと第4の接合部94とを接合するために用いられる接合材70は、例えば、はんだ、導電性接着材、TLP(遷移的液相焼結)材を用いることができる。
接合材70として、はんだを用いる場合には、例えば、Sn-Sb系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Cu系、Sn-Bi系などのLFはんだを用いることができる。特に、Sn-Sb系のはんだの場合は、Sbの含有率が5%以上15%以下程度であることが好ましい。
また、図1に示した第1の金属端子16および第2の金属端子18の別の一例として、図6に示した第1の金属端子116および第2の金属端子118がある。図6は、図1に示した金属端子の変形例を備えた積層セラミック電子部品の一例を示す外観斜視図である。図7は、図5の線VII-VIIにおける断面図である。
なお、図6および図7に示す積層セラミック電子部品110は、図1ないし図4に示す積層セラミック電子部品10と比べて、第1の金属端子116および第2の金属端子118が相違しているのみであり、積層セラミック電子部品本体12および積層セラミック電子部品本体14は共通である。従って、図1ないし図4に示した積層セラミック電子部品10と同一部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6および図7に示すように、積層セラミック電子部品110は、第1の積層セラミック電子部品本体12と、第2の積層セラミック電子部品本体14と、第1の金属端子116と、第2の金属端子118と、第3の金属端子19とにより構成される。
積層セラミック電子部品110の長さ方向Zの寸法はL寸法とされる。L寸法は、特に限定はされないが、1.0mm以上100.0mm以下とする。積層セラミック電子部品110の高さ方向Xの寸法はT寸法とされる。T寸法は、特に限定はされないが、0.5mm以上20.0mm以下とする。積層セラミック電子部品110の幅方向Yの寸法はW寸法とされる。W寸法は、特に限定はされないが、0.5mm以上50.0mm以下とすることができる。
第1の金属端子116は、第1の外部電極30aに接続される第1の接合部162と、第1の接合部162に接続され、第1の接合部162から積層セラミック電子部品本体12と実装面との間に隙間ができるように延びる第1の延長部164と、第1の延長部164に接続され、第1の延長部164から実装面と平行に延びる第1の実装部166と、を有する。このように、金属端子を介在させることで、積層セラミック電子部品本体12に対して、熱衝撃が加わりにくくすることができる。また、温度変化によるストレスや、実装基板に変形が生じたとしても、金属端子の弾性的変形によって有利に吸収することができる。
第1の金属端子116は、断面の形状がL字形状に形成されている。このように、第1の金属端子116の断面の形状がL字形状に形成されると、積層セラミック電子部品110を実装基板に実装したとき、実装基板のたわみに対する耐性を向上させることができる。
第2の金属端子118は、第4の外部電極50bに接続される第2の接合部182と、第2の接合部182に接続され、第2の接合部182から積層セラミック電子部品本体14と実装面との間に隙間ができるように延びる第3の延長部184と、第3の延長部184に接続され、第3の延長部184から実装面と平行に延びる第2の実装部186と、を有する。このように、金属端子を介在させることで、積層セラミック電子部品本体14に対して、熱衝撃が加わりにくくすることができる。また、温度変化によるストレスや、実装基板に変形が生じたとしても、金属端子の弾性的変形によって有利に吸収することができる。
第2の金属端子118は、断面の形状がL字形状に形成されている。このように、第2の金属端子118の断面の形状がL字形状に形成されると、積層セラミック電子部品110を実装基板に実装したとき、実装基板のたわみに対する耐性を向上させることができる。
第1の金属端子116の第1の接合部162は、第1の積層体20の第1の端面20eに設けられた第1の外部電極30aに接続される部分であり、第1の積層体20の第1の端面20eと対向する部分である。第1の接合部162は、たとえば、第1の積層体20の第1の端面20e上の第1の外部電極30aの幅と同等の大きさの矩形板状に形成され、片面が、第1の外部電極30aに接合材70によって接続されていることが好ましい。また、第1の接合部162の形状は、矩形形状に限らず、切り欠きや穴が形成されていてもよい。切り欠きや穴の数は単数であっても複数にわたって形成されていてもよい。
第2の金属端子118の第2の接合部182は、第2の積層体40の第4の端面40fに設けられた第4の外部電極50bに接続される部分であり、第2の積層体40の第4の端面40fと対向する部分である。第2の接合部182は、たとえば、第2の積層体40の第4の端面40f上の第4の外部電極50bの幅と同等の大きさの矩形板状に形成され、片面が、第4の外部電極50bに接合材70によって接続されていることが好ましい。また、第2の接合部182の形状は、矩形形状に限らず、切り欠きや穴が形成されていてもよい。切り欠きや穴の数は単数であっても複数にわたって形成されていてもよい。
第1の金属端子116の第1の接合部162は、第1の外部電極30aに接合材70によって接続されている。第2の金属端子118の第2の接合部182は、第4の外部電極50bに接合材70によって接続されている。
また、第1の外部電極30aと第1の接合部162とを接合するために、あるいは第4の外部電極50bと第2の接合部182とを接合するために用いられる接合材70は、たとえば、半田、導電性接着剤、TLP(遷移的液相、焼結)材を用いることができる。接合材として、半田を用いる場合は、Sn-Sb系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Cu系、Sn-Bi系などのLF半田を用いることができる。特に、Sn-Sb系半田の場合は、Sbの含有率が5%以上15%以下程度であることが好ましい。
第1の金属端子116の第1の延長部162は、第1の接合部162に接続され、実装面に対向する面となる第1の積層体20の第2の主面20bと実装面との間に隙間を設けるように実装面方向に延びている。これにより、実装基板からの距離を長くすることができ、実装基板からの応力を緩和することができる。
第1の延長部164は、たとえば、矩形板状を有しており、第1の接合部162から実装面方向に両主面と直交する高さ方向Xに延び、第1の接合部162と同一平面状に形成されている。また、第1の延長部164の幅方向の長さ(第1の側面20cと第2の側面20dとを結ぶ方向の長さ)は、第1の接合部162の幅方向の長さと同じ長さで形成されていることが好ましいが、第1の接合部162の幅方向の長さより短くても長くてもよいし、テーパ状に長さを短くしてもよい。
また、第1の延長部164の高さ方向Xの長さは、特に限定されないが、後述する外装材500で覆われた第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14と実装面との間(外装材500の実装面に対向する面と実装面との間)に空間が空くように設けられる。
第1の金属端子116の第1の延長部164の一部は、表面が凹状に加工されており、加工部において第1の金属端子116の母材が露出していても良い。これにより、万が一、第1の金属端子116の第1の接合部162における接合材70が溶融したとしても、この凹状の加工部おいて、第1の金属端子116の母材が露出することにより半田の濡れ性が低下しているため、半田の流出をくいとめられ、溶融した半田が外装材500の外に流れ出ることを抑制することができる。
さらに、第1の金属端子116の第1の延長部164には、切り欠き部が形成されていてもよい。これにより、第1の金属端子116の材料量の低減をする事ができ、コスト削減効果を得られる。また、基板実装後の基板からの応力を緩和する効果を得られる。
第2の金属端子118の第3の延長部184は、第2の接合部182に接続され、実装面に対向する面となる第2の積層体40の第4の主面40bと実装面との間に隙間を設けるように実装面方向に延びている。これにより、実装基板からの距離を長くすることができ、実装基板からの応力を緩和することができる。
第3の延長部184は、たとえば、矩形板状を有しており、第2の接合部182から実装面方向に両主面と直交する高さ方向Xに延び、第2の接合部182と同一平面状に形成されている。また、第3の延長部184の幅方向の長さ(第3の側面40cと第4の側面40dとを結ぶ方向の長さ)は、第2の接合部182の幅方向の長さと同じ長さで形成されていることが好ましいが、第2の接合部182の幅方向の長さより短くても長くてもよいし、テーパ状に長さを短くしてもよい。
また、第3の延長部184の高さ方向Xの長さは、特に限定されないが、後述する外装材500で覆われた第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14と実装面との間(外装材500の実装面に対向する面と実装面との間)に空間が空くように設けられる。
第2の金属端子118の第3の延長部184の一部は、表面が凹状に加工されており、加工部において第2の金属端子118の母材が露出していても良い。これにより、万が一、第2の金属端子118の第2の接合部182における接合材70が溶融したとしても、この凹状の加工部おいて、第2の金属端子118の母材が露出することにより半田の濡れ性が低下しているため、半田の流出をくいとめられ、溶融した半田が外装材500の外に流れ出ることを抑制することができる。
さらに、第2の金属端子118の第3の延長部184には、切り欠き部が形成されていてもよい。これにより、第2の金属端子118の材料量の低減をする事ができ、コスト削減効果を得られる。また、基板実装後の基板からの応力を緩和する効果を得られる。
第1の金属端子116の第1の実装部166は、第1の延長部164に接続され、第1の延長部164から第1の積層体20の第1の端面20eと第2の端面20fとを結ぶ方向に延びる部分である。この部分によって、実装基板に実装される。
第1の金属端子116の第1の実装部166は、第1の延長部164の端部から第1の積層体20の第1の端面20eと第2の端面20fとを結ぶ長さ方向に延びて折り曲げて形成される。なお、第1の実装部166の折り曲げられる方向は、第1の積層体20および第2の積層体40とは反対側に折り曲げられていてもよい。
第1の金属端子116の第1の実装部166の第1の積層体20の第1の端面20eと第2の端面20fとを結ぶ方向の長さは、特に限定されないが、第1の積層体20の第2の主面20b(実装面側)上に形成される第1の外部電極30aの長さ方向の長さよりも長く形成されていてもよい。
第2の金属端子118の第2の実装部186は、第3の延長部184に接続され、第3の延長部184から第2の積層体40の第3の端面40eと第4の端面40fとを結ぶ方向に延びる部分である。この部分によって、実装基板に実装される。
第2の金属端子118の第2の実装部186は、第3の延長部184の端部から第2の積層体40の第3の端面40eと第4の端面40fとを結ぶ長さ方向に延びて折り曲げて形成される。なお、第2の実装部186の折り曲げられる方向は、第1の積層体20および第2の積層体40とは反対側に折り曲げられていてもよい。
第2の金属端子118の第2の実装部186の第2の積層体40の第3の端面40eと第4の端面40fとを結ぶ方向の長さは、特に限定されないが、第2の積層体40の第4の主面40b(実装面側)上に形成される第4の外部電極50bの長さ方向の長さよりも長く形成されていてもよい。
また、図1に示した第3の金属端子19の別の一例として、図8に示した第3の金属端子219がある。図8は、図1に示した金属端子の変形例を備えた積層セラミック電子部品の一例を示す断面図である。
なお、図8に示す積層セラミック電子部品210は、図1ないし図4に示す積層セラミック電子部品10と比べて、第3の金属端子219が相違しているのみであり、積層セラミック電子部品本体12および積層セラミック電子部品本体14は共通である。従って、図1ないし図4に示した積層セラミック電子部品10と同一部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、積層セラミック電子部品110は、第1の積層セラミック電子部品本体12と、第2の積層セラミック電子部品本体14と、第1の金属端子16と、第2の金属端子18と、第3の金属端子219とにより構成される。
積層セラミック電子部品210の長さ方向Zの寸法はL寸法とされる。L寸法は、特に限定はされないが、1.0mm以上100.0mm以下とする。積層セラミック電子部品110の高さ方向Xの寸法はT寸法とされる。T寸法は、特に限定はされないが、0.5mm以上20.0mm以下とする。積層セラミック電子部品110の幅方向Yの寸法はW寸法とされる。W寸法は、特に限定はされないが、0.5mm以上50.0mm以下とすることができる。
第3の金属端子219は、外装材500の表面に対して、突出しないように設けられる。よって、外装材500の表面と面一で配置されていてもよいし、外装材500の表面に対して窪んだ形状で形成される。これにより、積層セラミック電子部品10の高さ寸法を抑えることが可能となる。なお、第3の金属端子219の形状としては、フラット形状でも問題なく、外装材500の表面から突出しない範囲で突起部が設けられていてもよい。
第1の金属端子16,116、第2の金属端子18,118および第3の金属端子19,219は、母材となる端子本体と端子本体の表面に形成されためっき膜から構成される。
端子本体は、Ni、Fe、Cu、Ag、Crまたはこれらの金属のうちの一種以上の金属を主成分として含む合金からなることが好ましい。さらに好ましくは、端子本体は、Ni、Fe、Crまたはこれらの金属のうちの一種以上の金属を主成分として含む合金からなる。具体的には、たとえば、端子本体の母材の金属をFe-42Ni合金やFe-18Cr合金とすることができる。第1の金属端子16,116、第2の金属端子18,118および第3の金属端子19,219の厚みは、約0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
めっき膜は、例えば、下層めっき膜と上層めっき膜とを有する。
下層めっき膜は、端子本体の表面に形成されており、上層めっき膜は、下層めっき膜の表面に形成されている。なお、下層めっき膜および上層めっき膜のそれぞれは、複数のめっき層により構成されていてもよい。
なお、めっき膜は、少なくとも第1の金属端子16の第1の延長部62、第2の延長部65および第1の実装部66の周囲面、ならびに第2の金属端子18の第3の延長部84、第4の延長部85、および第2の実装部86の周囲面においては形成されていなくてもよい。
また、めっき膜は、少なくとも第1の金属端子116の第1の延長部164および第1の実装部166の周囲面、ならびに第2の金属端子118の第2の延長部184および第2の実装部186の周囲面においては形成されていなくてもよい。
これにより、積層セラミック電子部品10,110,210を実装基板に半田を用いて実装する際に、半田の第1の金属端子16,116および第2の金属端子18,118への濡れ上がりを抑制することができる。そのため、特に、積層セラミック電子部品本体12と第1の金属端子16,116との間(浮き部分)および積層セラミック電子部品本体14と第2の金属端子18,118との間(浮き部分)に、はんだが濡れ上がることを抑制することができるため、浮き部分にはんだが充填されることを防止することができる。よって、浮き部分の空間を十分に確保することができる。従って、第1の金属端子16,116の第1の延長部64,164および第2の金属端子18,118の第2の延長部84,184が弾性変形し易くなるため、交流電圧が加わることでセラミック層に生じる機械的歪みをより吸収することができる。これにより、このとき生じる振動が、第1の外部電極30aおよび第4の外部電極50bを介して実装基板に伝達することを抑制することができる。従って、第1の金属端子16,116および第2の金属端子18,118を備えることで、より安定してアコースティックノイズ(鳴き)の発生を抑制することができる。なお、第1の金属端子16,116および第2の金属端子18,118の全周囲面において、めっき膜が形成されていなくても良い。
第1の金属端子16の第1の延長部64および第2の金属端子18の第3の延長部84の周囲面のめっき膜を除去する場合、第1の金属端子116の第1の延長部164および第1の実装部166の周囲面、ならびに第2の金属端子118の第2の延長部184および第2の実装部186の周囲面のめっき膜を除去する場合、または、第1の金属端子16,116および第2の金属端子18,118の全周囲面のめっき膜を除去する場合、機械による除去(切削、研磨)方法、レーザートリミングによる除去方法、めっき剥離剤(たとえば水酸化ナトリウム)による除去方法、または、第1の金属端子16,116および第2の金属端子18,118のめっき膜形成前に、レジスト膜でめっきを形成しない部分を覆い、第1の金属端子16,116および第2の金属端子18,118にめっき膜を形成した後にレジスト膜を除去する方法が考えられる。
下層めっき膜は、Ni、Fe、Cu、Ag、Crまたはこれらの金属のうちの一種以上の金属を主成分として含む合金からなることが好ましい。さらに好ましくは、下層めっき膜は、Ni、Fe、Crまたはこれらの金属のうちの一種以上の金属を主成分として含む合金からなる。下層めっき膜の厚みは0.2μm以上5.0μm以下程度であることが好ましい。
上層めっき膜は、Sn、Ag、Auまたはこれらの金属のうちの一種以上の金属を主成分として含む合金からなることが好ましい。さらに好ましくは、上層めっき膜は、SnまたはSnを主成分として含む合金からなる。上層めっき膜をSnまたはSnを主成分として含む合金により形成することにより、第1の金属端子16,116と外部電極30および第2の金属端子18,118と外部電極50との半田付き性を向上させることができる。上層めっき膜の厚みは、1.0μm以上5.0μm以下程度であることが好ましい。
また、端子本体および下層めっき膜のそれぞれを、高融点のNi、Fe、Crまたはこれらの金属のうちの一種以上の金属を主成分として含む合金により形成することにより、外部電極の耐熱性を向上させることができる。
(D)外装材
外装材500は、第1の積層セラミック電子部品本体12、第2の積層セラミック電子部品本体14、第1の金属端子16,116の少なくとも一部、第2の金属端子18,118の少なくとも一部、および第3の金属端子19,219の少なくとも一部を覆うように配置されている。言い換えると、第1の金属端子16,116、第2の金属端子18,118、および第3の金属端子19,219は、外装材500から露出するように設けられる。
外装材500は、たとえば、シリコーン系やエポキシ系からなることが好ましい。これにより、第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14に樹脂が密着し、外装材500の内部の端子間で絶縁性を確保することができる。
以上の構造からなる積層セラミック電子部品10,110,210によれば、外装材500から露出するように設けられた第3の金属端子19を有している。したがって、各積層セラミック電子部品本体12,14を直列に接続した状態で外装材500により覆ったとしても、第3の金属端子19を用いることで、それぞれの積層セラミック電子部品本体12,14の絶縁抵抗値(IR値)を正確に測定することが可能となる。
すなわち、第1の積層セラミック電子部品本体12の絶縁抵抗値(IR値)を測定する場合は、第1の金属端子16と第3の金属端子19に測定端子を接続して第1の積層セラミック電子部品本体12の絶縁抵抗値(IR値)を測定し、第2の積層セラミック電子部品本体14の絶縁抵抗値(IR値)を測定する場合は、第2の金属端子18と第3の金属端子19に測定端子を接続して第2の積層セラミック電子部品本体14の絶縁抵抗値(IR値)を測定する。
これにより、外装材500で覆われた直列に接続された第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14のいずれかにおいて、規格の絶縁抵抗値(IR値)の下限を下回る積層セラミック電子部品本体が含まれていた場合には、確実に特性選別で、そのような積層セラミック電子部品本体を含む積層セラミック電子部品10,110,210を取り除くことができる。
なお、外装材500で覆われた直列に接続された複数の積層セラミック電子部品本体12,14のいずれかにおいて、規格の絶縁抵抗値(IR値)の下限を下回る積層セラミック電子部品本体が含まれていた場合、積層セラミック電子部品の寿命が低下してしまう。
したがって、本発明にかかる積層セラミック電子部品10,110,210によれば、外装材500で覆われた直列に接続された第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14の絶縁抵抗値(IR値)の総和としては良品であっても、積層セラミック電子部品本体のいずれか単体で規格の絶縁抵抗値(IR値)の下限を下回っている積層セラミック電子部品本体が含まれる積層セラミック電子部品10,110,210を不良として選別が可能となる。よって、確実にそれぞれの積層セラミック電子部品本体において規格となる絶縁抵抗値(IR値)を上回る品質の高い積層セラミック電子部品10,110,210を提供することが可能となる。
2.積層セラミック電子部品の製造方法
次に、以上の構成からなる積層セラミック電子部品の製造方法の一実施の形態について説明する。
(A)積層セラミック電子部品本体の製造
まず、第1の積層セラミック電子部品本体および第2の積層セラミック電子部品本体の製造方法について説明する。
誘電体グリーンシートおよび内部電極層を形成するための内部電極用導電性ペーストが準備される。なお、誘電体グリーンシートおよび内部電極用導電性ペーストには、バインダおよび溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
そして、誘電体グリーンシート上に、例えば、スクリーン印刷法やグラビア印刷法により、所定のパターンで内部電極用導電性ペーストが印刷され、内部電極パターンが形成される。
次に、内部電極パターンが印刷されていない外層用誘電体グリーンシートが所定枚数積層され、その上に、内部電極パターンが印刷された誘電体グリーンシートが順次積層され、その上に、外層用誘電体グリーンシートが所定枚数積層され、積層体シートが作製される。
続いて、この積層体シートは、静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスされて、積層体ブロックを作製する。
その後、積層体ブロックが所定の形状寸法に切断され、生の積層体チップが切り出される。このとき、バレル研磨などにより生の積層体の角部や稜部に丸みをつけてもよい。続いて、切り出された生の積層体チップが焼成され、積層体が作製される。なお、生の積層体チップの焼成温度は、誘電体や内部電極用導電性ペーストの材料に依存するが、900℃以上1400℃以下であることが好ましい。
外部電極の下地電極層が焼き付け層であるときの、下地電極層の形成方法を説明する。
外部電極の焼付け層を形成するために、たとえば、積層体の表面に第1の端面から露出している第1の内部電極層の第1の引出電極部の露出部分にガラス成分と金属とを含む外部電極用の導電性ペーストがディッピングなどの方法により塗布されて焼き付けられ、第1の下地電極層が形成される。また、同様に、外部電極の焼付け層を形成するために、たとえば、積層体の第2の端面から露出している第2の内部電極層の第2の引出電極部の露出部分にガラス成分と金属とを含む外部電極用導電性ペーストがディッピングなどの方法により外部電極用の導電性ペーストが塗布されて焼き付けられ、第2の下地電極層が形成される。このとき、焼き付け処理の温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
次に、下地電極層が導電性樹脂層で形成するときの、下地電極層の形成方法を説明する。
なお、導電性樹脂層は、焼付け層の表面に形成されてもよく、焼付け層を形成せずに、導電性樹脂層を単体で積層体の表面に直接形成してもよい。
導電性樹脂層の形成方法としては、熱硬化性樹脂および金属成分を含む導電性樹脂ペーストを焼付け層もしくは積層体の表面に塗布し、250℃以上550℃以下の温度で熱処理を行い、樹脂を熱硬化させ、導電性樹脂層が形成される。この時の熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えることが好ましい。
また、下地電極層が薄膜層で形成するときの、下地電極層の形成方法を説明する。
下地電極層が薄膜層で形成する場合は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により下地電極層を形成することができる。薄膜層で形成された下地電極層は金属粒子が堆積された1μm以下の層とされる。
さらに、下地電極層を設けずに、積層体の内部電極層の露出部にめっき層を設けてもよい。
積層体の第1の端面および第2の端面にめっき処理を施し、内部電極層の露出部上に下地めっき電極を形成する。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよいが、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化するデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。また、必要に応じて、下層めっき電極の表面に上層めっき電極を同様に形成してもよい。
その後、下地電極層の表面、導電性樹脂層の表面もしくは下地めっき層の表面、上層めっき層の表面に、めっき層が形成され、外部電極が形成される。
各積層セラミック電子部品本体は、焼付け層の表面にめっき層として、Niめっき層およびSnめっき層が形成される。Niめっき層およびSnめっき層は、たとえばバレルめっき法により、順次形成される。
このようにして、各積層セラミック電子部品本体が製造される。
(B)第1の積層セラミック電子部品本体と第2の積層セラミック電子部品本体の接合
次に、第1の積層セラミック電子部品本体と第2の積層セラミック電子部品本体を接合する方法について説明する。
第1の積層セラミック電子部品本体の第2の端面20f、もしくは、第2の積層セラミック電子部品本体14の第3の端面40eのいずれか一方に接合材70を塗布した複数の第1の積層セラミック電子部品本体12または第2の積層セラミック電子部品本体14を複数個準備する。ここでは、接合材70として半田を用いた。
続いて、アルミナ基板上に接合材70が塗布された端面が、一方の積層セラミック電子部品本体の端面と対向し、接触するように第1の積層セラミック電子部品本体および第2の積層セラミック電子部品本体を整列させる。
次に、この状態でリフローに通し、接合材70である半田を溶融させ、第1の積層セラミック電子部品本体12および第2の積層セラミック電子部品本体14を接合させる。
(C)金属端子の取り付け方法
続いて、積層セラミック電子部品の製造方法における金属端子の取り付け工程について、説明する。
第1の金属端子、第2の金属端子、および第3の金属端子を準備する。
次に、上記で準備した第1の積層セラミック電子部品本体の第1の端面側(第1の積層セラミック電子部品本体と第2の積層セラミック電子部品本体とが向かい合わない側の端面)の外部電極および上記で準備した第2の積層セラミック電子部品本体の第2の端面側(第1の積層セラミック電子部品本体と第2の積層セラミック電子部品本体とが向かい合わない側の端面)の外部電極に接合材を塗布し、リフローすることによって金属端子を取り付ける。接合材として半田を用いることができる。
(D)外装材の形成方法
外装材の形成方法について説明する。
まず、第1の積層セラミック電子部品本体および第2の積層セラミック電子部品本体、第1の金属端子の少なくとも一部および第2の金属端子の少なくとも一部、第3の金属端子の少なくとも一部を覆うように外装材でモールドする。たとえば、トランスファーモールド工法によって、金型に樹脂を充填し硬化させて、第1の積層セラミック電子部品本体および第2の積層セラミック電子部品本体、第1の金属端子の少なくとも一部および第2の金属端子の少なくとも一部、第3の金属端子の少なくとも一部を覆うように樹脂モールドを実施する。
次に、一対の金属端子の不要部分をカットする。たとえば、打ち抜き金型を使い、一対の金属端子の不要部分のカットを実施する。
続いて、一対の金属端子を所望の形状に折り曲げる。たとえば、曲げ金型を使い、一対の金属端子を所望の形状に折り曲げる。
以上の方法により、積層セラミック電子部品が製造される。
3.実験例
上記の製造方法に従って、積層セラミック電子部品を製作し、積層セラミック電子部品を構成する第1の積層セラミック電子部品本体、および第2の積層セラック電子部品本体それぞれのIR値を測定し、品質評価を行った。なお、第1の積層セラミック電子部品本体、および第2の積層セラミック電子部品本体は、積層セラミックコンデンサを用いた。
まず、以下のチップ単体の設計となる第1の積層セラミック電子部品本体および第2の積層セラミック電子部品本体となるチップを複数個作製し、IR値が表1の値になるようにチップ1からチップ5を作製した。各積層セラミック電子部品本体の仕様は以下のとおりである。
(A)第1および第2の積層セラミック電子部品本体(コンデンサ)の仕様(チップ単体)
各積層セラミック電子部品本体のサイズ:L×W×T(設計値):6.1mm×5.0mm×2.6mm
セラミック材料:BaTiO3
容量:22μF
定格電圧:25V
内部電極層の材料:Ni
外部電極の構造
下地電極層
Cuとガラスを含む電極
めっき層:Niめっき層(厚み:2μm)+Snめっき層(厚み:4μm)の2層構造
Figure 0007331622000001
その後、チップ1ないしチップ5を表2の組み合わせにより、以下の設計になるように実験の試料となる積層セラミック電子部品を作製した。積層セラミック電子部品の構造は、図1に示す積層セラミック電子部品の構造とした。
(B)積層セラミック電子部品の仕様
積層セラミック電子部品のサイズ:L×W×T(金属端子も含む部品全体):16.0mm×6.0mm×4.0mm
容量:44μF
定格電圧:50V
沿面距離:13mm
積層セラミック電子部品本体(コンデンサ)の個数:2個を直列接続
金属端子:端子本体:SUS430+めっき膜:Niめっき層+Snめっき層の2層構造
外装材:エポキシ樹脂
Figure 0007331622000002
(C)積層セラミック電子部品のIR値の測定方法
そして、上記で準備した試料番号1ないし試料番号3にかかる積層セラミック電子部品の絶縁抵抗値(IR値)を測定した。
IR値の測定方法としては、第1の積層セラミック電子部品本体(A)(以下、チップAという)の絶縁抵抗値(IR値)を測定する場合は、第1の金属端子と第3の金属端子に測定端子を接続して第1の積層セラミック電子部品本体の絶縁抵抗値(IR値)の値を測定し、第2の積層セラミック電子部品本体(B)(以下、チップBという)の絶縁抵抗値(IR値)を測定する場合は、第2の金属端子と第3の金属端子に測定端子を接続して第2の積層セラミック電子部品本体の絶縁抵抗値(IR値)の値を測定した。
その他の測定条件としては、50V、60sでの電流値における絶縁抵抗値を算出した。
(D)積層セラミック電子部品に対する判定方法
(i)各積層セラミック電子部品本体に対する判定方法
試料番号1ないし試料番号3のサンプルである積層セラミック電子部品におけるチップAおよびチップBに対して、50V、60sでの電流値における絶縁抵抗値(IR値)を算出した。
そして、絶縁抵抗値の範囲が、2.5×106Ω以上10.0×106Ω以下のものをG(良)、2.5×106Ω未満をNG(不良)と判定した。
(ii)積層セラミック電子部品に対する総合判定の方法
試料番号1ないし試料番号3のサンプルである積層セラミック電子部品に対する判定方法は、チップAおよびチップBのうちのどちらか一方の積層セラミック電子部品本体においてNG(不良)と判定されて積層セラミック電子部品本体が含まれるものをNG(不良)と判定した。
(iii)積層セラミック電子部品の品質の評価方法と評価基準
チップAとチップBとの抵抗比(Aの絶縁抵抗値/Bの絶縁抵抗値)に基づいて、品質の評価を行った。
これは、第1の積層セラミック電子部品本体および第2の積層セラミック電子部品本体のそれぞれの電圧の分担が、各積層セラミック電子部品本体の絶縁抵抗値(IR値)によって変化するため、絶縁抵抗値が大きな積層セラミック電子部品本体側に各積層セラミック電子部品本体の定格を超えたより大きな電圧がかかるため、全体として、品質の低下が生じてしまうことによる。
具体的な、評価基準は、以下の通りである。すなわち、
抵抗比(Aの絶縁抵抗値/Bの絶縁抵抗値)が、0.8以上1.2以下の場合は、「○」とし、
抵抗比(Aの絶縁抵抗値/Bの絶縁抵抗値)が、0.4以上0.8未満の場合、および1.2以上2.3未満の場合は、「△」とし、
抵抗比(Aの絶縁抵抗値/Bの絶縁抵抗値)が、0.4未満、および2.3以上の場合は、「×」、
とした。
表3に、絶縁抵抗値の測定結果、その判定および評価結果を示す
Figure 0007331622000003
表3によれば、試料番号1ないし試料番号3にかかる積層セラミック電子部品の両端の絶縁抵抗値(IR値)は、いずれも、10.0×106Ωであった。しかしながら、本発明にかかる積層セラミック電子部品では、チップAおよびチップBのそれぞれの絶縁抵抗値(IR値)を個別に測定することができ、積層セラミック電子部品の評価の判定に用いることができる。すなわち、試料番号2の積層セラミック電子部品では、チップAに不良と判定されたチップ1を含み、抵抗比の値も評価基準を満たさないため、積層セラミック電子部品の品質が「×」として、評価された。
したがって、外装材で覆われ、直列に接続された複数の積層セラミック電子部品本体(コンデンサ)のうちのいずれかにおいて、規格のIR値の下限を下回る積層セラミック電子部品本体(コンデンサ)が含まれていた場合であっても、確実に特性選別で取り除くことができる。したがって、本発明にかかる積層セラミック電子部品では、外装材で覆われ、直列に接続された複数の積層セラミック電子部品本体(コンデンサ)の絶縁抵抗値(IR値)の総和としては良品であっても、積層セラミック電子部品本体(コンデンサ)のいずれか単体で規格のIR値の下限を下回っている積層セラミック電子部品本体(コンデンサ)が含まれる積層セラミック電子部品を不良として選別が可能となる。よって、確実にそれぞれの積層セラミック電子部品本体(コンデンサ)において絶縁抵抗値(IR値)の規格を上回る品質の高い積層セラミック電子部品を提供することが可能となる。
なお、以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
10,110,210 積層セラミック電子部品
12 第1の積層セラミック電子部品本体
14 第2の積層セラミック電子部品本体
16,116 第1の金属端子
18,118 第2の金属端子
19,219 第3の金増端子
20 第1の積層体
20a 第1の積層体の第1の主面
20b 第1の積層体の第2の主面
20c 第1の積層体の第1の側面
20d 第1の積層体の第2の側面
20e 第1の積層体の第1の端面
20f 第1の積層体の第2の端面
22,42 セラミック層
23a,43a 外層部
23b,43b 内層部
24,44 内部電極層
24a 第1の内部電極層
24b 第2の内部電極層
24c,44c 浮き内部電極層
26a 第1の引出電極部
26b 第2の引出電極部
28a 第1の対向電極部
28b 第2の対向電極部
28c,48c 対向電極部
29a,49a 側部(Wギャップ)
29c,49c 端部(Lギャップ)
40 第2の積層体
40a 第2の積層体の第3の主面
40b 第2の積層体の第4の主面
40c 第2の積層体の第3の側面
40d 第2の積層体の第4の側面
40e 第2の積層体の第3の端面
40f 第2の積層体の第4の端面
44a 第3の内部電極
44b 第4の内部電極
46a 第3の引出電極部
46b 第4の引出電極部
48a 第3の対向電極部
48b 第4の対向電極部
30,50 外部電極
30a 第1の外部電極
30b 第2の外部電極
32a 第1の下地電極層
32b 第2の下地電極層
34a 第1のめっき層
34b 第2のめっき層
50a 第3の外部電極
50b 第4の外部電極
52a 第3の下地電極層
52b 第4の下地電極層
54a 第3のめっき層
54b 第4のめっき層
62 第1の接合部
64 第1の延長部
65 第2の延長部
66 第1の実装部
70 接合材
82 第2の接合部
84 第3の延長部
85 第4の延長部
86 第2の実装部
92 第3の接合部
94 第4の接合部
96 第5の延長部
162 第1の接合部
164 第1の延長部
166 第1の実装部
182 第2の接合部
184 第3の延長部
186 第2の実装部
500 外装材
X 積層セラミック電子部品の高さ方向
Y 積層セラミック電子部品の幅方向
Z 積層セラミック電子部品の長さ方向

Claims (3)

  1. 積層された複数のセラミック層と積層された複数の内部電極層とを含み、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を有する第1の積層体と、
    前記第1の積層体の第1の端面上に配置される第1の外部電極と、
    前記第1の積層体の前記第2の端面上に配置される第2の外部電極と、
    を備える第1の積層セラミック電子部品本体と、
    積層された複数のセラミック層と積層された複数の内部電極層とを含み、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を有する第2の積層体と、
    前記第2の積層体の第1の端面上に配置される第3の外部電極と、
    前記第2の積層体の前記第2の端面上に配置される第4の外部電極と、
    を備える第2の積層セラミック電子部品本体と、
    を有する積層セラミック電子部品であって、
    前記第1の積層セラミック電子部品本体と前記第2の積層セラミック電子部品本体とは、前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ長さ方向に対向するように配置されており、
    前記第1の外部電極は前記第1の積層体の実装面側に位置することになる前記第2の主面上にも配置されており、前記第1の積層体の前記第2の主面上に位置する第1の外部電極に、第1の金属端子が接続され、
    前記第4の外部電極は前記第2の積層体の実装面側に位置することになる前記第2の主面上にも配置されており、前記第2の積層体の前記第2の主面上に位置する第4の外部電極に、第2の金属端子が接続され、
    前記第1の積層セラミック電子部品本体および前記第2の積層セラミック電子部品本体と、前記第1の金属端子の少なくとも一部および前記第2の金属端子の少なくとも一部を覆うように外装材が設けられており、
    前記第1の積層セラミック電子部品本体の第2の外部電極と、前記第2の積層セラミック電子部品本体の第3の外部電極とに跨るように接続され、前記実装面側とは反対側の面側のみにおいて前記外装材から露出するように設けられた第3の金属端子をさらに有しており、
    前記第2の積層セラミック電子部品本体の前記第2の積層体の前記セラミック層の材料は、前記第1の積層セラミック電子部品本体の前記第1の積層体の前記セラミック層と同一の材料であり、
    前記第1の積層セラミック電子部品本体の第2の外部電極と、前記第2の積層セラミック電子部品本体の第3の外部電極とは、前記外装材の内部、高さ方向において接合材を介して前記第3の金属端子接続され、且つ、前記外装材の内部で前記第3の金属端子を介さず、長さ方向において接合材を介して接続されている、
    積層セラミック電子部品。
  2. 前記第1の金属端子は、前記第1の外部電極に接続され前記第2の主面と対向する第1の接合部と、前記第1の接合部に接続され、前記第2の主面と略平行となる方向に前記第1および第2の積層セラミック電子部品本体から遠ざかるように延びる第1の延長部と、
    前記第1の延長部に接続され、前記第2の主面と実装面との間に隙間を設けるために実装面側に延びる第2の延長部と、前記第2の延長部に接続され、実装基板に実装されることとなる実装面に略平行に延びる第1の実装部と、を有し、
    前記第2の金属端子は、前記第2の外部電極に接続され前記2の主面と対向する第2の接合部と、前記第2の接合部に接続され、前記第2の主面と略平行となる方向に前記第1および第2の積層セラミック電子部品本体から遠ざかるように延びる第3の延長部と、前記第3の延長部に接続され、前記第2の主面と実装面との間に隙間を設けるために実装面側に延びる第4の延長部と、前記第4の延長部に接続され、実装基板に実装されることとなる実装面に略平行に延びる第2の実装部と、を有する、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 前記外装材は、シリコーン系やエポキシ系からなる、請求項1または請求項2に記載の積層セラミック電子部品。
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