JP3618057B2 - 光学素子の製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、透明基板の表裏両面に光学パターンを一括的に形成するようにした光学素子の製造装置に関し、特に、光ディスクや光磁気ディスクに記録されている光情報を光学的に読み取ると共にフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を生成する光ピックアップに用いられるホログラムの作製に好適である。
【0002】
【従来の技術】
CD(コンパクトディスク),CD-R(コンパクトディスクレコーダブル),CD-ROM(リードオンリメモリ),LD(レーザディスク),MD(ミニディスク),DVD(デジタルビデオディスク),DVD-ROM,DVD-RAM(ランダムアクセスメモリ)などの光ディスク用の光ピックアップの部品として使用されるホログラム素子は、通常数mm角の大きさのものである。このホログラム素子は、大量かつ安価に製造することを目的として、大型の透明基板上に一括して複数個の光学パターンを形成した後に分断することによって製造される。
【0003】
ホログラム素子にはボログラムや回折格子(グレーティング)を構成するきわめて微細なパターンが精密に形成されている。微細パターンを形成する方法として、従来、図16に示す半導体装置の製造方法を適用する方法や図17に示す一般に紫外線硬化型樹脂を用いた成形方法によって製造する方法、その他の方法が知られている。
【0004】
図16を参照して、半導体装置の製造方法を適用した第1従来例のホログラム素子の製造方法について説明する。まず、図16(a)に示す透明基板としてのガラス基材71を洗浄し、図16(b)に示すように、洗浄したガラス基材71の片面に対して感光性材料72をスピンコート法等によって塗布する。
【0005】
次に、図16(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術による露光によって感光材料72に所要のパターンを形成し、次いで、図16(d)に示すように、CF4やCHF4等のガス雰囲気中で反応性イオンエッチング法によって感光材料72のパターンを介してガラス基材71に微細パターン71aを形成する。
【0006】
このとき、感光性材料72も同時にエッチングされるが、ガラス基材71の加工レートと感光性材料72の加工レートとの関係を予め把握しておき、ガラス基材71に所要の深さの微細パターン71aが形成された後にも感光性材料72がそのマスク機能を果たす状態でガラス基材71上に残るように感光性材料72の塗布厚を定めておく。
【0007】
次いで、図16(e)に示すように、溶剤で溶かすか酸素ガス雰囲気中で灰化することによって、感光性材料72をガラス基材71から除去する。以上のようにして、ガラス基材71上に複数個のホログラム素子が形成されるが、図16(f)に示すように、最終的に必要とされる形状、サイズに切断して複数に分割することによって所要のホログラム素子H1が得られる。そして、得られたホログラム素子をレーザユニットのキャップに固定する (ホログラム固定工程)。
【0008】
以上を、各工程の流れに沿ってまとめると、透明基板の洗浄工程→感光性材料の塗布工程→露光工程→微細パターン形成のエッチング工程→感光性材料の除去工程→必要に応じた反射防止膜の成膜工程→分断工程→ホログラム固定工程となる。
【0009】
ところが、上記第1従来例の製造方法では、反応性イオンエッチングの工程に多くの時間を要し、製造効率が上がらない。
【0010】
そこで、図17に示すように、2P法(フォトポリマ法)を利用した第2従来例の製造方法が有効である。この2P法は、従来、CD(コンパクトディスク)やMO用ディスク製造で用いられている方法である。
【0011】
この方法は、まず、図17(a)に示すように、予め原盤パターン333aが形成されているスタンパ333を用い、その上に液状の紫外線硬化型樹脂222を塗布し、さらにその上に透明基板111を配置する。次に、図17(b)に示すように、必要に応じて加圧しながら紫外線硬化型樹脂222をスタンパ333と透明基板111との間の隙間に充分に圧し広げ、紫外線硬化型樹脂222cとする。この紫外線硬化型樹脂222cは、スタンパ333における原盤パターン333aの凹部の隅々まで圧し入れられている。
【0012】
次いで、紫外線を照射することによって紫外線硬化型樹脂222cを硬化させた後に、図17(c)に示すように、透明基板111に硬化した透明樹脂層222dが接着されて一体化されたものを、スタンパ333から離型する。
【0013】
なお、上記紫外線硬化型樹脂222aとしては、硬化後にスタンパ333に対してよりも透明基板111に対する接着性がより強いような材質のものを選択しておく。もしくは、前処理によって透明基板111に対する接着性の方がスタンパ333に対する接着性よりも高くなるようにしておく。このことによって、透明樹脂222dを、透明基板111に一体化した状態で、スタンパ333から剥離することができる。
【0014】
これにより、スタンパ333の原盤パターン333aが転写された微細パターンをもつ透明樹脂層222dが、透明基板111に一体化された基板H1'が得られる。この基板H1'を、例えばホログラム素子基板とした場合、このH1'基板を複数個に分断して複数個のホログラム素子を得ることができる。
【0015】
ところで、1つのホログラム素子に信号光を分岐して、フォーカス制御の機能とトラッキング制御の機能とを付加するためには、ホログラム素子の表側に「ホログラム」を、裏側に「回折格子」(グレーティング)を形成する必要があり、表面のホログラムの微細パターンと裏面の回折格子の微細パターンを高精度に位置合わせする必要がある。
【0016】
図16で先に説明した第1従来例としてのホログラム素子の製造方法においては、表裏両面に一括して微細パターンを形成することが困難であるので、片面ずつに微細パターンを形成する方法を採用している。まず、片面の微細パターンを従来の方法で形成し、次に、他面の微細パターンを形成するために露光工程において、顕微鏡を用いて、既に形成されている一方の微細パターンに対してマスクをアライメントし、露光を行い、従来の方法で他面の微細パターンを形成する。このアライメント自体は難しいものではないが、表裏の微細パターンを一括して形成できず、2回に分けて行うことから、洗浄,塗布,露光,エッチング,除去の各工程をそれぞれ2回ずつ行なわなければならず、これでは製造効率が非常に悪いものとなっている。
【0017】
また、図17に示す第2従来例のように、2P法(フォトポリマ法)を適用して表裏両面に微細パターンを有するホログラム素子を製造する方法では、表裏に一括して微細パターンを形成する場合、スタンパの取付精度などにより表裏のスタンパの平行度の違いやスタンパ上にかかる加圧力が位置により違ってくる。このため、紫外線硬化樹脂の広がりが均一にならず、紫外線硬化樹脂がスタンパの範囲から外れたり、樹脂が行き渡らない部分ができたりする。また、スタンパの端を囲むような構造とした場合でも、ホログラム素子のように表裏パターンを高精度に位置決めする必要があるので、表裏一括して微細パターンを形成するのは困難である。
【0018】
2P法(フォトポリマ法)を適用して、表裏両面に微細パターンを有するホログラム素子の製造方法は、片面に微細パターンを形成した後に、同様の工程を経てもう一方の片面に微細パターンを形成することになる。図18を参照して、そのプロセスを説明する。
【0019】
まず、図18(a)に示すように、予め一方の原盤パターン91aが形成されているホログラムスタンパ91の上に液状の紫外線硬化樹脂92aを塗布する。次に、図18(b)に示すように、透明基板93をホログラムスタンパ91と透明部材96の間に挿入し、図18(c)に示すように加圧することによって紫外線硬化樹脂92aをスタンパ91と透明基板93との隙間に充分に押し広げる。
【0020】
次いで、紫外線透過型の透明部材96を介して紫外線を照射することによって、紫外線硬化樹脂92aを硬化させた後に、図18(d)に示すように、透明基板93の表面に硬化した透明樹脂層92が接着によって一体化されたものをスタンパ91から離型する。
【0021】
以上により、透明基板93の片面にスタンパ91の原盤パターン91aが転写されたホログラムを作製できる。次に、透明基板93の裏面に回折格子を作製する場合には、ホログラムを作製するのと同様の方法を再度実施する。
【0022】
まず、図18(e)に示すように、原盤パターン95aが形成されている回折格子用スタンパ95の上に液状の紫外線硬化樹脂94aを塗布する。次に、図18(f)に示すように、透明基板93を回折格子用スタンパ95と透明部材96の間に挿入し、図18(g)に示すように、加圧することによって紫外線硬化樹脂94aをスタンパ95と透明基板93との隙間に充分に押し広げる。
【0023】
次いで、紫外線透過型の透明部材96を介して紫外線を照射することによって、紫外線硬化樹脂94aを硬化させた後に、図18(h)に示すように、透明基板93の裏面に硬化した透明樹脂層94が接着によって一体化されたものをスタンパ95から離型する。以上により、透明基板93の表裏にパターンを生成でき、半導体製造工程の製造方法に比べて製造効率が良い。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記2P法(フォトポリマ法)において、表裏各パターンを成形するために同一工程を2回繰り返す必要があり、生産時間がかかる。
【0025】
また、表裏を一括して成形する場合、表裏の透明スタンパの平行度や紫外線硬化樹脂の塗布位置、スタンパを加圧する機構の加圧誤差により、加圧時に紫外線硬化樹脂がスタンパからはみ出ることがあったり、均一に樹脂が広がらないことがある。紫外線硬化樹脂がスタンパからはみ出すとスタンパ外に紫外線硬化樹脂が残り、加圧時に不具合が生じたり、透明基板を挿入するときに邪魔になったりする。また、紫外線硬化樹脂から表裏の透明スタンパを離型する場合に、加圧部を離す力が強いと、表裏に形成する微細パターンを破損することがある。
【0026】
そこで、この発明の目的は、生産時間が短くて、生産効率の高い光学素子の製造装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の光学素子の製造装置は、転写用表スタンパと転写用裏スタンパが有する原盤パターンを、透明基材の表面と裏面に転写して、上記透明基材に光学パターンを形成する光学素子の製造装置であって、
上記表,裏スタンパを紫外線透過型材質とし、
上記透明基材の表側と裏側に配置した紫外線硬化樹脂を上記表,裏スタンパで挟んで、上記紫外線硬化樹脂に上記原盤パターンを転写する加圧手段と、
上記表,裏スタンパに挟まれた紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して、上記透明基材の表と裏に光学パターンを一括成形する紫外線照射部とを備え、
上記透明基材を、上記表,裏スタンパより大きい外形形状とし、
上記透明基材の外周部4辺を挟み込む形状の少なくとも2個の離型ハンドを備え、この少なくとも2個の離型ハンドを用いて、上記透明基材を、上記表スタンパおよび裏スタンパから離型することを特徴としている。
【0028】
また、請求項2の発明の光学素子の製造装置は、請求項1に記載の光学素子の製造装置において、上記離型ハンドは、上記透明基板を位置決めする位置決めピンを備えていることを特徴としている。
【0029】
請求項1の発明によれば、透明基材の表面と裏面に密着させた紫外線硬化樹脂に、表,裏光学パターンを同時に成形することができ、短い生産時間と高い生産効率を達成できる。
【0030】
また、請求項1の発明は、上記透明基材を、上記スタンパより大きい外形形状とした。なお、上記透明基材を矩形形状としてもよい。
【0031】
この請求項1の発明では、上記透明基材を、上記スタンパより大きい外形形状としたから、スタンパから透明基材を離型させ易くなる。
【0032】
また、請求項1の発明は、上記透明基材の外周部4辺を挟み込む形状の少なくとも2個の離型ハンドを用いて、上記透明基材を、上記表スタンパおよび裏スタンパから離型する。
【0033】
この請求項1の発明では、上記少なくとも2個の離型ハンドで、上記透明基材の外周部4辺を挟み込んだ安定した状態で、上記透明基材を表,裏スタンパから離型させることができる。したがって、離型時に、第1,第2紫外線硬化樹脂に形成された表,裏光学パターンを損傷させることを防止でき、生産性を向上させることができる。
【0034】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の光学素子の製造装置において、上記離型ハンドは、上記透明基板を位置決めする位置決めピンを備えていることを特徴としている。
【0035】
この請求項2の発明では、上記離型ハンドは、上記透明基板を位置決めする位置決めピンを備えているから、透明基板を離型ハンドで挟んだ状態で、離型ハンドに対する透明基板の位置決めを正確に行うことができる。したがって、表,裏スタンパに対して透明基板を高精度に位置決めできる。
【0036】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の光学素子の製造装置において、上記表,裏スタンパの外周を面取り形状とし、上記面取り形状に嵌合する形状を有するスタンパ押え部材を備え、
上記スタンパ押え部材に上記表,裏スタンパを嵌合させて、上記スタンパ押え部材をダイセットにネジ固定することで、上記表,裏スタンパを上記ダイセットに取り付け可能とし、かつ、上記ネジを緩めて上記ダイセットから上記表,裏スタンパを取り外すことができるようにしたことを特徴としている。
【0037】
この請求項3の発明では、ダイセットにネジ固定できるスタンパ押え部材で、表,裏スタンパをダイセットに対して着脱可能になる。
【0038】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の光学素子の製造装置において、上記表,裏スタンパと上記スタンパ押え部材を嵌合させた状態で、上記表,裏スタンパと上記スタンパ押え部材との間に、樹脂溜り部が形成されるようにしたことを特徴としている。
【0039】
この請求項4の発明では、上記表,裏スタンパと上記スタンパ押え部材との間に形成される樹脂溜り部によって、外部への樹脂の流出を防ぎ、かつ、樹脂の周りが悪い領域に樹脂を回り込み易くすることができる。
【0040】
また、請求項5の発明は、請求項3に記載の光学素子の製造装置において、上記ダイセットが上記加圧手段に対して脱着可能になっていて、上記ダイセットを上記加圧手段から取り外した状態で、上記表,裏スタンパを位置調整できるようになっていることを特徴としている。
【0041】
この請求項5の発明では、上記ダイセットを上記加圧手段から取り外した状態で、上記表,裏スタンパを位置調整できるから、上記ダイセットに対する表,裏スタンパの位置調整を行い易くなる。
【0042】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の光学素子の製造装置において、上記裏スタンパが搭載され、上記表スタンパを基準にして、上記裏スタンパの位置を調整できるアライメントステージを備えたことを特徴としている。
【0043】
この請求項6の発明では、上記アライメントステージによって、表スタンパに対する裏スタンパの位置調整を行えるから、表,裏スタンパの位置合わせを正確に行うことができる。
【0044】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の光学素子の製造装置において、上記表スタンパと裏スタンパには、それぞれ、アライメントマークが形成されており、上記表,裏スタンパのアライメントマークを認識する少なくとも2台の認識手段を備えたことを特徴としている。
【0045】
この請求項7の発明では、少なくとも2台の認識手段で、表,裏スタンパに形成されたアライメントマークを認識することによって、表スタンパと裏スタンパとを正確に位置合わせできる。
【0046】
また、請求項8の発明の光学素子の製造装置は、請求項1に記載の光学素子の製造装置において、
上記加圧手段は、独立した3つの加圧機構を有し、
上記加圧手段の上記独立した3つの加圧機構による加圧状態を制御することを特徴としている。
【0047】
この請求項8の発明では、たとえば撮像手段で、上記透明基材と上記表,裏スタンパの間での上記第1,第2紫外線硬化樹脂の広がりを認識した場合、この撮像手段が認識した紫外線硬化樹脂の広がり状態に応じて、上記加圧手段による加圧状態を制御する。したがって、上記加圧手段の加圧誤差を抑制でき、上記透明基材と表,裏スタンパとの間で、上記紫外線硬化樹脂を均一、かつ、はみ出さないように広げることができる。したがって、この発明の光学素子の製造装置によれば、透明基材の表面と裏面に密着させた紫外線硬化樹脂に、表,裏光学パターンを同時に正確に転写することができ、短い生産時間と高い生産効率を達成できる。
【0048】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の光学素子の製造装置において、
上記スタンパ上および上記透明基材上に上記紫外線硬化樹脂を塗布する位置を変更して、上記スタンパと上記透明基材との間で、上記紫外線硬化樹脂が均等に広がるようにすることを特徴としている。
【0049】
この請求項9の発明の光学素子の製造装置では、たとえば撮像手段が認識した上記紫外線硬化樹脂の広がり情報に応じて、上記スタンパ上および上記透明基材上に上記紫外線硬化樹脂を塗布する位置を変更して、上記スタンパと上記透明基材との間で、上記紫外線硬化樹脂を均等に広げるようにしている。したがって、より一層高い生産効率の達成を図れる。
【0050】
また、請求項10の発明は、請求項8に記載の光学素子の製造装置において、
上記表スタンパまたは裏スタンパが取り付けられるスタンパ固定部の傾きを変えるスタンパ傾斜機構を備え、
上記スタンパ傾斜機構を制御して、上記表,裏スタンパの平行度を制御し、
上記表,裏スタンパと上記透明基材との間で、上記紫外線硬化樹脂が均等に広がるようにすることを特徴としている。
【0051】
この請求項10の発明では、上記スタンパ傾斜機構で、スタンパ固定部の傾きを制御して、上記表,裏スタンパの平行度を制御することによって、上記紫外線硬化樹脂が表,裏スタンパと透明基材との間で均等に広がるようにする。したがって、この請求項10の発明によれば、より一層高い生産効率の達成を図れる。
【0052】
また、請求項11の発明は、請求項8に記載の光学素子の製造装置において、
上記加圧手段は、複数の加圧部を備え、
この複数の加圧部の加圧力を制御して、上記表,裏スタンパと上記透明基材との間で、上記紫外線硬化樹脂が均等に広がるようにすることを特徴としている。
【0053】
この請求項11の発明では、加圧手段が備える複数の加圧部の加圧力を、たとえば紫外線硬化樹脂の広がり情報に応じて制御して、表,裏スタンパと透明基材との間で紫外線硬化樹脂が均等に広がるようにする。したがって、この請求項11の発明によれば、より一層高い生産効率の達成を図れる。
【0054】
また、請求項12の発明は、請求項8乃至11のいずれか1つに記載の光学素子の製造装置において、
上記加圧手段は、力学センサーを備え、
上記加圧手段が上記紫外線照射後に上記紫外線硬化樹脂から上記スタンパを離型するときの上記紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を認識する撮像手段を備え、
上記撮像手段で認識した剥がれ状態に応じて、上記力学センサーからの信号に基づいて上記加圧部の力を制御することを特徴としている。
【0055】
この請求項12の発明では、撮像手段が、加圧手段が紫外線照射後に紫外線硬化樹脂からスタンパを離型するときの紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を認識し、上記認識した剥がれ状態に応じて、上記加圧部の力を制御する。これにより、離型時に、紫外線硬化樹脂に形成した光学パターンが破損することを防止できるから、生産性を向上できる。
【0056】
また、請求項13の発明は、請求項10または11に記載の光学素子の製造装置において、上記加圧手段が上記紫外線照射後に上記紫外線硬化樹脂から上記スタンパを離型するときの上記紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を認識する撮像手段を備え、上記撮像手段で認識した剥がれ状態に応じて、上記スタンパ傾斜機構または上記加圧手段の複数の加圧部を制御して、上記表,裏スタンパの傾きを制御することを特徴としている。
【0057】
この請求項13の発明では、撮像手段が、加圧手段が紫外線照射後に紫外線硬化樹脂からスタンパを離型するときの紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を認識し、この認識した剥がれ状態に応じて、スタンパ傾斜機構または加圧手段の複数の加圧部を制御して、表,裏スタンパの傾きを制御する。これにより、表,裏スタンパの傾きに起因して、離型時に紫外線硬化樹脂に形成した光学パターンが破損することを防止できるから、生産性を向上できる。
【0058】
また、請求項14の発明は、請求項10または11に記載の光学素子の製造装置において、
上記透明基材の少なくとも2点以上を、硬化した紫外線硬化樹脂が表,裏スタンパから剥がれる方向に押さえる離型機構部を備え、
上記加圧手段が上記紫外線照射後に上記紫外線硬化樹脂から上記スタンパを離型するときの上記紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を認識する撮像手段を備え、上記認識した剥がれ状態に応じて上記離型機構部を制御することを特徴としている。
【0059】
この請求項14の発明では、撮像手段が撮像した剥がれ状態に応じて、離型機構部が透明基材の少なくとも2点以上を、紫外線硬化樹脂が表,裏スタンパから剥がれる方向に押さえるから、離型を容易にすることができる。
【0060】
また、請求項15の発明は、請求項11に記載の光学素子の製造装置において、上記加圧手段が上記紫外線照射後に上記紫外線硬化樹脂から上記スタンパを離型するときの上記紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を認識する撮像手段を備え、上記撮像手段で認識した剥がれ状態に応じて上記複数の加圧部を制御して、離型を容易にすることを特徴としている。
【0061】
この請求項15の発明では、紫外線硬化樹脂からスタンパを離型するときの紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を撮像手段で認識し、この認識した剥がれ状態に応じて複数の加圧部を制御して離型を容易にする。これにより、離型時に、紫外線硬化樹脂に形成した光学パターンが破損することを防止できるから、生産性を向上できる。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0063】
〔参考例〕
図1を参照して、この発明の参考例としての光学素子の製造方法を説明する。この参考例は、2P法(フォトポリマ法)によって基板の表裏に一括して光学パターンを形成する。
【0064】
まず、図1(a)に示すように、透明な裏スタンパ40の上に紫外線硬化樹脂2bを塗布する。また、透明基板1の上に紫外線硬化樹脂2aを塗布し、この透明基板1を、上記下スタンパ40と上スタンパ41の間に挿入する。この上スタンパ41には転写用表光学パターン41aが形成されており、下スタンパ
40には転写用裏光学パターン40aが形成されている。
【0065】
次に、図1(b)に示すように、透明基板1を、透明上スタンパ41と透明下スタンパ42とで挟み込んで加圧し、紫外線硬化樹脂2aおよび2bを透明基板1の表面1aと裏面1b上に広げる。
【0066】
次に、図1(c)に示すように、上スタンパ41の上方から紫外線を照射して、上記紫外線硬化樹脂2aおよび2bを硬化させる。次に、図1(d)に示すように、上スタンパ41と下スタンパ40を透明基板1から離型させる。これにより、透明基板1の表裏両面に、上,下スタンパ41,40の表,裏光学パターン41a,40aが形成される。
【0067】
この参考例の光学素子の製造方法によれば、透明基板1の表面1aと裏面1bに密着させた紫外線硬化樹脂2aおよび2bに、表,裏光学パターン41a,40aを同時に形成でき、短い生産時間と高い生産効率を達成できる。
【0068】
〔第1の実施の形態〕
次に、上記参考例で使用する光学素子の製造装置を、図2を参照して説明する。この製造装置が、この発明の第1の実施の形態である。
【0069】
この製造装置は、透明な表,下スタンパ41,40を固定し挟み込む機構を有するダイセット部44と、このダイセット部44を加圧する加圧部49と、透明基板1を固定するための基板固定用ハンド59を備えている。
【0070】
また、この製造装置は、透明基板1上の紫外線硬化樹脂2a,2bの広がりを認識するカメラ47と、加圧位置と紫外線照射位置にダイセット部44をX軸方向に移動させるための搬送部45と、紫外線を照射する紫外線照射部46を備えている。
【0071】
図2に示すように、ダイセット部44には、あらかじめ位置決めされた透明な上スタンパ41と透明な下スタンパ40が取り付けられている。図2では、下側に下スタンパ40を取り付け、上側に上スタンパ41を取り付けたが、その逆でもよい。
【0072】
そして、図1(a)に示したように、上記透明な下スタンパ40の中心部に紫外線硬化樹脂2bを塗布し、透明基板1の中心部にも紫外線硬化樹脂2aを塗布し、透明基板1を、図2のダイセット部44の中に挿入し、基板固定用ハンド59にて透明基板1を固定する。基板固定用ハンド59は、透明基板1の中心が透明な下スタンパ40の中心になるように透明基板1を固定する。この基板固定用ハンド59は、加圧方向つまり上下方向(Z軸方向)に自由に移動できるようになっている。
【0073】
加圧部49は、ダイセット部44に取りつけられた上スタンパ41と下スタンパ40が、図1(b)に示すように、透明基板1を上下から挟むように、ダイセット部44を駆動する。この時、上記表,下スタンパ41,40の間で、紫外線硬化樹脂2a,2bが透明基板1上に広がるのをカメラ47で撮像する。
【0074】
このカメラ47は、あらかじめスタンパ40,41の領域を記憶した画像メモリーを有する制御部に接続されている。そして、この制御部は、カメラ47が撮像した紫外線硬化樹脂2a,2bの広がり領域が、上記スタンパ40,41の領域外に外れたときに、加圧部49の加圧を停止して、透明基板1をスタンパ40,41が挟み付けるのを停止させる。
【0075】
次に、上記制御部は、搬送部45を駆動して、紫外線照射部46の直下の紫外線照射位置にダイセット部44を移動させ、紫外線照射部46からダイセット部44に紫外線を照射して紫外線硬化樹脂2a,2bを硬化させる。
【0076】
この第1実施形態によれば、上記カメラ47で紫外線硬化樹脂2a,2bを撮像して、加圧部49による加圧を制御するから、紫外線硬化樹脂2a,2bにスタンパ41,40の光学パターン41a,40aを正確に転写できる。
【0077】
また、この第1実施形態では、カメラ47で紫外線硬化樹脂2a,2bの広がり領域を撮像し、上記制御部で、上記広がり領域の重心を求める。そして、次にホログラム素子を成形するときに、前回に求めた紫外線硬化樹脂2a,2bの広がり領域の重心が、上,下スタンパ41,40の中心に一致するように、紫外線硬化樹脂2a,2bを透明基板1,下スタンパ40上に塗布する位置を変更する。
【0078】
この紫外線硬化樹脂2a,2bの塗布位置は、紫外線硬化樹脂2a,2bを塗布した後、カメラ47で撮像して認識してもよく、X-Y直交ステージ等に取り付けたシリンジを使用することで機構的に紫外線硬化樹脂を塗布できるようにしてもよい。これにより、紫外線硬化樹脂2a,2bの塗布位置を、データとして残すことができる。また、紫外線硬化樹脂の塗布位置と紫外線硬化樹脂の広がり領域の重心の関係をあらかじめデータベース化しておくと、紫外線硬化樹脂の正確な塗布位置を早く決定でき、生産性向上に有効である。
【0079】
また、図3に示すような構成にしてもよい。この構成は、下スタンパ40を搭載するステージ55を、傾きを変えられるものとし、ステージ55の位置データと紫外線硬化樹脂の広がり領域の重心との関係をデータベース化しておく。そして、新たに成形するとき、このデータベースを利用して、前回に成形したときの紫外線硬化樹脂の広がり領域の重心に基づいて、紫外線硬化樹脂の広がり領域の重心がスタンパの中心に来るように、ステージ55を傾斜させて透明な下スタンパ40の傾きを変化させる。
【0080】
さらには、図4に示すように、3つの独立した加圧機構49a,49b,49cからなる加圧部49を採用することで、紫外線硬化樹脂の広がり領域の重心をリアルタイムで変化させるようにしてもよい。
【0081】
この加圧部49が備える3つの独立した加圧機構49a,49b,49cがダイセット部44に接続されている。この3つの加圧機構49aは、ダイセット部44に独立して加圧力を加えることができる。まず、ダイセット部44を3つの加圧機構49aで同等の力で加圧していき、紫外線硬化樹脂2a,2bの広がる領域の面積がスタンパ40の大きさの3分の1程度になったとき、紫外線硬化樹脂2a,2bが広がる領域の重心位置がスタンパ40の中心に一致するように、1つの加圧機構または2つの加圧機構を残りの加圧機構より強く加圧する。次に、紫外線硬化樹脂2a,2bが広がる領域の面積がスタンパ40の大きさの3分の2程度になったときに、再度、紫外線硬化樹脂の広がる領域の重心の位置がスタンパの中心位置に一致するように1つの加圧機構または2つの加圧機構を残りの加圧機構より強く加圧し、3つの加圧機構49a,49b,49cの力の加減を修正し、スタンパ40の大きさに紫外線硬化樹脂2a,2bが広がるようにする。
【0082】
次に、紫外線照射後、図2の加圧部49の上下動部49aを下げて、透明基板1の表裏の紫外線硬化樹脂2a,2bから上,下スタンパ41,40を離型させる工程について説明する。
【0083】
紫外線照射後、搬送部45により紫外線照射位置から加圧位置にダイセット部44を移動する。加圧部49の上下動部49aを下げることによって、上,下スタンパ41,40と透明基板1を離型できる。
【0084】
ところが、この離型が急激であると、図5(a)に示すように、紫外線硬化樹脂2aに形成された微細パターン2a-1の接触部53の摩擦力等により微細パターン部2a-1に力が加わり、図5(b)に示すように、微細パターン2a-1に破損部54が生じる。
【0085】
そこで、上記離型時に、紫外線硬化樹脂2aの剥がれ情報をカメラ47で撮像し、紫外線硬化樹脂2aがスタンパ41と接触している部分の面積と重心を求める。さらに、加圧部49に力学センサー(図示せず)を取り付け、この力学センサーが検知した力に基づいて、上記制御部で、加圧部49が上下動部49aを下げる力を制御する。
【0086】
そして、上記紫外線硬化樹脂2aと上記スタンパ41との接触面積が少し小さくなるときまで、上記加圧部49による加圧力を少しずつ増加していき、紫外線硬化樹脂2aとスタンパ41との接触面積が少し小さくなったときの加圧力を維持する。このように加圧力を制御することによって、加圧部49を離型に必要な最小限の力で駆動するようにして、ホログラム素子の微細パターン2a-1に破損部54が発生することを防止する。
【0087】
なお、図3に示したように、透明な下スタンパ40の下に傾きが変えられるステージ55が設置されている場合には、紫外線硬化樹脂が離型時に剥がれ始めた箇所を、紫外線硬化樹脂とスタンパとの接触面の重心から求めて認識し、上記傾きが可変なステージ55によって、上記剥がれ始めた部分を僅かに下に傾ける。これにより、離型が容易になり、離型時間を短縮でき、生産時間を短縮できる。
【0088】
また、図2に示す基板固定用ハンド59を上下に駆動制御できるようにして、離型時に紫外線硬化樹脂からスタンパが剥がれ始めた箇所で、基板固定用ハンド59を下降させて、離型を促進するようにしてもよい。
【0089】
また、図4に示すように、加圧部49が3つの加圧機構49a,49b,49cを備える場合には、この3つの加圧機構49a,49b,49cにそれぞれ力学センサーを取り付け、離型時には、まず、この3つの加圧機構49a,49b,49cの上下動部49a-1,49b−1,49c−1を均等な力で下降させる。次に、紫外線硬化樹脂からスタンパが剥がれ始めたときの力を維持し、紫外線硬化樹脂の剥がれ位置に最も近い加圧機構の下降力を少し増加させることによって、離型を促進し、離型時間を短縮できる。
【0090】
〔第2の実施の形態〕
次に、図6に、この発明の第2実施形態としてのホログラム素子の製造装置を示す。この第2実施形態は、図2に示した第1実施形態と同じ構成の搬送部45と紫外線照射部46とを備えている。
【0091】
図6(b)に示すように、加圧ユニット31は、天板32と、ベース板34と、ベース板34に対して天板32を支える4本の支柱33を備える。天板32の下面には、ダイセットユニット80がネジで固定され、ベース板34の上面には、加圧手段としてのZ軸ステージ69が固定されている。このZ軸ステージ69は、ダイセットユニット80を開閉するためのものである。
【0092】
図6(a),(b)に示すように、加圧ユニット31内には、1対(2個)の離型ハンド50および位置決め兼離型ハンド51が、周方向に90°ずつ位相がずれた状態に配置されている。離型ハンド50は、図示しない駆動源により、Y方向とZ方向に移動可能になっている。このY方向とは、図6(b)において奥行き方向であり、Z方向とは、図6(b)において上下方向である。また、位置決め兼離型ハンド51は、図示せぬ駆動源により、X方向,Z方向に移動可能となっている。
【0093】
図7(b)に示すように、位置決め兼離型ハンド51は、透明基板1の隣接する2辺を上下から挟む腕51a,51bを有している。この腕51a,51bは、基部51cから斜め外方に延びており、図7(a)に示すように、基板1を挟むための間隙を隔てて対向する2枚の板51-1,51-2で構成されている。また、図7(a),(b)に示すように、この腕51a,51bの先端部分には、上記2枚の板51-1,51-2を貫通する位置決めピン555,555が固定されており、基部51cには、板51-1,51-2を貫通する位置決めピン577,577が固定されている。
【0094】
また、離型ハンド50は、図7(d)に示す形状をしている。この離型ハンド50は、透明基板1を上下から挟む腕50aを有している。この腕50aは、基板1を挟むための間隙を隔てて対向する2枚の板50-1,50-2で構成されている。
【0095】
次に、図10を参照して、ダイセットユニット80の構造を詳細に説明する。 ダイセットユニット80は、上ダイセット85と下ダイセット86を有している。下ダイセット86は、上下動用Z軸ステージ69に連結されており、下ダイセット86の下面には4個のリニアブッシュ48が固定されている。そして、このリニアブッシュ48には、ガイドポスト47が挿通されておりガイドポスト47の上端は上ダイセット85の下面に固定されている。これにより、上記Z軸ステージ69を駆動することで、上ダイセット85に対して下ダイセット86が上下動するようになっている。この下ダイセット86の上動が、ダイセットユニット80の閉動作であり、下ダイセット86の下動が、ダイセットユニット80の開動作である。なお、図10に示すように、上記天板32および上ダイセット85は、中央貫通穴32aおよび85aを有し、この貫通穴32a,85aを通して、その下の紫外線透過型台部材43,紫外線透過型材質の上スタンパ41に紫外線を照射できるようになっている。
【0096】
下ダイセット86には、アライメントステージ42が取付けられている。このアライメントステージ42の上面に紫外線透過型材質の下スタンパ40が取付けられる。この下スタンパ40の外周面取り部40aに、円環状のスタンパ押え治具38が上下に嵌合しており、このスタンパ押え治具38は、アライメントステージ42にネジで固定されている。
【0097】
一方、上ダイセット85には、紫外線透過型台部材43が取付けられる。この台部材43の下面に紫外線透過型材質の上スタンパ41が取付けられる。この上スタンパ41の外周面取り部41aに、円環状のスタンパ押え治具39が上下に嵌合しており、このスタンパ押え治具39は、上記台部材43にネジで固定されている。
【0098】
次に、図11(a),(b)を参照して、上スタンパ押え治具39の構造を説明する。この上スタンパ押え治具39は、図11(a)に示すように、内周側に周方向に所定間隔を隔てて8個の爪39aを有し、この爪39aは、図11(b)に示すように、上スタンパ41の外周面取り部41aに嵌合するテーパ形状になっている。なお、下スタンパ押え治具38も、上スタンパ押え治具39と同じ構造になっている。また、図11(c),(d)に、上スタンパ41を示す。上スタンパ41は、円板形状であり、外周縁部が面取り形状になっている。この外周面取り部41aが、図11(a),(b)に示す上スタンパ押え治具39のテーパ形状の爪39aに嵌合する形状になっている。
【0099】
図10の破線で囲んだ円内に示すように、上記上スタンパ41の外周面取り部41aが、上スタンパ押え治具39のテーパ形状の爪39aに下から嵌合するようになっており、かつ、爪39aと面取り部41aの間に、略くさび形状の樹脂溜め部37が形成されるようになっている。この樹脂溜め部37に、上スタンパ41と基板1の間からはみ出してきた余分な樹脂を溜めることができるので、樹脂が外部に流失されることを防ぐことができる。また、この樹脂溜め部37に樹脂を流入させる作用によって、樹脂の回り込みが悪い領域に樹脂がまわり易くすることができる。したがって、この樹脂溜め部37の容量相当分だけ樹脂量を規定値より多めに塗布すれば、領域不良の発生率を極力抑えることができ、かつ、成形完了後の基板の形状を均一にすることができる。
【0100】
次に、上記構成のホログラム素子の製造装置を用いてホログラム素子を製造する方法を説明する。
【0101】
まず、製造の前準備として、上下のスタンパ41,40の位置調整を実施する。図8と図9を参照して、スタンパ41,40の位置調整について説明する。図8に示すように、ダイセットユニット80を、ダイセット搭載部65に搭載する。そして、上ダイセット85の貫通穴85aの上方に、2台のCCDカメラ61,61を設置する。この2台のCCDカメラ61,61には、それぞれ、鏡筒60,60が取りつけられている。この鏡筒60,60には、それぞれ、同軸落射照明62が接続されている。また、上記CCDカメラ61は、モニター63に接続されている。上記モニター63,CCDカメラ61,鏡筒60,同軸落射照明62が上下スタンパ認識部64を構成している。
【0102】
そして、まず、ダイセットユニット80をダイセット搭載部65のZ軸ステージ66の上に搭載する。次に、Z軸ステージ66を用いて下ダイセット86を上昇させ、上スタンパ41と下スタンパ40が接触する少し前で止める。次に、上下スタンパ認識部64で上,下スタンパ41,40の任意の箇所を撮像し、モニター63にその像を写す。モニター63には、2台のCCDカメラ61,61で撮像した像が写し出されるようになっており、上,下スタンパ41,40に形成されているパターンの任意の箇所の位置ズレを認識できる。もし、上,下スタンパ41,40の位置がズレていれば、アライメントステージ42に対向しているアライメント治具42-1を用いて、上スタンパ41に対する下スタンパ40の位置を調整する。図9に示すように、8個のアライメント治具42-1が、アライメントステージ42の各辺に2個づつ対向するように、下ダイセット46に固定されている。このアライメント治具42-1は、アライメントステージ42の4つの側面を4組(8個)の押しネジ42-1aと引きネジ42-1bによって、X,Y方向およびθ方向に調整できるようになっている。
【0103】
アライメント用治具42-1を用いて、アライメントステージ42を下ダイセット86の上面86a上でX,Y,θ方向の位置調整を行う。この位置調整が完了すると、アライメントステージ42を下ダイセット86にネジで固定する。これにより、上スタンパ41を基準にして下スタンパを位置調整することによるスタンパ位置調整が完了する。なお、上記上スタンパ41および下スタンパ40にそれぞれ、位置調整用のアライメントマークを形成しておけば、位置調整を行い易くなる。
【0104】
次に、上記上,下スタンパ40,41の位置調整が完了したダイセットユニット30を加圧ユニット31に取り付け、ホログラム素子を製造する工程を、図12,13,14,15を順に参照して説明する。なお、図12〜15では、透明基板1を中心にして、Z軸方向の上方から下方に見た様子と、Y軸方向前方から見た様子を1セットにして示している。
【0105】
まず、図12(a)に示すように、下スタンパ40の上面に紫外線硬化樹脂2aを塗布する。そして、透明基板1の上面に紫外線硬化樹脂2bを塗布し、ダイセットユニット80内に挿入し、一対の離型ハンド50,50と一対の位置決め兼離型ハンド51,51の間に、透明基板1を位置させる。
【0106】
次に、図12(b)に示すように、一対の離型ハンド51をX軸方向に接近移動させ、離型ハンド51が有する腕51a51bの2枚の板51-1,51-2の間に透明基板1を上下から挟むようにすると同時に、透明基板1の隣接する2辺に位置決めピン55,57を当接させて、透明基板1の位置決めが完了する。次に、図12(c)に示すように、位置決め兼離型ハンド51をZ軸上方向に移動させ、透明基板1を上スタンパ41に接触する寸前で停止させる。
【0107】
次に、ダイセット開閉用Z軸ステージ69を駆動し、図13(d)に示すように、下スタンパ40を上昇させる。これにより、下スタンパ40が、位置決め兼離型ハンド51に支持されている透明基板1の下面に接触する。そして、下スタンパ40を、さらに、上昇させることによって、透明基板1は、下スタンパ40と上スタンパ41の両方に接触する。すなわち、上,下スタンパ40,41によって、透明基板1が挟まれて加圧される。
【0108】
次に、図13(e)に示すように、上,下スタンパ40,41で上下方向から透明基板1を加圧し、この加圧状態を保持することによって、透明基板1の上面と下スタンパ40の上面に塗布した紫外線硬化樹脂2a,2bが透明基板1内で広がり、所定の領域に紫外線硬化樹脂2a,2bが満たされる。その後、紫外線光を上ダイセット85の上方から照射することによって、紫外線硬化樹脂2a,2bを硬化させる。次に、図13(f)に示すように、一対の離型ハンド50,50をY軸方向に移動させ接近させて中心部に近づけ、各離型ハンド50で、透明基板1の隣接2辺を挟む。これにより、離型ハンド50,50と51,51の4つのハンドで、透明基板1の4つの角部が支持されたことになる。
【0109】
次に、ダイセット上下動用Z軸ステージ69を駆動し、図14(g)に示すように、下スタンパ40を下降させ、ダイセットユニット80を開く。このように、4つのハンド50,50,51,51で透明基板1を上下から挟んでいる状態で、下スタンパ40を下降させるから、離型ハンド51,50が、基板1が下降することを防ぐストッパとなり、透明基板1を下スタンパ40から確実に離型できる。次に、図14(h)に示すように、一対の離型ハンド50,50を、Y軸方向に移動させ、中心部から離隔させる。次に、図14(i)に示すように、一対の位置決め兼離型ハンド51,51を、Z軸方向下方に移動させて、透明基板1を上スタンパ41から離型させる。次に、図15(j)に示すように、一対の位置決め兼離型ハンド51を、中心部から離れるX軸方向に移動させることによって、透明基板1が、フリーになり、ダイセットユニット80から排出できる。
【0110】
上記図12〜15に示した工程によって、透明基板1の両面に、上,下スタンパ41,40が有する転写用光学パターン形状を同時に転写でき、効率よくホログラム素子基板1を作製できる。また、上下スタンパのパターン位置調整が、スタンパを取り付けた時の一回だけですみ、製造効率の向上を図ることができる。
【0111】
また、この第2実施形態のホログラム素子の製造装置によれば、図10に示したように、上スタンパ41と上スタンパ押え治具39の間に樹脂溜め部37が形成されている。したがって、紫外線硬化樹脂2bの塗布位置のズレが発生した場合や、上,下ダイセット85,86の平行度が出ていなかった場合であっても、上スタンパ41の全域に紫外線硬化樹脂2bを回わすことができ、スタンパパターンを透明基板1に正確に転写することができる。
【0112】
なお、この発明が対象とする光学素子は、その表裏両面に何らかの光学パターンを有する光学素子であれば何でもよいが、光ディスク,光磁気ディスクに記録されている光情報を光学的に読み取ると共に、フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を生成する光ピックアップに用いられるホログラムに適用すれば好適である。
【0113】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の光学素子の製造装置によれば、表,下スタンパを紫外線透過型材質とし、透明基材の表側と裏側に配置した紫外線硬化樹脂を表,下スタンパで挟んで、紫外線硬化樹脂に原盤パターンを転写し、表,下スタンパに挟まれた紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して、透明基材の表と裏に光学パターンを一括成形する。
【0114】
したがって、この請求項1の発明によれば、透明基材の表面と裏面に密着させた紫外線硬化樹脂に、表,裏光学パターンを同時に成形することができ、短い生産時間と高い生産効率を達成できる。
【0115】
また、請求項1の発明は、透明基材を、スタンパより大きい外形形状としたから、スタンパから透明基材を離型させ易くなる。
【0116】
また、請求項1の発明は、少なくとも2個の離型ハンドで、透明基材の外周部4辺を挟み込んだ安定した状態で、透明基材を表,下スタンパから離型させることができる。したがって、離型時に、第1,第2紫外線硬化樹脂に形成された表,裏光学パターンを損傷させることを防止でき、生産性を向上させることができる。
【0117】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の光学素子の製造装置において、離型ハンドは、透明基板を位置決めする位置決めピンを備えているから、透明基板を離型ハンドで挟んだ状態で、離型ハンドに対する透明基板の位置決めを正確に行うことができる。したがって、表,下スタンパに対して透明基板を高精度に位置決めできる。
【0118】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の光学素子の製造装置において、表,下スタンパの外周を面取り形状とし、面取り形状に嵌合する形状を有するスタンパ押え部材を備え、スタンパ押え部材に表,下スタンパを嵌合させて、スタンパ押え部材をダイセットにネジ固定することで、表,下スタンパをダイセットに取り付け可能とし、かつ、ネジを緩めて上記ダイセットから上記表,下スタンパを取り外すことができるようにした。この請求項3の発明では、ダイセットにネジ固定できるスタンパ押え部材で、表,下スタンパをダイセットに対して着脱可能になる。
【0119】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の光学素子の製造装置において、表,下スタンパとスタンパ押え部材を嵌合させた状態で、表,下スタンパとスタンパ押え部材との間に、樹脂溜り部が形成されるようにした。この請求項4の発明では、表,下スタンパとスタンパ押え部材との間に形成される樹脂溜り部によって、外部への樹脂の流出を防ぎ、かつ、樹脂の周りが悪い領域に樹脂を回り込み易くすることができる。
【0120】
また、請求項5の発明は、請求項3に記載の光学素子の製造装置において、ダイセットが加圧手段に対して脱着可能になっていて、ダイセットを加圧手段から取り外した状態で、表,下スタンパを位置調整できる。したがって、ダイセットに対する表,下スタンパの位置調整を行い易くなる。
【0121】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の光学素子の製造装置において、上記下スタンパが搭載され、上記上スタンパを基準にして、上記下スタンパの位置を調整できるアライメントステージを備えた。この請求項6の発明では、アライメントステージによって、上スタンパに対する下スタンパの位置調整を行えるから、表,下スタンパの位置合わせを正確に行うことができる。
【0122】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の光学素子の製造装置において、上記上スタンパと下スタンパには、それぞれ、アライメントマークが形成されており、上記表,下スタンパのアライメントマークを認識する少なくとも2台の認識手段を備えた。この請求項7の発明では、少なくとも2台の認識手段で、表,下スタンパに形成されたアライメントマークを認識することによって、上スタンパと下スタンパとを正確に位置合わせできる。
【0123】
また、請求項8の発明の光学素子の製造装置は、たとえば撮像手段で、透明基材と表,下スタンパの間での第1,第2紫外線硬化樹脂の広がりを認識した場合、この撮像手段が認識した紫外線硬化樹脂の広がり状態に応じて、加圧手段による加圧状態を制御する。したがって、加圧手段の加圧誤差を抑制でき、透明基材と表,下スタンパとの間で、第1,第2紫外線硬化樹脂を均一、かつ、はみ出さないように広げることができる。したがって、この発明の光学素子の製造装置によれば、透明基材の表面と裏面に密着させた第1,第2紫外線硬化樹脂に、表,裏光学パターンを同時に正確に転写することができ、短い生産時間と高い生産効率を達成できる。
【0124】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の光学素子の製造装置において、たとえば撮像手段が認識した紫外線硬化樹脂の広がり情報に応じて、スタンパ上および透明基材上に紫外線硬化樹脂を塗布する位置を変更して、スタンパと透明基材との間で紫外線硬化樹脂を均等に広げるようにしている。したがって、より一層高い生産効率の達成を図れる。
【0125】
また、請求項10の発明は、請求項8に記載の光学素子の製造装置において、スタンパ傾斜機構で、スタンパ固定部の傾きを制御して、表,下スタンパの平行度を制御することによって、第1,第2紫外線硬化樹脂が表,下スタンパと透明基材との間で均等に広がるようにする。したがって、この請求項10の発明によれば、より一層高い生産効率の達成を図れる。
【0126】
また、請求項11の発明は、請求項8に記載の光学素子の製造装置において、加圧手段が備える複数の加圧部の加圧力を、たとえば紫外線硬化樹脂の広がり情報に応じて制御して、表,下スタンパと透明基材との間で第1,第2紫外線硬化樹脂が均等に広がるようにする。したがって、この請求項11の発明によれば、より一層高い生産効率の達成を図れる。
【0127】
また、請求項12の発明は、請求項8乃至11のいずれか1つに記載の光学素子の製造装置において、上記加圧手段は、力学センサーを備え、撮像手段が、加圧手段が紫外線照射後に紫外線硬化樹脂からスタンパを離型するときの紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を認識し、上記認識した剥がれ状態に応じて、上記加圧部の力を制御する。これにより、離型時に、紫外線硬化樹脂に形成した光学パターンが破損することを防止できるから、生産性を向上できる。
【0128】
また、請求項13の発明は、請求項10または11に記載の光学素子の製造装置において、撮像手段が、加圧手段が紫外線照射後に紫外線硬化樹脂からスタンパを離型するときの紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を認識し、この認識した剥がれ状態に応じて、スタンパ傾斜機構または加圧手段の複数の加圧部を制御して、表,下スタンパの傾きを制御する。これにより、表,下スタンパの傾きに起因して、離型時に紫外線硬化樹脂に形成した光学パターンが破損することを防止できるから、生産性を向上できる。
【0129】
また、請求項14の発明は、請求項10または11に記載の光学素子の製造装置において、撮像手段が撮像した剥がれ状態に応じて、離型機構部が透明基材の少なくとも2点以上を、紫外線硬化樹脂が表,下スタンパから剥がれる方向に押さえるから、離型を容易にすることができる。
【0130】
また、請求項15の発明は、紫外線硬化樹脂からスタンパを離型するときの紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を撮像手段で認識し、この認識した剥がれ状態に応じて複数の加圧部を制御して離型を容易にする。これにより、離型時に、紫外線硬化樹脂に形成した光学パターンが破損することを防止できるから、生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の参考例としての光学素子の製造方法を説明する工程図である。
【図2】上記参考例で使用する本発明の光学素子の製造装置の第1実施形態であるホログラム素子の製造装置の構成図である。
【図3】上記第1実施形態で採用される傾き機構を持つダイセット部44を示す図である。
【図4】上記第1実施形態で採用される3つの加圧機構を持つダイセット部を示す図である。
【図5】上記第1実施形態における離型時の微細パターンの破損説明図である。
【図6】図6(a)はこの発明の第2実施形態のホログラム素子の製造装置を上方から見た様子を示す平面図であり、図6(b)は上記第2実施形態をY方向から見た様子を示す側面図であり、図6(c)は上記第2実施形態をX方向から見た様子を示す側面図である。
【図7】図7(a)は上記第2実施形態の位置決め兼離型ハンド51の正面図であり、図7(b)は上記離型ハンド51の平面図であり、図7(c)は上記離型ハンド51の側面図であり、図7(d)は離型ハンド50の正面図であり、図7(e)は離型ハンド50の平面図であり、図7(f)は離型ハンド50の側面図である。
【図8】上記第2実施形態において、ダイセット80の上方に上下スタンパ認識部64を配置した様子を示す模式図である。
【図9】上記第2実施形態におけるアライメントステージ42とアライメント治具42-1を示す模式図である。
【図10】上記第2実施形態のダイセットユニット80の構造を示す部分断面図である。
【図11】図11(a)は上記第2実施形態の上スタンパ押え治具39の平面図であり、図11(b)は図11(a)のX-X断面図であり、図11(c)は第2実施形態の上スタンパ41の平面図であり、図11(d)は図11(c)のX-X断面図である。
【図12】図12(a)〜(c)は、上記第2実施形態の製造装置でホログラム素子を製造する工程を説明する工程図である。
【図13】図13(d)〜(f)は、図12(a)〜(c)に示した工程に続く工程を示す工程図である。
【図14】図14(g)〜(i)は、図13(d)〜(f)に示した工程に続く工程を示す工程図である。
【図15】図15(j)は、図14(g)〜(i)に示した工程に続く工程を示す工程図である。
【図16】第1従来例のホログラム素子の製造方法を示す工程図である。
【図17】第2従来例の2P法(フォトポリマ法)によるホログラム素子の製造方法を示す工程図である。
【図18】第3従来例の2P法によるホログラム素子を製造する方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1…透明基板、1a…表面、1b…裏面、2a,2b…紫外線硬化樹脂、
31…加圧ユニット、32…天板、33…支柱、34…ベース板、
38…上スタンパ押さえ治具、39…下スタンパ押さえ治具、
40…下スタンパ、41…上スタンパ、41a…転写用表光学パターン、
40a…転写用裏光学パターン、42…アライメントステージ、
44…ダイセット部、45…搬送部、
46…紫外線照射部、47…画像認識カメラ、49…加圧部、
50…離型ハンド、51…位置決め兼離型ハンド、61…CCDカメラ、
64…上下スタンパ認識部、69…Z軸ステージ、
80…ダイセットユニット、85…上ダイセット、86…下ダイセット。
Claims (15)
- 転写用表スタンパと転写用裏スタンパが有する原盤パターンを、透明基材の表面と裏面に転写して、上記透明基材に光学パターンを形成する光学素子の製造装置であって、
上記表,裏スタンパを紫外線透過型材質とし、
上記透明基材の表側と裏側に配置した紫外線硬化樹脂を上記表,裏スタンパで挟んで、上記紫外線硬化樹脂に上記原盤パターンを転写する加圧手段と、
上記表,裏スタンパに挟まれた紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して、上記透明基材の表と裏に光学パターンを一括成形する紫外線照射部とを備え、
上記透明基材を、上記表,裏スタンパより大きい外形形状とし、
上記透明基材の外周部4辺を挟み込む形状の少なくとも2個の離型ハンドを備え、この少なくとも2個の離型ハンドを用いて、上記透明基材を、上記表スタンパおよび裏スタンパから離型することを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項1に記載の光学素子の製造装置において、
上記離型ハンドは、上記透明基板を位置決めする位置決めピンを備えていることを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項1または2に記載の光学素子の製造装置において、
上記表,裏スタンパの外周を面取り形状とし、
上記面取り形状に嵌合する形状を有するスタンパ押え部材を備え、
上記スタンパ押え部材に上記表,裏スタンパを嵌合させて、上記スタンパ押え部材をダイセットにネジ固定することで、上記表,裏スタンパを上記ダイセットに取り付け可能とし、かつ、上記ネジを緩めて上記ダイセットから上記表,裏スタンパを取り外すことができるようにしたことを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項3に記載の光学素子の製造装置において、
上記表,裏スタンパと上記スタンパ押え部材を嵌合させた状態で、上記表,裏スタンパと上記スタンパ押え部材との間に、樹脂溜り部が形成されるようにしたことを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項3に記載の光学素子の製造装置において、
上記ダイセットが上記加圧手段に対して脱着可能になっていて、
上記ダイセットを上記加圧手段から取り外した状態で、上記表,裏スタンパを位置調整できるようになっていることを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項5に記載の光学素子の製造装置において、
上記裏スタンパが搭載され、上記表スタンパを基準にして、上記裏スタンパの位置を調整できるアライメントステージを備えたことを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項6に記載の光学素子の製造装置において、
上記表スタンパと裏スタンパには、それぞれ、アライメントマークが形成されており、
上記表,裏スタンパのアライメントマークを認識する少なくとも2台の認識手段を備えたことを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項1に記載の光学素子の製造装置において、
上記加圧手段は、独立した3つの加圧機構を有し、
上記加圧手段の上記独立した3つの加圧機構による加圧状態を制御することを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項8に記載の光学素子の製造装置において、
上記スタンパ上および上記透明基材上に上記紫外線硬化樹脂を塗布する位置を変更して、上記スタンパと上記透明基材との間で、上記紫外線硬化樹脂が均等に広がるようにすることを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項8に記載の光学素子の製造装置において、
上記表スタンパまたは裏スタンパが取り付けられるスタンパ固定部の傾きを変えるスタンパ傾斜機構を備え、
上記スタンパ傾斜機構を制御して、上記表,裏スタンパの平行度を制御し、
上記表,裏スタンパと上記透明基材との間で、上記紫外線硬化樹脂が均等に広がるようにすることを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項8に記載の光学素子の製造装置において、
上記加圧手段は、複数の加圧部を備え、
この複数の加圧部の加圧力を制御して、上記表,裏スタンパと上記透明基材との間で、上記紫外線硬化樹脂が均等に広がるようにすることを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項8乃至11のいずれか1つに記載の光学素子の製造装置において、
上記加圧手段は、力学センサーを備え、
上記加圧手段が上記紫外線照射後に上記紫外線硬化樹脂から上記スタンパを離型するときの上記紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を認識する撮像手段を備え、
上記撮像手段で認識した剥がれ状態に応じ、上記力学センサーからの信号に基づいて、上記加圧部の力を制御することを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項10または11に記載の光学素子の製造装置において、
上記加圧手段が上記紫外線照射後に上記紫外線硬化樹脂から上記スタンパを離型するときの上記紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を認識する撮像手段を備え、
上記撮像手段で認識した剥がれ状態に応じて、上記スタンパ傾斜機構または上記加圧手段の複数の加圧部を制御して、上記表,裏スタンパの傾きを制御することを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項10または11に記載の光学素子の製造装置において、
上記透明基材の少なくとも2点以上を、硬化した紫外線硬化樹脂が表,裏スタンパから剥がれる方向に押さえる離型機構部を備え、
上記加圧手段が上記紫外線照射後に上記紫外線硬化樹脂から上記スタンパを離型するときの上記紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を認識する撮像手段を備え、上記撮像手段で認識した剥がれ状態に応じて上記離型機構部を制御することを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項11に記載の光学素子の製造装置において、
上記加圧手段が上記紫外線照射後に上記紫外線硬化樹脂から上記スタンパを離型するときの上記紫外線硬化樹脂の剥がれ状態を認識する撮像手段を備え、
上記撮像手段で認識した剥がれ状態に応じて上記複数の加圧部を制御して、離型を容易にすることを特徴とする光学素子の製造装置。
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