JP3544556B2 - 熱可塑性発泡物品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は部分的ないし完全に発泡した物品、およびそれを製造するための超臨界流体を用いる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
発泡したポリマーは重量低減が望ましい場合に広範囲の構造的な応用において用いられるが、発泡体強度は密度が減少するにつれてしばしば犠牲にされるのが通例である。これは発泡工程から生ずる気泡の寸法による。
高分子発泡体の製造は典型的には(1)液体系における気体の泡の生成、(2)これらの泡が生長して気泡を生成、および(3)発泡媒体の粘度増加および/または固化による気泡の安定化を含む。発泡体の製造方法には大別して2つの方法がある。すなわち(1)化学的方法と(2)物理的方法である。
化学的方法においては、液体のポリマー層中の気体を用いて気体相が得られる。その気体は液体のポリマー相内部に典型的には分散している。その気体は重合反応の副生物として得られるか、ポリマーベースへ加えられた化合物(発泡剤)の熱分解により発生する。化学的方法は限られた温度範囲でのみ利用できるので、ポリマーの粘度が生じる多孔性構造を決定する。
発泡体を製造するいくつかの一般的に知られた物理的な方法がある。一つの方法では、空気、N2または他の気体を高圧およびガラス転移温度以下の温度で高分子の出発物質中に分散させる。圧力を解放すると過飽和の試料が作られる。この試料をガラス転移温度まで次に加熱すると多数の泡が核形成される。第二の方法ではクロロフルオロカーボン類または炭化水素類などの低沸点液体(発泡剤)を高分子の出発材料中に分散させる。次にその混合物を加熱し発泡剤を揮発させ、それによって高分子の出発材料中に気泡を形成させる。物理的方法を用いる粘度は発泡が起こる温度により調節する。
【0003】
これらの従来の方法は、化学的方法も物理的方法も、発泡物品を製造するための化学的な発泡剤または気体を使用する。用いられる発泡方法の種類は、高分子の出発材料の種類および望ましい密度または気泡寸法により一般的に規定される。そのような方法は泡の核形成を助けるために共溶媒、共発泡剤、核形成剤および/または可塑剤などのアジュバンドの使用を組み入れる。典型的には可塑剤を、泡を核形成し、または高分子の出発材料の粘度を減少させて気泡の形成に導くために加える。
しかしながらあるアジュバンドの使用は、それらを洗浄または抽出工程により除去しなければならず発泡加工を複雑にするという問題を生じる。生成した発泡物品を生医学的な応用に用い、そのようなアジュバンドが望ましくない反応を起こすかも知れない場合、これは問題となり得る。
さらに従来の方法は
(1)発泡できるポリマーの種類の限定、
(2)発泡したポリマー密度調節可能性の限定、
(3)生成する気泡の大きさの調節の欠除、
(4)ポリマー中に残る望ましくない残存物、または
(5)低密度を得るための発泡体強度の犠牲、
などの多くの他の面で制約を受ける。
【0004】
多孔性の発泡物品の力学的性質を改良するために、大きい気泡密度と小さい気泡サイズを有する発泡プラスチックを製造するための微孔性方法が開発されている。これらの方法は、高分子材料を加圧下に均一な濃度の気体で前もって飽和させ、熱力学的不安定性を急に誘導することにより多数の気泡を核形成することを含む。例えば材料を気体で前もって飽和させ、加圧下にそのガラス転移温度に保つ。その材料を急に低圧にさらして、気泡を核形成し、望ましい最終密度により変わる望ましい寸法まで気泡の生長を促し、それによって材料中に微孔性の空隙、すなわち気泡を有する発泡材料を製造する。その材料は次に素早くさらに冷却またはクエンチし、微孔性構造を維持する。
そのような技術は、気泡密度、すなわち出発材料の単位体積あたりの気泡の数を増加させ、典型的な多孔性構造におけるよりずっと小さい気泡寸法を作る傾向がある。多くの微孔性方法はポリマー中に前から存在する傷の臨界サイズより一般的に小さい気泡寸法を提供し、材料の密度および力学的性質は、いくつかのポリマーの力学的性質を犠牲にすることなく調節できる。そのような方法は2〜10マイクロメーターの範囲の平均気泡寸法、全容積の50%までのボイド部分、約109ボイド/cm3出発材料の気泡密度を有する材料を製造している。
【0005】
非常に小さい気泡寸法と大きい気泡密度を作る他の方法が記載されている。微孔性プラスチックは工程中にプラスチックを加熱する必要をなくすよう常温またはその近くで加工されており、それにより製造工程を簡易化する。
一例としてMITによる刊行物はツー“ポット”法を用いて発泡物品を提供する方法を記載する。先ず物品を臨界圧および温度以上で超臨界流体で飽和させる。次に圧力を解除し、温度を常温近くまで落とし、物品を除去する。常圧において温度を次に上昇させて発泡を起こさせる。これは加温工程中の物品からの溶解ガスのいくらの損失および次の密度の小さい減少をもたらす。記載されているように臨界条件以上の超臨界流体の使用は飽和工程中に起こる。発泡を開始する第2の別の工程は非臨界条件で始まる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の工程:
(1)圧力容器に固体の熱可塑性ポリマーを仕込み;
(2)外部熱源を用いて、固体の熱可塑性ポリマーを入れた圧力容器を所定の飽和温度まで加熱して、軟化した熱可塑性ポリマーを得、
ここにおいて、飽和温度は、気泡の寸法は異なるが同じ密度を有する発泡物品が得られる2つの温度を示す、固定圧力での「密度対温度」のU字形曲線の温度範囲により規定される温度範囲内にあり、
該U字形曲線は、熱可塑性ポリマーのガラス転移温度またはビカー軟化点(ASTM D1529−91により決定)よりわずかに高い初期飽和温度を、得られる発泡物品の密度(ASTM D792−86により決定。ただし、密度測定の前に40時間にわたって試料を温度コンディショニングせず、湿度を50%に保たず)に対してプロットし、上記の過程を、初期温度よりも高くまたは低く段階的に変化させて繰り返すことにより得;
(3)圧力容器を加熱しながら、同時に気体を仕込み;
(4)圧力容器、軟化した熱可塑性ポリマー、および気体を外部熱源温度と平衡させ;
(5)気体が超臨界流体状態であり、軟化した熱可塑性ポリマーに溶解するような最終圧力を達成するため、更なる気体を加えることにより圧力容器中の圧力を調節し;
(6)所定時間、熱可塑性ポリマーを超臨界流体により飽和させ;そして
(7)圧力容器をベントして急速に圧力容器を圧力解除し、熱可塑性ポリマーを発泡させる;
工程を含んでなる、低密度の多孔性発泡物品を製造する方法を提供する。
一般的には、本発明の実施に使用するのに適した熱可塑性ポリマーは非晶性、半結晶性または結晶性のモルホロジーを有し、好ましくはその熱可塑性ポリマーは非晶性または半結晶性のモルホロジーを有する。ポリマーの物理的な形はフィルム、ビーズ、ロッド、厚いシート、バーまたは他の形を含むがそれらに限定されない。より好ましくは発泡物品は150℃以上のガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂であり、0.08g/cm3より大きい密度、10〜300μm、好ましくは80〜300μmの範囲の気泡寸法、0.1μmより大きいが2μmより小さい壁厚を有する。
【0007】
本発明の他の要旨においては部分的に発泡した物品が提供される。本出願において用いる“部分的に発泡した”とは、外側の低密度の完全に発泡した層に囲まれて、ポリマーの出発材料が物品の内部でその発泡しない状態で保持されることを意味する。そのような部分的に発泡した物品は本発明の方法を用い、飽和工程の期間を調節して製造する。したがって超臨界流体(SCF)の浸透の深さが変えられる。ポリマーのSCF飽和および不飽和部分の間に境界線が典型的には存在するので、急速な圧力解除が起こった場合明暸な境界がポリマーの出発材料中に作られる。
【0008】
本発明の他の要旨においては、以下の工程:
(1)圧力容器に固体の熱可塑性ポリマーを仕込み;
(2)固体の熱可塑性ポリマーを入れた圧力容器を、固体の熱可塑性ポリマーのビカー軟化点または近傍まで加熱し外部熱源を用いて、所定の飽和温度まで加熱し;
(3)圧力容器を加熱しながら、同時に気体を仕込み;
(4)圧力容器、熱可塑性ポリマー、および気体を熱源温度と平衡させ;
(5)気体が超臨界流体(超臨界的状態にある気体)であり熱可塑性ポリマー に溶解するような最終圧力を達成するため、更なる気体を加えることによ り圧力容器中の圧力を調節し;
(6)所定時間熱可塑性ポリマーを飽和させ;そして
(7)圧力容器をベントして、急速に圧力容器を圧力解除して、低密度の気泡および微孔性の発泡した熱可塑性物品を製造する;
を含んでなる、低密度の多孔性および微孔性の発泡した熱可塑性物品を製造する方法を提供する。
【0009】
本発明の方法の他の要旨においては添加剤を工程(1)中に圧力容器に加えてもよい。添加剤の非限定的な例は、溶媒、乳化剤、フィラー、中空粒子(シンタクチックフォームを製造する)、強化剤、着色剤、カップリング剤、酸化防止剤、帯電防止化合物、難燃材、熱安定剤、潤滑剤、離型剤、防腐剤、紫外線安定剤等を含む。これらの添加剤は熱可塑性樹脂および発泡物品の用途により変わる。1以上の添加剤が発泡物品中に含まれてもよい。存在する添加剤の量は発泡物品の用途に依存し、個々の添加剤の公知の使用に有効な量存在してよい。
【0010】
温度および圧力の条件が熱可塑性ポリマー/気体システムが飽和期間の間超臨界流体状態にあるような条件であるなら、この方法に多くの変形が存在することは当業者にとって注意すべきである。有利には本発明の方法は75μmより大きい初期(予備発泡)厚みを有する予備成形物品を発泡させる能力を提供する。本発明の方法においては高強度の発泡体が容易に得られるが、低密度発泡体を得ることを犠牲にしない。このことは多くの利用に重要である。
【0011】
本発明の方法の他の利点は、
(1)高温熱可塑性樹脂、共重合体またはポリマーブレンドを含む様々な熱可塑性ポリマー材料、および可塑剤の抽出がない高分子量可塑剤を含む熱可塑性材料からの低密度の発泡体;
(2)小または微孔性発泡体;
(3)高強度材料;
(4)毒性の残存物を本質的に含まない発泡体;
(5)残存する核形成剤を本質的に含まない発泡体;
(6)任意の厚みの発泡した材料;
(7)ビーズ、フイルムおよび繊維等の様々な形または形態を有する発泡体;および
(8)調節可能な発泡深さを有する部分的に発泡した熱可塑性樹脂;
を製造することを含むが、それらに限定されない。
【0012】
本出願は、SCFによる飽和および発泡の開始がSCFの臨界条件以上で行われるワン“ポット”法を記載する。但し飽和温度は発泡すべきポリマーのビカー軟化温度の範囲にあるものとする。これは以前に開示された方法に優るいくつかの利点と改良を提供する。
このアプローチのいくつかの利点には、
(1)すべての超臨界流体が物品中に保持され、密度の大きい減少をもたらし;
(2)大きい厚みの発泡物品を製造できる;
(3)方法は自己クエンチング性であり、全体の厚みによって最終の発泡体の性質を調節するのを容易にする;
(4)小さい気泡寸法を含む発泡体に匹敵する剪断強度を有する発泡体(10ミクロン対≧20ミクロン直径)が得られる、
を含む。
【0013】
発泡物品
0.03g/cm3より大きい発泡密度、10〜300μm、好ましくは20〜100μm、最も好ましくは20〜80μmの範囲の気泡サイズ、0.1μmより大きいが2μmより小さい気泡壁厚を有する熱可塑性樹脂を含んでなる発泡物品が提供される。別の態様では発泡物品は、150℃以上のガラス転移点を有する熱可塑性樹脂であり、0.08g/cm3より大きい密度、10〜300μm、好ましくは80〜300μmの範囲の気泡寸法、0.1μmより大きいが2μmより小さい壁厚を有する。発泡体の空隙体積は5〜97+%の範囲にある。
【0014】
本発明の発泡物品の代表的な例は、図1〜4で説明される。図1においては20〜100μmの範囲の気泡寸法を有する発泡したポリメチルメタクリレートを説明する。図2では発泡したポリエーテルイミドの気泡を説明する。そのポリエーテルイミド発泡体は0.6g/cm3の密度を有する。発泡したポリカーボネート(0.2g/cm3の密度)中の気泡のバーティス(vertice)が図3に詳細に示されている。発泡したポリエーテルイミド(0.09g/cm3の密度)中の気泡のバーティスが図4に詳しく示されている。
発泡体は主に独立気泡よりなるが、気泡は連続または独立であってよい。気泡の形は細長く伸びてよく、約2.0以上のアスペクト比を有する。しかし気泡は一般的により均一な多面体形である。気泡の形は、泡が膨らみ、互いに押しつけるにつれて互いの並置のためにその側面が平らになる泡に似ている。このパターンは完全に形成された3−Dボロノイ(Voronoi)モザイク発泡体の典型である。図2におけるSEM写真は本発明の発泡物品における典型的な気泡構造を示す。
シンタクチックフォームおよび高分子の出発材料中に分散した粒子を含む発泡体も提供される。適当な粒子には、他のポリマー、ガラスバブル、金属粒子、繊維および他のそのような材料を含むがこれらに限定されない。
【0015】
部分的に発泡した物品も提供される。本明細書において“部分的に発泡した”とは、熱可塑性ポリマー出発材料の一部が発泡しない状態で物品の内部に、すなわち物品の中心の芯に保持され 低密度の完全に発泡した層に取り囲まれることを意味する。部分的に発泡した物品の代表的な例を図5に説明する。そのような部分的に発泡した物品を本発明の方法を用いて製造してもよい。完全に発泡した層の厚みはSCF浸透の深さに依存し、そのような浸透は飽和工程の時間を調節することにより変えることができる。ポリマーのSCF飽和および不飽和部分の間に境界線が典型的には存在するので、急速な圧力解除が生じた場合、明暸な境界がポリマーの出発材料中に作られる。
【0016】
本発明の方法の間にSCFの浸透深さを調節する外に、層状、多層状または交互の発泡および未発泡複合材料を、完全に発泡した、または部分的に発泡した物品をレーザーなどの熱的エネルギー源で処理することにより製造してもよい。発泡した物品の表面をレーザーにあてることにより、外層は溶融しまたはつぶれ、それによって発泡したポリマーを元の未発泡ポリマーに戻す。例えば未発泡の殻を未発泡の芯を取囲む発泡部分の周囲に作ることができる。ポリマーが完全に発泡しているなら、次に未発泡の殻またはスキンを発泡した芯の1以上の側面の周囲またはその上に構成することができる。
【0017】
適当な熱可塑性ポリマーおよびコポリマーは非晶性、半結晶性または結晶性のモルホロジーを有してよい。そのような熱可塑性ポリマーおよびコポリマーの非限定的な例は、セルロースプロピオネート、トリアセテート、エチルセルロース、ポリオキシメチレン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル共重合体、ポリアクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールおよびアセタール、ポリビニルエーテル、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンオキサイド、(ゼネラルエレクトリックから入手し得る“ノリル”)、ポリエチレン:テトラフルオロエチレン(デュポンから入手し得る“テフゼル”)、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリウレタン等の熱可塑性エラストマー、直鎖のポリエステル、ポリカーボネート、シリコーン、ポリエーテルイミド(ゼネラルエレクトリックから入手し得る“ウルテム”等の)、およびポリイミドを含む。特に有利な熱可塑性ポリマーおよびコポリマーは150℃以上のガラス転移温度を有するものである。
【0018】
完全にまたは部分的に発泡した物品は様々な添加剤を含んでもよい。そのような添加剤は中空粒子(シンタクチックフォーム)または充填剤入り発泡体以外にあってもよく、またはなかってもよい。非限定的な添加剤は、溶媒、乳化剤、フィラー、強化剤、着色剤、カップリング剤、酸化防止剤、帯電防止化合物、難燃剤、熱安定剤、潤滑剤、離型剤、可塑剤、防腐剤、紫外線安定剤等を含むがこれらに限定されない。これらの添加剤は熱可塑性樹脂および発泡物品の用途により変えてよい。1以上の添加剤を発泡物品に含ませてよい。存在する添加剤の量は発泡物品の用途に依存し、個々の添加剤の公知の使用に有効である量存在してよい。
【0019】
SCF方法
以下の工程:
(1)圧力容器に固体の熱可塑性ポリマーを仕込み;
(2)固体の熱可塑性ポリマーを入れた圧力容器を、固体の熱可塑性ポリマーのビカー軟化点または近傍まで加熱し外部熱源を用いて、所定の飽和温度まで加熱し;
(3)圧力容器を加熱しながら、同時に気体を仕込み;
(4)圧力容器、熱可塑性ポリマー、および気体を熱源温度と平衡させ;
(5)気体が超臨界流体(超臨界的状態にある気体)であり熱可塑性ポリマー に溶解するような最終圧力を達成するため、更なる気体を加えることにより圧力容器中の圧力を調節し;
(6)所定時間熱可塑性ポリマーを飽和させ;そして
(7)圧力容器をベントして、急速に圧力容器を圧力解除して、低密度の微孔性の発泡した熱可塑性物品を製造する;
を含んでなる、低密度の微孔性の発泡熱可塑性物品を製造する方法を提供する。
【0020】
当業者は、温度および圧力条件が、熱可塑性ポリマー/気体の系が飽和時間中超臨界状態にあるような温度および圧力であるという条件の下、本方法において多くの変形があることに留意すべきである。好都合なことに、本発明の方法は、75μmを越える初期(予備発泡)厚さを有する予備形成物品を発泡させ得る。本発明の方法において、高強度の発泡体が容易に得られるが、低密度の発泡体を得ることを犠牲にすることはない。これは多くの用途において重要なことになり得る。
【0021】
本発明の方法は、ポリマー材料をSCFで飽和にすることを含んでなる。いかなる理論にも結び付けるものではないが、SCFはポリマー出発物質の可塑化および溶媒和という化学的効果を有する。物理的効果は、SCFがポリマー出発物質内で高圧を作り出し、粘稠なポリマーを配置換えし、圧力容器を圧力解除する場合に泡または気泡を発泡させるということである。
【0022】
SCFは、物質を超臨界状態に置くように、臨界温度を越える温度および臨界圧力を越える圧力に保たれる物質として定義できる。そのような状態において、SCFは、事実上物質を気体および液体の両方として機能させる性質を有する。したがって、超臨界状態において、そのような流体は、液体の溶媒性質を有しているが、その表面張力は液体の表面張力よりも実質的に小さく、流体は、気体の性質におけるように、溶質物質中にずっと容易に分散する。
【0023】
例えば、二酸化炭素(CO2)は、31℃を越える温度および1100psiを越える圧力にされた場合に、超臨界状態になり得る。図6(A)および(B)(曲線10および12)は、CO2における圧力と比容量(図6(A))の関係、および温度と比エントロピーとの関係を示す。圧力が1100psiを越え温度が31℃を越える場合(曲線10Aおよび12A)に、CO2は超臨界状態になる(影を付した部分11および13)。別の方法で示すように、図7はCO2における圧力と温度の関係を示す。ここにおいて、そのような臨界圧力(1100psi)および臨界温度(31℃)は、影を付した部分(14)によって臨界状態を規定するように示されている。用語「臨界流体(CF)」または「SCF」は、本明細書において相互交換可能に使用され、これらの用語は、物質の臨界点値よりも高い温度および圧力の組合わせを意味する。
【0024】
本発明において使用するのに適したSCFは、熱可塑性ポリマーに対して非反応性であるべきである。一般に、好適なSCFは、飽和条件での臨界流体圧力および溶解性パラメーターの組み合わせが、少なくとも1100psigまたはそれ以上の可能な圧力差をもたらすような物理化学的性質を有する。SCFは、気体状態の性質と液体状態の性質の間のほぼ中間にあり、CF状態に特異である熱力学的性質および物理的性質を有する。熱力学的性質および物理的性質は圧力とととも変化する。いくつかの代表的な性質は、分散性、密度、動的粘度、凝集エネルギー密度、熱容量および熱伝導度を包む。(図6および7の影付き部分で示すように)CF領域内において、系の圧力の変化は、臨界流体の密度に有意な影響を与え、さらに他の性質にも影響する。したがって、溶媒および挙動性質は、系の圧力の変化によって大きく変化する。この効果は、固定された物理的性質のみを有する通常の液体溶媒または気体とは、対照的である。
【0025】
例えば、図8におけるように、臨界流体の還元(reduced)密度と還元圧力との関係をプロットすると、臨界点に近い温度において、小さい圧力変化が超臨界流体密度の大きな変化を生じさせる。ここで、Pは圧力であり、PCおよびPRはそれぞれ臨界圧力および還元圧力であり、Tは温度であり、TCおよびTRはそれぞれ臨界温度および還元温度である。温度が臨界点を越えると、圧力変化は、流体の密度に大きな影響を与えないが、それでも密度の変化がある。臨界点からの増加する逸脱にともなった流体密度のこの減少は、合理的な圧力で達成され得る流体密度に影響を与え、窒素のような化合物が、大規模で工業において好都合にまたは経済的に利用できる圧力で容易に高濃度化され得ない。本発明に適した多くの気体の臨界点データーが、マテソン・ガス・データー・ブック(Matheson Gas Data book)、ザ・メルク・インデックス(the Merk Index)、レインジズ・ハンドブック・オブ・ケミストリー(Lange’s Handbook of Chemistry)、シーアールシー・ハンドブック・オブ・ケミストリー・アンド・フィジクス(CRC Handbook of Chemistry and Physics)などに公表されている。
【0026】
使用する臨界流体の種類は、生成する発泡体に影響し得る。1つのSCFと他のものとの間で、溶解性が特定のポリマー系において数重量%変化するからであり、したがって、空隙の寸法および分布が変化し得る。ポリマーの温度が増加するとともに、気泡の寸法が変化する。一般に、この寸法は、SCF圧力を増加することによって減少し得る。
【0027】
好適な超臨界流体であり本発明において使用できる気体は、以下のものに限定されるものではないが、二酸化炭素、亜酸化窒素、エチレン、エタン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロエタン、テトラフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1−ジフルオロエチレン、トリフルオロアミドオキシド、シス−ジフルオロジアジン、トランス−ジフルオロジアジン、塩化二フッ化窒素、3重水素化リン、四フッ化二窒素、オゾン、ホスフィン、ニトロシルフルオライド、三フッ化窒素、塩化重水素、塩化水素、キセノン、六フッ化硫黄、フルオロメタン、パーフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、テトラフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1−ジフルオロエテン、エチン、ジボラン、テトラフルオロヒドラジン、シラン、四フッ化ケイ素、四水素化ゲルマニウム、三フッ化ホウ素、フッ化カルボニル、クロロトリフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタンおよびフッ化ビニルを包含する。好ましい気体は、二酸化炭素、亜酸化窒素、エチレン、エタン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロエタン、テトラフルオロメタン、トリフルオロメタンおよび1,1−ジフルオロエチレンを包含する。二酸化炭素は非可燃性であり非毒性であり、さらにかなり安価であるので、より好ましい気体は二酸化炭素である。
【0028】
好ましいSCFである二酸化炭素は熱的に安定であり、高いプロセス温度においてさえ、ほとんどのポリマー系に対して非反応性である。例えば、ポリマーが気泡の成長を生じさせ得る粘度範囲になる前に発泡剤が分解するかまたは気泡が非常に大きくなるポリエーテルイミドのような高温度熱可塑性樹脂(例えば、150℃を越えるビカー軟化温度を有するもの)の発泡体を製造するために、CO2は有効に使用できる。本発明の方法を使用すれば、そのような高温ポリマーの密度および気泡寸法の両方を制御できるという利点が得られる。
【0029】
本発明の方法のさらに別の要旨において、工程(1)中において圧力容器に添加剤を加えてもよい。これらに限定されるものではないが、添加剤の例は、溶媒、乳化剤、充填剤、(シンタクチック発泡体を製造する)中空粒子、補強剤、着色剤、カップリング剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱安定剤、潤滑剤、離型剤、可塑剤、防腐剤、紫外線安定剤などを包含する。これら添加剤は、発泡物品の用途および熱可塑性樹脂に応じて変化する。1種またはそれ以上の添加剤を発泡物品中に含有させてよい。存在する添加剤の量は、発泡物品の用途に応じて変化し、個々の添加剤の既知の使用に有効である量であってよい。
【0030】
溶媒、特に熱可塑性ポリマーを溶解する溶媒は、特に有用な添加剤である。これらに限定されるものではないが、そのような溶媒の例は、芳香族炭化水素、ケトン、エーテル、脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素などを包含する。最も好ましい溶媒は、塩化メチレンである。添加溶媒は、SCFの約40重量%までの量で使用してよい。
【0031】
本発明の方法は、圧力容器に気体および熱可塑性ポリマーを仕込み、圧力容器に仕込んだ熱可塑性ポリマー材料をオイルバスなどの外部熱源によって、熱可塑性ポリマー材料のビカー(Vicat)軟化点(ASTM D1529−91により測定)またはガラス転移点に近い温度に加熱することを含んでなる。気体が超臨界状態になる温度および圧力を使用する。圧力は気体を加えまたは除くことにより調節してもよい。飽和を適切な時間にわたって保った後、圧力容器の空隙空間からSCFを急速に排気する。この急速な加圧解除の間に、ポリマーに溶解したSCFが核となり、軟化したポリマー中において泡または気泡を成長させる。膨張するSCFまたは気体は断熱膨張またはジュール−トムソン(Joule−Thomson)膨張を受けるので、ポリマーも急速に冷却される。ポリマーの温度低下は、物質が膨張を続けるのに充分な流動性をもはや持たない程度までの温度範囲にポリマー温度を低下させるのに充分である。すなわち、急速な加圧解除は自己冷却メカニズムを与える。したがって、ポリマーは安定化され、変形がもはや生じない。これによって、発泡物品を安定化させるために反応を別個に冷却またはクエンチする必要がなくなる。しかし、「メルトバック」、すなわち気泡のつぶれを避けるために周囲の残留熱を除去することがしばしば好ましい。そのような除去は、例えば、低温ウォーターバスへの圧力容器を浸漬することを包含する。
【0032】
出発点を第1に近似するために、ポリマーのガラス転移点(Tg)および/またはポリマーの融点(Tm)の既知の値を使用して、評価を行える。そのようなデーターの無い場合、またはそのようなデーターがポリマーに適用できない場合に、ビカーのような軟化点を使用してよい。例えば、本発明を使用して固定圧力で処理すると、選択した初期温度はTgまたはビカー軟化点よりもわずかに高くなるであろう。初期温度よりも高くまたは低く、段階的変化させて(例えば、各ステップで3〜8℃の範囲で、)本発明の方法を繰り返してよい。これは、初期温度よりも高くまたは低く、少なくとも2つ、好ましくは3つまたはそれ以上の温度に対して、行える。得られた発泡体の密度は、実施例において記載するASTM D−792−86の変形法に従って測定する。得られたデーターを「密度と温度の関係」として次にプロットする。このほぼU字形の曲線から、適切な条件を選択し、所望の発泡体特性を与える。
【0033】
あるいは、温度を一定に保って、圧力を変化させてもよい。「密度と圧力の関係」のプロットが得られ、上記を同様の一般的形状を示す。超臨界流体がこの状態で保たれるような温度または圧力のいずれかの変化を確実にすることが望ましい。
上で説明したようにプロットした曲線は一般的にU字形であるので、同じ密度の発泡体が得られる2つの温度(または圧力)が存在する。しかし、全空隙容積、すなわち密度が同じであったとしても、このようにして得られた2つの発泡物品は、異なった気泡の寸法を示す傾向にある。いかなる理論にも結び付けるつもりはないが、高温においては、核となる気泡は、軟化したポリマー中において急速に成長すなわち膨張し、これにより少ない数の大きな寸法の気泡が形成されるものと考えられる。あるいは、低温においては、少ない膨張を伴ってより大きな気泡形成が生じ、これにより、気泡の数が多くなり寸法が小さくなる。より高い圧力が、より低温と同じ効果を生じさせる。このことは、ポリスチレンにおける「発泡体の気泡寸法と温度の関係」および「発泡体の気泡寸法と圧力の関係」をプロットした図9および10においてわかり、より低い温度またはより高い圧力においてより小さい気泡寸法が得られることを示している。
【0034】
剪断強さは、構造物における芯物質の使用において1つの最も重要な性質であると報告されている。その強さは物質密度に強く依存する。ジョージア州サバナにおけるノースロプ(Northrop)の会議(11/93)によって提供される「フォーム・フィルド・コンポジット・サンドウィッチ・ストラクチャーズ・フォー・マリン・アプリケーション(Foam Filled Composite Sandwich Structures for Marine Applications)を参照できる。さらに、気泡寸法は、発泡物品の剪断強さに対して臨界的であると示されている(図15)。所定密度において、より強い発泡体は、より小さい気泡から得られる。
【0035】
ポリマー/気体の系において、より低い密度、最も小さい気泡寸法および最も高い強度を有するポリマーを製造する最適の温度および圧力は、上記のプロットを評価することによって実験的に決められる。
ポリマー/気体の系における少量の湿気が発泡作用に影響し、ポリマー/気体のみの系から得られるよりも大きな気泡直径を与える。発泡以前にポリマー材料を乾燥させることによって、低レベルの残留湿気を除去でき、これは、柔軟なポリマーに対する膨張効果に寄与する。当技術において当業者に既知であるポリマーの従来の乾燥方法を、本発明の実施において用いてもよい。
【0036】
ポリマーはプロセス中において柔軟でかつ可撓性であるので、加圧解除時にデバイスまたは金型の中でポリマーを拘束し、試料の動きを制限することがしばしば望ましい。圧力容器の急速な加圧解除は発泡片を掻き乱し、試料を歪める。拘束デバイスまたは金型は、いずれの形状であってもよい。なぜなら、気泡が成長するとともに、膨張ポリマーがデバイスまたは金型のキャビティを充填するからである。
発泡物品の密度および気泡寸法は、ポリマー出発物質の分子量によっても影響され得る。ポリマー出発物質の溶融粘度(またはメルトインデックス)が分子量の増加とともに増加するので、ポリマー出発物質を発泡させるのに必要な条件も変化する。例えば、最小密度が得られる温度は、(メルトインデックスによって示される)ポリマー分子量が増加するとともに、シフトする傾向にある。
【0037】
SCFは、ポリマー出発物質中に或る程度の溶解性を有するべきである。一般に、物質からでてくるSCFの拡散の急速な速度を可能にするようにポリマーフイルムがあまりに薄い場合に、SCFは、膨張の処理を行うのに充分な時間にわたってフイルム内に保持されない。すなわち発泡は観測されない。この現象は、平均すると0.13mmまたはそれ以下のフイルム厚さで観測され、プロセス条件および物質の種類に依存する。6.35mmを越える厚い試料は、容易に発泡できるが、試料がさらに厚くなると、拡散時間(飽和時間)は増加する。拡散に必要な時間は、ポリマーに固有であり、拡散プロセスを典型的に限定する因子、例えば、温度、圧力および選択したSCFによって限定され得る。プロセス条件下において、SCFは、高い温度および圧力の状態でポリマー中に迅速に拡散する。ポリマーのTgが気体飽和プロセス時に有意に低下することが観測されており、これはポリマー中の気体の可塑化効果に原因すると考えられている。
【0038】
溶解性パラメーターが、SCF/ポリマーの系を特徴付けるのに用いることができる。溶媒の溶解性パラメーターとポリマーの溶解性パラメーターとの差が大きくなるとともに、ポリマー中に溶解するSCFが少なくなる。典型的には、溶媒とポリマーの溶解性パラメーターの差が大きくなるとともに、有効な溶解が行われる可能性が低くなり、完全な溶解が生じない。結果的に、ポリマーが溶解せず、溶媒に膨潤するのみである。膨潤の量は、ポリマーと溶媒の間の親和性に依存する。特定のポリマーを溶媒和し可塑化するSCFの好適性は、本プロセスで発現される溶媒の強さに基づいており、これは、臨界条件に対するそれの状態に依存する。SCFの溶媒和性質は、発泡プロセスに対する寄与要因である。
【0039】
発泡ポリマーは、周囲温度とポリマーのTmとの間の温度で、ポリマーを好適なSCFにさらすことによる本発明の方法によって製造される。96MPa(14000psig)までのSCF圧力が、必要な溶解性を与えるように、使用される。高い液状の流体の密度の場合、ポリマー鎖の近隣との相互作用の緩和に原因して、ポリマーが通常の有機溶媒中にあるように、ポリマーは膨潤する。ポリマーを加熱すると、さらに緩和および軟化が生じて、ポリマーは次の膨張工程のためにより柔軟になる。
【0040】
ポリマーがSCFとの平衡飽和に達すると、(充分に形成された物品において)圧力容器は処理温度で急速にベントされ、柔軟化したポリマーに溶解したSCFがポリマーを膨張させ、気泡を形成させる。最大の発泡作用を達成するために、急速なベントが好ましい。急速なベントによって、温かい可塑化された柔軟なポリマーが容易に膨張し、この後、ポリマーの自由な動きを止めるのに充分な冷却が行われる。遅いベントは、SCFの膨張作用を妨げ、気泡の核形成を行うことなく軟化ポリマーからの拡散を可能にし、それによりポリマーの最終密度が限定される。典型的には、発泡系における気泡は、膨張SCFの力の下で、形成されるにつれ潰れるであろう。急速な加圧解除の下で、気泡の膨張は、発泡物質が断熱的に冷却するとともに発泡体が固化することによって、効果的に防止される。
【0041】
一般に、ポリマー中に捕捉または溶解されるSCFの量(SCF圧力によって決まる)が多くなると、形成する気泡の数が多くなり、全空隙容量増加が大きくなる。一般に、圧力低下が大きくなると、(所定温度での)気泡の直径は小さくなる。最終密度は、予備膨張温度および使用SCFの種類によって決まる。一般に、加圧解除開始時の予備膨張温度が高くなると、最終密度は低くなり、圧力が高くなると、気泡が小さくなる。
本発明の目的および利点を、以下の実施例によって説明するが、これら実施例で記載されている特定の物質およびその量、ならびに他の条件および詳細は、本発明を限定するものではない。特記しない限り、全ての物質は市販されているかあるいは当業者にとって既知である。
【0042】
【実施例】
密度の測定は、ASTM D792−86の方法「スタンダード・メソッド・フォー・スペシフィック・グラビティー・アンド・デンシティ・オブ・プラスチックス・バイ・ディスプレィスメント(Standard Method for Specific Gravity and Density of Plastics by Displacement)」の変形法を使用して行った。変形は次のとおりである:(1)密度測定の前に40時間にわたって試料を温度コンディショニングしなかった。および(2)湿度を50%で保たなかった。試料を周囲の温度および相対湿度で測定した。密度の値は、ミリグラム単位で丸めた。
【0043】
実施例1
セルロースプロピオネートのペレット、直径約3mm(10g、中程度の分子量、MFI=329゜F、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.))を300cm3のオートクレーブに入れ、これにエチレン(C2H2)ガスを充填した。このオートクレーブを油浴中に入れて、系の処理温度を165℃まで導いた。系が熱的平衡に達したら、追加のC2H2を導入し、最終圧を31MPa(4500psig)で安定させた。急速に大気圧まで排気する前に、ペレットをこの条件で50分間、SCFにより飽和させた。回収したペレットは50mg/cm3の密度を有していた。液体窒素中で破壊したペレットを検査することにより、80〜120μmの気泡直径を有する実質的に均一な気泡構造が示された。
【0044】
実施例2
直径約25μmのポリエチレン繊維をオートクレーブ内に入れた。エチレンを入れて、最終圧を109℃で31MPa(4500psig)とした。急速に排気する前に、繊維をこの温度および圧力で15分間保持した。繊維密度は590mg/cm3で、7〜10μmの直径の気泡を有していた。
【0045】
実施例3
セルローストリアセテートペレット(10g、アルドリッチ・ケミカル社)を、220℃、31MPa(4500psig)で二酸化炭素に暴露した。最初にオートクレーブに導入してから最後に排気するまでの暴露時間は55分間であった。発泡したペレットは300mg/cm3の密度を有していた。
【0046】
実施例4
ポリウレタンフィルムを、300mg/cm3の密度に発泡させたが、これは175℃、全飽和時間113分でそのポリマーをエチレンに暴露して行った。オートクレーブを、31MPa(4500psig)から大気圧に急速に排気した。
【0047】
実施例5
ポリスチレンペレット(5g、アルドリッチ・ケミカル社)を、系を急速に排気する前に、34MPa(5000psig)のエチレンに110℃で100分間暴露した。分析結果は、気泡が25μmの平均直径を有することを示した。ペレットの密度は78mg/cm3であった。
【0048】
実施例6
ポリメチルメタクリレート(ペルスペックス(Perspex)、アイ・シー・アイ社(ICI))の2分の1ディスクをオートクレーブに入れ、165℃で、圧力をメタンにより105MPa(15300psig)に調整して安定させた。メタンを急速に排気する前に、ポリメチレンメタクリレートのディスクをこれらの条件で120分間飽和させた。回収した物質は白色発泡体であって、寸法が出発ディスクよりも非常に大きかった。白色発泡体の密度は40mg/cm3であった。液体窒素破壊試料の分析結果は、20〜40μmのセル直径を示した。
【0049】
実施例7
ポリメチルメタクリレート粉末(アイ・シー・アイ社)および60重量%の0.5μmタングステン金属粉末を含有するメチルメタクリレートモノマー40重量%をスラリーが得られるまで混合した。この混合物を小さなチューブ(直径6.3mm)に注いだ。チューブを45℃で、1.38MPa(200psig)の圧力の窒素雰囲気で一晩硬化させて、ポリマー棒材を生成した。ポリマー棒材をオートクレーブ内に入れ、115℃で、41MPa(6000psig)で2時間、エチレンに暴露した。急速に排気して、231mg/cm3の密度を有する金属充填発泡棒材が得られた。
【0050】
実施例8
76×12.7×6.3mm(3”×1/2”×1/4”)の大きさのポリカーボネート片をオートクレーブ内に入れ、急速に排気する前に、この試験片を185℃、14MPa(2100psig)の圧力で約120分間、二酸化炭素に暴露して、低密度に発泡させた。得られた発泡体は、液体窒素により破壊した試料を分析して、140mg/cm3の密度および40〜50μmの範囲の気泡直径を有していた。
【0051】
実施例9
127×6.3×9.5mm(5”×1/4”×3/8”)の大きさのポリエーテルイミド(GE(ゼネラル・エレクトリック(General Electric)社)、ウルテム(Ultem)1000)の低密度発泡を、このポリマーを230℃で二酸化炭素に4時間暴露して行った。排気する前の系の圧力は34.5MPa(5000psig)であった。発泡した物質は293mg/cm3の密度を有していた。液体窒素により破壊した試料を分析すると、10〜15μmの範囲の気泡直径を有する均一なセル?が試料全体に示された。
【0052】
実施例10
この実施例により、例えば可塑剤などの更に他の添加剤を含み、通常SCFに可溶性であるポリマーが、発泡プロセスの間に抽出される代りに、本発明の条件においてどのように保持されるかを示す。
可塑化したポリ塩化ビニル(タイゴン(Tygon)(登録商標)チューブ)を、水中法(underwater technique)を用いて可塑剤含量をあまり減少させずに発泡させた。タイゴン(登録商標)チューブの形材4.7gを、オートクレーブ内で水中に浸漬して、発泡させた。続いて、オートクレーブにエチレンを充填し、130℃、41.4MPa(6000psig)で安定化させて、このチューブを超臨界エチレンにより飽和させた。急速に圧力を開放すると、物質は発泡して密度が477mg/cm3となった。このチューブは、重量分析に基づいて、可塑剤含量があまり減少していないため、柔軟で可撓性を保持していた。
【0053】
実施例11
半結晶性の低粘度ポリエーテルエーテルケトン(アイ・シー・アイ“ヴィクトレックス(Victrex)150G”)を、260℃、34.5MPa(5000psig)で4.5時間、超臨界二酸化炭素に暴露して、800mg/cm3の密度に発泡させた。
【0054】
実施例12
線状低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル(Dow Chemical)“アスペン(Aspen)6806”、MFI 180℃)(10g)を、ガラスウール0.5gと溶融混合して、ポリエチレン中の均一な分散体を生成した。この物質の数片をオートクレーブ内に入れ、系にエチレンを充填した。約4時間後、系を114℃で31.0MPa(4500psig)で安定させた。420mg/cm3の密度を有する発泡した物品が回収された。
【0055】
実施例13
アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)を、40℃、13.8MPa(2000psig)の圧力で18時間、二酸化炭素に暴露した。発泡した物質の密度は880mg/cm3であった。
【0056】
実施例14
ポリブチレンおよびポリプロピレンフィルムのポリマー混合物を、33.1MPa(4800psig)および123℃でエチレンに暴露した。急速に排気する前に、ポリマー混合物を約70分間飽和させ、562mg/cm3の密度を有する物質が得られた。
【0057】
実施例15−26
表1は、種々の密度および気泡寸法の熱可塑性樹脂を製造するSCF発泡プロセスの能力を例示する他のいろいろな実施例をまとめている。以下の表記により表1に略記したポリマーを識別する。
(a)ポリエチレン:テトラフルオロエチレン(50/50 デュポン社(Du Pont))
(b)セルロースプロピオネート(分子量:200,000)
(c)ポリスチレン(ダウ・ケミカル)
(d)ポリスチレン(分子量:<400,000)
(e)ポリメチルメタクリレート(アイ・シー・アイ「ペルスペックス」、分子量:4−6×106)
(f)線状低密度ポリエチレン(ダウ「アスペン」)
(g)ポリウレタン
【0058】
【表1】
【0059】
実施例27−78
以下の実施例のために以下の一般的方法を使用した。必要に応じて、特別な変更または変化を特に記載している。種々の熱可塑性樹脂のための材料および操作条件を表2−9にまとめている。飽和時間を変化させるが、熱可塑性樹脂を一度充分に飽和させたら、追加の飽和時間は得られる発泡物品に影響を及ぼさなかった。
【0060】
一般的発泡プロセス
熱可塑性樹脂ポリマー試料を、高圧鋼またはステンレス鋼容器に入れ、この容器をシールする。続いて、この容器を、予め決められた温度に設定した油浴中に完全に浸す。油中に入れた熱電対により油温をモニターおよび制御し、容器に接続した変換器(transducer)により圧力をモニターする。
熱平衡の際に、流体(気体としてまたは超臨界流体としてのいずれか)を、圧力容器に取り付けられたコンプレッサーまたはポンプを通して移送し、必要な圧力が達成されるように調整する。
熱可塑性樹脂ポリマー試料を、該熱可塑性樹脂ポリマーを完全にまたは部分的に飽和させるのに必要な時間、超臨界流体に暴露する。
試料を適当な時間飽和させた後、遠隔操作ベント(vent)手段により圧力容器を開放し、内部の圧力を数秒間で大気圧にする。容器を即座に切り離し、冷却するための水浴中に入れた後、容器を開けて、発泡した熱可塑性樹脂ポリマーを回収する。
【0061】
実施例27−32
超臨界流体としてエチレン(実施例27−29)およびエタン(実施例30〜32)を使用する一般的発泡プロセスを用いて、線状低密度ポリエチレンを発泡させた。圧力容器に、所望の最終圧力のほぼ半分まで充填した後、温度を20分間安定させた。続いて容器を最終圧力まで加圧した。圧力容器を1〜3秒で急速に大気圧まで排気する前に、系を油浴中に更に1/2時間保持した。全試料はビーズの形態であった。
【0062】
【表2】
【0063】
実施例33〜36
超臨界流体としてエチレンを使用する一般的発泡プロセスを用いて、ポリウレタン試料を発泡させた。ポリウレタンシートは0.8mmの厚さであった。
【0064】
【表3】
【0065】
実施例37−40
超臨界流体として二酸化炭素を使用する一般的発泡プロセスを用いて、ポリカーボネート試料を発泡させた。1.5MPaの圧力変化によっても得られる発泡体の密度に影響はなかった。
【0066】
【表4】
【0067】
実施例41−44
超臨界流体として二酸化炭素を使用する一般的発泡プロセスを用いて、高密度ポリエチレン(HDPE)試料を発泡させた。高密度ポリエチレン試料を、繊維状ガラス絶縁体物質の中に包み込み、試料ホルダーに入れた後、圧力容器内に入れた。圧力容器を油浴内に入れ、ラン(run)条件で平衡にした。ラン条件に予め決められた時間(飽和時間)置いた後、容器を約10秒で急速に排気させた。
【0068】
【表5】
【0069】
実施例45−53
超臨界流体として二酸化炭素を使用する一般的発泡プロセスを用いて、(ゼネラル・エレクトリック社からウルテム(ULTEM)の商品名で市販されている)ポリエーテルイミド試料を発泡させた。試料を表6にまとめている。全ての試料は6.8×6.3×3.2mmであり、飽和を4時間行った。
【0070】
【表6】
【0071】
実施例54−56
超臨界流体として二酸化炭素を使用する一般的発泡プロセスを用いて、(ゼネラル・エレクトリック社からウルテムの商品名で市販されている)ポリエーテルイミド試料を発泡させた。ポリマー試料をガラス絶縁体で包み、方形のステンレス鋼ホルダー内に置いた。圧力容器(7.6リットル)に、ポリエーテルイミド試料と共に塩化メチレンを加えた。容器を封じてスタンドに設置し、二酸化炭素を加えてランのプロセス条件に調整した。二酸化炭素を用いて圧力を調整した。容器を電気的に加熱した。60秒間で急速に圧力を開放する前に、試料の温度を17時間保持した。二酸化炭素と共に塩化メチレンを使用してポリエーテルイミドの溶媒和作用を補助させ、二酸化炭素のみによるそれ以上の密度減少の達成を促進させる。試料を表7にまとめている。全ての試料について、圧力を31MPa、温度を240℃、飽和時間を4時間とした。
【0072】
【表7】
【0073】
実施例57−64
超臨界流体として二酸化炭素を使用する一般的発泡プロセスを用いて、ポリスチレンを発泡させた。試料を表8にまとめている。
【0074】
【表8】
【0075】
実施例65−77
超臨界流体として二酸化炭素を使用する一般的発泡プロセスを用いて、ポリスチレンを発泡させた。試料を表9にまとめている。各実施例について、一種のみのビーズを発泡させた。
【0076】
【表9】
【0077】
実施例78−80
開示した方法の例として以下のように行った。4500psigの定圧を使用して、ウルテム1000(登録商標)(ビカー軟化点=219℃、ゼネラル・エレクトリック社)を上記の方法で発泡させた。235℃の初期プロセス温度を選択した。4つの他のランを、(2つの初期温度はこれより高く、2つは低くして)、5℃ずつ増加させて、全部で5種の温度を採用した(225〜245℃)これらをプロットする(図13参照)と、この圧力で、235℃の初期温度で最小密度を有するU型曲線が得られた。最小密度の点は圧力が変化するにつれて変化し、従って曲線が上下にシフトする。この操作は、ポリ(スチレン)についての図11(ビカー軟化点=100℃)およびポリ(カーボネート)(ビカー軟化点=154℃)についての追加のプロットによって示されるように一般的である。
【0078】
実施例81
種々の分子量のウルテム(登録商標)ポリエーテルイミドを、4500psigの定圧および225〜245℃の温度を使用する実施例78〜80に記載したようにして処理した。得られた曲線からわかるが、図14に示すように、最初のポリマーの分子量(メルトインデックス)が増大すると、最小密度の温度はより高温にシフトする。
別の実施例は、ポリ(メチルメタクリレート)=PMMAである。低分子量(1×106のMW)において、ポリ(メチルメタクリレート)は135℃および41MPa(6000psig)で発泡するが、より高い分子量(MW>4×106)では、同じ圧力で、例えば165℃などの更に高い温度を必要とする。
当業者には、本発明の要旨および原理から離れずに、本発明に種々の修正および変更を行うことが明らかになるであろうし、本発明は上記の説明した実施態様例に不当に制限されないということが理解されるべきである。各出版物または特許公報を特別におよび個々に参照して引用すると示されているように、全ての出版物および特許公報をここに参照して引用する。
【0079】
以下、本発明の好ましい態様を記載する。
A. 熱可塑性ポリマーが150℃以上のガラス転移温度を有する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
B. 熱可塑性ポリマーがポリエーテルイミドである前記A項に記載の方法。
C. 添加剤が溶媒である請求項3に記載の方法。
D. 溶媒が塩化メチレンである前記C項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】倍率200倍の発泡ポリメチルメタクリレートの粒子構造の典型的な断面の走査電子顕微鏡写真である。
【図2】倍率7200倍の発泡ポリエーテルイミドの粒子構造の典型的な断面の走査電子顕微鏡写真である。
【図3】バーティスを詳細に示す倍率4000倍の発泡ポリカーボネートの粒子構造の典型的な断面の走査電子顕微鏡写真である。
【図4】バーティスを詳細に示す倍率2000倍の発泡ポエリエーテルイミドの粒子構造の典型的な断面の走査電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明の部分的に発泡した物品の粒子構造の典型的な断面の走査電子顕微鏡写真である。
【図6】(A)は超臨界状態が二酸化炭素について達せられた区域を示す、圧力対比容積のグラフ表示である。
(B)は超臨界状態が二酸化炭素について達せられた区域を示す、圧力対比容積のグラフ表示である。
【図7】超臨界状態が二酸化炭素について達せられた区域を示す、圧力対温度のグラフ表示である。
【図8】臨界流体の減少密度対減少圧力のグラフ表示である。
【図9】ポリスチレンについての気泡寸法(マイクロメータ)対圧力(psig)のグラフ表示である。
【図10】4つの異なった圧力におけるポリスチレンについての気泡寸法(マイクロメーター)対温度(℃)のグラフ表示である。
【図11】ポリスチレンについてのポリマー密度(mg/cc)対温度(℃)のグラフ表示である。
【図12】ポリカーボネートについてのポリマー密度(mg/cc)対温度(℃)のグラフ表示である。
【図13】ウルテムポリエーテルイミドについてのポリマー密度(mg/cc)対温度(℃)のグラフ表示である。
【図14】3つの異なった分子量のウルテムポリエーテルイミドについてのポリマー密度(mg/cc)対温度(℃)のグラフ表示である。
【図15】比剪断強度(psi/pcf)対気泡直径(マイクロメーター)のグラフ表示である。
【産業上の利用分野】
本発明は部分的ないし完全に発泡した物品、およびそれを製造するための超臨界流体を用いる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
発泡したポリマーは重量低減が望ましい場合に広範囲の構造的な応用において用いられるが、発泡体強度は密度が減少するにつれてしばしば犠牲にされるのが通例である。これは発泡工程から生ずる気泡の寸法による。
高分子発泡体の製造は典型的には(1)液体系における気体の泡の生成、(2)これらの泡が生長して気泡を生成、および(3)発泡媒体の粘度増加および/または固化による気泡の安定化を含む。発泡体の製造方法には大別して2つの方法がある。すなわち(1)化学的方法と(2)物理的方法である。
化学的方法においては、液体のポリマー層中の気体を用いて気体相が得られる。その気体は液体のポリマー相内部に典型的には分散している。その気体は重合反応の副生物として得られるか、ポリマーベースへ加えられた化合物(発泡剤)の熱分解により発生する。化学的方法は限られた温度範囲でのみ利用できるので、ポリマーの粘度が生じる多孔性構造を決定する。
発泡体を製造するいくつかの一般的に知られた物理的な方法がある。一つの方法では、空気、N2または他の気体を高圧およびガラス転移温度以下の温度で高分子の出発物質中に分散させる。圧力を解放すると過飽和の試料が作られる。この試料をガラス転移温度まで次に加熱すると多数の泡が核形成される。第二の方法ではクロロフルオロカーボン類または炭化水素類などの低沸点液体(発泡剤)を高分子の出発材料中に分散させる。次にその混合物を加熱し発泡剤を揮発させ、それによって高分子の出発材料中に気泡を形成させる。物理的方法を用いる粘度は発泡が起こる温度により調節する。
【0003】
これらの従来の方法は、化学的方法も物理的方法も、発泡物品を製造するための化学的な発泡剤または気体を使用する。用いられる発泡方法の種類は、高分子の出発材料の種類および望ましい密度または気泡寸法により一般的に規定される。そのような方法は泡の核形成を助けるために共溶媒、共発泡剤、核形成剤および/または可塑剤などのアジュバンドの使用を組み入れる。典型的には可塑剤を、泡を核形成し、または高分子の出発材料の粘度を減少させて気泡の形成に導くために加える。
しかしながらあるアジュバンドの使用は、それらを洗浄または抽出工程により除去しなければならず発泡加工を複雑にするという問題を生じる。生成した発泡物品を生医学的な応用に用い、そのようなアジュバンドが望ましくない反応を起こすかも知れない場合、これは問題となり得る。
さらに従来の方法は
(1)発泡できるポリマーの種類の限定、
(2)発泡したポリマー密度調節可能性の限定、
(3)生成する気泡の大きさの調節の欠除、
(4)ポリマー中に残る望ましくない残存物、または
(5)低密度を得るための発泡体強度の犠牲、
などの多くの他の面で制約を受ける。
【0004】
多孔性の発泡物品の力学的性質を改良するために、大きい気泡密度と小さい気泡サイズを有する発泡プラスチックを製造するための微孔性方法が開発されている。これらの方法は、高分子材料を加圧下に均一な濃度の気体で前もって飽和させ、熱力学的不安定性を急に誘導することにより多数の気泡を核形成することを含む。例えば材料を気体で前もって飽和させ、加圧下にそのガラス転移温度に保つ。その材料を急に低圧にさらして、気泡を核形成し、望ましい最終密度により変わる望ましい寸法まで気泡の生長を促し、それによって材料中に微孔性の空隙、すなわち気泡を有する発泡材料を製造する。その材料は次に素早くさらに冷却またはクエンチし、微孔性構造を維持する。
そのような技術は、気泡密度、すなわち出発材料の単位体積あたりの気泡の数を増加させ、典型的な多孔性構造におけるよりずっと小さい気泡寸法を作る傾向がある。多くの微孔性方法はポリマー中に前から存在する傷の臨界サイズより一般的に小さい気泡寸法を提供し、材料の密度および力学的性質は、いくつかのポリマーの力学的性質を犠牲にすることなく調節できる。そのような方法は2〜10マイクロメーターの範囲の平均気泡寸法、全容積の50%までのボイド部分、約109ボイド/cm3出発材料の気泡密度を有する材料を製造している。
【0005】
非常に小さい気泡寸法と大きい気泡密度を作る他の方法が記載されている。微孔性プラスチックは工程中にプラスチックを加熱する必要をなくすよう常温またはその近くで加工されており、それにより製造工程を簡易化する。
一例としてMITによる刊行物はツー“ポット”法を用いて発泡物品を提供する方法を記載する。先ず物品を臨界圧および温度以上で超臨界流体で飽和させる。次に圧力を解除し、温度を常温近くまで落とし、物品を除去する。常圧において温度を次に上昇させて発泡を起こさせる。これは加温工程中の物品からの溶解ガスのいくらの損失および次の密度の小さい減少をもたらす。記載されているように臨界条件以上の超臨界流体の使用は飽和工程中に起こる。発泡を開始する第2の別の工程は非臨界条件で始まる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の工程:
(1)圧力容器に固体の熱可塑性ポリマーを仕込み;
(2)外部熱源を用いて、固体の熱可塑性ポリマーを入れた圧力容器を所定の飽和温度まで加熱して、軟化した熱可塑性ポリマーを得、
ここにおいて、飽和温度は、気泡の寸法は異なるが同じ密度を有する発泡物品が得られる2つの温度を示す、固定圧力での「密度対温度」のU字形曲線の温度範囲により規定される温度範囲内にあり、
該U字形曲線は、熱可塑性ポリマーのガラス転移温度またはビカー軟化点(ASTM D1529−91により決定)よりわずかに高い初期飽和温度を、得られる発泡物品の密度(ASTM D792−86により決定。ただし、密度測定の前に40時間にわたって試料を温度コンディショニングせず、湿度を50%に保たず)に対してプロットし、上記の過程を、初期温度よりも高くまたは低く段階的に変化させて繰り返すことにより得;
(3)圧力容器を加熱しながら、同時に気体を仕込み;
(4)圧力容器、軟化した熱可塑性ポリマー、および気体を外部熱源温度と平衡させ;
(5)気体が超臨界流体状態であり、軟化した熱可塑性ポリマーに溶解するような最終圧力を達成するため、更なる気体を加えることにより圧力容器中の圧力を調節し;
(6)所定時間、熱可塑性ポリマーを超臨界流体により飽和させ;そして
(7)圧力容器をベントして急速に圧力容器を圧力解除し、熱可塑性ポリマーを発泡させる;
工程を含んでなる、低密度の多孔性発泡物品を製造する方法を提供する。
一般的には、本発明の実施に使用するのに適した熱可塑性ポリマーは非晶性、半結晶性または結晶性のモルホロジーを有し、好ましくはその熱可塑性ポリマーは非晶性または半結晶性のモルホロジーを有する。ポリマーの物理的な形はフィルム、ビーズ、ロッド、厚いシート、バーまたは他の形を含むがそれらに限定されない。より好ましくは発泡物品は150℃以上のガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂であり、0.08g/cm3より大きい密度、10〜300μm、好ましくは80〜300μmの範囲の気泡寸法、0.1μmより大きいが2μmより小さい壁厚を有する。
【0007】
本発明の他の要旨においては部分的に発泡した物品が提供される。本出願において用いる“部分的に発泡した”とは、外側の低密度の完全に発泡した層に囲まれて、ポリマーの出発材料が物品の内部でその発泡しない状態で保持されることを意味する。そのような部分的に発泡した物品は本発明の方法を用い、飽和工程の期間を調節して製造する。したがって超臨界流体(SCF)の浸透の深さが変えられる。ポリマーのSCF飽和および不飽和部分の間に境界線が典型的には存在するので、急速な圧力解除が起こった場合明暸な境界がポリマーの出発材料中に作られる。
【0008】
本発明の他の要旨においては、以下の工程:
(1)圧力容器に固体の熱可塑性ポリマーを仕込み;
(2)固体の熱可塑性ポリマーを入れた圧力容器を、固体の熱可塑性ポリマーのビカー軟化点または近傍まで加熱し外部熱源を用いて、所定の飽和温度まで加熱し;
(3)圧力容器を加熱しながら、同時に気体を仕込み;
(4)圧力容器、熱可塑性ポリマー、および気体を熱源温度と平衡させ;
(5)気体が超臨界流体(超臨界的状態にある気体)であり熱可塑性ポリマー に溶解するような最終圧力を達成するため、更なる気体を加えることによ り圧力容器中の圧力を調節し;
(6)所定時間熱可塑性ポリマーを飽和させ;そして
(7)圧力容器をベントして、急速に圧力容器を圧力解除して、低密度の気泡および微孔性の発泡した熱可塑性物品を製造する;
を含んでなる、低密度の多孔性および微孔性の発泡した熱可塑性物品を製造する方法を提供する。
【0009】
本発明の方法の他の要旨においては添加剤を工程(1)中に圧力容器に加えてもよい。添加剤の非限定的な例は、溶媒、乳化剤、フィラー、中空粒子(シンタクチックフォームを製造する)、強化剤、着色剤、カップリング剤、酸化防止剤、帯電防止化合物、難燃材、熱安定剤、潤滑剤、離型剤、防腐剤、紫外線安定剤等を含む。これらの添加剤は熱可塑性樹脂および発泡物品の用途により変わる。1以上の添加剤が発泡物品中に含まれてもよい。存在する添加剤の量は発泡物品の用途に依存し、個々の添加剤の公知の使用に有効な量存在してよい。
【0010】
温度および圧力の条件が熱可塑性ポリマー/気体システムが飽和期間の間超臨界流体状態にあるような条件であるなら、この方法に多くの変形が存在することは当業者にとって注意すべきである。有利には本発明の方法は75μmより大きい初期(予備発泡)厚みを有する予備成形物品を発泡させる能力を提供する。本発明の方法においては高強度の発泡体が容易に得られるが、低密度発泡体を得ることを犠牲にしない。このことは多くの利用に重要である。
【0011】
本発明の方法の他の利点は、
(1)高温熱可塑性樹脂、共重合体またはポリマーブレンドを含む様々な熱可塑性ポリマー材料、および可塑剤の抽出がない高分子量可塑剤を含む熱可塑性材料からの低密度の発泡体;
(2)小または微孔性発泡体;
(3)高強度材料;
(4)毒性の残存物を本質的に含まない発泡体;
(5)残存する核形成剤を本質的に含まない発泡体;
(6)任意の厚みの発泡した材料;
(7)ビーズ、フイルムおよび繊維等の様々な形または形態を有する発泡体;および
(8)調節可能な発泡深さを有する部分的に発泡した熱可塑性樹脂;
を製造することを含むが、それらに限定されない。
【0012】
本出願は、SCFによる飽和および発泡の開始がSCFの臨界条件以上で行われるワン“ポット”法を記載する。但し飽和温度は発泡すべきポリマーのビカー軟化温度の範囲にあるものとする。これは以前に開示された方法に優るいくつかの利点と改良を提供する。
このアプローチのいくつかの利点には、
(1)すべての超臨界流体が物品中に保持され、密度の大きい減少をもたらし;
(2)大きい厚みの発泡物品を製造できる;
(3)方法は自己クエンチング性であり、全体の厚みによって最終の発泡体の性質を調節するのを容易にする;
(4)小さい気泡寸法を含む発泡体に匹敵する剪断強度を有する発泡体(10ミクロン対≧20ミクロン直径)が得られる、
を含む。
【0013】
発泡物品
0.03g/cm3より大きい発泡密度、10〜300μm、好ましくは20〜100μm、最も好ましくは20〜80μmの範囲の気泡サイズ、0.1μmより大きいが2μmより小さい気泡壁厚を有する熱可塑性樹脂を含んでなる発泡物品が提供される。別の態様では発泡物品は、150℃以上のガラス転移点を有する熱可塑性樹脂であり、0.08g/cm3より大きい密度、10〜300μm、好ましくは80〜300μmの範囲の気泡寸法、0.1μmより大きいが2μmより小さい壁厚を有する。発泡体の空隙体積は5〜97+%の範囲にある。
【0014】
本発明の発泡物品の代表的な例は、図1〜4で説明される。図1においては20〜100μmの範囲の気泡寸法を有する発泡したポリメチルメタクリレートを説明する。図2では発泡したポリエーテルイミドの気泡を説明する。そのポリエーテルイミド発泡体は0.6g/cm3の密度を有する。発泡したポリカーボネート(0.2g/cm3の密度)中の気泡のバーティス(vertice)が図3に詳細に示されている。発泡したポリエーテルイミド(0.09g/cm3の密度)中の気泡のバーティスが図4に詳しく示されている。
発泡体は主に独立気泡よりなるが、気泡は連続または独立であってよい。気泡の形は細長く伸びてよく、約2.0以上のアスペクト比を有する。しかし気泡は一般的により均一な多面体形である。気泡の形は、泡が膨らみ、互いに押しつけるにつれて互いの並置のためにその側面が平らになる泡に似ている。このパターンは完全に形成された3−Dボロノイ(Voronoi)モザイク発泡体の典型である。図2におけるSEM写真は本発明の発泡物品における典型的な気泡構造を示す。
シンタクチックフォームおよび高分子の出発材料中に分散した粒子を含む発泡体も提供される。適当な粒子には、他のポリマー、ガラスバブル、金属粒子、繊維および他のそのような材料を含むがこれらに限定されない。
【0015】
部分的に発泡した物品も提供される。本明細書において“部分的に発泡した”とは、熱可塑性ポリマー出発材料の一部が発泡しない状態で物品の内部に、すなわち物品の中心の芯に保持され 低密度の完全に発泡した層に取り囲まれることを意味する。部分的に発泡した物品の代表的な例を図5に説明する。そのような部分的に発泡した物品を本発明の方法を用いて製造してもよい。完全に発泡した層の厚みはSCF浸透の深さに依存し、そのような浸透は飽和工程の時間を調節することにより変えることができる。ポリマーのSCF飽和および不飽和部分の間に境界線が典型的には存在するので、急速な圧力解除が生じた場合、明暸な境界がポリマーの出発材料中に作られる。
【0016】
本発明の方法の間にSCFの浸透深さを調節する外に、層状、多層状または交互の発泡および未発泡複合材料を、完全に発泡した、または部分的に発泡した物品をレーザーなどの熱的エネルギー源で処理することにより製造してもよい。発泡した物品の表面をレーザーにあてることにより、外層は溶融しまたはつぶれ、それによって発泡したポリマーを元の未発泡ポリマーに戻す。例えば未発泡の殻を未発泡の芯を取囲む発泡部分の周囲に作ることができる。ポリマーが完全に発泡しているなら、次に未発泡の殻またはスキンを発泡した芯の1以上の側面の周囲またはその上に構成することができる。
【0017】
適当な熱可塑性ポリマーおよびコポリマーは非晶性、半結晶性または結晶性のモルホロジーを有してよい。そのような熱可塑性ポリマーおよびコポリマーの非限定的な例は、セルロースプロピオネート、トリアセテート、エチルセルロース、ポリオキシメチレン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル共重合体、ポリアクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールおよびアセタール、ポリビニルエーテル、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンオキサイド、(ゼネラルエレクトリックから入手し得る“ノリル”)、ポリエチレン:テトラフルオロエチレン(デュポンから入手し得る“テフゼル”)、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリウレタン等の熱可塑性エラストマー、直鎖のポリエステル、ポリカーボネート、シリコーン、ポリエーテルイミド(ゼネラルエレクトリックから入手し得る“ウルテム”等の)、およびポリイミドを含む。特に有利な熱可塑性ポリマーおよびコポリマーは150℃以上のガラス転移温度を有するものである。
【0018】
完全にまたは部分的に発泡した物品は様々な添加剤を含んでもよい。そのような添加剤は中空粒子(シンタクチックフォーム)または充填剤入り発泡体以外にあってもよく、またはなかってもよい。非限定的な添加剤は、溶媒、乳化剤、フィラー、強化剤、着色剤、カップリング剤、酸化防止剤、帯電防止化合物、難燃剤、熱安定剤、潤滑剤、離型剤、可塑剤、防腐剤、紫外線安定剤等を含むがこれらに限定されない。これらの添加剤は熱可塑性樹脂および発泡物品の用途により変えてよい。1以上の添加剤を発泡物品に含ませてよい。存在する添加剤の量は発泡物品の用途に依存し、個々の添加剤の公知の使用に有効である量存在してよい。
【0019】
SCF方法
以下の工程:
(1)圧力容器に固体の熱可塑性ポリマーを仕込み;
(2)固体の熱可塑性ポリマーを入れた圧力容器を、固体の熱可塑性ポリマーのビカー軟化点または近傍まで加熱し外部熱源を用いて、所定の飽和温度まで加熱し;
(3)圧力容器を加熱しながら、同時に気体を仕込み;
(4)圧力容器、熱可塑性ポリマー、および気体を熱源温度と平衡させ;
(5)気体が超臨界流体(超臨界的状態にある気体)であり熱可塑性ポリマー に溶解するような最終圧力を達成するため、更なる気体を加えることにより圧力容器中の圧力を調節し;
(6)所定時間熱可塑性ポリマーを飽和させ;そして
(7)圧力容器をベントして、急速に圧力容器を圧力解除して、低密度の微孔性の発泡した熱可塑性物品を製造する;
を含んでなる、低密度の微孔性の発泡熱可塑性物品を製造する方法を提供する。
【0020】
当業者は、温度および圧力条件が、熱可塑性ポリマー/気体の系が飽和時間中超臨界状態にあるような温度および圧力であるという条件の下、本方法において多くの変形があることに留意すべきである。好都合なことに、本発明の方法は、75μmを越える初期(予備発泡)厚さを有する予備形成物品を発泡させ得る。本発明の方法において、高強度の発泡体が容易に得られるが、低密度の発泡体を得ることを犠牲にすることはない。これは多くの用途において重要なことになり得る。
【0021】
本発明の方法は、ポリマー材料をSCFで飽和にすることを含んでなる。いかなる理論にも結び付けるものではないが、SCFはポリマー出発物質の可塑化および溶媒和という化学的効果を有する。物理的効果は、SCFがポリマー出発物質内で高圧を作り出し、粘稠なポリマーを配置換えし、圧力容器を圧力解除する場合に泡または気泡を発泡させるということである。
【0022】
SCFは、物質を超臨界状態に置くように、臨界温度を越える温度および臨界圧力を越える圧力に保たれる物質として定義できる。そのような状態において、SCFは、事実上物質を気体および液体の両方として機能させる性質を有する。したがって、超臨界状態において、そのような流体は、液体の溶媒性質を有しているが、その表面張力は液体の表面張力よりも実質的に小さく、流体は、気体の性質におけるように、溶質物質中にずっと容易に分散する。
【0023】
例えば、二酸化炭素(CO2)は、31℃を越える温度および1100psiを越える圧力にされた場合に、超臨界状態になり得る。図6(A)および(B)(曲線10および12)は、CO2における圧力と比容量(図6(A))の関係、および温度と比エントロピーとの関係を示す。圧力が1100psiを越え温度が31℃を越える場合(曲線10Aおよび12A)に、CO2は超臨界状態になる(影を付した部分11および13)。別の方法で示すように、図7はCO2における圧力と温度の関係を示す。ここにおいて、そのような臨界圧力(1100psi)および臨界温度(31℃)は、影を付した部分(14)によって臨界状態を規定するように示されている。用語「臨界流体(CF)」または「SCF」は、本明細書において相互交換可能に使用され、これらの用語は、物質の臨界点値よりも高い温度および圧力の組合わせを意味する。
【0024】
本発明において使用するのに適したSCFは、熱可塑性ポリマーに対して非反応性であるべきである。一般に、好適なSCFは、飽和条件での臨界流体圧力および溶解性パラメーターの組み合わせが、少なくとも1100psigまたはそれ以上の可能な圧力差をもたらすような物理化学的性質を有する。SCFは、気体状態の性質と液体状態の性質の間のほぼ中間にあり、CF状態に特異である熱力学的性質および物理的性質を有する。熱力学的性質および物理的性質は圧力とととも変化する。いくつかの代表的な性質は、分散性、密度、動的粘度、凝集エネルギー密度、熱容量および熱伝導度を包む。(図6および7の影付き部分で示すように)CF領域内において、系の圧力の変化は、臨界流体の密度に有意な影響を与え、さらに他の性質にも影響する。したがって、溶媒および挙動性質は、系の圧力の変化によって大きく変化する。この効果は、固定された物理的性質のみを有する通常の液体溶媒または気体とは、対照的である。
【0025】
例えば、図8におけるように、臨界流体の還元(reduced)密度と還元圧力との関係をプロットすると、臨界点に近い温度において、小さい圧力変化が超臨界流体密度の大きな変化を生じさせる。ここで、Pは圧力であり、PCおよびPRはそれぞれ臨界圧力および還元圧力であり、Tは温度であり、TCおよびTRはそれぞれ臨界温度および還元温度である。温度が臨界点を越えると、圧力変化は、流体の密度に大きな影響を与えないが、それでも密度の変化がある。臨界点からの増加する逸脱にともなった流体密度のこの減少は、合理的な圧力で達成され得る流体密度に影響を与え、窒素のような化合物が、大規模で工業において好都合にまたは経済的に利用できる圧力で容易に高濃度化され得ない。本発明に適した多くの気体の臨界点データーが、マテソン・ガス・データー・ブック(Matheson Gas Data book)、ザ・メルク・インデックス(the Merk Index)、レインジズ・ハンドブック・オブ・ケミストリー(Lange’s Handbook of Chemistry)、シーアールシー・ハンドブック・オブ・ケミストリー・アンド・フィジクス(CRC Handbook of Chemistry and Physics)などに公表されている。
【0026】
使用する臨界流体の種類は、生成する発泡体に影響し得る。1つのSCFと他のものとの間で、溶解性が特定のポリマー系において数重量%変化するからであり、したがって、空隙の寸法および分布が変化し得る。ポリマーの温度が増加するとともに、気泡の寸法が変化する。一般に、この寸法は、SCF圧力を増加することによって減少し得る。
【0027】
好適な超臨界流体であり本発明において使用できる気体は、以下のものに限定されるものではないが、二酸化炭素、亜酸化窒素、エチレン、エタン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロエタン、テトラフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1−ジフルオロエチレン、トリフルオロアミドオキシド、シス−ジフルオロジアジン、トランス−ジフルオロジアジン、塩化二フッ化窒素、3重水素化リン、四フッ化二窒素、オゾン、ホスフィン、ニトロシルフルオライド、三フッ化窒素、塩化重水素、塩化水素、キセノン、六フッ化硫黄、フルオロメタン、パーフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、テトラフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1−ジフルオロエテン、エチン、ジボラン、テトラフルオロヒドラジン、シラン、四フッ化ケイ素、四水素化ゲルマニウム、三フッ化ホウ素、フッ化カルボニル、クロロトリフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタンおよびフッ化ビニルを包含する。好ましい気体は、二酸化炭素、亜酸化窒素、エチレン、エタン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロエタン、テトラフルオロメタン、トリフルオロメタンおよび1,1−ジフルオロエチレンを包含する。二酸化炭素は非可燃性であり非毒性であり、さらにかなり安価であるので、より好ましい気体は二酸化炭素である。
【0028】
好ましいSCFである二酸化炭素は熱的に安定であり、高いプロセス温度においてさえ、ほとんどのポリマー系に対して非反応性である。例えば、ポリマーが気泡の成長を生じさせ得る粘度範囲になる前に発泡剤が分解するかまたは気泡が非常に大きくなるポリエーテルイミドのような高温度熱可塑性樹脂(例えば、150℃を越えるビカー軟化温度を有するもの)の発泡体を製造するために、CO2は有効に使用できる。本発明の方法を使用すれば、そのような高温ポリマーの密度および気泡寸法の両方を制御できるという利点が得られる。
【0029】
本発明の方法のさらに別の要旨において、工程(1)中において圧力容器に添加剤を加えてもよい。これらに限定されるものではないが、添加剤の例は、溶媒、乳化剤、充填剤、(シンタクチック発泡体を製造する)中空粒子、補強剤、着色剤、カップリング剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱安定剤、潤滑剤、離型剤、可塑剤、防腐剤、紫外線安定剤などを包含する。これら添加剤は、発泡物品の用途および熱可塑性樹脂に応じて変化する。1種またはそれ以上の添加剤を発泡物品中に含有させてよい。存在する添加剤の量は、発泡物品の用途に応じて変化し、個々の添加剤の既知の使用に有効である量であってよい。
【0030】
溶媒、特に熱可塑性ポリマーを溶解する溶媒は、特に有用な添加剤である。これらに限定されるものではないが、そのような溶媒の例は、芳香族炭化水素、ケトン、エーテル、脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素などを包含する。最も好ましい溶媒は、塩化メチレンである。添加溶媒は、SCFの約40重量%までの量で使用してよい。
【0031】
本発明の方法は、圧力容器に気体および熱可塑性ポリマーを仕込み、圧力容器に仕込んだ熱可塑性ポリマー材料をオイルバスなどの外部熱源によって、熱可塑性ポリマー材料のビカー(Vicat)軟化点(ASTM D1529−91により測定)またはガラス転移点に近い温度に加熱することを含んでなる。気体が超臨界状態になる温度および圧力を使用する。圧力は気体を加えまたは除くことにより調節してもよい。飽和を適切な時間にわたって保った後、圧力容器の空隙空間からSCFを急速に排気する。この急速な加圧解除の間に、ポリマーに溶解したSCFが核となり、軟化したポリマー中において泡または気泡を成長させる。膨張するSCFまたは気体は断熱膨張またはジュール−トムソン(Joule−Thomson)膨張を受けるので、ポリマーも急速に冷却される。ポリマーの温度低下は、物質が膨張を続けるのに充分な流動性をもはや持たない程度までの温度範囲にポリマー温度を低下させるのに充分である。すなわち、急速な加圧解除は自己冷却メカニズムを与える。したがって、ポリマーは安定化され、変形がもはや生じない。これによって、発泡物品を安定化させるために反応を別個に冷却またはクエンチする必要がなくなる。しかし、「メルトバック」、すなわち気泡のつぶれを避けるために周囲の残留熱を除去することがしばしば好ましい。そのような除去は、例えば、低温ウォーターバスへの圧力容器を浸漬することを包含する。
【0032】
出発点を第1に近似するために、ポリマーのガラス転移点(Tg)および/またはポリマーの融点(Tm)の既知の値を使用して、評価を行える。そのようなデーターの無い場合、またはそのようなデーターがポリマーに適用できない場合に、ビカーのような軟化点を使用してよい。例えば、本発明を使用して固定圧力で処理すると、選択した初期温度はTgまたはビカー軟化点よりもわずかに高くなるであろう。初期温度よりも高くまたは低く、段階的変化させて(例えば、各ステップで3〜8℃の範囲で、)本発明の方法を繰り返してよい。これは、初期温度よりも高くまたは低く、少なくとも2つ、好ましくは3つまたはそれ以上の温度に対して、行える。得られた発泡体の密度は、実施例において記載するASTM D−792−86の変形法に従って測定する。得られたデーターを「密度と温度の関係」として次にプロットする。このほぼU字形の曲線から、適切な条件を選択し、所望の発泡体特性を与える。
【0033】
あるいは、温度を一定に保って、圧力を変化させてもよい。「密度と圧力の関係」のプロットが得られ、上記を同様の一般的形状を示す。超臨界流体がこの状態で保たれるような温度または圧力のいずれかの変化を確実にすることが望ましい。
上で説明したようにプロットした曲線は一般的にU字形であるので、同じ密度の発泡体が得られる2つの温度(または圧力)が存在する。しかし、全空隙容積、すなわち密度が同じであったとしても、このようにして得られた2つの発泡物品は、異なった気泡の寸法を示す傾向にある。いかなる理論にも結び付けるつもりはないが、高温においては、核となる気泡は、軟化したポリマー中において急速に成長すなわち膨張し、これにより少ない数の大きな寸法の気泡が形成されるものと考えられる。あるいは、低温においては、少ない膨張を伴ってより大きな気泡形成が生じ、これにより、気泡の数が多くなり寸法が小さくなる。より高い圧力が、より低温と同じ効果を生じさせる。このことは、ポリスチレンにおける「発泡体の気泡寸法と温度の関係」および「発泡体の気泡寸法と圧力の関係」をプロットした図9および10においてわかり、より低い温度またはより高い圧力においてより小さい気泡寸法が得られることを示している。
【0034】
剪断強さは、構造物における芯物質の使用において1つの最も重要な性質であると報告されている。その強さは物質密度に強く依存する。ジョージア州サバナにおけるノースロプ(Northrop)の会議(11/93)によって提供される「フォーム・フィルド・コンポジット・サンドウィッチ・ストラクチャーズ・フォー・マリン・アプリケーション(Foam Filled Composite Sandwich Structures for Marine Applications)を参照できる。さらに、気泡寸法は、発泡物品の剪断強さに対して臨界的であると示されている(図15)。所定密度において、より強い発泡体は、より小さい気泡から得られる。
【0035】
ポリマー/気体の系において、より低い密度、最も小さい気泡寸法および最も高い強度を有するポリマーを製造する最適の温度および圧力は、上記のプロットを評価することによって実験的に決められる。
ポリマー/気体の系における少量の湿気が発泡作用に影響し、ポリマー/気体のみの系から得られるよりも大きな気泡直径を与える。発泡以前にポリマー材料を乾燥させることによって、低レベルの残留湿気を除去でき、これは、柔軟なポリマーに対する膨張効果に寄与する。当技術において当業者に既知であるポリマーの従来の乾燥方法を、本発明の実施において用いてもよい。
【0036】
ポリマーはプロセス中において柔軟でかつ可撓性であるので、加圧解除時にデバイスまたは金型の中でポリマーを拘束し、試料の動きを制限することがしばしば望ましい。圧力容器の急速な加圧解除は発泡片を掻き乱し、試料を歪める。拘束デバイスまたは金型は、いずれの形状であってもよい。なぜなら、気泡が成長するとともに、膨張ポリマーがデバイスまたは金型のキャビティを充填するからである。
発泡物品の密度および気泡寸法は、ポリマー出発物質の分子量によっても影響され得る。ポリマー出発物質の溶融粘度(またはメルトインデックス)が分子量の増加とともに増加するので、ポリマー出発物質を発泡させるのに必要な条件も変化する。例えば、最小密度が得られる温度は、(メルトインデックスによって示される)ポリマー分子量が増加するとともに、シフトする傾向にある。
【0037】
SCFは、ポリマー出発物質中に或る程度の溶解性を有するべきである。一般に、物質からでてくるSCFの拡散の急速な速度を可能にするようにポリマーフイルムがあまりに薄い場合に、SCFは、膨張の処理を行うのに充分な時間にわたってフイルム内に保持されない。すなわち発泡は観測されない。この現象は、平均すると0.13mmまたはそれ以下のフイルム厚さで観測され、プロセス条件および物質の種類に依存する。6.35mmを越える厚い試料は、容易に発泡できるが、試料がさらに厚くなると、拡散時間(飽和時間)は増加する。拡散に必要な時間は、ポリマーに固有であり、拡散プロセスを典型的に限定する因子、例えば、温度、圧力および選択したSCFによって限定され得る。プロセス条件下において、SCFは、高い温度および圧力の状態でポリマー中に迅速に拡散する。ポリマーのTgが気体飽和プロセス時に有意に低下することが観測されており、これはポリマー中の気体の可塑化効果に原因すると考えられている。
【0038】
溶解性パラメーターが、SCF/ポリマーの系を特徴付けるのに用いることができる。溶媒の溶解性パラメーターとポリマーの溶解性パラメーターとの差が大きくなるとともに、ポリマー中に溶解するSCFが少なくなる。典型的には、溶媒とポリマーの溶解性パラメーターの差が大きくなるとともに、有効な溶解が行われる可能性が低くなり、完全な溶解が生じない。結果的に、ポリマーが溶解せず、溶媒に膨潤するのみである。膨潤の量は、ポリマーと溶媒の間の親和性に依存する。特定のポリマーを溶媒和し可塑化するSCFの好適性は、本プロセスで発現される溶媒の強さに基づいており、これは、臨界条件に対するそれの状態に依存する。SCFの溶媒和性質は、発泡プロセスに対する寄与要因である。
【0039】
発泡ポリマーは、周囲温度とポリマーのTmとの間の温度で、ポリマーを好適なSCFにさらすことによる本発明の方法によって製造される。96MPa(14000psig)までのSCF圧力が、必要な溶解性を与えるように、使用される。高い液状の流体の密度の場合、ポリマー鎖の近隣との相互作用の緩和に原因して、ポリマーが通常の有機溶媒中にあるように、ポリマーは膨潤する。ポリマーを加熱すると、さらに緩和および軟化が生じて、ポリマーは次の膨張工程のためにより柔軟になる。
【0040】
ポリマーがSCFとの平衡飽和に達すると、(充分に形成された物品において)圧力容器は処理温度で急速にベントされ、柔軟化したポリマーに溶解したSCFがポリマーを膨張させ、気泡を形成させる。最大の発泡作用を達成するために、急速なベントが好ましい。急速なベントによって、温かい可塑化された柔軟なポリマーが容易に膨張し、この後、ポリマーの自由な動きを止めるのに充分な冷却が行われる。遅いベントは、SCFの膨張作用を妨げ、気泡の核形成を行うことなく軟化ポリマーからの拡散を可能にし、それによりポリマーの最終密度が限定される。典型的には、発泡系における気泡は、膨張SCFの力の下で、形成されるにつれ潰れるであろう。急速な加圧解除の下で、気泡の膨張は、発泡物質が断熱的に冷却するとともに発泡体が固化することによって、効果的に防止される。
【0041】
一般に、ポリマー中に捕捉または溶解されるSCFの量(SCF圧力によって決まる)が多くなると、形成する気泡の数が多くなり、全空隙容量増加が大きくなる。一般に、圧力低下が大きくなると、(所定温度での)気泡の直径は小さくなる。最終密度は、予備膨張温度および使用SCFの種類によって決まる。一般に、加圧解除開始時の予備膨張温度が高くなると、最終密度は低くなり、圧力が高くなると、気泡が小さくなる。
本発明の目的および利点を、以下の実施例によって説明するが、これら実施例で記載されている特定の物質およびその量、ならびに他の条件および詳細は、本発明を限定するものではない。特記しない限り、全ての物質は市販されているかあるいは当業者にとって既知である。
【0042】
【実施例】
密度の測定は、ASTM D792−86の方法「スタンダード・メソッド・フォー・スペシフィック・グラビティー・アンド・デンシティ・オブ・プラスチックス・バイ・ディスプレィスメント(Standard Method for Specific Gravity and Density of Plastics by Displacement)」の変形法を使用して行った。変形は次のとおりである:(1)密度測定の前に40時間にわたって試料を温度コンディショニングしなかった。および(2)湿度を50%で保たなかった。試料を周囲の温度および相対湿度で測定した。密度の値は、ミリグラム単位で丸めた。
【0043】
実施例1
セルロースプロピオネートのペレット、直径約3mm(10g、中程度の分子量、MFI=329゜F、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.))を300cm3のオートクレーブに入れ、これにエチレン(C2H2)ガスを充填した。このオートクレーブを油浴中に入れて、系の処理温度を165℃まで導いた。系が熱的平衡に達したら、追加のC2H2を導入し、最終圧を31MPa(4500psig)で安定させた。急速に大気圧まで排気する前に、ペレットをこの条件で50分間、SCFにより飽和させた。回収したペレットは50mg/cm3の密度を有していた。液体窒素中で破壊したペレットを検査することにより、80〜120μmの気泡直径を有する実質的に均一な気泡構造が示された。
【0044】
実施例2
直径約25μmのポリエチレン繊維をオートクレーブ内に入れた。エチレンを入れて、最終圧を109℃で31MPa(4500psig)とした。急速に排気する前に、繊維をこの温度および圧力で15分間保持した。繊維密度は590mg/cm3で、7〜10μmの直径の気泡を有していた。
【0045】
実施例3
セルローストリアセテートペレット(10g、アルドリッチ・ケミカル社)を、220℃、31MPa(4500psig)で二酸化炭素に暴露した。最初にオートクレーブに導入してから最後に排気するまでの暴露時間は55分間であった。発泡したペレットは300mg/cm3の密度を有していた。
【0046】
実施例4
ポリウレタンフィルムを、300mg/cm3の密度に発泡させたが、これは175℃、全飽和時間113分でそのポリマーをエチレンに暴露して行った。オートクレーブを、31MPa(4500psig)から大気圧に急速に排気した。
【0047】
実施例5
ポリスチレンペレット(5g、アルドリッチ・ケミカル社)を、系を急速に排気する前に、34MPa(5000psig)のエチレンに110℃で100分間暴露した。分析結果は、気泡が25μmの平均直径を有することを示した。ペレットの密度は78mg/cm3であった。
【0048】
実施例6
ポリメチルメタクリレート(ペルスペックス(Perspex)、アイ・シー・アイ社(ICI))の2分の1ディスクをオートクレーブに入れ、165℃で、圧力をメタンにより105MPa(15300psig)に調整して安定させた。メタンを急速に排気する前に、ポリメチレンメタクリレートのディスクをこれらの条件で120分間飽和させた。回収した物質は白色発泡体であって、寸法が出発ディスクよりも非常に大きかった。白色発泡体の密度は40mg/cm3であった。液体窒素破壊試料の分析結果は、20〜40μmのセル直径を示した。
【0049】
実施例7
ポリメチルメタクリレート粉末(アイ・シー・アイ社)および60重量%の0.5μmタングステン金属粉末を含有するメチルメタクリレートモノマー40重量%をスラリーが得られるまで混合した。この混合物を小さなチューブ(直径6.3mm)に注いだ。チューブを45℃で、1.38MPa(200psig)の圧力の窒素雰囲気で一晩硬化させて、ポリマー棒材を生成した。ポリマー棒材をオートクレーブ内に入れ、115℃で、41MPa(6000psig)で2時間、エチレンに暴露した。急速に排気して、231mg/cm3の密度を有する金属充填発泡棒材が得られた。
【0050】
実施例8
76×12.7×6.3mm(3”×1/2”×1/4”)の大きさのポリカーボネート片をオートクレーブ内に入れ、急速に排気する前に、この試験片を185℃、14MPa(2100psig)の圧力で約120分間、二酸化炭素に暴露して、低密度に発泡させた。得られた発泡体は、液体窒素により破壊した試料を分析して、140mg/cm3の密度および40〜50μmの範囲の気泡直径を有していた。
【0051】
実施例9
127×6.3×9.5mm(5”×1/4”×3/8”)の大きさのポリエーテルイミド(GE(ゼネラル・エレクトリック(General Electric)社)、ウルテム(Ultem)1000)の低密度発泡を、このポリマーを230℃で二酸化炭素に4時間暴露して行った。排気する前の系の圧力は34.5MPa(5000psig)であった。発泡した物質は293mg/cm3の密度を有していた。液体窒素により破壊した試料を分析すると、10〜15μmの範囲の気泡直径を有する均一なセル?が試料全体に示された。
【0052】
実施例10
この実施例により、例えば可塑剤などの更に他の添加剤を含み、通常SCFに可溶性であるポリマーが、発泡プロセスの間に抽出される代りに、本発明の条件においてどのように保持されるかを示す。
可塑化したポリ塩化ビニル(タイゴン(Tygon)(登録商標)チューブ)を、水中法(underwater technique)を用いて可塑剤含量をあまり減少させずに発泡させた。タイゴン(登録商標)チューブの形材4.7gを、オートクレーブ内で水中に浸漬して、発泡させた。続いて、オートクレーブにエチレンを充填し、130℃、41.4MPa(6000psig)で安定化させて、このチューブを超臨界エチレンにより飽和させた。急速に圧力を開放すると、物質は発泡して密度が477mg/cm3となった。このチューブは、重量分析に基づいて、可塑剤含量があまり減少していないため、柔軟で可撓性を保持していた。
【0053】
実施例11
半結晶性の低粘度ポリエーテルエーテルケトン(アイ・シー・アイ“ヴィクトレックス(Victrex)150G”)を、260℃、34.5MPa(5000psig)で4.5時間、超臨界二酸化炭素に暴露して、800mg/cm3の密度に発泡させた。
【0054】
実施例12
線状低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル(Dow Chemical)“アスペン(Aspen)6806”、MFI 180℃)(10g)を、ガラスウール0.5gと溶融混合して、ポリエチレン中の均一な分散体を生成した。この物質の数片をオートクレーブ内に入れ、系にエチレンを充填した。約4時間後、系を114℃で31.0MPa(4500psig)で安定させた。420mg/cm3の密度を有する発泡した物品が回収された。
【0055】
実施例13
アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)を、40℃、13.8MPa(2000psig)の圧力で18時間、二酸化炭素に暴露した。発泡した物質の密度は880mg/cm3であった。
【0056】
実施例14
ポリブチレンおよびポリプロピレンフィルムのポリマー混合物を、33.1MPa(4800psig)および123℃でエチレンに暴露した。急速に排気する前に、ポリマー混合物を約70分間飽和させ、562mg/cm3の密度を有する物質が得られた。
【0057】
実施例15−26
表1は、種々の密度および気泡寸法の熱可塑性樹脂を製造するSCF発泡プロセスの能力を例示する他のいろいろな実施例をまとめている。以下の表記により表1に略記したポリマーを識別する。
(a)ポリエチレン:テトラフルオロエチレン(50/50 デュポン社(Du Pont))
(b)セルロースプロピオネート(分子量:200,000)
(c)ポリスチレン(ダウ・ケミカル)
(d)ポリスチレン(分子量:<400,000)
(e)ポリメチルメタクリレート(アイ・シー・アイ「ペルスペックス」、分子量:4−6×106)
(f)線状低密度ポリエチレン(ダウ「アスペン」)
(g)ポリウレタン
【0058】
【表1】
【0059】
実施例27−78
以下の実施例のために以下の一般的方法を使用した。必要に応じて、特別な変更または変化を特に記載している。種々の熱可塑性樹脂のための材料および操作条件を表2−9にまとめている。飽和時間を変化させるが、熱可塑性樹脂を一度充分に飽和させたら、追加の飽和時間は得られる発泡物品に影響を及ぼさなかった。
【0060】
一般的発泡プロセス
熱可塑性樹脂ポリマー試料を、高圧鋼またはステンレス鋼容器に入れ、この容器をシールする。続いて、この容器を、予め決められた温度に設定した油浴中に完全に浸す。油中に入れた熱電対により油温をモニターおよび制御し、容器に接続した変換器(transducer)により圧力をモニターする。
熱平衡の際に、流体(気体としてまたは超臨界流体としてのいずれか)を、圧力容器に取り付けられたコンプレッサーまたはポンプを通して移送し、必要な圧力が達成されるように調整する。
熱可塑性樹脂ポリマー試料を、該熱可塑性樹脂ポリマーを完全にまたは部分的に飽和させるのに必要な時間、超臨界流体に暴露する。
試料を適当な時間飽和させた後、遠隔操作ベント(vent)手段により圧力容器を開放し、内部の圧力を数秒間で大気圧にする。容器を即座に切り離し、冷却するための水浴中に入れた後、容器を開けて、発泡した熱可塑性樹脂ポリマーを回収する。
【0061】
実施例27−32
超臨界流体としてエチレン(実施例27−29)およびエタン(実施例30〜32)を使用する一般的発泡プロセスを用いて、線状低密度ポリエチレンを発泡させた。圧力容器に、所望の最終圧力のほぼ半分まで充填した後、温度を20分間安定させた。続いて容器を最終圧力まで加圧した。圧力容器を1〜3秒で急速に大気圧まで排気する前に、系を油浴中に更に1/2時間保持した。全試料はビーズの形態であった。
【0062】
【表2】
【0063】
実施例33〜36
超臨界流体としてエチレンを使用する一般的発泡プロセスを用いて、ポリウレタン試料を発泡させた。ポリウレタンシートは0.8mmの厚さであった。
【0064】
【表3】
【0065】
実施例37−40
超臨界流体として二酸化炭素を使用する一般的発泡プロセスを用いて、ポリカーボネート試料を発泡させた。1.5MPaの圧力変化によっても得られる発泡体の密度に影響はなかった。
【0066】
【表4】
【0067】
実施例41−44
超臨界流体として二酸化炭素を使用する一般的発泡プロセスを用いて、高密度ポリエチレン(HDPE)試料を発泡させた。高密度ポリエチレン試料を、繊維状ガラス絶縁体物質の中に包み込み、試料ホルダーに入れた後、圧力容器内に入れた。圧力容器を油浴内に入れ、ラン(run)条件で平衡にした。ラン条件に予め決められた時間(飽和時間)置いた後、容器を約10秒で急速に排気させた。
【0068】
【表5】
【0069】
実施例45−53
超臨界流体として二酸化炭素を使用する一般的発泡プロセスを用いて、(ゼネラル・エレクトリック社からウルテム(ULTEM)の商品名で市販されている)ポリエーテルイミド試料を発泡させた。試料を表6にまとめている。全ての試料は6.8×6.3×3.2mmであり、飽和を4時間行った。
【0070】
【表6】
【0071】
実施例54−56
超臨界流体として二酸化炭素を使用する一般的発泡プロセスを用いて、(ゼネラル・エレクトリック社からウルテムの商品名で市販されている)ポリエーテルイミド試料を発泡させた。ポリマー試料をガラス絶縁体で包み、方形のステンレス鋼ホルダー内に置いた。圧力容器(7.6リットル)に、ポリエーテルイミド試料と共に塩化メチレンを加えた。容器を封じてスタンドに設置し、二酸化炭素を加えてランのプロセス条件に調整した。二酸化炭素を用いて圧力を調整した。容器を電気的に加熱した。60秒間で急速に圧力を開放する前に、試料の温度を17時間保持した。二酸化炭素と共に塩化メチレンを使用してポリエーテルイミドの溶媒和作用を補助させ、二酸化炭素のみによるそれ以上の密度減少の達成を促進させる。試料を表7にまとめている。全ての試料について、圧力を31MPa、温度を240℃、飽和時間を4時間とした。
【0072】
【表7】
【0073】
実施例57−64
超臨界流体として二酸化炭素を使用する一般的発泡プロセスを用いて、ポリスチレンを発泡させた。試料を表8にまとめている。
【0074】
【表8】
【0075】
実施例65−77
超臨界流体として二酸化炭素を使用する一般的発泡プロセスを用いて、ポリスチレンを発泡させた。試料を表9にまとめている。各実施例について、一種のみのビーズを発泡させた。
【0076】
【表9】
【0077】
実施例78−80
開示した方法の例として以下のように行った。4500psigの定圧を使用して、ウルテム1000(登録商標)(ビカー軟化点=219℃、ゼネラル・エレクトリック社)を上記の方法で発泡させた。235℃の初期プロセス温度を選択した。4つの他のランを、(2つの初期温度はこれより高く、2つは低くして)、5℃ずつ増加させて、全部で5種の温度を採用した(225〜245℃)これらをプロットする(図13参照)と、この圧力で、235℃の初期温度で最小密度を有するU型曲線が得られた。最小密度の点は圧力が変化するにつれて変化し、従って曲線が上下にシフトする。この操作は、ポリ(スチレン)についての図11(ビカー軟化点=100℃)およびポリ(カーボネート)(ビカー軟化点=154℃)についての追加のプロットによって示されるように一般的である。
【0078】
実施例81
種々の分子量のウルテム(登録商標)ポリエーテルイミドを、4500psigの定圧および225〜245℃の温度を使用する実施例78〜80に記載したようにして処理した。得られた曲線からわかるが、図14に示すように、最初のポリマーの分子量(メルトインデックス)が増大すると、最小密度の温度はより高温にシフトする。
別の実施例は、ポリ(メチルメタクリレート)=PMMAである。低分子量(1×106のMW)において、ポリ(メチルメタクリレート)は135℃および41MPa(6000psig)で発泡するが、より高い分子量(MW>4×106)では、同じ圧力で、例えば165℃などの更に高い温度を必要とする。
当業者には、本発明の要旨および原理から離れずに、本発明に種々の修正および変更を行うことが明らかになるであろうし、本発明は上記の説明した実施態様例に不当に制限されないということが理解されるべきである。各出版物または特許公報を特別におよび個々に参照して引用すると示されているように、全ての出版物および特許公報をここに参照して引用する。
【0079】
以下、本発明の好ましい態様を記載する。
A. 熱可塑性ポリマーが150℃以上のガラス転移温度を有する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
B. 熱可塑性ポリマーがポリエーテルイミドである前記A項に記載の方法。
C. 添加剤が溶媒である請求項3に記載の方法。
D. 溶媒が塩化メチレンである前記C項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】倍率200倍の発泡ポリメチルメタクリレートの粒子構造の典型的な断面の走査電子顕微鏡写真である。
【図2】倍率7200倍の発泡ポリエーテルイミドの粒子構造の典型的な断面の走査電子顕微鏡写真である。
【図3】バーティスを詳細に示す倍率4000倍の発泡ポリカーボネートの粒子構造の典型的な断面の走査電子顕微鏡写真である。
【図4】バーティスを詳細に示す倍率2000倍の発泡ポエリエーテルイミドの粒子構造の典型的な断面の走査電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明の部分的に発泡した物品の粒子構造の典型的な断面の走査電子顕微鏡写真である。
【図6】(A)は超臨界状態が二酸化炭素について達せられた区域を示す、圧力対比容積のグラフ表示である。
(B)は超臨界状態が二酸化炭素について達せられた区域を示す、圧力対比容積のグラフ表示である。
【図7】超臨界状態が二酸化炭素について達せられた区域を示す、圧力対温度のグラフ表示である。
【図8】臨界流体の減少密度対減少圧力のグラフ表示である。
【図9】ポリスチレンについての気泡寸法(マイクロメータ)対圧力(psig)のグラフ表示である。
【図10】4つの異なった圧力におけるポリスチレンについての気泡寸法(マイクロメーター)対温度(℃)のグラフ表示である。
【図11】ポリスチレンについてのポリマー密度(mg/cc)対温度(℃)のグラフ表示である。
【図12】ポリカーボネートについてのポリマー密度(mg/cc)対温度(℃)のグラフ表示である。
【図13】ウルテムポリエーテルイミドについてのポリマー密度(mg/cc)対温度(℃)のグラフ表示である。
【図14】3つの異なった分子量のウルテムポリエーテルイミドについてのポリマー密度(mg/cc)対温度(℃)のグラフ表示である。
【図15】比剪断強度(psi/pcf)対気泡直径(マイクロメーター)のグラフ表示である。
Claims (4)
- 以下の工程:
(1)圧力容器に固体の熱可塑性ポリマーを仕込み;
(2)外部熱源を用いて、固体の熱可塑性ポリマーを入れた圧力容器を所定の飽和温度まで加熱して、軟化した熱可塑性ポリマーを得、
ここにおいて、飽和温度は、気泡の寸法は異なるが同じ密度を有する発泡物品が得られる2つの温度を示す、固定圧力での「密度対温度」のU字形曲線の温度範囲により規定される温度範囲内にあり、
該U字形曲線は、熱可塑性ポリマーのガラス転移温度またはビカー軟化点(ASTM D1529−91により決定)よりわずかに高い初期飽和温度を、得られる発泡物品の密度(ASTM D792−86により決定。ただし、密度測定の前に40時間にわたって試料を温度コンディショニングせず、湿度を50%に保たず)に対してプロットし、上記の過程を、初期温度よりも高くまたは低く段階的に変化させて繰り返すことにより得;
(3)圧力容器を加熱しながら、同時に気体を仕込み;
(4)圧力容器、軟化した熱可塑性ポリマー、および気体を外部熱源温度と平衡させ;
(5)気体が超臨界流体状態であり、軟化した熱可塑性ポリマーに溶解するような最終圧力を達成するため、更なる気体を加えることにより圧力容器中の圧力を調節し;
(6)所定時間、熱可塑性ポリマーを超臨界流体により飽和させ;そして
(7)圧力容器をベントして急速に圧力容器を圧力解除し、熱可塑性ポリマーを発泡させる;
工程を含んでなる、低密度の多孔性発泡物品を製造する方法。 - 気体が、二酸化炭素、亜酸化窒素、エチレン、エタン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロエタン、テトラフルオロメタン、トリフルオロメタン、または1,1−ジフルオロエチレンである請求項1に記載の方法。
- 圧力容器に、溶媒、乳化剤、フィラー、中空粒子、強化剤、着色剤、カップリング剤、酸化防止剤、帯電防止化合物、難燃剤、熱安定剤、潤滑剤、離型剤、可塑剤、防腐剤および紫外線安定剤から成る群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに仕込む請求項1に記載の方法。
- 発泡物品の密度および気泡寸法は制御することができ、発泡物品の密度が0.03g/cm3より大きく、気泡寸法が10〜300μmであり、気泡壁厚が0.1μmより大きいが2μmより小さい請求項1に記載の方法。
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