JP3157843B2 - ダイレクト感熱平版印刷版とその製造方法 - Google Patents

ダイレクト感熱平版印刷版とその製造方法

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JP3157843B2
JP3157843B2 JP52981298A JP52981298A JP3157843B2 JP 3157843 B2 JP3157843 B2 JP 3157843B2 JP 52981298 A JP52981298 A JP 52981298A JP 52981298 A JP52981298 A JP 52981298A JP 3157843 B2 JP3157843 B2 JP 3157843B2
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琢 田中
啓 留場
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旭化成工業株式会社
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B41C1/10Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、オフセット印刷用ダイレクト感熱平版印刷
原版、平版印刷版、その製造方法及び感熱平版印刷材料
に関する。
背景技術 コンピュータの普及につれ、版材構成とともに種々の
平版の製版方法が提案されている。実用面からは、版下
からポジ若しくはネガフィルムを作製して平版印刷原版
に焼き付ける方法が一般に行われているが、該フィルム
を介することなく版下から直接製版を行うための電子写
真版や銀塩写真版、あるいは、電子組版やDTP(デスク
トップ・パブリッシュメント)で編集・作製された印刷
画像情報を、可視画像化することなく、直接版材にレー
ザー若しくはサーマルヘッドで印字して製版を行うこと
ができる、いわゆるコンピュータ・ツー・プレート(CT
P)タイプの平版材が登場するに至っている。特にCTPタ
イプの版材は、製版工程の合理化と短縮化、材料費節減
が可能となることから、CTS化が完了した新聞製作、プ
リプレス工程がデジタル化された商業印刷等の分野で大
いに期待されている。
かかるCTP版材としては、感光性タイプ、感熱性タイ
プ又は電気エネルギーで製版するタイプの版材が知られ
ている。
感光性タイプ又は電気エネルギーで製版する版材は、
版価格が従来のPS版に比べ割高となるばかりでなく、そ
の製造装置も大型かつ高価であるため、これらの版材及
び製版工程は実用化には至っていない。さらに、これら
は現像液の廃棄処理の問題も有する。
感熱性タイプの版材は、社内印刷を始めとする軽印刷
用途に幾つか開発されている。特開昭63−64747号公
報、特開平1−113290号公報等には、支持体上に設けら
れた感熱層に分散させた熱溶融樹脂及び熱可塑性樹脂を
熱印字により溶融させ、加熱部を親水性から親油性に変
化させる版材が開示され、米国特許第4034183号、同406
3949号明細書には、支持体上に設けられた親水性ポリマ
ーをレーザー照射して親水性基を無くし親油性に転換さ
せる版材が開示されている。しかしながら、これらの版
材は、版表面に存在する熱溶融物質によるインキの受容
により非画像部が汚れたり、耐刷性が不十分であった
り、また、版材設計の自由度が低いという問題があっ
た。
特開平3−108588号公報及び特開平5−8575号公報に
は、マイクロカプセル化された熱溶融物質と結着性樹脂
とからなる感熱記録層を支持体に設け、加熱部を親油性
に変化させる版材が開示されている。しかし、これらの
版材ではマイクロカプセル化された熱溶融物質から形成
される画像が脆弱であって、耐刷性において満足のいく
ものではなかった。一方、特開昭62−164596号公報及び
同62−164049号公報には、親水性表面を有する支持体上
に活性水素含有バインダーポリマーとブロックイソシア
ネートとからなる記録層を設けた平版印刷原版及びその
製造方法が開示されている。しかし、この版材は、印字
後、非印字部分を除去する現像工程が必要である。
さらに、ダイレクト型平版印刷材料の一つに、親水層
の表面に画像部をインキジェットやトナー転写等の外的
手段で形成する直描型平版印刷材料がある。特開昭62−
1587号公報には、マイクロカプセル化した非反応性の熱
溶融性物質を塗布された、加熱印字によりトナー受理層
を形成するための版材が開示されている。しかし、この
版材は形成されたトナー受理層に親油性のトナー等を固
着して初めて印刷版となるものであり、印字後、画像部
が形成されるものではない。
このように従来の感熱性平版印刷用の版材は、耐刷力
に乏しいか親油性に乏しいため、軽印刷などの用途に限
られていた。また、その製版工程において現像工程を要
する版材もあった。
そこで特開平07−01849号公報及び特開平07−01850号
公報には、熱により画像に転換する反応性マイクロカプ
セルを、三次元架橋した親水性バインダー中に分散させ
た形の版材が記載されている。これらの版材は熱モード
のダイレクト版材であって、印加エネルギー源として近
赤外線レーザーを用いるために通常の室内での取り扱い
が可能であり、また現像が不要であるために製版工程を
大きく簡略化できるという利点がある。しかしながら、
これらの版材では、特に数万部の印刷を行った場合
に、画像部及び非画像部の耐刷性が低い、及び親水層
の強化手段として、二重結合による硬化を利用するた
め、強化のためには親水層中に親油基である二重結合含
有基の量を増加させなければならず、親水層の強化と非
画像性の発現のバランスが取りにくいという不都合があ
った。
以上の通り、先行する技術は、版性能、製版装置、製
版作業性、又は版材、製版若しくは装置のコストの点で
商業レベルでの実施に問題があった。また、反応性マイ
クロカプセルと親水性バインダーポリマーを利用した現
像不要のダイレクト平版も、大印刷部数での画像部及び
非画像部の耐刷性が低く、また版構成の設計上のバラン
スを取るのが困難であるという問題点を有している。
本発明は、従来のダイレクト型オフセット版材の上記
問題点を解決することを目的とするものである。すなわ
ち、本発明の目的は、高耐刷性、高寸法精度の平版印刷
版が得られ、かつ、地汚れのない鮮明な画像の印刷物が
得られる平版印刷原版を低価格で供給することである。
さらに、製版工程において、現像液などの廃棄物処理の
必要な現像工程がなく、専用の大掛りでかつ高価な製版
装置を用いなくとも製版を行うことができる平版印刷原
版及びその製版方法を提供することも本発明の目的であ
る。
発明の開示 本発明者らは、高耐刷性、高寸法精度の平版印刷版が
得られ、かつ、地汚れのない鮮明な画像の印刷物が得ら
れる平版印刷原版を得るために鋭意研究を行った結果、
多価金属イオンと、親水性バインダーポリマー中に存在
する窒素、酸素もしくは硫黄を含むルイス塩基部分との
相互作用を利用して親水性バインダーポリマーを三次元
架橋することによって、上記性能に著しく優れた平版印
刷原版が得られることを見出し、本発明を完成するに到
った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) 多価金属イオンを含んでおり窒素、酸素又は硫
黄を含むルイス塩基部分を有している親水性バインダー
ポリマーを含み、かつ熱モードで印字された親油性の画
像部及び親水性の非画像部を有する記録層、及び支持体
を含む平版印刷版において、親水性の非画像部の親水性
バインダーポリマーが、該多価金属イオンと該ルイス塩
基部分との相互作用によって三次元架橋している平版印
刷版。
(2) 熱により画像部に転換する微粒子と、多価金属
イオンを含んでおり窒素、酸素又は硫黄を含むルイス塩
基部分を有している親水性バインダーポリマーとを含む
親水層、及び支持体を含む感熱平版印刷原版であって、
該親水性バインダーポリマーが、該多価金属イオンと該
ルイス塩基部分との相互作用によって三次元架橋してい
る上記感熱平版印刷原版に熱モードで印字を行い、該親
水層に親油性の画像部を形成することからなる上記
(1)記載の平版印刷版の製造方法。
(3) 熱により画像部に転換する微粒子と、多価金属
イオンを含んでおり窒素、酸素又は硫黄を含むルイス塩
基部分を有している親水性バインダーポリマーとを含む
親水層、及び支持体を含む感熱平版印刷原版であって、
該親水性バインダーポリマーが、該多価金属イオンと、
該ルイス塩基部分との相互作用によって三次元架橋して
いる感熱平版印刷原版。この感熱平版印刷原版は上記
(2)記載の平版印刷版の製造に用いることができる。
(4) 親水性バインダーポリマーが、微粒子成分と化
学結合する官能基を有しており、微粒子成分が上記親水
性バインダーポリマーと化学結合する官能基を有してい
る上記(3)記載の感熱平版印刷原版。
(5) 微粒子が、マイクロカプセル化された親油性物
質である上記(3)又は(4)記載の感熱平版印刷原
版。
(6) 親水層の表面に親水性ポリマー薄膜層を有する
上記(3)、(4)又は(5)記載の感熱平版印刷原
版。
(7) 多価金属イオンが、マグネシウムイオン、アル
ミニウムイオン、カルシウムイオン、チタニウムイオ
ン、第一鉄イオン、コバルトイオン、銅イオン、ストロ
ンチウムイオン、ジルコニウムイオン、第一錫イオン、
第二錫イオン及び鉛イオンからなる群から選ばれる少な
くとも一種である上記(3)、(4)、(5)又は
(6)記載の感熱平版印刷原版。
(8) 窒素、酸素又は硫黄を含むルイス塩基部分が、
アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ
基、トリアルキルアミノ基、イソウレイド基、イソチオ
ウレイド基、イミダゾリル基、イミノ基、ウレイド基、
エピイミノ基、ウレイレン基、オキサモイル基、オキサ
ロ基、オキサロアセト基、カルバゾイル基、カルバゾリ
ル基、カルバモイル基、カルボキシル基、カルボキシラ
ト基、カルボイミドイル基、カルボノヒドラジド基、キ
ノリル基、グアニジノ基、スルファモイル基、スルフィ
ナモイル基、スルホアミノ基、セミカルバジド基、セミ
カルバゾノ基、チオウレイド基、チオカルバモイル基、
トリアザノ基、トリアゼノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾ
基、ヒドラゾノ基、ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシイ
ミノ基、含窒素複素環、ホルムアミド基、ホルムイミド
イル基、3−モルホリニル基及びモルホリノ基からなる
群から選ばれる少なくとも一種である上記(3)、
(4)、(5)、(6)又は(7)記載の感熱平版印刷
原版。
(9) 親水性バインダーポリマーが、炭素−炭素結合
から構成されるポリマー、又は酸素、窒素、硫黄及びリ
ンからなる群から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子
で結合された炭素原子若しくは炭素−炭素結合から構成
されるポリマーであって、かつそのポリマーの構造中に
多価金属イオンと相互作用しうる、又は相互作用してい
る窒素、酸素又は硫黄を含むルイス塩基部分を有する上
記ポリマー;及びこのポリマーの構造中に、更にリン酸
基、スルホン酸基又はこれらの塩、水酸基及びポリオキ
シエチレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種の
親水性官能基を含有する上記ポリマーからなる群から選
ばれる少なくとも1種である上記(3)、(4)、
(5)、(6)、(7)又は(8)記載の感熱平版印刷
原版。
(10) 親水性ポリマー薄膜層に用いられるポリマー
が、酸素、窒素、硫黄及びリンからなる群から選ばれる
少なくとも1種のヘテロ原子で結合された炭素原子又は
炭素−炭素結合から構成されるポリマー、炭素−炭素結
合又は酸素、窒素、硫黄及びリンからなる群から選ばれ
る少なくとも1種のヘテロ原子で結合された炭素原子又
は炭素−炭素結合から構成され、構造中にリン酸基、ス
ルホン酸基又はこれらの塩、水酸基及びポリオキシエチ
レン基からなる群から選ばれた少なくとも1種の親水性
官能基を含有するポリマー、炭素−炭素結合又は酸素、
窒素、硫黄及びリンからなる群から選ばれる少なくとも
1種のヘテロ原子で結合された炭素原子又は炭素−炭素
結合から構成され、構造中に窒素、酸素又は硫黄を含む
ルイス塩基部分を有するポリマー、及びこのルイス塩基
部分を有するポリマーの構造中に更にリン酸基、スルホ
ン酸基又はこれらの塩、水酸基及びポリオキシエチレン
基からなる群から選ばれた少なくとも1種の親水性官能
基を含有するポリマーからなる群から選ばれる少なくと
も1種である上記(6)、(7)、(8)又は(9)記
載の感熱平版印刷原版。
(11) 親水性バインダーポリマーが、(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸、及びそれらのアルカリ金属塩若しく
はアミン塩、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メ
タ)アクリルアミド及びアリルアミン及びその鉱酸塩か
らなる群から選ばれた少なくとも一種類を含むモノマー
を用いて合成されたポリマーであり、多価金属イオン
が、第一鉄イオン、ジルコニウムイオン及び第二錫イオ
ンからなる群から選ばれた少なくとも一種である上記
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)又は(10)記載の感熱平版印刷原版。
(11−1) 親水性バインダーポリマーが、更にビニ
ルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、それらのアルカリ金属塩若しくはアミン
塩、2−スルホエチルメタクリレート、ポリオキシエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート及びアシッド
ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一
種類を用いて合成されたポリマーである上記(11)記載
の感熱平版印刷原版。
(12) 親水性ポリマー薄膜層に用いられるポリマー
が、(メタ)アクリル酸、イタコン酸及びそれらのアル
カリ金属塩若しくはアミン塩、(メタ)アクリルアミ
ド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−
ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミン及
びその鉱酸塩、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸及びそれらのアルカリ
金属塩若しくはアミン塩、2−スルホエチルメタクリレ
ート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート及びアシッドホスホオキシポリオキシエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレートからなる群から選
ばれる少なくとも一種類を用いて合成されたポリマーで
ある上記(6)、(7)、(8)、(9)、(10)又は
(11)記載の感熱平版印刷原版。
(13) 熱により画像部に転換する微粒子と、窒素、酸
素又は硫黄を含むルイス塩基部分を有する未架橋の親水
性バインダーポリマーとを含む親水層と支持体とを含む
感熱平版印刷材料に熱モードで印字を行い、親油性の画
像部を形成し、その後、外部から供給される多価金属イ
オンと上記ルイス塩基部分との相互作用によって非画像
部の親水性バインダーポリマーを三次元架橋させること
からなる上記(1)記載の平版印刷版の製造方法。
(14) 熱により画像部に転換する微粒子と、親水性バ
インダーポリマーとを含む親水層、及び支持体を含む感
熱平版印刷材料であって、該親水性バインダーポリマー
が、窒素、酸素又は硫黄を含むルイス塩基部分を有して
いる未架橋親水性バインダーポリマーである感熱平版印
刷材料。この感熱平版印刷材料は上記(13)記載の平版
印刷版の製造に用いることができる。
(15) 親水性バインダーポリマーが、微粒子成分と化
学結合する官能基を有しており、微粒子成分が上記親水
性バインダーポリマーと化学結合する官能基を有してい
る上記(14)記載の感熱平版印刷材料。
(16) 微粒子が、マイクロカプセル化された親油性物
質である上記(14)又は(15)記載の感熱平版印刷材
料。
(16−1) 親水層の表面に親水性ポリマー薄膜層を
有する上記(14)、(15)又は(16)記載の感熱平版印
刷材料。
(17) 窒素、酸素又は硫黄を含むルイス塩基部分が、
アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ
基、トリアルキルアミノ基、イソウレイド基、イソチオ
ウレイド基、イミダゾリル基、イミノ基、ウレイド基、
エピイミノ基、ウレイレン基、オキサモイル基、オキサ
ロ基、オキサロアセト基、カルバゾイル基、カルバゾリ
ル基、カルバモイル基、カルボキシル基、カルボキシラ
ト基、カルボイミドイル基、カルボノヒドラジド基、キ
ノリル基、グアニジノ基、スルファモイル基、スルフィ
ナモイル基、スルホアミノ基、セミカルバジド基、セミ
カルバゾノ基、チオウレイド基、チオカルバモイル基、
トリアザノ基、トリアゼノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾ
基、ヒドラゾノ基、ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシイ
ミノ基、含窒素複素環、ホルムアミド基、ホルムイミド
イル基、3−モルホリニル基及びモルホリノ基からなる
群から選ばれる少なくとも一種である上記(14)、(1
5)又は(16)記載の感熱平版印刷材料。
(18) 親水性バインダーポリマーが、炭素−炭素結合
から構成されるポリマー、又は酸素、窒素、硫黄及びリ
ンからなる群から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子
で結合された炭素原子若しくは炭素−炭素結合から構成
されるポリマーであって、かつそのポリマーの構造中に
多価金属イオンと相互作用しうる、又は相互作用してい
る窒素、酸素又は硫黄を含むルイス塩基部分を有する上
記ポリマー;及びこのポリマーの構造中に、更にリン酸
基、スルホン酸基又はこれらの塩、水酸基及びポリオキ
シエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の親
水性官能基を含有する上記ポリマーからなる群から選ば
れる少なくとも1種である上記(14)、(15)、(16)
又は(17)記載の感熱平版印刷材料。
(19) 親水性ポリマー薄膜層に用いられるポリマー
が、酸素、窒素、硫黄及びリンからなる群から選ばれる
少なくとも1種のヘテロ原子で結合された炭素原子又は
炭素−炭素結合から構成されるポリマー、炭素−炭素結
合又は酸素、窒素、硫黄及びリンからなる群から選ばれ
る少なくとも1種のヘテロ原子で結合された炭素原子又
は炭素−炭素結合から構成され、構造中にリン酸基、ス
ルホン酸基又はこれらの塩、水酸基及びポリオキシエチ
レン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性
官能基を含有するポリマー、炭素−炭素結合又は酸素、
窒素、硫黄及びリンからなる群から選ばれる少なくとも
1種のヘテロ原子で結合された炭素原子又は炭素−炭素
結合から構成され、構造中に窒素、酸素又は硫黄を含む
ルイス塩基部分を有するポリマー、及びこのルイス塩基
部分を有するポリマーの構造中に更にリン酸基、スルホ
ン酸基又はこれらの塩、水酸基及びポリオキシエチレン
基からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性官能
基を含有するポリマーからなる群から選ばれる少なくと
も1種である上記(14)、(15)、(16)、(17)又は
(18)記載の感熱平版印刷材料。
(20) 親水性バインダーポリマーが、(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸、及びそれらのアルカリ金属塩若しく
はアミン塩、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メ
タ)アクリルアミド及びアリルアミン及びその鉱酸塩か
らなる群から選ばれる少なくとも一種類を含むモノマー
を用いて合成されたポリマーである上記(14)、(1
5)、(16)、(17)、(18)又は(19)記載の感熱平
版印刷材料。
(20−1) 親水性バインダーポリマーが、更にビニ
ルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、それらのアルカリ金属塩若しくはアミン
塩、2−スルホエチルメタクリレート、ポリオキシエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート及びアシッド
ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一
種類を用いて合成されたポリマーである上記(20)記載
の感熱平版印刷材料。
(21) 親水性ポリマー薄膜層に用いられるポリマー
が、(メタ)アクリル酸、イタコン酸及びそれらのアル
カリ金属塩若しくはアミン塩、(メタ)アクリルアミ
ド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−
ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミン及
びその鉱酸塩、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸及びそれらのアルカリ
金属塩若しくはアミン塩、2−スルホエチルメタクリレ
ート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート及びアシッドホスホオキシポリオキシエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレートからなる群から選
ばれる少なくとも一種類を用いて合成されたポリマーで
ある上記(17)、(18)、(19)又は(20)記載の感熱
平版印刷材料。
発明を実施するための最良の形態 本発明の感熱平版印刷原版から製造される平版印刷版
において、多価金属イオンとルイス塩基部分との相互作
用により三次元架橋された親水性バインダーポリマーを
含む親水層は、インキを撥き、非画像部の主成分を構成
する。更にその表面に親水性ポリマーからなる薄膜層を
設けると、外部から飛来する汚れ原因物質の受容を抑制
し、また残留多価金属イオン発生薬剤を化学的トラップ
することによって印刷初期の汚れを大きく減少させるこ
とができる。特に、多価金属イオンと親水性バインダー
ポリマー中のルイス塩基との相互作用を発現させた後に
長時間放置する場合には該薄膜層を設けることが好まし
い。実用的には乾燥後一定時間を経た版を提供する場合
が大多数であることも鑑みれば、該薄膜層を設けること
は大いに有用である。
本発明における三次元架橋構造を有する親水性バイン
ダーポリマーとしては、炭素−炭素結合から構成される
ポリマー、又は酸素、窒素、硫黄及びリンからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子で結合された炭
素原子若しくは炭素−炭素結合から構成されるポリマ
ー、例えば、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリオキシ
アルキレン系、ポリウレタン系、エポキシ開環付加重合
系、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポリ(メタ)アクリル
アミド系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアミン
系、ポリビニル系、多糖類系等又はそれらの複合系のポ
リマーであって、かつ該構造中に窒素、酸素又は硫黄を
含むルイス塩基部分を有し、該ルイス塩基部分と多価金
属イオンとの相互作用によって三次元架橋しているポリ
マー;並びに炭素−炭素結合から構成されるポリマー、
又は酸素、窒素、硫黄及びリンからなる群から選ばれる
少なくとも1種のヘテロ原子で結合された炭素原子若し
くは炭素−炭素結合から構成されるポリマー、例えば、
ポリ(メタ)アクリレート系、ポリオキシアルキレン
系、ポリウレタン系、エポキシ開環付加重合系、ポリ
(メタ)アクリル酸系、ポリ(メタ)アクリルアミド
系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアミン系、ポ
リビニル系、多糖類系等又はそれらの複合系のポリマー
であって、かつ構造中に親水性官能基、好ましくはリン
酸基、スルホン酸基若しくはこれらの塩、水酸基又はポ
リオキシエチレン基を一種以上含有し、更にルイス塩基
部分と多価金属イオンとの相互作用によって網目化され
たポリマーが挙げられる。
本発明において親水性バインダーポリマーは、多価金
属イオンと相互作用しているルイス塩基部分以外に、該
作用に与かっていないルイス塩基部分、水酸基、スルホ
ン酸基、そのアルカリ金属塩、そのアルカリ土類金属塩
あるいはそのアミン塩のいずれかを有する又はこれらを
組み合わせたセグメントを繰り返し有する親水性バイン
ダーポリマーであることが好ましく、さらにこれらの親
水性官能基と主鎖セグメントの一部にポリオキシエチレ
ン基を有する親水性バインダーポリマーは親水性が高く
より好ましい。これらに加えて親水性バインダーポリマ
ーの主鎖もしくは側鎖にウレタン結合もしくはウレア結
合を有するものは、親水性のみならず非画像部の耐刷性
も向上するので特に好ましい。
親水性バインダーポリマーの多価金属イオンによる三
次元架橋構造は、印字前後のいずれにおいて形成されて
もよく、印字前に親水性バインダーポリマーが多価金属
イオンによる三次元架橋構造を有していないものも用い
ることができるが、取扱い時の傷付け防止の観点、及び
サーマルヘッドで印字する場合、熱溶融した親水層成分
がサーマルヘッドへ付着するのを防止する観点、及び印
字後の工程簡略化の観点からは、印字前に三次元架橋構
造を形成し終えている方が好ましい。
本発明において未架橋親水性バインダーポリマーと
は、多価金属イオンとルイス塩基部分との相互作用によ
る三次元架橋構造を有していない、親水性バインダーポ
リマーを作成する前の段階のポリマーをいう。上記未架
橋親水性バインダーポリマーは、後述する種々の三次元
架橋方法による三次元架橋構造を有していてもよい。ま
た、本発明において多価金属イオンとルイス塩基部分と
の相互作用による三次元架橋構造を有していない、感熱
平版印刷原版を作成する前の段階の版を感熱平版印刷材
料という。
上記の親水性官能基の親水性バインダーポリマー中の
割合は、前述の主鎖セグメントの種類と使用する親水性
官能基の種類により、それぞれの試料について以下に記
載する方法で実験的に適宜求めればよい。すなわち、本
発明の親水性バインダーポリマーの親水性は、支持体上
に親水性バインダーポリマーあるいは未架橋親水性バイ
ンダーポリマーを含んでなる感熱平版印刷原版又は感熱
平版印刷材料を形成し、実施例に記載する方法で印刷版
の作成と印刷試験を行い、印刷用紙へのインキの付着の
有無、あるいは、印刷前後の非画像部の用紙の反射濃度
差(例えば、大日本スクリーン製造(株)製、反射濃度
計DM400で測定)で評価するか、又は水−ケロシンを用
いた水中油滴法接触角測定法(例えば、協和界面科学製
接触角計、型式CA−Aで測定)でケロシンが試料に付着
するか否かで評価する。
前者の方法で親水性を評価する場合、肉眼で観察して
インキ汚れが認められなければ可、認められれば不可と
するか、印刷前後の非画像部の用紙の反射濃度差が0.01
未満を可、0.01以上を不可とする。後者の方法で評価す
る場合、新聞印刷のように低粘度インキを使用する印刷
版向けには、試料の上記接触角が約150度より大きいこ
とが必要であり、さらには160度以上であることが好ま
しい。印刷前に練ってから使用する高粘度インキを使用
する印刷版向けには、上記接触角が約135度より大きい
ことが必要である。
本発明の親水層表面に設ける親水性ポリマー薄膜層に
用いられるポリマーとしては、親水性バインダーポリマ
ーと同種類のポリマーを使用することができるが、多価
金属イオンによる三次元架橋は必要ではないので、親水
性バインダーポリマーで必須とされる窒素、酸素もしく
は硫黄を含むルイス塩基部分は必須ではない。親水性ポ
リマー薄膜層に用いられるポリマーとしては、酸素、窒
素、硫黄及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1
種のヘテロ原子で結合された炭素原子もしくは炭素−炭
素結合から構成されるポリマー、例えば、ポリ(メタ)
アクリレート系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタ
ン系、エポキシ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル
酸系、ポリ(メタ)アクリルアミド系、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリアミン系、ポリビニル系、多糖
類系等もしくはそれらの複合系のポリマー;炭素−炭素
結合から構成されるポリマー、又は酸素、窒素、硫黄及
びリンからなる群から選ばれる少なくとも1種のヘテロ
原子で結合された炭素原子もしくは炭素−炭素結合から
構成されるポリマー、例えば、ポリ(メタ)アクリレー
ト系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタン系、エポ
キシ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポリ
(メタ)アクリルアミド系、ポリエステル系、ポリアミ
ド系、ポリアミン系、ポリビニル系、多糖類系等もしく
はそれらの複合系のポリマーであって、該構造中に水酸
基、リン酸基、スルホン酸基、ポリオキシエチレン基等
の親水性官能基を一種以上含有するポリマー;炭素−炭
素結合から構成されるポリマー、又は酸素、窒素、硫黄
及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1種のヘテ
ロ原子で結合された炭素原子もしくは炭素−炭素結合か
ら構成されるポリマー、例えば、ポリ(メタ)アクリレ
ート系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタン系、エ
ポキシ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポ
リ(メタ)アクリルアミド系、ポリエステル系、ポリア
ミド系、ポリアミン系、ポリビニル系、多糖類系等もし
くはそれらの複合系のポリマーであって、該構造中に窒
素、酸素もしくは硫黄を含むルイス塩基部分を有するポ
リマー;及び炭素−炭素結合から構成されるポリマー、
又は酸素、窒素、硫黄、リンからなるヘテロ原子の少な
くとも一種で結合された炭素原子もしくは炭素−炭素結
合から構成されるポリマー、例えばポリ(メタ)アクリ
レート系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタン系、
エポキシ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸系、
ポリ(メタ)アクリルアミド系、ポリエステル系、ポリ
アミド系、ポリアミン系、ポリビニル系、多糖類系等も
しくはそれらの複合系のポリマーであって、構造中に水
酸基、リン酸基、スルホン酸基、ポリオキシエチレン基
等の親水性官能基を一種以上含有し、更に構造中にルイ
ス塩基部分を有するポリマーが挙げられる。ただし、望
ましくは親水層との親和性・接着性や、残留する多価金
属イオン発生薬剤を化学的にトラップする効果を考慮す
ると、該親水性該バインダーポリマーと同じ種類のルイ
ス塩基部分及びリン酸基、スルホン酸基、ポリオキシエ
チレン基等の親水性官能基を有するポリマーが好まし
い。
親水性ポリマー薄膜層に用いられるポリマーの分子量
は、1000〜100万、好ましくは3000〜10万程度である。
この範囲より低い分子量では、親水層自体の脆弱化を招
き、また、この範囲より高い分子量であると、画像形成
が妨害されて所定の効果が発現しないことがある。
本発明でいうルイス塩基部分と多価金属イオンとの相
互作用を発現させる具体的態様は次の通りである。
すなわち、ルイス塩基部分を構造中に含む未架橋親水
性バインダーポリマーと、後述するような、平版印刷版
に必要な他の成分とを混合してドープを調製し、これを
支持体上に塗布、乾燥し、本発明でいう感熱平版印刷材
料を得ることができる。しかる後に、多価金属イオンを
発生せしめるような水溶液あるいは有機溶媒溶液への感
熱平版印刷材料の浸漬や、該溶液の感熱平版印刷材料へ
の塗布や噴霧によって外部より多価金属イオンを供給す
ると、多価金属イオンとルイス塩基部分との相互作用が
発現して三次元架橋が形成され、本発明でいう感熱平版
印刷原版を得ることができる。
更に該感熱平版印刷原版に親水性ポリマー薄膜層を設
ける具体的態様は次の通りである。すなわち、親水層表
面に親水性ポリマー薄膜層を設ける方法としては、親水
性ポリマーの水溶液あるいは有機溶液を親水層表面にバ
ーコータやブレードコータなどで塗布、あるいはスプレ
ーで噴霧、あるいは版を親水性ポリマー溶液に浸漬する
方法がある。水溶液あるいは有機溶液から多価金属イオ
ンを供給した直後の版の親水層は鋭利な力に対しては脆
弱になっていることもあるので、非接触的に親水性ポリ
マー薄膜層用ポリマーの液を供給することが好ましく、
この点においてはスプレー方式か浸漬方式を用いること
が好ましい。用いられる親水性ポリマーの水溶液あるい
は有機溶液の濃度としては、0.01重量%〜50重量%が好
ましく、0.1重量%〜10重量%がより好ましい。この範
囲より低い濃度では親水層表面に存在する薄膜材の量が
少なすぎて、親水層表面の保護あるいは残留多価金属イ
オン発生薬剤の化学的トラップが十分に行われない場合
がある。また、この範囲より高い濃度では、薄膜材の量
が多すぎて、画像形成を妨げることがある。本発明にお
いて、親水層表面に設ける親水性ポリマー薄膜層の厚み
は0.01〜10μmであり、好ましくは0.1〜1μmであ
る。
また、上記感熱平版印刷材料に熱モードで印字後、多
価金属イオンを発生せしめるような水溶液あるいは有機
溶液によって上記の方法で外部より多価金属イオンを供
給し、その後に親水層表面に親水性ポリマー薄膜層を設
けることにより、本発明でいう平版印刷版を得ることも
できる。
多価金属イオンを供給した後に、版面に存在する過剰
の薬剤を除去する必要があれば、適当な洗液で洗浄を行
ってもよい。洗液としては水のほかに塩酸、硫酸、硝酸
などの鉱酸の稀薄水溶液、界面活性剤稀薄溶液のほか有
機溶剤を使用することもできる。洗浄は多価金属イオン
を供給した直後に行うことが好ましい。また、親水性ポ
リマー薄膜層を設ける場合は、多価金属イオン供給ある
いは洗浄後直ちに行うことが好ましい。親水性ポリマー
薄膜層を親水層表面に設ける前に乾燥させると、外部か
らの油分付着や、残存薬剤の変質などによって汚れが発
生し、本発明の効果が十分に得られないことがある。
本発明において、上述の多価金属イオンとルイス塩基
部分との相互作用による三次元架橋方法と、後述する種
々の三次元架橋方法の一種類以上を併用してもよい。ま
た、本発明の親水性バインダーポリマーは必要に応じ、
後述する種々のその他の成分を含んでいてもよい。
本発明の多価金属イオンは、主として水溶液などの溶
液を介して感熱平版印刷材料あるいは熱モードで印字し
た感熱平版印刷材料の外部から供給される。
金属塩類は、水のほか塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸の
水溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモ
ニアなどのアルカリ水溶液などに溶解して、マグネシウ
ムイオン、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、チ
タニウムイオン、第一鉄イオン、コバルトイオン、銅イ
オン、ストロンチウムイオン、ジルコニウムイオン、第
一錫イオン、第二錫イオン、鉛イオンの金属イオンある
いは金属錯イオンの一種以上を発生せしめるものであれ
ばよく、例えば、金属塩類の具体例としては、塩化マグ
ネシウム、臭化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化
カルシウム、塩化第一鉄、臭化第一鉄、塩化コバルト、
臭化コバルト、塩化第二銅、臭化第二銅、塩化ストロン
チウム、臭化ストロンチウム、塩化第一錫、塩化第二錫
などの金属ハロゲン化物、硝酸マグネシウム、硝酸アル
ミニウム、硝酸カルシウム、硝酸第一鉄、硝酸コバル
ト、硝酸銅、硝酸ストロンチウム、硝酸鉛等の硝酸塩、
硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、硫
酸コバルト、硫酸チタン、硫酸銅等の硫酸塩、酢酸カル
シウム、酢酸ジルコニウム、酢酸銅、酢酸鉛等の酢酸塩
などの他、炭酸ジルコニウムアンモン、フェロシアン化
鉄、フェリシアン化鉄なども用いられる。中でも酢酸ジ
ルコニウム、塩化第一錫、塩化第二錫が特に好ましく用
いられる。
多価金属イオンを含む溶液の濃度は金属の種類やカウ
ンタ−アニオンの種類によって変わりうるが、塩の濃度
として好ましくは0.01〜50重量%、更に好ましくは0.2
〜20重量%である。これら多価金属イオンの供給によっ
て、該イオンと相互作用して三次元架橋構造を形成する
親水性バインダーポリマー中のルイス塩基部分の割合
は、イオン供給前に存在したルイス塩基部分の総数の10
〜100モル%、更には60〜100モル%が好ましい。
次に本発明における、多価金属イオンと親水性バイン
ダーポリマー中のルイス塩基部分の相互作用による三次
元架橋形成の具体的態様の例を述べる。
即ち、親水性バインダーポリマーとして、(メタ)ア
クリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはそのアミン塩、
イタコン酸、そのアルカリ金属塩もしくはそのアミン
塩、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリ
ルアミド、アリルアミンのようなルイス塩基部分を有す
る親水性モノマーを必須モノマーとし、更に、必要に応
じて3−ビニルプロピオン酸、そのアルカリ金属塩もし
くはそのアミン塩、ビニルスルホン酸、そのアルカリ金
属塩もしくはそのアミン塩、2−スルホエチル(メタ)
アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシポリオキシエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルア
ミンのハロゲン化水素酸塩等のスルホン酸基、リン酸
基、アミノ基の塩、水酸基又はエーテル基などの親水性
基を有する親水性モノマーから選ばれる一種以上のモノ
マーを用いて、少なくとも窒素、酸素及び硫黄から選ば
れる1種を含むルイス塩基部分を有する親水性ホモポリ
マー又はコポリマーを合成する。これに、後述するよう
な、平版印刷版に必要な他の成分を混合し、適当な溶媒
に分散及び/又は溶解してドープを調製する。また、例
えば、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイ
ン、アルギン酸誘導体のようなルイス塩基部分を含む天
然高分子に、後述するような、平版印刷版に必要な他の
成分を混合し、適当な溶媒に分散及び/又は溶解してド
ープを調製してもよい。これを、支持体上に塗布、乾燥
し、本発明でいう感熱平版印刷材料を得ることができ
る。
しかる後に、多価金属イオンを発生せしめるような水
溶液あるいは有機溶媒溶液への感熱平版印刷材料の浸漬
や、該溶液の感熱平版印刷材料への噴霧、あるいは塗工
によって外部より多価金属イオンを供給すると、多価金
属イオンとルイス塩基部分との相互作用が発現して三次
元架橋が形成され、本発明でいう感熱平版印刷原版を得
ることができる。更に、必要があれば、この親水層表面
に、親水性ポリマー薄膜用ポリマーの溶液を浸漬あるい
は噴霧などの方法で与えて親水性ポリマー薄膜層を設け
ることもできる。また、該感熱平版印刷材料に熱モード
で印字後、外部より多価金属イオンを、該イオンを発生
せしめるような水溶液又は有機溶液によって上記と同様
の方法で供給し、その後に親水層表面に親水性ポリマー
薄膜層を設けると、上記と同様の機構によって、本発明
でいう平版印刷版を得ることができる。
本発明の親水性バインダーポリマーには、これまで説
明してきた多価金属イオンとルイス塩基との相互作用に
よる三次元架橋法に加えて、以下に示すような三次元架
橋法の一種類以上を併用することもできるし、また、以
下に示すような方法で三次元架橋されたポリマーの一種
類以上を親水性バインダーポリマーとして併用してもよ
い。
即ち、カルボキシル基、アミノ基もしくはそれらの
塩、水酸基及びエポキシ基などの官能基を有する親水性
バインダーポリマーは、これらの官能基を利用して、ビ
ニル基、アリル基、(メタ)アクリル基等のエチレン性
の付加重合性不飽和基あるいはシンナモイル基、シンナ
ミリデン基、シアノシンナミリデン基,p−フェニレンジ
アクリレート基等の環形成基を導入することにより不飽
和基含有ポリマーを得ることができる。このポリマー
に、必要により、該不飽和基と共重合し得る単官能、多
官能モノマーと後述の重合開始剤と無機充填剤、及び必
要に応じて後述の滑剤とを加え、適当な溶媒に溶解し、
ドープを調製する。これを支持体上に塗布し乾燥後ある
いは乾燥を重ねて三次元架橋させる。
水酸基、アミノ基及びカルボキシル基などの活性水素
を含有する親水性バインダーポリマーは、該ポリマーを
イソシアネート化合物あるいはブロックポリイソシアネ
ート化合物及び後述の他の成分と共に活性水素非含有溶
剤中に添加してドープを調合し、支持体に塗布し乾燥後
或いは乾燥を兼ねて反応させることにより三次元架橋さ
せる。
親水性バインダーポリマーの共重合成分としてグリシ
ジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基、(メ
タ)アクリル酸などのカルボキシル基あるいはアミノ基
を有するモノマーを用いることができる。グリシジル基
を有する親水性バインダーポリマーは、架橋剤として1,
2−エタンジカルボン酸、アジピン酸などのα,ω−ア
ルカンもしくはアルケンジカルボン酸、1,2,3−プロパ
ントリカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン
酸、1,2−エタンジアミン、ジエチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、α,ω−ビス−(3−アミノプロピ
ル)−ポリエチレングリコルエーテル等のポリアミン化
合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール等のオ
リゴアルキレン又はポリアルキレングリコール、トリメ
チロールプロパン、グリセリン、ペンタエリストール、
ソルビトール等のポリヒドロキシ化合物を用い、これら
との開環反応を利用して三次元架橋することができる。
カルボキシル基又はアミノ基を有する親水性バインダ
ーポリマーは、架橋剤として、エチレン又はプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレン又はポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペ
ンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサ
ンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル等のポリエポキシ化合物を
用いたエポキシ開環反応等を利用して三次元架橋するこ
とができる。
親水性バインダーポリマーが、セルロース誘導体など
の多糖類、ポリビニルアルコールもしくはその部分鹸化
物、グリシドールホモもしくはコポリマーであるか、あ
るいはこれらを含む場合には、これらが含有する水酸基
を利用して、前述の架橋反応し得る官能基を導入し、前
述の方法により三次元架橋させることができる。
ポリオキシエチレングリコール等の水酸基をポリマー
末端に有するポリオール又はアミノ基をポリマー末端に
有するポリアミンと、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等
のポリイソシアネートとから合成した親水性ポリウレタ
ン前駆体に、エチレン付加重合性不飽和基又は環形成基
を導入して親水性バインダーポリマーとし、前述の方法
で三次元架橋を行うことができる。
上記の合成された親水性ポリウレタン前駆体が、イソ
シアネート基末端を有する場合は、グリセロールモノ
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、
N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)ア
クリル酸、桂皮酸及び桂皮アルコール等の活性水素を有
する化合物と反応させて三次元架橋する。親水性ポリウ
レタン前駆体が水酸基あるいはアミノ基末端を有する場
合は、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリ
レート及び2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレ
ートなどと反応させて三次元架橋させる。
親水性バインダーポリマーが、多塩基酸とポリオー
ル、多塩基酸とポリアミンとから形成されるポリマーで
ある場合は、それらを支持体に塗布後、加熱により三次
元架橋する。親水性バインダーポリマーが、カゼイン、
グルー、ゼラチン等である場合は、それらの水溶性コロ
イド形成化合物を加熱により三次元架橋して網目構造を
形成してもよい。
さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
及びビニルアルコールなどの水酸基含有モノマー、アリ
ルアミンから合成したホモもしくはコポリマー、部分鹸
化ポリビニルアルコール、セルロース誘導体などの多糖
類、グリシドールホモもしくはコポリマー等の、水酸基
やアミノ基を含有する親水性ポリマーと、一分子中に二
個以上の酸無水基を有する多塩基酸無水物とを反応させ
て、三次元架橋した親水性バインダーポリマーを形成す
ることもできる。この反応で用いる多塩基酸無水物とし
ては、エチレングリコール−ビス−アンヒドロ−トリメ
リテート、グリセロール−トリス−アンヒドロトリメリ
テート、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラ
ヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2
−C]フラン−1,3−ジオン、3,3′,4,4′−ジフェニル
スルホンテトラカル酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
親水性バインダーポリマーが、末端にイソシアネート
基を有するポリウレタンとポリアミン又はポリオール等
の活性水素含有化合物とから形成される場合には、それ
らの化合物と後述の他の成分とを溶剤中に溶解もしくは
分散させ、この液を支持体に塗布して溶剤を除去した
後、マイクロカプセルが破壊しない温度でキュアリング
し三次元架橋させることもできる。この場合、親水性
は、ポリウレタンもしくは活性水素含有化合物のいずれ
かもしくは両方のセグメント、又は側鎖に親水性官能基
を導入することにより付与すればよい。親水性を発現す
るセグメント、官能基は上記記載の中から適宜選択すれ
ばよい。
本発明において用いられるポリイソシアネート化合物
としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ト
リジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェ
ニルメタントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリ
イソシアネート等が挙げられる。
塗布工程前後のハンドリング時にイソシアネート基が
変化するのを防ぐことを目的として、イソシアネート基
を公知の方法でブロック化(マスク化)しておくのが好
ましい場合もある。たとえば、岩田敬治著「プラスチッ
ク材料講座ポリウレタン樹脂」、日刊工業新聞社刊
(1974)、第51−52頁、岩田敬治著「ポリウレタン樹脂
ハンドブック」、日刊工業新聞社刊(1987)、第98、41
9、423及び499頁等に記載された方法に従い、酸性亜硫
酸ナトリウム、芳香族二級アミン、三級アルコール、ア
ミド、フェノール、ラクタム、複素環化合物、ケトオキ
シム等を使用し、ブロック化することができる。中で
も、イソシアネート再生温度が低い、例えばマロン酸ジ
エチルやアセト酢酸エチルなどが好ましい。
前述の非ブロック化あるいはブロック化ポリイソシア
ネートの何れかに付加重合性不飽和基を導入し、架橋の
強化や親油性成分との反応に利用してもよい。
以上述べた中で、親水性バインダーポリマーとして
は、(メタ)アクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくは
そのアミン塩、イタコン酸、そのアルカリ金属塩もしく
はそのアミン塩、(メタ)アクリルアミド、N−モノメ
チロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール
(メタ)アクリルアミド、アリルアミンのようなルイス
塩基部分を有する親水性モノマーを必須モノマーとし、
更に、必要に応じて3−ビニルプロピオン酸、そのアル
カリ金属塩もしくはそのアミン塩、ビニルスルホン酸、
そのアルカリ金属塩もしくはそのアミン塩、2−スルホ
エチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキ
シポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、アリルアミンのハロゲン化水素酸塩等のスルホン
酸基、リン酸基、アミノ基の塩、水酸基、及びエーテル
基などの親水性基を有する親水性モノマーから選ばれる
一種以上のモノマーを用いて合成された、少なくとも窒
素、酸素及び硫黄から選ばれる1種を含むルイス塩基部
分を有する親水性ホモあるいはコポリマーを、上述のよ
うに多価金属イオンとルイス塩基部分との相互作用と、
それ以外の方法で三次元架橋させた親水性バインダーポ
リマーが好ましい。
本発明の親水性バインダーポリマーは、下記の単官能
モノマー又は多官能モノマーを併用して重合することに
より得られたものでもよい。この単官能モノマー又は多
官能モノマーとしては、具体的には、山下晋三、金子東
助編「架橋剤ハンドブック」、大成社刊(1981)、加藤
清視著「紫外線硬化システム」、総合技術センター刊
(1989)、加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料
編)」、高分子刊行会(1985)、赤松清監修「新・感光
性樹脂の実際技術」、シーエムシー、第102−145頁(19
87)等に記載されている、N,N′−メチレンビスアクリ
ルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルピ
リジン、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノネ
オペンチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピ
ロリドン、ダイアセトンアクリルアミド、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、パラスチレンスルホン酸も
しくはその塩、メトキシトリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール
(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量400)、メ
トキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート
(PPGの数平均分子量1000)、ブトキシエチル(メタ)
アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
(PEGの数平均分子量400)、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量600)、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEGの数
平均分子量1000)、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート(PEG数平均分子量400)、2,2−ビス
[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)
フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキ
シ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン又はそのアクリ
レート体、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイ
ドロジェンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキ
シエチハドロジェンサクシネート、ポリエチレン又はポ
リプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラ
メチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメ
チロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、イソボル
ニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラフル
フリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッ
ドホスフェート又はそのメタクリル体、グリセリンモノ
又はジ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロキ
シエチル)イソシアヌレート又はそのメタクリル体、N
−フェニルマレイミド、N−(メタ)アクリルオキシコ
ハク酸イミド、N−ビニルカルバゾール、ジビニルエチ
レン尿素、ジビニルプロピレン尿素等が挙げられる。
本発明の親水性バインダーポリマーにおいて、エチレ
ン性付加重合性不飽和基を用いて三次元架橋反応を行う
ときは、公知の光重合開始剤もしくは熱重合開始剤を用
いることが反応効率上好ましい。
本発明において用いられる光ラジカル重合開始剤とし
ては、ベンゾイン、ベンゾイソイソブチルエーテル、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒ
ラーケトン、キサントン、チオキサントン、クロロキサ
ントン、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、ベンジル、2,2−ジメチル−2−
ヒドロキシアセトフェノン、(2−アクリロイルオキシ
エチル)(4−ベンゾイルベンジル)ジメチル臭化アン
モニウム、(4−ベンゾイルベンジル)塩化トリメチル
アンモニウム、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロ
キシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサント
ン−9−オン−メソクロライド、1−フェニル−1,2−
プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、チ
オフェノール、2−ベンゾチアゾールチオール、2−ベ
ンゾオキサゾールチオール、2−ベンズイミダゾールチ
オール、ジフェニルスルフィド、デシルフェニルスルフ
ィド、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジベンジルスルフ
ィド、ジベンゾイルジスルフィド、ジアセチルジスルフ
ィド、ジボルニルジスルフィドジメトキシキサントゲン
ジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、
テトラメチルチウラムテトラスルフィド、ベンジルジメ
チルジチオカーバメイトキノキサリン、1,3−ジオキソ
ラン、N−ラウリルピリジニウム等が挙げられる。これ
らの中から、製造工程で用いる光源の波長領域に吸収を
持ち、ドープを調合する際使用する溶媒に溶解もしくは
分散するものを適宜選択すればよい。通常、使用する溶
媒に溶解するものが反応効率が高く好ましい。
本発明で用いられる光カチオン重合開始剤としては、
芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族
スルホニウム塩等が挙げられる。この開始剤を用いると
きは、架橋反応種としてエポキシ基も併用できる。この
場合、前述のエポキシ基含有化合物を架橋剤もしくは親
水性バインダーポリマーとして用いるか、あるいは親水
性バインダーポリマーにエポキシ基を導入すればよい。
光二量化反応により三次元架橋を行う場合には、2−
ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン等、該反応
に一般的によく知られた各種増感剤も使用できる。
上記以外にも、徳丸克巳他著「増感剤」、2章、4
章、講談社刊(1987)、加藤清視著「紫外線硬化システ
ム」総合技術センター刊、第62−147頁(1989)、ファ
インケミカル、第20巻、第4号、第16頁(1991)に記載
されている公知の重合開始剤も使用できる。
上記重合開始剤の添加量は、ドープ中の溶媒を除いた
有効成分に対し、0.01%〜20重量%の範囲で使用でき
る。0.01重量%より少ないと開始剤の効果が発揮され
ず、20%重量より多いと、活性光線の開始剤による自己
吸収のため内部への光の到達が不良となり所望する耐刷
力を発揮することができなくなることがある。実用的に
は0.1〜10重量%の範囲で、開始剤の効果と非画像部の
地汚れとのバランスで組成に応じて添加量を決定するの
が好ましい。
照射光源としては、メタルハライドランプ、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ等公知のものが使用
できる。照射光源からの熱がカプセル破壊の恐れがある
場合、冷却しながら照射を行う必要がある。
本発明で用いられる熱重合開始剤としては、過酸化ベ
ンゾイル、2,2−アゾビスイソブチルニトリル、過硫酸
塩−亜硫酸水素ナトリウム等の過酸化物、アゾ化合物、
レドックス開始剤といった公知のものが使用できる。使
用に際しては、マイクロカプセルを破壊する温度より低
温で反応させなければならない。熱重合開始剤の使用量
は、ドープ溶媒を除いた成分に対し、0.01〜10重量%の
範囲がよい。0.01重量%より少ないと硬化時間が長くな
りすぎ、10重量%より多いとドープ調合中に生じる熱重
合開始剤の分解によりゲル化が起こることがある。効果
と取扱い性を考慮すると、好ましくは、0.1〜5重量%
である。
本発明の親水性バインダーポリマーの架橋度は、使用
するセグメントの種類、会合性官能基の種類と量等によ
り異なるが、要求される耐刷性に応じ決定すればよい。
まず、多価金属イオンとの相互作用に与るルイス塩基部
分の総量は、全モノマーユニットに対して1〜100%に
なるように設定するのが好ましく、更には50〜100%が
より好ましい。また、多価金属イオンとルイス塩基部分
との相互作用以外の架橋率、即ち架橋間分子量は通常、
500〜5万の範囲で設定される。500より小さいとかえっ
て脆くなる傾向があり、耐刷性が損なわれ、5万を超え
ると湿し水で膨潤し、耐刷性が損なわれる場合もある。
耐刷性及び親水性の両者のバランスを考慮すると、800
〜3万程度が好ましく、さらには、1000〜1万程度が好
ましい。
本発明でいう微粒子とは、親水層中に微分散された親
油性のモノマー類、合成・天然樹脂等であって、熱モー
ド印字により親油性成分が溶融・拡散などによって親水
層表面に露出して画像部を形成し得るものである。本発
明で用いられる用いられる微粒子は版の状態で微分散さ
れ、微粒子状態を保持していれば、微粒子が液体である
か、固体であるかは問わない。このうち、特に親水性の
壁によって内部の親油性成分と親水層とを隔絶している
構造のものを、本発明では特にマイクロカプセル化され
た親油性成分と称する。最終的な印刷版の性能を考慮す
ると、非画像部の汚れや版の保存性の上では、親油性物
質を直接分散させた形態よりは、マイクロカプセルの方
が好ましい。
本発明の親水性バインダーポリマーは、親油性成分と
化学結合する官能基を有していることが好ましく、両者
が化学結合することによって、高い耐刷性を得ることが
できる。
親油性成分と親水性バインダーポリマーとを反応させ
るためには、後述する親油性成分の反応性官能基に合わ
せそれと反応する官能基を有するモノマーを用いて親水
性バインダーポリマーを合成することにより、目的の官
能基をポリマー中に導入するか、親水性バインダーポリ
マー合成後目的の官能基を導入すればよい。
親水性バインダーポリマーと親油性成分との反応とし
ては、反応速度の速い反応、例えば、水酸基、カルボキ
シル基もしくはアミノ基を有する親水性バインダーポリ
マーとイソシアネート基を有する親油性成分とのウレタ
ン化反応又は尿素化反応、水酸基、カルボキシル基もし
くはアミノ基を有する親水性バインダーポリマーとエポ
キシ基を有する親油性成分との反応、あるいは不飽和基
の付加重合反応が好ましい。酸無水基を有する親水性バ
インダーポリマーと水酸基、アミノ基もしくはイミノ基
を有する親油性成分との開環付加反応や、不飽和基とチ
オールとの付加反応でもよい。耐刷性を向上させるため
には、上記化学結合が三次元架橋構造をとることが好ま
しい。
本発明の親油性成分は、親水性バインダーポリマーと
反応する官能基を有していることが好ましい。この場
合、熱印字により露出した親油性成分は、該親水性バイ
ンダーポリマーと速やかに反応し化学結合されたインキ
を受容する画像部を形成する。耐刷性を向上させるため
には、親油性成分自身も架橋構造をとることが好まし
い。
合成・天然樹脂を微粒子として用いる場合、該樹脂は
予め微粒子状にした樹脂を用いてもよいし、対応する単
量体を親水層に微分散させた後に、重合させて得てもよ
い。
親油性成分の具体例としては、例えばフェニルイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジ
イソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシネート、リジンジイソシアネート、トリフェ
ニルメタントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリ
イソシアネート、トリデンジイソシアネート、ポリメチ
レン−ポリフェニルイソシアネート、ポリメリック−ポ
リイソシアネート等のイソシアネート;トリメチロール
プロパンと1,6−ヘキサンジイソシアネートあるいは2,4
−トリレンジイソシアネートのような上記ジイソシアネ
ートとの1対3モル付加体等のポリイソシアネート、2
−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのオリゴマ
ー及びポリマーなどのイソシアネート化合物;N,N′−メ
チレンビスアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモル
ホリン、ビニルピリジン、N−メチル(メタ)アクリル
アミド、N,N′−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,
N′−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N′−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N′−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N′−ジメチルアミノネオペンチル(メタ)アク
リレート、N−ビニル−2ピロリドン、ダイアセトンア
クリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルミド、
パラスチレンスルホン酸及びその塩、メトキシトリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート(PEGの数
平均分子量400)、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量1000)、ブ
トキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル
(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカン
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート(PEGの数平均分子量400)、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子
量600)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート(PEGの数平均分子量1000)、ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート(PPG数平均分子量40
0)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェ
ニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・
ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン
及びそのアクリレート体、β−(メタ)アクリロイルオ
キシエチルハイドロジェンフタレート、β−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、
ポリエチレン及びポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アク
リレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アク
リレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレ
ート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソデシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、ベン
ジル(メタ)アクリレート、モノ(2−アクリロイルオ
キシエチル)アシッドホスフェート及びそのメタクリル
体、グリセリンモノ及びジ(メタ)アクリレート、トリ
ス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート及びそ
のメタクリル体、2−イソシアナトエチル(メタ)アク
リレート等の多官能(メタ)アクリルモノマー類、これ
らと単官能(メタ)アクリレートとの組合せ、さらには
前述の親水性基を含有する(メタ)アクリレートモノマ
ーとの組合せ;N−フェニルマレイミド、N−(メタ)ア
クリルオキシコハク酸イミド、N−ビニルカルバゾー
ル、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素、
トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリル化合物、
これらと単官能アリル化合物との組合せ;さらには、水
酸基、カルボキシル基、アミノ基、ビニル基、チオール
基、エポキシ基等の反応性基をポリマー分子両末端に含
有する1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、水
添加1,2−ポリブタジエン、イソプレン等の液状ゴム;
ウレタン(メタ)アクリレート等の各種テレケリックポ
リマー;炭素−炭素不飽和基、水酸基、カルボキシル
基、アミノ基、エポキシ基含有反応性ワックス;プロピ
レングリコール−ジグリシジルエーテル、トリプロピレ
ングリコール−ジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコール−ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリ
コール−ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
ン−トリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA−
ジグリシジルエーテル等の多官能エポキシ化合物等が使
用できる。さらには、既存のPS版の画像成分として使用
されている架橋前の公知の、(メタ)アクリルコポリマ
ーやウレタンアクリレート、ジアゾ樹脂も使用できる。
また、合成・天然樹脂として、ポリアミド系、ポリエス
テル系、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル
系、アクリロニトリル系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビ
ニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリフルオロエチレン
系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリスチレン
系、ポリブタジエン系、天然ゴム系の他、シリコーン、
シリコーンアクリル、シリコーンエポキシ、シリコーン
アルキッド、シリコーンウレタンのようなシリコーン系
ポリマー等が挙げられ、必要に応じて複数種類を用いて
もよい。
親油性成分は、室温で固体状又は液体状の何れでもよ
い。室温で固体のポリイソシアネート化合物として、例
えば、トリデンジイソシアネート、4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネー
ト、ポリメチレン−ポリフェニルイソシアネート、ポリ
メリック−ポリイソシアネート等が挙げられる。
親油性成分中に含まれるエチレン性付加重合性モノマ
ー及びオリゴマーの二重結合反応を利用して、親油性成
分と親水性バインダーポリマーとを化学反応させるか、
あるいは親油性成分自身を反応させる場合は、以下の熱
重合開始剤を用いることができる。熱重合開始剤は、50
℃以下で貯蔵しても安定であるものが好ましく、60℃以
下で安定であれば、さらに好ましい。熱重合開始剤とし
て、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シク
ロヘキサノンパーオキサイド、n−ブチル4,4−ビス
(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t
−ブチルパーオキシ)ブタン、クメンハイドロパーオキ
サイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
ラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブ
チルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシア
セテートなどの過酸化物が挙げられる。
熱重合開始剤の添加方法としては、これをマイクロカ
プセル化して親油性成分のマイクロカプセル中にカプセ
ル−イン−カプセルの形で用いても良く、親水層にその
まま分散させてもよい。親油性成分の硬化は、重合反応
だけでなく、親油性成分と親水性バインダーポリマーと
の化学結合の際の反応を利用することもできる。
画像部の耐刷性向上の観点から、本発明の画像部は、
ウレタンもしくはウレア構造を有するのが好ましい。親
油性成分を印字による熱反応でウレタンもしくはウレア
構造に変えるか、親油性成分もしくは親水性バインダー
ポリマーのセグメントにあらかじめウレタンもしくはウ
レア構造を導入しておくか、の何れかの方法で実施でき
る。
親油性成分をカプセル化する場合は、例えば経営開発
センター経営教育部編「マイクロカプセル化の新技術と
その用途開発・応用実例」、経営開発センター出版部刊
(1978)記載の公知の方法に従う。たとえば、互いに溶
解し合わない二つの液体の界面で、予め各々の液体に添
加してあるリアクタントを重縮合させ、両溶媒に不溶な
ポリマー膜を形成させ、カプセル膜を作る界面重合法、
芯物質の内側又は外側のどちらか一方のみからリアクタ
ントを供給し、芯物質の周囲にポリマー壁を形成させる
in−situ法、親水性ポリマー溶液中に分散させた疎水性
物質の表面に、親水性ポリマーを相分離させ、カプセル
膜を作るコンプレックスコアセルベート法、有機溶液系
からの相分離法等によりカプセル化を行うことができ
る。中でも、界面重合法及びin−situ法が比較的多くの
芯物質のカプセル化が行いやすく好ましい。親油性成分
とは異なる材料でカプセル化を行ってもよい。生成した
カプセル中の親油性成分の形態は、原料状態と異なるも
のであってもよく、例えば、原料状態が液体であったも
のが、合成途中で印字による熱で流動しうる程度のゲル
状若しくは高粘稠性体又は固体になったり、逆に固体で
あったものが合成途中で液体になってもよい。
本発明でいうカプセル化は、室温で固体のポリイソシ
アネート化合物を微粒子化し、その微粒子表面を前記ブ
ロック化剤でブロック化することにより周囲の活性水素
と室温で反応できないようにする態様も含む。いずれに
せよ、印字の際の熱でカプセル内の親油性成分がカプセ
ル外に放出され、最初のカプセルの形態が破壊されるこ
とが必要である。例えば、カプセル壁の膨張、圧縮、溶
融又は化学分解により、親油成分が放出されたり、カプ
セルの該壁材が膨張することにより密度が低下し親油性
成分が壁材層を透過して放出される。
カプセルの外殻表面は、マイクロカプセルが親水層に
含有された状態で印刷した際に、非画像部の地汚れが発
生しなければ特に限定されるものではないが、親水性で
あることが好ましい。マイクロカプセルのサイズは、平
均10μm以下、高解像力の用途には平均5μm以下が好
ましい。カプセル全体に対する親油性成分の割合が低す
ぎると画像形成効率が低下するので平均0.01μm以上で
あることが好ましい。
上述のようなマイクロカプセルとして、例えば、特願
平08−181937号に示されているような、油性成分を水溶
性アルギン酸又はその誘導体の存在下で乳化し、次いで
界面重合法によって得られるマイクロカプセルや、特願
平08−180480号に示されているような、マイクロカプセ
ルの壁材が付加重合性官能基を有するポリマーであるマ
イクロカプセルや、特願平08−326548号に示されている
ような、カプセル内包物分散系にラジカル重合性モノマ
ーを加え、非水溶性酸化剤/水溶性還元剤あるいは水溶
性酸化剤/非水溶性還元剤の組み合わせからなるレドッ
クス開始剤を用いて開始されるin−situ重合法で得られ
るマイクロカプセル等を挙げることができる。
マイクロカプセル化された親油性成分の使用量は、印
刷用途毎に必要とされる耐刷性に応じて決めればよい。
通常は、マイクロカプセル/親水性バインダーポリマー
重量比率が1/20〜200/1の範囲、感度、耐刷性の観点か
らは、1/15〜100/1の範囲で使用量を選択するのが好ま
しい。
本発明の親水層には、他の成分として、カプセルの熱
破壊促進、親油性成分と該成分と反応する官能基を有す
る反応物質との反応促進、親油性成分と親水性バインダ
ーポリマーとの反応促進を目的として、さらに増感剤を
添加することができる。この添加により、印字感度の高
感度化、耐刷性の向上及び高速製版が可能となる。かか
る増感剤として、例えばニトロセルロース等の自己酸化
性物質、置換されたシクロプロパン、キュバン等の高歪
み化合物がある。
親油性成分の重合反応触媒も増感剤として使用するこ
とができる。そのような触媒として、例えば、親油性成
分の反応がイソシアネート基の反応であれば、ジブチル
チンジラウレート、塩化第二スズ、アミン化合物等のウ
レタン化触媒、エポキシ基の開環反応であれば第四級ア
ンモニウム塩等の開環触媒を挙げることができる。増感
剤は、ドープ調合時に添加する方法、親油性成分のマイ
クロカプセル化の際に同時に包含させる方法、あるいは
支持体と親水層の中間にバインダー樹脂と一緒に設ける
方法がある。その使用量は、用いる増感剤の効果、非画
像部の耐刷性等の観点から決めればよい。
レーザー印字の場合、用いるレーザーの発光波長領域
に吸収帯を有する光−熱変換物質をさらに使用すること
もできる。かかる物質としては、例えば、松岡賢著「JO
EM ハンドブック2 アブソープション スペクトル
オブ ダイズ フォー ダイオード レイザーズ」、ぶ
んしん出版(1990)、シーエムシー編集部「90年代 機
能性色素の開発と市場動向」シーエムシー(1990)第2
章2.3に記載されている、ポリメチン系色素(シアニン
色素)、フタロシアニン系色素、ジチオール金属錯塩系
色素、ナフトキノン、アントラキノン系色素、トリフェ
ニルメタン系色素、アミニウム、ジインモニウム系色
素、アゾ系分散染料、インドアニリン金属錯体色素、分
子間型CT色素等の染料、顔料及び色素が挙げられ、具体
的には、N−[4−[5−(4−ジメチルアミノ−2−
メチルフェニル)−2,4−ペンタジエニリデン]−3−
メチル−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−
N,N−ジメチルアンモニウムアセテート、N−[4−
[5−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−フェニル
−2−ペンテン−4−イン−1−イリデン]−2,5−シ
クロヘキサジエン−1−イリデン]−N,N−ジメチルア
ンモニウム パークロレート、N,N−ビス(4−ジブチ
ルアミノフェニル)−N−[4−[N,N−ビス(4−ジ
ブチルアミノフェニル)アミノ]フェニル]−アミニウ
ム ヘキサフルオロアンチモネート、5−アミノ−2,3
−ジシアノ−8−(4−エトキシフェニルアミノ)−1,
4−ナフトキノン、N′−シアノ−N−(4−ジエチル
アミノ−2−メチルフェニル)−1,4−ナフトキノンジ
イミン、4,11−ジアミノ−2−(3−メトキシブチル)
−1−オキソ−3−チオキソピロロ[3,4−b]アント
ラセン−5,10−ジオン、5,16(5H,16H)−ジアザ−2−
ブチルアミノ−10,11−ジチアジナフト[2,3−a:2′
3′−c]−ナフタレン−1,4−ジオン、ビス(ジクロ
ロベンゼン−1,2−ジチオール)ニッケル(2:1)テトラ
ブチルアンモニウム、テトラクロロフタロシアニン ア
ルミニウムクロライド、ポリビニルカルバゾール−2,3
−ジシアノ−5−ニトロ−1,4−ナフトキノン錯体等が
挙げられる。
マイクロカプセルの熱破壊を促進する目的で、親油性
成分と共に加熱されると気化又は体積膨張しやすい物質
を、カプセル中に親油性成分と共に入れることができ
る。例えば、シクロヘキサン、ジイソプロピルエーテ
ル、エチルアセテート、エチルメチルケトン、テトラハ
イドロフラン、t−ブタノール、イソプロパノール、1,
1,1−トリクロロエタンといった沸点が室温より十分高
く、60〜100℃付近にある炭化水素、ハロゲン化炭化水
素、アルコール、エーテル、エステル、ケトン化合物が
挙げられる。
印字部のみが発色する公知の感熱色素を親油性成分と
併用し、印字部の可視化を計ることは、検版を行いやす
いという観点から好ましい。例えば、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオランとビスフェノ
ールAなどのロイコ染料及び粉砕した顕色剤の組合せ等
がある。大河原信他編「色素ハンドブック」、講談社刊
(1986)等の成書に開示されている感熱色素が使用でき
る。
親水性バインダーポリマーとは別に、親油性成分の架
橋度を高めるために親油性成分と反応する官能基を有す
る反応性物質を用いることができる。その添加量は、親
水性バインダーポリマーの撥インキ性、親水性の程度に
従い、地汚れを引き起こさない程度の量とする。かかる
反応性物質として、例えば、親油性成分の架橋反応がウ
レタン生成反応であれば、水酸基、アミノ基、カルボキ
シル基を複数個有する化合物、例えばポリビニルアルコ
ール、ポリアミン、ポリアクリル酸、トリメチロールプ
ロパン等が挙げられる。
親水性の調整を目的として、使用する親水性バインダ
ーポリマー及び親油性成分と反応しない非反応性親水性
ポリマーを耐刷性を損なわない範囲で親水層に添加して
もよい。
サーマルヘッドで印字を行う場合、加熱により生ずる
溶融物がサーマルヘッドに付着するのを防止する目的
で、溶融物の吸収剤として、炭酸カルシウム、シリカ、
酸化亜鉛、酸化チタン、カオリン、焼成カオリン、加水
ハロイサイト、アルミナゾル、ケイソウ土、タルク等公
知の化合物を添加することができる。さらに、版の滑り
性向上、版と版とを重ねたときの密着防止を兼ね、ステ
アリン酸、ミリスチン酸、ジラウリルチオジプロピオネ
ート、ステアリン酸アミド、ステアリン酸亜鉛等の常温
固体の滑剤を親水層に少量添加することができる。
本発明に使用される支持体は、印刷分野に要求される
性能とコストを勘案して公知の材料から選択すればよ
い。多色刷りといった高寸法精度が要求される場合、又
は版胴への装着方式が金属支持体に合わせてでき上がっ
ている印刷機で用いる場合には、アルミニウム、スチー
ル製等の金属支持体を用いることが好ましい。多色印刷
を行わずに高耐刷性が要求される場合は、ポリエステル
等のプラスチック支持体、さらに低コストが要求される
分野には、紙、合成紙、防水樹脂ラミネート或いはコー
ト紙支持体が使用できる。また、紙やプラスチックシー
ト上にアルミ層を蒸着もしくはラミネートなどの手法で
設けた複合支持体なども使用することができる。支持体
と接触する材料との接着性向上のために支持体自身の表
面処理を施したものを使用してもよい。プラスチックシ
ートの場合は、コロナ放電処理、ブラスト処理等を好ま
しい方法として挙げることができる。アルミニウムの場
合は、小久保定次郎著「アルミニウムの表面処理」(19
75年内田老鶴圃新社)、大門淑男著「PS版の製版印刷技
術」(1976年日本印刷)、米沢輝彦「PS版概論」(1993
年印刷学会出版部)等の公知文献に記載の方法を用い
て、脱脂・表面粗面化処理や、脱脂・電解研磨・陽極酸
化処理等を施したものを使用することが好ましい。
耐刷力等必要に応じ支持体の上に接着剤層を設けるこ
とができる。一般的に高耐刷性を必要とする場合は、接
着剤層を設ける。接着剤は親水層成分と使用する支持体
に合わせて選択・設計する必要がある。山田章三郎監
「接着・粘着の事典」、朝倉書店刊(1986)、日本接着
協会編「接着ハンドブック」日本工業新聞社刊(1980)
等に記載のアクリル系、ウレタン系、セルロース系、エ
ポキシ系、アリルアミン系等の接着剤が使用できる。
本発明の感熱平版印刷原版は、以下の方法で製造する
ことができる。上述の成分をその種類、親水性バインダ
ーポリマーの架橋方法に従って選択した溶媒と共にペイ
ントシェーカー、ボールミル、超音波ホモジナイザー等
でよく分散させ、得られた塗布液(ドープ)をドクター
ブレード法、バーコート法、ロールコート法、ダイコー
ト法等公知の方法で支持体上に塗布し乾燥することによ
り感熱平版印刷材料を得る。
溶媒としては、水、エタノール、イソプロパノール、
n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、ジエチレングリコールジエチ
ルエテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テト
ラハイドロフラン、ジエチレングリコール等のエーテル
類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ヘキサン、デカ
リン等の脂肪族炭化水素、ジメチルフォルムアミド、ジ
メチルスルフォキシド、アセトニトリル又はこれらの混
合溶剤を使用することができる。
さらに必要に応じ、親水性バインダーポリマーを三次
元架橋させるためにマイクロカプセルが破壊する温度よ
り低温で追加の加熱或いは紫外線照射を行う。
親水性ポリマー薄膜層を含まない塗膜の厚には、0.1
μm〜100μmの間で任意に設定すればよい。通常は性
能とコストの関係から1〜10μmの厚みが好ましい。
その後に多価金属イオンを発生せしめるような水溶液
あるいは有機溶液へこの得られた感熱平版印刷材料を浸
漬する、又は該水溶液あるいは有機溶液を感熱平版印刷
材料に塗布あるいは噴霧することによって多価金属イオ
ンを供給して、多価金属イオンとルイス塩基部分との相
互作用による三次元架橋を形成し、その後に親水性ポリ
マー薄膜用ポリマーの溶液に浸漬、塗布あるいは噴霧す
ることによって親水層表面に親水性ポリマー薄膜を形成
して、本発明の感熱平版印刷原版を得ることができる。
表面平滑性を高める必要があれば、塗布・乾燥後、若し
くは親水性バインダーポリマーの三次元架橋化反応後
に、カレンダー処理を行えばよい。特に高度の平滑性が
必要であれば、塗布・乾燥後にカレンダー処理を行うの
が好ましい。
本発明の感熱平版印刷原版を製版するには、電子組版
機、DTP、ワードプロセッサー、パーソナルコンピュー
タ等で作製・編集された文書・画像をサーマルヘッド、
熱モードのレーザーで描画・印字するだけでよく、現像
工程は一切行なうことなく製版が完了する。印字後、カ
プセルが破壊しない温度で加温(ポストキュアー)する
ことにより、又は版全面に活性光線を照射することによ
り、画像部の架橋度を高めることができる。後者の方法
を実行する場合、親水層中に前述の光重合開始剤や光カ
チオン重合開始剤とそれによって反応が進む官能基を有
する化合物とを併用するか、又は親油性成分に該官能基
を導入することが必要である。該開始剤、官能基を有す
る化合物は前述のもののほか、例えば、加藤清視著「紫
外線硬化システム」、総合技術センター刊(1989)、加
藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」、高分
子刊行会(1985)等の成書に記載の公知のものも使用し
うる。
また、本発明においては、感熱平版印刷材料に上記方
法で印字を行い、その後に多価金属イオンを供給して多
価金属イオンとルイス塩基部分との相互作用による三次
元架橋を形成し、さらに親水層表面上に親水性ポリマー
薄膜を設けて製版を行うこともできる。
以上のようにして得られた平版印刷版は、市販のオフ
セット印刷機にセットし通常の方法で印刷に用いること
ができる。印刷する際、必要ならば平版印刷版に通常の
エッチング処理を施してから印刷することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。な
お、文中、部、%と記してあるのは特に断りのない限
り、それぞれ重量部、重量%である。
実施例1 (1) マイクロカプセル化した親油性成分の作成 トリレンジイソシアネート3モル/トリメチロールプ
ロパン1モル付加物(コロネートL、日本ポリウレタン
工業(株)製、25重量%酢酸エチル含有物)1.26部、近
赤外線吸収色素(日本化薬(株)製 KayasorbIR−820
B)0.3部をグリシジルメタクリレート7.2g中に均一に溶
解させて油性成分を調製した。次いで、精製水120gに、
アルギン酸プロピレングリコールエステル(ダックロイ
ドLF、紀文フードケミファ(株)製、数平均分子量:2×
105)2部、ポリエチレングリコール(PEG 400、三洋
化成(株)製)0.86部を混合した水相を調製した。続い
て、上記油性成分と水相とをホモジナイザーを用いて60
00rpmで室温下で混合し乳化した後、60℃で3時間反応
させて平均粒径1.8μmのマイクロカプセルを得た。
(2) 感熱平版印刷原版の作成 陽極酸化を施したアルミニウム板(厚さ0.24cm、310m
m×458mm)上に、ポリアクリル酸(ジュリマーAC10MP、
日本純薬(株)製、数平均分子量:8×104)の10重量%
水溶液:20.0部、(1)で作成したマイクロカプセル化
した親油性成分:80.0部、アルギン酸プロピレングリコ
ールエステル(ダックロイドLF、紀文フードケミファ
(株)製)の3重量%水溶液:300部の割合で配合し調製
したドープをバーコーター(ロッド16番)で塗布し、一
晩室温で風乾し感熱平版印刷材料を得た。感熱平版印刷
材料の厚みは4.2μmであった。次に、この版を塩化第
二錫五水和物(東京化成(株)製)の5%水溶液1.5リ
ットル中に3分間浸漬後、精製水(和光純薬(株)製)
1リットルを用いて1分間水洗した。更に、これをポリ
アクリル酸(ジュリマーAC10P、日本純薬(株)製、数
平均分子量:5×103)の0.5%水溶液中に1分間浸漬した
後、垂直に立てて24時間室温で風乾して感熱平版印刷原
版を作成した。親水性ポリマー薄膜層の厚みは0.2μm
であった。なお、親水性ポリマー薄膜層の厚みは、フィ
ルム厚み測定機((株)セイコー製「計太郎」)で測定
した感熱平版印刷材料と感熱平版印刷原版の厚みの差か
ら求めた。
(3)平版印刷版の作成及び印刷 (2)で作成した感熱平版印刷原版に、電子組版装置
と接続した、1W半導体レーザー素子搭載の印字装置で印
刷画像を熱印字し、次いで版全面をケミカルランプで6J
/cm2照射した。この版をトリミングし、オフセット印刷
機(ハマダ印刷機械株式会社製、HAMADA611XL)に装着
し、上質紙に印刷した(用いたインキは大日本インキ工
業(株)製のGEOS−Gを、湿し水は富士写真フィルム
(株)製のEU−3を100倍希釈したものを用いた)。2
万部の印刷を経ても地汚れがなく、画像部も鮮明に印刷
を行うことができた。印刷前後の非画像部の用紙反射濃
度を反射濃度計(DM400、大日本スクリーン製造(株)
製)で測定したところ、両者の差(ΔOD)は、0.00で目
視でも汚れを認めなかった。また、ベタ画像部の反射濃
度(OD)は1.2であった。また、感熱層の剥離は観測さ
れなかった。これらの結果を表1に示す。
実施例2 実施例1のポリアクリル酸(AC10MP)をポリアクリル
アミド(数平均分子量:3×105)に代えた他は、実施例
1と同様にして印刷版の作成と印刷評価を行った。結果
を表1に示す。また、感熱平版印刷材料の厚みは4.5μ
m、親水性ポリマー薄膜層の厚みは0.2μmであった。
実施例3 実施例1の塩化第二錫五水和物を酢酸ジルコニウムに
代えた他は、実施例1と同様にして印刷版の作成と印刷
評価を行った。結果を表1に示す。また、感熱平版印刷
材料の厚みは4.3μm、親水性ポリマー薄膜層の厚みは
0.2μmであった。
実施例4 実施例1の塩化第二錫五水和物を硫酸第一鉄に代えた
他は、実施例1と同様にして印刷版の作成と印刷評価を
行った。結果を表1に示す。また、感熱平版印刷材料の
厚みは4.2μm、親水性ポリマー薄膜層の厚みは0.2μm
であった。
実施例5 (1)親水性バインダーポリマーの合成 セパラブルフラスコ中にアクリル酸248.5部、トルエ
ン2000部を計量して投入し、室温で攪拌しながらアゾビ
スイソブチロニトリル(以下、AIBNと略記する)。2.49
部をトルエン24.9部に溶解したものを徐々に滴下し加え
た。その後、反応液を60℃に昇温し3時間攪拌した。生
成して沈殿した重合体を濾過し、トルエン約2リットル
で洗浄し、80度で大凡乾燥した後、さらに恒量になるま
で真空乾燥し、一次ポリマー235部を得た(GPC法による
数平均分子量:6×104)。次いで、セパラブルフラスコ
中に蒸留水355部中に、一次ポリマー35.5部を溶解させ
た。乾燥空気をフラスコに流しながら、グリシジルメタ
クリレート2.84部と2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール(以下、BHTと略記する。)0.1部とトリエチルベン
ジルアンモニウムクロライド1部とからなる液を滴下ロ
ートからフラスコ内を攪拌しながら30分間かけて添加し
た。添加終了後、徐々に昇温し80℃で1時間攪拌した時
点で所定の酸価になった。内容物を冷却し、アセトン中
でポリマーを単離し、さらにアセトンでポリマーを揉み
洗いした。その後、室温で真空乾燥し付加重合性不飽和
基含有ポリマーを得た(NMR法による付加重合性不飽和
基導入率:2.2%)。
(2) 感熱平版印刷原版の作成 実施例1と同様に、陽極酸化を施したアルミニウム板
(厚さ0.24cm、310mm×458mm)上に、(1)で合成した
親水性バインダーポリマーの10%水溶液:20.0部、実施
例1の(1)で作成したマイクロカプセル化した親油性
成分:80.0部、アルギン酸プロピレングリコールエステ
ル(ダックロイドLF、紀文フードケミファ(株)製)の
3重量%水溶液:300部、(2−アクリロイルオキシエチ
ル)(4−ベンゾイルベンジル)ジメチル臭化アンモニ
ウム2%水溶液:1部の割合で配合し調製したドープをバ
ーコーター(ロッド16番)で塗布し、一晩室温で風乾し
感熱平版印刷材料を得た。感熱平版印刷材料厚みは4.1
μmであった。次に、この版を塩化第二錫五水和物(東
京化成(株)製)の5%水溶液1.5リットル中に3分間
浸漬後、精製水(和光純薬(株)製)1リットルを用い
て1分間水洗した。更に、これをポリアクリル酸(ジュ
リマーAC10P、日本純薬(株)製)の0.5%水溶液中に1
分間浸漬した後、垂直に立てて24時間室温で風乾して感
熱平版印刷原版を作成した。親水性ポリマー薄膜層の厚
みは0.2μmであった。
(3)平版印刷版の作成及び印刷 (2)で作成した平版印刷材料を用い、実施例1と同
様にして平版印刷版の作成と印刷評価を行った。結果を
表1に示す。
実施例6 実施例5のポリアクリル酸(AC10P)をポリアクリル
酸(AC10MP、数平均分子量:8×104)に代えた他は、実
施例5と同様にして印刷版の作成と印刷評価を行った。
結果を表1に示す。また、感熱平版印刷材料の厚みは4.
3μm、親水性ポリマー薄膜層の厚みは0.3μmであっ
た。
実施例7 実施例5のポリアクリル酸(AC10P)をポリアクリル
アミド(数平均分子量:1×104)に代えた他は、実施例
5と同様にして印刷版の作成と印刷評価を行った。結果
を表1に示す。また、感熱平版印刷材料の厚みは4.2μ
m、親水性ポリマー薄膜層の厚みは0.3μmであった。
実施例8 実施例5のポリアクリル酸(AC10P)をポリアリルア
ミン(数平均分子量:1×104)に代えた他は、実施例5
と同様にして印刷版の作成と印刷評価を行った。結果を
表1に示す。また、感熱平版印刷材料の厚みは4.3μ
m、親水性ポリマー薄膜層の厚みは0.2μmであった。
実施例9 (1)感熱平版印刷材料の作成 実施例1と同様に、陽極酸化を施したアルミニウム板
(厚さ0.24cm、310mm×458mm)上に、ポリアクリル酸
(ジュリマーAC10MP、日本純薬(株)製)の10重量%水
溶液:20.0部、(1)で作成したマイクロカプセル化し
た親油性成分:80.0部、アルギン酸プロピレングリコー
ルエステル(ダックロイドLF、紀文フードケミファ
(株)製)の3重量%水溶液:300部の割合で配合し調製
したドープをバーコーター(ロッド16番)で塗布し、一
晩室温で風乾した。感熱平版印刷材料の厚みは4.2μm
であった。
(2)平版印刷版の作成及び印刷評価 (1)で作成した感熱平版印刷材料に、電子組版装置
と接続した、1W半導体レーザー素子搭載の印字装置で印
刷画像を熱印字し、次いで版全面をケミカルランプで6J
/cm2照射して印刷版を作成した。次に、この版を塩化第
二錫五水和物(東京化成(株)製)の5%水溶液1.5リ
ットル中に3分間浸漬後、精製水(和光純薬(株)製)
1リットルを用いて1分間水洗した。更に、これをポリ
アクリル酸(ジュリマーAC10P、日本純薬(株)製)の
0.5%水溶液中に1分間浸漬した後、垂直に立てて24時
間室温で風乾して平版印刷版を作成した。親水性ポリマ
ー薄膜層の厚みは0.2μmであった。これを用いて実施
例1と同様に印刷評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1 実施例1において、塩化第二錫五水和物5%水溶液へ
の浸漬、水洗、ポリアクリル酸水溶液(AC10P)への浸
漬、乾燥を行わなかった他は実施例1と同様にして塗
布、製版、印刷を行った。感熱平版印刷材料の厚みは4.
1μmであった。その結果、印刷100部程度で塗布層が剥
離する現象が見られた。結果を表1に示す。
比較例2 実施例1において、塩化第二錫五水和物5%水溶液の
代わりに炭酸ナトリウム5%水溶液を用いた他は、実施
例1と同様に塗布、製版、印刷を行った。感熱平版印刷
材料の厚みは4.2μm、親水性ポリマー薄膜層の厚みは
0.2μmであった。その結果、印刷100部程度で塗布層が
剥離する現象が観測された。結果を表1に示す。
産業上の利用の可能性 本発明においては、親水層の親水性バインダーポリマ
ーが、多価金属イオンとバインダーポリマー中のルイス
塩基部分と強く相互作用して三次元架橋しているため、
地汚れの極めて少ない平版印刷版、及びその製造可能な
平版印刷原版を提供することができる。本発明の感熱平
版印刷原版は、その非画像部が主として親水性ポリマー
で形成されているため、本発明の製版工程では現像が不
要であることから、現像液の管理、廃液の処理といった
作業を必要とせず、作業効率、コスパクト削減を図るこ
とが可能になる。また、製版装置もコントにすることが
でき、装置価格も低く設計できることから、本発明は産
業上大いに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/14 B41C 1/055 501

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多価金属イオンを含んでおり窒素、酸素又
    は硫黄を含むルイス塩基部分を有している親水性バイン
    ダーポリマーを含み、かつ熱モードで印字された親油性
    の画像部及び親水性の非画像部を有する記録層、及び支
    持体を含む平版印刷版において、親水性の非画像部の親
    水性バインダーポリマーが、該多価金属イオンと該ルイ
    ス塩基部分との相互作用によって三次元架橋している平
    版印刷版。
  2. 【請求項2】熱により画像部に転換する微粒子と、多価
    金属イオンを含んでおり窒素、酸素又は硫黄を含むルイ
    ス塩基部分を有している親水性バインダーポリマーとを
    含む親水層、及び支持体を含む感熱平版印刷原版であっ
    て、該親水性バインダーポリマーが、該多価金属イオン
    と該ルイス塩基部分との相互作用によって三次元架橋し
    ている上記感熱平版印刷原版に熱モードで印字を行い、
    該親水層に親油性の画像部を形成することからなる請求
    項1記載の平版印刷版の製造方法。
  3. 【請求項3】熱により画像部に転換する微粒子と、多価
    金属イオンを含んでおり窒素、酸素又は硫黄を含むルイ
    ス塩基部分を有している親水性バインダーポリマーとを
    含む親水層、及び支持体を含む感熱平版印刷原版であっ
    て、該親水性バインダーポリマーが、該多価金属イオン
    と、該ルイス塩基部分との相互作用によって三次元架橋
    している感熱平版印刷原版。
  4. 【請求項4】親水性バインダーポリマーが、微粒子成分
    と化学結合する官能基を有しており、微粒子成分が上記
    親水性バインダーポリマーと化学結合する官能基を有し
    ている請求項3記載の感熱平版印刷原版。
  5. 【請求項5】微粒子が、マイクロカプセル化された親油
    性物質である請求項3又は4記載の感熱平版印刷原版。
  6. 【請求項6】親水層の表面に親水性ポリマー薄膜層を有
    する請求項3、4又は5記載の感熱平版印刷原版。
  7. 【請求項7】多価金属イオンが、マグネシウムイオン、
    アルミニウムイオン、カルシウムイオン、チタニウムイ
    オン、第一鉄イオン、コバルトイオン、銅イオン、スト
    ロンチウムイオン、ジルコニウムイオン、第一錫イオ
    ン、第二錫イオン及び鉛イオンからなる群から選ばれる
    少なくとも一種である請求項3、4、5又は6記載の感
    熱平版印刷原版。
  8. 【請求項8】窒素、酸素又は硫黄を含むルイス塩基部分
    が、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミ
    ノ基、トリアルキルアミノ基、イソウレイド基、イソチ
    オウレイド基、イミダゾリル基、イミノ基、ウレイド
    基、エピイミノ基、ウレイレン基、オキサモイル基、オ
    キサロ基、オキサロアセト基、カルバゾイル基、カルバ
    ゾリル基、カルバモイル基、カルボキシル基、カルボキ
    シラト基、カルボイミドイル基、カルボノヒドラジド
    基、キノリル基、グアニジノ基、スルファモイル基、ス
    ルフィナモイル基、スルホアミノ基、セミカルバジド
    基、セミカルバゾノ基、チオウレイド基、チオカルバモ
    イル基、トリアザノ基、トリアゼノ基、ヒドラジノ基、
    ヒドラゾ基、ヒドラゾノ基、ヒドロキシアミノ基、ヒド
    ロキシイミノ基、含窒素複素環、ホルムアミド基、ホル
    ムイミドイル基、3−モルホリニル基及びモルホリノ基
    からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項
    3、4、5、6又は7記載の感熱平版印刷原版。
  9. 【請求項9】親水性バインダーポリマーが、炭素−炭素
    結合から構成されるポリマー、又は酸素、窒素、硫黄及
    びリンからなる群から選ばれる少なくとも1種のヘテロ
    原子で結合された炭素原子若しくは炭素−炭素結合から
    構成されるポリマーであって、かつそのポリマーの構造
    中に多価金属イオンと相互作用しうる、又は相互作用し
    ている窒素、酸素又は硫黄を含むルイス塩基部分を有す
    る上記ポリマー;及びこのポリマーの構造中に、更にリ
    ン酸基、スルホン酸基又はこれらの塩、水酸基及びポリ
    オキシエチレン基からなる群から選ばれた少なくとも1
    種の親水性官能基を含有する上記ポリマーからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種である請求項3、4、5、
    6、7又は8記載の感熱平版印刷原版。
  10. 【請求項10】親水性ポリマー薄膜層に用いられるポリ
    マーが、酸素、窒素、硫黄及びリンからなる群から選ば
    れる少なくとも1種のヘテロ原子で結合された炭素原子
    又は炭素−炭素結合から構成されるポリマー、炭素−炭
    素結合又は酸素、窒素、硫黄及びリンからなる群から選
    ばれる少なくとも1種のヘテロ原子で結合された炭素原
    子又は炭素−炭素結合から構成され、構造中にリン酸
    基、スルホン酸基又はこれらの塩、水酸基及びポリオキ
    シエチレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種の
    親水性官能基を含有するポリマー、炭素−炭素結合又は
    酸素、窒素、硫黄及びリンからなる群から選ばれる少な
    くとも1種のヘテロ原子で結合された炭素原子又は炭素
    −炭素結合から構成され、構造中に窒素、酸素又は硫黄
    を含むルイス塩基部分を有するポリマー、及びこのルイ
    ス塩基部分を有するポリマーの構造中に更にリン酸基、
    スルホン酸基又はこれらの塩、水酸基及びポリオキシエ
    チレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種の親水
    性官能基を含有するポリマーからなる群から選ばれる少
    なくとも1種である請求項6、7、8又は9記載の感熱
    平版印刷原版。
  11. 【請求項11】親水性バインダーポリマーが、(メタ)
    アクリル酸、イタコン酸、及びそれらのアルカリ金属塩
    若しくはアミン塩、(メタ)アクリルアミド、N−モノ
    メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール
    (メタ)アクリルアミド及びアリルアミン及びその鉱酸
    塩からなる群から選ばれた少なくとも一種類を含むモノ
    マーを用いて合成されたポリマーであり、多価金属イオ
    ンが、第一鉄イオン、ジルコニウムイオン及び第二錫イ
    オンからなる群から選ばれた少なくとも一種である請求
    項3、4、5、6、7、8、9又は10記載の感熱平版印
    刷原版。
  12. 【請求項12】親水性ポリマー薄膜層に用いられるポリ
    マーが、(メタ)アクリル酸、イタコン酸及びそれらの
    アルカリ金属塩若しくはアミン塩、(メタ)アクリルア
    ミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N
    −ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミン
    及びその鉱酸塩、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミ
    ド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそれらのアルカ
    リ金属塩若しくはアミン塩、2−スルホエチルメタクリ
    レート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)ア
    クリレート及びアシッドホスホオキシポリオキシエチレ
    ングリコールモノ(メタ)アクリレートからなる群から
    選ばれる少なくとも一種類を用いて合成されたポリマー
    である請求項6、7、8、9、10又は11記載の感熱平版
    印刷原版。
  13. 【請求項13】熱により画像部に転換する微粒子と、窒
    素、酸素又は硫黄を含むルイス塩基部分を有する未架橋
    の親水性バインダーポリマーとを含む親水層と支持体と
    を含む感熱平版印刷材料に熱モードで印字を行い、親油
    性の画像部を形成し、その後、外部から供給される多価
    金属イオンと上記ルイス塩基部分との相互作用によって
    非画像部の親水性バインダーポリマーを三次元架橋させ
    ることからなる請求項1記載の平版印刷版の製造方法。
  14. 【請求項14】熱により画像部に転換する微粒子と、親
    水性バインダーポリマーとを含む親水層、及び支持体を
    含む感熱平版印刷材料であって、該親水性バインダーポ
    リマーが、窒素、酸素又は硫黄を含むルイス塩基部分を
    有している未架橋親水性バインダーポリマーである感熱
    平版印刷材料。
  15. 【請求項15】親水性バインダーポリマーが、微粒子成
    分と化学結合する官能基を有しており、微粒子成分が上
    記親水性バインダーポリマーと化学結合する官能基を有
    している請求項14記載の感熱平版印刷材料。
  16. 【請求項16】微粒子が、マイクロカプセル化された親
    油性物質である請求項14又は15記載の感熱平版印刷材
    料。
  17. 【請求項17】窒素、酸素又は硫黄を含むルイス塩基部
    分が、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルア
    ミノ基、トリアルキルアミノ基、イソウレイド基、イソ
    チオウレイド基、イミダゾリル基、イミノ基、ウレイド
    基、エピイミノ基、ウレイレン基、オキサモイル基、オ
    キサロ基、オキサロアセト基、カルバゾイル基、カルバ
    ゾリル基、カルバモイル基、カルボキシル基、カルボキ
    シラト基、カルボイミドイル基、カルボノヒドラジド
    基、キノリル基、グアニジノ基、スルファモイル基、ス
    ルフィナモイル基、スルホアミノ基、セミカルバジド
    基、セミカルバゾノ基、チオウレイド基、チオカルバモ
    イル基、トリアザノ基、トリアゼノ基、ヒドラジノ基、
    ヒドラゾ基、ヒドラゾノ基、ヒドロキシアミノ基、ヒド
    ロキシイミノ基、含窒素複素環、ホルムアミド基、ホル
    ムイミドイル基、3−モルホリニル基及びモルホリノ基
    からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1
    4、15又は16記載の感熱平版印刷材料。
  18. 【請求項18】親水性バインダーポリマーが、炭素−炭
    素結合から構成されるポリマー、又は酸素、窒素、硫黄
    及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1種のヘテ
    ロ原子で結合された炭素原子若しくは炭素−炭素結合か
    ら構成されるポリマーであって、かつそのポリマーの構
    造中に多価金属イオンと相互作用しうる、又は相互作用
    している窒素、酸素又は硫黄を含むルイス塩基部分を有
    する上記ポリマー;及びこのポリマーの構造中に、更に
    リン酸基、スルホン酸基又はこれらの塩、水酸基及びポ
    リオキシエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1
    種の親水性官能基を含有する上記ポリマーからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種である請求項14、15、16又は
    17記載の感熱平版印刷材料。
  19. 【請求項19】親水性ポリマー薄膜層に用いられるポリ
    マーが、酸素、窒素、硫黄及びリンからなる群から選ば
    れる少なくとも1種のヘテロ原子で結合された炭素原子
    又は炭素−炭素結合から構成されるポリマー、炭素−炭
    素結合又は酸素、窒素、硫黄及びリンからなる群から選
    ばれる少なくとも1種のヘテロ原子で結合された炭素原
    子又は炭素−炭素結合から構成され、構造中にリン酸
    基、スルホン酸基又はこれらの塩、水酸基及びポリオキ
    シエチレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の
    親水性官能基を含有するポリマー、炭素−炭素結合又は
    酸素、窒素、硫黄及びリンからなる群から選ばれる少な
    くとも1種のヘテロ原子で結合された炭素原子又は炭素
    −炭素結合から構成され、構造中に窒素、酸素又は硫黄
    を含むルイス塩基部分を有するポリマー、及びこのルイ
    ス塩基部分を有するポリマーの構造中に更にリン酸基、
    スルホン酸基又はこれらの塩、水酸基及びポリオキシエ
    チレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水
    性官能基を含有するポリマーからなる群から選ばれる少
    なくとも1種である請求項14、15、16、17又は18記載の
    感熱平版印刷材料。
  20. 【請求項20】親水性バインダーポリマーが、(メタ)
    アクリル酸、イタコン酸、及びそれらのアルカリ金属塩
    若しくはアミン塩、(メタ)アクリルアミド、N−モノ
    メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール
    (メタ)アクリルアミド及びアリルアミン及びその鉱酸
    塩からなる群から選ばれる少なくとも一種類を含むモノ
    マーを用いて合成されたポリマーである請求項14、15、
    16、17、18又は19記載の感熱平版印刷材料。
  21. 【請求項21】親水性ポリマー薄膜層に用いられるポリ
    マーが、(メタ)アクリル酸、イタコン酸及びそれらの
    アルカリ金属塩若しくはアミン塩、(メタ)アクリルア
    ミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N
    −ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミン
    及びその鉱酸塩、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミ
    ド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそれらのアルカ
    リ金属塩若しくはアミン塩、2−スルホエチルメタクリ
    レート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)ア
    クリレート及びアシッドホスホオキシポリオキシエチレ
    ングリコールモノ(メタ)アクリレートからなる群から
    選ばれる少なくとも一種類を用いて合成されたポリマー
    である請求項17、18、19又は20記載の感熱平版印刷材
    料。
  22. 【請求項22】多価金属イオンと窒素、酸素又は硫黄を
    含むルイス塩基部分を有している親水性バインダーポリ
    マーとの相互作用が、金属ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸
    塩、酢酸塩、炭酸ジルコニウムアンモン、フェロシアン
    化鉄、及びフェリシアン化鉄からなる群から選ばれる金
    属塩の溶液を用いることによって形成される請求項2記
    載の平版印刷版の製造方法。
  23. 【請求項23】外部から供給される多価金属イオンと塩
    基部分を有する未架橋の親水性バインダーポリマーとの
    相互作用が、金属ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸
    塩、炭酸ジルコニウムアンモン、フェロシアン化鉄、及
    びフェリシアン化鉄からなる群から選ばれる金属塩の溶
    液を用いることによって形成される請求項13記載の平版
    印刷版の製造方法。
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