JP3839552B2 - 印刷現像感光性平版印刷版及びその製版方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷現像感光性平版印刷版及びその製版方法に関する。更に詳しくは、本発明はアルカリ現像処理を要することなく、光硬化感光性画像を形成させることが可能な新規な印刷現像感光性平版印刷版及びその製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の感光性平版印刷版は、親水化処理された支持体上に、ジアゾ樹脂、光架橋性ポリマー、光重合性組成物等のネガ型感光性層或いは、ベンゾキノンジアジド、ナフトキノンジアジド等のポジ型感光性層を塗設し、必要に応じて、この感光性層上に酸素バリヤー層としてポリビニルアルコール層を形成した構成とされている。
【0003】
このような感光性平版印刷版に感光性画像を形成(製版)するには、該印刷版を画像様に露光した後、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ剤又はジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリ剤を含有するアルカリ現像液を用い、この現像液に印刷版を浸漬し、ブラシ等の物理的刺激を加えて、ネガ型感光性層の場合には感光性層の未露光部分を、また、ポジ型感光性層の場合はその露光部分をそれぞれ溶解して除去することにより、支持体上に感光性画像を得る。
【0004】
このようにして、画像形成された印刷版の表面に、親油性の印刷インクと印刷湿し水とのエマルジョンよりなるインク液を供給すると、露出した親水性支持体表面と感光性画像の親水性との差により、感光性画像上に印刷インクが、また、露出した親水性の支持体表面上に水が選択的に付着し、印刷インク画像が形成される。この印刷インク画像を受像紙へ転写することにより印刷物を得ることができる。
【0005】
上記の製版工程で使用されるアルカリ現像液は、均一な画像を得るために、通常自動現像装置に対して10〜20L(リットル)を要す。一般には、アルカリ現像液の使用量を抑えるために、同じ現像液が多数枚の感光性平版印刷版の現像に繰り返し使用される。繰り返し使用されたアルカリ現像液は経時により、液中に溶解した感光性層組成物及び空気中の酸素により劣化し、現像不良を生じやすくなる。このアルカリ現像液の劣化を抑制するためには、高濃度のアルカリ現像液を追加補充するための煩雑な作業が必要となる。そして、このような高濃度アルカリ現像液の補充を行っても、通常の製版工場では、数週間に1回の割合で新液と入れ替える必要があった。
【0006】
新液の入れ替えに際しては、使用済みアルカリ現像液の廃液が排出されるが、近年、海洋環境保護の観点から、使用済みアルカリ現像液の海洋投棄処理が困難となっており、使用済みアルカリ現像液の処分は長い間印刷技術分野における重要な課題となっている。
【0007】
このような理由から、アルカリ現像液による現像を必要としない感光性平版印刷版の開発が進められてきたが、従来のものは、いずれも、親油性画像領域と親水性非画像領域との間の識別度が十分でなく、その結果、印刷時の画像品質が劣る;親油性画像領域の耐久性が十分でなく、長期の印刷運転が不可能である;或いは、親水性画像形成層は容易に引っ掻き傷が付き、すり減り易い;などの欠点があった。
【0008】
このような問題を解決するものとして、特開平8−48020号公報には、多孔質親水性表面を有する支持体上に、親油性、放射線吸収性、感熱性の画像形成層を設けた感光性平版印刷版を用い、次のような方法で平版印刷版を製版する技術が記載されている。
【0009】
(1) この感光性平版印刷版を画像様に露光し、露光領域に熱を発生せしめ露光領域の画像形成層と支持体との接着性を強化した後、非露光部分の画像形成層を剥離除去し、多孔質親水性表面を露出させる。
【0010】
(2) 画像形成層を有する転写シートと印刷版支持体を密着させた状態で、赤外光を画像形成層に照射して吸収させ、熱に変化させ、画像形成層を転写シートから印刷版支持体に転写させる。或いは、予め印刷版支持体上に設けた感光性平版印刷版の画像性成層に同様に光を照射して熱に変化させ、画像形成層と印刷版支持体との接着性を強化した後、未露光部分の画像形成層を剥離除去する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
印刷版支持体上に設けられた画像形成層の支持体への接着性を露光による熱の作用により強化し、未露光部分を除去する感光性平版印刷版の製版方法では、印刷版の支持体としてアルミニウム等の熱伝導率の高いものを使用した際、露光で発生した熱が、効率よく拡散するため、画像形成層未露光部分と露光部分との熱による支持体への接着強度の差が小さく、このため感度不足を起こし易いという欠点がある。
【0012】
また、従来の感光性平版印刷版は親水性の支持体部分が露出しているため、該平版印刷版の搬送、又は、印刷機上への装着時に、この露出している親水性部分上に搬送ローラーや指などが接触することにより、当該部分が汚染され、これが原因となって、印刷時の印刷物の画像上の汚れとなり易い。このため、従来においては、このような汚れの付着の防止及び非画像部の親水性の保持のために、親水性のポリマー水溶液を印刷版上に塗布、乾燥させて保護層を設ける工程が必要となっている。
【0013】
本発明は上記従来の問題点を解決し、アルカリ現像液を必要とせず、紫外から近赤外の光に対して良好な感度を示す感光性平版印刷版を提供することを目的とする。
【0014】
本発明はまた、印刷インクに対するインク着肉性、耐印刷性等の印刷性に優れた感光性平版印刷版を提供することを目的とする。
【0015】
本発明は更に、印刷に到るまで印刷版の非画像部分が保護されている平版印刷版を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の印刷現像感光性平版印刷版は、親水化処理された支持体上に、付加重合可能なエチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物及び光重合開始系を含有する親油性の感光性層を設けてなる印刷現像感光性平版印刷版であって、ガムテープによる剥離強度測定方法で求めたガムテープの支持体からの剥離強度が500g/cm以下であることを特徴とする。
【0017】
この印刷現像感光性平版印刷版において、ガムテープによる剥離強度測定方法で求めた露光前の感光性層の支持体からの剥離強度は好ましくは0.5〜200g/cmであり、露光後の感光性層の支持体からの剥離強度は好ましくは200g/cmである。
【0018】
このような印刷現像感光性平版印刷版であれば、本発明の方法に従って、印刷インクの粘着性又はカバーシートの粘着性を利用して、感光性層の未露光部分をブランケットローラーのローラー表面又はカバーシート側へ転写することにより容易に除去することができ、アルカリ現像液を用いることなく、また、印刷に到るまで支持体の親水性表面を感光性層の未露光部分で保護することにより、容易に鮮明な画像を形成することができる。
【0019】
本発明の印刷現像感光性平版印刷版の製版方法は、本発明の印刷現像感光性平版印刷版の感光性層を紫外〜近赤外の光により画像露光して画像様に該感光性層を光硬化させた後、感光性層の未露光部分を支持体から除去して光硬化感光性画像を形成する製版方法であって、画像露光後の印刷現像感光性平版印刷版を印刷機の版胴に装着し、該印刷現像感光性平版印刷版の感光性層上に印刷インクを供給してブランケットローラーのローラー表面に該インクを転写する際に、該インクと共に前記未露光部分をインクの粘着性を利用してブランケットローラーのローラー表面に転写することにより、該未露光部分を支持体から除去することを特徴とする。
【0020】
また、本発明においては、本発明の印刷現像感光性平版印刷版の画像露光前又は画像露光後に、該印刷現像感光性平版印刷版の感光性層上にカバーシートを設け、画像露光後に該カバーシートを感光性層から剥離する際に、該カバーシートの接着性を利用して前記未露光部分をカバーシート側に転写することにより、前記未露光部分を支持体から除去するようにしても良い。
【0021】
この場合、画像露光後に該カバーシートを感光性層から剥離することにより、前記未露光部分の一部、好ましくは0.1〜50重量%が支持体側に残留するように支持体から除去し、その後、該印刷現像感光性平版印刷版を印刷機の版胴に装着し、該印刷現像感光性平版印刷版の感光性層上に印刷インクを供給してブランケットローラーのローラー表面に該インクを転写する際に、該インクと共に前記未露光部分の残部をインクの粘着性を利用してブランケットローラーのローラー表面に転写することが好ましい。
【0022】
なお、本発明において、親水化処理された支持体(「親水性支持体」と称す)の表面接着性を示すガムテープによる剥離強度(「支持体のガムテープ剥離強度」と称す)は図1(a)に示す如く、支持体1の表面にガムテープ(SLIONTEC社製SLION TAPE)3を25℃、5kg/cm2 、50cm/分で圧着した後、支持体1を固定台2の上に固定し、ガムテープ3と支持体1が180°の方向に、毎分30cmで離れるようにガムテープ3を引っ張る際に必要な力Fをガムテープの幅で割って得られる線張力(g/cm)を表わす。また、親水性支持体への感光性層の付着強度を示すガムテープ剥離強度(「感光性層の支持体からのガムテープ剥離強度」と称する)は図1(b)に示す如く、支持体1の表面に感光性層1A及び3μm厚さのポリビニルアルコール層1Bを順次積層形成し、ポリビニルアルコール層1Bの表面に、ガムテープ(SLIONTEC社製SLION TAPE)3を25℃,5kg/cm2 ,50cm/分で圧着した後、支持体1を固定台2の上に固定し、ガムテープ3に付着したポリビニルアルコール層1B及び感光性層1Aと支持体1が180°の方向に、毎分30cmで離れるようにガムテープ3を引っ張る際に必要な力Fをガムテープの幅で割って得られる線張力(g/cm)を表わす。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
本発明で用いられる親水性支持体は、印刷時に供給される湿し水により表面が水の薄膜でおおわれた状態(ウェット状態)になり、エマルジョン状態の印刷インクと接触した際に、親油性のインク粒子の付着を防ぎ印刷物上の非画像部を形成させる機能と、印刷時において、該親水化表面上に塗布された感光性層が印刷時の印刷インクとの粘着力により容易にブランケット胴上に転写除去される機能とを有する。
【0025】
このような機能を発現する親水性支持体としては、前記のガムテープ剥離強度測定方法にて求められた該支持体からガムテープを剥離するときのガムテープ剥離強度が500g/cm以下であることが必要である。
【0026】
更に、該親水性支持体から未露光の感光性層を剥離するときのガムテープ剥離強度が0.5〜200g/cm、特に1〜150g/cm、とりわけ2〜100g/cm、更には10〜100g/cmであり、露光後の感光性層を剥離するときのガムテープ剥離強度が150kg/cm以上、特に200kg/cmより大であることが好ましい。
【0027】
より具体的には、本発明に係る親水性支持体としては、次の▲1▼又は▲2▼が挙げられる。
【0028】
▲1▼ アルミニウム板(以下「アルミ板」と称す。)の表面を各種の方法で粗面化(砂目立て)及び陽極電解処理等により親水化処理したアルミ板
▲2▼ 紙,合成紙,コート紙,アート紙等の各種の紙板、アルミ板,銅板,鉄板,ステンレス板等の金属板、木板,ポリエチレンテレフタレートシート,ポリプロピレンシート,ポリエチレンシート等のプラスチック板等からなる寸法安定性に優れた支持体の上に、親水性、或いは、水膨潤性の親水性ポリマー層を設けたもの
▲1▼のアルミ板の砂目立ては、支持体上に形成される感光性層の接着性を改良し、印刷版の非画像領域の水受容特性を向上させるために行われる。この砂目立ては印刷版の性能と耐久性との両方に影響を及ぼし、砂目立ての品質は印刷版の全体的品質を決定する重要な要因となる。ピットの無い微細で均一な砂目を形成することにより、得られる印刷版に本質的に良好な印刷性能を与えることとなる。
【0029】
このような砂目立て方法としては、機械的及び電気的砂目立て方法がよく知られており、平版印刷版の製造で広く用いられている。電気化学砂目立て又は電気化学粗立て(roughening)と称される電解砂目立てを用いることによって良好な結果を得ることができる。
【0030】
平版印刷版の製造用としては数多くの電解砂目立て方法が既に提案されており、例えば、米国特許第3,755,116号、同第3,887,447号、同第3,935,080号、同第4,087,341号、同第4,201,836号、同第4,272,342号、同第4,294,672号、同第4,301,229号、同第4,396,468号、同第4,427,500号、同第4,468,295号、同第4,476,006号、同第4,482,434号、同第4,545,875号、同第4,548,683号、同第4,564,429号、同第4,581,996号、同第4,618,405号、同第4,735,696号、同第4,897,168号及び同第4,919,774号に記載されている。
【0031】
砂目立て後の陽極電解処理としては、硫酸又はリン酸等の酸を用いる陽極酸化処理が行われ、この陽極酸化処理後は好ましくは熱ケイ酸塩化(silication)又は電気ケイ酸塩化処理等の表面親水化処理が実施される。
【0032】
陽極酸化処理では、アルミ板の表面に対して0.3g/m2 以上、特に0.5〜10g/m2 の陽極酸化被膜を形成するのが好ましい。この陽極酸化被膜は多孔質であり、その孔径は陽極酸化処理条件に依存し、広範囲の値を取り得るが、一般的には約5〜1000Å、好ましくは10〜500Åである。
【0033】
アルミ板の陽極酸化処理及びケイ酸塩化処理による表面親水化処理方法としては、既に広く知られている。
【0034】
例えば、平版印刷版の陽極酸化処理方法に関する特許としては、米国特許第2,594,289号、同第2,703,781号、同第3,227,639号、同第3,511,661号、同第3,804,731号、同第3,915,811号、同第3,988,217号、同第4,022,670号、同第4,115,211号、同第4,229,266号及び同第4,647,346号がある。
【0035】
表面親水化処理で用いられる被覆材料としては、上記ケイ酸塩の他、ポリビニルホスホン酸、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ジルコン酸塩、チタン酸塩を用いることができ、このような表面親水化処理に関する特許としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3220,832号、同第3,265,504号、同第3276,868号、同第3,549,365号、同第4,090,880号、同第4,153,461号、同第4,376,914号、同第4,383,987号、同第4,399,021号、同第4,427,765号、同第4,427,766号、同第4,448,647号、同第4,452,674号、同第4,458,005号、同第4,492,616号、同第4,578,156号、同第4,689,272号、同第4,935,332号及びヨーロッパ特許第190,643号がある。
【0036】
なお、このようにして得られる親水化処理アルミ板の厚さは、0.1〜1mm、特に0.15〜0.5mm、とりわけ0.15〜0.4mmであることが好ましい。
【0037】
前記▲2▼の各種支持体上に親水性ポリマー層を設ける場合、この親水性ポリマー層中には、親水性を保つために、必要に応じて架橋剤等で硬化させた親水性バインダーポリマーを、親水性ポリマー層の全固形分に対して5〜100重量%、好ましくは20〜95重量%、より好ましくは40〜90重量%で含有させることができる。
【0038】
ここで、親水性バインダーポリマーとは、炭素−炭素結合から構成されたポリマーに側鎖として、カルボキシル基、アミノ基、リン酸基、スルフォン酸基、又はこれらの塩、水酸基、アミド基、ポリオキシエチレン基等の親水性官能基を1種類以上かつ複数個含有する網目化されたポリマー、或いは、炭素原子、炭素−炭素結合の何れかが、少なくとも1種以上の酸素、窒素、硫黄、リンからなるヘテロ原子で連結されたポリマー若しくはその側鎖にカルボキシル基、アミノ基、リン酸基、スルフォン酸基、又はこれらの塩、水酸基、アミド基、ポリオキシエチレン基等の親水性官能基を1種類以上かつ複数個含有するポリマーであり、具体的には、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタン系、エポキシ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポリ(メタ)アクリルアミド系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアミン系、ポリビニル系、多糖類系或いはセルロース誘導体系等のポリマーが例示される。これらのうち、セグメント側鎖に水酸基、カルボキシル基又はそのアルカリ金属塩、アミノ基又はそのハロゲン化水素塩、スルホン酸基又はそのアミン、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミド基のいずれか1種又は2種以上を組み合わせたものを繰り返し有するもの、更にこれらの親水性官能基と主鎖セグメントの一部にポリオキシエチレン基を重ね有するものは、親水性が高いことから好ましい。更に、親水性バインダーポリマーの主鎖若しくは側鎖にウレタン結合若しくはウレア結合を有するものは、親水性のみならず非画像部の耐刷性も高く、より一層好ましい。
【0039】
以下に、本発明の親水性バインダーポリマーを含む親水性ポリマー層について、より具体的に説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を示し、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」を示す。また、本発明に係る親水性バインダーポリマーは必要に応じ、後述する種々のその他の成分を含んでいてもよい。
【0040】
本発明に係る親水性バインダーポリマーを含む親水性ポリマー層を形成するには、例えば、まず、(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカリ,アミン塩、イタコン酸若しくはそのアルカリ、アミン塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、3−ビニルプロピオン酸若しくはそのアルカリ,アミン塩、ビニルスルホン酸若しくはそのアルカリ,アミン塩、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルアミン若しくはそのハロゲン化水酸塩等の水酸基、カルボキシル基或いはその塩、スルホン酸基或いはその塩、リン酸或いはその塩、アミド基、アミノ基、エーテル基といった親水性基を有する親水性モノマーの中から選ばれる少なくとも1種を用いて親水性ホモ若しくはコポリマーを合成する。
【0041】
水酸基、カルボキシル基、アミノ基或いはその塩、エポキシ基といった官能基を有する親水性バインダーポリマーは、これらの官能基を利用し、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基等のエチレン付加重合性不飽和基或いはシンナモイル基、シンナミリデン基、シアノシンナミリデン基、p−フェニレンジアクリレート基等の環形成基を導入した不飽和基含有ポリマーを得る。これに、必要により、該不飽和基と共重合し得る単官能、多官能モノマーと後述の重合開始剤と後述の他の成分とを加え、適当な溶媒に溶解し、塗布液を調製する。これを支持体上に塗布し、乾燥後或いは乾燥を兼ねて三次元架橋させる。
【0042】
水酸基、アミノ基、カルボキシル基といった活性水素を含有する親水性バインダーポリマーは、イソシアネート化合物或いはブロックポリイソシアネート化合物及び後述の他の成分と共に、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等の活性水素非含有溶剤中に添加して塗布液を調製し、これを支持体上に塗布し乾燥後或いは乾燥を兼ねて三次元架橋させる。
【0043】
なお、親水性バインダーポリマーの共重合成分にグリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を有するモノマーを併用することができるが、このような共重合成分を用いた、グリシジル基を有する親水性バインダーポリマーは、架橋剤として、1,2−エタンジカルボン酸、アジピン酸といったα,X−アルカン若しくはアルケンジカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、1,2−エタンジアミン、ジエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、α,X−ビス−(3−アミノプロピル)−ポリエチレングリコールエーテル等のポリアミン化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のオリゴアルキレン又はポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等のポリヒドロキシ化合物を用い、これらとの開環反応を利用して三次元架橋できる。
【0044】
カルボキシル基、アミノ基を有する親水性バインダーポリマーは、架橋剤として、エチレン又はプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレン又はポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等のポリエポキシ化合物を用いたエポキシ開環反応等を利用して三次元架橋することができる。
【0045】
セルロース誘導体などの多糖類やポリビニルアルコール或いはその部分鹸化物、グリシドールホモ若しくはコポリマー若しくはこれらをベースとした親水性バインダーポリマーは、これらが含有する水酸基を利用し、前述の架橋反応し得る官能基を導入し、前述の方法で三次元架橋することができる。
【0046】
ポリオキシエチレングリコール等の水酸基又はアミノ基をポリマー末端に含有するポリオール或いはポリアミンと2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成した親水性ポリウレタン前駆体に、エチレン付加重合性不飽和基或いは環形成基を導入したポリマーを用い前述の方法で三次元架橋できる。
【0047】
ここで、合成された親水性ポリウレタン前駆体が、イソシアネート基末端を有する場合は、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、桂皮酸、桂皮アルコール等の活性水素を有する化合物と反応させ、水酸基或いはアミノ基末端を有する場合は、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなどと反応させる。
【0048】
更に、多塩基酸とポリオールや多塩基酸とポリアミンとを塗布後、加熱により三次元架橋させたり、カゼイン、グルー、ゼラチン等の水溶性コロイド形成化合物を加熱により三次元架橋させて網目構造を有する親水性バインダーポリマーを形成してもよい。
【0049】
その他、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルアルコールといった水酸基含有モノマーやアリルアミンから合成したホモ若しくはコポリマー、部分鹸化ポリビニルアルコール、セルロース誘導体といった多糖類、グリシドールホモ若しくはコポリマー等の、水酸基、アミノ基含有親水性ポリマーと一分子中に2個以上の酸無水基を有する多塩基酸無水物との反応で三次元架橋した親水性バインダーポリマーを形成する方法もある。
【0050】
ここで、多塩基酸無水物としては、エチレングリコール ビス アンヒドロ トリメリテート、グリセロール トリス アンヒドロトリメリテート、1,3,3a,4,5,9b ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト〔1,2−C〕フラン−1,3−ジオン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物等が例示される。
【0051】
末端にイソシアネート基を残したポリウレタンとポリアミン或いはポリオール等の活性水素含有化合物と後述の他の成分とを溶剤中に溶解若しくは分散させ支持体に塗布して溶剤を除去した後、マイクロカプセルが破壊しない温度でキュアリングし三次元架橋させることもできる。この場合、親水性はポリウレタン若しくは活性水素含有化合物のいずれか若しくは両方のセグメント、側鎖に親水性官能基を導入することにより付与すればよい。親水性を発現するセグメント、官能基としては上述のものの中から適宜選択すればよい。
【0052】
ここで、使用することのできるポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等が例示できる。
【0053】
塗布工程前後のハンドリング時に、イソシアネート基が変化するのを防ぐことを目的に、イソシアネート基を公知の方法でブロック化(マスク化)しておくのが好ましい場合もある。この場合には、例えば、岩田敬治著「プラスチック材料講座▲2▼ポリウレタン樹脂」日刊工業新聞社刊(1974)、頁51−52、岩田敬治著「ポリウレタン樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(1987)、頁98、419、423、499等に従い、酸性亜硫酸ナトリウム、芳香族2級アミン、3級アルコール、アミド、フェノール、ラクタム、複素環化合物、ケトオキシム等のマスク剤が使用できる。これらのうち、特にイソシアネート再生温度が低温であって親水性のものが好ましく、例えば酸性亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0054】
前述の非ブロック化或いはブロック化ポリイソシアネートの何れかに付加重合性不飽和基を導入し、架橋の強化や親油性成分との反応に利用してもよい。架橋間平均分子量等架橋度の程度は、使用するセグメントの種類、会合性官能基の種類と量等により異なるが、要求される耐刷性に応じ決めていけばよい。通常、架橋間平均分子量は500〜5万の範囲で設定される。この値が500より短いとかえって脆くなる傾向があり、5万より長いと湿し水で膨潤し耐刷性が損なわれるので好ましくない場合もある。耐刷性、親水性のバランス上、架橋間平均分子量は800〜3万、特に1000〜1万程度が実用的である。
【0055】
本発明の親水性バインダーポリマーには、また、下記の単官能モノマー、多官能モノマーを併用してもよい。
【0056】
即ち、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981)、加藤清視著「紫外線硬化システム」総合技術センター刊(1989)、加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会(1985)、赤松清監修「新・感光性樹脂の実際技術」シーエムシー、頁102−114(1987)等に記載されているN,N’−メチレンビスアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルピリジン、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノネオペンチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、ダイアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、パラスチレンスルホン酸とその塩、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量400)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量1000)、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量400)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量600)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量1000)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量400)、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン又はそのアクリレート体、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジエンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジエンサクシネート、ポリエチレン又はポリフェニレングリコールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、イソボルニア(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート又はそのメタクリル体、グリセリンモノ又はジ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート又はそのメタクリル体、N−フェニルマレイミド、N−(メタ)アクリルオキシコハク酸イミド、N−ビニルカルバゾール、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素等である。
【0057】
また、本発明に用いられる親水性ポリマー層中には、湿し水の保水性を向上させる目的で、粒径10〜40nmのコロイダルシリカ、粒径10〜100nmのコロイダルアルミナ、酢酸、ギ酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、イタコン酸等のカルボン酸或いはカルボン酸塩等の単独若しくは、それらの混合物を親水性ポリマー層の全固形分に対して、0〜90重量%、好ましくは0〜80重量%の配合率で含有させることができる。
【0058】
更にまた、この親水性ポリマー層中には、感光性層の塗布性を向上させる目的で、適当な界面活性剤を、親水性ポリマー層塗布溶液の全固形分に対して、0.01〜10重量%の配合率で含有させることができる。
【0059】
本発明に用いられる親水性ポリマー層の膜厚は、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜50μm、より好ましくは0.5〜20μmである。なお、このような親水性ポリマー層を形成する前記▲2▼の各種支持体の板厚は25μm〜1mm、特に50〜500μm、とりわけ50〜300μmであることが好ましい。
【0060】
次に、本発明において親水性支持体上に形成される感光性層に含有される付加重合可能なエチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物(以下「エチレン性化合物」と称す。)について説明する。
【0061】
このエチレン性化合物は、光重合開始系の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性不飽和結合を有する単量体であり(なお、本発明における単量体の意味するところは、いわゆる高分子体に相対する概念であって、従って、狭義の単量体以外にも二量体、三量体、オリゴマーをも包含する。)、親水性支持体の表面の凹凸ないし孔の中に入り込み露光における光硬化により、感光性層と親水性支持体との接着性を強化させると共に、印刷時の物理的刺激に耐える高い膜強度を有する感光性層を与え、一方で、光硬化前においては、親水性支持体に対する付着性が比較的小さく、本発明で規定されたガムテープ剥離強度となり、従って、感光性層の未露光部分においては、印刷時の印刷インクの粘着性により、容易にブランケットローラー表面に転写され、親水性支持体上から除去されて、該支持体の親水性表面を露出させることができるものであることが要求される。
【0062】
更に、このエチレン性化合物には、未露光の感光性層を親水性支持体上から剥離する際のガムテープ剥離強度が0.5〜200g/cm、好ましくは1〜150g/cm、より好ましくは2〜100g/cm、更に好ましくは10〜100g/cmに調整された感光性層を光露光した時に、光露光部分の光硬化感光性層の支持体からのガムテープ剥離強度が、150g/cm以上、好ましくは200g/cmより大きくなる機能が望まれる。
【0063】
また、上記未露光感光性層のガムテープ剥離強度が著しく低いと感光性平版印刷版を取り扱っている時に、感光性層の親水性支持体からの剥離が起こり、反対に、著しく高いと、現像時の抜け不良(非画像部分の残膜の発生)が生じる。
【0064】
また、更に、露光部分の親水性支持体の剥離強度が著しく低いと感度が低下し、著しい場合には光硬化画像が形成されなくなる。
【0065】
従って、上記の要求特性を満足する目的で、本発明においては、エチレン性化合物として、次のような特定構造のウレタン骨格を有するエチレン性化合物、リン酸と(メタ)アクリロイル基含有化合物のエステル化物、或いはヒドロキシ(モノ/又はポリ)アルキレンオキシ(メタ)アクリレートの1種又は2種以上を用いることが好ましい(なお、以下において、これらの3種のエチレン性化合物を「特定エチレン性化合物」と称す。)。
【0066】
ウレタン骨格を有するエチレン性化合物としては、分子内にウレタン骨格を有することに特徴があり、支持体との高い付着性と高い膜強度を発現する機能を有する。なかでも、下記一般式(I)で表される部分構造を有するものが好ましく用いられる。
【0067】
【化1】
Figure 0003839552
【0068】
(一般式(I)中、Y1 及びY2 はそれぞれ独立してアクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。xは0〜2の整数を示し、yは0〜3の整数を示し、zは0〜3の整数を示す。但しy+z−x=1である。また、A3 は炭素数1〜3のアルキレン基又は直接結合を示す。)
一般式(I)で示される部分構造を有する化合物としては、通常は有機ジイソシアネート化合物又はその3量体と、(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応によって得られるウレタン化合物が用いられる。
【0069】
ここで、有機ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。また、これらの有機ジイソシアネート化合物又はその3量体と反応させる(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物としては、下記一般式(II)で示されるものが挙げられる。
【0070】
【化2】
Figure 0003839552
【0071】
(式中、x,z,y,A3 は前記一般式(I)におけるものと同義である。)
このような(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物としては次のものが例示される。
【0072】
【化3】
Figure 0003839552
【0073】
上記した有機ジイソシアネート化合物又はその3量体と、(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応によって得られるウレタン化合物の代表的なものを、下記の一般式(III) 〜(VI)に示す。
【0074】
【化4】
Figure 0003839552
【0075】
【化5】
Figure 0003839552
【0076】
【化6】
Figure 0003839552
【0077】
本発明に用いられるウレタン骨格を有するエチレン性化合物の好適例としては、以下の化合物E−1〜E−11が挙げられる。
【0078】
【化7】
Figure 0003839552
【0079】
【化8】
Figure 0003839552
【0080】
【化9】
Figure 0003839552
【0081】
【化10】
Figure 0003839552
【0082】
これらのウレタン骨格を有するエチレン性化合物は、その1種を単独で或いは2種以上を混合して使用され、通常、感光性層の全固形分に対して10〜90重量%、好ましくは20〜70重量%用いられる。この配合割合が10重量%より少ないと、耐刷力の低下を起こし、90重量%より多いと、未露光感光性層のブランケットローラーへの転写性の低下を起こし易く、いずれの場合も好ましくない。
【0083】
また、特定エチレン性化合物のうちの(メタ)アクリロイル基含有化合物のリン酸エステル化物としては、リン酸と(メタ)アクリロイル基含有化合物のエステル化物であれば特に限定されないが、具体的には下記一般式(VII) で示される化合物が挙げられ、このような化合物は、感度、耐刷力の向上と共に、印刷時の未露光部分のブランケットローラーへの転写性を高める上で有効である。
【0084】
【化11】
Figure 0003839552
【0085】
一般式(VII) で表される化合物のうち、特に、nが1〜10であるものが耐刷力及び非画線部の抜け性を改善する点で好ましい。一般式(VII) で表わされる化合物の好ましい具体例としては、メタアクリロキシエチルフォスフェート、ビス(メタアクリロキシエチル)フォスフェート等が挙げられる。
【0086】
このようなリン酸エステル化合物はその1種を単独で或いは2種以上を混合して使用され、その含有量は、通常、感光性層の全固形分の0.1〜30重量%、好ましくは0.2〜25重量%である。この割合が0.1重量%より少ないと、支持体に対する接着性、未露光感光性層の転写性に劣り、30重量%より多いと感度が悪くなる恐れがある。
【0087】
また、特定エチレン性化合物としてのヒドロキシ(モノ/又はポリ)アルキレンオキシ(メタ)アクリレートは、接着性、感度、未露光感光性層の転写性を高める機能を有し、その構造としては、下記一般式(VIII)で表わされるものが好ましい。
【0088】
【化12】
Figure 0003839552
【0089】
(一般式(VIII)中、R9 は水素原子又はメチル基を示し、A6 はハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜6の分岐していても良いアルキレン基を示し、pは2以上の整数を示す。)
上記一般式(VIII)において、A6 は炭素数2〜4の分岐していてもよいアルキレン基であることが好ましく、該アルキレン基がハロゲンで置換されている場合は置換基は塩素原子であることが好ましい。より好ましくは、A6 は非置換で炭素数2又は3の分岐していても良いアルキレン基、即ち、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート又はポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が好ましい。また、一般式(VIII)において、pは2以上の整数であれば問題ないが、特に、pが5〜50であることが支持体に対する接着性、感度、現像性の点で最もバランスが良く、好ましい。
【0090】
このようなヒドロキシ(モノ/又はポリ)アルキレンオキシ(メタ)アクリレートは1種を単独で、或いは2種以上を混合して使用され、その含有量は、特に限定されないが、通常、感光性層の全固形分に対して0.1〜30重量%であり、好ましくは0.2〜25重量%、より好ましくは0.3〜20重量%である。この配合割合が0.1重量%より少ないと、支持体に対する接着性、未露光感光性層の転写性に劣り、30重量%より多くなると感度が悪くなる傾向がある。
【0091】
なお、特定エチレン性化合物としての、上述の(メタ)アクリロイル基含有化合物のリン酸エステル化物と、上記ヒドロキシ(モノ/又はポリ)アルキレンオキシ(メタ)アクリレート化合物は、各々の機能を有効に発現する上で、(メタ)アクリロイル基含有化合物のリン酸エステル化物は、親水性支持体として、ケイ酸親水化処理を施していない砂目立て及び陽極酸化処理のみのアルミ板に適用するのが好ましく、また、ヒドロキシ(モノ/又はポリ)アルキルオキシ(メタ)アクリレート化合物は、親水性支持体としてケイ酸親水化処理を施した砂目立て及び陽極酸化処理アルミ板に適用するのが好ましい。
【0092】
なお、本発明においては、上記特定エチレン性化合物以外のエチレン性化合物を併用しても良い。特に、上記特定エチレン性化合物と共に、エチレン性二重結合を2個以上有する多官能エチレン性化合物を併用することが望ましい。
【0093】
かかる多官能エチレン性化合物の例としては、例えば脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸及び多価カルボン酸とのエステル化反応により得られるエステル等が挙げられる。
【0094】
ここで、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、特に限定されないが、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同時にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロトネートに代えたクロトン酸エステル若しくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
【0095】
また、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等の芳香族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が挙げられる。
【0096】
また、不飽和カルボン酸及び多価カルボン酸並びに多価ヒドロキシ化合物のエステル化反応により得られるエステルとしては、必ずしも単一物ではないが代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
【0097】
その他、本発明に用いられる多官能エチレン性化合物としては、ジエポキシ化合物とヒドロキシエチルアクリレートとの付加反応物の様なエポキシアクリレート類、エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物などが有効である。
【0098】
エチレン性化合物のうち、主鎖にエチレン性二重結合を有する重合体は、例えば、不飽和二価カルボン酸とジヒドロキシ化合物との重縮合反応により得られるポリエステル、不飽和二価カルボン酸とジアミンとの重縮合反応により得られるポリアミド等がある。側鎖にエチレン性二重結合を有する重合体は、側鎖に二重結合を持つ二価カルボン酸、例えばイタコン酸、プロピリデンコハク酸、エチリデンマロン酸等とジヒドロキシ化合物又はジアミン化合物等との縮合重合体がある。また、側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化メチル基の如き反応活性を有する官能基を持つ重合体、例えばポリビニルアルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリエピクロルヒドリン等とアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸との高分子反応により得られるポリマーも好適に使用し得る。
【0099】
このようなエチレン性化合物の配合割合は、感光性層の全固形分中の5〜98重量%、特に20〜80重量%、とりわけ20〜70重量%とするのが好ましい。
【0100】
次に、本発明に係る感光性層に含有される光重合開始系について説明する。
【0101】
該光重合開始系としては、前記エチレン性化合物の重合を開始させ得るものであれば全て使用可能であるが、これらのなかでも、特に紫外〜近赤外領域の光線に対して感光性を有するものが好適に使用される。
【0102】
本発明において、紫外光を吸収してラジカルを発生する光重合開始系としては、例えば、ファインケミカル,1991年3月1日号Vol 20,No. 4,頁16〜26に記載のジアルキルアセトフェノン系,ベンジルジアルキルケタール系,ベンゾイン,ベンゾインアルキルエーテル系,チオキサントン誘導体,アシルホスフィンオキサイド系等、その他、特開昭58−40302号公報,特公昭45−37377号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール系,s−トリハロメチルトリアジン系,特開昭59−152396号公報に記載のチタノセン系等を用いることができる。
【0103】
また、紫外〜550nmの可視光に感応する光重合開始系としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤及び染料の系(特公昭45−37377号公報)、ヘキサアリールビイミダゾールと(p−ジアルキルアミノベンジリデン)ケトンの系(特開昭47−2528号、特開昭54−155292号各公報)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系(特開昭48−84183号公報)、置換トリアジンとメロシアニン色素の系(特開昭54−151024号公報)、ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−112681号、特開昭58−15503号、特開昭60−88005号各公報)、置換トリアジンと増感剤の系(特開昭58−29803号、特開昭58−40302号各公報)、ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−56403号公報)、ジアルキルアミノフェニル基を含有する増感剤とビイミダゾール(特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号各公報)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−140203号、特開昭59−189340号各公報)、チタノセンの系(特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−10602号、特開昭63−41484号、特開平2−291号、特開平3−12403号、特開平3−20293号、特開平3−27393号、特開平3−52050号各公報)、チタノセンとキサンテン色素さらにアミノ基或いはウレタン基を有する付加重合可能なエチレン性飽和二重結合含有化合物を組合せた系(特開平4−221958号、特開平4−219756号各公報)等が挙げられる。
【0104】
紫外〜550nmの光に感応する光重合開始剤の好適例としては、波長400〜500nmに吸収を有する増感色素と、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−カルボエトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール等のヘキサアリールビイミダゾール、及び、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール等の有機チオール化合物からなる複合光重合開始剤、或いは、波長400〜500nmに吸収を有する増感色素とジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)−フェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル等のチタノセン化合物、更に、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、ミヒラーズケトン等のジアルキルアミノフェニル化合物からなる複合光重合開始剤が挙げられる。
【0105】
なお、上記のヘキサビイミダゾールを増感する色素としては、例えば特開平2−69号公報,特開昭57−168088号公報,特開平5−107761号公報,特開平5−210240号公報,特開平6−116313号公報に記載の増感色素を挙げることができる。
【0106】
また、チタノセンを増感する色素としては、例えば特開平6−295061号公報,特開平6−301208号公報,特開平7−219223号公報,特開平7−281434号公報,特開平8−6245号公報に記載の増感色素を挙げることができる。
【0107】
また、550nm以上の可視から近赤外光に感応する光重合開始系としては、例えば、置換トリアジンとスクアリューム塩色素の系(特公平8−20734号公報,特開平2−306247号公報)、置換トリアジンとシアニン色素の系(特開平2−189548号公報)、アジニウム化合物とシアニン色素或いはスクアリューム塩色素の系(特開昭63−142346号公報)等が挙げられる。
【0108】
このような光重合開始系の配合割合は、感光性層の全固形分に対して0.1〜50重量%、特に0.2〜40重量%、とりわけ0.5〜30重量%とするのが好ましい。
【0109】
光重合開始系は、増感剤を0.01〜20重量%、特に0.05〜10重量%の範囲で含み、活性剤を0.1〜80重量%、特に0.5〜50重量%の範囲で含むことが好ましい。
【0110】
本発明に係る感光性層中には、前記エチレン性化合物及び光重合開始系の他に当該感光性層の改質、光硬化後の物性改善のために、更に結合剤として有機高分子物質(以下「高分子結合剤」と称す。)を含有することが好ましい。
【0111】
この場合、用いる高分子結合剤は、相溶性、皮膜形成性、接着性や、改善目的に応じて選択することができる。
【0112】
高分子結合剤の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等の単独若しくは共重合体、その他、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、又はポリビニルブチラール等が挙げられる。中でも(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種と(メタ)アクリル酸を共重合成分として含有する共重合体が好ましい。分子内にカルボキシル基を有する高分子結合剤の好ましい酸価の値は10〜250であり、好ましい重量平均分子量(以下「Mw」と略す。)は5千〜50万である。
【0113】
これらの高分子結合剤は、側鎖に不飽和結合を有することが望ましく、特に下記一般式(IXa) 〜(IXc) で示される少なくとも1種の不飽和結合を有することが好ましい。
【0114】
【化13】
Figure 0003839552
【0115】
(式中、R10は水素原子又はメチル基を示す。また、R11〜R15は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ儀、置換基を有していてもよいアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、又は置換基を有していてもよいアリールスルホニル基を示し、Zは酸素原子、硫黄原子、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示す。)
なお、上記置換基を有していても良いアルキル基等の置換基としては炭素−炭素二重結合の反応性を極端に低下させない限り特に限定されないが、通常、ハロゲン原子、アルキル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、又はジアルキルアミノ基等から選ばれる。
【0116】
これらのうち、一般式(IXa) で表されるものとしては、R10が水素原子又はメチル基であり、R11及びR12が各々独立して水素原子、低級アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はシアノ基であるものが更に好ましく、一般式(IXb) で表されるものとしては、R11及びR12が各々独立して水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基又はシアノ基であり、R13が水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、又はシアノ基であり、R14及びR15が各々独立して水素原子、ハロゲン原子、又は低級アルキル基であるものが更に好ましく、一般式(IXc) で表されるものとしては、R11,R12及びR13が各々独立して水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基又はシアノ基であるものが更に好ましい。また、上記一般式(IXa) 〜(IXc) 中の炭素−炭素二重結合の付加反応の容易さから、一般式(IXa) においてはR10〜R12のうち少なくとも2個が水素原子であり、一般式(IXb) 及び(IXc) においてはR11〜R13のうち少なくとも2個が水素原子であるものが特に好ましい。
【0117】
これらの化合物の合成法としては、大別して次の2つの方法がある。
【0118】
(合成法1)
分子内にカルボキシル基を有する高分子結合剤の不活性有機溶剤溶液(例えばアルコール系、エステル系、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系等が挙げられる。)とエポキシ基含有不飽和化合物とを約80〜120℃、約1〜50時間の反応条件で反応させることにより合成する方法。
【0119】
エポキシ基含有不飽和化合物と反応させるカルボキシル基の割合は本発明の効果を達成しうる範囲であれば特に限定されないが、全カルボキシル基に対して5〜90モル%を反応させるのが好ましく、より好ましくは20〜80モル%、更に好ましくは30〜70モル%である。上記範囲であると現像性が良好であると共に接着性が良好である。
【0120】
側鎖に不飽和基を有するエチレン性高分子結合剤の製造に用いるエポキシ基含有不飽和化合物は、一分子中に少なくとも一つの付加重合可能な不飽和結合と、エポキシ基とを有する化合物である。
【0121】
エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルグリシジルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、イタコン酸モノアルキルエステルモノグリシジルエステル、フマール酸モノアルキルエステルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルエステルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物及び下記構造式(Xa)〜(Xn)で示される脂環式エポキシ基含有不飽和化合物が挙げられる。
【0122】
【化14】
Figure 0003839552
【0123】
【化15】
Figure 0003839552
【0124】
(各式中、R16,R17,R18は各々独立して水素原子又はメチル基を示す。R19,R20,R21は各々独立して炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示す。R22,R23は各々独立して炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示す。q,rは0〜10の整数を示す。)
上記エポキシ基含有不飽和化合物の好ましい化合物の具体例としては、グリシジルメタアクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート等が挙げられる。これらの中で特に好ましい化合物はアリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートである。
【0125】
(合成法2)
前記一般式(IXb) 及び(IXc) で示されるような、反応性の低い不飽和結合の1種以上とこれらより反応性に富む不飽和結合1種の合計2種以上の不飽和結合を有する化合物と不飽和カルボン酸とを共重合させて合成する方法。
【0126】
一般式(IXb) で示される不飽和基を有する化合物の具体例としては、アリル(メタ)アクリレート、3−アリルオキシエチル(メタ)アクリレート、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、シンナミル(メタ)アクリレート、クロトニル(メタ)アクリレート、メタクリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、アリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0127】
一般式(IXc) で示される不飽和基を有する化合物の具体例としては、ビニル(メタ)アクリレート、ビニルクロトネート、1−プロペニル(メタ)アクリレート、1−クロロビニル(メタ)アクリレート、2−フェニルビニル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらのうち、ビニル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0128】
これらのモノマーを不飽和カルボン酸、好ましくはアクリル酸又はメタクリル酸と共重合させることにより該不飽和基を有する共重合体を得る。共重合するモノマーは不飽和カルボン酸に加えて他のモノマーが共重合されてもよく、例えばアクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、アクリロニトリル、スチレン等が挙げられる。共重合させる一般式(IXb) 、(IXc) の構造を有する化合物のポリマー全体の成分に占める割合は、好ましくは10〜90モル%さらに好ましくは30〜80モル%である。この範囲より少ないと感度、耐刷性に劣り、多くなると画像再現性が悪くなる。
【0129】
このような高分子結合剤の配合割合は、感光性層の全固形分に対して0〜90重量%、特に20〜80重量%、とりわけ30〜70重量%とするのが好ましい。
【0130】
前記エチレン性化合物、光重合開始剤及び高分子結合剤を用いて本発明に係る感光性層を形成するには、これらの材料を混合してなる光重合性組成物を無溶媒にて親水性支持体上に塗布するか、或いは、適当な溶剤に溶解して溶液として親水性支持体上に塗布し、その後乾燥して感光性層を形成する。溶剤を用いる場合、溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、ジメチルホルムアミド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、ベンゾキノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチルピロリドン等を用いることができ、これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
【0131】
感光性層を形成するための光重合性組成物には、更に必要に応じて他の添加剤、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどの熱重合防止剤、有機又は無機の染顔料からなる着色剤、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤、三級アミンやチオールのような感度特性改善剤、その他色素前駆体などの添加剤を添加しても良い。
【0132】
この場合、これらの各種添加剤の好ましい配合量は、感光性層の全固形分に対して熱重合防止剤2重量%以下、染料、顔料等の着色剤40重量%以下、可塑剤10重量%以下、感度特性改善剤20重量%以下、色素前駆体30重量%以下である。
【0133】
なお、光重合性組成物の親水性支持体への塗布方法としては、ディップコート、コーティングロッド、スピナーコート、スプレートコート、ロールコート等の周知の方法を採用することができる。また、塗布後の乾燥温度は、通常、50〜150℃で0.5〜10分程度である。
【0134】
以上のようにして形成された感光性層は、室温(25℃)において粘着性が無く、該感光性層上に保護層を設けずに、感光性層を親水性支持体上に塗設したのみの一層タイプの感光性平版印刷版として扱うことができるものであることが好ましい。
【0135】
ただし、この感光性層の上には、酸素による重合禁止作用を防止する目的で、或いは、感光性層の未露光部分を印刷工程で印刷インクの粘着性を用いて除去する前処理として、該未露光部分を剥離除去することを目的として、カバーシートをラミネート或いは塗布により設けることができる。
【0136】
このカバーシートのうち、塗設型酸素遮断層の例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、セルロース、水溶性変性ナイロン、ポリアクリル酸、ポリアクリロニトリル、デンプン等の水溶性高分子、特にポリビニルアルコールよりなるものが優れている。塗布膜厚としては0.1μm以上から酸素遮断効果が現われることから、通常0.2〜10μm、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは0.5〜4μmである。この薄膜は、露光後の印刷工程において、未露光部分の感光性層と共に印刷インクにより剥離除去される。
【0137】
一方、印刷を行う前に、該カバーシートを剥離することにより、該カバーシートと感光性層との接着性を利用して、未露光部分の感光性層のみを支持体から剥離除去する機能を有するカバーシートとしては、上記の塗設型酸素遮断層を剥離時にかかる物理的な力に耐えるように膜厚を厚くしたもの、具体的には1〜100μm、好ましくは2〜50μm、より好ましくは3〜30μmの膜厚としたものが好ましい。
【0138】
また、ラミネートによりカバーシートを設ける場合には、感光性層が粘着性を発現する程度の温度条件で感光性層上にカバーシートをラミネートし、室温で該カバーシートを感光性層より剥離するものがある。
【0139】
この場合、カバーシートの材料としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、セロファン、セルロイド、ポリビニルアルコール等の各種プラスチックシート、紙、布、木板、アルミ、銅等の金属板等を挙げることができ、そのシート膜厚としては通常5〜300μm、好ましくは5〜150μm、より好ましくは10〜100μmである。
【0140】
このうち、透明なカバーシートは、感光性層を画像露光する前或いは画像露光後のいずれにもラミネート処理して使用することができるが、不透明なカバーシートは、画像露光後にラミネート処理する方法に限られる。
【0141】
また、通常、該ラミネート用カバーシートは適度な酸素遮断効果を有しているものが好ましい。
【0142】
さらに、カバーシートをラミネートにより感光性層上に設ける際、感光性層上或いはカバーシート上に、予めカバーシートと感光性層との接着性を高める接着層を塗布した後、ラミネートすることもできる。この場合、感光性層の粘着性を利用せずに、従ってラミネート温度を低くしてラミネートすることが可能である。この場合、接着層は感光性層上に設ける方が、感光性層表面の凹凸に接着層材料が入り込みアンカー効果が生じるため、未露光感光性層を効果的に剥離することができ、好ましい。
【0143】
接着層の形成に用いられる材料としては、熱硬化性のウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリ酢酸ビニル等の低軟化点のエマルジョンタイプの接着剤、或いは、未硬化性の室温粘着性の粘着剤等を挙げることができ、接着層は、通常0.1〜100μm、好ましくは0.3〜50μm、より好ましくは0.5〜30μmの厚さに形成される。
【0144】
上述の塗設型のカバーシートとラミネート型のカバーシートはそれぞれその機能ないし特長を組み合せるべく、これらを併用して設けてもよい。
【0145】
なお、カバーシートによる感光性層の未露光部分の剥離時には、感光性の未露光部分の一部のみを剥離除去し、残部を支持体上に残留させるように支持体から感光性層を剥離除去することが好ましい。これにより残留した感光性層が支持体の親水性表面を保護する効果が奏され、試料搬送時の搬送ローラーや指による接触等による汚れの付着を防ぐことができる。また、支持体上に残された感光性層の残膜は薄いため酸素の透過が容易となり、残膜の感光性を著しく低下させることにより、カバーシート剥離後の試料の明室下での取り扱いを可能にするという効果も奏される。
【0146】
次に、本発明の印刷現像感光性平版印刷版の製版方法について説明する。
【0147】
本発明の感光性平版印刷版は、印刷製版用銀塩マスクフィルムを感光性層上に密着後、該マスクフィルムを通して感光性平版印刷版を着密露光する方法、或いは、マスクフィルムを用いずに、光源からの光線を集光させた光ビームスポットを走査露光する方法等により画像露光させ、感光性層の露光部を光硬化させる。
【0148】
露光光源としては、特に限定されないが例えば、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、ヘリウムカドミウムレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、ヘリウムネオンレーザー、可視〜近赤外半導体レーザー等が特に好適に使用し得る。
【0149】
画像露光された感光性平版印刷版は、そのままの状態で印刷機の版胴上に装着して印刷に用いることができ、印刷開始直後に印刷インクの粘着性により親水性支持体との接着性が低い感光性層の未露光部がブランケットゴムローラー(圧胴)のローラー表面側に、印刷インクと共に剥離、転写除去される。ブランケットゴムローラーに転写された感光層は、インクと共に印刷紙に転写され、該印刷初期の印刷紙は損紙となるため、印刷現像が達成される。これにより、当該部分の支持体の親水性表面が露出し、版表面上に印刷インクの水とインクバランスからなる画像様のインク画像が形成される。このインク画像がブランケットローラー、次いで印刷紙へと転写され、印刷が行われる。
【0150】
また、他の製版方法としては、露光済み感光性平版印刷版の未露光部分の感光性を著しく低下させ、露光済み感光性平版印刷版の取り扱い環境を明室化する目的と、印刷時に支持体から剥離した感光性層の未露光部分がゴミとして湿し水に混入する、或いはブランケットゴムローラー表面に付着し、ブランケットローラーのインク転写性の低下を誘起する等の問題の発生を防ぐ目的で、画像露光済み感光性平版の感光性層の未露光部分を機上印刷処理を行う前に、剥離除去することもできる。
【0151】
該感光性層の未露光部分を剥離除去する方法としては、前記のようなカバーシートを設け、それを剥離することによりカバーシート側に感光性層の未露光部分のみを剥離転写除去する方法が好ましい。また、この際に感光性層の未露光部分を支持体の親水性層から完全に除去するより、未露光部分の感光性層の全固形分に対して0.1〜50重量%が支持体側に残留するように剥離除去するのが好ましい。
【0152】
また、カバーシートの剥離に際しては、室温で行ってもよいが、必要に応じて、30〜120℃の加熱状態で剥離することで、未露光部分の転写を容易にすることもできる。
【0153】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例により限定されるものではない。以下において、「%」は特記しない限り「重量%」を示す。
【0154】
なお、以下の実施例及び比較例で用いた、親水性支持体、エチレン性化合物及び高分子結合剤は次の通りである。
【0155】
親水性支持体−1
厚さ0.2mmのアルミ板を3%水酸化ナトリウムにて脱脂し、これを18.0g/L硝酸浴中で25℃、80A/dm2 の電流密度で15秒電解エッチングし、その後50℃の1%水酸化ナトリウム水溶液で5秒間デスマット処理を行い、次に25℃の10%硝酸水溶液で5秒間中和した。水洗後30%硫酸浴で30℃、10A/dm2 の条件で16秒間陽極酸化し、水洗、乾燥して平版印刷版用アルミニウム板(「支持体−1」)を得た。形成された陽極酸化被膜は2.1g/m2 である。
【0156】
親水性支持体−2
支持体−1を、更に1%オルト珪酸ナトリウム水溶液を用いて85℃で30秒間親水化処理し、水洗、乾燥して平版印刷版用アルミニウム板(「支持体−2」)を得た。
【0157】
親水性支持体−3
支持体−1の製造において、硫酸の代りにリン酸を用いたこと以外は同様にして平版印刷版用アルミニウム板(「支持体−3」)を得た。形成された陽極酸化被膜は1.8g/m2 である。
【0158】
親水性支持体−4
AGF社製水現像タイプネガ型平版印刷版:HYDROPRINTの感光性層を水洗除去して平版印刷版用ポリエチレンテレフタレート支持体(「支持体−4」)を得た。このポリエチレンテレフタレート支持体は粗面化処理された厚さ180μmのポリエチレンテレフタレート上に数μmの親水性ポリマー層を形成したものである。
【0159】
エチレン性化合物−1
日本化薬(株)製「PM−2」(構造式は下記の通りである。)
エチレン性化合物−2
新中村化学(株)製「UA−306H」(構造式は下記の通りである。)
エチレン性化合物−3
新中村化学(株)製「ABPE−4」(構造式は下記の通りである。)
エチレン性化合物−4
下記構造式のエチレン性化合物
【0160】
【化16】
Figure 0003839552
【0161】
高分子結合剤−1
メチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/イソブチルアクリレート/メタクリル酸=35/20/10/35モル%(仕込み比)の共重合体(Mw7万)
高分子結合剤−2
羽付き撹拌棒、還流冷却、窒素管を備えた3Lの4つ口フラスコに3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート80g、メタクリル酸20g及び反応溶剤としてエタノール1.6Lを入れ、90℃のオイルバスで加熱撹拌した。この溶液にアゾビスイソブチロニトリル1.6gを400mLのエタノールに溶解して加えた。3時間加熱撹拌した後窒素管をはずし、p−メトキシフェノール0.04gとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400mLとを加え、バス温を100℃に上昇させ、1時間加熱撹拌を続けた。最後にエタノールを留去してエチレン性高分子結合剤−2(Mw30万)の18%溶液を得た。
【0162】
高分子結合剤−3
羽付き撹拌棒、還流冷却、窒素管を備えた3Lの4つ口フラスコにアリルメタクリレート107g、メタクリル酸13g、及び反応溶剤としてエタノール1.6Lを入れ、90℃のオイルバスで加熱撹拌した。この溶液にアゾビスイソブチロニトリル1.6gを400mLのエタノールに溶解して加えた。3時間加熱撹拌した後窒素管をはずし、p−メトキシフェノール0.04gとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400mLとを加え、バス温を100℃に上昇させ、1時間加熱撹拌を続けた。最後にエタノールを留去してエチレン性高分子結合剤−3(Mw18万)の20%溶液を得た。
【0163】
高分子結合剤−4
上記高分子結合剤−1 200重量部、下記脂環式エポキシ含有不飽和化合物75重量部、p−メトキシフェノール2.5重量部、テトラブチルアンモニウムクロライド8重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート800重量部を反応容器中に加え、110℃、24時間空気中で撹拌反応させてエチレン性高分子分子結合剤−4(Mw7.5万,酸価60,高分子結合剤−1のメタアクリル酸成分全体の6割に不飽和基が反応したもの。)の25%溶液を得た。
【0164】
【化17】
Figure 0003839552
【0165】
実施例1〜6、比較例1
下記の配合−1の光重合性組成物塗布液を調製し、この塗布液をバーコーターを用いて乾燥膜厚2g/m2 となるように表1に示す支持体に塗布して乾燥した。更にこの上に、ポリビニルアルコール水溶液をバーコーターを用いて乾燥膜重量3g/m2 で膜厚3μmとなるように塗布乾燥し、感光性平版印刷版を作製した。得られた感光性平版印刷版について下記の項目について評価し、結果を表1に示した。
【0166】
光重合性組成物塗布液配合−1(重量部)
表1に示すエチレン性単量体 : 55
表1に示す高分子結合剤 : 45
下記構造式(A−1)の化合物 : 2.0
下記構造式(B−1)のチタノセン化合物 : 10
2−メルカプトベンゾチアゾール : 5.0
N,N−ジメチル安息香酸エチルエステル : 10
銅フタロシアニン顔料 : 3.0
シクロヘキサノン :1090
【0167】
【化18】
Figure 0003839552
【0168】
評価項目
<剥離強度>
未露光感光性層、露光(光硬化)感光性層、親水性支持体のガムテープ剥離強度を前述の測定方法(図1に示す)に従って、測定した。なお、支持体のガムテープ剥離強度は、感光性層を形成していない支持体に張り付けたガムテープを引き剥す際の剥離強度である。
【0169】
<感度>
感光性平版印刷版を横方向に照射光波長、縦方向に対数的に光強度が減少するように光照射を行う回折分光照射装置(ナルミ社製「RM−23」)を用いて露光した後、ポリビニルアルコール層上にガムテープ(SLIONTEC社製「SLIONTAPE」)を貼り、次いで該ガムテープを該試料から引き剥がすと共に試料の感光性層のほとんどの未露光部分を支持体から剥離除去した。続いて、該試料を印刷機(三菱重工社製平版印刷機「ダイヤF−2」)上の版胴に取り付け、100枚印刷して印刷現像を行った。得られた100枚目の印刷物上の印刷画像の縦方向の高さにより、488nmの光線による光硬化に要する光エネルギーを求めた。表中のFは、未露光部分が除去されず画像形成されなかったことを示している。
【0170】
<耐刷力>
感光性平版印刷版を空冷アルゴンレーザー(大日本スクリーン(株)社製「PI−R」)で100μJ/cm2 の露光量で走査露光し、感度の評価と同様にして印刷現像を行った。得られた印刷版を印刷し、画線部(120線、4%の小点)が跳ぶまでの印刷枚数を耐刷力として示した。表中のFは評価していないことを示す。
【0171】
<画像再現性>
感光性平版印刷版にUGRAプレート・コントロール・ウエッジを高圧水銀灯で密着露光した後、感度評価と同様にして印刷現像を行った。印刷物上の円形パッチのポジティブ細線画像の残り具合で画像再現性を評価した(より細い細線を再現する程、画像再現性良好)。表中のFは評価していないことを示す。
【0172】
【表1】
Figure 0003839552
【0173】
実施例7〜9、比較例2
光重合性組成物塗布液として、下記配合−2のものを用いたこと以外は前述の実施例1〜6及び比較例1と同様の操作を行い、感度、画像再現性及び剥離強度について評価を行い、結果を表2に示した。
【0174】
光重合性組成物塗布液配合−2(重量部)
表2に示すエチレン性単量体 : 55
表2に示す高分子結合剤 : 45
下記構造式(A−2)の化合物 : 2.0
2,2’−ビス(o−クロルフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラ(o,p−
ジクロロフェニル)ビイミダゾール : 10
2−メルカプトベンゾチアゾール : 5.0
N,N−ジメチル安息香酸エチルエステル : 10
銅フタロシアニン顔料 : 3.0
シクロヘキサノン :1090
【0175】
【化19】
Figure 0003839552
【0176】
【表2】
Figure 0003839552
【0177】
実施例10
実施例1で得られた感光性平版印刷版を画像露光後、直接前記の印刷機の版胴上に装着、印刷を行ったところ、印刷初期において未露光部分が除去されて、高品質の印刷画像が得られた。この時の感度は、60μJ/cm2 であった。
【0178】
実施例11
実施例1において、ポリビニルアルコールのカバーシート層を設けないこと以外は同様にして感光性平版印刷版を作成し、この感光性平版印刷版を該印刷版の感光性表面側が透明な容器に入れ、容器の内部を減圧した状態で、実施例10と同様に画像露光を行って評価したところ、高品質の印刷画像が得られ、感度は、70μJ/cm2 であった。
【0179】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、耐刷力、感度、画像再現性に優れた印刷現像感光性平版印刷版を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガムテープ剥離強度の測定方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 支持体
1A 感光性層
1B ポリビニルアルコール層
2 固定台
3 ガムテープ

Claims (7)

  1. 親水性支持体上に、付加重合可能なエチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物及び光重合開始系を含有する親油性の感光性層を設けてなる印刷現像感光性平版印刷版であって、
    前記化合物が、ウレタン骨格を有するエチレン性化合物、リン酸と(メタ)アクリロイル基含有化合物のエステル化物、及び、ヒドロキシ(モノ/又はポリ)アルキレンオキシ(メタ)アクリレートから選択される1種又は2種以上であり、
    前記支持体のガムテープ剥離強度が350g/cm以下であることを特徴とする印刷現像感光性平版印刷版。
  2. 請求項1において、露光前の感光性層の支持体からのガムテープ剥離強度が0.5〜200g/cmであることを特徴とする印刷現像感光性平版印刷版。
  3. 請求項1又は2において、露光後の感光性層の支持体からのガムテープ剥離強度が200g/cmより大きいことを特徴とする印刷現像感光性平版印刷版。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の印刷現像感光性平版印刷版の感光性層を紫外〜近赤外の光により画像露光して画像様に該感光性層を光硬化させた後、感光性層の未露光部分を支持体から除去して光硬化感光性画像を形成する製版方法であって、画像露光後の印刷現像感光性平版印刷版を印刷機の版胴に装着し、該印刷現像感光性平版印刷版の感光性層上に印刷インクを供給してブランケットローラーのローラー表面に該インクを転写する際に、該インクと共に前記未露光部分をインクの粘着性を利用してブランケットローラーのローラー表面に転写することにより、該未露光部分を支持体から除去することを特徴とする印刷現像感光性平版印刷版の製版方法。
  5. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の印刷現像感光性平版印刷版の感光性層を紫外〜近赤外の光により画像露光して画像様に該感光性層を光硬化させた後、感光性層の未露光部分を支持体から除去して光硬化感光性画像を形成する製版方法であって、該印刷現像感光性平版印刷版の画像露光前又は画像露光後に、該印刷現像感光性平版印刷版の感光性層上にカバーシートを設け、画像露光後に該カバーシートを感光性層から剥離する際に、該カバーシートの接着性を利用して前記未露光部分をカバーシート側に転写することにより、前記未露光部分を支持体から除去することを特徴とする印刷現像感光性平版印刷版の製版方法。
  6. 請求項5において、画像露光後に該カバーシートを感光性層から剥離することにより、前記未露光部分の一部を支持体から除去し、その後、該印刷現像感光性平版印刷版を印刷機の版胴に装着し、該印刷現像感光性平版印刷版の感光性層上に印刷インクを供給してブランケットローラーのローラー表面に該インクを転写する際に、該インクと共に前記未露光部分の残部をインクの粘着性を利用してブランケットローラーのローラー表面に転写することを特徴とする印刷現像感光性平版印刷版の製版方法。
  7. 請求項6において、画像露光後に該カバーシートを感光性層から剥離することにより、前記未露光部分の0.1〜50重量%が支持体に残留するように該未露光部分を除去することを特徴とする印刷現像感光性平版印刷版の製版方法。
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