JPH0511438A - 光硬化樹脂凸版 - Google Patents

光硬化樹脂凸版

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JPH0511438A
JPH0511438A JP21815291A JP21815291A JPH0511438A JP H0511438 A JPH0511438 A JP H0511438A JP 21815291 A JP21815291 A JP 21815291A JP 21815291 A JP21815291 A JP 21815291A JP H0511438 A JPH0511438 A JP H0511438A
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Sukeyuki Tsuchiya
祐之 土屋
Koji Anai
浩司 穴井
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハイライト部の太りが防止でき、かつ比較的
高い印圧がかけられて、明るく階調に富んだ高級な質の
印刷品を得ることのできる光硬化樹脂凸版を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 光硬化により形成された基部層Aと頂部層
Bをこの順序で有するレリーフ層を包含し、網点面積率
が7%以下である図柄を構成するハイライト部のレリー
フ層の厚みがハイライト部以外の部分のレリーフ層の厚
みより小さいことを特徴とする光硬化性樹脂凸版が開示
される。本発明の光硬化樹脂凸版は、下層としての最小
不溶化光量Qの液状感光性樹脂層および上層としての
最小不溶化光量Qの液状感光性樹脂層からなりQ
23ミリジュール/cm以上かつQの5倍以上であ
る多層感光性樹脂層を画像露光することにより得ること
ができる。本発明の光硬化樹脂凸版を用いることによ
り、ハイライト部の太りが防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光硬化樹脂凸版に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、露光部分が溶剤不溶化
するタイプのネガ型感光性樹脂を用いて形成された、画
像再現性が高く、印刷効果のよい光硬化樹脂凸版に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、旧来の鉛凸版鋳造機による製版に
代って、ネガ型感光性樹脂層にネガフィルムを介して活
性光を照射し、感光性樹脂層の選択された部分を光硬化
し、未硬化部を水溶剤又は高圧の空気などで除去するこ
とにより、樹脂製凸版を製造することが行われている。
このようにして得られる光硬化樹脂凸版は鉛凸版に比べ
て軽量で取扱い性に優れるため、新聞の印刷をはじめと
して、印刷分野において急速に普及しつつある。
【0003】ところで、光硬化樹脂凸版の品質は、一般
に光硬化樹脂層の硬さによって大きく左右される。例え
ば硬い光硬化樹脂凸版においては、印圧によるレリーフ
頂部の変形が少ないために、細線点の画像の印刷再現性
は優れているものの、インキの転移性に劣るために大文
字、ベタ、ハーフトーンなどの面積の大きな画像がかす
れるという欠点がある。このようなインキの転移性の問
題を解決するために高い印圧で印刷しようとすると、細
線点の太りや、レリーフ頂部の摩耗による耐刷性の低下
などの別の問題が生じる。
【0004】一方、軟らかい光硬化樹脂凸版において
は、インキの転移性に優れ、ザラ紙や新聞用紙などの表
面平滑性の悪い被印刷体でも十分なインキ転移性が得ら
れるが、その反面印圧によってレリーフ頂部が変形しや
すいために、画像が太りやすく、シャープな印刷物が得
られにくく、特に印刷機の機械精度が低い場合には、局
部的に過大な印圧がかかるために、太りむらを防ぐこと
は困難である。
【0005】このような欠点を改良するために、フレキ
ソ印刷においては、印刷版の支持体の下に軟らかい弾性
層を設ける方法が試みられているが、この方法では、支
持体を介してのクッション効果となるため印刷時の太り
防止効果は小さく、また、クッション層を設けたことで
印圧が逃げる為、ベタ部等でカスレが生じやすくなるな
ど十分な印刷品質向上効果を得ることはできなかった。
【0006】日本国特開昭54−92402号公報に
は、ショアー硬度において10〜20度の硬度差を有す
る二層の光硬化樹脂層よりなる光硬化樹脂凸版が提案さ
れているが、レリーフの頂部層を下部層より高硬度とす
ることで印圧によるレリーフ頂部の変形は少なくなるも
のの、ハイライト部とハイライト部以外の部分のレリー
フの厚みが同じ為、特に網点面積率7%以下のハイライ
ト部の印圧による太りを十分に抑えることができず、満
足のいく印刷物は得られない。
【0007】また、日本国特開昭55−6392号公報
(対応英国出願公開2012977A)には、レリーフ
下部層にあたる感光性樹脂層の光重合速度が頂部層にあ
たる感光性樹脂層の1.5〜200倍であり、露光後の
両層の間に50psi以上のモデュラス差が生じるよう
な二層の感光性樹脂層よりなる光硬化樹脂凸版が示され
ている。さらに、日本国特開昭62−124559号公
報には、レリーフ下部層に相当する感光性樹脂層の最小
不溶化光量が5mJ/cm以下で、かつレリーフ頂部
層に相当する感光性樹脂層の最小不溶化光量の1/2以
下であるような二層の感光性樹脂層よりなる感光性樹脂
凸版が提案されている。これらのように二層の感光性樹
脂層の間に感度差をつけレリーフ頂部層に相当する方の
感光性樹脂の感度を低くすることで、得られる印刷版の
レリーフ表面部の画像太さを露光に用いたネガフィルム
のものより細くすることができ、その分だけ印刷品質を
向上させることができるが、この場合もハイライト部と
ハイライト部以外の部分のレリーフの厚みが同じ為、印
圧による太りを防ぐことはできず、満足のいく印刷物を
得ることはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下にあ
って、本発明者らは、画像再現性が高く、印刷効果に優
れる光硬化樹脂凸版を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、レリーフの基部層と頂部層を形成するために異なっ
た感光特性を有しかつそれぞれの感光特性が特定の関係
を満足する2種の感光性樹脂層を特定時間画像露光する
ことによって網点面積率が7%以下であるハイライト部
のレリーフ層の厚みを該ハイライト部以外の部分のレリ
ーフ層の厚みより小さくすることができ、それによって
ハイライト部の画像の太りを防止することのできること
を意外にも知見した。本発明はこの知見に基づいて完成
したものである。
【0009】したがって、本発明の1つの目的は、ハイ
ライト部のレリーフ層の厚みがハイライト部以外の部分
のレリーフ層の厚みより小さくて、画像再現性が高く、
印刷効果に優れた光硬化樹脂凸版を提供することにあ
る。本発明の他の1つの目的は、上記した光硬化樹脂凸
版を効率よく安価に製造する方法を提供することにあ
る。本発明の上記及びその他の諸目的、該特徴ならびに
諸利益は、添付の図面を参照しながら述べる次の詳細な
説明及び請求の範囲の記載から明らかになる。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、基本的には、支持体、および該支持体上に少くとも
二層の異なった感光特性の感光性樹脂層からなる多層感
光性樹脂層を画像露光して光硬化により形成された基部
層Aと頂部層Bをこの順序で有するレリーフ層を包含し
てなる光硬化樹脂凸版にして、網点面積率が7%以下で
ある図柄を構成するハイライト部のレリーフ層の厚みが
ハイライト部以外の部分のレリーフ層の厚みより小さい
ことを特徴とする光硬化性樹脂凸版が提供される。
【0011】更に本発明の別の態様によれば、支持体お
よび該支持体上に下層としての最小不溶化光量Qの液
状感光性樹脂層および上層としての最小不溶化光量Q
の液状感光性樹脂層をこの順序で有する少くとも二層の
異なった感光特性の感光性樹脂層からなる多層感光樹脂
層を包含する感光性エレメントを提供し、該感光性エレ
メントに多層感光性樹脂層側から画像露光して光硬化部
と未硬化部を形成し、次いで現像液で未硬化部をウオッ
シュアウトして上記下層および上層からそれぞれ得られ
基部層Aと頂部層Bを有するレリーフ層を形成すること
を包含する網点面積率7%以下である図柄を構成するハ
イライト部および網点面積率が7%を超える図柄を構成
する非ハイライト部よりなる光硬化樹脂凸版の製造方法
にして、Qが23ミリジュール/cm以上かつQ
の5倍以上であり、画像露光を網点面積率が7%以下で
ある図柄を構成するハイライト部の最小ハイライトが形
成されるに必要な最小露光量からその1.5倍までの範
囲の露光量で行なって、得られる光硬化樹脂凸版の網点
面積率が7%以下である図柄を構成するハイライト部の
レリーフ層の厚みをハイライト部以外の部分のレリーフ
層の厚みより小さくすることを特徴とする光硬化樹脂凸
版の製造方法が提供される。
【0012】本発明の光硬化樹脂凸版を図1を参照して
説明する。図1は本発明の光硬化樹脂凸版の概略断面図
であって、1は支持体を示し、Sはハイライト部の基部
層Aと頂部層Bとからなるレリーフ層を示し、Lはハイ
ライト部以外の部分(シャドー部および中間調部のレリ
ーフ層を示し、基部層Aおよび頂部層Bとからなる。本
発明の光硬化樹脂凸版の全体の厚み、即ち、基部層Aと
頂部層Bとの合計厚みの最大値(図1においては、レリ
ーフLの厚みT)は、印刷機の種類、印刷条件によっ
て8mmまでの範囲で適宜選ばれる。下限は約0.3m
mである。
【0013】また、該レリーフ層のうち印刷面を構成す
る頂部層Bの最大厚さ(図1においては、レリーフLの
B層の厚み)は、基部層Aと頂部層との合計厚みの最大
値(図1においては、レリーフLのA層とB層との合計
値と等しい)の1/2以下で、かつ1mm以下であるこ
とが必要で、好ましくは0.03mm〜0.5mmの範
囲である。換言すれば、本発明の光硬化樹脂凸版を製造
する際に、下層としての最小不溶化光量Qの液状感光
性樹脂層および上層そしての最小不溶化光量Qの液状
感光性樹脂層をこの順序で有する多層感光樹脂層におい
て上記上層と下層との合計厚みが8mm以下、上層の厚
みが上層と下層との合計厚みの1/2以下かつ1mm以
下であることが必要であり、好ましくは0.03〜0.
5mmの範囲である。この厚さより小さくなると得られ
る印刷版における網点面積率7%以下のハイライト部の
レリーフの厚み(図1においてTで示す)がハイライ
ト部以外の部分のレリーフの厚みより小さくなりにくか
ったり、小さくなるにしても程度が小さくなり十分な効
果が得られにくくなる。一方、この範囲を越えて厚くな
りすぎると得られる印刷版における網点面積率が7%以
下のハイライト部のレリーフの厚みがハイライト部以外
の部分のレリーフの厚みより小さくなりすぎて印刷時に
該ハイライト部が印刷されにくくなったり、場合によっ
ては該ハイライト部のレリーフが形成されにくくなって
しまうことがあり、好ましくない。
【0014】得られる印刷版の網点面積率が7%以下の
ハイライト部のレリーフ層の厚み(T)はハイライト
部以外の部分のレリーフ層の厚み(T)より20〜1
00μ、より好ましくは20〜80μ小さいことが望ま
しい。
【0015】本発明の印刷版においては、網点面積率が
7%以下である図柄を構成するハイライト部の最小ハイ
ライトのレリーフ厚みが最も薄く、網点面積率7%にか
けて段階的に厚くなり、7%を越える領域ではハイライ
ト部以外の部分のレリーフ厚みと同じになる。
【0016】本発明の光硬化樹脂凸版においては、該レ
リーフ層の頂部を形成するための感光性樹脂層(図2に
おいて2Bで示す)は、後述するTO法(thickn
ess optimization法)による測定で求
められる最小不溶化光量Q(ミリジュール/cm
(以下、mJ/cmで示す)が23mJ/cm以上
でかつレリーフ層基部を形成するための感光性樹脂層
(図2において2Aで示す)の最小不溶化光量Q(m
J/cm)の5倍以上でることが必要である。この条
件を満たされない場合は、網点面積率が7%以下である
図柄を構成するハイライト部のレリーフ層の厚みがハイ
ライト部以外の部分のレリーフ層の厚みより小さいとい
う本発明の印刷版の特徴的構造を得ることはできない。
【0017】本発明において、Qが23mJ/cm
以上かつQの5倍以上の条件を満足した場合に網点面
積率が7%以下のハイライト部のレリーフ厚みがその他
の部のレリーフ厚みより小さくなる機構を図2を参照し
て以下に説明する。支持体1上に感光性樹脂層2A、感
光性樹脂層2Bを順次積層してなる感光性エレメント
に、2B層側からネガフィルム3を通して活性光(U
V)により画像露光を行なうと、網点面積率が、7%以
下のハイライト部では、レリーフの2A層に相当する部
分がまず形成する。更に2B層の2A層に接する部分は
2A層の影響を受けて2B層のネガフィルムに面する部
分は図示するように部分的に若干硬化するが2B層の深
さ方向全体には硬化しない)。図2に示すような状態と
なる。この時点で画像露光をやめ現像処理を行なうと2
A層の上に2B層の下部が硬化して乗った形の基部層A
と小さい頂部層よりなるレリーフ(図1のレリーフS)
が得られ、このレリーフSの厚みは2B層が完全に硬化
してできたレリーフ部(図1のレリーフL)より小さい
ものとなる。このようにして本発明の印刷版が得られ
る。
【0018】このような機構の為にQは23mJ/c
以上と光硬化に多くの露光量を要し、QはQ
1/5以下と少ない露光量で硬化するようにすることが
必要である。すなわち、Qが23mJ/cm未満の
場合やQの5倍未満である場合は網点面積率7%以下
である図柄を構成するハイライト部の最小ハイライトが
形成するまでの画像露光量をかけると、得られる印刷版
においては該ハイライト部とその他の部分のレリーフ厚
みに差が無くなる結果となる。また、このような系では
画像露光量を減らしてもハイライトが形成しなくなるだ
けでハイライト部のレリーフ厚みがハイライト部以外の
部分のレリーフより小さい版を得ることはできない。
【0019】なお、本発明における感光性樹脂の最小不
溶化光量は、次に示すTO法によって求めることができ
る。TO法の原理図を図3に示す。すなわち、まず横1
5cm、縦3cm、厚み4mmの光重合型の感光性樹脂
層を、接着層4を有する活性光に対して透明な支持体1
上に設ける。次いで、このものを、その支持体の外側を
あらかじめ3cm幅の遮光片5を枚横に連続して並べて
覆った状態で、該接着層を有する支持体透過後の活性光
の強度が0.40ミリワット(mW)/cmになるよ
うにあらかじめ光源の強さを調整した照射台上に置き、
支持体側より活性光線(UV)の照射を行う。次に、最
端部(図3では左端部)の遮光片の一つを取り除き、さ
らに30秒ごとに順次遮光片を取り除いていき、最後の
5番目の遮光片(図3では右端部)を取り除いたら、そ
の30秒後に活性光の照射を停止する。この結果、最初
の遮光片に相当する区画には150秒間、最後の遮光片
に相当する区画には30秒間、その間は30秒間隔で露
光されたものが得られる。次いで、一定の溶出条件で感
光性樹脂層を洗い出し、乾燥、後露光をしたのち、支持
体上に形成した感光性樹脂層の厚みを1/100mm単
位で測定する。このようにして得られた試験片の露光時
間と光硬化樹脂の厚みとの関係を図4に示すように片対
数グラフにグラフ化し、硬化厚み0mmとなる露光時間
から硬化開始時間、I.T.(induction t
ime)(秒)を求め、この値より最小不溶化光量(m
J/cm)を算出することができる。本発明における
TO法による最小不溶化光量の測定についての詳細につ
いては後述する。
【0020】本発明でいうレリーフ層は、支持体上に直
接凸部が形成されたもの(例えば図1に示す構造のも
の)のみに限定されず、支持体上に光硬化樹脂層(ba
ckground層)が設けられた上に凸部が形成され
るような場合も包含する。また本発明においては、凸部
が基部層Aと頂部層Bの2層とからなるものについてこ
れまで説明してきたが、基部層Aの下に最小不溶化光量
が基部層Aのそれと等しいかまたは小さい層を設けても
よい。
【0021】また、本発明の光硬化樹脂凸版のレリーフ
層は、液状の2種の性質の異なる感光性樹脂液から作成
するのが好ましい。2種の固体状感光性樹脂層をあらか
じめ支持体上に形成した場合には、固体状感光樹脂の成
形時の温度が液状樹脂の場合より高く、また製造成形し
てから使うまでの時間が長いので像露光までの間に、光
重合開始剤、熱重合禁止剤などの成分が2種の固体状感
光性樹脂層間で移動するため両層の感光特性に変化が生
じる。したがって、本発明で用いる感光性樹脂は液状で
あることが必要である。
【0022】本発明で用いる液状感光性樹脂は特に限定
されないが、例えば不飽和ポリエステル、不飽和ポリウ
レタン等のプレポリマーと付加重合性エチレン状不飽和
モノマー、光重合開始剤、熱重合禁止剤等からなるもの
を挙げることができる。
【0023】前記不飽和ポリエステルは、少なくとも1
種のポリオールを含むアルコール成分と、少なくとも1
種の不飽和多塩基酸又はその誘導体(例えば酸無水物、
メチルあるいはエチルエステル、酸ハロゲン化物)、さ
らに必要に応じて加えられた飽和多塩基酸から成る酸成
分との重縮合反応により得られる。不飽和多塩基酸とし
ては、例えばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、
メサコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、ムコン酸、ア
コニット酸などを挙げることができる。飽和多塩基酸と
しては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、ピロメリット酸などを挙げることができる。
【0024】ポリオールとしては、例えばエチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール(数平均分子量150以上)、ポリプロピレング
リコール(数平均分子量192以上)、ポリブチレング
リコール(数平均分子量162以上)、ポリ(オキシエ
チレンオキシプロピレン)グリコール(数平均分子量1
20以上)、グリセリン、エリトリット、ペンタエリト
リット、ヘキシット、トリメチロールプロパンなどを挙
げることができる。
【0025】また、不飽和ポリウレタンは、分子中に2
個以上の末端水酸基を有するポリオール化合物と少なく
とも2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシア
ネートと反応させ、さらに水酸基と付加重合性不飽和結
合を有する化合物を反応させることによって得られる。
ポリオール化合物としては比較的高分子量のものが好ま
しく、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポ
リオール、ポリアルキレンポリオールなどが用いられ
る。ポリイソシアネートとしては、例えば、トルイレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネートなどが用いられる。この反
応に際しては、ポリオールとポリイソシアネートのモル
比、反応順序、反応条件などにより種々のものが得られ
るが、少なくとも2個の末端イソシアネート基を有する
ように反応せしめる。
【0026】次いで両末端にイソシアネート基を有する
ポリウレタンに水酸基を有する付加重合性エチレン状不
飽和モノマーを反応させるがこのような化合物として
は、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、N−ヒドロキシメチルアクリルアミ
ド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、アリ
ールアルコール、ヒドロキシスチレンなどを挙げること
ができる。
【0027】付加重合性エチレン状不飽和モノマーとし
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、又はそのエス
テル、例えばメチル、エチル、n−プリピル、イソプロ
ピル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ドデシル、シ
クロヘキシル、テトラヒドロフルフリル、アリール、グ
リシジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロ
ピル、3−クロロ−2−ヒドロキシ、4−ヒドロキシブ
チルのアクリレート及びメタクリレート、あるいはエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコー
ルのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、ある
いはトリメチロールプロパントリアクリレート及びメタ
クリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及
びメタクリレートあるいはN,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレートなどやアクリルアミド、メタクリルア
ミド又はその誘導体、例えばN−メチロールアクリルア
ミド及びメタクリルアミド、N−メトキシアクリルアミ
ド及びメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアク
リルアミド及びメタクリルアミド、N,N’−ヘキサメ
チレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジア
セトンアクリルアミド及びメタクリルアミドなどや、ス
チレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリー
ルフタレート、トリアリルシアヌレート、酢酸ビニルな
どを挙げることができる。
【0028】光重合開始剤としては、例えばベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾイン
イソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−se
c−ブチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−エチ
ルベンゾイン、α−メチルベンゾインメチルエーテル、
α−フェニルベンゾイン、α−アリールベンゾイン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなど
公知のものを挙げることができる。
【0029】熱重合禁止剤としては、例えばヒドロキノ
ン、p−メトキシフェノール、カテコール、tert−
ブチルハイドロキノン、ベンゾキノン、p−フェニレン
ジアミン、ピクリン酸、フェノチアジンなど公知のもの
を挙げることができる。
【0030】このような感光性樹脂におけるプレポリマ
ーと付加重合性エチレン状モノマーの配合比率は、一般
的に100:20〜100:200(重量比)の範囲内
であって、得ようとする版の物性、使用するプレポリマ
ーや付加重合性エチレン状モノマーの種類によって適宜
決められる。
【0030】本発明の効果は、網点面積率が7%以下で
ある図柄を構成するハイライト部のレリーフ層の厚みが
ハイライト部以外の部分のレリーフ層の厚みより小さい
という特定の版構造、およびその製造においては、二種
の異なった感度特性の感光性樹脂層からなる多層感光樹
脂層を包含する感光性エレメントに特定範囲の露光量で
画像露光することによって得られるものであって、感光
性樹脂の組成、物性によって影響を受けるものではない
ので、使用できる感光性樹脂は以上の例に限定されるも
のではない。
【0031】感光性樹脂の感光特性は種々の方法で変え
ることができる。例えば、光重合開始剤の種類や量、重
合禁止剤の種類及び量を変えることで、あるいは紫外線
吸収物質の添加等によって任意に変えることができる。
光重合開始剤の添加量を多くすると最小不溶化光量は小
さくなり、添加量を少なくすると大きくなる。また、一
般的に熱重合禁止剤は最小不溶化光量を大きくする働き
をし、添加量を多くするとその効果は大きくなる。染
料、顔料、その他の紫外線吸収性物質は最小不溶化光量
を大きくする。
【0032】感度そのものの絶対レベルを高める為に
は、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
のような光開始効率の高い光重合開始剤を使用したり、
不飽和エチレン状モノマーとしてN,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレートや分子量の大きいジアクリレー
ト系モノマー等を使用したリすることが有効である。
【0033】光重合開始剤の添加量としては重合有効量
であることが必要であるが、その添加量によって、最小
不溶化光量が変化する為、レリーフ頂部層に相当する感
光性樹脂層2Bにおいては樹脂に対して0.03〜0.
5重量%の範囲で、またレリーフ基部層に相当する感光
性樹脂層2Aにおいては樹脂に対して0.5〜4.0重
量%の範囲で用いるのが好ましい。
【0034】熱重合禁止剤は、一般的には感光性樹脂の
製造時や貯蔵時に変質が起こるのを防ぐ目的で添加され
るので、感光性樹脂の組成や製造条件、貯蔵条件に応じ
て必要な熱安定性が得られる程度に添加すれば良く、−
般的には樹脂に対して0.01〜0.5重量%程度の範
囲で添加される。また、熱重合禁止剤は最小不溶化光量
を大きくする働きをするので、得ようとする最小不溶化
光量に応じて添加量を決める必要があり、用いる熱重合
禁止剤の種類によってもその必要添加量は異なる。
【0035】本発明の基本的特徴であるところの網点面
積率7%が以下のハイライト部のレリーフ層の厚みをハ
イライト部以外の部分のレリーフ層の厚みより小さい構
造を得るためには、上部感光性樹脂層2Bの最小不溶化
光量Qが23mJ/cm以上でかつ下部感光性樹脂
層2Aの最小不溶化光量Qの5倍以上であるような2
種の感光性樹脂層2A及び2Bを組み合わせて用いるこ
とが必要である。また、必要により、前記液状感光性樹
脂の光硬化後の硬さを変えたい場合には公知の方法で容
易に行うことができる。例えば不飽和ポリウレタンと付
加重合性エチレン状不飽和モノマーと光重合開始剤及び
熱重合禁止剤とから成る液状感光性樹脂の場合には、不
飽和ポリウレタン中のポリオール化合物に対するポリイ
ソシアネート化合物のモル比を変える方法、不飽和ポリ
ウレタンに対する付加重合性エチレン状不飽和モノマー
のモル比を変える方法、付加重合性エチレン状不飽和モ
ノマーのうち2官能性又は多官能性モノマーのモル比を
変える方法、あるいはこれらの方法の組合せなどがあ
る。
【0036】この際、2種の液状感光性樹脂を類似の組
成物群より選択すると、製版後のレリーフ頂部層と基部
層との接着性及び像形成後行われる共通洗浄液による未
露光樹脂の洗浄除去が可能なので好ましいが、もちろん
これに限定されるものではない。ここで類似の組成物群
とは、液状感光性樹脂のポリマーが同一の系列(例えば
不飽和ポリエステル系、不飽和ポリウレタン系、など)
に属する組成物群をいう。
【0037】本発明で用いられる支持体としては、例え
ば鉄、ステンレス、銅、亜鉛、アルミニウムなどから成
る金属板、天然ゴム、合成ゴムなどから成るゴムシー
ト、あるいはセルロイド、セルロースアセテート、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどのプラス
チックシート又はフィルムなどを挙げることができる。
これらの支持体の表面には通常接着層が設けられるのが
一般的であり、接着層の中にハレーション防止剤を入れ
たり、必要に応じて接着層と支持体との間にハレーショ
ン防止層を設けてもよい。
【0038】次に、本発明の光硬化樹脂凸版を作成する
好適な方法の1例について説明する。まず支持体上に、
それぞれ異なる液状感光性樹脂から成る2種の層(例え
ば、図2における2Aと2B)を所定の厚みになるよう
に順次設けたのち、感光性樹脂層2B側より透明画像担
体を通して活性光線により像露光を行い、次いで未露光
部の感光性樹脂を除去してレリーフ層を支持体上に形成
させる。この際、液状感光性樹脂2A及び2Bは、それ
ぞれの感光特性が前記特性を満たすものが選ばれる。
【0039】2種の液状感光性樹脂及び支持体を露光に
供するために所定の厚みに成形、積層する方法について
は、例えばネガフィルムと密着配置したカバーフィルム
上に感光性樹脂を刷毛、ロール、ドクターナイフなどを
用いてあらかじめ所定の厚みに延展して液状感光性樹脂
層2Bを形成したのち、液状感光性樹脂層2Aを形成す
ると同時に支持体を積層することにより実施できる。あ
るいは支持体上に感光性樹脂を刷毛、ロール、ドクター
ナイフなどを用いてあらかじめ所定の厚みに延展して液
状感光性樹脂層2Aを形成したのち、別の液状感光性樹
脂を用いて同様の操作により液状感光性樹脂層2Bを形
成積層することもできる。
【0040】露光において用いられる活性光線源として
は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボ
ンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等
を挙げることができるが、基本的には紫外線を発するも
のであればどのようなものでも使用可能である。露光時
間を短くできるという観点からは、光源強度の高い高圧
水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が好ま
しい。
【0041】また、像形成露光は、支持体および該支持
体上に液状感光性樹脂層2Aおよび液状感光性樹脂層2
Bをこの順序に密着配置した感光性エレメントに液状感
光性樹脂層2Bの側より透明画像担体を通して前記光源
を用いてなされる。支持体の材質が活性光に対して実質
的に透明な場合は、感光性樹脂層2Bの側からの画像露
光に加え、支持体側からも全面に活性光を照射して支持
体上に所望する厚みの硬化樹脂層(backgroun
d層)を形成せしめ、レリーフの高さを任意に調節する
こともできる。この場合には、background層
としての硬化樹脂層も本発明でいう頂部層Bと基部層A
の合計厚みで代表される全感光性樹脂層厚に含まれる。
透明画像担体を通しての露光は網点面積率が7%以下で
ある図柄を構成するハイライト部の最小ハイライト(最
小点部)が形成されるに必要な時間行えば良いが、露光
量を増やしていくと、このような点部であってもレリー
フ厚みにおいてハイライト部とハイライト部以外の部分
との差がなくなってくるので、最小ハイライト(最小点
部)が形成されるに必要な最小露光量からその1.5倍
までの範囲の露光量で行なう必要がある。
【0042】前記のようにして、透明画像担体を通して
活性光を照射したのち、未露光又は未硬化樹脂の洗浄は
各種洗浄液、例えば水、アルコール、アセトン、ベンゼ
ン、トルエン、クロロエタン、クロロエチレンなどやア
ルカリ水溶液、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ホ
ウ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムなどの水溶液、界面
活性剤水溶液などで洗浄除去する方法で行う。必要であ
れば前記アルカリ水溶液に界面活性剤などを加えること
もできる。
【0043】本発明の光硬化樹脂凸版は、網点面積率が
7%以下のハイライト部のレリーフ層の厚みがハイライ
ト部以外の部分のレリーフ層の厚みより小さいため、凸
版印刷の欠点である印刷での細線点の太りが有効に防止
される。特にハーフトーンの印刷においては、従来のハ
イライト部は網点が太りやすく、印圧をあまりかけるこ
とができないため、シャドウ部はインキの転移性に劣
り、階調の乏しい低級な印刷品質のものしか得られなか
ったのに対し、本発明の光硬化樹脂凸版を用いることに
より、ハイライト部の太りが防止でき、かつ印圧がかけ
られるので、明るく階調に富んだ高級な印刷品質のもの
が得られる。
【0044】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。なお、本発明において、TO法による感
光特性の測定は次のように行ない、最小不溶化光量を決
定した。以下の説明は図3を参照して行なう。
【0045】(1)試験片の準備 横15cm、縦3cm、厚み4mmの液状感光性樹脂層
2を、接着層4を有する活性光に対して透明な支持体1
上に設ける。即ち、5mm厚の板ガラスの上に、厚さ9
μmのポリエステルフィルムを密着させ、その上に前記
の寸法をくり抜いた4mmのゴムスペーサーを配置し、
この中に液状感光性樹脂を流し込み、厚さ0.1mmの
ポリエステル支持体シートにウレタン系接着剤を10μ
mの厚みに予め塗布したものを、空気が入らないように
液状感光性樹脂層に覆いかぶせたのち、別の5mm厚の
板ガラスで蓋をして準備する。
【0046】(2)光源 光源としては、2kwの超高圧水銀灯(日本国オーク製
作所社製、商品名ジェットライト)又は20Wケミカル
ランプ(日本国三菱電気社製、商品名FLR−20B
L)を光源照度ムラのないように多灯並列に配置したも
のが用いられるが、光源の安定性の点から後者の方が便
利である。
【0047】光源(UV)は下方を照らす位置に配置し
(図3では逆に示されている)、光源側に前記5mm厚
の板ガラスが位置するように、この板ガラスと測定しよ
うとする液状感光樹脂層2を設けるのに用いた前記接着
層4を有する支持体を、該接着層が下側になるように、
UV−35フィルターを取り付けたUVメーター(オー
ク製作所社製、商品名UV−M01)上に置き、UVメ
ーターの示す強度が0.40mWになるように光源の高
さを決める。
【0048】(3)測定 予め準備した試験片を支持体側を上にした状熊で、3c
m×6cmの大きさの1mm厚の黒ゴム板で作成された
遮光片をガラス板の上から5枚を横に連続して並べ試験
片全体を覆う。次いで強度調整された位置にガラス板で
試験片をはさみ、遮光片を配置した状態で置く。図3に
おいて左端の1枚目の遮光片を取り除くと同時にストッ
プウォッチをスタートさせ、以降30秒ごとに順次遮光
片を取り除いていき、図3において右端の最後の遮光片
を取り除いたら、その30秒後に光源を消す。この結
果、最初の遮光片に相当する区画には150秒間、最後
の小片には30秒間、その間の小片には30秒きざみで
露光を与えとものが得られる。
【0049】(4)溶出、乾燥、後露光 溶出は未硬化樹脂層を効果的に溶解又は分散する溶出液
で行うが、通常、水、アルカリ水又は界面活性剤溶液を
必要に応じて使用し、40℃で、管内圧力2kgのスプ
レーを用い、ノズル先端から試験片までの距離を10m
mにして洗いムラが起こらないように洗浄を行う。この
際、試験片は光の照射を受けた反対側、すなわち樹脂側
から洗浄して120秒間行う。次いで60℃の乾燥器で
10分間乾燥したのち、前記光源を用いて、2mWの強
度下で樹脂側より5分間後露光を行う。
【0050】(5)最小不溶化光量の決定 支持体上に形成した硬化樹脂層の厚みを、1/100m
m単位で測定しうる厚み計で測定する。得られた光硬化
樹脂層の厚みと露光時間との関係を図4に示すように片
対数グラフにグラフ化し、硬化厚0mmとなる露光時間
から硬化開始時間I.T.(秒)を求め、次の式により
最小不溶化光量Q(mJ/cm)を算出する。 最小不溶化光量Q(mJ/cm)=光源強度(mW/
cm)×I.T.(秒) =0.40×I.
T.
【0051】実施例1及び比較例1〜3 ポリプロピレングリコールアジペート(分子量260
0)1442重量部及びトリレンジイソシアネート18
1重量部を85℃で2時間反応させたのち、グリセリン
モノメタクリレート241重量部及び2,6−ジ−te
rt−ブチル−p−クレゾール0.1重量%を加えて、
さらに2時間反応させ、赤外吸収スペクトルでNCOの
消滅を確認した。次いで、無水コハク酸134重量部そ
加え、さらに3時間反応してポリウレタンプレポリマー
(I)を得た。このようにして得られたポリウレタンプ
レポリマー(I)を用いて、第1表に示すような各種の
感光性組成物を調製し、TO法による感光特性を求め
た。その結果を第1表に示す。
【0052】
【0053】次に、前記感光性組成物を用い、ハーフト
ーン及び線画を有するネガフィルムを覆っている厚さ2
2μmのポリプロピレンフィルムの上に、ドクターを使
って、0.10mm(又は0.2mm)の厚みにレリー
フ頂部層となる層を設け、次いでその上に、レリーフ基
部層となる層を0.30mm(又は0.20mm)の厚
みで同様に設けた。次に、厚さ0.1mmのポリエステ
ル支持体シートにハレーション防止剤を含有するウレタ
ン系接着剤を10μmの厚みに予め塗布したものを、空
気が入らないように前記の液状樹脂層に覆いかぶせたの
ち、その全体に、支持体シート側から20Wケミカルラ
ンプで、照射量がレリーフ基部層組成物の不溶化開始光
量の80%になるように照射し、次いでネガフィルム側
から6kwのメタルハライドランプ(強度60mW/c
)で5秒間照射した。
【0054】露光終了後、ポリプロピレンフィルムを剥
離し、1重量%ホウ酸ナトリウム水溶液を用い、40℃
で2分間、さらに水で15秒間噴霧洗浄して、未露光部
を洗い出した。次いで、版をさらに20Wケミカルラン
プ(強度2.3mW/cm)を用いて空気中で10分
間後露光を行った。得られた光硬化樹脂凸版の凸版印刷
版としての性能を第2表に示す
【0055】第2表から分かるように、組成物の組合せ
が、レリーフ頂部層のQ値が23mJ/cm以上で、
基部層のQ値の5倍以上のものは、いずれも、ハイライ
ト部のレリーフ層の厚みがベタ部のレリーフ層の厚みよ
り小さい印刷版が得られた。一方、レリーフ頂部層のQ
値が23mJ/cm以下である比較例1では、頂部層
のQ値が基部層のQ値の5倍以上であるにもかかわら
ず、ハイライト部とベタ部のレリーフ層の厚みが同じ印
刷版であった。また、レリーフ頂部層のQ値が基部層の
Q値の5倍以下である比較例2、3では、レリーフ頂部
層のQ値が23mJ/cm以上であるにもかかわら
ず、ハイライト部とベタ部のレリーフ層の厚みが同じ印
刷版であった。実施例の版を用い、フレキソ輪転印刷機
で4ミルスの印圧下10,000部印刷したところ、太
りが少なく、かつベタ部のツブシも良好な階調幅の広い
明る印刷物が得られた。
【0056】
【0057】実施例2及び比較例4 実施例1で調製したのと同じ感光性樹脂組成物を用い、
実施例1と同様にして、レリーフ頂部層2Bが0.1m
m、レリーフ基部層2Bが0.3mmの厚さで、レリー
フ頂部層2Bとレリーフ基部層2Aの感光性樹脂組成物
の組み合せが次の組合せの感光性エレメントを作った。 P(本発明) :2B/2A=(3)/(6)(Q
31.6mJ/cm、Q=4.6mJ/cm) P(本発明) :2B/2A=(4)/(6)(Q
=34.4mJ/cm、 Q=4.6mJ/c
) 比較例4: 2B/2A=(1)/(5)(Q
19.2mJ/cm、Q=3.6mJ/cm
【0058】この感光性エレメントを用い、グラデーシ
ョンスケールの入ったテストパターンを透明画像担体と
して使用し、実施例1と同様にして印刷版の製版を行な
った。得られた版を用いてフレキソ輪転機で4ミルスの
印圧で印刷を行なった。
【0059】透明画像担体であるネガフィルムの網点面
積率と、印刷物のグラデーションスケール85線/イン
チの網点の面積率との関係を図5に示す。参考のため
に、印刷物のネガフィルムを完全に再現する理想的な場
合を直線Rで示す。
【0060】従来版に比べて本発明の版ではネガフィル
ムに近い再現を示しており、特に5%程度のハイライト
部における再現性改良効果が大きく、比較例の場合、印
刷物における階調再現域は網点面積率で23%〜100
%の範囲であるのに対し、本発明の版では5%程度から
100%の範囲と大きく改良されていることがわかる。
【0061】実施例3及び比較例5〜6 ポリプロピレングリコール(数平均分子量2,000)
1339重量部、トリレンジイソシアネート175.
8重量部及びジブチルチンジラウレート0.042重量
部を混合して、85℃で2時間反応させたのち、グリセ
リンモノメタクリレート153.6重量部を加えて、さ
らに2時間反応させ、赤外吸収スペクトルでNCOの消
滅を確認し、ポリウレタンプレポリマー(II)を得
た。
【0062】このようにして得られたポリウレタンプレ
ポリマー(II)を用いて、第3表に示すような各種の
感光性組成物を調製し、TO法による感光特性を求め
た。その結果を第3表に示す。
【0063】次に、前記感光性組成物を用い、実施例1
と同様な方法で、光硬化樹脂凸版を作成した。得られた
凸版印刷版としての性能を第4表に示す。
【0064】この版を用いてフレキソ印刷機で4ミルス
の印圧下5000部印刷したところ、実施例1と同様太
りが少なく、かつベタ部のツブシも良好な階調幅の広い
明るい印刷物が得られた。
【0065】
【0066】
【0067】実施例4 実施例1における感光性組成物(2)及び(6)を、そ
れぞれレリーフ頂部層及びレリーフ基部層として用い
て、感光性エレメントを調製し、光源として強度30m
w/cmのメタルハライドランプを使用して露光時間
を5〜13秒まで変化させる他は実施例1と同様にして
印刷版を製版した。
【0068】得られた版の85LPI(line pe
r inch)5%のハイライト部のレリーフ層の厚み
と近傍にあるベタ部のレリーフ層の厚みとの差を測定し
た。結果を第5表に示す。
【0069】この結果より、目的とする構成の印刷版を
得る為の露光時間は、この感光性エレメントにおいて最
小ハイライトが形成されるに必要な最小露光量からその
1.5倍までの範囲の露光量に相当する7〜10秒であ
り、露光をかけすぎるとハイライト部の厚みも他の部分
の厚みと差が無くなってしまうことがわかる。
【0069】
【発明の効果】網点面積率が7%以下である図柄を構成
するハイライト部のレリーフ層の厚みがハイライト部以
外の部分のレリーフ層の厚みより小さい本発明の光硬化
樹脂凸版を用いると、凸版印刷の欠点である印刷での細
線点の太りが有効に防止でき、特にハーフトーンの印刷
においては、従来のハイライト部は網点が太りやすく、
印圧をあまりかけることができないため、シャドウ部は
インキの転移性に劣り、階調の乏しい低級な印刷品質の
ものしか得られなかったのに対し、本発明の感光性樹脂
凸版を用いることにより、ハイライト部の太りが防止で
き、かつ印圧がかけられるので、明るく階調に富んだ高
級な印刷品質のものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の光硬化樹脂凸版の概略断面図
であり;
【図2】図2は、本発明においてハイライト部のレリー
フ厚さがハイライト以外の部分のレリーフ厚みより小さ
いレリーフ構造を形成する機構を説明する図であり;
【図3】図3は、本発明に用いる感光性樹脂の最小不溶
化光量Qを求めるための感光特性測定に用いるTO法の
原理図であり、
【図4】図4は、露光時間と光硬化樹脂層の厚みとの関
係の1例を示す片対数グラフであり;
【図5】図5は、ネガフィルムの網点面積率と印刷物の
網点面積率との関係を示す。図1〜図5において同様の
部分は同様の番号および符号で示してあり、1は支持
層、2は感光性樹脂層、2Aおよび2Bはレリーフの基
部層Aおよび頂部層Bに相当する感光性樹脂層の下層お
よび上層、3はネガフィルム、4は接着層、5は遮光片
をそれぞれ示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体、および該支持体上に少くとも二
    層の異なった感光特性の感光性樹脂層からなる多層感光
    性樹脂層を画像露光して光硬化により形成された基部層
    Aと頂部層Bをこの順序で有するレリーフ層を包含して
    なる光硬化樹脂凸版にして、網点面積率が7%以下であ
    る図柄を構成するハイライト部のレリーフ層の厚みがハ
    イライト部以外の部分のレリーフ層の厚みより小さいこ
    とを特徴とする光硬化性樹脂凸版。
  2. 【請求項2】 上記感光性樹脂層が下層としての最小不
    溶化光量Qの液状感光性樹脂層および上層としての最
    小不溶化光量Qの液状感光性樹脂層を有する多層感光
    性樹脂層であってQが23ミリジュール/cm以上
    かつQの5倍以上であり、上記下層および上層からそ
    れぞれ光硬化で形成された基部層Aと頂部層Bとの合計
    厚みの最大値が8mm以下、頂部層の最大厚みが基部層
    と頂部層との合計厚みの最大値の1/2以下かつ1mm
    以下である請求項1に記載の光硬化性樹脂凸版。
  3. 【請求項3】 支持体および該支持体上に下層としての
    最小不溶化光量Qの液状感光性樹脂層および上層とし
    ての最小不溶化光量Qの液状感光性樹脂層をこの順序
    で有する少くとも二層の異なった感光特性の感光性樹脂
    層からなる多層感光樹脂層を包含する感光性エレメント
    を提供し、該感光性エレメントに多層感光性樹脂層側か
    ら画像露光して光硬化部と未硬化部を形成し、次いで現
    像液で未硬化部をウオッシュアウトして上記下層および
    上層からそれぞれ得られ基部層Aと頂部層Bを有するレ
    リーフ層を形成することを包含する網点面積率7%以下
    である図柄を構成するハイライト部および網点面積率が
    7%を超える図柄を構成する非ハイライト部よりなる光
    硬化樹脂凸版の製造方法にして、Qが23ミリジュー
    ル/cm以上かつQの5倍以上であり、画像露光を
    網点面積率が7%以下である図柄を構成するハイライト
    部の最小ハイライトが形成されるに必要な最小露光量か
    らその1.5倍までの範囲の露光量で行なって、得られ
    る光硬化樹脂凸版の網点面積率が7%以下である図柄を
    構成するハイライト部のレリーフ層の厚みをハイライト
    部以外の部分のレリーフ層の厚みより小さくすることを
    特徴とする光硬化樹脂凸版の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記上層と下層との合計厚みが8mm以
    下、上層の厚みが上層と下層との合計厚みの1/2以下
    かつ1mm以下である請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 光源として高圧水銀灯、超高圧水銀灯、
    またはメタルハライドランプを使用することを特徴とす
    る請求項3〜4のいずれかに記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004317316A (ja) * 2003-04-16 2004-11-11 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム製品の表面ひずみ測定用シート及びゴム製品の表面ひずみ測定方法、並びにタイヤの表面ひずみ測定用シート及びタイヤの表面ひずみ測定方法
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