JP2001310566A - 感熱ダイレクト平版原版 - Google Patents

感熱ダイレクト平版原版

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JP2001310566A
JP2001310566A JP2000127761A JP2000127761A JP2001310566A JP 2001310566 A JP2001310566 A JP 2001310566A JP 2000127761 A JP2000127761 A JP 2000127761A JP 2000127761 A JP2000127761 A JP 2000127761A JP 2001310566 A JP2001310566 A JP 2001310566A
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Takatsuru Matsumoto
香鶴 松本
Hiroshi Mase
比呂志 間瀬
Sumio Hirose
純夫 広瀬
Yuko Suzuki
祐子 鈴木
Takayuki Sanada
隆幸 真田
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のダイレクト型オフセット版材の問題点を
解決し、高耐刷性、高寸法精度の平版印刷版が得られる
平版印刷原版を低価格で供給すること。 【解決手段】三次元架橋した親水性バインダーポリマー
中の官能基が、該親水性バインダー樹脂中に0.3μm
以下の大きさで分散した特定のブロック化イソシアネー
トと反応することにより、印字部を疎水化させる。 【効果】高耐刷性、高寸法精度の平版印刷版が得られる
平版印刷原版、およびその簡易かつ安価な製造方法を提
供することができ、さらに製版工程において現像工程が
不要なため廃棄物の発生を回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、現像不要で耐刷性に優
れた感熱ダイレクト平版原版に関する。
【従来の技術】コンピュータの普及につれ、版材構成と
ともに種々の平版の製版方法が提案されている。実用面
からは、版下からポジ若しくはネガフィルムを作成して
平版印刷原版に焼き付ける方法が一般に行われている
が、該フィルムを介することなく版下から直接製版する
電子写真版や銀塩写真版、あるいは、電子組版、DTP
で編集・作成された印刷画像情報を可視画像化すること
なく直接版材にレーザー若しくはサーマルヘッドで印字
し製版する所謂コンピュータ・ツー・プレート(CT
P)タイプの平版材が登場するに至っている。これらは
まだ実用化されていないが、特にCTPタイプは製版工
程の合理化と短縮化、材料費節減が可能となることから
CTP化が完了した新聞製作等の分野で大いに期待され
ている。かかるCTP版材としては、感光性、感熱性あ
るいは電気エネルギーで製版する版材が知られている。
感光性タイプの版材は、有機半導体、銀塩+感光性樹脂
系、高感度感光性樹脂等の材料を塗布しArレーザー、
半導体レーザー等で光照射による印字を行い、引き続き
現像して製版される。しかしながら、これらの版材は、
その製造装置が大型かつ高価であり、版価格も従来のP
S版に比べ割高である。そのため、これらの版材および
製版工程は実用化には至っていない。さらに、これらは
現像液の廃棄処理の問題も有する。このほか、軽印刷向
けに銀塩写真版があるが、耐刷性が低いため、軽印刷の
みに用いられている。また、電気エネルギーで製版する
版材(欧州公開公報200,488号等)が知られてい
るが、これらは、製版装置が大がかりとなり、中には印
刷版胴上で製版するため汎用性に欠けるものもあった。
感熱性タイプの版材は、社内印刷を始めとする軽印刷用
途に幾つか開発されている。特開昭63−64747号
公報、特開平1−113290号公報等には、感熱層に
分散させた熱溶融樹脂および熱可塑性樹脂を熱印字によ
り溶融し、加熱部を親水性から親油性に変化させる版材
が、米国特許公報4,034,183、同4,063,
949には、支持体上に設けられた親水性ポリマーをレ
ーザー照射し親水性基を無くし親油性に転換させる版材
が各々開示されている。またマイクロカプセル化された
熱溶融物質を支持体に塗布し、加熱部を親油性に変化さ
せるタイプ(特開平3−108588号公報)、熱溶融
物質をマイクロカプセル化した上でシリコン樹脂ととも
に塗布し、加熱部を親油性に変化させ、湿し水無しで印
刷するタイプ(特開平5−8575号公報)が知られて
いる。しかし、マイクロカプセル化された熱溶融物質は
いずれも反応性を有しない。親水性表面を有する支持体
上に活性水素含有バインダーポリマーと共にブロックイ
ソシアネートを親油性成分として用い、印字後、非印字
部分を洗浄除去するタイプ(特開昭62−164596
号公報、同62−164049号公報)、上層の熱溶融
層を穿孔し、下層の親水層(または親油層)を露出する
タイプ(特開平3−53991号公報等)といった版材
とその製版方法も公知である。一方、支持体上に油性物
質を加熱して親水性表面に転写するタイプ (米国特許
公報3,964,389、特開平1−209135号公
報、同3−53991号公報等)、加えて、ポリオレフ
ィンのシートにスルホン酸基を導入しサーマルヘッドで
印字しスルホン酸基の表面濃度を低下させ画像部を形成
する版材料も公知である(米国特許公報4,965,3
22)。さらに、ダイレクト型平版印刷材料の一つに、
親水層の表面に画像部をインキジェットやトナー転写等
の外的手段で形成する直描型平版材料があるが、この中
にマイクロカプセル化した非反応性の熱溶融性物質を塗
布し、加熱印字でトナー受理層を設ける直描型の版材も
知られている(特開昭62−1587号公報)。形成さ
れたトナー受理層に親油性のトナー等を固着して初めて
印刷版となるものであり、印字後、画像部が形成される
のではない。これら従来の感熱性平版印刷用の版材は、
何れも耐刷力に乏しいか親油性に乏しいため、用途に限
定があり、また多くはその製版工程においてウエット現
像を要するものであった。
【発明が解決しようとする課題】以上の通り、先行する
技術は、版性能、製版装置、製版作業性、あるいは版材
や製版、装置のコストの点および商業レベルでの実施上
には問題があった。そこで本発明は、従来のダイレクト
型オフセット版材の上記問題点を解決することを目的と
するものである。即ち、本発明の目的は、高耐刷性、高
寸法精度の平版印刷版が得られる平版印刷原版を低価格
で供給することである。さらに別の目的は、製版工程に
おいて、現像液などの廃棄物処理の必要な現像工程がな
く、専用の大掛りかつ高価な製版装置を用いなくとも製
版出来る平版印刷原版を提供することである。
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した問
題を解決するために鋭意検討を行い、本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、親水性バインダーポリマーよ
り構成される平版原版であって、該親水性バインダーポ
リマーは三次元架橋されており、親水性バインダーポリ
マー中の官能基が、(1)保護基が芳香族2級アミン
類、3級アルコール類、アミド類、フェノール類、ラク
タム類、活性水素を有する複素環化合物類またはオキシ
ム類であり、(2)解離温度が100〜200℃であ
り、かつ、(3)該親水性バインダー樹脂中に0.3μ
m以下の大きさで分散したブロック化イソシアネートと
反応することにより、印字部が疎水化することを特徴と
する感熱ダイレクト平版原版。である。
【発明の実施の形態】以下、本発明について説明する。
本発明の感熱ダイレクト平版原版において、親水性バイ
ンダーポリマーは、インキを撥き非画像部を構成する
が、三次元架橋構造を有していることが必要である。三
次元架橋構造とすることで、該親水性バインダーポリマ
ーを主成分として構成される親水層は、湿し水で膨潤す
ることなく、支持体との接着強度や親水層の機械的物性
を維持し、高い耐刷性を示す。三次元架橋構造は製版前
に形成されているか、印字と同時或いは印字後に形成さ
れてもよい。取扱い時の傷付け防止などから、製版前に
三次元架橋構造を形成し終えているのが好ましい。製版
前に親水性バインダーポリマーが三次元架橋構造をとっ
ていないものも、平版材料として用いることができる。
本発明でいう三次元架橋構造を有する親水性バインダー
ポリマーとは、炭素−炭素結合から構成されたポリマー
に側鎖として、カルボキシル基、アミノ基、リン酸基、
スルフォン酸基、またはこれらの塩、水酸基、アミド
基、ポリオキシエチレン基等の親水性官能基を一種類以
上かつ複数個含有する網目化されたポリマー、または炭
素原子、炭素−炭素結合の何れかが、少なくとも一種以
上の酸素、窒素、硫黄、リンからなるヘテロ原子で連結
されたポリマー若しくはその側鎖にカルボキシル基、ア
ミノ基、リン酸基、スルフォン酸基、またはこれらの
塩、水酸基、アミド基、ポリオキシエチレン基等の親水
性官能基を一種類以上かつ複数個含有する網目化された
ポリマーであり、具体的には、ポリ(メタ)アクリレー
ト系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタン系、エポ
キシ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポリ
(メタ)アクリルアミド系、ポリエステル系、ポリアミ
ド系、ポリアミン系、ポリビニル系、多糖類系或いはそ
の複合系等のポリマーが例示出来る。特に、セグメント
の側鎖に水酸基、カルボキシル基またはそのアルカリ金
属塩、アミノ基またはそのハロゲン化水素塩、スルホン
酸基またはそのアミン、アルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩、アミド基のいずれかをまたはこれらを組み合わ
せたものを繰り返し有するもの、更にこれらの親水性官
能基と主鎖セグメントの一部にポリオキシエチレン基を
重ね有するものは親水性が高く好ましい。これらに加え
て親水性バインダーポリマーの主鎖若しくは側鎖にウレ
タン結合若しくはウレア結合を有するものは親水性のみ
ならず非画像部の耐刷性も向上するのでさらに好まし
い。本発明の親水性バインダーポリマーの親水性は、支
持体上に架橋した親水性バインダーポリマーを実施例に
記載する印刷試験を行い、印刷用紙へのインキ付着の有
無、あるいは、印刷前後の非画像部の用紙の反射濃度差
(例えば、大日本スクリーン製造(株)製、反射濃度計
DM400で測定)で評価する。その場合、肉眼で観察
し、インキ汚れが認めらなければ可、認められれば不可
とするか、印刷後の非画像部の用紙反射濃度と印刷前の
用紙反射濃度との差が0.02以下を可、0.02を越
える場合を不可とする。本発明の親水性バインダーポリ
マーは必要に応じ、後述する種々のその他の成分を含ん
でよい。本発明の三次元架橋された親水性バインダーポ
リマーの具体例を以下に例示する。(メタ)アクリル酸
若しくはそのアルカリ、アミン塩、イタコン酸若しくは
そのアルカリ、アミン塩、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノ
メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール
(メタ)アクリルアミド、3−ビニルプロピオン酸若し
くはそのアルカリ、アミン塩、ビニルスルフォン酸若し
くはそのアルカリ、アミン塩、2−スルホエチル(メ
タ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシポリオキ
シエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリ
ルアミン若しくはそのハロゲン化水素酸塩等の水酸基、
カルボキシル基あるいはその塩、スルホン酸基あるいは
その塩、リン酸あるいはその塩、アミド基、アミノ基、
エーテル基といった親水性基を有する親水性モノマーの
中から少なくとも一種を用いて親水性ホモ若しくはコポ
リマーを合成する。親水性ポリマー中の水酸基、カルボ
キシル基、アミノ基或いはその塩、エポキシ基といった
官能基を有する親水性バインダーポリマーは、これらの
官能基を利用し、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリ
ル基等のエチレン付加重合性不飽和基或いはシンナモイ
ル基、シンナミリデン基、シアノシンナミリデン基、p
−フェニレンジアクリレート基等の環形成基を導入した
不飽和基含有ポリマーを得る。これに、必要により、該
不飽和基と共重合し得る単官能、多官能モノマーと従来
公知の重合開始剤を加え、適当な溶媒に溶解し、ドープ
を調整する。これを支持体上にコーティングし乾燥後或
いは乾燥を兼ねて三次元架橋させる。また、尿素ホルマ
リン樹脂、メラミンホルマリン、ジシアンジアミドホル
マリン、アルコキシメチル基イミノ基含有メラミンなど
を例示することが出来る。特に、アルコキシメチル基イ
ミノ基含有メラミン(製造メーカーとしては、三井サイ
テック社を例示できる)が好ましい。本発明における架
橋剤の量としては、親水性バインダー樹脂100質量部
に対して、5〜45質量部であることが、その架橋物の
耐久性、耐水性、地汚れ防止および着インク性を最適化
するために好ましい。更に、好ましくは10〜40質量
部である。本発明の親水性バインダーポリマーは、下記
の単官能モノマー、多官能モノマーを併用させてもよ
い。具体的には、N,N’−メチレンビスアクリルアミ
ド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルピリジ
ン、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルア
ミノネオペンチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−
2−ピロリドン、ダイアセトンアクリルアミド、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、パラスチレンスルホ
ン酸とその塩、メトキシトリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール
(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量40
0)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート(PEGの数平均分子量1000)、ブトキシエ
チル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)
アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート(PEGの数平均分子量400)、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEG
の数平均分子量600)、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量100
0)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト(PPG数平均分子量400)、2,2−ビス[4−
(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,
2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・
ポリエトキシ)フェニル]プロパンまたはそのアクリレ
ート体、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイド
ロジェンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシ
エチハドロジェンサクシネート、ポリエチレンまたはポ
リプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テ
トラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、イソ
ボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラフ
ルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アク
リレート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシ
ッドホスフェートまたはそのメタクリル体、グリセリン
モノまたはジ(メタ)アクリレート、トリス(2−アク
リロキシエチル)イソシアヌレートまたはそのメタクリ
ル体、N−フェニルマレイミド、N−(メタ)アクリル
オキシコハク酸イミド、N−ビニルカルバゾール、ジビ
ニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素等がある。
本発明のブロック化イソシアネートの保護基としては、
その解離温度(100〜200℃)の適正化、水溶化な
どのことを考慮して、芳香族2級アミン類、3級アルコ
ール類、アミド類、フェノール類、ラクタム類、活性水
素を有する複素環化合物、オキシム類とすることが望ま
しい。また、イソシアネートとしては、ヘキサンジイソ
シアネート、トルエンジイソシアネート、MDI、IP
DIなど従来公知のものを使用することが出来る。使用
するブロック化イソシアネートの解離温度が、100℃
より低いものでは、親水性バインダーポリマーの3次元
架橋の架橋温度をかなり低く、または短時間に設定する
必要があるが、それは製造上かなり制約(適正な架橋剤
の選択、膜の耐水性設計)を生じ好ましくない。また、
200℃より高いものであれば、版への記録時の熱量で
は充分な解離が進まず、満足できる記録部の疎水化が達
成されない。よって、本発明で使用するブロックイソシ
アネートの解離温度は、100〜200℃であり、より
好ましくは130〜180℃のものである。また、ブロ
ック化イソシアネートは親水性バインダーポリマー中
に、0.3μm以下の大きさに分散されていることが求
めらる。0.3μmより大きいとCTP版とした場合に
ブロック化イソシアネートの分散が不均一過ぎて、画像
を書き込んだ際に濃度斑を生じ易く好ましくない。分散
粒径の確認は、光学顕微鏡(500倍程度で良い)によ
り膜表面を観察し、その観察像を画像解析することによ
って確認した。本発明のブロックイソシアネートの量
は、ブロックイソシアネート/親水性バインダーポリマ
ー質量比率が1/20〜10/1の範囲、さらには感
度、耐刷性の観点からは、1/15〜5/1の範囲で使
用する。本発明では、記録方式がレーザー印字によるも
のであるため、用いるレーザーの発光波長領域に吸収帯
を有する光−熱変換物質をさらに使用する。かかる物質
としては、例えば、松岡賢著「JOEM Handbo
ok 2 Absorption Spectraof
Dyes for Diode Lasers」ぶん
しん出版(1990)、シーエムシー編集部「90年代
機能性色素の開発と市場動向」シーエムシー(199
0)第2章2.3に記載されているポリメチン系色素
(シアニン色素)、フタロシアニン系色素、ジチオール
金属錯塩系色素、ナフトキノン、アントラキノン系色
素、トリフェニルメタン系色素、アミニウム、ジインモ
ニウム系色素、アゾ系分散染料、インドアニリン金属錯
体色素、分子間型CT色素等の染料、顔料および色素が
ある。具体的には、N−[4−[5−(4−ジメチルア
ミノ−2−メチルフェニル)−2,4−ペンタジエニリ
デン]−3−メチル−2,5−シクロヘキサジエン−1
−イリデン]−N,N−ジメチルアンモニウムアセテー
ト、N−[4−[5−(4−ジメチルアミノフェニル)
−3−フェニル−2−ペンテン−4―イン−1−イリデ
ン]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−
N,N−ジメチルアンモニウム パークロレート、N,
N−ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−N−[4−
[N,N−ビス(4−ジブチルアミノフェニル)アミ
ノ]フェニル]−アミニウム ヘキサフルオロアンチモ
ネート、5−アミノ−2,3−ジシアノ−8−(4−エ
トキシフェニルアミノ)−1,4−ナフトキノン、
N’−シアノ−N−(4−ジエチルアミノ−2−メチル
フェニル)−1,4−ナフトキノンジイミン、4,11
−ジアミノ−2−(3−メトキシブチル)−1−オキソ
−3−チオキソピロロ[3,4−b]アントラセン−
5,10−ジオン、5,16(5H,16H)−ジアザ
−2−ブチルアミノ−10,11−ジチアジナフト
[2,3−a:2’3’−c]−ナフタレン−1,4−
ジオン、ビス(ジクロロベンゼン−1,2−ジチオー
ル)ニッケル(2:1)テトラブチルアンモニウム、テ
トラクロロフタロシアニン アルミニウムクロライド、
ポリビニルカルバゾール−2,3−ジシアノ−5−ニト
ロ−1,4−ナフトキノン錯体等が例示出来る。印字部
のみが発色する公知の感熱色素をブロック化イソシアネ
ートと併用し、印字部の可視化を計ると検版を行ないや
すいので好ましい。例えば、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオランとビスフェノールAと
いったロイコ染料及び粉砕した顕色剤の組合せ等があ
る。大河原信他編「色素ハンドブック」講談社刊(19
86)等の成書に開示されている感熱色素が使用でき
る。親水性の調整を目的として、使用する親水性バイン
ダーポリマーおよびブロック化イソシアネートと反応し
ない非反応性親水性ポリマーを耐刷性を損なわない範囲
で親水層に添加してもよい。本発明に使用される支持体
は、印刷分野に要求される性能とコストを勘案して公知
の材料から選択すればよい。多色刷りといった高寸法精
度が要求される場合、版胴への装着方式が金属支持体に
合わせて出来上がっている印刷機で用いる場合には、ア
ルミ、スチール製等の金属支持体が好ましい。多色印刷
せず高耐刷性が要求される場合はポリエステル等のプラ
スチック支持体、さらに低コストが要求される分野には
紙、合成紙、防水樹脂ラミネート或いはコート紙支持体
が使用できる。支持体と接触する材料との接着性向上の
ために支持体自身の表面処理を施したものを使用しても
よい。かかる表面処理の例としてアルミシートの場合、
各種研摩処理、陽極酸化処理があり、プラスチックシー
トの場合、コロナ放電処理、ブラスト処理等がある。耐
刷力等必要に応じ支持体の上に接着剤層を設けることが
出来る。一般的に高耐刷性を必要とする場合、接着剤層
を設ける。接着剤は親水層成分と使用する支持体に合わ
せ選択・設計する必要がある。山田章三郎監「接着・粘
着の事典」朝倉書店刊(1986)、日本接着協会編
「接着ハンドブック」日本工業新聞社刊(1980)等
に記載のアクリル系、ウレタン系、セルロース系、エポ
キシ系等接着剤が使用できる。本発明の感熱平版原版
は、以下の方法で製造できる。上述の成分をその種類、
親水性バインダーポリマーの架橋方法に従って選択した
溶媒と共にペイントシェーカー、ボールミル、超音波ホ
モジナイザー等でよく分散し、得られた塗布液(ドー
プ)をドクターブレード法、バーコート法、ロールコー
ト法等で支持体上に塗布し乾燥し、感熱平版印刷材料を
得る。エチレン付加重合性不飽和基を含有する成分を使
用する場合、貯蔵安定性上必要ならドープ中に前述の公
知の熱安定剤を0.01〜5%の範囲で添加してもよ
い。ドープ溶媒としては、水、エタノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノールといったアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトンといったケトン類、ジエチレン
グリコールジエチルエテル、ジイソプロピルエーテル、
ジオキサン、テトラハイドロフラン、ジエチレングリコ
ールといったエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルとい
ったエステル類、トルエン、キシレンといった芳香族炭
化水素、n−ヘキサン、デカリンといった脂肪族炭化水
素、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルフォキシ
ド、アセトニトリル或いはこれらの混合溶剤を使用する
ことができる。親水性バインダーポリマーを三次元架橋
させるためにブロック化イソシアネートが解離する温度
より低温で追加の加熱を行なう。塗膜の厚みは数μm〜
100μmの間で任意に設定すればよい。通常は性能と
コストの関係から1〜10μmの厚みが好ましい。表面
平滑性を高める必要があれば、塗布・乾燥後、若しくは
親水性バインダーポリマーの三次元架橋化反応後にカレ
ンダー処理を行えばよい。特に高度の平滑性が必要なら
塗布・乾燥後に行うのが好ましい。本発明の感熱ダイレ
クト平版原版を製版するには、電子組版機、DTP、ワ
ードプロセッサー、パーソナルコンピュータ等で作成・
編集された文書・画像をレーザーで描画・印字し、次い
で活性光線を照射するだけで現像工程は一切行なわず完
了する。オフセット印刷機に装着し印刷する際、必要な
らば通常のエッチング処理を施してからそのまま印刷す
ることが出来る。
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
なお、文中、部と記してあるのは特に断りの無い限り質
量部である。 (1)親水性バインダーポリマーの製造例1[P−1] 500mlサイズのセパラブルフラスコに、水200g
を仕込み、窒素雰囲気下80℃に昇温した。次いで、混
合溶液1(2−ヒドロキシエチルアクリレート6.85
g、アクリルアミド25.16g、水50gと混合溶液
2(過硫酸カリウム0.25g、水50g)を撹拌しな
がらセパラブルフラスコの中へ2時間かけてフィードし
た。その後同温度にて2時間重合を継続し、親水性バイ
ンダーポリマーP−1(GPCによる数平均分子量:
1.5×104 、水−ケロシン系の水中油滴法接触角:
160度以上)を得た。 実施例1 厚み180μmのポリエチレンテレフタレート支持体の
上に、あらかじめペイントシェーカーで室温下30分間
よく分散させたのち脱泡した下記組成のドープをブレー
ドコーターで塗布した。 親水性バインダーポリマー;P−1 : 85. 0部 サイメル385(三井サイテック製) 5. 0部 NK5078(日本感光性色素製色素) 5. 0部 ドデシルベンゼンスルホン酸 1. 0部 ブロック化イソシアネート 10. 0部 商品名 バイヒジュールB5140 (解離温度150℃、保護基 オキシム) (住友バイエルウレタン(株)製) 次いで、30分間風乾し、真空乾燥機中で120℃、2
0分間乾燥して膜化し平版印刷原版を得た。ブロック化
イソシアネートによるドメインサイズは0.3μmより
小さかった。この原版を電子組版機と接続した500m
W半導体レーザー素子搭載の印字装置で印刷画像を熱印
字した。この版を所定の寸法にトリミングしオフセット
印刷機(ハマダ印刷機械株式会社製、HAMADA61
1XL、ハードブランケット使用)に装着し上質紙に対
し印刷した(用いたインキは、市販のオフセットインキ
(黒、大日本インキ(株)製))、湿し水はエッチ液を
水で50倍希釈したものを使用した)。2万部を過ぎて
も地汚れがなく、画像部も鮮明に印刷出来た。 実施例2 実施例1において、ブロック化イソシアネートをスミジ
ュールTPLS2078(解離温度;160℃、保護
基;ラクタム、住友バイエルウレタン(株)製)に変更
した以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版を得
(ドメインサイズは0.3μmより小さく)、製版、印
刷を行なった。印字後実施例1同様に印刷した。印刷の
結果印刷版の画像部は、黒色に着色しており検版が容易
であった。印刷の結果、3万部過ぎても地汚れもなく綺
麗な印刷物が得られた。 実施例3 実施例1において、ブロック化イソシアネートの量を5
部とした以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版
を得(ドメインサイズは0.3μmより小さく)、製
版、印刷を行なった。印字後実施例1同様に印刷した。
印刷の結果印刷版の画像部は、黒色に着色しており検版
が容易であった。印刷の結果、3万部過ぎても地汚れも
なく綺麗な印刷部を得ることが出来た。 比較例1 実施例1において、ブロック化イソシアネートを用いな
かった以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版を
得、製版、印刷を行なった。印字後実施例1同様に印刷
した。印刷の結果印刷版の画像部は、灰色(印字濃度不
足)であり全く使用に耐えないものであった。 比較例2 実施例1において、ブロック化イソシアネートを50部
用いた以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版を
得、製版、印刷を行なった。印字後実施例1同様に印刷
した。印刷の結果印刷版の画像部は、黒くなったが地汚
れがヒドク全く使用に耐えないものであった。
【発明の効果】本発明において非画像部は親水性バイン
ダーポリマーで形成されているため、製版工程で現像が
不要になり、現像液の管理、廃液の適正な処理といった
作業が要らないため作業効率、コスト削減が計られる。
当然製版装置も現像を必要とする版材用に比較し装置サ
イズがコンパクトになり、精度は要求されるものの機構
が単純になるため装置価格も低く設計出来る。更に画像
・非画像部は三次元架橋されており、強度がかなり堅固
なものとなるため既存のCTP版と比較し耐刷性におい
て格段に優れており、単なる社内印刷を中心とする軽印
刷だけでなく、新聞輪転印刷、フォーム印刷等本格的な
印刷用の版材としても実用に供せるものになった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/033 G03F 7/033 (72)発明者 鈴木 祐子 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 (72)発明者 真田 隆幸 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA12 AB03 AC08 AD01 AD03 BC32 BC42 BH03 CB51 CC20 FA03 2H096 AA07 AA08 BA16 BA20 EA04 LA16 2H114 AA04 AA24 BA01 BA10 DA32 DA34 DA41 DA42 DA43 DA47 DA49 DA51 DA52 DA53 DA55 DA56 DA59 DA60 EA01 EA02 EA03 EA08 FA06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性バインダーポリマーより構成され
    る平版原版であって、該親水性バインダーポリマーは三
    次元架橋されており、親水性バインダーポリマー中の官
    能基が、(1)保護基が芳香族2級アミン類、3級アル
    コール類、アミド類、フェノール類、ラクタム類、活性
    水素を有する複素環化合物またはオキシム類であり、
    (2)解離温度が100〜200℃であり、かつ、
    (3)該親水性バインダー樹脂中に0. 3μm以下の
    大きさで分散したブロック化イソシアネートと反応する
    ことにより、印字部が疎水化することを特徴とする感熱
    ダイレクト平版原版。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6949327B2 (en) 2003-07-09 2005-09-27 Kodak Polychrome Graphics Llc On-press developable lithographic printing plate

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6949327B2 (en) 2003-07-09 2005-09-27 Kodak Polychrome Graphics Llc On-press developable lithographic printing plate

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