JP2001310565A - 感熱ダイレクト印刷版 - Google Patents

感熱ダイレクト印刷版

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JP2001310565A
JP2001310565A JP2000127760A JP2000127760A JP2001310565A JP 2001310565 A JP2001310565 A JP 2001310565A JP 2000127760 A JP2000127760 A JP 2000127760A JP 2000127760 A JP2000127760 A JP 2000127760A JP 2001310565 A JP2001310565 A JP 2001310565A
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Japan
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plate
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meth
hydrophilic
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Application number
JP2000127760A
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English (en)
Inventor
Takatsuru Matsumoto
香鶴 松本
Hiroshi Mase
比呂志 間瀬
Sumio Hirose
純夫 広瀬
Yuko Suzuki
祐子 鈴木
Takayuki Sanada
隆幸 真田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のダイレクト型オフセット版材の問題点を
解決し、高耐刷性、高寸法精度の平版印刷版が得られる
平版印刷原版を低価格で供給すること。 【解決手段】乳化効果を有する単量体を構成成分とする
親水性バインダーポリマーからなる親水層および支持体
とから構成される感熱ダイレクト印刷版において、該親
水性バインダーポリマーが三次元架橋され、かつ、印字
過程を経ることによって印字部を疎水化させる。 【効果】高耐刷性、高寸法精度の平版印刷版が得られる
平版印刷原版、およびその簡易かつ安価な製造方法を提
供することができ、さらに製版工程において現像工程が
不要なため廃棄物の発生を回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現像不要で耐刷性
に優れた感熱ダイレクト平版原版及びその製版方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの普及につれ、版材構成と
ともに種々の平版の製版方法が提案されている。実用面
からは、版下からポジ若しくはネガフィルムを作成して
平版印刷原版に焼き付ける方法が一般に行われている
が、該フィルムを介することなく版下から直接製版する
電子写真版や銀塩写真版、あるいは、電子組版、DTP
で編集・作成された印刷画像情報を可視画像化すること
なく直接版材にレーザー若しくはサーマルヘッドで印字
し製版する所謂コンピュータ・ツー・プレート(CT
P)タイプの印刷版が登場するに至っている。これらは
まだ実用化されていないが、特にCTPタイプは製版工
程の合理化と短縮化、材料費節減が可能となることから
CTP化が完了した新聞製作等の分野で大いに期待され
ている。
【0003】かかるCTP版材としては、感光性、感熱
性あるいは電気エネルギーで製版する版材が知られてい
る。感光性タイプの版材は、有機半導体、銀塩+感光性
樹脂系、高感度感光性樹脂等の材料を塗布しArレーザ
ー、半導体レーザー等で光照射による印字を行い、引き
続き現像して製版される。しかしながら、これらの版材
は、その製造装置が大型かつ高価であり、版価格も従来
のPS版に比べ割高である。そのため、これらの版材お
よび製版工程は実用化には至っていない。さらに、これ
らは現像液の廃棄処理の問題も有する。このほか、軽印
刷向けに銀塩写真版があるが、耐刷性が低いため、軽印
刷のみに用いられている。
【0004】また、電気エネルギーで製版する版材(欧
州公開公報200,488号等)が知られているが、こ
れらは、製版装置が大がかりとなり、中には印刷版胴上
で製版するため汎用性に欠けるものもあった。感熱性タ
イプの版材は、社内印刷を始めとする軽印刷用途に幾つ
か開発されている。特開昭63−64747号公報、特
開平1−113290号公報等には、感熱層に分散させ
た熱溶融樹脂および熱可塑性樹脂を熱印字により溶融
し、加熱部を親水性から親油性に変化させる版材が、米
国特許公報4,034,183号、同4,063,94
9号には、支持体上に設けられた親水性ポリマーをレー
ザー照射し親水性基を無くし親油性に転換させる版材が
各々開示されている。
【0005】またマイクロカプセル化された熱溶融物質
を支持体に塗布し、加熱部を親油性に変化させるタイプ
(特開平3−108588号公報)、熱溶融物質をマイ
クロカプセル化した上でシリコン樹脂とともに塗布し、
加熱部を親油性に変化させ、湿し水無しで印刷するタイ
プ(特開平5−8575号公報)が知られている。しか
し、マイクロカプセル化された熱溶融物質はいずれも反
応性を有しない。親水性表面を有する支持体上に活性水
素含有バインダーポリマーと共にブロックイソシアネー
トを親油性成分として用い、印字後、非印字部分を洗浄
除去するタイプ(特開昭62−164596号公報、同
62−164049号公報)、上層の熱溶融層を穿孔
し、下層の親水層(または親油層)を露出するタイプ
(特開平3−53991号公報等)といった版材とその
製版方法も公知である。
【0006】一方、支持体上に油性物質を加熱して親水
性表面に転写するタイプ (米国特許公報3,964,
389号、特開平1−209135号公報、同3−53
991号公報等)、加えて、ポリオレフィンのシートに
スルホン酸基を導入しサーマルヘツドで印字しスルホン
酸基の表面濃度を低下させ画像部を形成する版材料も公
知である(米国特許公報4,965,322号)。
【0007】さらに、ダイレクト型平版印刷材料の一つ
に、親水層の表面に画像部をインキジェットやトナー転
写等の外的手段で形成する直描型平版材料があるが、こ
の中にマイクロカプセル化した非反応性の熱溶融性物質
を塗布し、加熱印字でトナー受理層を設ける直描型の版
材も知られている(特開昭62−1587号公報)。形
成されたトナー受理層に親油性のトナー等を固着して初
めて印刷版となるものであり、印字後、画像部が形成さ
れるのではない。これら従来の感熱性平版印刷用の版材
は、何れも耐刷力に乏しいか親油性に乏しいため、用途
に限定があり、また多くはその製版工程においてウエッ
ト現像を要するものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の通り、先行する
技術は、版性能、製版装置、製版作業性、あるいは版材
や製版、装置のコストの点および商業レベルでの実施上
には問題があった。そこで本発明は、従来のダイレクト
型オフセット版材の上記問題点を解決することを目的と
するものである。即ち、本発明の目的は、高耐刷性、高
寸法精度の平版印刷版が得られる平版印刷原版を低価格
で供給することである。さらに別の目的は、製版工程に
おいて、現像液などの廃棄物処理の必要な現像工程がな
く、専用の大掛りかつ高価な製版装置を用いなくとも製
版出来る平版印刷原版を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した課
題を解決するために鋭意検討を行い、本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、[1] 乳化効果を有する単
量体を構成成分とする親水性バインダーポリマーよりな
る親水層および支持体とから構成される平版原版であっ
て、該親水性バインダーポリマーは三次元架橋され、印
字過程を経ることによって印字部を疎水化させることを
特徴とする感熱ダイレクト印刷版であり、[2] 乳化
効果を有する単量体が下記一般式(1)から一般式
(5)[化2]で表わされる構造を有するものであり、
親水性バインダーポリマー中の構成単位量が1〜80モ
ル%である[1]に記載の感熱ダイレクト印刷版であ
り、
【0010】
【化2】 CH2=CR1(CH2)mSO3X (1) CH2=CR1COO(CH2)nSO3X (2) CH2=CR1CO(AO)pOΦCH2ΦCH2ΦO(EO)qSO3 (3) HOOCCH=CHCO(AO)rOR2 (4) R345+CH2CH=CH2Cl- (5) (式中、R1、R2、R3、R4、R5は水素原子またはメチル
基を表わし、Xはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金
属イオンまたはアンモニウムイオンを表わし、Φは置換
位置が任意の二価のフェニル基を表わし、m、n、p、
q、rはそれぞれ独立に1〜5の整数を表わし、AOは
炭素数1〜5の分岐していてもよいアルキレンオキシ基
を表わし、EOはエチレンオキシ基を表す。)
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においては、上記の如き一
般式で表される乳化効果を有する単量体を親水性バイン
ダーポリマーの構成成分として用いるが、これは該親水
性バインダーポリマーと湿し水との親和性を向上させ、
非印字部に撥水性を持たせるためである。これにより地
汚れを防ぐことができる。
【0012】更に、本発明の親水性バインダーポリマー
は、インキを撥き非印字部を構成するが、三次元架橋構
造を有することも必要である。三次元架橋構造とするこ
とで、親水層は、湿し水で膨潤することなく、支持体と
の接着強度や親水層の機械的物性を維持し、高い耐刷性
を示す。
【0013】市販されている乳化効果を有する単量体の
具体的な例としては、商品名Antox−MS−60
[式(3)]、Antox−MS−2NおよびAnto
x−MS−NH4[式(2)]、RA−1000シリー
ズ[式(4)]、RF−751[式(5)](以上日本
乳化剤(株)製)および商品名GEROPON MLS
/A[式(1)](ローディア日華(株)販売)を例示
することができる。しかしながら、これに限定されるも
のではない。
【0014】また、この他にも、商品名ラテムル180
シリーズ(花王(株)製)、商品名RMA−500シリ
ーズ、MAシリーズ、RMA−Mシリーズ(日本乳化剤
(株)製)、商品名SIPOMERCOPS−1、SI
POMER WAM II、SIPOMER β―CE
A(ローディア日華(株)販売)などを例示することも
出来る。
【0015】三次元架橋構造は製版前に形成されている
か、印字と同時或いは印字後に形成されればよい。取扱
い時の傷付け防止、およびサーマルヘッドで印字する場
合、熱溶融した親水層成分のサーマルヘッドへの付着を
防止する観点からは、製版前に三次元架橋構造を形成し
終えているのが好ましい。製版前に親水性バインダーポ
リマーが三次元架橋構造をとっていないものも、平版材
料として用いることができる。
【0016】本発明でいう三次元架橋構造を有する親水
性バインダーポリマーとは、炭素−炭素結合から構成さ
れたポリマーに側鎖として、カルボキシル基、アミノ
基、リン酸基、スルフォン酸基、またはこれらの塩、水
酸基、アミド基、ポリオキシエチレン基等の親水性官能
基を一種類以上かつ複数個含有する網目化されたポリマ
ー、または炭素原子、炭素−炭素結合の何れかが、少な
くとも一種以上の酸素、窒素、硫黄、リンからなるヘテ
ロ原子で連結されたポリマー若しくはその側鎖にカルボ
キシル基、アミノ基、リン酸基、スルフォン酸基、また
はこれらの塩、水酸基、アミド基、ポリオキシエチレン
基等の親水性官能基を一種類以上かつ複数個含有する網
目化されたポリマーであり、具体的には、ポリ(メタ)
アクリレート系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタ
ン系、エポキシ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル
酸系、ポリ(メタ)アクリルアミド系、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリアミン系、ポリビニル系、多糖
類系或いはその複合系等のポリマーが例示出来る。
【0017】特に、セグメントの側鎖に水酸基、カルボ
キシル基またはそのアルカリ金属塩、アミノ基またはそ
のハロゲン化水素塩、スルホン酸基またはそのアミン、
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミド基のいず
れかをまたはこれらを組み合わせたものを繰り返し有す
るもの、更にこれらの親水性官能基と主鎖セグメントの
一部にポリオキシエチレン基を重ね有するものは親水性
が高く好ましい。これらに加えて親水性バインダーポリ
マーの主鎖若しくは側鎖にウレタン結合若しくはウレア
結合を有するものは親水性のみならず非印字部の耐刷性
も向上するのでさらに好ましい。
【0018】上記親水性官能基のポリマー中の割合は、
前述の主鎖セグメントの種類と使用する親水性官能基の
種類により、それぞれの試料について次に記載する方法
で実験的に適宜求めていけばよい。すなわち、本発明の
親水性バインダーポリマーの親水性は、支持体上に架橋
した親水性バインダーポリマーを実施例に記載する印刷
試験を行い、印刷用紙へのインキ付着の有無、あるい
は、印刷前後の非印字部の反射濃度差(例えば、大日本
スクリーン製造(株)製、反射濃度計DM400で測
定)で評価する。
【0019】この方法で評価する場合、肉眼で観察し、
インキ汚れが認めらなければ可、認められれば不可とす
るか、印刷後の非画像部の用紙反射濃度と印刷前の用紙
反射濃度との差が0.02以下を可、0.02を越える
場合を不可とする。
【0020】本発明の親水性バインダーポリマーは必要
に応じ、後述する種々のその他の成分を含んでよい。本
発明の三次元架橋された親水性バインダーポリマーの具
体例を以下に例示する。
【0021】(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカ
リ、アミン塩、イタコン酸若しくはそのアルカリ、アミ
ン塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)
アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルア
ミド、3−ビニルプロピオン酸若しくはそのアルカリ、
アミン塩、ビニルスルフォン酸若しくはそのアルカリ、
アミン塩、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ポ
リオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、アリルアミン若しくはそ
のハロゲン化水素酸塩等の水酸基、カルボキシル基ある
いはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、リン酸ある
いはその塩、アミド基、アミノ基、エーテル基といった
親水性基を有する親水性モノマーの中から少なくとも一
種を用いて親水性ホモ若しくはコポリマーを合成する。
【0022】親水性ポリマー中の水酸基、カルボキシル
基、アミノ基或いはその塩、エポキシ基といった官能基
を有する親水性バインダーポリマーは、これらの官能基
を利用し、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基等
のエチレン付加重合性不飽和基或いはシンナモイル基、
シンナミリデン基、シアノシンナミリデン基、p−フェ
ニレンジアクリレート基等の環形成基を導入した不飽和
基含有ポリマーを得る。これに、必要により、該不飽和
基と共重合し得る単官能、多官能モノマーと後述の重合
開始剤と後述の他の成分とを加え、適当な溶媒に溶解
し、ドープを調整する。これを支持体上にコーティング
し乾燥後或いは乾燥を兼ねて三次元架橋させる。
【0023】水酸基、アミノ基、カルボキシル基といっ
た活性水素を含有する親水性バインダーポリマーは、イ
ソシアネート化合物或いはブロックポリイソシアネート
化合物および後述の他の成分と共に上記の活性水素非含
有溶剤中に添加しドープを調合し支持体に塗布し乾燥後
或いは乾燥を兼ねて反応させ三次元架橋させる。
【0024】親水性バインダーポリマーの共重合成分に
グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基、
(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を有するモノ
マーを併用することができる。グリシジル基を有する親
水性バインダーポリマーは、架橋剤として、1,2−エ
タンジカルボン酸、アジピン酸といったα,ω−アルカ
ン若しくはアルケンジカルボン酸、1,2,3−プロパ
ントリカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン
酸、1,2−エタンジアミン、ジエチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、α,ω−ビス−(3−アミノプロ
ピル)―ポリエチレングリコルエーテル等のポリアミン
化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の
オリゴアルキレンまたはポリアルキレングリコール、ト
リメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリストー
ル、ソルビトール等のポリヒドロキシ化合物を用い、こ
れらとの開環反応を利用して三次元架橋出来る。
【0025】カルボキシル基、アミノ基を有する親水性
バインダーポリマーは、架橋剤として、エチレンまたは
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチ
レンまたはポリプロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテル等のポリエ
ポキシ化合物を用いたエポキシ開環反応等を利用して三
次元架橋することが出来る。
【0026】セルロース誘導体などの多糖類やポリビニ
ルアルコールあるいはその部分鹸化物、グリシドールホ
モ若しくはコポリマー若しくはこれらをベースとした親
水性バインダーポリマーは、これらが含有する水酸基を
利用し、前述の架橋反応し得る官能基を導入し、前述の
方法で三次元架橋構造をもたらすことが出来る。
【0027】ポリオキシエチレングリコール等の水酸基
またはアミノ基をポリマー末端に含有するポリオールあ
るいはポリアミンと2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート等のポリイソシアネートとから合成した親水性ポリ
ウレタン前駆体に、エチレン付加重合性不飽和基あるい
は環形成基を導入したポリマーを用い前述の方法で三次
元架橋できる。
【0028】合成された親水性ポリウレタン前駆体が、
イソシアネート基末端を有する場合は、グリセロールモ
ノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−ジメチロール(メタ)アクリリルアミド、(メ
タ)アクリル酸、ケイ皮酸、ケイ皮アルコール等の活性
水素を有する化合物と、または、水酸基あるいはアミノ
基末端を有する場合は、(メタ)アクリル酸、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メ
タ)アクリレートなどと反応させる。
【0029】多塩基酸とポリオールや多塩基酸とポリア
ミンとを塗布後、加熱により三次元架橋化させたり、カ
ゼイン、グルー、ゼラチン等の水溶性コロイド形成化合
物を加熱により三次元架橋させて網目構造を有する親水
性バインダーポリマーを形成してもよい。
【0030】さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ビニルアルコールといった水酸基含有モノ
マーやアリルアミンから合成したホモもしくはコポリマ
ー、部分鹸化ポリビニルアルコール、セルロース誘導体
といった多糖類、グリシドールホモ若しくはコポリマー
等の、水酸基、アミノ基含有親水性ポリマーと一分子中
に二個以上の酸無水基を有する多塩基酸無水物との反応
で三次元架橋した親水性バインダーポリマーを形成する
方法もある。
【0031】多塩基酸無水物としては、エチレングリコ
ール ビス アンヒドロトリメリテート、グリセロール
トリス アンヒドロトリメリテート、1,3,3a,
4,5,9b ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
C]フラン−1,3−ジオン、3,3秩C4,4秩|ジフ
ェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物等を例示でき
る。
【0032】また、尿素ホルマリン樹脂、メラミンホル
マリン、ジシアンジアミドホルマリン、アルコキシメチ
ル基イミノ基含有メラミンなどを例示することが出来
る。特に、アルコキシメチル基イミノ基含有メラミン
(製造メーカーとしては、三井サイテック社を例示でき
る)が好ましい。
【0033】本発明における架橋剤の量としては、親水
性バインダー樹脂100質量部に対して、5〜45質量
部であることが、その架橋物の耐久性、耐水性、地汚れ
防止および着インク性を最適化するために好ましい。更
に、好ましくは10〜40質量部である。
【0034】架橋間平均分子量等架橋度の程度は、使用
するセグメントの種類、会合性官能基の種類と量等によ
り異なるが、要求される耐刷性に応じ決めていけばよ
い。通常、架橋間平均分子量は500〜50000の範
囲で設定される。500より短いとかえって脆くなる傾
向があり、50000より長いと湿し水で膨潤し耐刷性
が損なわれるので好ましくない場合もある。耐刷性、親
水性のバランス上、800〜30000さらには100
0〜10000程度が実用的である。本発明の親水性バ
インダーポリマーは、下記の単官能モノマー、多官能モ
ノマーを併用させてもよい。
【0035】具体的には、山下晋三、金子東助編「架橋
剤ハンドブック」大成社刊(1981)、加藤清視著
「紫外線硬化システム」総合技術センター刊(198
9)、加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料
編)」高分子刊行会(1985)、赤松清監修「新・感
光性樹脂の実際技術」シーエムシー、頁102−14
5、(1987)等に記載されているN,N秩|メチレ
ンビスアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリ
ン、ビニルピリジン、N−メチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジメチルアミノネオペンチル(メタ)アクリレ
ート、N−ビニル−2−ピロリドン、ダイアセトンアク
リルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
パラスチレンスルホン酸とその塩、メトキシトリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート(PEGの数
平均分子量400)、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量100
0)、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシク
ロデカンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量4
00)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト(PEGの数平均分子量600)、ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量
1000)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート(PPG数平均分子量400)、2,2−ビス
[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキ
シ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタク
リロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパンまたはそ
のアクリレート体、β−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルハイドロジェンフタレート、β−(メタ)アクリロ
イルオキシエチルハドロジェンサクシネート、ポリエチ
レンまたはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アク
リレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アク
リレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレ
ート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソデシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、ベン
ジル(メタ)アクリレート、モノ(2−アクリロイルオ
キシエチル)アシッドホスフェートまたはそのメタクリ
ル体、グリセリンモノまたはジ(メタ)アクリレート、
トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートま
たはそのメタクリル体、N−フェニルマレイミド、N−
(メタ)アクリルオキシコハク酸イミド、N−ビニルカ
ルバゾール、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレ
ン尿素等がある。
【0036】親水性バインダーポリマーの三次元架橋反
応をエチレン付加重合性不飽和基を用いて行うときは、
公知の光重合開始剤若しくは熱重合開始剤を用いること
が反応効率上好ましい。
【0037】光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベン
ゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、キサント
ン、チオキサントン、クロロキサントン、アセトフェノ
ン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、ベンジル、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセ
トフェノン、(2−アクリロイルオキシエチル)(4−
ベンゾイルベンジル)ジメチル臭化アンモニウム、(4
−ベンゾイルベンジル)塩化トリメチルアンモニウム、
2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−
オン メソクロライド、1−フェニル−1,2−プロパ
ンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、チオフェ
ノール、2−ベンゾチアゾールチオール、2−ベンゾオ
キサゾールチオール、2−ベンズイミダゾールチオー
ル、ジフェニルスルフィド、デシルフェニルスルフィ
ド、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジベンジルスルフィ
ド、ジベンゾイルジスルフィド、ジアセチルジスルフィ
ド、ジボルニルジスルフィドジメトキシキサントゲンジ
スルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テ
トラメチルチウラムテトラスルフィド、ベンジルジメチ
ルジチオカーバメイトキノキサリン、1,3−ジオキソ
ラン、N−ラウリルピリジニウム等が例示できる。これ
らの中から、製造工程で用いる光源の波長領域に吸収を
持ち、ドープを調合する際使用する溶媒に溶解若しくは
分散するものを適宜選択すればよい。通常、使用する溶
媒に溶解するものが反応効率高く好ましい。
【0038】光カチオン重合開始剤としては、芳香族ジ
アゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニ
ウム塩等がある。この開始剤を用いるときは、架橋反応
種としてエポキシ基も併用できる。前述のエポキシ基含
有化合物を架橋剤もしくは、親水性バインダーポリマー
として用いるか、親水性バインダーポリマーにエポキシ
基を導入すればよい。光二量化反応の場合、2−ニトロ
フルオレン、5−ニトロアセナフテン等、該反応に一般
的によく知られた各種増感剤も使用できる。上記以外に
も、徳丸克巳他著「増感剤」、2章、4章、講談社刊
(1987)、加藤清視著「紫外線硬化システム」(総
合技術センター刊)、頁62−147(1989)、フ
ァインケミカル、Vol.20 No4、16(199
1)に記載されている公知の重合開始剤も使用できる。
【0039】添加量は、ドープ中の溶媒を除いた有効成
分に対し、0.01%〜20質量%の範囲で使用でき
る。0.01質量%より少ないと光開始剤の効果が発揮
されず、20%質量より多いと、活性光線の開始剤によ
る自己吸収のため内部への光の到達が不良となり所望す
る耐刷力を発揮することが出来なくなることがある。実
用的には0.1〜10質量%の範囲で開始剤としての効
果と非画像部の地汚れとのバランスで組成に応じて決定
するのが好ましい。照射光源としては、メタルハライド
ランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ等
公知のものが使用できる。
【0040】重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、
2,2−アゾビスイソブチルニトリル、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩などの公知のものが使用できる。
【0041】本発明の感熱ダイレクト印刷版に記録する
際に、レーザーを用いる場合は、用いるレーザーの発光
波長領域に吸収帯を有する光−熱変換物質をさらに使用
することも出来る。かかる物質としては、例えば、松岡
賢著「JOEM Handbook 2 Absorp
tion Spectra of Dyes forD
iode Lasers」ぶんしん出版(1990)、
シーエムシー編集部「90年代 機能性色素の開発と市
場動向」シーエムシー(1990)第2章2.3に記載
されているポリメチン系色素(シアニン色素)、フタロ
シアニン系色素、ジチオール金属錯塩系色素、ナフトキ
ノン、アントラキノン系色素、トリフェニルメタン系色
素、アミニウム、ジインモニウム系色素、アゾ系分散染
料、インドアニリン金属錯体色素、分子間型CT色素等
の染料、顔料および色素がある。
【0042】具体的には、N−[4−[5−(4−ジメ
チルアミノ−2−メチルフェニル)−2,4−ペンタジ
エニリデン]−3−メチル−2,5−シクロヘキサジエ
ン−1−イリデン]−N,N−ジメチルアンモニウムア
セテート、N−[4−[5−(4−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−フェニル−2−ペンテン−4―イン−1−
イリデン]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデ
ン]−N,N−ジメチルアンモニウム パークロレー
ト、N,N−ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−N
−[4−[N,N−ビス(4−ジブチルアミノフェニ
ル)アミノ]フェニル]−アミニウム ヘキサフルオロ
アンチモネート、5−アミノ−2,3−ジシアノ−8−
(4−エトキシフェニルアミノ)−1,4−ナフトキノ
ン、N秩|シアノ−N−(4−ジエチルアミノ−2−メ
チルフェニル)−1,4−ナフトキノンジイミン、4,
11−ジアミノ−2−(3−メトキシブチル)−1−オ
キソ−3−チオキソピロロ[3,4−b]アントラセン
−5,10−ジオン、5,16(5H,16H)−ジア
ザ−2−ブチルアミノ−10,11−ジチアジナフト
[2,3−a:2窒R秩|c]−ナフタレン−1,4−ジ
オン、ビス(ジクロロベンゼン−1,2−ジチオール)
ニッケル(2:1)テトラブチルアンモニウム、テトラ
クロロフタロシアニン アルミニウムクロライド、ポリ
ビニルカルバゾール−2,3−ジシアノ−5−ニトロ−
1,4−ナフトキノン錯体等が例示出来る。
【0043】更に、版の滑り性向上、版と版とを重ねた
ときの密着防止を兼ね、ステアリン酸、ミリスチン酸、
ジラウリルチオジプロピオネート、ステアリン酸アミ
ド、ステアリン酸亜鉛等の常温固体の滑剤を親水層に少
量添加することが出来る。
【0044】本発明に使用される支持体は、印刷分野に
要求される性能とコストを勘案して公知の材料から選択
すればよい。多色刷りといった高寸法精度が要求される
場合、版胴への装着方式が金属支持体に合わせて出来上
がっている印刷機で用いる場合には、アルミ、スチール
製等の金属支持体が好ましい。多色印刷せず高耐刷性が
要求される場合はポリエステル等のプラスチック支持
体、さらに低コストが要求される分野には紙、合成紙、
防水樹脂ラミネート或いはコート紙支持体が使用でき
る。支持体と接触する材料との接着性向上のために支持
体自身の表面処理を施したものを使用してもよい。かか
る表面処理の例としてアルミシートの場合、各種研摩処
理、陽極酸化処理があり、プラスチックシートの場合、
コロナ放電処理、ブラスト処理等がある。
【0045】耐刷力等必要に応じ支持体の上に接着剤層
を設けることが出来る。一般的に高耐刷性を必要とする
場合、接着剤層を設ける。接着剤は親水層成分と使用す
る支持体に合わせ選択・設計する必要がある。山田章三
郎監「接着・粘着の事典」朝倉書店刊(1986)、日
本接着協会編「接着ハンドブック」日本工業新聞社刊
(1980)等に記載のアクリル系、ウレタン系、セル
ロース系、エポキシ系等接着剤が使用できる。
【0046】本発明の感熱平版原版は、以下の方法で製
造できる。上述の成分をその種類、親水性バインダーポ
リマーの架橋方法に従って選択した溶媒と共にペイント
シェーカー、ボールミル、超音波ホモジナイザー等でよ
く分散し、得られた塗布液(ドープ)をドクターブレー
ド法、バーコート法、ロールコート法等で支持体上に塗
布し乾燥し、感熱平版印刷材料を得る。エチレン付加重
合性不飽和基を含有する成分を使用する場合、貯蔵安定
性上必要ならドープ中に前述の公知の熱安定剤を0.0
1〜5%の範囲で添加してもよい。
【0047】ドープ溶媒としては、水、エタノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノールといったアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトンといったケトン類、
ジエチレングリコールジエチルエテル、ジイソプロピル
エーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン、ジエチ
レングリコールといったエーテル類、酢酸エチル、酢酸
ブチルといったエステル類、トルエン、キシレンといっ
た芳香族炭化水素、n−ヘキサン、デカリンといった脂
肪族炭化水素、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスル
フォキシド、アセトニトリル或いはこれらの混合溶剤を
使用することができる。
【0048】塗膜の厚みは数μm〜100μmの間で任
意に設定すればよい。通常は性能とコストの関係から1
〜10μmの厚みが好ましい。表面平滑性を高める必要
があれば、塗布・乾燥後、若しくは親水性バインダーポ
リマーの三次元架橋化反応後にカレンダー処理を行えば
よい。特に高度の平滑性が必要なら塗布・乾燥後に行う
のが好ましい。
【0049】本発明の感熱平版原版を製版するには、電
子組版機、DTP、ワードプロセッサー、パーソナルコ
ンピュータ等で作成・編集された文書・画像をレーザー
で描画・印字し、次いで活性光線を照射するだけで現像
工程は一切行なわず完了する。活性光線の種類について
は公知の光源が使用でき、光反応開始剤または併用する
該開始剤用増感剤の波長特性に合わせ選択すればよい。
具体例として、ケミカルランプ、高圧水銀灯、超高圧水
銀灯、低圧水銀灯、殺菌線ランプ、メタルハライドラン
プ等々がある。オフセット印刷機に装着し印刷する際、
必要ならば通常のエッチング処理を施してからそのまま
印刷することが出来る。
【0050】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
なお、文中、部と記してあるのは特に断りの無い限り質
量部である。 (1)親水性バインダーポリマーの製造例1[P−1] 500mlサイズのセパラブルフラスコに、水200g
を仕込み、窒素雰囲気下80℃に昇温した。次いで、混
合溶液1(2−ヒドロキシエチルアクリレート6.85
g(10モル%)、アクリルアミド25.16g(60
モル%)、GEROPON MLS/A[式(1)にお
いてR1がメチル基、mが1である化合物、単量体1と
称する、ロディア製]27.99g、水50gと混合溶
液2(過硫酸カリウム0.25g、水50g)を撹拌し
ながらセパラブルフラスコの中へ2時間かけてフィード
した。その後同温度にて2時間重合を継続し、親水性バ
インダーポリマーP−1(GPCによる数平均分子量:
1.5ラ104 、水−ケロシン系の水中油滴法接触角:
160度以上)を得た。 (1)親水性バインダーポリマーの製造例2[P−2]
〜製造例12[P−12] 製造例1[P−1]と同様の方法により、下記表1[表
1]に記した量にて重合を行い、親水性バインダーポリ
マー[P−2]〜[P−12]を合成した。
【0051】
【表1】 AAm ;アクリルアミド 2−HEA;2−ヒドロキシエチルアクリレート その他 ; 単量体1 CH2=C(CH3)CH2SO3Na 単量体2 CH2=C(CH3)COO(CH22SO3NH4 単量体3 CH2=C(CH3)CO(OCH2CH22OC64CH3 単量体4 HOOCCH=CHCO(OCH2CH22OCH3 単量体5(CH33+CH2CH=CH2Cl- AAm 2−HEA その他(モル%) 製造例2 P−2 60 10 単量体2 30 実施例2 製造例3 P−3 60 10 単量体3 30 実施例3 製造例4 P−4 60 10 単量体4 30 実施例4 製造例5 P−5 60 10 単量体5 30 実施例5 製造例6 P−6 60 10 単量体2 0 比較例1 製造例7 P−7 88 10 単量体2 2 実施例6 製造例8 P−8 75 10 単量体2 15 実施例7 製造例9 P−9 15 10 単量体2 75 実施例9 製造例10 P−10 0 0 単量体2 100 比較例2 製造例11 P−11 88 10 単量体4 2 実施例11 製造例12 P−12 60 10 アクリル酸 30 比較例3 実施例1 厚み180μmのポリエチレンテレフタレート支持体の
上に、あらかじめペイントシェーカーで室温下30分間
よく分散させたのち脱泡した下記組成のドープをブレー
ドコーターで塗布した。
【0052】 親水性バインダーポリマー;P−1(15%固形分) 85.0部 サイメル385(三井サイテック製;80%固形分) 15.0部 IR125(日本感光性色素製のシアニン色素) 5.0部 次いで、30分間風乾し、真空乾燥機中で120℃、2
0分間乾燥して膜化し平版印刷原版を得た。この原版を
電子組版機と接続した1W半導体レーザー素子搭載の印
字装置で印刷画像を熱印字した。
【0053】この版を所定の寸法にトリミングしオフセ
ット印刷機(ハマダ印刷機械株式会社製、HAMADA
611XL、ハードブランケット使用)に装着し上質紙
に対し印刷した(用いたインキはBSD オフセットイ
ンキ(黒、大日本インキ(株)製)、湿し水はエッチ液
を水で50倍希釈したものを使用した)。2万部を過ぎ
ても地汚れがなく、画像部も鮮明に印刷出来た。 実施例2 実施例1において、親水性ポリマーP−1をP−2に変
更した以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版を
得、製版、印刷を行なった。
【0054】印字後実施例1同様に印刷した。印刷の結
果印刷版の画像部は、黒色に着色しており検版が容易で
あった。印刷の結果、3万部過ぎても地汚れもなく印刷
出来た。 実施例3 実施例1において、親水性ポリマーP−1をP−3に変
更した以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版を
得、製版、印刷を行なった。
【0055】印字後実施例1同様に印刷した。印刷の結
果印刷版の画像部は、黒色に着色しており検版が容易で
あった。印刷の結果、3万部過ぎても地汚れもなく印刷
出来た。 実施例4 実施例1において、親水性ポリマーP−1をP−4に変
更した以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版を
得、製版、印刷を行なった。
【0056】印字後実施例1同様に印刷した。印刷の結
果印刷版の画像部は、黒色に着色しており検版が容易で
あった。印刷の結果、3万部過ぎても地汚れもなく印刷
出来た。 実施例5 実施例1において、親水性ポリマーP−1をP−5に変
更した以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版を
得、製版、印刷を行なった。
【0057】印字後実施例1同様に印刷した。印刷の結
果印刷版の画像部は、黒色に着色しており検版が容易で
あった。印刷の結果、3万部過ぎても地汚れもなく印刷
出来た。 実施例6 実施例1において、親水性ポリマーP−1をP−7に変
更した以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版を
得、製版、印刷を行なった。
【0058】印字後実施例1同様に印刷した。印刷の結
果印刷版の画像部は、黒色に着色しており検版が容易で
あった。印刷の結果、2万部過ぎても地汚れもなく印刷
出来た。 実施例7 実施例1において、親水性ポリマーP−1をP−8に変
更した以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版を
得、製版、印刷を行なった。
【0059】印字後実施例1同様に印刷した。印刷の結
果印刷版の画像部は、黒色に着色しており検版が容易で
あった。印刷の結果、3万部過ぎても地汚れもなく印刷
出来た。 実施例8 実施例1において、親水性ポリマーP−1をP−9に変
更した以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版を
得、製版、印刷を行なった。
【0060】印字後実施例1同様に印刷した。印刷の結
果印刷版の画像部は、黒色に着色しており検版が容易で
あった。印刷の結果、2.4万部過ぎても地汚れもなく
印刷出来た。 実施例9 実施例1において、親水性ポリマーP−1をP−11に
変更した以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版
を得、製版、印刷を行なった。
【0061】印字後実施例1同様に印刷した。印刷の結
果印刷版の画像部は、黒色に着色しており検版が容易で
あった。印刷の結果、2万部過ぎても地汚れもなく印刷
出来た。 実施例10 ポリエチレンテレフタレート支持体の代わりにアルカリ
で脱脂した厚み200μmのアルミシートの片面にγ−
アクリロキシプロピルトリメトキシシランを塗布し50
℃、1時間キュアーした支持体を用いた他は実施例1同
様に塗布し、30分間風乾後、真空乾燥機中で120
℃、20分間反応させ、平版原版を製造し、実施例1同
様製版、印刷した。
【0062】現像工程なしで得られた版は画像部の可視
画性もよく、5万部を過ぎても地汚れ無く鮮明な印刷物
が得られた。 比較例1 実施例1において、親水性ポリマーP−1をP−6に変
更した以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版を
得、製版、印刷を行なった。印字後実施例1同様に印刷
した。印刷の結果印刷版の画像部は、全面黒色に着色し
ており、地汚れがひどく全く使用に耐えないものであっ
た。 比較例2 実施例1において、親水性ポリマーP−1をP−10に
変更した以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版
を得、製版、印刷を行なった。印字後実施例1同様に印
刷した。印刷の結果印刷版の画像部は、撥水性が高く紙
に印字されなかった。 比較例3 実施例1において、親水性ポリマーP−1をP−12に
変更した以外は、実施例1と同様に操作し平版印刷原版
を得、製版、印刷を行なった。印字後実施例1同様に印
刷した。印刷の結果印刷版の画像部は、薄く全面黒色に
着色しており、地汚れが発生し満足できるものではなか
った。また、印刷の結果、1万部過ぎて全面地汚れとな
った。
【0063】
【発明の効果】本発明において非画像部は親水性バイン
ダーポリマーで形成されているため、製版工程で現像が
不要になり、現像液の管理、廃液の適正な処理といった
作業が要らないため作業効率、コスト削減が計られる。
当然製版装置も現像を必要とする版材用に比較し装置サ
イズがコンパクトになり、精度は要求されるものの機構
が単純になるため装置価格も低く設計出来る。
【0064】更に画像・非画像部は三次元架橋されてお
り、強度がかなり堅固なものとなるため既存のCTP版
と比較し耐刷性において格段に優れており、単なる社内
印刷を中心とする軽印刷だけでなく、新聞輪転印刷、フ
ォーム印刷等本格的な印刷用の版材としても実用に供せ
るものになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 祐子 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 (72)発明者 真田 隆幸 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA12 AB03 AC08 AD01 CA00 CA41 CB06 CB14 CB42 CC12 CC13 CC17 2H096 AA07 BA16 DA01 DA02 FA01 FA02 2H114 AA04 AA24 BA01 BA06 BA10 DA32 DA34 DA42 DA43 DA47 DA51 DA52 DA53 DA55 DA56 DA60 DA61 DA64 EA01 EA02 EA03 EA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化効果を有する単量体を構成成分とす
    る親水性バインダーポリマーよりなる親水層および支持
    体とから構成される平版原版であって、該親水性バイン
    ダーポリマーが三次元架橋され、印字過程を経ることに
    よって印字部を疎水化させることを特徴とする感熱ダイ
    レクト印刷版。
  2. 【請求項2】 乳化効果を有する単量体が下記一般式
    (1)から一般式(5)[化1]で表わされる構造を有
    するものであり、親水性バインダーポリマー中の構成単
    位量が1〜80モル%である請求項1記載の感熱ダイレ
    クト印刷版。 【化1】 CH2=CR1(CH2)mSO3X (1) CH2=CR1COO(CH2)nSO3X (2) CH2=CR1CO(AO)pOΦCH2ΦCH2ΦO(EO)qSO3 (3) HOOCCH=CHCO(AO)rOR2 (4) R345+CH2CH=CH2Cl- (5) (式中、R1、R2、R3、R4、R5は水素原子またはメチル
    基を表わし、Xはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金
    属イオンまたはアンモニウムイオンを表わし、Φは置換
    位置が任意の二価のフェニル基を表わし、m、n、p、
    q、rはそれぞれ独立に1〜5の整数を表わし、AOは
    炭素数1〜5の分岐していてもよいアルキレンオキシ基
    を表わし、EOはエチレンオキシ基を表す。)
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