JPH11254854A - 直描型水なし平版印刷版原版および直描型水なし平版印刷版の製造方法 - Google Patents

直描型水なし平版印刷版原版および直描型水なし平版印刷版の製造方法

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JPH11254854A
JPH11254854A JP6523498A JP6523498A JPH11254854A JP H11254854 A JPH11254854 A JP H11254854A JP 6523498 A JP6523498 A JP 6523498A JP 6523498 A JP6523498 A JP 6523498A JP H11254854 A JPH11254854 A JP H11254854A
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JP6523498A
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Koichi Fujimaru
浩一 藤丸
Kazuoki Goto
一起 後藤
Norimasa Ikeda
憲正 池田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インキマイレージの向上、シリコーンゴム層の
除去性の向上、すなわち現像性の向上が可能な直描型水
なし平版印刷版原版を得ることができる。 【解決手段】基板上に、少なくとも感熱層およびシリコ
ーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印
刷版原版において、該感熱層が少なくとも、(a)光熱
変換剤、(b)発泡剤、(c)熱可塑性樹脂を含むこと
を特徴とする直描型水なし平版印刷版原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿し水を用いずに
印刷が可能な水なし平版印刷版原版に関するものであ
り、特にレーザー光で直接製版できる直描型水なし平版
印刷版原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆるダイレク
ト製版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷
版が得られる迅速性、多様なシステムから品質とコスト
に応じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、
軽印刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、グラビア
印刷の分野にも進出し始めている。
【0003】特に最近では、プリプレスシステムやイメ
ージセッター、レーザープリンタなどの出力システムの
急激な進歩によって新しいタイプの各種平版印刷材料が
開発されている。
【0004】これらの平版印刷版を製版方法から分類す
ると、レーザー光を照射する方法、サーマルヘッドで書
き込む方法、ピン電極で電圧を部分的に印加する方法、
インクジェットでインキ反撥層またはインキ着肉層を形
成する方法などが挙げられる。
【0005】なかでも、レーザー光を用いる方法は解像
度、および製版速度の面で他の方式よりも優れており、
その種類も多い。
【0006】このレーザー光を用いる平版印刷版はさら
に、光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を
行って熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプ
に分けられる。
【0007】フォトンモードタイプとしては、 (1)フォトポリマーを用いた高感度PS版 (2)有機光導電体や酸化亜鉛を用いた電子写真式平版 (3)銀塩方式平版 (4)銀塩複合方式平版 (5)直描マスター等があり、ヒートモードタイプとし
ては、 (6)熱破壊方式平版などが挙げられる。
【0008】しかしながら、(1)の方式はレーザー光
源に主としてアルゴンイオンレーザーを使用しているた
め装置が大型となり、また印刷版も高感度のフォトポリ
マーを使用しているため、印刷版の取扱いに注意が必要
で、なおかつ保存安定性も低下しやすいといった欠点が
ある。
【0009】(2)の電子写真式平版は、明室で取り扱
えるといった利点はあるが、感光層の帯電後2〜5分の
間で暗減衰が大きくなるため、帯電後短時間で露光現像
処理をする必要があり、大判サイズを高解像力で出力す
るのは難しい。
【0010】(3)の銀塩方式平版は、さまざま波長の
レーザーに対応した印刷版が開発されているが、銀廃液
が出ることが問題となっており、また感度が高いため
に、取扱いに注意を要するといった問題もある。
【0011】(4)の銀塩複合方式平版は、感光層上に
高感度ハロゲン化銀乳剤層を設けて上層のハロゲン化銀
乳剤層をアルゴンイオンレーザーで露光、現像後それを
マスクとしてさらに紫外線で露光、現像を行うものであ
る。しかし、この印刷版は露光、現像工程が2回あるた
め、印刷版の処理が複雑になるという問題がある。
【0012】(5)の直描マスターは、直接印刷版にレ
ーザーで書き込むわけではないが、レーザープリンタで
形成されたトナー画像をインキ着肉部として、印刷版上
に転写するものである。しかし、印刷版の解像度という
面では、他の方式と比較して劣っている。
【0013】以上のフォトンモードタイプに対して、
(6)の熱破壊方式は、明室で取り扱えるといった利点
があり、また光源となる半導体レーザーの急激な進歩に
よって、最近その有用性が見直されてきている。
【0014】例えば、特開平6−199064号公報、
USP5339737号公報、USP5353705号
公報、EP0580393号公報、特開平6−5572
3号公報、EP0573091号公報、USP5378
580号公報、特開平7−164773号公報、特開平
6−186750号公報、特開平7−309001号公
報、特開平9−146264号公報、特開平9−146
265号公報、特開平9−236927号公報、特開平
9−244228号公報にはレーザー光を光源として用
いる直描型水なし平版印刷版原版およびその製版方法な
どが記載されている。
【0015】この熱破壊方式の印刷版原版の感熱層は、
レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラック
を用い、熱分解化合物としてニトロセルロースを使用し
ている。そしてこのカーボンブラックがレーザー光を吸
収することによって熱エネルギーに変換され、さらにそ
の熱で感熱層が破壊される。そして最終的に、現像によ
ってこの部分を除去することによって、表面のシリコー
ンゴム層が同時に剥離され、インキ着肉部となる。
【0016】しかしながらこの印刷版は、感熱層は破壊
されるが、上層のシリコーンゴム層は感熱層のように破
壊されずにレーザー照射部が凹んだ形態となり、シリコ
ーンゴム層の除去性が悪いという、いわゆる現像性が劣
るものであった。また、感熱層を破壊するタイプの版材
は画線部のセルの深さが深くなり、微少網点でのインキ
着肉性が悪く、インキマイレージが悪いという問題点が
あった。
【0017】また、USP5379698号公報、特開
平7−314934号公報、特開平9−236927号
公報には、金属薄膜を感熱層として用いる直描型水なし
平版印刷版が記載されている。この印刷版材は、感熱層
がかなり薄いために、非常にシャープな画像が得られ、
印刷版の解像度という面では有利であるが、基材と感熱
層の接着性が悪く印刷中に非画線部の感熱層が剥離し、
インキが付着し印刷物上で欠点となるという問題点があ
った。また、この印刷版も感熱層を破壊させて画像を形
成させることからレーザー照射部が凹んだ形態となり現
像性が劣るものであった。さらに前記と同様に画線部の
セルが深くなりインキ着肉性やインキマイレージが劣る
という問題点があった。
【0018】特開平9−146264号公報では、光熱
変換層中にレーザー光を熱に変換する化合物、フィルム
形成能を有する高分子化合物、光重合開始剤、および光
重合可能なエチレン性不飽和化合物を有し、シリコーン
ゴム層形成後にエネルギー線による全面露光を施すこと
により光熱変換層と、シリコーンゴム層とを反応させた
ネガ型のレーザー感光性湿し水不要平版印刷版原版が提
案されている。
【0019】この版材では、シリコーンゴム層塗布後に
全面露光を施すことにより、例えば小林らの文献(例え
ば、“印刷学会論文集,18,128(1979)”や
“Journal of Applied Photo
graphic Engineering,vol.
6,pp.65−68”など)に示されている公知の機
構によりシリコーンゴム層と感光層との接着力を向上さ
せ、その結果として、画像再現性、耐傷性に優れた版材
を得ている。また、特開平9−239942号公報で
は、レーザー感応層中に酸を発生する物質と、酸の作用
で分解する高分子化合物を含有する剥離現像タイプの印
刷版が提案されているが、レーザー光照射の工程と加熱
工程という二つの工程が必要になり、また微細な網点の
再現性が悪いという剥離現像固有の問題が存在する。
【0020】また、特に特開平6−55723号公報、
EP0573091号公報、USP5378580号公
報では、光源としてNd−YAGレーザーを用いている
ために、露光装置がかなり大がかりなものとなってしま
うといった、別の問題点もあった。これらの版材も、感
光層が熱により反応した結果、前述と同様、レーザー照
射部が凹んだ形態となり現像性が悪いという問題を有し
ていた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インキマイ
レージの向上、シリコーンゴム層の除去性の向上、すな
わち現像性の向上が可能な直描型水なし平版印刷版原版
を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
の構成を有する。
【0023】(1)基板上に、少なくとも感熱層および
シリコーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし
平版印刷版原版において、該感熱層が少なくとも、
(a)光熱変換剤、(b)発泡剤、(c)熱可塑性樹脂
を含むことを特徴とする直描型水なし平版印刷版原版。
【0024】(2)該発泡剤が熱発泡性樹脂微粒子であ
ることを特徴とする(1)に記載の直描型水なし平版印
刷版原版。
【0025】(3)加熱部分が凸状となることを特徴と
する(1)または(2)に記載の直描型水なし平版印刷
版原版。
【0026】(4)水または水を主成分とする液体で現
像することを特徴とする(1)〜(3)に記載の直描型
水なし平版印刷版の製造方法。
【0027】(5)(4)に記載の直描型水なし平版印
刷版の感熱層が残存していることを特徴とする直描型水
なし平版印刷版原版。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
【0029】本発明の最大の特徴は、加熱部が体積膨張
することにある。これにより画線部のシリコーンゴム層
が凸の状態となり除去しやすくなる。その結果、飛躍的
に現像性が向上するものである。
【0030】本発明では、感熱層が加熱により体積膨張
し、上層のシリコーンゴム層が凸の状態となることが好
ましい。これにより、画線部の凹みが少なくなるために
飛躍的にインキマイレージが向上するものである。ま
た、感熱層の体積膨張が、加熱の程度により自由に変化
できることから、凹版のような階調印刷が可能である。
【0031】したがって、これまでの平版では得られな
いような迫力ある印刷物を得ることができるものであ
る。
【0032】まず、本発明の直描型水なし平版印刷版原
版に使用する基板について説明する。なお、本発明にお
いて直描型とは、露光時にネガあるいはポジのフィルム
を用いずに、印刷版上に直接記録ヘッドから画像形成を
行うことを意味する。
【0033】基板としては、寸法的に安定な板状物であ
れば公知の金属、フィルム等のいずれも使用することが
できる。この様な寸法的に安定な板状物としては、従来
印刷版の基板として使用されたもの等が好ましく挙げら
れる。かかる基板としては、紙、プラスチック(ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)がラミネ
−トされた紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含
む)、亜鉛、銅などの金属の板、セルロースアセテー
ト、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポ
リプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリビニルアセタ−
ルなどのプラスチックのフィルム、上記の如き金属がラ
ミネ−トもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフ
ィルムなどが挙げられる。
【0034】これらのうち、アルミニウム板は寸法的に
著しく安定であり、しかも安価であるので特に好まし
い。また、軽印刷用の基板として用いられているポリエ
チレンテレフタレ−トフィルムも好ましく使用される。
【0035】これら基板と感熱層の接着性を強固にする
と共に、基板が金属などのように熱伝導が比較的高い物
質を使用する場合には断熱効果の目的で、基板と感熱層
の間に断熱層を設けることが好ましい。このような断熱
層により、感熱層が熱反応を起こす際の熱が基板へ拡散
するのを防止することができる。
【0036】断熱層を設ける場合、本発明においては、
次の条件を満たすことが必要である。すなわち、基板と
感熱層とをよく接着し、経時において安定であること、
さらに現像液、印刷時に使用する溶剤に対する耐溶剤性
が高いことである。
【0037】このような条件を満たすものとして、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノ−ル樹脂、アクリ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、カゼイ
ン、ゼラチン等を含むものが挙げられる。これらの樹脂
は単独であるいは二種以上混合して用いることができ
る。また、これらの樹脂と類似の組成物を硬化したもの
を使用してもよい。
【0038】これらの中では、ポリウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂
等を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることが
好ましい。
【0039】また、この断熱層中に発泡剤を添加し加熱
部の凸化を目的とし本発明の現像性向上を図ることがで
きる。さらに予め、断熱層を発泡させて断熱性の効果を
高めたり、耐刷性の向上を図ることもできる。さらに顔
料、染料等の添加剤を含有させて検版性を向上させるこ
とが好ましい。
【0040】断熱層の厚さは被覆層にして0.5〜50
g/m2 が基板表面の形態欠陥を防止し化学的悪影響
を遮断する効果や経済性の点から好ましく、より好まし
くは1〜10g/m2である。
【0041】次に感熱層について説明する。
【0042】本発明において感熱層は、少なくとも
(a)光熱変換物質と(b)発泡剤、および(c)熱可
塑性樹脂を含有することが必要である。以下に(a)〜
(c)を具体的に説明する。
【0043】(a)光熱変換物質 本発明の直描型水なし平版印刷版原版は、レーザー光を
照射することにより画像を形成させるため、光熱変換物
質を含有することが必要である。光熱変換物質としては
レーザー光を吸収するものであれば特に限定されない。
この時、レーザー光の波長としては、紫外域、可視域、
赤外域のどの領域の波長であってもよく、使用するレー
ザー光の波長に合わせた吸収域を有する光熱変換物質を
適宜選択して使用するとよい。
【0044】例えばカーボンブラック、アニリンブラッ
ク、シアニンブラックなどの黒色顔料、フタロシアニ
ン、ナフタロシアニン系の緑色顔料、カーボングラファ
イト、鉄粉、ジアミン系金属錯体、ジチオール系金属錯
体、フェノールチオール系金属錯体、メルカプトフェノ
ール系金属錯体、結晶水含有無機化合物、硫酸銅、硫化
クロム、珪酸塩化合物や、酸化チタン、酸化バナジウ
ム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化タング
ステンなどの金属酸化物、これらの金属の金属水酸化
物、金属硫酸塩、金属硫化物、さらにビスマス、鉄、マ
グネシウム、アルミの金属粉などの添加剤を添加するこ
とが好ましい。
【0045】これらのなかでも、光熱変換率、経済性お
よび取り扱い性の面から、カーボンブラックが好まし
い。
【0046】また上記の物質以外に、赤外線または近赤
外線を吸収する染料も、光熱変換物質として好ましく使
用される。
【0047】これら染料としては400nm〜1200
nmの範囲に極大吸収波長を有する全ての染料が使用で
きるが、好ましい染料としては、エレクトロニクス用、
記録用色素であるシアニン系、フタロシアニン系、フタ
ロシアニン金属錯体系、ナフタロシアニン系、ナフタロ
シアニン金属錯体系、ジチオール金属錯体系、ナフトキ
ノン系、アントラキノン系、インドフェノール系、イン
ドアニリン系、ピリリウム系、チオピリリウム系、スク
ワリリウム系、クロコニウム系、ジフェニルメタン系、
トリフェニルメタン系、トリフェニルメタンフタリド
系、トリアリルメタン系、フェノチアジン系、フェノキ
サジン系、フルオラン系、チオフルオラン系、キサンテ
ン系、インドリルフタリド系、スピロピラン系、アザフ
タリド系、クロメノピラゾール系、ロイコオーラミン
系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサ
ンテン系、ビスラクトン系、フルオレノン系、モノアゾ
系、ケトンイミン系、ジズアゾ系、ポリメチン系、オキ
サジン系、ニグロシン系、ビスアゾ系、ビスアゾスチル
ベン系、ビスアゾオキサジアゾール系、ビスアゾフルオ
レノン系、ビスアゾヒドロキシペリノン系、アゾクロム
錯塩系、トリスアゾトリフェニルアミン系、チオインジ
ゴ系、ペリレン系、ニトロソ系、1:2型金属錯塩系、
分子間型CT系、キノリン系、キノフタロン系、フルキ
ド系の酸性染料、塩基性染料、色素、油溶性染料や、ト
リフェニルメタン系ロイコ色素、カチオン染料、アゾ系
分散染料、ベンゾチオピラン系スピロピラン、3,9−
ジブロモアントアントロン、インダンスロン、フェノー
ルフタレイン、スルホフタレイン、エチルバイオレッ
ト、メチルオレンジ、フルオレッセイン、メチルビオロ
ゲン、メチレンブルー、ジムロスベタインなどが挙げら
れる。
【0048】これらのなかでも、エレクトロニクス用や
記録用の色素で、最大吸収波長が700nm〜900n
mの範囲にある、シアニン系色素、アズレニウム系色
素、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色素、アゾ
系分散色素、ビスアゾスチルベン系色素、ナフトキノン
系色素、アントラキノン系色素、ペリレン系色素、フタ
ロシアニン系色素、ナフタロシアニン金属錯体系色素、
ポリメチン系色素、ジチオールニッケル錯体系色素、イ
ンドアニリン金属錯体色素、分子間型CT色素、ベンゾ
チオピラン系スピロピラン、ニグロシン染料などが好ま
しく使用される。
【0049】さらにこれらの染料のなかでも、モル吸光
度係数の大きなものが好ましく使用される。具体的には
ε=1×104以上が好ましく、より好ましくは1×1
5以上である。εが1×104より小さいと、感度の向
上効果が発現しにくいためである。
【0050】これらの光熱変換物質は単独でも感度の向
上効果はあるが、2種以上を併用して用いることによっ
て、さらに感度を向上させることも可能である。
【0051】これらの光熱変換物質の含有量は、全感熱
層組成物に対して0.1〜40重量%が好ましく、より
好ましくは0.5〜25重量%である。0.1重量%よ
りも少ない場合にはレーザー光に対する感度の向上効果
が見られず、40重量%よりも多い場合には印刷版の耐
刷性が低下しやすい。
【0052】(b)発泡剤 発泡剤としては、熱発泡性樹脂微粒子を使用することが
できる。熱発泡性微粒子とは、例えば、ポリスチレン、
スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド樹
脂、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート等の熱
可塑性樹脂をカプセル壁とする中空微粒子にイソブタ
ン、n−ペンタン等の揮発性膨張剤を内包し、加熱によ
り膨張するものである。その具体例としては、例えばマ
ツモトマイクロスフェアーF−20、F−30、F−4
0、F−80(松本油脂製薬(株)製)、エクスパンセ
ル551、642(ケマノーベル(株)製)等がある。
【0053】また、以下に例示する無機系、有機系の発
泡剤が使用できる。例えば、過酸化亜鉛、過酸化バリウ
ム、過酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム、アジ化カルシウム等の無機系発泡剤、ジニト
ロソペンタメチレンテトラミン、N,N´ジメチルN,
N´ジニトロソテレフタールアミド等のニトロソ系発泡
剤、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスル
ホニルヒドラジド、p−p´オキシビス(ベンゼンスル
ホニルヒドラジド)、3−3´ジスルホンヒドラジドジ
フェニルスルホン、トルエンジスルホニルヒドラジド、
p−トルエンスルホニルヒドラゾン、p−p´チオビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニ
ルヒドラゾン、p−トルエンスルホニルアジド、p−ト
ルエンスルホニルセミカルバジド等のスルホヒドラジド
系発泡剤、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ
ブチロジニトリル、アゾジカルボンアミド、アゾジカル
ボン酸バリウム、ジエチルアゾジカルボキシレート、ジ
アゾアミノベンゼン等のアゾ系発泡剤などが挙げられ
る。
【0054】これらの発泡剤の含有量は、全感熱層組成
物に対して0.1〜50重量%が好ましく、より好まし
くは0.5〜20重量%である。0.1重量%よりも少
ない場合には、十分な発泡の効果が得にくくなり、現像
性向上のための凸化が得られなくなる。50重量%より
も多い場合には、発泡効果は高くなるが、独立した気泡
群を得難くなる。このために刷版時に感熱層が残存せ
ず、感熱破壊型の印刷版となり、インキマイレージの点
から不利となる。さらに発泡剤の種類によっては、熱分
解に際して自己分解熱により、感熱層を燃焼してしまい
感熱破壊型の印刷版となるために上記の範囲で使用され
る。
【0055】(c)熱可塑性樹脂 本発明の感熱層には(a)、(b)のほかに製版時に軟
化し、発泡時の体積増加を妨害しない点から熱可塑性樹
脂が使用される。このような熱可塑性樹脂としては以下
のようなものが使用できる。
【0056】このようなポリマー、オリゴマーの例とし
て、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチ
ル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸イソブチル
共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸金属塩共重合体等のエチレン共重合
体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、塩化
ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ロジン樹脂、アイオ
ノマー樹脂および石油系樹脂等の樹脂類、ジエン系コポ
リマー、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレ
ンゴムおよびクロロプレン等のエラストマー類、エステ
ルガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂
および水添ロジン等のロジン誘導体、フェノール樹脂、
テルペン樹脂、シクロペンタジエン樹脂および芳香族系
炭化水素樹脂等の化合物を挙げることができる。これら
は単独で用いてもよいし、併用してもよい。
【0057】これらの樹脂はシリコーンゴム接着反応成
分と反応しうる、ビニル基、水酸基、アミノ基、カルボ
キシル基等の官能基を有していることが好ましくい。
【0058】このような官能基を有していない場合はシ
ランカップリング剤の添加が好ましく行われる。
【0059】上記の他に、重合可能なエチレン性二重結
合を有する基を熱、光ラジカル発生剤を用い、シリコー
ンゴム層を塗設後、加熱あるいは光照射により重合反応
を進行させたポリマー、オリゴマーも好ましく使用でき
る。このような重合可能なエチレン性二重結合を有する
ものとしては、 (1)多官能水酸基含有化合物とアクリル酸、メタクリ
ル酸のエステル化物 多官能水酸基含有化合物としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、ヒドロキノン、ジヒドロキシ
アントラキノン、ビスフェノールA、ビスフェノール
S、レゾール樹脂、ピロガロールアセトン樹脂、ヒドロ
キシスチレンの共重合体、グリセリン、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロ
パン、ポリビニルアルコール、セルロース、およびその
誘導体、ヒドロキシアクリレート、ヒドロキシメタクリ
レートの重合体および共重合体が挙げられる。これらの
多官能水酸基含有化合物とアクリル酸、メタクリル酸は
公知の方法によりエステル化反応させることにより目的
とする化合物を得ることができる。この際、1分子中に
2個以上エチレン性不飽和基を含有する比率で反応させ
ることが必要である。
【0060】(2)エポキシ化合物とアクリル酸、メタ
クリル酸あるいはグリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレートを反応させたエポキシアクリレート類 エポキシ化合物の具体例としては(1)項で記載した水
酸基含有化合物にエピハロヒドリンを反応させることに
より得られる化合物が挙げられる。
【0061】また、上記の水酸基含有化合物の水酸基の
それぞれにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド
を付加したものも同様に使用することができる。
【0062】これらのエポキシ化合物とアクリル酸、メ
タクリル酸あるいはグリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリルレートを公知の方法で反応させることによ
り目的とするエポキシアクリレート類を得ることができ
る。
【0063】(3)アミン化合物とグリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレートあるいはアクリル酸ク
ロライド、メタクリル酸クロライドを反応させたもの アミン化合物としては、オクチルアミン、ラウリルアミ
ン等の1価のアミン化合物、ジオキシエチレンジアミ
ン、トリオキシエチレンジアミン、テトラオキシエチレ
ンジアミン、ペンタオキシエチレンジアミン、ヘキサオ
キシエチレンジアミン、ヘプタオキシエチレンジアミ
ン、オクタオキシエチレンジアミン、ノナオキシエチレ
ンジアミン、モノオキシプロピレンジアミン、ジオキシ
プロピレンジアミン、トリオキシプロピレンジアミン、
テトラオキシプロピレンジアミン、ペンタオキシプロピ
レンジアミン、ヘキサオキシプロピレンジアミン、ヘプ
タオキシプロピレンジアミン、オキタオキシプロピレン
ジアミン、ノナオキシプロピレンジアミン、ポリメチレ
ンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチルペンタミ
ン、等の脂肪族ポリアミン化合物や、m−キシリレンジ
アミン、p−キシリレンジアミン、m−フェニレンジア
ミン、ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、4,
4’−ビス(o−トルイジン)、4,4’−チオジアニ
リン、o−フェニレンジアミン、ジアニシジン、4−ク
ロロ−o−フェニレンジアミン、4−メトキシ−6−メ
チル−m−フェニレンジアミン等のポリアミン化合物が
挙げられる。これらのアミン化合物とグリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレートあるいはアクリル酸
クロライド、メタクリル酸クロライドを公知の方法によ
り反応さることにより目的とする化合物を得ることがで
きる。
【0064】(4)カルボキシル基を有する化合物とグ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートを反
応させたもの カルボキシル基含有化合物としては、マロン酸、コハク
酸、リンゴ酸、チオリンゴ酸、ラセミ酸、クエン酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール酸、イタ
コン酸、ダイマー酸、トリメリット酸、未加硫ゴムのカ
ルボキシ変性物等が挙げられる。
【0065】これらカルボキシル基を有する化合物は公
知の方法によりグリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレートと反応させて目的とする化合物を得ること
ができる。
【0066】(5)ウレタンアクリレート類 グリセリンジアクリレートイソホロンジイソシアネート
ウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアク
リレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレ
ポリマー等が挙げられる。
【0067】上記の1分子中にエチレン性不飽和二重結
合を2個以上有する化合物はそれぞれ単独でも使用でき
るし、2種以上を混合して使用することもできる。
【0068】熱により重合を行う場合には、過酸化アセ
チル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化
ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、ペル
オキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキ
シド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酢酸t
ert−ブチル、過安息香酸tert−ブチルなどの過
酸化物、2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ
(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビスイ
ソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ルなどのアゾ化合物やベンゼンスルホニルアジド、1,
4−ビス(ペンタメチレン)−2−テトラゼンなどが、
ラジカル発生剤として用いられる。
【0069】光により重合を行う場合には、ジエトキシ
アセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒド
ロキシシクロヘキシル−フェニルケトンなどのアセトフ
ェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテルなどのベンゾイン系化合物、ベンゾフェ
ノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル
−4’−メチルージフェニルサルファイドなどのベンゾ
フェノン系化合物、2−イソプロピルチオキサントン、
2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチ
オキサントンなどのチオキサントン系化合物、トリエタ
ノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメ
チルアミノ安息香酸エチル、4,4’−ビスジエチルア
ミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベ
ンゾフェノン(ミヒラーケトン)などのアミン系化合物
や、ベンジル、カンファーキノン、2−エチルアンスラ
キノン、9,10−フェナンスレンキノンなどがラジカ
ル発生剤として用いられる。
【0070】これらの熱可塑性樹脂の含有量は、全感熱
層組成物に対して5〜95重量%が好ましく、より好ま
しくは10〜90重量%である。含有量が5%よりも少
ないと耐刷性が低下しやすく、95重量%よりも多いと
感度が低下しやすい。
【0071】上記各種熱可塑性樹脂は単独で用いてもよ
いし、また数種の樹脂を混合して使用してもよい。
【0072】上記樹脂の中でも、特に、フェノール樹
脂、ポリウレタン、ポリエステル、ビニル系ポリマー、
未加硫ゴムが好ましく使用される。
【0073】更に本発明において、感熱層には、尿素
系、有機酸、金属塩系の各種発泡助剤、架橋剤、染料、
酸、レベリング剤、界面活性剤、発色剤、可塑剤等を必
要に応じて任意に添加してもよい。
【0074】これまで説明した感熱層は、レーザー光照
射部分は、光熱変換物質が発熱し、その熱が発泡剤に伝
わり発泡する。その発泡の程度は感熱層の厚みに対し
て、0.05〜15倍に発泡することが好ましく、より
好ましくは、0.1〜5倍である。 発泡の程度が感熱
層の厚みに対して、0.05倍より小さいと現像性の向
上の効果が得にくくなる。一方、15倍より大きくなる
と、感熱層表面が発泡した滝法気泡の影響でインキ着肉
性が低下する問題、感熱層の耐磨耗性や耐溶剤性が低下
する問題、感熱層が残存しない刷版となりやすくなる。
【0075】さらに本発明の感熱層は与えられたエネル
ギーに比例し発泡するため、レーザーのパルス幅を変調
したり強度を変調したり、露光回数を増やすなどして感
熱層の発泡性を自由に制御し、階調印刷が可能な刷版を
得ることもできる。
【0076】次にシリコーンゴム層について説明する。
本発明において、シリコーンゴム層としては、従来の水
なし平版印刷版において使用されるシリコーンゴム組成
物からなるものが挙げられる。
【0077】具体的には線状オルガノポリシロキサン
(好ましくはジメチルポリシロキサン)をまばらに架橋
することにより得られるものが挙げられ、代表的なもの
として、次式(I)に示すような繰り返し単位を有する
ものが挙げられる。
【0078】
【化1】 (ここでnは2以上の整数である。Rは炭素数1〜10
のアルキル、アリ−ル、あるいはシアノアルキル基であ
る。全体のRの40%以下がビニル、フェニル、ハロゲ
ン化ビニル、ハロゲン化フェニルであり、Rの60%以
上がメチル基であるものが好ましい。また、鎖末端もし
くは側鎖のかたちで分子鎖中に少なくとも一つ以上の水
酸基を有する。) シリコ−ンゴムとしてはオルガノポリシロキサン鎖のR
の一部がHに置換されたものも使用できるが、特に本発
明においては、シリコ−ンゴム層に次に示すような縮合
型の架橋を行うシリコ−ンゴム(RTV、LTV型シリ
コ−ンゴム)を用いることが好ましい。すなわち、式
(II)と式(III )または式(IV)で表される末端基ど
うしの縮合によって架橋されるものである。この時、系
内に、さらに過剰の架橋剤を存在させてもよい。
【0079】
【化2】 (ここでRは式Iで説明したRと同様のものを意味す
る。)
【化3】 (ここでRは式Iで説明したRと同様のものを意味し、
R1 、R2 は一価の低級アルキル基である。)
【化4】 (ここでRは式Iで説明したRと同様のものを意味し、
Acはアセチル基である。) このような縮合型の架橋を行う際、錫、亜鉛、鉛、カル
シウム、マンガンなどの金属カルボン酸塩、例えばラウ
リン酸ジブチル錫、錫(II)オクトエ−ト、ナフテン酸
塩など、あるいは塩化白金酸のような触媒が添加されて
もよい。
【0080】これ以外にも、縮合型シリコ−ンゴム層の
組成物である水酸基含有オルガノポリシロキサン、加水
分解性官能基含有シラン(もしくはシロキサン)を添加
することも有効であり、またゴム強度を向上させる目的
で、シリカなどの公知の充填剤を添加させることも有効
である。
【0081】さらに、本発明においては上記した縮合型
シリコーンゴム層の他に、付加型のシリコーンゴム層と
することも可能である。
【0082】付加型シリコーンゴム層は、例えば、分子
中に少なくとも2個のビニル基を有するポリオルガノシ
ロキサンと、分子中に少なくとも3個のSiH基を有す
るポリオルガノシロキサンおよび白金化合物を適当な溶
媒で希釈したものを、感熱層上に塗布し、加熱乾燥して
硬化させることによって形成することができる。
【0083】分子中に少なくとも2個以上のビニル基を
有するオルガノポリシロキサンとしては、分子鎖末端、
中間のどちらかにビニル基を有するものが挙げられ、ア
ルケニル基以外の有機基として、置換もしくは非置換の
アルキル基、アリール基を有するものが好ましい。ま
た、微量の水酸基を含有していてもよい。
【0084】分子中に2個以上のビニル基を有するポリ
オルガノシロキサンの具体例としては以下のものが挙げ
られる。
【0085】両末端ビニル基のポリジメチルシロキサ
ン、両末端メチル基の(メチルビニルシロキサン)(ジ
メチルシロキサン)共重合体、両末端ビニル基の(メチ
ルビニルシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合
体、両末端ビニル基のポリジメチルシロキサンの2分子
以上主鎖間をジメチレン架橋させた化合物、両末端メチ
ル基の(メチル1−ヘキセンシロキサン)(ジメチルシ
ロキサン)共重合体、両末端ビニル基の(メチル1−ヘ
キセンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体等
である。
【0086】これら分子中に2個以上のビニル基を有す
るポリオルガノシロキサンは、硬化後のゴム物性の点で
その分子量が5,000以上であることが好ましく、更
に好ましくは10,000以上である。また、これらは
単独で使用することもできるし、複数の種類を任意の比
率で混合して使用することもできる。
【0087】分子中に少なくとも3個以上のSiH基を
有するポリオルガノシロキサンとしては分子鎖末端、中
間のいずれかにSiH基を有するものが挙げられ、Si
H基以外の有機基として、置換もしくは非置換のアルキ
ル基、アリール基を有するものが好ましい。
【0088】分子中に少なくとも3個以上のSiH基を
有するポリオルガノシロキサンの具体例としては、以下
のものが挙げられる。
【0089】両末端SiH基のポリジメチルシロキサ
ン、両末端メチル基のポリメチルハイドロジェンシロキ
サン、両末端メチル基の(メチルハイドロジェンシロキ
サン)(ジメチルシロキサン)共重合体、両末端SiH
基の(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシ
ロキサン)共重合体、環状ポリメチルハイドロジェンシ
ロキサン等が挙げられる。
【0090】特に、本発明においては、これらのポリオ
ルガノシロキサンのSiH基数を分子量で除した値が
0.001mol/g以上のものが好ましく用いられ、
0.002mol/g以上がより好ましい。0.001
mol/g未満の場合は硬化速度の点で好ましくない。
【0091】また、これらのポリオルガノシロキサンは
単独で使用することもできるし、複数の種類を任意の比
率で混合して使用することもできる。
【0092】また、上記ビニル基含有ポリオルガノシロ
キサンと上記SiH基含有ポリオルガノシロキサンの有
機基のうち、基数の60%以上がメチル基であることが
インキ反撥性の向上の点で好ましい。
【0093】上記ビニル基含有ポリオルガノシロキサン
とSiH基含有ポリオルガノシロキサンを混合して使用
する際の比率としては、シリコーンゴム組成物中のビニ
ル基数を1とした場合にSiH基数が1.5〜15とな
るような混合比率が好ましく、更に好ましくは1.5〜
12が好ましい。
【0094】ビニル基数1に対するSiH基数が1.5
未満の場合であると、シリコーンゴム層の硬化性が低下
する傾向にあり、15より大きい場合にはシリコーンゴ
ムが脆くなり耐摩耗性が低下する傾向があり好ましくな
い。
【0095】さらに付加型シリコーンゴム層に好ましく
用いられる白金化合物としては、特に限定されないが、
白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金
などが挙げられる。これらの中でもオレフィン配位白金
が好ましい。
【0096】また、付加型シリコーンゴム層の硬化速度
を制御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロ
キサンなどのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、
炭素−炭素三重結合含有のアルコール、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルなどの反応抑制剤を添加
することが好ましい。
【0097】本発明において好ましく用いられる付加型
シリコーンゴム層の組成の一般的な形態としては次のよ
うなものが挙げられる。
【0098】 (1)1分子中にビニル基を少なくとも2個以上有するポリオルガノシロキサン 100重量部 (2)1分子中に少なくとも SiH結合を3個以上有するポリオルガノシロキ サン 0.1〜10000重量部 (3)白金化合物 0.00001〜10重量部 (4)反応抑制剤 0.1〜10重量部 (5)溶剤 100〜4000重量部 これらの組成物の他に、縮合型シリコーンゴム層の組成
物である水酸基含有オルガノポリシロキサン、加水分解
性官能基含有シラン(もしくはシロキサン)を添加して
もよく、またゴム強度を向上させる目的で、シリカなど
の公知の充填剤を添加してもよい。
【0099】さらに、本発明においてシリコーンゴム層
は上記組成物の他にシランカップリング剤を含有するこ
とが好ましい。
【0100】シランカップリング剤の具体例としては、
ビニルシラン、(メタ)アクリロイルシラン、エポキシ
シラン、アミノシラン、メルカプトシラン、クロロシラ
ン等公知のものが全て使用できるが、なかでも(メタ)
アクリロイルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、
メルカプトシラン等が挙げられる。
【0101】これらの中でも特にエポキシシランが好ま
しい。エポキシシランの具体例としては、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、2―(3,4―エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙
げられる。
【0102】これらのシランカップリング剤は、シリコ
ーンゴム層組成物の固形分に対し、0.1〜5重量%の
比率で使用することが好ましく、更に好ましくは0.5
〜3重量%である。
【0103】これらシリコーンゴム層の膜厚は0.5〜
20g/m2が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5
g/m2である。膜厚が0.5g/m2よりも小さい場
合には印刷版のインキ反撥性が低下する傾向があり、2
0g/m2よりも大きい場合には経済的見地から不利で
あるばかりでなく、画線部の凹みが大きくなり、インキ
マイレージが悪くなるという問題がある。
【0104】また、付加型シリコーンゴム層を用いる場
合には、感熱層との接着性を向上させる目的で感熱層中
に不飽和基含有化合物を添加することが好ましく行われ
る。
【0105】次に、本発明における直描型水なし平版印
刷版原版の製造方法および製版方法について説明する。
【0106】基板上に、リバースロールコーター、エア
ーナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、
メーヤバーコーターなどの通常のコーターあるいはホエ
ラーのような回転塗布装置を用い、必要に応じて断熱層
組成物を塗布し100〜300℃で数分間加熱し硬化さ
せた後、感熱層組成物を塗布し60〜150℃で数十秒
から数分間加熱乾燥する。
【0107】この後、シリコーンゴム組成物を塗布し5
0〜150℃の温度で数分間熱処理してシリコーンゴム
層を得る。
【0108】このようにして得られた版には、シリコー
ンゴム層を保護する目的で保護フィルムをラミネートす
るかあるいは保護層を形成してもよい。
【0109】それ故、保護フィルムとしてはレーザー光
の照射を妨げることのないものが好ましい。このような
カバーフィルムの種類としては、ポリエステルフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールフ
ィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物フィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、また各種金属を蒸着
したフィルムなどが挙げられる。
【0110】このようにして得られた直描型水なし平版
印刷版原版を、保護フィルムを剥離してから、あるいは
好ましくは保護フィルム上からレーザー光で画像状に露
光する。
【0111】本発明の製版露光工程で用いられるレーザ
ー光源としては、発光波長領域が300nm〜1500
nmの範囲にあるものが用いられる。すなわち、アルゴ
ンイオン、クリプトンイオン、ヘリウム-ネオン、ヘリ
ウム-カドミウム、ルビー、ガラス、YAG、チタンサ
ファイア、色素、窒素、金属蒸気、エキシマ、自由電
子、半導体などの各種レーザーが使用される。
【0112】これらの中でも本発明の印刷版原版を製版
する目的から、近赤外領域付近に発光波長領域が存在す
る半導体レーザーが好ましく、特に高出力半導体レーザ
ーが好ましく用いられる。
【0113】本発明においては、レーザー光が照射され
ると、感熱層中の(a)光熱変換物質の作用で熱が発生
し、その熱により(b)発泡剤が発泡し感熱層が体積増
加する。その結果、レーザー光照射部分においてはシリ
コーンゴム層が凸状になる。他方、未照射部分において
は、レーザーによる加熱が行われていないため変化は見
られない。その後の現像処理によりシリコーンゴム層、
あるいはシリコーンゴム層と感熱層が除去される。この
場合、インキマイレージの点から発泡した感熱層が残存
するほう好ましい。このようにして直描型水なし平版印
刷版の刷版が得られる。さらにレーザーのパルス幅を変
調したり強度を変調したりするなどして感熱層の発泡性
を自由に制御し、階調印刷が可能な刷版を得ることもで
きる。
【0114】また、感熱層の発泡性は、感熱層組成、膜
厚により自由に選ぶことができ、さらに発泡した形状も
自由に選ぶことができる。
【0115】現像方法としては、水または水を主成分と
する液体の存在もしくは非存在下での摩擦処理により行
われる。あるいは、保護フィルムを剥離することによっ
て印刷版上にパターンを形成する、いわゆる剥離現像に
よっても印刷版を作成することも可能である。現像処理
を行う場合に使用される現像液としては、例えば、水や
水に界面活性剤を添加したもの、さらには水に下記の極
性溶媒を添加したものや、脂肪族炭化水素類(ヘキサ
ン、ヘプタン、イソパラフィン系炭化水素など)、芳香
族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化
炭化水素類(トリクレンなど)などの少なくとも1種類
からなる溶媒に、下記の極性溶媒を少なくとも1種類添
加したものが用いられる。
【0116】極性溶媒としては、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、エチレングリコールなどのア
ルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、テトラヒドロフランな
どのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジア
セトンアルコールなどのケトン類、酢酸エチル、乳酸エ
チル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
トなどのエステル類、乳酸、カプロン酸、2―エチルヘ
キサン酸、オレイン酸などのカルボン酸などが挙げられ
る。
【0117】また、上記の現像液組成には、公知の界面
活性剤を添加することも自由に行われる。さらにアルカ
リ剤、例えば炭酸ナトリウム、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、モノグリコ
ールアミン、トリエタノールアミン、ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸カリウム、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウ
ムなどを添加することもできる。
【0118】これらの中では、水あるいは水に界面活性
剤を添加したもの、さらにはアルカリを添加した水が好
ましく用いられる。
【0119】また、これらの現像液にはクリスタルバイ
オレット、ビクトリピュアブルー、アストラゾンレッド
などの公知の塩基性染料、酸性染料、油溶性染料を添加
して現像と同時に画像部の染色化を行うことができる。
【0120】現像する際には、これらの現像液を、不織
布、脱脂綿、布、スポンジ等に含浸させて、版面を拭き
取ることによって、現像することができる。
【0121】また、現像は、特開昭63―163357
号公報に記載されているような自動現像機を用い、上記
の現像液で版面を前処理した後に水道水などでシャワー
しながら回転ブラシで版面を擦ることによって行うこと
も好ましい。
【0122】上記の現像液に代えて、温水や水蒸気を版
面に噴射することによっても現像が可能である。
【0123】現像後の刷版は、加熱することにより、非
画線部を発泡させて、耐刷性を向上させることも可能で
ある。
【0124】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明するが、これに限定されない。
【0125】
【実施例】実施例1 厚さ0.24mmの脱脂したアルミ板上に下記の組成よ
りなる溶液を塗布し、180℃、2分間乾燥し、3g/
2の断熱層を設けた。
【0126】 <断熱層> (a)“サンプレン”IB−465(水酸基含有ポリウレタン樹脂、三洋化成( 株)製) 15重量部 (b)“ホワイト”UL7E265(酸化チタン、住化カラー(株)製) 2重量部 (c)“デナコール”EX−421(エポキシ系架橋剤、ナガセ化成工業(株) 製) 2重量部 (d)N,N−ジメチルホルムアミド 85重量部 次いで、この断熱層上に次の組成を有する感熱層組成物
を塗布し、100℃で1分間乾燥し、膜厚1.5μmの
感熱層を設けた。
【0127】 <感熱層> (a)SPRIT NIGROSINE SJ(光熱変換剤、Dye Specialities,INC.) 10重量部 (b)ジニトロソペンタメチレンテトラミン(発泡剤) 10重量部 (c)“サンプレン”IB−465(水酸基含有ポリウレタン樹脂、三洋化成工 業(株)製) 40重量部 (d)“スミラック”PC−1(レゾール樹脂、住友デュレス(株)製) 30重量部 (e)“デナコール”EX−810(エポキシ系架橋剤、ナガセ化成工業(株) 製) 20重量部 (f)メチルエチルケトン 450重量部 (g)N,N−ジメチルホルムアミド 450重量部 さらに、この感熱層の上に下記の組成を有するシリコ−
ンゴム組成物をバーコーターで塗布した後、100℃で
1分間湿熱硬化させて2.0μmのシリコ−ンゴム層を
設けた。
【0128】 (a)ポリジメチルシロキサン(分子量約35,000、末端水酸基) 100重量部 (b)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン 9重量部 (c)ジブチル錫ジアセテ−ト 0.5重量部 (d)無水酢酸 0.1重量部 (e)“アイソパ−E”(エクソン化学(株)製) 1200重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ8μmのポリ
エステルフィルム“ルミラー”(東レ(株)製)をカレ
ンダーローラーを用いてラミネートし、直描型水なし平
版印刷版原版を得た。
【0129】この後、ポリエステルフィルムを剥離した
印刷版原版をFX400−AP(製版機、東レエンジニ
アリング(株)製)に装着し、半導体レーザー(波長83
0nm、ビーム直径20μm)を用いて露光時間10μ
sでパルス露光を行った。その際、レーザー出力を50
mJ/秒〜400mJ/秒まで変化させた。
【0130】その結果、レーザー出力が200mJ/秒
以上において、凸化しており、容易にレーザー照射部を
認識することができた。凸部の隆起した高さ(max)
を表面形状測定顕微鏡(VF−7500、キーエンス
(株)製)で測定したところ、1.23μmであった。
続いて、東レ(株)製自動現像装置TWL−650によ
り上記露光済み版の現像を行ったところ、レーザー照射
部のシリコーンゴム層が剥離し、発泡した感熱層が残存
した水なし平版の刷版が得られた。
【0131】現像の際、前処理液としては東レ(株)製
“PP−1”を、現像液としては水を、後処理液として
は東レ(株)製“PA−F”を用いた。
【0132】さらに、得られた刷版を印刷機HAMAD
A RS46L(ハマダ印刷機械(株)製)に取り付
け、水なし平版用インキ(ドライオカラーNSI 藍
大日本インキ化学工業(株)製)を使用して上質紙に印
刷を行い、印刷物において画像を再現できたレーザー出
力の最小の値を調べた結果、200mJ/秒であった。
【0133】比較例1 実施例1において、感熱層中の光熱変換物質である
(a)SPRIT NIGROSINE SJ、(b)ジニトロソペンタメ
チレンテトラミンを抜いた以外は全く同様にして印刷版
原版を作成し、同様に評価したところ、レーザー照射に
よる凸部は形成されず、また現像時においてもシリコー
ンゴム層が全く剥離できなかった。
【0134】実施例2 実施例1の感熱層を以下に変更した以外は実施例1と同
様に印刷版原版を作製した。実施例1と同様にレーザー
露光したところ、レーザー出力が200mJ/秒以上に
おいて凸化しており、レーザー照射による凸部の隆起し
た高さ(max)は0.83μmであった。この後の現
像、印刷は実施例1と同様に行った。印刷物において画
像を再現できたレーザー出力の最小の値を調べた結果、
200mJ/秒であった。
【0135】 <感熱層> (a)SPRIT NIGROSINE SJ(光熱変換剤、Dye Specialities,INC.) 15重量部 (b)ジニトロソペンタメチレンテトラミン(発泡剤) 2重量部 (c)尿素系発泡助剤 5重量部 (d)“サンプレン”IB−465(水酸基含有ポリウレタン樹脂、三洋化成工 業(株)製) 40重量部 (e)“スミラック”PC−1(レゾール樹脂、住友デュレス(株)製) 30重量部 (f)“デナコール”EX−810(エポキシ系架橋剤、ナガセ化成工業(株) 製) 20重量部 (g)メチルエチルケトン 450重量部 (h)N,N−ジメチルホルムアミド 450重量部 実施例3 実施例1の感熱層を以下に変更した以外は実施例1と同
様に印刷版原版を作製した。実施例1と同様にレーザー
露光したところ、レーザー出力が190mJ/秒以上に
おいて凸化しており、レーザー照射による凸部の隆起し
た高さ(max)は2.05μmであった。この後の現
像、印刷は実施例1と同様に行った。印刷物において画
像を再現できたレーザー出力の最小の値を調べた結果、
190mJ/秒であった。
【0136】 <感熱層> (a)SPRIT NIGROSINE SJ(光熱変換剤、Dye Specialities,INC.) 5重量部 (b)ジニトロソペンタメチレンテトラミン(発泡剤) 20重量部 (c)尿素系発泡助剤 5重量部 (d)“サンプレン”IB−465(水酸基含有ポリウレタン樹脂、三洋化成工 業(株)製) 40重量部 (e)“スミラック”PC−1(レゾール樹脂、住友デュレス(株)製) 30重量部 (f)“デナコール”EX−810(エポキシ系架橋剤、ナガセ化成工業(株) 製) 20重量部 (g)メチルエチルケトン 450重量部 (h)N,N−ジメチルホルムアミド 450重量部 実施例4 実施例1の感熱層を以下に変更した以外は実施例1と同
様に印刷版原版を作製した。実施例1と同様にレーザー
露光したところ、レーザー出力が150mJ/秒以上に
おいて凸化しており、レーザー照射による凸部の隆起し
た高さ(max)は1.57μmであった。この後の現
像、印刷は実施例1と同様に行った。印刷物において画
像を再現できたレーザー出力の最小の値を調べた結果、
140mJ/秒であった。
【0137】 <感熱層> (a)“KAYASORB”IR−820B(赤外線吸収染料、日本化薬(株) 製) 5重量部 (b)p−p´オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(発泡剤) 10重量部 (c)“サンプレン”LQ−909L(ポリウレタン樹脂、三洋化成工業(株) 製) 80重量部 (d)“スミラック”PC−1(レゾール樹脂、住友デュレス(株)製) 10重量部 (e)“デナコール”EX−221(臭化エポキシ系架橋剤、ナガセ化成工業( 株)製) 5重量部 (f)“TSL”8370(シリル基含有アクリレート、東芝シリコーン(株) 製) 2重量部 (g)メチルエチルケトン 200重量部 (h)エチルセロソルブ 550重量部 (i)N,N−ジメチルホルムアミド 150重量部 実施例5 実施例1の感熱層を以下に変更した以外は実施例1と同
様に印刷版原版を作製した。実施例1と同様にレーザー
露光したところ、レーザー出力が150mJ/秒以上に
おいて凸化しており、レーザー照射による凸部の隆起し
た高さ(max)は1.47μmであった。この後の現
像、印刷は実施例1と同様に行った。印刷物において画
像を再現できたレーザー出力の最小の値を調べた結果、
150mJ/秒であった。
【0138】 <感熱層> (a)“KAYASORB”IR−820B(赤外線吸収染料、日本化薬(株) 製) 10重量部 (b)アゾビスイソブチロニトリル(発泡剤) 10重量部 (c)“ポリエスター”LP−011(飽和ポリエステル樹脂、日本合成化学( 株)製) 40重量部 (d)“マルカリンカー”MB(臭化フェノール樹脂、丸善石油化学(株)製) 30重量部 (e)“エポキシエステル”3000M(水酸基含有アクリレート、共栄社化学 (株)製) 5重量部 (f)“ミリオネート”MR−200(イソシアネート系架橋剤、日本ポリウレ タン工業(株)製) 10重量部 (g)メチルエチルケトン 200重量部 (h)エチルセロソルブ 550重量部 (i)N,N−ジメチルホルムアミド 150重量部 実施例6 厚さ0.24mmの脱脂したアルミ板上に下記の組成よ
りなる溶液を塗布し、200℃、2分間乾燥し、3g/
2の発泡した断熱層を設けた。
【0139】 <断熱層> (a)p−p´オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(発泡剤) 1重量部 (b)ポリウレタン樹脂“ミラクトラン”P22S(日本ミラクトラン(株)製 ) 100重量 部 (c)ブロックドイソシアネート“タケネートB830”(武田薬品工業(株) 製) 20重量部 (d)エポキシ・フェノール・尿素樹脂“SJ9372”(関西ペイント(株) 製) 8重量部 (e)ジブチル錫ジアセテート 0.5重量部 (f)“FINEX”25(白色顔料、堺化学(株)製) 10重量部 (g)“KET−YELLOW”402(黄色顔料、大日本インキ化学工業(株 )製) 10重量 部 (h)N,N−ジメチルホルムアミド 720重量部 次いで、この断熱層上に次の組成を有する感熱層組成物
を塗布し、100℃で1分間乾燥し、膜厚4μmの感熱
層を設けた。
【0140】 <感熱層> (a)“KAYASORB”IR−820B(赤外線吸収染料、日本化薬(株) 製) 5重量部 (b)p−p´オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(発泡剤) 1重量部 (c)アゾジカルボンアミド(発泡剤) 1重量部 (d)“サンプレン”LQ−909L(ポリウレタン樹脂、三洋化成工業(株) 製) 80重量部 (e)“スミラック”PC−1(レゾール樹脂、住友デュレス(株)製) 10重量部 (f)“デナコール”EX−221(臭化エポキシ系架橋剤、ナガセ化成工業( 株)製) 5重量部 (g)メチルエチルケトン 200重量部 (h)エチルセロソルブ 550重量部 (i)N,N−ジメチルホルムアミド 150重量部 さらに、この感熱層の上に下記の組成を有するシリコ−
ンゴム組成物をバーコーターで塗布した後、100℃で
1分間湿熱硬化させて2.0μmのシリコ−ンゴム層を
設けた。
【0141】 (a)ポリジメチルシロキサン(分子量約35,000、末端水酸基) 100重量部 (b)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン 9重量部 (c)ジブチル錫ジアセテ−ト 0.5重量部 (d)無水酢酸 0.1重量部 (e)“アイソパ−E”(エクソン化学(株)製) 1200重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ12μmのポ
リプロピレンフィルム“トレファン”(東レ(株)製)
をカレンダーローラーを用いてラミネートし、直描型水
なし平版印刷版原版を得た。実施例1と同様にレーザー
露光したところ、レーザー出力が150mJ/秒以上に
おいて凸化しており、レーザー照射による凸部の隆起し
た高さ(max)は1.02μmであった。この後の現
像、印刷は実施例1と同様に行った。印刷物において画
像を再現できたレーザー出力の最小の値を調べた結果、
150mJ/秒であった。
【0142】実施例7 実施例6の発泡した断熱層上に、以下の感熱層を、乾燥
膜厚2.5μmになるように塗布し、80℃×1分間乾
燥した。
【0143】 <感熱層> (a)“KAYASORB”IR−820B(赤外線吸収染料、日本化薬(株) 製) 5重量部 (b)ジエチルアゾジカルボキシレート(発泡剤) 10重量部 (c)“ナーセム”Ti(アセチルアセトンチタン、日本化学産業(株)製) 10重量部 (d)ペンタオキシプロピレンジアミン/グリシジルメタクリレート/メチルグ リシジルエーテル=1/3/1mol比付加反応物 15重量部 (e)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート/メチルグリシジル エーテル=1/2/2mol比付加反応物 15重量部 (f)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート/3−グリシドキシ プロピルトリメトキシシラン=1/3/1mol比付加反応物 3重量部 (g)“デナコール”EX−411(ペンタエリスルトールポリグリシジルエー テル、ナガセ化成工業(株)製) 5重量部 (h)“サンプレン”T−1331(ポリウレタン樹脂 三洋化成工業(株)製 、 ガラス転移温度Tg:−37℃) 30重量 部 (i)マレイン酸 0.5重量部 (j)“IRGACURE”651(Ciba Geigy(株)製 ベンジル ジメチルケタール) 2重量部 (k)“ミヒラー氏ケトン”(保土谷化学(株)製 4,4’−ジメチルアミノ ベンゾフェノン) 5重量部 (l)テトラヒドロフラン 200重量部 (m)ジメチルホルムアミド 50重量部 次にこの感熱層の上に下記の組成を有するシリコ−ンゴ
ム組成物をバーコーターで塗布した後、120℃で1分
間熱硬化させて2.0μmのシリコ−ンゴム層を設け
た。
【0144】 <シリコーンゴム層> (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度770)100重量部 (b)HMS−501(チッソ(株)製 両末端メチル(メチルハイドロジェン シロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体 SiH基数/分子量=0.69 mol/g) 4重量部 (c)オレフィン配位白金 0.02重量部 (d)“BY24−808”(ダウコーニングシリコーン(株)製 反応抑制剤 ) 0.3重量 部 (e)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製) 1000重量部 その後、“アイドルフィン”2000(岩崎電気(株)
製、メタルハライドランプ)を用いて、空気中で版全面
に11mW/cm2で120秒間紫外線を照射し、厚さ
12μmのポリプロピレンフィルム“トレファン”(東
レ(株)製)をカレンダーローラーを用いてラミネート
し、直描型水なし平版印刷版原版を得た。
【0145】実施例1と同様にレーザー露光したとこ
ろ、レーザー出力が150mJ/秒以上において凸化し
ており、レーザー照射による凸部の隆起した高さ(ma
x)は0.50μmであった。この後の現像、印刷は実
施例1と同様に行った。印刷物において画像を再現でき
たレーザー出力の最小の値を調べた結果、150mJ/
秒であった。
【0146】実施例8 実施例6の発泡した断熱層上に、以下の感熱層を、乾燥
膜厚6μmになるように塗布し、60℃×2分間乾燥し
た。
【0147】 <感熱層> (a)“KAYASORB”IR−820B(赤外線吸収染料、日本化薬(株) 製) 5重量部 (b)“マツモトマイクロスフェアー”F−20(発泡剤、松本油脂製薬(株) 製) 10重量部 (c)“ナーセム”Ti(アセチルアセトンチタン、日本化学産業(株)製) 10重量部 (d)ペンタオキシプロピレンジアミン/グリシジルメタクリレート/メチルグ リシジルエーテル=1/3/1mol比付加反応物 15重量部 (e)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート/メチルグリシジル エーテル=1/2/2mol比付加反応物 15重量部 (f)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート/3−グリシドキシ プロピルトリメトキシシラン=1/3/1mol比付加反応物 3重量部 (g)“デナコール”EX−411(ペンタエリスルトールポリグリシジルエー テル、ナガセ化成工業(株)製) 5重量部 (h)“サンプレン”T−1331(ポリウレタン樹脂 三洋化成工業(株)製 、 ガラス転移温度Tg:−37℃) 30重量 部 (i)マレイン酸 0.5重量部 (j)“IRGACURE”651(Ciba Geigy(株)製 ベンジル ジメチルケタール) 2重量部 (k)“ミヒラー氏ケトン”(保土谷化学(株)製 4,4’−ジメチルアミノ ベンゾフェノン) 5重量部 (l)トルエン 200重量部 (m)キシレン 200重量部 次にこの感熱層の上に下記の組成を有するシリコ−ンゴ
ム組成物をバーコーターで塗布した後、80℃で1分間
湿熱硬化させて2.0μmのシリコ−ンゴム層を設け
た。
【0148】 <シリコーンゴム層> (a)ポリジメチルシロキサン(分子量約35,000、末端水酸基) 100重量部 (b)エチルトリアセトキシシラン 10重量部 (c)ジブチル錫ジアセテ−ト 0.3重量部 (d)“アイソパ−G”(エクソン化学(株)製) 1200重量部 その後、“アイドルフィン”2000(岩崎電気(株)
製、メタルハライドランプ)を用いて、空気中で版面に
11mW/cm2で120秒間紫外線を照射し実施例1
と同様にレーザー露光したところ、レーザー出力が20
0mJ/秒以上において凸化しており、レーザー照射に
よる凸部の隆起した高さ(max)は2.12μmであ
った。この後の現像、印刷は実施例1と同様に行った。
印刷物において画像を再現できたレーザー出力の最小の
値を調べた結果、200mJ/秒であった。
【0149】実施例9 実施例6の発泡した断熱層上に、以下の感熱層を、乾燥
膜厚1μmになるように塗布し、90℃×2分間乾燥し
た。
【0150】 <感熱層> (a)“KAYASORB”IR−820B(赤外線吸収染料、日本化薬(株) 製) 5重量部 (b)p−トルエンスルホニルヒドラジド 10重量部 (c)“ナーセム”Ti(アセチルアセトンチタン、日本化学産業(株)製) 10重量部 (d)下記化合物 55重量部
【化5】 (e)“サンプレン”T−1331(ポリウレタン樹脂 三洋化成工業(株)製 、 ガラス転移温度Tg:−37℃) 20重量 部 (f)メチルエチルケトン 550重量部 (g)エチルセロソルブ 200重量部 (h)N,N−ジメチルホルムアミド 150重量部 さらに、この感熱層の上に下記の組成を有するシリコ−
ンゴム組成物をバーコーターで塗布した後、100℃で
1分間湿熱硬化させて2.0μmのシリコ−ンゴム層を
設けた。
【0151】 (a)ポリジメチルシロキサン(分子量約35,000、末端水酸基) 100重量部 (b)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン 9重量部 (c)ジブチル錫ジアセテ−ト 0.5重量部 (d)無水酢酸 0.1重量部 (e)“アイソパ−E”(エクソン化学(株)製) 1200重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ12μmのポ
リプロピレンフィルム“トレファン”(東レ(株)製)
をカレンダーローラーを用いてラミネートし、直描型水
なし平版印刷版原版を得た。実施例1と同様にレーザー
露光したところ、レーザー出力が150mJ/秒以上に
おいて凸化しており、レーザー照射による凸部の隆起し
た高さ(max)は1.02μmであった。この後の現
像、印刷は実施例1と同様に行った。印刷物において画
像を再現できたレーザー出力の最小の値を調べた結果、
150mJ/秒であった。
【0152】
【発明の効果】本発明は、加熱部分が凸状となることか
ら、シリコーンゴム層の除去性が向上する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも感熱層およびシリコ
    ーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印
    刷版原版において、該感熱層が少なくとも、(a)光熱
    変換剤、(b)発泡剤、(c)熱可塑性樹脂を含むこと
    を特徴とする直描型水なし平版印刷版原版。
  2. 【請求項2】該発泡剤が熱発泡性樹脂微粒子であること
    を特徴とする請求項1に記載の直描型水なし平版印刷版
    原版。
  3. 【請求項3】加熱部分が凸状となることを特徴とする請
    求項1または2に記載の直描型水なし平版印刷版原版。
  4. 【請求項4】水または水を主成分とする液体で現像する
    ことを特徴とする請求項1〜3に記載の直描型水なし平
    版印刷版の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の直描型水なし平版印刷版の
    感熱層が残存していることを特徴とする直描型水なし平
    版印刷版原版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012093728A (ja) * 2010-09-30 2012-05-17 Toray Ind Inc 直描型水なし平版印刷版原版
CN114890814A (zh) * 2022-03-31 2022-08-12 共享智能装备有限公司 一种热发泡工艺用无机树脂及其制备方法

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