JP2683925B2 - 四方操縦システムを有する運搬車両 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、特に印刷業界において大きな印刷物ロー
ルを操作および輸送するための、運搬車両に関するもの
である。現代の製造および生産過程において作業段階の
簡素化および合理化が要求される結果、重たく、かつ大
きな単位にまとめられた、その過程に特有の中間製品を
輸送および操作する問題が増加する。多くの個々の部分
をこのように少数の単位にまとめることによって処理段
階が労働集約的に合理化され得、かつ労働力需要が削減
され得る。

最近の印刷業界においては、印刷物は１本のロール芯
に巻付けられ、それによって作業進行を大変迅速にする
ことが可能であり、かつ、たとえばそのような印刷物
を、その順番を変える必要なく、中継保管することが可
能となる。その際、１本のロール芯に巻付けられる印刷
物の数は基本的には、巻き終わったロールに必要な強さ
によってのみ制限される。そのようなロールの取替え、
倉庫への輸送、あるいはある処理ラインから他のライン
への輸送は概して手で、当然補助手段を利用してである
が、行なわれるので、作業段階の数を減らすため可能な
限り大きなロールを操作するように努力される。したが
って今日では既に、半径約2.5メートルまでのロールが
使用されている。そのように大きく、その上大変重い積
荷を操作する際、積重ね、保管しかつ輸送する間も大き
なロールの操作が困難であるため、運搬車両の安定性に
ついて大きな問題が生じる。さらに、印刷物ロールの場
所をとらない保管方法が所望されるため、積荷の操作が
可能でなければならない。そのようなロールの大きさが
それに必要な堅さのために制限されている場合、操作車
両は可能な限り迅速な作業進行ないしは高い操作頻度を
可能にしなければならないであろう。

大きく、重い積荷を輸送するためには様々な横方向フ
ォークリフトや四方フォークリフトが知られている。そ
のような横方向フォークリフトは特に長い積荷の輸送の
ために構成されており、たとえばパイプや杆を進行方向
に向かって縦に長い積載表面上に積むことができる。積
上げられた積荷で全体が大変長くなった車両を動かし得
るように、これらの車はしばしば位置調整可能な車輪と
ともに構成され、その結果車両は縦および横に動くこと
ができる。その際、積載表面および吊上げ装置からなる
装置、概して、進行方向に対して横向きに移動可能な１
本の吊上げマストは、単に積載および荷下ろしのために
意図されているにすぎない。

この横方向フォークリフトは、たとえば大きく丸いロ
ールのような、大きな物体の操作には適していない。そ
れに対応する積載装置は従来の積載および荷下ろし作業
用に設計されているので、大きな物体を操作する際に生
じる負荷はうまく吸収され得ず、かつ、フォーク支持部
あるいは器具運搬押上げキャリッジと吊上げマストとの
相互依存的配置のために大きな物体は本来の意味では操
作され得ず、ただ垂直方向に位置調整され、吊上げマス
トとともに車両に対して直角に移動され得るだけであ
る。これらの理由から、従来のこれらの横方向フォーク
リフトは全く一方方向の保管計画のためにのみ使用され
得る。操作されるべき物品、たとえば前記印刷物ロール
を、それが輸送のために把持された位置とは別の位置に
置こうとすると、この車両はもはや利用できない。

さらに、そのような横方向フォークリフトないしは四
方車両のためにフォークリフトの従来の概念を引継ごう
とすると、吊上げマストに必要な横方向運動のために比
較的幅の広い車両の構造が必要となる。この事実は、倉
庫の構成および業務に直接影響を及ぼす。

この発明の課題は、幅の狭い、場所をとらない構造が
可能であり、重い積荷による負荷に関しては大変安定し
ており、運搬器具ないしは運搬道具によって重い積荷を
操作することができ、これらの積荷を様々な空間的位置
において把持することができ、さらに１つより多くの作
業道具を同時に利用することが可能な運搬車両を提供す
ることである。

この課題は前掲の請求項１に記載された特徴によって
解決される。

本発明の運搬車両は、大きな印刷物ロールおよびこの
ような印刷物ロールの芯を操作および輸送するための四
方操縦システムを有する運搬車両であり、水平面内の第
１の方向に延びる縦方向枠部分および縦方向枠部分の両
端において、水平面内の第１の方向に垂直な第２の方向
に延びる１対の横方向枠部分を備えた実質的にＵ字形の
レイアウトを有する車両枠を備えている。縦方向枠部分
上には、支持手段が装着されている。支持手段は、印刷
物ロールを運搬するための鉛直に変位可能な運搬手段を
支持し、さらにロール芯を運搬するためのさらなる運搬
手段を支持している。運搬手段は、車両枠の中心のほぼ
上方の位置から車両枠の側部位置まで水平に変位可能な
マニピュレータと支持体とを含でいる。マニピュレータ
は、印刷物ロールをその中心のロール芯の内部空洞にお
いて保持するために用いられる。車両枠、支持手段およ
び運搬手段は、印刷物ロールがマニピュレータによっ
て、このマニュプレータが伸ばされた状態で保持され、
マニピュレータを収縮させることによって車両枠上を移
動し、かつ、横方向枠部分の積荷支持エレメント上に下
ろされ得るように構成されている。

この構造を有する運搬車両によれば、鉛直に変位でき
る運搬手段と水平に変位できるマニピュレータとにより
マニピュレータを印刷物ロール中心のロール芯の内部空
洞に移動させて容易にこれを保持するとともに、その印
刷物ロールを積荷支持エレメント上に下ろすことができ
る。印刷物ロールはロール芯の空洞部、つまり、印刷物
ロールの重心近傍で保持されるため、印刷物ロールを安
定性よく操作し運搬することができる。また、運搬手段
を支持している支持手段は、Ｕ字形をした車両枠の縦方
向枠部分上に装着されているため、印刷物ロールの操作
において、特に高い安定性を示し、印刷物ロールの正確
な操作を可能にする。また、さらにロール芯を運搬する
運搬手段を有することにより、印刷物ロールとともに空
のロール芯を運搬することができる。

好ましくは、運搬手段が、車両の中央を向いた構造の
側面に鉛直に配置されたガイドレール内を、鉛直方向に
調整自在に案内されている。

この場合、印刷物ロールを保持した運搬手段を安定性
よく垂直方向に移動させることができる。

また好ましくは、運搬手段が積荷の空間的位置を変え
るための装置を含んでいる。

この場合、さまざまな空間的位置にある印刷物ロー
ル、たとえば、横になっている印刷物ロールを保持し積
荷支持エレメント上に下ろすことができる。

さらに好ましくは、ロール芯を運搬するためのさらな
る運搬手段の作業領域において、追加の積載表面を有す
る。この場合、印刷物ロールとともに空のロール芯も運
搬することができる。

好ましくは、１対の横方向枠部分の一方に、操縦装置
および運搬装置のための制御エレメントを有する横向き
座席が配置されている。

この場合、印刷物ロールの操作の際、横向き座席から
オペレータ等が全体をよく見渡すことができる。

また好ましくは、車両の誘導操作のため手段を含んで
いる。この場合、車両の移動や方向転換等を容易にする
ことができる。

実施例 非限定の実施例および添付された図面に関して、以下
においてこの発明がより詳細に説明される。

第１図は、車両懸架を含む２つの横方向脚５と、縦方
向枠部分６とを備える車両枠２を有する運搬車の第１の
実施例を示す。図示された実施例においては、ガイドラ
イン10を有する構造１は、縦方向枠部分６と一体的に接
続されており、図においては台形状の、上方に向かって
先細りの形を有する。この構造は、重い積荷を操作する
場合、特に、大変高い安定性を示し、積荷の正確な操作
を可能にする。破線によって印刷物ロール８が示されて
いるが、それはここには詳細に描かれていないマニピュ
レータ装置あるいは把持装置によって保持される。

このように、この発明による運搬車両は、移動可能な
吊上げマストを有する従来の横方向フォークリフトの概
念から離れ、大きくかつ重い積荷の操作の新しい可能性
を提供する。従来の吊上げマストとフォークとからなる
装置は単に積荷の上げ下ろしのために設計され、かつ積
荷を輸送のためにこの車両の積載表面上に積むことも辛
うじて可能であった。この車両の利用可能性は制限され
ていたため、倉庫の通路や物品の保管方法は相応に適応
したものでなければならなかった。すなわち、保管物品
は、輸送の目的に適するように車両によって把持され得
るよう、配置されねばならなかった。この発明の概念
は、同時に様々な機能を果たすことによって重い積荷の
運搬を容易にしかつ合理化する車両を目的とする。さら
に、運搬車両の作業道具が交換される必要なく、あるい
は全く別の車両が利用される必要なく、様々な空間的位
置にある積荷が積重ねられ、保管されあるいは使用され
得ることを目的とする。したがってこの発明による車両
は、移動可能な支持装置に垂直方向に位置調整可能なよ
うに運搬装置を取付けることを可能にし、その結果、た
とえば横になっている印刷物ロールを把持し、運搬装置
によって向きを変え、次に積荷支持エレメント上に下ろ
すことを可能にする。したがって、たとえばパレット上
に積重ねられた多くの印刷物ロールの１つ１つが運搬装
置によって持上げられ、輸送され、ないしは倉庫に運ば
れ得る。

そのような操作過程に必要な高い安定性は、シャシー
にしっかりと据付けられた構造１によって保証されてい
る。構造１の配置によると、重い積荷を把持する際、車
両およびその構造の重さが共に、その積荷に対して反作
用として働くねじりモーメントの役割を果たす。従来の
横方向フォークリフトにおいては、吊上げマストの変位
によって全体の重量配分に不利な影響がもたらされ、そ
れによって安定性が減じられた。正確な操作作業のため
にはこれらの積載装置はこの理由から既に実用的ではな
かった。

積荷が空中において容易に操作され得るよう、かつ運
搬車両が、それが操作する保管装置ないしは機械と問題
なく共同で作業するよう、構造１の高さは選択される。
前述の印刷物ロールを操作するために、この構造はたと
えば約２から2.5メートルの高さを有する。車両本体全
体および構造エレメントは、車両が小さいときは重心が
低くなって、高い安定性を示すように、同時にすべての
重い車両部分は、積荷を操作する際安定して作動するよ
う配置されているように、設計されている。同じ理由か
ら、構造１および横方向脚５は共に、積荷が同様に可能
な限り低い位置に保持されるように構成されている。車
両本体はたとえば幅1m、高さ90cmである。

車両本体の横方向脚５上には印刷物ロールを支持する
ために積荷支持エレメント７が備えられている。これら
はたとえば支持表面あるいは対応するガイドエレメント
を含み、それらは輸送中の積荷の変位を妨げる。これら
の支持エレメント７は、その上に支えられる積荷が構造
１に傾くように構成されるのが望ましい。特別に重い積
荷を操作するために、これらの積荷支持エレメントは追
加補助装置、たとえばガイドレールあるいは把持エレメ
ントを含み得、それらは、運搬装置３、４が積荷を把持
するのを、補助装置が同様に伸ばされ、積荷を下方で把
持することによって支持する。

オペレータによる制御および操縦のために、一方の横
方向脚５には運転席15、好ましくは横向座席、と操縦ハ
ンドル16と運搬装置のための、詳細には示されていない
制御エレメントとが備えられている。運転台のこの配置
によって積荷の操作中全体をよく見渡すことができ、そ
の結果運転者は位置を変えることなく操作装置の制御を
も引き受けることができる。その際、構造１の固定され
た位置が、従来の横方向フォークリフトとは異なり、吊
上げマストないしは操作されるべき積荷がオペレータの
視野から逃れることがないため、再び有利となる。

第２図においては、そのような運搬車両の平面図が示
される。枠２の縦方向枠部分６および横方向脚５が認め
られる。ここには詳細に示されていない運搬装置に保持
されたロール８は、その円周が横方向脚５上にくるよう
に固定されている。車両は操作されるべき積荷に最適の
形にされており、その結果縦方向においても短い構成が
達成され得る。その際、そのようなロールの丸い形のた
めに、ロールの下方領域が横方向の両脚５の間の空間に
収まるまでロールを下げることが可能であるという事実
が利用される。他の積荷が操作される他の適用の際に、
車両の構造を相応に適応させることは明らかに有利であ
り得る。したがって、たとえば積荷を下ろし、支持しあ
るいは輸送のために安定させるために、たとえば拡大さ
れた支持表面、あるいは横方面脚上には特別な上部構造
が備えられ得る。

第３図はマニピュレータ３およびそれに対応する支持
構造４の概略を示す。支持構造はたとえば、詳細には示
されていない水圧位置調整装置によって構造１に対する
保持装置あるいはマニピュレータ３の水平方向の位置調
整を可能にする。支持構造４はたとえばせん断構造とし
て構成され、あるいは１つまたは２つの水圧シリンダを
有する。マニピュレータが完全に引き戻され、あるいは
収縮されると、印刷物ロール８は完全に構造１上に収ま
る。反対に、保持装置３が完全に伸ばされていると、マ
ニピュレータ３は構造１から距離を置き、側面が車両と
並び、印刷物ロールはたとえば１つの台から持上げられ
得る。基本的にはマニピュレータ３および構造１の間に
可能な距離は無制限、ないしは支持構造４の支持能力に
のみ左右される。それによって、積荷を空中で操作する
こと、つまり、たとえば向きを変えることができるよう
な距離に、マニピュレータを構造１から離すことが可能
となる。

第４図においては、ここでは空のロール芯を挿入する
ための保持装置として構成された、構造１にさらに据付
けられた作業装置12を有する、この発明による運搬車両
が示される。そのような空のロール芯９は図において破
線によって示される。この保持装置はまた位置調整装置
を含み得、その結果そのようなロール芯は印刷物ロール
の場合と同じような方法で１つの台から把持され得る。
この保持装置12はまた、垂直方向に位置調整可能なよう
に構造１に取付けられ得、それによって車両にはさらに
積載領域が備えられ得るので、その結果多くの空のロー
ル芯が輸送作業の際に共に運ばれ得る。１つあるいはそ
れ以上の作業道具が構造１には備えられ得るので、物品
が全く同じ据付け部において交換されるべき場合、した
がってたとえばロールが巻取装置においてロール芯に取
替えられるべき場合など特に、この発明による運搬車両
は大きな利点を提供する。車両の動きが小さいため、あ
るいは相応な作業道具が備わっている場合はそのような
小さな動きさえなしに、積荷は時間をかけずに交換され
得る。保持装置あるいは機械における印刷物ロールと空
のロール芯との取替えのために、たとえば運搬車両は印
刷物ロール８あるいはロール芯の自由に近づき得る側面
に大まかに位置決めされ、その際車両の縦側面はこの側
面に対して平行となる。マニピュレータ３は支持構造４
によって伸ばされ、マニピュレータの把持装置は精密に
位置決めされる。印刷物ロール８は空中において所望さ
れた位置に置かれ、マニピュレータ３とともに積荷支持
エレメント上に引き戻される。次に運搬車両は新たに大
まかに位置決めされ、その際追加作業道具12は保持装置
ないしは機械に向けて方向づけされる。作業道具12は横
へ伸ばされ、共に輸送されたロール芯は保持装置ないし
は機械に引き渡される。作業道具12は保持装置ないしは
機械の領域から引き戻され、車両は次の動作のための準
備完了となる。

作業装置12はさらに、独立した機能が果たせるよう
に、あるいはその一方で運搬装置3,4と共同作業するよ
うに配置されかつ構成され得る。作業装置が位置調整可
能なように構成されると、積荷は運搬装置によってより
離れた場所から把持され得、その後始めて作業装置12に
よって引継がれ得、あるいは作業装置12は運搬装置3,4
によって操作される。

第5A図から第5C図においては、この発明のさらなる実
施例が示される。構造１はここでは、同時に運搬装置の
垂直方向位置調整のためのガイドレールの機能を果た
す、安定した支持構造からなる。第5A図においては水圧
垂直方向位置調整装置19の概略が示される。これによっ
てマニピュレータのための組立装置18が垂直方向に位置
調整可能なようにガイドレール10内を導かれる。組立装
置18は、適用の必要に応じて異なるマニピュレータがこ
れに固定され得るように構成されるのが好ましい。これ
によってこの車両は様々な適用に使用され得る。たとえ
ば、前記印刷物ロールの空間移動のためにスイス特許出
願番号第03 998/87−５によるマニピュレータを、ある
いは簡単な吊上げフォーク装置のみをこの組立装置18に
据付けることができる。

第5A図から第5C図による運搬車両は、横方向脚５の内
側側面に傾斜した支持エレメント７を有し、その上に、
図示された印刷物ロール８が支持され得る。保持装置な
いしはマニピュレータがロール８に対して十分な安定性
を示し得る限り、この支持表面７上における支持は必要
ない。にもかかわらずこの傾斜は、車両の高さに関して
ロールの輸送に有利な位置が達成されるという利点を有
する。したがってロールが、たとえば支持アームによっ
て１つの台から直接持上げられ得、マニピュレータは支
持構造４（第5C図）によって輸送のために構造１に引き
戻され得るが、そのために垂直方向の位置調整は必要な
いであろう。これによって短い操作時間が達成され得
る。輸送の間、ロール８はそれ自体の重さによって支持
アーム上に固定され、その結果支持表面７上における支
持は不要である。

第5B図においては、電力駆動のためのバッテリ20の配
置の概略が示される。構造１はその際、縦方向枠部分６
の外側ではなく、車両枠のわずかに中央寄りに変位され
て配置されている。バッテリのこの配置は重い積荷を操
作する際に重量によって車両の安定性を支持する。また
この図から明らかなように、横方向脚５の内側側面もま
た車両の縦方向に関して斜角を付けられており、その結
果、図示されているように、たとえばパレット22上に、
水平に横たわるロール８に車両が可能な限り近づくこと
ができる。それによって、そのようなロールを把持する
際に保持装置ないしはマニピュレータが車両の縦側面上
に伸ばされることが可能な限りわずかですみ、それによ
って望ましくないほど大きな梃子作用が構造１にかかる
のを避けることができる。

安定性の理由から外側へずらされた重みないしは積荷
のために、部分的に高い横モーメントが車両に働き得る
ので、キャスタ14は車両枠２の可能な限り外側領域に配
置されている。運搬車両が縦および横方向に走行するこ
とを可能にする、位置調整可能な駆動輪17もまた横方向
脚５に配置されている。

第６図には、上述の観点から可能な、印刷物ロール８
の保管計画が示される。その際ロールは間隔をあけて並
べられており、あるいは詳細には示されていない台装置
に平行な平面で保管されている。場所をとらないよう
に、大変狭い通路23のみが設けられている。四方駆動の
ために、この発明による運搬車両は問題なくこの通路23
を走行することができ、その都度前方の列からロールが
１本把持され得る。運搬車両が巻取場所と倉庫との間に
おいて用いられると、たとえば車両の構造１の追加作業
装置12において巻取場所から空のロール芯が１つ共に輸
送されるという状況が規則的に生じる。このロール芯は
同じ作業過程においてその目的地に下ろされ得るが、こ
れは特に倉庫がたてこんでいる場合およびそれに応じて
必要となる運転技術にとって大変重要である。

第７図は、さらなる保管計画を示す。ここではロール
８は、運搬車両が正面のロールを掴むように配置されて
いる。図示された車両の位置Ｐから明らかなように、こ
の保管方法においては、背面のロールも隣りの列が邪魔
にならずに到達され得るように、車両の長さが重要であ
る。それゆえここにおいては、運転手台がないために、
車両枠全体の長さが縦方向枠部分６および横方向脚５の
幅によってのみ決まる、誘導操作される車両が用いられ
るが好ましい。同じ理由から横方向脚５は可能な限り幅
が狭くなければならない。同時に、誘導操作は十分に自
動化された保管計画を可能にする。その際車両枠は安全
手段、たとえば衝撃吸収部を含むのが好ましい。車両お
よび／あるいは運搬装置３、４を制御するための他の、
あるいは追加の電気補助装置が当然備えられ得る。

既に示唆された、構造および運搬装置からなるこの発
明による装置の利点は、車両を制御する人が操作される
べき物品を常に視野におさめていることであり、これは
特に積荷の正確な操作のためには不可欠である。さら
に、運転手台の位置が低いことによって、大きくかつ嵩
張る積荷の操作が高い運転手台によって妨げられないこ
とを可能にする。さらにオペレータは積荷が操作される
レベルに目の高さを置くことができ、これは、空間的な
視差がほとんど生じないので、正確な位置決めのために
は大きな利点である。従来の横方向フォークリフトにお
いては吊上げマストを動かすことによって視野が大変制
限された。

積荷を操作するために吊上げマスト全体が位置調整さ
れるわけではないため、動かされるべき重量は最少限に
減じられている。これによって、この発明による運搬車
両を用いて積荷を正確に動かすことが可能となる。その
際、まず車両が大まかに位置決めされ、続いて運搬装置
3,4によって積荷が望ましい方法で操作される。支持構
造４が、マニピュレータが固定された、水平方向に、車
両に対しては直角に移動可能なキャリッジを含むことも
また考えられる。さらに、たとえば狭い倉庫内において
車両の方向転換を避けるために、構造の両側面に作業装
置ないしはマニピュレータが配置され得る。その際、し
かも運搬車両がいくぶん幅の広い構成の場合、構造１は
車両の中央に移され、車両枠が２つのＴ字形のレイアウ
トを有することが可能である。

特別な適用のために、運搬装置は構造１の側面に、つ
まり構造１の進行方向に向かって直角となっている側面
に、垂直方向に位置調整可能なように取付けられ得る。
それによって、たとえば進行方向に向う軸を周っての回
転を可能にするような、適切な運搬道具を用いて、積荷
を車両の一方の側面から他方の側面へ動かすことが可能
となり、そのようにしてたとえば倉庫の狭い通路にある
積荷を、車両を方向転換することなく、一方から他方の
側面へ動かすことが可能となる。この場合もまた、構造
１は車両の中央に配置されているのが望ましい。

この運搬車両は、運搬装置、構造、追加作業装置など
に適切な調整がなされれば、印刷業界以外の分野におい
ても同じ利点をもって使用され得ることが明らかであ
る。したがって、特別な適用のための垂直方向の位置調
整は、たとえば垂直平面において方向転換可能な装置に
よっても達成され得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、把持された印刷物ロールを有する、運搬車両
を示す。 第２図は、車両枠の平面図を示す。 第３図は、マニピュレータと持上げられた印刷物ロール
とを有する、構造に接続された支持構造を示す。 第４図は、空のロール芯のための追加保持装置を有す
る、第１図による運搬車両を示す。 第5A図から第5C図は、様々な面における、この発明のさ
らなる実施例を示す。 第６図は、印刷物ロールが垂直に配置された、通路を有
する倉庫のレイアウトを示す。 第７図は、印刷物ロールが垂直に配置された、正面通路
を有する倉庫のレイアウトを示す。 図において、１は構造、３および４は運搬装置、６は縦
方向枠部分、５は横方向脚、10はガイドレール、７は積
荷支持エレメント、12は作業装置を示す。

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】大きな印刷物ロールおよびこのような印刷
   物ロールの芯を操作および輸送するための、四方操縦シ
   ステムを有する運搬車両であって、 水平面内の第１の方向に延びる縦方向枠部分（６）およ
   び前記縦方向枠部分（６）の両端において、水平面内の
   前記第１の方向に垂直な第２の方向に延びる１対の横方
   向枠部分（５）を備えた実質的にＵ字形のレイアウトを
   有する車両枠を備え、 前記縦方向枠部分（６）上には支持手段（１）が装着さ
   れ、 前記支持手段（１）は、印刷物ロールを運搬するための
   鉛直に変位可能な運搬手段（3,4）を支持し、さらにロ
   ール芯（９）を運搬するためのさらなる運搬手段（12）
   を支持し、 前記運搬手段（3,4）は、前記車両枠の中心のほぼ上方
   の位置から前記車両枠の側部位置まで水平に変位可能な
   マニピュレータ（３）と支持体（４）とを含み、 前記マニピュレータ（３）は、印刷物ロールをその中心
   のロール芯の内部空洞において保持するために用いら
   れ、 前記車両枠（5,6）、支持手段（１）および運搬手段
   （3,4）は、印刷物ロールが前記マニピュレータによっ
   て、このマニピュレータが伸ばされた状態で保持され、
   前記マニピュレータを収縮させることによって前記車両
   枠上を移動し、かつ、前記横方向枠部分（５）の積荷支
   持エレメント（７）上に下ろされ得ることを特徴とす
   る、運搬車両。
2. 【請求項２】前記運搬手段（3,4）が、車両の中央を向
   いた構造（１）の側面に鉛直に配置されたガイドレール
   （10）内を、鉛直方向に調整自在に案内されていること
   を特徴とする、請求項１記載の運搬車両。
3. 【請求項３】前記運搬手段（3,4）が、積荷の空間的位
   置を変えるための装置を含むことを特徴とする、請求項
   １記載の運搬車両。
4. 【請求項４】ロール芯を運搬するための前記さらなる運
   搬手段（12）の作業領域において、追加の積載表面を有
   することを特徴とする、請求項１記載の運搬車両。
5. 【請求項５】前記１対の横方向枠部分（５）の一方に、
   操縦装置（16）および、運搬装置（3,4）のための制御
   エレメントを有する横向座席（15）が配置されているこ
   とを特徴とする、請求項１記載の運搬車両。
6. 【請求項６】車両の誘導操作のための手段を含むことを
   特徴とする、請求項１記載の運搬車両。