詳細な記載
ここに開示するのは、少なくとも一部、高親和性および特異性でプログラム死1(PD−1)に結合する抗体分子(例えば、ヒト化抗体分子)である。該抗体分子をコードする核酸分子、発現ベクター、宿主細胞および該抗体分子の製造方法も提供される。該抗体分子を含む医薬組成物および投与製剤も提供される。ここに開示する抗PD−1抗体分子を、癌性障害(例えば、固形および軟組織腫瘍)ならびに感染症(例えば、慢性感染性障害または敗血症)などの障害の処置、予防および/または診断に(単独でまたは他の薬剤もしくは治療モダリティと組み合わせて)使用できる。それ故に、PD−1を検出するための組成物および方法ならびに該抗PD−1抗体分子を使用する、癌および/または感染症を含む種々の障害を処置する方法がここに開示される。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を均一または固定用量で投与または使用する。
またここに開示されるのは、次のカテゴリー(i)抗原提示(例えば、腫瘍抗原提示)を増強する薬剤(例えば、樹状細胞活性または成熟、抗原取り込みまたは抗原プロセシングの1以上の増強による)、(ii)エフェクター細胞応答を増強する薬剤(例えば、リンパ節における、例えば、免疫エフェクター細胞応答、例えば、B細胞および/またはT細胞活性化および/または動員)または(iii)腫瘍免疫抑制を低減する薬剤(例えば、T細胞浸潤および腫瘍細胞死増加)の(i)〜(iii)の1、2または全てから選択される2、3またはそれ以上の治療剤の組み合わせを含む、方法および組成物である。ある実施態様において、組み合わせは、PD−1阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)を含む。理論に拘束されることを意図しないが、抗腫瘍免疫を増強する治療手段は、免疫応答が免疫応答、例えば、抗腫瘍免疫応答の1以上の段階での複数成分をターゲティングすることにより最適化されたとき、より効率的に作用すると考えられる。これらの段階の各々は、図21に模式的に示す。例えば、樹状細胞の活性化をもたらす手段と細胞性および液性免疫を増強する手段の組み合わせは、より効果的なおよび/または延長した治療応答をもたらし得る。
さらなる用語は下におよび本明細書をとおして定義する。
ここで使用する単数表現は、文法的対象の1または1超(例えば、少なくとも1)を意味する。
用語“または”は、文脈から明らかに他の解釈がされない限り、用語“および/または”を意味し、それと相互交換可能に使用される。
“約”および“およそ”は、一般に測定の性質または精度を考慮して、測定される量の許容される誤差の程度を意味する。誤差の程度の例は、ある値または値の範囲の20パーセント(%)内、一般に、10%内、より一般に、5%内である。
“組み合わせ”または“と組み合わせて”により、これら治療または治療剤が同時に適用および/または共に送達されるために製剤されなければならないことを含意することを意図しないが、送達の方法はここに記載する範囲内である。組み合わせ中の治療剤は、1以上の他のさらなる治療または治療剤と同時に、前にまたは後に投与できる。治療剤または治療プロトコールを任意の順番で投与し得る。一般に、各薬剤は、その薬剤について決定された用量および/またはタイムスケジュールで投与される。この組み合わせで使用されるさらなる治療剤を、単一組成物として投与しても、個々の組成物として個別に投与してもよいことはさらに認識される。一般に、組み合わせにおいて使用されるさらなる治療剤は、それらを個々に使用するレベルを超えないレベルで使用されることが予測される。ある実施態様において、組み合わせにおいて使用されるレベルは、個々に使用されるより低い。
ある実施態様において、さらなる治療剤を、治療用量または治療用量未満の用量で投与する。ある実施態様において、阻害、例えば、増殖阻害を達成するのに必要な第二治療剤の濃度は、第二治療剤を第一治療剤、例えば、抗PD−1抗体分子と組み合わせて投与するとき、第二治療剤を個別に投与するときより低い。ある実施態様において、阻害、例えば、増殖阻害を達成するのに必要な第一治療剤の濃度は、第一治療剤を第二治療剤と組み合わせて投与したとき、第一治療剤を個別に投与するときより低い。ある実施態様において、組み合わせ治療において、阻害、例えば、増殖阻害を達成するのに必要な第二治療剤の濃度は、単剤療法としての第二治療剤の治療用量より低い、例えば、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%または80〜90%低い。ある実施態様において、組み合わせ治療において、阻害、例えば、増殖阻害を達成するのに必要な第一治療剤の濃度は、単剤療法としての第一治療剤の治療用量より低い、例えば、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%または80〜90%低い。
用語“阻害”、“阻害剤”または“アンタゴニスト”は、ある分子、例えば、免疫チェックポイント阻害因子のあるパラメータ、例えば、活性の低減を含む。例えば、活性、例えば、PD−1またはPD−L1活性の少なくとも5%、10%、20%、30%、40%またはそれ以上の阻害が本用語により包含される。それ故に、阻害は100%である必要はない。
用語“活性化”、“アクティベーター”または“アゴニスト”は、ある分子、例えば、共刺激性分子のあるパラメータ、例えば、活性の増加を含む。例えば、活性、例えば、共刺激性活性の少なくとも5%、10%、25%、50%、75%またはそれ以上の増加が本用語により包含される。
用語“抗癌効果”は、例えば、腫瘍体積減少、癌細胞数減少、転移数減少、余命延長、癌細胞増殖減少、癌細胞生存減少または癌状態と関連する種々の生理学的症状の改善を含むが、これらに限定されない種々の手段により顕在化され得る生物学的効をいう。“抗癌効果”は、本ペプチド、ポリヌクレオチド、細胞および抗体が、そもそも癌発生を予防する能力によっても顕在化され得る。
用語“抗腫瘍効果”は、例えば、腫瘍体積減少、腫瘍細胞数減少、腫瘍細胞増殖減少または腫瘍細胞生存減少を含むが、これらに限定されない種々の手段によって顕在化され得る、生物学的効果をいう。
用語“癌”は、異常細胞の迅速かつ制御されない増殖により特徴付けられる疾患をいう。癌細胞は局所的にまたは血流およびリンパ系を介して体の他の部分に拡散し得る。種々の癌の例はここに記載され、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頸癌、皮膚癌、膵臓癌、結腸直腸癌、腎臓癌、肝臓癌、脳腫瘍、リンパ腫、白血病、肺癌などを含むが、これらに限定されない。用語“腫瘍”および“癌”はここでは相互交換可能に使用し、例えば、両方の用語は、固形および液性、例えば、汎発性または循環腫瘍を包含する。ここで使用する、用語“癌”または“腫瘍”は、前悪性ならびに悪性の癌および腫瘍を含む。
用語“抗原提示細胞”または“APC”は、主要組織適合複合体(MHC)と複合体化した外来抗原を表面に提示する、アクセサリー細胞(例えば、B細胞、樹状細胞など)のような免疫系細胞をいう。T細胞は、T細胞受容体(TCR)を利用してこれらの複合体を認識し得る。APCは抗原を処理し、それらをT細胞に提示させる。
用語“共刺激性分子”は、共刺激性リガンドと特異的に結合し、それにより、T細胞による増殖のような、しかしこれらに限定されない共刺激性応答を仲介する、T細胞上の同族結合パートナーをいう。共刺激性分子は、効率的免疫応答に必要な抗原受容体またはそれらのリガンド以外の細胞表面分子である。共刺激性分子は、MHCクラスI分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、シグナル伝達リンパ性活性化分子(SLAMタンパク質)、活性化NK細胞受容体、BTLA、Tollリガンド受容体、OX40、CD2、CD7、CD27、CD28、CD30、CD40、CDS、ICAM−1、LFA−1(CD11a/CD18)、4−1BB(CD137)、B7−H3、CDS、ICAM−1、ICOS(CD278)、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8アルファ、CD8ベータ、IL2Rベータ、IL2Rガンマ、IL7Rアルファ、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA−6、CD49f、ITGAD、CD11d、ITGAE、CD103、ITGAL、CD11a、LFA−1、ITGAM、CD11b、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA−1、ITGB7、NKG2D、NKG2C、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB−A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO−3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP−76、PAG/Cbp、CD19aおよびCD83と特異的に結合するリガンドを含むが、これらに限定されない。
ここで使用する用語“免疫エフェクター細胞”または“エフェクター細胞”は、免疫応答、例えば、免疫エフェクター応答の促進に関与する細胞をいう。免疫エフェクター細胞の例は、T細胞、例えば、アルファ/ベータT細胞およびガンマ/デルタT細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、肥満細胞および骨髄由来貪食細胞を含む。
ここで使用する“免疫エフェクター”または“エフェクター”の“機能”または“応答”は、標的細胞の免疫攻撃を増強または促進する、例えば、免疫エフェクター細胞の機能または応答をいう。例えば、免疫エフェクター機能または応答は、標的細胞の死滅を促進するまたは成長または増殖を阻害する、T細胞またはNK細胞の性質をいう。T細胞の場合、一次刺激および共刺激は免疫エフェクター機能または応答の例である。
用語“エフェクター機能”は、細胞の特殊化機能をいう。例えば、T細胞のエフェクター機能は、細胞溶解性活性またはサイトカインの分泌を含むヘルパー活性であり得る。
ここで使用する、用語“処置する”および“処置”は、1以上の治療の投与に起因する、障害、例えば、増殖性障害の進行、重症度および/または持続時間の低減または改善または該障害の1以上の症状(好ましくは、1以上の認識できる症状)の改善をいう。具体的実施態様において、用語“処置する”および“処置”は、必ずしも患者が認識できるものではない、腫瘍の増殖などの増殖性障害の少なくとも一つの測定可能な身体パラメータの改善をいう。他の実施態様において、用語“処置する”および“処置”は、身体的に、例えば、認識できる症状の安定化により、生理学的に、例えば、身体パラメータの安定化により、または両方により、増殖性障害の進行を阻止することをいう。他の実施態様において、用語“処置する”および“処置”は、腫瘍サイズまたは癌細胞数の低減または安定化をいう。
本発明の組成物および方法は、特定した配列またはそれと実質的に同一もしくは類似する配列を有するポリペプチドおよび核酸、例えば、特定した配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列を包含する。アミノ酸配列の場合、用語“実質的に同一”は、第一および第二アミノ酸配列が共通の構造ドメインおよび/または共通の機能的活性を有し得るように、第二アミノ酸配列とi)同一またはii)整列アミノ酸残基の保存的置換である十分かつ最小数のアミノ酸残基を含む、第一アミノ酸をいうためにここで使用する。例えば、対照配列、例えば、ここに提供される配列と少なくとも約85%、90%。91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する共通構造ドメインを含む、アミノ酸配列。
ヌクレオチド配列の場合、用語“実質的に同一”は、第一および第二ヌクレオチド配列が、共通の機能的活性を有するポリペプチドをコードするまたは共通の構造ポリペプチドドメインまたは共通の機能的ポリペプチド活性をコードするように、第二核酸配列における整列ヌクレオチドと十分かつ最小数のヌクレオチドを含む、第一核酸配列をいうためにここで使用する。例えば、対照配列、例えば、ここに提供される配列と、少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有するヌクレオチド配列。
用語“機能的バリアント”は、天然に存在する配列と実質的に同一アミノ酸配列を有するかまたは実質的に同一ヌクレオチド配列によりコードされ、天然に存在する配列の1以上の活性を有することができる、ポリペプチドをいう。
配列間の相同性または配列同一性(これらの用語は、ここでは相互交換可能に使用する)の計算は、次のとおり実施する。
2アミノ酸配列または2核酸配列のパーセント同一性を決定するために、配列を、最適比較目的のために整列させる(例えば、最適アラインメントのために、ギャップを第一および第二アミノ酸または核酸配列の一方または両方に導入でき、非相同配列を比較目的で無視できる)。好ましい実施態様において、比較目的での対照配列整列の長さは、対照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、60%、さらにより好ましくは少なくとも70%、80%、90%、100%である。対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置でのアミノ酸残基またはヌクレオチドを、次いで、比較する。第一配列におけるある位置が、第二配列における対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占拠されているならば、これら分子は、その位置で同一である(ここで使用するアミノ酸または核酸“同一性”は、アミノ酸または核酸“相同性”と等価である)。
2配列間のパーセント同一性は、2配列の最適アラインメントのために導入することが必要であったギャップ数および各ギャップの長さを考慮して、これら配列により共有される同一位置の数の関数である。
2配列間の配列の比較およびパーセント同一性決定は、数学的アルゴリズムを使用して、達成され得る。好ましい実施態様において、2アミノ酸配列間のパーセント同一性を、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comで利用可能)におけるGAPプログラムに組み込まれた、Needleman and Wunsch ((1970) J. Mol. Biol. 48:444-453)アルゴリズムを使用して、Blossum 62マトリクスまたはPAM250マトリクスおよびギャップ加重16、14、12、10、8、6または4および長さ加重1、2、3、4、5または6を使用して、決定する。さらに他の好ましい実施態様において、2ヌクレオチド配列間のパーセント同一性を、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comで利用可能)におけるGAPプログラムを使用して、NWSgapdna.CMPマトリクスおよびギャップ加重40、50、60、70または80および長さ加重1、2、3、4、5または6を使用して、決定する。特に好ましいパラメータセット(および特に断らない限り使用すべきもの)は、ギャップペナルティ12、ギャップ伸張ペナルティ4およびフレームシフトギャップペナルティ5のBlossum 62スコアリングマトリクスである。
2アミノ酸またはヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれているE. Meyers and W. Miller ((1989) CABIOS, 4:11-17)のアルゴリズムを使用して、PAM120加重残基表、ギャップ長ペナルティ12およびギャップペナルティ4を使用して決定できる。
ここに記載する核酸およびタンパク質配列を、“クエリー配列”として使用して、公的データベースに対するサーチを実施し、例えば、他のファミリーメンバーまたは関連配列を同定することができる。このようなサーチは、Altschul, et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403-10のNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して、実施できる。BLASTヌクレオチドサーチを、NBLASTプログラムを用いて、スコア=100、ワード長=12で実施して、本発明の核酸(配列番号1)分子に相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質サーチを、XBLASTプログラムを使用して、スコア=50、ワード長=3で実施して、本発明のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的でギャップ付アラインメントを得るために、Gapped BLASTを、Altschul et al., (1997) Nucleic Acids Res. 25:3389-3402に記載のとおり、実施できる。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを使用するとき、各プログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータが用いられ得る。www.ncbi.nlm.nih.gov参照。
ここで使用する、用語“低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、高ストリンジェンシーまたは極めて高ストリンジェンシー条件下ハイブリダイズ”は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を述べる。ハイブリダイゼーション反応の実施のための手引きは、引用により本明細書に包含させる、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.3.6に見ることができる。水性および非水性方法が当該参考文献に記載されており、何れも用いられ得る。ここに記載する特定のハイブリダイゼーション条件は、次のとおりである。1)低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)を約45℃、続いて0.2×SSC、0.1%SDSで少なくとも50℃で2回洗浄(洗浄の温度は、低ストリンジェンシー条件に関して55℃まで上げてよい);2)中ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件、6×SSCで約45℃、続いて0.2×SSC、0.1%SDSで60℃で1以上の洗浄;3)高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件、6×SSCで約45℃、続いて0.2×SSC、0.1%SDSで65℃で1以上の洗浄;および好ましくは4)極めて高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDSで65℃、続いて0.2×SSC、1%SDSで65℃で1以上の洗浄である。極めて高ストリンジェンシー条件(4)が好ましい条件であり、特に断らない限り使用すべきものである。
本発明の分子は、機能に実質的に影響しない、付加的保存的または非必須アミノ酸置換を有し得ることは理解される。
用語“アミノ酸”は、天然であれ、合成であれ、アミノ官能性および酸官能性の両方を有し、天然に存在するアミノ酸のポリマーに取り込まれ得る、全分子を包含することを意図する。アミノ酸の例は、天然に存在するアミノ酸、そのアナログ、誘導体およびコンジナー、バリアント側鎖を有するアミノ酸アナログおよび前記の何れかの全立体異性体を含む。ここで使用する用語“アミノ酸”は、D−またはL−光学異性体の両方およびペプチド模倣体を含む。
“保存的アミノ酸置換”は、アミノ酸残基が類似側鎖を有するアミノ酸残基に置き換えられているものである。類似側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当分野で定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分枝側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。
用語“ポリペプチド”、“ペプチド”および“タンパク質”(一本鎖であるならば)はここでは相互交換可能に使用し、あらゆる長さのアミノ酸のポリマーをいう。ポリマーは直鎖でも分枝鎖でもよく、修飾アミノ酸を含んでよく、非アミノ酸で中断されていてよい。本用語はまた、修飾、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化または標識要素とのコンジュゲーションなどの何らかの他の操作をされているアミノ酸ポリマーも包含する。ポリペプチドは天然供給源から単離でき、真核生物または原核生物宿主から組み換え技術により産生できまたは合成法による生成物であり得る。
用語“核酸”、“核酸配列”、“ヌクレオチド配列”、“ポリヌクレオチド配列”および“ポリヌクレオチド”は、相互交換可能に使用される。これらは、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドまたはそのアナログのあらゆる長さのヌクレオチドの重合形態をいう。ポリヌクレオチドは一本鎖でも二本鎖でもよく、一本鎖であるならば、コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であり得る。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログなどの修飾ヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド要素で中断され得る。ポリヌクレオチドは、標識要素とのコンジュゲーションによるなど、重合化後さらに修飾され得る。核酸は、組み換えポリヌクレオチドまたはゲノム、cDNA、半合成または、天然に生じないかもしくは非天然配列で他のポリヌクレオチドと結合する合成起源のポリヌクレオチドであってよい。
ここで使用する用語“単離”は、その元のまたは天然環境(例えば、天然に存在するならば、天然での環境)から取出された物質をいう。例えば、生存動物に存在する天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されていないが、人的介入により、天然系で併存する物質の一部または全てから分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されている。このようなポリヌクレオチドは、ベクターの一部であり、かつ/またはこのようなポリヌクレオチドまたはポリペプチドは組成物の一部であり得て、そして、このようなベクターまたは組成物が天然に存在している環境の一部ではないので、矢張り単離されている。
本発明の種々の態様を下にさらに説明する。付加的定義を明細書をとおして示す。
抗原提示組み合わせ、エフェクター細胞組み合わせおよび抗腫瘍免疫抑制組み合わせの組み合わせ例
抗原提示カテゴリー(A)、エフェクター細胞カテゴリー(B)および抗腫瘍免疫抑制カテゴリー(C)の2以上からの治療剤の組み合わせの例を、ここに提供する。
ある実施態様において、本発明の組み合わせは、次の1以上を含む。
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8C13、A9B8C14、A9B8C15、A9B8C16、A9B8C17、A9B8C18、A9B8C19、A9B8C20、A9B8C21、A9B9C1、A9B9C2、A9B9C3、A9B9C4、A9B9C5、A9B9C6、A9B9C7、A9B9C8、A9B9C9、A9B9C10、A9B9C11、A9B9C12、A9B9C13、A9B9C14、A9B9C15、A9B9C16、A9B9C17、A9B9C18、A9B9C19、A9B9C20、A9B9C21、A9B10C1、A9B10C2、A9B10C3、A9B10C4、A9B10C5、A9B10C6、A9B10C7、A9B10C8、A9B10C9、A9B10C10、A9B10C11、A9B10C12、A9B10C13、A9B10C14、A9B10C15、A9B10C16、A9B10C17、A9B10C18、A9B10C19、A9B10C20、A9B10C21、A9B11C1、A9B11C2、A9B11C3、A9B11C4、A9B11C5、A9B11C6、A9B11C7、A9B11C8、A9B11C9、A9B11C10、A9B11C11、A9B11C12、A9B11C13、A9B11C14、A9B11C15、A9B11C16、A9B11C17、A9B11C18、A9B11C19、A9B11C20、A9B11C21、A9B12C1、A9B12C2、A9B12C3、A9B12C4、A9B12C5、A9B12C6、A9B12C7、A9B12C8、A9B12C9、A9B12C10、A9B12C11、A9B12C12、A9B12C13、A9B12C14、A9B12C15、A9B12C16、A9B12C17、A9B12C18、A9B12C19、A9B12C20、A9B12C21、A10B1C1、A10B1C2、A10B1C3、A10B1C4、A10B1C5、A10B1C6、A10B1C7、A10B1C8、A10B1C9、A10B1C10、A10B1C11、A10B1C12、A10B1C13、A10B1C14、A10B1C15、A10B1C16、A10B1C17、A10B1C18、A10B1C19、A10B1C20、A10B1C21、A10B2C1、A10B2C2、A10B2C3、A10B2C4、A10B2C5、A10B2C6、A10B2C7、A10B2C8、A10B2C9、A10B2C10、A10B2C11、A10B2C12、A10B2C13、A10B2C14、A10B2C15、A10B2C16、A10B2C17、A10B2C18、A10B2C19、A10B2C20、A10B2C21、A10B3C1、A10B3C2、A10B3C3、A10B3C4、A10B3C5、A10B3C6、A10B3C7、A10B3C8、A10B3C9、A10B3C10、A10B3C11、A10B3C12、A10B3C13、A10B3C14、A10B3C15、A10B3C16、A10B3C17、A10B3C18、A10B3C19、A10B3C20、A10B3C21、A10B4C1、A10B4C2、A10B4C3、A10B4C4、A10B4C5、A10B4C6、A10B4C7、A10B4C8、A10B4C9、A10B4C10、A10B4C11、A10B4C12、A10B4C13、A10B4C14、A10B4C15、A10B4C16、A10B4C17、A10B4C18、A10B4C19、A10B4C20、A10B4C21、A10B5C1、A10B5C2、A10B5C3、A10B5C4、A10B5C5、A10B5C6、A10B5C7、A10B5C8、A10B5C9、A10B5C10、A10B5C11、A10B5C12、A10B5C13、A10B5C14、A10B5C15、A10B5C16、A10B5C17、A10B5C18、A10B5C19、A10B5C20、A10B5C21、A10B6C1、A10B6C2、A10B6C3、A10B6C4、A10B6C5、A10B6C6、A10B6C7、A10B6C8、A10B6C9、A10B6C10、A10B6C11、A10B6C12、A10B6C13、A10B6C14、A10B6C15、A10B6C16、A10B6C17、A10B6C18、A10B6C19、A10B6C20、A10B6C21、A10B7C1、A10B7C2、A10B7C3、A10B7C4、A10B7C5、A10B7C6、A10B7C7、A10B7C8、A10B7C9、A10B7C10、A10B7C11、A10B7C12、A10B7C13、A10B7C14、A10B7C15、A10B7C16、A10B7C17、A10B7C18、A10B7C19、A10B7C20、A10B7C21、A10B8C1、A10B8C2、A10B8C3、A10B8C4、A10B8C5、A10B8C6、A10B8C7、A10B8C8、A10B8C9、A10B8C10、A10B8C11、A10B8C12、A10B8C13、A10B8C14、A10B8C15、A10B8C16、A10B8C17、A10B8C18、A10B8C19、A10B8C20、A10B8C21、A10B9C1、A10B9C2、A10B9C3、A10B9C4、A10B9C5、A10B9C6、A10B9C7、A10B9C8、A10B9C9、A10B9C10、A10B9C11、A10B9C12、A10B9C13、A10B9C14、A10B9C15、A10B9C16、A10B9C17、A10B9C18、A10B9C19、A10B9C20、A10B9C21、A10B10C1、A10B10C2、A10B10C3、A10B10C4、A10B10C5、A10B10C6、A10B10C7、A10B10C8、A10B10C9、A10B10C10、A10B10C11、A10B10C12、A10B10C13、A10B10C14、A10B10C15、A10B10C16、A10B10C17、A10B10C18、A10B10C19、A10B10C20、A10B10C21、A10B11C1、A10B11C2、A10B11C3、A10B11C4、A10B11C5、A10B11C6、A10B11C7、A10B11C8、A10B11C9、A10B11C10、A10B11C11、A10B11C12、A10B11C13、A10B11C14、A10B11C15、A10B11C16、A10B11C17、A10B11C18、A10B11C19、A10B11C20、A10B11C21、A10B12C1、A10B12C2、A10B12C3、A10B12C4、A10B12C5、A10B12C6、A10B12C7、A10B12C8、A10B12C9、A10B12C10、A10B12C11、A10B12C12、A10B12C13、A10B12C14、A10B12C15、A10B12C16、A10B12C17、A10B12C18、A10B12C19、A10B12C20、A10B12C21、A11B1C1、A11B1C2、A11B1C3、A11B1C4、A11B1C5、A11B1C6、A11B1C7、A11B1C8、A11B1C9、A11B1C10、A11B1C11、A11B1C12、A11B1C13、A11B1C14、A11B1C15、A11B1C16、A11B1C17、A11B1C18、A11B1C19、A11B1C20、A11B1C21、A11B2C1、A11B2C2、A11B2C3、A11B2C4、A11B2C5、A11B2C6、A11B2C7、A11B2C8、A11B2C9、A11B2C10、A11B2C11、A11B2C12、A11B2C13、A11B2C14、A11B2C15、A11B2C16、A11B2C17、A11B2C18、A11B2C19、A11B2C20、A11B2C21、A11B3C1、A11B3C2、A11B3C3、A11B3C4、A11B3C5、A11B3C6、A11B3C7、A11B3C8、A11B3C9、A11B3C10、A11B3C11、A11B3C12、A11B3C13、A11B3C14、A11B3C15、A11B3C16、A11B3C17、A11B3C18、A11B3C19、A11B3C20、A11B3C21、A11B4C1、A11B4C2、A11B4C3、A11B4C4、A11B4C5、A11B4C6、A11B4C7、A11B4C8、A11B4C9、A11B4C10、A11B4C11、A11B4C12、A11B4C13、A11B4C14、A11B4C15、A11B4C16、A11B4C17、A11B4C18、A11B4C19、A11B4C20、A11B4C21、A11B5C1、A11B5C2、A11B5C3、A11B5C4、A11B5C5、A11B5C6、A11B5C7、A11B5C8、A11B5C9、A11B5C10、A11B5C11、A11B5C12、A11B5C13、A11B5C14、A11B5C15、A11B5C16、A11B5C17、A11B5C18、A11B5C19、A11B5C20、A11B5C21、A11B6C1、A11B6C2、A11B6C3、A11B6C4、A11B6C5、A11B6C6、A11B6C7、A11B6C8、A11B6C9、A11B6C10、A11B6C11、A11B6C12、A11B6C13、A11B6C14、A11B6C15、A11B6C16、A11B6C17、A11B6C18、A11B6C19、A11B6C20、A11B6C21、A11B7C1、A11B7C2、A11B7C3、A11B7C4、A11B7C5、A11B7C6、A11B7C7、A11B7C8、A11B7C9、A11B7C10、A11B7C11、A11B7C12、A11B7C13、A11B7C14、A11B7C15、A11B7C16、A11B7C17、A11B7C18、A11B7C19、A11B7C20、A11B7C21、A11B8C1、A11B8C2、A11B8C3、A11B8C4、A11B8C5、A11B8C6、A11B8C7、A11B8C8、A11B8C9、A11B8C10、A11B8C11、A11B8C12、A11B8C13、A11B8C14、A11B8C15、A11B8C16、A11B8C17、A11B8C18、A11B8C19、A11B8C20、A11B8C21、A11B9C1、A11B9C2、A11B9C3、A11B9C4、A11B9C5、A11B9C6、A11B9C7、A11B9C8、A11B9C9、A11B9C10、A11B9C11、A11B9C12、A11B9C13、A11B9C14、A11B9C15、A11B9C16、A11B9C17、A11B9C18、A11B9C19、A11B9C20、A11B9C21、A11B10C1、A11B10C2、A11B10C3、A11B10C4、A11B10C5、A11B10C6、A11B10C7、A11B10C8、A11B10C9、A11B10C10、A11B10C11、A11B10C12、A11B10C13、A11B10C14、A11B10C15、A11B10C16、A11B10C17、A11B10C18、A11B10C19、A11B10C20、A11B10C21、A11B11C1、A11B11C2、A11B11C3、A11B11C4、A11B11C5、A11B11C6、A11B11C7、A11B11C8、A11B11C9、A11B11C10、A11B11C11、A11B11C12、A11B11C13、A11B11C14、A11B11C15、A11B11C16、A11B11C17、A11B11C18、A11B11C19、A11B11C20、A11B11C21、A11B12C1、A11B12C2、A11B12C3、A11B12C4、A11B12C5、A11B12C6、A11B12C7、A11B12C8、A11B12C9、A11B12C10、A11B12C11、A11B12C
12、A11B12C13、A11B12C14、A11B12C15、A11B12C16、A11B12C17、A11B12C18、A11B12C19、A11B12C20またはA11B12C21。
抗体分子
ある実施態様において、抗体分子は、哺乳動物、例えば、ヒト、PD−1に結合する。例えば、抗体分子は、PD−1のエピトープ、例えば、直鎖状または立体構造エピトープ(例えば、ここに記載するエピトープ)に特異的に結合する。
ここで使用する、用語“抗体分子”は、少なくとも一つの免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む、タンパク質、例えば、免疫グロブリン鎖またはそのフラグメントをいう。用語“抗体分子”は、例えば、モノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する完全長抗体を含む)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、完全長抗体または完全長免疫グロブリン鎖を含む。ある実施態様において、抗体分子は、完全長抗体または完全長免疫グロブリン鎖の抗原結合フラグメントまたは機能的フラグメントを含む。ある実施態様において、抗体分子は多特異的抗体分子であり、例えば、複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を含み、ここで、該複数の中の第一免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第一エピトープに対する結合特異性を有し、該複数の中の第二免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第二エピトープに対する結合特異性を有する。ある実施態様において、多特異的抗体分子は、二特異的抗体分子である。二特異的抗体は、2を超えない抗原に対する特異性を有する。二特異的抗体分子は、第一エピトープに対する結合特異性を有する第一免疫グロブリン可変ドメイン配列および第二エピトープに対する結合特異性を有する第二免疫グロブリン可変ドメイン配列により特徴付けられる。
ある実施態様において、抗体分子は単特異的抗体分子であり、単一エピトープに結合する。例えば、各々同じエピトープに結合する、複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を有する単特異的抗体分子。
ある実施態様において、抗体分子は多特異的抗体分子であり、例えば、複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を含み、ここで、該複数の中の第一免疫グロブリン可変ドメイン配列は第一エピトープに対する結合特異性を有し、該複数の中の第二免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第二エピトープに対する結合特異性を有する。ある実施態様において、第一および第二エピトープは、同じ抗原、例えば、同じタンパク質(または多量体タンパク質のサブユニット)にある。ある実施態様において、第一および第二エピトープは重複する。ある実施態様において、第一および第二エピトープは重複しない。ある実施態様において、第一および第二エピトープは、異なる抗原、例えば、異なるタンパク質(または多量体タンパク質の異なるサブユニット)にある。ある実施態様において、多特異的抗体分子は、第三、第四または第五免疫グロブリン可変ドメインを含む。ある実施態様において、多特異的抗体分子は、二特異的抗体分子、三特異的抗体分子または四特異的抗体分子である。
ある実施態様において、多特異的抗体分子は、二特異的抗体分子である。二特異的抗体は、2を超えない抗原に対する特異性を有する。二特異的抗体分子は、第一エピトープに対する結合特異性を有する第一免疫グロブリン可変ドメイン配列および第二エピトープに対する結合特異性を有する第二免疫グロブリン可変ドメイン配列により特徴付けられる。ある実施態様において、第一および第二エピトープは、同じ抗原、例えば、同じタンパク質(または多量体タンパク質のサブユニット)にある。ある実施態様において、第一および第二エピトープは重複する。ある実施態様において、第一および第二エピトープは重複しない。ある実施態様において、第一および第二エピトープは、異なる抗原、例えば、異なるタンパク質(または多量体タンパク質の異なるサブユニット)にある。ある実施態様において、二特異的抗体分子は、第一エピトープに対する結合特異性を有する重鎖可変ドメイン配列および軽鎖可変ドメイン配列ならびに第二エピトープに対する結合特異性を有する重鎖可変ドメイン配列および軽鎖可変ドメイン配列を含む。ある実施態様において、二特異的抗体分子は、第一エピトープに対する結合特異性を有する半抗体および第二エピトープに対する結合特異性を有する半抗体を含む。ある実施態様において、二特異的抗体分子は、第一エピトープに対する結合特異性を有する半抗体またはそのフラグメントおよび第二エピトープに対する結合特異性を有する半抗体またはそのフラグメントを含む。ある実施態様において、二特異的抗体分子は、第一エピトープに対する結合特異性を有するscFvまたはそのフラグメントおよび第二エピトープに対する結合特異性を有するscFvまたはそのフラグメントを含む。ある実施態様において、第一エピトープはPD−1に位置し、第二エピトープはTIM−3、LAG−3、CEACAM(例えば、CEACAM−1および/またはCEACAM−5)、PD−L1またはPD−L2に位置する。
ある実施態様において、抗体分子は、二重特異性抗体および一本鎖分子ならびに抗体の抗原結合フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)2およびFv)を含む。例えば、抗体分子は、重(H)鎖可変ドメイン配列(ここではVHと略す)および軽(L)鎖可変ドメイン配列(ここではVLと略す)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、重鎖および軽鎖を含むまたはこれらからなる(半抗体として称する)。他の例において、抗体分子は、2個の重(H)鎖可変ドメイン配列および2個の軽(L)鎖可変ドメイン配列を含み、それにより2個の抗原結合部位、例えばFab、Fab’、F(ab’)2、Fc、Fd、Fd’、Fv、一本鎖抗体(例えばscFv)、単一可変ドメイン抗体、二重特異性抗体(Dab)(二価および二特異的)およびキメラ(例えば、ヒト化)抗体を形成し、これは、抗体全体の修飾によりまたは組み換えDNAテクノロジーを使用してデノボで合成されるものであり得る。これらの機能的抗体フラグメントは、その各抗原または受容体と選択的に結合する能力を保持する。抗体および抗体フラグメントは、IgG、IgA、IgM、IgDおよびIgEを含むが、これらに限定されない抗体のあらゆるクラスおよび抗体のあらゆるサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4)に由来し得る。抗体分子の調製物は、モノクローナルまたはポリクローナルであり得る。抗体分子は、ヒト、ヒト化、CDR移植またはインビトロ産生抗体であり得る。抗体は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4から選択される、重鎖定常領域を有し得る。抗体は、例えば、カッパまたはラムダから選択される、軽鎖も有し得る。用語“免疫グロブリン”(Ig)は、ここでは用語“抗体”と交換可能に使用する。
抗体分子の抗原結合フラグメントの例は、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる単価フラグメントであるFabフラグメント、(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により結合した2Fabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab’)2フラグメント、(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント、(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFvフラグメント、(v)VHドメインからなる二重特異性抗体(dAb)フラグメント、(vi)ラクダ科またはラクダ化可変ドメイン、(vii)一本鎖Fv(scFv)(例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423-426; and Huston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883参照)、(viii)単一ドメイン抗体を含む。これらの抗体フラグメントは、当業者に知られる慣用の技術を使用して得られ、これらフラグメントを、インタクト抗体と同じ方法で有用性についてスクリーニングする。
用語“抗体”は、インタクト分子ならびにその機能的フラグメントを含む。抗体の定常領域を、抗体の性質を修飾するため(例えば、Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基数、エフェクター細胞機能または補体機能の1以上の増加または減少のため)、改変、例えば、変異させ得る。
抗体分子は、単一ドメイン抗体でもあり得る。単一ドメイン抗体は、相補性決定領域が単一ドメインポリペプチドの一部である、抗体を含み得る。例は、重鎖抗体、天然に軽鎖を欠く抗体、慣用の4鎖抗体由来単一ドメイン抗体、改変抗体および抗体由来のもの以外の単一ドメインスキャフォールドを含むが、これらに限定されない。単一ドメイン抗体は、あらゆる当分野でのまたはあらゆる将来的な単一ドメイン抗体であり得る。単一ドメイン抗体は、マウス、ヒト、ラクダ、ラマ、魚、サメ、ヤギ、ウサギおよびウシを含むが、これらに限定されない任意の種由来であり得る。本発明の他の態様によると、単一ドメイン抗体は、天然に存在する軽鎖を欠く重鎖抗体として知られる単一ドメイン抗体である。このような単一ドメイン抗体は、例えば、WO9404678号に開示される。明確性の理由のため、天然に軽鎖を欠く重鎖抗体由来のこの可変ドメインはここではVHHまたはナノボディとして知られ、4鎖免疫グロブリンの慣用のVHと区別する。このようなVHH分子は、ラクダ科種、例えばラクダ、ラマ、ヒトコブラクダ、アルパカおよびグアナコで生じる抗体に由来し得る。ラクダ科以外の他の種は、天然に軽鎖を欠く重鎖抗体を産生でき、このようなVHHは、本発明の範囲内である。
VHおよびVL領域は、“フレームワーク領域”(FRまたはFW)と称される、より保存された領域が散在する、“相補性決定領域”(CDR)と称される超可変性の領域に細分できる。
フレームワーク領域およびCDRの範囲は、多数の方法により厳密に定義されている(Kabat, E. A., et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242; Chothia, C. et al. (1987) J. Mol. Biol. 196:901-917; and the AbM definition used by Oxford Molecular's AbM antibody modeling software. See, generally, e.g., Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains. In: Antibody Engineering Lab Manual (Ed.: Duebel, S. and Kontermann, R., Springer-Verlag, Heidelberg参照)。
ここで使用する用語“相補性決定領域”および“CDR”は、抗原特異性および結合親和性を提供する、抗体可変領域内のアミノ酸の配列をいう。一般に、各重鎖可変領域に3CDR(HCDR1、HCDR2、HCDR3)および各軽鎖可変領域に3CDR(LCDR1、LCDR2、LCDR3)がある。
あるCDRの厳密なアミノ酸配列境界は、Kabat et al. (1991), “Sequences of Proteins of Immunological Interest,” 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(“Kabat”ナンバリングスキーム)、Al-Lazikani et al., (1997) JMB 273,927-948(“Chothia”ナンバリングスキーム)に記載のものを含む、多数の周知スキームの何れかを使用して、決定できる。ここで使用する、“Chothia”番号スキームにより定義されたCDRは、“超可変ループ”と称されることもある。
例えば、Kabat下、重鎖可変ドメイン(VH)におけるCDRアミノ酸残基は31〜35(HCDR1)、50〜65(HCDR2)および95〜102(HCDR3)と番号付けられ、軽鎖可変ドメイン(VL)におけるCDRアミノ酸残基は、24〜34(LCDR1)、50〜56(LCDR2)および89〜97(LCDR3)と番号付けられる。Chothia下、VHにおけるCDRアミノ酸は26〜32(HCDR1)、52〜56(HCDR2)および95〜102(HCDR3)と番号付けられ、VLにおけるアミノ酸残基は26〜32(LCDR1)、50〜52(LCDR2)および91〜96(LCDR3)と番号付けられる。KabatおよびChothia両方のCDR定義を合わせることにより、CDRは、ヒトVHにおいてアミノ酸残基26〜35(HCDR1)、50〜65(HCDR2)および95〜102(HCDR3)およびヒトVLにおいてアミノ酸残基24〜34(LCDR1)、50〜56(LCDR2)および89〜97(LCDR3)からなる。
一般に、具体的に示さない限り、抗PD−1抗体分子は、例えば、表1に記載する、1以上のKabat CDRおよび/またはChothia超可変ループの任意の組み合わせを含み得る。ある実施態様において、次の定義を、表1に記載する抗PD−1抗体分子について記載する。KabatおよびChothia両方の組み合わせたCDR定義によるHCDR1ならびにKabatのCDR定義によるHCCDR2〜3およびLCCDR1〜3。全定義下、各VHおよびVLは、一般に3CDRおよび4FRを含み、アミノ末端からカルボキシ末端方向で、次の順番で配置されるFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。
ここで使用する“免疫グロブリン可変ドメイン配列”は、免疫グロブリン可変ドメインの構造を形成できるアミノ酸配列をいう。例えば、配列は、天然に存在する可変ドメインのアミノ酸配列の全てまたは一部を含み得る。例えば、配列は、1、2またはそれ以上のN末端またはC末端アミノ酸を含んでも含まなくてもよく、または該タンパク質構造の形成と適合性である他の改変を含み得る。
用語“抗原結合部位”は、PD−1ポリペプチドまたはそのエピトープと結合する界面を形成する決定基を含む、抗体分子の部分をいう。タンパク質(またはタンパク質模倣体)に関して、抗原結合部位は、一般にPD−1ポリペプチドと結合する界面を形成する、(少なくとも4アミノ酸またはアミノ酸模倣体の)1以上のループを含む。一般に、抗体分子の抗原結合部位は、少なくとも1または2CDRおよび/または超可変ループまたはより一般に少なくとも3、4、5または6CDRおよび/または超可変ループを含む。
用語“競合”または“交差競合”はここでは相互交換可能に使用し、抗体分子が抗PD−1抗体分子、例えば、ここに提供する抗PD−1抗体分子の標的、例えば、ヒトPD−1への結合を妨害する能力をいう。結合の妨害は、直接的または間接的(例えば、抗体分子または標的のアロステリック調節を介する)であり得る。ある抗体分子が他の抗体分子の標的への結合を妨害する能力の程度、ゆえに、競合と言えるか否かは、競合結合アッセイ、例えば、FACSアッセイ、ELISAまたはBIACOREアッセイを使用して決定できる。ある実施態様において、競合結合アッセイは、定量的競合アッセイである。ある実施態様において、第一抗PD−1抗体分子は、競合結合アッセイ(例えば、ここに記載する競合アッセイ)において、第一抗体分子の標的への結合が、10%またはそれ以上、例えば、20%またはそれ以上、30%またはそれ以上、40%またはそれ以上、50%またはそれ以上、55%またはそれ以上、60%またはそれ以上、65%またはそれ以上、70%またはそれ以上、75%またはそれ以上、80%またはそれ以上、85%またはそれ以上、90%またはそれ以上、95%またはそれ以上、98%またはそれ以上、99%またはそれ以上低減されるならば、第二抗PD−1抗体分子の標的への結合と競合すると言える。
ここで使用する用語“モノクローナル抗体”、“モノクローナル抗体組成物”は、単一分子組成の抗体分子の調製物をいう。モノクローナル抗体組成物は特定のエピトープに対する単一結合特異性および親和性を示す。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマテクノロジーまたはハイブリドーマテクノロジーを使用しない方法(例えば、組み換え方法)。
“有効ヒト”タンパク質は、中和抗体応答、例えば、ヒト抗マウス抗体(HAMA)応答を誘発しないタンパク質である。HAMAは、例えば、慢性または再発性疾患状態の処置において、例えば、抗体分子を反復投与するならば、多くの状況で問題となり得る。HAMA応答は、血清の抗体クリアランスおよびまたアレルギー反応の可能性により(例えば、LoBuglio et al., Hybridoma, 5:5117-5123 (1986)参照)により、反復抗体投与を無効とする可能性がある(例えば、Saleh et al., Cancer Immunol. Immunother., 32:180-190 (1990)参照)。
抗体分子はポリクローナルまたはモノクローナル抗体であり得る。他の実施態様において、抗体は組み換え的に産生でき、例えば、ファージディスプレイまたはコンビナトリアル方法により産生できる。
抗体を産生するためのファージディスプレイおよびコンビナトリアル方法は、当分野で知られる(例えば、Ladner et al. 米国特許5,223,409号;Kang et al. 国際公開WO92/18619号;Dower et al. 国際公開WO91/17271号;Winter et al. 国際公開WO92/20791号;Markland et al. 国際公開WO92/15679号;Breitling et al. 国際公開WO93/01288号;McCafferty et al. 国際公開WO92/01047号;Garrard et al. 国際公開WO92/09690号;Ladner et al. 国際公開WO90/02809号Fuchs et al. (1991) Bio/Technology 9:1370-1372; Hay et al. (1992) Hum Antibody Hybridomas 3:81-85; Huse et al. (1989) Science 246:1275-1281; Griffths et al. (1993) EMBO J 12:725-734; Hawkins et al. (1992) J Mol Biol 226:889-896; Clackson et al. (1991) Nature 352:624-628; Gram et al. (1992) PNAS 89:3576-3580; Garrad et al. (1991) Bio/Technology 9:1373-1377; Hoogenboom et al. (1991) Nuc Acid Res 19:4133-4137;およびBarbas et al. (1991) PNAS 88:7978-7982に記載のとおり。これらの内容は引用により本明細書に包含させる)。
ある実施態様において、抗体は完全ヒト抗体(例えば、ヒト免疫グロブリン配列からの抗体を産生するために遺伝子操作されているマウスで産生される抗体)または非ヒト抗体、例えば、齧歯類(マウスまたはラット)、ヤギ、霊長類(例えば、サル)、ラクダ抗体である。好ましくは、非ヒト抗体は、齧歯類(マウスまたはラット)抗体である。齧歯類抗体を産生する方法は、当分野で知られる。
ヒトモノクローナル抗体は、マウス系ではなく、ヒト免疫グロブリン遺伝子を担持するトランスジェニックマウスを使用して産生され得る。目的の抗原で免疫化したこれらのトランスジェニックマウス由来の脾細胞を使用して、ヒトタンパク質からのエピトープに特定の親和性を有するヒトmAbを分泌する、ハイブリドーマを産生する(例えば、Wood et al. 国際出願WO91/00906号、Kucherlapati et al. PCT公開WO91/10741号;Lonberg et al. 国際出願WO92/03918号;Kay et al. 国際出願92/03917号;Lonberg, N. et al. 1994 Nature 368:856-859; Green, L.L. et al. 1994 Nature Genet. 7:13-21; Morrison, S.L. et al. 1994 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855; Bruggeman et al. 1993 Year Immunol 7:33-40; Tuaillon et al. 1993 PNAS 90:3720-3724; Bruggeman et al. 1991 Eur J Immunol 21:1323-1326参照)。
抗体は、可変領域またはその一部、例えば、CDRが、非ヒト生物、例えば、ラットまたはマウスで産生されるものであり得る。キメラ、CDR移植およびヒト化抗体は、本発明の範囲内である。非ヒト生物、例えば、ラットまたはマウスで産生され、次いで、例えば、可変フレームワークまたは定常領域が修飾されて、ヒトにおける抗原性を低減するために修飾された抗体は、本発明の範囲内である。
キメラ抗体は、当分野で知られる組み換えDNA技術により産生され得る(Robinson et al.、国際特許公開PCT/US86/02269号;Akira, et al.、欧州特許出願184,187号;Taniguchi, M.、欧州特許出願171,496号;Morrison et al.、欧州特許出願173,494号;Neuberger et al.、国際出願WO86/01533号;Cabilly et al. 米国特許4,816,567号;Cabilly et al.、欧州特許出願125,023号;Better et al. (1988 Science 240:1041-1043); Liu et al. (1987) PNAS 84:3439-3443; Liu et al., 1987, J. Immunol. 139:3521-3526; Sun et al. (1987) PNAS 84:214-218; Nishimura et al., 1987, Canc. Res. 47:999-1005; Wood et al. (1985) Nature 314:446-449;およびShaw et al., 1988, J. Natl Cancer Inst. 80:1553-1559参照)。
ヒト化またはCDR移植抗体は、ドナーCDRに置き換えられた、少なくとも1または2の、しかし一般に全3のレシピエントCDR(重およびまたは軽免疫グロブリン鎖の)を有する。抗体は、非ヒトCDRの少なくとも一部で置き換えられていてよくまたはCDRの一部のみが非ヒトCDRで置き換えられていてよい。ヒト化抗体のPD−1への結合に必要なCDRの数を置き換えることのみが必要である。好ましくは、ドナーは齧歯類抗体、例えば、ラットまたはマウス抗体であり、レシピエントはヒトフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークである。一般に、CDRを提供する免疫グロブリンは“ドナー”と称され、フレームワークを提供する免疫グロブリンは、“アクセプター”と称される。ある実施態様において、ドナー免疫グロブリンは、非ヒト(例えば、齧歯類)である。アクセプターフレームワークは、天然に存在する(例えば、ヒト)フレームワークまたはコンセンサスフレームワークまたはそれと約85%またはそれ以上、好ましくは90%、95%、99%またはそれ以上同一である配列である。
ここで使用する、用語“コンセンサス配列”は、関連配列のファミリーで最も高頻度で現れるアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列をいう(例えば、Winnaker, From Genes to Clones (Verlagsgesellschaft, Weinheim, Germany 1987)参照)。タンパク質のファミリーにおいて、コンセンサス配列における各位置は、該ファミリーのその位置に最も高頻度で現れるアミノ酸により占拠される。2アミノ酸が同等頻度で現れるならば、何れもコンセンサス配列に含まれ得る。“コンセンサスフレームワーク”は、コンセンサス免疫グロブリン配列におけるフレームワーク領域をいう。
抗体は、当分野で知られる方法によりヒト化され得る(例えば、Morrison, S. L., 1985, Science 229:1202-1207、Oi et al., 1986, BioTechniques 4:214およびQueen et al. US5,585,089号、US5,693,761号およびUS5,693,762号参照。これら全ての内容を、引用により本明細書に包含させる)。
ヒト化またはCDR移植抗体を、CDR移植またはCDR置換により産生でき、ここで、免疫グロブリン鎖の1、2または全てのCDRが置換され得る。例えば、全ての内容を、引用により本明細書に明示的に包含させる米国特許5,225,539号; Jones et al. 1986 Nature 321:552-525; Verhoeyan et al. 1988 Science 239:1534; Beidler et al. 1988 J. Immunol. 141:4053-4060; Winter US5,225,539号参照。Winterは、本発明のヒト化抗体の産生に使用され得る、CDR移植方法を記載し(1987年3月26日出願のUK特許出願GB2188638A号;Winter US5,225,539号)、これらの内容を引用により本明細書に明示的に包含させる。
また本発明の範囲内にあるのは、特定のアミノ酸が置換、欠失または付加されているヒト化抗体である。ドナーからアミノ酸を選択する基準は、US5,585,089号に、例えば、US5,585,089号のカラム12〜16に記載され、その内容を引用により本明細書に包含させる。抗体ヒト化のための他の技術は、1992年12月23日発行のPadlan et al. EP519596A1号に記載される。
抗体分子は、一本鎖抗体であり得る。一本鎖抗体(scFV)は改変され得る(例えば、Colcher, D. et al. (1999) Ann N Y Acad Sci 880:263-80;およびReiter, Y. (1996) Clin Cancer Res 2:245-52参照)。一本鎖抗体を二量体化または多量体化して、同じ標的タンパク質の種々のエピトープに特異性を有する多価抗体を産生できる。
さらに他の実施態様において、抗体分子は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgDおよびIgEの重鎖定常領域から選択される、特に、例えば、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4の(例えば、ヒト)重鎖定常領域から選択される、重鎖定常領域を含む。他の実施態様において、抗体分子は、例えば、カッパまたはラムダの(例えば、ヒト)軽鎖定常領域から選択される、軽鎖定常領域を有する。定常領域定常領域を、抗体分子の性質を修飾するため(例えば、Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基数、エフェクター細胞機能および/または補体機能の1以上の増加または減少のため)、改変、例えば、変異できる。ある実施態様において、抗体はエフェクター機能を有し、補体を固定できる。他の実施態様において、抗体はエフェクター細胞の動員または補体固定をしない。他の実施態様において、抗体は、Fc受容体に結合する能力が低下しているか、またはそれを有しない。例えば、Fc受容体への結合を支持しないアイソタイプまたはサブタイプ、フラグメントまたは他の変異体である、例えば、Fc受容体結合領域が変異誘発されているかまたは欠失している。
抗体定常領域を改変する方法は、当分野で知られる。改変された機能、例えば細胞上のFcRまたは補体のC1成分などのエフェクターリガンドへの改変された親和性を有する抗体は、抗体の定常部分の少なくとも1アミノ酸残基を、異なる残基に置き換えることにより産生できる(例えば、EP388,151A1号、米国特許5,624,821号および米国特許5,648,260号参照。これらの全ての内容を、引用により本明細書に包含させる)。類似するタイプの改変がマウスまたは他の種の免疫グロブリンに適用されたならば、これらの機能を低減または排除するであろう得る。
抗体分子は、他の機能的分子(例えば、他のペプチドまたはタンパク質)で誘導体化されるかまたは結合されることができる。ここで使用する、“誘導体化”抗体分子は、修飾されているものである。誘導体化の方法は、蛍光部分、放射性ヌクレオチド、毒素、酵素またはビオチンなどの親和性リガンドの付加を含むが、これに限定されない。従って、本発明の抗体分子は、免疫接着分子を含むここに記載する抗体の誘導体化および他に修飾された形態を含む。例えば、抗体分子は、他の抗体(例えば、二特異的抗体または二重特異性抗体)、検出可能剤、細胞毒性剤、薬物および/または抗体または抗体部分と他の分子の結合に介在できるタンパク質またはペプチド(例えばストレプトアビジンコア領域またはポリスチジンタグ)などの1以上の他の分子に(化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合またはその他により)機能的に結合される。
誘導体化抗体分子の1タイプは、(例えば、二特異的抗体を産生するために、同じタイプまたは異なるタイプの)2以上の抗体の架橋により産生される。適当なクロスリンカーは、適切なスペーサー(例えば、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)またはホモ二機能性(例えば、スベリン酸ジサクシンイミジル)により離された、2つの明確な反応性基を有する、ヘテロ二機能性を含む。このようなリンカーは、Pierce Chemical Company, Rockford, Illから入手可能である。
本発明の抗体分子が誘導体化(または標識化)され得る有用な検出可能化剤は、蛍光化合物、種々の酵素、補欠分子族、発光物質、生物発光物質、発光金属原子、例えば、ユーロピウム(Eu)および他のランタニドおよび放射性物質を含む(下に記載)。蛍光検出可能化剤の例は、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5−ジメチルアミン−1−ナフタレンスルホニルクロライド、フィコエリトリンなどを含む。抗体はまたアルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、グルコースオキシダーゼなどの検出可能酵素で誘導体化してもよい。抗体を検出可能酵素で誘導体化するとき、酵素が検出可能反応産物を産生するのに使用する、付加的試薬の添加により検出される。例えば、検出可能剤ホースラディッシュペルオキシダーゼが存在するとき、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加により着色反応産物がもたらされ、これが検出可能である。抗体分子はまた補欠分子族(例えば、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチン)でも誘導体化され得る。例えば、抗体をビオチンで誘導体化し、アビジンまたはストレプトアビジン結合の間接的測定により検出し得る。適当な蛍光物質の例は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロライドまたはフィコエリトリンを含み、発光物質の例はルミノールを含み、そして生物発光物質の例は、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンを含む。
標識抗体分子は、例えば、(i)親和性クロマトグラフィーまたは免疫沈降などの標準的技術により予め決定された抗原を単離する、(ii)タンパク質の存在量および発現パターンを評価するために予め決定された抗原を検出する(例えば、細胞溶解物または細胞上清で)、(iii)例えば、ある処置レジメンの有効性を決定するために、臨床試験手順の一部として組織中のタンパク質レベルをモニターすることを含む、多数の状況において診断的および/または実験的に使用され得る。
抗体分子を、他の分子、一般に標識または治療(例えば、細胞毒性または細胞増殖抑制)剤または部分にコンジュゲートし得る。放射性同位体を、診断または治療適用において使用し得る。
本発明は、放射標識抗体分子およびその標識方法を提供する。ある実施態様において、抗体分子を標識する方法が開示される。本方法は、抗体分子とキレート剤を接触させ、それによりコンジュゲート抗体を産生することを含む。
上記のとおり、抗体分子を治療剤にコンジュゲートさせ得る。治療活性放射性同位体は既に記載されている。他の治療剤の例は、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、メイタンシノイド、例えば、マイタンシノール(例えば、米国特許5,208,020号参照)、CC−1065(例えば、米国特許5,475,092号、5,585,499号、5,846,545号参照)およびアナログまたはそれらのホモログを含む。治療剤は、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパクロラムブシル、CC−1065、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾシン、マイトマイシンCおよびcis−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシンおよびアントラマイシン(AMC))および有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソールおよびメイタンシノイド)を含むが、これらに限定されない。
ある態様において、本発明は、ここに開示する標的、例えば、PD−1受容体に特異的に結合する標的結合分子を提供する方法に関する。例えば、標的結合分子は、抗体分子である。本方法は、非ヒトタンパク質の少なくとも一部分を含む標的タンパク質を提供し(該部分は、ヒト標的タンパク質の対応する部分と相同(少なくとも70%、75%、80%、85%、87%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%同一)であるが、少なくとも1アミノ酸(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8または9アミノ酸)異なる、該抗原に特異的に結合する抗体分子を得て、そして、標的タンパク質の活性を調節する結合剤の有効性を評価することを含む。本方法は、該結合剤(例えば、抗体分子)または誘導体(例えば、ヒト化抗体分子)をヒト対象に投与することをさらに含み得る。
多特異的抗体分子
ある実施態様において、抗体分子は、多特異的(例えば、二特異的または三特異的)抗体分子である。二特異的またはヘテロ二量体抗体分子を産生するプロトコールは、当分野で知られ、例えば、US5731168号に記載の“ノブ・イン・ホール”手段;例えば、WO09/089004、WO06/106905およびWO2010/129304号に記載の静電誘導Fc対形成;例えば、WO07/110205号に記載の鎖交換改変ドメイン(SEED)ヘテロ二量体形成;例えば、WO08/119353号、WO2011/131746号およびWO2013/060867号に記載の、Fabアーム交換;例えば、US4433059号に記載の、例えば、アミン反応性基およびスルフヒドリル反応性基を有するヘテロ二機能性試薬を使用する二特異的構造を産生するための抗体架橋結合による、二重抗体コンジュゲート;例えば、US4444878号に記載の、2重鎖間のジスルフィド結合の還元および酸化のサイクルによる異なる抗体からの半抗体(重−軽鎖対またはFab)の組み換えによる二特異的抗体決定基産生;例えば、US5273743号に記載の、三機能的抗体、例えば、スルフヒドリル反応性基により架橋した3Fab’フラグメント;例えば、US5534254号に記載の、生合成結合タンパク質、例えば、好ましくはジスルフィドまたはアミン反応性化学架橋結合によるC末端テイルにより架橋したscFvのペア;例えば、US5582996号に記載の、二機能性抗体、例えば、置換定常ドメインを有するロイシンジッパー(例えば、c−fosおよびc−jun)により二量体化した異なる結合特異性を有するFabフラグメント;例えば、US5591828号に記載の、二特異的およびオリゴ特異的単価およびオリゴ価受容体、例えば、一方の抗体のCH1領域と、一般に付随する軽鎖を伴う他方の抗体のVH領域の間のポリペプチドスペーサーにより結合された2抗体(2Fabフラグメント)のVH−CH1領域;例えば、US5635602号に記載の、二特異的DNA−抗体コンジュゲート、例えば、DNAの二本鎖断片による抗体またはFabフラグメントの架橋;例えば、US5637481号に記載の、二特異的融合タンパク質、例えば、2scFvとその間に親水性らせんペプチドリンカーおよび完全定常領域を含む、発現構築物;例えば、US5837242号に記載の、多価および多特異的結合タンパク質、例えば、Ig重鎖可変領域の結合領域を有する第一ドメインおよびIg軽鎖可変領域の結合領域を有する第二ドメインを有する、一般に二重特異性抗体と称される、ポリペプチドの二量体(二特異的、三特異的または四特異的分子を作製するために、高次構造も開示される);例えば、US5837821号に記載の、結合したVLおよびVH鎖を伴い、さらに、ペプチドスペーサーにより抗体ヒンジ領域およびCH3領域に接続され、二特異的/多価分子を形成するために二量体化され得るミニボディ;短ペプチドリンカー(例えば、5または10アミノ酸)によりまたはリンカー無しで何れかの配向に結合され、二特異的二重特異性抗体を形成するために二量体を形成できるVHおよびVLドメイン;例えば、US5844094号に記載の、三量体および四量体;例えば、US5864019号に記載の、一連のFV(またはscFv)を形成するために、VLドメインにさらに結合したC末端の架橋可能基とペプチド結合により接続されたVHドメイン(またはファミリーメンバー内のVLドメイン)のストリング;および例えば、US5869620号に記載の、scFVまたは二重特異性抗体タイプ形式を使用する、例えば、ペプチドリンカーにより結合されたVHおよびVLドメインの両方が、ホモ二価、ヘテロ二価、三価および四価構造を形成するための、非共有結合または化学架橋により多価構造に合わせられた一本鎖結合ポリペプチドを、例えば、含むが、これらに限定されない。多特異的および二特異的分子およびそれを製造する方法のさらなる例は、例えば、US5910573号、US5932448号、US5959083号、US5989830号、US6005079号、US6239259号、US6294353号、US6333396号、US6476198号、US6511663号、US6670453号、US6743896号、US6809185号、US6833441号、US7129330号、US7183076号、US7521056号、US7527787号、US7534866号、US7612181号、US2002/004587A1号、US2002/076406A1号、US2002/103345A1号、US2003/207346A1号、US2003/211078A1号、US2004/219643A1号、US2004/220388A1号、US2004/242847A1号、US2005/003403A1号、US2005/004352A1号、US2005/069552A1号、US2005/079170A1号、US2005/100543A1号、US2005/136049A1号、US2005/136051A1号、US2005/163782A1号、US2005/266425A1号、US2006/083747A1号、US2006/120960A1号、US2006/204493A1号、US2006/263367A1号、US2007/004909A1号、US2007/087381A1号、US2007/128150A1号、US2007/141049A1号、US2007/154901A1号、US2007/274985A1号、US2008/050370A1号、US2008/069820A1号、US2008/152645A1号、US2008/171855A1号、US2008/241884A1号、US2008/254512A1号、US2008/260738A1号、US2009/130106A1号、US2009/148905A1号、US2009/155275A1号、US2009/162359A1号、US2009/162360A1号、US2009/175851A1号、US2009/175867A1号、US2009/232811A1号、US2009/234105A1号、US2009/263392A1号、US2009/274649A1号、EP346087A2号、WO00/06605A2号、WO02/072635A2号、WO04/081051A1号、WO06/020258A2号、WO2007/044887A2号、WO2007/095338A2号、WO2007/137760A2号、WO2008/119353A1号、WO2009/021754A2号、WO2009/068630A1号、WO91/03493A1号、WO93/23537A1号、WO94/09131A1号、WO94/12625A2号、WO95/09917A1号、WO96/37621A2号、WO99/64460A1号に見ることができる。上記参考文献の内容は、引用によりその全体を本明細書に包含させる。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子(例えば、単特異的、二特異的または多特異的抗体分子)は、他のパートナー、例えば、タンパク質、例えば、1、2またはそれ以上のサイトカインと、例えば、融合分子、例えば融合タンパク質として、共有結合、例えば、融合している。他の実施態様において、融合分子は、1以上のタンパク質、例えば、1、2またはそれ以上のサイトカインを含むある実施態様において、サイトカインは、インターロイキン(IL)−1、IL−2、IL−12、IL−15またはIL−21の1、2、3またはそれ以上から選択されるILである。ある実施態様において、二特異的抗体分子は、第一標的(例えば、PD−1)への第一結合特異性、第二標的(例えば、LAG−3またはTIM−3)への第二結合特異性を有し、所望によりインターロイキン(例えば、IL−12)ドメイン、例えば、完全長IL−12またはその一部に結合している。
“融合タンパク質”および“融合ポリペプチド”は、互いに共有結合した少なくとも2個の部分を有するポリペプチドをいい、ここで、該部分の各々は、異なる性質を有するポリペプチドである。性質は、インビトロまたはインビボでの活性などの生物学的性質であり得る。性質は、標的分子への結合、反応の触媒などの単純な化学的または物理的性質でもあり得る。2部分は、単一ペプチド結合により直接またはペプチドリンカーにより結合できるが、互いにリーディングフレーム内である。
本発明は、上記抗体分子をコードする単離核酸分子、そのベクターおよび宿主細胞を含む。核酸分子は、RNA、ゲノムDNAおよびcDNAを含むが、これらに限定されない。
組み合わせにおいて使用する薬剤の例
ここに記載されるのは、(i)抗原(例えば、腫瘍抗原)提示を増強する薬剤、(ii)エフェクター細胞応答(例えば、B細胞および/またはT細胞活性化および/または動員)を増強する薬剤または(iii)腫瘍免疫抑制を低減する薬剤の1以上の組み合わせを含み、それにより、障害、例えば、過増殖性状態または障害(例えば、癌)を処置する、方法および組成物である。ある実施態様において、組み合わせは、PD−1阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)を含む。これらの組み合わせにおいて使用できる薬剤の例は、ここに提供される。
STINGアゴニストの例
ある実施態様において、組み合わせはSTINGアゴニストを含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌例えば、固形腫瘍(例えば、乳癌、扁平上皮細胞癌、黒色腫、卵巣癌、卵管癌、腹膜癌、軟組織肉腫、食道癌、頭頸部癌、子宮内膜癌、子宮頸癌または基底細胞癌)、例えば、血液系腫瘍(例えば、白血病(例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)またはリンパ腫(例えば、辺縁帯B細胞リンパ腫、小リンパ性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫))の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)、皮膚癌(例えば、黒色腫)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))から選択される。
ある実施態様において、STINGアゴニストは、環状ジヌクレオチド、例えば、プリンまたはピリミジン核酸塩基(例えば、アデノシン、グアニン、ウラシル、チミンまたはシトシン核酸塩基)を含む環状ジヌクレオチドである。ある実施態様において、環状ジヌクレオチドの核酸塩基は、同じ核酸塩基または異なる核酸塩基を含む。
ある実施態様において、STINGアゴニストは、アデノシンまたはグアノシン核酸塩基を含む。ある実施態様において、STINGアゴニストは、1アデノシン核酸塩基および1グアノシン核酸塩基を含む。ある実施態様において、STINGアゴニストは、2アデノシン核酸塩基または2グアノシン核酸塩基を含む。
ある実施態様において、STINGアゴニストは、例えば、修飾核酸塩基、修飾リボースまたは修飾ホスフェート結合を含む、修飾環状ジヌクレオチドを含む。ある実施態様において、修飾環状ジヌクレオチドは、修飾ホスフェート結合、例えば、チオホスフェートを含む。
ある実施態様において、STINGアゴニストは、2’,5’または3’,5’ホスフェート結合を有する環状ジヌクレオチド(例えば、修飾環状ジヌクレオチド)を含む。ある実施態様において、STINGアゴニストは、ホスフェート結合周囲にRpまたはSp立体化学を有する環状ジヌクレオチド(例えば、修飾環状ジヌクレオチド)を含む。
ある実施態様において、STINGアゴニストは、Rp,Rpジチオ2’,3’ c−ジ−AMP(例えば、Rp,Rp−ジチオc−[A(2’,5’)pA(3’,5’)p])またはその環状ジヌクレオチドアナログである。ある実施態様において、STINGアゴニストは、米国特許公開US2015/0056224(例えば、図2cにおける化合物、例えば、化合物21または化合物22)に記載される化合物である。ある実施態様において、STINGアゴニストは、c−[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]、そのジチオリボースO置換誘導体またはPCT公開WO2014/189805号およびWO2014/189806号の図4に記載の化合物である。ある実施態様において、STINGアゴニストは、c−[A(2’,5’)pA(3’,5’)p]またはそのジチオリボースO置換誘導体またはPCT公開WO2014/189805号およびWO2014/189806号の図5に記載される化合物である。ある実施態様において、STINGアゴニストは、c−[G(2’,5’)pA(3’,5’)p]またはそのジチオリボースO置換誘導体またはPCT公開WO2014/189805号およびWO2014/189806号の図5に記載される化合物である。ある実施態様において、STINGアゴニストは、2’−0−プロパルギル−環状−[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](2’−0−プロパルギル−ML−CDA)またはPCT公開WO2014/189806号の図7に記載の化合物である。
STINGアゴニストの他の例は、例えば、PCT公開WO2014/189805号およびWO2014/189806号および米国公開2015/0056225に開示される。
TLRアゴニストの例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、トール様受容体(TLR)アゴニストを含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、乳癌、扁平上皮細胞癌、黒色腫、卵巣癌、卵管癌、腹膜癌、軟組織肉腫、食道癌、頭頸部癌、子宮内膜癌、子宮頸癌または基底細胞癌)、例えば、血液系腫瘍(例えば、白血病(例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)またはリンパ腫(例えば、辺縁帯B細胞リンパ腫、小リンパ性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫))の処置に使用する。
TLRは、最初は微生物病原体を認識する自然免疫系のセンサーとして同定されたパターン認識受容体のファミリーである。ヒトにおいて、TLRは、TLR−1、TLR−2、TLR−3、TLR−4、TLR−5、TLR−6、TLR−7、TLR−8、TLR−9およびTLR−10を含む。TLR−1、−2、−4、−5および−6は細胞表面に発現され、TLR−3、−7/8および−9は、ER区画と共に発現される。ヒト樹状細胞サブセットを、別個のTLR発現パターンに基づき同定できる。骨髄またはヒト樹状細胞の“慣用”サブセットはTLR 1〜8を発現し、樹状細胞の形質細胞様サブセットはTLR−7およびTLR−9のみ発現する。TLRへのリガンド結合は、炎症および免疫に関与する因子の産生を誘導する細胞内シグナル伝達経路のカスケードを惹起する。刺激により、ヒト樹状細胞の骨髄サブセットおよび形質細胞様サブセットは、それぞれNK細胞およびT細胞の抗原特異的CD4+およびCD8+ T細胞プライミングおよび活性化をもたらす。
ある実施態様において、TLRアゴニストは、TLR−1アゴニスト、TLR−2アゴニスト、TLR−3アゴニスト、TLR−4アゴニスト、TLR−5アゴニスト、TLR−6アゴニスト、TLR−7アゴニスト、TLR−8アゴニスト、TLR−9アゴニスト、TLR−10アゴニスト、TLR−1/2アゴニスト、TLR−2/6アゴニストまたはTLR−7/8アゴニストの1以上から選択される。ある実施態様において、TLRアゴニストは、TLR7アゴニストである。
ある実施態様において、TLRアゴニストは、イミキモドまたは3−(2−メチルプロピル)−3,5,8−トリアザトリシクロ[7.4.0.02,6]トリデカ−1(9),2(6),4,7,10,12−ヘキサエン−7−アミンである。イミキモドまたは3−(2−メチルプロピル)−3,5,8−トリアザトリシクロ[7.4.0.02,6]トリデカ−1(9),2(6),4,7,10,12−ヘキサエン−7−アミンは、TLR−7および/またはTLR−8に結合し、活性化できる。
ある実施態様において、TLRアゴニストは、852Aである。852Aは、例えば、Inglefield et al. J Interferon Cytokine Res. 2008;28(4):253-63に開示される。852Aは、TLR−7および/またはTLR−8に結合し、活性化できる。
ある実施態様において、TLRアゴニストは、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)である。BCGは、TLR−9に結合し、活性化できる。
ある実施態様において、TLRアゴニストは、EMD 120108である。EMD 120108は、ホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドを含む合成オリゴヌクレオチドである。EMD 1201081は、例えば、単球/マクロファージ、形質細胞様樹状細胞(DC)およびB細胞におけるTLR−9に結合し、活性化し、免疫シグナル伝達経路を開始させ、B細胞を活性化させ、Tヘルパー細胞サイトカイン産生を誘発することができる。
ある実施態様において、TLRアゴニストは、IMO−2055である。IMO−2055は、非メチル化CpGジヌクレオチド含有合成オリゴヌクレオチドである。細菌DNAにおける非メチル化CpG配列を模倣することにより、IMO−2055は、例えば、単球/マクロファージ、形質細胞様樹状細胞(DC)およびB細胞におけるTLR−9に結合し、活性化し、免疫シグナル伝達経路を開始させ、B細胞およびDCを活性化させ、Tヘルパー細胞サイトカイン産生を誘発することができる。
組み合わせにおいて使用できるTLRアゴニストの他の例は、例えば、TLR−1/2アゴニスト(例えば、Pam3Cys)、TLR−2アゴニスト(例えば、CFA、MALP2、Pam2Cys、FSL−1またはHib−OMPC)、TLR−3アゴニスト(例えば、ポリリボイノシン:ポリリボシチジン酸(ポリI:C)、ポリアデノシン−ポリウリジル酸(ポリAU)、ポリ−L−リシンおよびカルボキシメチルセルロースで安定化されたポリイノシン−ポリシチジン酸(Hiltonol(登録商標)))、TLR−4アゴニスト(例えば、モノホスホリル脂質A(MPL)、LPS、シアリル−Tn(STn))、TLR−5アゴニスト(例えば、細菌フラゲリン)、TLR−7アゴニスト(例えば、イミキモド)、TLR−7/8アゴニスト(例えば、レシキモドまたはロキソリビン)およびTLR−9アゴニスト(例えば、非メチル化CpGジヌクレオチド(CpG−ODN))を含む。
他の実施態様において、TLRアゴニストを、例えば、WO2004060319号および国際公開WO2014012479号に記載のGITRアゴニストと組み合わせて、使用する。
VEGFR阻害因子の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体阻害剤(例えば、VEGFR(例えば、VEGFR−1、VEGFR−2、VEGFR−3)またはVEGFの1以上の阻害剤)を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、黒色腫、乳癌、結腸癌、食道癌、消化器間質腫瘍(GIST)、腎臓癌(例えば、腎細胞癌)、肝臓癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌または胃癌)、例えば、血液系腫瘍(例えば、リンパ腫)の処置に使用する。
ある実施態様において、VEGFR阻害因子は、コハク酸バタラニブ(化合物A47)またはEP296122号に開示の化合物である。
ある実施態様において、VEGFR阻害因子は、VEGFR−2、PDGFRベータ、KITまたはRafキナーゼCの1以上の阻害剤、1−メチル−5−((2−(5−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)オキシ)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−アミン(化合物A37)またはPCT公開WO2007/030377号に開示の化合物である。
ここに開示する組み合わせにおいて使用できるVEGFR経路阻害剤の他の例は、例えば、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、アクシチニブ(インライタ(登録商標));ブリバニブアラニネート(BMS-582664、(S)−((R)−1−(4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−5−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)2−アミノプロパノエート);ソラフェニブ(ネクサバール(登録商標));パゾパニブ(ヴォトリエント(登録商標));スニチニブマレート(スーテント(登録商標));セディラニブ(AZD2171、CAS 288383-20-1);vargatef(BIBF1120、CAS 928326-83-4);フォレチニブ(GSK1363089);テラチニブ(BAY57-9352、CAS 332012-40-5);アパチニブ(YN968D1、CAS 811803-05-1);イマチニブ(グリベック(登録商標));ポナチニブ(AP24534、CAS 943319-70-8);チボザニブ(AV951、CAS 475108-18-0);レゴラフェニブ(BAY73-4506、CAS 755037-03-7);バタラニブ二塩酸塩(PTK787、CAS 212141-51-0);ブリバニブ(BMS-540215、CAS 649735-46-6);バンデタニブ(カプレルサ(登録商標)またはAZD6474);モテサニブ二リン酸塩(AMG706、CAS 857876-30-3、N−(2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−1H−インドール−6−イル)−2−[(4−ピリジニルメチル)アミノ]−3−ピリジンカルボキサミド、PCT公開WO02/066470号に記載);二乳酸ドビチニブ(TKI258、CAS 852433-84-2);リニファニブ(ABT869、CAS 796967-16-3);カボザンチニブ(XL184、CAS 849217-68-1);レスタウルチニブ(CAS 111358-88-4);N−[5−[[[5−(1,1−ジメチルエチル)−2−オキサゾリル]メチル]チオ]−2−チアゾリル]−4−ピペリジンカルボキサミド(BMS38703、CAS 345627-80-7);(3R,4R)−4−アミノ−1−((4−((3−メトキシフェニル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−5−イル)メチル)ピペリジン−3−オール(BMS690514);N−(3,4−ジクロロ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−[[(3aα,5β,6aα)−オクタヒドロ−2−メチルシクロペンタ[c]ピロール−5−イル]メトキシ]−4−キナゾリンアミン(XL647、CAS 781613-23-8);4−メチル−3−[[1−メチル−6−(3−ピリジニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]アミノ]−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−ベンズアミド(BHG712、CAS 940310-85-0);アフリベルセプト(アイリーア(登録商標))およびエンドスタチン(ENDOSTAR(登録商標))を含む。
ここに開示する組み合わせにおいて使用できる抗VEGF抗体の例は、例えば、Presta et al. (1997) Cancer Res. 57:4593-4599により産生された組み換えヒト化抗VEGFモノクローナル抗体である、ハイブリドーマATCC HB 10709により産生されたモノクローナル抗VEGF抗体A4.6.1と同じエピトープに結合するモノクローナル抗体である。ある実施態様において、抗VEGF抗体は、rhuMAb VEGFまたはアバスチン(登録商標)としても知られるベバシズマブ(BV)である。それは、変異ヒトIgG1フレームワーク領域および、ヒトVEGFのその受容体への結合を遮断するマウス抗hVEGFモノクローナル抗体A.4.6.1からの抗原結合相補性決定領域を含む。ベバシズマブおよび他のヒト化抗VEGF抗体は、2005年2月26日公開の米国特許6,884,87号にさらに記載される。さらなる抗体は、PCT公開WO2005/012359号、PCT公開WO2005/044853号に記載のG6またはB20シリーズ抗体(例えば、G6−31、B20−4.1)を含み、これらの特許出願の内容は、引用により本明細書に明示的に包含させる。さらなる抗体について、米国特許7,060,269号、6,582,959号、6,703,020号、6,054,297号、WO98/45332号、WO96/30046号、WO94/10202号、EP0666868B1号、米国特許出願公開2006/009360号、2005/0186208号、2003/0206899号、2003/0190317号、2003/0203409号および2005/0112126号;およびPopkov et al, Journal of Immunological Methods 288: 149-164 (2004)を参照のこと。他の抗体は、残基F17、Ml8、D19、Y21、Y25、Q89、191、Kl01、El03およびC104を含むあるいは残基F17、Y21、Q22、Y25、D63、183およびQ89を含むヒトVEGFの機能的エピトープに結合するものを含む。
c−MET阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、c−MET阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、非小細胞肺癌、膵臓癌、肝臓癌、甲状腺癌(例えば、未分化甲状腺癌)、脳腫瘍(例えば、神経膠芽腫)、腎臓癌(例えば、腎細胞癌)または頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮細胞癌)の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、肝臓癌、例えば、肝細胞癌(HCC)(例えば、c−MET発現HCC)である。
ある実施態様において、c−MET阻害剤は、化合物A17または米国特許7,767,675号および8,420,645号に記載の化合物である。c−MET、受容体チロシンキナーゼは、多くの腫瘍細胞型で過発現または変異し、腫瘍細胞増殖、生存、侵襲、転移および腫瘍血管形成に重要な役割を有する。c−METの阻害は、c−METタンパク質を過発現するまたは構成的に活性化されたc−METタンパク質を発現する腫瘍細胞の細胞死を誘発し得る。
ある実施態様において、c−MET阻害剤は、JNJ−38877605である。JNJ−38877605は、経口利用可能な、小分子c−MET阻害剤である。JNJ−38877605はc−METに選択的に結合し、それによりc−METリン酸化を阻害し、c−Metシグナル伝達経路を妨害する。
ある実施態様において、c−Met阻害剤は、AMG 208である。AMG 208は、選択的小分子c−MET阻害剤である。AMG 208は、c−METのリガンド依存的およびリガンド非依存的活性化を阻害し、そのチロシンキナーゼ活性を阻害し、c−Metを過発現する腫瘍の細胞増殖阻害に至り得る。
ある実施態様において、c−Met阻害剤は、AMG 337である。AMG 337は、経口でバイオアベイラブルなc−MET阻害剤である。AMG 337はc−METに選択的に結合し、それによりc−METシグナル伝達経路を妨害する。
ある実施態様において、c−Met阻害剤は、LY2801653である。LY2801653は、経口利用可能な、小分子c−MET阻害剤である。LY2801653はc−METに選択的に結合し、それによりc−METリン酸化を阻害し、c−Metシグナル伝達経路を妨害する。
ある実施態様において、c−Met阻害剤は、MSC2156119Jである。MSC2156119Jは、経口でバイオアベイラブルなc−MET阻害剤である。MSC2156119Jはc−METに選択的に結合し、これは、c−METリン酸化を阻害し、c−Met介在シグナル伝達経路を妨害する。
ある実施態様において、c−MET阻害剤は、カプマチニブである。カプマチニブは、INCB028060としても知られる。カプマチニブは、経口でバイオアベイラブルなc−MET阻害剤である。カプマチニブはc−METに選択的に結合し、それによりc−METリン酸化を阻害し、c−Metシグナル伝達経路を妨害する。
ある実施態様において、c−MET阻害剤は、クリゾチニブである。クリゾチニブは、PF−02341066としても知られる。クリゾチニブは、受容体チロシンキナーゼ未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)およびc−Met/肝細胞増殖因子受容体(HGFR)の経口利用可能なアミノピリジンベースの阻害剤である。クリゾチニブは、ATP競合的方式で、ALKキナーゼおよびALK融合タンパク質に結合し、阻害する。さらに、クリゾチニブはc−Metキナーゼを阻害し、c−Metシグナル伝達経路を妨害する。全体で、この薬剤は、腫瘍細胞増殖を阻害する。
ある実施態様において、c−MET阻害剤は、ゴルバチニブである。ゴルバチニブは、抗新生物活性を有する可能性のある、経口でバイオアベイラブルなデュアルキナーゼc−METおよびVEGFR−2阻害剤である。ゴルバチニブはc−METおよびVEGFR−2の両方に結合し、活性を阻害し、これは、これらの受容体チロシンキナーゼを過発現する腫瘍細胞の腫瘍細胞増殖および生存を阻害し得る。
ある実施態様において、c−MET阻害剤は、チバンチニブである。チバンチニブは、ARQ 197としても知られる。チバンチニブは、経口でバイオアベイラブルな小分子c−MET阻害剤である。チバンチニブは、c−METタンパク質に結合し、c−Metシグナル伝達経路を妨害し、これは、c−METタンパク質を過発現するまたは構成的に活性化されたc−Metタンパク質を発現する腫瘍細胞の細胞死を誘発し得る。
TGF−β阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGF−β)阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、脳腫瘍(例えば、神経膠腫)、黒色腫、腎臓癌(例えば、腎細胞癌)、胸膜悪性中皮腫(例えば、再発胸膜悪性中皮腫)または乳癌(例えば、転移乳癌))の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、結腸直腸癌(例えば、マイクロサテライト安定な結腸直腸癌(MSS CRC)、肝臓癌(例えば、肝細胞癌)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(HSCLC))、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))、TGF−β発現癌、膵臓癌、前立腺癌または腎臓癌(例えば、腎細胞癌)から選択される。
TGF−βは、例えば、骨形成タンパク質(BMP)、増殖および分化因子、アクチビンおよびインヒビンを含む、構造的に関連するサイトカインの大きなファミリーに属する。ある実施態様において、ここに記載するTGF−β阻害剤TGF−βの1以上のアイソフォーム(例えば、TGF−β1、TGF−β2またはTGF−β3の1、2または全て)に結合しおよび/または阻害できる。
正常条件下、TGF−βは恒常性を維持し、上皮性、内皮、神経細胞および造血細胞系譜の増殖を、例えば、抗増殖性およびアポトーシス応答の誘導により制限する。正準および非正準シグナル伝達経路は、TGF−βに対する細胞応答を含む。TGF−β/Smad正準経路の活性化は、TGF−βの抗増殖性効果に介在し得る。非正準TGF−β経路は付加的細胞内経路、例えば、マイトージェン−活性タンパク質キナーゼ(MAPK)、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ/タンパク質キナーゼB、Rho様GTPaseを活性化でき(Tian et al. Cell Signal. 2011; 23(6):951-62; Blobe et al. N Engl J Med. 2000; 342(18):1350-8)、それにより上皮間葉転換(EMT)および/または細胞運動性を調節する。
TGF−βシグナル伝達経路の改変は、ヒト疾患、例えば、癌、心血管疾患、線維症、生殖障害および創傷治癒と関連する。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、癌におけるTGF−βの役割は腫瘍状況(例えば、腫瘍ステージおよび遺伝子改変)および/または細胞状況に依存すると考えられる。例えば、癌の後期には、TGF−βは、例えば、腫瘍増殖促進(例えば、EMT誘発)、抗腫瘍免疫応答遮断、腫瘍関連線維症増加または血管形成増強により、癌関連過程を調節し得る(Wakefield and Hill Nat Rev Cancer. 2013; 13(5):328-41)。ある実施態様において、ここに記載するTGF−β阻害剤を含む組み合わせ後期の癌、転移癌または進行型癌の処置に使用する。
前臨床的証拠は、TGF−βが免疫制御に重要な役割を有することを示す(Wojtowicz-Praga Invest New Drugs. 2003; 21(1):21-32; Yang et al. Trends Immunol. 2010; 31(6):220-7)。TGF−βは、いくつかの機序、例えば、TヘルパーバランスのTh2免疫表現型に向けたシフト;抗腫瘍Th1タイプ応答およびM1−タイプマクロファージの阻害;細胞毒性CD8+ Tリンパ球(CTL)、NKリンパ球および樹状細胞機能の抑制、CD4+CD25+ T制御性細胞産生;または免疫抑制性サイトカイン(例えば、IL10またはVEGF)、炎症誘発性サイトカイン(例えば、IL6、TNFαまたはIL1)の分泌および遺伝毒性活性を有する活性酸素種(ROS)の産生が介在する腫瘍促進性活性を有するM2−タイプマクロファージの促進により、宿主−免疫応答を下方制御できる(Yang et al. Trends Immunol. 2010; 31(6):220-7; Truty and Urrutia Pancreatology. 2007; 7(5-6):423-35; Achyut et al Gastroenterology. 2011; 141(4):1167-78)。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤は、フレソリムマブ(CAS Registry Number: 948564-73-6)である。フレソリムマブはまたGC1008としても知られる。フレソリムマブは、TGF−ベータアイソフォーム1、2および3に結合し、阻害するヒトモノクローナル抗体である。
フレソリムマブの重鎖は、アミノ酸配列QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFSSNVISWVRQAPGQGLEWMGGVIPIVDIANYAQRFKGRVTITADESTSTTYMELSSLRSEDTAVYYCASTLGLVLDAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPSCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号238)を有する。フレソリムマブの軽鎖は、アミノ酸配列ETVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSLGSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRAPGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYADSPITFGQGTRLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号239)を有する。
フレソリムマブは、例えば、WO2006/086469号、US8,383,780号およびUS8,591,901号に開示される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤は、XOMA 089である。XOMA 089は、XPA.42.089としても知られる。XOMA 089は、TGF−ベータ1および2リガンドに特異的に結合し、中和する完全ヒトモノクローナル抗体である
XOMA 089の重鎖可変領域は、アミノ酸配列QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGLWEVRALPSVYWGQGTLVTVSS(配列番号240)を有する(WO2012/167143号に配列番号6として記載)。XOMA 089の軽鎖可変領域は、アミノ酸配列SYELTQPPSVSVAPGQTARITCGANDIGSKSVHWYQQKAGQAPVLVVSEDIIRPSGIPERISGSNSGNTATLTISRVEAGDEADYYCQVWDRDSDQYVFGTGTKVTVLG(配列番号241)を有する(WO2012/167143号に配列番号8として記載)。
XOMA 089は、ヒトTGF−βアイソフォームに高親和性で結合する。一般に、XOMA 089はTGF−β1およびTGF−β2に高親和性で、およびTGF−β3に少ない程度で結合する。Biacoreアッセイにおいて、ヒトTGF−βに対するXOMA 089のKDは、TGF−β1に14.6pM、TGF−β2に67.3pMおよびTGF−β3に948pMである。全3TGF−βアイソフォームへの高親和性結合を考慮して、ある実施態様において、XOMA 089は、ここに記載するXOMA 089の用量でTGF−β1、2および3に結合すると予測される。XOMA 089は齧歯類およびカニクイザルTGF−βと交差反応し、インビトロおよびインビボで機能的活性を示し、齧歯類およびカニクイザルは毒性試験のための適切な動物種となる。
ある実施態様において、組み合わせは、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)およびTGF−β阻害剤(例えば、ここに記載するTGF−β阻害剤)を含む。
理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、PD−1免疫療法に対する耐性は、例えば、TGF−βシグナル伝達およびTGF−β依存性過程、例えば、創傷治癒または血管形成に結びつけられている遺伝子を含む、転写シグネチャーの存在に関係すると考えられる(Hugo et al. Cell. 2016; 165(1):35-44)。ある実施態様において、TGF−β遮断は、PD−1/PD−L1軸を阻害する治療の治療域を拡大する。TGF−β阻害剤は、例えば、腫瘍微小環境、例えば、脈管形成、線維症またはエフェクターT細胞の動員に影響する因子の調節により、PD−1免疫療法の臨床的有用性に影響し得る(Yang et al. Trends Immunol. 2010; 31(6):220-7; Wakefield and Hill Nat Rev Cancer. 2013; 13(5):328-41; Truty and Urrutia Pancreatology. 2007; 7(5-6):423-35)。
理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、PD−1とTGF−β受容体およびPD−1とTGF−β受容体の両方を発現する抗腫瘍免疫サイクルの要素の数が、非冗長細胞シグナルを伝播する可能性も考えられている。例えば、自発性前立腺癌のマウスモデルにおいて、TGFBRIIのドミナントネガティブ形態またはT細胞におけるTGF−β産生の抑止の使用が、腫瘍増殖を遅延させる(Donkor et al. Immunity. 2011; 35(1):123-34; Diener et al. Lab Invest. 2009; 89(2):142-51)。マウス前立腺(TRAMP)マウスのトランスジェニック腺癌における試験は、養子移入T細胞におけるTGF−βシグナル伝達遮断が、その残留性および抗腫瘍活性を増強することを示している(Chou et al. J Immunol. 2012; 189(8):3936-46)。導入T細胞の抗腫瘍活性は、一部腫瘍浸潤性リンパ球におけるPD−1上方制御により経時的に減少する可能性があり、ここに記載するPD−1とTGF−β阻害の組み合わせが支持される。PD−1またはTGF−βに対する中和抗体の使用は、PD−1の高発現レベルおよびTGF−β刺激への応答性を鑑みて、Tregにも影響する可能性があり(Riella et al. Am J Transplant. 2012; 12(10):2575-87)、例えば、Treg分化および機能の増強により、癌を処置するためのPD−1とTGF−β阻害の組み合わせが支持される。
理論に拘束されることを意図しないが、癌は、腫瘍増殖および転移進行を促進するために免疫監視から逃れるために、TGF−βを使用できると考えられる。例えば、ある進行型癌において、高レベルのTGF−βが、腫瘍攻撃性および予後不良と関係し、TGF−β経路は、癌細胞運動性、侵襲性、EMTまたは幹細胞表現型の1以上を促進し得る。癌細胞および白血球集団が介在する(例えば、多様な細胞発現または分泌分子、例えば、IL−10またはTGF−βにより)免疫制御は、ある患者における単剤療法としてチェックポイント阻害因子への応答を制限し得る。ある実施態様において、TGF−βとチェックポイント阻害因子(例えば、ここに記載するPD−1の阻害剤)の組み合わせ阻害を、チェックポイント阻害因子(例えば、抗PD−1)単剤療法に応答しないまたはほとんど応答しない癌、例えば、膵臓癌または結腸直腸癌(例えば、マイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS−CRC))の処置に使用する。他の実施態様において、TGF−βとチェックポイント阻害因子(例えば、ここに記載するPD−1の阻害剤)の組み合わせ阻害を、高レベルのエフェクターT細胞浸潤を示す癌、例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、肝臓癌(例えば、肝細胞癌)、前立腺癌または腎臓癌(例えば、明細胞腎細胞癌)の処置に使用する。ある実施態様において、TGF−β阻害剤とPD−1の阻害剤の組み合わせは、相乗効果をもたらす。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、0.1mg/kg〜20mg/kg、例えば、0.1mg/kg〜15mg/kg、0.1mg/kg〜12mg/kg、0.3mg/kg〜6mg/kg、1mg/kg〜3mg/kg、0.1mg/kg〜1mg/kg、0.1mg/kg〜0.5mg/kg、0.1mg/kg〜0.3mg/kg、0.3mg/kg〜3mg/kg、0.3mg/kg〜1mg/kg、3mg/kg〜6mg/kgまたは6mg/kg〜12mg/kgの用量、例えば、約0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、6mg/kg、12mg/kgまたは15mg/kgの用量で、例えば、週に1回、2週に1回、3週に1回、4週に1回または6週に1回投与される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、0.1mg/kg〜15mg/kgの用量(例えば、0.3mg/kg〜12mg/kgまたは1mg/kg〜6mg、例えば、約0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、6mg/kg、12mg/kgまたは15mg/kg)で、例えば、3週に1回投与される。例えば、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、0.1mg/kg〜1mg/kgの用量(例えば、0.1mg/kg〜1mg/kg、例えば、0.3mg/kg)で、例えば、3週に1回投与してよい。ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、静脈内投与される。
ある実施態様において、組み合わせは、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物およびPD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体)を含む。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、0.1mg/kg〜15mg/kgの用量(例えば、0.3mg/kg〜12mg/kgまたは1mg/kg〜6mg、例えば、約0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、6mg/kg、12mg/kgまたは15mg/kg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、50mg〜500mgの用量(例えば、100mg〜400mg、例えば、約100mg、200mg、300mgまたは400mgの用量)で、例えば、3週に1回または4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、100mg〜300mgの用量(例えば、約100mg、200mgまたは300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、約0.1mg/kgまたは0.3mg/kgの用量で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、約100mgの用量で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、約0.3mg/kgの用量で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、約100mgまたは300mgの用量で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、約1mg/kg、3mg/kg、6mg/kg、12mg/kgまたは15mg/kgの用量で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、約300mgの用量で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、0.1mg〜0.2mgの用量(例えば、約0.1mg/kg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、50mg〜200mgの用量(例えば、約100mg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、0.2mg〜0.5mgの用量(例えば、約0.3mg/kg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、50mg〜200mgの用量(例えば、約100mg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、0.2mg〜0.5mgの用量(例えば、約0.3mg/kg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜400mg(例えば、約300mg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、0.5mg〜2mgの用量(例えば、約1mg/kg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜400mg(例えば、約300mg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、2mg〜5mgの用量(例えば、約3mg/kg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜400mg(例えば、約300mg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、5mg〜10mgの用量(例えば、約6mg/kg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜400mg(例えば、約300mg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、10mg〜15mgの用量(例えば、約12mg/kg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜400mg(例えば、約300mg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、10mg〜20mgの用量(例えば、約15mg/kg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜400mg(例えば、約300mg)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)投与前に投与される。他の実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物は、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)投与後に投与される。ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物およびPD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、2投与間に少なくとも30分(例えば、少なくとも1時間、1.5時間または2時間)の中断により離して、投与される。
ある実施態様において、TGF−β阻害剤、XOMA 089またはPCT公開WO2012/167143号に開示の化合物を、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与して、膵臓癌、結腸直腸癌(例えば、マイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS−CRC))、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、肝臓癌(例えば、肝細胞癌)、前立腺癌または腎臓癌(例えば、明細胞腎細胞癌)を処置する。
IDO/TDO阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)および/またはトリプトファン2,3−ジオキシゲナーゼ(TDO)の阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、黒色腫、非小細胞肺癌、結腸癌、扁平上皮細胞頭頸部癌、卵巣癌、腹膜癌、卵管癌、乳癌(例えば、転移またはHER2ネガティブ乳癌))、例えば、血液系腫瘍(例えば、リンパ腫、例えば、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫(例えば、汎発性大B細胞リンパ腫(DLBCL)))の処置に使用する。
ある実施態様において、IDO/TDO阻害剤は、(4E)−4−[(3−クロロ−4−フルオロアニリノ)−ニトロソメチリデン]−1,2,5−オキサジアゾール−3−アミン(INCB24360としても知られる)、インドキシモド(1−メチル−D−トリプトファン)またはα−シクロヘキシル−5H−イミダゾ[5,1−a]イソインドール−5−エタノール(NLG919としても知られる)から選択される。
ある実施態様において、IDO/TDO阻害剤は、エパカドスタット(CAS Registry Number: 1204669-58-8)である。エパカドスタットは、INCB24360またはINCB024360(Incyte)としても知られる。エパカドスタットは強力かつ選択的インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO1)阻害剤であり、10nMのIC50を有し、IDO2またはトリプトファン2,3−ジオキシゲナーゼ(TDO)などの他の関連酵素より高度に選択的である。
ある実施態様において、IDO/TDO阻害剤は、インドキシモド(New Link Genetics)である。1−メチル−トリプトファンのD異性体であるインドキシモドは、腫瘍が免疫介在破壊を逃れる機序を破壊する、経口投与小分子インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)経路阻害剤である。
ある実施態様において、IDO/TDO阻害剤は、NLG919(New Link Genetics)である。NLG919は、強力なIDO(インドールアミン−(2,3)−ジオキシゲナーゼ)経路阻害剤であり、無細胞アッセイで7nM/75nMのKi/EC50を有する。
ある実施態様において、IDO/TDO阻害剤は、F001287(Flexus/BMS)である。F001287は、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ1(IDO1)の小分子阻害剤である。
A2ARアンタゴニストの例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、アデノシンA2a受容体(A2aR)アンタゴニスト(例えば、A2aR経路阻害剤、例えば、アデノシン阻害剤、例えば、A2aRまたはCD−73の阻害剤)である。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、肺癌、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)である。
ある実施態様において、A2aRアンタゴニストは、イストラデフィリン(CAS Registry Number: 155270-99-8)である。イストラデフィリンは、KW−6002または8−[(E)−2−(3,4−ジメトキシフェニル)ビニル]−1,3−ジエチル−7−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオンとしても知られる。イストラデフィリンは、例えば、LeWitt et al. (2008) Annals of Neurology 63 (3): 295-302)に開示される。
ある実施態様において、A2aRアンタゴニストは、トザデナント(Biotie)である。トザデナントは、SYN115または4−ヒドロキシ−N−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−4−メチルピペリジン−1−カルボキサミドとしても知られる。トザデナントはA2a受容体で内在性アデノシンの効果を遮断し、D2受容体でのドーパミンの効果の増強およびmGluR5受容体でのグルタメートの効果の阻害をもたらす。ある実施態様において、A2aRアンタゴニストは、プレラデナント(CAS Registry Number: 377727-87-2)である。プレラデナントはまたSCH 420814または2−(2−フラニル)−7−[2−[4−[4−(2−メトキシエトキシ)フェニル]−1−ピペラジニル]エチル]7H−ピラゾロ[4,3−e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−5−アミンとしても知られる。プレラデナントは、アデノシンA2A受容体で強力かつ選択的アンタゴニストとして作用する薬物として開発された。
ある実施態様において、A2aRアンタゴニストは、ビパデナンである。ビパデナンはまたBIIB014、V2006または3−[(4−アミノ−3−メチルフェニル)メチル]−7−(フラン−2−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−アミンとしても知られる。ある実施態様において、A2aRアンタゴニストは、PBF−509(Palobiofarma)である。ある実施態様において、A2aRアンタゴニスト、例えば、PBF−509を、約80mg、160mgまたは240mgの用量で連日投与する。
A2aRアンタゴニストの他の例は、例えば、ATL−444、MSX−3、SCH−58261、SCH−412,348、SCH−442,416、VER−6623、VER−6947、VER−7835、CGS−15943またはZM−241,385を含む。
ある実施態様において、A2aRアンタゴニストは、A2aR経路アンタゴニスト(例えば、CD−73阻害剤、例えば、抗CD73抗体)であり、MEDI9447である。MEDI9447は、CD73特異的モノクローナル抗体である。CD73によるアデノシンの細胞外産生のターゲティングは、アデノシンの免疫抑制性効果を低減させ得る。MEDI9447は、ある範囲の活性、例えば、CD73エクトヌクレオチダーゼ阻害活性、AMP介在リンパ球抑制からの解放および同一遺伝子腫瘍増殖阻害を有することが報告された。MEDI9447は、腫瘍微小環境内の骨髄およびリンパ系浸潤白血球集団両方の変化を駆動し得る。これらの変化は、例えば、CD8エフェクター細胞および活性化マクロファージ増加ならびに骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)および制御性Tリンパ球の割合の減少を含む。
腫瘍溶解性ウイルスの例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、腫瘍溶解性ウイルスを含む。ある実施態様において、腫瘍溶解性ウイルスは、癌細胞中で選択的に複製し、細胞死を誘発するまたは増殖を遅延することができる。ある場合、腫瘍溶解性ウイルスは、非癌細胞に効果を有しないか、効果が最小である。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌の処置に使用する。ある実施態様において、癌は脳腫瘍、例えば、神経膠芽腫(GBM)である。腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍溶解性アデノウイルス、腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルス、腫瘍溶解性レトロウイルス、腫瘍溶解性パルボウイルス、腫瘍溶解性ワクシニアウイルス、腫瘍溶解性シンドビスウイルス、腫瘍溶解性インフルエンザウイルスまたは腫瘍溶解性RNAウイルス(例えば、腫瘍溶解性レオウイルス、腫瘍溶解性ニューカッスル病ウイルス(NDV)、腫瘍溶解性麻疹ウイルスまたは腫瘍溶解性水疱性口内炎ウイルス(VSV))を含むが、これらに限定されない。
ある実施態様において、腫瘍溶解性ウイルスは、GM−CSFをコードする遺伝子を含む組み換えヘルペスウイルス、例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)である。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、GM−CSF遺伝子の挿入は、例えば、腫瘍部位への樹状細胞の動員および刺激により、抗腫瘍免疫応答を増強できると考えられる。例えば、ウイルスを減弱させるおよび/または癌細胞に対する選択性を高めるための、他の修飾をウイルスに行い得る。ある実施態様において、組み換えヘルペスウイルスは、機能的ICP34.5遺伝子、機能的ICP47遺伝子または両方を欠く。ある実施態様において、ICP34.5遺伝子欠失は、非腫瘍細胞のHSV感染を阻止するまたは腫瘍選択的複製を提供する。ある実施態様において、ICP47遺伝子の欠失は、抗原提示を可能にするまたはそれを増加させる。ICP47の欠失は、HSV US11遺伝子発現を増加させ、US11を後期遺伝子ではなく、最初期遺伝子として発現させる。これは、ウイルス複製の程度および腫瘍細胞の腫瘍退縮をさらに増強させ得る。ある実施態様において、HSV−1株JS1を使用して、例えば、他のHSV−1株と比較して、殺腫瘍細胞能を改善させる。ある実施態様において、組み換えヘルペスウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベック(T−VEC)である。T−VECは、ヒトGM−CSFをコードする遺伝子を含むように修飾された単純ヘルペスウイルスタイプ1(HSV−1)に基づく。タリモジーン・ラハーパレプベックは、例えば、国際出願公開WO2014/036412号に記載されている。ある実施態様において、組み合わせを、黒色腫、頭頸部癌、膵臓癌、乳癌、結腸直腸癌または腎臓癌(例えば、腎細胞癌)の処置に使用する。ある実施態様において、腫瘍溶解性ウイルスは、組み換えヘルペスウイルス、例えば、神経弱毒化、複製制限単純ヘルペスウイルスタイプ1(HSV−1)である。ある実施態様において、組み換えヘルペスウイルスは、ICP34.5遺伝子欠失である。ある実施態様において、組み換えヘルペスウイルスは、非分裂細胞において複製できない。ある実施態様において、組み換えヘルペスウイルスは、野生型株17からの改変である。ある実施態様において、組み換えヘルペスウイルスは、HSV1716(SEPREHVIR(登録商標))である。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、腫瘍内注射により、腫瘍溶解性HSV1716は、腫瘍細胞などの分裂細胞で複製し、それを溶解すると考えられる。HSV1716は、例えば、国際出願公開WO2003/068809号に記載される。ある実施態様において、組み合わせを、神経膠腫(例えば、高悪性度神経膠腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮細胞癌)、黒色腫、肝臓癌(例えば、肝細胞癌)、胸膜中皮腫または非CNS小児科癌の処置に使用する。
ある実施態様において、腫瘍溶解性ウイルスは、ワクシニアウイルスである。ある実施態様において、ワクシニアウイルスは、細胞毒性T細胞産生を活性化する遺伝子(例えば、TIRドメイン含有アダプター誘発インターフェロン−β(TRIF)遺伝子)、免疫遮断を減少させる遺伝子(例えば、ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ15−(NAD)(HPGD)遺伝子)または両方を含む。ある実施態様において、ワクシニアウイルスの表面は脱グリコシル化される。ある実施態様において、ワクシニアウイルスは、癌溶解、免疫順応、T細胞刺激または免疫阻害の除去から選択される性質の1以上(例えば、2、3または全て)を有する。ある実施態様において、ワクシニアウイルスは、株ウェスタン・リザーブ(Western Reserve)からの改変である。ある実施態様において、腫瘍溶解性ウイルスは、WO−12(Western Oncolytics Ltd., US)である。ある実施態様において、組み合わせを、固形腫瘍の処置に使用する。
ある実施態様において、腫瘍溶解性ウイルスは、配列内リボソーム進入部位(IRES)が、例えば、神経毒性を減弱または回避するために異種性IRESに置き換えられている、組み換えポリオウイルス、例えば、弱毒性、非病原性腫瘍溶解性ウイルスである。ある実施態様において、異種性IRESは、ヒトライノウイルスタイプ2(HRV2)からのIRESである。ある実施態様において、組み換えポリオウイルスは、腫瘍溶解性ポリオウイルスPVS−RIPO(PVSRIPOとしても知られる)である。PVS−RIPOは、ポリオウイルスの配列内リボソーム進入部位(IRES)が、ヒトライノウイルスタイプ2(HRV2)からのIRESに置き換えられている、経口ポリオウイルスセービンタイプ1の遺伝子改変非病原性バージョンである。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、PVS−RIPOは、この組み換えウイルスにおける異種性HRV2により、感受性、非神経細胞性細胞(例えば、多形神経膠芽腫(GBM))で優先的に繁殖すると考えられる。PVS−RIPOの腫瘍内投与により、ポリオウイルスは、CD155(ポリオウイルス受容体、PVRまたはNECL5)を発現する腫瘍細胞に選択的に取り込まれ、増殖し、最終的に腫瘍細胞溶解を起こすことができる。CD155、癌胎児性細胞接着分子および腫瘍抗原は、GMBなどのある種の癌で異所性に発現され、腫瘍細胞遊走、侵襲および転移に役割を有する。PVS−RIPOは、例えば、国際出願公開WO2014/081937号に記載される。ある実施態様において、組み合わせを、固形腫瘍、例えば、CD155を発現する固形腫瘍の処置に使用する。他の実施態様において、組み合わせを、脳腫瘍、例えば、神経膠芽腫の処置に使用する。
ある実施態様において、腫瘍溶解性ウイルスは、引用により全体を本明細書に包含させるUS2010/0178684A1号に記載のウイルス、例えば、組み換え腫瘍溶解性ウイルスである。ある実施態様において、組み換え腫瘍溶解性ウイルスは、例えば、引用により全体を本明細書に包含させるUS2010/0178684A1号に記載の免疫または炎症性応答の阻害剤を含むかまたはそれをコードする核酸配列(例えば、異種性核酸配列)を含む。ある実施態様において、組み換え腫瘍溶解性ウイルス、例えば、腫瘍溶解性NDVは、アポトーシス促進性タンパク質(例えば、アポプチン)、サイトカイン(例えば、GM−CSF、CSF、インターフェロン−ガンマ、インターロイキン−2(IL−2)、腫瘍壊死因子−アルファ)、免疫グロブリン(例えば、ED−Bフィブロネクチンに対する抗体)、腫瘍関連抗原、二特異的アダプタータンパク質(例えば、NDV HNタンパク質およびCD3またはCD28などのT細胞共刺激性受容体に対する二特異的抗体または抗体フラグメント;またはヒトIL−2およびNDV HNタンパク質に対する一本鎖抗体の融合タンパク質)を含むかまたはそれをコードする核酸配列を含む。例えば、引用により全体を本明細書に包含させる、Zamarin et al. Future Microbiol. 7.3(2012):347-67参照。ある実施態様において、腫瘍溶解性ウイルスは、US8591881B2号、US2012/0122185A1号またはUS2014/0271677A1号に記載のキメラ腫瘍溶解性NDVであり、この各々を、引用により全体を本明細書に包含させる。
ある実施態様において、腫瘍溶解性ウイルスは、排他的に癌細胞で複製するように設計される、条件付複製アデノウイルス(CRAd)を含む。例えば、Alemany et al. Nature Biotechnol. 18(2000):723-27参照。ある実施態様において、腫瘍溶解性アデノウイルスは、引用により全体を本明細書に包含させるAlemany et al.の725頁の表1に記載のものを含む。
腫瘍溶解性ウイルスの例は、次のものを含むが、これらに限定されない。
B群腫瘍溶解性アデノウイルス(ColoAd1)(PsiOxus Therapeutics Ltd.)(例えば、Clinical Trial Identifier: NCT02053220参照);
顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)を含むアデノウイルスであるONCOS−102(以前はCGTG−102と称された)(Oncos Therapeutics)(例えば、Clinical Trial Identifier: NCT01598129参照);
ヒトPH20ヒアルロニダーゼをコードする遺伝子改変腫瘍溶解性ヒトアデノウイルスであるVCN−01(VCN Biosciences, S.L.)(例えば、Clinical Trial Identifiers: NCT02045602およびNCT02045589参照);
脱調節網膜芽細胞腫/E2F経路を有する癌細胞で選択的に複製するように修飾されている、野生型ヒトアデノウイルス血清型5(Had5)由来ウイルスである条件付複製アデノウイルスICOVIR−5(Institut Catala d'Oncologia)(例えば、Clinical Trial Identifier: NCT01864759参照);
ICOVIR5、腫瘍溶解性アデノウイルスに感染した骨髄由来自己間葉性幹細胞(MSC)を含むCelyvir(Hospital Infantil Universitario Nino Jesus, Madrid, Spain/ Ramon Alemany)(例えば、Clinical Trial Identifier: NCT01844661参照);
ヒトE2F−1プロモーターが必須E1aウイルス遺伝子の発現を駆動し、それによりウイルス複製および細胞毒性がRb経路欠損腫瘍細胞に制限される、条件により複製する腫瘍溶解性血清型5アデノウイルス(Ad5)であるCG0070(Cold Genesys, Inc.)(例えば、Clinical Trial Identifier: NCT02143804参照);または
網膜芽細胞腫(Rb)経路欠損細胞で選択的に複製し、あるRGD結合インテグリンを発現する細胞により効率的に感染するように改変されているアデノウイルスである、DNX−2401(以前はデルタ−24−RGDなる名称)(Clinica Universidad de Navarra, Universidad de Navarra/DNAtrix, Inc.)(例えば、Clinical Trial Identifier: NCT01956734参照)。
ある実施態様において、ここに記載する腫瘍溶解性ウイルスを、注射、例えば、皮下、動脈内、静脈内、筋肉内、髄腔内または腹腔内注射により投与する。ある実施態様において、ここに記載する腫瘍溶解性ウイルスを、腫瘍内、経皮、経粘膜、経口、鼻腔内または肺投与により投与する。
ワクチン、例えば、スキャフォールドワクチンの例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、ワクチン、例えば、スキャフォールドワクチンを含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌の処置に使用する。
癌ワクチンは、例えば、PCT公開WO2007/070660号およびWO2012/167230号、EP1960009B1号、米国特許US8,067,237号およびUS8,932,583号および米国公開US2011/0020216号に開示される。癌ワクチン内で使用できる要素(例えば、埋め込み型スキャフォールド物質)は、例えば、PCT公開WO2009/102465号およびWO2013/106852号に開示される。癌ワクチン投与に使用できる方法は、例えば、PCT公開WO2013/158673号、WO2012/048165号およびWO2012/149358号に開示される。
ある実施態様において、癌ワクチンは、(i)細胞または細胞動員組成物および(ii)細胞の遊走を誘発または促進できるデプロイメントシグナルおよび(iii)スキャフォールドに動員された細胞を修飾させるスキャフォールド上に被覆し、またはスキャフォールド内に接種された生理活性組成物を含む、マクロ多孔性スキャフォールドを含む。修飾細胞の遊走は、開放、相互接続マクロ細孔およびデプロイメントシグナルにより促進され得る。
ある実施態様において、癌ワクチンは、動員組成物および標的抗原組成物を有する多孔性スキャフォールドの投与により癌標的に対する内在性免疫応答を誘発し、ここで、内在性抗原提示細胞は抗原と遭遇するためにスキャフォールド内に動員され、そこで、該細胞はデプロイメントシグナルがスキャフォールド外のリンパ節組織への放出を誘発するまで滞在し、それにより該癌標的に対する内在性免疫応答が促進される。
ある実施態様において、癌ワクチンを使用して、スキャフォールド組成物を使用して哺乳動物から標的細胞を除去する。
ある実施態様において、上皮内癌ワクチンは、癌細胞のインプラントスキャフォールドへの動員および細胞毒性剤を使用する細胞の破壊により、産生される。
ある実施態様において、シトシン−グアノシンオリゴヌクレオチド(CpG−ODN)がスキャフォールドの要素として使用され、これは、効率的に再プログラムされ、スキャフォールドに動員された樹状細胞を配置させ、効果的抗腫瘍応答を産生させる。
ある実施態様において、ポリイノシン−ポリシチジン酸(ポリI:C)および/またはCpG ODNを、腫瘍阻害に対する相乗効果を発揮させるために使用する。
ある実施態様において、免疫細胞動員化合物(例えばGM−CSF)および免疫細胞活性化化合物(例えばCpG ODN)を含み、所望により腫瘍ライセートなどの抗原を含む多孔性棒を、例えば、ワクチン抗原に対する免疫応答の誘発のために使用する。ある実施態様において、細胞の動員または放出を促進する細孔は、ヒドロゲル注射後、ヒドロゲル内にインサイチュで形成される。ある実施態様において、注射可能形状記憶多孔性ヒドロゲルポリマーを、投与のために使用する。
他の実施態様において、ここに開示する組み合わせは、癌または腫瘍ワクチンを含む。
使用できる腫瘍ワクチンの非限定的例は、gp100のペプチド、MAGE抗原、Trp−2、MART1および/またはチロシナーゼなどの黒色腫抗原のペプチド、サイトカインGM−CSFを発現するようにトランスフェクトされた腫瘍細胞、DNAベースのワクチン、RNAベースのワクチンおよびウイルス形質導入ベースのワクチンを含む。癌ワクチンは、予防的でも治療的でもよい。
腫瘍に対するワクチン接種に関する多くの実験的戦略が考案されている(Rosenberg, S., 2000, Development of Cancer Vaccines, ASCO Educational Book Spring: 60-62; Logothetis, C., 2000, ASCO Educational Book Spring: 300-302; Khayat, D. 2000, ASCO Educational Book Spring: 414-428; Foon, K. 2000, ASCO Educational Book Spring: 730-738参照; Restifo, N. and Sznol, M., Cancer Vaccines, Ch. 61, pp. 3023-3043 in DeVita, V. et al. (eds.), 1997, Cancer: Principles and Practice of Oncology. Fifth Editionもまた参照)。これらの戦略の一つにおいて、ワクチンは、自己または同種腫瘍細胞を使用して産生される。これらの細胞性ワクチンは、腫瘍細胞がGM−CSFを発現するように形質導入されているとき、最も効果的であることが示されている。GM−CSFは、腫瘍ワクチン接種のための抗原提示の強力なアクティベーターであることが示されている(Dranoff et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90: 3539-43)。
ここに開示する組み合わせ、例えば、PD−1遮断を、腫瘍で発現される組み換えタンパク質および/またはペプチドのコレクションと、これらのタンパク質に対する免疫応答を産生するために組み合わせて使用できる。これらのタンパク質は、免疫系により通常自己抗原として見られ、それゆえに、それらに対して寛容である。腫瘍抗原はまた染色体のテロメアの合成に必要であり、85%を超えるヒト癌で発現されるが、体性組織では限られた数である、タンパク質テロメラーゼも含み得る(Kim, N et al. (1994) Science 266: 2011-2013)。(これらの体性組織は、種々の手段により免疫攻撃から保護され得る)。腫瘍抗原はまたタンパク質配列を変える2つの無関係配列間の融合タンパク質例えば、フィラデルフィア染色体におけるbcr−abl)を作る体性変異により癌細胞に発現される“ネオ抗原”(またはB細胞腫瘍からのイディオタイプでもあり得る。
他の腫瘍ワクチンはまたヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBVおよびHCV)、カポジヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)およびエプスタイン・バールウイルス(EBV)などのヒト癌と関連付けられているウイルスからのタンパク質を含み得る。PD−1遮断と組み合わせて使用し得る腫瘍特異的抗原の他の形態は、腫瘍組織自体から単離された精製ヒートショックタンパク質(HSP)である。これらのヒートショックタンパク質は、腫瘍細胞からのタンパク質のフラグメントを含み、これらのHSPは腫瘍免疫誘発のための抗原提示細胞への送達に高度に効率的である(Suot, R & Srivastava, P (1995) Science 269:1585-1588; Tamura, Y. et al. (1997) Science 278:117-120)。
樹状細胞(DC)は、抗原特異的応答の誘発に使用できる、強力な抗原提示細胞である。DCはエクスビボで産生され、種々のタンパク質およびペプチド抗原ならびに腫瘍細胞抽出物に添加され得る(Nestle, F. et al. (1998) Nature Medicine 4: 328-332)。DCはまた、これらの腫瘍抗原を発現させるように、遺伝的手段により形質導入もされ得る。DCはまた免疫化の目的で腫瘍細胞と直接融合もさせてよい(Kugler, A. et al. (2000) Nature Medicine 6:332-336)。ワクチン接種の方法として、DC免疫化を、より強力な抗腫瘍応答を活性化するために、他の薬剤、例えば、PD−1遮断と効率的に組み合わせ得る。
二特異的T細胞アンガジェの例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、二特異的T細胞アンガジェを含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、消化器癌、黒色腫または肺癌)または血液系腫瘍(例えば、リンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫)または白血病(例えば、急性リンパ芽球性白血病)の処置に使用する。
二特異的T細胞アンガジェ(BiTE(登録商標))は、癌細胞に対する宿主免疫系、例えば、T細胞の細胞毒性活性を指示できる、人工的二特異的モノクローナル抗体のクラスである。二特異的T細胞アンガジェは、T細胞と腫瘍細胞の連結により形成でき、これは、MHC Iまたは共刺激性分子の存在と無関係に、パーフォリンおよびグランザイム等のタンパク質を産生させることにより、T細胞に腫瘍細胞に対する細胞毒性活性を発揮させる。これらのタンパク質は腫瘍細胞に入り、細胞のアポトーシスを開始させる。この作用は、腫瘍細胞に対するT細胞攻撃で観察される生理学的過程を模倣する。
ある実施態様において、二特異的T細胞アンガジェは、異なる抗体の2個の一本鎖可変フラグメント(scFv)を含む、融合タンパク質である。ある実施態様において、scFvの一方は、例えば、CD3受容体によりT細胞に結合し、他方は、例えば、腫瘍特異的分子により腫瘍細胞に結合する。
ある実施態様において、二特異的T細胞アンガジェは、NKG2AおよびCD138の二特異的抗体分子またはCD3およびTCRの二特異的抗体分子である。ある実施態様において、二特異的T細胞アンガジェは、CD3および腫瘍抗原(例えば、数ある中でEGFR、PSCA、PSMA、EpCAM、HER2)に結合する二特異的抗体分子である。
ある実施態様において、二特異的T細胞アンガジェは、ブリナツモマブ(CAS Registry Number: 853426-35-4)である。ブリナツモマブは、MT103としても知られる。ブリナツモマブは、T細胞についてはCD3部位およびB細胞についてはCD19部位を特異的に標的とする。
ある実施態様において、二特異的T細胞アンガジェは、MT110である。MT110は、EpCAMおよびCD3を標的とする一本鎖抗体である。MT110は、例えば、Amann et al. J Immunother. 2009;32(5):452-64に開示される。
ある実施態様において、二特異的T細胞アンガジェは、黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)を標的とする。ある実施態様において、二特異的T細胞アンガジェは、CD33を標的とする。ある実施態様において、二特異的T細胞アンガジェは、トラスツズマブ(HER2/neuをターゲティング)、セツキシマブまたはパニツムマブ(両方ともEGF受容体をターゲティング)、機能的そのフラグメントを含む。ある実施態様において、二特異的T細胞アンガジェは、CD66eおよびEphA2を標的とする。
GITRアゴニストの例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、GITRアゴニストを含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍または血液系腫瘍の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、フォークヘッドボックスP3(FoxP3)発現癌、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC))または肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))から選択される。
ある実施態様において、GITRアゴニストは、抗GITR抗体分子である。抗GITR抗体分子の例は、例えば、国際出願公開WO2016/057846号(例えば、Mab7)に記載される。ある実施態様において、抗GITR抗体分子は、GFSLSSY(配列番号301)のHCDR1配列(WO2016/057846号の配列番号84として開示)、WGGGG(配列番号302)のHCDR2配列(WO2016/057846号の配列番号80として開示)、HAYGHDGGFAMDY(配列番号303)のHCDR3配列(WO2016/057846号の配列番号29として開示)、SESVSSN(配列番号304)のLCDR1(WO2016/057846号の配列番号85として開示)、GAS(配列番号305)のLCDR2(WO2016/057846号の配列番号82として開示)およびSYSYPF(配列番号306)のLCDR3(WO2016/057846号の配列番号83として開示)を含み、全てChothia CDR定義による。他の実施態様において、抗GITR抗体分子は、SYGVD(配列番号307)のHCDR1配列(WO2016/057846号の配列番号22として開示)、VIWGGGGTYYASSLMG(配列番号308)のHCDR2配列(WO2016/057846号の配列番号25として開示)、HAYGHDGGFAMDY(配列番号303)のHCDR3配列(WO2016/057846号の配列番号29として開示)、RASESVSSNVA(配列番号309)のLCDR1(WO2016/057846号の配列番号30として開示)、GASNRAT(配列番号310)のLCDR2(WO2016/057846号の配列番号33として開示)およびGQSYSYPFT(配列番号311)のLCDR3(WO2016/057846号の配列番号34として開示)を含み、全てKabat CDR定義による。
ある実施態様において、抗GITR抗体分子は、重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列EVQLVESGGGLVQSGGSLRLSCAASGFSLSSYGVDWVRQAPGKGLEWVGVIWGGGGTYYASSLMGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARHAYGHDGGFAMDYWGQGTLVTVSS(配列番号312)(WO2016/057846号の配列番号99として開示)を含む。ある実施態様において、抗GITR抗体分子は、軽鎖可変領域(VL)アミノ酸配列EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCRASESVSSNVAWYQQRPGQAPRLLIYGASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCGQSYSYPFTFGQGTKLEIK(配列番号313)(WO2016/057846号の配列番号7として開示)を含む。
ある実施態様において、抗GITR抗体分子は、重鎖(HC)アミノ酸配列EVQLVESGGGLVQSGGSLRLSCAASGFSLSSYGVDWVRQAPGKGLEWVGVIWGGGGTYYASSLMGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARHAYGHDGGFAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号314)(WO2016/057846号の配列番号100として開示)を含む。ある実施態様において、抗GITR抗体分子は、軽鎖(LC)アミノ酸配列EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCRASESVSSNVAWYQQRPGQAPRLLIYGASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCGQSYSYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号315)(WO2016/057846号の配列番号66として開示)を含む。
GITRアゴニストの例は、例えば、GITR融合タンパク質および抗GITR抗体(例えば、二価抗GITR抗体)、例えば、米国特許6,111,090号、欧州特許0920505B1号、U.S特許8,586,023号、PCT公開WO2010/003118号および2011/090754号に記載のGITR融合タンパク質または、例えば、米国特許7,025,962号、欧州特許1947183B1号、米国特許7,812,135号、米国特許8,388,967号、米国特許8,591,886号、欧州特許EP1866339号、PCT公開WO2011/028683号、米国特許8,709,424号、PCT公開WO2013/039954号、国際公開WO2013/039954号、米国公開US2014/007256号6、国際公開WO2015/026684号、PCT公開WO2005/007190号、PCT公開WO2007/133822号、PCT公開WO2005/055808号、PCT公開WO99/40196号、PCT公開WO2001/03720、号PCT公開WO99/20758号、米国特許6,689,607号、PCT公開WO2006/083289号、PCT公開WO2005/115451号、米国特許7,618,632号、PCT公開WO2011/051726号、国際公開WO2004/060319号および国際公開WO2014/012479号に記載の抗GITR抗体を含む。
ある実施態様において、GITRアゴニストを、例えば、WO2015/026684号に記載のとおり、PD−1阻害剤と組み合わせて使用する。
他の実施態様において、GITRアゴニストを、例えば、WO2004/060319号および国際公開WO2014/012479号に記載のとおり、TLRアゴニストと組み合わせて使用する。
PD−1阻害剤の例
PD−1は、例えば、活性化CD4+およびCD8+ T細胞、TregおよびB細胞に発現される、CD28/CTLA−4ファミリーメンバーである。それは、エフェクターT細胞シグナル伝達および機能を負に制御する。PD−1は、腫瘍浸潤性T細胞で誘発され、機能的消耗または機能不全をもたらし得る(Keir et al. (2008) Annu. Rev. Immunol. 26:677-704; Pardoll et al. (2012) Nat Rev Cancer 12(4):252-64)。PD−1は、2個のリガンド、プログラム死−リガンド1(PD−L1)またはプログラム死−リガンド2(PD−L2)の何れかへの結合により共阻害性シグナルを送達する。PD−L1はT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、樹状細胞(DC)、B細胞、上皮性細胞、血管内皮細胞を含む多数の細胞型ならびに多くのタイプの腫瘍で発現される。マウスおよびヒト腫瘍でのPD−L1の高発現は、多様な癌で臨床転帰不良と相関する(Keir et al. (2008) Annu. Rev. Immunol. 26:677-704; Pardoll et al. (2012) Nat Rev Cancer 12(4):252-64)。PD−L2は樹状細胞、マクロファージおよび一部腫瘍で発現される。PD−1経路の遮断は、前臨床的および臨床的に癌免疫療法について検証されている。前臨床および臨床試験の何れも、抗PD−1遮断がエフェクターT細胞活性を回復し、強い抗腫瘍応答をもたらすことを示している。例えば、PD−1経路の遮断は、消耗/機能不全エフェクターT細胞機能(例えば、増殖、IFN−γ分泌または細胞溶解性機能)の回復および/またはTreg細胞機能の阻害ができる(Keir et al. (2008) Annu. Rev. Immunol. 26:677-704; Pardoll et al. (2012) Nat Rev Cancer 12(4):252-64)。PD−1経路の遮断は、PD−1、PD−L1および/またはPD−L2の抗体、その抗原結合フラグメント、イムノアドヘシン、融合タンパク質またはオリゴペプチドで実施され得る。
ここで使用する、用語“プログラム死1”または“PD−1”は、アイソフォーム、哺乳動物、例えば、ヒトPD−1、ヒトPD−1の種ホモログおよびPD−1と少なくとも1つの共通エピトープを含むアナログを含む。PD−1、例えば、ヒトPD−1のアミノ酸配列は文献、例えば、Shinohara T et al. (1994) Genomics 23(3):704-6; Finger LR, et al. Gene (1997) 197(1-2):177-87において知られる。
ここに記載する抗PD−1抗体分子を、ここに記載する方法に従い、単独でまたはここに記載する1以上の付加的薬剤との組み合わせで使用できる。ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、PD−1阻害剤、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子(例えば、ヒト化抗体分子)を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子(例えば、単離または組み換え抗体分子)は、次の性質の1以上を有する。
(i)PD−1、例えば、ヒトPD−1に、高親和性で、例えば、少なくとも約107M−1、一般に約108M−1、より一般に、約109M−1〜1010M−1以上の親和性定数で結合する;
(ii)CD28、CTLA−4、ICOSまたはBTLAに実質的に結合しない;
(iii)PD−1のPD−1リガンド、例えば、PD−L1またはPD−L2または両方への結合を阻害または低減する;
(iv)PD−1のエピトープ、例えば、マウスモノクローナル抗体BAP049またはキメラ抗体BAP049、例えば、BAP049−chiまたはBAP049−chi−Yにより認識されるエピトープと同一または類似のエピトープに特異的に結合する;
(v)BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかと同一または類似の結合親和性または特異性または両方を示す;
(vi)表1に記載の抗体分子(例えば、重鎖可変領域および軽鎖可変領域)と同一または類似の結合親和性または特異性または両方を示す;
(vii)表1に示すアミノ酸配列を有する抗体分子(例えば、重鎖可変領域および軽鎖可変領域)と同一または類似の結合親和性または特異性または両方を示す;
(viii)表1に示すヌクレオチド配列によりコードされる抗体分子(例えば、重鎖可変領域および軽鎖可変領域)と同一または類似の結合親和性または特異性または両方を示す;
(ix)PD−1の第二抗体分子への結合を阻害、例えば、競合的阻害し、ここで、第二抗体分子はここに記載する抗体分子、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される、例えば、抗体分子である;
(x)第二抗体分子と同一または重複エピトープでPD−1に結合し、ここで、第二抗体分子は、ここに記載する抗体分子、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される、例えば、抗体分子である;
(xi)第二抗体分子とPD−1の結合について競合するおよび/または同じエピトープで結合し、ここで、第二抗体分子はここに記載する抗体分子、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される、例えば、抗体分子である;
(xii)ここに記載する抗体分子、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される、例えば、抗体分子の1以上の生物学的性質を有する;
(xiii)ここに記載する抗体分子、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される、例えば、抗体分子の1以上の薬物動態的性質を有する;
(xiv)例えば、腫瘍浸潤リンパ球の増加、T細胞受容体介在増殖の増加または癌細胞による免疫回避の減少の1以上をもたらすPD−1の活性の1以上を阻害する;
(xv)ヒトPD−1と結合し、カニクイザルPD−1と交差反応性である;
(xvi)PD−1のC鎖、CC’ループ、C’鎖またはFGループ内の1以上の残基またはPD−1のC鎖、CC’ループ、C’鎖またはFGループの2、3または全ては組み合わせと結合し、例えば、ここで、結合は、ELISAまたはBiacoreを使用してアッセイする;または
(xvii)VH領域よりもPD−1への結合に貢献するVL領域を有する。
ある実施態様において、抗体分子は、PD−1に、高親和性で、例えば、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子、例えば、ここに記載するマウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のKDとほぼ同じまたは少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%高いまたは低いKDで結合する。ある実施態様において、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のKDは、例えば、Biacore方法により測定して、約0.4nM、0.3nM、0.2nM、0.1nMまたは0.05nM未満である。ある実施態様において、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のKDは、約0.2nM未満、例えば、約0.135nMである。他の実施態様において、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のKDは、例えば、PD−1発現細胞(例えば、300.19細胞)への結合により測定して、約10nM、5nM、3nM、2nMまたは1nM未満である。ある実施態様において、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のKDは、約5nM未満、例えば、約4.60nM(または約0.69μg/mL)である。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、PD−1に1×10−4、5×10−5または1×10−5s−1より遅い、例えば、約1.65×10−5s−1のKoffで結合する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、PD−1に1×104、5×104、1×105または5×105M−1s−1より速い、例えば、約1.23×105M−1s−1のKonで結合する。
ある実施態様において、抗体分子の発現レベルは、マウスまたはキメラ抗体分子、例えば、ここに記載するマウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子の発現レベルより高い、例えば、少なくとも約0.5倍、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高い。ある実施態様において、抗体分子は、CHO細胞で発現される。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、PD−1関連活性の1以上を、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子、例えば、ここに記載するマウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のIC50とほぼ同じまたは低い、例えば、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%低いIC50(50%阻害濃度)で阻害する。ある実施態様において、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のIC50は、例えば、PD−1発現細胞(例えば、300.19細胞)への結合により測定して、約6nM、5nM、4nM、3nM、2nMまたは1nM未満である。ある実施態様において、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のIC50は、約4nM未満、例えば、約3.40nM(または約0.51μg/mL)である。ある実施態様において、減少されるPD−1関連活性は、PD−L1および/またはPD−L2のPD−1への結合である。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)により活性化される末梢血単核細胞(PBMC)に結合する。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、SEBにより活性化された全血におけるIL−2発現を増加させる。例えば、抗PD−1抗体は、アイソタイプ対照(例えば、IgG4)を使用したときのIL−2発現と比較して、IL−2発現を少なくとも約2倍、3倍、4倍または5倍増加させる。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、安定性が改善されており、例えば、インビボまたはインビトロでマウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子、例えば、ここに記載するマウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子より少なくとも約0.5倍、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍安定である。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子はヒト化抗体分子であり、T細胞エピトープ解析に基づき、300〜700、400〜650、450〜600のリスクスコアまたはここに記載するリスクスコアを有する。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体からの少なくとも1抗原結合領域、例えば、可変領域またはその抗原結合フラグメント;または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体からの少なくとも1、2、3または4可変領域;または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体からの少なくとも1または2重鎖可変領域;または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体からの少なくとも1または2軽鎖可変領域;または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、IgG4、例えば、ヒトIgG4の重鎖定常領域を含む。ある実施態様において、ヒトIgG4は、EUナンバリングによる228位に置換(例えば、SerからPro置換)を含む。さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、IgG1、例えば、ヒトIgG1の重鎖定常領域を含む。ある実施態様において、ヒトIgG1は、EUナンバリングによる297位に置換(例えば、AsnからAla置換)を含む。ある実施態様において、ヒトIgG1は、EUナンバリングによる265位に置換、EUナンバリングによる329位に置換または両方を含む(例えば、265位はAspからAla置換および/または329位はProからAla置換)。ある実施態様において、ヒトIgG1は、EUナンバリングによる234位に置換、EUナンバリングによる235位に置換または両方を含む(例えば、234位にLeuからAla置換および/または235位にLeuからAla置換)。ある実施態様において、重鎖定常領域は、表3に示すアミノ配列またはそれと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、カッパ軽鎖定常領域、例えば、ヒトカッパ軽鎖定常領域を含む。ある実施態様において、軽鎖定常領域は、表3に示すアミノ配列またはそれと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、IgG4、例えば、ヒトIgG4の重鎖定常領域およびカッパ軽鎖定常領域、例えば、ヒトカッパ軽鎖定常領域、例えば、表3に示すアミノ配列またはそれと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む重鎖および軽鎖定常領域を含む。ある実施態様において、ヒトIgG4は、EUナンバリングによる228位に置換(例えば、SerからPro置換)を含む。さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、IgG1、例えば、ヒトIgG1の重鎖定常領域およびカッパ軽鎖定常領域、例えば、ヒトカッパ軽鎖定常領域、例えば、表3に示すアミノ配列またはそれと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む重鎖および軽鎖定常領域を含む。ある実施態様において、ヒトIgG1は、EUナンバリングによる297位に置換(例えば、AsnからAla置換)を含む。ある実施態様において、ヒトIgG1は、EUナンバリングによる265位に置換、EUナンバリングによる329位に置換または両方を含む(例えば、265位はAspからAla置換および/または329位はProからAla置換)。ある実施態様において、ヒトIgG1は、EUナンバリングによる234位に置換、EUナンバリングによる235位に置換または両方を含む(例えば、234位にLeuからAla置換および/または235位にLeuからAla置換)。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eのアミノ酸配列;または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む、重鎖可変ドメインおよび定常領域、軽鎖可変ドメインおよび定常領域または両方を含む。抗PD−1抗体分子、所望により、は、表4に示す重鎖、軽鎖または両方からのリーダー配列;またはそれと実質的に同一である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3の相補性決定領域(CDR);または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDR(または集合的にCDR全部)を含む。ある実施態様において、CDR(または集合的にCDR全部)の1以上は、表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDR;または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDR(または集合的にCDR全部)を含む。ある実施態様において、CDR(または集合的にCDR全部)の1以上は、表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、軽鎖CDRに置換、例えば、軽鎖におけるCDR1、CDR2および/またはCDR3に1以上の置換を含む。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、軽鎖可変領域の102位で軽鎖CDR3における置換、例えば、表1による軽鎖可変領域の102位でのシステイン残基からチロシン残基またはシステイン残基からセリン残基への置換を含む(例えば、マウスまたはキメラ、非修飾について配列番号16または24;または修飾配列について配列番号34、42、46、54、58、62、66、70、74または78の何れか)。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5または6CDR(または集合的にCDR全部)を含む。ある実施態様において、CDR(または集合的にCDR全部)の1以上は、表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体からの全6CDR;または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされたまたは密接に関係するCDR、例えば、同一であるかまたは少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えないCDRを含む。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する任意のCDRを含み得る。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、軽鎖CDRに置換、例えば、軽鎖におけるCDR1、CDR2および/またはCDR3に1以上の置換を含む。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、軽鎖可変領域の102位で軽鎖CDR3における置換、例えば、表1による軽鎖可変領域の102位でのシステイン残基からチロシン残基またはシステイン残基からセリン残基への置換を含む(例えば、マウスまたはキメラ、非修飾について配列番号16または24;または修飾配列について配列番号34、42、46、54、58、62、66、70、74または78の何れか)。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の重鎖可変領域からのKabat et al.による少なくとも1、2または3CDR(例えば、表1に示すKabat定義による少なくとも1、2または3CDR);または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列;または表1に示すKabat et al.による1、2または3CDRと比較して少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えないものを含む。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の軽鎖可変領域からのKabat et al.による少なくとも1、2または3CDR(例えば、表1に示すKabat定義による少なくとも1、2または3CDR);または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列;または表1に示すKabat et al.による1、2または3CDRと比較して少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えないものを含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の重鎖および軽鎖可変領域からのKabat et al.による少なくとも1、2、3、4、5または6CDR(例えば、表1に示すKabat定義による少なくとも1、2、3、4、5または6CDR);または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列;または表1に示すKabat et al.による1、2、3、4、5または6CDRと比較して少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えないものを含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の重鎖および軽鎖可変領域からのKabat et al.による全6CDR(例えば、表1に示すKabat定義による全6CDR);または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列;または表1に示すKabat et al.による全6CDRと比較して少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えないものを含む。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する任意のCDRを含み得る。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3Chothia超可変ループ(例えば、表1に示すChothia定義による少なくとも1、2または3超可変ループ);または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または少なくともPD−1と接触する超可変ループからのアミノ酸;または表1に示すChothia et al.による1、2または3超可変ループと比較して少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えないものを含む。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の軽鎖可変領域の少なくとも1、2または3Chothia超可変ループ(例えば、表1に示すChothia定義による少なくとも1、2または3超可変ループ);または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または少なくともPD−1と接触する超可変ループからのアミノ酸;または表1に示すChothia et al.による1、2または3超可変ループと比較して少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えないものを含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5または6超可変ループ(例えば、表1に示すChothia定義による少なくとも1、2、3、4、5または6超可変ループ);または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;または少なくともPD−1と接触する超可変ループからのアミノ酸;または表1に示すChothia et al.による1、2、3、4、5または6超可変ループと比較して少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えないものを含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の全6超可変ループ(例えば、表1に示すChothia定義による全6超可変ループ)または密接に関係する超可変ループ、例えば、同一であるかまたは少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えない超可変ループ;または表1に示すChothia et al.による全6超可変ループと比較して少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えないものを含む。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載するどの超可変ループを含んでもよい。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の対応する超可変ループと同じ標準構造、例えば、ここに記載する抗体の少なくともループ1および/またはループ2と同じ標準構造を有する少なくとも1、2または3超可変ループを含む。超可変ループ標準構造の記載について、例えば、Chothia et al., (1992) J. Mol. Biol. 227:799-817; Tomlinson et al., (1992) J. Mol. Biol. 227:776-798参照。これらの構造は、これらの引用文献に記載された表の精査により決定され得る。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、Kabat et al.およびChothia et al.により定義したCDRまたは超可変ループの組み合わせを含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、KabatおよびChothia定義(例えば、表1に示すKabatおよびChothia定義による少なくとも1、2または3CDRまたは超可変ループ)による、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体;または表1におけるヌクレオチド配列によりコードされる重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDRまたは超可変ループ;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列;または表1に示すKabatおよび/またはChothiaによる1、2または3CDRまたは超可変ループと比較して少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えないものを含む。
例えば、抗PD−1抗体分子は、例えば、表1に示す、Kabat et al.によるVH CDR1またはChothia et al.によるVH超可変ループ1またはこれらの組み合わせを含み得る。ある実施態様において、VH CDR1のKabatおよびChothia CDRの組み合わせは、アミノ酸配列GYTFTTYWMH(配列番号224)またはアミノ酸それと実質的に同一である配列(例えば、少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えない)を含む。抗PD−1抗体分子は、さらに、例えば、表1に示す、例えば、Kabat et al.によるVH CDR2〜3およびKabat et al.によるVL CDR1〜3を含み得る。従って、ある実施態様において、フレームワーク領域は、Kabat et al.により定義されたCDRおよびChothia et al.により定義された超可変ループの組み合わせに基づき、定義される。例えば、抗PD−1抗体分子は、例えば、表1に示すとおり、Chothia et al.によるVH超可変ループ1に基づき定義されるVH FR1およびKabat et al.によるVH CDR1〜2に基づき定義されるVH FR2を含み得る。抗PD−1抗体分子は、さらに、例えば、Kabat et al.によるVH CDR2〜3に基づき定義されるVH FR3〜4およびKabat et al.によるVL CDR1〜3に基づき定義されるVL FR1〜4を含み得る。
抗PD−1抗体分子は、KabatおよびChothia定義によるCDRまたは超可変ループのあらゆる組み合わせを含み得る。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、KabatおよびChothia定義による、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDR(例えば、表1に示すKabatおよびChothia定義による少なくとも1、2または3CDR)を含む。
ある実施態様、例えば、可変領域、CDR(例えば、Chothia CDRまたはKabat CDR)またはここに、例えば、表1に記載する他の配列を含む実施態様において、抗体分子は単特異的抗体分子、二特異的抗体分子または抗体の抗原結合フラグメント、例えば、半抗体または半抗体の抗原結合フラグメントを含む抗体分子である。ある実施態様において、抗体分子は、PD−1に対する第一結合特異性およびTIM−3、LAG−3、CEACAM(例えば、CEACAM−1および/またはCEACAM−5)、PD−L1またはPD−L2に対する第二結合特異性を有する二特異的抗体分子である。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、
(a)配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);および配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL);
(b)配列番号1から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL;
(c)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL;または
(d)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL
を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLを含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、配列番号1のVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLを含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLを含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLを含む。
ある実施態様において、抗体分子は、ヒト化抗体分子である。他の実施態様において、抗体分子は、単特異的抗体分子である。さらに他の実施態様において、抗体分子は、二特異的抗体分子である。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、
(i)配列番号1、配列番号4または配列番号224から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);および
(ii)配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)
を含む。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、
(i)配列番号1、配列番号4または配列番号224から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);および
(ii)配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)
を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、配列番号1のVHCDR1アミノ酸配列を含む。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列を含む。さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子の軽鎖または重鎖可変フレームワーク(例えば、少なくともFR1、FR2、FR3および所望によりFR4を含む領域)は、(a)ヒト軽鎖または重鎖可変フレームワーク、例えば、ヒト成熟抗体、ヒト生殖系列配列またはヒトコンセンサス配列からの軽鎖または重鎖可変フレームワーク残基のアミノ酸残基の少なくとも80%、85%、87%、90%、92%、93%、95%、97%、98%または好ましくは100%を含む軽鎖または重鎖可変フレームワーク、(b)ヒト軽鎖または重鎖可変フレームワーク、例えば、ヒト成熟抗体、ヒト生殖系列配列またはヒトコンセンサス配列からの軽鎖または重鎖可変フレームワーク残基からのアミノ酸残基の20%〜80%、40%〜60%、60%〜90%または70%〜95%を含む軽鎖または重鎖可変フレームワーク、(c)非ヒトフレームワーク(例えば、齧歯類フレームワーク)または(d)例えば、抗原性または細胞毒性決定基を除去するために修飾されている、例えば、脱免疫化または部分的ヒト化されている、非ヒトフレームワークから選択され得る。ある実施態様において、軽鎖または重鎖可変フレームワーク領域(特にFR1、FR2および/またはFR3)は、ヒト生殖系列遺伝子のVLまたはVHセグメントのフレームワークと少なくとも70、75、80、85、87、88、90、92、94、95、96、97、98、99%同一または同一である軽鎖または重鎖可変フレームワーク配列を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−chi−HCのアミノ酸配列、例えば、図9A〜9Bまたは配列番号18、20、22または30に示す、可変領域全体における、例えば、FR領域のアミノ酸配列から少なくとも1、2、3、4、5、6、7、10、15、20またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する重鎖可変ドメインを含む。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−chi−HCのアミノ酸配列、例えば、可変領域全体、例えば、図9A〜9Bまたは配列番号18、20、22または30に示すにおけるFRのアミノ酸配列の1位にE、5位にV、9位にA、11位にV、12位にK、13位にK、16位にE、18位にL、19位にR、20位にIまたはV、24位にG、37位にI、40位にAまたはS、41位にT、42位にS、43位にR、48位にMまたはL、68位にVまたはF、69位にT、70位にI、71位にS、72位にAまたはR、74位にKまたはN、76位にTまたはK、77位にSまたはN、79位にL、81位にL、82位にEまたはQ、83位にM、84位にSまたはN、87位にR、88位にAまたは91位にTの1以上を有する重鎖可変ドメインを含む。
ここに記載するBAP049−chi−HCの重鎖置換とは別にまたはこれと組み合わせて、抗PD−1抗体分子は、BAP049−chi−LCのアミノ酸配列、例えば、図10A〜10Bまたは配列番号24または26に示すアミノ酸配列から、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、10、15、20またはそれ以上のアミノ酸変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する、軽鎖可変ドメインを含む。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−chi−LCのアミノ酸配列、例えば、図10A〜10Bまたは配列番号24または26に示すアミノ酸配列の1位にE、2位にV、3位にQ、L4位に、T7位に、DまたはLまたは9位にA、FまたはT10位に、Q11位に、12位にSまたはP、13位にLまたはA、14位にS、15位にPまたはLまたはV、16位にK、17位にQまたはD、18位にR、19位にA、20位にS、21位にIまたはL、22位にT、43位にL、48位にK、49位にAまたはS、51位にRまたはQ、55位にY、64位にI、66位にSまたはP、69位にS、73位にY、74位にG、76位にE、79位にF、82位にN、83位にN、84位にLまたはI、85位にE、86位にSまたはP、87位にD、89位にAまたはFまたはI、91位にTまたはY、93位Fにまたは102位にYの1以上を有する軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、1、2、3または4重鎖フレームワーク領域(例えば、表2に示すまたは表2に示すヌクレオチド配列によりコードされるVHFWアミノ酸配列)またはそれと実質的に同一である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、1、2、3または4軽鎖フレームワーク領域(例えば、表2に示すまたは表2に示すヌクレオチド配列によりコードされるVLFWアミノ酸配列)またはそれと実質的に同一である配列を含む。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、1、2、3または4重鎖フレームワーク領域(例えば、表2に示すまたは表2に示すヌクレオチド配列によりコードされるVHFWアミノ酸配列)またはそれと実質的に同一である配列;および1、2、3または4軽鎖フレームワーク領域(例えば、表2に示すまたは表2に示すヌクレオチド配列によりコードされるVLFWアミノ酸配列)またはそれと実質的に同一である配列を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP04
9−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの重鎖フレームワーク領域1(VHFW1)(例えば、配列番号147)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum14またはBAP049−hum15の重鎖フレームワーク領域1(VHFW1)(例えば、配列番号151)を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum09、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−CまたはBAP049−Clone−Eの重鎖フレームワーク領域2(VHFW2)(例えば、配列番号153)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum08、BAP049−hum10、BAP049−hum14、BAP049−hum15またはBAP049−Clone−Dの重鎖フレームワーク領域2(VHFW2)(例えば、配列番号157)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum16の重鎖フレームワーク領域2(VHFW2)(例えば、配列番号160)を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum09、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−CまたはBAP049−Clone−Eの重鎖フレームワーク領域3(VHFW3)(例えば、配列番号162)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum08、BAP049−hum10、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16またはBAP049−Clone−Dの重鎖フレームワーク領域3(VHFW3)(例えば、配列番号166)を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの重鎖フレームワーク領域4(VHFW4)(例えば、配列番号169)を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum15、BAP049−hum16またはBAP049−Clone−Cの軽鎖フレームワーク領域1(VLFW1)(例えば、配列番号174)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum07、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum14、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの軽鎖フレームワーク領域1(VLFW1)(例えば、配列番号177)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum06の軽鎖フレームワーク領域1(VLFW1)(例えば、配列番号181)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum13の軽鎖フレームワーク領域1(VLFW1)(例えば、配列番号183)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum02、BAP049−hum03またはBAP049−hum12の軽鎖フレームワーク領域1(VLFW1)(例えば、配列番号185)を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum06、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの軽鎖フレームワーク領域2(VLFW2)(例えば、配列番号187)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum07、BAP049−hum13またはBAP049−Clone−Cの軽鎖フレームワーク領域2(VLFW2)(例えば、配列番号191)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum12の軽鎖フレームワーク領域2(VLFW2)(例えば、配列番号194)を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの軽鎖フレームワーク領域3(VLFW3)(例えば、配列番号196)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum02またはBAP049−hum03の軽鎖フレームワーク領域3(VLFW3)(例えば、配列番号200)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum01またはBAP049−Clone−Aの軽鎖フレームワーク領域3(VLFW3)(例えば、配列番号202)を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum04、BAP049−hum05またはBAP049−Clone−Bの軽鎖フレームワーク領域3(VLFW3)(例えば、配列番号205)を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの軽鎖フレームワーク領域4(VLFW4)(例えば、配列番号208)を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP−hum07、BAP049−hum09、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−CまたはBAP049−Clone−E(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)および配列番号162(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum08、BAP049−hum10またはBAP049−Clone−D(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)および配列番号166(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum14またはBAP049−hum15(例えば、配列番号151(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)および配列番号166(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum16(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号160(VHFW2)および配列番号166(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、さらにBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの重鎖フレームワーク領域4(VHFW4)(例えば、配列番号169)を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01またはBAP049−Clone−A(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号202(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum02またはBAP049−hum03(例えば、配列番号185(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号200(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum04、BAP049−hum05またはBAP049−Clone−B(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)および配列番号205(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum06(例えば、配列番号181(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum07(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum15、BAP049−hum16またはBAP049−Clone−C(例えば、配列番号174(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum14、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−E(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum12(例えば、配列番号185(VLFW1)、配列番号194(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、BAP049−hum13(例えば、配列番号183(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。ある実施態様において、抗体分子は、さらにBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの軽鎖フレームワーク領域4(VLFW4)(例えば、配列番号208)を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01またはBAP049−Clone−A(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)および配列番号162(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum01またはBAP049−Clone−A(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号202(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum02(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)および配列番号162(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum02(例えば、配列番号185(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号200(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum03(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)および配列番号166(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum03(例えば、配列番号185(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号200(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum04(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)および配列番号166(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum04(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)および配列番号205(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum05またはBAP049−Clone−B(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)および配列番号162(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum05またはBAP049−Clone−B(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)および配列番号205(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum06(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)および配列番号162(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum06(例えば、配列番号181(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum07(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)および配列番号162(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum07(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum08(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)および配列番号166(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum08(例えば、配列番号174(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum09またはBAP049−Clone−C(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)および配列番号162(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum09またはBAP049−Clone−C(例えば、配列番号174(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum10またはBAP049−Clone−D(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)および配列番号166(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum10またはBAP049−Clone−D(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum11またはBAP049−Clone−E(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)および配列番号162(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum11またはBAP049−Clone−E(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum12(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)および配列番号162(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum12(例えば、配列番号185(VLFW1)、配列番号194(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum13(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)および配列番号162(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum13(例えば、配列番号183(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum14(例えば、配列番号151(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)および配列番号166(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum14(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum15(例えば、配列番号151(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)および配列番号166(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum15(例えば、配列番号174(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum16(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号160(VHFW2)および配列番号166(VHFW3))の重鎖フレームワーク領域1〜3およびBAP049−hum16(例えば、配列番号174(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)および配列番号196(VLFW3))の軽鎖フレームワーク領域1〜3を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、さらにBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの重鎖フレームワーク領域4(VHFW4)(例えば、配列番号169)およびBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの軽鎖フレームワーク領域4(VLFW4)(例えば、配列番号208)を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、図5または7に示すフレームワーク領域FW1、FW2およびFW3の組み合わせを有する重鎖フレームワーク領域を含む。他の実施態様において、抗体分子図5または7に示すフレームワーク領域FW1、FW2およびFW3の組み合わせを有する軽鎖フレームワーク領域を含む。さらに他の実施態様において、抗体分子は、図5または7に示すフレームワーク領域FW1、FW2およびFW3の組み合わせを有する重鎖フレームワーク領域および図5または7に示すフレームワーク領域FW1、FW2およびFW3の組み合わせを有する軽鎖フレームワーク領域を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子の重鎖または軽鎖可変ドメインまたは両方は、ここに開示するアミノ酸と実質的に同一である、例えば、ここに記載する抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体の可変領域と少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一であるアミノ酸配列;または表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされた;またはここに記載する抗体の可変領域と少なくとも1または5残基、しかし、40、30、20または10残基未満異なるものを含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子の重鎖または軽鎖可変領域または両方は、ここに記載する核酸配列または、例えば、ここに記載する低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシーまたは高ストリンジェンシーまたは他のハイブリダイゼーション下、ここに記載する核酸配列(例えば、表1および2に示す核酸配列)またはその相補体とハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含む。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、少なくとも1、2、3または4抗原結合領域、例えば、表1に示すアミノ酸配列またはそれと実質的に同一である配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一であるまたは表1に示す配列と1、2、5、10または15アミノ酸残基を超えて異ならない配列)を有する、可変領域を含む。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、表1に示すヌクレオチド配列またはそれと実質的に同一である配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上であるまたは表1に示す配列と3、6、15、30または45ヌクレオチドを超えて異ならない配列)を有する核酸によりコードされるVHおよび/またはVLドメインを含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、表1に示すアミノ酸配列またはそれと実質的に相同の配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一であるおよび/または1、2、3またはそれ以上の置換、挿入または欠失、例えば、保存的置換を有する配列)を有する重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDRを含む。さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、表1に示すアミノ酸配列またはそれと実質的に相同の配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一であるおよび/または1、2、3またはそれ以上の置換、挿入または欠失、例えば、保存的置換を有する配列)を有する軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDRを含む。さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、表1に示すアミノ酸配列を有する重鎖および軽鎖可変領域またはそれと実質的に相同の配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一であるおよび/または1、2、3またはそれ以上の置換、挿入または欠失、例えば、保存的置換を有する配列)からの少なくとも1、2、3、4、5または6CDRを含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、表1に要約される、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDRおよび/または超可変ループまたはそれと実質的に同一である配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一であるおよび/または1、2、3またはそれ以上の置換、挿入または欠失、例えば、保存的置換を有する配列)を含む。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、表1に要約される、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかから選択される抗体のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDRおよび/または超可変ループまたはそれと実質的に同一である配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一であるおよび/または1、2、3またはそれ以上の置換、挿入または欠失、例えば、保存的置換を有する配列)を含む。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する、例えば、表1に記載する全6CDRおよび/または超可変ループを含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ここに記載する可変領域(例えば、ここに開示するFR領域)と配列が同一であるまたは1、2、3または4アミノ酸異なる可変領域を有する。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、完全抗体またはそのフラグメント(例えば、Fab、F(ab’)2、Fvまたは一本鎖Fvフラグメント(scFv))である。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、モノクローナル抗体または単一特異性を有する抗体である。抗PD−1抗体分子は、ヒト化、キメラ、ラクダ科、サメまたはインビトロ産生抗体分子でもあり得る。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ヒト化抗体分子である。抗PD−1抗体分子の重鎖および軽鎖は完全長であり得る(例えば、抗体は、少なくとも1および好ましくは2完全重鎖および少なくとも1および好ましくは2完全軽鎖を含み得る)または抗原結合フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)2、Fv、一本鎖Fvフラグメント、単一ドメイン抗体、二重特異性抗体(dAb)、二価抗体または二特異的抗体またはそのフラグメント、単一ドメインそのバリアントまたはラクダ科抗体)を含み得る。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgDおよびIgEの重鎖定常領域から選択される、特に、例えば、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4の重鎖定常領域、より具体的に、IgG1またはIgG2の重鎖定常領域から選択される、重鎖定常領域(Fc)を有する(例えば、ヒトIgG1、IgG2またはIgG4)。ある実施態様において、重鎖定常領域はヒトIgG1である。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、例えば、カッパまたはラムダ、好ましくはカッパ(例えば、ヒトカッパ)の軽鎖定常領域から選択される、軽鎖定常領域を含む。ある実施態様において、定常領域は、抗PD−1抗体分子の性質を修飾するため(例えば、Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基数、エフェクター細胞機能または補体機能の1以上の増加または減少のため)、改変、例えば、変異される。例えば、定常領域は、Fc受容体結合を改変するために、296位(MからY)、298位(SからT)、300位(TからE)、477位(HからK)および478位(NからF)で変異される(例えば、配列番号212または214の132位(MからY)、134位(SからT)、136位(TからE)、313位(HからK)および314位(NからF);または配列番号215、216、217または218の135位(MからY)、137位(SからT)、139位(TからE)、316位(HからK)および317位(NからF)に対応する位置での変異)。他の実施態様において、IgG4、例えば、ヒトIgG4の重鎖定常領域は、例えば、表3に示すとおり、EUナンバリングに対応する228位で変異される(例えば、SからP)。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、例えば、表3に示すとおり、EUナンバリングに対応する228位に変異を有するヒトIgG4(例えば、SからP)および、例えば、表3に示すとおりのカッパ軽鎖定常領域を含む。さらに他の実施態様において、IgG1、例えば、ヒトIgG1の重鎖定常領域は、例えば、表3に示すとおり、EUナンバリングに対応する297位(例えば、NからA)、EUナンバリングに対応する265位(例えば、DからA)、EUナンバリングに対応する329位(例えば、PからA)、EUナンバリングに対応する234位(例えば、LからA)またはEUナンバリングに対応する235位(例えば、LからA)の1以上に変異を有する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、例えば、表3に示すとおり、前記位置の1以上が変異したヒトIgG1および、例えば、表3に示すとおりの、カッパ軽鎖定常領域を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、単離または組み換えである。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、ヒト化抗体分子である。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、T細胞エピトープ解析に基づいて700、600、500、400またはそれ未満のリスクスコアを有する。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子はヒト化抗体分子であり、T細胞エピトープ解析に基づき、300〜700、400〜650、450〜600のリスクスコアまたはここに記載するリスクスコアを有する。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、
(a)配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);および配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL);
(b)配列番号1から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL;
(c)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL;または
(d)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL
を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、
(i)配列番号1、配列番号4または配列番号224から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);および
(ii)配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)
を含む。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、
(i)配列番号1、配列番号4または配列番号224から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);および
(ii)配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)
を含む。
上記抗体分子のある実施態様において、VHCDR1は、配列番号1のアミノ酸配列を含む。他の実施態様において、VHCDR1は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。さらに他の実施態様において、配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列である。
ある実施態様において、前記抗体分子は、配列番号147、151、153、157、160、162、166または169の何れかのアミノ酸配列またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列または配列番号147、151、153、157、160、162、166または169の何れかのアミノ酸配列と比較してアミノ酸置換、挿入または欠失が2個を超えないものを含む、少なくとも1つのフレームワーク(FW)領域を含む重鎖可変領域を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号147、151、153、157、160、162、166または169の何れかのアミノ酸配列を含む少なくとも1つのフレームワーク領域を含む重鎖可変領域を含む。
さらに他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号147、151、153、157、160、162、166または169の何れかのアミノ酸配列を含む少なくとも2、3または4フレームワーク領域を含む、重鎖可変領域を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号147または151のVHFW1アミノ酸配列、配列番号153、157または160のVHFW2アミノ酸配列および配列番号162または166のVHFW3アミノ酸配列を含み、所望により、配列番号169のVHFW4アミノ酸配列をさらに含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号174、177、181、183、185、187、191、194、196、200、202、205または208の何れかのアミノ酸配列またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列または174、177、181、183、185、187、191、194、196、200、202、205または208の何れかのアミノ酸配列と比較してアミノ酸置換、挿入または欠失が2個を超えないものを含む、少なくとも1つのフレームワーク領域を含む、軽鎖可変領域を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号174、177、181、183、185、187、191、194、196、200、202、205または208の何れかのアミノ酸配列を含む少なくとも1つのフレームワーク領域を含む、軽鎖可変領域を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号174、177、181、183、185、187、191、194、196、200、202、205または208の何れかのアミノ酸配列を含む少なくとも2、3または4フレームワーク領域を含む、軽鎖可変領域を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号174、177、181、183または185のVLFW1アミノ酸配列、配列番号187、191または194のVLFW2アミノ酸配列および配列番号196、200、202または205のVLFW3アミノ酸配列を含み、所望により、配列番号208のVLFW4アミノ酸配列をさらに含む。
他の実施態様において、前記抗体は、配列番号38、50、82または86の何れかと少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号38、50、82または86のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号42、46、54、58、62、66、70、74または78の何れかと少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号42、46、54、58、62、66、70、74または78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号91のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号50のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号52または配列番号102のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号82のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号84のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号86のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号88のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号42のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号46のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号48のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号54のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号56のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号58のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号60のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号62のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体は、配列番号64のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号74のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号76のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号80のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号42のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号50のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号46のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号50のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号46のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号50のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号54のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号54のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号58のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号62のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号50のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号74のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号82のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号82のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号86のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号91のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号91のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号56のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号91のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号91のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号102のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号48のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号48のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号56のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号56のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号60のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号64のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号76のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号80のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号84のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体は、配列番号84のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、配列番号88のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、Fab、F(ab’)2、Fvまたは一本鎖Fvフラグメント(scFv)から選択される。
他の実施態様において、前記抗体分子は、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4から選択される重鎖定常領域を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、カッパまたはラムダの軽鎖定常領域から選択される軽鎖定常領域を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、EUナンバリングに対応する228位または配列番号212または214の108位およびカッパ軽鎖定常領域に変異を有するヒトIgG4重鎖定常領域。
他の実施態様において、前記抗体分子は、EUナンバリングに対応する228位または配列番号212または214の108位にセリンからプロリン変異を有するヒトIgG4重鎖定常領域およびカッパ軽鎖定常領域を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、EUナンバリングに対応する297位または配列番号216の180位にアスパラギンからアラニン変異を有するヒトIgG1重鎖定常領域およびカッパ軽鎖定常領域を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、EUナンバリングに対応する265位または配列番号217の148位にアスパラギン酸からアラニン変異およびEUナンバリングに対応する329位または配列番号217の212位にプロリンからアラニン変異を有するヒトIgG1重鎖定常領域およびカッパ軽鎖定常領域を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、EUナンバリングに対応する234位または配列番号218の117位にロイシンからアラニン変異およびEUナンバリングに対応する235位または配列番号218の118位にロイシンからアラニン変異を有するヒトIgG1重鎖定常領域およびカッパ軽鎖定常領域を含む。
他の実施態様において、前記抗体分子は、ヒトPD−1に約0.2nM未満の解離定数(KD)で結合できる。
ある実施態様において、前記抗体分子は、例えば、Biacore方法により測定して、約0.2nM、0.15nM、0.1nM、0.05nMまたは0.02nM未満、例えば、約0.13nM〜0.03nM、例えば、約0.077nM〜0.088nM、例えば、約0.083nMのKDでヒトPD−1に結合する。
他の実施態様において、前記抗体分子は、例えば、Biacore方法により測定して、約0.2nM、0.15nM、0.1nM、0.05nMまたは0.02nM未満、例えば、約0.11nM〜0.08nM、例えば、約0.093nMのKDでカニクイザルPD−1に結合する。
ある実施態様において、前記抗体分子は、例えば、Biacore方法により測定して、ヒトPD−1およびカニクイザルPD−1に、同等のKD、例えば、nM範囲で結合する。ある実施態様において、前記抗体分子は、ヒトPD−1−Ig融合タンパク質に、例えば、ELISAにより測定して、約0.1nM、0.075nM、0.05nM、0.025nMまたは0.01nM未満、例えば、約0.04nMのKDで結合する。
ある実施態様において、前記抗体分子は、例えば、FACS解析により測定して、ヒトPD−1を発現するJurkat細胞(例えば、ヒトPD−1トランスフェクトJurkat細胞)に約0.1nM、0.075nM、0.05nM、0.025nMまたは0.01nM未満、例えば、約0.06nMのKDで結合する。
ある実施態様において、前記抗体分子は、例えば、FACS解析により測定して、カニクイザルT細胞に約1nM、0.75nM、0.5nM、0.25nMまたは0.1nM未満、例えば、約0.4nMのKDで結合する。
ある実施態様において、前記抗体分子は、例えば、FACS解析により測定して、カニクイザルPD−1を発現する細胞(例えば、カニクイザルPD−1でトランスフェクトした細胞)に、約1nM、0.75nM、0.5nM、0.25nMまたは0.01nM未満、例えば、約0.6nMのKDで結合する。
ある実施態様において、前記抗体分子は、マウスまたはラットPD−1と交差反応性ではない。他の実施態様において、前記抗体は、アカゲザルPD−1と交差反応性である。例えば、交差反応性は、Biacore方法またはPD−1(例えば、ヒトPD−1発現300.19細胞)を発現する細胞を使用する結合アッセイで測定できる。他の実施態様において、前記抗体分子は、PD−1の細胞外Ig様ドメインに結合する。
他の実施態様において、前記抗体分子は、PD−1のPD−L1、PD−L2または両方またはPD−L1、PD−L2または両方を発現する細胞への結合を低減できる。ある実施態様において、前記抗体分子は、約1.5nM、1nM、0.8nM、0.6nM、0.4nM、0.2nMまたは0.1nM未満、例えば、約0.79nM〜約1.09nM、例えば、約0.94nMまたは約0.78nMまたはそれ以下、例えば、約0.3nMのIC50でPD−1を発現する細胞(例えば、ヒトPD−1発現300.19細胞)へのPD−L1結合を低減(例えば、遮断)する。ある実施態様において、前記抗体は、約2nM、1.5nM、1nM、0.5nMまたは0.2nM未満、例えば、約1.05nM〜約1.55nMまたは約1.3nMまたはそれ以下、例えば、約0.9nMのIC50でPD−1を発現する細胞(例えば、ヒトPD−1発現300.19細胞)へのPD−L2結合を低減(例えば、遮断)する。
他の実施態様において、前記抗体分子は、抗原特異的T細胞応答を増強できる。
ある実施態様において、抗体分子は、単特異的抗体分子または二特異的抗体分子である。ある実施態様において、抗体分子は、PD−1に対する第一結合特異性およびTIM−3、LAG−3、CEACAM(例えば、CEACAM−1、CEACAM−3および/またはCEACAM−5)、PD−L1またはPD−L2に対する第二結合特異性を有する。ある実施態様において、抗体分は、抗体の抗原結合フラグメント、例えば、半抗体または半抗体の抗原結合フラグメントを含む。
ある実施態様において、前記抗体分子は、ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)(例えば、25μg/mLで)活性化細胞からのIL−2発現を、例えば、SEB T細胞活性化アッセイまたはヒト全血エクスビボアッセイで測定して、アイソタイプ対照(例えば、IgG4)を使用したときのIL−2発現と比較して、少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、例えば、約2〜3倍、例えば、約2〜2.6倍、例えば、約2.3倍増加させる。
ある実施態様において、前記抗体分子は、抗CD3(例えば、0.1μg/mLで)で刺激したT細胞からのIFN−γ発現を、例えば、IFN−γ活性アッセイで測定して、アイソタイプ対照(例えば、IgG4)を使用したときのIFN−γ発現と比較して、少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、例えば、約1.2〜3.4倍、例えば、約2.3倍増加させる。
ある実施態様において、前記抗体分子は、SEB(例えば、3pg/mLで)により活性化したT細胞からのIFN−γ発現を、例えば、IFN−γ活性アッセイで測定して、アイソタイプ対照(例えば、IgG4)を使用したときのIFN−γ発現と比較して、少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、例えば、約0.5〜4.5倍、例えば、約2.5倍増加させる。
ある実施態様において、前記抗体分子は、CMVペプチドで活性化したT細胞からのIFN−γ発現を、例えば、IFN−γ活性アッセイで測定して、アイソタイプ対照(例えば、IgG4)を使用したときのIFN−γ発現と比較して、少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、例えば、約2〜3.6倍、例えば、約2.8倍増加させる。
ある実施態様において、前記抗体分子は、CMVペプチドで活性化したCD8+ T細胞の増殖を、例えば、少なくともn(例えば、n=2または4)細胞分裂継代されるCD8+ T細胞のパーセンテージにより測定して、アイソタイプ対照(例えば、IgG4)を使用したときのCD8+ T細胞の増殖と比較して、少なくとも約1、2倍、3倍、4倍、5倍、例えば、約1.5倍増加させる。
ある実施態様において、前記抗体分子は、例えば、サルで測定して、約100μg/mL〜約500μg/mL、約150μg/mL〜約450μg/mL、約250μg/mL〜約350μg/mLまたは約200μg/mL〜約400μg/mL、例えば、約292.5μg/mLのCmaxを有する。
ある実施態様において、前記抗体分子は、例えば、サルで測定して、約250時間〜約650時間、約300時間〜約600時間、約350時間〜約550時間または約400時間〜約500時間、例えば、約465.5時間のT1/2を有する。
ある実施態様において、前記抗体分子は、例えば、Biacore方法により測定して、5×10−4、1×10−4、5×10−5または1×10−5s−1、例えば、約2.13×10−4s−1より遅いKdでPD−1に結合する。ある実施態様において、前記抗体分子は、例えば、Biacore方法により測定して、1×104、5×104、1×105または5×105M−1s−1、例えば、約2.78×105M−1s−1より速いKaでPD−1に結合する。
ある実施態様において、前記抗PD−1抗体分子は、PD−1のC鎖、CC’ループ、C’鎖およびFGループ内の1以上の残基に結合する。PD−1のドメイン構造は、例えば、Cheng et al., “Structure and Interactions of the Human Programmed Cell Death 1 Receptor” J. Biol. Chem. 2013, 288:11771-11785に記載される。Cheng et al.に記載のとおり、C鎖は残基F43−M50を含み、CC’ループはS51−N54を含み、C’鎖は残基Q55−F62を含み、FGループは残基L108−I114を含む(Cheng et al. supraによるアミノ酸ナンバリング)。従って、ある実施態様において、ここに記載する抗PD−1抗体は、PD−1のF43−M50、S51−N54、Q55−F62およびL108−I114範囲の1以上の少なくとも1残基に結合する。ある実施態様において、ここに記載する抗PD−1抗体は、少なくともPD−1のF43−M50、S51−N54、Q55−F62およびL108−I114範囲の2、3または全4における少なくとも1残基に結合する。ある実施態様において、抗PD−1抗体は、PD−L1およびPD−L2の一方または両方との結合部位でもあるPD−1における残基に結合する。
他の態様において、本発明は、上記抗体分子の何れかをコードする単離核酸分子、そのベクターおよび宿主細胞を提供する。
上記抗体分子の何れかの抗体重鎖可変領域または軽鎖可変領域または両方をコードする単離核酸も提供される。
ある実施態様において、単離核酸は重鎖CDR1〜3をコードし、ここで、該核酸は、配列番号108〜112、223、122〜126、133〜137または144〜146のヌクレオチド配列を含む。
他の実施態様において、単離核酸は軽鎖CDR1〜3をコードし、ここで、該核酸は、配列番号113〜120、127〜132または138〜143のヌクレオチド配列を含む。
他の実施態様において、前記核酸は、さらに、重鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、該ヌクレオチド配列は配列番号39、51、83、87、90、95または101の何れかと少なくとも85%同一である。
他の実施態様において、前記核酸は、さらに、重鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、該ヌクレオチド配列は、配列番号39、51、83、87、90、95または101の何れかを含む。
他の実施態様において、前記核酸は、さらに重鎖をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、該ヌクレオチド配列は配列番号41、53、85、89、92、96または103の何れかと少なくとも85%同一である。
他の実施態様において、前記核酸は、さらに重鎖をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、該ヌクレオチド配列は、配列番号41、53、85、89、92、96または103の何れかを含む。
他の実施態様において、前記核酸は、さらい軽鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、該ヌクレオチド配列は配列番号43、47、55、59、63、67、71、75、79、93、97、99、104または106の何れかと少なくとも85%同一である。
他の実施態様において、前記核酸は、さらに、軽鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、該ヌクレオチド配列は、配列番号43、47、55、59、63、67、71、75、79、93、97、99、104または106の何れかを含む。
他の実施態様において、前記核酸は、さらに、軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、該ヌクレオチド配列は配列番号45、49、57、61、65、69、73、77、81、94、98、100、105または107の何れかと少なくとも85%同一である。
他の実施態様において、前記核酸は、さらに、軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、該ヌクレオチド配列は、配列番号45、49、57、61、65、69、73、77、81、94、98、100、105または107の何れかを含む。
ある実施態様において、前記核酸を含む1以上の発現ベクターおよび宿主細胞が提供される。
ここに記載する宿主細胞を、遺伝子発現に適する条件下で培養することを含む、抗体分子またはそのフラグメントを産生する方法も提供される。
ある態様において、本発明は、ここに記載する抗体分子を提供する方法に関する。本方法は、PD−1抗原(例えば、PD−1エピトープの少なくとも一部を含む抗原)を提供し、PD−1ポリペプチドに特異的に結合する抗体分子を得て、そして該抗体分子がPD−1ポリペプチドに特異的に結合するか否かを評価するまたは該抗体分子のPD−1活性の調節、例えば、阻害における有効性を評価することを含む。本方法は、さらに、該抗体分子を対象、例えば、ヒトまたは非ヒト動物に投与することを含み得る。
他の態様において、本発明は、薬学的に許容される担体、添加物または安定剤および治療剤、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子の少なくとも1つを含む、組成物、例えば、医薬組成物を提供する。ある実施態様において、組成物、例えば、医薬組成物は、ここに記載する、抗体分子と1以上の薬剤、例えば、治療剤または他の抗体分子の組み合わせを含む。ある実施態様において、抗体分子は、標識または治療剤にコンジュゲートされる。
付加的なPD−1の阻害剤および他の免疫チェックポイント分子
ある実施態様において、PD−1阻害剤は、表1の抗PD−1抗体分子以外の阻害剤、例えば、抗PD−1抗体分子である。ある実施態様において、PD−1阻害剤は、表1の抗PD−1抗体分子および表1の抗体分子以外の抗PD−1抗体分子を含む。他の実施態様において、PD−1阻害剤は、ニボルマブ、ペンブロリズマブまたはピディリズマブから選択される抗PD−1抗体である。
ある実施態様において、抗PD−1抗体はニボルマブである。ニボルマブの別名は、MDX−1106、MDX−1106−04、ONO−4538またはBMS−936558を含む。ある実施態様において、抗PD−1抗体は、ニボルマブ(CAS Registry Number: 946414-94-4)である。ニボルマブは、PD−1を特異的に遮断する完全ヒトIgG4モノクローナル抗体である。ニボルマブ(クローン5C4)およびPD−1に特異的に結合する他のヒトモノクローナル抗体は、US8,008,449号およびWO2006/121168号に開示される。ある実施態様において、PD−1の阻害剤はニボルマブであり、ここに開示する配列(またはそれと実質的に同一または類似する配列、例えば、特定した配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
ニボルマブの重鎖および軽鎖アミノ酸配列は次のとおりである。
重鎖
軽鎖
ある実施態様において、抗PD−1抗体はペンブロリズマブである。ペンブロリズマブ(ランブロリズマブ、MK−3475、MK03475、SCH−900475またはキイトルーダ(登録商標)とも称される; Merck)は、PD−1に結合するヒト化IgG4モノクローナル抗体である。ペンブロリズマブおよび他のヒト化抗PD−1抗体は、Hamid, O. et al. (2013) New England Journal of Medicine 369 (2): 134-44、US8,354,509号およびWO2009/114335号に開示される。ペンブロリズマブの重鎖および軽鎖アミノ酸配列は次のとおりである。
重鎖(配列番号244)
軽鎖(配列番号245)
ある実施態様において、PD−1の阻害剤は、例えば、US8,354,509号およびWO2009/114335号に開示され、ここに開示する配列(またはそれと実質的に同一または類似する配列、例えば、特定した配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有するペンブロリズマブである。
ある実施態様において、抗PD−1抗体はピディリズマブである。ピディリズマブ(CT−011; Cure Tech)は、PD−1に結合するヒト化IgG1kモノクローナル抗体である。ピディリズマブおよび他のヒト化抗PD−1モノクローナル抗体は、WO2009/101611号に開示される。
他の抗PD−1抗体は、数ある中で、AMP 514(Amplimmune)、例えば、US8,609,089号、US2010028330号および/またはUS20120114649号に開示の抗PD−1抗体である。抗PD−1抗体のさらなる例は、例えば、REGN2810、BGB−108およびBGB−A317も含む。
ある実施態様において、PD−1阻害剤は、イムノアドヘシン(例えば、定常領域(例えば、免疫グロブリン配列のFc領域)に融合したPD−LlまたはPD−L2の細胞外またはPD−1結合部分を含むイムノアドヘシン)である。ある実施態様において、PD−1阻害剤はAMP−224(B7−DCIg;Amplimmune;例えば、WO2010/027827号およびWO2011/066342号に開示)であり、PD−1とB7−H1の相互作用を遮断するPD−L2 Fc融合可溶性受容体である。
PD−L1またはPD−L2阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせはPD−L1またはPD−L2阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍または血液系腫瘍の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、甲状腺癌(例えば、未分化甲状腺癌)、子宮内膜癌、リンパ腫、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)またはMSI高癌である。ある実施態様において、PD−L1阻害剤は抗PD−L1抗体またはそのフラグメントである。
ある実施態様において、抗PD−L1抗体またはそのフラグメントは、引用により全体を本明細書に包含させる“PD−L1に対する抗体分子およびその使用”なる名称の米国特許出願公開2016/0108123号(USSN 14/881,888)に開示の抗PD−L1抗体分子である。
ある実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、BAP058−hum01、BAP058−hum02、BAP058−hum03、BAP058−hum04、BAP058−hum05、BAP058−hum06、BAP058−hum07、BAP058−hum08、BAP058−hum09、BAP058−hum10、BAP058−hum11、BAP058−hum12、BAP058−hum13、BAP058−hum14、BAP058−hum15、BAP058−hum16、BAP058−hum17、BAP058−Clone−K、BAP058−Clone−L、BAP058−Clone−M、BAP058−Clone−NまたはBAP058−Clone−Oの何れかのアミノ酸配列を含む少なくとも1または2重鎖可変ドメイン(所望により定常領域を含む)、少なくとも1または2軽鎖可変ドメイン(所望により定常領域を含む)または両方;またはUS2016/0108123号の表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされるもの;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP058−hum01、BAP058−hum02、BAP058−hum03、BAP058−hum04、BAP058−hum05、BAP058−hum06、BAP058−hum07、BAP058−hum08、BAP058−hum09、BAP058−hum10、BAP058−hum11、BAP058−hum12、BAP058−hum13、BAP058−hum14、BAP058−hum15、BAP058−hum16、BAP058−hum17、BAP058−Clone−K、BAP058−Clone−L、BAP058−Clone−M、BAP058−Clone−NまたはBAP058−Clone−Oから選択される抗体の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3の相補性決定領域(CDR);またはUS2016/0108123号の表1に記載のまたは表1におけるヌクレオチド配列によりコードされるもの;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、US2016/0108123号の表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDR(または集合的にCDR全部)を含む。ある実施態様において、CDR(または集合的にCDR全部)の1以上は、表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
さらに他の実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、US2016/0108123号の表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDR(または集合的にCDR全部)を含む。ある実施態様において、CDR(または集合的にCDR全部)の1以上は、表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。ある実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、軽鎖CDRに置換、例えば、軽鎖におけるCDR1、CDR2および/またはCDR3に1以上の置換を含む。
他の実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、US2016/0108123号の表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5または6CDR(または集合的にCDR全部)を含む。ある実施態様において、CDR(または集合的にCDR全部)の1以上は、表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
ある実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、
(i)配列番号1、配列番号4または配列番号195から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)(各々US2016/0108123号の表1に開示);および
(ii)配列番号9のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号10のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号11のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)(各々US2016/0108123号の表1に開示)
を含む。
他の実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、
(i)配列番号1、配列番号4または配列番号195から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)(各々US2016/0108123号の表1に開示);および
(ii)配列番号12のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号13のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号14のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)(各々US2016/0108123号の表1に開示)
を含む。
ある実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、US2016/0108123号の表1に開示の配列番号1のVHCDR1アミノ酸配列を含む。他の実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、US2016/0108123号の表1に開示の配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列を含む。さらに他の実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、配列番号195のVHCDR1アミノ酸配列を含む(各々US2016/0108123号の表1に開示)。
ある実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、EVQLVQSGAEVKKPGATVKISCKVSGYTFTSYWMYWVRQARGQRLEWIGRIDPNSGSTKYNEKFKNRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDYRKGLYAMDYWGQGTTVTVSS(配列番号316)またはUS2016/0108123号の配列番号78のVHアミノ酸配列およびAIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYLQKPGQSPQLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLEAEDAATYYCQQYNSYPLTFGQGTKVEIK(配列番号317)またはUS2016/0108123号の配列番号82のVLアミノ酸配列(各々US2016/0108123号の表1に開示)を含む。ある実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、EVQLVQSGAEVKKPGATVKISCKVSGYTFTSYWMYWVRQATGQGLEWMGRIDPNSGSTKYNEKFKNRVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDYRKGLYAMDYWGQGTTVTVSS(配列番号318)またはUS2016/0108123号の配列番号30のVHアミノ酸配列およびDVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCKASQDVGTAVAWYQQKPGQAPRLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQQYNSYPLTFGQGTKVEIK(配列番号319)またはUS2016/0108123号の配列番号66のVLアミノ酸配列(各々US2016/0108123号の表1に開示)を含む。
ある実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、US2016/0108123号の配列番号80の重鎖アミノ酸配列およびUS2016/0108123号の配列番号84の軽鎖アミノ酸配列(各々US2016/0108123号の表1に開示)を含む。ある実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、US2016/0108123号の配列番号96の重鎖アミノ酸配列およびUS2016/0108123号の配列番号68の軽鎖アミノ酸配列(各々US2016/0108123号の表1に開示)を含む。
PD−L1阻害剤(例えば、抗PD−L1ここに記載する抗体分子)またはここに記載する組成物を、ここに記載する対象に投与(例えば、静脈内投与)するのに適する製剤(例えば、投与製剤または投与形態)に製剤してよい。
ある実施態様において、製剤は液体製剤である。他の実施態様において、製剤は、例えば、液体製剤から凍結乾燥または乾燥された、凍結乾燥製剤である。他の実施態様において、製剤は、例えば、凍結乾燥製剤から再構成された、再構成製剤である。
ある実施態様において、製剤は、PD−L1阻害剤(例えば、抗PD−L1抗体分子)および緩衝剤を含む。
ある実施態様において、製剤は、10〜500mg/mL、例えば、25〜250mg/mL、50〜150mg/mL、50〜100mg/mLまたは100〜200mg/mL、例えば、50mg/mL、100mg/mL、150mg/mLまたは200mg/mLの濃度で存在するPD−L1阻害剤(例えば、抗PD−L1抗体分子)を含む。ある実施態様において、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、50〜150mg/mL、例えば、100mg/mLの濃度で存在する。ある実施態様において、製剤は、5〜6のpH(例えば、5.5)を有する。ある実施態様において、製剤は、例えば、希釈後、静脈内点滴するためである。ある実施態様において、製剤は、1以上の薬学的に許容される添加物を含む。
ある実施態様において、製剤は、ヒスチジンを含む緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)を含む。ある実施態様において、製剤は、L−ヒスチジン、L−ヒスチジン塩酸塩一水和物または両方を含む。ある実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、1mM〜20mM、例えば、2mM〜15mM、3mM〜10mM、4mM〜9mM、5mM〜8mMまたは6mM〜7mM、例えば、1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、6.7mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mMまたは20mMの濃度で存在する。
ある実施態様において、製剤は、さらに炭水化物を含む。ある実施態様において、炭水化物はスクロースである。ある実施態様において、炭水化物(例えば、スクロース)は、50mM〜150mM、例えば、25mM〜150mM、50mM〜100mM、60mM〜90mM、70mM〜80mMまたは70mM〜75mM、例えば、25mM、50mM、60mM、70mM、73.3mM、80mM、90mM、100mMまたは150mMの濃度で存在する。
ある実施態様において、製剤は、さらに界面活性剤を含む。ある実施態様において、界面活性剤はポリソルベート20である。ある実施態様において、界面活性剤またはポリソルベート20)は、0.005%〜0.025%(w/w)、例えば、0.0075%〜0.02%または0.01%〜0.015%(w/w)、例えば、0.005%、0.0075%、0.01%、0.013%、0.015%または0.02%(w/w)の濃度で存在する。
ある実施態様において、製剤は、PD−L1の阻害剤(例えば、抗PD−L1抗体分子)、ヒスチジン緩衝液、炭水化物および界面活性剤を含む。ある実施態様において、製剤は、PD−L1の阻害剤(例えば、抗PD−L1抗体分子)およびL−ヒスチジン、L−ヒスチジン塩酸塩一水和物、スクロースまたはポリソルベート20の1以上(例えば、2、3または全て)を、例えば、5〜6のpHで含む。ある実施態様において、製剤は、PD−L1の阻害剤(例えば、抗PD−L1抗体分子)、L−ヒスチジン、L−ヒスチジン塩酸塩一水和物、スクロースおよびポリソルベート20を、例えば、5〜6のpHで含む。
ここに記載する製剤は、容器に保存できる。ある実施態様において、50mg〜150mg、例えば、80mg〜120mg、90mg〜110mg、100mg〜120mg、100mg〜110mg、110mg〜120mgまたは110mg〜130mgのPD−L1阻害剤(例えば、抗PD−L1抗体分子)が容器(例えば、バイアル)に存在する。
ここに記載する製剤において使用できる緩衝剤の他の例は、アルギニン緩衝液、クエン酸緩衝液またはリン酸緩衝液を含むが、これらに限定されない。ここに記載する製剤において使用できる炭水化物の他の例は、トレハロース、マンニトール、ソルビトールまたはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。ここに記載する製剤は、等張化剤、例えば、塩化ナトリウムおよび/または安定化剤、例えば、アミノ酸(例えば、グリシン、アルギニン、メチオニンまたはこれらの組み合わせ)も含み得る。
ある実施態様において、組み合わせは、US2016/0108123号に開示のPD−L1の阻害剤または抗体分子およびPD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体)を含む。
PD−1阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)とPD−L1阻害剤(例えば、抗PD−L1ここに記載する抗体分子)の組み合わせは、結腸腺癌のMC38マウスモデルで試験されている。サロゲート抗マウスPD−1抗体、RMP1−14が本試験で使用された。RMP1−14と抗PD−L1抗体分子の共投与は、このモデルにおいて、両方の単剤と比較して、抗腫瘍活性の増強がもたらされた。例えば、組み合わせでの抗PD−L1抗体分子およびRMP1−14は、4/10動物に完全奏効をもたらし、同時に3/10動物は部分応答を示した。組み合わせ治療は、エンドポイントまでの中央時間の46日の非有意な延長をもたらしており、これは、アイソタイプ処置動物より21日長く、各抗体単独より20日長かった。
ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)はPD−1に結合し、PD−L1、PD−L2または両方とのその相互作用を阻害する。ある実施態様において、PD−L1の阻害剤(例えば、抗PD−L1抗体分子)はPD−L1に結合し、PD−1、B7.1または両方とのその相互作用を阻害する。PD−1およびPD−L1は、T細胞上の重複はするが、別個でもある機能に介在する。両方の受容体は、結合したとき、T細胞に負のシグナルを送達できる。PD−L1は、例えば、B7.1がCD28への結合によりT細胞を活性化する能力を遮断し、さらに免疫応答の産生を減弱する、B7.1との相互作用により免疫抑制性機能に介在できる(Butte et al. Immunity. 2007; 27(1):111-22)。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、PD−L1とPD−1の組み合わせ阻害は、非冗長および/または相補的抗癌免疫をもたらし得ると考えられる(Dong et al. Nat Med. 2002; 8(8):793-800; Yamazaki et al J Immunol. 2002; 169(10):5538-45; Taube et al. Sci Transl Med. 2012; 4(127):127ra37)。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)とPD−L1の阻害剤(例えば、抗PD−L1ここに記載する抗体分子)の組み合わせは、PD−1の阻害剤またはPD−L1の阻害剤単独と比較して、T細胞の活性化を増強する。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)とPD−L1の阻害剤(例えば、抗PD−L1ここに記載する抗体分子)の組み合わせは、相乗的抗癌活性を有する。
ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、10mg〜2000mg、例えば、20mg〜1600mg、40mg〜1200mg、80mg〜800mg、100mg〜600mg、200mg〜300mg、20mg〜100mg、40mg〜200mg、100mg〜400mg、200mg〜600mg、800mg〜1200mgまたは1200mg〜1600mgの用量(例えば、均一用量)、例えば、約10mg、20mg、40mg、80mg、100mg、150mg、200mg、240mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg、1000mg、1200mg、1600mgまたは2000mgの用量(例えば、均一用量)で、例えば、3週に1回、4週に1回または6週に1回投与される。
ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、20mg〜1200mg(例えば、80mg〜800mg、例えば、約20mg、80mg、240mg、800mgまたは1200mg)の用量で、例えば、3週に1回または6週に1回投与される。例えば、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、10mg〜100mg(例えば、20mg〜80mg、例えば、20mg、40mgまたは80mg)の用量で、例えば、3週に1回または6週に1回投与してよい。ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、10mg〜100mg(例えば、20mg〜80mg、例えば、20mg、40mgまたは80mg)の用量で、例えば、3週に1回または6週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、50mg〜500mgの用量(例えば、100mg〜400mg、例えば、約100mg、200mg、300mgまたは400mgの用量)で、例えば、3週に1回または4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、100mg〜300mgの用量(例えば、約100mg、200mgまたは300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、約20mgの用量で、例えば、3週に1回投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、約100mgまたは300mgの用量で、例えば、3週に1回投与される。ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、約20mg、80mg、240mg、800mgまたは1200mgの用量で、例えば、3週に1回投与され、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、約300mgの用量で、例えば、3週に1回投与される。
ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、10mg〜50mg(例えば、約20mg)の用量で、例えば、3週に1回または6週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、50mg〜200mg(例えば、約100mg)の用量で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、10mg〜50mg(例えば、約20mg)の用量で、例えば、3週に1回または6週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜400mg(例えば、約300mg)の用量で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、50mg〜100mg(例えば、約80mg)の用量で、例えば、3週に1回または6週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜400mg(例えば、約300mg)の用量で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、200mg〜300mg(例えば、約240mg)の用量で、例えば、3週に1回または6週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜400mg(例えば、約300mg)の用量で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、500mg〜1000mg(例えば、約800mg)の用量で、例えば、3週に1回または6週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜400mg(例えば、約300mg)の用量で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、1000mg〜1500mg(例えば、約1200mg)の用量で、例えば、3週に1回または6週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜400mg(例えば、約300mg)の用量で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子をPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)投与前に投与される。例えば、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子をまず投与され、続いてデキストロース溶液は、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)投与開始前に、約1時間流してよい。ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子は、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)投与後投与される。
ある実施態様において、US2016/0108123号に開示のPD−L1阻害剤または抗PD−L1抗体分子を、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて、固形腫瘍、例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、子宮癌(例えば、子宮内膜癌)または甲状腺癌(例えば、未分化甲状腺癌)の処置のために投与する。
ある実施態様において、PD−L1阻害剤は、抗体分子である。ある実施態様において、抗PD−L1阻害剤は、YW243.55.S70、MPDL3280A、MEDI−4736、MSB−0010718CまたはMDX−1105から選択される。
ある実施態様において、抗PD−L1抗体は、MSB0010718Cである。MSB0010718C(A09−246−2とも称する; Merck Serono)は、PD−L1に結合するモノクローナル抗体である。ペンブロリズマブおよび他のヒト化抗PD−L1抗体はWO2013/079174号に開示され、ここに開示する配列(またはそれと実質的に同一または類似する配列、例えば、特定した配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。MSB0010718Cの重鎖および軽鎖アミノ酸配列は、少なくとも次のものを含む。
重鎖(WO2013/079174号に開示の配列番号24)
軽鎖(WO2013/079174号に開示の配列番号25)
ある実施態様において、PD−L1阻害剤は、YW243.55.S70である。YW243.55.S70抗体は、WO2010/077634号に記載の抗PD−L1抗体(重鎖および軽鎖可変領域配列はそれぞれ配列番号20および21に示す)であり、ここに開示する配列(またはそれと実質的に同一または類似する配列、例えば、特定した配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
ある実施態様において、PD−L1阻害剤は、MDX−1105である。MDX−1105は、BMS−936559としても知られ、WO2007/005874号に記載の抗PD−Ll抗体であり、ここに開示する配列(またはそれと実質的に同一または類似する配列、例えば、特定した配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
ある実施態様において、PD−L1阻害剤は、MDPL3280A(Genentech/Roche)である。MDPL3280Aは、PD−L1に結合するヒトFc最適化IgG1モノクローナル抗体である。MDPL3280AおよびPD−L1に対する他のヒトモノクローナル抗体は、米国特許7,943,743号、PCT公開WO2013/019906号および米国公開2012/0039906号に開示される。例えば、MDPL3280A(アテゾリズマブまたはRO5541267としても知られる)は、WO2013/019906号に開示の配列番号24のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域およびWO2013/019906号に開示の配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(またはそれと実質的に同一または類似する配列、例えば、特定した配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を含み得る。
ある実施態様において、PD−L1阻害剤は、MEDI−4736(デュルバルマブとしても知られる)である。MEDI−4736は、WO2011/066389号およびWO2015/036499号に記載される。例えば、MEDI−4736は、WO2015/036499号に開示の配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域およびWO2015/036499号に開示の配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(またはそれと実質的に同一または類似する配列、例えば、特定した配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を含み得る。
他の実施態様において、PD−L2阻害剤は、AMP−224である。AMP−224は、PD−1とB7−H1の相互作用を遮断するPD−L2 Fc融合可溶性受容体である(B7−DCIg;Amplimmune;例えば、WO2010/027827号およびWO2011/066342号に開示)。
LAG−3阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、LAG−3阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍または血液系腫瘍の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、皮膚癌(例えば、黒色腫)または腎臓癌(例えば、腎細胞癌)である。ある実施態様において、LAG−3阻害剤は、抗LAG−3抗体またはそのフラグメントである。
ある実施態様において、抗LAG−3抗体またはそのフラグメントは、引用により全体を本明細書に包含させる“LAG−3に対する抗体分子およびその使用”なる表題のUS2015/0259420号に記載の抗LAG−3抗体分子である。
ある実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、BAP050−hum01、BAP050−hum02、BAP050−hum03、BAP050−hum04、BAP050−hum05、BAP050−hum06、BAP050−hum07、BAP050−hum08、BAP050−hum09、BAP050−hum10、BAP050−hum11、BAP050−hum12、BAP050−hum13、BAP050−hum14、BAP050−hum15、BAP050−hum16、BAP050−hum17、BAP050−hum18、BAP050−hum19、BAP050−hum20、huBAP050(Ser)(例えば、BAP050−hum01−Ser、BAP050−hum02−Ser、BAP050−hum03−Ser、BAP050−hum04−Ser、BAP050−hum05−Ser、BAP050−hum06−Ser、BAP050−hum07−Ser、BAP050−hum08−Ser、BAP050−hum09−Ser、BAP050−hum10−Ser、BAP050−hum11−Ser、BAP050−hum12−Ser、BAP050−hum13−Ser、BAP050−hum14−Ser、BAP050−hum15−Ser、BAP050−hum18−Ser、BAP050−hum19−SerまたはBAP050−hum20−Ser)、BAP050−Clone−F、BAP050−Clone−G、BAP050−Clone−H、BAP050−Clone−IまたはBAP050−Clone−Jの何れかから選択される抗体からの重鎖および軽鎖可変領域(例えば、重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDR、軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDRまたは両方)からの少なくとも1、2、3、4、5または6CDR(または集合的にCDR全部);またはUS2015/0259420号の表1に記載のとおり;または表1におけるヌクレオチド配列によりコードされる;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列または密接に関係するCDR、例えば、同一であるかまたは少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えないCDRを含む。
さらに他の実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、BAP050−hum01、BAP050−hum02、BAP050−hum03、BAP050−hum04、BAP050−hum05、BAP050−hum06、BAP050−hum07、BAP050−hum08、BAP050−hum09、BAP050−hum10、BAP050−hum11、BAP050−hum12、BAP050−hum13、BAP050−hum14、BAP050−hum15、BAP050−hum16、BAP050−hum17、BAP050−hum18、BAP050−hum19、BAP050−hum20、huBAP050(Ser)(例えば、BAP050−hum01−Ser、BAP050−hum02−Ser、BAP050−hum03−Ser、BAP050−hum04−Ser、BAP050−hum05−Ser、BAP050−hum06−Ser、BAP050−hum07−Ser、BAP050−hum08−Ser、BAP050−hum09−Ser、BAP050−hum10−Ser、BAP050−hum11−Ser、BAP050−hum12−Ser、BAP050−hum13−Ser、BAP050−hum14−Ser、BAP050−hum15−Ser、BAP050−hum18−Ser、BAP050−hum19−SerまたはBAP050−hum20−Ser)、BAP050−Clone−F、BAP050−Clone−G、BAP050−Clone−H、BAP050−Clone−IまたはBAP050−Clone−Jから選択される抗体からの少なくとも1、2、3または4可変領域(例えば、少なくとも1または2重鎖可変領域(所望により定常領域を含む)、少なくとも1または2軽鎖可変領域(所望により定常領域を含む)または両方);またはUS2015/0259420号の表1に記載のとおり;または表1におけるヌクレオチド配列によりコードされる;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、US2015/0259420号の表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDR(または集合的にCDR全部)を含む。ある実施態様において、CDR(または集合的にCDR全部)の1以上は、表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
さらに他の実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、US2015/0259420号の表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDR(または集合的にCDR全部)を含む。ある実施態様において、CDR(または集合的にCDR全部)の1以上は、表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。ある実施態様において、抗PD−L1抗体分子は、軽鎖CDRに置換、例えば、軽鎖におけるCDR1、CDR2および/またはCDR3に1以上の置換を含む。
他の実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、US2015/0259420号の表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5または6CDR(または集合的にCDR全部)を含む。ある実施態様において、CDR(または集合的にCDR全部)の1以上は、表1に示すまたは表1に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
ある実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、
(i)配列番号1、配列番号4または配列番号286から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)(各々US2015/0259420号の表1に開示);および
(ii)配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号12のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)(各々US2015/0259420号の表1に開示)
を含む。
他の実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、
(i)配列番号1、配列番号4または配列番号286から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)(各々US2015/0259420号の表1に開示);および
(ii)配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号15のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)(各々US2015/0259420号の表1に開示)
を含む。
ある実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、配列番号1のVHCDR1アミノ酸配列を含む。他の実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列を含む。さらに他の実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、配列番号286のVHCDR1アミノ酸配列(各々US2015/0259420号の表1に開示)を含む。
ある実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFTLTNYGMNWVRQARGQRLEWIGWINTDTGEPTYADDFKGRFVFSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCARNPPYYYGTNNAEAMDYWGQGTTVTVSS(配列番号320)またはUS2015/0259420号の配列番号104のアミノ酸配列を含むVHおよびDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCSSSQDISNYLNWYLQKPGQSPQLLIYYTSTLHLGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQQYYNLPWTFGQGTKVEIK(配列番号321)またはUS2015/0259420号の配列番号56のアミノ酸配列を含むVL(各々US2015/0259420号の表1に開示)を含む。ある実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFTLTNYGMNWVRQAPGQGLEWMGWINTDTGEPTYADDFKGRFVFSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCARNPPYYYGTNNAEAMDYWGQGTTVTVSS(配列番号322)またはUS2015/0259420号の配列番号108のアミノ酸配列を含むVHおよびDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCSSSQDISNYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSTLHLGIPPRFSGSGYGTDFTLTINNIESEDAAYYFCQQYYNLPWTFGQGTKVEIK(配列番号323)またはUS2015/0259420号の配列番号36のアミノ酸配列を含むVL(各々US2015/0259420号の表1に開示)を含む。
ある実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、US2015/0259420号の配列番号122のアミノ酸配列を含む重鎖およびUS2015/0259420号の配列番号58のアミノ酸配列を含む軽鎖(各々US2015/0259420号の表1に開示)を含む。ある実施態様において、抗LAG−3抗体分子は、US2015/0259420号の配列番号134のアミノ酸配列を含む重鎖およびUS2015/0259420号の配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖(各々US2015/0259420号の表1に開示)を含む。
ある実施態様において、抗LAG−3抗体は、BMS−986016である。BMS−986016(BMS986016とも称する; Bristol-Myers Squibb)は、LAG−3に結合するモノクローナル抗体である。BMS−986016および他のヒト化抗LAG−3抗体は、US2011/0150892号、WO2010/019570号およびWO2014/008218号に開示される。
TIM−3阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、TIM−3阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍または血液系腫瘍の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、皮膚癌(例えば、黒色腫)または腎臓癌(例えば、腎細胞癌)である。他の実施態様において、癌は、非小細胞肺癌、黒色腫および腎細胞癌以外である。ある実施態様において、TIM−3阻害剤は、抗TIM−3抗体またはそのフラグメントである。
ある実施態様において、抗TIM−3抗体またはそのフラグメントは、引用により全体を本明細書に包含させる“TIM−3に対する抗体分子およびその使用”なる表題のUS2015/0218274号に記載の抗TIM−3抗体分子である。
ある実施態様において、抗TIM−3抗体分子は、ABTIM3、ABTIM3−hum01、ABTIM3−hum02、ABTIM3−hum03、ABTIM3−hum04、ABTIM3−hum05、ABTIM3−hum06、ABTIM3−hum07、ABTIM3−hum08、ABTIM3−hum09、ABTIM3−hum10、ABTIM3−hum11、ABTIM3−hum12、ABTIM3−hum13、ABTIM3−hum14、ABTIM3−hum15、ABTIM3−hum16、ABTIM3−hum17、ABTIM3−hum18、ABTIM3−hum19、ABTIM3−hum20、ABTIM3−hum21、ABTIM3−hum22、ABTIM3−hum23から選択される抗体からの重鎖および軽鎖可変領域(例えば、重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDR、軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDRまたは両方)からの少なくとも1、2、3、4、5または6CDR(または集合的にCDR全部);またはUS2015/0218274号の表1〜4に記載されるとおり;または表1におけるヌクレオチド配列によりコードされる−4;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列または密接に関係するCDR、例えば、同一であるかまたは少なくとも1個のアミノ酸改変を有するが、改変(例えば、置換、欠失または挿入、例えば、保存的置換)が2、3または4を超えないCDRを含む。
さらに他の実施態様において、抗TIM−3抗体分子は、ここに記載する抗体、例えば、ABTIM3、ABTIM3−hum01、ABTIM3−hum02、ABTIM3−hum03、ABTIM3−hum04、ABTIM3−hum05、ABTIM3−hum06、ABTIM3−hum07、ABTIM3−hum08、ABTIM3−hum09、ABTIM3−hum10、ABTIM3−hum11、ABTIM3−hum12、ABTIM3−hum13、ABTIM3−hum14、ABTIM3−hum15、ABTIM3−hum16、ABTIM3−hum17、ABTIM3−hum18、ABTIM3−hum19、ABTIM3−hum20、ABTIM3−hum21、ABTIM3−hum22、ABTIM3−hum23から選択される抗体からの少なくとも1、2、3または4可変領域(例えば、少なくとも1または2重鎖可変領域(所望により定常領域を含む)、少なくとも1または2軽鎖可変領域(所望により定常領域を含む)または両方);またはUS2015/0218274号の表1〜4に記載されるとおり;または表1〜4におけるヌクレオチド配列によりコードされる;または前記配列の何れかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)である配列を含む。
さらに他の実施態様において、抗TIM−3抗体分子は、US2015/0218274号の表1〜4に示すまたは表1〜4に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDR(または集合的にCDR全部)を含む。ある実施態様において、CDR(または集合的にCDR全部)の1以上は、表1〜4に示すまたは表1〜4に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
さらに他の実施態様において、抗TIM−3抗体分子は、US2015/0218274号の表1〜4に示すまたは表1〜4に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3CDR(または集合的にCDR全部)を含む。ある実施態様において、CDR(または集合的にCDR全部)の1以上は、表1〜4に示すまたは表1〜4に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。ある実施態様において、抗TIM−3抗体分子は、軽鎖CDRに置換、例えば、軽鎖におけるCDR1、CDR2および/またはCDR3に1以上の置換を含む。
他の実施態様において、抗TIM−3抗体分子は、US2015/0218274号の表1〜4に示すまたは表1〜4に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5または6CDR(または集合的にCDR全部)を含む。ある実施態様において、CDR(または集合的にCDR全部)の1以上は、表1〜4に示すまたは表1〜4に示すヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
ある実施態様において、抗TIM−3抗体分子は、
(a)配列番号9から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号10のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);および配列番号12のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号13のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号14のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)(各々US2015/0218274号の表1〜4に開示);
(b)配列番号3から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号4のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号6のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号7のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号8のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL(各々US2015/0218274号の表1〜4に開示);
(c)配列番号9から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号25のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号12のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号13のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号14のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL(各々US2015/0218274号の表1〜4に開示);
(d)配列番号3から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号24のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号6のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号7のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号8のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL(各々US2015/0218274号の表1〜4に開示);
(e)配列番号9から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号31のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号12のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号13のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号14のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL(各々US2015/0218274号の表1〜4に開示);または
(f)配列番号3から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号30のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号6のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号7のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号8のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL(各々US2015/0218274号の表1〜4に開示)
を含む。
ある実施態様において、抗TIM−3抗体分子は、QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYNMHWVRQAPGQGLEWIGDIYPGQGDTSYNQKFKGRATMTADKSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARVGGAFPMDYWGQGTLVTVSS(配列番号324)またはUS2015/0218274号の配列番号32のアミノ酸配列を含むVHおよびDIVLTQSPDSLAVSLGERATINCRASESVEYYGTSLMQWYQQKPGQPPKLLIYAASNVESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQSRKDPSTFGGGTKVEIK(配列番号325)またはUS2015/0218274号の配列番号20のアミノ酸配列を含むVL(各々US2015/0218274号の表1に開示)を含む。ある実施態様において、抗TIM−3抗体分子は、QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFTSYNMHWVRQAPGQGLEWMGDIYPGNGDTSYNQKFKGRVTITADKSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARVGGAFPMDYWGQGTTVTVSS(配列番号326)またはUS2015/0218274号の配列番号52のアミノ酸配列を含むVHおよびAIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASESVEYYGTSLMQWYQQKPGKAPKLLIYAASNVESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYFCQQSRKDPSTFGGGTKVEIK(配列番号327)またはUS2015/0218274号の配列番号64のアミノ酸配列を含むVL(各々US2015/0218274号の表1に開示)を含む。
ある実施態様において、抗TIM−3抗体分子は、US2015/0218274号の配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖およびUS2015/0218274号の配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖(各々US2015/0218274号の表1に開示)を含む。ある実施態様において、抗TIM−3抗体分子は、US2015/0218274号の配列番号54のアミノ酸配列を含む重鎖およびUS2015/0218274号の配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖(各々US2015/0218274号の表1に開示)を含む。
抗TIM−3抗体の例は、米国特許8,552,156号、WO2011/155607号、EP2581113号および米国公開2014/044728号にさらに記載される。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、TIM−3の阻害剤(例えば、抗TIM−3ここに記載する抗体分子)および化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)を含む。ある実施態様において、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)を、10mg〜1000mgの用量(例えば、20mg〜800mg、80mg〜400mg、例えば、240mgの用量)で、例えば、2週に1回、例えば、静脈内投与する。ある実施態様において、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)を、静脈内点滴用液剤の形(例えば、バイアル)で保存する。ある実施態様において、化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)を、5mg/m2〜50mg/m2の用量(例えば、10mg/m2〜30mg/m2(例えば、20mg/m2の用量)で、例えば、連日、例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日またはそれ以上、例えば、静脈内投与する。例えば、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)を28日サイクルの8日目および22日目に投与してよく、化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)を28日サイクルの1日目、2日目、3日目、4日目および5日目に投与してよい。ある実施態様において、化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)を、30分〜2時間、例えば、1時間にわたる静脈内点滴により投与する。
ある実施態様において、組み合わせは、さらにPD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)を含む。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、200mg〜600mgの用量(例えば、300mg〜500mg、例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内投与する。例えば、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)を、28日サイクルの8日目に投与できる。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、静脈内点滴用凍結乾燥物の形(例えば、バイアル)で保存する。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)との組み合わせで使用するとき、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)を、20mg〜400mgの用量(例えば、40mg〜200mgまたは50mg〜100mg、例えば、80mgの用量)で、例えば、2週に1回、例えば、静脈内投与する。
ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)およびTIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)を、同じ日に投与する。ある実施態様において、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)を、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)投与前に投与する。ある実施態様において、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子をまず投与し、続いてデキストロース溶液を、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)投与開始前に、約1時間流す。他の実施態様において、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)を、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)投与後に投与する。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)およびTIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)を、異なる日に投与する。
ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)または両方を、30分〜2時間、例えば、約1時間にわたる静脈内点滴で投与する。
ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、血液癌、例えば、白血病(例えば、急性骨髄性白血病(AML))または骨髄異形成症候群(MDS)の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、白血病、例えば、再発または難治性AMLまたはデノボAML(例えば、標準治療に不適なAML)である。他の実施態様において、癌は、MDS、例えば、高リスクMDSである。
CTLA−4阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、CTLA−4阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍または血液系腫瘍の処置に使用する。
抗CTLA−4抗体の例は、トレメリムマブ(Pfizerから入手可能なIgG2モノクローナル抗体、以前はチシリムマブ、CP−675,206として知られる)およびイピリムマブ(CTLA−4抗体、MDX−010としても知られる、CAS No. 477202-00-9)を含む。
ある実施態様において、組み合わせは、例えば、ここに記載する、抗PD−1抗体分子および抗CTLA−4抗体、例えば、イピリムマブを含む。使用され得る例示用量は、抗PD−1抗体分子の約1〜10mg/kg、例えば、3mg/kgの用量および抗CTLA−4抗体、例えば、イピリムマブの約3mg/kgの用量を含む。
抗CTLA−4抗体の他の例は、例えば、米国特許5,811,097号に開示される。
IAP阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、アポトーシス阻害タンパク質(Inhibitor of Apoptosis Protein)(IAP)の阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、結腸直腸癌(CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))、卵巣癌または膵臓癌)、例えば、血液系腫瘍(例えば、多発性骨髄腫)の処置に使用する。
ある実施態様において、IAP阻害剤は、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物である。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、CIAP1、XIAPおよび所望によりCIAP2のBIR3ドメインに結合する経口小分子SMAC模倣物である。CIAP1およびCIAP2タンパク質は、TNF死受容体ファミリータンパク質複合体の要素である。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物の結合は、CIAP1のE3リガーゼ機能を活性化し、CIAP1のユビキチン化およびプロテアソーム分解を誘発しおよび/または受容体下流のNF−κBシグナル伝達を活性化することができると考えられる(Gyrd-Hansen M, Meier P (2010) Nat. Rev. Cancer p. 561-74)。ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物を、対象における抗腫瘍免疫増加に使用する。例えば、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、例えば、NF−κB活性化により、インビトロで共刺激後ヒトおよびマウスT細胞増殖および機能をおよび/またはインビボで予防および治療抗腫瘍ワクチンに対する応答を増強することができる(Dougan et al. (2010) J. Exp. Med. p. 2195-206)。NF−κB活性は、損傷関連炎症性分子の放出に応答する免疫原性細胞死の間のT細胞交差プライミングに関与し(Yatim et al. (2015) Science p. 328-34)、T細胞機能および抗腫瘍免疫増強の機構を示唆する。他の例として、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、例えば、CD40ライゲーションに類似して、単球由来樹状細胞をアポトーシスから保護し得る(Knights et al. (2013) Cancer Immunol. Immunother. p. 321-35)。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。
理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、TNF受容体ファミリーメンバーの下流NF−kBシグナル伝達を活性化する経口利用可能な小分子であると考えられる。NF−κBは免疫細胞における転写の主要制御因子であり、また腫瘍細胞に直接作用する(Perkins (2012) Nat. Rev. Cancer p. 121-32)。前臨床データは、免疫原性細胞死を受けているCD8+ Tリンパ球の交差プライミングにNF−κB活性が必要であることを示唆する(Yatim et al. (2015) Science p. 328-34)。化合物A21は、インビトロでTリンパ球増殖を刺激し、IFNガンマを誘発し、IL−10産生を抑制する。化合物A21での臨床治験は、TNFアルファ、IL−8、IL−10およびCCL2を含む循環サイトカインの誘発を示した(Infante et al. (2014) J. Clin. Oncol. p. 3103-10)。臨床データは、化合物A21がパクリタキセルで処置したTNBCの病理学的完全奏効率を増加させることを示唆する。ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)の抗腫瘍活性を増強する、または増強に使用される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、各々、組み合わせで所望の抗腫瘍活性を達成する用量および/またはタイムスケジュールで投与される。
理論に拘束されることを意図しないが、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物について1800mgと同等なまたはそれ以下の用量が、例えば、薬力学的データに基づき活性であると考えられる。例えば、320mgで処置した2患者の対の皮膚生検の両方は、化合物A21が標的とするタンパク質であるCIAP1の分解を示した;低用量(160mg以下)で処置した患者から採取した皮膚生検は、あまり一貫性のない薬力学的活性を示した(Infante et al. (2014) J. Clin. Oncol. p. 3103-10)。ある実施態様において、900mgより高い用量は、臨床的有効性には必要ではない。ある状況において、1800mg用量の化合物A21は、パクリタキセルと組み合わせて与えたとき、ほとんど耐容性ではなかった。従って、ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物を、300mg〜900mg用量で、例えば、週に1回投与する。ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物を、週に1回未満の頻度で投与し、例えば、2週に1回、3週に1回または4週に1回投与する。
ある実施態様において、IAP阻害剤、例えば、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、約1800mgまたはそれ以下の用量で、例えば、週1回投与される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、160mg〜1800mg、200mg〜1200mg、300mg〜900mg、400mg〜800mgまたは500mg〜700mgの用量、例えば、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mgまたは900mgの用量で、例えば、週に1回、2週に1回、3週に1回または4週に1回投与される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、約200mg〜約400mg、例えば、約300mgの用量で、週1回投与される。他の実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、約800mg〜約1000mg、例えば、約900mgの用量で、週1回投与される。ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、約200mg〜約400mg、例えば、約300mg、例えば、約900mgの用量で、4週に1回投与される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物を経口投与される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与される。ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、週に1回、例えば、経口投与するおよびPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物を、結腸直腸癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(例えば、NTBC))の処置のために、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与する。
EGFR阻害因子の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、上皮増殖因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor)(EGFR)の阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))または結腸癌の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、結腸直腸癌(例えば、マイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS CRC))、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)または乳癌(例えば、トリプルネガティブ肺癌(TNBC))から選択される。
ある実施態様において、EGFR阻害因子は、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物である。
ある実施態様において、EGFR阻害因子、例えば、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物を、例えば、1日あたり、150〜250mgの用量で投与する。ある実施態様において、EGFR阻害因子、例えば、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物を、約150mg、200mgまたは250mgまたは約150〜200mgまたは200〜250mgの用量で投与する。
ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、共有結合性、不可逆性チロシンキナーゼ阻害剤である。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、活性化EGFR変異(L858R、ex19del)を阻害する。他の実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、野生型(wt)EGFRを阻害しないまたは実質的に阻害しない。化合物A40は、EGFR変異体NSCLC患者において有効性が示されている。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物はまたキナーゼのTECファミリーにおける1以上のキナーゼも阻害する。Tecファミリーキナーゼは、例えば、ITK、BMX、TEC、RLKおよびBTKを含み、T細胞受容体伝播およびケモカイン受容体シグナル伝達の中枢である(Schwartzberg et al. (2005) Nat. Rev. Immunol. p. 284-95)。例えば、化合物A40は、1.3nMの生化学的IC50でITKを阻害できる。ITKはTh2細胞生存に重大な酵素であり、その阻害はTh2とTh1細胞間のバランスのシフトをもたらす。インビボでのITK阻害剤イブルチニブまたは化合物A40および抗PD−L1抗体の組み合わせ処置は、いくつかのモデルで、それぞれの単剤と比較して、優れた有効性をもたらす。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。
ITK阻害(イブルチニブでの)およびチェックポイント阻害の組み合わせは、多数の同一遺伝子マウスモデルで、例えば、ITKを発現するが、BTKを発現しないもので、何れか単剤よりも効果的である。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、ITKを阻害する。ITK阻害およびチェックポイント遮断の相乗効果は、マウス癌細胞株(A20、CT26および4T1)を使用したマウス同種移植において試験されている(Sagiv-Barfi et al. (2015) Blood. p. 2079-86)。抗PD−L1抗体とイブルチニブ(ITK阻害剤)の組み合わせは、全3モデルで、それぞれの単剤より有意に効果的であることが示された。これらの実験において、処置効果はイブルチニブを8日しか投与せず、抗PD−L1抗体の投与は計5回であるにも係わらず、延長された。この組み合わせで処置したCT26腫瘍担持マウスのほぼ半分が治癒した(それぞれの単剤で処置したマウスは治癒しなかった)。これらのマウスのCT26腫瘍接種での再負荷は、この細胞株に特異的な長期抗腫瘍記憶を示した(Sagiv-Barfi et al. (2015) Blood. p. 2079-86)。さらに、腫瘍特異的T細胞が、イブルチニブおよび抗PD−L1抗体で処置したマウスの血液および脾臓で見られた。A20リンパ腫モデルにおいて化合物A40を使用して、同様の実験を行った(例えば、実施例4参照)。化合物A40と抗PD−L1抗体またはイブルチニブと抗PD−L1抗体それぞれの組み合わせは、単剤より効果的であった。化合物A40およびイブルチニブを10日のみ投与し、抗PD−L1抗体は計5回投与した。化合物A40およびイブルチニブを一過性にしか投与せず、生存に対する化合物A40+抗PD−L1抗体およびイブルチニブ+抗PD−L1抗体の効果は、60日を超えて持続した。抗PD−L1抗体と化合物A40の組み合わせは、A20リンパ腫同種移植片担持マウスの腫瘍退縮をもたらした。従って、ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)の抗腫瘍効果を増強するまたは増強に使用される。
ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、各々、組み合わせで所望の抗腫瘍活性を達成する用量および/またはタイムスケジュールで投与される。
ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、5mg〜100mg、例えば、10mg〜75mg、15mg〜50mg、20mg〜30mg、10mg〜40mg、10mg〜25mgまたは25mg〜40mg、例えば、5mgの用量、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mgまたは100mgの用量で、例えば、1日2回、1日1回、2日に1回、3日に1回または週に1回投与される。
ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、10mg〜50mg(例えば、25mg)の用量で、例えば、1日1回投与される。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物を経口投与する。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、10mg〜50mg(例えば、25mg)の用量で、例えば、1日1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。ある実施態様において、組み合わせは、1以上の投与サイクル、例えば、1以上の28日投与サイクルで投与される。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、最初の投与サイクルの1日目〜10日目に投与される。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、第一投与サイクルまたはそれ以後のあらゆる投与サイクルの11〜28日目に投与されない。
ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物を、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて結腸直腸癌(CRC)(例えば、MSS−CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))の処置のために投与する。
ある実施態様において、EGFR阻害因子は、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ネシツムマブ、PF−00299804、ニモツズマブまたはRO5083945の1以上から選択される。
mTOR阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、標的の阻害因子(mTOR)を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、前立腺癌、乳癌、脳腫瘍、膀胱癌、膵臓癌、腎臓癌または肝臓癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌または非小細胞肺癌)、呼吸器/胸部癌、肉腫、骨癌、非小細胞肺癌、内分泌癌、星状細胞腫、子宮頸癌、神経性癌、胃癌または黒色腫)、例えば、血液系腫瘍(例えば、白血病(例えば、リンパ性白血病)、例えば、リンパ腫または例えば、多発性骨髄腫)の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、結腸直腸癌(例えば、マイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS CRC))、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)または乳癌(例えば、トリプルネガティブ肺癌(TNBC))から選択される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤は、ダクトリシブ(化合物A4)または8−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−3−メチル−1−(4−ピペラジン−1−イル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(化合物A41)またはPCT公開WO2006/122806号に開示の化合物である。
ある実施態様において、mTOR阻害剤は、エベロリムス(アフィニトール(登録商標)としても既知;化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物である。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、PI3K/AKT経路下流のセリン−スレオニンキナーゼである哺乳動物ラパマイシンの標的(mTOR)を阻害する。mTOR経路は、いくつかのヒト癌で脱制御されている。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、細胞内タンパク質、FKBP−12と結合し、mTOR複合体1(mTORC1)と阻害性複合体を形成し、そうして、mTORキナーゼ活性を阻害すると考えられる。エベロリムス(化合物A36)はタンパク質合成に関与するmTORの下流エフェクターであるS6リボソームタンパク質キナーゼ(S6K1)および/または真核生物開始因子4E結合タンパク質(4E−BP1)の活性を低減できる。S6K1はmTORC1の基質であり、エストロゲン受容体の活性化ドメイン1をリン酸化し、該受容体のリガンド非依存的活性化をもたらす。さらに、エベロリムス(化合物A36)は低酸素症誘導性因子(例えば、HIF−1)発現を阻害するおよび/または血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を低減することができる。エベロリムス(化合物A36)によるmTOR阻害は、インビトロおよび/またはインビボ試験で細胞増殖、血管形成およびグルコース取り込みを減少することが示されている。PI3K/Akt/mTOR経路の構成的活性化は、乳癌における内分泌抵抗性に寄与し得る。インビトロ試験は、エストロゲン依存性およびHER2+乳癌細胞がエベロリムス(化合物A36)の阻害性効果に感受性であり、エベロリムスとAkt、HER2またはアロマターゼ阻害剤の組み合わせ処置がエベロリムス(化合物A36)の抗腫瘍活性を相乗的方法で増強することを示す。MTORC1シグナル伝達の2つのレギュレーターは、癌遺伝子サプレッサー結節性硬化症複合体1および2(TSC1、TSC2)である。TSC1またはTSC2何れかの喪失または不活性化は、下流シグナル伝達の活性化を起こす。TSCにおいて、TSC1またはTSC2遺伝子何れかの不活化変異である遺伝子障害は、体中の過誤腫形成をもたらす。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。
エベロリムス(化合物A36)は、腫瘍細胞におけるmTOR活性を抑制するために連日10mgの用量で直接抗腫瘍剤としておよび固形臓器移植を必要とする患者においてTリンパ球機能を抑制するために連日1.5〜2.0mgで免疫抑制剤として臨床使用されている。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、これらの用量およびスケジュールでエベロリムス(化合物A36)は、効果的抗腫瘍応答を障害すると考えられる。免疫老化は高齢者で生じる免疫機能低下であり、インフルエンザワクチン接種を含むワクチン接種に対する応答の低下を含む。年齢による免疫機能低下は、抗原での刺激に対する応答が減少しているPD−1陽性“消耗”Tリンパ球の増加を含む(Lages et al. (2010) Aging Cell 9, 785-798)。臨床データは、週あたり5mg用量が免疫刺激性であり、プラセボ処置と比較してPD−1陽性CD4+およびCD8+リンパ球のパーセンテージを減らし、高齢対象におけるインフルエンザワクチンに対する応答を増強することを示唆する(Mannick et al. (2014) Sci. Transl. Med. Vol. 6, Issue 268, pp. 268ra179)。ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物の免疫刺激性用量は、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)の抗腫瘍活性を増強するまたは増強に使用される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、各々、組み合わせで所望の抗腫瘍活性を達成する用量および/またはタイムスケジュールで投与される。
ある実施態様において、成人癌適応症(例えば乳癌(例えば、TNBC)、腎細胞癌および神経内分泌腫瘍(例えば、非定型肺カルチノイド腫瘍)について承認されているエベロリムス(化合物A36)の用量は、連日10mgである。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、下流標的S6キナーゼ(S6K)のmTOR介在リン酸化に基づくモデリングおよびシミュレーションは、投与間隔にわたり、毎週20mg投与レジメンはmTOR介在S6Kリン酸化をほぼ完全に阻害し、毎週5mgの投与レジメンはS6Kリン酸化を50%を超えて阻害し、0.5mg連日投与レジメンは、S6Kリン酸化を約38%阻害すると予測されると考えられる(Mannick et al. (2014) Sci. Transl. Med. Vol. 6, Issue 268, pp. 268ra179; Tanaka (2008) J. Clin. Oncol. p. 1596-602)。従って、ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物を、5mgの用量で週1回(QW)、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与する。他の実施態様において、例えば、5mg週1回(QW)が十分に耐容性でないとき、0.5mg1日1回(QD)の用量も使用してよい。ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、5mgまたはそれ以下の用量で、週に1回投与される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、例えば、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、約2.5〜20mg/日の用量で投与される。ある実施態様において、TOR阻害剤、例えば、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、約2.5mg/日、5mg/日、10mg/日または20mg/日、例えば、約2.5〜5mg/日、5〜10mg/日または10〜20mg/日の用量で投与される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、1mg〜10mg、2mg〜8mg、3mg〜7mgまたは4mg〜6mgの用量、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mgまたは10mgの用量で、例えば、週1回、2週に1回、3週に1回または4週に1回投与される。ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、4mg〜6mg、例えば、5mgの用量で、例えば、週1回投与される。
他の実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、0.1mg〜1mg、0.2mg〜0.8mg、0.3mg〜0.7mgまたは0.4mg〜0.6mg、例えば、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mgまたは1mgの用量で、例えば、1日1回または週1回投与される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物を経口投与される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、2mg〜8mgの用量(例えば、5mgの用量)で、例えば、週に1回、例えば、経口投与するおよびPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物を、結腸直腸癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(NTBC))の処置のために、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与する。
ある実施態様において、mTOR阻害剤は、ラパマイシン、テムシロリムス(トーリセル(登録商標))、AZD8055、BEZ235、BGT226、XL765、PF−4691502、GDC0980、SF1126、OSI−027、GSK1059615、KU−0063794、WYE−354、Palomid 529(P529)、PF−04691502またはPKI−587、リダフォロリムス(以前はデフォロリムスとして知られる、(1R,2R,4S)−4−[(2R)−2−[(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R、23S,24E,26E,28Z,30S,32S,35R)−1,18−ジヒドロキシ−19,30−ジメトキシ−15,17,21,23、29,35−ヘキサメチル−2,3,10,14,20−ペンタオキソ−11,36−ジオキサ−4−アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ−16,24,26,28−テトラエン−12−イル]プロピル]−2−メトキシシクロヘキシルジメチルホスフィナート、AP23573およびMK8669としても知られ、PCT公開WO03/064383号に記載);エベロリムス(アフィニトール(登録商標)またはRAD001);ラパマイシン(AY22989、シロリムス(登録商標));セマピモド(CAS Registry Number: 164301-51-3);(5−{2,4−ビス[(3S)−3−メチルモルホリン−4−イル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−メトキシフェニル)メタノール(AZD8055);2−アミノ−8−[trans−4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]−6−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−4−メチル−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(PF04691502、CAS Registry Number: 1013101-36-4);N2−[1,4−ジオキソ−4−[[4−(4−オキソ−8−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−2−イル)モルホリニウム−4−イル]メトキシ]ブチル]−L−アルギニルグリシル−L−α−アスパルチルL−セリン(配列番号237)分子内塩(SF1126、CAS Registry Number: 936487-67-1)またはXL765(SAR245409)の1以上から選択される。
mTOR阻害剤の他の例は、テムシロリムス;リダフォロリムス(1R,2R,4S)−4−[(2R)−2−[(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R、23S,24E,26E,28Z,30S,32S,35R)−1,18−ジヒドロキシ−19,30−ジメトキシ−15,17,21,23、29,35−ヘキサメチル−2,3,10,14,20−ペンタオキソ−11,36−ジオキサ−4−アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ−16,24,26,28−テトラエン−12−イル]プロピル]−2−メトキシシクロヘキシルジメチルホスフィナート)AP23573およびMK8669としても知られる);エベロリムス(RAD001);ラパマイシン(AY22989);セマピモド;(5−{2,4−ビス[(3S)−3−メチルモルホリン−4−イル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−メトキシフェニル)メタノール(AZD8055);2−アミノ−8−[trans−4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]−6−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−4−メチル−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(PF04691502);およびN2−[1,4−ジオキソ−4−[[4−(4−オキソ−8−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−2−イル)モルホリニウム−4−イル]メトキシ]ブチル]−L−アルギニルグリシル−L−α−アスパルチルL−セリン−(配列番号237)、分子内塩(SF1126);およびXL765を含むが、これらに限定されない。
IL−15アゴニストの例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、インターロイキン−15(IL−15)アゴニストを含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、難治性固形腫瘍)、(例えば、黒色腫(例えば、転移または進行型黒色腫)、腎臓癌(例えば、腎細胞癌)、非小細胞肺癌、扁平上皮細胞頭頸部癌または膀胱癌(例えば、非筋肉侵襲性膀胱癌))、例えば、血液系腫瘍(例えば、白血病、例えば、急性骨髄性白血病(例えば、難治性または再発急性骨髄性白血病)、例えば、リンパ腫、例えば、非ホジキンリンパ腫(例えば、再発/難治性低悪性度B細胞非ホジキンリンパ腫)、例えばまたは多発性骨髄腫(例えば、再発または難治性多発性骨髄腫))の処置に使用する。ある実施態様において、癌は固形腫瘍である。
ウイルス感染後単核貪食細胞(およびある他の細胞型)により分泌されるIL−15は、Tおよびナチュラルキラー細胞活性化および増殖を制御する。このサイトカインは、肥満細胞、T細胞および樹状上皮T細胞におけるJAKキナーゼシグナル伝達経路を経て、転写アクティベーターSTAT3、STAT5およびSTAT6の活性化を誘発する。IL−15およびインターロイキン−2(IL−2)は構造的に類似し、多くの生物学的活性を共有し、両方とも共通ヘマトポエチン受容体サブユニットに結合し、互いの活性を負に制御し得る。CD8+記憶T細胞数は、IL−15とIL−2の間のバランスにより制御され得る。
ある実施態様において、IL−15アゴニストは、組み換えヒトIL−15(rhIL−15)、例えば、CYP0150(Cytune)である。CYP0150は、ヒトアルファ鎖受容体のSushi+ドメインに連結されたヒトIL−15からなる組み換えタンパク質である(トランス提示)。
CYP0150は、例えば、PCT公開WO2007/046006号に開示される。CYP0150は、アミノ酸配列MAPRRARGCRTLGLPALLLLLLLRPPATRGDYKDDDDKIEGRITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSGGSGGGGSGGGSGGGGSLQNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号248)(WO2007/046006号に配列番号60として開示)またはMDSKGSSQKAGSRLLLLLVVSNLLLCQGVVSTTRDYKDDDDKIEGRNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSSGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGSLQITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号249)(WO2007/046006号に配列番号62として開示)を有する。
ある実施態様において、IL−15アゴニストは、ALT−803(Altor BioScience)である。ALT−803は、IL−15N72DおよびIL−15RαSu/Fc融合タンパク質を共発現する高収率組み換え哺乳動物細胞株から産生される、IL−15N72D:IL−15RαSu/Fc可溶性複合体である。IL−15変異体(N72D)は、IL−15生物学的活性が増強されている(Zhu et al. 2009, J Immunol. 183:3598)。IL−15N72D変異体およびIL−15Rαの可溶性ドメインは溶液中で安定なヘテロ二量体複合体を形成でき、この複合体は、非複合体化IL−15と比較して、増加した生物学的活性(約25倍活性)を示す。ALT−803は、例えば、PCT公開WO2012/040323号および米国特許8,507,222号に開示される。
ある実施態様において、IL−15アゴニストは、hetIL−15(Admune)である。HetIL−15は、ヘテロ二量体ヒトIL−15(IL−15/sIL−15Ra)である。HetIL−15は、例えば、PCT公開WO2009/002562号およびWO2014/066527号に開示される。
CD40アゴニストの例
ある実施態様において、組み合わせは、CD40アゴニストを含む。ある実施態様において、組み合わせは、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、肺癌、食道癌、黒色腫または腎細胞癌)、例えば、血液系腫瘍(例えば、白血病(例えば、慢性リンパ性白血病(CLL))、例えば、リンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫)または多発性骨髄腫)の処置に使用される。
ある実施態様において、CD40アゴニストは、ADC−1013(Alligator/BioInvent)である。ADC−1013は、ヒトCD40に対する完全ヒトIgGアゴニストモノクローナル抗体である。Bリンパ球の表面に見られる複合膜タンパク質であるCD40は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーであり、B細胞悪性腫瘍などの多数の癌で高度に発現される。CD40アゴニスト、例えば、抗CD40抗体は、T細胞ヘルパー活性を効率的に置き換えできる(Ridge, J. et al. (1998) Nature 393: 474-478)。
ADC−1013は、例えば、PCT公開WO2015/091853号に開示される。ADC−1013クローンは、例えば、1136/1137、1132/1133、1148/1149、1140/1135、1134/1135、1107/1108、1142/1135、1146/1147および1150/1151を含む。
1132/1133の重鎖可変領域の重鎖可変領域は、アミノ酸配列EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYAMSWVRQAPGKGLEWVSGIGSYGGGTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARYVNFGMDYWGQGTLVTVSS(配列番号250)(WO2015/091853号の配列番号65として開示)を有する。1132/1133の軽鎖可変領域は、アミノ酸配列DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYGRNPPTFGQGTKLEIK(配列番号251)(WO2015/091853号の配列番号66として開示)を有する。1132/1133の重鎖CDR1は、アミノ酸配列GFTFSSYA(配列番号252)(WO2015/091853号の配列番号13として開示)を有する。1132/1133の重鎖CDR2は、アミノ酸配列IGSYGGGT(配列番号253)(WO2015/091853号の配列番号14として開示)を有する。1132/1133の重鎖CDR3は、アミノ酸配列ARYVNFGMDY(配列番号254)(WO2015/091853号の配列番号15として開示)を有する。1132/1133の軽鎖CDR1は、アミノ酸配列QSISSY(配列番号255)(WO2015/091853号の配列番号16として開示)を有する。1132/1133の軽鎖CDR2は、アミノ酸配列AAS(配列番号256)(WO2015/091853号の配列番号17として開示)を有する。1132/1133の軽鎖CDR3は、アミノ酸配列QQYGRNPPT(配列番号257)(WO2015/091853号の配列番号18として開示)を有する。
1107/1108の重鎖可変領域は、アミノ酸配列EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYAMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARRVWGFDYWGQGTLVTVSS(配列番号258)(WO2015/091853号の配列番号79として開示)を有する。1107/1108の軽鎖可変領域は、アミノ酸配列DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGT DFTLTISSLQPEDFATYYCQQYGVYPFTFGQGTKLEIK(配列番号259)(WO2015/091853号の配列番号80として開示)を有する。
1107/1108の重鎖CDR1は、アミノ酸配列GFTFSSYA(配列番号252)(WO2015/091853号の配列番号55として開示)を有する。1107/1108の重鎖CDR2は、アミノ酸配列ISGSGGST(配列番号260)(WO2015/091853号の配列番号56として開示)を有する。1107/1108の重鎖CDR3は、アミノ酸配列ARRVWGFDY(配列番号261)(WO2015/091853号の配列番号57として開示)を有する。1107/1108の軽鎖CDR1は、アミノ酸配列QSISSY(配列番号255)(WO2015/091853号の配列番号58として開示)を有する。1107/1108の軽鎖CDR2は、アミノ酸配列AAS(配列番号256)(WO2015/091853号の配列番号59として開示)を有する。1107/1108の軽鎖CDR3は、アミノ酸配列QQYGVYPFT(配列番号262)(WO2015/091853号の配列番号60として開示)を有する。
ある実施態様において、CD40アゴニストは、ISF35である。ISF35は、キメラCD154であり。ISFはPCT公開WO2003/099340号およびWO2008/070743号に開示される。
ある実施態様において、CD40アゴニストは、ダセツズマブである。ダセツズマブはSGN−40またはhuS2C6としても知られる。ダセツズマブは、CD40を標的とするヒト化モノクローナル抗体である。ダセツズマブは、例えば、Advani et al. J Clin Oncol. 2009; 27(26):4371-7;およびKhubchandani et al. Curr Opin Investig Drugs. 2009; 10(6):579-87に開示される。
ある実施態様において、CD40アゴニストは、ルカツムマブ(CAS Registry Number: 903512-50-5)である。ルカツムマブはCHIR−12.12またはHCD−122としても知られる。ルカツムマブはCD40に結合し、阻害し、それによりCD40を過発現する細胞における抗体依存性細胞傷害(ADCC)によりCD40リガンド誘発細胞増殖を阻害し、細胞溶解を引き起こす。ルカツムマブは、例えば、Tai et al. Cancer Res. 2005;65(13):5898-906に開示される。
抗CD40抗体は、T細胞ヘルパー活性を効率的に置き換えることができ(Ridge, J. et al. (1998) Nature 393: 474-478)、PD−1抗体と共に使用できる(Ito, N. et al. (2000) Immunobiology 201 (5) 527-40)。
OX40アゴニストの例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、OX40アゴニストを含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、乳癌、黒色腫、頭頸部癌または前立腺癌)、例えば、血液系腫瘍(例えば、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫))の処置に使用する。
CD134としても知られるOX40は、細胞表面糖タンパク質であり、腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーのメンバーであり、Tリンパ球に発現され、活性化T細胞の増殖および生存のための共刺激性シグナルを提供する。OX40活性化はエフェクターTリンパ球の増殖を誘発し、これは腫瘍関連抗原(TAA)を発現する腫瘍細胞に対する免疫応答を促進できる。
ある実施態様において、OX40アゴニストは、mAb 106−222、ヒト化106−222(Hu106)、mAb 119−122またはヒト化119−122(Hu119)から選択される。
mAb 106−222、ヒト化106−222(Hu106)、mAb 119−122およびヒト化119−122(Hu119)は、例えば、PCT公開WO2012/027328号および米国特許9,006,399号に開示される。mAb 106−222の重鎖可変領域のアミノ酸配列は、WO2012/027328号における配列番号4として開示される。mAb 106−222の軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、WO2012/027328号における配列番号10として開示される。ヒト化106−222(Hu106)の重鎖可変領域のアミノ酸配列は、WO2012/027328号における配列番号5として開示される。ヒト化106−222(Hu106)の軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、WO2012/027328号における配列番号11として開示される。mAb 119−122の重鎖可変領域のアミノ酸配列は、WO2012/027328号における配列番号16として開示される。mAb 119−122の軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、WO2012/027328号における配列番号22として開示される。ヒト化119−122(Hu119)の重鎖可変領域のアミノ酸配列は、WO2012/027328号における配列番号17として開示される。ヒト化119−122(Hu119)の軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、WO2012/027328号における配列番号23として開示される。
ある実施態様において、OX40アゴニストは、米国特許7,959,925号およびPCT公開WO2006/121810号に開示されるヒト化モノクローナル抗体である。
ある実施態様において、OX40アゴニストは、MEDI6469、MEDI0562またはMEDI6383から選択される。MEDI6469は、OX40に対するマウスモノクローナル抗体である。MEDI0562は、OX40に対するヒト化モノクローナル抗体である。MEDI6383は、OX40に対するモノクローナル抗体である。
ある実施態様において、OX40アゴニスト、例えば、MEDI6469は、約0.4mg/kgの用量で、例えば、隔日で静脈内投与される
抗OX−40抗体の他の例は、例えば、Weinberg, A. et al. (2000) Immunol 164: 2160-2169)に開示される。
CD27アゴニストの例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、CD27アゴニストを含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、黒色腫、腎細胞癌、ホルモン難治性前立腺腺癌、卵巣癌、乳癌、結腸直腸腺癌または非小細胞肺癌)、例えば、血液系腫瘍(例えば、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、中枢神経系の原発リンパ腫または辺縁帯B細胞リンパ腫)または白血病(例えば、慢性リンパ性白血病(CLL))の処置に使用する。
ある実施態様において、CD27アゴニストは、バルリルマブ(CAS Registry Number: 1393344-72-3)である。バルリルマブは、CDX−1127(Celldex)または1F5としても知られる。バルリルマブは、リンパ球の活性化経路における分子であるCD27を標的とする完全ヒトモノクローナル抗体(mAb)である。CDX−1127は、T細胞受容体刺激下にヒトT細胞を活性化し、それゆえに、抗腫瘍効果に介在できる、アゴニスト抗CD27 mAbである。CDX−1127は、CD27発現を有する腫瘍に対する直接治療効果も提供できる。
バルリルマブは、例えば、Vitale et al., ClinCancer Res. 2012;18(14):3812-21、WO2008/051424号およびUS8,481,029号に開示される。
ある実施態様において、CD27アゴニストはBION−1402(BioNovion)である。BION−1402はhCD27.15としても知られる。BION−1402は、抗ヒトCD27モノクローナル抗体である。BION−1402はCD27+細胞の増殖および/または生存を刺激できる。BION−1402は、ヒトCD27をそのリガンドCD70より効率的に活性化でき、これは、CD8+およびCD4+ T細胞の増殖に対する顕著に増加された効果をもたらす。
BION−1402は、例えば、WO2012/004367号にhCD27.15として記載される。この抗体は、2010年6月2日にPTA−11008下ATCCに寄託された、ハイブリドーマhCD27.15により産生される。hCD27.15の重鎖可変領域は、アミノ酸配列EVRLQQSGADLVKPGASVKLSCASGFIIKATYMHWVRQRPEQGLEWIGRIDPANGE KY DPKFQVKAITADTSSSTAYLQLNSLTSDDTAVYYCARYAWYFDVWGAGTTVTVSSAKTTPPXVYPXXPGS(配列番号263)(WO2012/004367号における配列番号3として開示)を有する。hCD27.15の軽鎖可変領域は、アミノ酸配列DIQMTQSPASLSASVGDTVTITCRASENIYSFLAWYHQKQGRSPQLLVYHAKTLAEGVPSRFSGSGSGTQFSLKINSLQAEDFGSYYCQHYYGSPLTFGAGTKLEVKRADAAPTVSIFPPSSEELSL(配列番号264)(WO2012/004367号における配列番号4として開示)を有する。hCD27.15の重鎖CDR1は、アミノ酸配列GFIIKATYMH(配列番号265)(WO2012/004367号における配列番号5として開示)を有する。hCD27.15の重鎖CDR2は、アミノ酸配列RIDPANGETKYDPKFQV(配列番号266)(WO2012/004367号における配列番号6として開示)を有する。hCD27.15の重鎖CDR3は、アミノ酸配列YAWYFDV(配列番号267)(WO2012/004367号における配列番号7として開示)を有する。hCD27.15の軽鎖CDR1は、アミノ酸配列RASENIYSFLA(配列番号268)(WO2012/004367号における配列番号8として開示)を有する。hCD27.15の軽鎖CDR2は、アミノ酸配列HAKTLAE(配列番号269)(WO2012/004367号における配列番号9として開示)を有する。hCD27.15の軽鎖CDR3は、アミノ酸配列QHYYGSPLT(配列番号270)(WO2012/004367号における配列番号10として開示)を有する。
CSF−1/1R結合剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、CSF−1/1R結合剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、前立腺癌、乳癌または色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS))の処置に使用する。
ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤は、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)阻害剤である。M−CSFは、CSF−1としても知られることがある。
他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤は、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物である。ある実施態様において、癌は、脳腫瘍(例えば、多形神経膠芽腫(GBM))、膵臓癌または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))から選択される。
ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物を、50mg〜1500mg、例えば、75mg〜1000mg、100mg〜900mg、200mg〜800mg、300mg〜700mg、400mg〜600mg、100mg〜700mg、100mg〜500mg、100mg〜300mg、700mg〜900mg、500mg〜900mg、300mg〜900mg、75mg〜150mg、100mg〜200mg、200mg〜400mg、500mg〜700mgまたは800mg〜1000mgの用量、例えば、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mgまたは1000mgの用量で投与される。ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、連日、例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、週に2回、週に1回、2週に1回、3週に1回または4週に1回投与される。
ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、50mg〜150mg、例えば、約100mgの用量で、例えば、連日、例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、100mg〜200mg、例えば、約150mgの用量で、例えば、連日、例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、200mg〜400mg、例えば、約300mgの用量で、例えば、連日、例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、500mg〜700mg、例えば、約600mgの用量で、例えば、連日、例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、800mg〜1000mg、例えば、約900mgの用量で、例えば、連日、例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより投与される。
ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、50mg〜150mg、例えば、約100mgの用量で、週に1回投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、100mg〜200mg、例えば、約150mgの用量で、週に1回投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、200mg〜400mg、例えば、約300mgの用量で、週に1回投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、500mg〜700mg、例えば、約600mgの用量で、週に1回投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、800mg〜1000mg、例えば、約900mgの用量で、週に1回投与される。
ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物を経口投与される。
ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与される。ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、50mg〜150mg(例えば、約100mg)の用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)または週に1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、100mg〜200mg(例えば、約150mg)の用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)または週に1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、 200mg〜400mg(例えば、約300mg)の用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)または週に1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物500mg〜700mg(例えば、約600mg)の用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)または週に1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。他の実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、800mg〜1000mg(例えば、約900mg)の用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)または週に1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤(例えば、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤)、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物を、癌、例えば、固形腫瘍(例えば、進行型固形腫瘍)、例えば、脳腫瘍(例えば、多形神経膠芽腫(GBM)、例えば、再発性神経膠芽腫)、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(例えば、NTBC))または膵臓癌(例えば、進行型膵臓癌)の処置のために、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与する。
ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤は、M−CSF阻害剤、化合物A33またはRX1または5H4(例えば、M−CSFに対する抗体分子またはFabフラグメント)を含むPCT公開WO2004/045532号またはPCT公開WO2005/068503号に開示のCSF−1への結合剤である。ある実施態様において、は、子宮内膜癌、皮膚癌(例えば、黒色腫)、膵臓癌または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))から選択される。
ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤、例えば、M−CSF阻害剤、化合物A33またはPCT公開WO2004/045532号に開示の化合物(例えば、M−CSFに対する抗体分子またはFabフラグメント)を、約10mg/kgの平均用量で投与する。ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤は、CSF1R阻害剤または4−(2−((1R、2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルオキシ)−N−メチルピコリンアミドである。4−(2−((1R、2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルオキシ)−N−メチルピコリンアミドは、PCT公開WO2007/121484号の117頁に実施例157として開示される。
ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤は、ペキシダルチニブ(CAS Registry Number 1029044-16-3)である。ペキシダルチニブは、PLX3397または5−((5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メチル)−N−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2−アミンとしても知られる。ペキシダルチニブは、KIT、CSF1RおよびFLT3の小分子受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤である。FLT3、CSF1RおよびFLT3は、多くの癌細胞型で過発現または変異しており、腫瘍細胞増殖および転移に主要な役割を有する。PLX3397は、幹細胞因子受容体(KIT)、コロニー刺激因子−1受容体(CSF1R)およびFMS様チロシンキナーゼ3(FLT3)に結合し、リン酸化を阻害し、これは、腫瘍細胞増殖阻害ならびに溶骨性転移疾患に関与するマクロファージ、破骨細胞および肥満細胞の下方制御をもたらし得る。ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤、例えば、ペキシダルチニブを、PD−1阻害剤、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子と組み合わせて使用する。
ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤は、エマクツズマブである。エマクツズマブはRG7155またはRO5509554としても知られる。エマクツズマブは、CSF1Rを標的とするヒト化IgG1 mAbである。ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤、例えば、ペキシダルチニブを、PD−L1阻害剤、例えば、抗PD−L1ここに記載する抗体分子と組み合わせて使用する。
ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤はFPA008である。FPA008は、CSF1Rを阻害するヒト化mAbである。ある実施態様において、CSF−1/1R結合剤、例えば、FPA008を、PD−1阻害剤、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子と組み合わせて使用する。
IL−17阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせはインターロイキン−17(IL−17)阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍、例えば、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)または結腸癌の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、結腸直腸癌(例えば、マイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS CRC))、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)または乳癌(例えば、トリプルネガティブ肺癌(TNBC))から選択される。
ある実施態様において、IL−17阻害剤は、セクキヌマブ(CAS Registry Numbers: 875356-43-7(重鎖)および875356-44-8(軽鎖))である。セクキヌマブは、AIN457およびコセンティクス(登録商標)としても知られる。セクキヌマブは、IL−17Aに特異的に結合する組み換えヒトモノクローナルIgG1/κ抗体である。これは組み換えチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株でも発現される。
セクキヌマブは、例えば、WO2006/013107号、US7,807,155号、US8,119,131号、US8,617,552号およびEP1776142号に記載される。セクキヌマブの重鎖可変領域は、アミノ酸配列EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSNYWMNWVRQAPGKGLEWVAAINQDGSEKYYVGSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRVEDTAVYYCVRDYYDILTDYYIHYWYFDLWGRGTLVTVSS(配列番号271)(WO2006/013107号の配列番号8として開示)を有する。セクキヌマブの軽鎖可変領域は、アミノ酸配列EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPCTFGQGTRLEIKR(配列番号298)(WO2006/013107号の配列番号10として開示)を有する。セクキヌマブの重鎖CDR1は、アミノ酸配列NYWMN(配列番号272)(WO2006/013107号の配列番号1として開示)を有する。セクキヌマブの重鎖CDR2は、アミノ酸配列AINQDGSEKYYVGSVKG(配列番号273)(WO2006/013107号の配列番号2として開示)を有する。セクキヌマブの重鎖CDR3は、アミノ酸配列DYYDILTDYYIHYWYFDL(配列番号274)(WO2006/013107号の配列番号3として開示)を有する。セクキヌマブの軽鎖CDR1は、アミノ酸配列RASQSVSSSYLA(配列番号275)(WO2006/013107号の配列番号4として開示)を有する。セクキヌマブの軽鎖CDR2は、アミノ酸配列GASSRAT(配列番号276)(WO2006/013107号の配列番号5として開示)を有する。セクキヌマブの軽鎖CDR3は、アミノ酸配列GASSRAT(配列番号299)(WO2006/013107号の配列番号6として開示)を有する。
ある実施態様において、IL−17阻害剤はCJM112である。CJM112は、XAB4としても知られる。CJM112は、IL−17Aを標的とする(例えば、IgG1/κアイソタイプの)完全ヒトモノクローナル抗体である。
CJM112は、例えば、WO2014/122613号に開示される。CJM112の重鎖は、アミノ酸配列EVQLVESGGDLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYWMSWVRQAPGKGLEWVANIKQDGSEKYYVDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDRGSLYYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号277)(WO2014/122613号に配列番号14として開示)を有する。CJM112の軽鎖は、アミノ酸配列AIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRPSQGINWELAWYQQKPGKAPKLLIYDASSLEQGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQFNSYPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号278)(WO2014/122613号に配列番号44として開示)を有する。
CJM112はヒト、カニクイザル、マウスおよびラットIL−17Aに結合し、これらのサイトカインの生理活性をインビトロおよびインビボで中和する。IL−17ファミリーメンバーであるIL−17Aは、乾癬および癌などの多くの免疫介在状態において重要な役割を有することが示されている、主要炎症誘発性サイトカインである(Witowski et al. (2004) Cell Mol. Life Sci. p. 567-79; Miossec and Kolls (2012) Nat. Rev. Drug Discov. p. 763-76)。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、IL−17阻害剤、例えば、抗IL−17抗体は、例えば、T細胞抑制性好中球のIL−17介在増大の遮断および/または転移減少により、PD−1介在応答を増強できると考えられる(Coffelt et al. (2015) Nature p. 345-8)。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、IL−17阻害剤、CJM112またはWO2006/013107号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。
IL−17は、自然免疫および慢性炎症性応答の重要なメディエーターである。例えば、種々の組織におけるケモカイン産生の増加に作用することにより、IL−17は、自己免疫性疾患の病態生理学の中心である(Isailovic et al. (2015) J. Autoimmun. p. 1-11)。IL−17は、主にCD4+Th17ならびにγδ T細胞、CD8+T細胞、好中球および好酸球により分泌され、炎症部位に単球および好中球を動員する(Alshaker and Matalka (2011) Cancer Cell Int. p. 11-33)。腫瘍におけるTh17細胞浸潤の役割が種々の癌で研究されており、多くの状況で、予後不良と相関する(Zeng et al. (2015) Int. J. Clin. Exp. Med. p. 10515-36)。Th17細胞および特にIL−17は、抗腫瘍および腫瘍促進の両方の役割を有する。ある状況で、IL−17は腫瘍血管新生、細胞増殖、腫瘍形成、転移および/または腫瘍微小環境へのマクロファージ由来サプレッサー細胞の動員を促進する(Yang et al. (2014) Mediators Inflamm. p. 014:623759)。悪性腫瘍処置において、IL−17をターゲティングする役割がある(Zou and Restifo (2010) Nat. Rev. Immunol. p. 246-56)。ある実施態様において、IL−17阻害剤、CJM112またはWO2006/013107号に開示の化合物は、例えば、T細胞抑制性好中球のIL−17介在増大の遮断および/または転移減少により、PD−1介在応答を増強するまたは増強に使用される。
ある実施態様において、IL−17阻害剤、CJM112またはWO2006/013107号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、各々、組み合わせで所望の抗腫瘍活性を達成する用量および/またはタイムスケジュールで投与される。
ある実施態様において、IL−17阻害剤、CJM112またはWO2006/013107号に開示の化合物は、5mg〜100mg、例えば、10mg〜75mg、15mg〜50mg、20mg〜30mg、10mg〜25mgまたは25mg〜40mg、例えば、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mgまたは100mgの用量で、例えば、2週に1回、4週に1回、6週に1回または8週に1回、例えば、静脈内投与される。
ある実施態様において、IL−17阻害剤、CJM112またはWO2006/013107号に開示の化合物は、20mg〜30mg(例えば、25mg)の用量で、例えば、4週に1回投与される。ある実施態様において、IL−17阻害剤、CJM112またはWO2006/013107号に開示の化合物は、静脈内投与される。ある実施態様において、IL−17阻害剤、CJM112またはWO2006/013107号に開示の化合物は、20mg〜30mg(例えば、25mg)の用量で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、IL−17阻害剤、CJM112またはWO2006/013107号に開示の化合物は、5mg〜750mg、例えば、10mg〜500mg、15mg〜450mg、20mg〜400mg、25〜350mg、50mg〜300mg、75mg〜250mg、100mg〜200mg、25mg〜75mgまたは40mg〜60mg、例えば、5mg、10mg、15mg、20mg、30mg、40mg、50mg、70mg、80mg、90mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mgまたは500mgの用量で、例えば、2週に1回、4週に1回、6週に1回または8週に1回、例えば、皮下投与される。
ある実施態様において、IL−17阻害剤、CJM112またはWO2006/013107号に開示の化合物は、40mg〜60mg(例えば、50mg)の用量で、例えば、4週に1回投与されるある実施態様において、IL−17阻害剤、CJM112またはWO2006/013107号に開示の化合物は、皮下投与される。ある実施態様において、IL−17阻害剤、CJM112またはWO2006/013107号に開示の化合物は、40mg〜60mg(例えば、50mg)の用量で、例えば、4週に1回、例えば、皮下注射により投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、IL−17阻害剤、CJM112またはWO2006/013107号に開示の化合物を、結腸直腸癌(CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))処置のために、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与する。
ある実施態様において、IL−17阻害剤は、イキセキズマブ(CAS Registry Number: 1143503-69-8)である。イキセキズマブはLY2439821としても知られる。イキセキズマブは、IL−17Aを標的とするヒト化IgG4モノクローナル抗体である。
イキセキズマブは、例えば、WO2007/070750号、US7,838,638号およびUS8,110,191号に記載される。イキセキズマブの重鎖可変領域は、アミノ酸配列QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYSFTDYHIHWVRQAPGQGLEWMGVINPMYGTTDYNQRFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYDYFTGTGVYWGQGTLVTVSS(配列番号279)(WO2007/070750号に配列番号118として開示)を有する。イキセキズマブの軽鎖可変領域は、アミノ酸配列DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCRSSRSLVHSRGNTYLHWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRFIGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHLPFTFGQGTKLEIK(配列番号280)(WO2007/070750号に配列番号241として開示)を有する。
ある実施態様において、IL−17阻害剤は、ブロダルマブ(CAS Registry Number: 1174395-19-7)である。ブロダルマブは、AMG 827またはAM−14としても知られる。ブロダルマブはインターロイキン−17受容体A(IL−17RA)に結合し、IL−17が受容体を活性化するのを妨げる。
ブロダルマブは、例えば、WO2008/054603号、US7,767,206号、US7,786,284号、US7,833,527号、US7,939,070号、US8,435,518号、US8,545,842号、US8,790,648号およびUS9,073,999号に開示される。ブロダルマブの重鎖CDR1は、アミノ酸配列RYGIS(配列番号281)(WO2008/054603号に配列番号146として開示)を有する。ブロダルマブの重鎖CDR2は、アミノ酸配列WISTYSGNTNYAQKLQG(配列番号282)(WO2008/054603号に配列番号147として開示)を有する。ブロダルマブの重鎖CDR3は、アミノ酸配列RQLYFDY(配列番号283)(WO2008/054603号に配列番号148として開示)を有する。ブロダルマブの軽鎖CDR1は、アミノ酸配列RASQSVSSNLA(配列番号284)(WO2008/054603号に配列番号224として開示)を有する。ブロダルマブの重鎖CDR2は、アミノ酸配列DASTRAT(配列番号285)(WO2008/054603号に配列番号225として開示)を有する。ブロダルマブの重鎖CDR3は、アミノ酸配列QQYDNWPLT(配列番号286)(WO2008/054603号に配列番号226として開示)を有する。
IL−1β阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、インターロイキン−1ベータ(IL−1β)阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、血液系腫瘍(例えば、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫)、白血病(例えば、急性または慢性白血病)または多発性骨髄腫)または固形腫瘍(例えば、結腸直腸癌(CLC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、結腸直腸癌(例えば、マイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)または乳癌(例えば、トリプルネガティブ肺癌(TNBC))から選択される。
ある実施態様において、IL−1β阻害剤は、カナキヌマブである。カナキヌマブはACZ885またはイラリス(登録商標)としても知られる。カナキヌマブは、ヒトIL−1βの生理活性を中和するヒトモノクローナルIgG1/κ抗体である。
カナキヌマブは、例えば、WO2002/16436号、US7,446,175号およびEP1313769号に開示される。カナキヌマブの重鎖可変領域は、アミノ酸配列MEFGLSWVFLVALLRGVQCQVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSVYGMNWVRQAPGKGLEWVAIIWYDGDNQYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNGLRAEDTAVYYCARDLRTGPFDYWGQGTLVTVSS(配列番号287)(US7,446,175号に配列番号1として開示)を有する。カナキヌマブの軽鎖可変領域は、アミノ酸配列MLPSQLIGFLLLWVPASRGEIVLTQSPDFQSVTPKEKVTITCRASQSIGSSLHWYQQKPDQSPKLLIKYASQSFSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLEAEDAAAYYCHQSSSLPFTFGPGTKVDIK(配列番号288)(US7,446,175号に配列番号2として開示)を有する。
カナキヌマブは、例えば、成人および小児のクリオピリン関連周期性症候群(キャップS)の処置、全身性若年性特発性関節炎(SJIA)の処置、成人の急性痛風関節炎攻撃の対症的処置および他のIL−1β駆動炎症性疾患に使用されている。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、IL−1β阻害剤、例えば、カナキヌマブは、例えば、免疫抑制性好中球の腫瘍微小環境への動員、腫瘍血管形成刺激および/または転移促進を含む、例えば、IL−1βの1以上の機能の遮断により、抗腫瘍免疫応答を増加できると考えられる(Dinarello (2010) Eur. J. Immunol. p. 599-606)。ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、IL−1β阻害剤、カナキヌマブまたはWO2002/16436号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。
IL−1は、炎症および免疫応答に中心的役割を有する分泌型多面的サイトカインである。IL−1増加は、癌を含む多数の臨床背景で見られる(Apte et al. (2006) Cancer Metastasis Rev. p. 387-408; Dinarello (2010) Eur. J. Immunol. p. 599-606)。IL−1βは、肺、乳および結腸直腸癌が上昇し(Voronov et al. (2014) Front Physiol. p. 114)、予後不良と関連する(Apte et al. (2000) Adv. Exp. Med. Biol. p. 277-88)。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、腫瘍微小環境由来および悪性細胞による分泌型IL−1βは、一部阻害性好中球動員により、腫瘍細胞増殖を促進し、侵襲性を増加させ、抗腫瘍免疫応答を減弱させると考えられる(Apte et al. (2006) Cancer Metastasis Rev. p. 387-408; Miller et al. (2007) J. Immunol. p. 6933-42)。実験データは、IL−1β阻害が腫瘍負荷および転移の減少をもたらすことを示している(Voronov et al. (2003) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. p. 2645-50)。カナキヌマブはIL−1βに結合し、IL−1介在シグナル伝達を阻害できる。従って、ある実施態様において、IL−1β阻害剤、例えば、カナキヌマブは、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)の免疫介在抗腫瘍効果を増強するまたは増強に使用される。
ある実施態様において、IL−1β阻害剤、カナキヌマブまたはWO2002/16436号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、各々、組み合わせで所望の抗腫瘍活性を達成する用量および/またはタイムスケジュールで投与される。
ある実施態様において、IL−1β阻害剤、カナキヌマブまたはWO2002/16436号に開示の化合物は、25mg〜200mg、例えば、50mg〜150mg、80mg〜120mg、140mg〜160mg、40mg〜60mg、80mg〜100mg、50mg〜100mgまたは100mg〜150mgの用量、例えば、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mgまたは200mgの用量で、例えば、4週に1回、6週に1回、8週に1回、10週に1回または12週に1回投与される。
ある実施態様において、IL−1β阻害剤、カナキヌマブまたはWO2002/16436号に開示の化合物は、80mg〜120mg(例えば、100mgの用量)の用量で、例えば、8週に1回投与される。ある実施態様において、IL−1β阻害剤、カナキヌマブまたはWO2002/16436号に開示の化合物は、皮下、例えば、腹部または大腿に投与される。ある実施態様において、IL−1β阻害剤、例えば、カナキヌマブは、80mg〜120mg(例えば、100mgの用量)の用量で、例えば、8週に1回、例えば、皮下注射により投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、IL−1β阻害剤、カナキヌマブまたはWO2002/16436号に開示の化合物を、結腸直腸癌(例えば、MSS CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))の処置のために、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与する。
CXCR2阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、ケモカイン(C−X−Cモチーフ)受容体2(CXCR2)阻害因子の阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍、例えば、乳癌、転移肉腫、膵臓癌、黒色腫、腎細胞癌(RCC)、非小細胞肺癌(NSCLC)または小児腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)の処置に使用する。
ある実施態様において、CXCR2阻害剤は、ダニリキシン(CAS Registry Number: 954126-98-8)である。ダニリキシンは、GSK1325756または1−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−3−ピペリジン−3−イルスルホニルフェニル)−3−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)尿素としても知られる。ダニリキシンは、例えば、Miller et al. Eur J Drug Metab Pharmacokinet (2014) 39:173-181;およびMiller et al. BMC Pharmacology and Toxicology (2015), 16:18に開示される。
ある実施態様において、CXCR2阻害剤は、レパリキシン(CAS Registry Number: 266359-83-5)である。レパリキシンは、レペルタキシンまたは(2R)−2−[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−N−メチルスルホニルプロパンアミドとしても知られる。レパリキシンは、CXCR1/2の非競合的アロステリック阻害剤である。レパリキシンは、例えば、Zarbock et al. British Journal of Pharmacology (2008), 1-8に開示される。
ある実施態様において、CXCR2阻害剤は、ナバリキシンである。ナバリキシンは、MK−7123、SCH 527123、PS291822または2−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−3−[[2−[[(1R)−1−(5−メチルフラン−2−イル)プロピル]アミノ]−3,4−ジオキソシクロブテン−1−イル]アミノ]ベンズアミドとしても知られる。ナバリキシンは、例えば、Ning et al. Mol Cancer Ther. 2012;11(6):1353-64に開示される。
PI3K−γ、−δ阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート3−キナーゼ(PI3K)、例えば、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート3−キナーゼガンマおよび/またはデルタ(PI3K−γ,δ)の阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、前立腺癌、乳癌、脳腫瘍、膀胱癌、膵臓癌、腎臓癌、固形腫瘍、肝臓癌、非小細胞肺癌、内分泌癌、卵巣癌、黒色腫、女性生殖系癌、消化器/消化管癌、多形神経膠芽腫、頭頸部癌または結腸癌)、例えば、血液系腫瘍(例えば、白血病(例えば、リンパ性白血病、例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、再発CLL))、例えば、リンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫(例えば、再発濾胞性B細胞非ホジキンリンパ腫(FL)または再発小リンパ性リンパ腫(SLL))または例えば、多発性骨髄腫)の処置に使用する。
ある実施態様において、PI3K阻害剤は、PI3Kのデルタおよびガンマアイソフォームの阻害剤である。組み合わせにおいて使用できるPI3K阻害剤の例は、例えば、WO2010/036380号、WO2010/006086号、WO09/11487号0、WO05/113556号に開示され、GSK 2126458、GDC−0980、GDC−0941、Sanofi XL147、XL756、XL147、PF−46915032、BKM 120、CAL−101、CAL 263、SF1126、PX−886およびデュアルPI3K阻害剤(例えば、Novartis BEZ235)である。
ある実施態様において、PI3K−γ,δ阻害剤は、イデラリシブ(CAS Registry Number: 870281-82-6)である。イデラリシブは、ZYDELIG(登録商標)、GS−1101、CAL−101または5−フルオロ−3−フェニル−2−[(1S)−1−(7H−プリン−6−イルアミノ)プロピル]−4(3H)−キナゾリノンとしても知られる。イデラリシブはPI3KのデルタアイソフォームであるP110δを遮断する。イデラリシブは、例えば、Wu et al. Journal of Hematology & Oncology (2013) 6: 36に開示される。
ある実施態様において、PI3K−γ,δ阻害剤はダクトリシブ(化合物A4)または8−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−3−メチル−1−(4−ピペラジン−1−イル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(化合物A41)またはPCT公開WO2006/122806号に開示の化合物である。
ある実施態様において、PI3K−γ,δ阻害剤は、ブパルリシブ(化合物A6)またはPCT公開WO2007/084786号に開示の化合物である。
ある実施態様において、PI3K−γ,δ阻害剤、例えば、ブパルリシブ(化合物A6)またはPCT公開WO2007/084786号に開示の化合物を、約100mgの用量(例えば、1日あたり)で投与する。
組み合わせにおいて使用できるPI3K−γ,δ阻害剤の他の例は、例えば、ピクチリシブ(GDC−0941)、LY294002、pilaralisib(XL147)、PI−3065、PI−103、VS−5584(SB2343)、CZC24832、ドゥベリシブ(IPI−145、INK1197)、TG100−115、CAY10505、GSK1059615、PF−04691502、AS−605240、voxtalisib(SAR245409、XL765)、IC−87114、オミパリシブ(GSK2126458、GSK458)、TG100713、gedatolisib(PF−05212384、PKI−587)、PKI−402、XL147アナログ、PIK−90、PIK−293、PIK−294、3−メチルアデニン(3−MA)、AS−252424、AS−604850またはアピトリシブ(GDC−0980、RG7422)を含む。
ある実施態様において、PI3K阻害剤は、化合物A8またはPCT公開WO2010/029082号に開示の化合物である。
ある実施態様において、PI3K阻害剤は、汎PI3K阻害剤、(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(化合物A13)またはPCT公開WO2013/124826号に開示の化合物である。
PI3K−γ、−δ阻害剤の例は、ドゥベリシブおよびイデラリシブを含むが、これらに限定されない。イデラリシブ(GS−1101またはCAL−101とも称される; Gilead)は、PI3Kのデルタアイソフォームを遮断する小分子である。イデラリシブ(5−フルオロ−3−フェニル−2−[(1S)−1−(7H−プリン−6−イルアミノ)プロピル]−4(3H)−キナゾリノン)の構造を下に示す。
ドゥベリシブ(IPI−145とも称される; Infinity PharmaceuticalsおよびAbbvie)は、PI3K−δ,γを遮断する小分子である。ドゥベリシブ(8−クロロ−2−フェニル−3−[(1S)−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−1(2H)−イソキノリノン)の構造を下に示す。
ある実施態様において、阻害剤は、2−アミノ−8−[trans−4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]−6−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−4−メチル−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(PF−04691502);N−[4−[[4−(ジメチルアミノ)−1−ピペリジニル]カルボニル]フェニル]−N’−[4−(4,6−ジ−4−モルホリニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル]尿素(PF−05212384、PKI−587);2−メチル−2−{4−[3−メチル−2−オキソ−8−(キノリン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]フェニル}プロパンニトリル(BEZ−235);アピトリシブ(GDC−0980、RG7422);2,4−ジフルオロ−N−{2−(メチルオキシ)−5−[4−(4−ピリダジニル)−6−キノリニル]−3−ピリジニル}ベンゼンスルホンアミド(GSK2126458);8−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−1−(4−(ピペラジン−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2(3H)−オンマレイン酸(NVP−BGT226);3−[4−(4−モルホリニルピリド[3’,2’:4,5]フロ[3,2−d]ピリミジン−2−イル]フェノール(PI−103);5−(9−イソプロピル−8−メチル−2−モルホリノ−9H−プリン−6−イル)ピリミジン−2−アミン(VS−5584、SB2343);またはN−[2−[(3,5−ジメトキシフェニル)アミノ]キノキサリン−3−イル]−4−[(4−メチル−3−メトキシフェニル)カルボニル]アミノフェニルスルホンアミド(XL765)から選択されるデュアルホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)およびmTOR阻害剤である。
BAFF−R阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、B細胞活性化因子受容体(BAFF−R)阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、血液系腫瘍、例えば、白血病(例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)、例えば、再発または難治性慢性リンパ性白血病)の処置に使用する。
ある実施態様において、BAFF−R阻害剤は、VAY736である。VAY736は、BAFF−Rを標的とする完全ヒトコンビナトリアル抗体ライブラリー(HuCAL)由来モノクローナル抗体である。BAFF−Rは、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー13Cとしても知られ、ある腫瘍細胞型および自己免疫性疾患で過発現される。VAY736は、抗炎症性および抗新生物両方の活性を有する。癌細胞において、BAFF−Rは、B細胞増殖および生存に重要な役割を有する。VAY736は、BAFF−Rを標的とし、結合し、これは、BAFF/BAFF−R相互作用およびBAFF−R介在シグナル伝達の両方を阻害する。これは、BAFF−Rを発現する腫瘍細胞の細胞増殖を減少させ得る。
VAY736は、例えば、US8,106,163号に開示される。VAY736の重鎖CDR1は、アミノ酸配列GDSVSSNSAAWG(配列番号289)(US8,106,163号に配列番号3として開示)を有する。VAY736の重鎖CDR2は、アミノ酸配列RIYYRSKWYNSYAVSVKS(配列番号290)(US8,106,163号に配列番号10として開示)を有する。VAY736の重鎖CDR3は、アミノ酸配列YDWVPKIGVFDS(配列番号300)(US8,106,163号に配列番号17として開示)を有する。VAY736の軽鎖CDR1は、アミノ酸配列RASQFISSSYLS(配列番号291)(US8,106,163号に配列番号24として開示)を有する。VAY736の軽鎖CDR2は、アミノ酸配列LLIYGSSSRAT(配列番号292)(US8,106,163号に配列番号31として開示)を有する。VAY736の軽鎖CDR3は、アミノ酸配列QQLYSSPM(配列番号293)(US8,106,163号に配列番号38として開示)を有する。VAY736の重鎖可変領域は、アミノ酸配列QVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWGWIRQSPGRGLEWLGRIYYRSKWYNSYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCARYDWVPKIGVFDSWGQGTLVTVSS(配列番号294)(US8,106,163号に配列番号52として開示)を有する。VAY736の軽鎖可変領域は、アミノ酸配列DIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQFISSSYLSWYQQKPGQAPRLLIYGSSSRATGVPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQLYSSPMTFGQGTKVEIKRT(配列番号295)(US8,106,163号に配列番号45として開示)を有する。VAY736の重鎖は、アミノ酸配列QVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWGWIRQSPGRGLEWLGRIYYRSKWYNSYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCARYDWVPKIGVFDSWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号296)(US8,106,163号に配列番号75として開示)を有する。VAY736の軽鎖可変領域は、アミノ酸配列DIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQFISSSYLSWYQQKPGQAPRLLIYGSSSRATGVPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQLYSSPMTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号297)(US8,106,163号に配列番号71として開示)を有する。
MALT−1/BTK阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、MALT−1および/またはBTKの阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌の処置に使用する。
MALT−1/BTK阻害剤の例は、(S)−1−(6−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−3−(2−クロロ−7−(1−メトキシエチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)尿素、(S)−1−(2−クロロ−7−(1−メトキシエチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)尿素、(S)−1−(2−クロロ−7−(1−メトキシエチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(1−メチル−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)尿素、(R)−1−(6−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−3−(2−クロロ−7−(1−メトキシ−2−メチルプロピル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)尿素、(R)−1−(5−クロロ−6−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−3−イル)−3−(2−クロロ−7−(1−メトキシ−2−メチルプロピル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)尿素、(S)−1−(7−(1−メトキシエチル)−2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)尿素、(S)−1−(2−フルオロ−7−(1−メトキシエチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)尿素および(S)−1−(2−クロロ−7−(1−メトキシエチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(5−シアノピリジン−3−イル)尿素を含むが、これらに限定されない。
BTK阻害剤の例は、イブルチニブ(PCI−32765)、GDC−0834、RN−486、CGI−560、CGI−1764、HM−71224、CC−292、ONO−4059、CNX−774またはLFM−A13を含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、BTK阻害剤は、インターロイキン−2誘導性キナーゼ(ITK)のキナーゼ活性を減少または阻害せず、例えば、GDC−0834、RN−486、CGI−560、CGI−1764、HM−71224、CC−292、ONO−4059、CNX−774またはLFM−A13から選択される。
ある実施態様において、キナーゼ阻害剤は、BTK阻害剤、例えば、イブルチニブ(PCI−32765)である。イブルチニブ(1−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン)の構造を下に示す。
他の実施態様において、BTK阻害剤は、引用により全体を本明細書に包含させる国際出願WO/2015/079417号に記載のBTK阻害剤である。例えば、ある実施態様において、BTK阻害剤は、式(I)
〔式中、
R1は、水素、場合によりヒドロキシで置換されていてよいC1−C6アルキルであり;
R2は水素またはハロゲンであり;
R3は水素またはハロゲンであり;
R4は水素であり;
R5は水素またはハロゲンであり;
またはR4およびR5は互いに結合し、結合、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH=CH−、−CH=CH−CH2−;−CH2−CH=CH−;または−CH2−CH2−CH2−であり;
R6およびR7は互いに独立してH、場合によりヒドロキシルで置換されていてよいC1−C6アルキル、場合によりハロゲンもしくはヒドロキシで置換されていてよいC3−C6シクロアルキルまたはハロゲンであり;
R8、R9、R、R’、R10およびR11は、互いに独立してHまたは場合によりC1−C6アルコキシで置換されていてよいC1−C6アルキル;またはR8、R9、R、R’、R10およびR11の任意の2個が、それらが結合している炭素原子と一体となって、3〜6員飽和炭素環式環を形成してよく;
R12は、水素または場合によりハロゲンもしくはC1−C6アルコキシで置換されていてよいC1−C6アルキルであり;
またはR12およびR8、R9、R、R’、R10またはR11の任意の1個は、それらが結合している原子と一体となって、4、5、6または7員アザ環式環を形成でき、これは、場合によりハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1−C6アルキルまたはC1−C6アルコキシで置換されていてよく;
nは0または1であり;
R13は、場合によりC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシまたはN,N−ジ−C1−C6アルキルアミノで置換されていてよいC2−C6アルケニル;場合によりC1−C6アルキルまたはC1−C6アルコキシで置換されていてよいC2−C6アルキニル;または場合によりC1−C6アルキルで置換されていてよいC2−C6アルキレニルオキシドである。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
ある実施態様において、式IのBTK阻害剤は、N−(3−(5−((1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)オキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(E)−N−(3−(6−アミノ−5−((1−(ブト−2−エノイル)アゼチジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(6−アミノ−5−((1−プロピオロイルアゼチジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(6−アミノ−5−((1−(ブト−2−イノイル)アゼチジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(5−((1−アクリロイルピペリジン−4−イル)オキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(6−アミノ−5−(2−(N−メチルアクリルアミド)エトキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(E)−N−(3−(6−アミノ−5−(2−(N−メチルブト−2−エンアミド)エトキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(6−アミノ−5−(2−(N−メチルプロピオールアミド)エトキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(E)−N−(3−(6−アミノ−5−(2−(4−メトキシ−N−メチルブト−2−エンアミド)エトキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(6−アミノ−5−(2−(N−メチルブト−2−インアミド)エトキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(2−((4−アミノ−6−(3−(4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)ピリミジン−5−イル)オキシ)エチル)−N−メチルオキシラン−2−カルボキサミド、N−(2−((4−アミノ−6−(3−(6−シクロプロピル−8−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル)ピリミジン−5−イル)オキシ)エチル)−N−メチルアクリルアミド、N−(3−(5−(2−アクリルアミドエトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(6−アミノ−5−(2−(N−エチルアクリルアミド)エトキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(6−アミノ−5−(2−(N−(2−フルオロエチル)アクリルアミド)エトキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(5−((1−アクリルアミドシクロプロピル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(S)−N−(3−(5−(2−アクリルアミドプロポキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(S)−N−(3−(6−アミノ−5−(2−(ブト−2−インアミド)プロポキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(S)−N−(3−(6−アミノ−5−(2−(N−メチルアクリルアミド)プロポキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(S)−N−(3−(6−アミノ−5−(2−(N−メチルブト−2−インアミド)プロポキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(6−アミノ−5−(3−(N−メチルアクリルアミド)プロポキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(S)−N−(3−(5−((1−アクリロイルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(S)−N−(3−(6−アミノ−5−((1−(ブト−2−イノイル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(S)−2−(3−(5−((1−アクリロイルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−シクロプロピル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オン、N−(2−((4−アミノ−6−(3−(6−シクロプロピル−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−5−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)ピリミジン−5−イル)オキシ)エチル)−N−メチルアクリルアミド、N−(3−(5−(((2S,4R)−1−アクリロイル−4−メトキシピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(6−アミノ−5−(((2S,4R)−1−(ブト−2−イノイル)−4−メトキシピロリジン−2−イル)メトキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、2−(3−(5−(((2S,4R)−1−アクリロイル−4−メトキシピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−シクロプロピル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オン、N−(3−(5−(((2S,4S)−1−アクリロイル−4−メトキシピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(6−アミノ−5−(((2S,4S)−1−(ブト−2−イノイル)−4−メトキシピロリジン−2−イル)メトキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(5−(((2S,4R)−1−アクリロイル−4−フルオロピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(6−アミノ−5−(((2S,4R)−1−(ブト−2−イノイル)−4−フルオロピロリジン−2−イル)メトキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(S)−N−(3−(5−((1−アクリロイルアゼチジン−2−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(S)−N−(3−(6−アミノ−5−((1−プロピオロイルアゼチジン−2−イル)メトキシ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(S)−2−(3−(5−((1−アクリロイルアゼチジン−2−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−シクロプロピル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オン、(R)−N−(3−(5−((1−アクリロイルアゼチジン−2−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、(R)−N−(3−(5−((1−アクリロイルピペリジン−3−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(5−(((2R,3S)−1−アクリロイル−3−メトキシピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミド、N−(3−(5−(((2S,4R)−1−アクリロイル−4−シアノピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミドまたはN−(3−(5−(((2S,4S)−1−アクリロイル−4−シアノピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−アミノピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピル−2−フルオロベンズアミドから選択される。
特に断らない限り、式IのBTK阻害剤の記載において使用した上記化学用語は、引用により全体を本明細書に包含させる国際出願WO/2015/079417号に示す意味に従い使用される。
JAK阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、ヤヌスキナーゼ(JAK)の阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、結腸癌、前立腺癌、肺癌、乳癌または膵臓癌)、例えば、血液系腫瘍(例えば、白血病(例えば、骨髄性白血病またはリンパ性白血病)、例えば、リンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫)または多発性骨髄腫の処置に使用する。
ある実施態様において、JAK阻害剤は、2−フルオロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド(化合物A17)またはその二塩酸塩またはPCT公開WO2007/070514号に開示の化合物である。
ある実施態様において、JAK阻害剤、例えば、2−フルオロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド(化合物A17)またはその二塩酸塩またはPCT公開WO2007/070514号に開示の化合物を、約400〜600mg(例えば、1日あたり)、例えば、約400mg、500mgまたは600mgまたは約400〜500mgまたは500〜600mgの用量で投与する。
ある実施態様において、JAK阻害剤は、リン酸ルキソリチニブ(ジャカビとしても既知;化合物A18)またはPCT公開WO2007/070514号に開示の化合物である。
ある実施態様において、JAK阻害剤、例えば、リン酸ルキソリチニブ(ジャカビとしても既知;化合物A18)またはPCT公開WO2007/070514号に開示の化合物を、約15〜25mgの用量で、例えば、1日2回投与する。ある実施態様において、用量は、約15mg、20mgまたは25mgまたは約15〜20mgまたは20〜25mgである。
CRTH2阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、Tヘルパー2細胞に発現する化学物質誘因受容体類似分子(CRTH2)の阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌の処置に使用する。
ある実施態様において、CRTH2阻害剤は、QAV680(CAS Registry Number: 872365-16-7)である。QAV680は、フェビピプラントおよび2−[2−メチル−1−[(4−メチルスルホニルフェニル)メチル]ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]酢酸としても知られる。QAV680は、例えば、Sandham et al. Bioorg Med Chem. 2013;21(21):6582-91に開示される。QAW039は、[1−(4−メタンスルホニル−−2−トリフルオロメチル−ベンジル)−2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−酢酸としても知られる。QAW039は、例えばSykes et al. European Respiratory Journal September 1, 2014 vol. 44 no. Suppl 58 P4074に開示される。
ある実施態様において、CRTH2阻害剤は、QAW039(CAS Number: 872365-14-5)である。
組み合わせにおいて使用できる他のCRTH2阻害剤は、例えば、AZD1981、ARRY−502、セチピプラント(ACT−453859)およびACT−129968を含む。
PFKFB3阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、6−ホスホフルクト−2−キナーゼ/フルクトース−2,6−ビホスファターゼ3(PFKFB3)の阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、固形腫瘍(例えば、進行型固形腫瘍)、例えば、卵巣癌、卵管癌、結腸直腸癌(CRC)、白血病、肺癌、前立腺癌、乳癌または膵臓癌の処置に使用する。ある実施態様において、癌は卵巣癌である(例えば、再発性卵巣癌)、卵管癌または結腸直腸癌(例えば、転移結腸直腸癌)。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、PFKFB3駆動解糖が癌における血管分岐を制御でき、内皮細胞はATP産生および転移能について解糖に依存し得ると考えられる。ある実施態様において、組み合わせを、高血管新生活性を有する癌の処置に使用する。他の実施態様において、組み合わせを、Th17細胞に富む癌の処置に使用する。他の実施態様において、組み合わせを、抗PD−1または抗PD−L1単剤療法に不応答性または中程度に応答性の癌の処置に使用する。
ある実施態様において、PFKFB3阻害剤はPFK−158である。PFK−158は、ACT−PFK−158または(E)−l−(ピリジン−4−イル)−3−(7−(トリフルオロメチル)キノリン−2−イル)−プロプ−2−エン−1−オン(Cas Number 1462249-75-7)としても知られる。PFK−158は、3−(3−ピリジニル)−1−[4−ピリジニル]−2−プロペン−1−オン(3PO)の誘導体である。フルクトース−6−ホスフェートからフルクトース−2,6−ビスホスフェートへの変換を触媒するPFKFB3は、ヒト癌細胞で高度に発現され、活性であり、解糖流量増加および癌細胞増殖の両方に重要な役割を有する。ある実施態様において、PFKFB3は、白血病、結腸癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、卵管癌、乳癌または膵臓癌から選択される癌で発現(例えば、正常組織と比較して過発現)される。PFKFB3阻害剤、例えば、PFK−158は、PFKFB3に結合し、活性を阻害し、これは癌細胞における解糖経路およびグルコース取り込みの両方の阻害をもたらす。これは、正常な健常細胞と比較して癌細胞において細胞増殖の増強を引き起こす、巨大分子およびエネルギーの産生を阻止する。癌細胞の栄養素およびエネルギーの剥奪は、癌細胞増殖阻害に至る。ある実施態様において、PFKFB3阻害剤、例えば、PFK−158は、癌細胞によるグルコース取り込みを阻害する。他の実施態様において、PFKFB3阻害剤、例えば、PFK−158は、病的血管形成を減少させる。例えば、PFK−158は、低白血球数(LLC)マウスにおいて異種移植腫瘍における18FDG取り込みを減少し、抗腫瘍活性を示すことができる。PFK−158は、例えば、WO2013/148228号の5頁に開示される。
ある実施態様において、PFKFB3阻害剤は、次の構造を有する。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせを、卵巣癌の処置に使用する。卵巣癌は、一般に免疫応答性疾患として知られる(Zhang et al. N Engl J Med. 2003; 348(3):203-13)。例えば、上皮内CD8+T細胞の高発生頻度の患者で、低CD8+T細胞発生頻度患者と比較した全生存改善が観察された(中央生存55ヶ月対26ヶ月;ハザード比=0.33;P<0.001)(Sato et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005; 102(51):18538-43)。ある実施態様において、Treg発生頻度増加は、悪い生存率の予測因子として使用され得る(Curiel et al. Nat Med. 2004; 10(9):942-9)。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、高腫瘍抗原負荷が抗原特異的T細胞の1以上のエフェクター機能の進行性の喪失をもたらし、例えば、T細胞消耗に至り得ると考えられる。卵巣癌、例えば、進行型卵巣癌の患者は、少なくとも一部、初期治療後の疾患負荷の小ささおよび再発が高リスクであるため、免疫療法、例えば、組み合わせここに記載する治療のために選択され得る。
ある実施態様において、組み合わせは、さらに、IDO阻害剤(例えば、ここに記載するIDO阻害剤)を含む。他の実施態様において、組み合わせは、さらに、CD−27アゴニスト(例えば、ここに記載するCD−27アゴニスト)を含む。他の実施態様において、組み合わせは、さらに、抗CTLA−4抗体(例えば、ここに記載する抗CTLA−4抗体、例えば、イピリムマブ)を含む。他の実施態様において、組み合わせは、さらに、PARP阻害剤(例えば、ここに記載するPARP、例えば、イピリムマブ)を含む。他の実施態様において、組み合わせは、さらに、化学療法(例えば、ここに記載する化学療法、例えば、パクリタキセル)を含む。他の実施態様において、組み合わせは、さらに、CSF−1R阻害剤(例えば、ここに記載するCSF−1R阻害剤)を含む。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせを、結腸直腸癌の処置に使用する。結腸直腸癌(CRC)は、一般に炎症駆動癌として考えられる。転移またはステージIV結腸癌は、約11%の5年相対的生存率を有する。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、ヒトCRC発生はインターロイキン−23(IL−23)−IL−17経路と関連すると考えられる(Grivennikov et al., Nature. 2012; 491(7423):254-8)。IL−17はCRCにおける予後不良と関連し、癌細胞のVEGF産生刺激により、血管形成を促進する。活性化gdT17細胞はまた、腫瘍にMDSCを化学誘引し、それらの免疫抑制性活性を持続させるIL−8、TNF−aおよびGM−CSFを含む他のサイトカインも分泌する。CRCにおけるTh17細胞発現シグネチャーは、悪い生存率と関係することが示されている(Grivennikov et al., Nature. 2012; 491(7423):254-8; Zou and Restifo, Nat Rev Immunol. 2010; 10(4):248-56)。CRCはしばしばVEGF阻害に感受性であるが、IL−17−介在傍分泌ネットワークが抗血管形成治療に対する腫瘍抵抗性を増大することが示されている(Chung et al. Nat Med. 2013; 19(9):1114-23)。CD11b+Gr1+骨髄細胞の腫瘍微小環境へのIL−17誘発動員は、VEGF非依存的腫瘍増殖を促進し得る。
ある実施態様において、組み合わせを、マイクロサテライト安定性(MSS)結腸直腸癌を有する対象の処置に使用する。ある実施態様において、対象は、チェックポイント阻害因子単剤療法に応答しないかまたはほとんど応答しない。他の実施態様において、組み合わせを、マイクロサテライト不安定な(MSI)結腸直腸癌を有する対象の処置に使用する。ある実施態様において、対象は、MSI結腸直腸癌またはステージIV結腸直腸癌を有する。ある実施態様において、対象は、チェックポイント阻害因子治療に応答する。
ある実施態様において、組み合わせは、さらに、化学療法、例えば、ここに記載する化学療法を含む。ある実施態様において、組み合わせは、さらに、5−FU、フォリン酸または両方を含む。これとは別にまたはこれと組み合わせて、組み合わせは、さらに、オキサリプラチンを含む。これとは別にまたはこれと組み合わせて、他の実施態様において、組み合わせは、さらに、イリノテカンを含む。ある実施態様において、組み合わせは、さらに、FOLFOXまたはFOLFIRIを含む。ある実施態様において、組み合わせは、さらに、血管形成阻害剤(例えば、ベバシズマブ)を含む。
ある実施態様において、PFKFB3阻害剤、PFK−158またはPCT公開WO2013/148228号に開示の化合物を、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与する。ある実施態様において、PFKFB3阻害剤、PFK−158またはPCT公開WO2013/148228号に開示の化合物は、静脈内投与される。ある実施態様において、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与する。他の実施態様において、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与する。ある実施態様において、組み合わせを、ここに記載する癌、例えば、卵巣癌、卵管癌(例えば、乳頭状漿液性腺癌)または結腸直腸癌の処置に使用する。ある実施態様において、組み合わせを、化学療法(例えば、白金ベースの化学療法または5FUでの化学療法)にほとんど応答しないまたは失敗している対象の処置に使用する。
化学療法の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、化学療法剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、乳癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、鼻咽頭癌または膵臓癌の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、乳癌、例えば、転移乳癌、例えば、HER2ネガティブ乳癌(例えば、内分泌治療に抵抗性のトリプルネガティブ乳癌(TNBC)またはHR+乳癌)である。ある実施態様において、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)は、扁平上皮NSCLCまたは非扁平上皮NSCLCである。ある実施態様において、組み合わせを、鼻咽頭癌の処置に使用する。
ある実施態様において、化学療法剤は、パクリタキセル、例えば、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセルまたはnab−パクリタキセル(アブラキサン(登録商標))としても知られるタンパク質結合パクリタキセルである。ある実施態様において、パクリタキセルは、次の構造を有する。
パクリタキセルは、(2α,4α,5β,7β,10β,13α)−4,10−ビス(アセチルオキシ)−13−{[(2R,3S)−3−(ベンゾイルアミノ)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパノイル]オキシ}−1,7−ジヒドロキシ−9−オキソ−5,20−エポキシタクス−11−エン−2−イルベンゾエートとしても知られる。
nab−パクリタキセルは、Kolliphor EL(以前はCremophor EL)をもちいて製剤される伝統的パクリタキセルと異なるナノ粒子アルブミン結合パクリタキセルである。この無溶媒製剤は、パクリタキセル治療指数改善、特に過敏症反応などの毒性を軽減し(これは、抗ヒスタミンおよびステロイド前投薬を不必要とする)、同時に癌細胞におけるパクリタキセル取り込みを増加させる可能性があるとして設計された(Ibrahim et al. Clin Cancer Res. 2002; 8(5):1038-44)。伝統的パクリタキセルに使用された溶媒媒体は、腫瘍への薬物送達にも影響する可能性があり、その臨床的有効性を制限し(ten Tije et al. Clin Pharmacokinet. 2003; 42(7):665-85)、溶媒ミセルにおけるパクリタキセル捕捉により大部分説明される可能性がある、狭い用量範囲にわたる全身性薬物暴露の用量比例を超える増大をもたらす(Gianni et al. J Clin Oncol. 1995;13(1):180-90; van Tellingen et al. Br J Cancer. 1999; 81(2):330-5; Sparreboom et al. Cancer Res. 1999; 59(7):1454-7)。伝統的パクリタキセルと比較して、nab−パクリタキセルは、遊離パクリタキセルの10倍高い平均最大濃度を生じ、さらに、nab−パクリタキセルは、内皮細胞層をより迅速に通過して輸送され、パクリタキセルの大きな組織浸透および排泄の遅延を生じる。前臨床モデルによると、腫瘍内送達および滞留増大は、33%高い腫瘍内薬物濃度をもたらす(Desai et al. Clin Cancer Res. 2006; 12(4):1317-24. Erratum in: Clin Cancer Res. 2006; 12(12):3869)。
理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、nab−パクリタキセルは、チューブリン二量体から微小管の集合を促進し、脱重合阻止により微小管を安定化させる、微小管阻害剤である。この安定性は、重要な中間期および有糸分裂細胞機能に重要な微小管ネットワークの通常の動的再構成の阻害をもたらす。
ある実施態様において、nab−パクリタキセルを単剤療法で、転移乳癌患者の処置に、3週毎に260mg/m2の推奨用量で、例えば、アジュバント化学療法(先の治療は、臨床的禁忌でない限り、アントラサイクリンを含んだはずである)6ヶ月以内の転移疾患または再発についての第一選択化学療法失敗後使用され得る。フェーズIII治験結果は、伝統的パクリタキセル3週毎175mg/m2を受けた患者と比較して、nab−パクリタキセルで第一および第二選択またはそれ以降処置した患者における有意に改善されたORR(33対19%;P=0.001)およびTTP(23.0対16.9週;HR=0.75;P=0.006)を示す(Gradishar et al. J Clin Oncol. 2005; 23(31):7794-803)。
ある実施態様において、nab−パクリタキセルの毎週レジメン(4週毎に1日目、8日目、15日目)が用いられ得る。2種の異なる毎週用量(100mg/m2および150mg/m2 qw3/4)を、第一選択設定でnab−パクリタキセル3週毎(q3w)300mg/m2およびドセタキセル100mg/m2 q3wと無作為化フェーズII治験で比較した(Gradishar et al. J Clin Oncol. 2009; 27(22):3611-9. Erratum in: J Clin Oncol. 2011; 29(19):2739; Gradishar et al. Clin Breast Cancer. 2012; 12(5):313-21)。ある実施態様において、150mg/m2 qw3/4投与を、例えば、速い腫瘍応答を必要とする患者に使用する。他の実施態様において、100mg/m2 qw3/4用量を、例えば、より管理可能な安全性プロファイルのために、使用する。
80〜375mg/m2用量レベルのnab−パクリタキセルの30分および180分点滴後の総パクリタキセルの薬物動態を、臨床治験において試験した。mg/m2の用量レベルは、nab−パクリタキセル中パクリタキセルのmgをいう。Nab−パクリタキセルの静脈内投与後、パクリタキセル血漿濃度は二相性に低下し、初期の急速減少は末梢区画への分布を表し、ゆっくりした第二相は薬物排泄を表す。薬物暴露(AUC)は80〜300mg/m2範囲で用量比例的であり、nab−パクリタキセルについてのパクリタキセル薬物動態は、静脈内投与持続時間と無関係であった。平均総クリアランスは、13〜30L/h/m2の範囲であり、平均最終半減期は13〜27時間の範囲である。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせを、乳癌、例えば、転移乳癌またはHER2ネガティブ乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)の処置に使用する。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、抗PD−1化合物と組み合わせたステロイドの使用はアンタゴニストの可能性があり、nab−パクリタキセルは、少なくとも一部、コルチコステロイド前投薬が必要でないため、他のタキサン類を超える利点を提供する。
ある実施態様において、組み合わせを、内分泌治療失敗後のトリプルネガティブ乳癌またはHR+乳癌疾患を有する対象の処置に使用する。他の実施態様において、組み合わせを、タキサン未使用患者またはアジュバント設定での使用後無疾患生存が少なくとも1年の患者の処置に使用する。ある実施態様において、組み合わせを、第一選択化学療法に適格な対象の処置に使用する。
乳癌において、例えば、TNBCおよびHER2+サブタイプにおいて、免疫系と腫瘍細胞および腫瘍微小環境の相互作用は、重要な役割を有する。乳癌一般および特にTNBCサブタイプは、しばしば間質に腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)を含み、高PD−L1発現(腫瘍の最大50%における)と関連する。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、細胞毒性化学療法は、免疫プライミング、T細胞輸送および/または癌−免疫サイクルの免疫エフェクター相を増強でき、同時に抗原性、免疫原性および癌細胞免疫殺滅に対する感受性を増大し、チェックポイント阻害因子に対する応答の可能性を増大させる。
ある実施態様において、組み合わせを、抗PD−1または抗PD−L1治療に対する耐性を獲得しているまたは獲得するリスクを有する対象の処置に使用する。例えば、前臨床的および臨床的証拠は、いくつかの細胞毒性および標的化抗癌治療が、腫瘍床へのT細胞輸送および浸潤を増強することにより、PD−L1/PD−1阻害に対する耐性のある潜在的機序(例えば、腫瘍における癌抗原特異的T細胞活性化欠損または免疫細胞浸潤欠失)を回避することを助け得ることを示す(Zitvogel et al 2013)。いくつかの細胞毒性薬物(パクリタキセルを含む)はまた、樹状細胞(DC)表現型および機能に直接影響を与え、成熟および炎症誘発性サイトカイン分泌を促進し、抗原提示機能(例えば、表面へのMHCクラスII分子発現)を上方制御し、CD8+T細胞プライミング増強および細胞毒性活性増強をもたらすことができる(Pfannenstiel et al. Cell Immunol. 2010; 263(1):79-87)。化学療法は、腫瘍細胞において、その抗原性(新抗原として作用する腫瘍細胞における体性変異誘発および複数表面分子上方制御)、免疫原性(細胞死関連分子(CDAM)分泌による)および免疫攻撃に対する感受性(悪性細胞表面へのB7−1などの共刺激性分子発現またはPD−L1およびPD−L2などの免疫抑制性分子下方制御による)を高め得る(Hodge et al. Int J Cancer. 2013; 133(3):624-36)。前臨床的インビボモデルにおいて、白金またはタキサン類を伴う化学療法処置は、抗PD−L1と相乗作用し、腫瘍浸潤性CD8+T細胞数増加と関連する持続的抗腫瘍応答を誘発する(Giaccone et al. 2015, Adams et al. 2015, Liu et al. 2015)。臨床設定において、腫瘍PD−L1発現増加およびCD8+T細胞浸潤は、NSCLCにおけるPD−L1阻害剤(アテゾリズマブ)と化学療法の組み合わせを試験するフェーズ1b治験における連続生検を受けている患者で観察されている(Camidge et al. 2015)。新規腫瘍内免疫細胞浸潤の進行も、早期乳癌のネオアジュバントパクリタキセル治療後観察されており、臨床的および病理的応答は、腫瘍免疫細胞浸潤と直接相関する(Demaria et al. Clin Cancer Res. 2001; 7(10):3025-30)。
ある実施態様において、組み合わせを、癌における免疫浸潤、例えば、腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)を含む、対象の処置に使用する。他の実施態様において、対象を、少なくとも一部、癌におけるTILの存在に基づき、本処置に選択する。例えば、70%を超える乳癌が、間質に腫瘍浸潤性リンパ球を含み、前臨床データは、大部分の乳癌において、局所免疫微小環境が癌進行制御に役割を有することを示唆する。いくつかの試験は、乳癌における免疫浸潤が良好な予後および化学療法に対する大きな応答と相関することを示している(Denkert et al. J Clin Oncol. 2010; 28(1):105-13; Loi et al. Oncoimmunology. 2013; 2(7):e24720.)。TNBCについて、腫瘍の約15%は、診断時高度なリンパ性浸潤を示し、大部分(65%〜80%)が低〜中レベルの免疫細胞を保持する(Ruffell et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2012; 109(8):2796-801; Garcia-Teijido et al. Clin Med Insights Oncol. 2016; 10(Suppl 1):31-9)。遺伝子発現プロファイリングも、TNBCにおける免疫調節性遺伝子発現と良好な臨床結果の関係を示す(Desmedt et al. J Clin Oncol. 2016; 34(16):1872-81)。一方はTNBC検体および他方は全乳癌タイプの2つの異なる試験において、PD−L1発現は高く(TNBCサンプルで19%および全BCタイプサンプルで44%)、TNBCサンプルにおいてPD−L1腫瘍より大きなCD8+T細胞浸潤と関連する(Mittendorf et al. Cancer Immunol Res. 2014; 2(4):361-70., Ghebeh et al. Neoplasia. 2006; 8(3):190-8)。さらに、TBNCは、高変異率で遺伝的不安定性を示し、これはまた免疫原性ネオ抗原および抗腫瘍T細胞浸潤をもたらすと考えられる(Wang et al. Ann Oncol. 2015; 26(3):523-8)。HER2陽性乳癌において、TILおよび免疫シグネチャーはまた良好な予後と関連する(Salgado et al. JAMA Oncol. 2015; 1(4):448-54)。HER2陽性乳癌はまたゲノム不安定性レベルが増加した、高度に増殖性の乳癌サブタイプである。HER2自体の過発現が、腫瘍関連抗原として作用し、免疫系の引き金を引くことができる。高度に増殖性のHR+癌(管腔B)において、免疫細胞は、良好な予後の予測因子であり得る(Bianchini et al. J Clin Oncol. 2010; 28(28):4316-23. Erratum in: J Clin Oncol. 2010; 28(32):4868. J Clin Oncol. 2012; 30(6):679)。HR+乳癌において、腫瘍細胞と免疫環境の相互作用は、他の乳癌サブタイプと異なる機序に依存し、内分泌因子、炎症誘発性状態および免疫細胞の相互関係による腫瘍微小環境の調節に関与し得る(Dieci et al. Cancer Treat Rev. 2016; 46:9-19)。
ある実施態様において、化学療法剤、例えば、nab−パクリタキセルおよび免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、各々、組み合わせで所望の抗腫瘍活性を達成する用量および/またはタイムスケジュールで投与される。
ある実施態様において、化学療法剤、例えば、nab−パクリタキセルは、25mg/m2〜300mg/m2、例えば、25mg/m2〜250mg/m2、50mg/m2〜200mg/m2、100mg/m2〜150mg/m2、75mg/m2〜125mg/m2、125mg/m2〜175mg/m2、50mg/m2〜100mg/m2、100mg/m2〜200mg/m2または200mg/m2〜250mg/m2の用量、例えば、50mg/m2、75mg/m2、100mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、220mg/m2または260mg/m2の用量で、例えば、4週間期間の間3回(例えば、毎週)、例えば、4週毎の1日目、8日目および15日目(qw3/4)、例えば、静脈内で投与される。
ある実施態様において、化学療法剤、例えば、nab−パクリタキセルは、50mg/m2〜150mg/m2(例えば、100mg/m2)の用量で、例えば、4週毎の1日目、8日目および15日目(qw3/4)投与される。ある実施態様において、化学療法剤、例えば、nab−パクリタキセルは、静脈内投与される。ある実施態様において、化学療法剤、例えば、nab−パクリタキセルは、50mg/m2〜150mg/m2(例えば、100mg/m2)、例えば、4週毎の1日目、8日目および15日目(qw3/4)の用量で、例えば、静脈内点滴により投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または8週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。ある実施態様において、化学療法剤、例えば、nab−パクリタキセルの点滴は、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)の点滴終了後(例えば、少なくとも30分、45分、60分、75分、90分または120分後)開始される。例えば、化学療法剤、例えば、nab−パクリタキセルおよび/またはPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を30〜120分(例えば、30分)静脈内点滴として投与できる。ある実施態様において、処置サイクルは28日または56日(例えば、28日)である。
ある実施態様において、化学療法剤は、シスプラチン、ペメトレキセド(permetrexed)または両方を含む。シスプラチンはまたシスプラスチナム、プラタミン、ネオプラチン、シスマプラットまたはcis−ジアンミン白金(II)ジクロリド(CDDP)としても知られる。ペメトレキセドは、(S)−2−(4−(2−(2−アミノ−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)エチル)ベンズアミド)ペンタン二酸としても知られる。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、肺癌、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)である。ある実施態様において、NSCLCは、非扁平上皮NSCLCである。ある実施態様において、癌は、鼻咽頭癌である。
ある実施態様において、化学療法剤は、パクリタキセル、カルボプラチンまたは両方を含む。カルボプラチンはまたcis−ジアミン(シクロブタン−1,1−ジカルボキシレート−O,O’)白金(II)としても知られる。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、肺癌、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)である。ある実施態様において、NSCLCは、扁平上皮NSCLCである。ある実施態様において、癌は、鼻咽頭癌である。
組み合わせにおいて使用できる化学療法剤の他の例は、アルキル化剤(例えば、二機能性アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メクロレタミン、クロラムブシルまたはメルファラン)、単機能的アルキル化剤(ダカルバジン(DTIC)、ニトロソウレア類、テモゾロミド(経口ダカルバジン))、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロンまたはバルルビシン)、細胞骨格撹乱剤(タキサン)(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル、アブラキサンまたはタキソテール)、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ボリノスタットまたはロミデプシン)、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカンまたはトポテカン)、トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、エトポシド、テニポシドまたはタフルポシド)またはキナーゼ阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ベムラフェニブ、vismodegib)、ヌクレオチドアナログまたは前駆体アナログ(例えば、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、シタラビン、ドキシフルリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、チオグアニン(チオグアニン))、ペプチド抗生物質(例えば、ブレオマイシンまたはアクチノマイシン)、白金ベースの薬剤(例えば、カルボプラチン、シスプラチンまたはオキサリプラチン)、レチノイド(例えば、トレチノイン、アリトレチノイン、ベキサロテン)またはビンカアルカロイドまたは誘導体(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンまたはビノレルビン)を含むが、これらに限定されない。
ある実施態様において、組み合わせは、さらに、血管形成阻害剤、EGFR阻害因子、PARP阻害剤(例えば、BSI〜201)、抗体−薬物コンジュゲート(例えば、GPNMBターゲティング(例えば、グレンバツムマブべドチン(CDX−011))、サシツズマブゴビテカン(IMMU−132))、Frizzled受容体阻害剤(例えば、バンチクツマブ)、PD−L1阻害剤(例えば、アテゾリズマブ)、手術、放射線療法処置またはこれらの組み合わせを含む。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)を含む。ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、さらに、免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)、TIM−3の阻害剤(例えば、抗TIM−3ここに記載する抗体分子)または両方を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、血液癌、例えば、白血病(例えば、急性骨髄性白血病(AML))または骨髄異形成症候群(MDS)の処置に使用する。ある実施態様において、癌は、白血病、例えば、再発または難治性AMLまたはデノボAML(例えば、標準治療に不適なAML)である。他の実施態様において、癌は、MDS、例えば、高リスクMDSである。
ある実施態様において、化学療法剤は、メチル化阻害剤である。メチル化阻害剤(または脱メチル化剤)は、DNAメチル化を阻害する薬剤である。ある実施態様において、メチル化阻害剤は、DNAメチルトランスフェラーゼ活性を遮断する(すなわち、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤/DNMT阻害剤)。ここに記載する組み合わせにおいて使用できるメチル化阻害剤の例は、デシタビンおよびアザシチジンを含む。
ある実施態様において、化学療法剤は、デシタビンである。デシタビン(5−アザ−2’−デオキシシチジンまたはダコゲン(登録商標)としても知られる)は、シチジンデオキシヌクレオシドアナログである。これは、低用量でDNAメチルトランスフェラーゼを選択的に阻害できる。デシタビンによるDNAメチルトランスフェラーゼ阻害は、遺伝子プロモーター低メチル化をもたらし、これは、腫瘍サプレッサー遺伝子の再活性化または細胞分化または細胞老化と続くプログラム細胞死を誘発できる。デシタビンは、標準的導入化学療法の候補ではない、WHO分類によりデノボまたは二次的AMLと新たに診断された65歳以上の成人患者の処置に指示されている。デシタビンの使用が、WHO分類によりデノボまたは二次的AMLと新たに診断された患者で試験された(Malik and Cashen. Cancer Manag Res. 2014; 6: 53-61)。治療企図集団における中央全生存(OS)は、デシタビン処置患者で7.7ヶ月であった。完全寛解率(CR+不完全血小板回復(CRp)を伴う完全寛解)は17.8%であった(Luebbert et al. J Clin Oncol. 2011; 29(15):1987-96)。デシタビンはMDS、例えば、先に処置されたおよび処置されていない、全フランス・アメリカ・イギリスサブタイプのデノボおよび二次的MDSおよび米国における中間1、中間2および高リスク国際予後判定システムグループの、患者の処置に指示される。
ある実施態様において、組み合わせを、急性骨髄性白血病(AML)の処置に使用する。AMLは、例えば、骨髄における異常骨髄芽細胞増殖により特徴付けられる、造血系のクローン新生物である。異常骨髄芽細胞増殖は、正常造血発生を妨害し、骨髄および末梢血における機能障害性、未成熟骨髄細胞の蓄積に至り得る。ある実施態様において、AMLの診断は、骨髄芽細胞が骨髄吸引液における有核細胞の≧20%を構成するときになされる。これらの白血病性芽細胞は正常造血幹細胞および前駆細胞を阻害し、末梢血における成熟、分化型造血細胞の出現に影響し得る。臨床症状は、例えば、貧血、好中球減少症または血小板減少症を含み、これは、生命を脅かす感染および出血をもたらし得る。AMLは、先の骨髄異形成症候群(“二次的AML”)または先の細胞毒性化学療法(“治療関連AML”)の状況で生じ得る。
長期疾患制御は、患者における良好な予後特性、例えば、若い年齢および好ましい細胞遺伝型で達成され得る。顕著な共存症がない60歳以下の患者は、最初に、一般にアントラサイクリンおよびシタラビンを含む集中的骨髄除去誘発化学療法で処置され得る。この治療の目的は、例えば、正常造血機能集団における5%より少ない芽細胞での完全寛解(CR)であり、これは、この患者集団で65%を超える確率で、達成され得る。化学療法または自己もしくは同種造血幹細胞移植による寛解後強化治療は、寛解耐久性を高めるために、その後行われ得る。かなり高率のAML再発があり、それに対する効果的処置選択肢は限られる。高齢患者は、一般にはるかに悪く、はるかに低くかつ少ない持続的応答率が得られ、処置による合併症が多い。集中的治療に耐容できないこの高齢集団について、選択肢は限定され、効果的標準的手段は存在しない。処置選択肢は、例えば、低用量シタラビンまたはメチル化阻害剤、例えば5−アザシチジンまたはデシタビンを含む。AML患者、例えば、AMLの高齢患者および再発または難治性疾患患者の生存を改善する、より効果的な治療モダリティが必要である。
骨髄異形成症候群(MDS)は、永続性末梢血血球減少および白血病性形質転換の有病率増加を含む、慢性骨髄障害の不均一群である。臨床的特徴は可変であり、診断は、一般に骨髄および末梢血における造血細胞の形態的および細胞遺伝学的異常に基づき、なされる。MDSの予後は細胞遺伝学、骨髄芽細胞パーセンテージおよび血球減少臨床データに基づく、改訂国際予後判定システム(rIPSS)により決定される。患者は、これらの予後因子からの総スコアに基づき、5リスクカテゴリにグループ分けされる(Greenberg et al. J Natl Compr Canc Netw. 2013; 11(7):838-74)。rIPSSにより高および極めて高リスクMDSと診断された患者は、AMLへの形質転換および予後不良の割合が高い。メチル化阻害剤は、MDS処置の標準治療と考えられる(NCCN Guidelines for Patients(登録商標)、骨髄異形成症候群、バージョン1.2016、National Comprehensive Cancer Network)。
理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、例えば、同種造血幹細胞移植およびドナーリンパ球注入で見られた抗白血病活性に基づき、抗腫瘍免疫はAMLの処置に使用し、該疾患患者の結果を改善すると考えられる。AMLにおける抑制性免疫微小環境と白血病性芽細胞におけるPD−L1発現増加の証拠がある。AMLのマウスモデルにおける前臨床的証拠は、疾患進行がCD8陽性T細胞におけるPD−1発現増加と関連し、本疾患のこれらモデルにおいて抗PD−1または抗PD−L1抗体での処置がAML負荷を減少させ、生存を改善することを示す。患者において、AML/MDSを有する患者のサブセットにおけるPD−L1発現増加が、進行するに連れてさらに増加するとの証拠がある。
PD−1/PD−L1経路活性化に加えて、AML幹細胞が免疫チェックポイントTIM−3を共発現する証拠がある。TIM−3は、細胞毒性T細胞による腫瘍認識を抑制するためPD−1/PD−L1経路と協調し得る。TIM−3は、白血病性芽細胞に存在するが、正常造血幹細胞にはしない独特なAML幹細胞抗原であり、抗TIM3抗体処置は、AMLのマウスモデルにおける白血病負荷における有効性が示されている(Kikushige et al. Cell Stem Cell. 2010; 7(6):708-17)。MDSにおいて、標準治療メチル化阻害剤デシタビン処置がT細胞におけるPD−1発現を増加させ、免疫調節におけるその役割を強調する証拠もある。
理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)は、免疫チェックポイント(例えば、PD−1、TIM−3または両方)発現を増加でき、これが免疫回避を可能とし、治療抵抗性に至ると考えられる。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、AMLおよびMDSは免疫チェックポイント受容体PD−1およびTIM−3を共発現し、これが細胞毒性T細胞の免疫認識阻害に協調するとも考えられる。前臨床的証拠は、PD−1およびTIM−3の同時遮断が、T細胞の活性化を何れかの治療単独より大きく促進させ(Sakuishi et al. J Exp Med. 2010; 207(10):2187-94, Ngiow et al. Cancer Res. 2011; 71(10):3540-51)、実験的癌モデルにおいて相乗的に腫瘍増殖を阻害することを示す(Anderson et al. Cancer Immunol Res. 2014; 2(5):393-8, Ngiow et al. Cancer Res. 2011; 71(10):3540-51)。ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、例えば、処置誘発免疫調節および共阻害性経路を考慮して、AMLおよびMDSのためのチェックポイント阻害の手段を最適化する。
他の実施態様において、組み合わせは、免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)および化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)を含む。ある実施態様において、免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜600mgの用量(例えば、300mg〜500mg、例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内投与される。ある実施態様において、化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)は、5mg/m2〜50mg/m2の用量(例えば、10mg/m2〜30mg/m2、例えば、20mg/m2の用量)で、例えば、連日、例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日またはそれ以上、例えば、静脈内投与される。ある実施態様において、免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を28日サイクルの8日目に投与され、化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)は、28日サイクルの1日目、2日目、3日目、4日目および5日目に投与される。
他の実施態様において、組み合わせは、免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、TIM−3の阻害剤または米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子および化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)を含む。ある実施態様において、免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、TIM−3の阻害剤または米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子は、10mg〜1000mgの用量(例えば、20mg〜800mg、80mg〜400mg、例えば、240mgの用量)で、例えば、2週に1回、例えば、静脈内投与される。ある実施態様において、化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)は、5mg/m2〜50mg/m2の用量(例えば、10mg/m2〜30mg/m2(例えば、20mg/m2の用量)で、例えば、連日、例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日またはそれ以上、例えば、静脈内投与される。ある実施態様において、免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、TIM−3の阻害剤または米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子を28日サイクルの8日目および22日目に投与され、化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)を28日サイクルの1日目、2日目、3日目、4日目および5日目に投与される。
他の実施態様において、組み合わせは、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)を含む、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)および化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜600mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内投与される。ある実施態様において、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)は、10mg〜800mgの用量(例えば、20mg〜400mg、40mg〜200mgまたは50mg〜100mg、例えば、80mgの用量)で、例えば、2週に1回、例えば、静脈内投与される。ある実施態様において、化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)は、5mg/m2〜50mg/m2の用量(例えば、10mg/m2〜30mg/m2(例えば、20mg/m2の用量)で、例えば、連日、例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日またはそれ以上、例えば、静脈内投与される。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を28日サイクルの8日目に投与され、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)を28日サイクルの8日目および22日目に投与され、化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤、例えば、デシタビン)を28日サイクルの1日目、2日目、3日目、4日目および5日目に投与される。
ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)およびTIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)は、同じ日に投与される。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)およびTIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)は、異なる日に投与される。ある実施態様において、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)は、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)の投与と同じ日、前に投与される。他の実施態様において、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)は、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)の投与と同じ日、後に投与される。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)投与とTIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)投与の間に、例えば、約1時間食塩水またはデキストロース溶液を流してよい。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)または両方は、30分〜2時間、例えば、約1時間にわたる静脈内点滴で投与される。PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)およびTIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)は、液体または凍結乾燥物の形態で保存され得る。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)は凍結乾燥物の形態で保存され、TIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)は液体の形態で保存される。
化学療法剤(例えば、メチル化阻害剤(脱メチル化剤としても知られる)、例えば、デシタビン)およびPD−1の阻害剤(例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子)またはTIM−3の阻害剤(例えば、米国特許出願公開2015/0218274号に開示の抗TIM−3抗体分子)の一方または両方を含む組み合わせを、例えば、癌、例えば、癌ここに記載する治療の処置のために、さらなる治療と組み合わせ得る。さらなる治療の例は、三酸化ヒ素(トリセノックス)、全transレチノイン酸(ATRA)、幹細胞または骨髄移植、第二化学療法剤(例えば、アザシチジン、シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシンまたはレナリドマイド)または放射線療法処置を含むが、これらに限定されない。
BRAFおよびMEK阻害剤の例
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、BRAF阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、皮膚癌(例えば、黒色腫)の処置に使用する。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、マイトージェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路が、例えば、BRAFキナーゼの変異により、多数のヒト癌で異常に活性化され、該変異は、転移黒色腫の約50%で見られる。ある実施態様において、組み合わせを、BRAF変異、例えば、ここに記載するBRAF変異を有する癌の処置に使用する。ある実施態様において、組み合わせを、黒色腫、例えば、切除不能または転移黒色腫の処置に使用する。ある実施態様において、組み合わせを、黒色腫がBRAF変異(例えば、BRAF V600変異)を有する対象および乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルが対照LDHレベルと比較して高い対象の処置に使用する。
ある実施態様において、BRAF阻害剤は、ダブラフェニブである。ダブラフェニブは、GSK2118436、N−{3−[5−(2−アミノピリミジン−4−イル)−2−tert−ブチル−1,3−チアゾール−4−イル]−2−フルオロフェニル}−2,6−ジフルオロベンゼンスルホンアミドまたはタフィンラー(登録商標)(CAS Number 1195765-45-7)としても知られる。ダブラフェニブは、経口でバイオアベイラブルな、ヒト野生型BRAFおよびCRAF酵素ならびにBRAF酵素の変異体形態、例えば、BRAF V600E、BRAF V600KおよびBRAF V600Dの強力かつ選択的RAFキナーゼ阻害剤である。ダブラフェニブの作用機序は、ATP結合の競合的阻害に一致する。ある実施態様において、組み合わせを、BRAF変異、例えば、ここに記載するBRAF変異(例えば、BRAF V600変異)を有する癌(例えば、黒色腫)を有することが決定されている対象の処置に使用する。他の実施態様において、組み合わせを、野生型BRAF癌(例えば、野生型BRAF黒色腫)以外の癌(例えば、黒色腫)の処置に使用する。
ある実施態様において、BRAF阻害剤またはダブラフェニブを、50mg〜300mg(例えば、100mg〜200mg)の用量で、例えば、1日2回投与する。ある実施態様において、BRAF阻害剤またはダブラフェニブを、100mg〜200mgの用量(例えば、約150mgの用量)で、例えば、1日2回投与する。例えば、BRAF阻害剤またはダブラフェニブの2回目の投与を、最初の投与の約12時間後に行い得る。ある実施態様において、BRAF阻害剤またはダブラフェニブを、総1日用量100mg〜600mg(例えば、200mg〜400mg)で投与する。ある実施態様において、BRAF阻害剤またはダブラフェニブを、総1日用量200mg〜400mg(例えば、約300mgの総1日用量)で投与する。ある実施態様において、BRAF阻害剤ダブラフェニブを経口投与する。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、MEK阻害剤を含む。ある実施態様において、組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌、例えば、皮膚癌(例えば、黒色腫)の処置に使用する。理論に拘束されることを意図しないが、MAPKシグナル伝達カスケードのメンバーであるMEKが阻害されたとき、細胞増殖が遮断され得て、アポトーシスが誘発され得ると考えられる。ある実施態様において、組み合わせを、黒色腫、例えば、切除不能または転移黒色腫の処置に使用する。ある実施態様において、組み合わせを、黒色腫がBRAF変異(例えば、BRAF V600変異)を有する対象および乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルが対照LDHレベルと比較して高い対象の処置に使用する。
ある実施態様において、MEK阻害剤は、トラメチニブである。トラメチニブは、GSK1120212、JTP−74057、TMT212、N−(3−{3−シクロプロピル−5−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6,8−ジメチル−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−1(2H)−イル}フェニル)アセトアミドまたはメキニスト(CAS Number 871700-17-3)としても知られる。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、トラメチニブは、可逆性および高度に選択的アロステリックMEK1およびMEK2阻害剤であると考えられる。MEKタンパク質は、黒色腫細胞などの腫瘍細胞で共通して高活性化されるMAPK経路の重大な要素である。BRAFおよびRAS両方における発癌性変異は、MEK1またはMEK2を経てシグナル伝達され得る。
ある実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブを、0.5mg〜4mg(例えば、1mg〜3mg)用量で、例えば、1日1回投与する。ある実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブを、1mg〜3mgの用量(例えば、約2mg用量)で、例えば、1日1回投与する。ある実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブを経口投与する。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、BRAF阻害剤およびMEK阻害剤を含む。
インビトロおよびインビボ前臨床データは、BRAF阻害剤(例えば、ダブラフェニブ)とMEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)の組み合わせによる抗腫瘍活性増加を示した。例えば、ダブラフェニブとトラメチニブの組み合わせは、インビトロで一団のBRAF変異体細胞株に対する増強された抗増殖性活性を示し、各単剤の最初の耐性への取り組みにおけるダブラフェニブおよびトラメチニブの相乗効果を示唆する。組み合わせは、ダブラフェニブ耐性BRAF変異体黒色腫細胞クローン増殖阻害に効果的であり、獲得耐性を克服するためのこの組み合わせ治療の潜在的能力を示す。この細胞株データは、他の実験的BRAF−およびMEK阻害剤組み合わせのインビトロ結果と同等である(Corcoran et al. Sci Signal. 2010; 3(149):ra84; Emery et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2009; 106(48):20411-6)。
他の例として、ダブラフェニブとトラメチニブの組み合わせは、BRAF変異体黒色腫のマウス異種移植モデルにおいて、何れか単剤と比較して、活性改善を示した。ラットで実施した皮膚毒性試験において、ダブラフェニブへのトラメチニブ追加は、ダブラフェニブ単独での処置後観察された増殖性皮膚病変の発生を予防した。これらの結果は、MEK阻害剤のBRAF阻害剤への追加が、例えば、BRAF阻害剤が関与する臨床治験でしばしば観察される角化棘細胞腫および皮膚扁平上皮細胞癌を含む、過増殖性皮膚病変発生をもたらし得る、正常皮膚細胞における増殖性シグナルを抑制できることを示唆する(Flaherty et al. Curr Opin Oncol. 2010; 22(3):178-83; Chapman et al. Expert Opin Investig Drugs. 2011; 20(2):209-20; Robert et al. Curr Opin Oncol. 2011; 23(2):177-82)。同様の結果が、BRAFおよびMEK阻害剤の他の組み合わせで観察されている(Carnahan et al. Mol Cancer Ther. 2010; 9(8):2399-410)。
ある実施態様において、BRAF阻害剤またはダブラフェニブは、50mg〜300mg(例えば、100mg〜200mg)の用量で、例えば、1日2回投与される、例えば、経口およびMEK阻害剤またはトラメチニブは、0.5mg〜4mg(例えば、1mg〜3mg)用量で、例えば、1日1回投与される、例えば、経口投与される。ある実施態様において、BRAF阻害剤またはダブラフェニブは、100mg〜200mgの用量(例えば、約150mgの用量)で、1日2回、経口投与され、MEK阻害剤またはトラメチニブは、1mg〜3mgの用量(例えば、約2mgの用量)で、1日1回、経口投与される。例えば、BRAF阻害剤またはダブラフェニブの最初の投与は、MEK阻害剤と同時に行ってよくまたはダブラフェニブおよびBRAF阻害剤またはダブラフェニブの2回目の投与は、最初の投与の約12時間後に行い得る。ある実施態様において、BRAF阻害剤またはダブラフェニブは、総1日用量100mg〜600mg(例えば、200mg〜400mg)で、例えば、経口投与され、MEK阻害剤またはトラメチニブは、0.5mg〜4mg(例えば、1mg〜3mg)用量で、例えば、1日1回、例えば、経口投与される。ある実施態様において、BRAF阻害剤またはダブラフェニブは、総1日用量200mg〜400mg(例えば、約300mgの総1日用量)で投与される、例えば、経口およびMEK阻害剤またはトラメチニブは、1mg〜3mgの用量(例えば、約2mg用量)で、例えば、1日1回投与される、例えば、経口投与される。
ある実施態様において、組み合わせは、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子および(i)BRAF阻害剤またはダブラフェニブ、(ii)MEK阻害剤またはトラメチニブまたは(iii)(i)および(ii)の両方を含む。理論に拘束されることを意図しないが、BRAF阻害剤(例えば、ダブラフェニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)または両方と組み合わせた免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤またはPD−L1の使用は、BRAFおよび/またはMEKの阻害により応答を改善する(例えば、より迅速な応答、より持続的な応答、高応答率またはより多い完全奏効)と考えられる。
次の観察は、少なくとも一部、標的化治療(例えば、BRAF標的化治療、MEK標的化治療または両方)と免疫チェックポイント阻害因子(例えば、PD−1の阻害剤、例えば、抗PD−1抗体分子)のコンビナトリアルまたは相乗効果を支持する。例えば、発癌性BRAFは、黒色腫における免疫回避にいたり得る(Sumimoto et al. J Exp Med. 2006; 203(7):1651-6)。BRAF活性遮断は、例えば、転写抑制解除および続くMITF標的、例えば、MART−1、gp100、TRP−1およびTRP−2発現により(Boni et al. Cancer Res. 2010; 70(13):5213-9)、インビトロで黒色腫分化抗原発現増加をもたらす(Kono et al. Mol Cancer Res. 2006; 4(10):779-92)。T細胞活性化およびシグナル伝達に対するMAPK経路阻害の効果もインビトロで試験された。BRAF阻害剤はT細胞機能に有害作用を示さず、RAS−GTPを経る逆説的シグナル伝達により機能を増強さえでき(Callahan et al. Cancer Immunol Res. 2014; 2(1):70-9)、MEK阻害剤は、インビトロでT細胞機能用量依存的阻害を示した(Boni et al. Cancer Res. 2010; 70(13):5213-9; Vella et al. Cancer Immunol Res. 2014; 2(4):351-60)。トラメチニブのインビボ抗腫瘍効果は、マウス免疫適格性BALB/C同一遺伝子CT26腫瘍モデルでさらに探索した。この研究において、トラメチニブ単剤療法はCD4+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を増加させ、CD8+TILの頻度に影響しなかった。トラメチニブとマウス抗PD−1の組み合わせは、KRAS変異体CT26結腸直腸腫瘍同一遺伝子マウスモデルで効果的抗腫瘍応答をもたらした(Liu et al. Clin Cancer Res. 2015; 21(7):1639-51)。
他の例として、免疫バイオマーカー解析を、ベムラフェニブまたはダブラフェニブ+トラメチニブで処置した転移黒色腫の16患者からの腫瘍サンプルで実施した。この解析において、BRAF阻害は、黒色腫抗原発現(例えば、MART、TYRP−1、TYRP−2、gp100)増加、CD8+TILの有意な増加、腫瘍微小環境における免疫抑制性サイトカイン発現減少およびT細胞毒性マーカー増加だけでなく、T細胞消耗マーカー(例えば、TIM−3、PD−1)増加とも関係した。抗原発現およびCD8+TILが、黒色腫疾患進行時に減少するが、複合BRAFおよびMEK阻害により再蓄積され得ることも観察された(Frederick et al. Clin Cancer Res. 2013; 19(5):1225-31; Wilmott et al. Clin Cancer Res. 2012; 18(5):1386-94)。
理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、BRAF阻害剤(例えば、ダブラフェニブ)またはMEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)の、単独または組み合わせでの使用は、例えば、免疫微小環境改変により、免疫治療剤に対する応答に利益を与え得ると考えられる(Schilling et al. Ann Oncol. 2014; 25(3):747-53; Liu et al. Clin Cancer Res. 2015; 1;21(7):1639-51; Kakavand et al. Clin Cancer Res. 2015; 21(14):3140-8)。
ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、200mg〜600mg、例えば、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、4週に1回または8週に1回投与する。ここに記載する抗PD−1抗体分子の集団薬物動態(PK)解析は、患者体重差による暴露変化は、患者集団について30〜150kgの予測体重範囲にわたり最小であり、均一投与スキームの選択を支持する。約400mgを4週に1回または約300mgを3週に1回の均一用量が、PD−1遮断の翻訳バイオマーカーである抗原刺激IL−2産生についてのエクスビボEC50より高い平均定常状態Cトラフ値を達成すると予測される(Patnaik et al. Clin Cancer Res. 2015; 21(19):4286-93)。少なくとも一部、観察された安全性プロファイルおよび予測Cトラフ値に基づき、約400mgを4週に1回の用量は、安全かつ効果的用量であると予測される。理論に拘束されることを望まないが、ある実施態様において、抗PD−1抗体分子の投与間隔の延長(例えば、8週またはそれ以上まで)は、本組み合わせをより耐容とする。ここに記載する抗PD−1抗体分子の長い半減期を考慮して、8週目のCトラフ値は、抗原刺激IL−2産生についてのエクスビボEC50を超えると予測される。
ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、4週に1回、例えば、静脈内に、例えば、15〜120分(例えば、約30分)の時間にわたり投与する。他の実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、8週に1回、例えば、静脈内に、例えば、15〜120分(例えば、約30分)の時間にわたり投与する。ある実施態様において、投与は12週まで、例えば、8週までまたは4週までで中断してよい。
ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、ここに記載する製剤として対象に投与する。ある実施態様において、製剤は、凍結乾燥製剤である。他の実施態様において、製剤は、例えば、凍結乾燥製剤から再構成された、再構成製剤である。他の実施態様において、製剤は、液体製剤である。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、注射用滅菌水を使用して再構成する。
ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内投与され、(i)BRAF阻害剤またはダブラフェニブは、50mg〜300mgの用量(例えば、100mg〜200mg、例えば、150mgの用量)で、例えば、1日2回、例えば、経口でまたは総1日用量100mg〜600mg(例えば、200mg〜400mg、例えば、総1日用量300mg)で、例えば、経口で投与され、(ii)MEK阻害剤またはトラメチニブを0.5mg〜4mgの用量で(例えば、1mg〜3mg、例えば、2mgの用量)で、例えば、1日1回、例えば、経口投与しまたは(iii)(i)および(ii)の両方を投与される。
ある実施態様において、組み合わせは、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子、BRAF阻害剤またはダブラフェニブおよびMEK阻害剤またはトラメチニブを含む。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内投与し、BRAF阻害剤またはダブラフェニブを、50mg〜300mgの用量(例えば、100mg〜200mg、例えば、150mgの用量)で、例えば、1日2回、例えば、経口でまたは総1日用量100mg〜600mg(例えば、200mg〜400mg、例えば、総1日用量300mg)で、例えば、経口で投与し、そしてMEK阻害剤またはトラメチニブを0.5mg〜4mgの用量で(例えば、1mg〜3mg、例えば、2mgの用量)で、例えば、1日1回、例えば、経口投与する。
ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)の投与は、BRAF阻害剤またはダブラフェニブ、MEK阻害剤またはトラメチニブまたは両方の投与と同じ日に投与される。他の実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、BRAF阻害剤またはダブラフェニブ、MEK阻害剤またはトラメチニブまたは両方が約4週またはそれ以上投与された後に投与する。例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)の投与を、BRAF阻害剤またはダブラフェニブ、MEK阻害剤またはトラメチニブまたは両方を1日目に開始したとき、29日目に開始してよい。例として、BRAF阻害剤またはダブラフェニブを、28日サイクルの1〜28日目について投与レジメンに従い1日2回投与してよく、MEK阻害剤またはトラメチニブを、28日サイクルの1〜28日目について投与レジメンに従い1日2回投与してよい。
ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、8週に1回、例えば、静脈内投与し、(i)BRAF阻害剤またはダブラフェニブを、50mg〜300mgの用量(例えば、100mg〜200mg、例えば、150mgの用量)で、例えば、1日2回、例えば、経口でまたは総1日用量100mg〜600mg(例えば、200mg〜400mg、例えば、総1日用量300mg)で、例えば、経口で投与し、(ii)MEK阻害剤またはトラメチニブを0.5mg〜4mgの用量で(例えば、1mg〜3mg、例えば、2mgの用量)で、例えば、1日1回、例えば、経口投与しまたは(iii)(i)および(ii)の両方を投与する。
ある実施態様において、組み合わせは、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子、BRAF阻害剤またはダブラフェニブおよびMEK阻害剤またはトラメチニブを含む。ある実施態様において、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、8週に1回、例えば、静脈内投与され、BRAF阻害剤またはダブラフェニブは、50mg〜300mgの用量(例えば、100mg〜200mg、例えば、150mgの用量)で、例えば、1日2回、例えば、経口でまたは総1日用量100mg〜600mg(例えば、200mg〜400mg、例えば、総1日用量300mg)で、例えば、経口で投与され、そしてMEK阻害剤またはトラメチニブを0.5mg〜4mgの用量で(例えば、1mg〜3mg、例えば、2mgの用量)で、例えば、1日1回、例えば、経口投与される。
ある実施態様において、組み合わせを、例えば、対照LDHレベル、例えば、正常対象におけるLDHレベルと比較して、LDHレベル(例えば、血清レベル)が高い癌、例えば、黒色腫の処置に使用する。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、血清LDHは、黒色腫における独立予後因子であり、正常範囲内LDHレベルの患者と比較したとき、進行型黒色腫患者の生存減少により証明されるとおり、予後不良と相関する。試験はまた高LDHが治療応答および他の有効性結果と負に相関したことを示す(Sirott et al. Cancer. 1993; 72(10):3091-8; Eton et al. J Clin Oncol. 1998; 16(3):1103-11; Balch et al. J Clin Oncol. 2001; 19(16):3622-34)。高LDHレベルの患者集団は、ここに記載する処置選択肢(例えば、組み合わせ治療)の使用を保証する、アンメット・メディカル・ニーズの領域を表す。ある実施態様において、癌、例えば、黒色腫は、さらに、BRAF V600変異を有する。
ある実施態様において、対象におけるLDHレベルは、対照レベル、例えば、ここに記載する対照レベルより少なくとも2倍、3倍、4倍または5倍高い。ある実施態様において、ベースライン時のLDHレベルは、1×正常(ULN)上限〜2×ULNである。他の実施態様において、ベースライン時のLDHレベルは、2×ULNより大きい、例えば、3×ULN、4×ULNまたは5×ULNより大きい。ある実施態様において、LDHレベルは、約100〜350(例えば、約105〜333)IU/L(国際単位/リットル)より大きい。ある実施態様において、レベルのLDHは、血清で決定される。LDHレベル決定のための試験は、例えば、Ferri FF, ed. Ferri's Clinical Advisor 2014. Philadelphia: Pa: Elsevier Mosby; 2014: Section IV- Laboratory tests and interpretation of resultsに記載されている。ある実施態様において、対象は、0、1または2から選択されるECOGパフォーマンススコアを有する。ECOGパフォーマンススコアを決定する方法は、例えば、Oken et al. Am J Clin Oncol. 1982; 5: 649-655に記載される。
ある実施態様において、組み合わせを、BRAF変異、例えば、ここに記載するBRAF変異を有する癌(例えば、黒色腫)の処置に使用する。ある実施態様において、BRAF変異はV600変異である。ある実施態様において、BRAF変異は、キナーゼドメインの活性化セグメントに位置する。他の実施態様において、BRAF変異はキナーゼ活性を増加させ、所望により、インビトロで形質転換される。ある実施態様において、BRAF変異は、V600E変異、V600K変異またはV600D変異から選択される。ある実施態様において、BRAF変異はV600E変異である。他の実施態様において、組み合わせを、野生型BRAF癌(例えば、野生型BRAF黒色腫)以外の癌(例えば、黒色腫)の処置に使用する。ある実施態様において、BRAF変異は、BRAF阻害剤、MEK阻害剤または両方に感受性または応答性の変異である。
BRAF変異の例は、BRAF c.1779_1780delTGinsGA(D594N)、BRAF c.1780G>C(D594H)、BRAF c.1780G>A(D594N)、BRAF c.1781A>G(D594G)、BRAF c.1781A>T(D594V)、BRAF c.1782T>A(D594E)、BRAF c.1782T>G(D594E)、BRAF c.1789C>G(L597V)、BRAF c.1789_1790delCTinsTC(L597S)、BRAF c.1790T>A(L597Q)、BRAF c.1790T>G(L597R)、BRAF c.1798G>A(V600M)、BRAF c.1798_1799delGTinsAA(V600K)、BRAF c.1798_1799delGTinsAG(V600R)、BRAF c.1799T>A(V600E)、BRAF c.1799T>G(V600G)、BRAF c.1799_1800delTGinsAT(V600D)、BRAF c.1799_1800delTGinsAA(V600E)またはBRAF c.1801A>G(K601E)を含むが、これらに限定されない。その他のBRAF変異はまた、例えば、Botton et al. Pigment Cell Melanoma Res. 2013; 26(6):845-51; Hutchinson et al. Clin Cancer Res. 2013; 19(24):6696-702に記載される、BRAF融合を含む。
ある実施態様において、PD−1の阻害剤は抗PD−L1抗体分子である。
ここに記載する組み合わせにおいて使用できるBRAF阻害剤の他の例は、ベムラフェニブ(RG7204またはPLX4032としても知られる)、GDC−0879、PLX−4720、ソラフェニブまたはLGX818を含むが、これらに限定されない。
ここに記載する組み合わせにおいて使用できるMEK阻害剤の他の例は、コビメチニブ(XL518としても知られる)、ビニメチニブ(MEK162としても知られる)、セルメチニブ、PD−325901、CI−1040、PD035901またはTAK−733を含むが、これらに限定されない。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、さらに、手術、化学療法剤、放射線療法処置、免疫療法(例えば、抗CTLA−4抗体分子、抗PD−L1抗体分子、インターフェロン、インターロイキン(例えば、IL−2)またはTNF治療)または標的化治療(例えば、腫瘍溶解性ウイルスまたは血管形成阻害剤)と組み合わせて使用される。
医薬組成物およびキット
他の態様において、本発明は、薬学的に許容される担体と製剤された、ここに記載する抗体分子を含む、組成物、例えば、薬学的に許容される組成物を提供する。ここで使用する、“薬学的に許容される担体”は、生理学的に適合性である、任意かつ全ての溶媒、分散媒体、等張および吸収遅延剤などを含む。担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経腸、直腸、脊髄または上皮投与(例えば注射または点滴による)に適し得る。
本発明の組成物は多様な形態であり得る。これらは、例えば、液体、半固体および固体投与形態、液体(例えば、注射可能および点滴可能溶液)、分散体または懸濁液、リポソームおよび坐薬を含む。好ましい形態は、意図する投与方式および治療適用による。典型的な好ましい組成物は、注射可能または点滴可能溶液の形である。好ましい投与方式は、非経腸(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。好ましい実施態様において、抗体は、静脈内点滴または注射により投与される。他の好ましい実施態様において、抗体は筋肉内または皮下注射により投与される。
ここで使用する用語“非経腸投与”および“非経腸的に投与”は、経腸および局所投与以外の、通常、注射による投与方式を意味し、限定しないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、クモ膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内注射および点滴を含む。
治療組成物は、一般に無菌であり、製造および保存条件下安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散体、リポソームまたは高抗体濃度に適する他の秩序構造として製剤され得る。無菌注射可能溶液は、活性化合物(すなわち、抗体または抗体部分)の必要量を、適切な溶媒に、必要に応じて上記成分の1つまたは組み合わせと共に取り込み、続いて濾過滅菌することにより製造される。一般に、分散体は、活性化合物を、塩基性分散媒体および上記のものからの必要な他の成分を含む、無菌媒体に取り込むことにより製造する。無菌注射可能溶液製造のための無菌粉末の場合、好ましい製造方法は、予め滅菌濾過された溶液からの活性成分と任意の所望の付加的成分の粉末を産生する、真空乾燥および凍結乾燥である。溶液の適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散体の場合必要な粒子径の維持によりおよび界面活性剤の維持により、維持され得る。注射可能組成物の長期吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを組成物の包含させることによりもたらされ得る。
ここに記載するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)または組成物を、ここに記載する対象への投与(例えば、静脈内投与)に適する製剤(例えば、投与製剤または投与形態)に製剤し得る。
ある実施態様において、製剤は薬物物質製剤である。他の実施態様において、製剤は、例えば、薬物物質製剤から凍結乾燥またはされた、凍結乾燥製剤である。他の実施態様において、製剤は、例えば、凍結乾燥製剤から再構成された、再構成製剤である。他の実施態様において、製剤は、液体製剤である。
ある実施態様において、製剤は、薬物物質製剤である。ある実施態様において、製剤(例えば、薬物物質製剤)は、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)および緩衝剤を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、薬物物質製剤)は、10〜50mg/mL、例えば、15〜50mg/mL、20〜45mg/mL、25〜40mg/mL、30〜35mg/mL、25〜35mg/mLまたは30〜40mg/mL、例えば、15mg/mL、20mg/mL、25mg/mL、30mg/mL、33.3mg/mL、35mg/mL、40mg/mL、45mg/mLまたは50mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。ある実施態様において、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、30〜35mg/mL、例えば、33.3mg/mL濃度で存在する。
ある実施態様において、製剤(例えば、薬物物質製剤)は、ヒスチジンを含む緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)を含む。ある実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、1mM〜20mM、例えば、2mM〜15mM、3mM〜10mM、4mM〜9mM、5mM〜8mMまたは6mM〜7mM、例えば、1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、6.7mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mMまたは20mMの濃度で存在する。ある実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、6mM〜7mM、例えば、6.7mM濃度で存在する。他の実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、4〜7、例えば、5〜6、例えば、5、5.5または6のpHを有する。ある実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、5〜6、例えば、5.5のpHを有する。ある実施態様において、緩衝剤はヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する。
ある実施態様において、製剤(例えば、薬物物質製剤)は、30〜35mg/mL、例えば、33.3mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)およびヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する緩衝剤を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、薬物物質製剤)は、さらに炭水化物を含む。ある実施態様において、炭水化物はスクロースである。ある実施態様において、炭水化物(例えば、スクロース)は、50mM〜150mM、例えば、25mM〜150mM、50mM〜100mM、60mM〜90mM、70mM〜80mMまたは70mM〜75mM、例えば、25mM、50mM、60mM、70mM、73.3mM、80mM、90mM、100mMまたは150mMの濃度で存在する。ある実施態様において、製剤は、70mM〜75mM、例えば、73.3mM濃度で存在する炭水化物またはスクロースを含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、薬物物質製剤)は、30〜35mg/mL、例えば、33.3mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)、ヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する緩衝剤および70mM〜75mM、例えば、73.3mM濃度で存在する炭水化物またはスクロースを含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、薬物物質製剤)は、さらに界面活性剤を含む。ある実施態様において、界面活性剤はポリソルベート20である。ある実施態様において、界面活性剤またはポリソルベート20)は、0.005%〜0.025%(w/w)、例えば、0.0075%〜0.02%または0.01%〜0.015%(w/w)、例えば、0.005%、0.0075%、0.01%、0.013%、0.015%または0.02%(w/w)の濃度で存在する。ある実施態様において、製剤は、0.01%〜0.015%、例えば、0.013%(w/w)濃度で存在する界面活性剤またはポリソルベート20を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、薬物物質製剤)は、30〜35mg/mL、例えば、33.3mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)ヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する緩衝剤および0.01%〜0.015%、例えば、0.013%(w/w)濃度で存在する界面活性剤またはポリソルベート20を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、薬物物質製剤)は、30〜35mg/mL、例えば、33.3mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)ヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する緩衝剤、70mM〜75mM、例えば、73.3mM濃度で存在する炭水化物またはスクロースおよび0.01%〜0.015%、例えば、0.013%(w/w)濃度で存在する界面活性剤またはポリソルベート20を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、薬物原体製剤)は、33.3mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)、ヒスチジンを6.7mM濃度で含み、5.5のpHを有する緩衝剤、73.3mM濃度で存在するスクロースおよび0.013%(w/w)濃度で存在するポリソルベート20を含む。
ある実施態様において、製剤は、凍結乾燥製剤である。ある実施態様において、凍結乾燥製剤は、ここに記載する薬物原体製剤から凍結乾燥される。例えば、2〜5mL、例えば、3〜4mL、例えば、3.6mLのここに記載する薬物原体製剤を、容器(例えば、バイアル)あたりに充填し、凍結乾燥してよい。
ある実施態様において、製剤は再構成製剤である。例えば、再構成製剤は、凍結乾燥製剤を、タンパク質が再構成製剤に分散されるように、希釈剤に溶解することにより製造できる。ある実施態様において、凍結乾燥製剤を、0.5mL〜2mL、例えば、1mLの注射用水または緩衝液で再構成する。ある実施態様において、凍結乾燥製剤を、例えば、臨床現場で、1mLの注射用水で再構成する。
ある実施態様において、製剤(例えば、再構成製剤)は、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)および緩衝剤を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、再構成製剤)は、20mg/mL〜200mg/mL、例えば、50mg/mL〜150mg/mL、80mg/mL〜120mg/mLまたは90mg/mL〜110mg/mL、例えば、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、110mg/mL、120mg/mL、130mg/mL、140mg/mL、150mg/mL、160mg/mL、170mg/mL、180mg/mL、190mg/mLまたは200mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。ある実施態様において、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、80〜120mg/mL、例えば、100mg/mL濃度で存在する。
ある実施態様において、製剤(例えば、再構成製剤)は、ヒスチジンを含む緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)を含む。ある実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、5mM〜100mM、例えば、10mM〜50mM、15mM〜25mM、例えば、5mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM、60mM、70mM、80mM、90mMまたは100mM濃度で存在する。ある実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、15mM〜25mM、例えば、20mM濃度で存在する。他の実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、4〜7、例えば、5〜6、例えば、5、5.5または6のpHを有する。ある実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、5〜6、例えば、5.5のpHを有する。ある実施態様において、緩衝剤は、15mM〜25mM(例えば、20mM)濃度のヒスチジンを含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する。
ある実施態様において、製剤(例えば、再構成製剤)は、80〜120mg/mL、例えば、100mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)およびヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する緩衝剤を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、再構成製剤)は、さらに炭水化物を含む。ある実施態様において、炭水化物はスクロースである。ある実施態様において、炭水化物(例えば、スクロース)は、100mM〜500mM、例えば、150mM〜400mM、175mM〜300mMまたは200mM〜250mM、例えば、150mM、160mM、170mM、180mM、190mM、200mM、210mM、220mM、230mM、240mM、250mM、260mM、270mM、280mM、290mMまたは300mM濃度で存在する。ある実施態様において、製剤は、200mM〜250mM、例えば、220mM濃度で存在する炭水化物またはスクロースを含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、再構成製剤)は、80〜120mg/mL、例えば、100mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)およびヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する緩衝剤および200mM〜250mM、例えば、220mM濃度で存在する炭水化物またはスクロースを含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、再構成製剤)は、さらに界面活性剤を含む。ある実施態様において、界面活性剤はポリソルベート20である。ある実施態様において、界面活性剤またはポリソルベート20は、0.01%〜0.1%(w/w)、例えば、0.02%〜0.08%、0.025%〜0.06%または0.03%〜0.05%(w/w)、例えば、0.01%、0.025%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%または0.1%(w/w)濃度で存在する。ある実施態様において、製剤は、0.03%〜0.05%、例えば、0.04%(w/w)濃度で存在する界面活性剤またはポリソルベート20を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、再構成製剤は、80〜120mg/mL、例えば、100mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子);およびヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する緩衝剤および0.03%〜0.05%、例えば、0.04%(w/w)濃度で存在する界面活性剤またはポリソルベート20を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、再構成製剤)は、80〜120mg/mL、例えば、100mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子);およびヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する緩衝剤;200mM〜250mM、例えば、220mM濃度で存在する炭水化物またはスクロース;および0.03%〜0.05%、例えば、0.04%(w/w)濃度で存在する界面活性剤またはポリソルベート20を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、再構成製剤)は、100mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子);およびヒスチジンを6.7mM濃度で含み、5.5のpHを有する緩衝剤;220mM濃度で存在するスクロース;および0.04%(w/w)濃度で存在するポリソルベート20を含む。
ある実施態様において、製剤は、再構成製剤の少なくとも1mL(例えば、少なくとも1.5mL、2mL、2.5mLまたは3mL)の吸引可能容積が、該再構成製剤を含む容器(例えば、バイアル)から取り出せるように、再構成される。ある実施態様において、製剤は、臨床現場で容器(例えば、バイアル)から再構成および/または吸引される。ある実施態様において、製剤(例えば、再構成製剤)を点滴バッグに、患者への点滴を開始する前1時間以内(例えば、45分、30分または15分以内)に注入する。
ある実施態様において、製剤は、液体製剤である。ある実施態様において、液体製剤は、ここに記載する薬物物質製剤の希釈により調製する。例えば、薬物原体製剤は、例えば、1以上の添加物(例えば、濃縮添加物)を含む溶液10〜30mg/mL(例えば、25mg/mL)で希釈し得る。ある実施態様において、溶液は、ヒスチジン、スクロースまたはポリソルベート20の1、2または全てを含む。ある実施態様において、溶液は、薬物物質製剤と同じ添加物を含む。添加物の例は、アミノ酸(例えば、ヒスチジン)、炭水化物(例えば、スクロース)または界面活性剤(例えば、ポリソルベート20)を含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、液体製剤は、再構成凍結乾燥製剤ではない。他の実施態様において、液体製剤は、再構成凍結乾燥製剤である。ある実施態様において、製剤は、液体として保存される。他の実施態様において、製剤は液体として製造され、保存前に、例えば、凍結乾燥または噴霧乾燥により乾燥される。
ある実施態様において、製剤(例えば、液体製剤)は、5mg/mL〜50mg/mL、例えば、10mg/mL〜40mg/mL、15mg/mL〜35mg/mLまたは20mg/mL〜30mg/mL、例えば、5mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、20mg/mL、25mg/mL、30mg/mL、35mg/mL、40mg/mL、45mg/mLまたは50mg/mL濃度のPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。ある実施態様において、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、20〜30mg/mL、例えば、25mg/mL濃度で存在する。
ある実施態様において、製剤(例えば、液体製剤)は、ヒスチジンを含む緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)を含む。ある実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、5mM〜100mM、例えば、10mM〜50mM、15mM〜25mM、例えば、5mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM、60mM、70mM、80mM、90mMまたは100mM濃度で存在する。ある実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、15mM〜25mM、例えば、20mM濃度で存在する。他の実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、4〜7、例えば、5〜6、例えば、5、5.5または6のpHを有する。ある実施態様において、緩衝剤(例えば、ヒスチジン緩衝液)は、5〜6、例えば、5.5のpHを有する。ある実施態様において、緩衝剤は、15mM〜25mM(例えば、20mM)濃度のヒスチジンを含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する。
ある実施態様において、製剤(例えば、液体製剤)は、20〜30mg/mL、例えば、25mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子);およびヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する緩衝剤を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、液体製剤)は、さらに炭水化物を含む。ある実施態様において、炭水化物はスクロースである。ある実施態様において、炭水化物(例えば、スクロース)は、100mM〜500mM、例えば、150mM〜400mM、175mM〜300mMまたは200mM〜250mM、例えば、150mM、160mM、170mM、180mM、190mM、200mM、210mM、220mM、230mM、240mM、250mM、260mM、270mM、280mM、290mMまたは300mM濃度で存在する。ある実施態様において、製剤は、200mM〜250mM、例えば、220mM濃度で存在する炭水化物またはスクロースを含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、液体製剤)は、20〜30mg/mL、例えば、25mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子);およびヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する緩衝剤;および200mM〜250mM、例えば、220mM濃度で存在する炭水化物またはスクロースを含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、液体製剤)は、さらに界面活性剤を含む。ある実施態様において、界面活性剤はポリソルベート20である。ある実施態様において、界面活性剤またはポリソルベート20は、0.01%〜0.1%(w/w)、例えば、0.02%〜0.08%、0.025%〜0.06%または0.03%〜0.05%(w/w)、例えば、0.01%、0.025%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%または0.1%(w/w)濃度で存在する。ある実施態様において、製剤は、0.03%〜0.05%、例えば、0.04%(w/w)濃度で存在する界面活性剤またはポリソルベート20を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、液体製剤)は、20〜30mg/mL、例えば、25mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子);およびヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する緩衝剤および0.03%〜0.05%、例えば、0.04%(w/w)濃度で存在する界面活性剤またはポリソルベート20を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、液体製剤)は、20〜30mg/mL、例えば、25mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子);およびヒスチジンを6mM〜7mM(例えば、6.7mM)濃度で含み、5〜6(例えば、5.5)のpHを有する緩衝剤;200mM〜250mM、例えば、220mM濃度で存在する炭水化物またはスクロース;および0.03%〜0.05%、例えば、0.04%(w/w)濃度で存在する界面活性剤またはポリソルベート20を含む。
ある実施態様において、製剤(例えば、液体製剤)は、25mg/mL濃度で存在するPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子);およびヒスチジンを6.7mM濃度で含み、5.5のpHを有する緩衝剤;220mM濃度で存在するスクロース;および0.04%(w/w)濃度で存在するポリソルベート20を含む。
ある実施態様において、1mL〜10mL(例えば、2mL〜8mL、3mL〜7mLまたは4mL〜5mL、例えば、3mL、4mL、4.3mL、4.5mL、5mLまたは6mL)の液体製剤を容器(例えば、バイアル)あたりに充填する。他の実施態様において、液体製剤を、容器(例えば、バイアル)あたり少なくとも2mL(例えば、少なくとも3mL、少なくとも4mLまたは少なくとも5mL)の吸引可能容積の液体製剤が吸引可能であるように、容器(例えば、バイアル)に充填する。ある実施態様において、液体製剤を、臨床現場で薬物原体製剤から希釈するおよび/または容器(例えば、バイアル)から吸引する。ある実施態様において、製剤(例えば、液体製剤)を、点滴バッグ、患者への点滴を開始する前1時間以内(例えば、45分、30分または15分以内)に注入する。
ここに記載する製剤は、容器に保存できる。ここに記載する製剤の何れかに使用される容器は、例えば、バイアルおよび所望により、ストッパー、キャップまたは両方を含み得る。ある実施態様において、バイアルはガラスバイアル、例えば、6R白色ガラスバイアルである。他の実施態様において、ストッパーは、ゴムストッパー、例えば、灰色ゴムストッパーである。他の実施態様において、キャップは、フリップオフキャップ、例えば、アルミニウムフリップオフキャップである。ある実施態様において、容器は、6R白色ガラスバイアル、灰色ゴムストッパーおよびアルミニウムフリップオフキャップを含む。ある実施態様において、容器(例えば、バイアル)は、単回使用用容器である。ある実施態様において、50mg〜150mg、例えば、80mg〜120mg、90mg〜110mg、100mg〜120mg、100mg〜110mg、110mg〜120mgまたは110mg〜130mgのPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)が容器(例えば、バイアル)に存在する。
ここに記載する製剤において使用できる緩衝剤の他の例は、アルギニン緩衝液、クエン酸緩衝液またはリン酸緩衝液を含むが、これらに限定されない。ここに記載する製剤において使用できる炭水化物の他の例は、トレハロース、マンニトール、ソルビトールまたはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。ここに記載する製剤は、等張化剤、例えば、塩化ナトリウムおよび/または安定化剤、例えば、アミノ酸(例えば、グリシン、アルギニン、メチオニンまたはこれらの組み合わせ)も含み得る。
抗体分子は多様な当分野で知られる方法により投与できるが、多くの治療適用について、好ましい投与経路/方式は静脈内注射または点滴である。例えば、抗体分子は、約35〜440mg/m2、一般に約70〜310mg/m2、より一般に、約110〜130mg/m2の用量に到達するために、20mg/分以上、例えば、20〜40mg/分、一般に40mg/分以上の速度で静脈内点滴により投与され得る。ある実施態様において、抗体分子は、約1〜100mg/m2、好ましくは約5〜50mg/m2、約7〜25mg/m2、より好ましくは、約10mg/m2の用量に到達するように、10mg/分以下、好ましくは5mg/分以下の速度で静脈内点滴により投与され得る。当業者には認識されるとおり、投与経路および/または方式は、所望の結果により変わる。ある実施態様において、活性化合物を、インプラント、経皮パッチおよびマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤などの、急速な放出から該化合物を保護する担体と製剤し得る。エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーが使用され得る。このような製剤の製造のための多くの方法が特許され、または一般に当業者に知られる。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978参照。
ある実施態様において、抗体分子は、例えば、不活性希釈剤または同化可能可食担体と経口投与され得る。化合物(および、所望であれば他の成分)を、硬または軟殻ゼラチンカプセルに封入しても、錠剤に圧縮しても、または対象の食餌に直接組み込んでもよい。経口治療投与のために、化合物を添加物と共に組み込み、摂取可能錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液剤、シロップ剤、ウェーハ剤などの形で使用し得る。本発明の化合物を非経腸投与以外に投与するために、化合物を、該化合物を不活性化から保護する物質で被覆するか、該物質と共投与する必要があり得る。治療組成物を、当分野で知られる医療機器により投与してもよい。
投与レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療応答)を達成するために調節される。例えば、単一ボーラスを投与してよく、数分割量を一定時間にわたり投与してよくまたは用量を、治療状況の緊急度により比例的に減少または増加させてよい。投与の容易さおよび投与量均一正のために、非経腸組成物を投与単位形態に製剤するのが特に有利である。ここで使用する投与単位形態は、処置する対象のための単位投与量として適する物理的に分かれた単位であり、各単位は所望の治療効果を生じるよう計算された予め決定された量の活性化合物を、必要な医薬担体と共に含む。本発明の投与単位形態の仕様は、(a)活性化合物の特有の特徴および達成すべき特定の治療効果および(b)このような活性化合物を個体の感受性の処置のために混合する固有の限界により指示され、直接これに依存する。
抗体分子の治療的または予防有効量の例示的、非限定的範囲は、0.1〜30mg/kg、より好ましくは1〜25mg/kgである。抗PD−1抗体分子の投与量および治療レジメンは、当業者により決定され得る。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約1〜40mg/kg、例えば、1〜30mg/kg、例えば、約5〜25mg/kg、約10〜20mg/kg、約1〜5mg/kg、1〜10mg/kg、5〜15mg/kg、10〜20mg/kg、15〜25mg/kgまたは約3mg/kgの用量で注射(例えば、皮下または静脈内)される。投与スケジュールは、例えば、週に1回から2週、3週または4週に1回まで変わり得る。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、約10〜20mg/kgの用量で、隔週投与する。
他の例として、抗体分子の治療的または予防有効量の非限定的範囲は、200〜500mg、より好ましくは300〜400mg/kgである。抗PD−1抗体分子の投与量および治療レジメンは、当業者により決定され得る。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約200mg〜500mg、例えば、約250mg〜450mg、約300mg〜400mg、約250mg〜350mg、約350mg〜450mgまたは約300mgまたは約400mgの用量(例えば、均一用量)で注射(例えば、皮下または静脈内)により投与される。投与スケジュール(例えば、均一投与スケジュール)は、例えば、週に1回から2週、3週、4週、5週または6週に1回まで変わり得る。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約300mg〜400mgの用量で、3週に1回または4週に1回投与される。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、約300mgを3週に1回からの用量で投与する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、約400mgを4週に1回からの用量で投与する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、約300mgを4週に1回からの用量で投与する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、約400mgを3週に1回からの用量で投与する。理論に拘束されることを望まないが、ある実施態様において、均一または固定用量が、例えば、薬物供給を確保するおよび薬局での間違いを減らすため、患者に有利であり得る。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子のクリアランス(CL)は、約6〜16mL/時間、例えば、約7〜15mL/時間、約8〜14mL/時間、約9〜12mL/時間または約10〜11mL/時間、例えば、約8.9mL/時間、10.9mL/時間または13.2mL/時間である。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子のCLに対する体重の指数部は、約0.4〜0.7、約0.5〜0.6または0.7またはそれ以下、例えば、0.6またはそれ以下または約0.54である。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子の定常状態の分布容積(Vss)は、約5〜10V、例えば、約6〜9V、約7〜8Vまたは約6.5〜7.5V、例えば、約7.2Vである。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子の半減期は、約10〜30日、例えば、約15〜25日、約17〜22日、約19〜24日または約18〜22日、例えば、約20日である。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子のCmin(例えば、80kg患者について)は、少なくとも約0.4μg/mL、例えば、少なくとも約3.6μg/mL、例えば、from 約20〜50μg/mL、例えば、約22〜42μg/mL、約26〜47μg/mL、約22〜26μg/mL、約42〜47μg/mL、約25〜35μg/mL、約32〜38μg/mL、例えば、約31μg/mLまたは約35μg/mLである。ある実施態様において、Cminは、約400mgを4週に1回用量の抗PD−1抗体分子を受けている患者で決定する。他の実施態様において、Cminは、約300mgの用量を3週に1回用量の抗PD−1抗体分子を受けている患者で決定する。ある実施態様において、ある実施態様において、Cminは、例えば、SEBエキソビボアッセイにおけるIL−2変化に基づき決定して、抗PD−1抗体分子のEC50より少なくとも約50倍高い、例えば、少なくとも約60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍または100倍、例えば、少なくとも約77倍、高い。他の実施態様において、Cminは、例えば、SEBエキソビボアッセイにおけるIL−2変化に基づき決定して、抗PD−1抗体分子のEC90より少なくとも5倍高い、例えば、少なくとも6倍、7倍、8倍、9倍または10倍、例えば、少なくとも約8.6倍、高い。
抗体分子は、約35〜440mg/m2、一般に約70〜310mg/m2、より一般に、約110〜130mg/m2の用量に到達するために、20mg/分以上、例えば、20〜40mg/分、一般に40mg/分以上の速度で静脈内点滴により投与され得る。ある実施態様において、約110〜130mg/m2の点滴速度約3mg/kgレベルを達成する。他の実施態様において、抗体分子は、約1〜100mg/m2、例えば、約5〜50mg/m2、約7〜25mg/m2、または、約10mg/m2の用量に到達するために、10mg/分以下、例えば、5mg/分以下の速度で静脈内点滴により投与され得る。ある実施態様において、抗体は、30分の時間にわたる。投与量値は、軽減すべき状態のタイプおよび重症度により変わり得ることは注意すべきである。さらに、ある特定の対象について、特定の投与レジメンを、個々の必要性および組成物を投与するまたは投与を監督する専門家の判断により、経時的に調節すべきであり、ここに示す投与量範囲は単なる例であり、本願発明組成物の範囲または実施を制限することを意図しないことはさらに理解されるべきである。
本発明の医薬組成物は、本発明の抗体または抗体部分の“治療有効量”または“予防有効量”を含み得る。“治療有効量”は、所望の治療結果の達成のために必要な、投与量および期間についての、有効量をいう。修飾抗体または抗体フラグメントの治療有効量は、疾患状態、個体の年齢、性別および体重および抗体または抗体部分が個体に所望の応答を誘発する能力のような因子により変わり得る。治療有効量はまた修飾抗体または抗体フラグメントの何らかの毒性または有害作用が、有益な治療効果に劣るものである。“治療有効投与量”は、好ましくは測定可能なパラメータ、例えば、腫瘍増殖率を、未処置対象と比較して少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらに好ましくは少なくとも約60%、なおさらに好ましくは少なくとも約80%阻害するものである。化合物が測定可能なパラメータ、例えば、癌を阻害する能力は、ヒト腫瘍における有効性を予測する動物モデル系において評価できる。あるいは、組成物のこの性質を、当業者に知られるアッセイにより、例えば化合物がインビトロでの阻害のような、阻害能力を試験することにより評価できる。
“予防有効量”は、所望の予防結果の達成のために必要な、投与量および期間についての、有効量をいう。一般に、予防用量を、疾患前または初期段階の対象に使用するため、予防有効量は治療有効量より少ない。
また本発明の範囲内にあるのは、ここに記載する抗体分子を含むキットである。キットは、使用指示、他の薬剤、例えば、添付文書、治療剤または抗体を標識または治療剤にキレート化または他の方法でカップリングさせるのに有用な薬剤または放射線防護組成物、投与用抗体を調節するためのデバイスまたは他の物質;薬学的に許容される担体および対象に投与するためのデバイスまたは他の物質を含む、1以上の他の要素を含み得る。
組み合わせ治療の使用
組み合わせ、例えば、ここに開示する抗PD−1抗体分子は、インビトロおよびインビボ診断、ならびに治療および予防有用性を有する。例えば、これらの分子を、インビトロまたはエクスビボで培養中の細胞にまたは対象、例えば、ヒト対象に、癌および感染性障害のような多様な障害を処置、予防および/または診断するために投与し得る。
従って、ある態様において、本発明は、対象にここに記載する組み合わせを、対象における免疫応答が修飾されるように投与することを含む、対象における免疫応答を修飾する方法を提供する。ある実施態様において、免疫応答は、増強、刺激または上方制御される。
ここで使用する用語“対象”はヒトおよび非ヒト動物を含むことを意図する。ある実施態様において、対象は、ヒト対象、例えば、異常PD−1機能により特徴付けられる障害または状態を有するヒト患者である。用語“非ヒト動物”は、非ヒト霊長類などの哺乳動物および非哺乳動物を含む。ある実施態様において、対象はヒトである。ある実施態様において、対象は、免疫応答の増強が必要なヒト患者である。ある実施態様において、対象は、免疫低下している、例えば、対象は、化学療法または放射線療法を受けているかまたは受けた。これとは別にまたはこれと組み合わせて、対象は、感染の結果として免疫不全であるまたはそのリスクがある。ここに記載する方法および組成物は、T細胞介在免疫応答の増強により処置できる障害を有するヒト患者の処置に適する。例えば、ここに記載する方法および組成物は、多数の免疫活性を増強できる。ある実施態様において、対象は、腫瘍浸潤性Tリンパ球(TIL)の数または活性が増強している。他の実施態様において、対象は、インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)の発現または活性が増加している。さらに他の実施態様において、対象は、PD−L1発現または活性が低減している。
治療使用
PD−1の遮断は、対象における癌細胞に対する免疫応答を増強できる。PD−1に対するリガンドであるPD−L1は、正常ヒト細胞で発現されないが、多様なヒト癌において豊富である(Dong et al. (2002) NatMed 8:787-9)。PD−1とPD−L1の相互作用は、腫瘍浸潤性リンパ球減少、T細胞受容体介在増殖減少および/または癌細胞による免疫回避をもたらし得る(Dong et al. (2003) J Mol Med 81:281-7; Blank et al. (2005) Cancer Immunol. Immunother. 54:307-314; Konishi et al. (2004) Clin. Cancer Res. 10:5094-100)。免疫抑制は、PD−1とPD−L1またはPD−L2の局所相互作用阻害により逆転でき、効果は、PD−1とPD−L2の相互作用を同様に遮断したとき、相加的である(Iwai et al. (2002) PNAS 99:12293-7; Brown et al. (2003) J. Immunol. 170:1257-66)。それ故に、PD−1の阻害は免疫応答の増強をもたらし得る。
ある態様において、本発明は、癌性腫瘍の増殖が阻害または低減されるように抗PD−1抗体分子を使用してインビボで対象を処置することに関する。抗PD−1抗体は、癌性腫瘍の増殖のために単独で使用し得る。あるいは、抗PD−1抗体は、下記のとおり、標準治療処置(例えば、癌または感染性障害のため)、他の抗体またはその抗原結合フラグメント、免疫調節剤(例えば、共刺激性分子のアクティベーターまたは阻害性分子の阻害剤)、ワクチン、例えば、治療癌ワクチンまたは他の形態の細胞免疫療法の1以上と組み合わせで使用してよい。
従って、ある実施態様において、本発明は、対象に治療有効量のここに記載する抗PD−1抗体分子を投与することを含む、対象における腫瘍細胞の増殖を阻害する方法を提供する。
ある実施態様において、方法は、インビボでの癌の処置に適する。免疫の抗原特異的増強を達成するために、抗PD−1抗体分子を、目的の抗原と共に投与し得る。PD−1に対する抗体を1以上の薬剤と組み合わせて投与するとき、組み合わせは、何れの順番で投与しても、同時に投与してもよい。
他の態様において、対象を処置する、例えば、対象における、過増殖性状態または障害(例えば、癌)、例えば、固形腫瘍、血液癌、軟組織腫瘍または転移病変を、軽減または改善する方法が提供される。方法は、対象に、ここに開示する組み合わせの1以上を投与することを含む。
ここで使用する用語“癌”は、病理組織学的タイプまたは侵襲性の段階にかかわらず、全てのタイプの癌性増殖または発癌性過程、転移組織または悪性に形質転換した細胞、組織または臓器を含むことを意図する。癌障害の例は、固形腫瘍、血液癌、軟組織腫瘍および転移病変を含むが、これらに限定されない。固形腫瘍の例は、肝臓、肺、乳房、リンパ系、消化器(例えば、結腸)、泌尿生殖器(例えば、腎臓、尿路上皮細胞)、前立腺および咽頭に影響するもののような、種々の臓器系の悪性腫瘍、例えば、肉腫および癌腫(腺癌および扁平上皮細胞癌を含む)を含む。腺癌は、大部分の結腸癌、直腸癌、腎細胞癌、肝臓癌、肺の非小細胞癌、小腸癌および食道癌のような悪性腫瘍を含む。扁平上皮細胞癌は、例えば、肺、食道、皮膚、頭頸部領域、口腔、肛門および子宮頸における悪性腫瘍を含む。ある実施態様において、癌は黒色腫である、例えば、進行期黒色腫である。前記癌の転移病変も、本発明の方法および組成物を使用して処置または予防され得る。
ここに開示する抗体分子を使用して増殖が阻害され得る癌の例は、一般に免疫療法に応答性の癌を含む。処置のための好ましい癌の非限定的例は、黒色腫(例えば、転移悪性黒色腫)、腎癌(例えば、明細胞癌)、前立腺癌(例えば、ホルモン難治性前立腺腺癌)、乳癌、結腸癌および肺癌(例えば、非小細胞肺癌)を含む。さらに、難治性または再発悪性腫瘍を、ここに記載する抗体分子を使用して処置できる。
処置され得る他の癌の例は、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚または眼内悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門癌、胃食道癌、胃癌、脂肪肉腫、精巣癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、メルケル細胞癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌副甲状腺癌、副腎癌、軟組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病を含む慢性または急性白血病、小児固形腫瘍、リンパ性リンパ腫、膀胱癌、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、腎臓または輸尿管の癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管形成、脊椎軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平上皮細胞癌、T細胞リンパ腫、アスベストにより誘発されるもの(例えば、中皮腫)を含む環境誘発癌およびそれらの癌の組み合わせを含む。ある実施態様において、癌は皮膚癌、例えば、メルケル細胞癌または黒色腫である。ある実施態様において、癌はメルケル細胞癌である。他の実施態様において、癌は黒色腫である。他の実施態様において、癌は乳癌、例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)またはHER2ネガティブ乳癌である。他の実施態様において、癌は腎臓癌、例えば、腎細胞癌(例えば、明細胞腎細胞癌(CCRCC)または非明細胞腎細胞癌(nccRCC))である。他の実施態様において、癌は甲状腺癌、例えば、未分化甲状腺癌(ATC)である。他の実施態様において、癌は神経内分泌腫瘍(NET)、例えば、非定型肺カルチノイド腫瘍または膵臓、消化器(GI)管もしくは肺におけるNETである。ある実施態様において、癌は肺癌、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)(例えば、扁平上皮NSCLCまたは非扁平上皮NSCLC)である。ある実施態様において、癌は白血病(例えば、急性骨髄性白血病(AML)、例えば、再発または難治性AMLまたはデノボAML)である。ある実施態様において、癌は骨髄異形成症候群(MDS)(例えば、高リスクMDS)である。
ある実施態様において、癌は、肺癌、扁平上皮細胞肺癌、黒色腫、腎臓癌、肝臓癌、骨髄腫、前立腺癌、乳癌、ER+乳癌、IM−TN乳癌、結腸直腸癌、高マイクロサテライト不安定性結腸直腸癌、EBV+胃癌、膵臓癌、甲状腺癌、血液癌、非ホジキンリンパ腫または白血病またはこれら癌の転移病変を含む。ある実施態様において、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、NSCLC腺癌、NSCLC扁平上皮細胞癌、肝細胞癌から選択される。
転移癌、例えば、PD−L1を発現する転移癌(Iwai et al. (2005) Int. Immunol. 17:133-144)の処置は、ここに記載する抗体分子を使用して実施され得る。ある実施態様において、癌は、高レベルのPD−L1、IFNγおよび/またはCD8を発現する。
理論に拘束されることを望まないが、ある実施態様において、患者は、患者がPD−L1を高度に発現する癌を有するおよび/または癌が抗腫瘍免疫細胞、例えば、TILに浸潤されているならば、免疫調節剤(場合によりここに記載する1以上の薬剤との組み合わせ)での処置に応答する可能性が高い。抗腫瘍免疫細胞はCD8、PD−L1および/またはIFN−γに陽性であり得て、故に、CD8、PD−L1および/またはIFN−γのレベルは、微小環境におけるTILレベルの読み出しとして働き得る。ある実施態様において、癌微小環境は、PD−L1/CD8/IFN−γについてトリプルポジティブとして称される。
従って、ある態様において、本発明は、腫瘍サンプルがPD−L1、CD8およびIFN−γの1以上について陽性であるか否かを決定し、腫瘍サンプルが該マーカーの1以上の、例えば、2または全てについて陽性であるならば、患者に治療有効量の抗PD−1抗体分子を、場合により他の免疫調節剤または抗癌剤の1以上と組み合わせて投与する、方法を提供する。
次の適応症において、患者の大部分がPD−L1/CD8/IFN−γについてトリプルポジティブである。肺癌(扁平上皮)、肺癌(腺癌)、頭頸部癌、胃癌、NSCLC、HNSCC、胃癌(例えば、MSIhiおよび/またはEBV+)、CRC(例えば、MSIhi)、鼻咽頭癌(NPC)、子宮頸癌(例えば、扁平上皮)、甲状腺癌例えば、乳頭状甲状腺、例えば、未分化甲状腺癌、皮膚癌(例えば、メルケル細胞癌または黒色腫)、乳癌(例えば、TN乳癌)およびDLBCL(汎発性大B細胞リンパ腫)。乳癌において一般におよび結腸癌において一般に、患者の中程度の割合がPD−L1/CD8/IFN−γについてトリプルポジティブである。次の適応症について、患者の少ない一部がPD−L1/CD8/IFN−γについてトリプルポジティブである。ER+乳癌および膵臓癌。これらの知見は実施例4にさらに記載する。これらのマーカーについてトリプルポジティブである患者の割合が大きいか小さいかに関わらず、これらのマーカーについての患者のスクリーニングは、PD−1抗体(例えば、遮断PD−1抗体)での、場合により他の免疫調節剤(例えば、抗TIM−3抗体分子、抗LAG−3抗体分子または抗PD−L1抗体分子)および/または抗癌剤、例えば、表7に挙げるおよび表7に挙げる文献に開示のものの1以上と組み合わせでの治療に好都合に応答する可能性が特に高い部分の患者の同定を可能とする。
ある実施態様において、癌サンプルは、PD−L1/CD8/IFN−γについてトリプルポジティブとして分類される。この測定は、個々の細胞が陽性として分類されるかおよび全体として陽性として分類されるかの2閾値に、大まかに分けることができる。まず、個々の細胞において、PD−L1、CD8および/またはIFN−γのレベルを測定できる。ある実施態様において、これらのマーカーの1以上について陽性である細胞は、対照細胞または対照値と比較して、高レベルのマーカーを有する細胞である。例えば、ある実施態様において、ある細胞におけるPD−L1の高レベルは、患者における対応する非癌性組織におけるPD−L1のレベルより高いレベルである。他の例として、ある実施態様において、ある細胞におけるCD8またはIFN−γの高レベルは、一般にTILで見られるこれらタンパク質のレベルである。次に、サンプルにおけるPD−L1、CD8および/またはIFN−γについて陽性である細胞のパーセンテージも測定できる(単一細胞が全3マーカーを発現する必要はない)。ある実施態様において、トリプルポジティブサンプルは、これらのマーカーについて陽性である細胞のパーセンテージが高い、例えば、対照値より高いまたは対照サンプルより高い。
他の実施態様において、PD−L1、CD8および/またはIFN−γのレベルをサンプル中で全体として測定できる。この場合、サンプルにおけるCD8またはIFN−γの高レベルは、一般にTILで浸潤された腫瘍で見られるこのタンパク質のレベルであり得る。同様に、PD−L1の高レベルは、一般に腫瘍サンプル、例えば、腫瘍微小環境で見られる、このタンパク質のレベルであり得る。
ここでの実施例4に示す、PD−L1/CD8/IFN−γにトリプルポジティブである患者のサブセットの同定は、PD−1抗体治療に応答性である可能性がある患者のある亜集団を確認する。例えば、多くのIM−TN(免疫調節性、トリプルネガティブ)乳癌患者はPD−L1/CD8/IFN−γについてトリプルポジティブである。IM−TN乳癌は、例えば、Brian D. Lehmann et al., “Identification of human triple-negative breast cancer subtypes and preclinical models for selection of targeted therapies”, J Clin Invest. Jul 1, 2011; 121(7): 2750-2767に記載されている。トリプルネガティブ乳癌は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)およびHer2/neuを発現しないものである。これらの癌は、一般にER、PRおよびHer2/neuを標的とする薬剤に応答性ではないため、処置が困難である。トリプルネガティブ乳癌は、さらに異なるクラスに細分でき、その一つが免疫調節性である。Lehmann et al.に記載のとおり、IM−TN乳癌は、免疫細胞過程に関与する因子、例えば、免疫細胞シグナル伝達(例えば、TH1/TH2経路、NK細胞経路、B細胞受容体シグナル伝達経路、DC経路およびT細胞受容体シグナル伝達)、サイトカインシグナル伝達(例えば、サイトカイン経路、IL−12経路およびIL−7経路)、抗原プロセシングおよび提示、コア免疫シグナル伝達経路を介するシグナル伝達(例えば、NFKB、TNFおよびJAK/STATシグナル伝達)、T細胞機能、免疫転写、インターフェロン(IFN)応答および抗原プロセシングに関与する遺伝子の1以上に富む。従って、ある実施態様において、処置される癌は、IM−TN乳癌の1以上のマーカー、例えば、免疫細胞シグナル伝達(例えば、TH1/TH2経路、NK細胞経路、B細胞受容体シグナル伝達経路、DC経路およびT細胞受容体シグナル伝達)、サイトカインシグナル伝達(例えば、サイトカイン経路、IL−12経路およびIL−7経路)、抗原プロセシングおよび提示、コア免疫シグナル伝達経路を介するシグナル伝達(例えば、NFKB、TNFおよびJAK/STATシグナル伝達)、T細胞機能、免疫転写、インターフェロン(IFN)応答および抗原プロセシングに関与する遺伝子の1以上を促進する因子に陽性である、または陽性であると決定される癌である。
他の例として、高MSI(マイクロサテライト不安定性)を有する結腸癌患者のS部セットもPD−L1/CD8/IFN−γについてトリプルポジティブであることがここで示される。従って、ある実施態様において、PD−1抗体、例えば、ここに記載のPD−1抗体(場合によりLAG−3抗体、TIM−3抗体またはPD−L1抗体のような1以上の免疫調節剤および1以上の抗癌剤、例えば、表7または表7における刊行物に記載の抗癌剤との組み合わせ)を、高MSIを有する結腸癌を有するまたは有するとして同定される患者に投与し、それにより癌を処置する。ある実施態様において、高MSIを有する細胞は、対照値または対照細胞、例えば、癌と同じ組織タイプの非癌性細胞より高いレベルでMSIを有する細胞である。
他の例として、高MSIを有するおよび/またはEBV+である胃癌患者のサブセットもPD−L1/CD8/IFN−γについてトリプルポジティブであることがここに示される。従って、ある実施態様において、PD−1抗体、例えば、ここに記載のPD−1抗体(場合によりLAG−3抗体、TIM−3抗体またはPD−L1抗体のような1以上の免疫調節剤および1以上の抗癌剤、例えば、表7または表7における刊行物に記載の抗癌剤との組み合わせ)を、高MSIおよび/またはEBV+を有する胃癌を有するまたは有するとして同定される患者に投与し、それにより癌を処置する。ある実施態様において、高MSIを有する細胞は、対照値または対照細胞、例えば、癌と同じ組織タイプの非癌性細胞より高いレベルでMSIを有する細胞である。
さらにここに開示するのは癌をPD−L1についてアッセイし、次いでPD−1抗体で癌を処置する方法である。ここでの実施例5に記載のとおり、癌サンプルを、PD−L1タンパク質レベルまたはmRNAレベルについてアッセイし得る。対照値または対照細胞(例えば、非癌性細胞)よりPD−L1(タンパク質またはmRNA)のレベルが高いサンプルをPD−L1陽性として分類できる。従って、ある実施態様において、PD−1抗体、例えば、ここに記載のPD−1抗体(場合により1以上の抗癌剤との組み合わせ)を、PD−L1陽性である癌を有するまたは有するとして同定される患者に投与する。癌は、例えば、非小細胞肺(NSCLC)腺癌(ACA)、NSCLC扁平上皮細胞癌(SCC)または肝細胞癌(HCC)であり得る。
ある実施態様において、ここでの方法は、PD−L1について陽性である(またはそうであると同定される)癌の処置のために、例えば、単剤療法として、抗PD−1抗体、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体を使用することを含む。ある実施態様において、癌is結腸直腸癌(例えば、MSI高)、胃癌(例えば、MSI高および/またはEBV+)、NPC、子宮頸癌、乳癌(例えば、TN乳癌)および卵巣癌。ある実施態様において、癌はNSCLC、黒色腫またはHNSCCである。ある実施態様において、抗PD−1抗体を、例えば、1mg/kg、3mg/kg、10mg/kgまたは20mg/kgの用量で投与する。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、例えば、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mgまたは500mgの用量で投与する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、250mg〜450mg、例えば、250mg、300mg、350mg、400mgまたは450mgの用量で投与する。
例えば、ここでの実施例4に基づき、PD−L1/CD8/IFN−γにトリプルポジティブである、ある胃癌はPIK3CAも陽性であることが判明した。従って、ある実施態様において、癌を、抗PD−1抗体分子(場合により1以上の免疫調節剤、例えば、抗LAG−3抗体分子、抗TIM−3抗体分子または抗PD−L1抗体分子との組み合わせ)およびPIK3CAを阻害する薬剤で処置できる。このカテゴリーの薬剤の例は、Stein RC (September 2001). “Prospects for phosphoinositide 3-kinase inhibition as a cancer treatment”. Endocrine-related Cancer 8 (3): 237-48 and Marone R, Cmiljanovic V, Giese B, Wymann MP (January 2008). “Targeting phosphoinositide 3-kinase: moving towards therapy”. Biochimica et Biophysica Acta 1784 (1): 159-85に記載されている。
例えば、ここでの実施例4に基づき、CRC、例えば、MSI高CRCを有する(または有するとして同定される)患者を、PD−1抗体で、場合によりLAG−3、RNF43およびBRAFの1以上を標的とする治療と組み合わせて処置できる。例えば、これらの癌を、PD−1抗体で、場合によりLAG−3、PD−1、RNF43およびBRAFの1以上を標的とする1以上の治療と組み合わせて処置できる。ある実施態様において、1以上の治療は、抗LAG−3抗体分子のような免疫調節剤および表7または表7における刊行物に記載の抗癌剤を含む。LAG−3阻害剤、例えば、抗体は、ここに記載される。RNF43は、例えば、抗体、小分子(例えば、2−(2’,3−ジメチル−[2,4’−ビピリジン]−5−イル)−N−(5−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド(化合物A28))、siRNAまたはRspoリガンドまたはその誘導体で阻害され得る。BRAF阻害剤(例えば、ベムラフェニブまたはダブラフェニブ)は、ここに記載される。
例えば、ここでの実施例4に基づき、扁平上皮細胞肺癌を有する(または有するとして同定される)患者を、PD−1抗体分子で、LAG−3を標的とする治療、例えば、LAG−3抗体分子および場合により1以上の抗癌剤、例えば、表7または表7における刊行物に記載の抗癌剤と組み合わせて処置し得る。
ある実施態様において、扁平上皮細胞肺癌を有する(またはそれを有するとして同定される)対象を、PD−1抗体で、場合によりTIM−3を標的とする治療、例えば、TIM−3抗体と組み合わせて処置し得る。TIM−3阻害剤、例えば、抗体は、ここに記載される。
例えば、ここでの実施例4に基づき、甲状腺癌(例えば、未分化甲状腺癌)を有する(またはそれを有するとして同定される)患者を、PD−1抗体分子で、場合によりBRAFを標的とする治療と組み合わせでおよび場合により1以上の免疫調節剤、例えば、抗LAG−3抗体分子、抗TIM−3抗体分子および抗PD−L1抗体分子と組み合わせて処置し得る。BRAF阻害剤(例えば、ベムラフェニブまたはダブラフェニブ)は、ここに、例えば、表7または表7に挙げる刊行物に記載される。
ある実施態様において、ここでの治療は、感染、例えば、ウイルスまたは細菌感染と関連する癌を有する(またはそれを有するとして同定される)患者の処置に使用できる。癌の例示は、子宮頸癌、肛門癌、HPV関連頭頸部扁平上皮細胞癌、HPV関連食道乳頭腫、HHV6関連リンパ腫、EBV関連リンパ腫(バーキットリンパ腫を含む)、胃MALTリンパ腫、他の感染関連MALTリンパ腫、HCCおよびカポジ肉腫を含む。
他の実施態様において、癌は、白血病またはリンパ腫を含むが、これらに限定されない造血器腫瘍または癌である。例えば、抗PD−1抗体分子を、例えば、B細胞急性リンパ性白血病(“BALL”)、T細胞急性リンパ性白血病(“TALL”)、急性リンパ性白血病(ALL)を含むが、これらに限定されない急性白血病、例えば、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)を含むが、これらに限定されない1以上の慢性白血病、例えば、B細胞前リンパ性白血病、芽細胞性形質細胞様樹状細胞新生物、バーキットリンパ腫、汎発性大B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ヘアリー細胞白血病、小細胞または大細胞濾胞性リンパ腫、悪性リンパ増殖性状態、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成および骨髄異形成症候群、非ホジキンリンパ腫、形質芽細胞性リンパ腫、形質細胞様樹状細胞新生物、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症および骨髄血液細胞の産生無効(または異形成)によりまとめられる血液学的状態の雑多なコレクションである“前白血病”を含むが、これらに限定されない血液癌または血液状態などを、例えば、含む、癌および悪性腫瘍の処置に使用できる。
ある実施態様において、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)(例えば、扁平上皮および/または非扁平上皮組織を伴うNSCLCまたはNSCLC腺癌))、黒色腫(例えば、進行型黒色腫)、腎臓癌(例えば、腎細胞癌、例えば、明細胞腎細胞癌)、肝臓癌、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、前立腺癌、乳癌(例えば、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体またはHer2/neuの1、2または全てを発現しない乳癌、例えば、トリプルネガティブ乳癌)、結腸直腸癌、膵臓癌、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)、肛門癌、胃食道癌、甲状腺癌(例えば、未分化甲状腺癌)、子宮頸癌、リンパ増殖性疾患(例えば、移植後リンパ増殖性疾患)または血液癌、T細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫または白血病(例えば、骨髄性白血病)から選択される。
他の実施態様において、癌は、癌(例えば、進行型または転移癌)、黒色腫または肺癌、例えば、非小細胞肺癌から選択される。
ある実施態様において、癌は肺癌、例えば、非小細胞肺癌である。
他の実施態様において、癌は、ウイルス感染、例えば、慢性ウイルス肝炎を伴うまたは伴わない肝細胞癌、例えば、進行型肝細胞癌である。
他の実施態様において、癌は、前立腺癌、例えば、進行型前立腺癌である。
さらに他の実施態様において、癌は、骨髄腫、例えば、多発性骨髄腫である。
さらに他の実施態様において、癌は腎臓癌、例えば、腎細胞癌(RCC)(例えば、転移RCC、非明細胞腎細胞癌(nccRCC)または明細胞腎細胞癌)である。
ある実施態様において、癌は黒色腫である、例えば、進行型黒色腫。ある実施態様において、癌は、他の治療に応答しない進行型または切除不能黒色腫である。他の実施態様において、癌はBRAF変異(例えば、BRAF V600変異)を有する黒色腫である。ある実施態様において、癌(例えば、黒色腫)は、対照血清LDHレベルと比較して、血清におけるLDHレベルが上昇している対象に存在する。さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、BRAF阻害剤(例えば、ベムラフェニブまたはダブラフェニブ)を併用するまたはしない抗CTLA−4抗体(例えば、イピリムマブ)での処置後に投与する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、BRAF阻害剤と投与する。例えば、抗PD−1抗体分子は、200mg〜600mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または8週に1回、例えば、静脈内投与でき、BRAF阻害剤またはダブラフェニブは、50mg〜250mgの用量(例えば、150mgの用量)で、1日2回、例えば、経口投与できる。ある実施態様において、組み合わせは、さらにMEK阻害剤またはトラメチニブを含む。
ある実施態様において、癌は結腸直腸癌(CRC)である。結腸直腸癌は、世界中で3番目に多い癌であり、2012年に約140万人が診断され、癌の4番目に多い死亡原因であり、694,000名が死亡する(World Cancer Report 2014)。CRC患者の結果は、腫瘍における免疫浸潤と相関し、CRCが免疫応答を刺激する治療により利益を受け得ることが示唆される(Fridman et al. 2011 Cancer Res. p. 5601-5)。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、組み合わせ治療は、単剤療法があまり有効でないとき、結腸直腸癌、例えば、ミスマッチ修復欠損亜集団外の処置により効果的であり得る(Kroemer et al. (2015) OncoImmunology 4:7, e1058597-1-3)。例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)とここに記載する第二治療剤の組み合わせは、単剤療法(例えば、PD−1の阻害剤単独または第二治療剤単独)と比較して、応答率および/または応答の持続性を増加させ得る。
他の実施態様において、癌は、肺癌、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)である。肺癌は世界中で最も多い癌であり、2012年約180万の新症例があり、癌で最も多い死亡原因であり、160万名が死亡する(World Cancer Report 2014)。これらの症例の中で、約85%が非小細胞肺癌(NSCLC)である。PD−1/PD−L1相互作用阻害剤は、NSCLCの処置に使用される。これらの薬剤に対する応答率は、非選択患者集団で第一選択治療失敗後約20%である(Gettinger and Herbst (2014) Cancer J. p. 281-9; Brahmer et al. (2012) N. Engl. J. Med. p. 123-35; Topalian et al. (2012) N. Engl. J. Med. p. 2443-54; Herbst et al. (2014) Nature p. 563-7; Borghaei et al. (2015) N. Engl. J. Med. p. 1627-39)。ある実施態様において、腫瘍におけるPD−L1発現の選択は、PD−1/PD−L1阻害剤応答を濃縮し得る。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、組み合わせ治療は、単剤療法と比較して、肺癌(例えば、NSCLC)処置により効果的であり得ると考えられる。例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)とここに記載する第二治療剤の組み合わせは、単剤療法(例えば、PD−1の阻害剤単独または第二治療剤単独)と比較して、応答率および/または応答の持続性を増加(例えば、広い活性、深い応答および/またはより持続的な応答にいたる)させ得る。
乳癌は、世界中で二番目に多い癌であり、2012年に約170万の新症例があり、癌で5番目に多い死亡原因であり、約521,000名が死亡する(World Cancer Report)。これらの症例で、約15%が、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)またはHER2を発現しないトリプルネガティブである。従って、これらの患者は、一般に他の乳癌サブタイプの患者に利用可能な標的化治療による利益が得られない。トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は攻撃的疾患であり、治療後の結果は悪い(Foulkes et al. (2010) N. Engl. J. Med. p. 1938-48)。最近のデータは、PD−1の阻害剤が一部の患者で有効であり、Keynote−012治験において、ペンブロリズマブで処置した転移TNBCを有する27患者の5名が応答したと報告された(Buisseret et al. (2015) Annals of Oncology 26(suppl_3): p. 6-9)。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、組み合わせ治療が、単剤療法と比較して、乳癌(例えば、TNBC)の処置により効果的であり得ると考えられる。例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)とここに記載する第二治療剤の組み合わせは、単剤療法(例えば、PD−1の阻害剤単独または第二治療剤単独)と比較して、応答率および/または応答の持続性を増加(例えば、処置に応答する患者の割合を増加)させ得る。
ここに開示される方法および組成物は、前記癌と関連する転移病変の処置に有用である。
組み合わせ治療
抗PD−1抗体分子の非限定的組み合わせおよびその使用の例は、引用により全体を本明細書に包含させる“PD−1に対する抗体分子およびその使用”なる名称の米国特許出願公開2015/0210769号(USSN14/604,415)に開示される。
ある実施態様において、組み合わせは、共刺激性分子または阻害性分子、例えば、共阻害性リガンドまたは受容体のモジュレーターと組み合わせた抗PD−1抗体分子を含む。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、共刺激性分子のモジュレーター、例えば、アゴニストと組み合わせて投与する。ある実施態様において、共刺激性分子のアゴニストは、OX40、CD2、CD27、CDS、ICAM−1、LFA−1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、4−1BB(CD137)、GITR、CD30、CD40、BAFFR、HVEM、CD7、LIGHT、NKG2C、SLAMF7、NKp80、CD160、B7−H3またはCD83リガンドのアゴニスト(例えば、アゴニスト抗体またはその抗原結合フラグメントまたは可溶性融合体)から選択される。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、共刺激性分子、例えば、CD28、CD27、ICOSおよびGITRの共刺激性ドメインを含む陽性シグナルと関連するアゴニストと組み合わせて使用する。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、免疫チェックポイント分子の阻害性分子の阻害剤と組み合わせて投与する。用語“免疫チェックポイント”は、CD4およびCD8 T細胞の細胞表面上の一群の分子を意味することは当業者には理解される。これらの分子は、抗腫瘍免疫応答を下方制御または阻害するための“ブレーキ”として効率的に働き得る。免疫チェックポイント分子は、プログラム死1(PD−1)、細胞毒性Tリンパ球抗原4(CTLA−4)、B7H1、B7H4、OX−40、CD137、CD40、LAG−3およびTIM−3を含むが、これらに限定されず、これらは免疫細胞を直接阻害する。本発明の方法において有用な免疫チェックポイント阻害剤として作用し得る免疫療法剤は、PD−L1、PD−L2、CTLA−4、TIM−3、LAG−3、VISTA、BTLA、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4、CEACAM(例えば、CEACAM−1および/またはCEACAM−5)および/またはTGFベータの阻害剤を含むが、これらに限定されない。
ある実施態様において、阻害剤は、可溶性リガンド(例えば、CTLA−4−IgまたはTIM−3−Ig)またはPD−L1、PD−L2またはCTLA−4に結合する抗体または抗体フラグメントである。例えば、抗PD−1抗体分子を、例えば、癌(例えば、黒色腫、例えば、転移黒色腫、肺癌、例えば、非小細胞肺癌または前立腺癌から選択される癌)の処置のために、抗CTLA−4抗体、例えば、イピリムマブと組み合わせて投与し得る。抗CTLA−4抗体の例は、トレメリムマブ(Pfizerから入手可能なIgG2モノクローナル抗体、以前はチシリムマブ、CP−675,206として知られる);およびイピリムマブ(CTLA−4抗体、MDX−010、CAS No. 477202-00-9)として知られるものを含む。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、BRAF阻害剤(例えば、ベムラフェニブまたはダブラフェニブ)を併用するまたはしない抗CTLA−4抗体(例えば、イピリムマブ)での、処置、例えば、黒色腫処置後、投与する。使用され得る例示用量は、抗PD−1抗体分子の約1〜10mg/kg、例えば、3mg/kgの用量または200〜500mg、例えば、300mgまたは400mg)および抗CTLA−4抗体、例えば、イピリムマブの約3mg/kgの用量を含む。
免疫阻害性分子、例えば、PD−1およびLAG−3は、腫瘍性免疫回避を促進するT細胞機能を制御、例えば、相乗的制御できる。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、抗LAG−3抗体またはその抗原結合フラグメントと組み合わせて投与する。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、抗TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントと組み合わせて投与する。さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、抗LAG−3抗体および抗TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントと組み合わせて投与する。ここに記載する抗体の組み合わせを、別々に、例えば、別々の抗体としてまたは、例えば、二特異的または三特異的抗体分子として連結して、投与できる。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、CEACAM阻害剤(例えば、CEACAM−1、CEACAM−3および/またはCEACAM−5阻害剤)、例えば、抗CEACAM抗体分子と組み合わせて投与する。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、CEACAM−1阻害剤、例えば、抗CEACAM−1抗体分子と組み合わせて投与する。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、CEACAM−5阻害剤、例えば、抗CEACAM−5抗体分子と組み合わせて投与する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子および抗TIM−3または抗LAG−3抗体またはその抗原結合フラグメントを含む二特異的抗体が投与される。ある実施態様において、ここに記載する抗体の組み合わせを癌、例えば、ここに記載する癌(例えば、固形腫瘍の処置に使用する。前記組み合わせの有効性を、当分野で知られる動物モデルで試験できる。例えば、抗PD−1および抗LAG−3の相乗効果を試験する動物モデルは、例えば、Woo et al. (2012) Cancer Res. 72(4):917-27)に記載される。
ある実施態様において、CEACAM(例えば、CEACAM−1および/またはCEACAM−5)の阻害剤は抗CEACAM抗体分子である。理論に拘束されることを望まないが、CEACAM−1は、TIM−3のリガンドおよびパートナーとして記載されている(例えば、WO2014/022332号参照)。抗TIM−3と抗CEACAM−1抗体の組み合わせのインビボでの相乗効果が異種移植癌モデルで検出されている(例えば、WO2014/022332号参照)。腫瘍は、例えば、Markel et al. J Immunol. 2002 Mar 15;168(6):2803-10; Markel et al. J Immunol. 2006 Nov 1;177(9):6062-71; Markel et al. Immunology. 2009 Feb;126(2):186-200; Markel et al. Cancer Immunol Immunother. 2010 Feb;59(2):215-30; Ortenberg et al. Mol Cancer Ther. 2012 Jun;11(6):1300-10; Stern et al. J Immunol. 2005 Jun 1;174(11):6692-701; Zheng et al. PLoS One. 2010 Sep 2;5(9). pii: e12529に記載のとおり、CEACAM−1またはCEACAM−5を使用して免疫系を阻害すると考えられる。それ故に、CEACAM阻害剤を、癌、例えば、黒色腫、肺癌(例えば、NSCLC)、膀胱、結腸または卵巣癌または他のここに記載する癌に対する免疫応答増強のために、ここに記載する他の免疫調節剤(例えば、抗PD−1または抗TIM−3阻害剤)と共に使用できる。ある実施態様において、CEACAMの阻害剤は、WO2010/125571号、WO2013/82366号およびWO2014/022332号に記載の抗CEACAM−1抗体、例えば、US2004/0047858号、US7,132,255号およびWO99/52552号に記載の、例えば、モノクローナル抗体34B1、26H7および5F4またはその組み換え形態である。他の実施態様において、抗CEACAM抗体は、例えば、WO2010/125571号、WO2013/054331号およびUS2014/0271618号に記載の、抗CEACAM−1および/または抗CEACAM−5抗体分子である。
ある実施態様において、PD−1およびLAG−3免疫阻害性分子(例えば、抗体分子)を互いに組み合わせて、例えば、癌の処置のために投与する。ある実施態様において、患者は、PD−1阻害剤(例えば、ここに記載する抗体分子)および/またはPD−L1阻害剤(例えば、抗体分子)での治療中に進行した(例えば、腫瘍増殖を経験した)患者である。ある実施態様において、PD−1抗体分子および/またはPD−L1抗体分子での治療を継続し、LAG−3免疫阻害性分子(例えば、抗体)をその治療に加える。
ある実施態様において、PD−1およびTIM−3免疫阻害性分子(例えば、抗体分子)を互いに組み合わせて、例えば、癌の処置のために投与する。ある実施態様において、患者は、PD−1阻害剤(例えば、ここに記載する抗体分子)および/またはPD−L1阻害剤(例えば、抗体分子)での治療中に進行した(例えば、腫瘍増殖を経験した)患者である。ある実施態様において、PD−1抗体分子および/またはPD−L1抗体分子での治療を継続し、TIM−3免疫阻害性分子(例えば、抗体)をその治療に加える。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、サイトカイン、例えば、インターロイキン−21、インターロイキン−2、インターロイキン−12またはインターロイキン−15と組み合わせて投与する。ある実施態様において、ここに記載する抗PD−1抗体分子とサイトカインの組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌(例えば、固形腫瘍または黒色腫)の処置に使用する。
抗PD−1抗体分子と組み合わせて使用できる免疫調節剤の例は、例えば、アフツズマブ(Roche(登録商標)から入手可能)、ペグフィルグラスチム(ニューラスタ(登録商標));レナリドマイド(CC−5013、レブリミド(登録商標))、サリドマイド(サロミド(登録商標))、アクチミド(CC4047)およびサイトカイン、例えば、IL−21またはIRX−2(インターロイキン1、インターロイキン2およびインターフェロンγを含むヒトサイトカイン混合物、CAS 951209-71-5、IRX Therapeuticsから入手可能)を含むが、これらに限定されない。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、進行型または転移癌を有する患者(例えば、転移性および再発性NSCL癌を有する患者)にインドールアミン−ピロール2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤(例えば、INCB24360)と組み合わせて使用する。
他の実施態様において、ここに開示する組み合わせ、例えば、抗PD−1抗体分子を含む組み合わせを、骨髄移植、フルダラビンのような化学療法剤を使用するT細胞除去療法、外部ビーム放射線療法(XRT)、シクロホスファミドおよび/またはOKT3またはCAMPATHのような抗体の1以上と組み合わせて(例えば、前に、同時にまたは後に)対象に投与する。ある実施態様において、組み合わせ、例えば、抗PD−1抗体分子を含む組み合わせを、CD20と反応する薬剤、例えば、リツキサンのようなB細胞除去療法の後に投与する。例えば、ある実施態様において、対象は、高用量化学療法と続く末梢血幹細胞移植の標準処置下にあってよい。ある実施態様において、移植後、対象は組み合わせを受ける。付加的実施態様において、組み合わせを手術の前または後に投与する。
組み合わせの他の例は、黒色腫の処置のための、デカルバジンと組み合わせた抗PD−1抗体である。細胞死によりPD−1遮断と相乗性がもたらされ得る他の組み合わせ治療は、放射線、手術およびホルモン除去である。これらのプロトコールの各々は、宿主における腫瘍抗原の供給源をもたらす。血管形成阻害剤をまたPD−1遮断と組み合わせ得る。血管形成の阻害は、腫瘍抗原を宿主抗原提示経路に供給し得る腫瘍細胞死に至る。
PD−1遮断抗体を含む組み合わせも、二特異的抗体と組み合わせて使用できる。二特異的抗体は、2つの別々の抗原を標的とするのに使用できる。例えば抗Fc受容体/抗腫瘍抗原(例えば、Her−2/neu)二特異的抗体は、腫瘍部位にマクロファージを標的化させるために使用されている。このターゲティングは、腫瘍特異的応答をより効率的に活性化し得る。これらの応答のT細胞アームは、PD−1遮断の使用により増強される。あるいは、抗原を、腫瘍抗原および樹状細胞特異的細胞表面マーカーに結合する二特異的抗体の使用により、DCに直接送達させ得る。
腫瘍は、宿主免疫監視を、多種多様な機構により回避する。これらの機構の多くは、腫瘍により発現され、免疫抑制性であるタンパク質の不活性化により克服され得る。これらは、とりわけ、TGF−ベータ(Kehrl, J. et al. (1986) J. Exp. Med. 163: 1037-1050)、IL−10(Howard, M. & O’Garra, A. (1992) Immunology Today 13: 198-200)およびFasリガンド(Hahne, M. et al. (1996) Science 274: 1363-1365)を含む。抗PD−1抗体を含むここに開示する組成物は、免疫抑制性剤の効果を相殺し、宿主による腫瘍免疫応答を支持し得る。
宿主免疫応答性を活性化するために使用し得る他の抗体を、ここでの組み合わせにおいて、さらに抗PD−1抗体分子、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子と組み合わせて使用し得る。これらは、DC機能および抗原提示を活性化する樹状細胞表面上の分子を含む。抗CD40抗体は、T細胞ヘルパー活性を効率的に置き換えることができ(Ridge, J. et al. (1998) Nature 393: 474-478)、PD−1抗体と共に使用することができる(Ito, N. et al. (2000) Immunobiology 201 (5) 527-40)。CTLA−4(例えば、米国特許5,811,097号)、OX−40(Weinberg, A. et al. (2000) Immunol 164: 2160-2169)、4−1BB(Melero, I. et al. (1997) Nature Medicine 3: 682-685(1997)およびICOS(Hutloff, A. et al. (1999) Nature 397: 262-266)のようなT細胞共刺激性分子に対する抗体も、T細胞活性化のレベル上昇のために提供し得る。
標準治療処置のさらなる例は、引用により全体を本明細書に包含させる“PD−1に対する抗体分子およびその使用”なる標題の米国特許出願公開2015/0210769号(USSN14/604,415)における“組み合わせ治療”のセクジョンおよび下に記載される。
ここに記載する方法の全てにおいて、PD−1遮断を、腫瘍抗原提示を増強するために提供される、サイトカイン処置(例えば、インターフェロン、GM−CSF、G−CSF、IL−2、IL−21)のような他の形態の免疫療法または二特異的抗体治療と組み合わせ得る(例えば、Holliger (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448; Poljak (1994) Structure 2:1121-1123参照)。
抗体分子の投与方法は当分野で知られ、下に記載する。使用する分子の適当な投与量は、対象の年齢および体重ならびに使用する特定の薬物による。抗PD−1抗体分子の投与量および治療レジメンは、当業者により決定され得る。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約1〜30mg/kg、例えば、約5〜25mg/kg、約10〜20mg/kg、約1〜5mg/kgまたは約3mg/kgの用量での注射(例えば、皮下または静脈内)により投与される。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約1mg/kg、約3mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、約30mg/kgまたは約40mg/kgの用量で投与される。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約1〜3mg/kgまたは約3〜10mg/kgの用量で投与される。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約0.5〜2mg/kg、2〜4mg/kg、2〜5mg/kg、5〜15mg/kgまたは5〜20mg/kgの用量で投与される。投与スケジュールは、例えば、週に1回から2週、3週または4週に1回までで変わり得る。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、隔週で約10〜20mg/kgの用量で投与する。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、約1mg/kg2週毎、約3mg/kg2週毎、10mg/kg2週毎、3mg/kg4週毎または5mg/kg4週毎の用量で投与する。
他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約200mg〜500mg、例えば、約250mg〜450mg、約300mg〜400mg、約250mg〜350mg、約350mg〜450mgまたは約300mgまたは約400mgの用量(例えば、均一用量)で注射(例えば、皮下または静脈内)により投与される。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mgまたは500mgの用量で投与される。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約250〜450mgまたは約300〜400mgの用量で投与される。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約200〜300mg、250〜350mg、300〜400mg、350〜450mgまたは400〜500mgの用量で投与される。投与スケジュールは、例えば、週に1回から2週、3週、4週、5週または6週に1回まで変わり得る。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約300mg〜400mgの用量で、3週に1回または4週に1回投与される。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、約300mgを3週に1回からの用量で投与する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、約400mgを4週に1回からの用量で投与する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、約300mgを4週に1回からの用量で投与する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、約400mgを3週に1回からの用量で投与する。
抗体分子を、コンジュゲートされていない形態でまたは第二薬剤、例えば、細胞毒性薬物、放射性同位体またはタンパク質、例えば、タンパク質毒素またはウイルスタンパク質にコンジュゲートした形態で使用できる。この方法は、抗体分子を、単独でまたは細胞毒性薬物にコンジュゲートさせて、このような処置を必要とする対象に投与することを含む。抗体分子を、多様な治療剤、例えば、細胞毒性部分、例えば、治療薬物、放射性同位体、植物、真菌または細菌起源の分子または生物学的タンパク質(例えば、タンパク質毒素)または粒子(例えば、組み換えウイルス粒子、例えばウイルスコートタンパク質を経る)またはこれらの混合物の送達に使用できる。
さらなる組み合わせ治療
ここに開示する組み合わせ、例えば、PD−1遮断薬剤を含む組み合わせを、標準癌処置、例えば、化学療法レジメと組み合わせてもよい。これらの場合、投与する化学療法剤の用量を減らすことが可能であり得る(Mokyr, M. et al. (1998) Cancer Research 58: 5301-5304)。ある実施態様において、ここに記載する方法および組成物を、他の抗体分子、化学療法、他の抗癌治療(例えば、標的化抗癌治療または腫瘍溶解剤)、細胞毒性剤、免疫ベースの治療(例えば、サイトカイン)、外科的および/または放射線治療の1以上と組み合わせて投与する。組み合わせて投与できる細胞毒性剤の例は、微小管阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、アントラサイクリン、ビンカアルカロイド、挿入剤(intercalating agents)、シグナル伝達経路を妨害できる薬剤、アポトーシスを促進する薬剤、プロテオソーム阻害剤および放射線(例えば、局所または全身照射)を含む。
前記組み合わせの代わりにまたはそれと組み合わせて、ここに記載する方法および組成物を、免疫調節剤(例えば、共刺激性分子のアクティベーターまたは阻害性分子の阻害剤)、ワクチン、例えば、治療癌ワクチンまたは他の形態の細胞免疫療法の1以上と組み合わせて投与できる。
組み合わせ、例えば、抗PD−1抗体分子および癌に対する標準治療を含む組み合わせの例は、引用により全体を本明細書に包含させる“PD−1に対する抗体分子およびその使用”なる名称の米国特許出願公開2015/0210769号(USSN14/604,415)に記載され、アルキル化剤、アントラサイクリン、ビンカアルカロイド、プロテオソーム阻害剤およびチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)を含むが、これらに限定されない。
チロシンキナーゼ阻害剤の例は、上皮細胞増殖因子(EGF)経路阻害剤(例えば、上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)阻害剤)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)経路阻害剤(例えば、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)阻害剤(例えば、VEGFR−1阻害剤、VEGFR−2阻害剤、VEGFR−3阻害剤))、血小板由来増殖因子(PDGF)経路阻害剤(例えば、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)阻害剤(例えば、PDGFR−β阻害剤))、RAF−1阻害剤、キット阻害剤およびRET阻害剤を含むが、これらに限定されない。選択チロシンキナーゼ阻害剤は、スニチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブまたはソラフェニブから選択される。ソラフェニブは4−[4−[[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイルアミノ]フェノキシ]−N−メチル−ピリジン−2−カルボキサミドとしても知られる。ある実施態様において、組み合わせは、例えば、ここに記載する癌、例えば、肝臓癌(例えば、肝細胞癌)の処置のために、ソラフェニブを含む。
ある実施態様において、組み合わせは、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体阻害剤、例えば、ここに記載するVEGFR阻害剤を含む。
ある実施態様において、組み合わせは、PI3K阻害剤、例えば、ここに記載するPI3K阻害剤を含む。
ある実施態様において、組み合わせは、mTOR阻害剤、例えば、ここに記載するmTOR阻害剤を含む。
ある実施態様において、組み合わせは、BRAF阻害剤、例えば、GSK2118436、RG7204、PLX4032、GDC−0879、PLX4720およびソラフェニブトシレート(Bay 43−9006)を含む。ある実施態様において、組み合わせは、RAF阻害剤、例えば、ダブラフェニブまたはN−{3−[5−(2−アミノピリミジン−4−イル)−2−tert−ブチル−1,3−チアゾール−4−イル]−2−フルオロフェニル}−2,6−ジフルオロベンゼンスルホンアミドを含む。
ある実施態様において、組み合わせは、MEK阻害剤を含む。ある実施態様において、本組み合わせで処置される癌は、黒色腫、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、前立腺癌、膵臓癌、造血器腫瘍または腎細胞癌から選択される。ある実施態様において、癌は、BRAF変異(例えば、BRAF V600E変異)、BRAF野生型、KRAS野生型または活性化KRAS変異を含む。癌は早期、中期または後期であり得る。ある実施態様において、本組み合わせで処置される癌は、例えば、BRAFV600変異を有する、切除不能または転移黒色腫である。ある実施態様において、癌は、結腸直腸癌(例えば、マイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)または乳癌(例えば、トリプルネガティブ肺癌(TNBC))から選択される。
ARRY−142886、G02442104(GSK1120212としても知られる)、RDEA436、RDEA119/BAY 869766、AS703026、G00039805(AZD−6244またはセルメチニブとしても知られる)、BIX 02188、BIX 02189、CI−1040(PD−184352)、PD0325901、PD98059、U0126、GDC−0973(メタノン、[3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェニル][3−ヒドロキシ−3−(25)−2−ピペリジニル−1−アゼチジニル]−)、G−38963、G02443714(AS703206としても知られる)またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含むが、これらに限定されない、あらゆるMEK阻害剤が組み合わせにおいて使用され得る。MEK阻害剤の付加的例は、引用により本明細書に包含させる、WO2013/019906号、WO03/077914号、WO2005/121142号、WO2007/04415号、WO2008/024725号およびWO2009/085983号に開示される。
ある実施態様において、MEK阻害剤はトラメチニブまたはN−(3−{3−シクロプロピル−5−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6,8−ジメチル−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−1(2H)−イル}フェニル)アセトアミドである。
ある実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブは、可逆性および高度に選択的なアロステリックMEK1およびMEK2阻害剤である。MEKタンパク質は、腫瘍細胞において共通して高活性化されているMAPK経路の重要な要素である。BRAF(RAFキナーゼメンバー)およびRAS両方における発癌性変異が、MEK1またはMEK2によりシグナル伝達される。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、MEK阻害剤、例えば、トラメチニブがCD4+およびCD8+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の増加および/またはPD−1阻害剤有効性の増加ができると考えられる(Liu et al. (2014) Clin. Cancer Res. p. 462-8)。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、MEK阻害剤またはトラメチニブおよび免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。
MAPK経路シグナル伝達は、腫瘍増殖に重要であり(Downward (2003) Nat. Rev. Cancer. p. 11-22)、トラメチニブは単剤療法およびダブラフェニブと組み合わせて、BRAFV600変異体黒色腫の処置に効果的である。トラメチニブは、2mg p.o. 1日1回(QD)の承認用量で達成される暴露で、腫瘍細胞におけるMEK阻害を達成する(Infante et al. (2012) Lancet Oncol. p. 773-81)。CT26マウス同一遺伝子モデルにおける前臨床データは、トラメチニブと抗PD−L1抗体の組み合わせがTIL増加、腫瘍増殖減少および生存延長をもたらすことを示した(Liu et al. (2015) Clin. Cancer Res. p. 1639-51)。チェックポイント阻害因子抗体と組み合わせたトラメチニブの免疫調節効果は、CT26マウス同一遺伝子モデルでインビボで試験されている。例えば、トラメチニブは腫瘍浸潤リンパ球(TIL)数を増加させ、トラメチニブは抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体および抗CTLA−4抗体処置の抗腫瘍効果を増強する。このモデルを使用して、マウスを対照、トラメチニブ、抗PD−1抗体またはトラメチニブと抗PD−1抗体の組み合わせで7日処置し、次いで腫瘍を採取した。トラメチニブまたはトラメチニブおよび抗PD−1抗体で7日の処置は、腫瘍組織におけるCD4+T細胞の有意な増加をもたらした。トラメチニブと抗PD−1抗体の組み合わせでの処置のみが、CD8+T細胞の有意な増加をもたらした。さらに、CT26マウスモデルにおいて、トラメチニブと抗PD−1抗体の組み合わせは、何れか単剤より腫瘍増殖により効果的であった。組み合わせでの処置はまた生存を延長させた。薬物投与のスケジュールは重要であり得る。腫瘍増殖は、トラメチニブおよび抗PD−1抗体を同時にまたはトラメチニブをまず単剤として組み合わせ前7日投与したとき、達成された。腫瘍増殖は、抗体をまず投与、続いて組み合わせ治療を投与したとき阻害されず、薬物投与のスケジュールが重要であり得ることを示す。ある実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブは、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)の抗腫瘍効果を増強するまたは増強に使用される。
ある実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブおよび免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、各々、組み合わせで所望の抗腫瘍活性を達成する用量および/またはタイムスケジュールで投与される。
ある実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブは、0.2mg〜5mg、例えば、0.3mg〜4mg、0.4mg〜3mg、0.5mg〜2mg、1mg〜1.5mg、1.5mg〜2mgまたは0.4mg〜0.6mgの用量、例えば、0.2mg、0.5mg、1mg、1.5mg、2mg、2.5mg、3mg、4mgまたは5mgの用量で、例えば、1日2回、1日1回、2日に1回、3日に1回または週に1回投与される。
ある実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブは、0.4mg〜0.6mgの用量(例えば、0.5mgの用量)で、1日1回投与される。他の実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブは、1mg〜3mgの用量(例えば、2mgの用量)で、1日1回投与される。ある実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブを経口投与する。ある実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブは、0.4mg〜0.6mgの用量(例えば、0.5mgの用量)で、例えば、1日1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。ある実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブは、1mg〜3mgの用量(例えば、2mgの用量)で、例えば、1日1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または8週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、MEK阻害剤またはトラメチニブは、黒色腫(例えば、転移または切除不能黒色腫)、結腸直腸癌(CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))の処置に、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与される。ある実施態様において、黒色腫は、BRAF変異、例えば、BRAF V600変異を有する。ある実施態様において、組み合わせは、さらに、BRAF阻害剤、例えば、ダブラフェニブを含む。ある実施態様において、組み合わせを、対照血清LDHレベルと比較して、血清におけるLDHレベルが高い対象の処置に使用する。
ある実施態様において、組み合わせはJAK2阻害剤、例えば、CEP−701、INCB18424、CP−690550(タソシチニブ)を含む。
ある実施態様において、組み合わせは、パクリタキセルまたはパクリタキセル薬剤、例えば、タキソール(登録商標)、タンパク質結合パクリタキセル(例えば、アブラキサン(登録商標))を含む。
放射線療法を、外照射療法、内部放射線療法、インプラント放射線療法、定位放射線照射、全身放射線療法、放射線療法および持続性または一過性間質密封小線源療法を含むが、これらに限定されない、いくつかの方法の一つまたは方法の組み合わせによって適用できる。
開示する組み合わせを、手術、放射線療法(例えば、放射線場が設計される3次元的立体照射療法を含む外照射療法、局所放射線(例えば、予め選択した標的または臓器に指向した照射)または焦点を絞った放射線)を含むが、これらに限定されない、癌処置の既存のモダリティの1以上と組み合わせて投与できる。焦点を絞った放射線は、定位放射線照射、分割定位放射線照射および強度変調放射線療法からなる群から選択され得る。焦点を絞った放射線は、例えば、WO2012/177624号に記載の、粒子ビーム(プロトン)、コバルト−60(フォトン)および直線加速器(x線)からなる群から選択される、放射線源を用い得る。
ある実施態様において、組み合わせは、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(ここでは“抗KIR抗体”とも称する)、汎KIR抗体、抗NKG2D抗体および抗MICA抗体に対する抗体を含む。ある実施態様において、ここに記載する抗PD−1抗体分子と抗KIR抗体、汎KIR抗体または抗NKG2D抗体の組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌(例えば、固形腫瘍、例えば、進行型固形腫瘍)の処置に使用する。
ある実施態様において、組み合わせは、細胞免疫療法(例えば、プロベンジ(例えば、シプロイセル))および場合によりシクロホスファミドとの組み合わせを含む。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子、プロベンジおよび/またはシクロホスファミドの組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌(例えば、前立腺癌、例えば、進行型前立腺癌)の処置に使用する。
他の実施態様において、組み合わせは、ワクチン、例えば、樹状細胞腎癌(DC−RCC)ワクチンを含む。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子とDC−RCCワクチンの組み合わせを、癌、例えば、ここに記載する癌(例えば、腎癌、例えば、転移腎細胞癌(RCC)または明細胞腎細胞癌(CCRCC))の処置に使用する。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、単独でまたは他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせて、化学療法および/または免疫療法と組み合わせて投与される。例えば、抗PD−1抗体分子を、単独でまたは化学療法または他の抗癌剤(例えば、サリドマイドアナログ、例えば、レナリドマイド)、抗TIM−3抗体、腫瘍抗原パルス樹状細胞、腫瘍細胞と樹状細胞の融合体(例えば、電気融合体)または悪性形質細胞により産生された免疫グロブリンイディオタイプでのワクチン接種の1以上と組み合わせて、骨髄腫の処置に使用できる。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、骨髄腫、例えば、多発性骨髄腫の処置に、抗TIM−3抗体と組み合わせて使用する。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、単独でまたは他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせて、肺癌、例えば、非小細胞肺癌の処置に、化学療法と組み合わせて使用する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、肺癌の処置のために白金ダブレット治療と共に使用する。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子を、単独でまたは他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせて、腎臓癌、例えば、腎細胞癌(RCC)(例えば、明細胞腎細胞癌(CCRCC)、非明細胞腎細胞癌(nccRCC)または転移RCCの処置に使用する。抗PD−1抗体分子を、免疫ベースのストラテジー(例えば、インターロイキン−2またはインターフェロン−α)、標的化薬剤(例えば、VEGFに対するモノクローナル抗体などのVEGF阻害剤)、スニチニブ、ソラフェニブ、アクシチニブおよびパゾパニブなどのVEGFチロシンキナーゼ阻害剤、RNAi阻害剤)またはVEGFシグナル伝達の下流メディエーターの阻害剤、例えば、ラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)の阻害剤、例えば、エベロリムスおよびテムシロリムスの1以上と組み合わせて投与し得る。ある実施態様において、組み合わせは、例えば、ここに記載する癌、例えば、肝臓癌(例えば、肝細胞癌)の処置のために、ソラフェニブを含む。
膵臓癌の処置のために、ここに記載する抗PD−1抗体分子を、単独でまたは他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)との組み合わせで、組み合わせて使用するための適当な治療の例は、化学療法剤、例えば、パクリタキセルまたはパクリタキセル薬剤(例えば、タキソール、アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤(例えば、アブラキサン)またはリポソームパクリタキセル製剤などのパクリタキセル製剤)、ゲムシタビン(例えば、ゲムシタビン単独またはAXP107−11との組み合わせ)、他のオキサリプラチン、5−フルオロウラシル、カペシタビン、ルビテカン、塩酸エピルビシン、NC−6004、シスプラチン、ドセタキセル(例えば、タキソテール)、マイトマイシンC、イホスファミドなどの化学療法剤、インターフェロン、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、パニツムマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ)、HER2/neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマブ)、デュアルキナーゼ阻害剤(例えば、ボスチニブ、サラカチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ)、多キナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ、XL184、パゾパニブ)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、AV−951、ブリバニブ)、放射免疫療法(例えば、XR303)、癌ワクチン(例えば、GVAX、サバイビンペプチド)、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、IGF−1受容体阻害剤(例えば、AMG 479、MK−0646)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス)、IL−6阻害剤(例えば、CNTO 328)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、P276−00、UCN−01)、改変エネルギー代謝指向(AEMD)化合物(例えば、CPI−613)、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット)、TRAIL受容体2(TR−2)アゴニスト(例えば、コナツムマブ)、MEK阻害剤(例えば、AS703026、セルメチニブ、GSK1120212)、Raf/MEKデュアルキナーゼ阻害剤(例えば、RO5126766)、ノッチシグナル伝達阻害剤(例えば、MK0752)、モノクローナル抗体−抗体融合体タンパク質(例えば、L19IL2)、クルクミン、HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA−9090)、rIL−2、デニロイキンジフチトクス、トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、イリノテカン、PEP02)、スタチン(例えば、シンバスタチン)、第VIIa因子阻害剤(例えば、PCI−27483)、AKT阻害剤(例えば、RX−0201)、低酸素活性化プロドラッグ(例えば、TH−302)、塩酸メトホルミン、ガンマ−セクレターゼ阻害剤(例えば、RO4929097)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤(例えば、3−AP)、免疫毒素(例えば、HuC242−DM4)、PARP阻害剤(例えば、KU−0059436、ベリパリブ)、CTLA−4阻害剤(例えば、CP−675,206、イピリムマブ)、AdV−tk治療、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(ベルケイド)、NPI−0052)、チアゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン)、NPC−1C、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、R763/AS703569)、CTGF阻害剤(例えば、FG−3019)、siG12D LODER、および放射線療法(例えば、トモセラピー、定位放射線、プロトン治療)、手術およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、パクリタキセルまたはパクリタキセル薬剤およびゲムシタビンの組み合わせを、ここに記載する抗PD−1抗体分子と共に使用できる。
小細胞肺癌の処置のために、ここに記載する抗PD−1抗体分子を、単独でまたは他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)との組み合わせで、組み合わせて使用するための適当な治療の例は、化学療法剤、例えば、エトポシド、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、リポソームSN−38、ベンダムスチン、テモゾロミド、ベロテカン、NK012、FR901228、フラボピリドール)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ)、多キナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、バンデタニブ)、癌ワクチン(例えば、GVAX)、Bcl−2阻害剤(例えば、オブリメルセンナトリウム、ABT−263)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(ベルケイド)、NPI−0052)、パクリタキセルまたはパクリタキセル薬剤、ドセタキセル、IGF−1受容体阻害剤(例えば、AMG 479)、HGF/SF阻害剤(例えば、AMG 102、MK−0646)、クロロキン、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237)、放射免疫療法(例えば、TF2)、HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA−9090)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、Ep−CAM−/CD3−二特異的抗体(例えば、MT110)、CK−2阻害剤(例えば、CX−4945)、HDAC阻害剤(例えば、ベリノスタット)、SMOアンタゴニスト(例えば、BMS 833923)、ペプチド癌ワクチンおよび放射線療法(例えば、強度変調放射線療法(IMRT)、少分割放射線療法、低酸素誘導性放射線療法)、手術およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
非小細胞肺癌の処置のために、ここに記載する抗PD−1抗体分子を、単独でまたは他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)との組み合わせで、組み合わせて使用するための適当な治療の例は、化学療法剤、例えば、ビノレルビン、シスプラチン、ドセタキセル、ペメトレキセドジナトリウム、エトポシド、ゲムシタビン、カルボプラチン、リポソームSN−38、TLK286、テモゾロミド、トポテカン、ペメトレキセドジナトリウム、アザシチジン、イリノテカン、テガフール−ギメラシル−オテラシルカリウム、サパシタビン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ネシツムマブ、PF−00299804、ニモツズマブ、RO5083945)、MET阻害剤(例えば、PF−02341066、ARQ 197)、PI3Kキナーゼ阻害剤(例えば、XL147、GDC−0941)、Raf/MEKデュアルキナーゼ阻害剤(例えば、RO5126766)、PI3K/mTORデュアルキナーゼ阻害剤(例えば、XL765)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、デュアル阻害剤(例えば、BIBW 2992、GSK1363089、ZD6474、AZD0530、AG−013736、ラパチニブ、MEHD7945A、リニファニブ)、多キナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ、AMG 706、XL184、MGCD265、BMS−690514、R935788)、VEGF阻害剤(例えば、endostar、エンドスタチン、ベバシズマブ、セジラニブ、BIBF 1120、アクシチニブ、チボザニブ、AZD2171)、癌ワクチン(例えば、BLP25リポソームワクチン、GVAX、組み換えDNAおよびL523Sタンパク質を発現するアデノウイルス)、Bcl−2阻害剤(例えば、オブリメルセンナトリウム)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、NPI−0052、MLN9708)、パクリタキセルまたはパクリタキセル薬剤、ドセタキセル、IGF−1受容体阻害剤(例えば、シズツムマブ、MK−0646、OSI 906、CP−751,871、BIIB022)、ヒドロキシクロロキン、HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA−9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス、リダフォロリムス)、Ep−CAM−/CD3−二特異的抗体(例えば、MT110)、CK−2阻害剤(例えば、CX−4945)、HDAC阻害剤(例えば、MS 275、LBH589、ボリノスタット、バルプロ酸、FR901228)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキサート)、レチノイド(例えば、ベキサロテン、トレチノイン)、抗体−薬物コンジュゲート(例えば、SGN−15)、ビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)、癌ワクチン(例えば、ベラゲンプマツセル−L)、低分子量ヘパリン(LMWH)(例えば、チンザパリン、エノキサパリン)、GSK1572932A、メラトニン、タラクトフェリン、ジメスナ、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、アムルビシン、エトポシド、カレニテシン)、ネルフィナビル、シレンギチド、ErbB3阻害剤(例えば、MM−121、U3−1287)、サバイビン阻害剤(例えば、YM155、LY2181308)、エリブリンメシレート、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、ペグフィルグラスチム、Polo様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI 6727)、TRAIL受容体2(TR−2)アゴニスト(例えば、CS−1008)、CNGRCペプチド(配列番号225)−TNFアルファコンジュゲート、ジクロロアセテート(DCA)、HGF阻害剤(例えば、SCH 900105)、SAR240550、PPAR−ガンマアゴニスト(例えば、CS−7017)、ガンマ−セクレターゼ阻害剤(例えば、RO4929097)、後成的治療(例えば、5−アザシチジン)、ニトログリセリン、MEK阻害剤(例えば、AZD6244)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN−01)、コレステロール−Fus1、抗チューブリン薬剤(例えば、E7389)、ファルネシル−OHトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、ロナファルニブ)、免疫毒素(例えば、BB−10901、SS1(dsFv)PE38)、フォンダパリヌクス、血管破壊薬剤(例えば、AVE8062)、PD−L1阻害剤(例えば、MDX−1105、MDX−1106)、ベータ−グルカン、NGR−hTNF、EMD 521873、MEK阻害剤(例えば、GSK1120212)、エポチロンアナログ(例えば、イクサベピロン)、キネシンスピンドル阻害剤(例えば、4SC−205)、テロメア標的剤(例えば、KML−001)、P70経路阻害剤(例えば、LY2584702)、AKT阻害剤(例えば、MK−2206)、血管形成阻害剤(例えば、レナリドマイド)、ノッチシグナル伝達阻害剤(例えば、OMP−21M18)、放射線療法、手術およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
卵巣癌の処置のために、ここに記載する抗PD−1抗体分子を、単独でまたは他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)との組み合わせで、組み合わせて使用するための適当な治療の例は、化学療法剤(例えば、パクリタキセルまたはパクリタキセル薬剤、ドセタキセル、カルボプラチン、ゲムシタビン、ドキソルビシン、トポテカン、シスプラチン、イリノテカン、TLK286、イホスファミド、オラパリブ、オキサリプラチン、メルファラン、ペメトレキセドジナトリウム、SJG−136、シクロホスファミド、エトポシド、デシタビン)、グレリンアンタゴニスト(例えば、AEZS−130)、免疫療法(例えば、APC8024、オレゴボマブ、OPT−821)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、デュアル阻害剤(例えば、E7080)、多キナーゼ阻害剤(例えば、AZD0530、JI−101、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ)、ON 01910.Na)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、BIBF 1120、セジラニブ、AZD2171)、PDGFR阻害剤(例えば、IMC−3G3)、パクリタキセル、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カレニテシン、イリノテカン)、HDAC阻害剤(例えば、バロプロエート、ボリノスタット)、葉酸受容体阻害剤(例えば、ファーレツズマブ)、アンギオポエチン阻害剤(例えば、AMG 386)、エポチロンアナログ(例えば、イクサベピロン)、プロテアソーム阻害剤(例えば、カルフィルゾミブ)、IGF−1受容体阻害剤(例えば、OSI 906、AMG 479)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ、AG014699、イニパリブ、MK−4827)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、ENMD−2076)、血管形成阻害剤(例えば、レナリドマイド)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキサート)、放射免疫治療剤(例えば、Hu3S193)、スタチン(例えば、ロバスタチン)、トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、NKTR−102)、癌ワクチン(例えば、p53合成長ペプチドワクチン、自己OC−DCワクチン)、mTOR阻害剤(例えば、テムシロリムス、エベロリムス)、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ)、ET−A受容体アンタゴニスト(例えば、ZD4054)、TRAIL受容体2(TR−2)アゴニスト(例えば、CS−1008)、HGF/SF阻害剤(例えば、AMG 102)、EGEN−001、Polo様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI 6727)、ガンマ−セクレターゼ阻害剤(例えば、RO4929097)、Wee−1阻害剤(例えば、MK−1775)、抗チューブリン薬剤(例えば、ビノレルビン、E7389)、免疫毒素(例えば、デニロイキンジフチトクス)、SB−485232、血管破壊薬剤(例えば、AVE8062)、インテグリン阻害剤(例えば、EMD 525797)、キネシンスピンドル阻害剤(例えば、4SC−205)、レブリミド、HER2阻害剤(例えば、MGAH22)、ErrB3阻害剤(例えば、MM−121)、放射線療法およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
ある例示的実施態様において、抗PD−1抗体分子は、単独でまたは他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせて、骨髄腫の処置のために、化学療法または他の抗癌剤(例えば、サリドマイドアナログ、例えば、レナリドマイド)、HSCT(Cook, R. (2008) J Manag Care Pharm. 14(7 Suppl):19-25)、抗TIM−3抗体(Hallett, WHD et al. (2011) J of American Society for Blood and Marrow Transplantation 17(8):1133-145)、腫瘍抗原パルス樹状細胞、腫瘍細胞と樹状細胞の融合体(例えば、電気融合体)または悪性形質細胞により産生された免疫グロブリンイディオタイプでのワクチン接種(Yi, Q. (2009) Cancer J. 15(6):502-10に記載)の1以上と組み合わせて投与できる。
さらに他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、単独でまたは他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせて、腎癌、例えば、腎細胞癌(RCC)または転移RCCの処置のために使用される。抗PD−1抗体分子を、免疫ベースのストラテジー(例えば、インターロイキン−2またはインターフェロン−α)、標的化薬剤(例えば、VEGFに対するモノクローナル抗体などのVEGF阻害剤、例えば、ベバシズマブ(Rini, B.I. et al. (2010) J. Clin. Oncol. 28(13):2137-2143))、スニチニブ、ソラフェニブ、アクシチニブおよびパゾパニブなどのVEGFチロシンキナーゼ阻害剤(Pal. S.K. et al. (2014) Clin. Advances in Hematology & Oncology 12(2):90-99)にレビュー)、RNAi阻害剤)またはVEGFシグナル伝達の下流メディエーターの阻害剤、例えば、ラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)の阻害剤、例えば、エベロリムスおよびテムシロリムス(Hudes, G. et al. (2007) N. Engl. J. Med. 356(22):2271-2281, Motzer, R.J. et al. (2008) Lancet 372: 449-456)の1以上と組み合わせて投与できる。
本発明による慢性骨髄性白血病(AML)の処置のための、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、化学療法(例えば、シタラビン、ヒドロキシ尿素、クロファラビン、メルファラン、チオテパ、フルダラビン、ブスルファン、エトポシド、コーディセピン、ペントスタチン、カペシタビン、アザシチジン、シクロホスファミド、クラドリビン、トポテカン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON 01910.Na、デュアル阻害剤(例えば、ダサチニブ、ボスチニブ)、多キナーゼ阻害剤(例えば、DCC−2036、ポナチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、RGB−286638))、インターフェロンアルファ、ステロイド、アポトーシス剤(例えば、オマセタキシン・メペサクシネート)、免疫療法(例えば、同種記憶Th1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、自己サイトカイン誘発キラー細胞(CIK)、AHN−12)、CD52標的剤(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA−9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、SMOアンタゴニスト(例えば、BMS 833923)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤(例えば、3−AP)、JAK−2阻害剤(例えば、INCB018424)、ヒドロキシクロロキン、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN−01)、HDAC阻害剤(例えば、ベリノスタット、ボリノスタット、JNJ−26481585)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ)、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、オーロラBキナーゼ阻害剤(例えば、TAK−901)、放射免疫療法(例えば、アクチニウム225標識抗CD33抗体HuM195)、ヘッジホッグ阻害剤(例えば、PF−04449913)、STAT3阻害剤(例えば、OPB−31121)、KB004、癌ワクチン(例えば、AG858)、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
慢性リンパ性白血病(CLL)の処置のために、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、化学療法剤(例えば、フルダラビン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、クロラムブシル、ベンダムスチン、クロラムブシル、ブスルファン、ゲムシタビン、メルファラン、ペントスタチン、ミトキサントロン、5−アザシチジン、ペメトレキセドジナトリウム)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、BTK阻害剤(例えば、PCI−32765)、多キナーゼ阻害剤(例えば、MGCD265、RGB−286638)、CD−20標的剤(例えば、リツキシマブ、オファツムマブ、RO5072759、LFB−R603)、CD52標的剤(例えば、アレムツズマブ)、プレドニゾロン、ダルベポエチンアルファ、レナリドマイド、Bcl−2阻害剤(例えば、ABT−263)、免疫療法(例えば、同種記憶Th1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、自己サイトカイン誘発キラー細胞(CIK))、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、バルプロ酸、LBH589、JNJ−26481585、AR−42)、XIAP阻害剤(例えば、AEG35156)、CD−74標的剤(例えば、ミラツズマブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、AT−101、免疫毒素(例えば、CAT−8015、抗Tac(Fv)−PE38(LMB−2))、CD37標的剤(例えば、TRU−016)、放射免疫療法(例えば、131−トシツモマブ)、ヒドロキシクロロキン、ペリホシン、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、サリドマイド、PI3Kデルタ阻害剤(例えば、CAL−101)、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、プレリキサホル、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、TAK−901)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、CD−19標的剤(例えば、MEDI−551、MOR208)、MEK阻害剤(例えば、ABT−348)、JAK−2阻害剤(例えば、INCB018424)、低酸素活性化プロドラッグ(例えば、TH−302)、パクリタキセルまたはパクリタキセル薬剤、HSP90阻害剤、AKT阻害剤(例えば、MK2206)、HMG−CoA阻害剤(例えば、シンバスタチン)、GNKG186、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
急性リンパ性白血病(ALL)の処置のために、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、化学療法剤(例えば、プレドニゾロン、デキサメサゾン、ビンクリスチン、アスパラギナーゼ、ダウノルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、エトポシド、チオグアニン、メルカプトプリン、クロファラビン、リポソームアナマイシン、ブスルファン、エトポシド、カペシタビン、デシタビン、アザシチジン、トポテカン、テモゾロミド)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON 01910.Na、多キナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ))、CD−20標的剤(例えば、リツキシマブ)、CD52標的剤(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA−9090)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、ラパマイシン)、JAK−2阻害剤(例えば、INCB018424)、HER2/neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマブ)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、メトトレキサート、アスパラギナーゼ、CD−22標的剤(例えば、エピラツズマブ、イノツズマブ)、免疫療法(例えば、自己サイトカイン誘発キラー細胞(CIK)、AHN−12)、ブリナツモマブ、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN−01)、CD45標的剤(例えば、BC8)、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、免疫毒素(例えば、CAT−8015、DT2219ARL)、HDAC阻害剤(例えば、JNJ−26481585)、JVRS−100、パクリタキセルまたはパクリタキセル薬剤、STAT3阻害剤(例えば、OPB−31121)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ)、EZN−2285、放射線療法、ステロイド、骨髄移植、幹細胞移植またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
急性骨髄性白血病(AML)の処置のために、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、化学療法剤(例えば、シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシン、クロファラビン、デシタビン、ボサロキシン、アザシチジン、クロファラビン、リバビリン、CPX−351、トレオスルファン、エラシタラビン、アザシチジン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON 01910.Na、多キナーゼ阻害剤(例えば、ミドスタウリン、SU 11248、キザルチニブ、ソラフェニブ))、免疫毒素(例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン)、DT388IL3融合体タンパク質、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、LBH589)、プレリキサホル、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA−9090)、レチノイド(例えば、ベキサロテン、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、BI 811283)、JAK−2阻害剤(例えば、INCB018424)、Polo様キナーゼ阻害剤(例えば、BI 6727)、セネルセン、CD45標的剤(例えば、BC8)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN−01)、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、LY573636−ナトリウム、ZRx−101、MLN4924、レナリドマイド、免疫療法(例えば、AHN−12)、ヒスタミン二塩酸塩、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
多発性骨髄腫(MM)の処置のために、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、化学療法剤(例えば、メルファラン、アミホスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、クロファラビン、ベンダムスチン、フルダラビン、アドリアマイシン、SyB L−0501)、サリドマイド、レナリドマイド、デキサメサゾン、プレドニゾン、ポマリドミド、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、MLN9708)、癌ワクチン(例えば、GVAX)、CD−40標的剤(例えば、SGN−40、CHIR−12.12)、ペリホシン、ゾレドロン酸、免疫療法(例えば、MAGE−A3、NY−ESO−1、HuMax−CD38)、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、LBH589、AR−42)、アプリジン、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、PD−0332991、ディナシクリブ)、三酸化ヒ素、CB3304、HSP90阻害剤(例えば、KW−2478)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブ)、多キナーゼ阻害剤(例えば、AT9283))、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、プレリキサホル、MEK阻害剤(例えば、AZD6244)、IPH2101、アトルバスタチン、免疫毒素(例えば、BB−10901)、NPI−0052、放射免疫治療(例えば、イットリウムY 90イブリツモマブチウキセタン)、STAT3阻害剤(例えば、OPB−31121)、MLN4924、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、ENMD−2076)、IMGN901、ACE−041、CK−2阻害剤(例えば、CX−4945)、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
前立腺癌の処置に、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、化学療法剤(例えば、ドセタキセル、カルボプラチン、フルダラビン)、アビラテロン、ホルモン療法(例えば、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、シプロテロンアセテート、ケトコナゾール、アミノグルテチミド、アバレリクス、デガレリクス、リュープロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、ブセレリン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、デュアルキナーゼ阻害剤(例えば、ラパチニブ)、多キナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ))、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、TAK−700、癌ワクチン(例えば、BPX−101、PEP223)、レナリドマイド、TOK−001、IGF−1受容体阻害剤(例えば、シズツムマブ)、TRC105、オーロラAキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、OGX−011、放射免疫療法(例えば、HuJ591−GS)、HDAC阻害剤(例えば、バルプロ酸、SB939、LBH589)、ヒドロキシクロロキン、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、ドビチニブ乳酸塩、ジインドリルメタン、エファビレンツ、OGX−427、ゲニステイン、IMC−3G3、バフェチニブ、CP−675,206、放射線療法、手術またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
HNSCCの処置のための、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、ここに記載する化合物A8(またはPCT公開WO2010/029082号に記載の化合物)およびセツキシマブ(例えば、アービタックス、BMSにより上市)の一方または両方を含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、治療(例えば、化合物A8またはA8に関連する化合物)はPI3Kモジュレーター、例えば、PI3K阻害剤である。ある実施態様において、治療(例えば、セツキシマブ)は、EGFRを調節、例えば阻害する。ある実施態様において、癌は、対照細胞または対照値と比較して、PI3KまたはEGFRのレベルまたは活性が高い、または高いとして同定される。
胃癌、例えば、MSI高および/またはEBV+胃癌の処置のための、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、ここに記載する化合物A8(またはPCT公開WO2010/029082号に記載の化合物)を含む。ある実施態様において、治療(例えば、化合物A8またはA8に関連する化合物)は、PI3Kモジュレーター、例えば、PI3K阻害剤である。ある実施態様において、癌は、対照細胞または対照値と比較して、PI3Kのレベルまたは活性が高い、または高いと同定される。
に記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、ここに記載する化合物A28(またはPCT公開WO2010/101849号に記載の化合物)を含むが、これに限定されない。ある実施態様において、治療(例えば、化合物A28またはA28に関連する化合物)は、porcupineのモジュレーター、例えば、阻害剤である。ある実施態様において、癌は、対照細胞または対照値と比較して、porcupineのレベルまたは活性が高い、または高いとして同定される。
GI間質腫瘍(GIST)の処置のための、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、ここに記載する化合物A16(またはPCT公開WO1999/003854号に記載の化合物)を含むが、これに限定されない。ある実施態様において、治療(例えば、化合物A16またはA16に関連する化合物)は、チロシンキナーゼのモジュレーター、例えば、阻害剤である。ある実施態様において、癌は、チロシンキナーゼのレベルまたは活性が高い、または高いとして決定される。
NSCLC、例えば、扁平上皮または腺癌の処置のための、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、ここに記載する化合物A17(またはUS特許7,767,675号および8,420,645号に記載の化合物)およびここに記載する化合物A23(またはPCT公開WO2003/077914号に記載の化合物)の一方または両方を含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、化合物(例えば、化合物A17またはA17に関連する化合物)は、c−METを調節、例えば阻害する。ある実施態様において、化合物(例えば、化合物A23またはA23に関連する化合物)は、Alkを調節、例えば阻害する。ある実施態様において、癌は、c−METまたはAlkの一方または両方のレベルまたは活性が高い、または高いと同定される。ある実施態様において、癌EGFRは、EGFRに変異を有するまたは有するとして同定される。
黒色腫(例えば、NRAS黒色腫)の処置のための、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、ここに記載の化合物A24(または米国特許8,415,355号および8,685,980号に記載の化合物)およびここに記載の化合物A34(またはPCT公開WO2003/077914号に記載の化合物)の一方または両方を含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、化合物(例えば、化合物A24またはA24に関連する化合物)は、JAKおよびCDK4/6の1以上を調節、例えば阻害する。ある実施態様において、化合物(例えば、化合物A34またはA34に関連する化合物)は、MEKを調節、例えば阻害する。ある実施態様において、癌は、対照細胞または対照値と比較して、JAK、CDK4/6およびMEKの1以上のレベルまたは活性が高い、または高いとして同定される。
黒色腫(例えば、NRAS黒色腫)の処置のために、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、ここに記載する化合物A29(またはPCT公開WO2011/025927号に記載の化合物)およびここに記載の化合物A34(またはPCT公開WO2003/077914号に記載の化合物)の一方または両方を含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、化合物(例えば、化合物A29またはA29に関連する化合物)は、BRAFを調節、例えば阻害する。ある実施態様において、化合物(例えば、化合物A34またはA34に関連する化合物)は、MEKを調節、例えば阻害する。ある実施態様において、癌は、対照細胞または対照値と比較して、BRAFおよびMEKの一方または両方のレベルまたは活性が高い、または高いとして同定される。
扁平上皮NSCLCの処置のために、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、ここに記載する化合物A5(またはUS特許8,552,002号に記載の化合物)を含むが、これに限定されない。ある実施態様において、化合物(例えば、化合物A5またはA5に関連する化合物)は、FGFRを調節、例えば阻害する。ある実施態様において、癌は、対照細胞または対照値と比較して、FGFRのレベルまたは活性が高い、または高いとして同定される。
結腸直腸癌の処置のために、ここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子、単独または他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)と組み合わせとの組み合わせにおいて使用するのに適当な治療の例は、ここに記載する化合物A29(またはa化合物PCT公開WO2011/025927)およびセツキシマブ(例えば、アービタックス、BMSにより上市)の一方または両方を含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、治療(例えば、化合物A29またはA29に関連する化合物)は、BRAFを調節、例えば阻害する。ある実施態様において、治療(例えば、セツキシマブ)は、EGFRを調節、例えば阻害する。ある実施態様において、癌は、対照細胞または対照値と比較して、BRAFまたはEGFRのレベルまたは活性が高い、または高いとして同定される。
本発明はまた、化合物A8、セツキシマブおよびここに記載する組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子(場合によりTIM−3抗体分子またはLAG−3抗体分子と組み合わせて)との組み合わせで癌を処置する方法も提供する。ある実施態様において、患者は、まず、化合物A8およびセツキシマブで処置される。この処置は、一定期間、例えば、予め決定した期間、例えば、約1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、8ヶ月、10ヶ月または12ヶ月継続される。次に、PD−1抗体分子(場合によりTIM−3抗体分子またはLAG−3抗体分子と組み合わせて)が投与される。PD−1抗体を、場合により、セツキシマブと組み合わせて投与してよい。
ある実施態様において、患者を、まず化合物A8、セツキシマブおよびPD−1抗体分子(場合によりTIM−3抗体分子またはLAG−3抗体分子と組み合わせて)の全3主で処置する。この処置は、一定期間、例えば、予め決定した期間、例えば、約6ヶ月、8ヶ月、10ヶ月または12ヶ月継続される。次に、化合物A8および/またはセツキシマブを、維持期がPD−1抗体分子(例えば、単剤療法としてまたはTIM−3抗体分子またはLAG−3抗体分子と組み合わせて)での処置を含むが、化合物A8またはセツキシマブを含まないように、漸減させ得る。
他の実施態様において、3化合物(化合物A8、セツキシマブおよびPD−1抗体分子、場合によりTIM−3抗体分子またはLAG−3抗体分子と組み合わせて)を、処置の開始時に逐次的に投与する。例えば、化合物A8およびセツキシマブを、上記のとおり、まず投与してよい。次に、PD−1抗体分子(場合によりTIM−3抗体分子またはLAG−3抗体分子と組み合わせて)をレジメンに加える。次に、化合物A8および/またはセツキシマブを、上記のとおり、漸減してよい。
3(またはそれ以上の)薬剤レジメンの用量の例は次のとおりである。抗PD−1抗体分子を、例えば、約1〜40mg/kg、例えば、1〜30mg/kg、例えば、約5〜25mg/kg、約10〜20mg/kg、約1〜5mg/kgまたは約3mg/kgの用量で投与してよい。あるいは、抗PD−1抗体分子を、例えば、約200〜500mg、例えば、約300〜500mg、約200〜400mg、約250〜350mgまたは約300〜400mgまたは約300mgまたは約400mgの用量で投与してよい。ある実施態様において、PD−1抗体分子は、3週に1回、例えば、300mgの用量を3週に1回投与される。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、4週に1回、例えば、400mgの用量を4週に1回投与される。ある実施態様において、化合物A8を約200〜300mg、300〜400mgまたは200〜400mgの用量で投与する。ある実施態様において、セツキシマブを、120分静脈内点滴として400mg/m2の初期用量で投与し、続いて、250mg/m2を毎週60分にわたり点滴する。ある実施態様において、化合物A8、セツキシマブおよびPD−1抗体分子の1以上を、単剤療法としてその薬剤が一般に投与されるより低い用量で、例えば、単剤療法としてその薬剤が一般に投与されるより約0〜10%、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%または80〜90%低い用量で投与する。ある実施態様において、化合物A8、セツキシマブおよびPD−1抗体分子の1以上が、本段落に記載したこれら薬剤の用量より低い用量で投与される。ある実施態様において、阻害、例えば、増殖阻害の達成に必要な化合物A8の濃度は、化合物A8をセツキシマブおよびPD−1抗体分子の一方または両方と組み合わせて投与したとき、化合物A8を個別に投与するときより低い。ある実施態様において、阻害、例えば、増殖阻害達成に必要なセツキシマブの濃度は、セツキシマブを、化合物A8およびPD−1抗体分子の一方または両方と組み合わせて投与したとき、セツキシマブを個別に投与するときより低い。ある実施態様において、阻害、例えば、増殖阻害達成に必要なPD−1抗体分子の濃度は、PD−1抗体分子を、セツキシマブおよび化合物A8の一方または両方と組み合わせて投与したとき、PD−1抗体分子を個別に投与するときより低い。
さらにここに開示されるのは、抗PD−1抗体分子を、単独でまたは他の免疫調節剤(例えば、抗LAG−3、抗PD−L1または抗TIM−3抗体分子)および標的化抗癌剤、例えば、1以上のタンパク質を標的とする薬剤と組み合わせて、癌を処置する抗体で癌を処置する方法ある。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子(および場合により他の免疫調節剤)をまず投与し、標的化抗癌剤を次に投与する。抗PD−1抗体分子および標的化抗癌剤の投与間隔の長さは、例えば、10分、20分または30分、1時間、2時間、4時間、6時間または12時間または1日、2日、3日、4日、5日、6日または7日またはこの範囲内の任意の間隔であり得る。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、一定期間にわたり反復投与し(例えば、1日、2日、3日、4日、5日または6日または1週、2週、4週、8週、12週、16週または20週またはこの範囲内の任意の間隔)、その後標的化抗癌剤が投与される。他の実施態様において、抗PD−1抗体分子および標的化抗癌剤は、実質的に同時に投与される。
感染症
本発明の他の方法は、特定の毒素または病原体に曝されている患者の処置に使用される。従って、本発明の他の態様は、対象が感染性疾患について処置されるように、対象にここに開示する組み合わせ、例えば、抗PD−1抗体分子を含む組み合わせを投与することを含む、対象における感染性疾患を処置する方法を提供する。
感染(例えば、急性および/または慢性)の処置において、抗PD−1抗体分子の投与を、感染に対する天然宿主免疫防衛に加えてまたはその代わりに、慣用の処置と組み合わせ得る。感染に対する天然宿主免疫防衛は、炎症、発熱、抗体介在宿主防御、リンホカイン分泌および細胞毒性T細胞(特にウイルス感染中)を含むTリンパ球介在宿主防衛、補体介在溶解およびオプソニン化(容易にされた食作用)および食作用を含むが、これらに限定されない。抗PD−1抗体分子が、機能不全T細胞を再活性化する能力は、慢性感染、特に細胞介在免疫が完全回復に重要であるものの処置に有用である。
上記の腫瘍への適用に類似して、抗体介在PD−1遮断を単独でまたはアジュバントとして、ワクチンと組み合わせて使用して、病原体、毒素および自己抗原に対する免疫応答を刺激し得る。この治療手法が特に有用であり得る病原体の例は、現在有効なワクチンがない病原体または慣用のワクチンが完全に有効とはいえない病原体を含む。これらは、HIV、肝炎(A、BおよびC)、インフルエンザ、ヘルペス、ジアルジア、マラリア、リーシュマニア、スタフィロコッカス・アウレウス、シュードモナス・エルジノーサを含むが、これらに限定されない。PD−1遮断は、感染の時間と共に改変された抗原を提示する、HIVなどの因子による確立された感染に特に有用である。これらの新規エピトープは、抗ヒトPD−1投与時外来として認識され、それ故に、PD−1を介する負のシグナルにより弱められない強いT細胞応答を誘発する。
付加的およびさらなる組み合わせ治療
抗PD−1抗体分子は、ここに開示する組み合わせの何れかにおいて使用され得る。ある実施態様において、1以上のさらなる治療剤との組み合わせを、ここに提供する。このセクションにおける組み合わせの多くが癌の処置に有用であるが、他の適応症についても記載する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、約200mg〜500mg、例えば、約300mg〜400mgまたは約300mgまたは約400mgの用量(例えば、均一用量)で、注射(例えば、皮下または静脈内)により投与される。投与スケジュール(例えば、均一投与スケジュール)は、例えば、週に1回から2週、3週、4週、5週または6週に1回まで変わり得る。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、約300mgを3週に1回からの用量で投与する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子を、約400mgを4週に1回からの用量で投与する。このセクションは、所望により1以上の免疫調節剤(例えば、抗TIM−3抗体分子、抗LAG−3抗体分子または抗PD−L1抗体分子)と組み合わせた、抗PD−1抗体分子の表7に記載する薬剤の1以上との組み合わせを含む。下記組み合わせにおいて、ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、
(a)配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);および配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL);
(b)配列番号1から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL;
(c)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL;または
(d)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;および配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL
を含む。
下記組み合わせにおいて、他の実施態様において、抗PD−1抗体分子は、(i)配列番号1、配列番号4または配列番号224から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2または配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列;および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);および(ii)配列番号10または配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11または配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列および配列番号32または配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
ある実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、PKC阻害剤、ソトラスタウリン(化合物A1)またはPCT公開WO2005/039549号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、PKC阻害剤は、ソトラスタウリン(化合物A1)またはPCT公開WO2005/039549号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子をソトラスタウリン(化合物A1)またはPCT公開WO2005/039549号に記載の化合物と組み合わせて、癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、炎症性腸疾患、移植片拒絶、眼障害または乾癬などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、ソトラスタウリン(化合物A1)を、約20〜600mg、例えば、約200〜約600mg、約50mg〜約450mg、約100mg〜400mg、約150mg〜350mgまたは約200mg〜300mg、例えば、約50mg、100mg、150mg、200mg、300mg、400mg、500mgまたは600mgの用量で投与する。投与スケジュールは、例えば、隔日から連日、1日2回または3回まで変わり得る。
ある実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、BCR−ABL阻害剤、タシグナ(化合物A2)またはPCT公開WO2004/005281号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、BCR−ABL阻害剤はタシグナまたはPCT公開WO2004/005281号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子をタシグナ(化合物A2)またはPCT公開WO2004/005281号に記載の化合物と組み合わせて、リンパ性白血病、パーキンソン病、神経性癌、黒色腫、消化器/消化管癌、結腸直腸癌、骨髄性白血病、頭頸部癌または肺高血圧などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、BCR−ABL阻害剤またはタシグナを、約300mg(例えば、新たに診断されたPh+ CML−CPに対して、例えば、1日2回)または例えば、耐性または不耐容Ph+ CML−CPおよびCML−APに対して、約400mg、例えば、1日2回の用量で投与する。BCR−ABL阻害剤または化合物A2を、約300〜400mgの用量で投与する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−N−エチル−4−(4−(モルホリノメチル)フェニル)イソキサゾール−3−カルボキサミド(化合物A3)またはPCT公開WO2010/060937号またはWO2004/072051号に開示の化合物などのHSP90阻害剤を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、HSP90阻害剤は5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−N−エチル−4−(4−(モルホリノメチル)フェニル)イソキサゾール−3−カルボキサミド(化合物A3)またはPCT公開WO2010/060937号またはWO2004/072051号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−N−エチル−4−(4−(モルホリノメチル)フェニル)イソキサゾール−3−カルボキサミド(化合物A3)またはPCT公開WO2010/060937号またはWO2004/072051号に記載の化合物と組み合わせて、癌、多発性骨髄腫、非小細胞肺癌、リンパ腫、胃癌、乳癌、消化器/消化管癌、膵臓癌、結腸直腸癌、固形腫瘍または造血障害などの障害の処置に使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせを、PI3Kおよび/またはmTORの阻害剤、ダクトリシブ(化合物A4)または8−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−3−メチル−1−(4−ピペラジン−1−イル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(化合物A41)またはPCT公開WO2006/122806号に開示の化合物と組み合わせて、障害、例えば、ここに記載する障害の処置に使用する。ある実施態様において、PI3Kおよび/またはmTOR阻害剤は、ダクトリシブ(化合物A4)、8−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−3−メチル−1−(4−ピペラジン−1−イル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(化合物A41)またはPCT公開WO2006/122806号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、ダクトリシブ(化合物A4)、8−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−3−メチル−1−(4−ピペラジン−1−イル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(化合物A41)またはPCT公開WO2006/122806号に記載の化合物と組み合わせて使用して、癌、前立腺癌、白血病(例えば、リンパ性白血病)、乳癌、脳腫瘍、膀胱癌、膵臓癌、腎癌、固形腫瘍または肝臓癌などの障害の処置に使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、FGFR阻害剤、3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−(6−((4−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)−1−メチル尿素(化合物A5)またはUS特許8,552,002号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、FGFR阻害剤は、3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−(6−((4−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)−1−メチル尿素(化合物A5)または米国特許8,552,002号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、化合物A5またはUS8,552,002号に記載の化合物と組み合わせて、消化器/消化管癌、血液癌または固形腫瘍などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、FGFR阻害剤または3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−(6−((4−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)−1−メチル尿素(化合物A5)を、約100〜125mg(例えば、1日あたり)、例えば、約100mgまたは約125mgの用量で投与する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、PI3K阻害剤、ブパルリシブ(化合物A6)またはPCT公開WO2007/084786号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、PI3K阻害剤はブパルリシブ(化合物A6)またはPCT公開WO2007/084786号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、ブパルリシブ(化合物A6)またはPCT公開WO2007/084786号に開示の化合物と組み合わせて、前立腺癌、非小細胞肺癌、内分泌癌、白血病、卵巣癌、黒色腫、膀胱癌、乳癌、女性生殖器系癌、消化器/消化管癌、結腸直腸癌、多形神経膠芽腫、固形腫瘍、非ホジキンリンパ腫、造血障害または頭頸部癌などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、PI3K阻害剤またはブパルリシブ(化合物A6)を、約100mg(例えば、1日あたり)の用量で投与する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、FGFR阻害剤、8−(2,6−ジフルオロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(4−((ジメチルアミノ)メチル)−1H−イミダゾール−2−イル)キノキサリン−5−カルボキサミド(化合物A7)またはPCT公開WO2009/141386号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、FGFR阻害剤は8−(2,6−ジフルオロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(4−((ジメチルアミノ)メチル)−1H−イミダゾール−2−イル)キノキサリン−5−カルボキサミド(化合物A7)またはPCT公開WO2009/141386号に開示の化合物である。ある実施態様において、FGFR阻害剤は8−(2,6−ジフルオロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(4−((ジメチルアミノ)メチル)−1H−イミダゾール−2−イル)キノキサリン−5−カルボキサミド(化合物A7)である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、8−(2,6−ジフルオロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(4−((ジメチルアミノ)メチル)−1H−イミダゾール−2−イル)キノキサリン−5−カルボキサミド(化合物A7)またはPCT公開WO2009/141386号に開示の化合物と組み合わせて、血管形成により特徴付けられる癌などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、FGFR阻害剤または8−(2,6−ジフルオロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(4−((ジメチルアミノ)メチル)−1H−イミダゾール−2−イル)キノキサリン−5−カルボキサミド(化合物A7)を、例えば、約3mg〜約5g、より好ましくは約10mg〜約1.5g/人/日の用量で、場合により、例えば、同量でよい1〜3の単一用量に分けて投与する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害を処置するために、PI3K阻害剤、(S)−N1−(4−メチル−5−(2−(1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)ピリジン−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキサミド(化合物A8)またはPCT公開WO2010/029082号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、PI3K阻害剤は(S)−N1−(4−メチル−5−(2−(1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)ピリジン−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキサミド(化合物A8)またはPCT公開WO2010/029082号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、(S)−N1−(4−メチル−5−(2−(1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)ピリジン−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキサミド(化合物A8)またはPCT公開WO2010/029082号に開示の化合物と組み合わせて、胃癌、乳癌、膵臓癌、消化器/消化管癌、固形腫瘍および頭頸部癌などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、PI3K阻害剤または(S)−N1−(4−メチル−5−(2−(1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)ピリジン−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキサミド(化合物A8)を、約150〜300、200〜300mg、200〜400mgまたは300〜400mg(例えば、1日あたり)、例えば、約200、300または400mgの用量で投与する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、チトクロムP450阻害剤(例えば、CYP17阻害剤)またはPCT公開WO2010/149755号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、チトクロムP450阻害剤(例えば、CYP17阻害剤)はPCT公開WO2010/149755号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、PCT公開WO2010/149755号に開示の化合物と組み合わせて、前立腺癌の処置に使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、HDM2阻害剤、(S)−1−(4−クロロフェニル)−7−イソプロポキシ−6−メトキシ−2−(4−(メチル(((1r,4S)−4−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イル)シクロヘキシル)メチル)アミノ)フェニル)−1,2−ジヒドロイソキノリン−3(4H)−オン(化合物A10)またはPCT公開WO2011/076786号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、HDM2阻害剤は(S)−1−(4−クロロフェニル)−7−イソプロポキシ−6−メトキシ−2−(4−(メチル(((1r,4S)−4−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イル)シクロヘキシル)メチル)アミノ)フェニル)−1,2−ジヒドロイソキノリン−3(4H)−オン(化合物A10)またはPCT公開WO2011/076786号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、(S)−1−(4−クロロフェニル)−7−イソプロポキシ−6−メトキシ−2−(4−(メチル(((1r,4S)−4−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イル)シクロヘキシル)メチル)アミノ)フェニル)−1,2−ジヒドロイソキノリン−3(4H)−オン(化合物A10)またはPCT公開WO2011/076786号に開示の化合物と組み合わせて、固形腫瘍などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、HDM2阻害剤または(S)−1−(4−クロロフェニル)−7−イソプロポキシ−6−メトキシ−2−(4−(メチル(((1r,4S)−4−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イル)シクロヘキシル)メチル)アミノ)フェニル)−1,2−ジヒドロイソキノリン−3(4H)−オン(化合物A10)を、約400〜700mgの用量で投与し、例えば、週に3回、2週間投薬、3週間休薬で投与する。ある実施態様において、用量は、約400mg、500mg、600mgまたは700mg、約400〜500mg、500〜600mgまたは600〜700mg、例えば、週3回投与である。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、鉄キレート剤、デフェラシロクス(エクジェイドとしても知られる;化合物A11)またはPCT公開WO1997/049395号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、鉄キレート剤はデフェラシロクスまたはPCT公開WO1997/049395号に記載の化合物である。ある実施態様において、鉄キレート剤はデフェラシロクス(化合物A11)である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、デフェラシロクス(化合物A11)またはPCT公開WO1997/049395号に記載の化合物と組み合わせて、鉄過負荷、ヘモクロマトーシスまたは骨髄異形成の処置に使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、アロマターゼ阻害剤、レトロゾール(フェマーラとしても知られる;化合物A12)またはUS4,978,672号に記載の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、アロマターゼ阻害剤はレトロゾール(化合物A12)または米国特許4,978,672号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、レトロゾール(化合物A12)または米国特許4,978,672号に開示の化合物と組み合わせて、癌、平滑筋肉腫、子宮内膜癌、乳癌、女性生殖器系癌またはホルモン欠乏などの障害の処置に使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、PI3K阻害剤、例えば、汎PI3K阻害剤、(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(化合物A13)またはPCT公開WO2013/124826号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、PI3K阻害剤は(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(化合物A13)またはPCT公開WO2013/124826号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(化合物A13)またはPCT公開WO2013/124826号に開示の化合物と組み合わせて、癌または進行型固形腫瘍などの障害の処置に使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、p53阻害剤および/またはp53/Mdm2相互作用、(S)−5−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)−6−(4−クロロフェニル)−2−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−1−イソプロピル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−d]イミダゾール−4(1H)−オン(化合物A14)またはPCT公開WO2013/111105号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、p53および/またはp53/Mdm2相互作用阻害剤は(S)−5−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)−6−(4−クロロフェニル)−2−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−1−イソプロピル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−d]イミダゾール−4(1H)−オン(化合物A14)またはPCT公開WO2013/111105号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、(S)−5−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)−6−(4−クロロフェニル)−2−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−1−イソプロピル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−d]イミダゾール−4(1H)−オン(化合物A14)またはPCT公開WO2013/111105号に開示の化合物と組み合わせて、癌または軟組織肉腫などの障害の処置に使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害を処置するために、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤は4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物と組み合わせて、癌などの障害の処置に使用する。
CSF−1分化型マクロファージは、ここでは、M2マクロファージまたは悪性組織に存在するとき腫瘍関連マクロファージ(TAM)とも称され、一般に腫瘍形成性であり、例えば、CSF−1RおよびCD163の発現により特徴付けられ得る。癌において、CSF−1分化型マクロファージは、しばしば組織完全性低下および/または増殖を支持するために腫瘍によって行われる適応性過程を反映する(Noy and Pollard (2014) Immunity; 41(1):49-61)。腫瘍形成活性を発揮するために、M2マクロファージは、数々の分子、例えば、サイトカイン、ケモカイン、増殖因子、ホルモン、マトリクスリモデリングプロテアーゼおよび代謝物、例えばCSF−1およびCCL2、プロスタグランジンE2および損傷関連分子パターン、例えば高移動度ボックス1タンパク質、細胞外アデノシントリホスフェートおよび分解細胞外マトリクス要素を産生する(Ruffell et al. (2012) Trends Immunol; 33(3):119-26; Zelenay et al. (2013) Trends Immunol; 34(7):329-35)。インビボ試験が、M2−マクロファージがまた悪性細胞における生存因子提供および/または抗アポトーシスプログラム活性化により、化学療法抵抗性に介在することも明らかにしている。例えば、CSF−1中和は、乳癌における化学療法に対する応答を増強する(DeNardo et al. (2011) Cancer Discov. 1, 54-67)。TAMは血管内皮細胞増殖因子シグナル伝達と関連し、腫瘍血管形成のレギュレーターである(Murdoch et al. (2008) Nat Rev Cancer, 8(8):618-31; Ruffell et al. (2012) Trends Immunol; 33(3):119-26)。M2マクロファージはマウス腫瘍モデルにおいてCD8+T細胞増殖を直接抑制することもできる(DeNardo et al. (2011) Cancer Discov. 1, 54-67; Doedens et al. (2010) Cancer Res; 70(19):7465-75; Movahedi et al. (2010) Cancer Res; 70(14):5728-39; Ruffell et al. (2014) Cancer Cell; 26, 623-637)。例えば、マクロファージは、肝細胞および卵巣癌におけるPD−L1発現によりT細胞応答を直接抑制できる(Kuang et al. (2009) J Exp Med; 206(6):1327-37; Kryczek et al. (2006) J Exp Med; 203(4):871-81)。
前臨床データは、TAMが、少なくとも一部、種々の腫瘍促進過程、例えば、免疫監視回避の重要な協調因子であるため、治療標的として働き得ることを示す。例えば、TAMの分化、遊走および生存は、可溶性CSFとの結合により、CSF−1Rにより制御され得る。CSF−1Rは、いくつかの既知癌原遺伝子を含む、増殖因子受容体の受容体タンパク質チロシンキナーゼファミリーのメンバーである(Ries et al. (2014) Cancer Cell 25(6):846-59)。CSF−1R経路の妨害により、化合物A15は、神経膠腫の動物モデルにおいてM2タイプマクロファージの減少および再プログラミングを誘発し、免疫抑制性TAM除去/再プログラミングにより、抗腫瘍有効性を提供する。単剤療法として、CSF−1R阻害単独は、同所性にインプラントされたPDAC細胞株の増殖を妨害し(Mitchem et al. (2013) Cancer Res; 73(3):1128-41)、多形神経膠芽腫(GBM)退縮を誘発する(Pyontech et al. (2013) Nat Med; 19(10):1264-72)。
腫瘍微小環境内の抗腫瘍免疫は、Treg、MDSCおよびTAMを含む多様な腫瘍浸潤白血球により抑制され得る。TAMおよびMDSCは、腫瘍で多数見ることができ、それらの免疫調節性活性はしばしば腫瘍微小環境内で局所性に発揮される。理論に拘束されることを意図しないが、これらの細胞型が効果的免疫のために用いる機序は、例えば、IL−10およびTGF−βなどのサイトカインの分泌および阻害性受容体、例えば、CTLA−4およびPD−L1の発現を含むと考えられる。生殖免疫抑制に重要であるTAMおよびMDSCの除去は、少なくとも一部、TAMが腫瘍病因に貢献するこれら悪性腫瘍内の抗PD−1治療などのチェックポイント阻害因子と組み合わせ戦略のキシを提供する。従って、CSF−1R阻害剤は、例えば、TAMの高発現を示す腫瘍(例えば、脳腫瘍(例えば、神経膠芽腫)、乳癌(例えば、TNBC)または膵臓癌)および単剤としての抗PD−1抗体分子に効率的に応答しなかった患者において、抗PD−1抗体分子などのチェックポイント阻害因子の臨床的有効性を増強するおよび/または臨床的有用性を誘発することができる。
理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、CSF−1Rキナーゼ活性を選択的に阻害すると考えら得る。化合物A15は、組み換えCSF−1Rキナーゼドメインを用いるインビトロキナーゼアッセイにより決定してCSF−1Rを強力に阻害する(IC50 1.2nM)。化合物A15の細胞活性は、細胞におけるCSF−1Rのチロシン−リン酸化レベルの減少(EC50 pCSF−1R 58nM)およびマクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)依存性細胞株MNFS−60に対する顕著な抗増殖性効果(EC50 71nM)により示された。化合物A15の生化学および細胞キナーゼ選択性は、200を超えるキナーゼのキナーゼパネルおよび細胞レベルで自己リン酸化酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)およびキナーゼトランスフェクトBaF3増殖アッセイにより示されている。関連クラスIII RTKs cKitおよびPDGFRβを含む、関連するキナーゼサブセットに対するIC50は、少なくとも>3μMであった。化合物A15キナーゼ選択性は、細胞レベルで、自己リン酸化アッセイ(ECL ELISAアッセイ)およびBaF3増殖アッセイにより評価して確認されている。pPDGFRβ、BAF3−PDGFRβおよびpcKitに対する細胞EC50は、≧2μMであり、全他のBaF3細胞株は>10μMであり、pCSF−1RおよびMCSF依存性増殖細胞EC50は<71nMであった。
CSF−1Rシグナル伝達の生物学的効果は、例えば、単球系細胞からの前駆体マクロファージおよび破骨細胞の分化、増殖、遊走および/または生存を含む。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、化合物A15がCSF−1Rシグナル伝達を介して抗腫瘍活性に介在する機構は、腫瘍関連マクロファージ(TAM)が減少または、古典的活性化食作用性マクロファージに再プログラムされたときであると考えられる(Pyonteck et al. (2013) Nat Med; 19(10):1264-72; Mao et al. (2016) Clin Cancer Res. Mar 8, DOI: 10.1158/1078-0432.CCR-15-1912、印刷の前のEpub)。化合物A15(200mg/kg連日)は、神経膠芽腫の遺伝的マウスモデルの確立された腫瘍の退縮を誘発し、生存を増加させ、前神経神経膠芽腫由来異種移植片の増殖を遅延させることが示されている(Pyonteck et al. (2013) Nat Med; 19(10):1264-72)。遺伝的モデル(血小板由来増殖因子B駆動またはPDGマウス)において、化合物A15の有効性は、M2からM1表現型への見かけ上の再プログラミングを伴った。化合物A15(200mg/kg連日を10日間)の臨床的可能性は、神経芽腫の動物モデルでも示されている(Mao et al. (2016) Clin Cancer Res. Mar 8, DOI: 10.1158/1078-0432.CCR-15-1912)。この研究は、神経芽腫を有する患者において浸潤CSF−1R+骨髄細胞が抑制性であり、悪い臨床結果の予測であることを示した。化合物A15添加は骨髄細胞がヒトT細胞増殖を刺激する能力を回復した(Mao et al. (2016) Clin Cancer Res. Mar 8, DOI: 10.1158/1078-0432.CCR-15-1912)。同様に、ヒト初代単球を神経芽腫細胞株は共培養され、次いで、自己T細胞に対する強力な抑制能を獲得することが示された。化合物A15の添加は、CD8+およびCD4+T細胞に対する腫瘍教育単球の抑制性機能も阻害できた(Mao et al. (2016) Clin Cancer Res. Mar 8, DOI: 10.1158/1078-0432.CCR-15-1912)。
実施例6に記載のとおり、化合物A15を、TAMおよび抗PD−1に対する応答の存在に基づき選択した、MC38同系結腸直腸癌モデルにおいて例示的抗PD−1抗体分子と組み合わせる試験も行い、腫瘍増殖を阻害し、抗PD−1抗体分子単独と比較して生存を延長することが示された。
ある実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物を、非連続的スケジュールに従い投与する。前臨床データは、ある非連続的スケジュールで、同等な抗腫瘍活性が達成され得ることを示唆する。ラットおよびサルにおける実験は、連続的連日投与でのトランスアミナーゼ上昇を示している。これらのトランスアミナーゼ上昇は一般に一過性であり、7日投薬/7日休薬レジメンが、耐容プロファイルおよびTAM枯渇の達成のために選択され得る。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、週に1回投与される。前臨床データは、化合物A15週1回(Q1W)投与が、TAM枯渇および抗腫瘍活性の点で、連日投与と少なくとも同程度に働くことを示唆する。ある実施態様において、組み合わせにおいて使用するCSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物の用量は、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物について、最高の治験単剤用量より用量レベルが少なくとも2(例えば、少なくとも3、4または5)倍低い。ある実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、50mg〜1500mg、例えば、75mg〜1000mg、100mg〜900mg、200mg〜800mg、300mg〜700mg、400mg〜600mg、100mg〜700mg、100mg〜500mg、100mg〜300mg、700mg〜900mg、500mg〜900mg、300mg〜900mg、75mg〜150mg、100mg〜200mg、200mg〜400mg、500mg〜700mgまたは800mg〜1000mgの用量、例えば、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mgまたは1000mgの用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)または週に2回、週に1回、2週に1回、3週に1回または4週に1回投与される。ある実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、100mg、150mg、300mg、600mgまたは900mgの用量で投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物を、連日、例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより投与するまたは週に1回.ある実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、50mg〜150mg、例えば、約100mgの用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、100mg〜200mg、例えば、約150mgの用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、200mg〜400mg、例えば、約300mgの用量で、例えば、連日(7日投薬/7日休薬スケジュールにより)投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、500mg〜700mg、例えば、約600mgの用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、800mg〜1000mg、例えば、約900mgの用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)投与される。
ある実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、50mg〜150mg、例えば、約100mgの用量で、週に1回投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、100mg〜200mg、例えば、約150mgの用量で、週に1回投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、200mg〜400mg、例えば、約300mgの用量で、週に1回投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、500mg〜700mg、例えば、約600mgの用量で、週に1回投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、800mg〜1000mg、例えば、約900mgの用量で、週に1回投与される。
ある実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物を、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与する。ある実施態様において、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回投与される。他の実施態様において、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、3週に1回投与される。ある実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、50mg〜150mg(例えば、約100mg)の用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)または週に1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、100mg〜200mg(例えば、約150mg)の用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)または週に1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、200mg〜400mg(例えば、約300mg)の用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)または週に1回、例えば、経口PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物、は、500mg〜700mg(例えば、約600mg)の用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)または週に1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。他の実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、800mg〜1000mg(例えば、約900mg)の用量で、例えば、連日(例えば、7日投薬/7日休薬スケジュールにより)または週に1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回または200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、3週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物を経口投与する。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、静脈内投与される。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子は、例えば、15分〜3時間、例えば、30分〜2時間、例えば、30分、1時間、1.5時間または2時間にわたる静脈内点滴により投与される。ある実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、例えば、空腹時、抗PD−1抗体分子の前に投与される。例えば、抗PD−1抗体分子の投与は、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物投与後、任意の時間に開始され得る。
ある実施態様において、CSF−1Rチロシンキナーゼ阻害剤、4−((2−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(化合物A15)またはPCT公開WO2005/073224号に開示の化合物は、癌、例えば、固形腫瘍(例えば、進行型固形腫瘍)の処置のために、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与される。組み合わせにより処置され得る癌の例は、脳腫瘍(例えば、多形神経膠芽腫(GBM)、例えば、再発性神経膠芽腫)、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(例えば、NTBC))または膵臓癌(例えば、進行型膵臓癌)を含むが、これらに限定されない。これらの癌に共通する特色は、例えば、免疫回避および免疫抑制に貢献し得る、腫瘍微小環境における高レベルのTAMにより特徴付けられる腫瘍生物学的知見を含む。ある実施態様において、抗PD−1治療と組み合わせたCSF−1Rの遮断は、例えば、TAM再プログラミングの促進および/または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の免疫抑制除去ができる。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、イマチニブメシレート(グリベック(登録商標)としても既知;化合物A16)またはPCT公開WO1999/003854号に開示の化合物などのアポトーシス誘発剤および/または血管形成阻害剤を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、アポトーシス誘発剤および/または血管形成阻害剤はイマチニブメシレート(化合物A16)またはPCT公開WO1999/003854号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、イマチニブメシレート(化合物A16)またはPCT公開WO1999/003854号に記載の化合物と組み合わせて、癌、多発性骨髄腫、前立腺癌、非小細胞肺癌、リンパ腫、胃癌、黒色腫、乳癌、膵臓癌、消化器/消化管癌、結腸直腸癌、多形神経膠芽腫、肝臓癌、頭頸部癌、喘息、多発性硬化症、アレルギー、アルツハイマー認知症、筋萎縮性側索硬化症またはリウマチ性関節炎などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、イマチニブメシレート(化合物A16)を、約100〜1000mg、例えば、約200mg〜800mg、約300mg〜700mgまたは約400mg〜600mg、例えば、約200mg、300mg、400mg、500mg、600mgまたは700mgの用量で投与する。投与スケジュールは、例えば、隔日から連日、1日2回または3回まで変わり得る。ある実施態様において、イマチニブメシレートを、1日約100mg〜600mg、例えば、1日約100mg、200mg、260mg、300mg、400mgまたは600mgの経口用量で投与する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、JAK阻害剤、2−フルオロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド(化合物A17)またはその二塩酸塩またはPCT公開WO2007/070514号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、JAK阻害剤は2−フルオロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド(化合物A17)またはその二塩酸塩またはPCT公開WO2007/070514号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、2−フルオロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド(化合物A17)またはその二塩酸塩またはPCT公開WO2007/070514号に開示の化合物と組み合わせて、結腸直腸癌、骨髄性白血病、血液癌、自己免疫性疾患、非ホジキンリンパ腫または血小板血症などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、JAK阻害剤または2−フルオロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド(化合物A17)またはその二塩酸塩を、約400〜600mg(例えば、1日あたり)、例えば、約400mg、500mgまたは600mgまたは約400〜500または500〜600mgの用量で投与する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害を処置するために、JAK阻害剤、リン酸ルキソリチニブ(ジャカビとしても知られる;化合物A18)またはPCT公開WO2007/070514号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、JAK阻害剤はリン酸ルキソリチニブ(化合物A18)またはPCT公開WO2007/070514号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、リン酸ルキソリチニブ(化合物A18)またはPCT公開WO2007/070514号に開示の化合物と組み合わせて、前立腺癌、リンパ性白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、肺癌、白血病、カヘキシー、乳癌、膵臓癌、リウマチ性関節炎、乾癬、結腸直腸癌、骨髄性白血病、血液癌、自己免疫性疾患、非ホジキンリンパ腫または血小板血症などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、JAK阻害剤またはリン酸ルキソリチニブ(化合物A18)を、約15〜25mg、例えば、1日2回の用量で投与する。ある実施態様において、用量は約15mg、20mgまたは25mgまたは約15〜20mgまたは20〜25mgである。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、デアセチラーゼ(DAC)阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、DAC阻害剤は、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、結腸直腸癌、小細胞肺癌、呼吸器/胸部癌、前立腺癌、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨癌、非小細胞肺癌、内分泌癌、リンパ腫、神経性癌、白血病、HIV/AIDS、免疫障害、移植片拒絶、胃癌、黒色腫、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))、膵臓癌、結腸直腸癌、多形神経膠芽腫、骨髄性白血病、血液癌、腎臓癌、非ホジキンリンパ腫、頭頸部癌、造血発生障害または肝臓癌などの障害の処置のために、パノビノスタット(化合物A19)、PCT公開WO2014/072493号に開示の化合物と組み合わせて使用する。ある実施態様において、癌は、結腸直腸癌(例えば、マイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)または乳癌(例えば、トリプルネガティブ肺癌(TNBC))から選択される。
ある実施態様において、デアセチラーゼ(DAC)阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤である。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、デアセチラーゼ(DAC)阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物は、桂皮ヒドロキサム酸群化合物に属し、クラスI、IIおよびIVヒストン(および非ヒストン)DAC(HDAC)の汎阻害剤であると考えられる。これらのHDACは、後成的モジュレーターであり、多くのタイプの腫瘍におけるこれらの酵素の調節不全のため、重要な癌標的である。DAC酵素はまたp53、α−チューブリン、Hsp90およびHIF1−αなどの種々の非ヒストンタンパク質におけるリシン基も標的とする。それ故に、ある実施態様において、デアセチラーゼ(DAC)阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物は、汎DAC阻害剤である。デアセチラーゼ(DAC)阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物は、例えば、Hsp90などの非ヒストンタンパク質のヒストンアセチル化、遺伝子発現および/または発癌性機能への効果により、癌細胞増殖および/または生存阻害のための多面的手段を提供し得る。パノビノスタット(化合物A19)は、例えば、汎HDAC阻害剤として、低ナノモル濃度でクラスI、IIa、IIbおよびIVアイソフォームの大部分のHDAC活性の阻害、高度に効果的である。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、デアセチラーゼ(DAC)阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。
理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、HDAC阻害剤などの後成的修飾因子は、免疫療法増強に使用され得る。パノビノスタット(化合物A19)は、黒色腫細胞株、培養黒色腫生検材料および腫瘍担持マウスにおいて、PD−L1遺伝子の発現を増強した。パノビノスタット(化合物A19)はまた、マウスにおけるPD−1阻害剤での処置に対する応答も中程度に改善した(Woods et al. (2015) Cancer Immunol. Res. p. 1375-85)。臨床データは、HDAC阻害剤とDNMT阻害剤の組み合わせを含む後成的修飾因子は、NSCLCを有する一部患者活性であることを示す(Juergens et al. (2011) Cancer Discov. p. 598-607)。前臨床データは、PD−1またはCTLA−4阻害剤などの免疫療法がこの活性を増強できることを示す(Kim et al. (2014) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. p. 11774-9)。ある実施態様において、デアセチラーゼ(DAC)阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物は、免疫療法、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む免疫療法を増強するまたは増強に使用される。ある実施態様において、デアセチラーゼ(DAC)阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、各々、組み合わせで所望の抗腫瘍活性を達成する用量および/またはタイムスケジュールで投与される。
ある実施態様において、多発性骨髄腫に対するパノビノスタット(化合物A19)の承認用量は、21日サイクルで、20mgを週に3回隔日(TIW)、2週間投薬/1週間休薬パノビノスタット(化合物A19)である。他の実施態様において、28日サイクルの1週間投薬/1週間休薬の低頻度投与スケジュールも、30mg〜60mg TIW用量を使用して、骨髄腫を有する患者で試験されている。ある実施態様において、デアセチラーゼ(DAC)阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物は、10mgの用量でTIWで1週間投薬/1週間休薬スケジュールで、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)との組み合わせで投与される。用量およびスケジュールは、低用量および低頻度スケジュールの安全性および耐容性に基づき、実行可能であるならば、20mg TIW、2週間投薬/1週間休薬のレジメンまで増加され得る。1週間投薬/1週間休薬スケジュールの10mg TIWの用量が許容できないほど毒性であるならば、低用量または低頻度スケジュールが用いられ得る。
ある実施態様において、DAC阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物は、約20mg(例えば、1日あたり)の用量で投与される。
ある実施態様において、DAC阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物は、2mg〜30mg、5mg〜20mgまたは10mg〜15mg、例えば、2mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mgまたは30mgの用量で、例えば、1日1回、週に3回または週1回、例えば、1週間投薬/1週間休薬、1週間投薬/3週間休薬または2週間投薬/1週間休薬のスケジュールで投与される。ある実施態様において、DAC阻害剤またはパノビノスタット(化合物A19)は、5mg〜15mgの用量で、例えば、約10mg、例えば、週に3回、例えば、1週間投薬/3週間休薬または1週間投薬/1週間休薬のスケジュールで投与される。他の実施態様において、DAC阻害剤またはパノビノスタット(化合物A19)は、15mg〜25mg、例えば、20mgの用量で、例えば、週に3回、例えば、2週間投薬/3週間休薬のスケジュールで投与される。
ある実施態様において、DAC阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物を経口投与する。
ある実施態様において、DAC阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物は、5mg〜15mgの用量(例えば、10mgの用量)で、例えば、週に3回(例えば、1週間投薬/3週間休薬または1週間投薬/1週間休薬のスケジュールで)、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、DAC阻害剤、パノビノスタット(化合物A19)またはPCT公開WO2014/072493号に開示の化合物を、結腸直腸癌(例えば、MSS CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))の処置のために、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、チトクロムP450(例えば、11B2)、アルドステロンまたは血管形成の1以上の阻害剤、オシロドロスタット(化合物A20)またはPCT公開WO2007/024945号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、チトクロムP450(例えば、11B2)、アルドステロンまたは血管形成の1以上の阻害剤はオシロドロスタット(化合物A20)またはPCT公開WO2007/024945号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、オシロドロスタット(化合物A20)またはPCT公開WO2007/024945号に開示の化合物と組み合わせて、クッシング症候群、高血圧または心不全治療などの障害の処置に使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)またはUS8,552,003号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、IAP阻害剤は、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)またはUS特許8,552,003号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、多発性骨髄腫、結腸直腸癌(CLC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))、卵巣癌、膵臓癌または造血発生障害などの障害の処置のために、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)またはUS特許8,552,003号に開示の化合物と組み合わせて使用する。ある実施態様において、癌は、結腸直腸癌(例えば、マイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)または乳癌(例えば、トリプルネガティブ肺癌(TNBC))から選択される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、CIAP1、XIAPおよび所望によりCIAP2のBIR3ドメインに結合する経口小分子SMAC模倣物である。CIAP1およびCIAP2タンパク質は、TNF死受容体ファミリータンパク質複合体の要素である。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物の結合は、CIAP1のE3リガーゼ機能を活性化し、CIAP1のユビキチン化およびプロテアソーム分解を誘発しおよび/または受容体下流のNF−κBシグナル伝達を活性化することができると考えられる(Gyrd-Hansen M, Meier P (2010) Nat. Rev. Cancer p. 561-74)。ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物を、対象における抗腫瘍免疫増加に使用する。例えば、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、例えば、NF−κB活性化により、インビトロで共刺激後ヒトおよびマウスT細胞増殖および機能をおよび/またはインビボで予防および治療抗腫瘍ワクチンに対する応答を増強することができる(Dougan et al. (2010) J. Exp. Med. p. 2195-206)。NF−κB活性は、損傷関連炎症性分子の放出に応答する免疫原性細胞死の間のT細胞交差プライミングに関与し(Yatim et al. (2015) Science p. 328-34)、T細胞機能および抗腫瘍免疫増強の機構を示唆する。他の例として、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、CD40ライゲーションと同様、単球由来樹状細胞をアポトーシスから保護し得る(Knights et al. (2013) Cancer Immunol. Immunother. p. 321-35)。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。
理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、TNF受容体ファミリーメンバーの下流NF−kBシグナル伝達を活性化する経口利用可能な小分子であると考えられる。NF−κBは免疫細胞における転写の主要制御因子であり、また腫瘍細胞に直接作用する(Perkins (2012) Nat. Rev. Cancer p. 121-32)。前臨床データは、免疫原性細胞死を受けているCD8+Tリンパ球の交差プライミングにNF−κB活性が必要であることを示唆する(Yatim et al. (2015) Science p. 328-34)。化合物A21は、インビトロでTリンパ球増殖を刺激し、IFNガンマを誘発し、IL−10産生を抑制する。化合物A21での臨床治験は、TNFアルファ、IL−8、IL−10およびCCL2を含む循環サイトカインの誘発を示した(Infante et al. (2014) J. Clin. Oncol. p. 3103-10)。臨床データは、化合物A21がパクリタキセルで処置したTNBCの病理学的完全奏効率を増加させることを示唆する。ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)の抗腫瘍活性を増強するまたは増強に使用される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、各々、組み合わせで所望の抗腫瘍活性を達成する用量および/またはタイムスケジュールで投与される。
理論に拘束されることを意図しないが、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物について1800mgと同等なまたはそれ以下の用量が、例えば、薬力学的データに基づき活性であると考えられる。例えば、320mgで処置した2患者の対の皮膚生検の両方は、化合物A21が標的とするタンパク質であるCIAP1の分解を示した;低用量(160mg以下)で処置した患者から採取した皮膚生検は、薬力学的活性に一貫性を欠いた(Infante et al. (2014) J. Clin. Oncol. p. 3103-10)。ある実施態様において、900mgより高い用量は、臨床的有効性には必要ではない。ある状況において、1800mg用量の化合物A21は、パクリタキセルと組み合わせて与えたとき、ほとんど耐容性ではなかった。従って、ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物を、300mg〜900mg用量で、例えば、週に1回投与する。ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物を、週に1回未満の頻度で投与し、例えば、2週に1回、3週に1回または4週に1回投与する。
ある実施態様において、IAP阻害剤または(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)またはUS8,552,003号に開示の化合物は、約1800mgまたはそれ以下の用量で、例えば、週1回投与される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、約160mg〜約1800mg、約200mg〜約1200mg、約300mg〜約900mg、400mg〜約800mgまたは約500mg〜約700mgの用量で、例えば、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mgまたは約900mgの用量で、例えば、週に1回、2週に1回、3週に1回または4週に1回投与される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、約200mg〜約400mg、例えば、約300mgの用量で、週1回投与される。他の実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、約800mg〜約1000mg、例えば、約900mgの用量で、週1回投与される。ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、約200mg〜約400mg、例えば、約300mg、例えば、約900mgの用量で、4週に1回投与される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物を経口投与される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与される。ある実施態様において、IAP阻害剤、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、200mg〜400mgの用量(例えば、300mgの用量)で、例えば、週に1回、例えば、経口投与するおよびPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、IAP阻害剤、例えば、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−((S)−2−(4−(4−フルオロベンゾイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド(化合物A21)または米国特許8,552,003号に開示の化合物は、結腸直腸癌(例えば、MSS CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(例えば、NTBC))の処置のために、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与される。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、スムーズンド(SMO)阻害剤、リン酸ソニデジブ(化合物A22)、(R)−2−(5−(4−(6−ベンジル−4,5−ジメチルピリダジン−3−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ピラジン−2−イル)プロパン−2−オール(化合物A25)またはPCT公開WO2007/131201号に開示の化合物またはWO2010/007120号を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、SMO阻害剤はリン酸ソニデジブ(化合物A22)、(R)−2−(5−(4−(6−ベンジル−4,5−ジメチルピリダジン−3−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ピラジン−2−イル)プロパン−2−オール(化合物A25)またはPCT公開WO2007/131201号またはWO2010/007120号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、リン酸ソニデジブ(化合物A22)、(R)−2−(5−(4−(6−ベンジル−4,5−ジメチルピリダジン−3−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ピラジン−2−イル)プロパン−2−オール(化合物A25)またはPCT公開WO2007/131201号またはWO2010/007120号に開示の化合物と組み合わせて、癌、髄芽腫、小細胞肺癌、前立腺癌、基底細胞癌、膵臓癌または炎症などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、リン酸ソニデジブ(化合物A22)を、約20〜500mg、例えば、約40mg〜400mg、約50mg〜300mgまたは約100mg〜200mg、例えば、約50mg、100mg、150mg、200mg、250mgまたは300mgの用量で投与する。投与スケジュールは、例えば、隔日から連日、1日2回または3回まで変わり得る。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、Alk阻害剤、セリチニブ(ジカディアとしても既知;化合物A23)またはPCT公開WO2007/131201号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、Alk阻害剤はセリチニブ(化合物A23)またはPCT公開WO2007/131201号に開示する化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、セリチニブ(化合物A23)またはPCT公開WO2007/131201号に開示する化合物と組み合わせて、非小細胞肺癌または固形腫瘍などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、Alk阻害剤またはセリチニブ(化合物A23)は、約750mg、例えば、1日1回の用量で、投与される。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、JAKおよび/またはCDK4/6阻害剤、7−シクロペンチル−N,N−ジメチル−2−((5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド(化合物A24)またはUS特許8,415,355号またはUS特許8,685,980号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、JAKおよび/またはCDK4/6阻害剤は7−シクロペンチル−N,N−ジメチル−2−((5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド(化合物A24)または米国特許8,415,355号または米国特許8,685,980号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、と組み合わせて7−シクロペンチル−N,N−ジメチル−2−((5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド(化合物A24)またはUS8,415,355号またはUS8,685,980号に開示の化合物、リンパ腫、神経性癌、黒色腫、乳癌または固形腫瘍などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、JAKおよび/またはCDK4/6阻害剤または7−シクロペンチル−N,N−ジメチル−2−((5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド(化合物A24)は、例えば、1日あたり、約200〜600mgの用量で投与される。ある実施態様において、化合物は、約200、300、400mg、500mgまたは600mgまたは約200〜300mg、300〜400mg、400〜500mgまたは500〜600mgの用量で投与される。
ある実施態様において、JAKおよび/またはCDK4/6阻害剤または7−シクロペンチル−N,N−ジメチル−2−((5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド(化合物A24)は、例えば、1日あたり、約200〜600mgの用量で投与される。ある実施態様において、化合物は、約200mg、300mg、400mg、500mgまたは600mgまたは約200〜300mg、300〜400mg、400〜500mgまたは500〜600mgの用量で投与される。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害を処置するために、PIMキナーゼ阻害剤、N−(4−((1R,3S,5S)−3−アミノ−5−メチルシクロヘキシル)ピリジン−3−イル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド(化合物A27)またはPCT公開WO2010/026124号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、PIMキナーゼ阻害剤はN−(4−((1R,3S,5S)−3−アミノ−5−メチルシクロヘキシル)ピリジン−3−イル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド(化合物A27)またはPCT公開WO2010/026124号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、N−(4−((1R,3S,5S)−3−アミノ−5−メチルシクロヘキシル)ピリジン−3−イル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド(化合物A27)またはPCT公開WO2010/026124号に開示の化合物と組み合わせて、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病または非ホジキンリンパ腫などの障害の処置に使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、Wntシグナル伝達阻害剤、2−(2’,3−ジメチル−[2,4’−ビピリジン]−5−イル)−N−(5−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド(化合物A28)またはPCT公開WO2010/101849号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、Wntシグナル伝達阻害剤は2−(2’,3−ジメチル−[2,4’−ビピリジン]−5−イル)−N−(5−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド(化合物A28)またはPCT公開WO2010/101849号に開示の化合物である。ある実施態様において、Wntシグナル伝達阻害剤は2−(2’,3−ジメチル−[2,4’−ビピリジン]−5−イル)−N−(5−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド(化合物A28)である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、2−(2’,3−ジメチル−[2,4’−ビピリジン]−5−イル)−N−(5−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド(化合物A28)またはPCT公開WO2010/101849号に開示の化合物と組み合わせて、固形腫瘍(例えば、頭頸部癌、扁平上皮細胞癌、乳癌、膵臓癌または結腸癌)などの障害の処置に使用する。ある実施態様において、癌は皮膚癌(例えば、黒色腫)、マイクロサテライト不安定性高(MSI高)固形腫瘍、膵臓癌または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))から選択される。
ある実施態様において、2−(2’,3−ジメチル−[2,4’−ビピリジン]−5−イル)−N−(5−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド(化合物A28)を、約1〜50mg、例えば、約2mg〜45mg、約3mg〜40mg、約5mg〜35mg、5mg〜10mgまたは約10mg〜30mg、例えば、約2mg、5mg、10mg、20mg、30mgまたは40mgの用量で投与する。投与スケジュールは、例えば、隔日から連日、1日2回または3回まで変わり得る。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害を処置するために、BRAF阻害剤、エンコラフェニブ(化合物A29)またはPCT公開WO2011/025927号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、BRAF阻害剤はエンコラフェニブ(化合物A29)またはPCT公開WO2011/025927号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、エンコラフェニブ(化合物A29)またはPCT公開WO2011/025927号に開示の化合物と組み合わせて、非小細胞肺癌、黒色腫または結腸直腸癌などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、BRAF阻害剤またはエンコラフェニブ(化合物A29)は、例えば、1日あたり、約200〜300mg、200〜400mgまたは300〜400mgの用量で投与される。ある実施態様において、化合物は、約200mg、約300mgまたは約400mgの用量で投与される。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、CDK4/6阻害剤、7−シクロペンチル−N,N−ジメチル−2−((5−((1R,6S)−9−メチル−4−オキソ−3,9−ジアザビシクロ[4.2.1]ノナン−3−イル)ピリジン−2−イル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド(化合物A30)またはPCT公開WO2011/101409号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、CDK4/6阻害剤は7−シクロペンチル−N,N−ジメチル−2−((5−((1R,6S)−9−メチル−4−オキソ−3,9−ジアザビシクロ[4.2.1]ノナン−3−イル)ピリジン−2−イル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド(化合物A30)またはPCT公開WO2011/101409号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、7−シクロペンチル−N,N−ジメチル−2−((5−((1R,6S)−9−メチル−4−オキソ−3,9−ジアザビシクロ[4.2.1]ノナン−3−イル)ピリジン−2−イル)アミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド(化合物A30)またはPCT公開WO2011/101409号に開示の化合物と組み合わせて、癌、マントル細胞リンパ腫、脂肪肉腫、非小細胞肺癌、黒色腫、扁平上皮細胞食道癌または乳癌などの障害の処置に使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、HER3阻害剤、化合物A31またはPCT公開WO2012/022814号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、HER3阻害剤は化合物A31またはPCT公開WO2012/022814号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、化合物A31またはPCT公開WO2012/022814号に開示の化合物と組み合わせて、胃癌、食道癌、頭頸部癌、扁平上皮細胞癌、胃癌、乳癌(例えば、転移乳癌)または消化器/消化管癌などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、化合物A31はヒトモノクローナル抗体分子である。
ある実施態様において、HER3阻害剤または化合物A31は、例えば、週1回(QW)、約3mg/kg、10mg/kg、20mg/kgまたは40mg/kgの用量で投与される。ある実施態様において、化合物は、約3〜10mg/kg、10〜20mg/kgまたは20〜40mg/kgの用量で投与される。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害を処置するために、FGFR2および/またはFGFR4阻害剤、化合物A32またはPCT公開WO2014/160160号に開示の化合物(例えば、FGFR2および/またはFGFR4に対する抗体分子薬物コンジュゲート、例えば、mAb 12425)を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、FGFR2および/またはFGFR4阻害剤は化合物A32またはPCT公開WO2014/160160号に記載の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、化合物A32または表7に記載の化合物と組み合わせて、癌、胃癌、乳癌、横紋筋肉腫、肝臓癌、副腎癌、肺癌、食道癌、結腸癌または子宮内膜癌などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、化合物A32はanFGFR2および/またはFGFR4に対する抗体分子薬物コンジュゲート、例えば、mAb 12425である。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、M−CSF阻害剤、化合物A33またはPCT公開WO2004/045532号に開示の化合物(例えば、M−CSFに対する抗体分子またはFabフラグメント)を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、M−CSF阻害剤は化合物A33またはPCT公開WO2004/045532号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、化合物A33またはPCT公開WO2004/045532号に開示の化合物と組み合わせて、癌、前立腺癌、乳癌または色素性絨毛性結節性滑膜炎(PVNS)などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、化合物A33は、M−CSFに対するモノクローナル抗体分子またはそのフラグメント(例えば、Fabフラグメント)である。ある実施態様において、M−CSF阻害剤または化合物A33を、約10mg/kgの平均用量で投与する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、MEK阻害剤、ビニメチニブ(化合物A34)またはPCT公開WO2003/077914号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、MEK阻害剤はビニメチニブ(化合物A34)またはPCT公開WO2003/077914号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、ビニメチニブ(化合物A34)またはPCT公開WO2003/077914号に開示の化合物と組み合わせて、非小細胞肺癌、多系統遺伝的障害、黒色腫、卵巣癌、消化器/消化管癌、リウマチ性関節炎または結腸直腸癌などの障害の処置に使用する。
ある実施態様において、MEK阻害剤またはビニメチニブ(化合物A34)を、約45mg、例えば、1日2回の用量で投与する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、c−KIT、ヒスタミン放出、Flt3(例えば、FLK2/STK1)またはPKCの1以上の阻害剤、ミドスタウリン(化合物A35)またはPCT公開WO2003/037347号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、阻害剤はミドスタウリン(化合物A35)またはPCT公開WO2003/037347号に開示の化合物である。ある実施態様において、c−キット、ヒスタミン放出、Flt3(例えば、FLK2/STK1)またはPKCの1以上の阻害剤はミドスタウリンである。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、ミドスタウリン(化合物A35)またはPCT公開WO2003/037347号に開示の化合物と組み合わせて、癌、結腸直腸癌、骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、黄斑変性症、糖尿病性合併症または皮膚科学的障害などの障害の処置に使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、TOR阻害剤(例えば、mTOR阻害剤)、エベロリムス(アフィニトールとしても知られる;化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、TOR阻害剤は、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、結腸直腸癌、間質性肺疾患、小細胞肺癌、呼吸器/胸部癌、前立腺癌、多発性骨髄腫、肉腫、加齢黄斑変性症、骨癌、結節性硬化症、非小細胞肺癌、内分泌癌、リンパ腫、神経性障害、星状細胞腫、子宮頸癌、神経性癌、白血病、免疫障害、移植片拒絶、胃癌、黒色腫、てんかん、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)または膀胱癌などの障害の処置のために、エベロリムス(化合物A36)と組み合わせて投与する。ある実施態様において、癌は、結腸直腸癌(例えば、マイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)または乳癌(例えば、トリプルネガティブ肺癌(TNBC))から選択される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、PI3K/AKT経路下流のセリン−スレオニンキナーゼである哺乳動物ラパマイシンの標的(mTOR)を阻害する。mTOR経路は、いくつかのヒト癌で脱制御されている。理論に拘束されることを望まないが、ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、細胞内タンパク質、FKBP−12と結合し、mTOR複合体1(mTORC1)と阻害性複合体形成を形成し、そうして、mTORキナーゼ活性を阻害すると考えられる。エベロリムス(化合物A36)はタンパク質合成に関与するmTORの下流エフェクターであるS6リボソームタンパク質キナーゼ(S6K1)および/または真核生物開始因子4E結合タンパク質(4E−BP1)の活性を低減できると考えられる。S6K1はmTORC1の基質であり、エストロゲン受容体の活性化ドメイン1をリン酸化し、該受容体のリガンド非依存的活性化をもたらす。さらに、エベロリムス(化合物A36)は、低酸素症誘導性因子(例えば、HIF−1)発現阻害および/または血管内皮細胞増殖因子(VEGF)発現減少が可能である。エベロリムス(化合物A36)によるmTOR阻害は、インビトロおよび/またはインビボ試験で細胞増殖、血管形成およびグルコース取り込みを減少することが示されている。PI3K/Akt/mTOR経路の構成的活性化は、乳癌における内分泌抵抗性に寄与し得る。インビトロ試験は、エストロゲン依存性およびHER2+乳癌細胞がエベロリムス(化合物A36)の阻害性効果に感受性であり、エベロリムスとAkt、HER2またはアロマターゼ阻害剤の組み合わせ処置がエベロリムス(化合物A36)の抗腫瘍活性を相乗的方法で増強することを示す。MTORC1シグナル伝達の2つのレギュレーターは、癌遺伝子サプレッサー結節性硬化症複合体1および2(TSC1、TSC2)である。TSC1またはTSC2何れかの喪失または不活性化は、下流シグナル伝達の活性化を起こす。TSCにおいて、TSC1またはTSC2遺伝子何れかの不活化変異である遺伝子障害は、体中の過誤腫形成をもたらす。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。
エベロリムス(化合物A36)は、腫瘍細胞におけるmTOR活性を抑制するために連日10mgの用量で直接抗腫瘍剤としておよび固形臓器移植を必要とする患者においてTリンパ球機能を抑制するために連日1.5〜2.0mgで免疫抑制剤として臨床使用されている。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、これらの用量およびスケジュールでエベロリムス(化合物A36)は、効果的抗腫瘍応答を障害すると予測されると考えられる。免疫老化は高齢者で生じる免疫機能低下であり、インフルエンザワクチン接種を含むワクチン接種に対する応答の低下を含む。年齢による免疫機能低下は、抗原での刺激に対する応答が減少しているPD−1陽性“消耗”Tリンパ球の増加を含む(Lages et al. (2010) Aging Cell 9, 785-798)。臨床データは、週あたり5mg用量が免疫刺激性であり、プラセボ処置と比較してPD−1陽性CD4+およびCD8+リンパ球のパーセンテージを減らし、高齢対象におけるインフルエンザワクチンに対する応答を増強することを示唆する(Mannick et al. (2014) Sci. Transl. Med. Vol. 6, Issue 268, pp. 268ra179)。ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物の免疫刺激性用量は、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)の抗腫瘍活性を増強するまたは増強に使用される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、各々、組み合わせで所望の抗腫瘍活性を達成する用量および/またはタイムスケジュールで投与される。
ある実施態様において、成人癌適応症(例えば乳癌(例えば、TNBC)、腎細胞癌および神経内分泌腫瘍(例えば、非定型肺癌腫瘍)に対して承認されているエベロリムス(化合物A36)の用量は、連日10mgである。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、下流標的S6キナーゼ(S6K)のmTOR介在リン酸化に基づくモデリングおよびシミュレーションは、投与間隔にわたり、毎週20mg投与レジメンはmTOR介在S6Kリン酸化をほぼ完全に阻害し、毎週5mgの投与レジメンはS6Kリン酸化を50%を超えて阻害し、0.5mg連日投与レジメンは、S6Kリン酸化を約38%阻害すると予測されると考えられる(Mannick et al. (2014) Sci. Transl. Med. Vol. 6, Issue 268, pp. 268ra179; Tanaka (2008) J. Clin. Oncol. p. 1596-602)。従って、ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物を、5mgの用量で週1回(QW)、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与する。他の実施態様において、例えば、5mg週1回(QW)が十分に耐容性でないとき、0.5mg1日1回(QD)の用量も使用してよい。ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、5mgまたはそれ以下の用量で、週に1回投与される。
ある実施態様において、TOR阻害剤またはエベロリムス(化合物A36)は、約2.5〜20mg/日の用量で投与される。ある実施態様において、化合物は、約2.5mg/日、5mg/日、10mg/日または20mg/日、例えば、約2.5〜5mg/日、5〜10mg/日または10〜20mg/日の用量で投与される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、1mg〜10mg、2mg〜8mg、3mg〜7mgまたは4mg〜6mgの用量、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mgまたは10mgの用量で、例えば、週1回、2週に1回、3週に1回または4週に1回投与される。ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、4mg〜6mg、例えば、5mgの用量で、例えば、週1回投与される。
他の実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、0.1mg〜1mg、0.2mg〜0.8mg、0.3mg〜0.7mgまたは0.4mg〜0.6mg、例えば、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mgまたは1mgの用量で、例えば、1日1回または週1回投与される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、経口投与される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物は、2mg〜8mgの用量(例えば、5mgの用量)で、例えば、週に1回、例えば、経口投与するおよびPD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。
ある実施態様において、mTOR阻害剤、エベロリムス(化合物A36)またはPCT公開WO2014/085318号に開示の化合物を、結腸直腸癌(例えば、MSS CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(NTBC))の処置のために、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、VEGFR−2、PDGFRベータ、KITまたはRafキナーゼCの1以上の阻害剤、1−メチル−5−((2−(5−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)オキシ)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−アミン(化合物A37)またはPCT公開WO2007/030377号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、VEGFR−2、PDGFRベータ、KITまたはRafキナーゼCの1以上の阻害剤は、1−メチル−5−((2−(5−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)オキシ)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−アミン(化合物A37)またはPCT公開WO2007/030377号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、癌、黒色腫または固形腫瘍などの障害の処置のために、1−メチル−5−((2−(5−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)オキシ)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−アミン(化合物A37)またはPCT公開WO2007/030377号に開示の化合物と組み合わせて使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、ソマトスタチンアゴニストおよび/または生長ホルモン放出阻害剤、パシレオチドジアスパルタート(シグニフォーとしても知られる;化合物A38)またはPCT公開WO2002/010192号またはUS特許7,473,761号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、ソマトスタチンアゴニストおよび/または生長ホルモン放出阻害剤は、パシレオチドジアスパルタート(化合物A38)またはPCT公開WO2002/010192号またはUS特許7,473,761号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、前立腺癌、内分泌癌、神経性癌、神経内分泌腫瘍(NET)(例えば、非定型肺カルチノイド腫瘍)、皮膚癌(例えば、黒色腫またはメルケル細胞癌)、膵臓癌、肝臓癌、クッシング症候群、消化器障害、先端巨大症、肝臓および胆管障害または肝硬変などの障害の処置のために、パシレオチドジアスパルタート(化合物A38)またはPCT公開WO2002/010192号またはUS特許7,473,761号に開示の化合物と組み合わせて使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、シグナル形質導入モジュレーターおよび/または血管形成阻害剤、ドビチニブ(化合物A39)またはPCT公開WO2009/115562号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、theシグナル形質導入モジュレーターおよび/または血管形成阻害剤は、ドビチニブ(化合物A39)またはPCT公開WO2009/115562号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、癌、呼吸器/胸部癌、多発性骨髄腫、前立腺癌、非小細胞肺癌、内分泌癌または遺伝性神経障害などの障害の処置のために、ドビチニブ(化合物A39)またはPCT公開WO2009/115562号に開示の化合物と組み合わせて使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、EGFR阻害因子は、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、癌、例えば、固形腫瘍などの障害の処置のために、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物と組み合わせて使用する。
ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、共有結合性、不可逆性チロシンキナーゼ阻害剤である。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、活性化EGFR変異(L858R、ex19del)を阻害する。他の実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、野生型(wt)EGFRを阻害しないまたは実質的に阻害しない。化合物A40)は、EGFR変異体NSCLC患者において有効性が示されている。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物はまたキナーゼのTECファミリーにおける1以上のキナーゼも阻害する。Tecファミリーキナーゼは、例えば、ITK、BMX、TEC、RLKおよびBTKを含み、T細胞受容体伝播およびケモカイン受容体シグナル伝達の中枢である(Schwartzberg et al. (2005) Nat. Rev. Immunol. p. 284-95)。例えば、化合物A40は、1.3nMの生化学的IC50でITKを阻害できる。ITKはTh2細胞生存に重大な酵素であり、その阻害はTh2とTh1細胞間のバランスのシフトをもたらす。インビボで、ITK阻害剤イブルチニブまたは化合物A40および抗PD−L1−抗体の組み合わせ処置は、いくつかのモデルで、何れか単剤と比較して、優れた有効性をもたらす。
ある実施態様において、ここに記載する組み合わせは、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)を含む。
ITK阻害(イブルチニブでの)およびチェックポイント阻害の組み合わせは、多数の同一遺伝子マウスモデルで、例えば、ITKを発現するが、BTKを発現しないもので、何れか単剤よりも効果的である。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、ITKを阻害する。ITK阻害およびチェックポイント遮断の相乗効果は、マウス癌細胞株(A20、CT26および4T1)を使用したマウス同種移植において試験されている(Sagiv-Barfi et al. (2015) Blood. p. 2079-86)。抗PD−L1抗体とイブルチニブ(ITK阻害剤)の組み合わせは、全3モデルで、何れの単剤よりも有意に効果的であることが示された。これらの実験において、処置効果はイブルチニブを8日しか投与せず、抗PD−L1抗体の投与は計5回であるにも係わらず、延長された。この組み合わせで処置したCT26腫瘍担持マウスのほぼ半分が治癒した(単剤で処置したマウスは何れも治癒しなかった)。これらのマウスのCT26腫瘍接種での再負荷は、この細胞株に特異的な長期抗腫瘍記憶を示した(Sagiv-Barfi et al. (2015) Blood. p. 2079-86)。さらに、腫瘍特異的T細胞が、イブルチニブおよび抗PD−L1抗体で処置したマウスの血液および脾臓で見られた。この観察を化合物A40まで拡大するために、A20リンパ腫モデルを使用して、類似する実験を実施した。この研究において、化合物A40と抗PD−L1抗体またはイブルチニブと抗PD−L1抗体何れかの組み合わせは、何れか単剤より効果的であった。化合物A40およびイブルチニブを10日のみ投与し、抗PD−L1抗体は計5回投与した。生存に対する化合物A40+抗PD−L1抗体およびイブルチニブ+抗PD−L1抗体の効果は、化合物A40およびイブルチニブを一過性にしか投与しなくても、60日まで延びた。抗PD−L1−抗体と化合物A40の組み合わせは、A20リンパ腫同種移植片担持マウスの腫瘍退縮をもたらした。従って、ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)の抗腫瘍効果を増強するまたは増強に使用される。
ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物および免疫チェックポイント分子の阻害剤、例えば、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、各々、組み合わせで所望の抗腫瘍活性を達成する用量および/またはタイムスケジュールで投与される。
ある実施態様において、EGFR阻害因子または(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)は、例えば、1日あたり、150〜250mgの用量で投与される。ある実施態様において、化合物は、約150mg、200mgまたは250mgまたは約150〜200mgまたは200〜250mgの用量で投与される。
ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、5mg〜100mg、例えば、10mg〜75mg、15mg〜50mg、20mg〜30mg、10mg〜40mg、10mg〜25mgまたは25mg〜40mg、例えば、5mgの用量、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mgまたは100mgの用量で、例えば、1日2回、1日1回、2日に1回、3日に1回または週に1回投与される。
ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、10mg〜50mg(例えば、25mg)の用量で、1日1回投与される、ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物を経口投与する。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、10mg〜50mg(例えば、25mg)の用量で、例えば、1日1回、例えば、経口投与され、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)は、300mg〜500mgの用量(例えば、400mgの用量)で、例えば、4週に1回、例えば、静脈内点滴により投与される。ある実施態様において、組み合わせは、1以上の投与サイクル、例えば、1以上の28日投与サイクルで投与される。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、最初の投与サイクルの1日目〜10日目に投与される。ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物は、第一投与サイクルまたはそれ以後のあらゆる投与サイクルの11〜28日目に投与されない。
ある実施態様において、EGFR阻害因子、(R,E)−N−(7−クロロ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル)アゼパン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−2−メチルイソニコチンアミド(化合物A40)またはPCT公開WO2013/184757号に開示の化合物を、結腸直腸癌(CRC)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))または乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))の処置のために、PD−1の阻害剤(例えば、抗PD−1抗体分子)と組み合わせて投与する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、ALK阻害剤、N6−(2−イソプロポキシ−5−メチル−4−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル)−N4−(2−(イソプロピルスルホニル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(化合物A42)またはPCT公開WO2008/073687号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、ALK阻害剤は、N6−(2−イソプロポキシ−5−メチル−4−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル)−N4−(2−(イソプロピルスルホニル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(化合物A42)またはPCT公開WO2008/073687号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、癌、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、非小細胞肺癌(NSCLC)または神経芽腫などの障害の処置のために、N6−(2−イソプロポキシ−5−メチル−4−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル)−N4−(2−(イソプロピルスルホニル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(化合物A42)またはPCT公開WO2008/073687号に開示の化合物と組み合わせて使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、IGF−1R阻害剤、3−(4−(4−((5−クロロ−4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン−1−イル)チエタン1,1−ジオキシド(化合物A43)、5−クロロ−N2−(2−フルオロ−5−メチル−4−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピペリジン−4−イル)フェニル)−N4−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物A44)または5−クロロ−N2−(4−(1−エチルピペリジン−4−イル)−2−フルオロ−5−メチルフェニル)−N4−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物A45)またはPCT公開WO2010/002655号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、IGF−1R阻害剤は、3−(4−(4−((5−クロロ−4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン−1−イル)チエタン1,1−ジオキシド(化合物A43)、5−クロロ−N2−(2−フルオロ−5−メチル−4−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピペリジン−4−イル)フェニル)−N4−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物A44)、5−クロロ−N2−(4−(1−エチルピペリジン−4−イル)−2−フルオロ−5−メチルフェニル)−N4−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物A45)またはPCT公開WO2010/002655号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子は、癌または肉腫などの障害の処置のために、3−(4−(4−((5−クロロ−4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン−1−イル)チエタン1,1−ジオキシド(化合物A43)、5−クロロ−N2−(2−フルオロ−5−メチル−4−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピペリジン−4−イル)フェニル)−N4−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物A44)、5−クロロ−N2−(4−(1−エチルピペリジン−4−イル)−2−フルオロ−5−メチルフェニル)−N4−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物A45)またはPCT公開WO2010/002655号に開示の化合物と組み合わせて使用される。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、P−糖タンパク質1阻害剤、バルスポダール(AMDRAYとしても知られる;化合物A46)またはEP296122号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、P−糖タンパク質1阻害剤は、バルスポダール(化合物A46)またはEP296122号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、癌または薬物耐性腫瘍などの障害の処置のために、バルスポダール(化合物A46)またはEP296122号に開示の化合物と組み合わせて使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、VEGFR阻害剤の1以上、コハク酸バタラニブ(化合物A47)またはEP296122号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、VEGFR阻害剤は、コハク酸バタラニブ(化合物A47)またはEP296122号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子は、癌の処置のために、コハク酸バタラニブ(化合物A47)またはEP296122号に開示の化合物と組み合わせて使用される。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、IDH阻害剤またはWO2014/141104号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、IDH阻害剤は、PCT公開WO2014/141104号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、癌などの障害の処置のために、WO2014/141104号に開示の化合物と組み合わせて使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、BCL−ABL阻害剤またはPCT公開WO2013/171639号、WO2013/171640号、WO2013/171641号またはWO2013/171642号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、BCL−ABL阻害剤は、PCT公開WO2013/171639号、WO2013/171640号、WO2013/171641号またはWO2013/171642号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、癌などの障害の処置のために、PCT公開WO2013/171639号、WO2013/171640号、WO2013/171641号またはWO2013/171642号に開示の化合物と組み合わせて使用する。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、c−RAF阻害剤またはPCT公開WO2014/151616号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、c−RAF阻害剤は、化合物A50またはPCT公開WO2014/151616号に開示の化合物である。ある実施態様において、c−RAF阻害剤または化合物A50は、式(I)
〔式中、
Z1はO、S、S(=O)またはSO2であり;
Z2はN、SまたはCRaであり、ここで、RaはH、ハロ、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルであり;
R1はCN、ハロ、OH、C1−4アルコキシまたは場合によりハロ、C1−4アルコキシ、CNおよびヒドロキシルからなる群から選択される1〜3基で置換されていてよいC1−4アルキルであり;
環Bはフェニル、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピリドン、ピリミドン、ピラジノン、ピリダジノンおよびチアゾールから選択され、この各々は場合によりハロ、OH、CN、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、−O−(C1−4アルキル)、NH2、NH−(C1−4アルキル)、−N(C1−4アルキル)2、−SO2R2、NHSO2R2、NHC(O)R2、NHCO2R2、C3−6シクロアルキル、5〜6員ヘテロアリール、−O−C3−6シクロアルキル、−O−(5−6員ヘテロアリール)、C4−8ヘテロシクロアルキルおよび−O−(4〜8員ヘテロシクロアルキル)から選択される2個までの基で置換されていてよく、ここで、各ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールは、環員としてN、OおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を含み、
ここで、各C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C3−6シクロアルキル、5〜6員ヘテロアリールおよび4〜8員ヘテロシクロアルキルは各々場合によりオキソ、ヒドロキシル、ハロ、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシおよび−(CH2)1−2Qから選択される3個までの基で置換されていてよく、ここで、QはOH、C1−4アルコキシ、−CN、NH2、−NHR3、−N(R3)2、−SO2R3、NHSO2R3、NHC(O)OR3またはNHC(O)R3であり;各R2およびR3は独立してC1−4アルキルであり;および
環Bは所望によりN、OおよびSから選択される2個までのヘテロ原子を含む5〜6員芳香族または非芳香環と縮合していてよく、ここで、5〜6員環はハロ、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキルまたはC1−4アルコキシで置換されていてよく、縮合環が非芳香族であるならば、置換基選択肢はさらにオキソを含んでよく;
各Yは独立してC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、CN、ハロ、オキソ、−(CH2)POR4、−(CH2)pN(R4)2、−(CH2)pNHC(O)R4、−(CH2)pNHCOO(C1−4アルキル)およびイミダゾールから選択されるか、
はまた環A上の2個のY基が所望により一体となって、環Aと縮合または架橋した環を形成でき、該縮合または架橋環は、所望により環員としてN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含んでよく、場合によりC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、CN、ハロ、オキソ、−(CH2)pOR4、−(CH2)PN(R4)2、−(CH2)pNHC(O)R4および−(CH2)pNHCOO(C1−4アルキル)から選択される2個までの基で置換されていてよく;
各R4は独立してHまたはC1−4アルキルであり;
各pは独立して0、1または2であり;
qは0、1または2であり;
Z3、Z4およびZ5は独立してCHおよびNおよび所望によりNOから選択され;
Lは−C(=O)−NR4−[CY]または−NR4−C(=O)−[CY]であり、ここで、[CY]はLのどの原子がCYに結合するかを示し;
CYは、フェニル、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピリドン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、ピラゾールおよびイソキサゾールから選択される芳香環であり、ここで、該環は所望によりチオフェン、イミダゾール、オキサゾロンまたはピロール環と縮合していてよく;
CYは、ハロ、CN、R5、OR5、SO2R5、−S(=NH)(=O)R5、OH、NH2、NHR5および−N(R5)2から選択される2個までの基で置換されており、
ここで、各R5は独立してC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−6ヘテロシクリル、環員としてN、OおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を含む5員ヘテロアリールまたはC3−8シクロアルキルであり、R5は場合によりオキソ、ハロ、CN、R6、OH、OR6、SO2R6、NH2、NHR6、N(R6)2、NHSO2R6、NHCOOR6、NHC(=O)R6、−CH2OR7、−CH2N(R7)2から選択である4個までの基で置換されていてよく、ここで、各R6は独立してC1−4アルキルであり、各R7は独立してHまたはC1−4アルキルであり;
そして、同じ窒素原子上の2個のR4、R5、R6またはR7は、環員としてさらにN、OまたはSを含んでよく、場合によりC1−4アルキル、オキソ、ハロ、OHおよびC1−4アルコキシから選択される2個までの基で置換されていてよい5〜6員ヘテロ環式環を形成できる。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
ある実施態様において、PD−1抗体分子を、癌、例えば、ここに記載する癌などの障害の処置のために、PCT公開WO2014/151616号に開示の化合物と組み合わせて使用する。ある実施態様において、癌は肺癌(例えば、非小細胞肺癌)である。
他の実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせは、障害、例えば、ここに記載する障害の処置のために、ERK1/2 ATP競合的阻害剤またはPCT公開WO2015/066188号に開示の化合物を含むまたはこれと組み合わせて使用する。ある実施態様において、ERK1/2 ATP競合的阻害剤は、PCT公開WO2015/066188号に開示の化合物である。ある実施態様において、PD−1抗体分子を、癌などの障害の処置のために、化合物A51またはPCT公開WO2015/066188号に開示の化合物と組み合わせて使用する。
ある実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせを、化合物A8、化合物A17、化合物A23、化合物A24、化合物A27、化合物A29および化合物A33から選択される薬剤の1以上と組み合わせて投与する。
ある実施態様において、組み合わせ、例えば、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む組み合わせを、免疫細胞アッセイ、例えば、huMLRアッセイ、T細胞増殖アッセイおよびB細胞増殖アッセイの1以上で活性を有することが知られる抗癌剤と組み合わせて投与する。アッセイの例は下に記載する。アッセイに基づき、IC50を各試験薬剤について計算できる。ある実施態様において、抗癌剤は、例えば、0〜1μM、1〜4μMまたは4μM超、例えば、4〜10μMまたは4〜20μMのIC50を有する。ある実施態様において、第二治療剤は、化合物A9、化合物A16、化合物A17、化合物A21、化合物A22、化合物A25、化合物A28、化合物A48および化合物49の1以上から選択される。
ある実施態様において、化合物A28(または化合物A28に関連する化合物)を、約5〜10mgまたは10〜30mgの用量で投与する。ある実施態様において、化合物A22(または化合物A22に関連する化合物)を、約200mgの用量で投与する。ある実施態様において、化合物A17(または化合物A17に関連する化合物)を、約400〜600mgの用量で投与する。ある実施態様において、化合物A16(または化合物A16に関連する化合物)を、約400〜600mg PO qDayの用量で投与する。ある実施態様において、化合物A29(または化合物A29に関連する化合物)を、約200〜400mgまたは300〜400mgの用量で投与する。ある実施態様において、化合物A24(または化合物A24に関連する化合物)を、約200〜600mgの用量で投与する。ある実施態様において、化合物A23(セリチニブ)(またはセリチニブに関連する化合物)を、1日1回約750mgの用量で投与する。ある実施態様において、化合物A8(または化合物A8に関連する化合物)を、約200〜400mgまたは300〜400mgの用量で投与する。ある実施態様において、化合物A5(または化合物A5に関連する化合物)を、約100〜125mgの用量で投与する。ある実施態様において、化合物A6(または化合物A6に関連する化合物)を、約100mgの用量で投与する。ある実施態様において、化合物A1(または化合物A1に関連する化合物)を、約200〜300mgまたは200〜600mgの用量で投与する。ある実施態様において、化合物A40(または化合物A40に関連する化合物)を、約150〜250mgの用量で投与する。ある実施態様において、化合物A10(または化合物A10に関連する化合物)を、約400〜700mgの用量で投与し、例えば、週に3回、2週間投薬、3週間休薬で投与する。ある実施態様において、BCR−ABL阻害剤を、約20mg bid〜80mg bidの用量で投与する。
huMLRアッセイおよびBまたはT細胞増殖アッセイの例を下に提供する。
ヒト混合リンパ球反応
混合リンパ球反応(MLR)は、ある個体(レスポンダー)からのリンパ球から、他の個体(刺激因子)のリンパ球への増殖性応答を測定する機能的アッセイである。同種MLRを実施するために、3ドナーからの末梢血単核細胞(PBMC)を未知HLAタイプのバフィーコートから単離した(BernおよびAarau, SwitzerlandからのKantonspital Blutspendezentrum)。細胞を、10%ウシ胎児血清(FCS)、100Uペニシリン/100μg ストレプトマイシン、50μM 2−メルカプトエタノール添加RPMI 1640 GlutaMAXTM含有培養培地0.2mLに2.105で調製した。個々の2方向反応を、2つの異なるドナーからのPBMCを1:1比で混合することにより設定し、共培養をトリプリケートで、平底96ウェル組織培養プレート中、6日、37℃、5%CO2で、8点濃度範囲の試験化合物存在下または非存在下、実施した。細胞を3H−TdR(1μCi/0.2mL)で培養の最後の16時間パルスし、取り込まれた放射活性を細胞増殖の指標として使用した。最大huMLR応答を50%阻害する濃度(IC50)を各化合物について計算した。シクロスポリンを、huMLR阻害の陽性対照として使用した。
ヒトB細胞増殖アッセイ
PBMCを、ヒト血液からFicoll-Paque密度勾配により新たに単離し、負のB細胞単離に付した。B細胞を培養培地(RPMI 1640、HEPES、10%FCS、50μg/mL ゲンタマイシン、50μM 2−メルカプトエタノール、1×ITS(インスリン、トランスフェリンおよび亜セレン酸ナトリウム)、1×非必須アミノ酸)に、平底96ウェル培養プレートウェルあたり9.104濃度で再懸濁した。B細胞刺激をヒト抗IgM抗体分子(30μg/mL)およびIL−4(75ng/mL)またはCD40リガンド(3μg/mL)およびIL−4(75ng/mL)で、7点濃度範囲の試験化合物の存在下または非存在下。実施した。37℃、10%CO2で72時間の培養後、細胞を、培養の最後の6時間、3H−TdR(1μCi/ウェル)でパルスした。次いでB細胞を採取し、チミジンの取り込みをシンチレーションカウンターを使用して測定した。各2回処理で、平均を計算し、これらのデータを、XLfit 4にプロットして、各IC50値を決定した。
ヒトT細胞増殖アッセイ
PBMCを、ヒト血液からFicoll-Paque密度勾配により新たに単離し、負のT細胞単離に付した。T細胞を、培養培地(RPMI 1640、HEPES、10%FCS、50μg/mL ゲンタマイシン、50μM 2−メルカプトエタノール、1×ITS(インスリン、トランスフェリンおよび亜セレン酸ナトリウム)、1×非必須アミノ酸)中、平底96ウェル培養プレートのウェルあたり、8.104の濃度に調製した。T細胞刺激を、ヒト抗CD3抗体分子(10μg/mL)またはヒト抗CD3抗体分子(5μg/mL)および抗CD28抗体分子(1μg/mL)により、7点濃度範囲の試験化合物の存在下または非存在下実施した。37℃、10%CO2で72時間の培養後、細胞を、培養の最後の6時間、3H−TdR(1μCi/ウェル)でパルスした。細胞増殖をチミジンの取り込みにより測定し、各試験化合物のIC50決定を可能とした。
避妊
ここに開示する方法の何れかのある実施態様において、対象は、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)を受ける前、途中または後に、避妊(例えば、避妊薬)を使用する。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、治療(例えば、組み合わせ治療)を受ける前、途中または後に避妊を使用することは、胚胎児毒性リスク、例えば、流産または未熟児死亡増加を軽減または予防し得ると考えられる。
ある実施態様において、ここに記載する方法は、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)を受けるまたは受けている対象(例えば、女性対象)への避妊薬の投与を含む。他の実施態様において、避妊薬を、ここに記載する障害、例えば、ここに記載する癌の処置のために、ここに記載する抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)と組み合わせて使用する。他の実施態様において、避妊薬をここに記載する抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)と組み合わせて使用して、胚胎児毒性リスク、例えば、流産または未熟児死亡増加を低減または予防する。
ある実施態様において、対象は、例えば、医療提供者から、対象が妊娠または妊娠していることが分かったまたは妊娠するリスクがあるとき、抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)の中止を勧められる。他の実施態様において、対象は、対象が妊娠または妊娠していることが分かったまたは妊娠するリスクがあるとき、抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)を中止する。
ある実施態様において、対象(例えば、女性対象)が効果的避妊を使用する期間(ここでは避妊期間と称することもある)は、少なくとも一部、抗PD−1抗体分子の血清半減期(T1/2)により決定され得る。避妊期間中、対象は、治療が完了していてもよくまたはまだ治療を受けていてもよい。ある実施態様において、避妊期間は、治療の最後の投与(例えば、抗PD−1抗体分子の最後の投与)以降の期間を含む。他の実施態様において、避妊期間はさらに対象が治療(例えば、抗PD−1抗体分子)を受けている期間を含む。
ある実施態様において、避妊期間は、例えば、抗PD−1抗体分子の最後の投与後、50日またはそれ以上、例えば、60日またはそれ以上、80日またはそれ以上、90日またはそれ以上、100日またはそれ以上、110日またはそれ以上、120日またはそれ以上、130日またはそれ以上、140日またはそれ以上、150日またはそれ以上、160日またはそれ以上、170日またはそれ以上、180日またはそれ以上、190日またはそれ以上、200日またはそれ以上、220日またはそれ以上、240日またはそれ以上、260日またはそれ以上、280日またはそれ以上または300日またはそれ以上の期間を含む。ある実施態様において、避妊期間は、例えば、抗PD−1抗体分子の最後の投与後、150日またはそれ以上の期間を含む。ある実施態様において、避妊期間は、対象が抗PD−1抗体分子を受けている期間および抗PD−1抗体分子の最後の投与後150日またはそれ以上を含む。
ある実施態様において、避妊期間は、血清抗PD−1抗体分子の半減期の少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍である。ある実施態様において、避妊期間は、血清抗PD−1抗体分子の半減期の少なくとも5倍である。ある実施態様において、血清抗PD−1抗体分子の半減期は10日〜30日、例えば、15日〜25日、17日〜23日または19日〜21日、例えば、15日またはそれ以上、16日またはそれ以上、17日またはそれ以上、18日またはそれ以上、19日またはそれ以上、20日またはそれ以上、21日またはそれ以上、22日またはそれ以上または23日またはそれ以上である。ある実施態様において、血清抗PD−1抗体分子の半減期は17日〜23日、例えば、約19日、20日、21日、22日または23日である。
ある実施態様において、対象は、抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)を受ける前に避妊を使用する。他の実施態様において、対象は、抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)の間避妊を使用する。他の実施態様において、対象は、抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)を受けた後避妊を使用する。
ある実施態様において、対象は、抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)を受けている間および後避妊を使用する。他の実施態様において、対象は、抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)を受ける前および間、避妊を使用する。他の実施態様において、対象は、抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)を受ける前および後、避妊を使用する。他の実施態様において、対象は、抗PD−1抗体分子を含む治療(例えば、組み合わせ治療)を受ける前、間および後に避妊を使用する。
ある実施態様において、対象は、避妊を、対象が抗PD−1抗体分子を投与される前、例えば、抗PD−1抗体分子の最初の投与前、少なくとも1日、3日、7日、14日または28日または少なくとも1ヶ月、2ヶ月または3ヶ月使用する。
他の実施態様において、対象は、治療(例えば、組み合わせ治療)中、対象が抗PD−1抗体分子を投与されている間、例えば、抗PD−1抗体分子の最初の投与から最後の投与の間、避妊を少なくとも1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回使用する。
さらに他の実施態様において、対象は、対象が抗PD−1抗体分子を投与された後、例えば、抗PD−1抗体分子の最後の投与後、少なくとも90日、100日、110日、120日、130日、140日、150日、160日、170日、180日、190日、200日、210日、220日、230日、240日、250日、260日、270日、280日、290日または300日または少なくとも3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、9ヶ月または10ヶ月の期間、避妊を使用する。
対象は、種々のタイプの避妊(例えば、避妊薬)を使用し得る。例えば、避妊は、デバイス、薬物、方法またはこれらの任意の組み合わせであり得る。対象により使用され得る避妊(例えば、避妊薬)のタイプの例は、避妊インプラント(例えば、エトノゲストレル(etonogestrel))、避妊パッチ、避妊ピル(例えば、プロゲスチンおよび/またはエストロゲン)、避妊スポンジ(例えば、メドロキシプロゲステロン)、避妊スポンジ、避妊膣リング、避妊としての授乳、子宮頸キャップ、コンドーム、ペッサリー、女性コンドーム、生殖教育に基づく方法、子宮内デバイス(IUDまたはコイル)、モーニングアフターピル(緊急避妊)、膣外性交、殺精子剤、女性不妊手術(卵管不妊手術)、精管切除術、抜去(膣外射精方法)またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
ある実施態様において、対象は、女性、例えば、女性の生殖能である。女性生殖能は、種々の因子、例えば、年齢、健康、遺伝、病態または環境暴露により影響され得る。ある実施態様において、対象は15〜50歳、例えば、18〜45歳、20〜40歳または25〜35歳である。ある実施態様において、対象は少なくとも20歳、25歳、30歳、35歳、40歳または45歳である。
バイオマーカー
本発明はまた、対象(例えば、癌、例えば、ここに記載する癌を有する対象)におけるここに記載する治療(例えば、組み合わせ治療)の有効性を評価またはモニタリングする方法に関する。本方法は、治療に対する有効性の数値を獲得することを含み、ここで、該数値は治療有効性の指標である。
ある実施態様において、治療に対する有効性の数値は、次のものの1、2、3、4、5、6、7、8、9またはそれ以上(例えば、全て)の測定を含む。
(i)腫瘍浸潤リンパ球(TIL)表現型のパラメータ;
(ii)骨髄細胞集団のパラメータ;
(iii)表面発現マーカーのパラメータ;
(iv)免疫性応答バイオマーカーのパラメータ;
(v)全身性サイトカイン調節のパラメータ;
(vi)循環遊離DNA(cfDNA)のパラメータ;
(vii)全身性免疫調節のパラメータ;
(viii)マイクロバイオームのパラメータ;
(ix)循環免疫細胞の活性化マーカーのパラメータ;または
(x)循環サイトカインのパラメータ。
ある実施態様において、TIL表現型のパラメータは、対象、例えば、対象からのサンプル(例えば、腫瘍サンプル)における、TIL計数用ヘマトキシリン・エオシン(H&E)染色、CD8、FOXP3、CD4またはCD3の1、2、3、4またはそれ以上(例えば、全て)のレベルまたは活性を含む。ある実施態様において、骨髄細胞集団のパラメータは、対象、例えば、対象からのサンプル(例えば、腫瘍サンプル)におけるCD68またはCD163の一方または両方のレベルまたは活性を含む。ある実施態様において、表面発現マーカーのパラメータは、対象、例えば、対象からのサンプル(例えば、腫瘍サンプル)におけるPD−L1、LAG−3またはTIM−3の1、2またはそれ以上(例えば、全て)のレベルまたは活性を含む。ある実施態様において、免疫性応答バイオマーカーのパラメータは、対象、例えば、対象からのサンプル(例えば、腫瘍サンプル)における1以上の核酸ベースのマーカーのレベルまたは配列を含む。ある実施態様において、全身性サイトカイン調節のパラメータは、対象、例えば、対象からのサンプル(例えば、血液サンプル、例えば、血漿サンプル)における、IL−18、IFN−γ、ITAC(CXCL11)、IL−6、IL−10、IL−4、IL−17、IL−15またはTGF−ベータの1、2、3、4、5、6、7、8またはそれ以上(例えば、全て)のレベルまたは活性を含む。ある実施態様において、cfDNAのパラメータは、対象、例えば、対象からのサンプル(例えば、血液サンプル、例えば、血漿サンプル)における、1以上の循環腫瘍DNA(cfDNA)分子の配列またはレベルを含む。ある実施態様において、全身性免疫調節のパラメータは、対象、例えば、対象からのサンプル(例えば、血液サンプル、例えば、PBMCサンプル)における活性化免疫細胞、例えば、CD3発現細胞、CD8発現細胞または両方の表現型特徴付けを含む。ある実施態様において、マイクロバイオームのパラメータは、対象、例えば、対象からのサンプル(例えば、便サンプル)におけるマイクロバイオームの1以上の遺伝子の配列または発現レベルを含む。ある実施態様において、循環免疫細胞の活性化マーカーのパラメータは、サンプル(例えば、血液サンプル、例えば、血漿サンプル)における循環CD8+、HLA−DR+Ki67+、T細胞、IFN−γ、IL−18またはCXCL11(IFN−γ誘発CCK)発現細胞の1、2、3、4、5またはそれ以上(例えば、全て)のレベルまたは活性を含む。ある実施態様において、循環サイトカインのパラメータは、対象、例えば、対象からのサンプル(例えば、血液サンプル、例えば、血漿サンプル)におけるIL−6のレベルまたは活性を含む。
ある実施態様において、評価またはモニタリングは、バイオマーカー解析を含む。例えば、治療の有効性は、ここに記載する1以上のバイオマーカーの分子レベルおよび/または細胞レベルで評価またはモニターされ得る。ある実施態様において、マーカーの変化は、臨床結果と関係し得る。バイオマーカーおよびサンプルコレクションの例を表8に記載する。
ある実施態様において、評価可能な対の腫瘍サンプルを、腫瘍微小環境に対する薬力学的効果の評価のために得る。ある実施態様において、腫瘍サンプルは、スクリーニング時および約2サイクルの治療後得る。他の実施態様において、腫瘍サンプルを、処置中に生じる疾患進行時に得る。
ある実施態様において、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)計数のためのヘマトキシリン・エオシン(H&E)染色スライドの初期評価を、腫瘍微小環境のさらなるIHC解析、例えば、TILのIHC(例えば、CD8、CD3、CD4またはFOXP3)、骨髄細胞集団(例えば、CD163またはCD68)、表面マーカー、例えば、LAG−3、TIM−3またはPD−L1による特徴付けの1以上のガイドとして使用する。核酸ベースの(DNAまたはRNA配列決定または定量化)または他の方法などの免疫性応答のバイオマーカーを評価する他の方法を、この急速に発展している科学分野において用い得る。
腫瘍生検におけるリンパ球およびマクロファージを含む免疫細胞による腫瘍浸潤の程度、制御性T細胞変化および/または遺伝子発現変化は、ある組み合わせの何らかの利益の決定に貢献し得る。
ある実施態様において、血液サンプルを、血漿におけるサイトカイン循環レベルおよび循環免疫細胞における活性化のマーカーを特徴付けるために、表8に特定したとおり採取する。理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、循環CD8+、HLA−DR+Ki67+、T細胞、IFN−γ、IL−18またはCXCL11(IFN−γ誘発CCK)発現細胞の1以上の数の増加は、既存の刺激された免疫応答の拡張を示し、一方IL−6の減少は、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)減少の指標であると考えられる(Herbst et al. (2016) Lancet 387(10027):1540-50; Tumeh et al. (2014) Nature p. 568-71; Powles et al. (2014) Nature p. 558-62)。ある実施態様において、血液サンプルをスクリーニング時および/または処置終了時に得て、例えば、臨床結果との何らかの相関を評価するために、循環遊離DNA(cfDNA)を分析する。あらゆる付加的マーカーまたは当分野で知られる方法も利用できる。ある実施態様において、組み合わせ化合物特異的マーカーを、先に確立された用量より低いまたは低い可能性のある治療において使用される低用量での薬力学的活性決定のために実施する。
核酸
本発明はまた、ここに記載の抗PD−1抗体分子の重鎖および軽鎖可変領域およびCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含む核酸にも関する。例えば、本発明は、ここに開示する抗体分子の1以上から選択される抗PD−1抗体分子の重鎖および軽鎖可変領域それぞれをコードする第一および第二核酸に関する。核酸は、ここに記載する表に示すヌクレオチド配列またはそれに実質的に同一の配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一またはここに記載する表に示す配列と3、6、15、30または45ヌクレオチドを超えて異ならない配列)を含み得る。
ある実施態様において、核酸は、ここでの表に示すアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一および/または1以上の置換、例えば、保存的置換を有する配列)を含み得る。他の実施態様において、核酸は、ここでの表に示すアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一および/または1以上の置換、例えば、保存的置換を有する配列)を含み得る。さらに他の実施態様において、核酸は、ここでの表に示すアミノ酸配列を有する重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも少なくとも1、2、3、4、5または6のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一および/または1以上の置換、例えば、保存的置換を有する配列)を含み得る。
ある実施態様において、核酸は、ここでの表に示すヌクレオチド配列を有する重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一および/またはここに記載するストリンジェンシー条件下でハイブリダイズできる配列)を含み得る。他の実施態様において、核酸は、ここでの表に示すヌクレオチド配列を有する軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一および/またはここに記載するストリンジェンシー条件下でハイブリダイズできる配列)を含み得る。さらに他の実施態様において、核酸は、ここでの表に示すヌクレオチド配列を有する重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5または6のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一および/またはここに記載するストリンジェンシー条件下でハイブリダイズできる配列)を含み得る。
他の態様において、本発明は、ここに記載する核酸を含む宿主細胞およびベクターに関する。核酸は、下に詳述するとおり、単一ベクターまたは同じ宿主細胞もしくは別々の宿主細胞に存在する別々のベクターに存在してよい。
ある実施態様において、抗PD−1抗体分子の重鎖および軽鎖可変領域、CDR、超可変ループ、フレームワーク領域をコードする一方または両方ヌクレオチド配列を含む1以上の核酸分子が提供される。ある実施態様において、抗PD−1抗体分子をコードするヌクレオチド配列は、コドン最適化される。例えば、本発明は、例えば、表1に要約する、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかの1以上から選択される抗PD−1抗体分子の重鎖および軽鎖可変領域それぞれをコードする第一および第二核酸またはそれに実質的に同一の配列に関する。例えば、核酸は、表1および2に示すヌクレオチド配列またはそれに実質的に同一の配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一または表1および2に示す配列と3、6、15、30または45ヌクレオチドを超えて異ならない配列)を含み得る。
他の実施態様において、核酸分子は、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび/または重鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列または表1に記載するまたは表1におけるヌクレオチド配列または前記配列と実質的に同一の配列(例えば、少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一の配列)を含む。
他の実施態様において、核酸分子は、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eのアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインおよび/または軽鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列または表1に記載するまたは表1におけるヌクレオチド配列または前記配列と実質的に同一の配列(例えば、少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一の配列)を含む。
抗PD−1重鎖および軽鎖可変ドメインおよび定常領域をコードする前記ヌクレオチド配列は別々の核酸分子または同じ核酸分子に存在し得る。ある実施態様において、核酸分子は、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列、例えば、表4に示すリーダー配列またはそれと実質的に同一の配列を含む。
ある実施態様において、核酸分子は、表1に示すアミノ酸配列またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一であるおよび/または1、2、3またはそれ以上の置換、挿入または欠失、例えば、保存的置換を有する配列)を有する重鎖可変領域からの少なくとも1、2または3のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含む。
他の実施態様において、核酸分子は、表1に示すアミノ酸配列またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一であるおよび/または1、2、3またはそれ以上の置換、挿入または欠失、例えば、保存的置換を有する配列)を有する軽鎖可変領域からの少なくとも1、2または3のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を有する。
さらに他の実施態様において、核酸分子は、表1に示すアミノ酸配列またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一であるおよび/または1、2、3またはそれ以上の置換、挿入または欠失、例えば、保存的置換を有する配列)を有する重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5または6のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含む。
ある実施態様において、核酸分子は、軽可変領域の102位の軽鎖CDR3に置換、例えば、表1による軽可変領域の102位に、システイン残基からチロシン残基またはシステイン残基からセリン残基への置換を含む抗PD−1抗体分子をコードするヌクレオチド配列を含む(例えば、マウスまたはキメラについて配列番号16または24または修飾配列について配列番号34、42、46、54、58、62、66、70、74または78の何れか)。
他の実施態様において、核酸分子は、表1および2に要約する、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかについての、1以上の重鎖フレームワーク領域(例えば、VHFW1(タイプa)、VHFW1(タイプb)、VHFW2(タイプa)、VHFW2(タイプb)、VHFW2(タイプc)、VHFW3(タイプa)、VHFW3(タイプb)またはVHFW4の何れかまたはこれらの任意の組み合わせ、例えば、フレームワークここに記載する組み合わせ物)またはそれに実質的に同一の配列を含む。例えば、核酸分子は表1および2に示すヌクレオチド配列またはそれに実質的に同一の配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一または表1および2に示す配列と3、6、15、30または45ヌクレオチドを超えて異ならない配列)を含み得る。
他の実施態様において、核酸分子は、表1および2に要約する、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−DまたはBAP049−Clone−Eの何れかの1以上の軽鎖フレームワーク領域(例えば、VLFW1(タイプa)、VLFW1(タイプb)、VLFW1(タイプc)、VLFW1(タイプd)、VLFW1(タイプe)、VLFW2(タイプa)、VLFW2(タイプb)、VLFW2(タイプc)、VLFW3(タイプa)、VLFW3(タイプb)、VLFW3(タイプc)、VLFW3(タイプd)またはVLFW4の何れかまたはこれらの任意の組み合わせ、例えば、フレームワークここに記載する組み合わせ物)またはそれに実質的に同一の配列を含み得る。例えば、核酸分子は、表1および2に示すヌクレオチド配列またはそれに実質的に同一の配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一または表1および2に示す配列と3、6、15、30または45ヌクレオチドを超えて異ならない配列)を含み得る。
他の実施態様において、核酸分子は、ここに記載する1以上の重鎖フレームワーク領域および1以上の軽鎖フレームワーク領域を含む。重鎖および軽鎖フレームワーク領域は、同じベクターまたは別々のベクターに存在し得る。
ベクターおよび宿主細胞
他の態様において、本発明は、ここに記載する核酸を含む宿主細胞およびベクターに関する。核酸は、単一ベクターまたは同じ宿主細胞もしくは別々の宿主細胞に存在する別々のベクターに存在し得る。
ある実施態様において、ベクターは、ここに記載する抗体分子をコードするヌクレオチドを含む。ある実施態様において、ベクターは、ここに記載するヌクレオチド配列を含む。ベクターは、ウイルス、プラスミド、コスミド、ラムダファージまたは酵母人工的染色体(YAC)を含むが、これらに限定されない。
多数のベクター系が用いられ得る。例えば、あるベクター群は、例えば、ウシ乳頭腫ウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルス、レトロウイルス(ラウス肉腫ウイルス、MMTVまたはMOMLV)またはSV40ウイルスなどの、動物ウイルス由来のDNA要素を利用する。他のベクター群は、セムリキ森林ウイルス、東部馬脳炎ウイルスおよびフラビウイルスなどのRNAウイルスからのRNA要素を利用する。
さらに、染色体にDNAが安定に統合されている細胞を、トランスフェクト宿主細胞の選択を可能にする1以上のマーカーの導入により選択し得る。マーカーは、例えば、栄養要求性宿主に対するプロトトロピー、殺生物剤耐性(例えば、抗生物質)または銅などの重金属に対する耐性などを提供し得る。選択可能マーカー遺伝子は、発現させるDNA配列に直接連結しても、共形質転換により同じ細胞に導入してもよい。さらなる要素が、mRNAの最適合成に必要であるかもしれない。これらの要素は、スプライスシグナル、ならびに転写プロモーター、エンハンサーおよび停止シグナルを含み得る。
構築物を含む発現ベクターまたはDNA配列が発現のために調製されたら、発現ベクターを、適切な宿主細胞にトランスフェクトまたは導入し得る。例えば、プロトプラスト融合、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、レトロウイルス伝達、ウイルストランスフェクション、遺伝子銃、脂質ベースのトランスフェクションまたは他の慣用の技術などの、種々の技術をこの達成のために用い得る。プロトプラスト融合の場合、細胞を培地で増殖させ、適切な活性についてスクリーニングする。得られたトランスフェクト細胞の培養および産生された抗体分子の回収のための方法および条件は当業者に知られ、本記載に基づき、用いられる特定の発現ベクターおよび哺乳動物宿主細胞により変わるまたは最適化され得る。
本発明はまた、ここに記載する抗体分子をコードする核酸を含む宿主細胞も提供する。
ある実施態様において、宿主細胞は、抗体分子をコードする核酸を含むように遺伝子改変される。
ある実施態様において、宿主細胞は、発現カセットの使用により、遺伝子改変される。用語“発現カセット”は、このような配列と適合性の宿主における遺伝子の発現に影響を与え得るヌクレオチド配列をいう。このようなカセットは、プロモーター、イントロンを伴うまたは伴わないオープンリーディングフレームおよび停止シグナルを含む。例えば、誘導可能プロモーターなどの、発現の実施に必要なまたは有益なさらなる因子も使用してよい。
本発明はまた、ここに記載するベクターを含む宿主細胞も提供する。
細胞は、真核生物細胞、細菌細胞、昆虫細胞またはヒト細胞であり得るが、これらに限定されない。適当な真核生物細胞は、Vero細胞、HeLa細胞、COS細胞、CHO細胞、HEK293細胞、BHK細胞およびMDCKII細胞を含むが、これらに限定されない。適当な昆虫細胞は、Sf9細胞を含むが、これに限定されない。
ある実施態様において、宿主細胞は、真核生物細胞、例えば、哺乳動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞または原核生物細胞、例えば、大腸菌である。例えば、哺乳動物細胞は培養細胞または細胞株であり得る。哺乳動物細胞の例は、リンパ性細胞株(例えば、NSO)、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、COS細胞、卵母細胞およびトランスジェニック動物からの細胞、例えば、乳房上皮性細胞を含む。
下記実施例は、本発明の理解を助けるために示すが、その範囲を限定することを決して意図せず、かつそう解釈されてはならない。
実施例1:均一投与スケジュールの薬物動態分析
薬物動態(PK)モデリングに基づき、均一用量の利用が、患者に適切なC
min濃度での暴露を提供すると予測される。99.5%を超える患者がEC
50を超え、93%を超える患者はEC
90を超える。300mgを3週に1回(Q3W)または400mgを4週に1回(Q4W)を利用する例示的抗PD−1抗体分子についての予測定常状態平均C
minは、平均で20μg/mL(最高体重、150kg)を超えると予測される。
何れかの用量/レジメン(300mg q3wまたは400mg q4w)で観察された実験的抗PD−1抗体分子の予測平均定常状態Cmin濃度は、EC50(0.42μg/mL)より少なくとも77倍高く、EC90より約8.6倍高い。エクスビボ効力は、SEBエキソビボアッセイにおけるIL−2変化に基づく。
10%未満の患者が、300mg Q3Wまたは400mg Q4W何れかで3.6μg/mLより低いCmin濃度を達成すると予測される。0.5%未満の患者が、300mg Q3Wまたは400mg Q4W何れかで0.4μg/mL以下のCmin濃度を達成すると予測される。
同じ用量の例示的抗PD−1抗体分子を受けるが、体重が異なる患者にわたる予測Cトラフ(Cmin)濃度を図12に示す。体重ベースの投与を、固定用量と比較する(3.75mg/kg Q3W対300mg Q3Wおよび5mg/kg Q4W対400mg Q4W)。図12は、実験的抗PD−1抗体分子の均一投与を支持する。
PKモデルはさらに検証される。図13に示すとおり、実測値対モデル予測濃度は、同一線上にある。図14A〜14Bは、モデルが蓄積、経時変化および対象内変動を捕捉することを示す。
実施例2:抗PD−1抗体と化合物A21の組み合わせのインビボ薬理試験
化合物A21を、マウス同一遺伝子腫瘍モデル、MC38において例示的抗PD−1抗体分子とインビボで組み合わせた。C57Bl/6マウスに1×106 MC38細胞/マウスをインプラントした。媒体および化合物A21(50mg/kg経口1日2回QW)を、腫瘍インプラント後4日目から開始して、4回投与した。アイソタイプおよび抗マウスPD−1は、10mg/kg IV QWで与えられた。
図15に示すとおり、LCL161単剤有効性と無関係に、相乗的活性が化合物A21(100mg/kg経口週1回、50mg/kg、b.i.d.に分けて投与)および抗PD−1抗体(10mg/kg IV週1回)の組み合わせで観察された。組み合わせコホートは4完全奏効(CR)を達成したが、何れの単剤処置もCRをもたらさなかった。
実施例3:抗PD−1抗体とパノビノスタット(化合物A19)の組み合わせのインビボ薬理試験
パノビノスタット(化合物A19)を、マウス同一遺伝子腫瘍モデル、MC38において、インビボで例示的抗PD−1抗体分子と組み合わせた。パノビノスタット(化合物A19)を、承認用量およびスケジュールで処置されている患者で見られるのと同等の薬物暴露をもたらす用量である、12mg/kg隔日で投与した。単剤パノビノスタットおよび組み合わせでいくぶん体重減少が観察され、パノビノスタット投与完了後、回復した。図16A〜16Bに示すとおり、実質的相乗的活性がパノビノスタット(化合物A19)と抗PD1抗体分子(10mg/kg IV 週1回)の組み合わせで観察され、組み合わせで処置した全10動物がCRを達成し、これと比較して、単剤PD−1阻害剤で処置した10動物中3匹または単剤パノビノスタットで処置した10動物中2匹がCRであった。
実施例4:抗PD−L1抗体と化合物A40の組み合わせのインビボ薬理効果
化合物A40を、インビボでA20リンパ腫モデルにおいて例示的抗PD−L1抗体分子と組み合わせた。図17に示すとおり、抗PD−L1抗体と化合物A40の組み合わせまたは抗PD−L1抗体とイブルチニブの組み合わせは、何れの単剤よりも有効であった。化合物A40およびイブルチニブを10日のみ投与し、計5回抗PD−L1−抗体を投与した。化合物A40およびイブルチニブが一過性にしか投与されていないにもかかわらず、生存に対する化合物A40+抗PD−L1抗体およびイブルチニブ+抗PD−L1抗体の効果は、60日を超えて持続した。図18に示すとおり、抗PD−L1抗体と化合物A40の組み合わせはまた、A20リンパ腫同種移植片担持マウスの腫瘍退縮ももたらした。
実施例5:進行型固形腫瘍を有する患者における例示的抗PD−1抗体分子によるファースト・イン・ヒューマンI/II相試験
抗体分子
ここで試験した例示的抗体分子(BAP049−Clone−E)は、プログラム細胞死リガンド−1(PD−L1)およびプログラム細胞死リガンド−2(PD−L2)のPD−1への結合を遮断するヒト化抗プログラム死−1(PD−1)IgG4モノクローナル抗体(mAb)である。本品は、高親和性でPD−1に結合し、その生物学的活性を阻害する。この抗体分子のアミノ酸配列は、本明細書の表1に記載されている(VH:配列番号38;VL:配列番号70)。前臨床毒性試験の結果は、有利な安全性プロファイルを有することを示している。その薬力学的活性もインビボで示されている。この実施例は、進行型固形腫瘍を有する成人におけるこの抗体分子のファースト・イン・ヒューマンヒトI/II相試験のデータを示す。
方法
試験設計および処置
図19は、進行型固形腫瘍を有する患者に投与した該例示した抗体分子の安全性および有効性のI/II相、多施設、オープンラベル用量漸増および拡大試験のための試験デザインを示す。
患者を、許容されない毒性、改変固形腫瘍における免疫関連応答評価基準(irRC)による疾患進行(全ての測定される標的病変の直径の合計が≧20%増加として定義される。進行は、ベースライン時またはその後に記録された全標的病変の直径の最小合計を対照とし、≧4週間後の二回目の評価で確認することとした。合計は、≧5mmの絶対増加も示さなければならない。)および/または治験医もしくは患者の意向での処置中断まで、該抗体分子で処置する。
試験の用量漸増期では、抗体分子を、2週毎(Q2W)または4週毎(Q4W)に静脈内投与(i.v.)した。抗体分子の、1mg/kg Q2W、3mg/kg Q2W、10mg/kg Q2W、3mg/kg Q4Wおよび5mg/kg Q4Wの5投与レジメンを評価した。患者は、最大耐用量(MTD)に達するまでまたは低推奨II相用量(RP2D)が確立されるまで、抗体分子で処置した。抗体分子についての用量−曝露量相関性のベイズ線形モデルおよび過大用量制御原理を伴う漸増に従うアダプティブベイズロジスティック回帰モデルを、用量漸増の指針として使用した。
試験目的およびエンドポイント
本試験の目的およびエンドポイントを表9に示す。
AE、有害事象;AUC、曲線下曲線;DCR、疾患制御率;DLT、用量規制毒性;DOR、応答期間;ECG、心電図;i.v. 静脈内;ORR、客観的奏効率;PK、薬物動態;PFS、無進行生存;SAE、重大有害事象。
主要編入基準
標準治療に関わらず進行したまたは標準治療に不耐容であるまたは標準治療が存在しない、固形腫瘍における応答評価基準(RECIST)のバージョン1.1により決定して、測定可能または測定不可能な疾患である進行型/転移固形腫瘍を有する患者を編入した。米国東部癌治療共同研究グループ一般状態は≦2であった。腫瘍は生検可能であり、患者は、ベースラインおよび試験薬物での治療中の腫瘍生検に同意した。
主要除外基準
症候性中枢神経系(CNS)転移または局所CNS指向性治療(例えば放射線療法または手術)を必要とするCNS転移を有するかまたは前2週でコルチコステロイドの用量を増加した患者を除外した。患者は、試験処置剤の最初の投与の2週以内または先のPD−1もしくはPD−L1指向性治療前に全身抗癌治療を受けたならば、除外した。副腎不全の場合の補充用量ステロイド以外の全身ステロイド治療での慢性的処置を必要とするまたは他のmAbへの重篤な過敏症反応の病歴を有する患者も除外した。
評価
有害事象(AE)を、National Cancer Instituteの有害事象共通用語規準(NCI CTCAE)のversion 4.03を使用して段階分けした。多数の時点(Q2Wについて投与後336時間およびQ4Wについて投与後672時間まで)にまたがる包括的薬物動態(PK)サンプリングを、I相の全患者から得た。予備的集団PK分析を実施して、PKパラメータを推定し、クリアランスおよび分布量を共変数として、体重の影響を評価した。放射線応答を、RECIST version 1.1によるコンピュータ断層撮影(CT)により実施した。走査をサイクル3の1日目からサイクル11の1日目まで2サイクル毎、次いでirRCによる疾患進行または患者離脱まで3サイクル毎に行った。バイオマーカー分析について、保存腫瘍サンプルおよび新たに得た処置前腫瘍生検サンプルをスクリーニング時に集めた。さらなる腫瘍生検サンプルを処置中に得た。
結果
患者人口統計学および特徴
表10に示すとおり、58患者が、試験のI相部分に参加した。患者は、多様な範囲の進行型固形腫瘍を呈した。4/58(7%)患者は、0の先の抗新生物レジメンを受けており、7/58(12%)は1つの先の抗新生物レジメンを受けており、13/58(22%)は2つの先の抗新生物レジメンを受けており、34/58(59%)は≧3の先の抗新生物レジメンを受けていた。
ECOG、米国東部癌治療共同研究グループ;NSCLC、非小細胞肺癌;RCC、腎細胞癌;SCLC、小細胞肺癌;TNBC、トリプルネガティブ乳癌;WHO、世界保健機関。
患者の処置および曝露
表11に示すとおり、11/58(19%)患者が治験薬物を受けた。データカットオフ時の58患者について、46患者が>8週、34患者が>12週、20患者が>20週、6患者が>36週治験に参加していた。表11はまた処置修了の主理由が疾患進行で、39/58(67%)患者で生じたことも示す。I相患者において、曝露の中央期間は14週(範囲2〜46)であり、II相患者において、曝露の中央期間は2.86週(範囲0.6〜9.9)であった。
用量制限的毒性(DLT)、臨床的PKおよびRP2D
用量制限的毒性は報告されなかった。用量および投与レジメンによる抗体分子について濃度−時間プロファイルを予測するモデル(利用可能であるとき、サイクル1/サイクル3;片対数図)を図14に示す。最高血清濃度(Cmax)は、一般に点滴修了1時間後に生じた。曝露のほぼ用量比例的増加が1〜10mg/kgで観察された。抗体分子は、3mg/kg Q2Wまたは5mg/kg Q4Wで、サイクル3に約1000μg*日/mLのAUC0〜336hを達成する。
約2.1〜3.4倍の蓄積がQ2W投与でおよび1.6〜2.2倍の蓄積がQ4W投与で観察された。PK変動は、低〜中程度、対象間変動(幾何平均CV%)はCmaxについて0.5〜39.2%AUC0〜336hについては3.6〜47.7%の範囲であった(サイクル1)。患者における予備的投与群PK分析からの推定半減期は20(95%CI:17〜23)日である。
投与群薬物動態(PK)分析に基づき、400mg Q4Wの均一用量が、約31μg/mL(90%CI:22〜42)の平均定常状態Cトラフ濃度を達成すると予測され、これは、0.42μg/mLのPD−1遮断についてのエクスビボEC50を超える(図12)。抗体分子の推奨II相用量(RP2D)は、それ故に400mg Q4Wとして選択された。300mg Q3Wの別の投与レジメンは、400mg Q4Wに類似した曝露を達成すると予測され、Q3Wスケジュールがより便利であるとき、組み合わせレジメンで使用できる。
安全性および耐容性
I相患者において、試験薬物との関連と無関係に、最も一般的な(患者の≧20%で生じる)全グレード有害事象(AE)は、悪心、疲労、貧血、下痢、呼吸困難、嘔吐、腹痛、食欲不振および便秘であった(表12)。試験薬物との関連と無関係に、最も一般的な(患者の≧10%で生じる)グレード3/4 AEは貧血であった。試験薬物との関連が疑われる、最も一般的な(患者の≧20%で生じる)全グレードAEは疲労であった。試験薬物との関連が疑われる、グレード3/4 AEは稀であり、患者の3.4%しか生じていない。投与コホートにまたがる有害事象プロファイルで、傾向は観察されなかった。
II相患者において、試験薬物との関連を無視した、最も一般的な(患者の≧10%で生じる)全グレードAEは、腹痛、便秘、咳嗽、食欲不振、呼吸困難、疲労およびガンマ−グルタミルトランスフェラーゼ上昇であった。試験薬物との関連を無視した、最も一般的な(患者の≧5%で生じる)グレード3/4は、腹痛およびガンマ−グルタミルトランスフェラーゼ上昇であった。試験薬物との関連が疑われる、最も一般的な(患者の≧5%で生じる)全グレードAEは、疲労、悪心および掻痒であった。試験薬物との関連が疑われるグレード3/4 AEは報告されなかった。
点滴反応または用量低減は報告されなかった。1患者で、試験薬物関連との関連は疑われない、有害事象(グレード3呼吸困難)により処置を中断した。
有効性
広範囲の腫瘍タイプにわたる全奏効率および疾患制御率は、それぞれ2%および41%であった(表13)。X線画像上評価可能な患者の各々の経時的な腫瘍負荷変化は図20に見ることができる。I相のカットオフ時点で試験継続中の患者の確定診断は、脂肪肉腫(2患者)、精巣癌、非定型肺カルチノイド、未分化甲状腺癌、メルケル細胞癌、明細胞腎細胞癌、黒色腫およびトリプルネガティブ乳癌(TNBC)を含んだ。図21A〜21Bに示すとおり、転移非定型肺カルチノイド腫瘍を有する1患者で、偽性増殖後の部分応答が観察された。図21Cに示すとおり、高レベルのCD8
+ Tリンパ球を、サイクル2 1日目の間に、この患者から得た腫瘍サンプルにおいて、免疫組織化学染色により検出した。
まとめ
該例示的抗体分子は、十分耐容性であり、管理可能な安全性プロファイルを有した。RP2Dは400mg Q4Wとして選択された。300mg Q3Wの別の投与スケジュールは、同様の曝露を達成すると予測され、抗体分子を含むある組み合わせ処置レジメンの評価のための、より便利な代替法であり得る。1患者における予備的有効性データは、臨床的活性PD−1阻害剤について予想どおり、CD8+ Tリンパ球の活性増強により駆動される、抗腫瘍応答を示唆する。
実施例6:抗PD−1抗体と化合物A15の組み合わせのインビボ薬理試験
化合物A15を、TAMの存在および抗PD−1に対する応答に基づき選択した、MC38同一遺伝子結腸直腸癌モデルにおいて、例示的抗PD−1抗体分子と組み合わせて試験した。図22A〜22Cに示すとおり、抗PD−1抗体と化合物A15の組み合わせは、腫瘍増殖を阻害し、抗PD−1単独と比較して生存を増強させた。この研究において、抗PD−1抗体分子と組み合わせた化合物A15(200mg/kg)の毎週投与(11中8の完全レスポンダー)は、抗PD−1抗体分子の毎週投与と組み合わせた化合物A15(200mg/kg)の連日投与(11中4の完全レスポンダー)および抗PD−1抗体分子単独(11中5の完全レスポンダー、毎週投与)よりも効果的であった。化合物A15の毎週スケジュールの2回目投与2日後にTAMの中程度の減少が観察された。化合物A15および抗PD−1組み合わせの毎週スケジュールにより観察されたTAM動態は、TAMの数が2回目投与7日後に正常に戻ったため、一過性であった。腫瘍Tregの減少が、毎週スケジュールで化合物A15+抗PD−1抗体分子により、試験した全時点(投与2日および7日後)に観察された。
実施例7:抗PD−1抗体と組み合わせた抗PD−L1抗体のMC38結腸癌モデルにおける活性
例示的抗PD−1抗体分子と例示的抗PD−L1抗体分子の組み合わせを、結腸腺癌のMC38マウスモデルで試験した。サロゲート抗マウスPD−1抗体、RMP1−14を使用した。図23に示すとおり、RMP1−14と抗PD−L1抗体分子の共投与は、このモデルにおいて、両方の単剤と比較して、抗腫瘍活性の増強がもたらされた。特異的に、組み合わせでの抗PD−L1抗体分子およびRMP1−14は、4/10動物の完全奏効をもたらし、同時に3/10動物が部分応答を示した。さらに、組み合わせ治療は、エンドポイントまでの中央時間の46日の非有意な延長をもたらしており、これは、アイソタイプ処置動物より21日長く、各抗体単独より20日長かった。
図および表を含む他の実施態様および実施例は、引用により全体を本明細書に包含させる“PD−1に対する抗体分子およびその使用”なる表題の国際特許出願公開WO2015/112900号および米国特許出願公開US2015/0210769号、に開示される。
引用による取り込み
ここに記載する全刊行物、特許および受入番号は、各個々の刊行物および特許が明示的にかつ個別的に引用により本明細書に包含されると示されているのと同様に、引用によりその全体を本明細書に包含させる。
均等物
対象発明の特定の実施態様が記載されているが、上記明細書は説明的であり、制限的ではない。本発明の多くのバリエーションが本明細書および添付の特許請求の範囲の記載から、当業者には明らかとなる。本発明の完全な範囲は、特許請求の範囲をその完全な範囲の均等物と共におよび明細書をそのようなバリエーションと共に引用して、決定すべきである。