JP2017194662A - 感光性組成物、カラーフィルタ用感光性組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

感光性組成物、カラーフィルタ用感光性組成物、およびカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、低い硬化温度でも薬品耐性を付与することが可能であり、かつ、脱ガスや相溶性の問題のない感光性組成物を提供することである。
【解決手段】上記課題は、フリル基を含む化合物(A)と光重合性官能基を含む化合物(B)と光重合開始剤(C)とを含む感光性組成物によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、薬品耐性に優れた膜あるいは微細パターンが得られる感光性組成物に関する。本発明の感光性組成物は、カラー液晶表示装置、カラー有機EL表示装置、固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタ、ブラックマトリックス、カラーフィルタ保護膜、フォトスペーサー、液晶配向用突起、マイクロレンズ、タッチパネル用絶縁膜、フレキシブルプリント配線板周辺などの電子材料用接着剤や接着シートなどを含めた幅広い用途に用いることができる。
一般に、有機EL表示装置(特に白色発光有機ELとカラーフィルタを組み合わせるWRGB方式)、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子などには、カラーフィルタ、ブラックマトリックス、カラーフィルタ保護膜、フォトスペーサー、液晶配向用突起、あるいは、マイクロレンズ、タッチパネル用絶縁膜などの膜や微細パターンが設けられている。これらの膜あるいは微細パターンは、透明性などの光学特性が求められる一方、他の部材の形成や組み立てなどの後工程を行う際に、薬品耐性などが求められる。そのため、感光性組成物にあらかじめ熱架橋剤を添加して、光硬化と熱硬化を行うことで、薬品耐性に優れた膜あるいは微細パターンを形成することが知られている。(例えば特許文献1および2)
また近年、ディスプレイのフレキシブル化やウエアラブル化が進み、従来使用されてきたリジッドなガラス基板を使用せずにフレキシブル基材を使用して素子を作製するニーズが高まっている。フレキシブル基板の多くは有機系の素材からなり耐熱性がガラス基板よりも低いため、熱硬化温度を下げる必要がある。例えば、カラーフィルタは従来200〜230℃程度で熱硬化が行われてきたが、プラスチック製のフレキシブル基材を使用する場合はその耐熱性の問題から80〜150℃程度に熱硬化温度を下げる必要がある。特に有機EL表示装置に使用されるカラーフィルタにおいては高い色再現のために非常に濃い色を用いることが多いため、露光工程における光硬化がされにくく、より熱架橋の重要性が高く、低温での熱硬化性が求められる。
さらに、WRGB方式の有機EL表示装置に使用されるカラーフィルタ等では、感光性組成物の硬化物から脱ガスが発生することにより有機EL素子にダークスポットを発生させてしまうことが知られており、脱ガスの低減が求められている。
以上のように、低い硬化温度で感光性組成物の薬品耐性を付与しつつ、脱ガスを発生させない熱架橋系を感光性組成物中に添加することが求められているが、特許文献1および2に記載されているエポキシ樹脂、ブロックイソシアネート、メラミン樹脂には次のような課題がある。
エポキシ樹脂を添加すると、特許文献2に記載されているとおり、感光性組成物を180℃以上で熱硬化させ薬品耐性を付与することが可能であるが、それより低温での熱硬化については記載されていない。本発明者らの検討によると無触媒では80〜150℃という低温で薬品耐性を付与することは不可能であり、3級アミンや4級アンモニウム塩などを触媒として添加することで150℃以下の温度で硬化させることが可能である。しかし、添加する触媒の影響で、触媒の種類や量によっては、室温でも反応が少しずつ進行してしまい、保存安定性が悪いという問題や、触媒の溶解性がわるく塗液にブツが発生する場合がある。
ブロックイソシアネートを添加すると、特許文献1および2に記載されているとおり、感光性組成物を180℃以上で熱硬化させ薬品耐性を付与することが可能である。本発明者らの検討によっても150℃以下の低温硬化であっても薬品耐性を付与することは可能だが、ブロック化剤が硬化物に残存することで絶縁性へ悪影響を与えたり、脱ガスが発生して有機EL素子にダークスポットを発生させてしまうことがある。また、ブロック化剤の種類によっては加熱硬化時にブロック化剤が空気中に飛散し、作業者あるいは環境に悪影響を与える懸念や、光学特性が低下する懸念などがある。さらに、多くのブロックイソシアネートはアクリル系の感光性組成物との相溶性が悪く、白化が起こる場合がある。
メラミン樹脂についてもブロックイソシアネートと同様、150℃以下の低温硬化であっても薬品耐性を付与することが可能だが、加熱硬化時や硬化後にホルムアルデヒドが発生することから有機EL素子のダークスポット、作業者・環境への悪影響などの懸念がある。また、低温硬化可能なメラミンの多くは極性が高く、アクリル系の感光性組成物との相溶性が悪く、白化が起こる場合がある。
150℃以下の低温で硬化させて薬品耐性を付与することができ、かつ、脱ガスの発生のなく、アクリル系の感光性組成物との相溶性がよい架橋系としてジエン構造とジエノフィル構造とのDiels−Alder反応を利用することが開示されている(例えば特許文献3)。しかし、特許文献3では、熱スタンプや赤外線を吸収する光熱変換材料を利用してパターンを形成する方法が示されているが、この方法についても未だ改善の余地がある。
特開2013−195956号公報 特開2011−93955号公報 特開2000−233581号公報
本発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであり、低い硬化温度でも薬品耐性を付与することが可能であり、かつ、脱ガスや相溶性の問題のない感光性組成物の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、感光性組成物中にフリル基を含む化合物と光重合性官能基を含む化合物と光重合開始剤とを含むことで、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様は、フリル基を含む化合物(A)、光重合性官能基を含む化合物(B)、光重合開始剤(C)、および着色剤を含有する、カラーフィルタ用感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、アルカリ可溶性である、上記のカラーフィルタ用感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、フリル基を含む化合物(A)がカルボキシル基を含む、上記のカラーフィルタ用感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、フリル基を含む化合物(A)が、フリル基を含む単量体(a−1)と、カルボキシル基を含む単量体(a−2)と、を含む単量体(a)をラジカル重合してなる重合体(A−1)である、上記のカラーフィルタ用感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、フリル基を含む単量体(a−1)がフルフリルメタクリレートを含む、上記のカラーフィルタ用感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、カルボキシル基を含む単量体(a−2)が下記一般式[6]で表される化合物を含む、上記のカラーフィルタ用感光性組成物に関する。
一般式[6]
Figure 2017194662

[式中R11は水素原子またはメチル基であり、R12およびR13は、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基であり、R12とR13は同一であっても異なっていても良い。]
また、本発明の一態様は、単量体(a)が、さらに、メチルメタクリレートおよび/または下記一般式[7]で表される化合物を含む、上記のカラーフィルタ用感光性組成物に関する。
一般式[7]
Figure 2017194662

[式中R14は水素原子またはメチル基であり、R15は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、または芳香族炭化水素基であり、R16は、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基である。]
また、本発明の一態様は、重合体(A−1)の重量平均分子量が2000〜70000である、上記のカラーフィルタ用感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、光重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基および/またはマレイミド基を含む、上記のカラーフィルタ用感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、光重合性官能基がアクリロイル基を含む、上記のカラーフィルタ用感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、光重合性官能基を含む化合物(B)が、3官能以下のモノマーまたはオリゴマーを含む、上記のカラーフィルタ用感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、着色剤の含有量が、カラーフィルタ用感光性組成物の全不揮発分の10質量%以上である、上記のカラーフィルタ用感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、さらに、一般式(1)で表される化合物を含有する、上記のカラーフィルタ用感光性組成物に関する。
一般式(1):
Figure 2017194662

[一般式(1)中、Rは、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜30のアルアルキル基、または炭素数7〜30のアルカリール基を表し、
Xは、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアリーレン基、または炭素数1〜20のアルコキシレン基を表し、
、RおよびRは、互いに独立して、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜30のアルアルキル基、炭素数7〜30のアルカリール基、置換基を有するシロキサン基、ハロゲン、ヒドロキシ基、または水素原子を表す。]
また、本発明の別の一態様は、フリル基を含む化合物(A)、光重合性官能基を含む化合物(B)、および光重合開始剤(C)を含有し、
フリル基を含む化合物(A)が、フリル基を含む単量体(a−1)と、カルボキシル基を含む単量体(a−2)と、を含む単量体(a)をラジカル重合してなる重合体(A−1)であり、
カルボキシル基を含む単量体(a―2)が下記一般式[6]で表される化合物を含む、感光性組成物に関する。
一般式[6]
Figure 2017194662

[式中R11は水素原子またはメチル基であり、R12およびR13は、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基であり、R12とR13は同一であっても異なっていても良い。]
また、本発明の一態様は、光重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基および/またはマレイミド基を含む、上記の感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、光重合性官能基がアクリロイル基を含む、上記の感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、さらに、着色剤を含有する、上記のいずれか1項記載の感光性組成物に関する。
また、本発明の別の一態様は、フリル基を含む化合物(A)、光重合性官能基を含む化合物(B)、光重合開始剤(C)、および着色剤を含有し、
光重合性官能基がアクリロイル基を含む、感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、着色剤の含有量が、感光性組成物の全不揮発分の10質量%以上である、上記の感光性組成物に関する。
また、本発明の一態様は、透明基板上に、上記のカラーフィルタ用感光性組成物または上記の感光性組成物から形成されたフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを備える、カラーフィルタに関する。
また、本発明の一態様は、フレキシブル透明基板上に、上記のカラーフィルタ用感光性組成物または上記の感光性組成物から形成されたフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを備える、カラーフィルタに関する。
また、本発明の一態様は、有機EL表示装置用である、上記のカラーフィルタに関する。
本発明により、低い硬化温度でも薬品耐性を付与することが可能であり、かつ、脱ガスや相溶性の問題のない感光性組成物を提供することができた。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において(メタ)アクリレートとはアクリレートおよび/またはメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
<<感光性組成物の硬化方法と構成要素>>
まず、本実施形態の感光性組成物の硬化方法の例と構成する要素の組み合わせについて説明する。本実施形態の感光性組成物は、フリル基を含む化合物(A)と、光重合性官能基を含む化合物(B)と、光重合開始剤(C)を必須成分として含む。
本実施形態の感光性組成物は上記の構成を満たしていれば良く、作用や硬化プロセスに限定されるものではないが、例えば、光硬化を行ったのち熱硬化を行うことで、薬品耐性を上げることができる。その作用は次のように推測される。
まず、光硬化での反応は紫外線等の活性エネルギー線の照射によるラジカル重合であり、この段階では化合物(B)中の光重合性官能基の反応率は100%に達しないことは広く知られている。これが、硬化物の薬品耐性が十分でない原因の1つである。
続く熱硬化の段階では、化合物(B)中の未反応の光重合性官能基、未反応の光重合開始剤(C)および化合物(A)中のフリル基が熱ラジカル付加反応する。また、化合物(B)中の未反応の光重合性官能基中のジエノフィル構造と化合物(A)中のフリル基中のジエン構造がDiels−Alder反応する。前記熱ラジカル付加反応および/またはDiels−Alder反応によって硬化物の薬品耐性を向上させることができる。
前記ラジカル重合反応は、紫外線によって光重合開始剤(C)からラジカルが発生し、化合物(B)中の光重合性官能基がラジカル重合することによって起こる。光重合性官能基としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基、スチリル基、無水マレイン酸残基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
前記熱ラジカル付加反応は、光重合開始剤(C)が熱により開裂してラジカルを発生し、光重合性官能基のラジカル重合が起こるとともに、その重合成長末端のラジカルがフリル基に付加する反応と推測される。このような反応は、例えば非特許文献1(N. Davidenko et al., “Activity of the Furfuryl Ring in the Free Radical Polymerization of Acrylic Monomers, Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol. 34, 2759−2766 (1996))にもその機構が記載されている。
本発明者らは、感光性組成物の熱硬化、特には、80〜150℃等の低温硬化においても、光重合性官能基とフリル基を含む化合物(A)との熱ラジカル付加反応により架橋密度が向上し、薬品耐性を向上させる効果があることを見出した。特に、アクリレート基の成長ラジカルがフリル基へ付加反応しやすいため、光重合性官能基としてアクリロイル基を用いることが好ましい。
Diels−Alder反応は、反応に伴う脱離基がないため、脱ガスの問題がない。反応は光励起では起こらず、熱のみで進行する。触媒として後述するルイス酸を添加する場合もある。
Diels−Alder反応の反応温度はジエン構造とジエノフィル構造の組み合わせによって決まる。ジエノフィル構造として、感光性組成物に用いられる光重合性官能基、例えば上記の光重合性官能基を使用する場合、ジエン構造としてフリル基を用いることにより、低温の熱硬化温度、例えば80〜150℃で熱硬化させることができる。またジエノフィル構造として光重合性官能基のうち、マレイミドを用いることにより熱硬化性をより向上させることができる。
以上のことから、化合物(B)中の光重合性官能基としては、光硬化でラジカル重合しやすい(メタ)アクリロイル基、熱硬化でフリル基とラジカル付加反応しやすいアクリロイル基、フリル基とDiels−Alder反応しやすいマレイミド基が、光硬化および/または熱硬化時の反応性がともに良好であるため好ましい。
本実施形態の感光性組成物の用途は特に限定されないが、現像性を付与することにより、ネガ型のフォトレジストとして使用し、フォトリソグラフィーにより微細パターンを作製することもできる。その場合、フォトマスクを使用してパターン露光を行うことで感光性組成物を部分的に光硬化させ、未硬化部位を有機溶剤等で溶解させて現像し、残った光硬化部位を加熱することで熱硬化させればよい。フォトリソグラフィーの現像工程は有機溶剤やアルカリ水溶液を用いることができる。
本実施形態の感光性組成物をネガ型のフォトレジストとして使用する場合、アルカリ現像であるか溶剤現像であるかに関わらず、パターンの解像度と薬品耐性とを両立することができる。
フリル基を含む化合物(A)を含まない感光性組成物の場合は、薬品耐性を上げるために光重合性官能基や光重合開始剤の濃度を上げたり露光量を増やしたりして光硬化での架橋密度を上げる必要がある。しかし、これらの設計ではパターン露光した際にマスクの開口部の外にも光重合反応が拡散して起こりマスクサイズよりも大きい範囲で光硬化するため、現像した後にマスクサイズよりも大きいパターンが得られる傾向が強くなってしまう。また、光硬化プロセスで未反応の光重合性官能基は、露光、現像に続く熱硬化のプロセスでも80〜150℃というような低温では十分に熱重合が進まないために、熱硬化における薬品耐性向上の効果が得られにくい。従って、薬品耐性を向上させるためには光重合反応を促進する設計に頼らざるを得ず、パターンの解像度と薬品耐性とがトレードオフになってしまう。特に、カラーフィルタ用感光性組成物では、優れた現像性が求められるが、その一方で、着色剤を含有するために光硬化が進みにくく、特に低温硬化の条件では優れた薬品耐性を得ることは困難である。このため、現像性と薬品耐性の両立は非常に困難である。
そこで、フリル基を含む化合物(A)を含む本実施形態の感光性組成物を使用すると、光重合性官能基や光重合開始剤の濃度を上げず、また露光量もパターン露光部が現像時に溶解しない最低限の低さに抑えることでパターン露光時の過剰な光硬化を防ぎ、パターンの解像度を保ちつつ、現像後のパターン中の未反応の光重合性官能基を熱硬化のプロセスで熱ラジカル付加反応および/またはDiels−Alder反応させることで薬品耐性を向上することが可能であり、パターンの解像度と薬品耐性のトレードオフを脱することができる。従って、本実施形態の感光性組成物は、幅広い用途に適用することができるが、中でもカラーフィルタ用感光性組成物に好適に用いることができる。
薬品耐性を良好にするため、感光性組成物の固形分の合計100質量部中、光重合開始剤(C)を0.01〜60質量部で用いることが好ましく、0.1〜10質量部がより好ましく、0.5〜5.0質量部がさらに好ましい。また、感光性組成物の固形分から光重合開始剤(C)を除いた成分中、フリル基を含む化合物(A)の質量W(A)と、光重合性官能基を含む化合物(B)の質量W(B)との比率がW(A)/W(B)=95/5〜5/95となる範囲で用いることが好ましく、90/10〜10/90であることがより好ましく、60/40〜20/80であることがさらに好ましい。
感光性組成物はアルカリ可溶性であることが好ましく、そのためには、フリル基を含む化合物(A)および/または光重合性官能基を含む化合物(B)がアルカリ可溶性官能基を含んでいてもよいし、アルカリ可溶性官能基を含む化合物(D)(ただし、化合物(A)、化合物(B)である場合を除く)を感光性組成物中にさらに添加してもよい。
アルカリ可溶性官能基とは、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の無機アルカリ水溶液やジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリで中和され、水溶液中で膨潤・溶解する官能基のことであり、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられる。
次に、本実施形態の感光性組成物の各構成要素について説明する。
<<フリル基を含む化合物(A)>>
本実施形態のフリル基を含む化合物(A)は、感光性組成物中の光重合性官能基と熱硬化工程で熱ラジカル付加反応またはDiels−Alder反応することによって、感光性組成物に薬品耐性を付与する効果を奏すると推測される。フリル基を含む化合物(A)は、フリル基(フランから1つの水素原子を除いた基)を含んでいれば特にその構造が限定されるものではない。特許文献3をはじめ、特開1994−271558、特開1994−293830、特開1996−239421、特開1998−508655、特開2000−001529、特開2003−183348、特開2006−193628、特開2007−186684、特開2010−265377、特開2011−170069などに記載されている公知の化合物を用いることができ、低分子であっても高分子であっても良い。
低分子化合物としては、例えば、フリル基を含む単量体や、多官能イソシアネートとフリル基を含むアルコールとを反応させて得られる化合物等を挙げることができる。薬品耐性を上げるためには高分子であることがより好ましく、具体例としては、フリル基を有する、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリエーテル、無水マレイン酸を含む共重合体、エポキシ樹脂、フラン樹脂(フルフリルアルコールとホルムアルデヒドの縮合ポリマー)等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、混合物を使用することもできる。高分子は直鎖、分岐、星状などいずれでもよく、また、熱可塑性、熱硬化性のいずれでもよい。また、フリル基を含む化合物(A)中に、光重合性官能基をさらに含んでいても良い。
フリル基を含む化合物(A)は、感光性組成物の薬品耐性の点から、感光性組成物の固形分の合計100質量部中、5〜95質量部の量で用いることが好ましく、より好ましくは5〜70質量部、さらに好ましくは5〜50質量部である。また、本実施形態の感光性組成物に着色剤を添加して後述するカラーフィルタ用感光性組成物として使用する場合、フリル基を含む化合物(A)は、感光性組成物から着色剤を除いた成分の固形分の合計100質量部のうち、5〜95質量部の量で用いることが好ましく、より好ましくは10〜70質量部、さらに好ましくは15〜40質量部である。
フリル基を含む化合物(A)としては、フリル基を容易に導入できる点、フリル基の導入量の制御が容易である点、分子量や共重合組成の制御によって感光性組成物の現像性の制御が容易である点、および感光性組成物の透明性が優れている点からラジカル重合体(A−1)であることがさらに好ましい。
<フリル基を含むラジカル重合体(A−1)>
[フリル基を含むラジカル重合体(A−1)の構造とその製造方法]
フリル基を含むラジカル重合体(A−1)は、ラジカル重合可能な二重結合を有する単量体をラジカル重合してなる重合体であり、かつフリル基を含む構造である。その製造方法は、
方法[1−1] フリル基を含む単量体(a−1)を含む単量体(a)を重合する方法
方法[1−2] 反応性官能基を含む単量体(a−3)を含む単量体(a)を重合し、得られた重合体(プレポリマー)にフリル基を含む反応性化合物(a−4)を反応させる方法
等が挙げられる。
方法[1−1]の方が、合成の反応プロセスを少なくできる点で好ましい。また、重合体(A−1)は単独重合体であっても他のモノマーとの共重合体であってもよいが、ポリマーのTg、感光性組成物の粘度、他の構成成分との相溶性などの調整などのために、(a−1)または(a−3)以外の他のモノマーと共重合することが好ましい。
フリル基を含む単量体(a−1)としては、例えば下記一般式[1]〜[5]で表される単量体、フルフリルビニルエーテル、フルフリルアリルエーテル等を挙げることができる。特に、フリル基を含むラジカル重合体(A−1)中のフリル基濃度を容易に上げられる点から、一般式[1]の単量体を使用することが好ましく、単量体自身の安定性の点と、良好な重合性が得られる点からフルフリルメタクリレートを使用することがさらに好ましい。
一般式[1]
Figure 2017194662
[式中Rは水素原子またはメチル基であり、Rは酸素原子または−NH−を表す。]
一般式[2]
Figure 2017194662

[式中Rは水素原子またはメチル基であり、Rは酸素原子、−NH−、または硫黄原子を表す。]
一般式[3]
Figure 2017194662

[式中Rは水素原子またはメチル基であり、Rは酸素原子、−NH−、または硫黄原子を表す。]
一般式[4]
Figure 2017194662
[式中Rは水素原子またはメチル基であり、Rは酸素原子、−NH−、または硫黄原子を表す。]
一般式[5]
Figure 2017194662

[式中Rは水素原子またはメチル基であり、R10は酸素原子、−NH−、または硫黄原子を表す。]
方法[1−2]で用いる反応性官能基を含む単量体(a−3)中の反応性官能基としてはカルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボン酸無水物基などが挙げられ、プレポリマー中に含まれるこれらの反応性官能基と、フリル基を含む反応性化合物(a−4)中の水酸基、アミノ基、メルカプト基、アルデヒド基などとを反応させることで、フリル基を含むラジカル重合体(A−1)を得ることができる。
反応性官能基を含む単量体(a−3)としては、例えばカルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボン酸無水物基などを含む単量体が挙げられる。
カルボキシル基を含む単量体としては後述のカルボキシル基を含む単量体(a−2)と同じものを使用することができる。
カルボン酸無水物基を含む単量体としては、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、4−[(2−メタクリロイルオキシエトキシ)カルボニル]フタル酸無水物等が挙げられる。
エポキシ基を含む単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジエーテル、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、4−メチル−4,5−エポキシペンチル(メタ)アクリレート、5−メチル−5,6−エポキシヘキシル(メタ)アクリレート、α−エチルアクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、クロトニルグリシジルエール、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、N−(3,5−ジメチル−4−グリシジル)ベンジルアクリルアミド、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン等が挙げられる。
イソシアネート基を含む単量体およびそのブロック体としては、(メタ)アクリロイルイソシアネート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチルイソシアネート、1,1−(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、m−(メタ)アクリロイルフェニルイソシアネート、α,α‐ジメチル‐4‐イソプロペニルベンジルイソシアネート等が挙げられる。
フリル基を含む反応性化合物(a−4)としては、例えばフルフリルアルコール、フルフリルアミン、フルフリルメルカプタン、フルフラール等が挙げられる。
反応性官能基を含む単量体(a−3)、フリル基を含む反応性化合物(a−4)は1種類の化合物を用いても、2種類以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
重合体(A−1)中のフリル基の濃度は重合体1gあたり0.5〜6.0mmolが好ましく、1.0〜4.0mmolがさらに好ましい。フリル基の濃度が0.5mmol以上、好ましくは1.0mmol以上であると感光性組成物の薬品耐性に優れ、6.0mmol以下、好ましくは4.0mmol以下であると重合体(A−1)の経時安定性に優れる。
感光性組成物にアルカリ可溶性を付与するためには、フリル基を含むラジカル重合体(A−1)にアルカリ可溶性官能基を含むことが好ましい。感光性組成物中での溶解性が高くなるために、感光性組成物の透明性が良好になったり、光重合性官能基を含む化合物(B)と反応しやすくなって薬品耐性が良好になったりする点からも好ましい。
上記方法[1−1]または[1−2]において単量体(a)を重合する際に、フリル基を含む単量体(a−1)または反応性官能基を含む単量体(a−3)に加えて、アルカリ可溶性官能基を含む単量体を使用することで、重合体(A−1)中にアルカリ可溶性官能基を導入することができる。すなわち、アルカリ可溶性官能基を含みフリル基を含むラジカル重合体(A−1)の製造方法としては下記の方法が挙げられる。
方法[2−1] フリル基を含む単量体(a−1)とアルカリ可溶性官能基を含む単量体とを含む単量体(a)を重合する方法
方法[2−2] 反応性官能基を含む単量体(a−3)とアルカリ可溶性官能基を含む単量体とを含む単量体(a)を重合し、得られた重合体(プレポリマー)にフリル基を含む反応性化合物(a−4)を反応させる方法
アルカリ可溶性官能基を含む単量体としては、カルボキシル基を含む単量体(a−2)、リン酸基を含む単量体、スルホン酸基を含む単量体などが挙げられ、カルボキシル基を含む単量体(a−2)を使用することが好ましい。
カルボキシル基を含む単量体(a−2)としては、例えば
(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、α−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート、p−ビニル安息香酸、およびカルボン酸無水物とヒドロキシル基を含む単量体とを付加反応させた単量体等が挙げられる。
前記カルボン酸無水物とヒドロキシル基を含む単量体とを付加反応させた単量体に使用するカルボン酸無水物としては、例えば
コハク酸無水物、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、グルタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、及びクロレンド酸無水物等のジカルボン酸無水物;
3−カルボキシメチルグルタル酸無水物、1,2,4−ブタントリカルボン酸−1,2−無水物、cis−プロペン−1,2,3−トリカルボン酸−1,2−無水物、1,3,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物等の脂肪族トリカルボン酸無水物;
ベンゼントリカルボン酸無水物(1,2,3−ベンゼントリカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物[1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物]、トリメリット酸無水物クロライド[4−クロロホルミルフタル酸無水物]など)、ナフタレントリカルボン酸無水物(1,2,4−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸無水物、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,2,8−ナフタレントリカルボン酸無水物など)、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルエーテルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、2,3,2’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルメタントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルスルホントリカルボン酸無水物等の芳香族トリカルボン酸無水物などが挙げられる。
なお、テトラカルボン酸二無水物等の1分子中に2個以上の酸無水物基を含むカルボン酸無水物を使用してヒドロキシル基を含む単量体と付加反応させると、カルボン酸無水物1分子に対してヒドロキシル基を含む単量体が2分子以上付加することになり、1分子中に2つ以上のラジカル重合性官能基を含むことになる。それにより共重合体がゲル化する恐れがあるので、1分子中に2個以上の酸無水物基を含むカルボン酸無水物を使用する場合は、カルボン酸無水物全体の好ましくは3モル%以下、より好ましくは2モル%以下であり、使用しないことが好ましい場合もある。
前記カルボン酸無水物とヒドロキシル基を含む単量体とを付加反応させた単量体に使用するヒドロキシル基を含む単量体としては、例えば
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3又は4)−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及びエチル−α−ヒドロキシメチルアクリレートなどのアルキル−α−ヒドロキシアルキルアクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート類;
N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド等の水酸基を有する(メタ)アクリルアミド類;
2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−(又は3−又は4−)ヒドロキシブチルビニルエーテル等の水酸基を有するビニルエーテル類;
2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2−(又は3−又は4−)ヒドロキシブチルアリルエーテル等の水酸基を有するアリルエーテル類などが挙げられる。
また、上記の水酸基を有する(メタ)アクリレート類、水酸基を有する(メタ)アクリルアミド類、水酸基を有するビニルエーテル類、水酸基を有するアリルエーテル類にアルキレンオキサイド及び/又はラクトンを付加して得られる単量体も、ヒドロキシル基を含む単量体として用いることができる。付加されるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,4−、2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及びこれらの2種以上の併用系が用いられる。2種以上のアルキレンオキサイドを併用するときの結合形式はランダム及び/又はブロックのいずれでもよい。付加されるラクトンとしては、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、炭素原子数1〜6のアルキル基で置換されたε−カプロラクトン及びこれらの2種以上の併用系が用いられる。アルキレンオキサイドとラクトンを両方とも付加したものでも構わない。
カルボン酸無水物とヒドロキシル基を含む単量体とを付加反応させた構造を重合体(A−1)中に導入する場合、カルボン酸無水物とヒドロキシル基を含む単量体とを付加反応させた単量体をあらかじめ合成し、これをカルボキシル基を含む単量体(a−2)として使用して方法[2−1]、[2−2]などによって製造しても良いし、後述の方法[2−3]、[3−3]などのようにヒドロキシル基を含む単量体と他の単量体をあらかじめ共重合させた後に、カルボン酸無水物を付加させても良いが、前者の方法が合成の反応プロセスを短くできる点で好ましい。
カルボキシル基を含む単量体(a−2)としては特に、アルカリ現像時の溶解速度を速くできる点でメタクリル酸、および/または下記一般式[6]で表される単量体を使用することが好ましく、さらに少量の使用で現像速度を速くできる点から2−メタクリロイロキシエチルコハク酸がさらに好ましい。
一般式[6]
Figure 2017194662

[式中R11は水素原子またはメチル基であり、R12およびR13は、炭素数1〜8の、直鎖状もしくは分岐状の2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基であり、R12とR13は同一であっても異なっていても良い。]
直鎖状もしくは分岐状の2価の脂肪族炭化水素基としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、等のアルカン;
エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、等のアルケン;
エチン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ペプチン、オクチン、等のアルキン;などの化合物から2個の水素原子を取り除くことで得られる基が挙げられる。
2価の脂環族炭化水素基としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、トリメチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ノルボルナン、ノルボルネン、ビシクロオクタン、ビシクロオクテン、等の化合物から2個の水素原子を取り除くことで得られる基が挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジメチルベンゼン、等の化合物から2個の水素原子を取り除くことで得られる基が挙げられる。
12及びR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキレン基であることがより好ましい。
リン酸基を含む単量体としては、例えば
2−ホスホノオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ホスホノオキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ホスホノオキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ホスホノオキシブチル(メタ)アクリレート、5−ホスホノオキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ホスホノオキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ホスホノオキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ホスホノオキシデシル(メタ)アクリレート、12−ホスホノオキシドデシル(メタ)アクリレート、ホスホノオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ホスホノオキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ホスホノオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−p−メトキシフェニルアシドホスフェート等のホスホノオキシ基を含む単量体;
2−ホスホノエチル(メタ)アクリレート、5−ホスホノペンチル(メタ)アクリレート等のホスホノ基を含む単量体等が挙げられる。
スルホン酸基を含む単量体としては、例えば
ビニルスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−スルホ−1−プロピル(メタ)アクリレート、1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、1−スルホ−2−ブチル(メタ)アクリレート、3−スルホ−2−ブチル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシ−1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、4−((メタ)アクリロイルアミノ)ベンゼンスルホン酸、N−(1,1−ジメチル−2−スルホエチル)(メタ)アクリルアミド、((メタ)アクリルアマイド)メタンスルホン酸、2−((メタ)アクリルアマイド)エタンスルホン酸、3−((メタ)アクリルアマイド)プロパン−1−スルホン酸、2−(メタ)アクリルアマイド−2−メチルプロパンスルホン酸、4−スチレンスルホン酸、4−(プロプ−1−エン−2−イル)ベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
これらは1種類の化合物を用いても、2種類以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ可溶性官能基としては、感光性組成物が安定である点からカルボキシル基が好ましい。カルボキシル基は、カルボン酸無水物基と、ヒドロキシル基またはアミノ基とを反応させてハーフエステルまたはハーフアミドを生成させる反応を利用して、例えば下記のような方法で重合体(A−1)中に導入することができる。
方法[2−3] フリル基を含む単量体(a−1)と、ヒドロキシル基を含む単量体またはアミノ基を含む単量体と、を含む単量体(a)を重合し、得られたプレポリマーにカルボン酸無水物を反応させる方法
方法[2−4] 反応性官能基を含む単量体(a−3)としてカルボン酸無水物基を含む単量体を含む単量体(a)を重合し、得られたプレポリマーにフリル基を含む反応性化合物(a−4)としてヒドロキシル基を含む化合物またはアミノ基を含む化合物を反応させる方法
方法[2−5] フリル基を含む単量体(a−1)とカルボン酸無水物基を含む単量体を含む単量体(a)を重合し、得られたプレポリマーに水またはヒドロキシル基を含む化合物またはアミノ基を含む化合物を反応させる方法
これらの中で、方法[2−1]が、合成のプロセスを少なくでき、副反応が少なく安定して合成できる点から好ましい。
カルボン酸無水物基を含む単量体、ヒドロキシル基を含む単量体としては前述のものと同じものを使用することができる。
アミノ基を含む単量体としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、1−(t−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(t−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンー4−イル(メタ)アクリレート、N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジンニル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
重合体(A−1)がアルカリ可溶性官能基を含む場合、その酸価は10〜200mgKOH/gが好ましく、40〜130mgKOH/gがさらに好ましい。酸価が10mgKOH/g以上であると感光性組成物をアルカリ現像を行う際の現像速度が遅くなりすぎず、酸価が200mgKOH/g以下であると感光性組成物が低粘度になりやすく、塗工が容易になるためである。
なお、本実施形態における酸価は、溶剤を含まない重合体(A−1)1gに含まれる酸基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数であり、具体的には、後述する実施例に記載の滴定方法によって求めた値を示している。
フリル基を含むラジカル重合体(A−1)には光重合性官能基を含んでいても良い。光重合性官能基を含むことで、感光性組成物の薬品耐性を向上させたり、パターニング性を現像速度が速くパターンのサイズが大きい方向へ調整することが可能な場合がある。光重合性官能基は(メタ)アクリロイル基またはマレイミド基が好ましいが、重合体(A−1)中に含む場合は安定性の点から、(メタ)アクリロイル基がさらに好ましい。方法[1−1]〜[2−5]において、単量体(a)を重合する際に、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボン酸無水物基、ヒドロキシル基などの反応性官能基を含む単量体(a−3)を共重合することでプレポリマー中に反応性官能基を導入し、これに前記反応性官能基と反応し得る反応性官能基を含む単量体(a−3)をさらに反応させることで、重合体(A−1)中に光重合性官能基を導入することができる。ここで、重合体(A−1)中に、反応性官能基と反応しうる反応性官能基を含む単量体(a−3)中のラジカル重合可能な二重結合を未反応のまま組み込むことで、この二重結合が光重合性官能基としての機能を有する。
すなわち光重合性官能基を含みフリル基を含むラジカル重合体(A−1)の製造方法としては下記の方法が挙げられる。
方法[3−1] フリル基を含む単量体(a−1)と反応性官能基を含む単量体(a−3)とを含む単量体(a)を重合し、得られたプレポリマーの反応性官能基に、前記反応性官能基と反応し得る反応性官能基を含む単量体(a−3)を反応させる方法
方法[3−2] 反応性官能基を含む単量体(a−3)を含む単量体(a)を重合し、得られたプレポリマーの反応性官能基に、フリル基を含む反応性化合物(a−4)と、前記反応性官能基と反応しうる反応性官能基を含む単量体(a−3)とを反応させる方法
なお、方法[3−1]、[3−2]において、単量体(a)としてさらにアルカリ可溶性官能基を含む単量体を使用すれば、重合体(A−1)中に光重合性官能基とアルカリ可溶性官能基の両方を導入することができる。
また、方法[3−1]、[3−2]において、得られたポリマー中にヒドロキシル基またはアミノ基がある場合は、さらにカルボン酸無水物を反応させることによって、重合体(A−1)中に光重合性官能基とアルカリ可溶性官能基の両方を導入することができる。
具体的には方法[3−1]の例として
フリル基を含む単量体(a−1)とカルボキシル基を含む単量体とを含む単量体(a)を重合し、得られたプレポリマーのカルボキシル基の一部に、エポキシ基を含む単量体を反応させる方法
フリル基を含む単量体(a−1)とエポキシ基を含む単量体とを含む単量体(a)を重合し、得られたプレポリマーのエポキシ基に、カルボキシル基を含む単量体を反応させ、生成したヒドロキシル基に対して、カルボン酸無水物を反応させる方法
フリル基を含む単量体(a−1)とカルボキシル基を含む単量体とヒドロキシル基を含む単量体とを含む単量体(a)を重合し、得られたプレポリマーのヒドロキシル基の一部または全部に、イソシアネート基を含む単量体を反応させる方法
フリル基を含む単量体(a−1)とヒドロキシル基を含む単量体とを含む単量体(a)を重合し、得られたプレポリマーのヒドロキシル基の一部または全部に、イソシアネート基を含む単量体と、カルボン酸無水物とを反応させる方法
などが挙げられる。
さらに、カルボン酸無水物基を含む単量体を使用し、カルボン酸無水物基と、ヒドロキシル基またはアミノ基とを反応させてハーフエステルまたはハーフアミドを生成させる反応を利用することで、重合体(A−1)中に光重合性官能基とアルカリ可溶性官能基の両方を導入することができ、その製造方法としては例えば下記の方法が挙げられる。
方法[3−3] フリル基を含む単量体(a−1)と、ヒドロキシル基を含む単量体またはアミノ基を含む単量体と、を含む単量体(a)を重合し、得られたプレポリマーに、反応性官能基を含む単量体(a−3)のうちカルボン酸無水物基を含む単量体を反応させる方法
方法[3−4] 反応性官能基を含む単量体(a−3)としてカルボン酸無水物を含む単量体を含む単量体(a)を重合し、得られたプレポリマーにフリル基を含む反応性化合物(a−4)のうちヒドロキシル基またはアミノ基を含む化合物と、反応性官能基を含む単量体(a−3)のうちヒドロキシル基を含む単量体またはアミノ基を含む単量体と、を反応させる方法
方法[3−5] フリル基を含む単量体(a−1)と、カルボン酸無水物基を含む単量体を含む単量体(a)を重合し、得られたプレポリマーに、反応性官能基を含む単量体(a−3)のうちヒドロキシル基を含む単量体またはアミノ基を含む単量体を反応させる方法
反応性官能基を含む単量体(a−3)としては、先に例示したヒドロキシル基を含む単量体、アミノ基を含む単量体、イソシアネート基を含む単量体、酸無水物基を含む単量体、エポキシ基を含む単量体、カルボキシル基を含む単量体(a−2)などを用いることができる。反応させる官能基としては、ヒドロキシル基またはアミノ基と、イソシアネートの組み合わせ、またはエポキシ基とカルボキシル基の組み合わせが好ましい。
本実施形態の感光性組成物には光重合性官能基を含む化合物(B)が必須成分として含まれるため、重合体(A−1)中に光重合性官能基を含んでいなくてもよいが、重合体(A−1)が光重合性官能基を含む場合、その官能基当量(二重結合当量ともいう)は200〜5000g/molが好ましく、300〜1000g/molがさらに好ましい。二重結合当量が200g/mol以上であると重合体(A−1)の経時安定性が良好になりやすく、二重結合当量が5000g/mol以下であると感光性組成物の光感度が良好になりやすいためである。
なお、本実施形態における官能基当量は、溶剤を含まない重合体(A−1)の官能基1molあたりの質量であり(単位はg/mol)、官能基当量の数値が小さいほど重合体(A−1)中の官能基濃度が高く、合成原料の仕込み量から計算される。
単量体(a)として用いることができるその他の単量体としては、例えば
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロぺンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ−[5.2.1.0(2,6)]−デカニル(メタ)アクリレート、トリシクロ−[5.2.1.0(2,6)]−デカニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族単量体;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ロジンアクリレート等の芳香族単量体;
(メタ)アクリル酸2−(1,3−ジオキソブトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(1,3−ジオキソブトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(1,3−ジオキソブトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(1,3−ジオキソブトキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸3−(1,3−ジオキソブトキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸4−(1,3−ジオキソブトキシ)ブチル等の活性メチレン基を含む単量体;
オキセタン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、(2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカ−2−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、3−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、2−(1−メタクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等の複素環を含む単量体;
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールを含む単量体;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、イソブチル(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の非置換もしくはN置換型(メタ)アクリルアミド類;
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;
片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー、および片末端メタクリロイル化ポリエチレングリコール等の重合性オリゴマー類;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、インデン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN置換マレイミド類;
前記カルボン酸無水物とヒドロキシル基を含む単量体とを付加反応させた単量体に使用するヒドロキシル基を含む単量体として例示したヒドロキシル基を含む単量体
等が挙げられる。
単量体(a)としては、アルカリ現像時の溶解速度を速くできる点や、感光性組成物の薬品耐性を上げられる点で下記一般式[7]で表される単量体を使用することが好ましく、重合体(A−1)の重合時の安定性の点からR14がメチル基のものを使用することがさらに好ましい。
一般式[7]で表される単量体の使用量は、溶剤を含まない重合体(A−1)100質量部中の当該単量体由来の構造の比率が5〜40質量部となる量であることが好ましく、10〜30質量部がさらに好ましい。5質量部以上、好ましくは10質量部以上であると、感光性組成物をアルカリ現像する場合の現像速度が速くなり、また薬品耐性に優れる。40質量部以下、好ましくは30質量部以下であると、感光性組成物が低粘度になりやすく、塗工が容易になる。
一般式[7]
Figure 2017194662
[式中R14は水素原子またはメチル基であり、R15は、水素原子、炭素数1〜8の、直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、または芳香族炭化水素基であり、R16は、炭素数1〜8の、直鎖状もしくは分岐状の2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基である。]
直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、等のアルカン;
エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、等のアルケン;
エチン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ペプチン、オクチン、等のアルキン;などの化合物から1個の水素原子を取り除くことで得られる基が挙げられる。
脂環族炭化水素基としてはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、トリメチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ノルボルナン、ノルボルネン、ビシクロオクタン、ビシクロオクテン、等の化合物から1個の水素原子を取り除くことで得られる基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジメチルベンゼン、等の化合物から1個の水素原子を取り除くことで得られる基が挙げられる。
直鎖状もしくは分岐状の2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基については、一般式[6]の説明において前述したものと同じものが挙げられる。
15は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましく、R16は炭素数1〜5のアルキレン基であることがより好ましい。
好ましくは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、さらに好ましくはヒドロキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレートである。
また、塗膜を固くし、感光性組成物の薬品耐性を上げられる点で、メチルメタクリレートを用いることが好ましい。
メチルメタクリレートの使用量は、溶剤を含まない重合体(A−1)100質量部中のメチルメタクリレート由来の構造の比率が5〜40質量部となる量であることが好ましく、10〜30質量部がさらに好ましい。5質量部以上、好ましくは10質量部以上であると、感光性組成物の薬品耐性に優れる。40質量部以下、好ましくは30質量部以下であると、感光性組成物が低粘度になりやすく、塗工が容易になる。
重合体(A−1)の質量平均分子量(Mw)は、2000〜70000が好ましく、4000〜50000がさらに好ましい。重量平均分子量が2000以上であると感光性組成物の薬品耐性に優れ、重量平均分子量が70000以下であると感光性組成物が低粘度になりやすく塗工が容易であり、また、アルカリ現像を行う際の現像速度が遅くなりすぎないためである。
なお、本実施形態における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求め、ポリスチレン換算した値である。より具体的には、後述する実施例に記載の測定方法により求めた値を示している。
[フリル基を含むラジカル重合体(A−1)を製造する際の反応工程]
フリル基を含むラジカル重合体(A−1)は先に説明した方法[1−1]〜[3−5]等で製造することができる。これらの方法に共通する工程として
重合工程 フリル基を含む単量体(a−1)または反応性官能基を含む単量体(a−3)を含む単量体(a)を重合する工程
変性工程 反応性官能基を含む単量体(a−3)を共重合することによってプレポリマー中に導入された反応性官能基に、フリル基を含む反応性化合物(a−4)、前記反応性官能基と反応し得る反応性官能基を含む単量体(a−3)、またはカルボン酸無水物を反応させる工程があるので、それぞれの工程について説明する。
(重合工程)
フリル基を含む単量体(a−1)または反応性官能基を含む単量体(a−3)を含む単量体(a)の重合は、公知の方法で行うことができる。すなわち、単量体(a)を任意で重合開始剤と混合して加熱することで行うことができる。重合温度は、40〜150℃、好ましくは50〜120℃である。
重合の際、単量体(a)100質量部に対して、任意に0.001〜15質量部の重合開始剤を使用することができる。
重合開始剤としては、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
重合の際、分子量を調整する目的で連鎖移動剤を用いてもよい。単量体(a)100質量部に対して、任意に0.001〜15質量部の連鎖移動剤を使用することができる。
連鎖移動剤としては、分子量の調節ができる化合物であれば特に制限されず、公知の連鎖移動剤が使用できる。例えば、オクチルメルカプタン,n−ドデシルメルカプタン,t−ドデシルメルカプタン,n−ヘキサデシルメルカプタン,n−テトラデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、1−チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、ブチルチオグリコレートなどのメルカプタン;ジメチルキサントゲンジスルフィド,ジエチルキサントゲ
ンジスルフィド,ジイソプロピルキサンチゲンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド,テトラエチルチウラムジスルフィド,テトラブチルチウラムジスルフィドなどのジスルフィド;四塩化炭素,塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン、四臭化炭素,臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素;イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸、およびその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、およびそれらの塩(亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)等の、低級酸化物およびその塩;およびアリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、アニソールなどを挙げることができる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
また、重合の際、重合溶媒として有機溶剤を使用することができる。
有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエトキシジエチレングリコール、3−メトキシ−1−ブタノール等が用いられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いても良いが、最終用途で使用する溶剤であることが好ましい。
(変性工程)
反応性官能基を含む単量体(a−3)を共重合することによってプレポリマー中に導入された反応性官能基に、フリル基を含む反応性化合物(a−4)、前記反応性官能基と反応しうる反応性官能基を含む単量体(a−3)、またはカルボン酸無水物を反応させる工程は、プレポリマー中に導入された反応性官能基と、変性に用いる化合物中の反応性官能基との組み合わせによって適切な反応条件を選択することが好ましく、それぞれの例について説明する。
ヒドロキシル基またはアミノ基と、イソシアネート基と、の組み合わせの場合は、無触媒あるいは適当な触媒を加えて加熱することで反応が進行する。適当な触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、などのアミン類やその塩、テトラブチルチタネート、ジブチルスズジラウリレート、オクチル酸スズなどの金属塩や錯体などが挙げられる。
ヒドロキシル基またはアミノ基と、酸無水物基と、の組み合わせの場合は、塩基触媒またはアミン触媒を加えて0〜100℃で反応させるのが好ましい。
メルカプト基と、エポキシ基と、の組み合わせの場合は、無触媒あるいは塩基触媒を加えて0〜100℃で反応させるのが好ましい。
変性によって重合体(A−1)中に光重合性官能基を導入する場合には、上記反応中に重合禁止効果のあるガスを反応系中に導入したり、重合禁止剤を添加したりしてもよい。重合禁止効果のあるガスを反応系中に導入したり、重合禁止剤を添加したりすることにより、付加反応時のゲル化を防ぐことができる。
ラジカル重合禁止効果のあるガスとしては、系内物質の爆発範囲に入らない程度の酸素を含むガス、例えば、空気、空気と窒素との混合ガスなどが挙げられる。
ラジカル重合禁止剤としては、公知のものを使用することができ、特に制限はされないが、例えば、ヒドロキノン、メトキノン、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノチアジン等が挙げられる。これら重合禁止剤は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。使用する重合禁止剤の量としては、反応系中の固形分の合計100質量部に対して、0.005〜5質量部が好ましく、0.03〜3質量部がさらに好ましく、0.05〜1.5質量部が最も好ましい。重合禁止剤が0.005質量部以上では、重合禁止効果が得られやすく、一方、5質量部以下では、感光性組成物の露光感度が低下しにくいためである。また、重合禁止効果のあるガスと重合禁止剤とを併用すると、使用する重合禁止剤の量を低減できたり、重合禁止効果を高めたりすることができるので、より好ましい。
<<光重合性官能基を含む化合物(B)>>
本実施形態の光重合性官能基を含む化合物(B)は、フリル基を含まず、光重合性官能基を含んでいれば特にその構造が限定されるものではなく、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。低分子であっても高分子であっても良く、感光性組成物に求められる粘度や、硬化物の硬度、密着性、パターニング性に合わせて、低分子と高分子を使い分けたり、併用してその比率を調整することができる。また、感光性組成物にアルカリ現像性を付与するためには、前述した通り光重合性官能基を含む化合物(B)中にアルカリ可溶性官能基を含むことが好ましい。
光重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基、スチリル基、無水マレイン酸残基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基などが挙げられる。感光性組成物の薬品耐性の点からアクリロイル基またはマレイミド基を用いることが好ましい。また、感光性組成物をネガ型のフォトレジストとして使用する場合にはパターンの解像度と薬品耐性を両立する点からメタクリロイル基と、アクリロイル基またはマレイミド基とを併用することがさらに好ましい。光重合性官能基として異なる官能基、例えばアクリロイル基とマレイミド基を一つの化合物中に含んでいても良いし、一種類の官能基をもつ化合物を混合して使用してもよい。
アクリロイル基およびマレイミド基は、化合物(A)との反応性が良好であるため、感光性組成物を低温で硬化することが望まれる実施形態に特に好適に用いることができる。また、感光性組成物が着色剤を含有するために光硬化性が低下する実施形態においても、薬品耐性向上の効果が得られ易い。アクリロイル基は、薬品耐性、脱ガスの低減、保存安定性等のバランスの観点で特に好ましい。
光重合性官能基を含む化合物(B)は、感光性組成物の固形分の合計100質量部中、5〜95質量部の量で用いることが好ましく、10〜80質量部がより好ましく、15〜70質量部がさらに好ましい。5質量部以上用いると、薬品耐性が得やすく、フォトリソグラフィーの現像工程で露光部が現像液に溶解しにくくなる。95質量部以下用いると、露光時の硬化収縮が抑制され基材への密着性が良好になりやすく、フリル基を含む化合物(A)の量が十分に用いられるために薬品耐性が良好になりやすく、フォトリソグラフィーの露光時に過剰な光重合が抑制されパターンの解像度が良好になりやすいためである。
本実施形態の感光性組成物をネガ型のフォトレジストとして使用する場合は、光重合性官能基を含む化合物(B)が低分子量である場合は、アクリレート基および/またはマレイミド基を含み、感光性組成物の固形分の合計100質量部中、5〜80質量部で使用することが好ましく、10〜50質量部がさらに好ましい。光重合性官能基を含む化合物(B)が高分子量である場合は、アクリレート基および/またはメタクリレート基を含み、化合物(B)中にカルボキシル基をさらに含み、かつ感光性組成物の固形分の合計100質量部中、3〜70質量部で使用することが好ましく、5〜60質量部がより好ましく、5〜40質量部がさらに好ましい。
本実施形態の感光性組成物を後述するカラーフィルタ用感光性組成物として使用する場合、光重合性官能基を含む化合物(B)が低分子量である場合は、カラーフィルタ用感光性組成物中の着色剤100質量部に対して、10〜300質量部の量で用いることが好ましく、10〜200質量部の量で用いることが好ましい。光重合性官能基を含む化合物(B)が高分子量である場合、着色剤100質量部に対して、20〜400質量部の量で用いることが好ましく、50〜250質量部の量で用いることがさらに好ましい。
フリル基を含む化合物(A)と光重合性官能基を含む化合物(B)との比率は、光硬化性と熱硬化性の両方を効率よく行い感光性組成物の薬品耐性を良好にするため、光重合性官能基のモル数1に対して、フリル基のモル数が0.05〜2であることが好ましく、0.05〜0.5であることがより好ましい。0.05以上用いることで、フリル基による熱硬化が起こりやすく、薬品耐性が良好になる傾向があり、2以下用いることで、光硬化の段階での光重合性官能基のラジカル重合が進みやすく薬品耐性が良好になる傾向がある。
<光重合性官能基を含む化合物(B)のうち、低分子量のもの>
光重合性官能基を含む化合物(B)のうち、低分子量のものとしては、単官能または多官能のモノマーまたはオリゴマーを挙げることができ、耐薬品性が向上するため、3官能以下のモノマーまたはオリゴマーであることが好ましい。
光重合性官能基として好ましくは(メタ)アクリロイル基、マレイミド基であり、
(メタ)アクリロイル基を含む化合物としては例えば、前記フリル基を含むラジカル重合体(A−1)を合成する際に用いられる単量体(a)として例示したもののうち、フリル基を含む単量体(a−1)を除いた(メタ)アクリロイル単量体や、
ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルこはく酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルこはく酸、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートなどの二官能(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの三官能(メタ)アクリレート類;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカ(メタ)アクリレートなどの四官能以上の(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
耐薬品性の観点から3官能以下のモノマーまたはオリゴマーであることが好ましいが、その中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが耐薬品性に優れるため、最も好ましい。
また、光重合性官能基を含む化合物(B)のうち、低分子量のものとして、多官能イソシアネートとヒドロキシル基を含む(メタ)アクリレート単量体を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート類を挙げることができる。 多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリジンイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、3−(2’−イソシアナトシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、ジアニシジンイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ダイマージイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの二官能イソシアネート類;
リジントリイソシアネート、トリス(イソシアナトフェニル)メタン、トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェートなどの三官能イソシアネート類;
上記イソシアネート類のビウレット、ウレトジオン、イソシアヌレート、アダクト体などが挙げられる。
多官能イソシアネートとヒドロキシル基を含む(メタ)アクリレート単量体とを反応させる際に、低分子の多官能アルコールやポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系、ポリアクリル系、ポリオレフィン系などのポリオール等の他のポリオールを併用してもよい。
さらに、エポキシ樹脂とカルボキシル基を含む(メタ)アクリレート単量体とを反応させたり、フェノール樹脂とエポキシ基を含む(メタ)アクリレート単量体とを反応させたりして得られるエポキシ(メタ)アクリレート類を挙げることができる。
(メタ)アクリロイル基を含む化合物としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多官能イソシアネートとヒドロキシル基を含む(メタ)アクリレート単量体を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート類が好ましい。
(メタ)アクリロイル基を含む化合物にはアルカリ可溶性官能基を有していても良く、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応物である水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物や、多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げることができる。
具体例としては、
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のモノヒドロキシオリゴ(メタ)アクリレート類と、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;
プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のモノヒドロキシモノ(メタ)アクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等を挙げることができる。
マレイミド基を含む化合物としては例えば、
o−フェニレンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、p−フェニレンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(トルエン−2,6−ジイル)ビスマレイミド)、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビスフェノール A ジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ポリフェニルメタンマレイミド(CAS NO:67784−74−1、ホルムアルデヒドとアニリンからなるポリマーと無水マレイン酸の反応物)、N,N’−エチレンビスマレイミド、N,N’−トリメチレンビスマレイミド、N,N’−プロピレンビスマレイミド、N,N’−テトラメチレンビスマレイミド、N,N’−ペンタメチレンビスマレイミド、N,N’−(1,3−ペンタンジイル)ビス(マレインイミド)、N,N’−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N’−(1,7−ヘプタンジイル)ビスマレイミド、N,N’−(1,8−オクタンジイル)ビスマレイミド、N,N’−(1,9−ノタンジイル)ビスマレイミド、N,N’−(1,10−デカンジイル)ビスマレイミド、N,N’−(1,11−ウンデカンジイル)ビスマレイミド、N,N’−(1,12−ドデカンジイル)ビスマレイミド、N,N’−[(1,4−フェニレン)ビスメチレン]ビスマレイミド、N,N’−[(1,2−フェニレン)ビスメチレン]ビスマレイミド、N,N’−[(1,3−フェニレン)ビスメチレン]ビスマレイミド、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、N,N’−[(メチルイミノ)ビス(4,1−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−(2‐ヒドロキシプロパン−1,3−ジイルビスイミノビスカルボニルビスエチレン)ビスマレイミド、N,N’−(ジチオビスエチレン)ビスマレイミド、N,N’−[ヘキサメチレンビス(イミノカルボニルメチレン)]ビスマレイミド、N,N’−カルボニルビス(1,4−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’,N’’−[ニトリロトリス(エチレン)]トリスマレイミド、N,N’,N’’−[ニトリロトリス(4,1−フェニレン)]トリスマレイミド、N,N’−[p‐フェニレンビス(オキシ−p−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[メチレンビス(オキシ)ビス(2−メチル−1,4−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[メチレンビス(オキシ−p−フェニレン)]ビス(マレインイミド)、N,N’−[ジメチルシリレンビス[(4,1−フェニレン)(1,3,4,−オキサジアゾール−5,2−ジイル)(4,1−フェニレン)]]ビスマレイミド、N,N’−[(1,3−フェニレン)ビスオキシビス(3,1−フェニレン)]ビスマレイミド、1,1’−[3’−オキソスピロ[9H−キサンテン−9,1’(3’H)−イソベンゾフラン]−3,6−ジイル]ビス(1H−ピロール−2,5−ジオン)、N,N’−(3,3’−ジクロロビフェニル−4,4’−ジイル)ビスマレイミド、N,N’−(3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイル)ビスマレイミド、N,N’−(3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイル)ビスマレイミド、N,N’−[メチレンビス(2−エチル−4,1−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[メチレンビス(2,6−ジエチル−4,1−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[メチレンビス(2−ブロモ−6−エチル−4,1−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[メチレンビス(2−メチル−4,1−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[エチレンビス(オキシエチレン)]ビスマレイミド、N,N’−[スルホニルビス(4,1−フェニレン)ビス(オキシ)ビス(4,1−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[ナフタレン−2,7−ジイルビス(オキシ)ビス(4,1−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[p−フェニレンビス(オキシ−p−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[(1,3−フェニレン)ビスオキシビス(3,1−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−(3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジイル)ビスマレイミド、N,N’−[イソプロピリデンビス[p−フェニレンオキシカルボニル(m−フェニレン)]]ビスマレイミド、N,N’−[イソプロピリデンビス[p−フェニレンオキシカルボニル(p−フェニレン)]]ビスマレイミド、N,N’−[イソプロピリデンビス[(2,6−ジクロロベンゼン−4,1−ジイル)オキシカルボニル(p−フェニレン)]]ビスマレイミド、N,N’−[(フェニルイミノ)ビス(4,1−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[アゾビス(4,1−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイルビス(4,1−フェニレン)]ビスマレイミド、2,6−ビス[4−(マレインイミド−N−イル)フェノキシ]ベンゾニトリル、N,N’−[1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイルビス(3,1−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[ビス[9−オキソ−9H−9−ホスファ(V)−10−オキサフェナントレン−9−イル]メチレンビス(p−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[ヘキサフルオロイソプロピリデンビス[p−フェニレンオキシカルボニル(m−フェニレン)]]ビスマレイミド、N,N’−[カルボニルビス[(4,1−フェニレン)チオ(4,1−フェニレン)]]ビスマレイミド、N,N’−カルボニルビス(p−フェニレンオキシp−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−[5−tert−ブチル−1,3−フェニレンビス[(1,3,4−オキサジアゾール−5,2−ジイル)(4,1−フェニレン)]]ビスマレイミド、N,N’−[シクロヘキシリデンビス(4,1−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[メチレンビス(オキシ)ビス(2−メチル−1,4−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[5−[2−[5−(ジメチルアミノ)−1−ナフチルスルホニルアミノ]エチルカルバモイル]−1,3−フェニレン]ビスマレイミド、N,N’−(オキシビスエチレン)ビスマレイミド、N,N’−[ジチオビス(m−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−(3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジイル)ビスマレイミド、N,N’−(エチレンビス−p−フェニレン)ビスマレイミド、Designer Molecules社製のBMI−689、BMI−1500、BMI−1700、BMI−3000、BMI−5000、BMI−9000、JFEケミカル社製のODA−BMI、BAF−BMI、などの多官能マレイミドを挙げることができる。
また、多官能アミンと無水マレイン酸を反応させて得られる多官能マレイミドを挙げることができる。多官能アミンとしては、
イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、ハンツマン・コーポレーション社製の、末端アミノ化ポリプロピレングリコール骨格を有するジェファーミンD−230、HK−511、D−400、XTJ−582、D−2000、XTJ−578、XTJ−509、XTJ−510、T−403、T−5000、末端アミノ化エチレングリコール骨格を有するXTJ−500、XTJ−501、XTJ−502、XTJ−504、XTJ−511、XTJ−512、XTJ−590、
末端アミノ化ポリテトラメチレングリコール骨格を有するXTJ−542、XTJ−533、XTJ−536、XTJ−548、XTJ−559などが挙げられる。
また、前述した多官能イソシアネートと後述するヒドロキシル基を含むマレイミド単量体を反応させて得られる多官能マレイミドを挙げることができる。
マレイミド基を含む化合物はフリル基を含む化合物(A)と無触媒で容易にDiels−Alder反応するため、感光性組成物の保管条件によっては経時安定性が悪くなる場合がある。その場合、マレイミド基を含む化合物をジエン構造を持つ化合物とあらかじめ反応させることによりマレイミド基を保護することで経時安定性を良好にし、かつ感光性組成物を熱硬化する段階ではジエン構造を持つ化合物が逆Diels−Alder反応することで脱保護され、フリル基を含む化合物(A)とのDiels−Alder反応による熱架橋をさせることができる。このようなマレイミド基の保護に用いるジエン構造を持つ化合物としては、1,3−ブタジエン構造、フラン構造、アントラセン構造をもつ化合物などが挙げられ、このうち、保管中に効率よくマレイミド基を保護し、熱硬化の段階で効率よく脱保護されることからフラン、2,5−ジメチルフラン、フルフリルアルコール、シクロペンタジエンなどが好ましい。
マレイミド基を含む化合物としては、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、前述した多官能イソシアネートと後述するヒドロキシル基を含むマレイミド単量体を反応させて得られる多官能マレイミド、および、マレイミド基を保護した化合物が好ましい。
光重合性官能基を含む化合物(B)のその他の例としては、
前記フリル基を含むラジカル重合体(A−1)を合成する際に用いられる単量体(a)のうち(メタ)アクリロイル単量体以外の単量体や、
ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル等のビニルエーテル基を有する化合物;
ジアリルフタレート、アリルグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル等のアリルエーテル基を有する化合物等が挙げられる。
光重合性官能基の量としては、二重結合当量(単位:g/モル)として80〜1000が好ましく、さらに90〜600がより好ましい。80以上であると、露光時の硬化収縮が抑制され基材への密着性が良好になりやすく、フォトリソグラフィーの露光時に過剰な光重合が抑制されパターンの解像度が良好になりやすい。1000以下であると、薬品耐性が得やすく、フォトリソグラフィーの現像工程で露光部が現像液に溶解しにくくなる。
なお、二重結合当量とは、光重合性官能基を含む化合物(B)中に含まれる光重合性官能基の量の尺度となるものである。二重結合すなわち光重合性官能基1モルあたりの質量を表し(単位はg/モル)、二重結合当量の数値が小さいほど、化合物中の光重合性官能基濃度が高い。本実施形態において二重結合当量は、化合物の構造または原料の仕込み量から計算した理論値である。
<光重合性官能基を含む化合物(B)のうち、高分子量のもの>
光重合性官能基を含む化合物(B)にはポリマーを用いてもよい。感光性組成物は透明性が高いことが望ましく、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上のポリマーが用いられる。例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリエーテル、無水マレイン酸を含む共重合体、エポキシ樹脂等に光重合性官能基を導入したもの等を用いることができ、これらは単独で使用してもよく、混合物を使用することもできる。ポリマーは直鎖、分岐、星状などいずれでもよく、また、熱可塑性、熱硬化性のいずれでもよい。
光重合性官能基を含む化合物(B)が高分子量である場合は、重量平均分子量(Mw)は、2000〜50000が好ましく、4000〜30000がより好ましい。Mwが2000以上であると感光性組成物の薬品耐性が良好になりやすく、50000以下であると低粘度となり、塗工が容易になるためである。
分子量や共重合組成の制御によって感光性組成物の現像性の制御が容易である点、および感光性組成物の透明性が優れている点からポリ(メタ)アクリレートであることが好ましい。ポリ(メタ)アクリレートは(メタ)アクリレート以外のコモノマー由来の構造を含んでいてもよい。また、光重合性官能基としては(メタ)アクリロイル基またはマレイミド基が好ましい。薬品耐性の観点からアクリロイル基またはマレイミド基がより好ましく、薬品耐性、保存安定性等のバランスの観点からアクリロイル基が特に好ましい。さらに、光重合性官能基を含む化合物(B)がアルカリ可溶性官能基を含むことが好ましく、アルカリ可溶性官能基としてはカルボキシル基が好ましい。
化合物(B)に光重合性官能基を導入する方法は特に限定されないが、具体的にはフリル基を含むラジカル重合体(A−1)で説明した方法と同様の方法を用いることができる。
プレポリマーについては特に限定なく、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリエーテル系、天然ゴム、ブロック共重合体ゴム、シリコーン系などの各ポリマーを用いることができる。
光重合性官能基を導入する方法としては、例えば、プレポリマー中のカルボキシル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、活性メチレン基に、エポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基を含む単量体を反応させる方法や、その逆の組み合わせを利用する方法が挙げられる。
カルボキシル基を導入する方法としては、例えば、プレポリマー中のヒドロキシル基、アミノ基等に、カルボン酸無水物中の酸無水物基を反応させる方法等が挙げられる。
光重合性官能基とカルボキシル基を同時に導入する方法としては、例えば、プレポリマー中の酸無水物基に、ヒドロキシル基、アミノ基等を含む単量体を反応させる方法が挙げられる。
化合物(B)は(メタ)アクリレート共重合体が好ましく、光重合性官能基およびカルボキシル基の導入方法としては下記の方法[B−1]〜[B−3]が好ましい。
方法[B−1] カルボキシル基を含有する(メタ)アクリル系共重合体中のカルボキシル基の一部を、エポキシ基を含む単量体中のエポキシ基と反応させる方法
方法[B−2] エポキシ基を含有する(メタ)アクリル系共重合体中のエポキシ基を、カルボキシル基を含む単量体中のカルボキシル基と反応させ、生成したヒドロキシル基に対して、カルボン酸無水物中の酸無水物基を反応させる方法
方法[B−3] カルボキシル基とヒドロキシル基を含む(メタ)アクリル系共重合体中のヒドロキシル基を、イソシアネート基またはカルボン酸無水物基を含む単量体中のイソシアネート基または酸無水物基を反応させる方法
これらの方法[B−1]〜[B−3]でプレポリマー中に官能基を導入するために共重合する単量体と、プレポリマー中の官能基に反応させる化合物としては、フリル基を含むラジカル重合体(A−1)で挙げたもの等を用いることができる。
カルボキシル基を含む単量体としては、例えば前記カルボキシル基を含む単量体(a−2)で説明した化合物等を用いることができる。
プレポリマー中にカルボキシル基を導入するためには、共重合性と光重合性官能基の導入量を容易に上げられる点から、(メタ)アクリル酸を共重合することが好ましい。
プレポリマーを変性して(メタ)アクリレート基を導入するためには、導入される(メタ)アクリレート基の濃度を容易に上げられる点から、(メタ)アクリル酸を用いることが好ましい。
カルボキシル基を含むマレイミド単量体を用いてプレポリマーを変性しマレイミド基を導入するためには、下記一般式[8]または[9]の化合物が好ましく、導入されるマレイミド基の濃度を容易に上げられる点から一般式[8]のn=0、1、2の化合物がさらに好ましい。
一般式[8]
Figure 2017194662
[式中、nは0〜10の整数を表す。]
一般式[9]
Figure 2017194662
エポキシ基を含む単量体としては、例えば前記エポキシ基を含む単量体で挙げた化合物等を用いることができる。
プレポリマー中にエポキシ基を導入するため、およびプレポリマーを変性して(メタ)アクリレート基を導入するためには、工業品の入手の容易さから、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルを共重合することが好ましく、導入される光重合性官能基の濃度を容易に上げられる点からグリシジル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
ヒドロキシル基を含む単量体としては、例えば前記ヒドロキシル基を含む単量体で挙げた化合物等を用いることができる。
プレポリマー中にヒドロキシル基を導入するため、およびプレポリマーを変性して(メタ)アクリレート基を導入するためには、導入される光重合性官能基の濃度を容易に上げられる点から2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
ヒドロキシル基を含むマレイミド単量体を用いてプレポリマーを変性しマレイミド基を導入するためには、下記一般式[10]または[11]の化合物が好ましく、導入されるマレイミド基の濃度を容易に上げられる点から一般式[10]のn=0、1、2の化合物がさらに好ましい。
一般式[10]
Figure 2017194662
[式中、nは0〜10の整数を表す。]
一般式[11]
Figure 2017194662
カルボン酸無水物としては、前記カルボン酸無水物で挙げた化合物等を用いることができる。1分子中に2個以上の無水物基を含む場合はプレポリマー中のヒドロキシル基等と反応した際にゲル化する恐れがあるので、1分子中に1個の無水物基を含む化合物、例えばジカルボン酸無水物、トリカルボン酸無水物が好ましい。溶剤溶解性の点から、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましい。
カルボン酸無水物基を含む単量体としては、例えば前記カルボン酸無水物基を含む単量体で挙げた化合物等を用いることができる。
プレポリマー中にカルボン酸無水物基を導入するため、およびプレポリマーを変性して光重合性官能基を導入するためには、導入される光重合性官能基の濃度を容易に上げられる点から無水マレイン酸、無水イタコン酸を用いることが好ましく、プレポリマーへの共重合性や、導入された光重合性官能基の重合性が良好である点から無水マレイン酸がさらに好ましい。
イソシアネート基を含む単量体としては、前記イソシアネート基を含む単量体およびそのブロック体で挙げた化合物等を用いることができる。
プレポリマー中にイソシアネート基を導入するため、およびプレポリマーを変性して光重合性官能基を導入するためには、導入される光重合性官能基の濃度を容易に上げられる点から2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
メルカプト基を含む単量体としては、N−(4−メルカプトフェニル)メタクリルアミド、6−(4−ビニルベンジル−n−プロピル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(ジチオンとの互変異性体)等が挙げられる。
アミノ基を含む単量体としては、前記アミノ基を含む単量体で挙げた化合物のうち、2級アミンを持つもの等を用いることができる。
活性メチレン基を含む単量体としては、前記活性メチレン基を含む単量体で挙げた化合物等を用いることができる。
アルデヒド基を含む単量体としては、(メタ)アクロレイン、3−ホルミルスチレン、4−ホルミルスチレン、ビニルホルミアミド等の単量体および、そのアルデヒド基をアセタールなどで保護した単量体等が挙げられる。
光重合性官能基の量としては、二重結合当量(単位:g/モル)として300〜1000が好ましく、さらに400〜800がより好ましい。300以上であると、露光時の硬化収縮が抑制され基材への密着性が良好になりやすく、フォトリソグラフィーの露光時に過剰な光重合が抑制されパターンの解像度が良好になりやすい。1000以下であると、薬品耐性が得やすく、フォトリソグラフィーの現像工程で露光部が現像液に溶解しにくくなる。
光重合性官能基とカルボキシル基とを含有する(メタ)アクリレート共重合体中には、その他の共重合可能な単量体を共重合することができ、公知のものを制限なく用いることができる。
<<光重合開始剤(C)>>
本実施形態の光重合開始剤(C)は、紫外線照射によりラジカルが発生し、感光性組成物中の光重合性官能基の重合を開始させるために用いられものであれば特にその構造が限定されるものではない。例えば、
4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、特開昭54−99185、特開昭63−264560、特開平10−29977に記載の化合物等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン、特公昭59−1281、特公昭61−9621、特開昭60−60104に記載の化合物等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、特開2001−264530、特開2001−261761、特開2000−80068、特開2001−233842、特表2004−534797、特開2006−342166、特開2008−094770、特開2009−40762、特開2010−15025、特開2010−189279、特開2010−189280、特表2010−526846、特表2010−527338、特表2010−527339、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)、特開昭61−24558、特表2012−519191、特表2012−526185、特表2013−543875、特開2011−209710に記載の化合物等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メチルフェニル)ビイミダゾール、特開昭55−127550、特開昭60−202437に記載の化合物等のイミダゾール系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、特開平2−157760記載の化合物等のボレート系化合物、カルバゾール系化合物、特開昭61−151197記載の化合物等のチタノセン系化合物、特開昭59−1504号、特開昭61−243807に記載の化合物等の有機過酸化物、特公昭43−23684、特公昭44−6413、特公昭47−1604、USP第3567453号明細書に記載の化合物等のジアゾニウム化合物、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書、USP第2940853号明細書に記載の化合物等の有機アジド化合物、特公昭36−22062、特公昭37−13109、特公昭38−18015、特公昭45−9610に記載の化合物等のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162、特開昭59−140203、「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)に記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205に記載の化合物等のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)に記載の化合物等の金属アレン錯体、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)、特開平2−182701に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477に記載の化合物等のアルミナート錯体、四臭化炭素や特開昭59−107344に記載の化合物等の有機ハロゲン化合物、特開平5−255347に記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体等が挙げられる。
これらの光重合開始剤(C)は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。光重合開始剤(C)は、感光性組成物中の固形分100質量部中において、0.01〜60質量部が好ましく、0.01〜10質量部がより好ましく、さらに好ましくは0.03〜7質量部である。光重合性、すなわち重合反応の進行の観点から0.01質量部以上であることが好ましく、開始剤の黄変の影響による透明性の低下の抑制や、露光時の過剰な光重合によるパターン解像度の低下の抑制の観点から、10質量部以下であることが好ましい。
さらに、本実施形態の感光性組成物には、増感剤を含有させることができる。増感剤としては例えば、
カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、ミヒラーケトン誘導体、ビイミダゾール誘導体等が挙げられる。
さらに具体例には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。増感剤は、任意の比率で二種以上の増感剤を含んでいてもかまわない。
増感剤は、感光性組成物中の光重合開始剤(C)100質量部に対して、0.1〜150質量部の量を用いることが好ましく、1〜100質量部の量で用いることがより好ましい。
本実施形態の感光性組成物を後述するカラーフィルタ用感光性組成物として使用する場合、カラーフィルタ用感光性顔料組成物において、光重合開始剤(C)の質量〔Ia〕と光重合性官能基を含む化合物(B)のうち、低分子量のものの質量〔M〕との比率〔Ia/M〕は、0.03〜1.00であることが好ましく、0.04〜0.95であることがより好ましい。
さらに、カラーフィルタ用感光性組成物が増感剤を含有する場合には、光重合開始剤(C)および増感剤の合計質量〔Ib〕と光重合性官能基を含む化合物(B)のうち、低分子量のものの質量〔M〕との比率〔Ib/M〕は、0.04〜1.50であることが好ましく、0.05〜1.45であることがより好ましい。
〔Ia/M〕が0.03以上、〔Ib/M〕が0.04以上であると感度が高く良好である。また、〔Ia/M〕が1.00以下、〔Ib/M〕が1.50以下のとき、パタ−ン形状の直線性や解像性がより優れている。
<<アルカリ可溶性官能基を含む化合物(D)>>
アルカリ可溶性官能基を含む化合物(D)(ただし、フリル基と光重合性基は含まない)は、感光性組成物をフォトリソグラフィーでパターン形成する際のアルカリ現像性を付与するために用いられる。感光性組成物をアルカリ現像型のネガ型フォトレジストとして使用し、かつ必須成分であるフリル基を含む化合物(A)および/または光重合性官能基を含む化合物(B)のいずれにもアルカリ可溶性官能基を含まない場合には、化合物(D)を用いることが必須であるが、それ以外の場合は任意に使用することができる。
アルカリ可溶性官能基を含む化合物(D)はフリル基と光重合性基は含まずにアルカリ可溶性官能基を含んでいれば特にその構造が限定されるものではない。低分子であっても高分子であっても良いが、末端および/または側鎖にアルカリ可溶性官能基を有する高分子であることが好ましく、カルボキシル基を含むポリマーであることがさらに好ましい。ポリマーは直鎖、分岐、星状のいずれでもよく、また、熱可塑性、熱硬化性のいずれでもよい。例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリエーテル、無水マレイン酸を含む共重合体、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、混合物を使用することもできる。高分子は直鎖、分岐、星状などいずれでもよく、また、熱可塑性、熱硬化性のいずれでもよい。感光性組成物の透明性が優れている点からポリ(メタ)アクリレートであることがさらに好ましい。
具体的には、前記アルカリ可溶性官能基を含む単量体として挙げた単量体と、その他の単量体(ただし、フリル基を含まないもの)とを含む単量体を重合して得られる共重合体などを用いることができる。
その他の単量体として、塗膜を固くし、感光性組成物の薬品耐性を上げられる点でメチルメタクリレート、アルカリ現像時の溶解速度を速くできる点や、感光性組成物の薬品耐性を上げられる点でヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートを含むことが好ましい。
<シラン化合物(E)>
一実施形態では、本発明の感光性組成物は、下記一般式(1)で表わされるシラン化合物(E)を含むことが好ましい。加熱によりイソシアネート基をブロックする部位が脱離し、感光性組成物中のカルボキシル基やヒドロキシル基と熱硬化工程で反応することによって、塗膜に薬品耐性を付与するものと推定される。
一般式(1)
Figure 2017194662
[一般式(1)中、Rは炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜30のアルアルキル基、または、炭素数7〜30のアルカリール基を表し、
Xは炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、または、炭素数1〜20のアルコキシレン基を表し、
、RおよびRは互いに独立して、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜30のアルアルキル基、炭素数7〜30のアルカリール基、置換基を有するシロキサン基、ハロゲン、ヒドロキシまたは水素を表す。]
なお、式中、置換基を有するシロキサン基の例としては、ポリシロキサン構造(−O−(−Si(R−O−)−SiR )が挙げられる。ここで、1≦n≦200であることが好ましい。複数存在するR及びRは互いに同じであっても異なっていてもよく、R及びRの例としては、一般式(1)においてR、RおよびRとして定義した基(置換基を有するシロキサンを除く)が挙げられる。
は炭素数1〜10のアルキル基、又はアルコキシ基であることがより好ましい。Xは、炭素数2〜8のアルキレン基、または炭素数2〜20のアリーレン基であることがより好ましい。R、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、置換基を有するシロキサン基であることがより好ましい。
一般式(1)で表わされるシラン化合物(E)としては、例えば(3−カルバメートエチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルトリメトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルトリプロパキシシラン、(3−カルバメートプロピル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートプロピル)プロピルトリメトキシシラン、(3−カルバメートプロピル)プロピルトリプロパキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルトリメトキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルトリプロパキシシラン、(3−カルバメートブチル)ブチルトリプロパキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルメチルジエトキシシラン、(3−カルバメートペンチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートオクチル)ペンチルトリブトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルシリルトリクロライド、(3−カルバメートエチル)プロピルトリメチルシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルジメチルシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルトリブチルシラン、(3−カルバメートエチル)エチル−p−キシレントリエトキシシラン、3−カルバメートエチル)−p−フェニレントリエトキシシランなどが挙げられるが、これらに限らない。また一般式(1)で表わされるシラン化合物(E)はその加水分解によるシラノール化合物であっても、それらが縮合したポリオルガノシロキサン化合物でも良い。
この中でも低温でも反応しやすく、耐薬品性が向上するため、(3−カルバメートエチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルトリメトキシシランが最も好ましい。
また、アルコキシレン基とは、−OR−(Rはアルキレン基を表す)で表される2価の基をいう。また、Xは炭素数1〜3アルキル基等の置換基を有していてもよく、また、上述の2価の基が2種以上連結した基であってもよい。
シラン化合物(E)の重量平均分子量(Mw)は100以上5000未満が好ましく、かつ感光性組成物の固形分合計100質量%中の該シラン化合物(E)の含有量が1質量%以上20質量%未満であることが好ましい。シラン化合物(E)の重量平均分子量(Mw)は、耐薬品性の観点で100以上が好ましく、5000以上の場合ブロック部位が脱離する加熱温度の上昇を抑制する観点で5000未満が好ましい。また耐薬品性の観点から含有量が1質量%以上であることが好ましく、現像残渣の発生を抑制する観点から20質量%未満であることが好ましい。
また、シラン化合物(E)の重量平均分子量(Mw)は200以上500未満であることが、ブロック部位脱離温度の点からより好ましく、感光性組成物の固形分合計100質量%中の該シラン化合物(E)の含有量が3質量%以上20質量%未満であることが、耐薬品性の点からより好ましい。
イソシアネート基含有シラン化合物、例えば3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリプロパキシシランは、その量やその他の成分との組合せによっては、感光性組成物中の溶剤、樹脂、単量体、水分と反応して白濁したり、ゲル化したりすることがある。またその硬化塗膜は安定して高い耐薬品性を発現できない場合がある。それと比較して一般式(1)で表わされるシラン化合物(E)は、イソシアネート基のような高い反応性を持つ部位を持たないため、熱的、化学的に安定である。そのため、シラン化合物(E)は感光性組成物中でも経時安定性に優れており、安定して高い耐薬品性を示すことができる。
<<その他の材料>>
本実施形態の感光性組成物は、発明の目的を損なわない範囲でさらに、以下のような材料を加えることができる。
<その他の樹脂>
本実施形態の感光性組成物は、必要に応じて、フリル基、光重合性官能基、アルカリ可溶性官能基のいずれをも含まないその他の樹脂を含有していても良い。例えば熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、特開2012−198527等に記載のβ−ヒドロキシアルキルアミド等が挙げられる。
<ルイス酸触媒>
感光性組成物の熱硬化時に起こるDiels−Alder反応を促進して反応温度を下げるため触媒を添加してもよい。触媒としてはルイス酸が挙げられ、例えば、塩化アルミニウム、四塩化スズ、三塩化鉄、三塩化チタン、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、アルキルアルミニウム化合物(トリメチルアルミニウムなど)、ポリアルミノキサン化合物(ポリメチルアルミノキサン、スルホンイミド変性ポリアルミノキサン化合物、スルホン酸変性ポリアルミノキサン化合物、ポリメチルアルミノキサンとビストリフルオロメタンスルホンイミドの反応生成物など)、スカンジウム化合物(スカンジウム(III)パーフルオロオクタンスルフォネートなど)などが挙げられる。
さらに助触媒として、脂肪族又は芳香族エステル類、クロロ酢酸エステル類、エーテル類、ケトン類、炭酸エステル類及びニトロ化合物、アミン類、有機カルボン酸やリン酸等の弱酸の強アルカリ塩(酢酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウムなど)、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩(酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなど)などを使用することができる。
<有機溶剤>
感光性組成物を塗工する際のハンドリングをよくするために、有機溶剤を使用してもよい。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、オクタン、シクロロメタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、などが挙げられる。これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。
中でも、他の構成要素の溶解性が良好であることから、ケトン系、エステル系、エーテル系の溶剤を用いることが好ましい。
有機溶剤の使用量は、感光性組成物の固形分濃度を5〜50質量%とする量を使うのが好ましい。感光性組成物の固形分濃度をこのような範囲とすることにより、より均一な厚さの、平滑性の高い膜あるいは微細パターンを提供することができる。すなわち、固形分濃度が50質量%以下であると、感光性組成物を塗工する際のレベリング性や、得られる膜あるいは微細パターンの平滑性、透明性の観点で好ましく、一方、固形分濃度が5質量%以上であると、所定の厚さの膜およびパターンが得られ易い。
本実施形態の感光性組成物に着色剤を添加して後述するカラーフィルタ用感光性組成物とし、カラーフィルタセグメントやブラックマトリックスを作製する場合、ガラス基板やフィルム基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。それを容易にするために有機溶剤が用いられるが、例えば、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が好ましく用いられる。これらを単独でもしくは混合して用いることができる。
特に有機溶剤の乾燥性を考慮し、ダイコート法やスクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法などにおいては160℃以上の高沸点溶剤を含むことが好ましく、例えば、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(bp174℃)、1,3−ブタンジオール(bp203℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(bp203℃)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(bp213℃)、ジイソブチルケトン(bp168.1℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(bp171.2℃)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(bp208.1℃)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(bp191.5℃)、エチレングリコールジブチルエーテル(bp203.3℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(bp194.0℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(bp202.0℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(bp188.4℃)、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(bp207.3℃)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(bp170.2℃)、プロピレングリコールジアセテート(bp190.0℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(bp187.2℃)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(bp197.8℃)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(bp212.0℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp175℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(bp206.3℃)、3−エトキシプロピオン酸エチル(bp169.7℃)、3−メトキシブチルアセテート(bp172.5℃)、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート(bp188℃)、γ−ブチロラクトン(bp204℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(bp166.1℃)、N−メチルピロリドン(bp202℃)、p−クロロトルエン(bp162.0℃)、o−ジエチルベンゼン(bp183.4℃)、m−ジエチルベンゼン(bp181.1℃)、p−ジエチルベンゼン(bp183.8℃)、o−ジクロロベンゼン(bp180.5℃)、m−ジクロロベンゼン(bp173.0℃)、n−ブチルベンゼン(bp183.3℃)、sec−ブチルベンゼン(bp178.3℃)、tert−ブチルベンゼン(bp169.1℃)、シクロヘキサノール(bp161.1℃)、シクロヘキシルアセテート(bp173℃)、メチルシクロヘキサノール(bp174℃)等が挙げられ、160℃以上の高沸点溶剤は溶剤の全量を基準として5〜50質量%が好ましい。
有機溶剤は、カラーフィルタ用感光性組成物中の着色剤100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは500〜5000質量部の量で用いることが好ましい。
<着色剤>
本実施形態の感光性組成物を着色し、カラーフィルタ等に使用するために、着色剤を添加してもよい。
以下に、カラーフィルタ用感光性組成物に好ましく用いられる着色剤について説明する。
カラーフィルタ用感光性組成物に含有される着色剤としては、有機または無機の顔料及び染料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。顔料のなかでは、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられるがこれに限定されるものではない。
以下に、カラーフィルタセグメントやブラックマトリックスの作製に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色感光性組成物には、例えばC.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、166、168、176、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、207、208、209、210、215、216、217、220、221、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、269、272、279等の赤色顔料を用いることができる。赤色感光性組成物には、黄色顔料、オレンジ顔料を併用することができる。
また、キサンテン系、アゾ系、ジスアゾ系、アントラキノン系などの赤色染料も使用できる。具体的には、C.I.アシッド レッド 52、87、92、289、338などのキサンテン系酸性染料の造塩化合物等が挙げられる。
さらに後述する緑色顔料を色度調整用に併用することができる。
これらの中でも、赤色顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、アゾ系顔料、又はペリレン系顔料が好ましい。ジケトピロロピロール系顔料としてはC.I.Pigment Red254が好ましく、アントラキノン系顔料としてはC.I.Pigment Red177、ペリレン系顔料としてはC.I.Pigment Red179が、優れた着色力を得られるため好ましい。
さらにアゾ系顔料としては、下記一般式(1)で表されるナフトールアゾ顔料が好ましい。
Figure 2017194662
[一般式(1)中、Aは、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよい複素環基を表す。Rは、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−ORまたは−COORを表す。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR、−COOR10、−CONHR11、−NHCOR12または−SONHR13を表す。R〜R13は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ただし、Rが−NHCOR12であり、A、R、R、R、およびRが水素原子、かつRがハロゲン原子の場合は除く。]
一般式(1)で表されるナフトールアゾ顔料の中でも、好ましくは、R〜Rのうち少なくとも1つがトリフルオロメチル基であるアゾ顔料、あるいはR〜Rのうち少なくとも1つが−NHCOR12であるアゾ顔料が、顔料粒子を微細化しやすくコントラスト比が秀でているため好ましい。
一般式(1)で表されるナフトールアゾ顔料としては、カラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、C.I.ピグメントレッド31、32、146、147、150、184、187、188、210、238.245.247、266、268、269、C.I.バイオレット25、または50等が挙げられる。これらの中でも、色相・明度の観点から、C.I.ピグメントレッド150、170、187、266、268、269が好ましい。
一般式(1)中、Aにおいて、置換基を有してもよいフェニル基の「置換基」としては、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。したがって、置換基を有してもよいフェニル基の具体例としては、フェニル基、p−メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3−カルバモイルフェニル基、2−クロロ−4−カルバモイルフェニル基、2−メチル−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−メチル−3−スルファモイルフェニル基、4−スルホフェニル基、4−カルボキシフェニル基、2−メチル−4−スルホフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、Aにおいて、置換基を有してもよい複素環基の「置換基」としては、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。また、「複素環」とは、環系を構成する原子の中に、炭素原子以外のヘテロ原子が1個以上含まれるものを意味し、飽和環であっても不飽和環であっても良く、更に単環であっても縮合環であっても良い。したがって、複素環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、キノリン環、ベンゾフラン環、インドール環、モルホリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロフラン環などが挙げられる。ゆえに、複素環基とは、これら複素環から水素原子を除いて誘導される一価の遊離基を意味し、したがって、置換基を有してもよい複素環基の具体例としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピローリル基、3−ピローリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、ピペリジノ基、4−ピペリジル基、モルホリノ基、2−モルホリニル基、N−インドリル基、2−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−キノリノ基、N−カルバゾリル基などが挙げられる。
また、R〜R、R14におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、R〜R14における炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
顔料としては、明度の観点から、Aが、置換基を有してもよいフェニル基であることが好ましい。さらに、明度および分散性の観点から、Rが炭素数1〜4のアルキル基または−ORであることが好ましく、Rがメチル基またはメトキシ基であることがより好ましい。
本実施形態の着色剤は、化学構造が一般式(1)、またはその互変異性体であっても良く、あらゆる結晶形態を持った顔料であっても良く、いわゆる多形と呼称されるあらゆる結晶形態を持った顔料同士の混晶であっても良い。これら顔料の結晶形態は、粉末X線回折測定やX線結晶構造解析により確認できる。
ナフトールアゾ顔料は、溶媒に対して、そして光に対して優れた堅ろう性を有する水不溶性の顔料であり、この顔料を用いることで、明度とコントラスト比のいずれも優れたカラーフィルタ用着色組成物を得ることができる。
ナフトールアゾ顔料を単独で、または、2種以上を混合して使用することもできる。
一般式(1)で表されるナフトールアゾ顔料の中でも、好ましくは、R〜Rのうち少なくとも1つがトリフルオロメチル基であるナフトールアゾ顔料が、微細化が容易であるために好ましい。
これらの中でも、Rが−トリフルオロメチル基であることが好ましく、かつ、Rが−Cl基であることが、好ましい。これらを満たすことにより、顔料の微細化が可能となるため、高コントラスト化を達成できる。
上記ナフトールアゾ顔料の具体例としては、下記に示すナフトールアゾ顔料等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2017194662
Figure 2017194662
Figure 2017194662
一般式(1)で表されるナフトールアゾ顔料の中でも、好ましくは、R〜Rのうち少なくとも1つが−NHCOR12であるナフトールアゾ顔料[A2]が明度に優れていているために好ましい。ただし、Rが−NHCOR12であり、A、R、R、R、およびRが水素原子、かつRがハロゲン原子の場合は除く。
これらの中でも、Rが−NHCOR12であることが好ましく、Rがメトキシ基であることがより好ましい。
上記ナフトールアゾ顔料の具体例としては、下記に示すナフトールアゾ顔料等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2017194662
Figure 2017194662
Figure 2017194662
全着色剤に対する赤色顔料・染料の含有量の範囲は好ましくは10〜70質量%、より好ましくは10〜60質量%である。赤色顔料・染料の含有量が上記範囲内であると、有機EL表示装置用カラーフィルタとしての優れた色再現性の観点で好ましい。
黄色顔料としては、例えばC.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等を用いることができる。
また、キノリン系、アゾ系、ジスアゾ系、メチン系などの黄色染料も使用できる。
上記の中でも、イソインドリン系顔料、キノフタロン系顔料が好ましい。これらの中でもとくにC.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 185、または下記一般式(2)で表されるキノフタロン化合物を含む場合、明度や着色力に優れるため好ましい。
一般式(2)で表されるキノフタロン化合物について説明する。
Figure 2017194662
[一般式(2)中、X1〜X13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、酸性基、あるいはその金属塩、アルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、または置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。X1〜X4、および/または、X10〜X13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。]
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルキル基において、アルキル基の炭素数(置換基の炭素数を含まない)は1〜10であることが好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルコキシ基、ニトロ基、炭素数6〜18のアリール基等が挙げられ、2種以上の置換基を有していてもよい。置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−プチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、ステアリル基、2−エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基の他、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−ニトロプロピル基、ベンジル基、4−メチルベンジル基、4−tert−プチルベンジル基、4−メトキシペンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルコキシル基において、アルコキシル基の炭素数(置換基の炭素数を含まない)は1〜10であることが好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルコキシ基、ニトロ基、炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、2種以上の置換基を有していてもよい。置換基を有してもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプチルオキシ基、tert−プチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−3−ペントキシ、n−へキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基の他、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシ基、2,2−ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等の置換基を有するアルコキシル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアリール基において、アリール基の炭素数(置換基の炭素数を含まない)は6〜18であることが好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基等が挙げられ、2種以上の置換基を有していてもよい。置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等のアリール基の他、p−メチルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−アミノフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、4,5,8−トリクロロ−2−ナフチル基、アントラキノニル基、2−アミノアントラキノニル基等の置換基を有するアリール基が挙げられる。
また、酸性基としては、例えば、−SOH、−COOHが挙げられ、これら酸性基の1価〜3価の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等が挙げられる。また、酸性基のアルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
置換基を有してもよいフタルイミドメチル基(C(CO)N−CH−)、および、置換基を有してもよいスルファモイル基(HNSO−)における「置換基」としては、上記のハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基等が挙げられる。
一般式(2)のX1〜X4、および/または、X10〜X13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を少なくともひとつ形成する。ここでいう芳香環とは、炭化水素芳香環および複素芳香環が挙げられ、炭化水素芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が、また、複素芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、キノリン環、キノキサリン環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環などが挙げられる。
一般式(2)で表されるキノフタロン化合物は、下記一般式(2A)〜(2C)のいずれかであることが好ましい。
Figure 2017194662

Figure 2017194662
Figure 2017194662

[一般式(2A)〜(2C)中、X14〜X28、X29〜X43、X44〜X60は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SOH基、−COOH基、−SOH基もしくは−COOH基の金属塩、−SOH基もしくは−COOH基のアルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、または置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。]
さらに、一般式(2A)〜(2C)のX14〜X28、X29〜X43、X44〜X60が、水素原子またはハロゲン原子あることがより好ましい。
一般式(2)で表されるキノフタロン化合物の具体例として、下記に示すキノフタロン化合物(a)〜(p)等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2017194662
Figure 2017194662
Figure 2017194662
また、これらの黄色顔料は、単独または2種以上を組み合わせて、イエロー色フィルタセグメントを形成するためのイエロー色感光性組成物に用いることができる。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色感光性組成物にはオレンジ色顔料としては、例えばC.I. Pigment orange 36、38、43、51、55、59、61、71、73等を用いることができる。
また、これらのオレンジ色顔料は、単独または2種以上を組み合わせて、オレンジ色フィルタセグメントを形成するためのオレンジ色感光性組成物に用いることができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色感光性組成物には、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37および58、アルミニウムフタロシアニン顔料等の緑色顔料を用いることができる。緑色感光性組成物には先述した黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色感光性組成物には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等の青色顔料を用いることができる。
青色感光性組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。さらにC.I.ピグメントレッド81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5などのローダミン系染料の金属レーキ顔料を併用できる。また青色や紫色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。
さらに先述した黄色顔料を色度調整用に併用することができる。
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色感光性組成物には、例えばC.I. Pigment Blue15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、80等の青色顔料を用いることができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色感光性組成物には、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、C.I. Pigment Red81、144、146、177、169等の紫色顔料および赤色顔料を用いることができる。マゼンタ色感光性組成物には、黄色顔料を併用することができる。
ブラックマトリックスを形成するための黒色感光性組成物には、例えばカーボンブラック、アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、具体的には C.I. ピグメントブラック1、6、7、12、20、31等を用いることができる。黒色感光性組成物には、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料の混合物を用いることもできる。黒色顔料としては、価格、遮光性の大きさからカーボンブラックが好ましく、カーボンブラックは、樹脂などで表面処理されていてもよい。また、色調を調整するため、黒色感光性組成物には、青色顔料や紫色顔料を併用することができる。
また、無機顔料としては、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、酸化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いることが好ましい。また、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
カラーフィルタ用感光性組成物の全不揮発成分を基準(100質量%)として、好ましい着色剤の濃度は、充分な色再現性を得る観点から5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、最も好ましくは15質量%以上である。また感光性組成物の安定性が良くなることから、好ましくは着色剤成分の濃度は90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、最も好ましくは70質量%以下である。
また、一実施形態においてはカラーフィルタ用感光性組成物の全不揮発成分を基準(100質量%)として、着色剤成分の濃度が、25質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上が特に好ましく、35質量%以上が最も好ましい場合もある。本実施形態によれば、着色剤成分の濃度が高い場合であっても、薬品耐性と現像性を両立することができるという利点がある。
上記実施形態の一例として、赤色感光性組成物においては25質量%から55質量%、緑色感光性組成物においては25質量%から55質量%が好ましい。青色感光性組成物においては、低着色剤濃度においても充分な色再現性が得られることがあるため、10質量%から40質量%が好ましい。
一方で、カラーフィルタ用感光性組成物中の着色剤成分の濃度が上記よりも低い場合においても、色材の種類によっては光ラジカル重合を阻害し、良好な薬品耐性が得られにくい場合があり、本実施形態によればこの場合でも良好な薬品耐性が得られるという利点がある。
<多官能チオール>
カラーフィルタ用感光性組成物には、多官能チオールを含有することができる。多官能チオールは、チオール(SH)基を2個以上有する化合物である。
多官能チオールは上述の光重合開始剤(C)とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られるカラーフィルタ用感光性組成物は高感度となる。特にSH基がメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。
例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、着色剤100質量部に対して0.05〜100質量部の量が好ましく、1.0〜50.0質量部の量がより好ましい。多官能チオールを0.05質量部以上用いることで、より良い現像耐性を得ることができる。チオール(SH)基を複数有するチオールを用いることにより、現像耐性の向上が得られる。
<紫外線吸収剤または重合禁止剤>
カラーフィルタ用感光性組成物には、紫外線吸収剤または重合禁止剤を含有することができる。紫外線吸収剤または重合禁止剤を含有することで、パターンの形状と解像性を制御することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(ドデシルおよびトリデシル)オキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のヒドロキシフェニルトリアジン系、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート等のサリチレート系、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(トリアセトン−アミン−N−オキシル)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]等のヒンダードアミン系等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
重合禁止剤としては、例えばメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、4−ベンゾキノン、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、t−ブチルカテコールなどのハイドロキノン誘導体およびフェノール化合物、フェノチアジン、ビス−(1−ジメチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン等のアミン化合物、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸マンガン、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン等の銅およびマンガン塩化合物、4−ニトロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソシクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等のニトロソ化合物およびそのアンモニウム塩またはアルミニウム塩等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
紫外線吸収剤および重合禁止剤は、カラーフィルタ用感光性組成物中の着色剤100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.05〜10質量部である。
紫外線吸収剤または重合禁止剤を0.01質量部以上用いることで、より良い解像度を得ることができる。
<貯蔵安定剤>
カラーフィルタ用感光性組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために、貯蔵安定剤を含有することができる。貯蔵安定剤としては、例えば2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、ペンタエリスチリル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)1,3,5−トリアジン等のヒンダードフェノール系、テトラエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルフォスフィン等の有機ホスフィン系、ジメチルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルジチオリン酸亜鉛、ジブチルジチオリン酸モリブデン等の亜リン酸塩系、ドデシルスルフィド、ベンゾチオフェンなどのイオウ系、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
貯蔵安定剤は、カラーフィルタ用感光性組成物中の着色剤100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.05〜10質量部の量で用いる。
<密着向上剤>
一実施形態では、カラーフィルタ用感光性組成物には、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることが好ましい。密着向上剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
中でもシラン系の添加剤を含むとガラス基材などとの密着性が向上するため好ましく、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランがより好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
シランカップリング剤は、カラーフィルタ用感光性組成物中の着色剤100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部の量で用いる。
<レベリング剤>
カラーフィルタ用感光性組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−330などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、感光性顔料組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。
このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<アミン系化合物>
カラーフィルタ用感光性組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることが好ましい。このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<その他>
必要に応じて、熱硬化性樹脂に併用する硬化剤、光安定剤、酸化防止剤、無機フィラー、接着性付与剤、界面活性剤等などの添加剤を加えてもよい。これらの添加剤は、樹脂組成物の目的を損なわない範囲で任意の量を加えることができる。
<<感光性組成物の製造方法>>
本実施形態の感光性組成物は、フリル基を含む化合物(A)と、光重合性官能基を含む化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、必要に応じてアルカリ可溶性官能基を含む化合物(D)やその他の成分とを混合、撹拌することによって作製することができる。
本実施形態の感光性組成物をカラーフィルタ、カラーフィルタ保護膜、フォトスペーサー、液晶配向用突起、マイクロレンズ、タッチパネル用絶縁膜等のディスプレイ用のコーティング剤、フォトレジストなどとして用いる場合、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵、異物の除去を行うことが好ましい。
<カラーフィルタ用感光性組成物の製造方法>
本発明の一態様はカラーフィルタ用感光性組成物に関する。カラーフィルタ用感光性組成物は着色剤を含有するために光硬化が進みにくく、薬品耐性と現像性がトレードオフの関係となるという課題が特に顕著である。特に、低温硬化が望まれる場合は、優れた薬品耐性と現像性を両立させることが困難である。本実施形態のカラーフィルタ用感光性組成物によれば、低温硬化条件においても、薬品耐性と現像性を両立させることができる。
本実施形態の感光性組成物に着色剤を添加して、カラーフィルタ用感光性組成物として用いる場合、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製することができる。着色レジスト材は、フリル基を含む化合物(A)、光重合性官能基を含む化合物(B)、光重合開始剤(C)、必要に応じてアルカリ可溶性官能基を含む化合物(D)、有機溶剤を含有する組成物中に着色剤を分散させたものである。カラーフィルタ用感光性組成物は、顔料、染料などの着色剤を樹脂などの色素担体および/または溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して顔料分散体を製造し、該顔料分散体にフリル基を含む化合物(A)、光重合性官能基を含む化合物(B)、光重合開始剤(C)、必要に応じてアルカリ可溶性官能基を含む化合物(D)、有機溶剤、場合によっては、シラン化合物(E)、増感剤、多官能チオール、紫外線吸収剤、重合禁止剤、貯蔵安定剤、その他成分を混合攪拌して製造することができる。また、2種以上の顔料を含む感光性着色組成物は、各顔料分散体を別々に色素担体および/または溶剤中に微細に分散したものを混合し、さらにフリル基を含む化合物(A)、光重合性官能基を含む化合物(B)、光重合開始剤(C)、必要に応じてアルカリ可溶性官能基を含む化合物(D)、有機溶剤等を混合攪拌して製造することができる。
フリル基を含む化合物(A)と光重合性官能基を含む化合物(B)とは、顔料分散体を製造する際の色素担体として使用してもよい。
顔料を樹脂などの色素担体および/または溶剤中に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、顔料誘導体等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を樹脂および/または溶剤中に分散してなるカラーフィルタ用感光性組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。
分散助剤は、顔料100質量部に対して、好ましくは0.1〜40質量部、より好ましくは0.1〜30質量部の量で用いる。
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、色素担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の色素担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
顔料誘導体とは、有機顔料に置換基を導入した化合物であり、有機顔料には、一般に顔料とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。顔料誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
<<感光性組成物を使用した硬化物、パターンの製造方法>>
本発明の一態様は、上記の感光性組成物を用いてなる硬化物の製造方法にも関する。本実施形態の製造方法は、
フリル基を含む化合物(A)、光重合性官能基を含む化合物(B)、及び光重合性開始剤(C)を含有する感光性組成物を、基材に塗布し乾燥させる、または、所望の形状に成形する工程と、
基材に塗布し乾燥させた、または、所望の形状に成形した感光性組成物の少なくとも一部に紫外線を照射する、光硬化工程と、
紫外線を照射した感光性組成物を、80〜150℃の温度範囲で硬化させる熱硬化工程と
を少なくとも含む。
本実施形態によれば、薬品耐性に優れ、かつ、脱ガスや保存安定性のバランスに優れた硬化物を製造することができる。
一実施形態では、光硬化工程の後に、現像工程を含むこともできる。
例えば、本実施形態の感光性組成物を、各種基材の片面または両面に塗布し、もしくは金型等を用いて成形し、必要に応じて加熱や減圧などにより乾燥し、紫外線を全面またはフォトマスクを介して部分的に照射し、必要に応じて現像し、80〜150℃において加熱硬化させることで目的の硬化物を得ることができる。
なお、熱硬化工程では、使用する基材の耐熱性に応じて150℃を超える温度で加熱硬化させることも可能である。
基材としては、例えば、ガラス、セラミック、ポリカーボネート、ポリエステル、ウレタン、アクリル、ポリアセテートセルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、ポリビニルアルコール、ステンレス等の各種金属、などが挙げられる。
紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、無電極ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプなどの光源を用いることが好ましい。
現像は、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望の微細パターンを形成することができる。
本実施形態の感光性組成物をカラーフィルタ保護膜、フォトスペーサー、液晶配向用突起、マイクロレンズ、タッチパネル用絶縁膜等のディスプレイ用のコーティング剤、フォトレジストなどとして用いてディスプレイ部材を製造する方法について説明する。
これらのディスプレイ部材を製造する際の厚さとしては、乾燥状態で0.005〜30μmとするのが好ましく、0.01〜20μmとするのがより好ましく、0.1〜10μmとするのが特に好ましい。厚さをこのような範囲とすることにより、適度な機械的強度や耐熱性が得られるとともに、光の透過率を損なうおそれが少ない。
本実施形態の感光性組成物をガラス基板、ITO、金属膜、有機膜等に塗布する方法は特に限定されるものでなく、例えば、浸漬法、スプレー法、ロールコート法、ダイコート法、回転塗布法等が使用可能であり、その他、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法等の印刷法によっても塗布可能である。フォトリソグラフィーによりパターン形成することも可能である。
本実施形態の感光性組成物を基板に塗布した後の乾燥方法は特に制限されるものではなく、感光性組成物に使用する各構成成分の種類や、添加量(配合量)等によって変えることができる。例えば、減圧乾燥機、オーブン、赤外線加熱機等を使用することが可能である。ネガ型のフォトリソグラフィーを行うためには、未露光部分の現像性を悪化させないために、乾燥時に加熱されない減圧乾燥機を使用することが好ましい。オーブンや赤外線加熱機等を使用して加熱する場合は温度が40〜80℃で、1分〜1時間の条件で乾燥するのが好ましい。感光性組成物の架橋による現像残渣の発生を抑制する観点では、加熱温度は60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。
光硬化方法についても、特に制限されるものではないが、例えば、光源として高圧水銀灯やメタルハライド灯等を使用して紫外線を照射することが可能である。そして、その照射条件も、感光性組成物に使用する各構成成分の種類や、添加量(配合量)等によって変えることができるものの、通常、紫外線の照射量は、10〜500mJ/cmが好ましく、20〜300mJ/cmがより好ましい。
光硬化後に行う熱硬化に関しては、感光性組成物に使用する各構成成分の種類や、添加量(配合量)等によって変えることができるものの、フリル基を含む化合物(A)中のフリル基と、光重合性官能基(B)中の光重合性官能基のうち光硬化の工程で未反応のまま残ったものとが架橋反応する温度が好ましく、温度が80〜150℃の範囲で、0.1〜10時間の条件で加熱硬化するのが好ましい。より低温で硬化させることが望まれる場合は、熱硬化温度を、好ましくは130℃以下、より好ましくは120℃以下、さらに好ましくは110℃以下、特に好ましくは110℃以下とすることができる。
<カラーフィルタの製造方法>
本実施形態のカラーフィルタ用感光性組成物を用いてカラーフィルタを製造する方法について説明する。
カラーフィルタは、透明基板上に、カラーフィルタ用感光性組成物から形成されるフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを備えるものであり、一般的なカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備、または少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、および少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを具備する。
フォトリソグラフィー法によれば、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法等の印刷法より精度の高いフィルタセグメントおよびブラックマトリックスが形成できる。フォトリソグラフィー法による各色フィルタセグメントおよびブラックマトリックスの形成は、下記の方法で行う。すなわち、
溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製したカラーフィルタ用感光性組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。
必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。
その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成してフィルタセグメントおよびブラックマトリックスを形成することができる。
さらに、現像により形成されたフィルタセグメントおよびブラックマトリックスに薬品耐性を付与するため、熱硬化を行う。
カラーフィルタの製造に際して、好適な色度や膜厚を達成するために、着色剤の濃度を高くすることが望まれる場合があるが、本実施形態の感光性組成物によれば、上述のとおり、着色剤の濃度が高濃度である場合にも現像性と薬品耐性を両立することができる。
UVインキやプリント配線板用エッチングレジストなどの用途では感光性組成物は10μmを超える膜厚で使用されることが一般的である。しかし、カラーフィルタ用途の場合は、液晶表示装置、カラー有機EL表示装置、固体撮像素子等の構造上の制約や、生産プロセス上の制約から、膜厚を5μm以下に制限される場合が多い。したがってカラーフィルタ用感光性組成物においては着色剤の濃度を高くする必要性が発生する場合が多く、本実施形態の感光性組成物により現像性と薬品耐性を両立することが実用上、有意義である。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
フィルタセグメントおよびブラックマトリックスの乾燥膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。
塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。乾燥条件はカラーフィルタ用感光性組成物に使用する各構成成分の種類や、添加量(配合量)等によって変えることができるが、ネガ型のフォトリソグラフィーを行うためには、未露光部分の現像性を悪化させないために、乾燥時に加熱されない減圧乾燥機を使用することが好ましい。オーブンや赤外線加熱機等を使用して加熱する場合は温度が40〜80℃で、1分〜1時間の条件で乾燥するのが好ましい。感光性組成物の架橋による現像残渣の発生を抑制する観点では、加熱温度は好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下である。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、カラーフィルタ用感光性組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
<有機EL表示装置>
本実施形態における有機EL表示装置は、本実施形態の感光性組成物により形成されてなるカラーフィルタと、白色発光有機EL素子(以下有機EL素子とする)を光源として有する表示装置であることが好ましい。
(有機EL素子(白色発光有機EL素子))
本実施形態に用いられる有機EL素子としては、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ)、(λ)を有し、波長λにおける発光強度Iと波長λにおける発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有していることが好ましく、0.5以上0.8以下であることがより好ましい。特に好ましくは、0.5以上0.7以下である。
発光強度Iの比(I/I)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有している場合、高い明度と広い色再現性が得られるため好ましい。
さらに波長530nm〜650nmの範囲に、発光強度の極大値またはショルダーを有していることが好ましい。
波長430nm〜485nmの範囲は、前記カラーフィルタを具備するカラー表示装置が色再現性のよい青色を表示する際に好ましいものである。より好ましくは430nm〜475nmの範囲である。
これらの構成を満足する有機EL素子と前記カラーフィルタとを用いることで、色再現領域が広く、高明度を有するカラー表示装置を得ることができる。
有機EL素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成される。ここで、一層型有機EL素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指し、一方、多層型有機EL素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させたものを指す。したがって、多層型有機EL素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が挙げられる。しかし、本発明で用いられる有機EL素子がこれらに限定されるものではない。
また、上述した各有機層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されてもよく、いくつかの層が繰り返し積層されていてもよい。そのような例として、近年、光取り出し効率の向上を目的に、上述多層型有機EL素子の一部の層を多層化する「マルチ・フォトン・エミッション」と呼ばれる素子構成が提案されている。これは例えば、ガラス基板/陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/電子注入層/電荷発生層/発光ユニット/陰極から構成される有機EL素子に於いて、電荷発生層と発光ユニットの部分を複数層積層するといった方法が挙げられる。
まず、これら各層に用いることのできる材料を具体的に例示する。但し、本発明に使用出来る材料はこれ等に限定されるものではない。
正孔注入層に用いることができる材料としては、フタロシアニン系化合物が有効であり、銅フタロシアニン(略:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略:VOPc)等を用いることが出来る。また、導電性高分子化合物に化学ドーピングを施した材料もあり、ポリエチレンジオキシチオフェン(略:PEDOT)にポリスチレンスルフォン酸(略:PSS)をドープした材料や、ポリアニリン(略:PANI)などを用いることもできる。また、酸化モリブデン(略:MoO)、酸化バナジウム(略:VO)、酸化ニッケル(略:NiO)などの無機半導体の薄膜や、酸化アルミニウム(略:Al3)などの無機絶縁体の超薄膜も有効である。また、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略:MTDATA)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略:TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略:α−NTPD)、4,4’−ビス[N−(4−(N,N−ジ−m−トリル)アミノ)フェニル−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略:DNTPD)などの芳香族アミン系化合物も用いることができる。さらに、それら芳香族アミン系化合物に対してアクセプタ性を示す物質を芳香族アミン系化合物に添加してもよく、具体的にはVOPcにアクセプタである2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略:F4−TCNQ)を添加したものや、α−NPDにアクセプタであるMoOを添加したものを用いてもよい。
正孔輸送層に用いることができる材料としては、芳香族アミン系化合物が好適であり、正孔注入材料で記述したTDATA、MTDATA、TPD、α−NPD、DNTPDなどを用いることができる。
電子輸送層に用いることができる電子輸送材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略:Zn(BTZ)2)などの金属錯体が挙げられる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略:OXD−7)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略:p−EtTA Z)などのトリアゾール誘導体、2,2’,2”−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](略:TPBI)のようなイミダゾール誘導体、バソフェナントロリン(略:BPhen)、バソキュプロイン(略:BCP)などのフェナントロリン誘導体を用いることができる。
電子注入層に用いることができる材料としては、先に記述したAlq3、Almq3、BeBq2、BAlq、Zn(BOX)、Zn(BTZ)、PBD、OXD−7、TAZ、p−EtTAZ、TPBI、BPhen、BCPなどの電子輸送材料を用いることができる。その他に、LiF、CsFなどのアルカリ金属ハロゲン化物や、CaFのようなアルカリ土類ハロゲン化物、LiOなどのアルカリ金属酸化物のような絶縁体の超薄膜がよく用いられる。また、リチウムアセチルアセトネート(略:Li(acac))や8−キノリノラト−リチウム(略:Liq)などのアルカリ金属錯体も有効である。また、これら電子注入材料に対してドナー性を示す物質を電子注入材料に添加してもよく、ドナーとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属などを用いることができる。具体的にはBCPにドナーであるリチウムを添加したものや、Alqにドナーであるリチウムを添加したものを用いることができる。
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略:BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物が挙げられる。
白色の発光を得る発光層としては特に制限はないが、例えば、下記のものを用いることができる。すなわち、有機EL積層構造体の各層のエネルギー準位を規定し、トンネル注入を利用して発光させるもの(欧州特許第0390551号公報)、同じくトンネル注入を利用する素子で実施例として白色発光素子が記載されているもの(特開平3−230584号公報)、二層構造の発光層が記載されているもの(特開平2−220390号公報および特開平2−216790号公報)、発光層を複数に分割してそれぞれ発光波長の異なる材料で構成されたもの(特開平4−51491号公報)、青色発光体(蛍光ピ−ク380〜480nm)と緑色発光体(480〜580nm)とを積層させ、さらに赤色蛍光体を含有させた構成のもの(特開平6−207170号公報)、青色発光層が青色蛍光色素を含有し、緑色発光層が赤色蛍光色素を含有した領域を有し、さらに緑色蛍光体を含有する構成のもの(特開平7−142169号公報)等が挙げられる。
さらに、本実施形態において用いられる発光材料は、従来発光材料として公知の材料が用いられればよい。下記に青色、緑色、橙色から赤色発光のために好適に用いられる化合物を例示する。しかし、発光材料が以下の具体的に例示したものに限定されるものではない。
青色の発光は、例えば、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略:TBP)、9,10−ジフェニルアントラセン誘導体などをゲスト材料として用いることによって得られる。また、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略:DPVBi)などのスチリルアリーレン誘導体や、9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(略:DNA)、9,10−ビス(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略:t−BuDNA)などのアントラセン誘導体から得ることもできる。また、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表1に示す。
Figure 2017194662

緑色の発光は、クマリン30、クマリン6などのクマリン系色素や、ビス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナト]ピコリナトイリジウム(略:FIrpic)、ビス(2−フェニルピリジナト)アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(ppy)(acac))などをゲスト材料として用いることによって得られる。また、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(略:Alq)、BAlq、Zn(BTZ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)クロロガリウム(略:Ga(mq)Cl)などの金属錯体からも得ることができる。また、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表2に示す。
Figure 2017194662

橙色から赤色の発光は、ルブレン、4−(ジシアノメチレン)−2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−6−メチル−4H−ピラン(略:DCM1)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(9−ジュロリジル)エチニル−4H−ピラン(略:DCM2)、4−(ジシアノメチレン)−2,6−ビス[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−4H−ピラン(略:BisDCM)、ビス[2−(2−チエニル)ピリジナト]アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(thp)2(acac))、ビス(2−フェニルキノリナト)アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(pq)(acac))などをゲスト材料として用いることによって得られる。ビス(8−キノキリノラト)亜鉛(略:Znq2)やビス[2−シンナモイル−8−キノリノラト]亜鉛(略:Znsq2)などの金属錯体からも得ることができる。また、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表3に示す。
Figure 2017194662
さらに、本実施形態に用いる有機EL素子の陽極に使用される材料は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、ITO、SNO、ZNO等の導電性材料が挙げられる。この陽極を形成するには、これらの電極物質を、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることができる。この陽極は、上記発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の発光に対する透過率が10%より大きくなるような特性を有していることが望ましい。また、陽極のシ−ト抵抗は、数百Ω/cm以下としてあるものが好ましい。さらに、陽極の膜厚は、材料にもよるが通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
また、本実施形態に用いる有機EL素子の陰極に使用される材料は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属などが挙げられる。この陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。ここで、発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。また、陰極としてのシ−ト抵抗は数百Ω/cm以下が好ましく、さらに、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200Nmである。
本実施形態に用いる有機EL素子を作製する方法については、上記の材料および方法により陽極、発光層、必要に応じて正孔注入層、および必要に応じて電子注入層を形成し、最後に陰極を形成すればよい。また、陰極から陽極へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製することもできる。
この有機EL素子は、透光性の基板上に作製する。この透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、その透光性については、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上、好ましくは90%以上であるものが望ましく、さらに平滑な基板を用いるのが好ましい。
これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラス板、合成樹脂板などが好適に用いられる。ガラス板としては、特にソ−ダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などで成形された板が挙げられる。また、合成樹脂板としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルサルファイド樹脂、ポリサルフォン樹脂などの板が挙げられる。
本実施形態に用いる有機EL素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ビ−ム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレ−ティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコ−ティング、ディッピング、フローコーティング、インクジェット法等の湿式成膜法、発光体をドナーフイルム上に蒸着する方法、また、特表2002−534782号公報やS.T.Lee,et al.,Proceedings of SID’02,p.784(2002)に記載されているLITI(Laser Induced Thermal Imaging、レーザー熱転写)法や、印刷(オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷)、インクジェット等の方法を適用することもできる。
有機層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。また特開昭57−51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコ−ト法等により薄膜化することによっても、有機層を形成することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホ−ル等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
また、有機EL素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしてもよい。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
本実施形態に用いる有機EL素子に印加する電流は、通常、直流であるが、パルス電流や交流を用いてもよい。電流値、電圧値は、素子破壊しない範囲内であれば特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、なるべく小さい電気エネルギーで効率よく発光させることが望ましい。
本実施形態に用いる有機EL素子の駆動方法は、パッシブマトリクス法のみならず、アクティブマトリックス法での駆動も可能である。また、本実施形態の有機EL素子から光を取り出す方法としては、陽極側から光を取り出すボトム・エミッションという方法のみならず、陰極側から光を取り出すトップ・エミッションという方法にも適用可能である。これらの方法や技術は、城戸淳二著、「有機ELのすべて」、日本実業出版社(2003年発行)に記載されている。
本実施形態に用いる有機EL素子のフルカラー化方式の主な方式は、カラーフィルタ方式である。カラーフィルタ方式では、白色発光の有機EL素子を使って、カラーフィルタを通して3原色の光を取り出す方法であるが、これら3原色に加えて、一部白色光をそのまま取り出して発光に利用することで、素子全体の発光効率をあげることもできる。
さらに、本実施形態に用いる有機EL素子は、マイクロキャビティ構造を採用しても構わない。これは、有機EL素子は、発光層が陽極と陰極との間に挟持された構造であり、発光した光は陽極と陰極との間で多重干渉を生じるが、陽極および陰極の反射率、透過率などの光学的な特性と、これらに挟持された有機層の膜厚とを適当に選ぶことにより、多重干渉効果を積極的に利用し、素子より取り出される発光波長を制御するという技術である。これにより、発光色度を改善することも可能となる。この多重干渉効果のメカニズムについては、J.Yamada等によるAM−LCD Digest of Technical Papers, OD−2,p.77〜80(2002)に記載されている。
上記の様にしてガラス基板等に並置してRGBのカラーフィルタ層を作製し、そのカラーフィルタ層上に、ITO電極層と上記有機EL素子を用いて作製された発光層(バックライト)を載せることでカラー表示が可能となり、カラー表示装置が得られることになる。その際、発光時の電流の流れをTFTによりコントロールすることで高コントラスト比をもつカラー表示装置を実現することが可能となる。
<<その他の用途>>
本発明の感光性組成物の用途はとくに限定されるものではなく、上記で説明したカラーフィルタ、ブラックマトリックスのほかに、カラーフィルタ保護膜、フォトスペーサー、液晶配向用突起、タッチパネル層間絶縁膜、感光性ソルダーレジスト、マイクロレンズ、光学ハードコート、UVインキ、感光性平版印刷版、各種コーティング等などを製造するのに用いることができる。
また、フレキシブルプリント配線板に使用される、補強板用接着剤や層間接着剤、コーティング剤、電磁波シールド用接着剤、感光性光導波路、光熱デュアル硬化型ポッティング剤等にも用いることができる。
本発明は、平成27年6月15日出願の日本特許出願番号2015−120375及び平成28年4月14日出願の日本特許出願番号2016−081168に記載の発明の主題に関連し、その全開示内容を参照により本明細書に取り込む。
以下に、実施例により、本発明の実施形態をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
また、以下の実施例において、樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量であり、東ソー社製のGPC−8020によって、溶離液はテトラヒドロフランを使用し、カラムはTSKgelSuperHM−M(東ソー社製)を3本使用し、流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で測定した。
IR測定は、PerkinElmer社製のSpectrum Oneを用いて行った。酸価の測定は次の通り行った。酸価を測定する化合物溶液を約1g秤量し、メチルエチルケトン30g、水1gを加え10分攪拌した後、0.1N水酸化カリウムエタノール溶液にて電位差滴定を行った。また、同様の方法で空試験を行った。目的物の不揮発分を200℃で10分加熱することで測定し、得られた滴定値と不揮発分から、化合物溶液の不揮発分1gに含まれる酸基(アルカリ可溶性官能基)と当量の水酸化カリウムのmg数を求めた。
エポキシ価の測定は平沼産業社「エポキシ樹脂のエポキシ当量の測定」HIRANUMA APPLICATION DATA 滴定データ COMシリーズ データNo.M1(2012)に記載の方法で行った。
なお、本明細書において、不揮発分は、サンプル1gを200℃で10分加熱させた場合の加熱後サンプル質量/加熱前サンプル質量から算出される値を意味する。ただし、市販品の場合においては、製造元指定の方法に基づいて算出される値を採用してもよい。本明細書において固形分と不揮発分は同義である。
<<製造例>>
<フリル基を含む化合物(A)の製造>
[製造例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート69.3部と、住化バイエル社製デスモジュールZ4470BA(IPDIイソシアヌレート、不揮発分70%の酢酸ブチル溶液、NCO基含有量11.9%)102.3部と、フルフリルアルコール28.4部、ジブチルスズジラウレート0.20部とを入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、8時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A1を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含まず、光重合性官能基を含まない。
[製造例2]
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート61.3部、フルフリルアルコール38.7部、ジブチルスズジラウレート0.10部、メトキノン0.10部を入れ、容器に乾燥空気を注入しながら、80℃に加熱して、8時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、希釈せずに取り出し、フリル基を含む化合物であり、かつフリル基を含む単量体(a−1)であるモノマー1を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含まず、光重合性官能基を含む。
[製造例3]
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にグリシジルメタクリレート55.5部、フルフリルメルカプタン44.5部、メトキノン0.10部を入れ、容器に乾燥空気を注入しながら、60℃に加熱して、8時間撹拌を続け、エポキシ価測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、希釈せずに取り出し、フリル基を含む化合物であり、かつフリル基を含む単量体(a−1)であるモノマー2を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含まず、光重合性官能基を含む。
[製造例4]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でフルフリルメタクリレート60.0部、メチルメタクリレート40.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A2を得た。なお、この化合物は、アルカリ可溶性基を含まず、光重合性官能基を含まない。重量平均分子量は26000であった。
[製造例5]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度で2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート86.7部、メチルメタクリレート13.3部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器にフルフリルアルコール54.8部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート54.8部、ジブチルスズジラウレート0.31部を入れ、80℃に加熱して、8時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A3を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含まず、光重合性官能基を含まない。重合体中の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート由来のイソシアネート基と、フルフリルアルコール中の水酸基を反応させる際に副反応が起こりやすいため、重合体はやや高分子量化し、重量平均分子量は60000であった。
[製造例6、9〜11、14〜16]
表4に記載した原料と仕込み量を用いた以外は製造例4と同様にして合成を行い、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A4、A7〜A9、A12〜14を得た。なお、これらの化合物はアルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含まない。重量平均分子量は表4に記載した通りである。
[製造例7]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でフルフリルメタクリレート50.0部、メタクリル酸10.0部、メチルメタクリレート40.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A5を得た。なお、この化合物は、アルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含まない。重量平均分子量は48000であった。
[製造例8]
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60.0部、フルフリルメタクリレート50.0部、メタクリル酸10.0部、メチルメタクリレート40.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら75℃に加熱して、同温度で1−チオグリセロール6.0部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20.0部の混合物を添加し、その後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.10部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.0部の混合物を30分間隔で10回添加した。その後3時間、同じ温度で撹拌を続け共重合体を得た。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A6を得た。なお、この化合物は、アルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含まない。重量平均分子量は3800であった。
[製造例12]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でフルフリルメタクリレート50.0部、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸26.7部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23.3部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A10を得た。なお、この化合物は、アルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含まない。重量平均分子量は52000であった。
[製造例13]
表4に記載した原料と仕込み量を用いた以外は製造例12と同様にして合成を行い、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A11を得た。なお、これらの化合物はアルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含まない。重量平均分子量は表4に記載した通りである。
[製造例17]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にシクロヘキサノン90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でメタクリル酸15.2部、グリシジルメタクリレート65.2部、メチルメタクリレート19.6部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部をシクロヘキサノン10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器にフルフリルメルカプタン52.3部、シクロヘキサノン52.3部を入れ、60℃で8時間撹拌を続け、エポキシ価測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、シクロヘキサノンで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A15を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含まない。プレポリマー中のメタクリル酸とグリシジルメタクリレートが重合中に副反応が起こりやすいためやや高分子量化し、フルフリルメルカプタン変性が終了した最終の重合体の重量平均分子量は70000であった。
[製造例18]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でフルフリルメタクリレート56.6部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート17.1部、メチルメタクリレート26.3部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器に無水コハク酸13.2部、ジメチルベンジルアミン1.13部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.2部を入れ、60℃で3時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A16を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含まない。重量平均分子量は27000であった。
[製造例19]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度で無水マレイン酸12.8部、メチルメタクリレート73.6部、スチレン13.6部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器にフルフリルアミン12.7部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.7部を入れ、60℃で3時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A17を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含まない。重量平均分子量は28000であった。
[製造例20]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に3−メトキシ−1−ブタノール90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でフルフリルメタクリレート60.9部、メタクリル酸25.2部、メチルメタクリレート14.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部を3−メトキシ−1−ブタノール10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器に乾燥空気を注入し、グリシジルメタクリレート21.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.6部、テトラブチルアンモニウムブロミド1.22部、メトキノン0.25部を入れ、100℃に加熱して、10時間撹拌を続け、酸価測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A18を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含む。重量平均分子量は33000であった。
[製造例21]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でフルフリルメタクリレート69.9部、グリシジルメタクリレート24.8部、メチルメタクリレート5.3部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器に乾燥空気を注入し、メタクリル酸15.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート15.0部、テトラブチルアンモニウムブロミド1.15部、メトキノン0.24部を入れ、100℃に加熱して、20時間撹拌を続け、酸価測定を行って目的物が生成していることを確認した。さらに続けて反応容器にテトラヒドロ無水フタル酸24.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート24.6部を入れ、60℃で3時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A19を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含む。重量平均分子量は37000であった。
[製造例22]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でフルフリルメタクリレート63.9部、メタクリル酸12.7部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23.3部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器に乾燥空気を注入し、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート27.8部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27.8部、ジブチルスズジラウレート0.26部、メトキノン0.26部を入れ、80℃に加熱して、8時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A20を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含む。重量平均分子量は28000であった。
[製造例23]
表4に記載した原料と仕込み量を用いた以外は製造例22と同様にして合成を行い、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A21を得た。なおこの化合物はアルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含む。重量平均分子量は表4に記載した通りである。
[製造例24]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でフルフリルメタクリレート66.1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート33.9部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器に乾燥空気を注入し、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート16.7部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート16.7部、ジブチルスズジラウレート0.24部、メトキノン0.24部を入れ、80℃に加熱して、8時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。さらに続けて反応容器に無水コハク酸15.3部、ジメチルベンジルアミン1.32部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート15.3部を入れ、60℃で3時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A22を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含む。重量平均分子量は30000であった。
[製造例25]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度で無水マレイン酸13.0部、メチルメタクリレート73.2部、スチレン13.8部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器に乾燥空気を注入し、フルフリルアルコール6.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.6部、ジメチルベンジルアミン1.15部、メトキノン0.24部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート15.1部を入れ、80℃に加熱して、8時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のフリル基を含む化合物溶液A23を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含み、光重合性官能基を含む。重量平均分子量は26000であった。
Figure 2017194662
表4中の略語について以下に示す。なお、表4中の有機溶剤の量は、合成中に使用した量であって、室温に冷却後に不揮発分を調整するために使用したものは含まれていない。
FMA:フルフリルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
HO−MS:2−メタクリロイロキシエチルコハク酸
MOI:2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート:カレンズMOI(昭和電工社製)
GMA:グリシジルメタクリレート:ブレンマーG(日油社製)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
HPMA:ヒドロキシプロピルメタクリレート(2−ヒドロキシプロピルエステル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルエステル混合物)
MTMA:2−メトキシエチルメタクリレート
St:スチレン
BMA:n−ブチルメタクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
V65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):V−65(和光純薬社製)
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル:V−60(和光純薬社製)
チオグリセロール:1−チオグリセロール
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
メトキシブタノール:3−メトキシ−1−ブタノール
SA:無水コハク酸
DBTDL:ジブチルスズジラウレート
DMBA:ジメチルベンジルアミン
TBAB:テトラブチルアンモニウムブロミド
MQ:メトキノン
THPA:1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸:リカシッドTH(新日本理化社製)
<光重合性官能基を含む化合物(B)の製造>
[製造例26]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でメタクリル酸15.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート55.2部、メチルメタクリレート29.6部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.5部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器に乾燥空気を注入し、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート52.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25.6部、ジブチルスズジラウレート0.31部、メトキノン0.31部を入れ、80℃に加熱して、8時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%の光重合性官能基を含む化合物溶液B1(メタクリロイル基を有する(メタ)アクリレート共重合体)を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含む。重量平均分子量は26000であった。
[製造例27]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にシクロヘキサノン90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でメタクリル酸42.5部、メチルメタクリレート28.8部、n−ブチルメタクリレート28.8部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.5部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部をシクロヘキサノン10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器に乾燥空気を注入し、グリシジルメタクリレート46.2部、シクロヘキサノン46.2部、ジメチルベンジルアミン1.46部、メトキノン0.30部を入れ、100℃に加熱して、10時間撹拌を続け、酸価測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、シクロヘキサノンで希釈することにより、不揮発分20%の光重合性官能基を含む化合物溶液B2(メタクリロイル基を有する(メタ)アクリレート共重合体)を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含む。重量平均分子量は28000であった。
[製造例28]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でグリシジルメタクリレート49.9部、メチルメタクリレート50.1部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.5部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器に乾燥空気を注入し、メタクリル酸30.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30.2部、ジメチルベンジルアミン1.30部、メトキノン0.26部を入れ、100℃に加熱して、20時間撹拌を続け、酸価測定を行って目的物が生成していることを確認した。さらに続けて反応容器にテトラヒドロ無水フタル酸27.7部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27.7部を入れ、60℃で3時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%の光重合性官能基を含む化合物溶液B3(メタクリロイル基を有する(メタ)アクリレート共重合体)を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含む。重量平均分子量は27000であった。
[製造例29〜30]
表5に記載した原料と仕込み量を用いた以外は製造例28と同様にして合成を行い、B4(マレイミド基を有する(メタ)アクリレート共重合体)、B5(アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート共重合体)の固形分20%の溶液を得た。
Figure 2017194662
表5中の略語について以下に示す。なお、表5中の有機溶剤の量は、合成中に使用した量であって、室温に冷却後に不揮発分を調整するために使用したものは含まれていない。
MAA:メタクリル酸
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート:ブレンマーG(日油社製)
HPMA:ヒドロキシプロピルメタクリレート(2−ヒドロキシプロピルエステル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルエステル混合物)
MMA:メチルメタクリレート
BMA:n−ブチルメタクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル:V−60(和光純薬社製)
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
メトキシブタノール:3−メトキシ−1−ブタノール
MOI:2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート:カレンズMOI(昭和電工社製)
AA:アクリル酸
DBTDL:ジブチルスズジラウレート
DMBA:ジメチルベンジルアミン
MQ:メトキノン
THPA:1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸:リカシッドTH(新日本理化社製)
[製造例31]
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート71.9部と、住化バイエル社製デスモジュールZ4470BA(IPDIイソシアヌレート、不揮発分70%の酢酸ブチル溶液、NCO基含有量11.9%)93.6部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート34.5部、ジブチルスズジラウレート0.20部、メトキノン0.20部を入れ、容器に乾燥空気を注入しながら80℃に加熱して、8時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%の光重合性官能基を含む化合物溶液B6(多官能メタクリレート化合物)を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含まない。
[製造例32]
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72.7部と、住化バイエル社製デスモジュールZ4470BA(IPDIイソシアヌレート、不揮発分70%の酢酸ブチル溶液、NCO基含有量11.9%)90.9部と、N−(2−ヒドロキシエチル)マレイミド36.3部、ジブチルスズジラウレート0.20部、メトキノン0.20部を入れ、容器に乾燥空気を注入しながら80℃に加熱して、8時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%の光重合性官能基を含む化合物溶液B7(多官能マレイミド化合物)を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含まない。
[製造例33]
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70.8部と、住化バイエル社製デスモジュールZ4470BA(IPDIイソシアヌレート、不揮発分70%の酢酸ブチル溶液、NCO基含有量11.9%)97.2部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート32.0部、ジブチルスズジラウレート0.20部、メトキノン0.20部を入れ、容器に乾燥空気を注入しながら80℃に加熱して、8時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%の光重合性官能基を含む化合物溶液B8(多官能アクリレート化合物)を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含まない。
[製造例34]
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート101.6部と、住化バイエル社製デスモジュールZ4470BA(IPDIイソシアヌレート、不揮発分70%の酢酸ブチル溶液、NCO基含有量11.9%)72.6部と、N−(2−ヒドロキシエチル)マレイミド29.0部、ジブチルスズジラウレート0.20部、メトキノン0.20部を入れ、容器に乾燥空気を注入しながら80℃に加熱して、8時間撹拌を続け、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。続いて、反応容器にフルフリルアルコール20.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20.2部を入れ、80℃に加熱して、2時間撹拌を続け、室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%の光重合性官能基を含む化合物溶液B9(多官能マレイミド化合物)を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含まず、光重合性官能基であるマレイミド基はフリル基によって保護されている。
[製造例35]
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート285.0部と、大和化成工業社製BMI−5100(3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド)10.4部と、フルフリルアルコール4.6部を入れ、容器に乾燥空気を注入しながら80℃に加熱して、2時間撹拌を続け、室温に冷却した。不揮発分5%の光重合性官能基を含む化合物溶液B10(多官能マレイミド化合物)を得た。なおこの化合物は、アルカリ可溶性基を含まず、光重合性官能基であるマレイミド基はフリル基によって保護されている。
<アルカリ可溶性官能基を含む化合物(D)の製造>
[製造例36]
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でメタクリル酸10.0部、メチルメタクリレート45.0部、n−ブチルメタクリレート45.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.5部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、不揮発分20%のアルカリ可溶性官能基を含む化合物溶液D1を得た。重量平均分子量は27000であった。
[製造例37〜39]
表5に記載した原料と仕込み量を用いた以外は製造例36と同様にして合成を行い、不揮発分20%のアルカリ可溶性官能基を含む化合物溶液D2〜D4を得た。
<シラン化合物(E)の製造>
反応槽として冷却管を付けたフラスコを準備し、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製「KBE−9007」)100g、エタノール(キシダ化学社製)100gをよく攪拌混合したものを準備し、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を60℃まで昇温した。反応槽の温度が60℃に安定してから、6時間攪拌した。FT−IRスペクトルにより反応が終了したことを確認し、反応槽の温度を常温まで下げ、試料を窒素置換した容器に取り出し、シラン化合物(E−1)を得た。
<<感光性組成物>>
<感光性組成物の製造>
[実験例1〜24]
表6に示した組成、および配合量の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、実験例1〜24にそれぞれ相当する感光性組成物を得た。表6中、A7〜A14、A16、A21〜A22、B5〜B9、D1、下記b−NCOの配合量は、有機溶剤を含む溶液としての値である。
Figure 2017194662

Figure 2017194662
表6中の略語について以下に示す。
Irg907:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン:イルガキュア907(BASF社製)
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EHPE:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物:EHPE3150(ダイセル社製)
イミダゾール:2−エチル−4−メチルイミダゾール:2E4MZ(四国化成工業社製)
b−NCO:IPDIベースポリイソシアネートのブロック体、不揮発分65%のソルベントナフサ100溶液、潜在NCO基含有量8.1%:デスモジュールBL4265SN(住化バイエルウレタン社製)
メラミン:メチル化メラミン樹脂、フルエーテルタイプ、不揮発分100%:ニカラックMW−30(三和ケミカル社製)
<感光性組成物の評価>
得られた感光性組成物を用いて、薬品耐性、脱ガス、外観(相溶性)、保存安定性、現像速度、現像線幅を、下記の方法で評価した。結果を表6に示す。
実験例1〜17が本発明の実施形態の実験例、実験例18〜24が比較実験例である。
[外観(相溶性)の評価]
実験例1〜24の感光性組成物を、ガラス基板上に粘着剤で固定した100mm×100mm、250μm厚のポリエチレンナフタレートフィルムに、スピンコーターを用いて減圧乾燥後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布し、減圧乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて、照度20mW/cm、露光量50mJ/cmで紫外線露光を行った。塗布フィルムを100℃で20分加熱、放冷し、ガラス基板から剥がして評価用のフィルムを得た。
得られたフィルムについて、ヘイズメーターNDH−2000(東京電色社製)測定装置を用いてヘイズ値を測定した。評価のランクは次の通りである。
◎:異物や白濁がなく、ヘイズ値0.5%未満
:非常に良好なレベル
○:異物や白濁がなく、ヘイズ値0.5%以上1.0%未満
:良好なレベル
△:異物や白濁がなく、ヘイズ値1.0%以上1.5%未満
:○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:異物や白濁がある または ヘイズ値 1.5%以上
:実用には適さないレベル
[薬品耐性の評価]
外観の評価と同様の手順で作製した塗布フィルムを100℃または150℃で20分加熱、放冷し、ガラス基板から剥がして評価用のフィルムを得た。
得られたフィルムについて、感光性組成物の層の膜厚を測定し、フィルムをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに5分室温で浸漬した後、イオン交換水で洗浄、風乾した。その後、フィルムを目視観察および膜厚測定し、膜厚の変化率を計算した。なお、膜厚はアルバック社製の触針式膜厚計DEKTAK−3で測定した。評価のランクは次の通りである。
◎:外観、色に変化なく、膜厚変化率の絶対値が3%未満で良好
:非常に良好なレベル
○:外観、色に変化なく、膜厚変化率の絶対値が3%から7%未満で良好
:良好なレベル
△:外観、色に変化なく、膜厚変化率の絶対値が7%から10%未満
:○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:外観、色に変化あり、および/または、膜厚変化率の絶対値が10%以上
:実用には適さないレベル
[脱ガスの評価]
外観の評価と同様の手順で作製した評価用のフィルムから、塗膜を5mg剥がして採取し、TG/DTA測定を行い、初期質量に対する質量減少率を測定した。TG/DTAはセイコーインスツルメンツ社のEXSTAR TG/DTA6200を用い、窒素流量200mL/min、室温から5℃/minで150℃まで昇温し20分保持するプログラムで測定した。
○:質量減少率1.0%未満
:良好なレベル
△:質量減少率1.0%以上2.0%未満
:○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:質量減少率2%以上
:実用には適さないレベル
[現像速度の評価]
実験例1〜24の感光性組成物を、ガラス基板上に粘着剤で固定した100mm×100mm、250μm厚のポリエチレンナフタレートフィルムに、スピンコーターを用いて減圧乾燥後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布し、減圧乾燥した。このフィルムを23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いて時間を変えてスプレー現像し、フィルムのフチ部分を除いた塗膜がなくなる時間を目視で判断し、現像時間とした。評価のランクは次の通りである。
◎:10秒以上〜20秒未満
○:20秒以上〜30秒未満
○△:30秒以上〜40秒未満
△:40秒以上〜60秒未満
△×:60秒以上〜80秒未満
×:80秒以上現像しても現像残りあり
なお、◎と○が実用上好ましいレベル、○△と△と△×は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
[現像線幅の評価]
実験例1〜24の感光性組成物を、ガラス基板上に粘着剤で固定した100mm×100mm、250μm厚のポリエチレンナフタレートフィルムに、スピンコーターを用いて減圧乾燥後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布し、減圧乾燥した。このフィルムを室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、50μm幅(ピッチ100μm)ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を照度20mW/cm、露光量50mJ/cmで照射した。その後、このフィルムを23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブンにて100℃で20分間加熱した。放冷した後、ガラス基板から剥がして評価用のフィルムを得た。なお、スプレー現像は、それぞれの感光性組成物を使用したフィルムについて、現像速度の評価で測定した現像時間に10秒加えた時間で行った。得られたパターンフィルムの光学顕微鏡観察を行い、50μmフォトマスク部分でのパターンの幅を測定した。フォトマスクのサイズに近いほど、高精細化が可能で良好な感光性組成物となる。評価のランクは次の通りである。
◎:50μm以上〜53μm未満
○:53μm以上〜56μm未満
○△:56μm以上〜60μm未満
△:60μm以上〜65μm未満
×:65μm以上
なお、◎と○が実用上好ましいレベル、○△と△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
[保存安定性の評価]
実験例1〜24の感光性組成物について、初期および室温1ヵ月後の粘度を測定し、初期粘度に対する粘度増加度合いを算出して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
◎:粘度増加の割合が5%未満で良好
:非常に良好なレベル
○:粘度増加の割合が5%以上、7%未満
:良好なレベル
△:粘度増加の割合が7%以上、10%未満
:○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:粘度増加の割合が10%以上
:実用には適さないレベル
表6に示すように、実験例1〜17の感光性組成物は、感光性組成物中にアルカリ可溶性官能基が含まれているためアルカリ現像することができ、薬品耐性、脱ガス、外観、保存安定性に加えて、現像速度、現像線幅が良好であった。
より詳細には、実験例2では一般式[7]の化合物の一つである2−ヒドロキシエチルメタクリレート、実験例3では一般式[7]の化合物の一つであるヒドロキシプロピルメタクリレート、実験例6では一般式[7]の化合物の一つである2−メトキシエチルメタクリレートを使用したためさらに現像速度が速くなった。
実験例4と5では実験例2と3と比較して化合物(A)の分子量が大きいため、薬品耐性がより高い結果となった。
実験例7と実験例8では、実験例1のA7中のフルフリルメタクリレートを、一般式[2]の一つであるモノマー1、または一般式[3]の一つであるモノマー2に同量置き換えたことで、化合物(A)中のフリル基の濃度が低下し、薬品耐性がやや劣る結果となった。
実験例9では、実験例1のA7と製造方法は異なるものの組成としては同等であるA16を使用しているため、同等の物性を示した。
実験例10では、実験例1のA7中のメチルメタクリレートに代わり、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを使用し、さらに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートで変性することによって光重合性官能基を導入したA21を使用しているため、線幅が太くなる傾向があった。
実験例11では、実験例10のA21と製造方法は異なるものの組成としては同等であるA22を使用しているため、同等の物性を示した。
実験例12、13、14では、実験例1のB8の代わりに一部B9、B7、B6を使用している。光重合性官能基の種類がアクリル基のみである実験例1と比較して、実験例12、13では保護マレイミド基、マレイミド基を併用しているため、保存安定性が実用の範囲内ではやや劣るものの、薬品耐性が良好になる傾向があった。一方、実験例14ではメタクリル基を併用しているため化合物(A)との反応性が低く薬品耐性がやや劣る結果となった。
比較実験例である実験例18〜24の感光性組成物は、上記の物性のいずれかが不良な結果となり、すべてが実用レベルを満たすものは得られなかった。
実験例18の感光性組成物は、フリル基を含む化合物(A)が含まれないため、薬品耐性が不十分であった。
実験例19の感光性組成物は、光重合性官能基を含む化合物(B)が含まれないため、紫外線硬化することができず、薬品耐性が不十分だった。また、アルカリ現像の際には、フォトマスクを介して紫外線照射した部位も溶解し、パターンを形成することができなかった。
実験例20の感光性組成物は、光重合開始剤(C)が含まれないため、紫外線硬化することができず、薬品耐性が不十分だった。また、アルカリ現像の際には、フォトマスクを介して紫外線照射した部位も溶解し、パターンを形成することができなかった。
実験例21の感光性組成物は、フリル基を含む化合物(A)の代わりにエポキシ樹脂を添加したが、触媒がないため熱硬化が十分進まず、薬品耐性が不十分だった。
実験例22の感光性組成物は、フリル基を含む化合物(A)の代わりにエポキシ樹脂とイミダゾール触媒を添加したため、実験例21と比較して薬品耐性は向上したが、保存安定性が悪化し、さらには樹脂中のアルカリ可溶性官能基と造塩することで感光性組成物およびその塗膜中でブツが発生し、外観が悪化した。また、現像時にパターン表面にブツがあるため、直線性の悪いパターンになった。
実験例23および実験例24の感光性組成物は、フリル基を含む化合物(A)の代わりにブロックイソシアネートまたはメラミンを添加し、薬品耐性は実用レベルであったものの、感光性組成物中での相溶性が悪く塗膜が白化し、また脱離基を有する架橋剤であるために脱ガスが多く、アルカリ溶解性が悪いために、パターンが設計より大幅に大きく形成されたうえ、直線性の悪いパターンになった。
<<カラーフィルタ用感光性組成物>>
<カラーフィルタ用感光性組成物の製造>
[赤色顔料分散体の調製]
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し赤色顔料分散体P−Rを作製した。
ジケトピロロピロール系顔料:C.I.Pigment Red 254:チバ・ジャパン社製「イルガフォーレッドS3610 CF」 8.96部
アントラキノン系顔料:C.I. Pigment Red 177:チバ・ジャパン社製「クロモフタールレッドL4039」 1.42部
ニッケルアゾ錯体系顔料:C.I. Pigment Yellow 150:ランクセス社製「E4GN」 1.16部
樹脂型顔料分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」 2.29部
ジケトピロロピロール系顔料誘導体 2.69部
Figure 2017194662
アルカリ可溶性官能基を含む化合物溶液D2 7.66部
シクロヘキサノン 75.82部
[緑色顔料分散体の調製]
下記の組成の混合物を使用し、赤色顔料分散体と同様にして緑色顔料分散体P−Gを作製した。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン系顔料:C.I. Pigment Green 58:DIC社製「FASTOGEN Green A110」 7.53部
モノアゾ系顔料:C.I. Pigment Yellow 150:ランクセス社製「E4GN」 4.14部
樹脂型顔料分散剤:ビックケミー社製「Dysperbyk2001」不揮発分46% 6.09部
アルカリ可溶性官能基を含む化合物溶液D2 5.53部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 76.71部
[青色顔料分散体の調製]
下記の組成の混合物を使用し、赤色顔料分散体と同様にして青色顔料分散体P−Bを作製した。
ε型銅フタロシアニン顔料:C.I.Pigment Blue15:6:BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」 12.88部
樹脂型顔料分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」 5.62部
アルカリ可溶性官能基を含む化合物溶液D2 1.50部
シクロヘキサノン 80.00部
[黒色顔料分散体の調製]
下記の組成の混合物を使用し、赤色顔料分散体と同様にして黒色顔料分散体P−Kを作製した。
カーボンブラック:三菱化学社製「MA77」 11.67部
樹脂型顔料分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」 2.80部
アルカリ可溶性官能基を含む化合物溶液D2 5.53部
シクロヘキサノン 80.00部
[実験例25〜107]
表7〜10に示した組成、および配合量で各材料を混合・攪拌し、1μmのフィルタで濾過して、各色の感光性着色組成物を得た。表7〜10中、P−R、P−G、P−B、P−K、A1〜A23、B1〜B10、D1〜D4、下記b−NCOの配合量は、有機溶剤を含む溶液としての値である。
Figure 2017194662
Figure 2017194662
Figure 2017194662
Figure 2017194662

Figure 2017194662
Figure 2017194662

表7〜10中の略語について以下に示す。
M402:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物:アロニックス M−402(東亜合成社製)
BMI5100:3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド:BMI−5100(大和化成工業社製)
OXE02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム):イルガキュアOXE02(BASF社製)
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EHPE:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物:EHPE3150(ダイセル社製)
イミダゾール:2−エチル−4−メチルイミダゾール:2E4MZ(四国化成工業社製)
b−NCO:IPDIベースポリイソシアネートのブロック体、不揮発分65%のソルベントナフサ100溶液、潜在NCO基含有量8.1%:デスモジュールBL4265SN(住化バイエルウレタン社製)
メラミン:メチル化メラミン樹脂、フルエーテルタイプ、不揮発分100%:ニカラックMW−30(三和ケミカル社製)
<カラーフィルタ用感光性組成物の評価>
得られた感光性組成物を用いて、薬品耐性、脱ガス、外観、保存安定性、現像速度、現像線幅を、下記の方法で評価した。結果を表7〜10に示す。
表7中、実験例25〜58が本発明の実施形態の実験例、実験例59〜63が比較実験例である。
なお、実験例56〜58はP−R中にアルカリ可溶性官能基を含む化合物D2を含むものの感光性組成物中での濃度が低すぎるためアルカリ可溶性ではなく、アルカリ現像型のフォトリソグラフィー法によるパターン形成はできないが、それ以外の方法、たとえばインクジェット等によりパターン形成するカラーフィルタとして用いることができる。
表8中、実験例64〜81は本発明の実施形態の実験例、実験例82〜84が比較実験例である。
表9中、実験例85〜98は本発明の実施形態の実験例、実験例99は比較実験例である。
表10中、実験例100〜106は本発明の実施形態の実験例、実験例107は比較実験例である。
[外観の評価]
実験例25〜107の感光性組成物を、ガラス基板上に粘着剤で固定した100mm×100mm、250μm厚のポリエチレンナフタレートフィルムに、スピンコーターを用いて減圧乾燥後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布し、減圧乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて、照度20mW/cm、露光量50mJ/cmで紫外線露光を行った。塗布フィルムを100℃で20分加熱、放冷し、ガラス基板から剥がして、評価用のフィルムを得た。
得られたフィルムについて、ヘイズメーターNDH−2000(東京電色社製)測定装置を用いてヘイズ値を測定した。評価のランクは次の通りである。
◎:異物や白濁がなく、ヘイズ値0.5%未満
:非常に良好なレベル
○:異物や白濁がなく、ヘイズ値0.5%以上1.0%未満
:良好なレベル
△:異物や白濁がなく、ヘイズ値1.0%以上1.5%未満
:○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:異物や白濁がある または ヘイズ値 1.5%以上
:実用には適さないレベル
[薬品耐性の評価]
外観の評価と同様の手順で作製した塗布フィルムを100℃または150℃で20分加熱、放冷し、ガラス基板から剥がして、評価用のフィルムを得た。
得られたフィルムについて、色度を測定し、フィルムをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに5分室温で浸漬した後、イオン交換水で洗浄、風乾した。その後、フィルムを目視観察および色度測定し、色差ΔEを計算した。なお、色度はC光源を用いた顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)で測定した。評価のランクは次の通りである。
◎:外観に変化なく、ΔE≦1.0
:非常に良好なレベル
○:外観に変化なく、1.0<ΔE≦2.0
:良好なレベル
△:外観に変化なく、2.0<ΔE≦3.0
:○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:外観に変化あり、および/または、3.0<ΔE
:実用には適さないレベル
[脱ガスの評価]
外観の評価と同様の手順で作製した評価用のフィルムから、塗膜を5mg剥がして採取し、TG/DTA測定を行い、初期質量に対する質量減少率を測定した。TG/DTAはセイコーインスツルメンツ社のEXSTAR TG/DTA6200を用い、窒素流量200mL/min、室温から5℃/minで150℃まで昇温し20分保持するプログラムで測定した。
○:質量減少率1.0%未満
:良好なレベル
△:質量減少率1.0%以上2.0%未満
:○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:質量減少率2%以上
:実用には適さないレベル
[現像速度の評価]
実験例25〜55及び実験例59〜107の感光性組成物を、ガラス基板上に粘着剤で固定した100mm×100mm、250μm厚のポリエチレンナフタレートフィルムに、スピンコーターを用いて減圧乾燥後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布し、減圧乾燥した。このフィルムを23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いて時間を変えてスプレー現像し、フィルムのフチ部分を除いた塗膜がなくなる時間を目視で判断し、現像時間とした。評価のランクは次の通りである。
◎:10秒以上〜20秒未満
○:20秒以上〜30秒未満
○△:30秒以上〜40秒未満
△:40秒以上〜60秒未満
△×:60秒以上〜80秒未満
×:80秒以上現像しても現像残りあり
なお、◎と○が実用上好ましいレベル、○△と△と△×は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
[現像線幅の評価]
実験例25〜55及び実験例59〜107の感光性組成物を、ガラス基板上に粘着剤で固定した100mm×100mm、250μm厚のポリエチレンナフタレートフィルムに、スピンコーターを用いて減圧乾燥後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布し、減圧乾燥した。このフィルムを室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、50μm幅(ピッチ100μm)ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を照度20mW/cm、露光量50mJ/cmで照射した。その後、このフィルムを23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブンにて100℃で20分間加熱した。放冷した後、ガラス基板から剥がして評価用のフィルムを得た。なお、スプレー現像は、それぞれの感光性組成物を使用したフィルムについて、現像速度の評価で測定した現像時間に10秒加えた時間で行った。得られたパターンフィルムの光学顕微鏡観察を行い、50μmフォトマスク部分でのパターンの幅を測定した。フォトマスクのサイズに近いほど、高精細化が可能で良好な感光性組成物となる。評価のランクは次の通りである。
◎:50μm以上〜53μm未満
○:53μm以上〜56μm未満
○△:56μm以上〜60μm未満
△:60μm以上〜65μm未満
×:65μm以上
なお、◎と○が実用上好ましいレベル、○△と△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
[保存安定性の評価]
実験例25〜107の感光性組成物について、初期および室温1ヵ月後の粘度を測定し、初期粘度に対する粘度増加度合いを算出して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
◎:粘度増加の割合が5%未満で良好
:非常に良好なレベル
○:粘度増加の割合が5%以上、7%未満
:良好なレベル
△:粘度増加の割合が7%以上、10%未満
:○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:粘度増加の割合が10%以上
:実用には適さないレベル
表7〜10に示すように、実験例25〜55、64〜81、85〜98、100〜106の感光性組成物は、薬品耐性、脱ガス、外観、保存安定性、現像速度、現像線幅がいずれも良好であった。
赤色感光性組成物についてより詳細に説明すると、実験例28〜35、37、42、43ではフリル基を含む化合物(A)としてA7〜A14、A16、A21、A22を使用しており、上述の実験例1〜11と同様の物性の傾向を示した。
また、実験例57ではフリル基を含む化合物(A)として低分子のA1を使用しているのに対し、実験例56では高分子量のA2を使用しているため、薬品耐性がより良い結果となり、実験例58では合成中に高分子量化傾向のあったA3を使用しているため感光性組成物の相溶性がやや劣り、実用の範囲内ではあるものの、外観が劣る結果となった。
実験例25では、実験例56に比較してメタクリル酸を共重合したA4を使用することでアルカリ現像することが可能になったうえ、感光性組成物の相溶性が良好になったことで硬化が進みやすくなり薬品耐性が向上した。
実験例26と27では、実験例25のA4と同じ組成であるが分子量の異なるA5、A6を使用しており、分子量が小さいほど現像速度が速く、薬品耐性が悪くなる傾向がみられた。
実験例28では、実験例25のA4中のメタクリル酸の代わりに一般式[6]の化合物の一つである2−メタクリロイロキシエチルコハク酸を使用したため現像速度が速くなった。
実験例36では、実験例25のA4と異なる方法でフリル基を導入し、合成中に高分子量化傾向のあったA15を使用しているため、現像速度が遅くなった。なお、A15中のフリル基の濃度はA4やA7と同じであったため、薬品耐性へは影響がなかった。
実験例38では、実験例25のA4と異なる方法でフリル基を導入したA17を使用した。A4中のメタクリル酸由来の酸価と、A13中の無水マレイン酸由来の酸価が同等であるため現像速度は同等であったが、フリル基の導入できる上限量が無水マレイン酸の量で定まり、A4よりも低濃度であるため、薬品耐性がやや劣る結果となった。
実験例39では実験例25のA4中のメチルメタクリレートに代わり、メタクリル酸の共重合比を増やし、一部をグリシジルメタクリレートで変性することによって光重合性官能基を導入したA18を使用しているため、現像速度が速く、線幅が太くなる傾向があった。
実験例40では実験例25のA4中のメチルメタクリレートとメタクリル酸に代わり、グリシジルメタクリレートを共重合し、さらにメタクリル酸と、テトラヒドロ無水フタル酸で変性することによって光重合性官能基とカルボキシル基を導入したA19を使用しているため、現像速度が速く、線幅が太くなる傾向があった。なお、カルボキシル基が主鎖から離れている構造から、A18よりもA19の方が現像速度が速くなった。
実験例41と42では、実験例25のA4または実験例28のA7中のメチルメタクリレートに代わり、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを使用し、さらに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートで変性することによって光重合性官能基を導入したA20またはA21を使用しているため、線幅が太くなる傾向があった。
実験例44では、実験例38のA17でフリル基の導入に使用したフルフリルアミンの代わりに、フルフリルアルコールと2−ヒドロキシエチルメタクリレートを使用してフリル基と光重合性官能基を導入したA23を使用しているため、線幅が太くなる傾向があり、またフリル基の濃度が低かったため、薬品耐性がやや劣る結果となった。
実験例45と46では、実験例28で使用している化合物(B)のM402に加えて、B10、BMI5100を併用している。光重合性官能基の種類がアクリル基のみである実験例28と比較して、実験例45、46では保護マレイミド基、マレイミド基を併用しているため、保存安定性が実用の範囲内ではやや劣るものの、薬品耐性が良好になる傾向があった。
緑色感光性組成物については、実験例64〜67では(A)としてメチルメタクリレートを含むA7を使用し、実験例68〜71ではメチルメタクリレートを減らして2−メトキシエチルメタクリレートを含むA12を使用しているため、前者の方が薬品耐性が高く、後者の方が現像速度が速い傾向があった。
実験例71〜73では、光重合性官能基の種類がアクリル基のみ、保護マレイミド基併用、マレイミド基併用であるため、実験例28、45、46と同様の物性の傾向を示した。
実験例64中のA7中のメチルメタクリレートに代わって、実験例74では2−ヒドロキシメチルメタクリレート、実験例75ではヒドロキシプロピルメタクリレートを使用しているため、現像速度が速く、薬品耐性が高い傾向を示した。
実験例76と77では、実験例74と実験例75に比較して化合物(A)の分子量が大きいため、薬品耐性がより高い結果となった。
青色感光性組成物については、実験例85、86は化合物(A)、化合物(C)、化合物(C)のいずれにもアルカリ可溶性官能基が含まれないが、アルカリ可溶性官能基を含む化合物(D)を添加したため、アルカリ現像することが可能であった。化合物(A)が低分子のA1を使用しているため薬品耐性は低い水準であるが、光重合性官能基としてアクリレート基のみを含む実験例85に対し、マレイミド基を併用する実験例86では薬品耐性が高い結果となった。また、実験例87、88は実験例85、86の化合物(D)D1の代わりに化合物(B)を使用しているため、さらに薬品耐性が向上する結果となった。
実験例89では化合物(A)としてA4、実験例93ではA7を使用しており、実験例25、28同様、(A)中のメタクリル酸を2−メタクリロイロキシエチルコハク酸に変更することで現像速度が速くなった。
実験例90では、化合物(D)として酸価の高いD2を使用しているため、D1を使用している実験例89と比較して現像速度が速くなった。
実験例91では、化合物(D)中にヒドロキシエチルメタクリレートを使用しているため、実験例89と比較して現像速度が速く、かつ、薬品耐性が向上した。
実験例92では、化合物(D)のヒドロキシプロピルメタクリレートを使用しているうえに、さらに酸価が高いため、実験例91よりもさらに現像速度が速くなった。
実験例93では、化合物(B)としてM402を使用しているが、実験例94〜97ではM402の一部をB6〜B9に置き換えて使用している。M402よりもB6〜B9は光重合性官能基の濃度が低いために、実験例94〜97は線幅が細い結果となった。光重合性官能基としてM402と同様アクリレートを含むB8を使用した実験例96では薬品耐性が実験例93と同等だったが、メタクリレートを含む実験例94は薬品耐性が劣り、保護マレイミド、マレイミドを含む実験例97、95では薬品耐性が上回る結果となった。
実験例98では、化合物(A)中に2−ヒドロキシエチルメタクリレートを使用しているため、実験例93と比較して、現像速度が速く、薬品耐性が高い傾向を示した。
黒色感光性組成物については、実験例100〜106では、フリル基を含む化合物(A)としてA7、A8、A12、A16、A20、A21、A22を使用しており、実験例28、29、33、37、41、42、43と同様の物性の傾向を示した。
なお、実験例56〜58の感光性組成物は、薬品耐性、脱ガス、外観、保存安定性がいずれも良好であったが、感光性組成物中にアルカリ可溶性官能基が含まれないため、現像速度、現像線幅を評価しなかった。
比較実験例である実験例59〜63、82〜84、99、107の感光性組成物は、上記の物性のいずれかが不良な結果となり、すべてが実用レベルを満たすものは得られなかった。
実験例59、99、107の感光性組成物は、いずれもフリル基を含む化合物(A)が含まれないため、薬品耐性が不十分であった。
実験例82〜84の感光性組成物は、いずれもフリル基を含む化合物(A)が含まれない。実験例82では実験例64で使用していたフリル基を含む化合物(A)を光重合性官能基を含む化合物(B)に置き換えたため薬品耐性が不十分であり、かつ、感光性組成物の光重合性が上がることで現像線幅がやや太くなる傾向であった。実験例83では実験例82で使用していたアルカリ可溶性官能基を含む化合物(D)を光重合性官能基を含む化合物(B)に置き換え、実験例84では実験例83で使用していた光重合開始剤(C)の量を増やしたために、実験例82と比較して薬品耐性が上がる傾向と、現像線幅が太くなる傾向があったが、薬品耐性と現像線幅を両立することはできなかった。
実験例60の感光性組成物は、フリル基を含む化合物(A)の代わりにエポキシ樹脂を添加したが、触媒がないため熱硬化が十分進まず、薬品耐性が不十分だった。
実験例61の感光性組成物は、フリル基を含む化合物(A)の代わりにエポキシ樹脂とイミダゾール触媒を添加したため、実験例60と比較して薬品耐性は向上したが、保存安定性が悪化し、さらには樹脂中のアルカリ可溶性官能基と造塩することで感光性組成物およびその塗膜中でブツが発生し、外観が悪化した。また、現像時にパターン表面にブツがあるため、直線性の悪いパターンになった。
実験例62および実験例63の感光性組成物は、フリル基を含む化合物(A)の代わりにブロックイソシアネートまたはメラミンを添加し、薬品耐性は実用レベルであったものの、感光性組成物中での相溶性が悪く塗膜が白化し、また脱離基を有する架橋剤であるために脱ガスが多く、アルカリ溶解性が悪いために、パターンが設計より大幅に大きく形成されたうえ、直線性の悪いパターンになった。
<<有機EL表示装置のカラーフィルタ用感光性組成物>>
<有機EL表示装置のカラーフィルタ用感光性組成物の製造>
<顔料の製造方法>
<アゾ顔料の製造方法>
(赤色着色剤(PR−1))
3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド52.9部、化学式(14)のアミン化合物16.3部の混合物を水1027部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液108.3部を加えて1時間撹拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調製した水溶液を添加して3時間撹拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、及び水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−アセチルアミノフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部をメタノール1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.3であった。3時間撹拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、及び90℃で24時間乾燥させ、式(A2−1)で表されるアゾ顔料と化学式(A2−6)で表されるアゾ顔料の混合物141部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(A2−1)及び化学式(A2−6)のアゾ顔料の混合物の質量比が80.3:19.7であることを確認した。
Figure 2017194662
次に、上記の反応によって得られた式(A2−1)及び(A2−6)のアゾ顔料の混合物100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部の微細化ナフトールアゾ顔料(PR−1)を得た。平均一次粒子径は37nmであった。
<その他の着色剤の製造方法>
(赤色着色剤(PR−2))
市販のC.I.ピグメントレッド179(PR179)(BASF社製「パリオゲン マルーン L−3920」)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色着色剤(PR−2)を得た。平均一次粒子径は40.8nmであった。
(赤色着色剤(PR−3))
C.I.ピグメントレッド179を、C.I.ピグメントレッド177(PR177)(BASF社製「クロモフタルレッド L4039」)に変更した以外は、赤色着色剤(PR−2)の製造と同様に行い、赤色着色剤(PR―3)97部を得た。平均一次粒子径は27.6nmであった。
(赤色着色剤(PR−4))
C.I.ピグメントレッド179を、C.I.ピグメントレッド254(PR254)(BASF社製「イルガフォアレッドS3610 CF」)に変更した以外は、赤色着色剤(PR−2)の製造と同様に行い、赤色着色剤(PR−4)97部を得た。平均一次粒子径は33nmであった。
(黄色着色剤(PY−1))
ニッケルアゾ錯体系顔料:C.I. Pigment Yellow 150:ランクセス社製「E4GN」100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色着色剤(PY−1)を得た。平均一次粒子径は42.3nmであった。
(黄色着色剤(PY−2))
C.I.ピグメントイエロー150を、C.I.ピグメントイエロー139(PY139)(BASF社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)に変えた以外は、黄色着色剤(PY−1)の製造と同様に行い、黄色着色剤(PY−2)を得た。平均一次粒子径は40.2nmであった。
(黄色着色剤(PY−3))
C.I.ピグメントイエロー150を、C.I.ピグメントイエロー138(PY138)(BASF社製「パリオトールイエローK0960−HD」)に変えた以外は、黄色着色剤(PY−1)の製造と同様に行い、黄色着色剤(PY−3)を得た。平均一次粒子径は40.5nmであった。
(黄色着色剤(PY−4))
C.I.ピグメントイエロー150を、C.I.ピグメントイエロー185(PY185)(BASF社製「パリオゲンイエロー D1155」)に変えた以外は、黄色着色剤
(PY−1)の製造と同様に行い、黄色着色剤(PY−4)を得た。平均一次粒子径は38.4nmであった。
(黄色着色剤(PY−5)
安息香酸メチル200部に、8−アミノキナルジン40部、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物150部、安息香酸154部を加え、180℃に加熱し、4時間攪拌を行った。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン5440部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、および乾燥を行い、116部のキノフタロン化合物(c)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(c)であることを同定した。
続いて、得られたキノフタロン化合物(c)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−5)97部を得た。平均一次粒子径は34.1nmであった。
(緑色着色剤(PG−1))
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン系顔料:C.I. Pigment Green 58:DIC社製「FASTOGEN Green A110」200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で4時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の緑色着色剤(PG−1)を得た。平均一次粒子径は50.2nmであった。
(緑色着色剤(PG−2))
C.I. Pigment Green 58を、フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン7(PG7)(トーヨーカラー株式会社製「リオノールグリーン YS−07」)に変えた以外は、緑色着色剤(PG−1)の製造と同様に行い、緑色着色剤(PG−2)を得た。平均一次粒子径は55.3nmであった。
(緑色着色剤(PG−3))
C.I. Pigment Green 58を、C.I.ピグメントグリーン36(トーヨーカラー株式会社製「CF−G−6YK」)に変えた以外は、黄色着色剤(PG−1)の製造と同様に行い、緑色着色剤(PG−3)を得た。平均一次粒子径は52.1nmであった。
(緑色着色剤(PG−4))
反応容器中でn−アミルアルコール1250部に、フタロジニトリル225部、塩化アルミニウム無水物78部を添加し、攪拌した。これに、DBU(1,8−Diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)266部を加え、昇温し、136℃で5時間還流させた。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5000部、水10000部の混合溶媒中へ、攪拌下注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2000部、水4000部の混合溶媒で洗浄し、乾燥して、135部のクロロアルミニウムフタロシアニンを得た。さらに、反応容器中でクロロアルミニウムフタロシアニン100部をゆっくり濃硫酸1200部に、室温にて加えた。40℃、3時間撹拌して、3℃の冷水24000部に硫酸溶液を注入した。青色の析出物をろ過、水洗、乾燥して、下記一般式(2)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料を102部得た。
Figure 2017194662
さらに、反応容器中でメタノール1000部に、一般式(2)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料を100部と、ジフェニルホスフィン酸を43.2部とを加え、40℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、下記一般式(4)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料112部を得た。
得られた一般式(4)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料を、緑色着色剤1(PG−1)と同様のソルトミリング処理法で、緑色着色剤(PG−4)を得た。平均一次粒子径は29.5nmであった。
Figure 2017194662
(橙色着色剤(PO−1))
市販のC.I.ピグメントオレンジ64(PO64)(BASF社製「Cromophtal Orange K 2960」)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部の橙色着色剤(PO−1)を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
(青色着色剤(PB−1))
C.I.ピグメントブルー15:6(PB15:6)(トーヨーカラー社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の青色着色剤(PB−1)を得た。平均一次粒子径は28.3nmであった。
(青色着色剤(PB−2))
C.I.ピグメントブルー15:6を、C.I.ピグメントブルー15:3(トーヨーカラー社製「リオノールブルーSM」)に変えた以外は、青色着色剤(PB−1)の製造と同様に行い、青色着色剤(PB−2)を得た。平均一次粒子径は28.6nmであった。
(青色着色剤(PB−3))
C.I.ピグメントブルー15:6を、C.I.ピグメントブルー15:1(トーヨーカラー社製「リオノールブルーMG−7」)に変えた以外は、青色着色剤(PB−1)の製造と同様に行い、青色着色剤(PB−3)を得た。平均一次粒子径は30.4nmであった。
(紫色着色剤(PV−1))
C.I.ピグメントバイオレット23(PV23)(クラリアント社製「Fast Violet RL」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で18時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、118部の紫色着色剤(PV−1)を得た。平均一次粒子径は26.4nmであった。
(紫色着色剤(PV−2))
下記の手順でC.I.アシッドレッド 289と側鎖にカチオン性基を有する下記樹脂B−1とからなる紫色着色剤(PV−2)を製造した。
水2000部に51部の側鎖にカチオン性基を有する下記樹脂B−1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッドレッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過と水洗によって側鎖にカチオン性基を有する樹脂の対アニオンとC.I.アシッドレッド 289の対カチオンとからな
る塩を除去した後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッドレッド 289と側鎖にカチオン性基を有する下記樹脂B−1との紫色着色剤(PV−2)を得た。
(紫色着色剤(PV−3))
下記の手順でC.I.アシッドレッド52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂B−1とからなる紫色着色剤(PV−3)を製造した。
水2000部に51部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂B−1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッドレッド52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、樹脂造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った樹脂造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッドレッド52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂B−1との紫色着色剤(PV−3)を得た。このとき紫色着色剤(PV−3)中のC.I.アシッドレッド52に由来する有効色素成分の含有量は25質量%であった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂B−1)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール75.1部を仕込み、窒素気流下で75℃に昇温した。別途、メチルメタクリレート18.2部、n−ブチルメタクリレート27.3部、2−エチルヘキシルメタクリレート27.3部、ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩12.2部、および別途メチルエチルケトン23.4部に溶解した2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7.0部を、均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7330である事を確認し、50℃へ冷却した。その後、メタノールを14.3部加え、樹脂成分が40質量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂B−1を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は32mgKOH/gであった。
[赤色着色剤分散体 P−R1の調製]
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し赤色顔料分散体P−R1を作製した。
赤色着色剤(PR−1) :12.0部
(アゾ顔料)
樹脂型分散剤 :3.0部
(BASF社製「EFKA4300」)
アルカリ可溶性官能基を含む化合物溶液D2 :20.0部
溶剤 :65.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)
表11のように、着色剤を変更した以外は、赤色着色剤分散体P−R1と同様にして、赤色着色剤分散体P−R2〜4、緑色着色剤分散体P−G1〜4、青色着色剤分散体P−B1〜3、黄色着色剤分散体P−Y1〜5、紫色着色剤分散体P−V1、橙色着色剤分散体P−O1を作製した。
Figure 2017194662

[実験例108〜176]
表12〜14に示した組成、および配合量で各材料を混合・攪拌し、1μmのフィルタで濾過して、各色の感光性着色組成物を得た。表12〜14中、P−R1〜4、P−G1〜4、P−B1〜3、P−Y1〜5、P−V1〜3、P−O1、A10、D3、E−1の配合量は、有機溶剤を含む溶液としての値である。
Figure 2017194662
Figure 2017194662
Figure 2017194662
表12〜14中の略語について以下に示す。
M402:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物:アロニックス M−402(東亜合成社製)
M309:トリメチロールプロハントリアクリレート:アロニックス M−309(東亜合成社製)
OXE02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム):イルガキュアOXE02(BASF社製)
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<有機EL表示装置のカラーフィルタ用感光性組成物の評価>
得られた感光性組成物を用いて、薬品耐性、脱ガス、外観、保存安定性、現像速度、現像線幅を、下記の方法で評価した。結果を表12〜14に示す。
表12中、実験例108〜127が本発明の実施形態を示す実験例であり、実験例128〜130が比較実験例である。
表13中、実験例131〜150が本発明の実施形態を示す実験例であり、実験例151〜153が比較実験例である。
表14中、実験例154〜173が本発明の実施形態を示す実験例であり、実験例174〜176が比較実験例である。
[外観の評価]
実験例108〜176の感光性組成物を、ガラス基板上に粘着剤で固定した100mm×100mm、250μm厚のポリエチレンナフタレートフィルムに、スピンコーターを用いて減圧乾燥後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布し、減圧乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて、照度20mW/cm、露光量50mJ/cmで紫外線露光を行った。塗布フィルムを100℃で20分加熱、放冷し、ガラス基板から剥がして、評価用のフィルムを得た。
得られたフィルムについて、ヘイズメーターNDH−2000(東京電色社製)測定装置を用いてヘイズ値を測定した。評価のランクは次の通りである。
◎:異物や白濁がなく、ヘイズ値0.5%未満
:非常に良好なレベル
○:異物や白濁がなく、ヘイズ値0.5%以上1.0%未満
:良好なレベル
△:異物や白濁がなく、ヘイズ値1.0%以上1.5%未満
:○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:異物や白濁がある または ヘイズ値 1.5%以上
:実用には適さないレベル
[薬品耐性の評価]
外観の評価と同様の手順で作製した塗布フィルムを100℃または150℃で20分加熱、放冷し、ガラス基板から剥がして、評価用のフィルムを得た。
得られたフィルムについて、色度を測定し、フィルムをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに5分室温で浸漬した後、イオン交換水で洗浄、風乾した。その後、フィルムを目視観察および色度測定し、色差ΔEを計算した。なお、色度はC光源を用いた顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)で測定した。評価のランクは次の通りである。
◎:外観に変化なく、ΔE≦1.0
:非常に良好なレベル
○:外観に変化なく、1.0<ΔE≦2.0
:良好なレベル
△:外観に変化なく、2.0<ΔE≦3.0
:○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:外観に変化あり、および/または、3.0<ΔE
:実用には適さないレベル
[脱ガスの評価]
外観の評価と同様の手順で作製した評価用のフィルムから、塗膜を5mg剥がして採取し、TG/DTA測定を行い、初期質量に対する質量減少率を測定した。TG/DTAはセイコーインスツルメンツ社のEXSTAR TG/DTA6200を用い、窒素流量200mL/min、室温から5℃/minで150℃まで昇温し20分保持するプログラムで測定した。
○:質量減少率1.0%未満
:良好なレベル
△:質量減少率1.0%以上2.0%未満
:○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:質量減少率2%以上
:実用には適さないレベル
[現像速度の評価]
実験例108〜176の感光性組成物を、ガラス基板上に粘着剤で固定した100mm×100mm、250μm厚のポリエチレンナフタレートフィルムに、スピンコーターを用いて減圧乾燥後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布し、減圧乾燥した。このフィルムを23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いて時間を変えてスプレー現像し、フィルムのフチ部分を除いた塗膜がなくなる時間を目視で判断し、現像時間とした。評価のランクは次の通りである。
◎:10秒以上〜20秒未満
○:20秒以上〜30秒未満
○△:30秒以上〜40秒未満
△:40秒以上〜60秒未満
△×:60秒以上〜80秒未満
×:80秒以上現像しても現像残りあり
なお、◎と○が実用上好ましいレベル、○△と△と△×は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
[現像線幅の評価]
実験例108〜176の感光性組成物を、ガラス基板上に粘着剤で固定した100mm×100mm、250μm厚のポリエチレンナフタレートフィルムに、スピンコーターを用いて減圧乾燥後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布し、減圧乾燥した。このフィルムを室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、50μm幅(ピッチ100μm)ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を照度20mW/cm、露光量50mJ/cmで照射した。その後、このフィルムを23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブンにて100℃で20分間加熱した。放冷した後、ガラス基板から剥がして評価用のフィルムを得た。なお、スプレー現像は、それぞれの感光性組成物を使用したフィルムについて、現像速度の評価で測定した現像時間に10秒加えた時間で行った。得られたパターンフィルムの光学顕微鏡観察を行い、50μmフォトマスク部分でのパターンの幅を測定した。フォトマスクのサイズに近いほど、高精細化が可能で良好な感光性組成物となる。評価のランクは次の通りである。
◎:50μm以上〜53μm未満
○:53μm以上〜56μm未満
○△:56μm以上〜60μm未満
△:60μm以上〜65μm未満
×:65μm以上
なお、◎と○が実用上好ましいレベル、○△と△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
[保存安定性の評価]
実験例108〜176の感光性組成物について、初期および室温1ヵ月後の粘度を測定し、初期粘度に対する粘度増加度合いを算出して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
◎:粘度増加の割合が5%未満で良好
:非常に良好なレベル
○:粘度増加の割合が5%以上、7%未満
:良好なレベル
△:粘度増加の割合が7%以上、10%未満
:○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:粘度増加の割合が10%以上
:実用には適さないレベル
表12〜14に示すように、各種着色剤のいずれの組み合わせにおいても、フリル基を含む化合物(A)を含有する実験例108〜127、131〜150、154〜173の感光性組成物は、薬品耐性、脱ガス、外観、保存安定性、現像速度、現像線幅がいずれも良好であった。特に、実験例112、135、161においては光重合性官能基を含む化合物(B)に3官能のモノマー(M309)を用いることで耐薬品性がさらに向上した。また実験例113、136、162においては、シラン化合物(E−1)を用いることで内部架橋が進み、耐薬品性がさらに向上した。
それに対して、比較実験例である実験例128〜130、151〜153、174〜176の感光性組成物は、いずれもフリル基を含む化合物(A)が含まれないため上記の物性のいずれかが不良な結果となり、すべてが実用レベルを満たすものは得られなかった。
(実験例177〜193)
表15に示す組成とした以外は表6と同様に感光性組成物を調製し評価を行った。結果を表15に示す。
Figure 2017194662

本発明の感光性組成物の用途は、光と熱で硬化させる用途であれば用いることができ、上記で説明したカラーフィルタ、ブラックマトリックスのほかに、カラーフィルタ保護膜、フォトスペーサー、液晶配向用突起、タッチパネル層間絶縁膜、感光性ソルダーレジスト、マイクロレンズ、光学ハードコート、UVインキ、感光性平版印刷版、各種コーティング等などを製造するのに用いることができる。
また、フレキシブルプリント配線板に使用される、補強板用接着剤や層間接着剤、コーティング剤、電磁波シールド用接着剤、感光性光導波路、光熱デュアル硬化型ポッティング剤等にも用いることができる。

Claims (22)

  1. フリル基を含む化合物(A)、光重合性官能基を含む化合物(B)、光重合開始剤(C)、および着色剤を含有する、カラーフィルタ用感光性組成物。
  2. アルカリ可溶性である、請求項1記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
  3. フリル基を含む化合物(A)がカルボキシル基を含む、請求項2記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
  4. フリル基を含む化合物(A)が、フリル基を含む単量体(a−1)と、カルボキシル基を含む単量体(a−2)と、を含む単量体(a)をラジカル重合してなる重合体(A−1)である、請求項1〜3のいずれか1項記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
  5. フリル基を含む単量体(a−1)がフルフリルメタクリレートを含む、請求項4記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
  6. カルボキシル基を含む単量体(a−2)が下記一般式[6]で表される化合物を含む、請求項4または5記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
    一般式[6]
    Figure 2017194662

    [式中R11は水素原子またはメチル基であり、R12およびR13は、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基であり、R12とR13は同一であっても異なっていても良い。]
  7. 単量体(a)が、さらに、メチルメタクリレートおよび/または下記一般式[7]で表される化合物を含む、請求項4〜6のいずれか1項記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
    一般式[7]
    Figure 2017194662

    [式中R14は水素原子またはメチル基であり、R15は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、または芳香族炭化水素基であり、R16は、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基である。]
  8. 重合体(A−1)の重量平均分子量が2000〜70000である、請求項4〜7のいずれか1項記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
  9. 光重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基および/またはマレイミド基を含む、請求項1〜8のいずれか1項記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
  10. 光重合性官能基がアクリロイル基を含む、請求項9記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
  11. 光重合性官能基を含む化合物(B)が、3官能以下のモノマーまたはオリゴマーを含む、請求項1〜10のいずれか1項記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
  12. 着色剤の含有量が、カラーフィルタ用感光性組成物の全不揮発分の10質量%以上である、請求項1〜11のいずれか1項記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
  13. さらに、一般式(1)で表される化合物を含有する、請求項1〜12のいずれか1項記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
    一般式(1):
    Figure 2017194662

    [一般式(1)中、Rは、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜30のアルアルキル基、または炭素数7〜30のアルカリール基を表し、
    Xは、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアリーレン基、または炭素数1〜20のアルコキシレン基を表し、
    、RおよびRは、互いに独立して、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜30のアルアルキル基、炭素数7〜30のアルカリール基、置換基を有するシロキサン基、ハロゲン、ヒドロキシ基、または水素原子を表す。]
  14. フリル基を含む化合物(A)、光重合性官能基を含む化合物(B)、および光重合開始剤(C)を含有し、
    フリル基を含む化合物(A)が、フリル基を含む単量体(a−1)と、カルボキシル基を含む単量体(a−2)と、を含む単量体(a)をラジカル重合してなる重合体(A−1)であり、
    カルボキシル基を含む単量体(a―2)が下記一般式[6]で表される化合物を含む、感光性組成物。
    一般式[6]
    Figure 2017194662

    [式中R11は水素原子またはメチル基であり、R12およびR13は、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基であり、R12とR13は同一であっても異なっていても良い。]
  15. 光重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基および/またはマレイミド基を含む、請求項14記載の感光性組成物。
  16. 光重合性官能基がアクリロイル基を含む、請求項15記載の感光性組成物。
  17. さらに、着色剤を含有する、請求項14〜16のいずれか1項記載の感光性組成物。
  18. フリル基を含む化合物(A)、光重合性官能基を含む化合物(B)、光重合開始剤(C)、および着色剤を含有し、
    光重合性官能基がアクリロイル基を含む、感光性組成物。
  19. 着色剤の含有量が、感光性組成物の全不揮発分の10質量%以上である、請求項18記載の感光性組成物。
  20. 透明基板上に、請求項1〜13のいずれか1項記載のカラーフィルタ用感光性組成物または請求項17〜19のいずれか1項記載の感光性組成物から形成されたフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを備える、カラーフィルタ。
  21. フレキシブル透明基板上に、請求項1〜13のいずれか1項記載のカラーフィルタ用感光性組成物または請求項17〜19のいずれか1項記載の感光性組成物から形成されたフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを備える、カラーフィルタ。
  22. 有機EL表示装置用である、請求項20または21記載のカラーフィルタ。
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