JP6870567B2 - 加飾シート用組成物、加飾シート、および成型加工品 - Google Patents

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Description

本発明は、加飾シート用組成物、加飾シート、および成型加工品に関する。
従来、スマートフォンなどの携帯電話、モバイルパソコンを含むノート型パソコンなどの電子機器や、自動車用の内外装部品、建材など様々な分野で用いられているプラスチック筐体の表面には、印刷や塗装などの加工により高い意匠性(デザイン、質感、見栄えなどの高級感)などが付与(加飾)されている。また、このような加飾体や柔らかいプラスチックそのものを保護する目的で、さらに保護層(ハードコート層)が設けられている場合が多い。
近年、このようなプラスチックを加飾するための製造において、環境負荷低減、生産性やコスト、複雑化する製品形状に対応するため、従来の筐体に直接する方法からフィルムやシートの貼合・転写加飾技術への置き換えが進んでいる。すなわち、前述した意匠性を出すための絵柄層や保護のためのハードコート層などを積層した加飾シートをプラスチック等の基材に接合させることが行われている。従来の加飾シートは、シート基材の上に単層または多層を積層させ構成される場合があるが、最終的な成型加工後の最外層が保護層(ハードコート層)であるように構成されている。
このようなフィルムやシート状基材に保護層を設けた加飾シートは、真空成型、圧空成型、メンブレンプレス成型、インモールド成型、インサートモールド成型、オーバーレイ真空成型などの様々な方法で成型加工される。いずれも被加飾体(プラスチック筐体)の形状や金型の形状などに合わせて加飾シートが延伸や屈曲される。
成型工程では、一般的に数十度〜数百度の熱がシートに加えられる。主な理由としては、工程上必要な加飾シートと被加飾体(プラスチック筐体)との熱による接合のためや、加温により加飾シートの延伸性を高めるのが目的である。しかし、ハードコート層が十分に柔軟性・伸張性を有していない場合、成型性が悪く、白化や傷、割れ、剥離などが発生してしまい、意匠性を大きく損なうため望ましくない。(JP 5704929 B)
フィルムやシート状基材にハードコート層を形成する方法で一般的に用いられる方法として、例えばJP 5524455 Bに記載の発明は、感光性コーティング組成物をフィルム上に成膜し、活性エネルギー線の照射による光硬化(架橋)によりハードコート層を形成している。多官能光架橋性単量体を組成物に用いることで、光照射後の架橋度を向上させることによりハードコート性を得ている。しかしながら高架橋度の膜は、硬く脆くなるため柔軟性や伸張性に乏しい。そのため、従来のハードコート層を得る技術では、加飾シートの成型工程において、様々な製品形状に合わせて行われる屈曲・伸張などの加工に対応することは極めて難しい。
上記の極めて高い技術上の課題に対して、従来ウレタンアクリレートオリゴマーのように硬化性と柔軟性を併せ持つ材料が提案されてきたが、近年の加飾フィルムに求められている非常に高いレベルで、ハードコート性と柔軟性・伸張性を両立することは難しい。
また、加飾シートやそれを用いた成型工程を含む製造工程全体の工夫により技術課題を回避することも行われている。例えばJP 2015-54886 Aには、感光性組成物を活性エネルギー線で半硬化させることにより成型に必要な伸張性を担保し、成型後にさらに活性エネルギー線を照射することによりハードコート層を得る方法が提案されているが、半硬化状態を得るための光照射条件のコントロールが難しく、UV照射機やランプの違いが大きく影響したり、後光架橋に必要な活性エネルギー線照射装置を加工業者へ負担させたりするなど、デメリットが大きい。また、JP 5389904 Bには、感光性組成物に熱架橋可能な組成物を併用することにより、成型後の後加工として熱架橋を実施することでハードコート性を上げることが提案されているが、十分なハードコート性を得るために長時間の熱架橋時間が必要であり、また熱架橋に必要な加熱装置を加工業者へ負担させるなど、デメリットが大きい。
また、JP 2007-290392 Aには、熱可塑性樹脂と電離放射線樹脂とを組み合わせた加飾シート用ハードコート剤組成物が提案されている。熱可塑性樹脂が不活性成分として働くことで、架橋度を抑制することにより伸張性を発現している。その結果、ある程度の成型性を示すものの、近年求められるレベルには不十分である。また、非硬化成分の悪影響により、特に硬化性や耐薬品性などのハードコート性が不十分である。
いずれも、成型プロセスに対応するための、架橋膜の架橋度のコントロールが鍵となっているが、架橋コントロールの技術的難易度は高く、工程が煩雑になる点でもデメリットが大きい。よって、従来技術では、成型性を出すために柔らかい架橋膜を作った結果ハードコート性が失われることになるなど、加飾された成型品を架橋膜形成から成型加工だけのシンプルなプロセスで得ることが難しい。そのため煩雑な方法で対応しているのが現状である。
したがって、加飾シートに必要なハードコート性と成型性を両立し、さらに簡便な工程で成形品を得ることを可能にする架橋性組成物が求められている。
さらに、近年屋外用途でのプラスチック製品の使用が高まり、製品の耐久性・耐候性が普遍的に求められている。故にプラスチックの再外層に設置される加飾シートにも耐候性の機能が必要になる。JP2016-180081には、伸張性と耐薬品性に優れた加飾シート用組成物が提案されており、主鎖に環構造を有する樹脂がメインポリマーとして使用されているが、この組成物を用いた加飾フィルムには耐候性がなく、また水性のため溶剤系が主体であるハードコート用途ではハンドリングが悪かった。さらに伸張性と耐薬品性も近年求められるレベルには不十分である。
特許第5704929号 特許第5524455号 特開2015−54886号公報 特許第5389904号 特開2007−290392号公報 特開2016−180081号公報
本発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであり、種々の成型加工に対応可能な優れた加飾シートに必要なハードコート性と成型性を高いレベルで両立した保護層を得るための新規な組成物を提供する。また屋外用途にも使用できる高いレベルの耐候性を兼ね備えた保護層を得るための新規な樹脂および組成物を提供する。さらには成型加工の後に、光硬化等の工程を必要としない加飾シートを得るための組成物を提供する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、架橋性組成物中に、環構造とフリル基構造を有する樹脂と、重合性組成物と開始剤とを含むことで、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、分子中に、下記一般式(1)で表される構成単位と、一般式(2)で表される構成単位を有することを特徴とする共重合体(A)に関する。
式(1)
Figure 0006870567
(式中、R1は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
式(2)
Figure 0006870567
(式中、R2は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、xは、直接結合、炭素数1〜10のアルキレン基、−(CH−O)n−、−(CHCH−O)n−、−(C10−(C=O)−O)n−、−(C−NH−(C=O)−O)n−、−CH−CH(OH)−CH−O−(C=O)−C−(C=O)−O)n−、を表す。nは1〜10の整数である。)
また、本発明は、共重合体(A)100重量%中、一般式(1)で表される構成単位を10〜80重量%、一般式(2)で表される構成単位を20〜60重量%含む、上記記載の共重合体(A)に関する。
また、本発明は、さらに水酸基を有する重合性単量体由来の構成単位を有することを特徴とする上記記載の共重体(A)に関する。
また、本発明は、共重合体(A)100重量%中、一般式(1)で表される構成単位を10〜80重量%、一般式(2)で表される構成単位を19〜60重量%、水酸基を有する重合性単量体由来の構成単位を1〜40重量%含む、上記記載の共重合体(A)に関する。
また、本発明は、上記記載の共重体(A)と、重合性化合物(B)と、開始剤(C)と、を含んでなる加飾シート組成物に関する。
また、本発明は、基材上に、前記加飾シート用組成物から形成された硬化膜を有する加飾シートに関する。
また、本発明は、前記加飾シートから形成された成型加工品に関する。
また、本発明は、上記記載の共重合体(A)と、重合性化合物(B)と、重合開始剤(C)とを含む加飾シート用組成物を基材に塗布する第一の工程と、活性エネルギー線を照射することにより硬化する第二の工程と、成型加工する第三の工程、とを含む成形加工品の製造方法に関する。
本発明の架橋組成物を加飾シート用の保護層として利用することにより、種々の成型加工に対応可能な優れた加飾シートを提供することができた。
以下に、本発明について詳細に説明する。なお、本発明において(メタ)アクリレートとはアクリレートおよび/またはメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
また、本明細書において硬化性(ハードコート性)とは、鉛筆硬度、耐擦傷性、耐薬品性などが挙げられる。また、成型性とは、成型加工により白化や傷、割れ、剥離などの意匠性を大きく損なう問題が発生しないことを意味する。耐候性とは、光・熱・水・大気汚染物質等に長期間曝露されても、塗膜の状態変化を起こさないことを意味する。
<加飾シート用組成物>
本発明の加飾シート用組成物は、共重合体(A)と、重合性化合物(B)と、重合開始剤(C)とを含む感光性組成物である。
<共重合体(A)>
共重合体(A)は、下記一般式(1)と、一般式(2)で表される構成単位を有することを特徴とする。
式(1)
Figure 0006870567
(式中、R1は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
式(2)
Figure 0006870567
(式中、R2は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、xは、直接結合、炭素数1〜10のアルキレン基、−(CH−0)n−、−(CHCH−O)n−、−(CH10−(C=O)−O)n−、−(C−NH−(C=O)−O)n−、−CH−CH(OH)−CH−O−(C=O)−C−(C=O)−O)n−、を表す。nは1〜10の整数である。)
一般式(1)のR1における置換もしくは未置換のアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる。炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH−O−CH、−CH−CH−O−CH−CH、−CH−CH−CH−O−CH−CH、−(CH−CH−O)k−CH(ここでkは1から8である)、−(CH−CH−CH−O)l−CH(ここでlは1から5である)、−CH−CH(CH)−O−CH−CH−、−CH−CH−(OCH等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)のR1における置換もしくは未置換のアリール基としては、炭素数6から24の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、p−クメニル基、p−ドデシルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、4−ビフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、o−メルカプトフェニル基、p−シアノフェニル基、m−ニトロフェニル基、m−アジドフェニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ここで、原料入手や共重合の物性などの観点からR1は、アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜5の直鎖アルキル基である。
一般式(2)のR2における置換もしくは無置換のアルキル基は、R1における置換もしくは未置換のアルキル基と同義である。
ここで、原料入手や共重合の物性などの観点からR2は、アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜5の直鎖アルキル基である。
一般式(2)のXにおけるアルキレン基は、置換もしくは未置換の、炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状、単環状、縮合多環状のアルキル基から、任意の2つの水素を除いてできる2価の基であり、より具体的には、R1におけるアルキル基として例示したものと同一の置換基から、1個の水素原子を除いてできる2価の基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ここで、原料入手や共重合の物性などの観点からXは、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、より好ましくは炭素数1のアルキレン基である。
共重合体(A)を加飾シートして使用した場合の各種物性面の観点から、共重合体(A)100重量%中、一般式(1)で表される構成単位が10〜80重量%であることが好ましく、20〜70%がより好ましい。
共重合体(A)を加飾シートして使用した場合の各種物性面の観点から、共重合体(A)100重量%中、一般式(2)で表される構成単位が20〜60重量%であることが好ましく、20〜45%がより好ましい。
共重合体(A)は、加飾シート用組成物のハードコート性や加工性などの点から、加飾シート用組成物の固形分の合計100重量部中、1〜99重量部の量で用いることが好ましい。
共重合体(A)は、一般式(1)、(2)の構成単位の導入や量の制御などの観点からアクリル重合を用いて合成することが望ましい。また物性などの必要に応じてその他の単量体に基づく構成単位を有してもよい。
共重合体(A)における一般式(1)に示される構成単位の導入方法としては、下記一般式(3)に示すモノマーをアクリル重合することで得ることが可能であり、JP2016−140994記載のメカニズムで重合が進行する。
一般式(3)
Figure 0006870567
(一般式(3)中のR1は、一般式(1)におけるR1と同義である。)
共重合体(A)における一般式(2)に示される構成単位の導入方法としては、下記一般式(4)に示すフリル基を含む単量体をアクリル重合することで容易に得ることができる。
一般式(4)
Figure 0006870567
(一般式(4)中のR2は、一般式(2)におけるR2と同義である。一般式(4)中のXは、一般式(2)におけるXと同義である。)
共重合体(A)は、必要な物性に応じて、その他の単量体を用いることが可能である。その他の単量体は、ただ1種のみを用いてもよいし、任意の比率で2種以上を使用してもよい。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びアダマンチル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類または環状アルケニル(メタ)アクリレート類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びこれらモノマーのカプロラクトン付加物(不可モル数は1〜5)等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート類;
(2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加(メタ)アクリレート、及びパーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、及び3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、クレジルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)エチル、p−ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する(メタ)アクリレート類;
3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン、及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン等のオキセタニル基を有する(メタ)アクリレート類;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸ビニル、及び(メタ)アクリル酸アリル等のビニル類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、及びイソブチルビニルエーテル等のエーテル基を有するビニルエーテル類;
2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、及び4−イソシアネートブチルアクリレート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類;
商品名「サイラプレーンFM−0711」(JNC(株)社製)、商品名「サイラプレーンFM−0721」(JNC(株)社製)商品名「サイラプレーンFM−0725」(JNC(株)社製)などのポリシロキサン(メタ)アクリレート類;
あるいは、これらの混合物があげられるが、これらに限定されない。
その他の重合性単量体としては、酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
さらに、自動車用途などに求められる薬品耐性を向上させるために、極性基を有する単量体を共重合することが好ましい。極性基としては、水酸基、アミノ基、アミド基、等が挙げられる。特に水酸基を有するものが好ましく、具体的には2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましくは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートである。
共重合体(A)を加飾シートして使用した場合の各種物性面の観点から、共重合体(A)100重量%中、水酸基を有する重合性単量体由来の構成単位が1〜40重量%であることが好ましく、15〜30重量%がより好ましい。
さらに、直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート類を含む場合は、炭素数1〜5のアルキル基を含むのが好ましく、その含有量は1〜50重量%が好ましく、1〜30重量%が好ましい。
成型性などの観点から、本発明の共重体(A)の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、1万以上のものが好ましく、5万〜200万がより好ましく、10万〜100万のものがさらにより好ましい。本明細書において重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定されたポリスチレン換算分子量を示す。
本発明の共重合体(A)は既知の方法で得ることができる。すなわち、単量体を任意で重合開始剤と混合して加熱することで高分子化合物を得ることができる。
重合温度については、用いる重合開始剤の種類や溶媒の沸点に応じて適宜調整することが望ましいが、20℃〜150℃が好ましく、40℃〜120℃がより好ましい。
重合を行う環境については、着色低減や重合開始剤の失活などを防ぐ目的で、不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましく、入手の容易さ、コストなどの観点から窒素ガスが好ましいが、これらに限定されるものではない。
重合開始剤としては、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、及び2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられるが、これらに限定されない。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、及びジアセチルパーオキシド等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの重合開始剤は、単独で、または2種類以上組み合わせて用いることができ、使用量としては、単量体(a1-1)と単量体(a1-2)の合計100重量部に対して、0.001〜20重量部の範囲で任意に調整することが可能である。
重合の際、分子量を調整する目的で連鎖移動剤を用いてもよい。単量体(a1-1)と単量体(a1-2)の合計100質量部に対して、任意に0.001〜15質量部の連鎖移動剤を使用することができる。
連鎖移動剤としては、分子量の調節ができる化合物であれば特に制限されず、既知の連鎖移動剤が使用できる。例えば、
オクチルメルカプタン,n−ドデシルメルカプタン,t−ドデシルメルカプタン,n−ヘキサデシルメルカプタン,n−テトラデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、1−チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、2-エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、ブチルチオグリコレートなどのメルカプタン;
ジメチルキサントゲンジスルフィド,ジエチルキサントゲンジスルフィド,ジイソプロピルキサンチゲンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド,テトラエチルチウラムジスルフィド,テトラブチルチウラムジスルフィドなどのジスルフィド;四塩化炭素,塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン、四臭化炭素,臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素;
イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;
亜リン酸、次亜リン酸、およびその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、およびそれらの塩(亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)等の、低級酸化物およびその塩;ならびに
アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、アニソール
などを挙げることができるが、これらに限定されない。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
また、重合の際、重合溶媒として有機溶剤を使用することができる。有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエトキシジエチレングリコール、及び3−メトキシ−1−ブタノール等が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いても良いが、最終用途で使用する溶剤であることが好ましい。
<重合性化合物(B)>
次に、重合性化合物(B)としては、反応に伴う硬化性を向上させるためにラジカル重合性化合物を使用することができる。本発明におけるラジカル重合性化合物とは、分子中にラジカル重合可能な骨格を少なくとも一つ以上を有する化合物(ただし、共重合体(A)は含まない)を意味する。また、これらは、いずれも常温、常圧で液体ないし固体のモノマー、オリゴマー、ないしポリマーの化学形態を持つものである。
このようなラジカル重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸およびそれらの塩、エステル、酸アミド、酸無水物などが挙げられ、さらには、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、エステル(メタ)アクリレートアクリロニトリル、スチレン誘導体、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ポリウレタン等があげられるが、これらに限定されるものではない。以下に、本発明におけるラジカル重合性化合物の具体例を挙げる。
アクリレート類の例:
単官能アルキルアクリレート類、単官能環状アルキルアクリレート類、または単官能環状アルケニルアクリレート類の例:
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート。
単官能含ヒドロキシアクリレート類の例:
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルアクリレート、アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
単官能含ハロゲンアクリレート類の例:
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加アクリレート。
単官能含エーテル基アクリレート類の例:
2−メトキシエチルアクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、クレジルポリエチレングリコールアクリレート、アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)エチル、p−ノニルフェノキシエチルアクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、グリシジルアクリレート。
単官能含カルボキシルアクリレート類の例:
β−カルボキシエチルアクリレート、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能アクリレート類の例:
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、モルホリノエチルアクリレート、トリメチルシロキシエチルアクリレート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン。
二官能アクリレート類の例:
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート、ポリエチレングリコール#300ジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノベンゾエート、ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、水素化ビスフェノールAジアクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、PO変性ビスフェノールFジアクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン。
三官能アクリレート類の例:
グリセリンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のアクリレート類の例:
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルテトラアクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート。
メタクリレート類の例:
単官能アルキルメタクリレート類、単官能環状アルキルメタクリレート類、または単官能環状アルケニルメタクリレート類の例:
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート。
単官能含ヒドロキシメタクリレート類の例:
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
単官能含ハロゲンメタクリレート類の例:
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加メタクリレート。
単官能含エーテル基メタクリレート類の例:
2−メトキシエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、メタクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)エチル、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、クレジルポリエチレングリコールメタクリレート、p−ノニルフェノキシエチルメタクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート。
単官能含カルボキシルメタクリレート類の例:
β−カルボキシエチルメタクリレート、コハク酸モノメタクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能メタクリレート類の例:
ジメチルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、トリメチルシロキシエチルメタクリレート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等。
二官能メタクリレート類の例:
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#300ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)エーテル、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノベンゾエート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性ビスフェノールAジメタクリレート、水素化ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性ビスフェノールFジメタクリレート、PO変性ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン。
三官能メタクリレート類の例:
グリセリンPO変性トリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリメタクリレート、1,3,5−トリメタクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のメタクリレート類の例:
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、オリゴエステルテトラメタクリレート、トリス(メタクリロイルオキシ)ホスフェート。
アリレート類の例:
アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリアリレート。
酸アミド類の例:
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン。
スチレン類の例:
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン。
他のビニル化合物の例:
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等。
上記のラジカル重合性化合物は、以下に示すメーカーの市販品として、容易に入手することができる。例えば、共栄社油脂化学工業(株)社製の「ライトアクリレート」、「ライトエステル」、「エポキシエステル」、「ウレタンアクリレート」および「高機能性オリゴマー」シリーズ、新中村化学(株)社製の「NKエステル」および「NKオリゴ」シリーズ、日立化成工業(株)社製の「ファンクリル」シリーズ、東亞合成化学(株)社製の「アロニックスM」シリーズ、大八化学工業(株)社製の「機能性モノマー」シリーズ、大阪有機化学工業(株)社製の「特殊アクリルモノマー」シリーズ、三菱レイヨン(株)社製の「アクリエステル」および「ダイヤビームオリゴマー」シリーズ、日本化薬(株)社製の「カヤラッド」および「カヤマー」シリーズ、(株)日本触媒社製の「アクリル酸/メタクリル酸エステルモノマー」シリーズ、日本合成化学工業(株)社製の「NICHIGO−UV紫光ウレタンアクリレートオリゴマー」シリーズ、信越酢酸ビニル(株)社製の「カルボン酸ビニルエステルモノマー」シリーズ、(株)興人社製の「機能性モノマー」シリーズ等が挙げられる。
また以下に示す環状化合物もラジカル重合性化合物として挙げられる。
三員環化合物の例:
ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第17巻、3169頁(1979年)記載のビニルシクロプロパン類、マクロモレキュラー・ケミー・ラピッド・コミュニケーション(Makromol.Chem.Rapid Commun.)、第5巻、63頁(1984年)記載の1−フェニル−2−ビニルシクロプロパン類、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第23巻、1931頁(1985年)およびジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第21巻、4331頁(1983年)記載の2−フェニル−3−ビニルオキシラン類、日本化学会第50春期年会講演予稿集、1564頁(1985年)記載の2,3−ジビニルオキシラン類。
環状ケテンアセタール類の例:
ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第20巻、3021頁(1982年)およびジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第21巻、373頁(1983年)記載の2−メチレン−1,3−ジオキセパン、ポリマー・プレプレプリント(Polym.Preprints)、第34巻、152頁(1985年)記載のジオキソラン類、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第20巻、361頁(1982年)、マクロモレキュラー・ケミー(Makromol.Chem.)、第183巻、1913頁(1982年)およびマクロモレキュラー・ケミー(Makromol.Chem.)、第186巻、1543頁(1985年)記載の2−メチレン−4−フェニル−1,3−ジオキセパン、マクロモレキュルズ(Macromolecules)、第15巻、1711頁(1982年)記載の4,7−ジメチル−2−メチレン−1,3−ジオキセパン、ポリマー・プレプレプリント(Polym.Preprints)、第34巻、154頁(1985年)記載の5,6−ベンゾ−2−メチレン−1,3−ジオセパン。
さらに、重合性化合物(B)は、以下に示す文献に記載のものも挙げることができる。例えば、山下晋三ら編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年、大成社)や加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」、(1985年、高分子刊行会)、ラドテック研究会編、赤松清編、「新・感光性樹脂の実際技術」、(1987年、シーエムシー)、遠藤剛編、「熱硬化性高分子の精密化」、(1986年、シーエムシー)、滝山榮一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)、ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、(2002年、シーエムシー)が挙げられる。
重合性化合物(B)は、ただ一種のみを用いてもよいし、所望とする特性を向上するために任意の比率で2種以上混合したものを用いてもよい。
重合性化合物(B)は、上記モノマー以外にオリゴマー、プレポリマーと呼ばれるものを使用できる。具体的には、ダイセルUCB社製「Ebecryl230、244、245、270、280/15IB、284、285、4830、4835、4858、4883、8402、8803、8800、254、264、265、294/35HD、1259、1264、4866、9260、8210、1290.1290K、5129、2000、2001、2002、2100、KRM7222、KRM7735、4842、210、215、4827、4849、6700、6700−20T、204、205、6602、220、4450、770、IRR567、81、84、83、80、657、800、805、808、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、835、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811、436、438、446、505、524、525、554W、584、586、745、767、1701、1755、740/40TP、600、601、604、605、607、608、609、600/25TO、616、645、648、860、1606、1608、1629、1940、2958、2959、3200、3201、3404、3411、3412、3415、3500、3502、3600、3603、3604、3605、3608、3700、3700−20H、3700−20T、3700−25R、3701、3701−20T、3703、3702、RDX63182、6040、IRR419」、サートマー社製「CN104、CN120、CN124、CN136、CN151、CN2270、CN2271E、CN435、CN454、CN970、CN971、CN972、CN9782、CN981、CN9893、CN991」、BASF社製「Laromer EA81、LR8713、LR8765、LR8986、PE56F、PE44F、LR8800、PE46T、LR8907、PO43F、PO77F、PE55F、LR8967、LR8981、LR8982、LR8992、LR9004、LR8956、LR8985、LR8987、UP35D、UA19T、LR9005、PO83F、PO33F、PO84F、PO94F、LR8863、LR8869、LR8889、LR8997、LR8996、LR9013、LR9019、PO9026V、PE9027V」、コグニス社製「フォトマー3005、3015、3016、3072、3982、3215、5010、5429、5430、5432、5662、5806、5930、6008、6010、6019、6184、6210、6217、6230、6891、6892、6893−20R、6363、6572、3660」、根上工業社製「アートレジンUN−9000HP、9000PEP、9200A、7600、5200、1003、1255、3320HA、3320HB、3320HC、3320HS、901T、1200TPK、6060PTM、6060P」、日本合成化学社製「紫光 UV−6630B、7000B、7510B、7461TE、3000B、3200B、3210EA、3310B、3500BA、3520TL、3700B、6100B、6640B、1400B、1700B、6300B、7550B、7605B、7610B、7620EA、7630B、7640B、2000B、2010B、2250EA、2750B」、日本化薬社製「カヤラッドR−280、R−146、R131、R−205、EX2320、R190、R130、R−300、C−0011、TCR−1234、ZFR−1122、UX−2201、UX−2301、UX3204、UX−3301、UX−4101、UX−6101、UX−7101、MAX−5101、MAX−5100,MAX−3510、UX−4101」等が挙げられる。
重合性化合物(B)は、加飾シート用組成物のハードコート性や加工性などの点から、加飾シート用組成物の固形分の合計100重量部中、1〜99重量部の量で用いることが好ましい。
また、重合性化合物(B)は、加飾シート用組成物のハードコート性や加工性などの点から、フリル基を有する化合物(A)100重量部に対して20〜400重量部か好ましく、50〜200重量部がより好ましい。
重合性化合物(B)として使用可能な前述の化合物のうち、ハードコート性や加工性、コストなどの観点から、多官能(メタ)アクリレートやウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
<重合開始剤(C)>
次に、重合開始剤(C)としては、活性エネルギー線照射により、重合反応を開始するラジカル活性種を発生させる化合物であり、従来既知の重合開始剤を用いることが可能である。具体的には、
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン類;
その他フェニルグリオキシリックメチルエステル等が挙げられるが、これらに限定されない。より具体的には、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー784、イルガキュアー261、イルガキュアーOXE−01(CGI124)、CGI242(BASF社)、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717(ADEKA社)、Esacure1001M(Lamberti社)、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物公報、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−255347号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開昭54−99185号公報、特開昭63−264560号公報ならびに特開平10−29977記載のアミノケトン化合物、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166、特開2008−094770、特開2009−40762、特開2010−15025、特開2010−189279、特開2010−189280公報、特表2010−526846、特表2010−527338、特表2010−527339、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)ならびに特開昭61−24558号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
また、重合開始剤(C)として、水素引き抜き型のラジカル開始剤を用いることが可能であり、具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーケトン、チオキサントン、またはアントラキノン等の芳香族ケトン類が挙げられるが、これらに限定されない。こられの化合物は、3級アミンを併用することが当技術分野では一般的であり、具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、p−ジメチルアミノフェニルアルキルエステルなどが挙がられるが、これらに限定されるものではない。
重合開始剤(C)としては、これらの中でも、好ましくは、アセトフェノン類、ホスフィンオキサイド類などを用いることができる。
これらの、重合開始剤(C)は、単独または複数の組み合わせで使用することが可能であり、反応硬化物に求める特性に応じて、任意に混合使用が可能である。これらの重合開始剤(C)を用いる場合の使用量は、加飾シート用組成物の固形分の合計100重量部中、0.1〜50重量部が好ましく、さらに1〜20重量部がより好ましい。
さらに、本発明の加飾シート用組成物には、増感剤を含有させることができる。増感剤としては例えば、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、ミヒラーケトン誘導体、ビイミダゾール誘導体等が挙げられるが、これらに限定されない。
増感剤としては、さらに具体例には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。増感剤は、1種を単独で使用してもよく、任意の比率で2種以上の増感剤を含んでいてもよい。
増感剤は、重合開始剤(C)100重量部に対して、0.1〜150重量部の量を用いることが好ましく、1〜100重量部の量で用いることがより好ましい。
上述した本発明の加飾シート用組成物の必須成分以外にも、加飾シートの製造時における塗工性や、加飾シート用の加飾シート用組成物として求められる特性を付与する目的で、樹脂、溶媒や無機粒子を添加しても良い。
本発明の加飾シート用組成物に使用できる樹脂とは、分子中にラジカル重合可能な骨格を有しない樹脂を意味する。また、これらの樹脂は、いずれも常温、常圧で液体ないし固体の化学形態を持つものである。
分子中にラジカル重合可能な骨格を有しない樹脂としては、例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ブタジエンーアクリルニトリル共重合体のような合成ゴム等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの樹脂は、1種を団毒で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
これらの樹脂は、加飾シート用組成物のハードコート性や加工性などの点から、加飾シート用組成物の固形分の合計100重量部中、1〜99重量部の量で用いることが好ましい。同時に重合性組成物(B)100重量部に対して、1〜100重量部の量で用いることが好ましい。
本発明の加飾シート用組成物に使用できる溶媒としては、従来既知の有機溶剤を使用可能であり、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、オクタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、4−ヒドロキシー4−メチルー2−ペンタノン、2−エチル−1−ヘキサノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、イソデカノール、イソトリデカノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、2−メトキシブタノール、3−メトキシブタノール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ベンジルアルコール、メチルシクロヘキサノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエテール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノtert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、γ―ブチロラクトン、イソホロン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、n−プロピルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノールアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、トリアセチン、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、イソヘキサン、イソオクタン、イソノナン、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、o−クロロトルエン、m−クロロトルエン、p−クロロトルエン、m−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロプロパン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
有機溶剤の使用量は、加飾シート用組成物の固形分濃度を5〜50重量%とする量を使うのが塗工適正の観点から好ましい。上述した濃度範囲外においては、塗工液のレべリング性の低下、塗膜の平滑性の低下、膜厚のコントロールが難しくなるなどの問題が生じやすい。
本発明の加飾シート用組成物に使用できる無機粒子とは、シリカ粒子(コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカなど)、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子、酸化亜鉛粒子などの金属酸化物粒子が好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
架橋性などの観点から無機粒子は、その表面に反応性官能基を有しているものがより好ましく、反応性官能基の具体例としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、及びアリル基といったエチレン性不飽和結合や、エポキシ基、シラノール基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
無機粒子の形状としては、球、楕円体、多面体、鱗片形などが挙げられ、これらの形状が均一で、整粒であることが好ましい。また平均粒子径は、0.005〜0.5μmが好ましく、0.01〜0.1μmがより好ましい。
本発明の加飾シート用組成物はさらに目的に応じて、染料、有機および無機顔料、顔料分散剤、ホスフィン、ホスホネート、ホスファイト等の酸素除去剤や還元剤、カブリ防止剤、退色防止剤、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、着色剤、増量剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、色素前駆体、紫外線吸収剤、発砲剤、防カビ剤、帯電防止剤、磁性体、樹脂型分散剤等の分散剤シランカップリング剤や4級アンモニウムクロライド等の貯蔵安定剤、可塑剤、表面張力調整剤、スリッピング剤、アンチブロッキング剤、光安定化剤、レベリング剤、消泡剤、赤外吸収剤、界面活性剤、チキソトロピー剤、抗菌剤、シリカ等の微粒子やその他種々の特性を付与する添加剤、希釈溶剤等と混合して使用しても良い。
本発明の加飾シート用組成物は、前述の通り、共重合体(A)と、重合性化合物(B)と、開始剤(C)を必須成分として含む。
また、前記加飾シート用組成物は、成形加工品の製造に好適に使用することができる。好ましくは、共重合体(A)と、重合性化合物(B)と、開始剤(C)とを含む加飾シート用組成物を基材に塗布する第一の工程と、活性エネルギー線を照射することにより硬化する第二の工程とにより加飾シートを形成し、更に、成型加工する第三の工程により成形加工品を製造することができる。
本発明の加飾シート用組成物は、第二の工程の段階では、開始剤(C)から発生したラジカルにより重合性化合物(B)が反応することにより架橋反応が進行する。この時、共重合体(A)中のフリル基はほとんど反応しないため、所謂イナート樹脂として機能するものと思われる。従って、一般式(2)で示されるフリル基を含む単位により光架橋膜全体の架橋度を調整し、さらに、一般式(1)で示される環構造と組み合わせることより、種々の成型加工に対応可能な伸張性・柔軟性を有する架橋膜を得ることが可能になる。
共重合体(A)中、一般式(2)の含まれるフリル基の量(X)と、一般式(1)に含まれる環構造の量(Y)のモル比(X):(Y)は、1:0.1〜1:12であることが好ましく、1:0.3〜1:6がより好ましく、1:0.5〜1:2.5が更に好ましく、1:0.7〜1:2.3が更に好ましい。
本発明は、製造方法やその作用機構に限定されるものではないが、活性エネルギー線による光架橋(第二の工程)の後に、共重合体(A)の有するフリル基と、重合性化合物(B)由来の光架橋に関与しなかった重合性基が熱架橋することで、架橋膜全体の架橋度が向上し、ハードコート性を有する架橋膜を得ることができる。ここで、重合性化合物(B)が有する重合性基が光架橋時に100%消費されないことは当技術分野では一般的な事実である。
フリル基と重合性基の熱架橋は、特に限定されるものではないが、具体的には、重合性基中のジエノフィル構造とフリル基中のジエン構造によるDiels−Alder反応である。この反応は一般的には室温以上で進行しうるが、加熱した方がより反応が進行しやすい。反応温度は、80℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上である。
第三の工程である成型加工は、熱架橋させるために、加熱を伴う成形加工であることが好ましい。成型工程の熱を利用したDiels−Alder反応により架橋を十分に進行させることが可能となり、成型工程の他に熱架橋させる工程を必要としないため、生産性の観点からも他の熱架橋系に対して優位点が高い。
成形工程は、加熱成形に限定されず、本発明の製造方法は加熱する工程を更に含んでいても良い。
<加飾シート>
本発明の加飾シートは、硬化膜が本発明の加飾シート用組成物を用いて形成されていれば特に制限はなく、基材上に必要に応じて、アンカー層、絵柄層、接着層、離型層、帯電防止層などと自由に組み合わせて層構成される。例えば、本発明の加飾シートが限定されるわけではないが、ラミネート用加飾シート、転写用加飾シートなどが好ましく挙げられる。
ラミネート用加飾シートは、基材上の片側に本発明の加飾シート用組成物を用いた硬化膜を設け、もう一方の片側に、絵柄層や接着層を積層した層構成を有する加飾シートであり、被加飾体(プラスチック筐体)の表面に張り付けることで加飾される。
転写用加飾シートは、基材上の片側に離型層を形成し、離型層上に転写層を積層した加飾シートである。ここで転写層は、本発明の加飾シート用組成物を用いた硬化膜、絵柄層、接着層の順で積層された層であるが、さらに必要に応じて、アンカー層、帯電防止層、紫外線吸収層、低反射層、近赤外線遮断層、電磁波吸収層なども組み合わせることが可能であるが、本発明の加飾シートにおける層構成はこれらに限定されるものではない。
上記のアンカー層は、異なる2層の密着性を高めるため、例えば、本発明の加飾シート用組成物を用いた硬化膜と接着層、あるいは絵柄層間に設けられる層であるが、本発明におけるアンカー層はこれらに限定されることなく、任意の層間に必要に応じて設けることが可能である。
アンカー層としては、2液性硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩素含有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系共重合体樹脂などを使用し、グラビアコート法、グラビアオフセット法、キスコート法、ロッドコート法、リバースグラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、トップコート法、ダイコート法、ナイフコート法、リップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷などの既知のコート法、印刷法を用いて積層することができる。
上記の絵柄層は、加飾シートに所望の意匠性を得るために必要な層であり、絵柄については特に制限はなく、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字、写真、イラストなどからなる絵柄が挙げられ、その絵柄の組み合わせについても自由である。また、重ね塗りも自由である他、一部または全面に金属蒸着を行うことも可能である。
絵柄を得るために必要な方法としては、適切な顔料、染料などの着色剤と、バインダー樹脂からなるインキを、既知の印刷方法を用いて形成する方法が挙げられる。ここでパインダー樹脂としては、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂、アルキド樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、既知の印刷方法としては、グラビアコート法、グラビアオフセット法、キスコート法、ロッドコート法、リバースグラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、トップコート法、ダイコート法、ナイフコート法、リップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記の接着層は、転写層を樹脂成型体に転写される際に接着するために必要な層である。接着層は全面でも、転写させたい一部分でもよい。
接着層としては、接着性を有する樹脂であれば特に制限なく使用可能であるが、好ましくは、アクリル系樹脂、ポリスチレン系、ポリアミド系樹脂、インデン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられ、必要に応じて1種以上混合して使用することも可能である。また、樹脂成型体との親和性の観点から適宜選択されることがより好ましい。
離型層は、転写層を基材から乖離させるために必要な層であり、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース樹脂系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン樹脂系離型剤、アクリル樹脂系離型剤などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。上記の離型剤は、必要に応じて1種以上を任意に混合して使用可能である。
本発明の加飾シートに使用可能な基材としては、特に制限はないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂、ビニル系樹脂などのプラスチック素材が好ましく挙げられる。
加飾シートに使用可能な基材としては、より好ましくは前記プラスチック素材からキャスト法あるいは無延伸、2軸延伸法によるフィルムまたはシート状が挙げられるが、その製造方法に限定されるものではない。また密着性付与の観点から、基材表面にコロナ放電処理やプライマー等の下塗り塗料を塗装されているものであってもよい。
基材の厚さは特に制限はなく、成型方法によって最適な厚みを選択することが望ましい。
加飾シートの製造方法としては、本発明の加飾シート用組成物が基材上に、均一かつ所定の厚膜になるように成膜された後に、必要に応じて乾燥を行い、さらに活性エネルギー線の照射による光架橋を行うことにより形成される。
成膜方法としては、既知の印刷あるいは塗工方法を用いることが可能であり、例えばグラビアコート法、グラビアオフセット法、キスコート法、ロッドコート法、リバースグラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、トップコート法、ダイコート法、ナイフコート法、リップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の加飾シート用組成物に使用可能な溶媒の説明において記載したように、塗工性の観点から溶媒を用いる場合がある。しかしながら、多量の溶媒を塗膜中に含んだ状態で活性エネルギー線照射による架橋すると、架橋のコントロールに悪影響を及ぼす場合があるため、塗膜を乾燥することによりある程度除くことが望ましい。乾燥させる方法としては、真空乾燥機などを用いた減圧による真空乾燥か、コンベクションオーブン(熱風乾燥器)、IRオーブン、ホットプレート等を使用したベークによる乾燥、またはその複合により実施することが可能である。設備コストや生産性の観点からベークを選択することが好ましいが、以下の条件に注意して実施されることがより好ましい。
ベークの条件(温度、時間)については、使用する沸点や膜厚、オーブンの乾燥性能に応じて適宜選択することが可能であるが、本発明の加飾シート用組成物は100℃以上の高温領域で前述のフリル基の熱架橋反応が進行しうるため、100℃以下が好ましい。また長時間のベークもまた熱架橋反応が進行する可能性があるため、10分以下が好ましい。プリベーク時点で熱架橋反応が進行してしまうと、活性エネルギー照射による光架橋へ悪影響を及ぼし、架橋度が必要以上に上がった結果、伸張性を損なう可能性が生じるため好ましくない。
本発明の加飾シート用組成物の膜厚としては、特に制限はないが、成型性やハードコート性の観点から、好ましくは1μm〜100μmであり、好ましくは5μm〜50μmである。
本発明の組成物を光架橋させる際に必要な活性エネルギー線とは、熱または紫外線や可視光線、近赤外線等、電子線等である。これらの活性エネルギー線により重合開始剤(C)がラジカルを発生し、続いて重合性化合物(B)が重合することにより架橋反応が進行する。活性エネルギー線の付与の光源としては、250nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源が好ましい。250nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源の例としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、パルス発光キセノンランプ、重水素ランプ、蛍光灯、ND−YAG3倍波レーザー、HE−CDレーザー、窒素レーザー、XE−Clエキシマレーザー、XE−Fエキシマレーザー、半導体励起固体レーザー、365nm、375nm、385nmに発行波長を有するLEDランプ光源などの各種光源が挙げられる。なお本明細書において、紫外線や可視光、近赤外線等の定義は、久保亮五ら編「岩波理化学辞典第4版」(1987年、岩波)による。
前述のように、硬化膜は、他の必要な層とともに積層され加飾シートとして用いられる。前述の作用機構により本発明の加飾シート用組成物を用いることで種々の成型に対応可能な成型性を有している。さらに、本発明の加飾シートは成型時の熱で硬化膜がさらに熱架橋されることにより、最終的なハードコート性を得ることが可能になる。熱架橋は成型時にかかる熱で十分に進行可能であるが、必要に応じてベーク工程を追加してもよい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例中における各評価は、以下の方法に従った。なお、実施例中、部は重量部、%は重量%をそれぞれ示す。
<重量平均分子量>
重量平均分子量の測定は、東ソー社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)「GPC−8020」を用いた、カラムはSHODEX KF−806L 2本、KF−804L 1本、KF−802 1本を用い、溶媒はテトラヒドロフランを用いた。重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で行った。
実施例で使用する単量体について表1に示す。
Figure 0006870567
単量体(1)、(2)は特許5977063号公報記載の方法で得た。
単量体(3)〜(5)は、特開平07−82217号公報記載の方法で得た。
単量体(6)〜(10)は、以下の市販品を用いた。
単量体6:三菱ケミカル社製「アクリエステルM」(メチルメタクリレート)
単量体7:三菱ケミカル社製「アクリエステルB」(ブチルメタクリレート)
単量体8:日本触媒社製「HEMA」(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)
単量体9:日油社製「ブレンマーG」(グリシジルメタクリレート)
単量体10:共栄社化学社製「ライトエステルTHF1000」(テトラヒドロフルフリルメタクリレート)
(実施形態1)共重合樹脂(A)を用いる実施形態
<共重合樹脂(A)の製造>
合成例1:化合物(A)−1
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、メチルエチルケトン80重量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃に昇温した。次いで、単量体(1)75重量部、単量体(2)25重量部、及びアゾビスイソブチロニトリル2重量部を予め混合したモノマー液を2時間かけて滴下した。さらに70℃で1時間反応させた後、アゾビスブチロニトリル0.3重量部を加えて1時間反応させる工程を、モノマーの添加率が98%以上になるまで行った後、室温まで冷却した。メチルエチルケトンを加えて固形分50%の共重合樹脂(A)として化合物(A)−1を得た。重量平均分子量は100,000であった。
合成例2〜8:(A)−2〜(A)−8
合成例1における単量体を表2に示す種類・配合に変更し、反応時の固形分濃度や重合開始剤の量を適宜調整すること以外は同様に合成することにより、表2に示す重量平均分子量を持つ化合物(A)−2〜(A)−8を固形分50%で得た。
Figure 0006870567

比較例用化合物の合成例:化合物(1)〜(5)
合成例1における単量体を表3に示す種類・配合に変更し、反応時の固形分濃度や重合開始剤の量を適宜調整すること以外は同様に合成することにより、表3に示す重量平均分子量を持つ比較例化合物(1)〜(5)を固形分50%で得た
Figure 0006870567

<加飾シート用組成物の製造>
実施例1〜19、比較例1〜7
共重合樹脂(A)または化合物(1)〜(5)と重合性化合物(B)と重合開始剤(C)を表4に示す重量部で配合し、加飾シート用組成物を得た。
Figure 0006870567
なお、表4中の略語は以下の通りである。
PET−30:日本化薬社製「KAYARAD PET−30」(3官能アクリレート)
DPGDA:ダイセルオルネクス社製「DPGDA」(2官能アクリレート)
DPPA:サートマー社製「SR399」(5官能アクリレート)
DPHA:新中村化学工業社製「A−DPH」(6官能アクリレート)
UV−7650B:日本合成化学社製「紫光UV−7650B」(ウレタンアクリレートオリゴマー)
UA−3061:共栄社製化学社製「UA−3061」(ウレタンアクリレート)
V−5500:DIC社製「ユニディックV−5500」(エポキシアクリレート)
8KX−012C:大成ファインケミカル社製「アクリット8KX−012C」(アクリルアクリレート)
EBECRYL1830:ダイセルオルネクス社製「EBECRYL1830」(エステルアクリレート)
Irg184:BASF(旧チバジャパン)社製「Irg184」(光重合開始剤)
Irg369:BASF(旧チバジャパン)社製「Irg369」(光重合開始剤)
TPO:BASF(旧チバジャパン)社製「TPO」(光重合開始剤)
SI−100:サンエイド社製「サインエイド SI−100」(熱カチオン重合発生剤)
B−7982:Baxenden社製「7982」(ブロックイソシアネート)
MEK:メチルエチルケトン
PGMAC:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<硬化性評価>
実施例1〜19および比較例1〜7で得られた組成物を、PET基材(厚み100μm:東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)に、バーコーターを用いて塗工した後、熱風乾燥器を用いて80℃、1分間乾燥することにより膜厚5μmの塗工膜を得た。塗工膜をベルトコンベア式の紫外線照射装置(高圧水銀灯120W/cm灯)を用いて、コンベアスピード10m/分で紫外線照射(積算光量400mJ/cm)して硬化させ、続いて、熱風乾燥器を用いて、160℃、10分間加熱を行うことにより、加熱成型後の塗膜状態を想定した硬化膜を得た。硬化膜の鉛筆硬度試験および耐擦傷試験を行った結果を表5に示す。
(鉛筆硬度試験)
JIS−K−5600の試験方法に則って行い、硬度の判定を行った。加飾フィルムを想定した場合、H以上が使用可能レベルである。
(耐擦傷試験)
#0000スチールウールを使用し、750g/cm荷重をかけて、10往復擦傷した後、目視にて傷の有無を判定した。加飾フィルムを想定した場合、傷がないことが望ましい。
(判定基準)
〇:傷無し
△:わずかに傷あり
×:多数の傷あり
<伸張性評価>
実施例1〜19および比較例1〜7で得られた組成物を、ポリカーボネート基材(厚み1mm:三菱ガス化学社製「ユーピロン・シートNF−2000」)に、バーコーターを用いて塗工した後、熱風乾燥器を用いて80℃、1分間乾燥することにより膜厚5μmの塗工膜を得た。塗工膜をベルトコンベア式の紫外線照射装置(高圧水銀灯120W/cm灯)を用いて、コンベアスピード10m/分で紫外線照射(積算光量400mJ/cm)して硬化膜を得た。この硬化膜を使用し成型加工を想定した伸張性試験を行った結果、自動車分野などの特定用途向けを想定した耐薬品性試験を行った結果を表5に示す。
(伸張性試験)
各硬化膜を基材と共に、JIS K6251−1号規格に準拠したダンベル形状に裁断することにより伸張性試験片を得た。なお、チャック間距離は4cmであり幅は1cmである。試験機として島津製作所製「EZ−SX」を使用し、このダンベル片を用いて引っ張り試験を行った。
伸張条件:室温下、100mm/分の引っ張り速度で実施した。
伸長判定:チャック間距離の4cmを基準とし、元の長さの70%に相当する2.8cm、80%に相当する3.2cm、90%に相当する3.6cm、100%に相当する4.0cmにそれぞれ引っ張った際の、塗膜の傷の有無を確認した。加飾フィルムを想定した場合まったく傷がないことが望ましく、より長く伸張できる方がさらに望ましい。
(判定基準)
〇:傷無し
△:10〜20本程度の傷が入る
×:多数の傷が入る
(耐薬品性試験)
各硬化膜を基材と共に4cm四方の正方形に裁断を行った後、熱風乾燥器(160℃)で10分ベークを行い、(理想的に)熱架橋が進行した硬化膜を得た。
日焼け止めクリーム(Neutrogena社製「UltraSheer、SPF#55」)を、試験片の中央部分に30mg乗せた後、3cm四方の正方形に裁断されたPETフィルム(厚さ50μm)をその上に被せた。PETフィルム上部から均一に荷重を加えることにより均一な円状(直径1.8cm)にクリームを伸ばした。
以下の条件下にて、熱風乾燥器(80℃、15時間)で静置し、室温まで放冷した後に水道水でクリームを洗い流し、試験片表面の外観を目視で観察することにより、薬品耐性を判定した。
条件1:PETフィルムを剥がし、試験片およびクリームが解放された状態。
条件2:PETフィルムを剥がさず、試験片を10cm四方のガラス基板(厚み5mm)で挟みこみ、ガラス基板上部から500gの荷重をかけた状態(密閉された状態)。
(判定基準)
〇:外観変化がなく(透明)
△:うっすらと曇っている
×:白化が発生(透明性なし)

Figure 0006870567
比較例1のような熱カチオン発生剤を用いてエポキシ架橋による熱架橋を利用する系や、比較例2のようなブロックイソシアと水酸基とによる熱架橋を利用する系と比較して、本発明の共重合性樹脂(A)由来のフランとアクリルとの熱架橋を利用する系(実施例1〜19)は、塗膜のハードコート性(鉛筆硬度、耐擦傷)の観点で明らかに優れていることが明らかとなった。架橋に利用する反応形態の差が硬化性に反映することが推察されるが詳細は明らかではない。
また、本発明の加飾シート用組成物を利用した架橋膜は伸張性に優れる結果となり、加飾フィルムに適応可能な十分な伸張性を有することが明らかとなった。
実施例1〜19が示すように、種々の重合性化合物(B)や重合開始剤(C)との配合において十分な伸張性とハードコート性を有する架橋膜を得ることが明らかとなった。
また、比較例3のように多官能アクリレートを単独で用いた場合、架橋度が高くなるため鉛筆硬度や耐擦傷性などのハードコート性は非常に優れるが、伸張性が非常に悪いため加飾シートに適応することは難しい。さらに比較例4のように一般に硬化性と伸張性のバランスが良いとされるウレタンアクリレートを単独で用いた場合、鉛筆硬度は問題なく、伸張性も比較例3よりは良化しているが十分ではなく、本発明の架橋組成物を用いた場合と比較して劣る結果となっている。一方、比較例5のようにテトラヒドロフリル基を有するアクリル樹脂を用いた場合には、塗膜のハードコート性がなく、伸張性も若干悪いため加飾シートに適応することは難しい。上述のようにフリル基でないと熱架橋反応が進行しないことや、イナート成分としての機能もフリル基を有する化合物には及ばないことを示している。
比較例6のように一般式(1)で表される重合単量体だけを含む樹脂、あるいは比較例7のように一般式(2)で表される重合単量体だけを含む樹脂を使用した場合、一般式(1)(2)で表される重合性単量体をまったく含まない樹脂を使用した場合(比較例3)よりも、わずかにハードコート性や伸張性に優れるものの、本発明の共重合性樹脂(A)と比較すると明らかに劣る結果となった。つまり、一般式(1)または(2)で表される重合単量体構造が揃うことにより、極めて良好なハードコート性、伸張性を両立することができることを示している。
本発明の加飾シート用架橋組成物から形成された硬化膜を有する加飾シートは、優れた薬品耐性を示した(実施例1〜19、比較例1〜7:条件1)。日焼け止めクリームに対する耐性を有することで、自動車用途、特に自動車の内装部品などに好ましく利用することが可能である。
本発明の加飾シート用架橋組成物から形成された硬化膜を有する加飾シートは、十分な薬品耐性を示しているが、架橋組成物中のフラン基を有する共重合性樹脂(A)が水酸基を有することでさらに過酷な条件においても良好な薬品耐性を示すことが明らかとなった。(実施例4〜19:条件2)
したがって、本発明の加飾シート用組成物は、共重合性樹脂(A)、重合組成物(B)、重合開始剤(C)から構成されることで、種々の熱成型に対応可能な加飾フィルムを得るための、優れた伸張性とハードコート性を合わせ持つ架橋膜を得られることが明らかとなった。
<真空成型性試験>
実施例1〜19および比較例1〜7で得られた組成物を、ポリカーボネート基材(厚み1mm:三菱ガス化学社製「ユーピロン・シートNF−2000)に、バーコーターを用いて塗工した後、熱風乾燥器を用いて80℃、1分間乾燥させることにより膜厚5μmの塗工膜を得た。塗工膜をベルトコンベア式の紫外線照射装置(高圧水銀灯120W/cm灯)を用いて、コンベアスピード10m/分で紫外線照射(積算光量400mJ/cm)して加飾シートを得た。
続いて、加飾シートを、真空成型機(成光産業社製 「300X」)にセッティングを行い、直方体(縦:65mm、横65mm、高さ30mm)の型を用いて、加熱真空成型(ヒーター温度300℃、推定基材表面温度200℃)を実施した。外観を観察し、成型に伴加飾シートのヒビや割れの有無がないか確認した結果を表3に示す。
(判定基準)
〇:ヒビや割れがなく透明
△:部分的にヒビや割れを確認
×:全体的なヒビや割れを確認
本発明の加飾シート用組成物から形成された硬化膜を有する加飾シートは、成型性に優れる結果となった。故に種々の成型方式に対応可能な成型性を有していることが明らかとなった。
<耐候性評価)>
実施例1〜19および比較例1〜7で得られた組成物を、ポリカーボネート基材(厚み1mm:三菱ガス化学社製「ユーピロン・シートNF−2000)に、バーコーターを用いて塗工した後、熱風乾燥器を用いて80℃、1分間乾燥させることにより膜厚5μmの塗工膜を得た。塗工膜をベルトコンベア式の紫外線照射装置(高圧水銀灯120W/cm灯)を用いて、コンベアスピード10m/分で紫外線照射(積算光量400mJ/cm)して加飾シートを得た。
各加飾シートを10cm×20cmの長方形に裁断を行った後、促進耐候性試験:JIS B7750規定の紫外線カーボンアーク燈式耐候性試験機(スガ試験機株式会社製)で、JIS K5400 6.17に準拠した試験を行い、1000時間経過後の外観の変化を目視にて3段階(3:変化無し、2:変化有り、1:著しく劣化)で評価した結果を表5に示す。
本発明の加飾シート用組成物から形成された硬化膜を有するシートは、優れた耐候性を示した。(実施例1〜19、比較例1〜7)よって本発明の組成物を利用することで、屋外の様々な用途に展開可能な優れた加飾シートを得ることが可能である。
本発明の加飾シート用組成物より得られる架橋膜は、成型性とハードコート性が高いレベルで両立しているため、本発明の組成物を利用することで、種々の成型方式に対応可能な優れた加飾フィルムを得ることが可能である。さらに、優れた耐候性を有しているため、屋外用途における様々な製品に展開可能な加飾フィルムを得ることが可能である。
加飾フィルムの用途としては、プラスチックの加飾であれば特に制限はないが、例えば、マートフォンなどの携帯電話、モバイルパソコンを含むノート型パソコンなどの電子機器や、自動車用の内外装部品、建材などの分野で使用可能である。

Claims (8)

  1. 分子中に、下記一般式(1)で表される構造単位と、一般式(2)で表される構造単位を有することを特徴とする共重合体(A)。
    一般式(1)
    Figure 0006870567
    (式中、R1は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
    一般式(2)
    Figure 0006870567
    (式中、R2は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、xは、直接結合、炭素数1〜10のアルキレン基、−(CH−O)n−、−(CHCH−O)n−、−(C10−(C=O)−O)n−、−(C−NH−(C=O)−O)n−、−CH−CH(OH)−CH−O−(C=O)−C−(C=O)−O)n−、を表す。nは1〜10の整数である。)
  2. 共重合体(A)100重量%中、一般式(1)で表される構造単位を10〜80重量%、一般式(2)で表される構造単位を20〜60重量%含む、請求項1記載の共重合体(A)。
  3. さらに、水酸基を有する重合性単量体由来の構造単位を有することを特徴とする請求項1または2記載の共重合体(A)。
  4. 共重合体(A)100重量%中、一般式(1)で表される構造単位を10〜80重量%、一般式(2)で表される構造単位を19〜60重量%、水酸基を有する重合性単量体由来の構造単位を1〜40重量%含む、請求項3記載の共重合体(A)。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の共重合体(A)と、重合性化合物(B)と、重合開始剤(C)と、を含んでなる加飾シート用組成物。
  6. 基材上に、請求項5記載の組成物から形成された硬化膜を有する加飾シート。
  7. 請求項6記載の加飾シートから形成された成型加工品。
  8. 請求項1〜4いずれか記載の共重合体(A)と、重合性化合物(B)と、重合開始剤(C)とを含んでなる加飾シート用組成物を基材に塗布する第一の工程と、活性エネルギー線を照射することにより硬化させる第二の工程と、成型加工する第三の工程、とを含む成形加工品の製造方法。
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