JPWO2020066919A1 - 着色組成物、硬化膜の形成方法、カラーフィルタの製造方法および表示装置の製造方法 - Google Patents

着色組成物、硬化膜の形成方法、カラーフィルタの製造方法および表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

着色剤、ラジカル重合性モノマー、および、光ラジカル重合開始剤を含有する着色組成物において、着色組成物の全固形分中における光ラジカル重合開始剤の含有量が、3質量%以上であり、着色組成物は、350nm超380nm以下の波長を有する光を用いて、200mJ/cm2以上の露光量で露光し、全工程を通じて150℃以下の温度で硬化膜を形成するために用いられる。さらに、本発明は、この着色組成物を使用した硬化膜の形成方法、カラーフィルタの製造方法および表示装置の製造方法に関する。

Description

本発明は、着色組成物、硬化膜の形成方法、カラーフィルタの製造方法および表示装置の製造方法に関する。
従来、各種の表示装置および固体撮像素子においては、表示画像のカラー化のために、カラーフィルタが使用されている。このようなカラーフィルタは、一般的に、樹脂および着色剤を含有する硬化性の着色組成物の塗布膜を形成し、この塗布膜をパターン状に硬化させることにより、製造される。
近年では、上記表示装置などの一部の素材として、有機半導体材料やプラスチック部材を使用することが検討されており、カラーフィルタも150℃以下の温度下で製造できることが望まれている。例えば、特許文献1には、特定の構成単位を全構成単位中に45重量%以上含むアルカリ可溶性樹脂(A)と、特定の化合物からなる光重合性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)と、着色剤(D)とを含有する組成物を用いることにより、150℃以下の低い硬化温度下で、薬品耐性が付与されたカラーフィルタを製造したことが記載されている。
特開2018−091940号公報
しかしながら、特許文献1の硬化膜(カラーフィルタ)は、高温高湿試験において分光特性に変動が起きやすいことが分かった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、分光特性の安定性に優れる硬化膜を低温で形成することを可能とする着色組成物の提供を目的とする。
また、本発明は、上記着色組成物を使用した硬化膜の形成方法、カラーフィルタの製造方法および表示装置の製造方法の提供を目的とする。
上記課題は、着色組成物中の光ラジカル重合開始剤の含有量を従来よりも多くし、露光時の組成物内において光ラジカルを従来よりも多く発生させることにより、解決できた。具体的には、以下の手段<1>により、好ましくは<2>〜<21>により、上記課題は解決された。
<1>
着色剤、ラジカル重合性モノマー、および、光ラジカル重合開始剤を含有する着色組成物であって、
着色組成物の全固形分中における光ラジカル重合開始剤の含有量が、3質量%以上であり、
着色組成物は、350nm超380nm以下の波長を有する光を用いて、200mJ/cm2以上の露光量で露光し、全工程を通じて150℃以下の温度で硬化膜を形成するために用いられる、着色組成物。
<2>
光ラジカル重合開始剤の上記含有量が、9質量%以上である、
<1>に記載の着色組成物。
<3>
質量比で、着色組成物の全固形分中におけるラジカル重合性モノマーの含有量Mと、光ラジカル重合開始剤の上記含有量Iとの比M/Iが、20以下である、
<1>または<2>に記載の着色組成物。
<4>
光ラジカル重合開始剤が、オキシム化合物を含む、
<1>〜<3>のいずれか1つに記載の着色組成物。
<5>
オキシム化合物の上記含有量が、10質量%以上である、
<4>に記載の着色組成物。
<6>
光ラジカル重合開始剤が、メタノール中での波長365nmの吸光係数が1.0×103mL/gcm以上である光重合開始剤A1と、メタノール中での波長365nmの吸光係数が1.0×102mL/gcm以下で、かつ、波長254nmの吸光係数が1.0×103mL/gcm以上である光重合開始剤A2とを含む、
<1>〜<5>のいずれか1つに記載の着色組成物。
<7>
光重合開始剤A1の上記含有量が、10質量%以上である、
<6>に記載の着色組成物。
<8>
質量比で、着色組成物の全固形分中におけるラジカル重合性モノマーの含有量Mと、光重合開始剤A1の上記含有量IA1との比M/IA1が、20以下である、<6>または<7>に記載の着色組成物。
<9>
光重合開始剤A1が、フッ素原子を含むオキシム化合物を含む、
<6>〜<8>のいずれか1つに記載の着色組成物。
<10>
光重合開始剤A2が、ヒドロキシアルキルフェノン化合物を含む、
<6>〜<9>のいずれか1つに記載の着色組成物。
<11>
ヒドロキシアルキルフェノン化合物が、下記式(V)で表される化合物である、
<10>に記載の着色組成物;
式(V):
Figure 2020066919
式中、Rv1は、置換基を表し、Rv2およびRv3は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表し、Rv2とRv3とが互いに結合して環を形成していてもよく、mは0〜5の整数を表す。
<12>
着色組成物の全固形分中における光重合開始剤A1と光重合開始剤A2の合計の含有量が5〜15質量%である、
<6>〜<11>のいずれか1つに記載の着色組成物。
<13>
さらに、下記式(I)で表される化合物由来の繰り返し単位を含む樹脂を含有する、
<1>〜<12>のいずれか1つに記載の着色組成物;
Figure 2020066919
式中、X1は、OまたはNHを表し、
1は水素原子またはメチル基を表し、
1は2価の連結基を表し、
10は置換基を表し、
mは0〜2の整数を表し、
pは0以上の整数を表す。
<14>
さらに、フリル基を含む化合物を含有する、
<1>〜<13>のいずれか1つに記載の着色組成物。
<15>
フリル基を含む化合物が、下記式(fur−1)で表される化合物、および、下記式(fur−1)で表される化合物由来の繰り返し単位を含む樹脂から選ばれる少なくとも1種である、
<14>に記載の着色組成物;
式(fur−1):
Figure 2020066919
式中、Rf1は水素原子またはメチル基を表し、Rf2は2価の連結基を表す。
<16>
<1>〜<15>のいずれか1つに記載の着色組成物を支持体上に塗布して着色組成物層を形成する工程と、
着色組成物層に対して、350nm超380nm以下の波長を有する光を200mJ/cm2以上の露光量で照射して、着色組成物層を露光する露光工程と、を有し、
全工程を通じて150℃以下の温度下で、着色組成物層が硬化した膜である硬化膜を得る、硬化膜の形成方法。
<17>
露光工程における露光量が1J/cm2以上である、
<16>に記載の硬化膜の形成方法。
<18>
露光工程における露光照度が1000mW/cm2以上である、
<16>または<17>に記載の硬化膜の形成方法。
<19>
全工程を通じて100℃以下の温度下で硬化膜を得る、
<16>〜<18>のいずれか1つに記載の硬化膜の形成方法。
<20>
<16>〜<19>のいずれか1つに記載の硬化膜の形成方法を含むカラーフィルタの製造方法。
<21>
<16>〜<19>のいずれか1つに記載の硬化膜の形成方法を含む表示装置の製造方法。
本発明の着色組成物により、分光特性の安定性に優れる硬化膜を低温で形成することが可能となる。そして、本発明の着色組成物により、本発明の硬化膜の形成方法、カラーフィルタの製造方法および表示装置の製造方法の提供が可能となる。
以下、本発明の主要な実施形態について説明する。しかしながら、本発明は、明示した実施形態に限られるものではない。
本明細書において「〜」という記号を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、その工程の所期の作用が達成できる限りにおいて、他の工程と明確に区別できない工程も含む意味である。
本明細書における基(原子団)の表記について、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に、置換基を有するものをも包含する意味である。例えば、単に「アルキル基」と記載した場合には、これは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)、および、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)の両方を包含する意味である。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」および「メタクリレート」の両方、または、いずれかを意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」および「メタクリル」の両方、または、いずれかを意味し、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」および「メタクリロイル」の両方、または、いずれかを意味する。
本明細書において、組成物中の全固形分の濃度は、その組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分の質量百分率によって表される。
本明細書において、温度は、特に述べない限り、23℃とする。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、特に述べない限り、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC測定)に従い、ポリスチレン換算値として示される。この重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてガードカラムHZ−L、TSKgel Super HZM−M、TSKgel Super HZ4000、TSKgel Super HZ3000およびTSKgel Super HZ2000(東ソー(株)製)を用いることによって求めることができる。また、特に述べない限り、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて測定したものとする。また、特に述べない限り、GPC測定における検出には、UV線(紫外線)の波長254nm検出器を使用したものとする。
本明細書において、積層体を構成する各層の位置関係について、「上」または「下」と記載したときには、注目している複数の層のうち基準となる層の上側または下側に他の層があればよい。すなわち、基準となる層と上記他の層の間に、さらに第3の層や要素が介在していてもよく、基準となる層と上記他の層は接している必要はない。また、特に断らない限り、基材に対し層が積み重なっていく方向を「上」と称し、または、感光層がある場合には、基材から感光層へ向かう方向を「上」と称し、その反対方向を「下」と称する。なお、このような上下方向の設定は、本明細書中における便宜のためであり、実際の態様においては、本明細書における「上」方向は、鉛直上向きと異なることもありうる。
本明細書において、可視領域以外の電磁波についても「光」の用語を便義上使用し、可視領域以外の電磁波に対しては、「光」の意味は「電磁波」と同義とする。
<着色組成物>
本発明の着色組成物は、着色剤、ラジカル重合性モノマー(以下、単に「重合性モノマー」ともいう。)、および、光ラジカル重合開始剤(以下、単に「光重合開始剤」ともいう。)を含有する。そして、本発明の着色組成物において、着色組成物の全固形分中における光重合開始剤の含有量は、3質量%以上である。さらに、この着色組成物は、350nmを超え380nm以下の波長を有する光を用いて、200mJ/cm2以上の露光量で露光し、全工程を通じて150℃以下の温度で硬化膜を形成するために用いられ、この硬化膜は、表示装置などで使用されるカラーフィルタとして使用できる。
本発明の着色組成物は、全工程を通じて150℃以下の温度で硬化膜を形成するために用いられるものであり、全工程を通じて120℃以下の温度で硬化膜を形成するために用いられるものであることが好ましい。本明細書において全工程を通じて150℃以下の温度で硬化膜を形成するとは、着色組成物および支持体を用いて支持体上に硬化膜を形成する一連の工程全てを150℃以下の支持体温度および雰囲気温度で行うことを意味する。例えば、着色組成物および支持体を用いて硬化膜およびパターン状の硬化膜を形成する工程には、着色組成物を支持体上に塗布する工程、組成物からなる塗布膜を乾燥する工程、乾燥した膜を露光する工程、露光した膜を現像する工程、露光後あるいは現像後に支持体を加熱する工程(いわゆるポストベーク)などが含まれる。ポストベークは、必要により実施され、実施されなくてもよい。
本発明の着色組成物の固形分濃度は、5〜25質量%であることが好ましい。上限は、22.5質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、18質量%以下がさらに好ましい。固形分濃度が上記範囲であれば、全工程を通じて150℃以下の温度(好ましくは120℃以下の温度)で硬化膜を形成した場合であっても、平坦性に優れた膜を形成することができる。
本発明の着色組成物では、着色組成物中の光重合開始剤の含有量が3質量%以上と従来よりも多く設定されており、かつ、着色組成物は、200mJ/cm2以上という従来よりも多い露光量で露光される。これにより、150℃を超えるような加熱硬化処理を実施せずとも、分光特性の安定性に優れる硬化膜を低温で形成することが可能となる。これは、従来よりも多い光重合開始剤および従来よりも多い露光量によって、従来、現像後に実施していた高温(例えば150℃超)での加熱硬化処理時と同等数の光ラジカルが発生しているためと考えられる。つまり、本発明では、多量に光ラジカルを発生させる露光によって、高温での加熱硬化処理による架橋状態と同等に密な架橋状態を実現できていると考えられる。
また、本発明では、特に、光重合開始剤が、芳香族環を有する後述の化合物を含み、さらに、樹脂が後述の樹脂b1を含有するか、あるいは、着色組成物が後述のフリル基含有化合物を含有する場合には、ラジカルを発生させた光ラジカル重合開始剤の分解物が、樹脂の芳香族環の周囲に集まり、樹脂の隙間を埋めると考えられる。その結果、硬化膜の膜質がより密な状態となり、耐湿性などが向上し、分光特性の安定性に寄与していると考えられる。
本発明の着色組成物は、例えば、表示装置用のカラーフィルタを構成する画素(パターン状の硬化膜)を形成するための着色組成物である。カラーフィルタは、通常、赤(R)、緑(G)および青(B)の3色に対応した画素を有しており、これらの画素は、色ごとに、各色に対応した着色組成物から形成した硬化膜をパターン化して製造される。表示装置の種類としては特に限定はないが、有機半導体層を含む支持体など、耐熱性が低い支持体上にカラーフィルタが形成される表示装置の場合に、本発明の着色組成物は特に効果的である。このような表示装置としては、有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの有機半導体素子を光源として有する表示装置などが挙げられる。
本発明の着色組成物によって形成される硬化膜および画素の厚さは、0.5〜3.0μmであることが好ましい。下限は0.8μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましく、1.1μm以上がさらに好ましい。上限は2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.8μm以下がさらに好ましい。
また、本発明の着色組成物によって形成される画素の線幅(パターンサイズ)は、2.0〜10.0μmであることが好ましい。上限は7.5μm以下が好ましく、5.0μm以下がより好ましく、4.0μm以下がさらに好ましい。下限は2.25μm以上が好ましく、2.5μm以上がより好ましく、2.75μm以上がさらに好ましい。画素の線幅(パターンサイズ)が上記範囲である場合に、本発明の有用性が大きい。
以下、着色組成物を構成し得る各成分について説明する。
<<着色剤>>
本発明の着色組成物は着色剤を含有する。着色剤としては、赤色着色剤、緑色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤、オレンジ色着色剤などの有彩色着色剤が挙げられる。本発明において、着色剤は、顔料であってもよく、染料であってもよい。顔料と染料とを併用してもよい。また、顔料は、無機顔料、有機顔料のいずれでもよい。また、顔料には、無機顔料または有機‐無機顔料の一部を有機発色団で置換した材料を用いることもできる。無機顔料や有機‐無機顔料の一部を有機発色団で置換することで、色相設計をしやすくできる。
本発明で用いられる着色剤は、顔料を含むことが好ましい。また、着色剤中における顔料の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。また、着色剤は顔料のみであってもよい。顔料としては以下に示すものが挙げられる。
カラーインデックス(C.I.)Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214,215,228,231,232(メチン系),233(キノリン系),234(アミノケトン系),235(アミノケトン系),236(アミノケトン系)等(以上、黄色顔料。以下、単に「PY1」等ともいう。)。
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等(以上、オレンジ色顔料。以下、単に「PO2」等ともいう。)。
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,269,270,272,279,291,294(キサンテン系、Organo Ultramarine、Bluish Red),295(モノアゾ系),296(ジアゾ系),297(アミノケトン系)等(以上、赤色顔料。以下、単に「PR1」等ともいう。)。
C.I.Pigment Green 7,10,36,37,58,59,62,63,64(フタロシアニン系),65(フタロシアニン系),66(フタロシアニン系)等(以上、緑色顔料。以下、単に「PG7」等ともいう。)。
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42,60(トリアリールメタン系),61(キサンテン系)等(以上、紫色顔料。以下、単に「PV1」等ともいう。)。
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,29,60,64,66,79,80,87(モノアゾ系),88(メチン系)等(以上、青色顔料。以下、単に「PB1」等ともいう。)。
また、緑色顔料として、1分子中のハロゲン原子数が平均10〜14個であり、臭素原子数が平均8〜12個であり、塩素原子数が平均2〜5個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いることもできる。具体例としては、国際公開第2015/118720号に記載の化合物が挙げられる。また、緑色顔料として中国特許出願公開第106909027号明細書に記載の化合物、国際公開第2012/102395号に記載のリン酸エステルを配位子として有するフタロシアニン化合物、特開2019−008014号公報に記載のフタロシアニン化合物、特開2018−180023号公報に記載のフタロシアニン化合物、特開2019−038958号公報に記載の化合物などを用いることもできる。
また、青色顔料として、リン原子を有するアルミニウムフタロシアニン化合物を用いることもできる。具体例としては、特開2012−247591号公報の段落0022〜0030、特開2011−157478号公報の段落0047に記載の化合物が挙げられる。
また、黄色顔料として、特開2017−201003号公報に記載の化合物、特開2017−197719号公報に記載の化合物、特開2017−171912号公報の段落番号0011〜0062、0137〜0276に記載の化合物、特開2017−171913号公報の段落番号0010〜0062、0138〜0295に記載の化合物、特開2017−171914号公報の段落番号0011〜0062、0139〜0190に記載の化合物、特開2017−171915号公報の段落番号0010〜0065、0142〜0222に記載の化合物、特開2013−054339号公報の段落番号0011〜0034に記載のキノフタロン化合物、特開2014−026228号公報の段落番号0013〜0058に記載のキノフタロン化合物、特開2018−062644号公報に記載のイソインドリン化合物、特開2018−203798号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018−062578号公報に記載のキノフタロン化合物、特許第6432076号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018−155881号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018−111757号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018−040835号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2017−197640号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2016−145282号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2014−085565号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2014−021139号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013−209614号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013−209435号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013−181015号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013−061622号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013−032486号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2012−226110号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008−074987号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008−081565号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008−074986号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008−074985号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008−050420号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008−031281号公報に記載のキノフタロン化合物、特公昭48−032765号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2019−008014号公報に記載のキノフタロン化合物、下記式(QP1)で表される化合物、下記式(QP2)で表される化合物を用いることもできる。
Figure 2020066919
式(QP1)中、X1〜X16は各々独立に水素原子又はハロゲン原子を表し、Z1は炭素数1〜3のアルキレン基を表す。式(QP1)で表される化合物の具体例としては、特許第6443711号公報の段落番号0016に記載されている化合物が挙げられる。
Figure 2020066919
式(QP2)中、Y1〜Y3は、それぞれ独立にハロゲン原子を示す。n、mは0〜6の整数、pは0〜5の整数を表す。(n+m)は1以上である。式(QP2)で表される化合物の具体例としては、特許6432077号公報の段落番号0047〜0048に記載されている化合物が挙げられる。
赤色顔料として、特開2017−201384号公報に記載の構造中に少なくとも1つ臭素原子が置換したジケトピロロピロール化合物、特許第6248838号の段落番号0016〜0022に記載のジケトピロロピロール化合物、国際公開第2012/102399号に記載のジケトピロロピロール化合物、国際公開第2012/117965号に記載のジケトピロロピロール化合物、特開2012−229344号公報に記載のナフトールアゾ化合物、特許第6516119号公報に記載の赤色色材、特許第6525101号公報に記載の赤色色材などを用いることもできる。また、赤色顔料として、芳香族環に対して、酸素原子、硫黄原子または窒素原子が結合した基が導入された芳香族環基がジケトピロロピロール骨格に結合した構造を有する化合物を用いることもできる。
染料としては特に制限はなく、公知の染料が使用できる。例えば、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリアリールメタン系、アントラキノン系、アントラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピロメテン系等の染料が挙げられる。また、特開2012−158649号公報に記載のチアゾール化合物、特開2011−184493号公報に記載のアゾ化合物、特開2011−145540号公報に記載のアゾ化合物、特開2018−012863号公報に記載の分子内イミド型のキサンテン染料も好ましく用いることができる。また、黄色染料として、特開2013−054339号公報の段落0011〜0034に記載のキノフタロン化合物、特開2014−026228号公報の段落0013〜0058に記載のキノフタロン化合物などを用いることもできる。
黄色着色剤として、国際公開第2012/128233号、特開2017−201003号公報に記載されている色素を用いることができる。また、赤色着色剤として、国際公開第2012/102399号、国際公開第2012/117965号および特開2012−229344号公報に記載されている色素を用いることができる。また、緑色着色剤として、国際公開第2012/102395号に記載されている色素を用いることができる。その他、国際公開第2011/037195号に記載されている造塩型染料を用いることもできる。
本発明において、着色剤として色素多量体を用いることもできる。色素多量体は、溶剤に溶解して用いられる染料であることが好ましいが、色素多量体は、粒子を形成していてもよく、色素多量体が粒子である場合は通常溶剤に分散した状態で用いられる。粒子状態の色素多量体は、例えば乳化重合によって得ることができ、特開2015−214682号公報に記載されている化合物および製造方法が具体例として挙げられる。色素多量体は、一分子中に、色素構造を2以上有するものであり、色素構造を3以上有することが好ましい。上限は、特に限定はないが、100以下とすることもできる。一分子中に有する複数の色素構造は、同一の色素構造であってもよく、異なる色素構造であってもよい。色素多量体の重量平均分子量(Mw)は、2000〜50000が好ましい。下限は、3000以上がより好ましく、6000以上がさらに好ましい。上限は、30000以下がより好ましく、20000以下がさらに好ましい。
色素多量体が有する色素構造は、可視領域(好ましくは、波長400〜700nmの範囲、より好ましくは400〜650nmの範囲)に吸収を有する色素化合物に由来する構造が挙げられる。例えば、トリアリールメタン色素構造、キサンテン色素構造、アントラキノン色素構造、シアニン色素構造、スクアリリウム色素構造、キノフタロン色素構造、フタロシアニン色素構造、サブフタロシアニン色素構造、アゾ色素構造、ピラゾロトリアゾール色素構造、ジピロメテン色素構造、イソインドリン色素構造、チアゾール色素構造、ベンズイミダゾール色素構造、ぺリノン色素構造、ジケトピロロピロール色素構造、ジイモニウム色素構造、ナフタロシアニン色素構造、リレン色素構造、ジベンゾフラノン色素構造、メロシアニン色素構造、クロコニウム色素構造、オキソノール色素構造などが挙げられる。
色素多量体は、式(A)で表される繰り返し単位を有する色素多量体、式(B)で表される繰り返し単位を有する色素多量体、式(C)で表される繰り返し単位を有する色素多量体、および、式(D)で表される色素多量体が好ましく、式(A)で表される繰り返し単位を有する色素多量体、および、式(D)で表される色素多量体がより好ましい。
Figure 2020066919
式(A)中、X1は繰り返し単位の主鎖を表し、L1は単結合または2価の連結基を表し、D1は色素構造を表す。式(A)についての詳細は、特開2013−029760号公報の段落0138〜0152を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
式(B)中、X2は繰り返し単位の主鎖を表し、L2は単結合または2価の連結基を表し、D2はY2とイオン結合もしくは配位結合可能な基を有する色素構造を表し、Y2はD2とイオン結合または配位結合可能な基を表す。式(B)の詳細については、特開2013−029760号公報の段落0156〜0161を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
式(C)中、L3は単結合または2価の連結基を表し、D3は色素構造を表し、mは0または1を表す。式(C)の詳細については、特開2013−029760号公報の段落0165〜0167を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
式(D)中、L4は(n+k)価の連結基を表し、L41およびL42は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表し、D4は色素構造を表し、P4は置換基を表す;nは2〜15を表し、kは0〜13を表し、n+kは2〜15である。nが2以上の場合、複数のD4は互いに異なっていても良く、同一であってもよい。kが2以上の場合、複数のP4は互いに異なっていても良く、同一であってもよい。L4が表す(n+k)価の連結基としては、特開2008−222950号公報の段落0071〜0072に記載された連結基、特開2013−029760号公報の段落0176に記載された連結基などが挙げられる。P4が表す置換基は、酸基、重合性基等が挙げられる。重合性基としては、エチレン性不飽和基(エチレン性不飽和結合を有する基)、エポキシ基、オキサゾリン基、メチロール基等が挙げられる。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。P4が表す置換基は、繰り返し単位を有する1価のポリマー鎖であってもよい。繰り返し単位を有する1価のポリマー鎖は、ビニル化合物由来の繰り返し単位を有する1価のポリマー鎖が好ましい。
色素多量体は、特開2011−213925号公報、特開2013−041097号公報、特開2015−028144号公報、特開2015−030742号公報、国際公開第2016/031442号等に記載されている化合物を用いることもできる。
着色剤の含有量は、着色組成物の全固形分中5〜70質量%が好ましい。下限は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下がより一層好ましい。
さらに、本発明の着色組成物では、赤色着色剤および緑色着色剤の含有量はそれぞれ、着色組成物の全固形分中、10質量%以上にでき、より好ましくは20質量%以上にでき、さらに好ましくは30質量%以上にすることもできる。特に、紫外域の光を吸収しやすい青色着色剤の含有量でも、着色組成物の全固形分中、3質量%以上にでき、より好ましくは5質量%以上にでき、さらに好ましくは10質量%以上にすることもできる。着色剤の含有量を高濃度にすると、カラーフィルタの厚さを低減することができる。一方、上記のように、着色剤の含有量が高濃度となった場合には、露光時の光が膜の深層部にまで届きにくくなり、膜深層部の硬化が不充分となる場合がある。しかしながら、本発明では、膜深層部まで充分な光が届く程度に充分な露光量を確保しているから、着色剤の含有量が高濃度となった場合でも、従来よりも充分な硬化が可能となる。特に、紫外域の光を吸収しやすく、光が膜深層部にまで届きにくかった青色着色剤の含有量を高濃度にする場合に、本発明の有用性は大きい。
本発明の着色組成物は、着色剤として、特にPR177,PG7,PG36,PY139,PY150およびPY185の少なくとも1種を含むことが好ましく、PR177,PG7およびPY150の少なくとも1種を含むことがより好ましい。特に、赤色用の着色組成物においては、着色剤として、PR177およびPY139を少なくとも含むことが好ましい。また、緑色用の着色組成物においては、着色剤として、PG7,PG36およびPY139の組み合わせ、PG7,PG36およびPY150の組み合わせ、またはPG36,PY150およびPY185の組み合わせを少なくとも含むことが好ましい。
赤色系の着色組成物において、PR177の含有量は、着色組成物の全固形分中、0〜60質量%であることが好ましい。この数値範囲の上限は、55質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。この数値範囲の下限は、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。緑色系の着色組成物において、PG7の含有量は、着色組成物の全固形分中、0〜50質量%であることが好ましい。この数値範囲の上限は、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。この数値範囲の下限は、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。緑色系の着色組成物において、PY150の含有量は、着色組成物の全固形分中、0〜30質量%であることが好ましい。この数値範囲の上限は、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。この数値範囲の下限は、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。
<<ラジカル重合性モノマー>>
本発明の着色組成物は、ラジカルにより重合可能な化合物であるラジカル重合性モノマーを含有する。重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和基を有する化合物などが挙げられる。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。
重合性モノマーの分子量は、100〜2000が好ましい。上限は、2000未満、さらには1500以下が好ましく、1000以下がより好ましく、特に1000未満が好ましい。下限は、150以上がより好ましく、250以上がさらに好ましい。
重合性モノマーのエチレン性不飽和基価(以下、C=C価という)は、組成物の経時安定性の観点から2〜14mmol/gであることが好ましい。下限は、3mmol/g以上であることが好ましく、4mmol/g以上であることがより好ましく、5mmol/g以上であることがさらに好ましい。上限は12mmol/g以下であることが好ましく、10mmol/g以下であることがより好ましく、8mmol/g以下であることがさらに好ましい。重合性モノマーのC=C価は、重合性モノマーの1分子中に含まれるエチレン性不飽和基の数を重合性モノマーの分子量で割ることで算出した。
重合性モノマーは、エチレン性不飽和基を3個以上含む化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和基を4個以上含む化合物であることがより好ましい。この態様によれば、露光による着色組成物の硬化性が良好である。エチレン性不飽和基の数の上限は、組成物の経時安定性の観点から15個以下であることが好ましく、10個以下であることがより好ましく、6個以下であることがさらに好ましい。また、重合性モノマーは、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3〜15官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましく、3〜10官能の(メタ)アクリレート化合物であることがさらに好ましく、3〜6官能の(メタ)アクリレート化合物であることが特に好ましい。
重合性モノマーは、エチレン性不飽和基とアルキレンオキシ基とを含む化合物であることも好ましい。このような重合性モノマーは柔軟性が高く、エチレン性不飽和基が移動し易いため、露光時において重合性モノマー同士が反応し易く、支持体などとの密着性に優れた硬化膜を形成できる。また、光重合開始剤としてヒドロキシアルキルフェノン化合物を用いた場合においては、重合性モノマーと光重合開始剤とが近接して重合性モノマーの近傍で開始剤がラジカルを発生させて重合性モノマーをより効果的に反応させることができると推測され、より優れた密着性や耐溶剤性を有する硬化膜を形成し易い。
重合性モノマーの1分子中に含まれるアルキレンオキシ基の数は、3個以上であることが好ましく、4個以上であることがより好ましい。上限は、組成物の経時安定性の観点から20個以下が好ましい。
また、エチレン性不飽和基とアルキレンオキシ基とを含む化合物のSP値(Solubility Parameter)は、組成物中の他の成分との相溶性の観点から9.0〜11.0が好ましい。上限は、10.75以下が好ましく、10.5以下がより好ましい。下限は、9.25以上が好ましく、9.5以上がさらに好ましい。なお、本明細書において、SP値はFedors法に基づく計算値を使用した。
エチレン性不飽和基とアルキレンオキシ基とを有する化合物としては、下記式(M−1)で表される化合物が挙げられる。
式(M−1)
Figure 2020066919
式中A1は、エチレン性不飽和基を表し、L1は単結合または2価の連結基を表し、R1は、アルキレン基を表し、mは1〜30の整数を表し、nは3以上の整数を表し、L2はn価の連結基を表す。
1が表すエチレン性不飽和基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
1が表す2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−およびこれらの2種以上を組み合わせた基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜15がさらに好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。アリーレン基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
1が表すアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、2または3が特に好ましく、2が最も好ましい。R1が表すアルキレン基は、直鎖、分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。R1が表すアルキレンの具体例は、エチレン基、直鎖または分岐のプロピレン基などが挙げられ、エチレン基が好ましい。
mは、1〜30の整数を表し、1〜20の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。
nは3以上の整数を表し、4以上の整数が好ましい。nの上限は15以下の整数が好ましく、10以下の整数がより好ましく、6以下の整数がさらに好ましい。
2が表すn価の連結基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基およびこれらの組み合わせからなる基、ならびに、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基および複素環基から選ばれる少なくとも1種と、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−および−NH−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基が挙げられる。脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜15がさらに好ましい。脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。芳香族炭化水素基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。複素環基は、非芳香族の複素環基であってもよく、芳香族複素環基であってもよい。複素環基は、5員環または6員環が好ましい。複素環基を構成するヘテロ原子の種類は窒素原子、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。複素環基を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。複素環基は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。L2が表すn価の連結基は、多官能アルコールから誘導される基であることも好ましい。
エチレン性不飽和基とアルキレンオキシ基とを有する化合物としては、下記式(M−2)で表される化合物がより好ましい。
式(M−2)
Figure 2020066919
式中R2は水素原子またはメチル基を表し、R1は、アルキレン基を表し、mは1〜30の整数を表し、nは3以上の整数を表し、L2はn価の連結基を表す。式(M−2)のR1、L2、m、nは、式(M−1)のR1、L2、m、nと同義であり、好ましい範囲も同様である。
エチレン性不飽和基とアルキレンオキシ基とを有する重合性モノマーの市販品としては、KAYARAD T−1420(T)、RP−1040(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
重合性モノマーとして、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−320;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D−310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬(株)製、NKエステルA−DPH−12E;新中村化学工業(株)製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール残基を介して結合している構造の化合物(例えば、サートマー社から市販されている、SR454、SR499)などを用いることもできる。
また、重合性モノマーとして、アロニックス M−402(東亞合成(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)を用いることも好ましい。
また、重合性モノマーとして、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシ変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの3官能の(メタ)アクリレート化合物を用いることもできる。3官能の(メタ)アクリレート化合物の市販品としては、アロニックスM−309、M−310、M−321、M−350、M−360、M−313、M−315、M−306、M−305、M−303、M−452、M−450(東亞合成(株)製)、NKエステル A9300、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMM−3、A−TMM−3L、A−TMM−3LM−N、A−TMPT、TMPT(新中村化学工業(株)製)、KAYARAD GPO−303、TMPTA、THE−330、TPA−330、PET−30(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
重合性モノマーとして、酸基を有する重合性モノマーを用いることも好ましい。酸基を有する重合性モノマーを用いることで、現像時に未露光部の着色組成物層が除去されやすく、現像残渣の発生を抑制できる。酸基としては、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基等が挙げられ、カルボキシル基が好ましい。酸基を有する重合性モノマーとしては、コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。酸基を有する重合性モノマーの市販品としては、アロニックスM−510、M−520、アロニックスTO−2349(東亞合成(株)製)等が挙げられる。酸基を有する重合性モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mgKOH/gであり、より好ましくは5〜30mgKOH/gである。重合性モノマーの酸価が0.1mgKOH/g以上であれば、現像液に対する溶解性が良好であり、40mgKOH/g以下であれば、製造や取扱い上、有利である。
重合性モノマーは、カプロラクトン構造を有する化合物であることも好ましい。カプロラクトン構造を有する重合性モノマーは、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120等が挙げられる。
重合性モノマーは、特開2017−048367号公報、特許第6057891号公報、特許第6031807号公報に記載されている化合物、特開2017−194662号公報に記載されている化合物、8UH−1006、8UH−1012(以上、大成ファインケミカル(株)製)、ライトアクリレートPOB−A0(共栄社化学(株)製)などを用いることも好ましい。
重合性モノマーの含有量は、着色組成物の全固形分中5.0〜35質量%であることが好ましい。上限は、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。下限は、7.5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。重合性モノマーは、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<光ラジカル重合開始剤>>
本発明の着色組成物は光ラジカル重合開始剤を含有する。光重合開始剤としては、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル化合物、アミノアルキルフェノン化合物、ヒドロキシアルキルフェノン化合物、フェニルグリオキシレート化合物などが挙げられる。光重合開始剤の具体例としては、例えば、特開2013−029760号公報の段落0265〜0268、特許第6301489号公報の記載を参酌することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
フェニルグリオキシレート化合物としては、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステルなどが挙げられる。市販品としては、DAROCUR−MBF(BASF社製)などが挙げられる。
アミノアルキルフェノン化合物としては、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアルキルフェノン化合物が挙げられる。また、アミノアルキルフェノン化合物としては、IRGACURE−907、IRGACURE−369、IRGACURE−379(いずれもBASF社製)を用いることもできる。
アシルホスフィン化合物としては、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィン化合物が挙げられる。具体例としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。アシルホスフィン化合物としては、IRGACURE−819、DAROCUR−TPO(いずれもBASF社製)を用いることもできる。
ヒドロキシアルキルフェノン化合物としては、下記式(V)で表される化合物が挙げられる。
式(V)
Figure 2020066919
式中Rv1は、置換基を表し、Rv2およびRv3は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表し、Rv2とRv3とが互いに結合して環を形成していてもよく、mは0〜5の整数を表す。
Rv1が表す置換基としては、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基)、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜10のアルコキシ基)が挙げられる。アルキル基およびアルコキシ基は、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。Rv1が表すアルキル基およびアルコキシ基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、ヒドロキシ基や、ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する基などが挙げられる。ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する基としては、式(V)におけるRv1が結合したベンゼン環またはRv1から水素原子を1個除去した構造の基が挙げられる。
Rv2およびRv3は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表す。置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基)が好ましい。また、Rv2とRv3は互いに結合して環(好ましくは炭素数4〜8の環、より好ましくは、炭素数4〜8の脂肪族環)を形成していてもよい。アルキル基は、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。
式(V)で表される化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2020066919
ヒドロキシアルキルフェノン化合物としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959、IRGACURE−127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることもできる。
オキシム化合物としては、特開2001−233842号公報に記載の化合物、特開2000−080068号公報に記載の化合物、特開2006−342166号公報に記載の化合物、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.1653−1660)に記載の化合物、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.156−162)に記載の化合物、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年、pp.202−232)に記載の化合物、特開2000−066385号公報に記載の化合物、特開2000−080068号公報に記載の化合物、特表2004−534797号公報に記載の化合物、特開2006−342166号公報に記載の化合物、特開2017−019766号公報に記載の化合物、特許第6065596号公報に記載の化合物、国際公開第2015/152153号に記載の化合物、国際公開第2017/051680号に記載の化合物、特開2017−198865号公報に記載の化合物、国際公開第2017/164127号の段落0025〜0038に記載の化合物などが挙げられる。オキシム化合物の具体例としては、3−ベンゾイルオキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。市販品としては、IRGACURE−OXE01、IRGACURE−OXE02、IRGACURE−OXE03、IRGACURE−OXE04(以上、BASF社製)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカオプトマーN−1919((株)ADEKA製、特開2012−014052号公報に記載の光重合開始剤2)が挙げられる。
またオキシム化合物としては、カルバゾール環のN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許第7626957号明細書に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−015025号公報および米国特許出願公開第2009/0292039号明細書に記載の化合物、国際公開第2009/131189号に記載のケトオキシム化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許第7556910号明細書に記載の化合物、405nmに吸収極大を有し、g線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報に記載の化合物などを用いてもよい。好ましくは、例えば、特開2013−029760号公報の段落0274〜0306を参酌することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
オキシム化合物は、ラジカル活性種を効率よく発生させる観点から、フッ素原子を含むオキシム化合物であることが好ましい。フッ素原子を含むオキシム化合物は、フッ素原子を含む基を有することが好ましい。フッ素原子を含む基は、フッ素原子を有するアルキル基(以下、含フッ素アルキル基ともいう)、および、フッ素原子を有するアルキル基を含む基(以下、含フッ素基ともいう)が好ましい。含フッ素基としては、−ORF1、−SRF1、−CORF1、−COORF1、−OCORF1、−NRF1F2、−NHCORF1、−CONRF1F2、−NHCONRF1F2、−NHCOORF1、−SO2F1、−SO2ORF1および−NHSO2F1から選ばれる少なくとも1種の基が好ましい。RF1は、含フッ素アルキル基を表し、RF2は、水素原子、アルキル基、含フッ素アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。含フッ素基は、−ORF1が好ましい。
アルキル基および含フッ素アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましく、1〜4が特に好ましい。アルキル基および含フッ素アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましい。含フッ素アルキル基において、フッ素原子の置換率は40〜100%であることが好ましく、50〜100%であることがより好ましく、60〜100%であることがさらに好ましい。なお、フッ素原子の置換率とは、アルキル基が有する全水素原子の数に対してフッ素原子に置換されている数の比率(%)をいう。
アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
ヘテロ環基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロ環基は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。縮合数は、2〜8が好ましく、2〜6がより好ましく、3〜5がさらに好ましく、3〜4が特に好ましい。ヘテロ環基を構成する炭素原子の数は3〜40が好ましく、3〜30がより好ましく、3〜20がより好ましい。ヘテロ環基を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロ環基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。
フッ素原子を含む基は、式(1)または(2)で表される末端構造を有することが好ましい。式中の*は、連結手を表す。
*−CHF2 (1)
*−CF3 (2)
フッ素原子を含むオキシム化合物中の全フッ素原子数は3以上が好ましく、4〜10がより好ましい。
フッ素原子を含むオキシム化合物は、式(OX−1)で表される化合物が好ましい。
(OX−1)
Figure 2020066919
式(OX−1)において、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表し、R1は、フッ素原子を含む基を有するアリール基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を表す。
Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表す。芳香族炭化水素環は、単環でもよく、縮合環であってもよい。芳香族炭化水素環の環を構成する炭素原子数は、6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜10が特に好ましい。芳香族炭化水素環は、ベンゼン環およびナフタレン環が好ましい。なかでも、Ar1およびAr2の少なくとも一方がベンゼン環であることが好ましく、Ar1がベンゼン環であることがより好ましい。Ar2は、ベンゼン環またはナフタレン環が好ましく、ナフタレン環がより好ましい。
Ar1およびAr2が有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、−ORX1、−SRX1、−CORX1、−COORX1、−OCORX1、−NRX1X2、−NHCORX1、−CONRX1X2、−NHCONRX1X2、−NHCOORX1、−SO2X1、−SO2ORX1、−NHSO2X1などが挙げられる。RX1およびRX2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。置換基としてのアルキル基、ならびに、RX1およびRX2が表すアルキル基の炭素数は、1〜30が好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましい。アルキル基は、水素原子の一部または全部がハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)で置換されていてもよい。また、アルキル基は、水素原子の一部または全部が、上記置換基で置換されていてもよい。置換基としてのアリール基、ならびに、RX1およびRX2が表すアリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。アリール基は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。また、アリール基は、水素原子の一部または全部が、上記置換基で置換されていてもよい。置換基としてのヘテロ環基、ならびに、RX1およびRX2が表すヘテロ環基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロ環基は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。ヘテロ環基を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12がより好ましい。ヘテロ環基を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロ環基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。また、ヘテロ環基は、水素原子の一部または全部が、上記置換基で置換されていてもよい。
Ar1が表す芳香族炭化水素環は、無置換が好ましい。Ar2が表す芳香族炭化水素環は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基を有していることが好ましい。置換基としては、−CORX1が好ましい。RX1は、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基が好ましく、アリール基がより好ましい。アリール基は置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基などが挙げられる。
1は、フッ素原子を含む基を有するアリール基を表す。アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。フッ素原子を含む基は、フッ素原子を有するアルキル基(含フッ素アルキル基)およびフッ素原子を有するアルキル基を含む基(含フッ素基)が好ましい。フッ素原子を含む基については、上述した範囲と同義であり、好ましい範囲も同様である。
2は、アルキル基またはアリール基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基およびアリール基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述したAr1およびAr2が有してもよい置換基で説明した置換基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましく、1〜4が特に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましい。アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
3は、アルキル基またはアリール基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基およびアリール基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述したAr1およびAr2が有してもよい置換基で説明した置換基が挙げられる。R3が表すアルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましい。R3が表すアリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報に記載の化合物、特表2014−500852号公報に記載の化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報に記載の化合物(C−3)などが挙げられる。
また、オキシム化合物は、フルオレン環を有するオキシム化合物を用いることもできる。フルオレン環を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2014−137466号公報に記載の化合物が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
また、オキシム化合物は、ベンゾフラン骨格を有するオキシム化合物を用いることもできる。具体例としては、国際公開第2015/036910号に記載の化合物OE−01〜OE−75が挙げられる。
また、オキシム化合物は、カルバゾール環の少なくとも1つのベンゼン環がナフタレン環となった骨格を有するオキシム化合物を用いることもできる。そのようなオキシム化合物の具体例としては、国際公開第2013/083505号に記載の化合物が挙げられる。
また、光重合開始剤として、カルバゾール骨格にヒドロキシ基を有する置換基が結合したオキシム化合物を用いることもできる。このような光重合開始剤としては国際公開第2019/088055号に記載された化合物などが挙げられる。
また、オキシム化合物は、ニトロ基を有するオキシム化合物を用いることができる。ニトロ基を有するオキシム化合物は、二量体とすることも好ましい。ニトロ基を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2013−114249号公報の段落0031〜0047、特開2014−137466号公報の段落0008〜0012、0070〜0079に記載の化合物、特許第4223071号公報の段落0007〜0025に記載の化合物などが挙げられる。
オキシム化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2020066919
Figure 2020066919
本発明では、光重合開始剤として、メタノール中での波長365nmの吸光係数が1.0×103mL/gcm以上の光重合開始剤A1と、メタノール中での波長365nmの吸光係数が1.0×102mL/gcm以下で、かつ、波長254nmの吸光係数が1.0×103mL/gcm以上の光重合開始剤A2と、を併用することが好ましい。この態様によれば、露光によって組成物を充分に硬化させやすく、低温プロセス(例えば全工程を通じて150℃以下、好ましくは120℃以下の温度下)にて、密着性に優れ、さらには、耐溶剤性、平坦性、および、パターンの矩形性にも優れる硬化膜を形成することができる。光重合開始剤A1および光重合開始剤A2としては、上述した化合物の中から上記の吸光係数を有する化合物を選択して用いることが好ましい。
なお、本発明において、光重合開始剤の上記波長における吸光係数は、以下のようにして測定した値である。すなわち、光重合開始剤をメタノールに溶解させて測定溶液を調製し、前述の測定溶液の吸光度を測定することで算出した。具体的には、前述の測定溶液を幅1cmのガラスセルに入れ、Agilent Technologies社製UV−Vis−NIRスペクトルメーター(Cary5000)を用いて吸光度を測定し、下記式に当てはめて、波長365nmおよび波長254nmにおける吸光係数(mL/gcm)を算出した。
Figure 2020066919
上記式においてεは吸光係数(mL/gcm)、Aは吸光度、cは光重合開始剤の濃度(g/mL)、lは光路長(cm)を表す。
光重合開始剤A1のメタノール中での波長365nmにおける吸光係数は、1.0×103mL/gcm以上であり、1.0×104mL/gcm以上であることが好ましく、1.1×104mL/gcm以上であることがより好ましく、1.2×104〜1.0×105mL/gcmであることがさらに好ましく、1.3×104〜5.0×104mL/gcmであることがより一層好ましく、1.5×104〜3.0×104mL/gcmであることが特に好ましい。
また、光重合開始剤A1のメタノール中での波長254nmの光の吸光係数は、1.0×104〜1.0×105mL/gcmであることが好ましく、1.5×104〜9.5×104mL/gcmであることがより好ましく、3.0×104〜8.0×104mL/gcmであることがさらに好ましい。
光重合開始剤A1としては、オキシム化合物、アミノアルキルフェノン化合物、アシルホスフィン化合物が好ましく、オキシム化合物およびアシルホスフィン化合物がより好ましく、オキシム化合物がさらに好ましく、組成物に含まれる他の成分との相溶性の観点からフッ素原子を含むオキシム化合物であることが特に好ましい。フッ素原子を含むオキシム化合物としては、上述した式(OX−1)で表される化合物が好ましい。光重合開始剤A1の具体例としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](市販品としては、例えば、IRGACURE−OXE01、BASF社製)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(市販品としては、例えば、IRGACURE−OXE02、BASF社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(市販品としては、例えば、IRGACURE−819、BASF社製)、上記のオキシム化合物の具体例で示した(C−13)、(C−14)などが挙げられる。
光重合開始剤A2のメタノール中での波長365nmの光の吸光係数は、1.0×102mL/gcm以下であり、10〜1.0×102mL/gcmであることが好ましく、20〜1.0×102mL/gcmであることがより好ましい。また、光重合開始剤A1のメタノール中での波長365nmの光の吸光係数と、光重合開始剤A2のメタノール中での波長365nmの光の吸光係数との差は、9.0×102mL/gcm以上であり、1.0×103mL/gcm以上であることが好ましく、5.0×103〜3.0×104mL/gcmであることがより好ましく、1.0×104〜2.0×104mL/gcmであることがさらに好ましい。また、光重合開始剤A2のメタノール中での波長254nmの光の吸光係数は、1.0×103mL/gcm以上であり、1.0×103〜1.0×106mL/gcmであることが好ましく、5.0×103〜1.0×105mL/gcmであることがより好ましい。
光重合開始剤A2としては、ヒドロキシアルキルフェノン化合物、フェニルグリオキシレート化合物、アミノアルキルフェノン化合物、アシルホスフィン化合物が好ましく、ヒドロキシアルキルフェノン化合物およびフェニルグリオキシレート化合物がより好ましく、ヒドロキシアルキルフェノン化合物がさらに好ましい。また、ヒドロキシアルキルフェノン化合物としては、上述した式(V)で表される化合物が好ましい。光重合開始剤A2の具体例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(市販品としては、例えば、IRGACURE−184、BASF社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(市販品としては、例えば、IRGACURE−2959、BASF社製)などが挙げられる。
光重合開始剤A1と光重合開始剤A2との組み合わせとしては、光重合開始剤A1がオキシム化合物であり、光重合開始剤A2がヒドロキシアルキルフェノン化合物である組み合わせが好ましく、光重合開始剤A1がオキシム化合物であり、光重合開始剤A2が上述した式(V)で表される化合物である組み合わせがより好ましく、光重合開始剤A1がフッ素原子を含むオキシム化合物であり、光重合開始剤A2が上述した式(V)で表される化合物である組み合わせが特に好ましい。
光重合開始剤の含有量は、着色組成物の全固形分中3〜25質量%であることが好ましい。さらに、下限は、5質量%以上であることが好ましく、7.5質量%以上であることがより好ましく、8質量%以上であることがさらに好ましく、9質量%以上であることが一層好ましく、10質量%以上であることが特に好ましい。さらに、上限は、20質量%以下であることが好ましく、17.5質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることがさらに好ましい。光重合開始剤は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合には、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、本発明の着色組成物において、質量%表示で、全固形分中における重合性モノマーの含有量Mと、全固形分中における光重合開始剤の含有量Iとの比M/Iは、20以下であることが好ましい。さらに、上限は、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましく、2以下であることが特に好ましい。さらに、下限は、0.1以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましい。この態様によれば、分光特性の安定性が向上する。重合性モノマーおよび光重合開始剤をそれぞれ2種以上併用する場合には、それぞれの合計量が上記要件を満たすことが好ましい。
本発明の着色組成物において、光重合開始剤として上述したオキシム化合物を用いた場合、オキシム化合物の含有量は、着色組成物の全固形分中3〜25質量%であることが好ましい。さらに、下限は、5質量%以上であることが好ましく、7.5質量%以上であることがより好ましく、8質量%以上であることがさらに好ましく、9質量%以上であることが一層好ましく、10質量%以上であることが特に好ましい。さらに、上限は、20質量%以下であることが好ましく、17.5質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることがさらに好ましい。オキシム化合物の含有量が上記範囲にあることにより、現像後の硬化膜の支持体への密着性が向上し、パターンの微細化が容易となる。オキシム化合物は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合には、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、本発明の着色組成物において、質量%表示で、全固形分中における重合性モノマーの含有量Mと、全固形分中におけるオキシム化合物の含有量IOとの比M/IOは、20以下であることが好ましい。さらに、上限は、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましく、2以下であることが特に好ましい。さらに、下限は、0.1以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましい。この態様によれば、分光特性の安定性がより向上する。重合性モノマーおよびオキシム化合物をそれぞれ2種以上併用する場合には、それぞれの合計量が上記要件を満たすことが好ましい。
本発明の着色組成物において、光重合開始剤として上述した光重合開始剤A1を用いた場合、光重合開始剤A1の含有量は、着色組成物の全固形分中3〜25質量%であることが好ましい。さらに、下限は、5質量%以上であることが好ましく、7.5質量%以上であることがより好ましく、8質量%以上であることがさらに好ましく、9質量%以上であることが一層好ましく、10質量%以上であることが特に好ましい。さらに、上限は、20質量%以下であることが好ましく、17.5質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることがさらに好ましい。光重合開始剤A1の含有量が上記範囲にあることにより、現像後の硬化膜の支持体への密着性が向上し、パターンの微細化が容易となる。光重合開始剤A1は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合には、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、本発明の着色組成物において、質量%表示で、全固形分中における重合性モノマーの含有量Mと、全固形分中における光重合開始剤A1の含有量IA1との比M/IA1は、20以下であることが好ましい。さらに、上限は、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましく、2以下であることが特に好ましい。さらに、下限は、0.1以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましい。この態様によれば、分光特性の安定性がより向上する。重合性モノマーおよび光重合開始剤A1をそれぞれ2種以上併用する場合には、それぞれの合計量が上記要件を満たすことが好ましい。
本発明の着色組成物において、光重合開始剤として上述した光重合開始剤A2を用いた場合、光重合開始剤A2の含有量は、着色組成物の全固形分中0.1〜10.0質量%であることが好ましい。さらに、下限は、0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましく、1.5質量%以上であることがさらに好ましい。さらに、上限は、9.0質量%以下であることが好ましく、8.0質量%以下であることがより好ましく、7.0質量%以下であることがさらに好ましい。光重合開始剤A2の含有量が上記範囲にあることにより、現像後の硬化膜の耐溶剤性が向上し、パターンの微細化が容易となる。光重合開始剤A2は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合には、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の着色組成物において、光重合開始剤として上述した光重合開始剤A1と光重合開始剤A2とを用いた場合、本発明の着色組成物は、光重合開始剤A1の100質量部に対して、光重合開始剤A2を50〜200質量部含有することが好ましい。さらに、上限は、175質量部以下であることが好ましく、150質量部以下であることがより好ましい。さらに、下限は、60質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがさらに好ましい。この態様によれば、低温プロセス(例えば全工程を通じて150℃以下、好ましくは120℃以下の温度下でのプロセス)にて耐溶剤性などの特性に優れた硬化膜を形成することができる。光重合開始剤A1および光重合開始剤A2をそれぞれ2種以上併用する場合には、それぞれの合計量が上記要件を満たすことが好ましい。
本発明の着色組成物において、光重合開始剤として上述した光重合開始剤A1と光重合開始剤A2とを用いた場合、着色組成物の全固形分中における光重合開始剤A1と光重合開始剤A2との合計の含有量は、3.1〜25質量%であることが好ましい。さらに、下限は、3.1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが好ましく、7.5質量%以上であることがより好ましく、8質量%以上であることがさらに好ましく、9質量%以上であることが一層好ましく、10質量%以上であることが特に好ましい。さらに、上限は、20質量%以下であることが好ましく、17.5質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることがさらに好ましい。光重合開始剤A1および光重合開始剤A2をそれぞれ2種以上併用する場合には、それぞれの合計量が上記要件を満たすことが好ましい。
本発明の着色組成物は、光重合開始剤として光重合開始剤A1および光重合開始剤A2以外の光重合開始剤(以下、他の光重合開始剤ともいう)を含有することもできるが、他の光重合開始剤は実質的に含有しないことが好ましい。他の光重合開始剤を実質的に含有しない場合とは、他の光重合開始剤の含有量が、光重合開始剤A1と光重合開始剤A2との合計100質量部に対して1質量部以下であることを意味し、0.5質量部以下であることがより好ましく、0.1質量部以下であることがさらに好ましく、他の光重合開始剤を含有しないことが一層好ましい。
<<樹脂>>
本発明の着色組成物は樹脂を含むことが好ましい。樹脂は、例えば、顔料などの粒子を組成物中で分散させる用途や、バインダーの用途で配合される。なお、主に粒子等を組成物中で分散させるために用いられる樹脂を分散剤ともいう。ただし、樹脂のこのような用途は一例であって、このような用途以外を目的として樹脂を使用することもできる。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、2000〜2000000が好ましい。上限は、1000000以下が好ましく、500000以下がより好ましい。下限は、3000以上が好ましく、4000以上がより好ましく、5000以上がさらに好ましい。
樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、シロキサン樹脂などが挙げられる。
本発明で用いる樹脂は、酸基を有していてもよい。酸基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシ基などが挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。酸基を有する樹脂はアルカリ可溶性樹脂や、分散剤として用いることもできる。
酸基を有する樹脂の酸価は、30〜500mgKOH/gが好ましい。下限は、50mgKOH/g以上がより好ましく、70mgKOH/g以上がさらに好ましい。上限は、400mgKOH/g以下がより好ましく、200mgKOH/g以下がさらに好ましく、150mgKOH/g以下が特に好ましく、120mgKOH/g以下が最も好ましい。
酸基を有する樹脂としては、側鎖にカルボキシル基を有するポリマーが好ましい。例えば、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、部分エステル化マレイン酸等のモノマーに由来する繰り返し単位を有する共重合体、ノボラック型樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂、側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシ基を有するポリマーに酸無水物を付加させたポリマーが挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体が好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートおよびアリール(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなどが挙げられる。ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
酸基を有する樹脂は、マレイミド化合物に由来する繰り返し単位を有していてもよい。マレイミド化合物としては、N−アルキルマレイミド、N−アリールマレイミドなどが挙げられる。マレイミド化合物に由来する繰り返し単位としては、式(C−mi)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2020066919
式(C−mi)において、Rmiはアルキル基またはアリール基を表す。アルキル基の炭素数は1〜20が好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれもよい。アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。Rmiはアリール基であることが好ましい。
酸基を有する樹脂は、下記式(ED1)で示される化合物および/または下記式(ED2)で表される化合物(以下、これらの化合物を「エーテルダイマー」と称することもある。)由来の繰り返し単位を含む樹脂であることも好ましい。
Figure 2020066919
式(ED1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
Figure 2020066919
式(ED2)の具体例としては、特開2010−168539号公報の記載を参酌できる。
エーテルダイマーの具体例については、特開2013−029760号公報の段落0317を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
エーテルダイマー由来の繰り返し単位を含む樹脂としては、例えば下記構造の樹脂が挙げられる。以下の構造式中Meはメチル基を表す。
Figure 2020066919
本発明で用いられる樹脂は、重合性基を有していてもよい。重合性基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和基が挙げられる。重合性基を有する樹脂の市販品としては、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、Photomer6173(カルボキシル基含有ポリウレタンアクリレートオリゴマー、Diamond Shamrock Co.,Ltd.製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(例えば、ACA230AA)、プラクセル CF200シリーズ(いずれも(株)ダイセル製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)、アクリキュアーRD−F8((株)日本触媒製)、DP−1305(富士ファインケミカルズ(株)製)などが挙げられる。
本発明で用いられる樹脂は、式(I)で表される化合物由来の繰り返し単位(以下、繰り返し単位b1−1ともいう)を含む樹脂b1を含有することが好ましい。繰り返し単位b1−1を有する樹脂を用いることで、低温硬化性と透明性が優れる。また、樹脂が樹脂b1を含有し、かつ、光重合開始剤が、上記したヒドロキシアルキルフェノン化合物、および、式(OX−1)で表されるオキシム化合物の少なくとも1種を含む場合には、ラジカルを発生させた光重合開始剤の分解物が、芳香族環同士のπ−π相互作用により、樹脂b1の芳香族環の周囲に集まりやすくなる。その結果、樹脂間の隙間がその分解物により充填され、硬化膜の膜質がより密な状態となり、分光特性の安定性がより向上する。
Figure 2020066919
1は、OまたはNHを表し、Oであることが好ましい。
1は水素原子またはメチル基を表す。
1は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、炭化水素基、複素環基、−NH−、−SO−、−SO2−、−CO−、−O−、−COO−、−OCO−、−S−およびこれらの2以上を組み合わせてなる基が挙げられる。炭化水素基としては、アルキル基、アリール基などが挙げられる。複素環基は、非芳香族の複素環基であってもよく、芳香族複素環基であってもよい。複素環基は、5員環または6員環が好ましい。複素環基を構成するヘテロ原子の種類は窒素原子、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。複素環基を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。複素環基は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。炭化水素基および複素環基は置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
10は置換基を表す。R10が表す置換基としては、以下に示す置換基Tが挙げられ、炭化水素基であることが好ましく、アリール基を置換基として有していてもよいアルキル基であることがより好ましい。
mは0〜2の整数を表し、0または1が好ましく、0がより好ましい。
pは0以上の整数を表し、0〜4が好ましく、0〜3がより好ましく、0〜2がさらに好ましく、0または1がより一層好ましく、1が特に好ましい。
(置換基T)
置換基Tとしては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭化水素基、複素環基、−ORt1、−CORt1、−COORt1、−OCORt1、−NRt1Rt2、−NHCORt1、−CONRt1Rt2、−NHCONRt1Rt2、−NHCOORt1、−SRt1、−SO2Rt1、−SO2ORt1、−NHSO2Rt1または−SO2NRt1Rt2が挙げられる。Rt1およびRt2は、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基または複素環基を表す。Rt1とRt2が結合して環を形成してもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜8がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましく、分岐がより好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜30が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜8が特に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アルキニル基の炭素数は、2〜30が好ましく、2〜25がより好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。
複素環基は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。複素環基は、単環または縮合数が2〜4の縮合環が好ましい。複素環基の環を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。複素環基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。複素環基の環を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12がより好ましい。
炭化水素基および複素環基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基Tで説明した置換基が挙げられる。
式(I)で表される化合物は、下記式(I−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020066919
1は、OまたはNHを表し、Oであることが好ましい。
1は水素原子またはメチル基を表す。
2、R3およびR11はそれぞれ独立して炭化水素基を表す。
2およびR3が表す炭化水素基は、アルキレン基またはアリーレン基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましい。アルキレン基の炭素数は1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましく、2または3であることが特に好ましい。R3が表す炭化水素基は、アリール基を置換基として有していてもよいアルキル基であることが好ましく、アリール基を置換基として有するアルキル基であることがより好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。なお、アルキル基が置換基としてアリール基を有する場合におけるアルキル基の炭素数は、アルキル部位の炭素数のことを意味する。
12は置換基を表す。R12が表す置換基としては、上述した置換基Tが挙げられる。
nは0〜15の整数を表し、0〜5の整数であることが好ましく、0〜4の整数であることがより好ましく、0〜3の整数であることがさらに好ましい。
mは0〜2の整数を表し、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
p1は0以上の整数を表し、0〜4が好ましく、0〜3がより好ましく、0〜2がさらに好ましく、0〜1がより一層好ましく、0が特に好ましい。
q1は1以上の整数を表し、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2がさらに好ましく、1が特に好ましい。
式(I)で表される化合物は、下記式(III)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020066919
式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R21およびR22はそれぞれ独立してアルキレン基を表し、nは0〜15の整数を表す。R21およびR22が表すアルキレン基の炭素数は1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましく、2または3であることが特に好ましい。nは0〜15の整数を表し、0〜5の整数であることが好ましく、0〜4の整数であることがより好ましく、0〜3の整数であることがさらに好ましい。
式(I)で表される化合物としては、パラクミルフェノールのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレートなどが挙げられる。市販品としては、アロニックスM−110(東亞合成(株)製)などが挙げられる。
樹脂b1において、全繰り返し単位中、式(I)(好ましくは式(III))で表される化合物由来の繰り返し単位の割合は、1〜99モル%が好ましい。下限は、3モル%以上がより好ましく、5モル%以上がさらに好ましい。上限は、95モル%以下がより好ましく、90モル%以下がさらに好ましい。
樹脂b1は、さらに、式(I)で表される化合物由来の繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。例えば、樹脂b1は、(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を含むことができ、アルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を含むことが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル部位の炭素数は、3〜10であることが好ましく、3〜8であることがより好ましく、3〜6であることがさらに好ましい。アルキル(メタ)アクリレートの好ましい具体例としては、n−ブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、例えば、樹脂b1は、酸基を有する繰り返し単位を含むことも好ましい。さらに、例えば、樹脂b1は、酸基を有する(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を含むことも好ましい。
本発明の着色組成物は、分散剤としての樹脂を含有することができる。分散剤としては、酸性分散剤(酸性樹脂)、塩基性分散剤(塩基性樹脂)が挙げられる。ここで、酸性分散剤(酸性樹脂)とは、酸基の量が塩基性基の量よりも多い樹脂を表す。酸性分散剤(酸性樹脂)としては、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、酸基の量が70モル%以上を占める樹脂が好ましく、実質的に酸基のみからなる樹脂がより好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)が有する酸基は、カルボキシル基が好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)の酸価は、10〜105mgKOH/gが好ましい。また、塩基性分散剤(塩基性樹脂)とは、塩基性基の量が酸基の量よりも多い樹脂を表す。塩基性分散剤(塩基性樹脂)としては、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、塩基性基の量が50モル%を超える樹脂が好ましい。塩基性分散剤が有する塩基性基は、アミノ基が好ましい。
分散剤としては、例えば、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。高分子分散剤は、顔料などの粒子表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、顔料などの粒子表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子を好ましい構造として挙げることができる。また、特開2011−070156号公報の段落0028〜0124に記載の分散剤や特開2007−277514号公報に記載の分散剤も好ましく用いられる。これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明において、分散剤にはグラフト共重合体を用いることもできる。グラフト共重合体の詳細は、特開2012−137564号公報の段落0131〜0160の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、本発明において、分散剤には主鎖及び側鎖の少なくとも一方に窒素原子を含むオリゴイミン系共重合体を用いることもできる。オリゴイミン系共重合体については、特開2012−255128号公報の段落0102〜0174の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
分散剤は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、ビックケミー社製のDisperbykシリーズ(例えば、Disperbyk−111、2001など)、日本ルーブリゾール(株)製のソルスパースシリーズ(例えば、ソルスパース20000、76500など)、味の素ファインテクノ(株)製のアジスパーシリーズ等が挙げられる。また、特開2012−137564号公報の段落0129に記載された製品、特開2017−194662号公報の段落0235に記載された製品を分散剤として用いることもできる。
その他、特開2017−206689号公報の段落0041〜0060に記載の樹脂も好適に使用することができる。
樹脂の含有量は、着色組成物の全固形分中5〜50質量%であることが好ましい。さらに、上限は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。さらに、下限は、7.5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、樹脂の含有量は重合性モノマーの100質量部に対して25〜500質量部であることが好ましい。さらに、上限は250質量部以下が好ましく、150質量部以下がより好ましい。さらに、下限は50質量部以上が好ましく、75質量部以上がより好ましい。樹脂は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合には、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の着色組成物に含まれる樹脂の全量中における上述した樹脂b1(式(III)で表される化合物由来の繰り返し単位を含む。)の含有量は、0.1〜100質量%であることが好ましく、5〜100質量%であることがより好ましい。上限は、90質量%以下とすることもでき、80質量%以下とすることもでき、70質量%以下とすることもできる。また、上述した樹脂b1の含有量は、着色組成物の全固形分中5〜50質量%であることが好ましい。さらに、上限は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。さらに、下限は、10質量%以上であることが好ましく、12.5質量%以上であることがより好ましい。樹脂b1は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合には、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<フリル基含有化合物>>
本発明の着色組成物は、フリル基を含む化合物(以下、フリル基含有化合物ともいう)を含有することが好ましい。この態様によれば、上記フリル基と、上記重合性モノマーが有するエチレン性不飽和基とが、Diels−Alder反応により、150℃以下の低温でも結合を形成するため、低温硬化に優れる。また、着色組成物がフリル基含有化合物を含有し、かつ、光重合開始剤が、上記したヒドロキシアルキルフェノン化合物、および、式(OX−1)で表されるオキシム化合物の少なくとも1種を含む場合には、ラジカルを発生させた光重合開始剤の分解物が、芳香族環同士のπ−π相互作用により、フリル基含有化合物の芳香族環の周囲に集まりやすくなる。その結果、樹脂間の隙間がその分解物により充填され、硬化膜の膜質がより密な状態となり、分光特性の安定性がより向上する。
フリル基含有化合物は、フリル基(フランから1つの水素原子を除いた基)を含んでいれば特にその構造が限定されるものではない。フリル基含有化合物については、特開2017−194662号公報の段落0049〜0089に記載された化合物を用いることができる。また、特開2000−233581号公報、特開1994−271558号公報、特開1994−293830号公報、特開1996−239421号公報、特開1998−508655号公報、特開2000−001529号公報、特開2003−183348号公報、特開2006−193628号公報、特開2007−186684号公報、特開2010−265377号公報、特開2011−170069号公報などに記載されている化合物を用いることもできる。
フリル基含有化合物は、モノマーであってもよく、オリゴマー、ポリマーであってもよい。得られる膜の耐久性を向上させやすいという理由からポリマーであることが好ましい。ポリマーの場合、重量平均分子量は、2000〜70000が好ましい。さらに、上限は、60000以下が好ましく、50000以下がより好ましい。さらに、下限は、3000以上が好ましく、4000以上がより好ましく、5000以上がさらに好ましい。モノマーの場合、重量平均分子量は、2000未満が好ましい。さらに、上限は、1800以下が好ましく、1500以下がより好ましい。さらい、下限は、100以上が好ましく、150以上がより好ましく、175以上がさらに好ましい。なお、ポリマータイプのフリル基含有化合物は、本発明の着色組成物における樹脂にも該当する成分であり、ラジカル重合性モノマータイプのフリル基含有化合物は、本発明の着色組成物における重合性モノマーにも該当する成分である。
モノマータイプのフリル基含有化合物(以下、フリル基含有モノマーともいう)としては、下記式(fur−1)で表される化合物が挙げられる。この化合物は、フリル基に加えて、ラジカル重合性基も有する化合物である。
式(fur−1)
Figure 2020066919
式中、Rf1は水素原子またはメチル基を表し、Rf2は2価の連結基を表す。
Rf2が表す2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−S−およびこれらの2種以上を組み合わせた基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜15がさらに好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。アリーレン基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。アルキレン基およびアリーレン基は置換基を有していてもよい。置換基としては、ヒドロキシ基などが挙げられる。
フリル基含有モノマーは、下記式(fur−2)で表される化合物であることが好ましい。
式(fur−2)
Figure 2020066919
式中、Rf1は水素原子またはメチル基を表し、Rf11は−O−または−NH−を表し、Rf12は単結合または2価の連結基を表す。Rf12が表す2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−S−およびこれらの2種以上を組み合わせた基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜15がさらに好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。アリーレン基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。アルキレン基およびアリーレン基は置換基を有していてもよい。置換基としては、ヒドロキシ基などが挙げられる。
フリル基含有モノマーの具体例としては、下記構造の化合物が挙げられる。以下の構造式中、Rf1は水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2020066919
ポリマータイプのフリル基含有化合物(以下、フリル基含有ポリマーともいう)としては、フリル基を含む繰り返し単位を含む樹脂であることが好ましく、上記式(fur−1)で表される化合物由来の繰り返し単位を含む樹脂であることがより好ましい。フリル基含有ポリマーにおいて、全繰り返し単位中、フリル基を含む繰り返し単位の割合は、30〜70質量%が好ましい。下限は、35質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。上限は、65質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。フリル基含有ポリマー中のフリル基の濃度は、フリル基含有ポリマー1gあたり0.5〜6.0mmolが好ましく、1.0〜4.0mmolがさらに好ましい。フリル基の濃度が0.5mmol以上、好ましくは1.0mmol以上であると耐溶剤性などにより優れた画素を形成しやすい。フリル基の濃度が6.0mmol以下、好ましくは4.0mmol以下であれば、着色組成物の経時安定性がより良好である。
フリル基含有ポリマーは、フリル基を有する繰り返し単位の他に、酸基を有する繰り返し単位および/または重合性基を有する繰り返し単位を含んでいてもよい。酸基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシ基などが挙げられる。重合性基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和基が挙げられる。フリル基含有ポリマーが酸基を有する繰り返し単位を含む場合、その酸価は10〜200mgKOH/gが好ましく、40〜130mgKOH/gがより好ましい。フリル基含有ポリマーにおいて、全繰り返し単位中、酸基を有する繰り返し単位の割合は、2〜25質量%が好ましい。下限は、4質量モル%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。上限は、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。一方、フリル基含有ポリマーにおいて、全繰り返し単位中、重合性基を有する繰り返し単位の割合は、20〜60質量%が好ましい。下限は、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。上限は、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。フリル基含有ポリマーが、重合性基を有する繰り返し単位を含む場合には、より耐溶剤性などに優れた硬化膜を形成しやすい。
フリル基含有ポリマーは、特開2017−194662号公報の段落0052〜0101に記載された方法で製造することができる。
フリル基含有化合物の含有量は、着色組成物の全固形分中0.1〜70質量%であることが好ましい。さらに、下限は、2.5質量%以上であることが好ましく、5.0質量%以上であることがより好ましく、7.5質量%以上であることがさらに好ましい。さらに、上限は、65質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。また、フリル基含有化合物としてフリル基含有ポリマーを用いた場合、着色組成物に含まれる樹脂中におけるフリル基含有ポリマーの含有量は、0.1〜100質量%であることが好ましい。さらに、下限は、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。さらに、上限は、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。
また、本発明の着色組成物に用いられる樹脂が上述した樹脂b1を含み、かつ、フリル基含有化合物としてフリル基含有ポリマーを用いた場合には、フリル基含有ポリマーの含有量は、樹脂b1の100質量部に対して10〜200質量部であることが好ましい。さらに、上限は、175質量部以下であることが好ましく、150質量部以下であることが好ましい。さらに、下限は、25質量部以上であることが好ましく、150質量部以上であることが好ましい。樹脂b1とフリル基含有ポリマーとを併用することにより、低温硬化性と透明性に優れるという効果が期待できる。さらに、両者の割合が上記範囲である場合には得られる膜の耐久性をより向上できるという効果も期待できる。
フリル基含有化合物は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合には、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<環状エーテル基を有する化合物>>
本発明の着色組成物は、環状エーテル基を有する化合物を含有することができる。環状エーテル基としては、エポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。環状エーテル基を有する化合物は、エポキシ基を有する化合物であることが好ましい。
エポキシ基を有する化合物としては、1分子内にエポキシ基を2つ以上有する化合物が好ましい。エポキシ基は、1分子内に2〜100個有することが好ましい。上限は、例えば、10個以下とすることもでき、5個以下とすることもできる。エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(=エポキシ基を有する化合物の分子量/エポキシ基の数)は、500g/eq以下であることが好ましく、100〜400g/eqであることがより好ましく、100〜300g/eqであることがさらに好ましい。エポキシ基を有する化合物は、低分子化合物(例えば、分子量1000未満)でもよいし、高分子化合物(macromolecule)(例えば、分子量1000以上、ポリマーの場合は、重量平均分子量が1000以上)のいずれでもよい。エポキシ基を有する化合物の分子量(ポリマーの場合は、重量平均分子量)は、200〜100000が好ましく、500〜50000がより好ましい。分子量(ポリマーの場合は、重量平均分子量)の上限は、3000以下が好ましく、2000以下がより好ましく、1500以下がさらに好ましい。
エポキシ基を有する化合物としては、例えば、特開2013−011869号公報の段落0034〜0036、特開2014−043556号公報の段落0147〜0156、特開2014−089408号公報の段落0085〜0092に記載された化合物、特開2017−179172号公報に記載された化合物を用いることもできる。また、オキセタニル基を有する化合物としては、例えば、特開2019−133052号公報に記載された化合物を用いることもできる。これらの内容は、本明細書に組み込まれる。
本発明の着色組成物が、環状エーテル基を有する化合物を含有する場合、環状エーテル基を有する化合物の含有量は、着色組成物の全固形分中、0.1〜40質量%が好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。上限は、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。環状エーテル基を有する化合物は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の着色組成物が、特に、エポキシ基を有する化合物を含有する場合、エポキシ基を有する化合物の含有量は、着色組成物の全固形分中、0.1〜40質量%が好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。上限は、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下が特に好ましい。エポキシ基を有する化合物は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<溶剤>>
本発明の着色組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては、有機溶剤が挙げられる。溶剤は、各成分の溶解性や着色組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はない。有機溶剤としては、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などが挙げられる。これらの詳細については、国際公開第2015/166779号の段落0223を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、環状アルキル基が置換したエステル系溶剤、環状アルキル基が置換したケトン系溶剤を好ましく用いることもできる。有機溶剤の具体例としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジクロロメタン、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、酢酸シクロヘキシル、シクロペンタノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドなどが挙げられる。ただし溶剤としての芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)は、環境面等の理由により低減したほうがよい場合がある(例えば、有機溶剤全量に対して、50質量ppm(parts per million)以下とすることもでき、10質量ppm以下とすることもでき、1質量ppm以下とすることもできる)。
本発明において、溶剤を効率よく揮発させる観点から、溶剤は、沸点が160℃以下の有機溶剤であることが好ましい。有機溶剤の沸点は、140℃以下であることがより好ましく、130℃以下であることがさらに好ましい。沸点の下限は、特に制限されないが、例えば100℃以上であることが実際的である。このような有機溶剤としては、例えば酢酸ブチル、PGME、PGMEA、シクロヘキサノン、乳酸エチルなどが挙げられ、特に、酢酸ブチル、PGME、PGMEAが好ましい。
本発明においては、金属含有量の少ない溶剤を用いることが好ましく、溶剤の金属含有量は、例えば10質量ppb(parts per billion)以下であることが好ましい。必要に応じて質量ppt(parts per trillion)レベルの溶剤を用いてもよく、そのような高純度溶剤は例えば東洋合成社が提供している(化学工業日報、2015年11月13日)。
溶剤から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、蒸留(分子蒸留や薄膜蒸留等)やフィルタを用いたろ過を挙げることができる。ろ過に用いるフィルタのフィルタ孔径としては、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。フィルタの材質は、ポリテトラフロロエチレン、ポリエチレンまたはナイロンが好ましい。
溶剤は、異性体(原子数が同じであるが構造が異なる化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種含まれていてもよい。
本発明において、有機溶剤中の過酸化物の含有率が0.8mmol/L以下であることが好ましく、過酸化物を実質的に含まないことがより好ましい。
着色組成物中における溶剤の含有量は、60〜95質量%であることが好ましい。さらに、上限は90質量%以下であることが好ましく、87.5質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがさらに好ましい。さらに、下限は、65質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがさらに好ましい。溶剤は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、本発明の着色組成物は、環境規制の観点から環境規制物質を実質的に含有しないことが好ましい。なお、本発明において、環境規制物質を実質的に含有しないとは、着色組成物中における環境規制物質の含有量が50質量ppm以下であることを意味し、30質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以下であることがさらに好ましく、1質量ppm以下であることが特に好ましい。環境規制物質は、例えばベンゼン;トルエン、キシレン等のアルキルベンゼン類;クロロベンゼン等のハロゲン化ベンゼン類等が挙げられる。これらは、REACH(Registration Evaluation Authorization and Restriction of CHemicals)規則、PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)法、VOC(Volatile Organic Compounds)規制等のもとに環境規制物質として登録されており、使用量や取り扱い方法が厳しく規制されている。これらの化合物は、本発明の着色組成物に用いられる各成分などを製造する際に溶剤として用いられることがあり、残留溶剤として着色組成物中に混入することがある。人への安全性、環境への配慮の観点よりこれらの物質は可能な限り低減することが好ましい。環境規制物質を低減する方法としては、系中を加熱や減圧して環境規制物質の沸点以上にして系中から環境規制物質を留去して低減する方法が挙げられる。また、少量の環境規制物質を留去する場合においては、効率を上げる為に該当溶剤と同等の沸点を有する溶剤と共沸させることも有用である。また、ラジカル重合性を有する化合物を含有する場合、減圧留去中にラジカル重合反応が進行して分子間で架橋してしまうことを抑制するために重合禁止剤等を添加して減圧留去してもよい。これらの留去方法は、原料の段階、原料を反応させた生成物(例えば重合した後の樹脂溶液や多官能モノマー溶液)の段階、またはこれらの化合物を混ぜて作製した着色組成物の段階いずれの段階でも可能である。
<<顔料誘導体>>
本発明の着色組成物は、顔料誘導体を含有することができる。顔料誘導体としては、発色団の一部分を、酸基、塩基性基またはフタルイミドメチル基で置換した構造を有する化合物が挙げられる。顔料誘導体を構成する発色団としては、キノリン系骨格、ベンゾイミダゾロン系骨格、ジケトピロロピロール系骨格、アゾ系骨格、フタロシアニン系骨格、アンスラキノン系骨格、キナクリドン系骨格、ジオキサジン系骨格、ペリノン系骨格、ペリレン系骨格、チオインジゴ系骨格、イソインドリン系骨格、イソインドリノン系骨格、キノフタロン系骨格、スレン系骨格、金属錯体系骨格等が挙げられ、キノリン系骨格、ベンゾイミダゾロン系骨格、ジケトピロロピロール系骨格、アゾ系骨格、キノフタロン系骨格、イソインドリン系骨格およびフタロシアニン系骨格が好ましく、アゾ系骨格およびベンゾイミダゾロン系骨格がより好ましい。顔料誘導体が有する酸基としては、スルホ基、カルボキシル基が好ましく、スルホ基がより好ましい。顔料誘導体が有する塩基性基としては、アミノ基が好ましく、三級アミノ基がより好ましい。顔料誘導体の具体例としては、例えば、特開2011−252065号公報の段落0162〜0183の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
その他、顔料誘導体の具体例としては、特開昭56−118462号公報、特開昭63−264674号公報、特開平01−217077号公報、特開平03−009961号公報、特開平03−026767号公報、特開平03−153780号公報、特開平03−045662号公報、特開平04−285669号公報、特開平06−145546号公報、特開平06−212088号公報、特開平06−240158号公報、特開平10−030063号公報、特開平10−195326号公報、国際公開第2011/024896号の段落番号0086〜0098、国際公開第2012/102399号の段落番号0063〜0094、国際公開第2017/038252号の段落番号0082、特開2015−151530号公報の段落番号0171、特開2011−252065号公報の段落番号0162〜0183、特開2003−081972号公報、特許第5299151号公報、特開2015−172732号公報、特開2014−199308号公報、特開2014−085562号公報、特開2014−035351号公報、特開2008−081565号公報、特開2019−109512号公報および特開2019−133154号公報に記載の化合物が挙げられる。
顔料誘導体の含有量は、顔料100質量部に対し、0.1〜30質量部が好ましい。この範囲の下限は、0.25質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることがさらに好ましく、0.75質量部以上であることが特に好ましく、1質量部以上であることが一層好ましい。また、この範囲の上限は、25質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましく、15質量部以下であることが特に好ましい。顔料誘導体の含有量が上記範囲内であることにより、経時安定性がより向上するという効果がある。顔料誘導体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<硬化促進剤>>
本発明の着色組成物は、重合性モノマーの反応を促進させたり、硬化温度を下げる目的で、硬化促進剤を添加してもよい。硬化促進剤としては、分子内に2個以上のメルカプト基を有する多官能チオール化合物などが挙げられる。多官能チオール化合物は安定性、臭気、解像性、現像性、密着性等の改良を目的として添加してもよい。多官能チオール化合物は、2級のアルカンチオール類であることが好ましく、式(T1)で表される化合物であることがより好ましい。
式(T1)
Figure 2020066919
式(T1)中、nは2〜4の整数を表し、Lは2〜4価の連結基を表す。式(T1)において、連結基Lは炭素数2〜12の脂肪族基であることが好ましく、nが2であり、Lが炭素数2〜12のアルキレン基であることが特に好ましい。
その他、硬化促進剤は、メチロール系化合物(例えば特開2015−034963号公報の段落0246において、架橋剤として例示されている化合物)、アミン類、ホスホニウム塩、アミジン塩、アミド化合物(以上、例えば特開2013−041165号公報の段落0186に記載の硬化剤)、塩基発生剤(例えば、特開2014−055114号公報に記載のイオン性化合物)、シアネート化合物(例えば、特開2012−150180号公報の段落0071に記載の化合物)、アルコキシシラン化合物(例えば、特開2011−253054号公報に記載のエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物)、オニウム塩化合物(例えば、特開2015−034963号公報の段落0216に酸発生剤として例示されている化合物、特開2009−180949号公報に記載の化合物)などを用いることもできる。
本発明の着色組成物が硬化促進剤を含有する場合、硬化促進剤の含有量は、着色組成物の全固形分中0.3〜8.9質量%が好ましく、0.8〜6.4質量%がより好ましい。
<<シランカップリング剤>>
本発明の着色組成物は、シランカップリング剤を含有することできる。シランカップリング剤としては、一分子中に少なくとも2種の反応性の異なる官能基を有するシラン化合物が好ましい。シランカップリング剤は、ビニル基、エポキシ基、スチレン基、メタクリル基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、および、イソシアネート基から選ばれる少なくとも1種の基と、アルコキシ基とを有するシラン化合物が好ましい。シランカップリング剤の具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−602)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−603)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−903)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBE−903)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−503)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403)等が挙げられる。シランカップリング剤の詳細については、特開2013−254047号公報の段落0155〜0158の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。本発明の着色組成物がシランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、着色組成物の全固形分中0.001〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%が特に好ましい。本発明の着色組成物は、シランカップリング剤を、1種のみを含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<重合禁止剤>>
本発明の着色組成物は、重合禁止剤を含有することができる。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩(アンモニウム塩、第一セリウム塩等)等が挙げられる。本発明の着色組成物が重合禁止剤を含有する場合、重合禁止剤の含有量は、着色組成物の全固形分中0.0001〜5質量%が好ましい。本発明の着色組成物は、重合禁止剤を、1種のみを含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<紫外線吸収剤>>
本発明の着色組成物は、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤は、共役ジエン化合物、アミノジエン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物、インドール化合物、トリアジン化合物などを用いることができる。これらの詳細については、特開2012−208374号公報の段落0052〜0072、特開2013−068814号公報の段落0317〜0334、特開2016−162946号公報の段落0061〜0080の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、UV−503(大東化学(株)製)などが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール化合物としては、ミヨシ油脂製のMYUAシリーズ(化学工業日報、2016年2月1日)が挙げられる。また、紫外線吸収剤として特許第6268967号公報の段落0049〜0059に記載の化合物も使用できる。本発明の着色組成物が紫外線吸収剤を含有する場合、紫外線吸収剤の含有量は、着色組成物の全固形分中0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましい。また、紫外線吸収剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<界面活性剤>>
本発明の着色組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用することができる。界面活性剤については、国際公開第2015/166779号の段落0238〜0245を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明において、界面活性剤はフッ素系界面活性剤であることが好ましい。着色組成物にフッ素系界面活性剤を含有させることで液特性(特に、流動性)がより向上し、省液性をより改善することができる。また、厚さムラの小さい膜を形成することもできる。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3〜40質量%が好適であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、着色組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、特開2014−041318号公報の段落0060〜0064(対応する国際公開第2014/017669号の段落0060〜0064)等に記載の界面活性剤、特開2011−132503号公報の段落0117〜0132に記載の界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファックF171、F172、F173、F176、F177、F141、F142、F143、F144、R30、F437、F475、F479、F482、F554、F780、F−781F、EXP、MFS−330(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431、FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、SC−101、SC−103、SC−104、SC−105、SC−1068、SC−381、SC−383、S−393、KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PolyFox PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(以上、OMNOVA社製)等が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造を有し、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファックDSシリーズ(化学工業日報、2016年2月22日)(日経産業新聞、2016年2月23日)、例えばメガファックDS−21が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素化アルキル基またはフッ素化アルキレンエーテル基を有するフッ素原子含有ビニルエーテル化合物と、親水性のビニルエーテル化合物との重合体を用いることも好ましい。このようなフッ素系界面活性剤は、特開2016−216602号公報の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
フッ素系界面活性剤は、ブロックポリマーを用いることもできる。例えば特開2011−089090号公報に記載された化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。
Figure 2020066919
上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3000〜50000であり、例えば、14000である。上記の化合物中、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。
また、フッ素系界面活性剤は、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。具体例としては、特開2010−164965号公報の段落0050〜0090および段落0289〜0295に記載された化合物、例えばDIC(株)製のメガファックRS−101、RS−102、RS−718K、RS−72−K等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、特開2015−117327号公報の段落0015〜0158に記載の化合物を用いることもできる。
ノニオン系界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、プルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2(BASF社製)、テトロニック304、701、704、901、904、150R1(BASF社製)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、NCW−101、NCW−1001、NCW−1002(富士フイルム和光純薬(株)製)、パイオニンD−6112、D−6112−W、D−6315(竹本油脂(株)製)、オルフィンE1010、サーフィノール104、400、440(日信化学工業(株)製)などが挙げられる。
シリコン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4460、TSF−4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、KP−341、KF−6001、KF−6002(以上、信越化学工業(株)製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
着色組成物の全固形分中における界面活性剤の含有量は、0.001〜5.0質量%が好ましく、0.005〜3.0質量%がより好ましい。界面活性剤は1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<その他添加剤>>
本発明の着色組成物には、必要に応じて、各種添加剤、例えば、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加剤としては、特開2004−295116号公報の段落0155〜0156に記載の添加剤を挙げることができ、この内容は本明細書に組み込まれる。また、酸化防止剤としては、例えばフェノール化合物、リン系化合物(例えば特開2011−090147号公報の段落0042に記載の化合物)、チオエーテル化合物などを用いることができる。市販品としては、例えば(株)ADEKA製のアデカスタブシリーズ(AO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−50F、AO−60、AO−60G、AO−80、AO−330など)が挙げられる。また、酸化防止剤として、国際公開第2017/006600号に記載された多官能ヒンダードアミン酸化防止剤、国際公開第2017/164024号に記載された酸化防止剤、特許第6268967号公報の段落0023〜0048に記載された酸化防止剤を用いることもできる。酸化防止剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。また、本発明の着色組成物は、必要に応じて、潜在酸化防止剤を含有してもよい。潜在酸化防止剤としては、酸化防止剤として機能する部位が保護基で保護された化合物であって、100〜250℃で加熱するか、又は酸/塩基触媒存在下で80〜200℃で加熱することにより保護基が脱離して酸化防止剤として機能する化合物が挙げられる。潜在酸化防止剤の具体例としては、国際公開第2014/021023号、国際公開第2017/030005号、特開2017−008219号公報に記載された化合物が挙げられる。市販品としては、アデカアークルズGPA−5001((株)ADEKA製)等が挙げられる。また、本発明の着色組成物は、特開2004−295116号公報の段落0078に記載の増感剤や光安定剤、同公報の段落0081に記載の熱重合防止剤、特開2018−091940号公報の段落0242に記載の貯蔵安定化剤を含有することができる。
また、本発明の着色組成物は、得られる膜の屈折率を調整するために金属酸化物を含有させてもよい。金属酸化物としては、TiO2、ZrO2、Al23、SiO2等が挙げられる。金属酸化物の一次粒子径は1〜100nmが好ましく、3〜70nmがより好ましく、5〜50nmが最も好ましい。金属酸化物はコア−シェル構造を有していてもよく、この際、コア部が中空状であってもよい。
また、本発明の着色組成物は、耐光性改良剤を含んでもよい。耐光性改良剤としては、特開2017−198787号公報の段落0036〜0037に記載の化合物、特開2017−146350号公報の段落0029〜0034に記載の化合物、特開2017−129774号公報の段落0036〜0037、0049〜0052に記載の化合物、特開2017−129674号公報の段落0031〜0034、0058〜0059に記載の化合物、特開2017−122803号公報の段落0036〜0037、0051〜0054に記載の化合物、国際公開第2017/164127号の段落0025〜0039に記載の化合物、特開2017−186546号公報の段落0034〜0047に記載の化合物、特開2015−025116号公報の段落0019〜0041に記載の化合物、特開2012−145604号公報の段落0101〜0125に記載の化合物、特開2012−103475号公報の段落0018〜0021に記載の化合物、特開2011−257591号公報の段落0015〜0018に記載の化合物、特開2011−191483号公報の段落0017〜0021に記載の化合物、特開2011−145668号公報の段落0108〜0116に記載の化合物、特開2011−253174号公報の段落0103〜0153に記載の化合物などが挙げられる。
本発明の着色組成物は、顔料などと結合または配位していない遊離の金属の含有量が100質量ppm以下であることが好ましく、50質量ppm以下であることがより好ましく、10質量ppm以下であることがさらに好ましく、実質的に含有しないことが特に好ましい。この態様によれば、顔料分散性の安定化(凝集抑止)、分散性向上に伴う分光特性の向上、硬化性成分の安定化や、金属原子・金属イオンの溶出に伴う導電性変動の抑止、表示特性の向上などの効果が期待できる。また、特開2012−153796号公報、特開2000−345085号公報、特開2005−200560号公報、特開平08−043620号公報、特開2004−145078号公報、特開2014−119487号公報、特開2010−083997号公報、特開2017−090930号公報、特開2018−025612号公報、特開2018−025797号公報、特開2017−155228号公報、特開2018−036521号公報などに記載された効果も得られる。上記の遊離の金属の種類としては、Na、K、Ca、Sc、Ti、Mn、Cu、Zn、Fe、Cr、Fe、Co、Mg、Al、Ti、Sn、Zn、Zr、Ga、Ge、Ag、Au、Pt、Cs、Bi等が挙げられる。また、本発明の着色組成物は、顔料などと結合または配位していない遊離のハロゲンの含有量が100質量ppm以下であることが好ましく、50質量ppm以下であることがより好ましく、10質量ppm以下であることがさらに好ましく、実質的に含有しないことが特に好ましい。着色組成物中の遊離の金属やハロゲンの低減方法としては、イオン交換水による洗浄、ろ過、限外ろ過、イオン交換樹脂による精製等の方法が挙げられる。
本発明の着色組成物は、テレフタル酸エステルを実質的に含まないことも好ましい。ここで、「実質的に含まない」とは、テレフタル酸エステルの含有量が、組成物の全固形分中、1000質量ppb以下であることを意味し、100質量ppb以下であることがより好ましく、ゼロであることが特に好ましい。
<収容容器>
本発明の着色組成物の収容容器としては、特に限定はなく、公知の収容容器を用いることができる。また、収容容器として、原材料や着色組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成する多層ボトルや6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。また、容器内壁からの金属溶出を防ぎ、組成物の保存安定性を高め、成分変質を抑制する観点から、収容容器の内壁はガラス製やステンレス製であることが好ましい。
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、前述の成分を混合することにより製造できる。着色組成物の製造に際しては、全成分を同時に溶剤に溶解および/または分散して着色組成物を製造してもよいし、必要に応じて、各成分を適宜2つ以上の溶液または分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物を製造してもよい。
また、着色組成物の製造に際して、顔料などの粒子を分散させるプロセスを含んでいてもよい。顔料を分散させるプロセスにおいて、顔料の分散に用いる機械力としては、圧縮、圧搾、衝撃、剪断、キャビテーションなどが挙げられる。これらプロセスの具体例としては、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、マイクロフルイダイザー、高速インペラー、サンドグラインダー、フロージェットミキサー、高圧湿式微粒化、超音波分散などが挙げられる。またサンドミル(ビーズミル)における顔料の粉砕においては、径の小さいビーズを使用する、ビーズの充填率を大きくする事等により粉砕効率を高めた条件で処理することが好ましい。また、粉砕処理後にろ過、遠心分離などで粗粒子を除去することが好ましい。また、顔料を分散させるプロセスおよび分散機は、「分散技術大全、株式会社情報機構発行、2005年7月15日」や「サスペンション(固/液分散系)を中心とした分散技術と工業的応用の実際 総合資料集、経営開発センター出版部発行、1978年10月10日」、特開2015−157893号公報の段落0022に記載のプロセス及び分散機を好適に使用出来る。また顔料を分散させるプロセスにおいては、ソルトミリング工程にて粒子の微細化処理を行ってもよい。ソルトミリング工程に用いられる素材、機器、処理条件等は、例えば特開2015−194521号公報、特開2012−046629号公報の記載を参酌できる。
着色組成物の製造にあたり、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、着色組成物をフィルタでろ過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているフィルタであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ナイロン(例えばナイロン−6、ナイロン−6,6)等のポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量のポリオレフィン樹脂を含む)等の素材を用いたフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、0.01〜7.0μmが好ましく、0.01〜3.0μmがより好ましく、0.05〜0.5μmがさらに好ましい。フィルタの孔径が上記範囲であれば、微細な異物をより確実に除去できる。フィルタの孔径値については、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。フィルタは、日本ポール株式会社(DFA4201NIEYなど)、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)および株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタを用いることができる。
また、フィルタとしてファイバ状のろ材を用いることも好ましい。ファイバ状のろ材としては、例えばポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ、グラスファイバ等が挙げられる。市販品としては、ロキテクノ社製のSBPタイプシリーズ(SBP008など)、TPRタイプシリーズ(TPR002、TPR005など)、SHPXタイプシリーズ(SHPX003など)が挙げられる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタ(例えば、第1のフィルタと第2のフィルタなど)を組み合わせてもよい。その際、各フィルタでのろ過は、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。また、上述した範囲内で異なる孔径のフィルタを組み合わせてもよい。また、第1のフィルタでのろ過は、分散液のみに対して行い、他の成分を混合した後で、第2のフィルタでろ過を行ってもよい。
<硬化膜および画素の形成方法>
本発明の硬化膜の形成方法は、本発明の着色組成物を支持体上に塗布して着色組成物層を形成する工程と、この着色組成物層を露光する工程とを含む。特に、画素(パターン状の硬化膜)の形成方法は、上記露光する工程において、露光をパターン状に行い、そして、露光後の着色組成物層を現像する工程をさらに含む。そして、本発明においては、全工程を通じて150℃以下の温度で行うことを特徴とする。なお、本発明において、「全工程を通じて150℃以下の温度で行う」とは、着色組成物を用いて画素を形成する工程の全てを、150℃以下の温度で行うことを意味する。露光後の着色組成物層を現像した後、さらに加熱する工程を設ける場合は、この加熱する工程も150℃以下の温度で行うことを意味する。以下、各工程について詳細を述べる。
着色組成物層を形成する工程では、本発明の着色組成物を支持体上に塗布して着色組成物層を形成する。支持体としては、例えば、ガラス基板や樹脂基板である。樹脂基板としては、ポリカーボネート基板、ポリエステル基板、芳香族ポリアミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリイミド基板等が挙げられる。これらの基板上には有機発光層が形成されていてもよい。また、基板には、上部の層との密着性改良、物質の拡散防止或いは表面の平坦化のために下塗り層が設けられていてもよい。
着色組成物の塗布方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、滴下法(ドロップキャスト);スリットコート法;スプレー法;ロールコート法;回転塗布法(スピンコーティング);流延塗布法;スリットアンドスピン法;プリウェット法(例えば、特開2009−145395号公報に記載されている方法);インクジェット(例えば、オンデマンド方式、ピエゾ方式、サーマル方式)、ノズルジェット等の吐出系印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、メタルマスク印刷法などの各種印刷法;金型等を用いた転写法;ナノインプリント法などが挙げられる。インクジェットでの適用方法としては、特に限定されず、例えば「広がる・使えるインクジェット−特許に見る無限の可能性−、2005年2月発行、住ベテクノリサーチ」に示された方法(特に115ページ〜133ページ)や、特開2003−262716号公報、特開2003−185831号公報、特開2003−261827号公報、特開2012−126830号公報、特開2006−169325号公報などに記載の方法が挙げられる。また、着色組成物の塗布方法については、国際公開第2017/030174号、国際公開第2017/018419号の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
支持体上に形成した着色組成物層は、乾燥(プリベーク)してもよい。プリベークを行う場合、プリベーク温度は、80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましく、60℃以下がさらに好ましく、50℃以下が特に好ましい。下限は、例えば、40℃以上とすることができる。プリベーク時間は、10〜3600秒が好ましい。プリベークは、ホットプレート、オーブン等で行うことができる。
次に、着色組成物層を露光する(露光工程)。例えば、着色組成物層に対し、ステッパー露光機やスキャナ露光機などを用いて、必要に応じて所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光することで、パターン状に露光することができる。これにより、露光部分を硬化することができる。
露光に際して用いることができる光としては、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)等の紫外線が挙げられる。i線を使用する露光は、韓国公開特許第1020170122130号公報に記載されているように、i線よりも短い波長の光をカットしながら行ってもよい。また、波長300nm以下の光(好ましくは波長180〜300nmの光)を用いることもできる。波長300nm以下の光としては、KrF線(波長248nm)、ArF線(波長193nm)などが挙げられ、KrF線(波長248nm)が好ましい。また、300nm以上の長波な光源も利用できる。
また、露光に際して、光を連続的に照射して露光してもよく、パルス的に照射して露光(パルス露光)してもよい。なお、パルス露光とは、短時間(例えば、ミリ秒レベル以下)のサイクルで光の照射と休止を繰り返して露光する方式の露光方法のことである。パルス露光の場合、パルス幅は、100ナノ秒(ns)以下であることが好ましく、50ナノ秒以下であることがより好ましく、30ナノ秒以下であることがさらに好ましい。パルス幅の下限は、特に限定はないが、1フェムト秒(fs)以上とすることができ、10フェムト秒以上とすることもできる。周波数は、1kHz以上であることが好ましく、2kHz以上であることがより好ましく、4kHz以上であることがさらに好ましい。周波数の上限は50kHz以下であることが好ましく、20kHz以下であることがより好ましく、10kHz以下であることがさらに好ましい。最大瞬間照度は、5000W/cm2以上であることが好ましく、10000W/cm2以上であることがより好ましく、20000W/cm2以上であることがさらに好ましい。また、最大瞬間照度の上限は、100000W/cm2以下であることが好ましく、80000W/cm2以下であることがより好ましく、50000W/cm2以下であることがさらに好ましい。なお、パルス幅とは、パルス周期における光が照射されている時間のことである。また、周波数とは、1秒あたりのパルス周期の回数のことである。また、最大瞬間照度とは、パルス周期における光が照射されている時間内での平均照度のことである。また、パルス周期とは、パルス露光における光の照射と休止を1サイクルとする周期のことである。
本発明の硬化膜の形成方法において、露光量(照射量)は、200mJ/cm2以上である。このように、従来よりも多い露光量で露光することにより、多量に光ラジカルが発生し、150℃を超える高温での加熱硬化処理と同等に、組成物の硬化が促進される。露光量の下限は、800mJ/cm2以上が好ましく、1J/cm2以上がより好ましい。露光量の上限は、2.5J/cm2以下が好ましく、2.0J/cm2以下がより好ましく、1.5J/cm2以下がさらに好ましい。また、露光照度は、適宜設定することが可能であり、例えば、50mW/cm2〜10W/cm2であることが好ましい。さらに、露光照度の下限は、500mW/cm2以上が好ましく、800mW/cm2以上がより好ましく、1000mW/cm2以上がさらに好ましい。さらに、露光照度の上限は、10W/cm2以下が好ましく、7W/cm2以下がより好ましく、5W/cm2以下がさらに好ましい。
露光時における酸素濃度については適宜選択することができ、大気下で行う他に、例えば酸素濃度が19体積%以下の低酸素雰囲気下(例えば、15体積%、5体積%、または、実質的に無酸素)で露光してもよく、酸素濃度が21体積%を超える高酸素雰囲気下(例えば、22体積%、30体積%、または、50体積%)で露光してもよい。酸素濃度と露光照度は適宜条件を組み合わせてよく、例えば、酸素濃度10体積%で照度1W/cm2、酸素濃度35体積%で照度2W/cm2などとすることができる。
次に、露光後の着色組成物層を現像する。すなわち、着色組成物層の未露光部を現像除去して硬化膜をパターン状に形成して画素を形成する。着色組成物層の未露光部の現像除去は、現像液を用いて行うことができる。これにより、露光工程における未露光部の着色組成物層が現像液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。現像液としては、有機溶剤、アルカリ現像液などが挙げられ、アルカリ現像液であることが好ましい。現像液の温度は、例えば、20〜30℃が好ましい。現像時間は、20〜180秒が好ましい。また、残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、さらに新たに現像液を供給する工程を数回繰り返してもよい。
アルカリ現像液は、アルカリ剤を純水で希釈したアルカリ性水溶液であることが好ましい。アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、ヒドロキシアミン、エチレンジアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの無機アルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ剤は、分子量が大きい化合物の方が環境面および安全面で好ましい。アルカリ性水溶液のアルカリ剤の濃度は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。また、現像液は、さらに界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、上述した界面活性剤が挙げられ、ノニオン系界面活性剤が好ましい。現像液は、移送や保管の便宜などの観点より、一旦濃縮液として製造し、使用時に必要な濃度に希釈してもよい。希釈倍率は特に限定されないが、例えば1.5〜100倍の範囲に設定することができる。また、現像後純水で洗浄(リンス)することも好ましい。また、リンスは、現像後の着色組成物層が形成された支持体を回転させつつ、現像後の着色組成物層へリンス液を供給して行うことが好ましい。また、リンス液を吐出させるノズルを支持体の中心部から支持体の周縁部に移動させて行うことも好ましい。この際、ノズルの支持体中心部から周縁部へ移動させるにあたり、ノズルの移動速度を徐々に低下させながら移動させてもよい。このようにしてリンスを行うことで、リンスの面内ばらつきを抑制できる。また、ノズルを支持体中心部から周縁部へ移動させつつ、支持体の回転速度を徐々に低下させても同様の効果が得られる。
現像後、乾燥を施した後に追加露光処理や加熱処理(ポストベーク)を行うことも好ましい。追加露光処理やポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の硬化処理である。
ポストベークを行う場合、加熱温度は150℃以下が好ましい。加熱温度の上限は、120℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましい。加熱温度の下限は、組成物の硬化を促進できれば特に制限されないが、50℃以上がより好ましく、75℃以上がさらに好ましい。加熱時間は1分以上が好ましく、5分以上がより好ましく、10分以上がさらに好ましい。上限は特に限定はないが、生産性の観点から20分以下が好ましい。ポストベークは、不活性ガスの雰囲気下で行うことも好ましい。この態様によれば、熱重合を、酸素に阻害されることなく、非常に高い効率で進行させることができ、全工程を通じて120℃以下の温度で画素を製造した場合であっても、平坦性が良好で、耐溶剤性などの特性に優れた画素を製造することができる。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等が挙げられ、窒素ガスであることが好ましい。ポストベーク時の酸素濃度は、100ppm以下であることが好ましい。
追加露光処理を行う場合、波長254〜350nmの光を照射して露光することが好ましい。より好ましい態様としては、着色組成物層をパターン状に露光する工程(現像前の露光)は、着色組成物層に対して350nmを超え380nm以下の波長を有する光(好ましくは波長355〜370nmの光、より好ましくはi線)を照射して露光して行い、追加露光処理(現像後の露光)は、現像後の着色組成物層に対して、波長254〜350nmの光(好ましくは波長254nmの光)を照射して露光することが好ましい。この態様によれば、最初の露光(現像前の露光)で着色組成物層を適度に硬化させることができ、次の露光(現像後の露光)で着色組成物層全体をほぼ完全に硬化させることができるので、結果として、低温条件でも、着色組成物層を充分に硬化させて、耐溶剤性、密着性およびパターンの矩形性などの特性に優れた画素を形成することができる。このように2段階で露光を行う場合、着色組成物には、光重合開始剤として、メタノール中での波長365nmの吸光係数が1.0×103mL/gcm以上の光重合開始剤A1と、メタノール中での波長365nmの吸光係数が1.0×102mL/gcm以下で、かつ、波長254nmの吸光係数が1.0×103mL/gcm以上の光重合開始剤A2とを含むものを用いることが好ましい。
現像後の露光は、例えば紫外線フォトレジスト硬化装置を用いて行うことができる。紫外線フォトレジスト硬化装置からは、例えば波長254〜350nmの光とともに、これ以外の光(例えばi線)が照射されてもよい。
現像後の露光での露光量(照射量)は、30〜4000mJ/cm2が好ましく、50〜3500mJ/cm2がより好ましい。現像前の露光で用いられる光の波長と、現像後の露光で用いられる光の波長の差は、200nm以下であることが好ましく、100〜150nmであることがより好ましい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述した本発明の硬化膜の形成方法を含み、特に、画素の形成方法を含む。
カラーフィルタが複数色の画素を有する場合には、上述した画素の形成方法を各色の画素ごとに行うことで、複数色の画素を有するカラーフィルタを形成することができる。カラーフィルタは、赤色画素、青色画素、緑色画素、シアン色画素、マゼンタ色画素、イエロー画素などの着色画素を1色以上有するフィルタが挙げられる。カラーフィルタの具体例としては、赤色画素、青色画素および緑色画素を少なくとも有するフィルタや、シアン色画素、マゼンタ色画素およびイエロー画素を少なくとも有するフィルタなどが挙げられる。カラーフィルタは、隔壁により例えば格子状に仕切られた空間に、各着色画素が埋め込まれた構造を有していてもよい。この場合の隔壁は各着色画素に対して低屈折率であることが好ましい。また、米国特許出願公開第2018/0040656号明細書に記載の構成で隔壁を形成しても良い。
<表示装置の製造方法>
本発明の表示装置の製造方法は、上述した本発明の画素の形成方法を含む。
表示装置としては、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などが挙げられる。画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、(株)工業調査会、1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、白色有機エレクトロルミネッセンス素子からなる光源を有するものであってもよい。白色有機エレクトロルミネッセンス素子としては、タンデム構造であることが好ましい。有機エレクトロルミネッセンス素子のタンデム構造については、特開2003−045676号公報、三上明義監修、「有機EL技術開発の最前線−高輝度・高精度・長寿命化・ノウハウ集−」、技術情報協会、326−328ページ、2008年などに記載されている。有機EL素子が発光する白色光のスペクトルは、青色領域(430nm−485nm)、緑色領域(530nm−580nm)及び黄色領域(580nm−620nm)に強い極大発光ピークを有するものが好ましい。これらの発光ピークに加えさらに赤色領域(650nm−700nm)に極大発光ピークを有するものがより好ましい。
また、有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、カラーフィルタ上にレンズを有していてもよい。レンズの形状としては、光学系設計により導出された様々な形状をとることができ、例えば、凸形状、凹形状などが挙げられる。例えば凹形状(凹型レンズ)とすることで光の集光性を向上させやすい。このようなレンズは、カラーフィルタを有する表示装置の、カラーフィルタを透過する光の光路上に設置して用いられる。本発明のレンズは、カラーフィルタへの入射光側に設けてもよく、カラーフィルタからの射出光側に設けてもよい。カラーフィルタへの入射光側に設けた場合は、カラーフィルタ上に集光する光量を増加させることができる。また、カラーフィルタからの射出光側に設けた場合は、ディスプレイ上に集光する光量を増加させることができる。また、レンズは、カラーフィルタと直接接していてもよく、レンズとカラーフィルタとの間に、密着層や平坦化層などの他の層を設けてもよい。また、レンズは、国際公開第2018/135189号に記載の態様にて配置して用いることもできる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。「部」、「%」は特に述べない限り、質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液P−R)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーモーターミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250MKII」)で5時間分散した。その後、孔径5μmのフィルタで濾過して顔料分散液P−Rを作製した。
・C.I.Pigment Red 254 8.96質量部
・C.I.Pigment Red 177 1.42質量部
・C.I.Pigment Yellow 150 1.16質量部
・分散剤(日本ルーブリゾール社製、ソルスパース20000)
2.29質量部
・顔料誘導体(下記構造の顔料誘導体1) 2.69質量部
・アルカリ可溶性樹脂溶液D2 7.66質量部
・シクロヘキサノン 75.82質量部
顔料誘導体1:
Figure 2020066919
アルカリ可溶性樹脂溶液D2は、以下の方法で製造したものである。
撹拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にシクロヘキサノン90.0質量部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0質量部、メチルメタクリレート10.0質量部、n−ブチルメタクリレート55.0質量部、ベンジルメタクリレート15質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.5質量部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)10.0質量部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で撹拌を続け共重合体を得た。室温に冷却後、シクロヘキサノンで希釈することにより、固形分濃度20%のアルカリ可溶性樹脂溶液D2を得た。重量平均分子量は30000であった。
(顔料分散液P−G)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーモーターミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250MKII」)で5時間分散した。その後、孔径5μmのフィルタで濾過して顔料分散液P−Gを作製した。
・C.I.Pigment Green 58 7.53質量部
・C.I.Pigment Yellow 150 4.14質量部
・分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk−2001、固形分濃度46質量%)
6.09質量部
・アルカリ可溶性樹脂溶液D2 5.53質量部
・PGMEA 76.71質量部
(顔料分散液P−B)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーモーターミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250MKII」)で5時間分散した。その後、孔径5μmのフィルタで濾過して顔料分散液P−Bを作製した。
・C.I.Pigment Blue 15:6 12.88質量部
・分散剤(日本ルーブリゾール社製、ソルスパース20000)
5.62質量部
・アルカリ可溶性樹脂溶液D2 1.50質量部
・シクロヘキサノン 80.00質量部
(顔料分散液P−X)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーモーターミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250MKII」)で5時間分散した。その後、孔径5μmのフィルタで濾過して顔料分散液P−Xを作製した。
・C.I.Pigment Red 254 13.33質量部
・顔料誘導体(下記構造の顔料誘導体2A) 1.67質量部
・第1の分散剤(下記構造の樹脂K) 2.50質量部
・第2の分散剤(下記方法で合成した樹脂PA−1) 2.50質量部
・PGMEA 80.00質量部
顔料誘導体2A:
Figure 2020066919
樹脂K:下記構造を有する化合物。主鎖の括弧に付した数値は、各繰り返し単位のモル比を表し、側鎖の括弧に付した数値は、各繰り返し単位の繰り返し数を表す。重量平均分子量は20000である。
Figure 2020066919
樹脂PA−1:
−樹脂PA−1の合成方法−
三口フラスコに下記原料を導入し、混合物を得た。
次いで、窒素を吹き込みながら、上記混合物を撹拌し、その後、窒素をフラスコ内に流しながら、混合物を75℃まで昇温した。次に、混合物に、ドデシルメルカプタン(0.82g)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)0.43g、(以下「V−601」ともいう。)を添加し、重合反応を開始した。混合物を75℃で2時間加熱した後、更にV−601(0.43g)を混合物に追加した。2時間後、更にV−601(0.43g)を混合物に追加した。更に2時間反応させた後、混合物を90℃に昇温し、3時間撹拌した。上記操作により、重合反応は終了した。
その反応終了後、空気下でアミン化合物としてジメチルドデシルアミン(9.6g)と重合禁止剤として2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン1−オキシル(0.3g)を加え、その後、反応性化合物として4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(9.01g)を滴下した。この滴下終了後、空気下、90℃で24時間反応を続けた。反応の終了は、酸価測定により確認した。得られた混合物に30質量%溶液になるようPGMEAを追加することで樹脂PA−1を得た。得られた樹脂PA−1の重量平均分子量は17,200、酸価は70mgKOH/mgであった。
−樹脂PA−1の原料−
・下記方法で調製したモノマーB−1溶液(固形分量50質量%)
60.78g
・重合性モノマー(ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、アロニックスM−5300、東亞合成(株)製)
50.99g
・PGMEA 159.5g
樹脂の酸価は、水酸化ナトリウム水溶液を用いた中和滴定により求めた。具体的には、得られた樹脂を溶剤に溶解させた溶液に、電位差測定法を用いて水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、樹脂の固形分1gに含まれる酸のミリモル数を算出し、次に、その値を水酸化カリウム(KOH)の分子量56.1をかけることにより求めた。
−モノマーB−1溶液の調製方法−
三口フラスコに、ε−カプロラクトン(1256.62部、環状化合物に該当する。)及び、2−エチル−1−ヘキサノール(143.38部、開環重合開始剤に該当する。)を導入し、混合物を得た。次に、窒素を吹き込みながら、上記混合物を撹拌した。次に、混合物にモノブチル錫オキシド(0.63部)を加え、得られた混合物を90℃に加熱した。90℃を維持しながら6時間経過した後、1H−NMR(nuclear magnetic resonance)を用いて、混合物中における2−エチル−1−ヘキサノールに由来するシグナルが消失したのを確認した。その後、混合物を110℃に加熱し、窒素下にて110℃で2時間重合反応を続けた。1H−NMRでε−カプロラクトンに由来するシグナルの消失を確認し、上記混合物を80℃に降温した。その後、上記混合物に2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(0.78部)を添加し、その後、更に、得られた混合物に対して、2−メタクリロイロキシエチルイソシアネート(MOI、174.15部)を30分かけて滴下した。滴下終了から1時間後、1H−NMRにてMOIに由来するシグナルが消失したのを確認した。その後、PGMEA(1575.57部)を混合物に添加し、固形分量が50質量%のモノマーB−1溶液を得た。モノマーB−1の構造は、1H−NMRにより確認でき、下記式(B−1)に示したとおりであった。得られたモノマーB−1の重量平均分子量は3000であった。
Figure 2020066919
(顔料分散液P−Y)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーモーターミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250MKII」)で5時間分散した。その後、孔径5μmのフィルタで濾過して顔料分散液P−Yを作製した。
・C.I.Pigment Red 254 13.33質量部
・顔料誘導体(上記構造の顔料誘導体2A) 1.67質量部
・第1の分散剤(上記構造の樹脂K) 2.50質量部
・第2の分散剤(下記構造の樹脂L) 2.50質量部
・PGMEA 80.00質量部
樹脂L:下記構造を有する化合物。主鎖の括弧に付した数値は、各繰り返し単位のモル比を表し、側鎖の括弧に付した数値は、繰り返し単位の繰り返し数を表す。重量平均分子量は20000である。
Figure 2020066919
(顔料分散液P−Z)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーモーターミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250MKII」)で5時間分散した。その後、孔径5μmのフィルタで濾過して顔料分散液P−Zを作製した。
・C.I.Pigment Yellow 139 13.33質量部
・顔料誘導体(上記構造の顔料誘導体2A) 1.67質量部
・第1の分散剤(上記構造の樹脂K) 2.50質量部
・第2の分散剤(上記構造の樹脂L) 2.50質量部
・PGMEA 80.00質量部
<着色組成物の調製>
(実施例1の着色組成物)
以下に示す原料を混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)を用いてろ過することにより、固形分濃度19.05質量%の着色組成物を調製した。なお、着色組成物の固形分濃度は、PGMEAの配合量で調整した。
・顔料分散液P−R 65質量部
・光ラジカル重合開始剤(開始剤1) 2質量部
・樹脂(樹脂A) 5.5質量部
・フリル基含有化合物(F1) 5.5質量部
・ラジカル重合性モノマー(M1) 2.6質量部
・PGMEA 残部
(実施例2〜23および比較例1〜2の着色組成物)
顔料分散液、光ラジカル重合開始剤、樹脂、フリル基含有化合物、ラジカル重合性モノマーおよび溶剤の種類および含有量(質量部)を、それぞれ下記表1に記載のとおり変更し、実施例1と同様にして着色組成物を調製した。各着色組成物の固形分濃度(質量%。「固形分量」の欄に記載。)は溶剤の配合量で調整した。また、表2に、各着色組成物についてM/I比(質量比)、M/IA1比(質量比)、および顔料濃度(質量%:固形分量に対する顔料の含有量の割合)を示す。
<硬化膜の作製>
実施例1〜23の各着色組成物を、スピンコーターを用いて、乾燥後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるようにガラス基板上に塗布し、100℃のホットプレート上で2分間乾燥させた。その後、超高圧水銀ランプを用いて、露光照度20mW/cm2、露光量1J/cm2の条件でi線露光を実施した。そして、100℃のホットプレート上で20分間加熱し、放冷して、硬化膜付きの評価用基板を得た。
比較例1および2の各着色組成物を、スピンコーターを用いて、乾燥後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるようにガラス基板上に塗布し、100℃のホットプレート上で2分間乾燥させた。その後、超高圧水銀ランプを用いて、露光照度20mW/cm2、露光量50mJ/cm2の条件でi線露光を実施した。そして、100℃のホットプレート上で20分間加熱し、放冷して、硬化膜付きの評価用基板を得た。
上記実施例および比較例の硬化膜の作製において、基板の温度は、全工程を通じて20〜100℃の範囲である。
Figure 2020066919
Figure 2020066919
上記表に記載の原料は下記のとおりである。
(光ラジカル重合開始剤)
・開始剤1:IRGACURE−OXE02(BASF社製、下記構造の化合物、メタノール中での波長365nmにおける吸光係数が7749mL/gcmである。光重合開始剤A1に該当する。)
・開始剤2:IRGACURE−OXE01(BASF社製、下記構造の化合物、メタノール中での波長365nmにおける吸光係数が6969mL/gcmである。光重合開始剤A1に該当する。)
・開始剤3:下記構造の化合物(メタノール中での波長365nmの光の吸光係数が18900mL/gcmである。光重合開始剤A1に該当する。)
・開始剤4:IRGACURE−2959(BASF社製、下記構造の化合物、メタノール中での波長365nmにおける吸光係数が48.93mL/gcmであり、波長254nmにおける吸光係数が3.0×104mL/gcmである。光重合開始剤A2に該当する。)
・開始剤5:IRGACURE−184(BASF社製、下記構造の化合物、メタノール中での波長365nmにおける吸光係数が88.64mL/gcmであり、波長254nmにおける吸光係数が3.3×104mL/gcmである。光重合開始剤A2に該当する。)
・開始剤6:下記構造の化合物(メタノール中での波長365nmの光の吸光係数が13200mL/gcmである。光重合開始剤A1に該当する。)
・開始剤7:下記構造の化合物
Figure 2020066919
(樹脂)
・樹脂A:下記方法で合成した樹脂である。
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン70.0質量部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート13.3質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6質量部、メタクリル酸4.3質量部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成(株)製、アロニックスM110)7.4質量部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4質量部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間反応を継続して樹脂A(Mw=26000)の30質量%溶液を得た。
・樹脂B:下記方法で合成した樹脂である。
撹拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にPGMEA90.0質量部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でメタクリル酸10.0質量部、メチルメタクリレート45.0質量部、n−ブチルメタクリレート45.0質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.5部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部をPGMEA10.0部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で撹拌を続け共重合体を得た。室温に冷却後、PGMEAで希釈することにより、不揮発分20質量%のアルカリ可溶性官能基を含む樹脂Bの溶液を得た。樹脂Bの重量平均分子量は27000であった。
(フリル基含有化合物)
・F1:下記方法で合成したフリル基含有化合物である。
撹拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にPGMEA90.0質量部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でフルフリルメタクリレート50.0質量部、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸26.7質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23.3質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5質量部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5質量部をPGMEA10.0質量部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で撹拌を続け共重合体を得た。室温に冷却後、PGMEAで希釈することにより、フリル基含有化合物F1(Mw=52000)の20質量%溶液を得た。
・F2:下記方法で合成したフリル基含有化合物である。
撹拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にPGMEA90.0質量部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら60℃に加熱して、同温度でフルフリルメタクリレート50.0質量部、メタクリル酸10質量部、メチルメタクリレート40.0質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0質量部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに60℃で1時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0質量部をPGMEA10.0質量部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で撹拌を続け共重合体を得た。室温に冷却後、PGMEAで希釈することにより、フリル基含有化合物F2(Mw=26000)の20質量%溶液を得た。
(ラジカル重合性モノマー)
・M1:アロニックス M−402(東亞合成(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)
・M2:下記構造の化合物(a+b+c=3)
Figure 2020066919
(溶剤)
・PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・PGME:プロピレングリコールメチルエーテル
(実施例24〜36および比較例3)
実施例1で調製した着色組成物と同一組成の着色組成物を用いて、表3に示される各種の露光照度、露光量および雰囲気で、それぞれi線露光を実施した。なお、表中の「窒素雰囲気」は、酸素濃度が50ppm以下となるまで大気を窒素置換した雰囲気である。そして、100℃のホットプレート上で20分間加熱し、放冷して、硬化膜付きの評価用基板を得た(実施例24〜36および比較例3)。上記実施例の硬化膜の作製において、基板の温度は、全工程を通じて100℃以下である。
Figure 2020066919
<実施例37〜41>
下記の方法で調製した着色組成物を用いて、実施例1と同様の方法により、硬化膜を作製して評価用基板を得た(実施例37)。また、実施例37における顔料誘導体の含有量を、下記表4に記載のとおり変更し、実施例37と同様の方法により、着色組成物を調製しおよび硬化膜を作製して評価用基板を得た(実施例38〜41)。上記実施例の硬化膜の作製において、基板の温度は、全工程を通じて100℃以下である。
(実施例37の着色組成物)
下記原料を混合した混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.1mm径)を用いて3時間混合および分散して、顔料分散液を調製した。その後、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、圧力2000kg/cm3および流量500g/minの条件の下、分散処理を行なった。この分散処理を全10回まで繰り返して、顔料分散液P−B2を得た。
顔料分散液P−B2の原料:
・C.I.Pigment Blue 15:6(PB15:6)
9.6質量部
・C.I.Pigment Violet 23(PV23)
2.4質量部
・顔料誘導体2B 1.0質量部
・分散剤2 4.7質量部
・PGMEA 82.3質量部
・顔料誘導体2B:下記構造を有する化合物
Figure 2020066919
・分散剤2:下記構造を有する化合物。主鎖に付記された数値は、各繰り返し単位のモル比であり、側鎖に付記された数値は、各繰り返し単位の繰り返し数である。
Figure 2020066919
続いて、下記原料を混合した混合液を撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して、実施例37の着色組成物を得た。
実施例37の着色組成物の原料:
・顔料分散液P−B2 54.1質量部
・樹脂2(40質量%PGMEA溶液) 1.0質量部
・重合性モノマー2 0.9質量部
・光重合開始剤10 0.6質量部
・界面活性剤2(1質量%PGMEA溶液) 4.2質量部
・紫外線吸収剤2 0.1質量部
・エポキシ樹脂2 0.1質量部
・PGMEA 39.0質量部
・樹脂2:下記構造を有する化合物。主鎖に付記された数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。
Figure 2020066919
・重合性モノマー2:下記構造を有する化合物
Figure 2020066919
・光重合開始剤10:下記構造を有する化合物
Figure 2020066919
・界面活性剤2:下記構造をそれぞれ有する2種の化合物の混合物(Mw=14000、質量%で記載)
Figure 2020066919
・紫外線吸収剤2:下記構造を有する化合物
Figure 2020066919
・エポキシ樹脂2:EHPE3150((株)ダイセル製、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物)
Figure 2020066919
<実施例42〜55>
顔料分散液、光ラジカル重合開始剤、樹脂、フリル基含有化合物、ラジカル重合性モノマーおよび溶剤の種類および含有量を、それぞれ下記表5に記載のとおり変更し、実施例1と同様にして、実施例42〜55に係る着色組成物を調製した。各着色組成物の固形分濃度(質量%。「固形分量」の欄に記載。)は溶剤の配合量で調整した。また、表6に、各着色組成物についてM/I比(質量比)、M/IA1比(質量比)、および顔料濃度を示す。そして、上記のとおり調製した着色組成物を用いて、実施例1と同様の方法により、硬化膜を作製して評価用基板を得た(実施例42〜55)。上記実施例の硬化膜の作製において、基板の温度は、全工程を通じて100℃以下である。
Figure 2020066919
Figure 2020066919
上記表5において、新たに示した原料の仕様は、下記のとおりである。
(樹脂)
・樹脂C:下記構造の化合物(Mw=11000)をPGMEAに溶かした溶液。固形分量は30質量%である。主鎖に付記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。
Figure 2020066919
・樹脂PA−1:上記顔料分散液について説明した樹脂PA−1と同じ溶液である。
(ラジカル重合性モノマー)
・M3:下記構造を有する化合物
Figure 2020066919
・M4:下記構造を有する化合物
Figure 2020066919
・M5:下記構造を有する化合物
Figure 2020066919
(添加剤)
・E1:EPICLON N−695(DIC社製)
・E2:EHPE 3150(ダイセル社製)
(界面活性剤)
・G1:メガファック F−781F(DIC社製)
・G2:KF−6001(信越化学工業社製)
<実施例56〜86>
<<顔料分散液の調製>>
表7のとおり、各組成の混合物を均一に撹拌混合した後、顔料分散液P−Rの場合と同様の方法により各種の顔料分散液を作製した。
Figure 2020066919
上記表7において、原料の仕様は下記のとおりである。
(着色剤)
・PR177:C.I.Pigment Red 177
・PR254:C.I.Pigment Red 254
・PY139:C.I.Pigment Yellow 139
・PY150:C.I.Pigment Yellow 150
・PY185:C.I.Pigment Yellow 185
・PG7:C.I.Pigment Green 7
・PG36:C.I.Pigment Green 36
・PB15:6 :C.I.Pigment Blue 15:6
・PV23:C.I.Pigment Violet 23
(顔料誘導体)
・顔料誘導体3:下記構造を有する化合物。
Figure 2020066919
・顔料誘導体4:下記構造を有する化合物。
Figure 2020066919
(分散剤)
・樹脂M:下記構造を有する化合物。括弧に付した数値は、繰り返し単位の繰り返し数を表す。
Figure 2020066919
・樹脂N:下記構造を有する化合物。主鎖の括弧に付した数値は、各繰り返し単位のモル比を表し、側鎖の括弧に付した数値は、繰り返し単位の繰り返し数を表す。重量平均分子量は24000である。
Figure 2020066919
・樹脂O:下記構造を有する化合物。括弧に付した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。重量平均分子量は11000である。
Figure 2020066919
・分散剤D:DISPERBYK−161、BYKChemie社製。
<<着色組成物の調製と硬化膜の作製>>
下記表8〜10に示す原料を混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)を用いてろ過することにより、実施例56〜86の着色組成物を調製した。表中の含有量は質量部表示である。各着色組成物の固形分濃度(質量%。「固形分量」の欄に記載。)は、溶剤の配合量で調整した。また、表11に、各着色組成物についてM/I比(質量比)、M/IA1比(質量比)、および顔料濃度(質量%:固形分量に対する顔料の含有量の割合)を示す。そして、上記のとおり調製した着色組成物を用いて、実施例1と同様の方法により、硬化膜を作製して評価用基板を得た(実施例56〜86)。上記実施例の硬化膜の作製において、基板の温度は、全工程を通じて100℃以下である。
Figure 2020066919
Figure 2020066919
Figure 2020066919
Figure 2020066919
上記表8〜10に記載の原料は下記のとおりである。
(光重合開始剤)
・開始剤1〜4:それぞれ表1に関して説明した開始剤1〜4と同種の光ラジカル重合開始剤である。
(樹脂)
・樹脂A:表1に関して説明した樹脂Aと同種の樹脂である。
・樹脂C:表5に関して説明した樹脂Cと同種の樹脂である。
・樹脂D:下記構造の化合物(Mw=12000)をPGMEAに溶かした溶液。固形分量は30質量%である。主鎖に付記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。
Figure 2020066919
・樹脂E:下記構造の化合物(Mw=14000)をPGMEAに溶かした溶液。固形分量は30質量%である。主鎖に付記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。
Figure 2020066919
(フリル基含有化合物)
・F1:表1に関して説明したフリル基含有化合物F1と同種の化合物である。
(ラジカル重合性モノマー)
・M4:表5に関して説明したラジカル重合性モノマーM4と同種のモノマーである。
・M6:下記構造を有する化合物である。
Figure 2020066919
・M7:3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亞合成社製 OXT−221)。
・M8:(3−エチルオキセタン−3−イル)メタクリル酸メチル(宇部興産社製 ETERNACOLL OXMA)。
(界面活性剤)
・G1,G2:それぞれ表5に関して説明した界面活性剤G1,G2と同種の界面活性剤である。
(溶剤)
・PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・CyH:シクロヘキサノン
・BA:酢酸ブチル
<分光特性の安定性評価>
硬化膜を85℃85%の条件下に1000時間さらす高温高湿試験を実施し、試験前後の分光透過率を測定した。そして、波長400〜1100nmの範囲において、測定波長ごとに透過率の変化率を算出し、それらの変化率の中の最大値を指標に下記のとおり評価した。評価結果を表2〜4および6に示した。評価値が2以上であれば、分光特性の安定性として従来よりも優れているレベルといえる。
5:指標となる変化率が1%以下である。
4:指標となる変化率が1%より大きく2%以下である。
3:指標となる変化率が2%より大きく3%以下である。
2:指標となる変化率が3%より大きく4%以下である。
1:指標となる変化率が4%より大きい。
上記表2〜4,6および11に示すとおり、実施例の着色組成物を用いて形成した硬化膜は、分光特性の安定性に優れていた。
この結果、例えば、本発明の着色組成物を用いて形成したカラーフィルタを有機エレクトロルミネッセンス表示装置に組み込むことで、表示性能の安定性に優れた有機エレクトロルミネッセンス表示装置を得ることができる。
また、実施例2および4の比較から、下記式(III)で表される化合物由来の構造を有する、より具体的には、パラクミルフェノール基を有する樹脂Aが、より硬化膜の分光特性の安定性に寄与することがわかった。
また、実施例13および14の結果から、上記特定の光重合開始剤A1と、上記特定の光重合開始剤A2を併用することでも、硬化膜の分光特性の安定性に優れた組成物が得られることがわかった。
また、実施例37〜40の結果から、分散液中の顔料に対する顔料誘導体の含有量を0.5質量部以下にすることにより、より上記安定性に優れた組成物が得られることがわかった。

Claims (21)

  1. 着色剤、ラジカル重合性モノマー、および、光ラジカル重合開始剤を含有する着色組成物であって、
    前記着色組成物の全固形分中における前記光ラジカル重合開始剤の含有量が、3質量%以上であり、
    前記着色組成物は、350nm超380nm以下の波長を有する光を用いて、200mJ/cm2以上の露光量で露光し、全工程を通じて150℃以下の温度で硬化膜を形成するために用いられる、着色組成物。
  2. 前記光ラジカル重合開始剤の前記含有量が、9質量%以上である、
    請求項1に記載の着色組成物。
  3. 質量比で、前記着色組成物の全固形分中における前記ラジカル重合性モノマーの含有量Mと、前記光ラジカル重合開始剤の前記含有量Iとの比M/Iが、20以下である、
    請求項1または2に記載の着色組成物。
  4. 前記光ラジカル重合開始剤が、オキシム化合物を含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色組成物。
  5. 前記オキシム化合物の前記含有量が、10質量%以上である、
    請求項4に記載の着色組成物。
  6. 前記光ラジカル重合開始剤が、メタノール中での波長365nmの吸光係数が1.0×103mL/gcm以上である光重合開始剤A1と、メタノール中での波長365nmの吸光係数が1.0×102mL/gcm以下で、かつ、波長254nmの吸光係数が1.0×103mL/gcm以上である光重合開始剤A2とを含む、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色組成物。
  7. 前記光重合開始剤A1の前記含有量が、10質量%以上である、
    請求項6に記載の着色組成物。
  8. 質量比で、前記着色組成物の全固形分中における前記ラジカル重合性モノマーの含有量Mと、前記光重合開始剤A1の前記含有量IA1との比M/IA1が、20以下である、請求項6または7に記載の着色組成物。
  9. 前記光重合開始剤A1が、フッ素原子を含むオキシム化合物を含む、
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の着色組成物。
  10. 前記光重合開始剤A2が、ヒドロキシアルキルフェノン化合物を含む、
    請求項6〜9のいずれか1項に記載の着色組成物。
  11. 前記ヒドロキシアルキルフェノン化合物が、下記式(V)で表される化合物である、
    請求項10に記載の着色組成物;
    式(V):
    Figure 2020066919
    式中、Rv1は、置換基を表し、Rv2およびRv3は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表し、Rv2とRv3とが互いに結合して環を形成していてもよく、mは0〜5の整数を表す。
  12. 前記着色組成物の全固形分中における前記光重合開始剤A1と前記光重合開始剤A2の合計の含有量が5〜15質量%である、
    請求項6〜11のいずれか1項に記載の着色組成物。
  13. さらに、下記式(I)で表される化合物由来の繰り返し単位を含む樹脂を含有する、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の着色組成物;
    Figure 2020066919
    式中、X1は、OまたはNHを表し、
    1は水素原子またはメチル基を表し、
    1は2価の連結基を表し、
    10は置換基を表し、
    mは0〜2の整数を表し、
    pは0以上の整数を表す。
  14. さらに、フリル基を含む化合物を含有する、
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の着色組成物。
  15. 前記フリル基を含む化合物が、下記式(fur−1)で表される化合物、および、下記式(fur−1)で表される化合物由来の繰り返し単位を含む樹脂から選ばれる少なくとも1種である、
    請求項14に記載の着色組成物;
    式(fur−1):
    Figure 2020066919
    式中、Rf1は水素原子またはメチル基を表し、Rf2は2価の連結基を表す。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の着色組成物を支持体上に塗布して着色組成物層を形成する工程と、
    前記着色組成物層に対して、350nm超380nm以下の波長を有する光を200mJ/cm2以上の露光量で照射して、前記着色組成物層を露光する露光工程と、を有し、
    全工程を通じて150℃以下の温度下で、前記着色組成物層が硬化した膜である硬化膜を得る、硬化膜の形成方法。
  17. 前記露光工程における露光量が1J/cm2以上である、
    請求項16に記載の硬化膜の形成方法。
  18. 前記露光工程における露光照度が1000mW/cm2以上である、
    請求項16または17に記載の硬化膜の形成方法。
  19. 全工程を通じて100℃以下の温度下で前記硬化膜を得る、
    請求項16〜18のいずれか1項に記載の硬化膜の形成方法。
  20. 請求項16〜19のいずれか1項に記載の硬化膜の形成方法を含むカラーフィルタの製造方法。
  21. 請求項16〜19のいずれか1項に記載の硬化膜の形成方法を含む表示装置の製造方法。
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