JP2015025971A - カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ Download PDF

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真理 岩崎
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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、高明度・高コントラスト比、高耐熱性なカラーフィルタ用着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタを提供することにある。さらに、感光性着色組成物として用いた場合には、パターン形状や解像度など、良好なフィルタセグメントを形成する上で必要な性能のバランスが優れるカラーフィルタ用着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタを提供することである。【解決手段】前記課題は、着色剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを含むカラーフィルタ用着色組成物であって、該着色剤が、下記一般式(1)で表わされる色素単量体[A]を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物よって解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用顔料組成物、着色樹脂組成物、およびこれを用いて形成されてなるフィルタセグメントを備えるカラーフィルタに関するものである。
カラー液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となった。近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高コントラスト化、高明度化とともに、広い色再現領域や高い信頼性の要求も高くなっている。
その他の代表的な液晶表示装置の方式としては、一対の電極を片側の基板上に設けて基板に平行な方向に電解を印加するイン・プレーン・スイッチング(IPS)方式、負の誘電異方性をもつネマチック液晶を垂直配向させるヴァーティカリー・アライメント(VA)方式、また一軸性の位相差フィルムの光軸を互いに直交させ、光学補償を行っているオプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)方式等があり、それぞれが実用化されている。
一般的にカラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に形成された、赤色フィルタ層(R)、緑色フィルタ層(G)および青色フィルタ層(B)からなる微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメント(画素)を平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。また最近では、赤色フィルタ層(R)、緑色フィルタ層(G)、青色フィルタ層(B)に加えて、黄色フィルタ層(Y)からなるフィルタセグメントも使用されるようになっている。
カラーフィルタに要求される品質項目としては、コントラスト比と明度が挙げられる。コントラスト比が低いカラーフィルタを用いると、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまい、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ぼやけた画面となってしまう。そのため高品質な液晶表示装置を実現するためには、高コントラスト化が不可欠である。
また、明度が低いカラーフィルタを用いると、光の透過率が低いため、暗い画面となってしまい、明るい画面とするためには、光源であるバックライトの数を増量する必要がある。そのため消費電力の増大を抑制する観点から、カラーフィルタの高明度化がトレンドとなっている。
さらに、C−MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などに代表されるカラー撮像管素子は、その受光素子上に赤色フィルタ層(R)、緑色フィルタ層(G)および青色フィルタ層(B)の加法混合の原色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタをそれぞれ配設して色分解するのが一般的である。また、原色のカラーフィルタに比べ高感度が得られるため、赤色、緑色、青色の補色に相当する、シアン、マゼンタ、イエロー(CMY)のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタもよく用いられている。補色のカラーフィルタは、フラッシュなどの補助光源を利用しにくいビデオカメラ等で採用される場合が多い。
近年においては、カラー撮像管素子に用いられるカラーフィルタにおいても高透過率、すなわち明度や、高い信頼性といった要求が高まっている。
カラーフィルタの製造方法には、着色剤として染料、造塩染料を使った染色法、染料分散法や、着色剤として顔料を使った顔料分散法、印刷法、電着法などがある。このうち染色法、あるいは染料分散法は着色剤が染料であることから、耐熱性や耐光性にやや劣る欠点がある。よってカラーフィルタの着色剤としては耐熱性や耐光性に優れる顔料が用いられ、製造方法としては形成方法の精度や安定性から顔料分散法を用いる場合が多い。
顔料分散法は、樹脂中に着色剤である顔料粒子を分散させたものに感光剤や添加剤などを混合・調合することによってカラーレジスト化し、このカラーレジストを基板上にスピンコーターなどの塗布装置により塗膜形成し、アライナーやステッパー等によりマスクを介して選択的に露光を行い、アルカリ現像、熱硬化処理をすることによりパターニングし、この操作を繰り返すことによってカラーフィルタを作製する方法である。
従来、赤色フィルタセグメントの形成に用いられる着色剤には、アントラキノン系顔料(例えばC.I.ピグメント レッド 177)や、ジケトピロロピロール系顔料(例えばC.I.ピグメント レッド 254)が用いられてきた。これらの顔料は、機械的な処理によって容易に微細化することができ、さらに微細化された顔料を比較的容易に分散することができるため、コントラストや明度向上には有用である。さらに、高い明度と広い色再現領域を達成するため、これらの赤色顔料とC.I.ピグメント イエロー 138、139、150、185等の黄色顔料を着色剤として併用するのが一般的である。
緑色フィルタセグメントの形成に用いられる着色剤としては、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(例えば、C.I.ピグメント グリーン 36やC.I.ピグメント グリーン 7)が従来用いられていたが、近年は鮮明な色調と広い色表示領域を発揮し高い着色力を持つ色材である、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(例えば、C.I.ピグメント
グリーン58)がよく用いられてきている。さらに、高い明度と広い色再現領域を達成するため、これらの緑色顔料とC.I.ピグメント イエロー 138、139、150、185等の黄色顔料を併用して用いることが一般的である。
青色フィルタセグメントの形成に用いられる着色剤としては、銅フタロシアニン顔料とジオキサジン系顔料等を組み合わせて用いられることが一般的である。
カラーフィルタに求められる要求項目のうち、近年、特に重要視されているのが、省エネの観点から、高明度化である。しかし、明度に特化した品位向上では、コントラスト比や耐熱性(加熱工程による結晶析出)に影響が出てしまうため、全要求項目のバランスは維持しながら明度を向上させる術はまだ見出せておらず、上記のような顔料分散法では、近年求められるスペックには届かないのが現状である。
顔料で達成し得ない高コントラスト比・高明度化を実現するため、近年、染料系の色材に注目が集まっている。中でもローダミン色素、エオシン色素等のキサンテン系色素、ジフェニルメタン等のジアリールメタン系色素、トリフェニルメタン等のトリアリールメタンメタン系色素等は色特性に優位性があることから、高明度化を達成する材料として期待されている。また染料は、溶剤下において、顔料のような粒子状態ではなく溶解状態で存在するため、光散乱等が生じず、結果的に、従来の顔料同士の組み合わせた着色組成物より、コントラスト比の高いカラーフィルタが得られることが期待されている。
しかし、直接染料、酸性染料といった染料そのものを用いただけでは、発色性は良好であるものの耐熱性、耐光性に劣り、満足のいくものとはいえず、さらに、耐熱性、耐光性、耐溶剤性を向上させるため、例えばトリアリールメタン系染料と芳香族スルホン酸との造塩物やトリアリールメタン系塩基性染料をカラーフィルタ用着色剤として用いることも提案されているが、その分子量が小さいため耐久性が悪いという欠点があるなど、染料は顔料に比べメリットを多く有するが、それと同時に、改善すべき点も多く求められているのが現状である。
さらに近年、カラーフィルタに関してより一層の高濃度化も要求されており、使用する着色組成物中の着色剤濃度を上げる必要がある。しかし、着色組成物の着色剤濃度を上げることによって露光感度及び現像時の溶解性など、画像画線形成性に寄与する特性が相対的に低下してしまう。結果として現像時の非画線部の溶解性が悪化し、現像時に非画線部の着色組成物が溶解せずに残留したり、あるいはレジストが未溶解のまま剥離片として基板上に残存したりし、色ずれなどの原因となる可能性がある。その結果、カラーフィルタの品質低下及び生産時の歩留まり低下が問題となっている。
特開平6−75375号公報 特開平8−327811号公報 特開2000−162429号公報 特開2008−304766号公報 特開2001−81348号公報 特開2010−32999号公報 特開2009−265641 特開第2011−138095号公報
本発明が解決しようとする課題は、高明度・高コントラスト比、高耐熱性なカラーフィルタ用着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタを提供することにある。さらに、感光性着色組成物として用いた場合には、パターン形状や解像度など、良好なフィルタセグメントを形成する上で必要な性能のバランスが優れるカラーフィルタ用着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタを提供することにある。
本発明者らは、下記一般式(1)で表わされる色素単量体[A]とバインダー樹脂を用いることにより、高明度・高コントラスト比であり、かつ、良好なフィルタセグメントを形成する上で必要な性能のバランスが優れるカラーフィルタが得られることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、着色剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを含むカラーフィルタ用着色組成物であって、該着色剤が、下記一般式(1)で表わされる色素単量体[A]を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(1)
Figure 2015025971
[一般式(1)中、Qは有機色素骨格を表す。
Xは、直接結合、−R2−、−NH−R3−、−O−R3−、−CO−R3−、−COO−R3−、または−O−CO−R3−を表す。
1は、水素原子、またはメチル基を表す。
2は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のエステル結合(−COO−)およびエーテル結合(−O−)から選ばれる一種類以上の結合を少なくとも1つ含むアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−R4−O−R5−、−R4−CO−R5−、−R4−COO−R5、−R4−O−CO−R5−、−R4−O−CONH−R5−、または−R4−O−CO−R6−CO−R5−を表す。
3は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−R4−O−R5−、−R4−CO−R5−、−R4−O−CO−R5−、−R4−O−CONH−R5−、または−R4−O−CO−R6−CO−R5−を表す。R4およびR6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、または置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。R5は、置換もしくは無置換のアルキレン基、または−O−CH2−CHOH−CH2−を表す。]
また、本発明は、バインダー樹脂が、下記構成単位(b1)〜(b3)を有する樹脂[B]を含むことを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
(b1)カルボキシル基を有する構成単位:2〜60重量%
(b2)一般式(2)または一般式(3)に示す芳香族環基を有する構成単位:2〜80重量%
(b3)化学式(4)または化学式(5)に示す脂肪族環基を有する構成単位:2〜40重量%

一般式(2):
Figure 2015025971

一般式(3):
Figure 2015025971
[一般式(2)及び(3)中、R1は、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。]
化学式(4):
Figure 2015025971

化学式(5):
Figure 2015025971
また、本発明は、一般式(1)における有機色素骨格Qが、一般式(6)で示されるキサンテン系骨格、一般式(7−1)(7−2)(7−3)で示されるアントラキノン系骨格のいずれか1種の有機色素骨格である前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(6)
Figure 2015025971
[一般式(6)中、R31〜R34は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表し、R31とR32、およびR33とR34は、環構造を形成しても良い。R35は、各々独立に、1価の置換基を表し、mは、0から5の整数を表す。Y-は、無機または有機のアニオンを表す。
ここで、R31〜R35のいずれか1つは、Xとの結合手である。]
一般式(7−1)(7−2)(7−3)
Figure 2015025971

[一般式(7−1)、(7−2)、および(7−3)中、
41は水素原子、−ROH(Rは炭素数1〜5のアルキレン基)、−RCOOH(Rは炭素数1〜5のアルキレン基)、または置換基を有してもよいフェニル基を表す。R42〜R48は、各々独立に水素原子、水酸基、−NHR49(R49とR41は同義である)、SO3M基、ハロゲン原子、−COR’(R’は炭素数1−3のアルキル基を表す)である。
ここで、R41〜R48のいずれか1つは、Xとの結合手である。]
また、本発明は、樹脂[B]が、感光性樹脂であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、樹脂[B]が、構成単位(b2)の前駆体と、構成単位(b3)の前駆体と、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体とを反応させて共重合体(i1−1)を得て、次に得られた共重合体(i1−1)と不飽和1塩基酸とを反応させて共重合体(i1−2)を得て、さらに得られた共重合体(i1−2)と多塩基酸無水物とを反応させて得られる樹脂、または構成単位(b1)の前駆体と、構成単位(b2)の前駆体と、構成単位(b3)の前駆体とを反応させて共重合体(i2−1)を得て、次に得られた共重合体(i2−1)とエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体とを反応させて得られる樹脂であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、着色剤が、さらに、有機顔料[C]を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに、着色剤が、色素誘導体を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明によれば、高明度・高コントラスト比であり、かつ、良好なフィルタセグメントを形成する上で必要な性能のバランスが優れるカラーフィルタを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する。
≪着色剤≫
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤として、一般式(1)で記載される色素[A]を含むことを特徴とする。また、さらに有機顔料[C]を併用して用いることも好ましいものである。一般式(1)で示されるような色素単量体[A]は、末端に官能基を付加した効果により、通常の染料より有機溶剤への溶解性が向上するほか、耐熱性など堅牢性の向上にも寄与するため、カラーフィルタ用着色組成物として好適となる。
<色素単量体[A]>
一般式(1)
Figure 2015025971
一般式(1)中、Qは有機色素骨格を表す。
Xは、直接結合、−R2−、−NH−R3−、−O−R3−、−CO−R3−、−COO−R3−、または−O−CO−R3−を表す。
1は、水素原子、またはメチル基を表す。
2は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のエステル結合(−C
OO−)もしくはエーテル結合(−O−)から選ばれる一種類以上の結合を少なくとも1つ含むアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−R4−O−R5−、−R4−CO−R5−、−R4−COO−R5、−R4−O−CO−R5−、−R4−O−CONH−R5−、または−R4−O−CO−R6−CO−R5−を表す。
3は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−R4−O−R5−、−R4−CO−R5−、−R4−O−CO−R5−、−R4−O−CONH−R5−、または−R4−O−CO−R6−CO−R5−を表す。R4およびR6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、または置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。R5は、置換もしくは無置換のアルキレン基、または−O−CH2−CHOH−CH2−を表す。
本発明における、「置換基」としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。したがって、置換基を有してもよいフェニル基の具体例としては、フェニル基、p-メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3−カルバモイルフェニル基、2−クロロ−4−カルバモイルフェニル基、2−メチル−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−メチル−3−スルファモイルフェニル基、4−スルホフェニル基、4−カルボキシフェニル基、2−メチル−4−スルホフェニル基のほか、後述の有機色素骨格Qなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中、R2〜R6における置換もしくは無置換のアルキレン基としては、下記置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1から30の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から30であり、エステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)から選ばれる一種類以上の結合を少なくとも1つ含む直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基から1個の水素原子を除いて出来る2価の基が挙げられる。
一般式(1)中、炭素数1から30の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘキシルドデシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中、炭素数2から30であり、エステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)から選ばれる一種類以上の結合を少なくとも1つ含む直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH(−CH3)−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−OCO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−(CH2)5−COO−(CH211−CH3、−CH2−CH2−CH2−CH−(COO−CH2−CH3) 2、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8の整数である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5の整数である)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−CH2−CH−(OCH32、−CH2−CH2−COO−CH2−CH2−O−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CO−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−CH2−CH2−COO−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中、炭素数2から30であり場合により、エステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)から選ばれる一種類以上の結合を少なくとも1つ含む単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2015025971
一般式(1)中、R2〜R6における置換もしくは無置換のアルケニレン基としては、下記置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられる。それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよい。具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基から1個の水素原子を除いて出来る2価の基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中、R2〜R6における置換もしくは無置換のアリーレン基としては、炭素数6〜30を有する置換もしくは無置換のヘテロ原子を含んでもよい単環または縮合多環芳香族基であり、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、p−ビフェニル基、m−ビフェニル基、2−アントリル基、9−アントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、9−フルオレニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、3−ペリレニル基、ターフェニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ナフトチエニル基、フリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾイル基、ピリジル基、インドール基、チアゾール基から1個の水素原子を除いて出来る2価の基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中、R2〜R6における置換もしくは無置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基の水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。
そのような置換基としては、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基が挙げられる。ここで、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(1)中、Xは、直接結合、−R2−、−O−R3−、または−COO−R3−であることが好ましく、直接結合、無置換のアルキレン基、−COO−R3−(R3は炭素数1〜5のアルキレン基)、または−R4−O−R5−(R4およびR5は各々独立して炭素数1〜5のアルキレン基)、であることがより好ましい。
<有機色素骨格・Q>
一般式(1)中の有機色素骨格・Qとしては、特に制限はなく、公知の色素構造を含む種々のものを適用することができる。公知の色素構造としては、例えば、アゾ色素、アゾメチン色素(インドアニリン色素、インドフェノール色素など)、ジピロメテン色素、キノン色素(ベンゾキノン色素、ナフトキノン色素、アントラキノン色素、アントラピリドン色素など)、カルボニウム色素(ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、アクリジン色素など)、キノンイミン色素(オキサジン色素、チアジン色素など)、アジン色素、ポリメチン色素(オキソノール色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、スチリル色素、シアニン色素、スクアリリウム色素、クロコニウム色素など)、キノフタロン色素、フタロシアニン色素、サブフタロシアニン色素、ペリノン色素、インジゴ色素、チオインジゴ色素、キノリン色素、ニトロ色素、ニトロソ色素、及びそれらの金属錯体色素から選ばれる色素に由来する色素構造などを挙げることができる。
これらの色素構造の中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ色素、ジピロメテン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、シアニン色素、スクアリリウム色素、キノフタロン色素、フタロシアニン色素、サブフタロシアニン色素から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、シアニン色素、スクアリリウム色素、キノフタロン色素、フタロシアニン色素、サブフタロシアニン色素から選ばれる色素に由来する色素構造が最も好ましい。色素構造を形成しうる具体的な色素化合物については「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善、1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)、「色素ハンドブック」(大河原他編;講談社、1986)などに記載されている。
Qは、キサンテン系、およびアントラキノン系からなる群から選択される有機色素であることが好ましい。
これら有機色素としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等いずれを用いても良いが、酸性染料、直接染料、油溶性染料、塩基性染料、を用いることが、反応性に優れ、色素単量体(A1)を容易に生成することができるために好ましい。
キサンテン系、およびアントラキノン系有機色素の中でも、Qが、一般式(2)で表されるキサンテン系染料、および一般式(3)で表されるアントラキノン系染料からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが、透明性、およびコントラスト比に優れたものとすることができるために好ましい。
(キサンテン系染料)
キサンテン系染料とは、キサンテン環を含む染料であり、水酸基を含む酸性形(フルオレセインの類)、アミノ基を含む塩基性形(ローダミンの類)、その混合系(ロドールの類)に大別される。その大部分は塩基性染料または酸性染料に属し、著しく鮮明な色調を有している。中でも色調の点でローダミン染料が好ましいものである。
キサンテン系染料のなかでも、一般式(6)で表されるキサンテン系染料は、明度および耐性に優れるために好ましいものである。
一般式(6)
Figure 2015025971
一般式(6)中、R31〜R34は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表し、R31とR32、およびR33とR34は、環構造を形成しても良い。R35は、各々独立に、1価の置換基を表し、mは、0から5の整数を表す。Y-は、無機または有機のアニオンを表す。ここで、R31〜R35のいずれか1つは、Xとの結合手である。
一般式(6)におけるR31〜R34及びR35が取りうる置換基を、下記置換基群Aで示す。
(置換基群A)
置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基などが挙げられる。以下詳細に記述する。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖もしくは分岐のアルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチルが挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が特に好ましい。)、
直鎖もしくは分岐のアルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルが挙げられ、多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)やトリシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい。)アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N'−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、
アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、官能基中の水素原子の部分が、上記いずれかの基で置換されていてもよい。置換基として導入可能な官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
一般式(6)中のR31とR32、R33とR34、及びmが2以上の場合のR35同士は、各々独立に、互いに結合して5員、6員若しくは7員の飽和環、又は5員、6員若しくは7員の不飽和環を形成していてもよい。形成される5員、6員又は7員の環が、さらに置換可能な基である場合には、前記R31〜R35で説明した置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(6)中のR31とR32、R33とR34、及びmが2以上の場合のR35同士は、各々独立に、互いに結合して、置換基を有しない5員、6員並びに7員の飽和環又は5員、6員並びに7員の不飽和環を形成する場合、置換基を有しない5員、6員並びに7員の飽和環又は5員、6員並びに7員の不飽和環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環が挙げられる。
特に、R32及びR33は水素原子であり、R31及びR34は置換又は無置換のフェニル基であることが好ましい。また、R35はハロゲン原子、炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキル基、スルホ基、スルホンアミド基、カルボキシル基であることが好ましい。R31及びR34のフェニル基が有する置換基は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキル基、スルホ基、スルホンアミド基、カルボキシル基であることが最も好ましい。
Xとの結合手は、R35であることが好ましい。
(カウンター・アニオンY-
-は無機または有機のアニオンを表し、アニオンイオンを有するものであれば、いずれも使用可能である。
代表的なものとしては、カルボン酸イオン、ハロゲン化物イオン(クロライドイオン、ブロマイドイオンなど)、トリフラートイオン、硫酸イオン、有機スルホネートイオン(例えば炭素数1〜20のアルキルスルホネート、ベンゼンスルホネートなど)、脂肪酸イオン(炭素数1〜20の脂肪族カルボキシレートなど)、安息香酸イオン、しゅう酸イオン、過ハロゲン酸イオン、チオシアン酸イオン、フッ素基含有リンアニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、シアノ基含有窒素アニオン、スルホン酸基含有窒素アニオン、またはハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオンなどが挙げられ、好ましく用いることができる。
中でも、フッ素基含有リンアニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、シアノ基含有窒素アニオン、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するものが、耐性付与の面から特に好ましい。
フッ素基含有リンアニオンとしては、PF6- 、(CF33 PF3 - 、(C2 52 PF4 - 、(C25 3 PF3 - 、[(CF32 CF]2 PF4 - 、[(CF32 CF]3 PF3ー、(n−C372 PF4 - 、(n−C37 3 PF3 - 、(n−C49 3 PF3 - 、(C2 5 )(CF32 PF3 - 、[(CF32 CFCF22 PF4 - 、[(CF3 2 CFCF23 PF3 - 、(n−C4 92 PF4 - 、(n−C493 PF3 - 、(C2 4 H)(CF3 2 PF3 - 、(C232 3 PF3 - 、(C25 )(CF32 PF3 - 等が挙げられる。中でも、PF6 - 、(C25 2 PF4 - 、(C25 3 PF3 - 、(n−C373 PF3 - 、(n−C49 3 PF3 - 、[(CF3 2 CF]3 PF3 - 、[(CF3 2 CF]2 PF4 - 、[(CF32 CFCF2 3 PF3 - 、[(CF3 2 CFCF2 2 PF4 - が好ましい。
フッ素基含有ホウ素アニオンとしては、BF4 - 、(CF3 4 - 、(CF3 3 BF- 、(CF3 2 BF2 - 、(CF3 )BF3 - 、(C2 5 4 - 、(C2 5 3 BF- 、(C25 )BF3 - 、(C2 52 B F2 - 、(CF3 )(C2 52 BF- 、(C6 54 - 、[(CF3 2634 - 、(CF364 4- 、(C652 BF2 - 、(C6 5 )BF3 - 、(C6 3 24- 、B(CN)4 - 、B(CN)F3 - 、B(CN)22 -、B(CN)3 - 、(CF3 3 B(CN)- 、(CF32 B(CN)2 - 、(C2 5 3 B(CN)- 、(C2 5 2B(CN)2 - 、(n−C373 B(CN)- 、(n−C49 3 B(CN)- 、(n−C492 B(CN)2 - 、(n−C63 3 B(CN)- 、(CHF23 B(CN) - 、(CHF2 2 B(CN)2 - 、(CH2 CF3 3 B(CN)- 、(CH2 CF32 B(CN)2 - 、(CH22 5 3 B(CN)- 、(CH2252 B(CN)2 - 、(CH2 CH2 372 B(CN)2 - 、(n−C3 7 CH22 B(CN)2 - 、(C65 3 B(CN)- 等が挙げられる。中でも、BF4 - 、B(CN)3 - 、(CF3)4- 、(C654-、[(CF3 26 3 4 - 、が好ましい。
シアノ基含有窒素アニオンとしては、[(CN)2 N]- 、[(FSO22 N]- 、[(FSO2 )N(CF3 SO2 )]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N{(CF3 2 CFSO2 }]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 CF2 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N{(CF32 CFCF2 SO2 }]- 、[(FSO2 )N{CF3 CF2 (CF3 )CFSO2 }]- 、[(FSO2 )N{(CF3 3 CSO2 }]- 等が挙げられる。中でも、[(CN)2 N]- が特に好ましい。
ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基としては、特に限定されるものではないが、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸としては、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有するスルホン酸(−SO3 H)、スルホンイミド酸(−SO2 NHSO2 −)等を挙げることができる。
Figure 2015025971
Figure 2015025971
以下に、キサンテン系染料の具体例として、下記の酸性染料、油溶性染料、塩基性染料等を挙げるが、これらに制限されるものではない。
[キサンテン系酸性染料]
キサンテン系酸性染料としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
[キサンテン系油溶性染料]
キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、またはC.I.ソルベントバイオレット10等が挙げられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
[キサンテン系塩基性染料]
キサンテン系塩基性染料としては、C.I. ベーシック レッド 1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I. ベーシック バイオレット 10(ローダミンB)、11等があげられる。中でも発色性に優れる点において、C.I. ベーシック レッド 1、C.I. ベーシック バイオレット 10、11を用いることが好ましい。
(アントラキノン系染料)
アントラキノン系染料は、アントラキノン骨格を有するものであれば、制限されないが、ジアミノアントラキノン骨格を有するアントラキノン系染料が、耐熱性、耐光性を有しながら、発色性、色再現性、高明度を呈することの点において好ましいものである。これらが耐熱性、耐光性に優れる理由は、アントラキノン骨格のカルボニル基の部分と、アミノ基の部分とが水素結合で結合することで構造が安定することと推測される。
アントラキノン系染料のなかでも、一般式(7−1)、(7−2)、および(7−3)で表されるアントラキノン系染料は、明度および耐性に優れるために好ましいものである。
一般式(7−1)(7−2)(7−3)
Figure 2015025971
一般式(7−1)、(7−2)、および(7−3)中、
41は水素原子、−ROH(Rは炭素数1〜5のアルキレン基)、−RCOOH(Rは炭素数1〜5のアルキレン基)、または置換基を有してもよいフェニル基を表す。R42〜R48は、各々独立に水素原子、水酸基、−NHR49(R49とR41は同義である)、SO3M基、ハロゲン原子、−COR’(R’は炭素数1−3のアルキル基を表す)である。
ここで、R41〜R48のいずれか1つは、Xとの結合手である。
一般式(7−1)、(7−2)、および(7−3)中の、R41は、−ROH(Rは炭素数1〜5のアルキレン基)、−RCOOH(Rは炭素数1〜5のアルキレン基)、置換基を有してもよいフェニル基であることが好ましい。R42〜R48は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、またはアルコキシ基であることが好ましい。
Xとの結合手は、R41、R48のいずれかであることが好ましく、より好ましくはR41である。
「置換基」としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。したがって、置換基を有してもよいフェニル基の具体例としては、フェニル基、p-メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3−カルバモイルフェニル基、2−クロロ−4−カルバモイルフェニル基、2−メチル−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−メチル−3−スルファモイルフェニル基、4−スルホフェニル基、4−カルボキシフェニル基、2−メチル−4−スルホフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アントラキノン系染料の具体例としては、下記の酸性染料、油溶性染料を挙げることができるが、これらに制限させるものではない。
[アントラキノン系酸性染料]
アントラキノン系酸性染料としては、C.I. アシッドブルー23、25、27、35、40、41、43、45、47、49、51、53、55、56、62、68、69、78、80、81:1、11、124、127、127:1、140、150、175、215、230、277、344、C.I. アシッドバイオレット41、42、43、C.I. アシッドグリーン25、27、またはダイレクトバイオレット17等が挙げられる。
[アントラキノン系油溶性染料]
アントラキノン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド172、222、C.I.ソルベントバイオレット60等が挙げられる。
<色素単量体[A]の製造方法>
本発明の色素単量体[A]の合成方法としては、官能基を有する有機色素の基本骨格に一般的な有機合成手法によって重合性部位を導入するか、有機色素の合成原料に重合性部位を導入した後に、染料を合成することによって得ることができる。
例えば、ヒドロキシル基を有する有機色素と、重合性基を有するカルボン酸クロライドを反応させて両者をエステル結合させることにより、色素単量体[Aを製造することができる。あるいは、カルボキシル基を有する有機色素とエポキシ基を有する重合性化合物もしくはヒドロキシル基を有する重合性化合物等を反応させることにより、色素単量体[Aを製造することができ、従来公知のどのような方法を用いても、本発明の色素単量体[Aが得られれば、制限はない。
原料として用いることのできる有機色素について、酸性染料、油溶性染料、塩基性染料等を挙げることができるが、得られた色素単量体が、一般式(1)に表される構造を有するものであれば、どのような有機色素、および化合物等を用いて合成したものであっても、制限はない。
(色素単量体[A]の造塩化合物、誘導体)
色素単量体[A]は、良好な分光特性を有し、発色性に優れるものの、耐光性、耐熱性に問題があり、高い信頼性が要求されるカラーフィルタを使用する画像表示装置に用いるには、その特性は十分なものではない場合がある。
そのため、これらの欠点を改善するために、塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸を用いて造塩化して用いることが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましい。中でもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸を用いることが耐性の面で好ましい。
また、酸性染料、直接染料の形態の場合は、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、及びこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることが耐性の面で好ましい。
これらの中でも特に、酸染料の造塩化合物および/または酸性染料のスルホン酸アミド化合物が耐性、顔料との併用性に優れているために好ましく、さらに酸性染料を、カウンタイオンとしてはたらくカウンター成分である四級アンモニウム塩化合物を用いて造塩化した化合物を用いることがより好ましいものである。
<その他の着色剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、さらに、その他の着色剤を併用して用いてもよい。その他の着色剤としては、染料、または有機顔料である。
(有機顔料[C])
その他の着色剤と併用する場合には、中でも有機顔料[C]を用いることが色相の調整、および耐性向上のために好ましい。色素単量体[A]と有機顔料[C]とを併用する場合、色素単量体[A]と有機顔料[C]との使用割合は、有機顔料[C]100重量部に対し色素単量体[A]が1〜80重量部であることが好ましい。より好ましくは5〜60重量部である。色素単量体[A]の添加量がこの範囲にある場合、色相、および再現可能な色度領域も優れた組成物とすることができる。
併用する顔料としては、各色のフィルタセグメントごとに下記のものが用いられる。
(赤色フィルタセグメントを形成する顔料)
赤色フィルタセグメントを形成する赤色顔料としては、以下に述べる赤色顔料、または赤色染料を併用して用いることができる赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、149、166、168、169、176、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、221、242、246、254、255、264、268、269、270、272、273、274、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、または287等が用いられる。中でもC.I.ピグメントレッド177、242、254、269を用いることが好ましい。
赤色フィルタセグメント形成のためには、さらに、黄色または橙色顔料を併用しても良い。黄色または橙色顔料としては、以下に述べる黄色顔料、橙色顔料等が挙げられる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、また
は221等が用いられる。橙色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ38、43、71、または73等が用いられる。
これらの顔料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明における赤色フィルタセグメントに用いられる着色剤として有機顔料[C]と併用して用いる場合、色再現域・耐性などの観点から、赤色顔料または橙色顔料と色素単量体[A]とを併用することが好ましい。本発明に使用する赤色顔料または橙色顔料としては、明度、コントラスト比の観点から、C.I.ピグメントレッド254、177、242、269またはC.I.ピグメント オレンジ38が特に好ましい。これらの有機顔料[C]と色素単量体[A]とを併用して用いることで、明度・コントラスト比・耐性いずれにも優れた赤色着色組成物の提供が可能となる。
(青色フィルタセグメントを形成する顔料)
青色フィルタセグメントを形成する顔料としては、青色顔料として、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、1:3、2、2:1、2:2、3、8、9、10、10:1、11、12、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、18、19、22、24、24:1、53、56、56:1、57、58、59、60、61、62、64等の青色顔料、および/またはC.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
本発明における青色フィルタセグメントに用いられる着色剤として有機顔料[C]と併用して用いる場合、色再現域・耐性などの観点から、青色顔料と色素単量体[A]とを併用することが好ましい。本発明に使用する青色顔料としては、明度、コントラスト比の観点から、C.I.ピグメント ブルー15:1、15:6が特に望ましく、また色素単量体[A]としては、ローダミン系色素、トリフェニルメタン系色素を用いることが好ましい。これらの色素単量体[A]を組み合わせることで、明度・コントラスト比・耐性に優れた青色着色組成物の提供が可能となる。
(緑色フィルタセグメントを形成する顔料)
緑色フィルタセグメントを形成する顔料としては、C.I.ピグメント グリーン7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができる。中でもC.I.ピグメントグリーン36、58を用いることが好ましい。
また緑色着色組成物には、C.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、1
0、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を併用することができる。
これらの中でも、C.I.ピグメント イエロー138、150等を用いることが好ましい。
本発明における緑色フィルタセグメントに用いられる着色剤として有機顔料[C]と併用して用いる場合、色再現域・耐性などの観点から、緑色顔料と色素単量体[A]とを併用することが好ましい。本発明に使用する緑色顔料としては、明度、コントラスト比の観点から、C.I.ピグメント グリーン36、58が特に望ましく、また色素単量体[A]としては、黄色を呈する染料が好ましく、特にキノリン系色素を用いることが好ましい。これらの色素単量体[A]を組み合わせることで、明度・コントラスト比・耐性に優れた緑色着色組成物の提供が可能となる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物において、全不揮発成分に対する着色剤濃度は、充分な色再現性を得る観点から10〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜85重量%であり、最も好ましくは20〜80重量%である。着色剤成分の濃度が、10重量%未満になると、十分な色再現性を得ることができない場合があり、90重量%を超えるとバインダー樹脂などの着色剤担体の濃度が低くなり、着色組成物の安定性が悪くなる場合がある。
(顔料の微細化)
本発明で併用してもよい有機顔料[C]は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式または連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料の全重量100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料の全重量100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料の全重量100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
顔料をソルトミリング処理(微細化)する際に、同時に本発明の色素単量体[A]を添加することも好ましいものである。顔料を微細化する際に、共に添加することで良好な着色剤とすることができる。
(染料)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物の着色剤として、さらに染料を使用しても良い。着色剤に使用可能な染料としては、特に限定されるものではなく、公知の染料を使用することができる。例えば、油溶性染料、酸性染料、酸性染料のアミン塩や酸性染料のスルホンアミド誘導体などが挙げられる。目的とする分光に合わせて、染料種を選択することができる。
前記の染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。
具体的には、C.I.ソルベントイエロー4(以下、C.I.ソルベントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、162、C.I.ソルベントレッド45、49、125、130、C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56、62、C.I.ソルベントブルー35、37、59、67、C.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35などが挙げられる。
またC.I.アシッド染料として、C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251、C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、66、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、182、183、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、195、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、394、401、412、417、418、422、426、C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173、C.I.アシッドブルー1、7、9、15、18、23、25、27、29、40、42、45、51、62、70、74、80、83、86、87、90、92、96、103、112、113、120、129、138、147、150、158、171、182、192、210、242、243、256、259、267、278、280、285、290、296、315、324:1、335、340、C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、17、19、C.I.アシッドグリーン1、3、5、9、16、25、27、50、58、63、65、80、104、105、106、109などの染料が挙げられる。
またC.I.ダイレクト染料として、C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141、C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250、C.I.ダイレクトオレンジ34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107、C.I.ダイレクトブルー57、77、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、166、167、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、196、198、199、200、207、209、210、212、213、214、222、228、229、237、238、242、243、244、245、247、248、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293、C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104、C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82などの染料が挙げられる。
さらに、C.I.モーダント染料として、C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65、C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95、C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48、C.I.モーダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83、84、C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58、C.I.モーダントグリーン1、3、4、5、10、15、19、26、29、33、34、35、41、43、53などの染料が挙げられる。
また、着色剤に使用するのに好適な染料としては、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、シアニン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、スクワリリウム染料及びフタロシアニン染料などが挙げられる。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂等が挙げられ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。バインダー樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上と耐溶剤の改善を目的に、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。中でもアクリル樹脂を用いることが好ましい。
これらの中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、カルド化合物、およびフェノール化合物といった、低分子化合物でもよく、本発明はこれに限定されるものではない。このような熱硬化性樹脂を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に樹脂が反応し、塗膜の架橋密度を高め、耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられるという効果が得られる。
これらの中でも、エポキシ樹脂、カルド樹脂、またはメラミン樹脂が好ましい。
(感光性樹脂)
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
(樹脂[B])
本発明の着色組成物に含まれるバインダー樹脂は、下記構成単位(b1)〜(b3)を有する樹脂[B]を含むことがより好ましい。
(b1);カルボキシル基を有する構成単位:2〜60重量%
(b2);一般式(2)または一般式(3)に示す芳香族環基を有する構成単位:2〜80重量%
(b3);化学式(4)または化学式(5)に示す脂肪族環基を有する構成単位:2〜40重量%
一般式(2):
Figure 2015025971
一般式(3):
Figure 2015025971
[一般式(2)及び(3)中、R1は、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。]
化学式(4):
Figure 2015025971
化学式(5):
Figure 2015025971
以下に、構成単位(b1)、構成単位(b2)、及び構成単位(b3)について、順に説明する。本明細書においては、各構成単位の含有重量%は各構成単位を樹脂[B]にもたらす前駆体の重量%である。
[構成単位(b1)]
構成単位(b1)は、カルボキシル基を有し、現像時、アルカリ可溶性部位として機能する。樹脂[B]の全構成単位の重量を基準として、構成単位(b1)は、現像性の観点から、2〜60重量%である。2重量%未満では、アルカリ性現像液による未露光部分の除去性が不十分となり、60重量%を越えると、アルカリ現像液への溶解速度が速くなり、露光部分まで溶解してしまう。
カルボキシル基を有する構成単位(b1)の前駆体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、若しくはα−クロルアクリル酸等の不飽和モノカルボン酸、またはマレイン酸、若しくはフマル酸等の不飽和ジカルボン酸等のカルボキシル基を含有しかつエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。また、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸の無水物をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも使用できる。この中でも、重合性(分子量等のコントロールしやすさ)の観点から、(メタ)アクリル酸がより好ましく、特にメタクリル酸が最も好ましい。これらは、単独でも、2種類以上の併用でも使用できる。
[構成単位(b2)]
構成単位(b2)は、一般式(2)及び一般式(3)に示す芳香族環基による環状構造を有し、顔料または顔料と分散剤等とからなる顔料組成物に対する親和性部位として機能する。樹脂[B]の全構成単位の重量を基準として、構成単位(b2)は、現像性と分散安定性、耐薬品性の観点から、2〜80重量%である。2重量%未満では、現像性と分散安定性および耐薬品性が低下し、また、80重量%を越えると、アルカリ現像液への溶解速度が遅くなり、現像時間が長く、生産性が悪くなる。
一般式(2):
Figure 2015025971
一般式(3):
Figure 2015025971
[一般式(2)及び(3)中、R1は、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。]
構成単位(b2)の前駆体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、インデン、アセチルナフテン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル等のモノマー・オリゴマー、または一般式(8)に示すエチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
一般式(8):
Figure 2015025971
[一般式(8)中、R6は、水素原子、またはメチル基であり、R7は、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、R8は、ベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、nは、1〜15の整数である。]
一般式(8)に示されるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
第一工業製薬社製ニューフロンティア CEA〔EO変性クレゾールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:メチル基、n=1または2、〕、NP−2〔n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n=2〕、N−177E〔n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n=16〜17〕、若しくはPHE〔フェノキシエチルアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、
ダイセル社製、IRR169〔エトキシ化フェニルアクリレート(EO 1mol)、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、またはEbecryl110〔エトキシ化フェニルアクリレート(EO 2mol)、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=2〕、
東亞合成社製アロニックス M−101A〔フェノールEO変性(n≒2)アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n≒2〕、M−102〔フェノールEO変性(n≒4)アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n≒4〕、M−110〔パラクミルフェノールEO変性(n≒1)アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:パラクミル、n≒1〕、M−111〔n−ノニルフェノールEO変性(n≒1)アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n≒1〕、M−113〔n−ノニルフェノールEO変性(n≒4)アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n≒4〕、若しくはM−117〔n−ノニルフェノールPO変性(n≒2.5)アクリレート、R6:水素原子、R7:プロピレン基、R8:n−ノニル基、n≒2.5〕、
共栄社製ライトアクリレート PO−A〔フェノキシエチルアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、P−200A〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n≒2〕、NP−4EA〔ノニルフェノールEO付加物アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n≒4〕、若しくはNP−8EA〔〔ノニルフェノールEO付加物アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n≒8〕、またはライトエステル PO〔フェノキシエチルメタクリレート、R6:メチル基、R7:プロピレン基、R8:水素原子、n=1〕、
日油社製ブレンマー ANE−300〔ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:−ノニル基、n≒5〕、ANP−300〔ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:プロピレン基、R8:n−ノニル基、n≒5〕、43ANEP−500〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基及びプロピレン基、R8:−ノニル基、n≒5+5〕、70ANEP−550〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基及びプロピレン基、R8:n−ノニル基、n≒9+3〕、75ANEP−600〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基及びプロピレン基、R8:n−ノニル基、n≒5+2〕、AAE−50〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、AAE−300〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n≒5.5〕、PAE−50〔フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、R6:メチル基、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、PAE−100〔フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、R6:メチル基、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=2〕、若しくは43PAPE−600B〔フェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−メタクリレート、R6:メチル基、R7:エチレン基及びプロピレン基、R8:水素原子、n≒6+6〕、
新中村化学社製NK ESTER AMP−10G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO1mol)、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、AMP−20G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO2mol)、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n≒2〕、AMP−60G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO6mol)、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n≒6〕、PHE−1G〔フェノキシエチレングリコールメタクリレート(EO1mol)、R6:メチル基、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、
大阪有機化学社製ビスコート #192〔フェノキシエチルアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、あるいは、
日本化薬製SR−339A〔2−フェノキシエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕,若しくはSR−504(エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
一般式(8)で示されるエチレン性不飽和単量体において、R8のアルキル基の炭素数は1〜20であるが、より好ましくは1〜10である。アルキル基は、直鎖状アルキル基だけでなく、分岐状アルキル基及び置換基としてベンゼン環を有するアルキル基も含まれる。R8のアルキル基の炭素数が1〜10のときはアルキル基が障害となりITOエッチング液、Metalエッチング液などの浸透を抑制し耐薬品性が高まるが、炭素数が10を超えると、アルキル基の立体障害効果が高くなり、基材との密着をも妨げる傾向を示す。この傾向は、R8のアルキル基の炭素鎖長が長くなるに従い顕著となり、炭素数が20を超えると、基材との密着が極端に低下する。R8で表されるベンゼン環を有するアルキル基としては、ベンジル基、2−フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。側鎖ベンゼン環が一つ増えることによって、耐薬品性がより改善され、現像性も向上する。
一般式(8)で示されるエチレン性不飽和単量体において、nは、1〜15の整数が好ましい。nが15を越えると、親水性が増して溶媒和の効果が小さくなると共に、樹脂[B]の粘度が高くなり、これを用いた感光性組成物の粘度も高くなり、流動性に影響を与える場合がある。溶媒和の観点から、nは、1〜4が特に好ましい。
構成単位(b2)の前駆体としては、他の前駆体との共重合性の観点、及び耐薬品性の観点から、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、または一般式(8)で示されるエチレン性不飽和単量体が好ましい。これらは、樹脂[B]の側鎖にベンゼン環を導入できるので特に好ましい。ビニル系樹脂の側鎖にベンゼン環を導入することよって、側鎖ベンゼン環が、顔料に配向するため、顔料への樹脂吸着を促し、更に顔料の凝集を抑える働きもする。更に、ベンジルアクリレート及び/またはベンジルメタクリレートは、現像性と分散安定性の観点から、最も好ましい。
[構成単位(b3)]
構成単位(b3)は、化学式(4)及び化学式(5)に示す脂肪族環基による環状構造を有し、顔料または顔料と分散剤等とからなる顔料組成物に対する親和性部位として、及び、アルカリ現像液に対する疎水性部位として機能する。樹脂[B]の全構成単位の重量を基準として、構成単位(b3)は、現像性と分散安定性、耐薬品性付与の観点から、2〜40重量%である。2重量%未満では、顔料または顔料と分散剤等とからなる顔料組成物に対する親和性部位が不足することで、分散不良となり低コントラスト比になり、高品質なカラーフィルタが得られないことや、カラーフィルタ用着色組成物の保存安定性が悪くなるといった問題が生じる。また、現像時の疎水性が不足するために画素部のパターン剥れや欠けの問題が生じる場合がある。40重量%を越えると、アルカリ現像液への溶解速度が遅くなり、現像時間が長くカラーフィルタの生産性が悪くなる場合がある。
化学式(4):
Figure 2015025971
化学式(5):
Figure 2015025971
構成単位(b3)の前駆体としては、一般式(9)に示すエチレン性不飽和単量体、または一般式(10)に示すエチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
一般式(9):
Figure 2015025971
一般式(10):
Figure 2015025971
[一般式(9)、一般式(10)中、R9は、水素原子、またはメチル基であり、R10は、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、mは、1〜15の整数である。]
一般式(9)に示されるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
日立化成社製ファンクリル FA−513A〔ジシクロペンタニルアクリレート、R9:水素原子、R10:なし、m=0〕、またはFA−513M〔ジシクロペンタニルメタクリレート、R9:メチル、R10:なし、m=0〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
一般式(10)に示される不飽和エチレン製単量体としては、例えば、
日立化成社製ファンクリル FA−511A〔ジシクロペンテニルアクリレート、R9:水素原子、R10:なし、m=0〕、FA−512A〔ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、R9:水素原子、R10:エチレン基、m=1〕、FA−512M〔ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、R9:メチル基、R10:エチレン基、m=1〕、またはFA−512MT〔ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、R9:メチル基、R10:エチレン基、m=1〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
[その他の構成単位]
その他の構成単位は、構成単位(b1)、構成単位(b2)、及び構成単位(b3)以外の構成単位であれば、制限されない。しかし、その他の構成単位の主な機能は、現像性を与えることであるため、耐薬品性の機能を有する構成単位(b2)の側鎖の比較的大きな前記環構造に対して、小さな構造をとることが好ましい。これにより耐薬品性がある大きな構造の側鎖を有する構成単位(b2)の特性を保持しつつ、現像性を付与できると考えられる。
その他の構成単位の前駆体としては、例えば、
メチル(メタ)メタアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチルアクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、t−ペンチル(メタ)アクリレート、1−メチルブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプタ(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、またはオレイル(メタ)アクリレート等のアルキルまたはアルケニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル、ジメチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等のモノマー・オリゴマーが挙げられるが、目的に応じて、これらに限定することなく他のエチレン性不飽和単量体を選ぶこともでき、2種類以上併用することもできる。上記のように、現像性の観点から、メチル(メタ)アクリルメタクリレート、またはエチル(メタ)アクリレートが好んで用いられる。
その他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、または3−メチルオキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環式置換基を有する(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、またはエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;あるいは、
(メタ)アクリルアミド(なお、「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、アクリルアミド及び/またはメタクリルアミドを示すものとする。以下同じ。)、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、またはアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
また、前記アクリル単量体以外の単量体としては、例えば、
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、またはイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;あるいは、
酢酸ビニル、またはプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。アクリル単量体以外の前記単量体を、前記アクリル単量体と併用することもできる。
[エチレン性不飽和二重結合の導入]
また、本発明の樹脂[B]は、感光性樹脂であることが好ましく、なかでもエチレン性不飽和二重結合を有する構成単位(b4)を有することがより好ましい。エチレン性不飽和二重結合を導入するためには、以下に示す方法(i)や方法(ii)によりエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体、または水酸基を有するエチレン性不飽和単量体も使用することができる。これらは、変性によっては、その他の構成単位以外の構成単位になる可能性もあるため、最終的な、構成単位(b1)、構成単位(b2)、構成単位(b3)の重量比に配慮する必要がある。このエチレン性不飽和二重結合を有する構成単位(b4)は、ビニル系樹脂[B]の全構成単位の重量を基準(100重量%)として、パターン形状の観点から、2〜60重量%が好ましい。2重量%以上であることにより、パターン形状が良好となり、60重量%以下である場合、解像度が良好と成るために好ましい。
[方法(i)]
方法(i)としては、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体とを用いてエチレン性不飽和二重結合を導入し、感光性樹脂とする方法が挙げられる。
例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上のエチレン性不飽和単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合導入し感光性樹脂の機能を持たせ、かつ、アルカリ可溶性機能を持つカルボキシル基を導入する方法(i1)がある。
すなわち、本発明においては、構成単位(b2)の前駆体と、構成単位(b3)の前駆体と、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体とを反応させて共重合体(i1−1)を得て、次に得られた共重合体(i1−1)と不飽和1塩基酸とを反応させて共重合体(i1−2)を得て、さらに得られた共重合体(i1−2)と多塩基酸無水物とを反応させて得られる樹脂が、耐熱性に優れるために好ましい。
また、この方法(i1)に用いた不飽和一塩基酸のカルボキシル基は、エポキシ基への付加反応後にエステル結合を形成するので、本明細書における樹脂[B]の構成単位(b1)には該当せず、その他の構成単位に該当し、多塩基酸無水物は、水酸基との反応後にカルボキシル基を形成するので、本明細書における樹脂[B]の構成単位(b1)に該当する。
または、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上のエチレン性不飽和単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法(i2)が挙げられる。
すなわち、本発明においては、構成単位(b1)の前駆体と、構成単位(b2)の前駆体と、構成単位(b3)の前駆体とを反応させて共重合体(i2−1)を得て、次に得られた共重合体(i2−1)とエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体とを反応させて得られる樹脂が、高い表面硬度を示す塗膜を得ることができるために好ましい。
この場合、エポキシ基との付加反応に用いられないカルボキシル基に相当する構成単位のみが、本明細書における樹脂[B]の構成単位(a1)に該当する。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点、および基材密着性の観点から、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、P−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。中でも(メタ)アクリル酸が好ましい。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、または無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体とを用いてエチレン性不飽和二重結合を導入し、感光性樹脂とする方法が挙げられる。
例えば、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸や、他のエチレン性不飽和単量体を共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、またはシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/またはブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/または(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、またはグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、または1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
樹脂[B]の重量平均分子量(Mw)は5,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは5,000〜80,000の範囲であり、さらに好ましくは、5,000〜30,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
樹脂[B]の重量平均分子量(Mw)が100,000を越えると樹脂間の相互作用が強くなり、感光性樹脂組成物の粘度が高くなるため、取り扱いが困難となりやすい。また、重量平均分子量(Mw)が5,000未満だと現像性やガラス等の基板への密着性に問題のおこることがある。
樹脂[B]の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、5,000〜80,000の範囲が好ましく、より好ましくは7,000〜50,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は2,500〜40,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
ここで重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、東ソー株式会社製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー「HLC−8120GPC」において、分離カラムを4本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー株式会社製「TSK−GEL SUPER H5000」、「H4000」、「H3000」、および「H2000」を用い、移動相にテトラヒドロフランを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
樹脂[B]をカラーフィルタ用着色組成物として使用する場合には、着色剤吸着基および現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体および溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基および芳香族基のバランスが、着色剤の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、現像で微細パターンが残らなくなる。
樹脂[B]は、着色剤[A]100重量部に対し、20〜500重量部の量で用いることが好ましい。20重量部未満では、成膜性および諸耐性が不十分となり、500重量部より多いと着色剤の濃度が低くなり、色特性を発現できない。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
有機溶剤としては、例えば、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、着色剤の分散性、浸透性、および着色組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤100重量部に対して、500〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物に添加しても良い光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の配合量は、着色剤100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、従来公知の重合開始剤を用いることが可能であり、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、中でも、光重合開始剤としてオキシムエステル系光重合開始剤を含有することが好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤は、紫外線を吸収することによってオキシムのN−O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。これにより、耐熱性に優れ、高明度で高CRなカラーフィルタ用着色組成物となる。
これらオキシムエステル系光重合開始剤の市販品としては、BASF社から、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE−01)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02)が市販されている。また、この他に、特開2007−210991号公報、特開2009−179619号公報、特開2010−037223号公報、特開2010−215575号公報、特開2011−020998号公報等に記載のオキシムエステル系化合物を用いることも可能である。
光重合開始剤の含有量は、着色剤100重量部に対し、2〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜150重量部であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<酸化防止剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2'−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2'−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2'チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2'−メチル−4'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2'−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤として具体的には、ヨシノックスBHT(=2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)、トミノックスTT(=テトラキス−[メチレン−3−(3,5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)、ヨシノックスSR、ヨシノックスBB、ヨシノックス2246G、ヨシノックス425、ヨシノックス250、ヨシノックス930、トミノックスSS、トミノックス917、GSY−314(以上、エーピーアイコーポレーション製)、IRGANOX245、IRGANOX259、IRGANOX565、IRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1076、IRGANOX1098、IRGANOX1135、IRGANOX1076、IRGANOX1425WL、IRGANOX1222、IRGANOX1330(以上、BASF・ジャパン社製)、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−330、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−80(以上、旭電化工業社製)、SumilizerBBM、SumilizerGM、SumilizerGP、SumilizerGS、SumilizerGA−80、SumilizerBP−101、SumilizerBP−76、SumilizerBP−101(以上、住友化学社製)が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N′−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。
その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードアミン系酸化防止剤として具体的には、サノールLS−770、サノールLS−765、サノールLS−622LD、キマソープ944(以上、三共株式会社)、CYASORB UV−3346(以上、サンケミカル株式会社製)、ノックラック224、ノックラックCD、Uvasil299−299LM(以上、大内新興化学工業社製)、MARK LAー63、MARKLA−68(以上、旭電化工業社製)、TINUVIN 144、TINUVIN 312(以上、BASF・ジャパン社製)が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4'イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
リン系酸化防止剤として具体的には、IRGAFOS168、IRGAFOS12、IRGAFOS38、IRGAFOSEPQ、(以上、BASF・ジャパン社製)、SumilizerP−16(住友化学社製)、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8F、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−45、アデカスタブPEP−11C、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブHP−10、アデカスタブP、アデカスタブC、アデカスタブQL、アデカスタブ135A、アデカスタブ1178、アデカスタブ1500、アデカスタブ2112、アデカスタブ3010、アデカスタブ522A、アデカスタブTPP(以上、旭電化工業社製)、GSY−202(以上、エーピーアイコーポレーション製)、SANKOHCA(三光株式会社製)、JPH1200、JP302、JPM313、JP304、JP308、JPP100、JP333E、JP318E、JP312(以上、エーピーアイコーポレーション製)が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
イオウ系酸化防止剤として具体的には、IRGANOXPS800FD、IRGANOXPS802FD(以上、BASF・ジャパン社製)、アデカスタブAO−503、アデカスタブAO−412S(以上、旭電化工業社製)、SumilizerTPL−R、SumilizerTPM、SumilizerTPS、SumilizerTP−D、SumilizerTL、SumilizerMB(以上、住友化学社製)、DLTP「ヨシトミ」、DSTP「ヨシトミ」,DMTP「ヨシトミ」、DTTP「ヨシトミ」(以上、エーピーアイコーポレーション製)が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤として具体的には、トミソープ600(吉富ファインケミカル製)、TINUVIN326、TINUVIN327、TINUVIN P、TINUVIN328(以上、BASF・ジャパン社製)、VIOSORB583、VIOSORB590(共同薬品社製)が挙げられる。
ベンゾフェノン系酸化防止剤としては、ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン、LA−51(以上、旭電化工業社製)等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、トミソープ800(エーピーアイコーポレーション製)、LA−51(旭電化工業社製)が挙げられる。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
トリアジン系酸化防止剤として具体的には、CYASORB UV−1164(サンケミカル株式会社製)が挙げられる。
ヒドロキシルアミン系酸化防止剤として、具体的には、IRGASTABFS042(以上、BASF・ジャパン社製)等の化合物を使用することが出来る。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。また酸化防止剤の含有量は、カラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分重量を基準として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、着色剤を、バインダー樹脂[B]などの色素担体および/または溶剤中に、好ましくは分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(顔料分散体)。このとき、特定アルミニウムフタロシアニン色素およびその他の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。また、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記顔料分散体と、光重合性単量体及び/または光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の顔料分散剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度および粘度安定性が良好になる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開2001−335717号公報、特開2003−128669号公報、特開2004−091497号公報、特開2007−156395号公報、特開2008−094873号公報、特開2008−094986号公報、特開2008−095007号公報、特開2008−195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。色素誘導体を使用する場合、明度の観点から、キノフタロン骨格を有するものが好ましい。
色素誘導体の含有量は、分散性向上の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは35重量部以下である。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなる少なくとも1つのフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタである。
カラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントと、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントと、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントとを具備し、前記少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されることが好ましい。また、カラーフィルタは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。
緑色フィルタセグメントは、通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色着色組成物は、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、または58等の緑色顔料を用いて得られる組成物である。緑色着色組成物には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、または214等の黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントは、青色顔料と着色剤担体を含む通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、または64等が用いられる。
また、青色着色組成物には、C.I.ピグメントバイオレット23等の紫色顔料や、C.I.ピグメントレッド81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5などのローダミン系染料の金属レーキ顔料を併用できる。また青色や紫色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。また、「PGMAC」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
また、樹脂の重量平均分子量(Mw)、および樹脂の酸価は以下の通りである。
(樹脂の重合平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー「HLC−8120GPC」において、分離カラムを4本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー株式会社製「TSK−GEL SUPER H5000」、「H4000」、「H3000」、および「H2000」を用い、移動相にテトラヒドロフランを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5〜1.0部に、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
<色素単量体・前駆体の製造方法>
(色素単量体・前駆体STZ−1の製造方法)
特開平9-255882記載に従って、色素単量体・前駆体STZ−1を作製した。
原料(1)を20g、原料(2)を31g及び塩化亜鉛9gをフラスコ中に順次入れ140℃から160℃で2時間反応させた。反応液を希塩酸100ml中に注ぎ、析出した結晶を濾取した。水洗、乾燥して23gのSTZ−1を得た。NMR、質量分析計から構造を同定した。
Figure 2015025971
(色素単量体・前駆体STZ−2の製造方法)
色素単量体・前駆体STZ−1の原料(2)を原料(3)に変更した他は、STZ−1と同様の方法にて、STZ−2を作成した。
Figure 2015025971
<色素単量体の製造方法>
(色素単量体ST−1の製造方法)
環流管を付けた1Lのステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、C.I.Basic Violet 10(BV10:田岡化学社製:Rodamine B)を5.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)1.6部をジクロロメタン40mlに溶解させ、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 2.2部、ジメチルアミノピリジン0.25部を添加して室温で24時間攪拌を行った。得られたジクロロメタン溶液を、水で洗浄し、減圧乾燥させた後、シリカゲルカラムにて精製を行い、色素単量体ST−1を得た。収率は51.6%であった。
Figure 2015025971
(色素単量体ST−2の製造方法)
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)をアクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)に変更した他は、色素単量体ST−1と同様の方法にて、色素単量体ST−2を作成した。収率は48.8%であった。
Figure 2015025971
(色素単量体ST−3の製造方法)
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)をグリセリンモノメタクリレート(GLM)に変更した他は、色素単量体ST−1と同様の方法にて、色素単量体ST−3を作成した。収率は49.1%であった。
Figure 2015025971
(色素単量体ST−4の製造方法)
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)をグリセリンジメタクリレート(GMR)に変更した他は、色素単量体ST−1と同様の方法にて、色素単量体ST−4を作成した。収率は50.6%であった。
Figure 2015025971
(色素単量体ST−5の製造方法)
色素単量体ST−1・1.0部を水100mlに溶解させ、これに1.4部のテトラフルオロほう酸ナトリウム(NaBF4)を添加して、2時間室温にて攪拌を行った。ろ過後、水洗後、80℃にて乾燥して、色素単量体ST−5を得た。収率は87.8%であった。
Figure 2015025971
(色素単量体ST−6の製造方法)
テトラフルオロほう酸ナトリウム(NaBF4)をNaB(CF34へ変更した他は、色素単量体ST−5と同様の方法で、色素単量体ST−6を合成した。収率は89.2%であった。
(色素単量体ST−7の製造方法)
テトラフルオロほう酸ナトリウム(NaBF4)を下記に示す原料(4)へ変更した他は、色素単量体ST−5と同様の方法で、色素単量体ST−7を合成した。収率は83.5%であった。
(色素単量体ST−8の製造方法)
テトラフルオロほう酸ナトリウム(NaBF4)を下記に示す原料(5)(三菱マテリアル電子化成社製:シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドカリウム塩)へ変更した他は、色素単量体ST−5と同様の方法で、色素単量体ST−8を合成した。収率は86.6%であった。
Figure 2015025971
(色素単量体ST−9の製造方法)
色素単量体ST−5の製造方法において、色素単量体ST−1を色素単量体ST−3へ、テトラフルオロほう酸ナトリウム(NaBF4)をNaB(C654へ変更した他は、色素単量体ST−5と同様の方法で、色素単量体ST−9を合成した。収率は84.1%であった。
(色素単量体ST−10の製造方法)
C.I.Basic Violet 10(田岡化学社製:Rodamine B)を色素単量体・前駆体STZ−1に変更した他は、色素単量体ST−1と同様の方法にて、色素単量体ST−10を作成した。収率は42.8%であった。
Figure 2015025971
(色素単量体ST−11の製造方法)
C.I.Basic Violet 10(田岡化学社製:Rodamine B)を色素単量体・前駆体STZ−2に変更した他は、色素単量体ST−1と同様の方法にて、色素単量体ST−11を作成した。収率は46.8%であった。
Figure 2015025971
(色素単量体ST−12の製造方法)
環流管を付けた1Lのステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、C.I.Solvent RED 172(SR172:Sunbelt社製:Morolas Magenta36)を5.0部、3−アクリロイルオキシプロパン酸1.6部をジクロロメタン40mlに溶解させ、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 2.2部、ジメチルアミノピリジン0.25部を添加して室温で24時間攪拌を行った。得られたジクロロメタン溶液を、水で洗浄し、減圧乾燥させた後、シリカゲルカラムにて精製を行い、色素単量体ST−12を得た。収率は46.8%であった。
Figure 2015025971
(色素単量体ST−13の製造方法)
C.I.Solvent RED 172をC.I.Solvent RED 222(SR222:New Dragonindutrial社製)を変更した以外は、色素単量体ST−12と同様の方法にて、色素単量体ST−13を作成した。収率は47.2%であった。
Figure 2015025971
Figure 2015025971
<その他の顔料の製造方法>
(微細化PR254顔料(PR254−1)の製造)
ジケトピロロピロール顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「B−CF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の微細化ジケトピロロピロール顔料(PR254−1)を得た。
(微細化PR177顔料(PR177−1)の製造)
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 177(BASF社製「クロモフタルレッド A2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、アントラキノン系の微細化赤色顔料(PR177−1)を得た。
(微細化緑色顔料(PG58−1))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 58(DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN A110」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化緑色顔料(PG58−1)を得た。
(微細化黄色顔料(PY150−1))
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY150−1)を得た。
(微細化青色顔料(PB15:6−1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化青色顔料(PB15:6−1)を得た。
(微細化紫色顔料(PV23−1))
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(トーヨーカラー株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、紫色微細化紫色顔料(PV23−1)を得た。
<バインダー樹脂溶液の製造方法>
(樹脂溶液(B1−1)の調製)
(段階1:樹脂主鎖の重合)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン16.2部、グリシジルメタクリレート35.5部、ジシクロペンタニルメタクリレート41.0部、およびこの段階における前駆体の反応に要する触媒としてアゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行った。
(段階2:エポキシ基への反応)
次にフラスコ内を空気置換し、アクリル酸17.0部およびこの段階における前駆体の反応に要する触媒としてトリスジメチルアミノメチルフェノール0.3部、及びハイドロキノン0.3部を投入し、120℃で5時間反応を行い、重量平均分子量が約12000(GPCによる測定)の樹脂溶液を得た。投入したアクリル酸はグリシジルメタクリレート構成単位のエポキシ基末端にエステル結合するので樹脂構造中にカルボキシル基を生じさせない。
(段階3:水酸基への反応)
さらにテトラヒドロ無水フタル酸30.4部およびこの段階における前駆体の反応に要する触媒として、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で4時間反応させた。加えたテトラヒドロ無水フタル酸は無水カルボン酸部位が開裂して生じた2個のカルボキシル基の一方が樹脂構造中の水酸基にエステル結合し、他方がカルボキシル基末端を生じさせる。
(段階4:不揮発分の調整)
不揮発分が40%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(B1−1)を得た。
樹脂溶液(B1−1)における構成単位の重量比は、構成単位(b1)としてテトラヒドロ無水フタル酸;21.7重量%、構成単位(b2)としてスチレン;11.6重量%、構成単位(b3)としてジシクロペンタニルメタクリレート;29.3重量%、その他の構成単位としてグリシジルメタクリレートおよびそのグリシジル末端にエステル結合したアクリル酸の合計;37.4重量%である。
(樹脂溶液(B1−2)の調製)
樹脂溶液(B1−1)のジシクロペンタニルメタクリレートをジシクロペンテニルメタクリレートにした以外は樹脂溶液(B1−1)と同様の方法にて合成反応を行い、樹脂溶液(B1−2)を調製した。重量平均分子量は12500であった。
(樹脂溶液(B1−3)の調製)
樹脂溶液(B1−1)の段階1、段階2、段階4と同様の方法で樹脂溶液(B1−3)を得た。すなわち、樹脂溶液(B1−1)の製造法中、構成単位(b1)〜(b4)およびその他の構成単位に該当する前駆体を表1に則して置き換えた。構成単位(b1)〜(b3)および構成単位(b4)中のMAA(メタクリル酸)に該当する前駆体を混合して製造の段階1を実施し、次にGMA(グリシジルメタクリレート)を前駆体として加えて製造の段階2を実施し、さらに段階4を実施した。各段階に要する触媒の部数は、各段階で混合した前駆体の合計の部数に比例させて混合した。
(樹脂溶液(B1−4)の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりベンジルメタクリレート67.2部、メタクリル酸18.4部、ジシクロペンタニルメタクリレート14.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下し重合反応を行った。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30重量%のアクリル樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(B1−4)を調製した。固形分酸価は46.8mgKOH/g、重量平均分子量は32000であった。
(樹脂溶液(B2−1)の調製)
樹脂溶液(B1−1)の製造法中、構成単位(b1)〜(b4)およびその他の構成単位に該当する前駆体を表1に則して置き換え、樹脂溶液(B1−1)と同様の方法で樹脂溶液(B2−1)を得た。各段階に要する触媒の部数は、各段階で混合した前駆体の合計の部数に比例させて混合した。
(樹脂溶液(B2−2、3)の調製)
樹脂溶液(B1−1)の段階1、段階2、段階4と同様の方法で樹脂溶液(B2−2、3)を得た。すなわち、樹脂溶液(B1−1)の製造法中、構成単位(b1)〜(b4)およびその他の構成単位に該当する前駆体を表1に則して置き換えた。構成単位(b1)〜(b3)および構成単位(b4)中のMAA(メタクリル酸)に該当する前駆体を混合して製造の段階1を実施し、次にGMA(グリシジルメタクリレート)を前駆体として加えて製造の段階2を実施し、さらに段階4を実施した。各段階に要する触媒の部数は、各段階で混合した前駆体の合計の部数に比例させて混合した。
(樹脂溶液(B2−4)の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が40重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して樹脂溶液(B2−4)を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
(樹脂溶液(B2−5)の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が40重量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加して樹脂溶液(B2−5)を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
Figure 2015025971
表2における構成単位の前駆体および構成単位の略称について下記に記す。
MAA:メタクリル酸
THPA:テトラヒドロフタル酸無水物(4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物)
BzMA:ベンジルメタクリレート
St:スチレン
M110:パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート
DCPMA:ジシクロペンタニルメタクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
GMA−AA:構成単位GMAにアクリル酸が付加反応し結合したもの
MMA−GMA:構成単位メタクリル酸にGMAが付加反応し結合したもの
BMA:n−ブチルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
<樹脂型分散剤溶液の調製>
市販の樹脂型分散剤である、BASF社製EFKA4300と、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて不揮発分40重量%溶液に調製し、樹脂型分散剤溶液1として使用した。
<顔料分散体の製造方法>
(PR254・顔料分散体(RP−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20重量%の顔料分散体(RP−1)を作製した。
微細化PR254顔料(PR254−1) :11.0部
アクリル樹脂溶液B1−3 :17.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC):66.5部
樹脂型分散剤溶液1 : 5.0部
(PR177・顔料分散体(RP−2))
顔料分散体(RP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPR177−1に変更した以外は顔料分散体(RP−1)と同様の方法でPR177・顔料分散体(RP−2)を作製した。
(PG58・顔料分散体(GP−3))
顔料分散体(RP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPG58−1に変更した以外は顔料分散体(RP−1)と同様の方法でPG58・顔料分散体(GP−3)を作製した。
(PY150・顔料分散体(GP−4))
顔料分散体(RP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPY150−1に変更した以外は顔料分散体(RP−1)と同様の方法でPY150・顔料分散体(GP−4)を作製した。
(PB15:6・顔料分散体(GP−5))
顔料分散体(RP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPB15:6−1に変更した以外は顔料分散体(RP−1)と同様の方法でPB15:6・顔料分散体(GP−5)を作製した。
(PV23・顔料分散体(GP−6))
顔料分散体(RP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPV23−1に変更した以外は顔料分散体(RP−1)と同様の方法でPV23・顔料分散体(GP−6)を作製した。
<カラーフィルタ用着色組成物(色素単量体・分散溶液)の製造方法>
[実施例1]
(色素単量体・分散溶液SB−1の製造方法)
下記に従って、各種材料を混合した後、1時間超音波照射を行うことで、色素単量体・分散溶液SB−1を得た。
色素単量体・ST−1 :4.0部
アクリル樹脂溶液B1−1 :30.0部
シクロヘキサノン :16.0部
計 :50.0部
[実施例2〜21、比較例1]
(色素単量体・分散溶液SB−2〜22の製造方法)
色素単量体・分散溶液(SB−1)の製造方法における色素単量体ST−1とアクリル樹脂溶液B1−1をそれぞれ表3に記載した材料へ変更した以外は、色素単量体・分散溶液(SB−1)の場合と同様の方法で、色素単量体・分散溶液SB−2〜22 を得た。
<カラーフィルタ用着色組成物(色素単量体・分散溶液)の評価>
得られた色素単量体・分散溶液(SB−1〜22)を用いて、塗膜のコントラスト比(CR)、および耐熱性の評価を下記方法で行った。表3に評価結果を示す。
(塗膜のコントラスト比(CR)評価)
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の塗膜を通過し、もう一方の偏光板に到達する。この際、偏光板と偏光板の偏光面が並行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直交している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の塗膜を通過する際に、着色剤粒子によって散乱等が起こり、偏光面の一部にずれが生じると、偏光板が並行のときは透過する光量が減り、偏光板が直交のときは一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が並行の際の輝度と、直交の際の輝度との比を、コントラスト比として算出した。

(コントラスト比)=(並行のときの輝度)/(直交のときの輝度)

従って、塗膜中の着色剤により散乱が起こると、並行のときの輝度が低下し、かつ直交のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。測定に際しては、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色マスクを介して測定した。
色素単量体・分散溶液(SB−1〜22)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗布基板のコントラスト比(CR)を測定した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、膜厚が1.5μmとなるよう調整した。
コントラスト比は、下記基準に従って判定した。
◎:9000以上
○:6000以上〜9000未満
△:3000以上〜6000未満
×:3000未満
(耐熱性評価)
色素単量体・分散溶液(SB−1〜22)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、得られた塗膜の膜厚が1.5μmとなるよう調整した。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として220℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の3段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎:ΔEab*が3.0未満
○:ΔEab*が5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
Figure 2015025971
表3に示すように、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、いずれも耐熱性に優れかつ高コントラスト比であった。本発明の色素単量体[A]とバインダー樹脂と組み合わせることで高コントラスト、高耐熱性を達成している。
<感光性着色組成物の調整>
[実施例22]
(赤色感光性着色組成物(RR−1))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(RR−1)を得た。
(色素単量体分散溶液/顔料分散体) (計62.5部)
色素単量体・分散溶液 (SB−1) :37.5部
PR254・顔料分散体(RP−1) :25.0部
アクリル樹脂溶液B1−3 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.5部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−
カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
メトキシプロピルアセテート :26.5部
[実施例23〜42]
(赤色感光性着色組成物(RR−2〜21))
色素単量体・分散溶液と顔料分散体を、表4に示す種類に変更した以外は、赤色感光性着色組成物(RR−1)と同様にして赤色感光性着色組成物(RR−2〜21)を得た。各感光性着色組成物においては、色素単量体・分散溶液と顔料分散体の合計の62.5部の内訳を、それぞれの着色組成物の明度評価用の塗膜基板がC光源においてx=0.658、y=0.325になるように、比率を調整し、赤色感光性着色組成物100部を調製した。
[実施例43]
(赤色感光性着色組成物(RR−22))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(R−22)を得た。
色素単量体・分散溶液 (SB−1) :62.5部
アクリル樹脂溶液B1−3 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.5部
メトキシプロピルアセテート :26.5部
[実施例44]
(赤色感光性着色組成物(RR−23))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(R−23)を得た。
(色素単量体分散溶液/顔料分散体) (計62.5部)
色素単量体・分散溶液 (SB−1) :37.5部
PR254・顔料分散体(RP−1) :25.0部
アクリル樹脂溶液B1−3 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「IRGACURE 379」) : 1.5部
(2?(ジメチルアミノ)?2?[(4?メチルフェニル)メチル]?1?
[4?(4?モノホリニル)フェニル]?1?ブタノン
メトキシプロピルアセテート :26.5部
[実施例45]
(赤色感光性着色組成物(RR−24))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(R−24)を得た。
(色素単量体分散溶液/顔料分散体) (計62.5部)
色素単量体・分散溶液 (SB−1) :37.5部
PR254・顔料分散体(RP−1) :25.0部
アクリル樹脂溶液B1−3 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.0部
酸化防止剤:フェノール系酸化防止剤 : 0.5部
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(5,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
メトキシプロピルアセテート :26.5部
[比較例2]
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(RR−25)を得た
PR254・顔料分散体(RP−1) :27.0部
PR177・顔料分散体(RP−2) :23.0部
アクリル樹脂溶液B1−3 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.5部
メトキシプロピルアセテート :39.0部
<感光性着色組成物の評価>
得られた赤色感光性着色組成物(RR−1〜25)を用いて作製した赤色塗膜の明度の評価を下記方法で行った。表4に評価結果を示す。
(明度評価)
感光性着色組成物(RR−1〜25)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、70℃で20分乾燥後、さらに230℃で60分加熱して得られた基板の色度が、C光源においてx=0.658、y=0.325になるような塗布基板を得た。得られた基板の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。評価基準は下記のとおりである。
◎ ・・・ 19.2以上
○ ・・・ 19.0以上19.2未満
△ ・・・ 18.8以上19.0未満
× ・・・ 18.8未満
(コントラスト比評価)
感光性着色組成物(RR−1〜25)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗布基板のコントラスト比(CR)を測定した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、C光源においてx=0.658、y=0.325になるよう調整した。
コントラスト比は、下記基準に従って判定した。
◎:16000以上
○:14000以上〜16000未満
△:12000以上〜14000未満
×:12000未満
Figure 2015025971
表4に示すように、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、色素単量体[A]とバインダー樹脂とを組み合わせることで、高コントラスト比、高明度、高耐熱性を達成することができた。
<カラーフィルタの作製>
(緑色感光性着色組成物(RG−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、緑色感光性着色組成物(RG−1)を作製した。
PG58・顔料分散体(GP−3) :32.0部
PY150・顔料分散体(GP−4) :18.0部
アクリル樹脂溶液B1−1 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.5部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−
カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
シクロヘキサノン :39.0部
(青色感光性着色組成物(RB−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、青色感光性着色組成物(RB−1)を作製した。
PB15:6・顔料分散体(GP−5) :45.0部
PV23・顔料分散体(GP−6) : 5.0部
アクリル樹脂溶液B1−1 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.5部
シクロヘキサノン :39.0部
本発明の赤色感光性着色組成物(RR−1)をスピンコート法により、予めブラックマトリックスが形成されているガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却した後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。
その後、この基板を23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30 秒間スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。さらに、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状の着色画素層を形成した。
次に、緑色感光性着色組成物(RG−1)を使用し、赤色着色画素層と同様にして緑色着色画素層を形成し、さらに、青色感光性着色組成物(RB−1)を使用して赤色着色画素層と同様にして青色着色画素層を形成し、カラーフィルタ(CF−1)を得た。各着色画素層の形成膜厚はいずれも2.0μmであった。
本発明の赤色着色組成物を使用したカラーフィルタは明度が高く、コントラスト比も優れた結果であり、本発明の効果が立証された。

Claims (9)

  1. 着色剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを含むカラーフィルタ用着色組成物であって、
    該着色剤が、下記一般式(1)で表わされる色素単量体[A]を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(1)
    Figure 2015025971
    [一般式(1)中、Qは有機色素骨格を表す。
    Xは、直接結合、−R2−、−NH−R3−、−O−R3−、−CO−R3−、−COO−R3−、または−O−CO−R3−を表す。
    1は、水素原子、またはメチル基を表す。
    2は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のエステル結合(−COO−)およびエーテル結合(−O−)から選ばれる一種類以上の結合を少なくとも1つ含むアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−R4−O−R5−、−R4−CO−R5−、−R4−COO−R5、−R4−O−CO−R5−、−R4−O−CONH−R5−、または−R4−O−CO−R6−CO−R5−を表す。
    3は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−R4−O−R5−、−R4−CO−R5−、−R4−O−CO−R5−、−R4−O−CONH−R5−、または−R4−O−CO−R6−CO−R5−を表す。R4およびR6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、または置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。R5は、置換もしくは無置換のアルキレン基、または−O−CH2−CHOH−CH2−を表す。]
  2. バインダー樹脂が、下記構成単位(b1)〜(b3)を有する樹脂[B]を含むことを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    (b1)カルボキシル基を有する構成単位:2〜60重量%
    (b2)一般式(2)または一般式(3)に示す芳香族環基を有する構成単位:2〜80重量%
    (b3)化学式(4)または化学式(5)に示す脂肪族環基を有する構成単位:2〜40重量%

    一般式(2):
    Figure 2015025971

    一般式(3):
    Figure 2015025971
    [一般式(2)及び(3)中、R1は、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。]

    化学式(4):
    Figure 2015025971


    化学式(5):
    Figure 2015025971
  3. 一般式(1)における有機色素骨格Qが、一般式(6)で示されるキサンテン系骨格、一般式(7−1)(7−2)(7−3)で示されるアントラキノン系骨格のいずれか1種の有機色素骨格である請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(6)
    Figure 2015025971
    [一般式(6)中、R31〜R34は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表し、R31とR32、およびR33とR34は、環構造を形成しても良い。R35は、各々独立に、1価の置換基を表し、mは、0から5の整数を表す。Y-は、無機または有機のアニオンを表す。
    ここで、R31〜R35のいずれか1つは、Xとの結合手である。]

    一般式(7−1)、(7−2)、(7−3)
    Figure 2015025971
    [一般式(7−1)、(7−2)、および(7−3)中、
    41は水素原子、−ROH(Rは炭素数1〜5のアルキレン基)、−RCOOH(Rは炭素数1〜5のアルキレン基)、または置換基を有してもよいフェニル基を表す。R42〜R48は、各々独立に水素原子、水酸基、−NHR49(R49とR41は同義である)、SO3M基、ハロゲン原子、−COR’(R’は炭素数1−3のアルキル基を表す)である。
    ここで、R41〜R48のいずれか1つは、Xとの結合手である。]
  4. 樹脂[B]が、感光性樹脂であることを特徴とする請求項2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. 樹脂[B]が、
    構成単位(b2)の前駆体と、構成単位(b3)の前駆体と、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体とを反応させて共重合体(i1−1)を得て、次に得られた共重合体(i1−1)と不飽和1塩基酸とを反応させて共重合体(i1−2)を得て、さらに得られた共重合体(i1−2)と多塩基酸無水物とを反応させて得られる樹脂、または
    構成単位(b1)の前駆体と、構成単位(b2)の前駆体と、構成単位(b3)の前駆体とを反応させて共重合体(i2−1)を得て、次に得られた共重合体(i2−1)とエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体とを反応させて得られる樹脂、
    であることを特徴とする請求項2または4記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. 着色剤が、さらに、有機顔料[C]を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. さらに、着色剤が、色素誘導体を含有することを特徴とする請求項6記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  8. さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  9. 請求項1〜8いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024074814A1 (en) 2022-10-04 2024-04-11 Sublino Limited Composition comprising a functionalised dye and a diallylamine comonomer and use

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