JP2015125396A - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ Download PDF

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裕一 山本
佳奈子 水野
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佳奈子 水野
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Yudai Takagi
悠大 高木
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Kazufumi Nishida
和史 西田
由昌 宮沢
Yoshimasa Miyazawa
由昌 宮沢
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光久 松本
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Abstract

【課題】本発明の課題は、染料に対し、有機溶剤への溶解性を付与すること、堅牢性を付与すること、蛍光を発するシアニン系色素に対し蛍光発光を抑制すること、の3点であり、以上の課題を解決し、高明度・高コントラスト比なカラーフィルタ用着色組成物の提供することである。
【解決手段】前記課題は、一般式(1)で表わされる特定のシアニン系色素(A)、金属錯体化合物(B)、及びバインダー樹脂(C)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタによって、解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、及びカラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、並びにこれを用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。その他の代表的な液晶表示装置の方式としては、一対の電極を片側の基板上に設けて基板に平行な方向に電解を印加するイン・プレーン・スイッチング(IPS)方式、負の誘電異方性をもつネマチック液晶を垂直配向させるヴァーティカリー・アライメント(VA)方式、また一軸性の位相差フィルムの光軸を互いに直交させ、光学補償を行なっているオプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)方式等があり、それぞれが実用化されている。
液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高コントラスト化、高明度化の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
カラーフィルタに要求される品質項目としては、明度とコントラスト比が挙げられる。コントラスト比が低いカラーフィルタを用いると、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまい、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ぼやけた画面となってしまう。そのため高品質な液晶表示装置を実現するためには、高コントラスト化が不可欠である。
また、明度が低いカラーフィルタを用いると、光の透過率が低いため、暗い画面となってしまい、明るい画面とするためには、光源であるバックライトの数を増量する必要がある。そのため消費電力の増大を抑制する観点から、カラーフィルタの高明度化がトレンドとなっている。さらに、前述のようにカラー液晶装置がテレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高明度化、高コントラスト化とともに、高い信頼性の要求も高くなっている。
近年顔料で達成し得ない高コントラスト比・高明度化を実現するため、染料系の色材に注目が集まっている。中でもシアニン系色素は色特性に優位性があることから、高明度化を達成する材料として期待されている。また染料は、溶剤下において、顔料のような粒子状態ではなく溶解状態で存在するため、光散乱等が生じず、結果的に、従来の顔料同士の組み合わせた着色組成物より、コントラスト比の高いカラーフィルタが得られることが期待されている。
しかし、シアニン系色素は蛍光発光特性を示す(例えば特許文献10、11参照)ため、コントラスト比が低くなるという問題があった。また、染料一般の特性として、顔料に比較して耐熱性・耐光性など堅牢性に劣る傾向にあり、またカラーフィルタ用着色組成物として好適な有機溶剤への溶解性が劣る傾向にある。そのため、シアニン系色素を使用するに当たって、有機溶剤溶解性を付与すること、堅牢性を付与すること、蛍光発光を抑制する技術が求められている。
特開平6−75375号公報 特開2000−162429号公報 特開2001−81348号公報 特開2005−292305号公報 特開2009−265641号公報 特開2010−32999号公報 特開2011−138095号公報 特開2005−025175号公報 特開2013−101166号公報 特開平6−222059号公報 特開2011−102841号公報
本発明が解決しようとする課題は、シアニン系染料に対し、有機溶剤への溶解性を付与すること、堅牢性を付与すること、蛍光発光を抑制すること、の3点であり、以上の課題を解決し、高明度・高コントラスト比であるカラーフィルタ用着色組成物の提供を可能とすることである。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表わされるシアニン系色素(A)、金属錯体化合物(B)、及びバインダー樹脂(C)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
[一般式(1)において、Aは置換基もしくは水素原子を有する炭素原子、または硫黄原子を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、重合性官能基を有する有機基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。Y-は、無機または有機のアニオン化合物を表す。]
また、本発明は、一般式(1)で表わされるシアニン系色素(A)において、Y-で示されるアニオンが、下記一般式(2)で表わされるイミド酸アニオン、下記一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン、および下記一般式(4)で表される構造単位を含むアニオン性基を有するビニル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンを含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。

[一般式(2)において、R21およびR22はぞれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。]
[一般式(3)において、R31〜R34はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、シアノ基、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていても良いアリール基を表し、R31〜R34のうち少なくとも一つは、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、フッ素原子、またはフッ素原子で置換されていても良いアリール基を表す。
ただし、R31〜R34がすべてフッ素原子である場合は除く。]
[一般式(4)中、R41は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Qは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−CONH−R42−、または−COO−R42−を表し、R42は置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。P-は、―SO3 -、または−COO-を表す。]
また、本発明は、金属錯体化合物(B)の中心金属が、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、および銅(Cu)からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、金属錯体化合物(B)が、アゾ染料もしくはメチン染料を配位子とし、クロムもしくはコバルトを中心金属とする金属錯塩染料である前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、シアニン系色素(A)と金属錯体化合物(B)との重量比((B)/(A))が、0.005〜1.0であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに、有機顔料(D)を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
さらに、本発明は、基板上に、前記カラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明により、溶剤溶解性と堅牢性(耐熱性、耐光性)、蛍光発光抑制を満たすカラーフィルタ用着色組成物を提供することができる。本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いてカラーフィルタを作成することで、高明度・高コントラスト比を有するカラーフィルタを形成することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する。
<着色剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤として、一般式(1)で記載されるシアニン系色素(A)を含むことを特徴とする。また、さらに有機顔料(D)を併用して用いることも好ましいものである。一般式(1)で示されるようなシアニン系色素(A)は、色特性に優れているほか、耐熱性など堅牢性が良好であるため、カラーフィルタ用着色組成物として好適となる。
<シアニン系色素(A)>
本発明のシアニン系色素は、一般式(1)で表されるようにカチオン部位とアニオン部位が塩形成された構成になっており、カチオン部位は下記一般式(1−2)で表されるカチオン性シアニン系染料、アニオン部位は無機または有機のアニオン性化合物である。特に、本発明のシアニン系色素においては、一般式(1−2)で表わされるカチオン性シアニン染料と、一般式(2)(3)または(4)で表わされるアニオン性化合物との造塩化合物であることが望ましい。
≪カチオン性シアニン染料≫
(一般式(1−2)で表されるカチオン性シアニン系染料)
本願のカチオン性シアニン系染料は、下記一般式(1−2)で表される化合物である。
[一般式(1−2)において、Aは置換基もしくは水素原子を有する炭素原子、または硫黄原子を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、重合性官能基を有する有機基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、クオーターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
これらのアリール基は置換基を有していてもよい。この場合の置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アリール基が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、エタノイル基、プロパノイル基、イソプロパノイル基、ブタノイル基、イソブタノイル基、sec−ブタノイル基、tert−ブタノイル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
本発明で言う重合性官能基を有する有機基は、重合性官能基を含み、全体で炭素原子-水素原子結合を含み、また必要に応じて炭素以外の原子を含んでも良い原子団で構成される基を示す。具体的には、重合性官能基のみからなる場合と、重合性官能基と連結基と含む場合がある。
ここで、重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基などが挙げられる。
また、連結基としては(シアニン骨格から見て)、アルキレン基(以下、−X−と表す。)、−XO−基、−XNH−基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、−XCONH−基、−XCOO−基、−XOCO−基、−XCOOX−基、−XOCOX−基、−XCOOXCOO−基、−XOCOXCOO−基、などが挙げられる。
重合性官能基を有する有機基の具体例としては、次表(DC−5〜8など)に示した通りである。
Aの炭素原子とR3、R3とR4、R4とR5、R5とR6、R6とR12、Aの炭素原子とR7、R7とR8、R8とR9、R9とR10、R10とR13はそれぞれ独立に/または同時に脂肪族飽和炭化水素系もしくは芳香族系の環状構造を形成しても良い。
カチオン性シアニン系染料の具体例としては、下記に示すカチオン性シアニン系染料等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記に示したカチオン性シアニン系染料(DC−1〜DC−91)のカウンターは、Cl-もしくはBr-もしくはI-である。

≪カウンター・アニオンY-
一般式(1)において、Y-は無機または有機のアニオンを表し、アニオンイオンを有するものであれば、いずれも使用可能である。
代表的なものとしては、カルボン酸イオン、ハロゲン化物イオン(クロライドイオン、ブロマイドイオンなど)、トリフラートイオン、硫酸イオン、有機スルホネートイオン(例えば炭素数1〜20のアルキルスルホネート、ベンゼンスルホネートなど)、脂肪酸イオン(炭素数1〜20の脂肪族カルボキシレートなど)、安息香酸イオン、しゅう酸イオン、過ハロゲン酸イオン、チオシアン酸イオン、フッ素基含有リンアニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、シアノ基含有窒素アニオン、スルホン酸基含有窒素アニオン、またはハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオンなどが挙げられ、好ましく用いることができる。
フッ素基含有リンアニオンとしては、PF6- 、(CF33 PF3 - 、(C2 52 PF4 - 、(C25 3 PF3 - 、[(CF32 CF]2 PF4 - 、[(CF32 CF]3 PF3ー、(n−C372 PF4 - 、(n−C37 3 PF3 - 、(n−C49 3 PF3 - 、(C2 5 )(CF32 PF3 - 、[(CF32 CFCF22 PF4 - 、[(CF3 2 CFCF23 PF3 - 、(n−C4 92 PF4 - 、(n−C493 PF3 - 、(C2 4 H)(CF3 2 PF3 - 、(C232 3 PF3 - 、(C25 )(CF32 PF3 - 等が挙げられる。中でも、PF6 - 、(C25 2 PF4 - 、(C25 3 PF3 - 、(n−C373 PF3 - 、(n−C49 3 PF3 - 、[(CF3 2 CF]3 PF3 - 、[(CF3 2 CF]2 PF4 - 、[(CF32 CFCF2 3 PF3 - 、[(CF3 2 CFCF2 2 PF4 - が好ましい。
シアノ基含有窒素アニオンとしては、[(CN)2 N]- 、[(FSO22 N]- 、[(FSO2 )N(CF3 SO2 )]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N{(CF3 2 CFSO2 }]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 CF2 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N{(CF32 CFCF2 SO2 }]- 、[(FSO2 )N{CF3 CF2 (CF3 )CFSO2 }]- 、[(FSO2 )N{(CF3 3 CSO2 }]- 等が挙げられる。中でも、[(CN)2 N]- が特に好ましい。
ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基としては、特に限定されるものではないが、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸としては、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有するスルホン酸(−SO3 H)、スルホンイミド酸(−SO2 NHSO2 −)等を挙げることができる。
本発明では、一般式(2)で表わされるイミド酸アニオン、一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン、もしくは下記一般式(4)で表される構造単位を含むアニオン性基を有するビニル系樹脂のいずれか1種を用いることが望ましい。
(一般式(2)で表されるイミド酸アニオン)
[一般式(2)において、R21およびR22はぞれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。]
一般式(2)において、「脂肪族炭化水素基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、ペンタデシル基などの直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソオクチル基などの分岐状アルキル基;等が挙げられる。
一般式(2)において、「脂環式炭化水素基」としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基などのシクロアルキル基、等が挙げられる。
一般式(2)において、「芳香族炭化水素基」としては、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、等が挙げられる。
一般式(2)において、「複素環基」としては、インドール環、ベンゾインドール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノリン環、等を挙げることができる。
一般式(2)において、「置換基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基などの脂肪族炭化水素基;(メタ)アクリロイル基、ビニルアリール基、ビニルオキシ基、アリル基、エポキシ基などの重合性官能基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基などの芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などのエステル結合を有する基;メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、n−プロピルスルファモイル基、ジ−n−プロピルスルファモイル基、イソプロピルスルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、n−ブチルスルファモイル基、ジ−n−ブチルスルファモイル基などのアルキルスルファモイル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基などのアルキルスルホニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基、シアノ基があげられることができる。
一般式(2)において、R21は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であることが好ましく、R22は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基であることが好ましい。
一般式(2)のR21としては、前記の中でも、フッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基もしくは芳香族炭化水素基が好ましく、フッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
一般式(2)のR22としては、前記の中でも、フッ素原子で置換された芳香族炭化水素基が好ましく、p−フルオロフェニル基、またはペンタフルオロフェニル基がより好ましい。
イミド酸アニオンの具体例としては、下記に示すイミド酸アニオン等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、l、nは、整数1〜5を示す。なお、下記に示したイミド酸アニオンのカウンターは、IC−1〜IC−59は、Na+もしくはK+もしくはテトラブチルアンモニウムもしくはトリメチルアンモニウムである。

(カチオン性シアニン染料とイミド酸アニオンの塩形成)
本発明の造塩化合物は、イミド酸アニオンと、カチオン性シアニン系染料とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいはイミド酸アニオンの水溶液とカチオン性シアニン系染料の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、造塩化合物を容易に得ることができる。水溶液中で、イミド酸アニオンのアニオン性基とカチオン性シアニン系染料のカチオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり造塩化合物が析出する。逆に、イミド酸アニオンの対カチオンとカチオン性シアニン系染料の対アニオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用するイミド酸アニオン、およびカチオン性シアニン系染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、カチオン性シアニン系染料あるいは、イミド酸アニオンが水に不溶である場合は、適宜、それぞれが可溶な溶剤にそれぞれを溶解させ、加熱攪拌した後、溶剤を減圧あるいは常圧下で留去し、固形物を得て、そこに水を添加しリスラリーすることで、副生成物である塩を除去した上で、固形物を濾過により濾別することで造塩化合物を得ても良い。この時、用いる溶剤は、後述する水溶性有機溶剤を用いることが出来る。
本発明の造塩化合物は、イミド酸アニオンの対カチオンとカチオン性シアニン系染料の対アニオンとからなる塩を除去してなる造塩化合物が、耐熱性の観点で好ましい。造塩化合物中に塩形成で生じた副生物(例えばNaCl)などが存在する場合は、着色組成物中で造塩化合物が経時で析出してしまう可能性がある。
塩形成時に使用する水溶液として、イミド酸アニオン、およびカチオン性シアニン系染料を溶解させるため、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量(100重量%)中、5〜50重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
イミド酸アニオンと、カチオン性シアニン系染料との比率は、イミド酸アニオンのアニオンユニットとカチオン性シアニン系染料の全カチオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
(一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン)
本発明のフッ素基含有ホウ素アニオンは、下記一般式(3)で表される。
[一般式(3)において、R31〜R34はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、シアノ基、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていても良いアリール基を表し、R31〜R34のうち少なくとも一つは、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、フッ素原子、またはフッ素原子で置換されていても良いアリール基を表す。
ただし、R31〜R34がすべてフッ素原子である場合は除く。]
一般式(3)中、R31〜R34で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec?ブチル基、tert?ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基及びオクタデシル基が挙げられ、フッ素原子で置換されていても良い。フッ素原子で置換されているアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基及びパーフルオロオクチル基が挙げられる。
アルキル基としては、有機溶剤への溶解性、明度、耐熱性、コントラスト比の観点から、炭素数が1〜20であることが好ましく、2〜18であることがより好ましく、2〜12であることがさらに好ましい。
一般式(3)中、R31〜R34で表されるアリール基としては、ベンゼン環を含む基、芳香族性を有する縮合環を含む基、2個以上のベンゼン環又は芳香族性を有する縮合環が直接結合した構造を有する基、2個以上のベンゼン環又は芳香族性を有する縮合環がビニレン等の基を介して結合した基などが含まれる。アリール基の炭素数は、6〜60であることが好ましく、6〜30であることがより好ましい。フッ素原子で置換されているアリール基としては、例えば、フッ素基を有していてもよいフェニル基、フッ素基を有していてもよい1?ナフチル基、フッ素基を有していてもよい2?ナフチル基が挙げられる。耐熱性、明度、コントラスト比の観点からフッ素原子が置換基として有することが好ましい。
フッ素基含有ホウ素アニオンの具体例としては、(CF3 4 - 、(CF3 3 BF- 、(CF3 2 BF2 - 、(CF3 )BF3 - 、(C2 5 4 - 、(C2 5 3 BF- 、(C25 )BF3 - 、(C2 52 B F2 - 、(CF3 )(C2 52 BF- 、(C6 54 - 、[(CF3 2634 - 、(CF364 4- 、(C652 BF2 - 、(C6 5 )BF3 - 、(C6 3 24- 、B(CN)4 - 、B(CN)F3 - 、B(CN)22 -、B(CN)3 - 、(CF3 3 B(CN)- 、(CF32 B(CN)2 - 、(C2 5 3 B(CN)- 、(C2 5 2B(CN)2 - 、(n−C373 B(CN)- 、(n−C49 3 B(CN)- 、(n−C492 B(CN)2 - 、(n−C63 3 B(CN)- 、(CHF23 B(CN) - 、(CHF2 2 B(CN)2 - 、(CH2 CF3 3 B(CN)- 、(CH2 CF32 B(CN)2 - 、(CH22 5 3 B(CN)- 、(CH2252 B(CN)2 - 、(CH2 CH2 372 B(CN)2 - 、(n−C3 7 CH22 B(CN)2 - 、(C65 3 B(CN)- 等が挙げられ、フッ素基含有ホウ素アニオンのカウンターは、Na+もしくはK+もしくはテトラブチルアンモニウムもしくはトリメチルアンモニウム等である。
また、一般式(3)中、R31〜R34うち少なくとも一つが、一般式(3−2)で表される構造であることが好ましい。
[一般式(3−2)において、R35〜R39は、それぞれ独立に、水素原子、またはフッ素原子を示す。ただし、R35〜R39がすべて水素原子である場合は除く。]
一般式(3−2)で表される置換基としては、例えばペンタフルオロフェニル基(C65)、トリフルオロフェニル基(C623)、テトラフルオロフェニル基(C6HF4)、トリフルオロメチルフェニル基(CF364)、ビス(トリフルオロメチル)フェニル基((CF3263)、ペンタフルオロエチルフェニル基(CF2CF364)、ビス(ペンタフルオロエチル)フェニル基((CF2CF3263)、フルオロ−トリフルオロメチルフェニル基(CF363F)、フルオロ−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基((CF3262F)、フルオロ−ペンタフルオロエチルフェニル基(CF3CF263F)、フルオロ−ビス(ペンタフルオロエチル)フェニル基((CF3CF2262F)などが挙げられる。
一般式(3)で表されるフッ素基含有ホウ素アニオンとしては、これらのうち、明度、耐熱性、コントラスト比の観点から [B(C654]― 、[(C65)B(C653]― 、[(C652B(C652]― 、[(C653B(C65)]― 、[(C65)B(C63(CF323 3]―等が挙げられる。なかでも、[B(C654]―が好ましい。
(カチオン性シアニン染料とフッ素基含有ホウ素アニオンの塩形成)
本発明の造塩化合物は、フッ素基含有ホウ素アニオンと、カチオン性シアニン系染料とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいはフッ素基含有ホウ素アニオンの水溶液とカチオン性シアニン系染料の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、造塩化合物を容易に得ることができる。水溶液中で、フッ素基含有ホウ素アニオンのアニオン性基とカチオン性シアニン系染料のカチオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり造塩化合物が析出する。逆に、フッ素基含有ホウ素アニオンの対カチオンとカチオン性シアニン系染料の対アニオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用するフッ素基含有ホウ素アニオン、およびカチオン性シアニン系染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、カチオン性シアニン系染料あるいは、フッ素基含有ホウ素アニオンが水に不溶である場合は、適宜、それぞれが可溶な溶剤にそれぞれを溶解させ、加熱攪拌した後、溶剤を減圧あるいは常圧下で留去し、固形物を得て、そこに水を添加しリスラリーすることで、副生成物である塩を除去した上で、固形物を濾過により濾別することで造塩化合物を得ても良い。この時、用いる溶剤は、後述する水溶性有機溶剤を用いることが出来る。
本発明の造塩化合物は、フッ素基含有ホウ素アニオンの対カチオンとカチオン性シアニン系染料の対アニオンとからなる塩を除去してなる造塩化合物が、耐熱性の観点で好ましい。造塩化合物中に塩形成で生じた副生物(例えばNaCl)などが存在する場合は、着色組成物中で造塩化合物が経時で析出してしまう可能性がある。
塩形成時に使用する水溶液として、フッ素基含有ホウ素アニオン、およびカチオン性シアニン系染料を溶解させるため、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量(100重量%)中、5〜50重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
フッ素基含有ホウ素アニオンと、カチオン性シアニン系染料との比率は、フッ素基含有ホウ素アニオンのアニオンユニットとカチオン性シアニン系染料の全カチオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
(一般式(4)で示されるアニオン性基を有するビニル系樹脂)
本発明のアニオン性基を有するビニル系樹脂は、下記一般式(4)で表される構造単位
を含むビニル系樹脂である。中でもアクリル系樹脂が好ましく用いられる。
[一般式(4)中、R41は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Q
は置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−CONH
−R42−、または−COO−R42−を表し、R42は置換もしくは無置換のアルキレン基を表
す。P-は、―SO3 -、または−COO-を表す。]
一般式(4)中、
41におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキ
ル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
41で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基
、アルコキシル基等が挙げられる。上記の中でも、R41としては、水素原子またはメチル
基が最も好ましい。
一般式(4)中におけるP-は、−SO3 -又は−COO-を表し、耐熱性の観点で−SO3 -がより好ましい。
一般式(4)中、アクリル部位とP-を連結するQの成分はアルキレン基、アリーレン
基、−CONH−R42−、−COO−R42−を表し、R42はアルキレン基を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R42−、−COO−R42−であることが好ましい。
当該樹脂を構成する一般式(4)中においては、カチオン性シアニン染料と造塩前の前駆体の段階においては、カウンターイオンとしてカチオン成分が存在する。この場合、採用可能なカチオンは、無機または有機のカチオンであり、公知のものが制限なく採用できる。具体的には、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム化合物等が挙げられる。その際、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウムであり、アルカリ土類金属は、カルシウム、マグネシウムであることが好ましい。また、アンモニウム化合物とは、NH4+または、そのHを炭化水素基などで置換した化合物のことである。
本発明の好ましい様態である下記一般式(4)で表される構造単位を含むビニル系樹脂
を得るには、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有するモノマーを単量体成分と
して共重合する方法が挙げられる。
以下に、一般式(4)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るために使用可能な
スルホン酸基、もしくはカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の具体例を示す。
[カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体]
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられ、
また、カルボキシル基を有するモノマーとしては、カルボン酸無水物基を有するモノマー
も含まれ、カルボン酸無水物基を有するモノマーとしては、無水マレイン酸、及び無水イ
タコン酸等が挙げられる。
[スルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体]
スルホン酸基を有するモノマーは、式(IV)のモノマーおよびその水溶性塩、殊にア
ルカリ金属塩、例えばカリウムおよび、殊に有利には、ナトリウム塩、およびアンモニウ
ム塩である。
式(IV)
46(R47)C=C(R48)−X−SO3
[式中、R46、R47およびR48は、互いに無関係に、−H、C原子1〜12個を有する直鎖
または分岐鎖のアルキル基、直鎖または分岐鎖のC原子2〜12個を有するモノ不飽和ま
たはポリ不飽和のアルケニル基(その際、後者の2個の基は無置換であるか、または1個
以上の基−NH2、−OHまたは−COOHによって置換されている)、−COOHまた
は−COOR49であり、またR46はXSO3Hであり;R49は、飽和または不飽和の直鎖また
は分岐鎖のC原子1〜12個を有する炭化水素であり;Xは、単結合、n=1〜4である
−(CH2)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH2−O−フェニレ
ン(好ましくは1,4)、−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−、k=1〜6で
ある−COO−(CH2)k−、−CO−NH−、m=0〜3である−CO−NH−CR'
R''−(CH2)mまたは−CO−NH−CH2−CH(OH)−CH2−であり;R'は、
−H、−CH3または−C25でありかつR''は、−Hまたは−CH3である。]
スルホン酸基を有するモノマーのなかでとりわけ有利なのは、式(IVa)、(IVb
)および/または(IVc)のモノマーである。
2C=CH−X−SO3H (IVa)
2C=C(CH3)−X−SO3H (IVb)
HO3S−X−(R400)C=C(R411)−X−SO3H (IVc)
[式中、R400およびR411は、互いに無関係に、−H、−CH3、−CH2CH3、−CH2
2CH3または−CH(CH32でありかつXは、単結合、n=1〜4の−(CH2)n
−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH2−O−フェニレン(好ましく
は1,4)、−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−、k=1〜6の−COO−(
CH2)k−、−CO−NH−、m=0〜3の−CO−NH−CR'R''−(CH2)m−
または−CO−NH−CH2−CH(OH)−CH2−であり;R'は、−H、−CH3また
は−C25でありかつR''は、−Hまたは−CH3である。]
極めて有利なスルホン酸基含有モノマーは、1−アクリルアミド−1−プロパンスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル
−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−
メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−
ヒドロキシ−プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸(2−メチル
−2−プロペン−1−スルホン酸)、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシ
ベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン
酸、スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプレンスル
ホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、2−スルホエチルメタクリレート、3−スル
ホプロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミドな
らびに挙げられた酸の水溶性の塩およびエステルであって、その際、アルカリ金属塩およ
びアルカリ土類金属塩の形態であること、殊にNa塩およびK塩の形態であることが有利
である。
殊に有利なスルホン酸基を有するモノマーは、2−アクリルアミド−2−メチル−1−
プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ま
たは2−ソジウムスルホエチルメタクリレートである。
[その他共重合可能なエチレン性不飽和単量体]
その他、用いることのできるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル
類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエ
ステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビ
ニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
このようなモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t
−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(
メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オク
タデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ
)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)
アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチ
ル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アク
リル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエー
テル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリ
ル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエ
トキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)
アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、
(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メ
タ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(
メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエ
チルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が
挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブ
チレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。マレイン
酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン
酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマ
ル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及
びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ
)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリル
アミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)ア
ミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルア
ミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アク
リルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、
ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキ
シルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチル
スチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレ
ン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジク
ロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基
(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及
びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、スチレン、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、
または、(メタ)アクリル酸ベンジルが好ましく、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリルまたはスチレンが、造塩化
合物を使用した着色組成物の保存安定性の観点でより好ましい。
[その他共重合可能な熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体]
熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体を共重合させることで、カラーフィルタ
の製造における加熱工程において、熱架橋製官能基を有するアクリル樹脂同士、またはバ
インダー樹脂との架橋を形成する。それにより強固な被膜が形成され、塗膜の色変化を防
ぐ、すなわち耐熱性を向上させることができ、また、耐溶剤性も向上する。
上記熱架橋性官能基の好適な構造としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基
、1級または2級アミノ基、イミノ基、オキセタニル基、t−ブチル基、エポキシ基、メ
ルカプト基、イソシアネート基、アリル基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。
中でもカラーフィルタ用着色組成物という用途における保存安定性や他の材料との反応性
の観点から、ヒドロキシル基、オキセタニル基、t−ブチル基、イソシアネート基、(メ
タ)アクリル基が好ましく、特にヒドロキシル基を有していることが好ましい。
本発明に用いる、アニオン性基を有するビニル系樹脂中の熱架橋性官能基をアニオン性基を有するビニル系樹脂に導入する1つの方法は、熱架橋性官能基を有するエチレン性不飽和単量体を、一般式(4)で表されるアニオン性基に対応するエチレン性不飽和単量体と共重合する方法である。
ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、特に限定されないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートまたはこれらモノマーのカプロラクトン付加物(付加モル数は1〜5が好ましい)などが挙げられる。
オキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタンなどが挙げられる。
t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレートなどが挙げられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽単量体としては、例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルアクリレートなどが挙げられる。
本発明におけるイソシアネート基としては、ブロックイソシアネート基も含まれ、好ましく使用することができる。ブロックイソシアネート基とは、通常の条件では、イソシアネート基を他の官能基で保護することにより該イソシアネート基の反応性を抑える一方で、
加熱により脱保護し、活性なイソシアネート基を再生させることができるイソシアネートブロック体のことを示す。
このようなブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体の市販品としては、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI−BP,昭和電工製);メタクリル酸2−(0−[1'メチルプロビリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM,昭和電工製)などが挙げられる。
また、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、市販品を
使用できるほか、公知の方法で調製して使用することもできる。例えば、エチレン性不飽
和結合を有しているイソシアネート化合物とブロック剤とを溶媒中0〜200℃程度の温
度で撹拌し、濃縮、濾過、抽出、晶析、蒸留等の公知の分離精製手段を用いて分離するこ
とにより得ることができる。
本発明に用いるアニオン性基を有するビニル樹脂中の熱架橋性官能基を導入する他の方
法は、ビニル樹脂を得た後に、該ビニル樹脂が有する官能基に、前記官能基に対し反応し
得る官能基と熱架橋性官能基を有する化合物を反応させる方法である。例えば、カルボキ
シル基を有するアクリル樹脂中のカルボキシル基に、グリシジル基を有するエチレン性不
飽和単量体のグリシジル基を反応させることで、熱架橋性官能基として(メタ)アクリロ
イル基を有するアクリル樹脂を得ることができる。
上記熱架橋性官能基は樹脂中に少なくとも一種類含まれている必要があり、二種類以上含まれていてもよい。
本発明に好適な一般式(4)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得る方法と
しては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、
フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち
、フリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤とし
ては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例と
しては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロ
ニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4
−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート
)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキ
シメチルプロピオニトリル)、または2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2
−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t
−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パ
ーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキ
シビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニル
パーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、
単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは4
0〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、よ
り好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、
重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成でき
る。
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金
属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の
設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記
の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,
2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995
,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Scien
ce,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシ
レン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジ
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は
、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に好適な一般式(4)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に存在する
スルホン酸基およびカルボキシル基を有する構造単位の合計が、共重合組成の合計100
重量%のうち2〜50重量%を含む共重合体であることが好ましく、より好ましくは、5
〜35重量%を含む共重合体であることが好ましい。スルホン酸基、およびカルボキシル
基を有する構造単位の合計が、2重量%より少ないと、造塩反応が起こるカチオン性染料
の割合が低くなる。そのため、未造塩のカチオン性染料が多くなり、その結果、溶剤溶解
性も低くなり異物の析出といった現象が起こる場合がある。また、異物の析出を防止する
ためには、レジスト材中の溶剤量を多くする必要があるが、そうすると塗工性が著しく悪
化する場合がある。一方50重量%より多くなると、一般式(4)で表される構造単位を
含むビニル系樹脂中に造塩されているカチオン染料の量が多くなりすぎてしまうため、耐
熱性が悪化する場合がある。
本発明に使用される下記一般式(4)で表される構造単位を含むビニル系樹脂の分子量
は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC
)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、
3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適な下記一般式(4)で表される構造単位を含むビニル系樹脂は、カ
ラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましい
。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、グリコールアセテート類、
中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することが好ましい。
(カチオン性シアニン染料とアニオン性基を有するビニル系樹脂の塩形成)
本発明の造塩化合物は、アニオン性基を有するビニル系樹脂と、カチオン性シアニン系
染料とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいはアニオン性基を有する樹
脂の水溶液とカチオン性シアニン系染料の水溶液とを攪拌または振動下で混合させること
により、造塩化合物(X1)を容易に得ることができる。水溶液中で、樹脂のアニオン性
基と染料のカチオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水
不溶性となり造塩化合物(X1)が析出する。逆に、樹脂の対カチオンと塩基性染料の対
アニオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用するアニオン
性基を有する樹脂、およびカチオン性シアニン系染料は、各々単一種類のみを使用しても
、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
本発明の造塩化合物は、水溶液中でアニオン性基を有するビニル系樹脂とカチオン性シ
アニン系染料とを混合し、アニオン性基を有する樹脂の対カチオンとカチオン性染料の対
アニオンとからなる塩を除去してなる化合物であること、もしくは、水溶液中でカチオン
性基を有するビニル系樹脂とアニオン性シアニン系染料とを混合し、カチオン性基を有す
る樹脂の対アニオンとアニオン性染料の対カチオンとからなる塩を除去してなる化合物が
、耐熱性、保存安定性の観点で好ましい。造塩化合物中に塩形成で生じた副生物(例えば
NaCl)などが存在する場合は、着色組成物中で造塩化合物が経時で析出してしまう可
能性がある。
塩形成時に使用する水溶液として、アニオン性基を有する樹脂、およびカチオン性染料
を溶解させるため、もしくは、カチオン性基を有する樹脂、およびアニオン性染料を溶解
させるため水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては
、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−
プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2
−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキ
シ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレン
ゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレン
グリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グ
リセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトン
アルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン
、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF
)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン
、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアル
コール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は
、水溶液の全重量(100重量%)中、5〜50重量%用いることが好ましく、5〜20
重量%用いることが最も好ましい。
アニオン性基を有する樹脂と、カチオン性シアニン系染料との比率は、樹脂の全アニオ
ンユニットとカチオン性シアニン系染料の全カチオン性基とのモル比が10/1〜1/4
の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればよ
り好ましい。
<その他の着色剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、さらに、その他の着色剤を併用して用いてもよい。その他の着色剤としては、染料、または有機顔料である。
(有機顔料(D))
その他の着色剤と併用する場合には、中でも有機顔料(D)を用いることが色相の調整、および耐性向上のために好ましい。シアニン系色素(A)と有機顔料(D)とを併用する場合、シアニン系色素(A)と有機顔料(D)との使用割合は、有機顔料(D)100重量部に対しシアニン系色素(A)が1〜80重量部であることが好ましい。より好ましくは5〜60重量部である。シアニン系色素(A)の添加量がこの範囲にある場合、色相、および再現可能な色度領域も優れた組成物とすることができる。
併用する顔料としては、各色のフィルタセグメントごとに下記のものが用いられる。
[赤色フィルタセグメントを形成する顔料]
赤色フィルタセグメントを形成する赤色顔料としては、以下に述べる赤色顔料、または赤色染料を併用して用いることができる。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、149、166、168、169、176、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、221、242、246、254、255、264、268、269、270、272、273、274、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、特表2011−523433号公報に記載のジケトピロロピロール顔料、または特開2013−161025号公報に記載のナフトールアゾ顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。これらの中でもC.I.ピグメントレッド177、242、254、269を用いることが好ましい。
赤色フィルタセグメント形成のためには、さらに、黄色または橙色顔料を併用しても良い。黄色または橙色顔料としては、以下に述べる黄色顔料、橙色顔料等が挙げられる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、221または特許第4993026号公報に記載のキノフタロン系顔料等が用いられるが、特にこれらに限定されない。橙色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ38、43、71、または73等が用いられる。
これらの顔料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
[青色フィルタセグメントを形成する顔料]
青色フィルタセグメントを形成する顔料としては、青色顔料として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等が挙げられ、紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でも、明度、コントラスト比の観点から、C.I.ピグメント ブルー15:1、15:6が特に望ましい。
[緑色フィルタセグメントを形成する顔料]
緑色フィルタセグメントを形成する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58、特開2008−19383号公報、特開2007−320986号公報、特開2004−70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料、許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でもC.I.ピグメントグリーン7、36、58を用いることが好ましい。
また緑色着色組成物には、色相調整のため、黄色顔料を併用することが可能である。中でもC.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、221、特許第4993026号公報に記載のキノフタロン系顔料等を併用することが可能であるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でも、C.I.ピグメント イエロー138、139、150、185等を用いることが好ましい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物において、全不揮発成分に対する着色剤濃度は、充分な色再現性を得る観点から10〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜85重量%であり、最も好ましくは20〜80重量%である。着色剤成分の濃度が、10重量%未満になると、十分な色再現性を得ることができない場合があり、90重量%を超えるとバインダー樹脂などの着色剤担体の濃度が低くなり、着色組成物の安定性が悪くなる場合がある。
(顔料の微細化)
本発明で併用してもよい有機顔料(D)は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式または連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料の全重量100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料の全重量100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料の全重量100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
顔料をソルトミリング処理(微細化)する際に、同時に本発明のシアニン系色素(A)を添加することも好ましいものである。顔料を微細化する際に、共に添加することで良好な着色剤とすることができる。
(染料)
次に、本発明のシアニン系色素と併用可能な染料について説明する。併用することができる染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられ、油溶性染料、酸性染料、金属錯塩染料、塩基性染料、直接染料、分散染料、媒染染料等が挙げられる。これらのうち、油溶性染料、酸性染料、金属錯塩染料、塩基性染料が好ましい。
また、化学構造によれば、アゾ染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、スクワリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。
(油溶性染料)
油溶性染料を用いる場合、キサンテン系染料、またはアントラキノン系染料が明度の観点で好ましい。
キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、またはC.
I.ソルベントバイオレット10等が挙げられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
アントラキノン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド172、222、C.
I.ソルベントバイオレット60等が挙げられる。
(酸性染料)
トリアリールメタン系酸性染料としては、C.I. アシッドブルー1、3、5、7、9
、11、15、17、19、22、24、38、48、75、83、90、91、93、93:1、100、103、104、109、110、119、147、269、123、213、C.I. ダイレクトブルー41、C.I. アシッドバイオレット17、19、21、23、25、38、49、72、ダイレクトブルー41などが挙げられる。
キサンテン系酸性染料としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
アントラキノン系酸性染料としては、C.I. アシッドブルー23、25、27、35
、40、41、43、45、47、49、51、53、55、56、62、68、69、78、80、81:1、11、124、127、127:1、140、150、175、215、230、277、344、C.I. アシッドバイオレット41、42、43、C.I. アシッドグリーン25、27、またはダイレクトバイオレット17等が挙げられる。
アゾ系酸性染料としては、例えば、C.I. アシッドレッド1、3、4、6、8、11、12、14、18、26、27、33、37、53、57、88、106、108、111、114、131、137、138、151、154、158、159、173、184、186、215、257、266、296、337;
C.I. アシッドオレンジ7、10、12、19、20、22、28、30、52、56、74、127;
C.I. アシッドバイオレット11、56、58;
C.I. アシッドイエロー1、17、18、23、25、36、38、42、44、54、59、72、78、151;
C.I. アシッドブラウン2、4、13、248;
C.I. アシッドブルー92、102、113、117などが挙げられる。
(塩基性染料)
塩基性染料を用いる場合、トリアリールメタン系、またはキサンテン系染料が明度の観点で好ましい。
トリアリールメタン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)等があげられる。中でもC.I.ベーシック ブルー7、同グリーン 4、同バイオレット1、同バイオレット3を用いることが好ましい。
ローダミン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド1(ローダミン6G、6GCP)、同3、同8(ローダミンG)、C.I.ベーシック バイオレット10(ローダミンB)、C.I.ベーシック バイオレット11等があげられる。中でもC.I.ベーシック レッド1、同バイオレット10、同バイオレット11を用いることが好ましい。
フラビン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック イエロー1、
オーラミン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック イエロー2、3、
サフラニン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド2、
フロキシン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド12、
アクリジン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック イエロー5、
オキサジン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック ブルー3、
チアジン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック ブルー24、
メチレンブルー系塩基性染料としては、C.I.ベーシック ブルー9(メチレンブルーFZ、メチレンブルーB)、同25(ベーシック ブルーGO)、同24(ニューメチレンブルーNX)等があげられる。中でもC.I.ベーシック イエロー1、同ブルー9、同24、同25を用いることが好ましい。
アゾ系塩基性染料としては、ベーシックレッド22、ベーシックレッド76、ベーシックイエロー57、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17等が挙げられる。
またC.I.ダイレクト染料として、C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141、C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250、C.I.ダイレクトオレンジ34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107、C.I.ダイレクトブルー57、77、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、166、167、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、196、198、199、200、207、209、210、212、213、214、222、228、229、237、238、242、243、244、245、247、248、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293、C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104、C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82などの染料が挙げられる。
さらに、C.I.モーダント染料として、C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65、C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95、C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48、C.I.モーダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83、84、C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58、C.I.モーダントグリーン1、3、4、5、10、15、19、26、29、33、34、35、41、43、53などの染料が挙げられる。
<金属錯体化合物(B)>
本発明の金属錯体化合物は、蛍光消光能を有するものであり、蛍光発光能を有するシアニン系色素(A)と併用することで、着色組成物のコントラスト比を増大させる効果がある。
本発明において使用する金属錯体化合物は、遷移金属原子による錯体化合物が好ましい。遷移金属イオンを構成する遷移金属としては、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、等が挙げられる。
遷移金属の好ましい例としては、遷移金属が第一系列(即ち第4周期)に属するもの、すなわちスカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)で構成されたものが挙げられる。これらの中で好ましい例としては、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)であり、特に好ましいのは、クロム(Cr)、コバルト(Co) である。
金属錯体化合物における配位子1個の分子量は、20以上300未満であることが好ましい。300以上は分子量の増大を招き、コントラスト比向上効果が薄れる。
金属錯体化合物における配位子としては、一般的な配位子は全て用いることができ、単座配位子および多座配位子のいずれも好適に用いることができる。上記配位子の具体例としては、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキソ、アクア、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、ベンゾニトリル、オキソ、ペルオキソ、カルボニル、カルボナト、オキサラト、アセタト、エタノラト、1−ブタンチオラト、チオフェノラト、2,2’−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート、アセチルアセトナト、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト、トリフルオロアセチルアセトナト、ヘキサフルオロアセチルアセトナト、エチルアセトアセトナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ジエチルジチオカルバメート、ジ−n−ブチルジチオカルバメート、シアノ、アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、テトラエチルアンモニウム、ピペリジン、N−メチルアニリン、ピリジン、2−フェニルピリジン、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、エチレンジアミンテトラアセタト、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、トリス(2−アミノエチル)アミン、スルファト、ニトロ、ニトリト、ホスファト、ジイソプロピルジチオホスフェート、ジエチルジチオホスフェート、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、シクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン、ベンゼン、ナフタレン、アリル等が挙げられる。
上記配位子の好ましいものとしては、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキソ、アクア、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、オキソ、ペルオキソ、カルボニル、カルボナト、オキサラト、アセタト、エタノラト、1−ブタンチオラト、アセチルアセトナト、2,2,6,6− テトラメチル−3,5−
ヘプタンジオナト、トリフルオロアセチルアセトナト、ヘキサフルオロアセチルアセトナト、エチルアセトアセトナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ジエチルジチオカルバメート、ジ−n−ブチルジチオカルバメート、シアノ、アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、エチレンジアミンテトラアセタト、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、トリス(2−アミノエチル)アミン、スルファト、ニトロ、ニトリト、ホスファト、ジイソプロピルジチオホスフェート、ジエチルジチオホスフェート、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン、アリル等が挙げられる。
上記配位子の更に好ましい例としては、アセタト、アセチルアセトナト、ヘキサフルオロアセチルアセトナト、チオシアナト、ジエチルジチオカルバメート、ジ−n−ブチルジチオカルバメートが挙げられる。
また、上記以外の金属錯体化合物としては、以下のようなカチオン部位を持った金属錯体化合物が使用可能である。対アニオン種は特に限定されないが、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、SO4 2-、及びCF2SO3 -から選ばれるいずれか1種が好ましい。
(金属錯塩染料)
本発明の金属錯体化合物(B)として、特に好ましいのが、分子中に金属原子と錯塩化し得る基を含む染料分子と、金属原子とを錯塩化した金属錯塩染料である。中でも、アゾ染料、メチン染料を配位子とし、クロム、コバルトを中心金属とする、金属錯塩染料が好ましい。
また、金属錯塩染料としては、金属原子と染料分子との結合比が1:1である1:1形金属錯塩染料と、該比が1:2である1:2形金属錯塩染料とが挙げられ、1:2形金属錯塩染料が好ましい。
金属錯塩染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー13、19、21、25、25:1、62、79、81、82、83、83:1、88、89、90、151、161、C.I.ソルベントオレンジ5、11、20、40:1、41、45、54、56、58、62、70、81、99、C.I.ソルベントレッド8、35、83:1、84:1、90、90:1、91、92、118、119、122、124、125、127、130、132、160、208、212、214、225、233、234、243;C.I.ソルベントバイオレット2、21、21:1、46、49、58、61;C.I.ソルベントブルー137;C.I.ソルベントブラウン28、42、43、44、53、62、63;C.I.アシッドイエロー59、121;C.I.アシッドオレンジ74、162;C.I.アシッドレッド211が挙げられる。これらの中でも、シアニン系色素(A)の蛍光発光抑制の観点から、C.I.ソルベントイエロー 21、79、81、82、C.I.ソルベントオレンジ 41、54、56、62、99、C.I.ソルベントレッド 8、118、122、127が好ましく、蛍光発光抑制効果と明度のバランスを考えると、C.I.ソルベントオレンジ41、56、62、99が特に好ましい。これらの金属錯塩染料は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属錯塩染料(B)のもっとも好ましい形態としては、下記一般式(5)で表される化合物、下記一般式(6)で表される化合物、または下記一般式(7)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(5)
[一般式(5)中、R510〜R527は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、ニトロ基、−SO2NHR530、−SO3H又は−SO2CH3、ハロゲン基を表す。
528及びR529は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基、−SO2NHR530、−SO3H又は−SO2CH3、ハロゲン基を表す。
530は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
1〜A4は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。
*は、Mとの結合手を表す。
Mは、Cr又はCoを表す。
nは、1〜5の整数を表す。
+は、ヒドロン、1価の金属カチオンを表す。]
510〜R527、R530で表される炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基及び1,1,5,5−テトラメチルヘキシル基等の分枝鎖状アルキル基が挙げられる。
510〜R527のうち、少なくとも1つがニトロ基であることが好ましい。ニトロ基を有することにより、化合物の分光濃度が高くなる傾向がある。
528及びR529は、メチル基、または−SO3Hが好ましい。
530で表される炭素数2〜15のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、1−エトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、1−イソプロポキシプロピル基、2−イソプロポキシプロピル基、1−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、2−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、オクチルオキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等が挙げられる。
上記式(5)において、D以外の各基の好ましい組合せは以下の通りである。すなわち、R510〜R518のうち1つが水素原子又はニトロ基であり、1つが水素原子、SO2NHR530、−SO3H、及び−SO2CH3、ハロゲン基から選ばれる1つであり、残りが水素原子であり、
519〜R527のうち1つが水素原子又はニトロ基であり、1つが水素原子、SO2NHR530、−SO3H、及び−SO2CH3、ハロゲン基から選ばれる1つであり、残りが水素原子であり、
528及びR529がメチル基または−SO3Hであり、
530が水素原子、炭素数1〜4の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基であり、
1〜A4のうち2つが*−O−、残りが同一に*−O−又は*−O−CO−であり、
MはCrであり、
nは1となる組合せが好ましい。
一般式(6)
[一般式(6)中、R60〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、ニトロ基、−SO2NHR641、−SO3H又は−SO2CH3、ハロゲン基を表す。
69は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基、−SO2NHR641、−SO3H又は−SO2CH3、ハロゲン基を表す。
641は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
5及びA6は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。
*はM1との結合手を表す。
M1は、Cr又はCoを表す。
n1は、0〜2の整数を表す。
D1+は、ヒドロン、1価の金属カチオンを表す。]
60〜R68、R641で表される炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基及び1,1,5,5−テトラメチルヘキシル基等の分枝鎖状アルキル基が挙げられる。
60〜R68のうち、少なくとも1つがニトロ基であることが好ましい。ニトロ基を有することにより、化合物の分光濃度が高くなる傾向がある。
641で表される炭素数2〜15のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、1−エトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、1−イソプロポキシプロピル基、2−イソプロポキシプロピル基、1−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、2−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、オクチルオキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等が挙げられる。
上記式(6)において、D1以外の各基の好ましい組合せは以下の通りである。すなわち、R60〜R68のうち1つがニトロ基であり、1つがSO2NHR641、−SO3H、及びSO2CH3、ハロゲン基から選ばれる1つであり、残りが水素原子であり、
69がメチル基であり、
641が水素原子、炭素数1〜4の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基であり、
5〜A6のうち1つが*−O−、残りが*−O−又は*−O−CO−であり、
M1はCr又はCoであり、
n1は0又は1となる組合せが好ましい。
一般式(7)
[一般式(7)中、 R70は、炭素数1〜12の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、−OH、−OR77、−CO−OR77、−O−COR77、−CONR7778、炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−及び−CO−の少なくとも1つで置き換わっていてもよい。
71は、水素原子、−CN、又は−CONH2を表す。
72は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。
73〜R76は、互いに独立に、−R77、−OR77、−CO−OR77、−COR77、−OCO−OR77、−O−COR77、−CN、−NO2、ハロゲン原子、−SO3H、−SO3Na、−SO3K、−SO2NR7778又は−NR792793を表す。R73及びR74、R74及びR75、並びにR75及びR76は、互いに結合してベンゼン環の炭素を含んだ6〜7員環を形成してもよい。
77及びR78は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR79で置換されていてもよい。
79は、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表す。
792及びR793は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜8のアシル基又はテトラヒドロフルフリル基を表す。R792及びR793は、互いに結合して窒素原子を含んだ環を形成してもよい。
7〜A10は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はM2との結合手を表す。
2は、Cr又はCoを表す。
n2は、1〜5の整数を表す。
D2+は、ヒドロン、1価の金属カチオンを表す。]
70で表される炭素数1〜12の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等の直鎖状飽和炭化水素基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、メチルペンチル基、エチルブチル基、メチルヘキシル基、エチルペンチル基、プロピルブチル基、(メチルエチル)ブチル基、(メチルエチル)(メチル)プロピル基、メチルヘプチル基、エチルヘキシル基、プロピルペンチル基、(メチルエチル)ペンチル基、ブチルブチル基、(ブチル)(メチル)ブチル基、(ジメチルエチル)(ブチル)ブチル基、ジメチルプロピル基、ジメチルブチル基、(エチル)(メチル)プロピル基、ジメチルペンチル基、(エチル)(メチル)ブチル基、ジメチルヘキシル基、(エチル)(メチル)ペンチル基、(プロピル)(メチル)ブチル基、(メチルエチル)(メチル)ブチル基、ジエチルブチル基等の分枝鎖状飽和炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
72で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、R70で例示した前記各基のうち炭素数が4以下の直鎖状飽和炭化水素基、炭素数が4以下の分枝鎖状飽和炭化水素基が例示できる。
77、R79、R792及びR793で表される炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、R70で例示した前記各基のうち炭素数が8以下のものが例示できる。さらには、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、2−メチルプロペニル基等も挙げられる。
77及びR78における炭素数7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。R77、R78及びR79における炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
79で表される炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基としては、R70で例示した前記各基のうち炭素数が8以下のものが例示できる。
792及びR793における炭素数2〜8のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基等が挙げられる。
70において、−CH2−が−O−又は−CO−で置き換えられた飽和炭化水素基としては、例えば、アセチル基、オキソブチル基、オキソペンチル基、オキソヘキシル基等のオキソ基を含有する飽和炭化水素基;
フェナシル基、オキソ(ナフチル)エチル基、オキソ(ヒドロキシフェニル)エチル基、オキソ(ヒドロキシナフチル)エチル基、オキソ(メトキシフェニル)エチル基、オキソ(フェニル)プロピル基、オキソ(ナフチル)プロピル基等の芳香族基で置換されたオキソ基含有飽和炭化水素基;等の1つの−CH2−が−CO−で置き換えられた飽和炭化水素基;並びに
2−[2−(アセチルオキシ)アセトキシ]エチル基、2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エチル基、2−[2−(メトキシカルボニル)エチルカルボニルオキシ]エチル基等のアルキル基、アルキレン基、及びエステル結合とで形成される基;
2−ベンゾイルオキシエチル基等のアルキレン基、芳香族環、及びエステル結合とで形成される基;等の1つの−CH2−が−CO−で置き換えられ、1つの−CH2−が−O−で置き換えられた飽和炭化水素基が挙げられる。
上記一般式(7)において、D2以外の各基の好ましい組合せは、
70が、炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;アルキル基とアルキレン基と2つのエステル結合とで形成される基、アルキレン基と芳香族環と1つのエステル結合とで形成される基のいずれかであり、
71が−CNであり、
72が炭素数1〜4のアルキル基であり、
73〜R76のうち3つが水素原子であるR77であり、残る一つが水素原子であるR77又は−NR792793であり、この−NR792793を構成するR792及びR793のうち一方は水素原子であり、他方は炭素数2〜4のアシル基であり、
11〜A14のうち2つが*−O−、残りが同一に*−O−又は*−O−CO−であり、
2はCrであり、
n2は1となる組合せである。
+、D1+、D2+で表される1価の金属カチオンとしては、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン等が挙げられる。
(一般式(5)で表される金属錯塩染料)
一般式(5)で表される金属錯塩染料としては、C.I.ソルベントレッド130、C.I.ソルベントオレンジ41、C.I.ソルベントオレンジ62等が挙げられる。
(一般式(6)で表される金属錯塩染料)
一般式(6)で表される金属錯塩染料としては、例えば、C.I.ソルベントオレンジ56等が挙げられる。
(一般式(7)で表される金属錯塩染料)
一般式(7)で表される金属錯塩染料としては、式(7−1)〜(7−6)で表されるような化合物が挙げられる
(金属錯塩染料の造塩化合物)
本発明の金属錯塩染料は、耐光性、耐熱性に問題があり、高い信頼性が要求されるカラーフィルタを使用する画像表示装置に用いるには、その特性は十分なものではない場合がある。
そのため、これらの欠点を改善する手法として、(1)金属錯塩染料がアニオン性である場合は、四級アンモニウム塩化合物(カチオン性化合物)、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、及びこれらの官能基を有する樹脂成分と金属錯塩染料とを造塩化させた造塩化合物として用いること、(2)金属錯塩染料と脂肪酸アマイドの無機酸塩とを造塩化させた造塩化合物として用いること、(3)金属錯塩染料がスルホン酸基を有する場合、スルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いること、が挙げられる。
[カチオン性化合物]
前述のとおり、本発明の金属錯塩染料が、アニオン性基を有する色素である場合は、カチオン性基を有する化合物と造塩をすることで造塩化合物の形態として用いることが出来る。その場合、カチオン性基を有する化合物としては、下記一般式(8)で表わされる化合物を用いることが出来る。
一般式(8)
一般式(8)中、R1〜R4 は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R1〜R3のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Y-は無機または有機のアニオンを表す。ここでいう、置換基、アルキル基、アルケニル基、アリール基は、以下で述べるものである。
置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基などが挙げられる。以下詳細に記述する。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
直鎖もしくは分岐のアルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、
シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチルが挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が特に好ましい。)
直鎖もしくは分岐のアルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、
シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルが挙げられ、多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)やトリシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい。)
アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、
ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、
アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、
シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、
カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、
アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、
アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)、
アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、
アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、
スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、
メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、
アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、
ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N'−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、
スルホ基、
アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、
アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、
アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、
アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、
カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、
イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド、N−フタルイミド)、
ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、
ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、
ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、
シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)、が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、官能基中の水素原子の部分が、上記いずれかの基で置換されていてもよい。置換基として導入可能な官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
一般式(8)で表される化合物(四級アンモニウム塩化合物)の好ましい形態は、無色、または白色を呈するものである。ここで無色、または白色とは、いわゆる透明な状態を意味し、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において、透過率が95%以上、好ましくは98%以上となっている状態と定義されるものである。すなわち染料成分の発色を阻害しない、色変化を起こさないものである必要がある。
四級アンモニウム塩化合物のカウンターとなるカチオン部分の分子量は190〜900の範囲であることが好ましい。ここでカチオン部分とは、下記一般式(1)中の(NR1234+の部分に相当する。分子量が190よりも小さいと耐光性、耐熱性が低下してしまい、さらに溶剤への溶解性が低下してしまう場合がある。また分子量が900よりも大きくなると分子中の発色成分の割合が低下するために、発色性が低下し、明度も低下してしまう場合がある。より好ましくはカチオン部分の分子量が240〜850の範囲であり、特に好ましいのは350〜800の範囲である。
ここで分子量は構造式を基に計算を行ったものであり、Cの原子量を12、Hの原子量を1、Nの原子量を14とした。
一般式(8)中のR1〜R4の少なくとも2つ以上の側鎖のCの数を5〜20個とすることで、溶剤に対する溶解性が良好なものとなる。R1〜R4のうちCの数が5より小さいアルキル基が3つ以上になると溶剤に対する溶解性が悪くなり、塗膜異物が発生しやすくなってしまう。また側鎖にCの数が20を超えてしまうアルキル基が存在すると造塩化合物の発色性が損なわれてしまうことがある。
四級アンモニウム塩化合物のアニオンを構成するY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよいが、ハロゲンであることが好ましく、塩素であることがより好ましい。
このような四級アンモニウム塩化合物として具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が74)、テトラエチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が122)、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が312)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が550)、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が788)、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が284)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が368)、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が270)、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が228)、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が382)、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が536)、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が318)、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が360)、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が444)、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が612)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が388)、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が248)、またはジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド(硬化牛脂)(カチオン部分の分子量が438〜550)等を用いることが好ましい。
製品としては、花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB−50等、ライオン社製のアーカード210−80E、2C−75、2HT−75、2HTフレーク、2O−75I、2HP−75、または2HPフレーク等があげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)、またはアーカード2HT−75(ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド)等が好ましいものである。
[カチオン性基構造単位含むアクリル樹脂]
また、カチオン性基を有する化合物として、4級アンモニウム塩などカチオン性基構造単位含むアクリル樹脂を使用しても良い。カチオン性基構造単位含むアクリル樹脂は、アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体もしくはアミノ基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合して作製したアクリル樹脂である。
以下に、本発明のカチオン性基構造単位含むアクリル樹脂を作成するのに好適なエチレン性不飽和単量体を示す。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」、のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」、と記載することがある。同様に、「アクリロイル、メタクリロイル」のいずれか或いは双方を示す場合、「(メタ)アクリロイル」と記載することがある。
[アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体]
アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
[アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体]
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミドが挙げられ、ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン等のジアリルアミン化合物、N−ビニルピロリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等のアミノ基含有芳香族ビニル系単量体が挙げられる。
[その他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体]
その他、用いることのできるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
カチオン性基構造単位含むアクリル樹脂中に存在するアンモニウム塩基の量は、特に限定されるものではないが、樹脂のアンモニウム塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。
樹脂のアンモニウム塩価が、上記範囲を満たすためには、4級アンモニウム塩基を有する構造単位の好ましい含有量は、樹脂を構成する構造単位の合計100重量%のうち2〜50重量%を含む共重合体であることが好ましく、より好ましくは、10〜40重量%を含む共重合体であることが好ましい。
本発明に使用されるカチオン性基構造単位含むアクリル樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適なカチオン性基構造単位含むアクリル樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、グリコールアセテート類、中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することが好ましい。
[脂肪酸アマイドの無機酸塩]
本発明における脂肪酸アマイドの無機酸塩とは、脂肪酸アマイドと塩酸、硫酸、酢酸、硝酸等といった無機酸との造塩化合物である。脂肪酸アマイドとしては、飽和脂肪酸のアマイド、不飽和脂肪酸アマイド、アルキレンビス不飽和脂肪酸アマイドに大別される。
代表的な脂肪酸アマイドとしては、ラウリン酸アマイド、ミリスチン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、イソステアリン酸アマイド、エチルヘキサン酸アマイド、トリエチルへキサン酸アマイド等が挙げられ、
不飽和脂肪酸アマイドとしては、トウハク酸アマイド、リンデル酸アマイド、ツズ酸アマイド、パルミトオレイン酸アマイド、オレイン酸アマイド、バクセン酸アマイド、リノール酸アマイド、リノレン酸アマイド、エレオステアリン酸アマイド、アラキドン酸アマイド、ネルボン酸アマイド、及びエルカ酸アマイド等が挙げられ、
代表的なアルキレンビス不飽和脂肪酸アマイドとしては、メチレンビストウハク酸アマイド、メチレンビスリンデル酸アマイド、メチレンビスツズ酸アマイド、メチレンビスパルミトオレイン酸アマイド、メチレンビスオレイン酸アマイド、メチレンビスバクセン酸アマイド、メチレンビスリノール酸アマイド、メチレンビスリノレン酸アマイド、メチレンビスエレオステアリン酸アマイド、メチレンビスアラキドン酸アマイド、メチレンビスネルボン酸アマイド、及びメチレンビスエルカ酸アマイド等、あるいは、エチレンビストウハク酸アマイド、エチレンビスリンデル酸アマイド、エチレンビスツズ酸アマイド、エチレンビスパルミトオレイン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスバクセン酸アマイド、エチレンビスリノール酸アマイド、エチレンビスリノレン酸アマイド、エチレンビスエレオステアリン酸アマイドエチレンビスアラキドン酸アマイド、エチレンビスネルボン酸アマイド、及びエチレンビスエルカ酸アマイド等が挙げられる。
特に、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、メチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、メチレンビスエルカ酸アマイド、エチレンビスエルカ酸アマイドが好ましく用いられる。
(金属錯塩染料の塩形成)
[金属錯塩染料とカチオン性基を有する化合物との塩形成]
本発明の金属錯塩染料の造塩化合物は、金属錯塩染料を溶解させた溶液と、カチオン性基を有する化合物を攪拌または振動させるか、あるいは金属錯塩染料を溶解させた溶液と、カチオン性基を有する化合物の溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、造塩化合物を容易に得ることができる。溶液中で、金属錯塩染料を溶解させた溶液のアニオン性基と、カチオン性基を有する化合物のカチオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となる場合は、造塩化合物が析出する。その場合、カチオン性基を有する化合物の対アニオンと金属錯塩染料の対カチオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用するカチオン性基を有する化合物、および(蛍光を有する)アニオン性基を有する色素は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、造塩化合物が析出しない場合は、適宜、大量の貧溶媒中に溶液を落とし、析出物を得る。この析出物は水洗することで、カチオン性基を有する化合物の対アニオンと金属錯塩染料の対カチオンからなる塩を除去する。使用するアニオン性基を有する化合物、および金属錯塩染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
本発明の金属錯塩染料の造塩化合物は、水溶液中でカチオン性基を有する化合物と金属錯塩染料とを混合し、カチオン性基を有する化合物の対アニオンと、金属錯塩染料の対カチオンとからなる塩を除去してなる化合物であることが、耐熱性、保存安定性の観点で好ましい。造塩化合物中に塩形成で生じた副生物(例えばNaCl)などが存在する場合は、着色組成物中で造塩化合物が経時で析出してしまう可能性がある。
塩形成時に使用する溶液として、カチオン性基を有する化合物、および金属錯塩染料(BX)を溶解させるための溶媒として、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量(100重量%)中、5〜90重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
カチオン性基を有する化合物と、金属錯塩染料との比率は、カチオン性基を有する化合物の全カチオンユニットと金属錯塩染料の全アニオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の金属錯塩染料の造塩化合物(B)を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
[金属錯塩染料と脂肪酸アマイドの無機酸塩との塩形成]
本発明の金属錯塩染料と脂肪酸アマイドの無機酸塩の造塩化合物を作成するためには、まず、脂肪酸アマイドと無機酸との反応させることで脂肪酸アマイドの無機酸塩を得る必要がある。無機酸としては塩酸、酢酸、硝酸等から選ばれるいずれか一つが好ましく、塩酸が最も好ましい。この反応は、脂肪酸アマイドの水溶液、または有機溶媒溶液に、脂肪酸アマイドの1モル以上20モル倍以下の塩化水素を含む水溶液を添加混合することにより行われる。また反応は、−100〜100℃で実施することが好ましい。反応時間は、0.1乃至100時間程度で脂肪酸アマイドの無機酸塩水溶液、または有機溶剤溶液を得ることが出来る。
得られた脂肪酸アマイドの無機酸塩水溶液、または有機溶剤溶液を、前記載の「金属錯塩染料とカチオン性基を有する化合物との塩形成」の記載内容のカチオン性基を有する化合物の代わりに使用すること以外は同様の方法で、容易に造塩化合物を得ることが出来る。
金属錯塩染料と脂肪酸アマイドの無機酸塩との塩形成の一例として、C.I.ソルベントレッド130とエルカ酸アマイドの塩酸塩との造塩行程を示す。
本発明の金属錯体化合物の添加量としては、シアニン系色素(A)と金属錯体化合物(B)との重量比(B/A)が、0.005〜1.0の範囲であることが好ましく、さらに、0.01〜0.2の範囲であるのが最も好ましい。0.005以下では、蛍光消光効果が乏しく、コントラスト比向上効果に乏しい。1.0以上では、明度低下を引き起こす場合がある。
<バインダー樹脂(C)>
本発明におけるバインダー樹脂は、着色剤を分散するものであって、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型感光性着色組成物の形態で用いる場合には、酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性置換基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性置換基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性置換基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性置換基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールメタアクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
着色剤を好ましく分散させるためには、樹脂の重量平均分子量(Mw)は10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
また、着色剤の分散性、安定性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶性基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料の分散性、塗膜における現像液浸透性、未硬化部分の現像液溶解性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。また300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる場合がある。
樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤の全重量100重量部に対して、30重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましい。より好ましくは100〜400重量部。さらに好ましくは160〜320重量部である。このような顔料の構成比率により色度領域を広げることができる。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
有機溶剤としては、例えば、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、着色剤の分散性、浸透性、および着色組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤100重量部に対して、500〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物に添加しても良い光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の配合量は、着色剤100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、着色剤100重量部に対し、2〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜150重量部であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<酸化防止剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2'−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2'−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2'チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2'−メチル−4'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2'−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N′−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4'イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。また酸化防止剤の含有量は、カラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分重量を基準として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、着色剤を、バインダー樹脂[C]などの色素担体および/または溶剤中に、好ましくは分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(顔料分散体)。このとき、シアニン系色素(A)、金属錯体化合物(B)、およびその他の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。また、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記顔料分散体と、光重合性単量体及び/または光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の顔料分散剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度および粘度安定性が良好になる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開2001−335717号公報、特開2003−128669号公報、特開2004−091497号公報、特開2007−156395号公報、特開2008−094873号公報、特開2008−094986号公報、特開2008−095007号公報、特開2008−195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の含有量は、分散性向上の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは35重量部以下である。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなる少なくとも1つのフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタである。カラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントと、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントと、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントとを具備し、前記少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されることが好ましい。また、カラーフィルタは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。
緑色フィルタセグメントは、通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色着色組成物は、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、または58等の緑色顔料を用いて得られる組成物である。緑色着色組成物には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、または214等の黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントは、青色顔料と着色剤担体を含む通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、または64等が用いられる。
また、青色着色組成物には、C.I.ピグメントバイオレット23等の紫色顔料や、C.I.ピグメントレッド81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5などのローダミン系染料の金属レーキ顔料を併用できる。また青色や紫色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。また、「PGMAC」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
(樹脂の重合平均分子量(Mw))
樹脂の重合平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5〜1.0部に、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
<バインダー樹脂の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の調整)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
<顔料の製造方法>
(微細化PR254顔料(PR254−1)の製造)
ジケトピロロピロール顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「B−CF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の微細化ジケトピロロピロール顔料(PR254−1)を得た。
(微細化PR177顔料(PR177−1)の製造)
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 177(BASF社製「クロモフタルレッド A2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、アントラキノン系の微細化赤色顔料(PR177−1)を得た。
(微細化緑色顔料(PG58−1)の製造)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 58(DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN A110」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化緑色顔料(PG58−1)を得た。
(微細化黄色顔料(PY150−1)の製造)
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY150−1)を得た。
(微細化青色顔料(PB15:6−1)の製造)
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化青色顔料(PB15:6−1)を得た。
(微細化紫色顔料(PV23−1)の製造)
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(トーヨーカラー株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、紫色微細化紫色顔料(PV23−1)を得た。
<樹脂型分散剤溶液の調製>
市販の樹脂型分散剤である、BASF社製EFKA4300と、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて不揮発分40重量%溶液に調製し、樹脂型分散剤溶液1として使用した。
<顔料分散体の製造方法>
(PR254・顔料分散体(GP−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20重量%の顔料分散体(GP−1)を作製した。
微細化PR254顔料(PR254−1) :11.0部
アクリル樹脂溶液1 :17.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC):66.5部
樹脂型分散剤溶液1 : 5.0部
(PR177・顔料分散体(GP−2))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPR177−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPR177・顔料分散体(GP−2)を作製した。
(PG58・顔料分散体(GP−3))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPG58−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPG58・顔料分散体(GP−3)を作製した。
(PY150・顔料分散体(GP−4))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPY150−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPY150・顔料分散体(GP−4)を作製した。
(PB15:6・顔料分散体(GP−5))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPB15:6−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPB15:6・顔料分散体(GP−5)を作製した。
(PV23・顔料分散体(GP−6))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPV23−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPV23・顔料分散体(GP−6)を作製した。
<金属錯塩染料の造塩化合物の製造方法>
(金属錯塩染料の造塩化合物(KZ−1))
N−メチルピロリドン20部にC.I.ソルベントオレンジ62(SO62:オリエント化学工業株式会社製 VALIFAST ORANGE 3209)10部を十分に攪拌混合させることで溶解させる。一方、3部の水にメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩2.85部を添加して十分攪拌混合させることで溶解させ、これを先ほどのC.I.ソルベントオレンジ62溶液に少しずつ滴下していき、50℃で2時間攪拌を行った。次に、これを2000部の水中に添加し、さらに1時間攪拌を実施した。得られた析出物を、吸引濾過にて取り出し、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機で乾燥し、32部のC.I.ソルベントオレンジ62とメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩との造塩化合物である、金属錯塩染料の造塩化合物(KZ−1)を得た。
(金属錯塩染料の造塩化合物(KZ−2))
金属錯塩染料の造塩化合物(KZ−1)の作製方法において、C.I.ソルベントオレンジ62(SO62:オリエント化学工業株式会社製 VALIFAST ORANGE 3209)をC.I.ソルベントオレンジ41(SO41:CLARIANT株式会社製Savinyl Orange RLS)に変更した以外は(KZ−1)と同様の作製法で、金属錯塩染料の造塩化合物(KZ−2)を得た。
(金属錯塩染料の造塩化合物(KZ−3))
金属錯塩染料の造塩化合物(KZ−1)の作製方法において、C.I.ソルベントオレンジ62(SO62:オリエント化学工業株式会社製 VALIFAST ORANGE 3209)をC.I.ソルベントイエロー21(SY21:オリエント化学工業株式会社製 VARIFAST YELLOW3120)に変更した以外は(KZ−1)と同様の作製法で、金属錯塩染料の造塩化合物(KZ−3)を得た。
<カチオン性シアニン系染料の合成方法>
以下カチオン性シアニン系染料はJ. Org. Chem.,1995,60(8), pp 2411?2422、J. Am. Chem. Soc.,2011,133(40), pp 15870?15873を参考にした。
下記反応スキーム1〜3に従って、本発明におけるカチオン性シアニン系染料をそれぞれ合成した。
(カチオン性シアニン系染料A−1の合成)
カチオン性シアニン系染料A−1は、まず中間体A−1を合成した後に、次のステップで目的物であるカチオン性シアニン系染料A−1を合成した。(反応スキーム1)
反応スキーム1
(中間体A−1の合成)
温度計、滴下ろうと、冷却管を具備した100 mL4口フラスコに2,3,3−トリメチルインドレニン 5 g、ヨードエタン 7.35 g、アセトニトリル 10 mLを加え、24時間加熱還流した。室温まで冷却後、エバポレーターにて溶媒を留去し、固体を析出させた。そこへジエチルエーテル40 mL加え、洗浄し吸引ろ過した。8.61 gの生成物を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=188.25(分子量188.14)で目的物であることを確認した。
(A−1の合成)
温度計、滴下ろうと、冷却管、窒素フロー管を具備した100 mL4口フラスコに中間体A−1 8.61 g、無水酢酸15 mL加え、そこへ滴下ろうとを用いてオルトギ酸トリエチル 4.05 g滴下し、加熱還流させた。1時間後、室温まで冷却し、固体を析出させた。析出した固体を吸引ろかし、酢酸エチル 30 mL、イオン交換水 30 mLで洗浄した。熱風乾燥機にて40 ℃で1晩加熱乾燥し、6.16 gの生成物を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=385.33(分子量385.26)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料A−2の合成)

中間体A−1のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体A−1と同様に合成し、9.49 gの生成物(中間体A−2)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=216.29(分子量216.17)で目的物であることを確認した。中間体A−2を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.68 gの生成物(A−2)を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=441.45(分子量441.33)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料A−3の合成)

中間体A−1のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体A−1と同様に合成し、9.79 gの生成物(中間体A−3)を得た。収率は84%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=244.35(分子量244.21)で目的物であることを確認した。中間体A−3を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.92 gの生成物(A−3)を得た。収率は84%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=497.51(分子量497.39)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料A−4の合成)

中間体A−1のヨードエタンを3−ヨードプロピレンに変更した以外は、中間体A−1と同様に合成し、9.04 gの生成物(中間体A−4)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=200.28(分子量200.14)で目的物であることを確認した。中間体A−4 を用い、反応温度を80 ℃に変更した以外は、A−1と同様に合成した。4.60 gの生成物(A−4)を得た。収率は62%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=409.36(分子量409.26)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料A−5の合成)
カチオン性シアニン系染料A−5は、まず中間体A−5を合成した後に、次のステップで目的物であるカチオン性シアニン系染料A−5を合成した。(反応スキーム2)
反応スキーム2
(中間体A−5の合成)
温度計、滴下ろうと、冷却管を具備した100 mL4口フラスコに2,3,3-トリメチルインドレニン 5 g、2−(4−ブロモ−ブトキシメチル)−オキシラン 9.85 g、ヨウ化カリウム 5.21 g、アセトニトリル 10 mLを加え、24時間加熱還流した。室温まで冷却後、エバポレーターにて溶媒を留去し、固体を析出させた。そこへジエチルエーテル40 mL加え、洗浄し吸引ろ過した。5.87 gの生成物(中間体A−5)を得た。収率は52%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=288.31(分子量288.20)で目的物であることを確認した。
(A−5の合成)
中間体A−5を用いた以外は、A−4と同様に合成した。5.54 gの生成物(A−5)を得た。収率は58%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=585.49(分子量585.37)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料A−6の合成)
中間体A−5の2−(4−ブロモ−ブトキシメチル)−オキシランを(4−ブロモ−ブチル)−カルバミック酸ビニルエステルに変更した以外は、中間体A−5と同様に合成し、7.93 gの生成物(中間体A−6)を得た。収率は59%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=301.31(分子量301.19)で目的物であることを確認した。中間体A−6を用いた以外はA−4と同様に合成し、3.76 gの生成物(A−6)を得た。収率は55%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=611.48(分子量611.36)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料A−7の合成)
カチオン性シアニン系染料A−7は、まず中間体A−7aを合成した後に、次のステップで中間体A−7bを合成し、さらに次のステップで目的物であるカチオン性シアニン系染料A−7を合成した。(反応スキーム3)
反応スキーム3
(中間体A−7aの合成)
中間体A−5の2−(4−ブロモ−ブトキシメチル)−オキシランを3−ブロモプロピオン酸に変更した以外は、中間体A−5と同様に合成し、5.87 gの生成物(中間体A−7a)を得た。収率は52%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=232.25(分子量232.13)で目的物であることを確認した。
(中間体A−7bの合成)
温度計、滴下ろうと、冷却管を具備した100 mL3口フラスコに中間体A−7a 9.81g、ジクロロメタン15 mL、4−(N, Nジメチル)アミノピリジン 0.40 g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 2.55 g、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.44 gを加え、室温にて24時間撹拌させた。イオン交換水 30mLにて分液操作を2回行った後、飽和食塩水50 mLで2回有機層を洗浄した。硫酸マグネシウムを5 g加え、30分撹拌後、硫酸マグネシウムをろ過し、溶媒を留去した。真空燥機にて40 ℃で1晩加熱乾燥し、5.46 gの生成物(中間体A−7b)を得た。収率は71%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=344.31(分子量344.19)で目的物であることを確認した。
(A−7の合成)
中間体A−7bを用いた以外は、A−4と同様に合成した。5.54 gの生成物(A−7)を得た。収率は58%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=824.38(分子量824.25)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料B−1の合成)
中間体A−1の2,3,3−トリメチルインドレニンを2,3,3−トリメチル−4,5−ベンゾ−3H−インドールに変更した以外は、中間体A−1と同様に合成し、7.59 gの生成物(中間体B−1)を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=238.28(分子量238.16)で目的物であることを確認した。中間体B−1を用いた以外は、A−1と同様に合成し、5.79 gの生成物(B−1)を得た。収率は91%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=485.42(分子量485.30)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料C−1の合成)

中間体A−1の2,3,3−トリメチルインドレニンを5−ブロモ−2,3,3−トリメチルインドレニンに変更した以外は、中間体A−1と同様に合成し、7.53 gの生成物(中間体C−1)を得た。収率は91%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=266.18(分子量266.05)で目的物であることを確認した。中間体C−1を用いた以外は、A−1と同様に合成し、5.89 gの生成物(C−1)を得た。収率は92%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=541.20(分子量541.08)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料C−2の合成)

中間体C−1のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体C−1と同様に合成し、7.80 gの生成物(中間体C−2)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=294.20(分子量294.09)で目的物であることを確認した。中間体C−2を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.04 gの生成物(C−2)を得た。収率は90%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=599.59(分子量599.46)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料C−3の合成)

中間体C−1のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体C−1と同様に合成し、8.04 gの生成物(中間体C−3)を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=322.24(分子量322.12)で目的物であることを確認した。中間体C−3を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.14 gの生成物(C−3)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=653.33(分子量653.21)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料D−1の合成)

中間体A−1の2,3,3−トリメチルインドレニンを5−クロロ−2,3,3−トリメチルインドレニンに変更した以外は、中間体A−1と同様に合成し、8.12 gの生成物(中間体D−1)を得た。収率は90%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=222.23(分子量222.10)で目的物であることを確認した。
中間体D−1を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.15 gの生成物(D−1)を得た。収率は91%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=453.30(分子量453.19)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料D−2の合成)

中間体D−1のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体D−1と同様に合成し、8.58 gの生成物(中間体D−2)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=250.28(分子量250.14)で目的物であることを確認した。中間体D−2を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.44 gの生成物(D−2)を得た。収率は89%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=509.38(分子量509.25)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料D−3の合成方法)

中間体D−1のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体D−1と同様に合成し、9.11 gの生成物(中間体D−3)を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=278.27(分子量278.17)で目的物であることを確認した。中間体D−3を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.85 gの生成物(D−3)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=565.44(分子量565.31)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料E−1の合成方法)

中間体A−1の2,3,3−トリメチルインドレニンを2,3,3,5−テトラメチルインドレニンに、ヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体A−1と同様に合成し、9.07 gの生成物(中間体E−1)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=230.31(分子量230.19)で目的物であることを確認した。中間体E−1を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.44 gの生成物(E−1)を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=469.46(分子量469.36)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン系染料F−1の合成方法)

中間体A−1の2,3,3−トリメチルインドレニンを5−メトキシ−2,3,3−トリメチルインドレニンに、ヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体A−1と同様に合成し、8.58 gの生成物(中間体F−1)を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=246.32(分子量246.19)で目的物であることを確認した。中間体F−1を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.36 gの生成物(F−1)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=501.46(分子量501.35)で目的物であることを確認した。
<一般式(2)で示されるイミド酸アニオンの製造方法>
(イミド酸アニオンG−1の合成)
温度計、撹拌機、冷却管を具備した4つ口セパラブルフラスコに、トリフルオロメタンスルホンアミド 3.58 g(1.1当量)と炭酸カリウム 5.53 g(2当量)、アセトニトリル 60 mlを加えた後、ペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリド 3.53 gを分割添加し、5時間加熱還流した。室温まで冷却後、アセトニトリル 400 mlを加えてよく撹拌した後、吸引ろ過により得られたろ液を濃縮して、7.30 gの生成物を得た。1 H、13 C − N M R スペクトル( 溶剤: 重水素化クロロホルム) 測定により、得られた化合物が目的化合物( G−1 ) で表される化合物であることを確認した
(イミド酸アニオンG−2の合成)
G−1の合成において、ペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリドに代えてp−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを使用した以外は同様にして、上記化合物G−2を得た。
(イミド酸アニオンG−3の合成)
G−1の合成において、ペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリドに代えてp−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリドを使用した以外は同様にして、上記化合物G−3を得た。
(イミド酸アニオンG−4の合成)
G−1の合成において、トリフルオロメタンスルホンアミドに代えてp−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミドを使用した以外は同様にして、上記化合物G−4を得た。
<一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオンの製造方法>
以下フッ素基含有ホウ素アニオンは特開2011−201803を参考に合成した。
(フッ素基含有ホウ素アニオン(FBA−1)の製造:フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム)
脱気窒素置換した反応容器に、マグネシウム1.7部、テトラヒドロフラン26.1部を仕込み水浴にて18℃まで冷却する。ブロモペンタフルオロベンゼン17.3部、テトラヒドロフラン26.1部を滴下ロートに仕込み、系内温度が25℃を超えないように滴下する。滴下終了後45℃で2時間反応を継続した後、反応液を20℃まで冷却する。その後、ジクロロフェニルボラン3.0部を滴下ロートより系内温度が25℃を超えないように滴下する。滴下終了後65℃で2時間反応を継続し反応を完結させる。
この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50部に加え、有機層を分取し、水層を酢酸エチル10部で2回洗浄し、ここで得られた酢酸エチル層を先に分取した有機層に加えた。有機層を脱溶剤し、残渣をヘキサンで2回洗浄後の残渣を減圧乾燥することにより、目的物であるフェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム10.4部、収率90%(純度98%以上)で得た。生成物(FBA−1)は1H−NMR、19F−NMRにより同定した。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、980cm-1付近にB−C結合の吸収を確認した。
(フッ素基含有ホウ素アニオン(FBA−2)の製造:テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム)
脱気窒素置換した反応容器に、マグネシウム1.7部、テトラヒドロフラン26.1部を仕込み水浴にて18℃まで冷却する。ブロモペンタフルオロベンゼン17.3部、テトラヒドロフラン26.1部を滴下ロートに仕込み、系内温度が25℃を超えないように滴下する。滴下終了後45℃で2時間反応を継続した後、反応液を20℃まで冷却する。その後、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体2.4部を滴下ロートより系内温度が25℃を超えないように滴下する。滴下終了後65℃で12時間反応を継続する。
この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50部に加え、有機層を分取し、水層を酢酸エチル10部で2回洗浄し、ここで得られた酢酸エチル層を先に分取した有機層に加えた。有機層を脱溶剤し、残渣をヘキサンで2回洗浄後の残渣を減圧乾燥することにより、目的物であるテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウムを5.8部、収率40%(純度98%以上)で得た。生成物(FBA−2)は19F−NMRにより同定した。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、980cm-1付近にB−C結合の吸収を確認した。
<一般式(4)で示されるアニオン性基を有するビニル系樹脂の製造方法>
(アニオン性基を有する樹脂・AJ−1)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチ
ルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸20.0部、メチルメタクリレート12.5部、n−ブチルメタクリレート20.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.0部、メタクリル酸3.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16.5部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、3390である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%のアニオン性基を有する樹脂AJ−1を得た。
(アニオン性基を有する樹脂・AJ−2〜4)
表1に示した材料組成に変更した以外は樹脂AJ−1と同様にして樹脂AJ−2〜4を得た。
<シアニン系染料・造塩化合物の製造方法>
(造塩化合物(ZC−1))
下記の手順でカチオン性シアニン系染料とアニオン性基を有する樹脂AJ−1とからなる造塩化合物(ZC−1)を製造した。
水2000部に55部のアニオン性基を有する樹脂AJ−1と、水酸化ナトリウム1.5部を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、45部の水、45部のメタノールに10部のカチオン性シアニン系染料(A−1)を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させ、濃縮液を水1000部中に攪拌しながら滴下し、得られた析出物を、吸引濾過にて取り出し、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機で乾燥し、32部のカチオン性シアニン系染料(A−1)とアニオン性基を有する樹脂AJ−1との造塩化合物(ZC−1)を得た。染料と樹脂の塩交換反応による副生成物である塩、微量の未反応染料、未反応樹脂は、濃縮液を水中に攪拌しながら滴下したときに水に溶解するため吸引濾過時に除去できている。また、その後の水洗でわずかに残る副生成物は完全に除かれる。
(造塩化合物(ZC−2〜ZC−19、ZC−26))
表2に示すように、カチオン性シアニン系染料とアニオン性基を有する樹脂の種類と重量部に変更した以外は、造塩化合物(ZC−1)と同様にして、カチオン性シアニン系染料とアニオン性基を有する樹脂とからなる造塩化合物(ZC−2〜ZC−19、ZC−26)を製造した。ZC−26に使用したC.I.ベーシックレッド12については、保土ヶ谷化学社製Aizen Astra Phloxineを使用した。
(造塩化合物(ZC−20))
下記の手順でカチオン性シアニン系染料とイミド酸アニオン(G−1)とからなる造塩化合物(ZC−20)を製造した。
水100部と、メタノール300部、メチルエチルケトン100部、アセトン100部の混合溶剤に8.23部のイミド酸アニオン(G−1)と、10部のカチオン性シアニン系染料(D−2)を溶解させ、60℃で240分攪拌し、十分に反応を行った。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させることで造塩化合物である固形物を取り出した。この固形物に水1000部を加え25℃で180分攪拌し、吸引濾過をすることで、副生物である塩を除去した。また、濾紙上に残った造塩化合物は400部の水をふりかけることでさらに洗浄し副生物である塩を完全に除去した後、造塩化合物を取り出した。取り出した造塩化合物は、乾燥機で乾燥し、14.3部の、カチオン性シアニン系染料(D−2)とイミド酸アニオン(G−1)との造塩化合物(ZC−20)を得た。
(造塩化合物(ZC−21〜ZC−23、27、29))
カチオン性シアニン系染料とイミド酸アニオンの種類と重量部を、表2に示す内容に変更した以外は、造塩化合物(ZC−20)と同様にして、各種カチオン性シアニン系染料と各種イミド酸アニオンとからなる造塩化合物(ZC−21〜ZC−23、27、29)を製造した
(造塩化合物(ZC−24))
メタノール300部、メチルエチルケトン100部、アセトン100部の混合溶剤10部のカチオン性シアニン系染料(D−2)を溶解させ、あらかじめ水1000部に12.79部のフッ素基含有ホウ素アニオン(FBA−1)を溶解させておいた溶液を滴下混合する。その後、60℃で240分攪拌し、十分に反応を行った。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させることで造塩化合物である固形物を取り出した。この固形物に水1000部を加え25℃で180分攪拌し、吸引濾過をすることで、副生物である塩を除去した。また、濾紙上に残った造塩化合物は400部の水をふりかけることでさらに洗浄し副生物である塩を完全に除去した後、造塩化合物を取り出した。取り出した造塩化合物は、乾燥機で乾燥し、14.3部のカチオン性シアニン系染料(D−2)とフッ素基含有ホウ素アニオン(FBA−1)との造塩化合物(ZC−24)を得た。
(造塩化合物(ZC−25、28、30))
カチオン性シアニン系染料とフッ素基含有ホウ素アニオンの種類と重量部を、表2に示す内容に変更した以外は、造塩化合物(ZC−24)と同様にして、各種カチオン性シアニン系染料と各種フッ素基含有ホウ素アニオンとからなる造塩化合物(ZC−25、28、30)を製造した。
<キサンテン系染料・造塩化合物の製造方法>
続いて、シアニン系染料と同様にカチオン性であるキサンテン染料の造塩化合物を作製した。
(造塩化合物(ZX−1))
メタノール300部、メチルエチルケトン100部、アセトン100部の混合溶剤10部のC.I.Basic Violet 10(BV10:田岡化学社製:Rodamine B)を溶解させ、あらかじめ水1000部に2.5部のテトラフルオロほう酸ナトリウム(NaBF4)を溶解させておいた溶液を滴下混合する。その後、60℃で240分攪拌し、十分に反応を行った。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させることで造塩化合物である固形物を取り出した。この固形物に水1000部を加え25℃で180分攪拌し、吸引濾過をすることで、副生物である塩を除去した。また、濾紙上に残った造塩化合物は400部の水をふりかけることでさらに洗浄し副生物である塩を完全に除去した後、造塩化合物を取り出した。取り出した造塩化合物は、乾燥機で乾燥し、C.I.Basic Violet 10とテトラフルオロほう酸アニオンとからなる造塩化合物(ZX−1)を得た。
(造塩化合物(ZX−2))
水2000部に50部のアニオン性基を有する樹脂AJ−1と、水酸化ナトリウム1.5部を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、45部の水、45部のメタノールに10部のC.I.Basic Violet 10(BV10:田岡化学社製:Rodamine B)を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させ、濃縮液を水1000部中に攪拌しながら滴下し、得られた析出物を、吸引濾過にて取り出し、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機で乾燥し、C.I.Basic Violet 10とアニオン性基を有する樹脂AJ−1との造塩化合物(ZX−2)を得た。染料と樹脂の塩交換反応による副生成物である塩、微量の未反応染料、未反応樹脂は、濃縮液を水中に攪拌しながら滴下したときに水に溶解するため吸引濾過時に除去できている。また、その後の水洗でわずかに残る副生成物は完全に除かれる。
<シアニン系色素溶液、キサンテン系色素溶液の製造方法>
[実施例1]
(シアニン系色素溶液・SY−1の製造)
下記に従って、各種材料を混合した後、1時間超音波照射を行うことで、シアニン系色素溶液SY−1を得た。
シアニン系色素造塩体・ZC−13 : 3.8部
金属錯体化合物・ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)Co(II)水和物
(東京化成社製) : 0.2部
アクリル樹脂溶液1 :30.0部
シクロヘキサノン :16.0部
計 :50.0部
[実施例2〜68、比較例1〜3]
(シアニン系色素溶液およびキサンテン系色素溶液 SY−2〜71の製造)
シアニン系色素溶液(SY−1)の製造におけるシアニン系色素造塩体、金属錯体化合物を表3に記載した材料へ変更した以外は、シアニン系色素分散溶液(SY−1)の場合と同様の方法で、シアニン系色素溶液およびキサンテン系色素溶液 SY−2〜71 を得た。
S.O.41 : C.I.ソルベントオレンジ41
S.O.54 : C.I.ソルベントオレンジ54
S.O.56 : C.I.ソルベントオレンジ56
S.O.62 : C.I.ソルベントオレンジ62
S.O.99 : C.I.ソルベントオレンジ99
S.R.8 : C.I.ソルベントレッド8
S.R.91 : C.I.ソルベントレッド91
S.R.118 : C.I.ソルベントレッド118
S.R.122 : C.I.ソルベントレッド122
S.R.127 : C.I.ソルベントレッド127
S.Y.21 : C.I.ソルベントイエロー21
S.Y.62 : C.I.ソルベントイエロー62
S.Y.79 : C.I.ソルベントイエロー79
S.Y.81 : C.I.ソルベントイエロー81
S.Y.82 : C.I.ソルベントイエロー82
S.Y.83 : C.I.ソルベントイエロー83
S.Y.83:1 : C.I.ソルベントイエロー83:1
B.V.10 : C.I.ベーシックバイオレット10
B.R.12 : C.I.ベーシックレッド12
<着色組成物の評価>
得られた色素溶液(SY−1〜71)を用いて、塗膜のコントラスト比(CR)、および耐熱性の評価を下記方法で行った。表4に評価結果を示す。
(塗膜のコントラスト比(CR)評価)
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の塗膜を通過し、もう一方の偏光板に到達する。この際、偏光板と偏光板の偏光面が並行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直交している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の塗膜を通過する際に、着色剤粒子によって散乱等が起こり、偏光面の一部にずれが生じると、偏光板が並行のときは透過する光量が減り、偏光板が直交のときは一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が並行の際の輝度と、直交の際の輝度との比を、コントラスト比として算出した。

(コントラスト比)=(並行のときの輝度)/(直交のときの輝度)

従って、塗膜中の着色剤により散乱が起こると、並行のときの輝度が低下し、かつ直交のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。測定に際しては、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色マスクを介して測定した。
シアニン系色素溶液およびキサンテン系色素溶液(SY−1〜71)をそれぞれ、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗布基板のコントラスト比(CR)を測定した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、膜厚が1.5μmとなるよう調整した。
コントラスト比は、下記基準に従って判定した。
◎:9000以上
○:6000以上〜9000未満
△:3000以上〜6000未満
×:3000未満
(耐熱性評価)
色素溶液(SY−1〜71)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、得られた塗膜の膜厚が1.5μmとなるよう調整した。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として220℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記基準に従って判定した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎:ΔEab*が3.0未満
○:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
表4に示すように、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、いずれも耐熱性に優れかつ高コントラスト比であった。本発明のシアニン系色素(A)と金属錯体化合物(B)と組み合わせることで高コントラスト化と耐熱性付与を実現している。
<感光性着色組成物の製造>
[実施例69]
(赤色感光性着色組成物(RR−1))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(RR−1)を得た。
(色素溶液/顔料分散体) (計62.5部)
シアニン系色素溶液 (SY−1) :42.5部
PR254・顔料分散体(GP−1) :20.0部
アクリル樹脂溶液1 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.3部
メトキシプロピルアセテート :26.5部
[実施例70〜136、比較例4〜6]
(赤色感光性着色組成物(RR−2〜73))
色素溶液と顔料分散体を、表5に示す種類に変更した以外は、赤色感光性着色組成物(RR−1)と同様にして赤色感光性着色組成物(RR−2〜73)を得た。各感光性着色組成物においては、色素分散溶液と顔料分散体の合計の62.5部の内訳を、それぞれの着色組成物の明度評価用の塗膜基板がC光源においてx=0.658、y=0.325になるように、比率を調整し、赤色感光性着色組成物100部を調製した。
[比較例7]
(赤色感光性着色組成物(RR−74))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(RR−74)を得た。
PR254・顔料分散体(GP−1) :27.0部
PR177・顔料分散体(GP−2) :23.0部
アクリル樹脂溶液1 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.3部
メトキシプロピルアセテート :39.0部
<感光性着色組成物の評価>
得られた赤色感光性着色組成物(RR−1〜74)を用いて、作製した赤色塗膜の明度の評価を下記方法で行った。表5に評価結果を示す。
(明度評価)
感光性着色組成物(RR−1〜74)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、70℃で20分乾燥後、さらに230℃で60分加熱して得られた基板の色度が、C光源においてx=0.658、y=0.325になるような塗布基板を得た。得られた基板の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。評価基準は下記のとおりである。
◎ ・・・ 19.2以上
○ ・・・ 19.0以上19.2未満
△ ・・・ 18.8以上19.0未満
× ・・・ 18.8未満
(コントラスト比評価)
感光性着色組成物(RR−1〜74)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗布基板のコントラスト比(CR)を測定した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、C光源においてx=0.658、y=0.325になるよう調整した。
コントラスト比は、下記基準に従って判定した。
◎:16000以上
○:14000以上〜16000未満
△:12000以上〜14000未満
×:12000未満
表5に示すように、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、顔料系に比べ明度に優れた結果であった。また、シアニン系色素(A)と金属錯体化合物(B)を組み合わせることで高コントラスト比を達成することができた。
<カラーフィルタの作製>
(緑色感光性着色組成物(RG−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、緑色感光性着色組成物(RG−1)を作製した。
PG58・顔料分散体(GP−3) :32.0部
PY150・顔料分散体(GP−4) :18.0部
アクリル樹脂溶液1 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.3部
シクロヘキサノン :39.0部
(青色感光性着色組成物(RB−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、青色感光性着色組成物(RB−1)を作製した。
PB15:6・顔料分散体(GP−5) :45.0部
PV23・顔料分散体(GP−6) : 5.0部
アクリル樹脂溶液1 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.3部
シクロヘキサノン :39.0部
本発明の赤色感光性着色組成物(RR−1)をスピンコート法により、予めブラックマトリックスが形成されているガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却した後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。
その後、この基板を23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30 秒間スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。さらに、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状の着色画素層を形成した。
次に、緑色感光性着色組成物(RG−1)を使用し、赤色着色画素層と同様にして緑色着色画素層を形成し、さらに、青色感光性着色組成物(RB−1)を使用して赤色着色画素層と同様にして青色着色画素層を形成し、カラーフィルタ(CF−1)を得た。各着色画素層の形成膜厚はいずれも2.0μmであった。
本発明の赤色着色組成物を使用したカラーフィルタは明度が高く、コントラスト比も優れた結果であり、本発明の効果が立証された。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表わされるシアニン系色素(A)、金属錯体化合物(B)、及びバインダー樹脂(C)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
    [一般式(1)において、Aは置換基もしくは水素原子を有する炭素原子、または硫黄原子を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、重合性官能基を有する有機基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。Y-は、無機または有機のアニオン化合物を表す。]
  2. 一般式(1)で表わされるシアニン系色素(A)において、Y-で示されるアニオンが、下記一般式(2)で表わされるイミド酸アニオン、下記一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン、および下記一般式(4)で表される構造単位を含むアニオン性基を有するビニル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンを含有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    [一般式(2)において、R21およびR22はぞれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。]
    [一般式(3)において、R31〜R34はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、シアノ基、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていても良いアリール基を表し、R31〜R34のうち少なくとも一つは、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、フッ素原子、またはフッ素原子で置換されていても良いアリール基を表す。
    ただし、R31〜R34がすべてフッ素原子である場合は除く。]
    [一般式(4)中、R41は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Qは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−CONH−R42−、または−COO−R42−を表し、R42は置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。P-は、―SO3 -、または−COO-を表す。]
  3. 金属錯体化合物(B)の中心金属が、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、および銅(Cu)からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. 金属錯体化合物(B)が、アゾ染料もしくはメチン染料を配位子とし、クロムもしくはコバルトを中心金属とする金属錯塩染料である請求項1〜3いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. シアニン系色素(A)と金属錯体化合物(B)との重量比((B)/(A))が、0.005〜1.0であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. さらに、有機顔料(D)を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  8. 基板上に、請求項1〜7いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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