JP6427970B2 - 固体撮像素子用着色組成物、固体撮像素子用カラーフィルタ、及び固体撮像素子 - Google Patents

固体撮像素子用着色組成物、固体撮像素子用カラーフィルタ、及び固体撮像素子 Download PDF

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Description

本発明は、C−MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などに代表される固体撮像素子に装着される固体撮像素子用カラーフィルタ、該カラーフィルタを備えた固体撮像素子、および固体撮像素子用着色組成物に関する。
C−MOS、CCDなどの固体撮像素子は、その受光素子上にB(青)、G(緑)、R(赤)の加法混合の原色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタをそれぞれ配設して色分解するのが一般的である。近年、固体撮像素子の小型化および高画素化によって1画素当たりの面積が減少する方向にある。その結果、撮像素子に装着されるカラーフィルタの薄膜化ならびに着色成分を高濃度化することが要求されている。
カラーフィルタの製造方法には、色材に染料を使った染色法、染料分散法や、色材に顔料を使った顔料分散法、印刷法、電着法などがある。このうち染色法、あるいは染色分散法は色素が染料であることから、耐熱性や耐光性にやや劣る欠点がある。よってカラーフィルタの色材としては耐熱性や耐光性に優れる顔料が用いられ、製造方法としては形成方法の精度や安定性から顔料分散法を用いる場合が多い。
顔料分散法は、透明樹脂中に色素である顔料粒子を分散させたものに感光剤や添加剤などを混合・調合することによってカラーレジスト化し、このカラーレジストを基板上にスピンコーターなどの塗布装置により塗膜形成し、アライナーやステッパー等によりマスクを介して選択的に露光を行い、アルカリ現像、熱硬化処理をすることによりパターニングし、この操作を繰り返すことによってカラーフィルタを作製する方法である。
近年では、透過率すなわち明度や、色純度の向上、フィルタセグメントを形成する際の塗布均一性、感度、現像性、パターン形状など、カラーフィルタに対する色特性の要求が高まっている。特にビデオカメラやデジタルカメラ、カラースキャナー等に使われている固体撮像素子に用いられているカラーフィルタにおいては、高精細化、高輝度化、高色再現性が要求されており、透過率が高く、色再現性、色分離性の優れたカラーフィルタが求められている。
近年、高透過率、高色再現性、高色分離性の優れたカラーフィルタを実現するため、着色剤として染料を使用する技術が提案されている(例えば特許文献1)。しかし直接染料、酸性染料といった染料そのものを用いただけでは、発色性は良好であるものの耐熱性、耐光性に劣る場合が多い(特許文献2)。そのため、染料の使用においては、堅牢性と色特性の両立という技術的課題に対する解決が求められている。
また、カラーフィルタを用いた固体撮像素子においては、混色によるノイズが原因となる色再現性の低下が問題となる。特に赤色フィルタにおいて530nm付近の透過率が局所的に上昇する「コブ」(以下コブと呼ぶ)が原因となり、画質の劣化を引き起こすことが知られている。そのため、530nm付近のコブを消すために、ピグメントレッド166を使用する技術が開示されている(特許文献3参照)。しかしピグメントレッド166を使用してこのコブを消しただけでは、600nm〜700nmの透過率が低いため、固体撮像素子の感度低下を引き起こしてしまうために実用的ではない。
また、赤色フィルタの分光において400〜450nmの分光の浮きがブルーとの混色を引き起こし、ブルーの色再現性を劣化させるといった問題もおこっている。
特開平6−75375号公報 特開平8−327811号公報 特許2010−085457号公報
本発明の目的は堅牢性を満たし、かつ分光特性に優れた固体撮像素子用着色組成物、それを用いた固体撮像素子用カラーフィルタ、およびそれを用いた感度・色再現性に優れた固体撮像素子を提供することである。
本発明者らは、上記の諸問題点を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC)と顔料(B)とを含む固体撮像素子用着色組成物により、上記課題が解決することを見出したものである。
すなわち本発明は、着色剤、バインダー樹脂、および有機溶剤を含有する固体撮像素子用着色組成物であって、該着色剤が、下記一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC)と顔料(B)とを含むことを特徴とする固体撮像素子用着色組成物。
Figure 0006427970
[一般式(1)において、Aは置換基もしくは水素原子を有する炭素原子、または硫黄原子を表す。R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、重合性官能基を有する有機基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。Yは、無機または有機のアニオン化合物を表す。ただし、Yがハロゲン化物イオンである場合は除く。]
また、本発明は、Y−で示されるアニオンが、下記一般式(2)で表わされるイミド酸アニオン、下記一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン、下記一般式(4)で表わされるメチド酸アニオン、および下記一般式(5)で表される構造単位を含むアニオン性基を有するビニル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記固体撮像素子用着色組成物に関する。
Figure 0006427970
[一般式(2)において、R21およびR22はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。]
Figure 0006427970
[一般式(3)において、R31〜R34はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、シアノ基、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていても良いアリール基を表し、R31〜R34のうち少なくとも一つは、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、フッ素原子、またはフッ素原子で置換されていても良いアリール基を表す。
ただし、R31〜R34がすべてフッ素原子である場合は除く。]
Figure 0006427970
[一般式(4)において、R41〜R43はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基を表す。]
Figure 0006427970
[一般式(5)中、R51は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Qは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−CONH−R52−、または−COO−R52−を表し、R52は置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。Pは、―SO 、または−COOを表す。]
また、本発明は、顔料(B)が、黄色顔料および赤色顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記固体撮像素子用着色組成物に関する。
また、本発明は、黄色顔料が、C.I.ピグメントイエロー139を含むことを特徴とする前記固体撮像素子用着色組成物に関する。
また、本発明は、赤色顔料が、C.I.ピグメントレッド254およびC.I.ピグメントレッド177からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする前記固体撮像素子用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする前記固体撮像素子用着色組成物に関する。
また、本発明は、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントおよび少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備えるカラーフィルタにおいて、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、前記固体撮像素子用着色組成物により形成されてなる固体撮像素子用カラーフィルタ。
また、本発明は、前記固体撮像素子用カラーフィルタを備えた固体撮像素子に関する。
本発明の固体撮像素子用着色組成物により、分光特性と堅牢性(耐熱性)を両立可能な固体撮像素子用カラーフィルタを提供することができる。さらに、それを用いて固体撮像素子を作成することで、感度・色再現性にすぐれた固体撮像素子を形成することが可能となる。
以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する。
本発明の固体撮像素子用着色組成物は、着色剤、樹脂、および有機溶剤を含有する固体撮像素子用着色組成物であって、該着色剤が、一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC)と顔料(B)とを含むことを特徴とする。
<着色剤>
本発明の固体撮像素子用着色組成物は、着色剤として、一般式(1)で表されるシアニン色素(ZC)と、顔料(B)とを含む。
本発明の固体撮像素子用着色組成物において、全不揮発成分に対する着色剤濃度は、充分な色再現性を得る観点から10〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜85重量%であり、最も好ましくは20〜80重量%である。着色剤成分の濃度が、10重量%未満になると、十分な色再現性を得ることができない場合があり、90重量%を超えるとバインダー樹脂などの着色剤担体の濃度が低くなり、着色組成物の安定性が悪くなる場合がある。
(一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC))
本発明のシアニン色素は、一般式(1)で表される構造を有しており、このような色素を用いることにより、色特性に優れているほか、耐熱性など堅牢性が良好であるため、固体撮像素子用着色組成物として好適となる。
特に赤色フィルタセグメントに用いる赤色着色組成物に用いた場合には、530nm付近の透過率が局所的に上昇する「コブ」が発生することもなく、600nm〜700nmの透過率が高いため、固体撮像素子として優れた色分離特性を有するものとすることができる。
本発明のシアニン色素は、一般式(1)で表されるようにカチオン部位とアニオン部位が塩形成された構成になっている、造塩化合物である。カチオン部位は下記一般式(1−2)で表されるカチオン性シアニン染料、アニオン部位は、ハロゲン化物イオン以外の、無機または有機のアニオンである。特に、本発明のシアニン色素においては、一般式(1−2)で表わされるカチオン性シアニン染料と、一般式(2)、(3)または(4)で表わされるアニオンとの造塩化合物であることが望ましい。または、一般式(5)で表される構造単位を含むアニオン性基を有するビニル系樹脂との造塩化合物であることが、固体撮像素子用に優れた色特性、耐性となるために好ましい。
Figure 0006427970
[一般式(1)において、Aは置換基もしくは水素原子を有する炭素原子、または硫黄原子を表す。R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、重合性官能基を有する有機基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。Y−は、無機または有機のアニオン性化合物を表す。ただし、Y−がハロゲン化物イオンである場合は除く。]
≪カチオン性シアニン染料≫
[一般式(1−2)で表されるカチオン性シアニン染料]
本発明のカチオン性シアニン染料は、下記一般式(1−2)で表されるカチオンを有する。
Figure 0006427970
[一般式(1−2)において、Aは置換基もしくは水素原子を有する炭素原子、または硫黄原子を表す。R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、重合性官能基を有する有機基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、クオーターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
これらのアリール基は置換基を有していてもよい。この場合の置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アリール基が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、エタノイル基、プロパノイル基、イソプロパノイル基、ブタノイル基、イソブタノイル基、sec−ブタノイル基、tert−ブタノイル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
本発明で言う重合性官能基を有する有機基は、重合性官能基を含み、全体で炭素原子-水素原子結合を含み、また必要に応じて炭素以外の原子を含んでも良い原子団で構成される基を示す。具体的には、重合性官能基のみからなる場合と、重合性官能基と連結基と含む場合がある。
ここで、重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基などが挙げられる。
また、連結基としては(シアニン骨格から見て)、アルキレン基(以下、−X−と表す。)、−XO−基、−XNH−基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、−XCONH−基、−XCOO−基、−XOCO−基、−XCOOX−基、−XOCOX−基、−XCOOXCOO−基、−XOCOXCOO−基、などが挙げられる。
重合性官能基を有する有機基の具体例としては、次表(DC−5〜8など)に示した通りである。
Aの炭素原子とR、RとR、RとR、RとR、RとR12、Aの炭素原子とR、RとR、RとR、RとR10、R10とR13はそれぞれ独立に/または同時に脂肪族飽和炭化水素系もしくは芳香族系の環状構造を形成しても良い。
カチオン性シアニン染料の具体例としては、下記に示すカチオン性シアニン染料等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、塩形成を行なう際、下記に示したカチオン性シアニン染料(DC−1〜DC−91)のカウンターは、ハロゲン化物イオンであり、ClもしくはBrもしくはIである。
Figure 0006427970
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≪アニオンY
一般式(1)において、Y−は無機または有機のアニオンを表し、アニオンイオンを有するものであれば、いずれも使用可能である。ただし、ハロゲン化物イオン(Cl−等)である場合は除く。
代表的なものとしては、ハロゲンイオン(クロライドイオン、ブロマイドイオンなど)、トリフラートイオン(CFSO )、安息香酸イオン(CCOO)、しゅう酸イオン(C 2−)、過ハロゲン酸イオン(ClO 、FO 、BrO 、IO 等)、チオシアン酸イオン(SCN等)、硫酸イオン(SO 2−、HSO 等)、ヘテロポリ酸、有機カルボン酸イオン、有機スルホネートイオン(例えば炭素数1〜20のアルキルスルホネート、ベンゼンスルホネートなど)、脂肪酸イオン(炭素数1〜20の脂肪族カルボキシレートなど)、スルホン酸基含有窒素アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、メチド酸アニオン、フッ素基含有リンアニオン、シアノ基含有窒素アニオン、またはハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン酸性染料などが挙げられ、これらのアニオンであれば、耐性や色特性に問題がなく、好ましく用いることができる。
これらのアニオンY−のなかでも、耐熱性の点から、硫酸イオン、有機スルホネートイオン、スルホン酸基含有窒素アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、またはメチド酸アニオンが好ましく、有機スルホネートイオン、スルホン酸基含有窒素アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、またはメチド酸アニオンがより好ましく、スルホン酸基含有窒素アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、またはメチド酸アニオンが特に好ましい。
また、スルホン酸基含有窒素アニオンのなかでも、一般式(2)で表わされるイミド酸アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオンのなかでも、一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオンが、メチド酸アニオンの中でも、一般式(4)で表わされるメチド酸アニオンが最も好ましいものである。
または、これらのアニオン性基を側鎖に有する樹脂を用いることもでき、このような樹脂のなかでも、アニオン部位が、―SO3−、または−COO−である樹脂が好ましく、最も好ましくは、耐熱性、色特性の点で、後述する一般式(5)で示されるアニオン性基を有するビニル系樹脂である。
これらのアニオンとして具体的には、
ヘテロポリ酸としては、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングストモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸、リンタングストモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸、ケイタングストモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸等のアニオンが挙げられる。
有機カルボン酸イオンとしては、テトラクロルフタル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、ガモレン酸、アラキドン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等のアニオン性化合物のアニオンが挙げられる。
有機スルホネートイオンとして好ましい化合物は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、イコサンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸1−ナフタレンスルホン酸、4−フェニルアミノベンゼンスルホン酸、1−ナフチルアミン−4,8−ジスルホン酸、1−ナフチルアミン−3,8−ジスルホン酸、1−ナフチルアミン−5,7−ジスルホン酸、1−ナフチルアミン−3,6−ジスルホン酸、1−ナフチルアミン−3,6,8−トリスルホン酸、2−ナフチルアミン−6,8−ジスルホン酸、2−ナフチルアミン−1,6−ジスルホン酸、2−ナフチルアミン−4,8−ジスルホン酸、2−ナフチルアミン−3,6−ジスルホン酸(アミノ−R酸)、2−ナフチルアミン−5,7−ジスルホン酸(アミノJ酸)、1−ナフトール−4,8−ジスルホン酸、1−ナフトール−3,8−ジスルホン酸(ε酸)、1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、1−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸、2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸、2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(R酸)、2−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸、N−フェニル−1−ナフチルアミン−8−スルホン酸、N−p−トリル−1−ナフチルアミン−8−スルホン酸、N−フェニル−1−ナフチルアミン−5−スルホン酸、N−フェニル−2−ナフチルアミン−6−スルホン酸、N−アセチル−7−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、N−フェニル−7−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、N−アセチル−6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、N−フェニル−6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、1,8−ジハイドロ−3,6−ジスルホン酸(クロモトロープ酸)、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸、1,6−ジアミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸、2,7−ジアミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、2,6−ジアミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、2,8−ジアミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、2−アミノ−7−フェニルアミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸等のアニオン性化合物のアニオンがあげられる。
またアントラセンスルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸、アントラキノン−1−スルホン酸、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(トビアス酸)、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(ナフチオン酸)、8−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(ペリ酸)、2−アミノ−6−ナフタレンスルホン酸(ブレンナー酸)、1−アミノ−5−ナフタレンスルホン酸(ローレンツ酸)、5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(分子量223)、1−アミノ−6−ナフタレンスルホン酸、6−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、3−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸等のアニオン性化合物のアニオンを用いることも出来る。
脂肪酸イオンとしては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、セロチン酸、デシレン酸、ドデシレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リシノレイン酸、ペトロセリン酸、バクセン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、リカン酸、パリナリン酸、タリリン酸、ガドレイン酸、セトレイン酸、セラコレイン酸等のアニオン性化合物のアニオンが挙げられる。
スルホン酸基含有窒素アニオンとしては、トリフルオロメタンスルホンアミドアニオン、N−(トリメチルシリル)トリフルオロメタンスルホンアミドアニオン、N−(2−メトキシエチル)トリフルオロメタンスルホンアミドアニオン、p−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミドアニオンの他、スルホニルイミド酸アニオンが挙げられる。
これらのなかでも、耐熱性の点で、スルホニルイミド酸アニオンが好ましく、より好ましくは、後述する一般式(2)で表されるイミド酸アニオンがとくに好ましい。
フッ素基含有ホウ素アニオンとしては、BF−、または、一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオンが挙げられる。
これらのなかでも、耐熱性の点で、後述する一般式(3)で表されるフッ素基含有ホウ素アニオンがとくに好ましい。
フッ素基含有リンアニオンとしては、PF 、(CFPF 、(CPF 、(CPF 、[(CFCF]PF 、[(CFCF]PF 、(n−CPF 、(n−CPF 、(n−CPF 、(C)(CFPF 、[(CFCFCFPF 、[(CFCFCFPF 、(n−CPF 、(n−CPF 、(CH)(CFPF 、(CPF 、(C)(CFPF 等が挙げられる。
これらのなかでも、PF 、(CPF 、(CPF 、((n−CPF 、(n−CPF 、[(CFCF]PF 、[(CFCF]PF 、[(CFCFCFPF 、[(CFCFCFPF が好ましい。
シアノ基含有窒素アニオンとしては、[(CN)N]、[(FSON]、[(FSO)N(CFSO)]、[(FSO)N(CFCFSO)]、[(FSO)N{(CFCFSO}]、[(FSO)N(CFCFCFSO)]、[(FSO)N(CFCFCFCFSO)]、[(FSO)N{(CFCFCFSO}]、[(FSO)N{CFCF(CF)CFSO}]、[(FSO)N{(CFCSO}]等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基としては、特に限定されるものではないが、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸としては、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有するスルホン酸(−SOH)、スルホンイミド酸(−SONHSO−)等を挙げることができる。
酸性染料としては、例えば、アントラキノン系酸性染料、モノアゾ系酸性染料、ジスアゾ系酸性染料、オキサジン系酸性染料、アミノケトン系酸性染料、キノリン系酸性染料、トリアリールメタン系酸性染料などが挙げられる。
酸性染料を用いることで色相をコントロールすることもできる。
中でも、本発明では、一般式(2)で表わされるイミド酸アニオン、下記一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン、下記一般式(4)で表わされるメチド酸アニオン、および下記一般式(5)で表される構造単位を含むアニオン性基を有するビニル系樹脂のいずれか1種を用いることが耐熱性、および色特性の点で望ましい。
[一般式(2)で表されるイミド酸アニオン]
Figure 0006427970
[一般式(2)において、R21およびR22はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。]
一般式(2)において、「脂肪族炭化水素基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、ペンタデシル基などの直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソオクチル基などの分岐状アルキル基;等が挙げられる。
一般式(2)において、「脂環式炭化水素基」としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基などのシクロアルキル基、等が挙げられる。
一般式(2)において、「芳香族炭化水素基」としては、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、等が挙げられる。
一般式(2)において、「複素環基」としては、インドール環、ベンゾインドール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノリン環、等を挙げることができる。
また、R21とR22は、脂肪族飽和炭化水素系の環状構造を形成しても良い。
一般式(2)において、「置換基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基などの脂肪族炭化水素基;(メタ)アクリロイル基、ビニルアリール基、ビニルオキシ基、アリル基、エポキシ基などの重合性官能基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基などの芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などのエステル結合を有する基;メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、n−プロピルスルファモイル基、ジ−n−プロピルスルファモイル基、イソプロピルスルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、n−ブチルスルファモイル基、ジ−n−ブチルスルファモイル基などのアルキルスルファモイル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基などのアルキルスルホニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基、シアノ基があげられることができる。
一般式(2)において、R21は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であることが好ましく、R22は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基であることが好ましい。
一般式(2)のR21としては、前記の中でも、フッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基もしくは芳香族炭化水素基が好ましく、フッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
一般式(2)のR22としては、前記の中でも、フッ素原子で置換された芳香族炭化水素基が好ましく、p−フルオロフェニル基、またはペンタフルオロフェニル基がより好ましい。
イミド酸アニオンの具体例としては、下記に示すイミド酸アニオン等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、l、nは、1〜5の整数を示す。なお、塩形成を行なう際、下記に示したイミド酸アニオン(IC−1〜IC−59)を有するアニオン性化合物のカウンターは、NaもしくはKもしくはテトラブチルアンモニウムもしくはトリメチルアンモニウムである。
Figure 0006427970
Figure 0006427970
Figure 0006427970
Figure 0006427970
[一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン]
Figure 0006427970
[一般式(3)において、R31〜R34はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、シアノ基、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていても良いアリール基を表し、R31〜R34のうち少なくとも一つは、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、フッ素原子、またはフッ素原子で置換されていても良いアリール基を表す。
ただし、R31〜R34がすべてフッ素原子である場合は除く。]
一般式(3)中、R31〜R34で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基及びオクタデシル基が挙げられ、フッ素原子で置換されていても良い。フッ素原子で置換されているアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基及びパーフルオロオクチル基が挙げられる。
アルキル基としては、有機溶剤への溶解性、明度、耐熱性、コントラスト比の観点から、炭素数が1〜20であることが好ましく、2〜18であることがより好ましく、2〜12であることがさらに好ましい。
一般式(3)中、R31〜R34で表されるアリール基としては、ベンゼン環を含む基、芳香族性を有する縮合環を含む基、2個以上のベンゼン環又は芳香族性を有する縮合環が直接結合した構造を有する基、2個以上のベンゼン環又は芳香族性を有する縮合環がビニレン等の基を介して結合した基などが含まれる。アリール基の炭素数は、6〜60であることが好ましく、6〜30であることがより好ましい。フッ素原子で置換されているアリール基としては、例えば、フッ素基を有していてもよいフェニル基、フッ素基を有していてもよい1-ナフチル基、フッ素基を有していてもよい2-ナフチル基が挙げられる。耐熱性、明度、コントラスト比の観点からフッ素原子が置換基として有することが好ましい。
一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオンとして具体的には、(CF、(CFBF、(CFBF 、(CF)BF 、(C、(CBF、(C)BF 、(CBF 、(CF)(CBF、(C、[(CF、(CF、(CBF 、(C)BF 、(C、B(CN) 、B(CN)F 、B(CN) 、B(CN)、(CFB(CN)、(CFB(CN) 、(CB(CN)、(CB(CN) 、(n−CB(CN)、(n−CB(CN)、(n−CB(CN) 、(n−CB(CN)、(CHFB(CN)、(CHFB(CN) 、(CHCFB(CN)、(CHCFB(CN) 、(CHB(CN)、(CHB(CN) 、(CHCHB(CN) 、(n−CCHB(CN) 、(CB(CN)等が挙げられる。
中でも、B(CN)、(CF、(C、[(CFが好ましい。
また、(C、または[(CFのように、般式(3)中、R31〜R34うち少なくとも一つが、一般式(3−2)で表される構造であることが好ましい。
Figure 0006427970
[一般式(3−2)において、R35〜R39は、それぞれ独立に、水素原子、またはフッ素原子を示す。ただし、R35〜R39がすべて水素原子である場合は除く。]
一般式(3−2)で表される置換基としては、例えばペンタフルオロフェニル基(C)、トリフルオロフェニル基(C)、テトラフルオロフェニル基(CHF)、トリフルオロメチルフェニル基(CF)、ビス(トリフルオロメチル)フェニル基((CF)、ペンタフルオロエチルフェニル基(CFCF)、ビス(ペンタフルオロエチル)フェニル基((CFCF)、フルオロ−トリフルオロメチルフェニル基(CFF)、フルオロ−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基((CFF)、フルオロ−ペンタフルオロエチルフェニル基(CFCFF)、フルオロ−ビス(ペンタフルオロエチル)フェニル基((CFCFF)などが挙げられる。
すなわち、一般式(3)で表されるフッ素基含有ホウ素アニオンとしては、これらのうち、明度、耐熱性、色特性の観点から[B(C [(C)B(C [(CB(C [(CB(C)] [(C)B(C(CF 等が挙げられる。なかでも、[B(Cが好ましい。
[一般式(4)で表されるメチド酸アニオン]
Figure 0006427970
[一般式(4)において、R41〜R43はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基を表す。]
一般式(4)において、「脂肪族炭化水素基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、ペンタデシル基などの直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソオクチル基などの分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基などのシクロアルキル基、等が挙げられる。
一般式(4)において、「芳香族炭化水素基」としては、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、等が挙げられる。
一般式(4)において、「置換基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基などの脂肪族炭化水素基;(メタ)アクリロイル基、ビニルアリール基、ビニルオキシ基、アリル基、エポキシ基などの重合性官能基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基などの芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などのエステル結合を有する基;メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、n−プロピルスルファモイル基、ジ−n−プロピルスルファモイル基、イソプロピルスルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、n−ブチルスルファモイル基、ジ−n−ブチルスルファモイル基などのアルキルスルファモイル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基などのアルキルスルホニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基、シアノ基をあげられることができる。
一般式(4)のR41〜R43としては、中でも、ハロゲン化脂肪族炭化水素基、ハロゲン化芳香族炭化水素基であることが好ましい。また、入手性の点から、R41〜R43は同一であることが好ましい。
一般式(4)において、「ハロゲン化脂肪族炭化水素基」としては、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、モノフルオロメチル基、ジクロロメチル基、モノクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロクロロエチル基、ジフルオロエチル基、モノフルオロエチル基、トリフルオロヨードエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロプロピル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、トリフルオロプロピル基、ジフルオロプロピル基、モノフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロオクチルエチル基、ペンタフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ペルフルオロ−3−メチルブチル基、ペルフルオロ−3−メチルヘキシル基等があげることができる。
一般式(4)において、「ハロゲン化芳香族炭化水素基」としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、モノフルオロフェニル基、フルオロクロロフェニル基、フルオロクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ジクロロフェニル基、モノクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、ジフルオロブロモフェニル基をあげることができる。
一般式(4)のR41〜R43としては、前記の中でも、フッ素原子で置換された炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基が好ましく、フッ素原子で置換された炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基がより好ましく、耐熱性の点でトリフルオロメチル基が特に好ましい。
メチド酸アニオンの具体例としては、下記に示すメチド酸アニオン等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、塩形成を行なう際、下記に示したメチド酸アニオン(MC−1〜MC−26)を有するアニオン性化合物のカウンターは、NaもしくはKもしくはCs、テトラブチルアンモニウムである。
Figure 0006427970
Figure 0006427970
Figure 0006427970
「カチオン性シアニン染料とアニオン性化合物の塩形成」
本発明の造塩化合物は、上述のアニオンYを有するアニオン性化合物と、カチオン性シアニン染料とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいはアニオン性化合物の水溶液とカチオン性シアニン染料の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、造塩化合物を容易に得ることができる。水溶液中で、アニオン性化合物のアニオン性基とカチオン性シアニン染料のカチオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり造塩化合物が析出する。逆に、アニオン性化合物の対カチオンとカチオン性シアニン染料の対アニオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用するアニオン性化合物、およびカチオン性シアニン染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、カチオン性シアニン染料あるいは、アニオン性化合物が水に不溶である場合は、適宜、それぞれが可溶な有機溶剤にそれぞれを溶解させ、加熱攪拌した後、有機溶剤を減圧あるいは常圧下で留去し、固形物を得て、そこに水を添加しリスラリーすることで、副生成物である塩を除去した上で、固形物を濾過により濾別することで造塩化合物を得ても良い。この時、用いる有機溶剤は、後述する水溶性有機溶剤を用いることが出来る。
本発明の造塩化合物は、アニオン性化合物の対カチオンとカチオン性シアニン染料の対アニオンとからなる塩を除去してなる造塩化合物が、耐熱性の観点で好ましい。造塩化合物中に塩形成で生じた副生物(例えばNaCl)などが存在する場合は、着色組成物中で造塩化合物が経時で析出してしまう可能性がある。
塩形成時に使用する水溶液として、アニオン性化合物、およびカチオン性シアニン染料を溶解させるため、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量(100重量%)中、5〜50重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
アニオン性化合物と、カチオン性シアニン染料との比率は、アニオン性化合物のアニオンユニットとカチオン性シアニン染料の全カチオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
[一般式(5)で示されるアニオン性基を有するビニル系樹脂]
アニオンが、アニオン性基を側鎖に有する樹脂のなかでも、一般式(5)で示されるアニオン性基を有するビニル系樹脂を用いることが、耐熱性の点で好ましい。中でもアクリル系樹脂が好ましく用いられる。
Figure 0006427970
[一般式(5)中、R51は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Qは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−CONH−R52−、または−COO−R52−を表し、R52は置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。Pは、―SO 、または−COOを表す。]
一般式(5)中、R51におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
51で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。上記の中でも、R51としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(5)中におけるPは、−SO 又は−COOを表し、耐熱性の観点で−SO がより好ましい。
一般式(5)中、アクリル部位とPを連結するQの成分はアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R52−、−COO−R52−を表し、R52はアルキレン基を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R52−、−COO−R52−であることが好ましい。
当該樹脂を構成する一般式(5)中においては、カチオン性シアニン染料と造塩前の前駆体の段階においては、カウンターイオンとしてカチオン成分が存在する。この場合、採用可能なカチオンは、無機または有機のカチオンであり、公知のものが制限なく採用できる。具体的には、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム化合物等が挙げられる。その際、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウムであり、アルカリ土類金属は、カルシウム、マグネシウムであることが好ましい。また、アンモニウム化合物とは、NH4+または、そのHを炭化水素基などで置換した化合物のことである。
本発明の好ましい様態である下記一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るには、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有するモノマーを単量体成分として共重合する方法が挙げられる。
以下に、一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るために使用可能なスルホン酸基、もしくはカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の具体例を示す。
[カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体]
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられ、また、カルボキシル基を有するモノマーとしては、カルボン酸無水物基を有するモノマーも含まれ、カルボン酸無水物基を有するモノマーとしては、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸等が挙げられる。
[スルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体]
スルホン酸基を有するモノマーは、式(IV)のモノマーおよびその水溶性塩、殊にアルカリ金属塩、例えばカリウムおよび、殊に有利には、ナトリウム塩、およびアンモニウム塩である。
式(IV)
56(R57)C=C(R58)−X−SO
[式中、R56、R57およびR58は、互いに無関係に、−H、C原子1〜12個を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、直鎖または分岐鎖のC原子2〜12個を有するモノ不飽和またはポリ不飽和のアルケニル基(その際、後者の2個の基は無置換であるか、または1個以上の基−NH、−OHまたは−COOHによって置換されている)、−COOHまたは−COOR59であり、またR56はXSOHであり;R59は、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖のC原子1〜12個を有する炭化水素であり;Xは、単結合、n=1〜4である−(CH)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH−O−フェニレン(好ましくは1,4)、−CH−O−CH−CH(OH)−CH−、k=1〜6である−COO−(CH)k−、−CO−NH−、m=0〜3である−CO−NH−CR’R’’−(CH)mまたは−CO−NH−CH−CH(OH)−CH−であり;R’は、−H、−CHまたは−CでありかつR’’は、−Hまたは−CHである。]
スルホン酸基を有するモノマーのなかでとりわけ有利なのは、式(IVa)、(IVb)および/または(IVc)のモノマーである。
C=CH−X−SOH (IVa)
C=C(CH)−X−SOH (IVb)
HOS−X−(R500)C=C(R511)−X−SOH (IVc)
[式中、R500およびR511は、互いに無関係に、−H、−CH、−CHCH、−CHCHCHまたは−CH(CHでありかつXは、単結合、n=1〜4の−(CH)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH−O−フェニレン(好ましくは1,4)、−CH−O−CH−CH(OH)−CH−、k=1〜6の−COO−(CH)k−、−CO−NH−、m=0〜3の−CO−NH−CR’R’’−(CH)m−または−CO−NH−CH−CH(OH)−CH−であり;R’は、−H、−CHまたは−CでありかつR’’は、−Hまたは−CHである。]
極めて有利なスルホン酸基含有モノマーは、1−アクリルアミド−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸(2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸)、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、2−スルホエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミドならびに挙げられた酸の水溶性の塩およびエステルであって、その際、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の形態であること、殊にNa塩およびK塩の形態であることが有利である。
殊に有利なスルホン酸基を有するモノマーは、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、または2−ソジウムスルホエチルメタクリレートである。
[その他共重合可能なエチレン性不飽和単量体]
その他、用いることのできるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
このようなエチレン性不飽和単量体の具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、スチレン、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、または、(メタ)アクリル酸ベンジルが好ましく、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリルまたはスチレンが、造塩化合物を使用した着色組成物の保存安定性の観点でより好ましい。
[その他共重合可能な熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体]
熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体を共重合させることで、カラーフィルタの製造における加熱工程において、熱架橋製官能基を有するアクリル樹脂同士、またはバインダー樹脂との架橋を形成する。それにより強固な被膜が形成され、塗膜の色変化を防ぐ、すなわち耐熱性を向上させることができ、また、耐溶剤性も向上する。
上記熱架橋性官能基の好適な構造としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基、1級または2級アミノ基、イミノ基、オキセタニル基、t−ブチル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アリル基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。
中でもカラーフィルタ用着色組成物という用途における保存安定性や他の材料との反応性の観点から、ヒドロキシル基、オキセタニル基、t−ブチル基、イソシアネート基、(メタ)アクリル基が好ましく、特にヒドロキシル基を有していることが好ましい。
本発明に用いる、アニオン性基を有するビニル系樹脂中の熱架橋性官能基をアニオン性基を有するビニル系樹脂に導入する1つの方法は、熱架橋性官能基を有するエチレン性不飽和単量体を、一般式(5)で表されるアニオン性基に対応するエチレン性不飽和単量体と共重合する方法である。
ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、特に限定されないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートまたはこれらモノマーのカプロラクトン付加物(付加モル数は1〜5が好ましい)などが挙げられる。
オキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタンなどが挙げられる。
t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレートなどが挙げられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽単量体としては、例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルアクリレートなどが挙げられる。
本発明におけるイソシアネート基としては、ブロックイソシアネート基も含まれ、好ましく使用することができる。ブロックイソシアネート基とは、通常の条件では、イソシアネート基を他の官能基で保護することにより該イソシアネート基の反応性を抑える一方で、加熱により脱保護し、活性なイソシアネート基を再生させることができるイソシアネートブロック体のことを示す。
このようなブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体の市販品としては、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI−BP,昭和電工製);メタクリル酸2−(0−[1'メチルプロビリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM,昭和電工製)などが挙げられる。
また、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、市販品を使用できるほか、公知の方法で調製して使用することもできる。例えば、エチレン性不飽和結合を有しているイソシアネート化合物とブロック剤とを溶媒中0〜200℃程度の温度で撹拌し、濃縮、濾過、抽出、晶析、蒸留等の公知の分離精製手段を用いて分離することにより得ることができる。
本発明に用いるアニオン性基を有するビニル樹脂中の熱架橋性官能基を導入する他の方法は、ビニル樹脂を得た後に、該ビニル樹脂が有する官能基に、前記官能基に対し反応し得る官能基と熱架橋性官能基を有する化合物を反応させる方法である。例えば、カルボキシル基を有するアクリル樹脂中のカルボキシル基に、グリシジル基を有するエチレン性不飽和単量体のグリシジル基を反応させることで、熱架橋性官能基として(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂を得ることができる。
上記熱架橋性官能基は樹脂中に少なくとも一種類含まれている必要があり、二種類以上含まれていてもよい。
本発明に好適な一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に好適な一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に存在するスルホン酸基およびカルボキシル基を有する構造単位の合計が、共重合組成の合計100重量%のうち2〜50重量%を含む共重合体であることが好ましく、より好ましくは、5〜35重量%を含む共重合体であることが好ましい。スルホン酸基、およびカルボキシル基を有する構造単位の合計が、2重量%より少ないと、造塩反応が起こるカチオン性染料の割合が低くなる。そのため、未造塩のカチオン性染料が多くなり、その結果、溶剤溶解性も低くなり異物の析出といった現象が起こる場合がある。また、異物の析出を防止するためには、レジスト材中の有機溶剤量を多くする必要があるが、そうすると塗工性が著しく悪化する場合がある。一方50重量%より多くなると、一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に造塩されているカチオン染料の量が多くなりすぎてしまうため、耐熱性が悪化する場合がある。
本発明に使用される下記一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適な下記一般式(5)で表される構造単位を含むビニル系樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される有機溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、グリコールアセテート類、中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することが好ましい。
「カチオン性シアニン染料とアニオン性基を有するビニル系樹脂の塩形成」
本発明の造塩化合物は、アニオン性基を有するビニル系樹脂と、カチオン性シアニン染料とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいはアニオン性基を有する樹脂の水溶液とカチオン性シアニン染料の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、造塩化合物を容易に得ることができる。水溶液中で、樹脂のアニオン性基と染料のカチオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり造塩化合物が析出する。逆に、樹脂の対カチオンと塩基性染料の対アニオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用するアニオン性基を有する樹脂、およびカチオン性シアニン染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
本発明の造塩化合物は、水溶液中でアニオン性基を有するビニル系樹脂とカチオン性シアニン染料とを混合し、アニオン性基を有する樹脂の対カチオンとカチオン性染料の対アニオンとからなる塩を除去してなる化合物であること、もしくは、水溶液中でカチオン性基を有するビニル系樹脂とアニオン性シアニン染料とを混合し、カチオン性基を有する樹脂の対アニオンとアニオン性染料の対カチオンとからなる塩を除去してなる化合物が、耐熱性、保存安定性の観点で好ましい。造塩化合物中に塩形成で生じた副生物(例えばNaCl)などが存在する場合は、着色組成物中で造塩化合物が経時で析出してしまう可能性がある。
塩形成時に使用する水溶液として、アニオン性基を有する樹脂、およびカチオン性染料を溶解させるため、もしくは、カチオン性基を有する樹脂、およびアニオン性染料を溶解させるため水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量(100重量%)中、5〜50重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
アニオン性基を有する樹脂と、カチオン性シアニン染料との比率は、樹脂の全アニオンユニットとカチオン性シアニン染料の全カチオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
(顔料(B))
本発明の固体撮像素子用着色組成物は、さらに顔料(B)を用いる。これにより、色相の調整、および耐性向上が可能となる。また、固体撮像素子用の色分離特性も優れたものとすることができる。
シアニン色素(ZC)と顔料(B)との使用割合は、顔料(B)100重量部に対しシアニン色素(ZC)が1〜200重量部であることが好ましい。より好ましくは50〜150重量部である。シアニン色素(ZC)の添加量がこの範囲にある場合、色相、および再現可能な色度領域も優れた組成物とすることができる。
併用する顔料としては、各色のフィルタセグメントごとに下記のものが用いられる。
≪赤色フィルタセグメントを形成する顔料≫
赤色フィルタセグメントを形成する赤色着色組成物用の赤色顔料としては、
C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、149、166、168、169、176、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、221、224、242、246、254、255、264、268、269、270、272、273、274、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、特表2011−523433号公報に記載のジケトピロロピロール顔料、または特開2013−161025号公報に記載のナフトールアゾ顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でも、色再現性および感度に優れた分光特性とすることができるため、C.I.ピグメントレッド177、242、254、または269を用いることが好ましい。より好ましくは、C.I.ピグメントレッド177、または254である。
赤色フィルタセグメント形成のためには、さらに、黄色または橙色顔料を併用しても良い。黄色または橙色顔料としては、以下に述べる黄色顔料、橙色顔料等が挙げられる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、221または特許第4993026号公報に記載のキノフタロン系顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
橙色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ38、43、71、または73等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でも、色再現性および感度に優れた分光特性にすることができるため、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、または185を用いることが好ましい。より好ましくは、C.I.ピグメントイエロー139である。
これらの顔料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
≪青色フィルタセグメントを形成する顔料≫
青色フィルタセグメントを形成する青色着色組成物用の青色顔料としては、
C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、特開2004−333817号公報、または特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、または50等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でも、色再現性および感度に優れた分光特性にすることができるため、C.I.ピグメント ブルー15:1、または15:6を用いることが好ましい。
≪緑色フィルタセグメントを形成する顔料≫
緑色フィルタセグメントを形成する緑色着色組成物用の緑色顔料としては、
C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58、特開2008−19383号公報、特開2007−320986号公報、特開2004−70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料、または特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でも、色再現性および感度に優れた分光特性にすることができるため、C.I.ピグメントグリーン7、36、または58を用いることが好ましい。
また緑色着色組成物には、色相調整のため、黄色顔料を併用することが可能である。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、221、または特許第4993026号公報に記載のキノフタロン系顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でも、色再現性および感度に優れた分光特性にすることができるため、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、または185等を用いることが好ましい。
[顔料の微細化]
本発明の顔料(B)は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式または連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料の全重量100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料の全重量100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料の全重量100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
顔料をソルトミリング処理(微細化)する際に、同時に本発明のシアニン色素(ZC)を添加することも好ましいものである。顔料を微細化する際に、共に添加することで良好な着色剤とすることができる。
(その他の着色剤)
本発明の固体撮像素子用着色組成物は、さらに、その他の染料を併用して用いても良い。
併用することができる染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられ、油溶性染料、酸性染料、金属錯塩染料、塩基性染料、直接染料、分散染料、媒染染料等が挙げられる。これらのうち、油溶性染料、酸性染料、金属錯塩染料、塩基性染料が好ましい。
また、化学構造によれば、アゾ染料、シアニン色素(ZC)以外のシアニン染料、トリフェニルメタン染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、スクワリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。
<バインダー樹脂>
本発明におけるバインダー樹脂は、着色剤を分散、または浸透するものであって、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型感光性着色組成物の形態で用いる場合には、酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性置換基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性置換基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性置換基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性置換基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールメタアクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
着色剤を好ましく分散させるためには、樹脂の重量平均分子量(Mw)は10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
また、着色剤の分散性、安定性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶性基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び有機溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料の分散性、塗膜における現像液浸透性、未硬化部分の現像液溶解性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。また300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる場合がある。
バインダー樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤の全重量100重量部に対して、30重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましい。より好ましくは100〜400重量部。さらに好ましくは160〜320重量部である。このような着色剤の構成比率により色度領域を広げることができる。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
有機溶剤としては、例えば、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、着色剤の分散性、浸透性、および着色組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤100重量部に対して、500〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物に添加しても良い光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の配合量は、着色剤100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、着色剤100重量部に対し、2〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜150重量部であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の固体撮像素子用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、固体撮像素子用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2'−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2'−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2'チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2'−メチル−4'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2'−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N′−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4'イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、固体撮像素子用着色組成物の固形分重量を基準(100重量%)として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、着色剤を、バインダー樹脂などの着色剤担体および/または有機溶剤中に、好ましくは分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(着色剤分散体)。このとき、シアニン色素(ZC)、顔料(B)、およびその他の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。また、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する有機溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記顔料分散体と、光重合性単量体及び/または光重合開始剤と、必要に応じて、有機溶剤、その他の顔料分散剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度および粘度安定性が良好になる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開2001−335717号公報、特開2003−128669号公報、特開2004−091497号公報、特開2007−156395号公報、特開2008−094873号公報、特開2008−094986号公報、特開2008−095007号公報、特開2008−195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の含有量は、分散性向上の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは35重量部以下である。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、支持体上に、本発明の固体撮像素子用着色組成物により形成されてなる少なくとも1つのフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタである。カラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントと、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントと、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントとを具備し、前記少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、本発明の固体撮像素子用着色組成物を用いて形成されることが好ましい。また、カラーフィルタは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。
本発明の固体撮像素子用着色組成物により形成されてなる少なくとも1つのフィルタセグメント以外のフィルタセグメントを有する場合には、通常の赤色着色組成物、緑色着色組成物、または青色着色組成物等を用いて形成することができる。
<カラーフィルタの製造方法>
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法(本発明のカラーフィルタの製造方法)を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、本発明の固体撮像素子用着色組成物を基板上に直接または他の層を介して塗布し(その後必要に応じて乾燥させて)、着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層をマスクを通して(例えばパターン様に)露光する露光工程と、露光後の着色層を現像してパターンを形成する現像工程とを設けて構成されている。また、必要に応じて、パターンを加熱及び/又は露光により硬化する工程や、現像処理された着色層にポストベーク処理を施すポストベーク工程を設けてもよい。これらの工程を経ることで着色されたパターンを形成することができる。
以上で説明した本発明の着色組成物は、CCD等の固体撮像素子用カラーフィルタのパターンを形成するために用いられるものであり、特に微細なパターンを形成するために有効である。
具体的には、パターン寸法2.5μm以下のパターンを形成するために有効であり、さらには、パターン寸法2.0μm以下のパターンを形成するために特に有効である。また、パターンの膜厚としては、膜厚1.5μm以下のパターンを形成するために有効であり、さらには、膜厚1.0μm以下のパターンを形成するために特に有効である。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について詳細に説明する。
着色層形成工程は、着色組成物を基板上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スリット塗布等の塗布方法により塗布し、さらに必要に応じて乾燥させて、着色層を形成する。
基板としては、例えばシリコン基板等や、CCD、CMOS等の固体撮像素子等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックマトリックスが形成されている場合もある。また、基板上には必要により、基板上に設けられる層との密着改良、物質の拡散防止、あるいは基板表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
露光工程は、前記着色層形成工程において形成された着色層に、マスクを介して特定のパターンを露光する。露光の際に使用される放射線としては、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。中でも、より微細なパターンを形成する観点から、i線が特に好ましい。
現像工程は、露光された着色層をアルカリ現像液等で現像処理する。
アルカリ現像液としては、本発明の着色光硬化性組成物の未露光部を溶解し、露光部(放射線照射部)を溶解しないものであればいずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
有機溶剤としては、既述の<有機溶剤>の項で説明した有機溶剤が挙げられる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。
なお、アルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合は、一般に現像後に水で洗浄することが好ましい。
アルカリ現像液は、アルカリ濃度を好ましくはpH11〜13、さらに好ましくはpH11.5〜12.5となるように調整したアルカリ性水溶液を使用することが好ましい。アルカリ濃度が前記範囲内であると、パターンの荒れや剥離をより効果的に抑制することができ、残膜率をより向上させることができ、また、現像速度の低下や現像残渣の発生をより効果的に抑制することができる。
現像工程は、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液により現像処理を行なうことが好ましい。現像方法には、例えば、ディップ法、スプレー法、パドル法等があり、温度は15〜40℃が好ましい。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、現像後の塗布膜を充分に硬化させるために、ポストベーク工程においてポストベーク処理が施されることが好ましい。ポストベーク工程における加熱温度は、100〜300℃が好ましく、150〜250℃がさらに好ましい。また、加熱時間は、2分間〜1時間程度が好ましく、3分間〜30分間程度がさらに好ましい。
本発明のカラーフィルタは、固体撮像素子の作製に用いられるものであり、CCD等のイメージセンサ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS素子等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えばCCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることがより好適である。
中でも、パターン寸法2.5μm以下(より好ましくは2.0μm以下)のカラーフィルタとして用いることがより好適であり、パターン寸法2.5μm以下(より好ましくは2.0μm以下)であってパターンの膜厚が1.5μm以下(より好ましくは1.0μm以下)のカラーフィルタとして用いることが最適である。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。本明細書において実施例25、28、61、および64は参考例である。
実施例に先立ち、樹脂の重量平均分子量の測定方法について説明する。
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
続いて、実施例および比較例に用いたバインダー樹脂、カチオン性シアニン染料、一般式(2)で表されるイミド酸アニオン化合物、一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン化合物、一般式(4)で表わされるメチド酸アニオン化合物、一般式(5)で表されるアニオン性基を有するビニル系樹脂、シアニン色素溶液、キサンテン色素溶液、および微細化顔料の製造方法と、樹脂型分散剤溶液の調製方法と、顔料分散体、および感光性着色組成物の製造方法とについて説明する。
<バインダー樹脂の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の調整)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
<カチオン性シアニン染料の合成方法>
以下カチオン性シアニン染料はJ. Org. Chem., 1995, 60 (8), pp 2411-2422、J. Am. Chem. Soc., 2011, 133 (40), pp 15870-15873を参考に合成した。
下記反応スキーム1〜3に従って、本発明におけるカチオン性シアニン染料をそれぞれ合成した。
(カチオン性シアニン染料(A−1))
カチオン性シアニン染料(A−1)は、まず中間体(a−1)を合成した後に、次のステップで目的物であるカチオン性シアニン染料(A−1)を合成した。
(反応スキーム1)
Figure 0006427970
「中間体(a−1)の合成」
温度計、滴下ろうと、冷却管を具備した100mlの4口フラスコに2,3,3−トリメチルインドレニン5部、ヨードエタン7.35部、アセトニトリル10mlを加え、24時間加熱還流した。室温まで冷却後、エバポレーターにて溶媒を留去し、固体を析出させた。そこへジエチルエーテル40ml加え、洗浄し吸引ろ過した。8.61部の生成物を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=188.25(分子量188.14)で目的物であることを確認した。
「カチオン性シアニン染料(A−1)の合成)」
温度計、滴下ろうと、冷却管、窒素フロー管を具備した100mlの4口フラスコに中間体(a−1)8.61部、無水酢酸15ml加え、そこへ滴下ろうとを用いてオルトギ酸トリエチル4.05部滴下し、加熱還流させた。1時間後、室温まで冷却し、固体を析出させた。析出した固体を吸引ろかし、酢酸エチル30ml、イオン交換水30mlで洗浄した。熱風乾燥機にて40℃で1晩加熱乾燥し、6.16部の生成物を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=385.33(分子量385.26)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−2))
Figure 0006427970
中間体(a−1)のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、9.49部の生成物(中間体(a−2))を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=216.29(分子量216.17)で目的物であることを確認した。中間体(a−2)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.68部のカチオン性シアニン染料(A−2)を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=441.45(分子量441.33)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−3))
Figure 0006427970
中間体(a−1)のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、9.79部の生成物(中間体(a−3))を得た。収率は84%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=244.35(分子量244.21)で目的物であることを確認した。中間体(a−3)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.92部のカチオン性シアニン染料(A−3)を得た。収率は84%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=497.51(分子量497.39)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−4))
Figure 0006427970
中間体(a−1)のヨードエタンを3−ヨードプロピレンに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、9.04部の生成物(中間体(a−4))を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=200.28(分子量200.14)で目的物であることを確認した。中間体(a−4)を用い、反応温度を80 ℃に変更した以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成した。4.60部のカチオン性シアニン染料(A−4)を得た。収率は62%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=409.36(分子量409.26)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−5))
カチオン性シアニン染料(A−5)は、まず中間体(a−5)を合成した後に、次のステップで目的物であるカチオン性シアニン染料(A−5)を合成した。
(反応スキーム2)
Figure 0006427970
「中間体(a−5)の合成」
温度計、滴下ろうと、冷却管を具備した100mlの4口フラスコに2,3,3−トリメチルインドレニン5部、2−(4−ブロモ−ブトキシメチル)−オキシラン9.85部、ヨウ化カリウム5.21部、アセトニトリル10mlを加え、24時間加熱還流した。室温まで冷却後、エバポレーターにて溶媒を留去し、固体を析出させた。そこへジエチルエーテル40ml加え、洗浄し吸引ろ過した。5.87部の生成物(中間体(a−5))を得た。収率は52%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=288.31(分子量288.20)で目的物であることを確認した。
「カチオン性シアニン染料(A−5)の合成)」
中間体(a−5)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、5.54部のカチオン性シアニン染料(A−5)を得た。収率は58%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=585.49(分子量585.37)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−6))
Figure 0006427970
中間体(a−5)の2−(4−ブロモ−ブトキシメチル)−オキシランを(4−ブロモ−ブチル)−カルバミック酸ビニルエステルに変更した以外は、中間体(a−5)と同様に合成し、7.93部の生成物(中間体(a−6))を得た。収率は59%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=301.31(分子量301.19)で目的物であることを確認した。中間体(a−6)を用いた以外はカチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、3.76部のカチオン性シアニン染料(A−6)を得た。収率は55%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=611.48(分子量611.36)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−7))
カチオン性シアニン染料(A−7)は、まず中間体(a−7a)を合成した後に、次のステップで中間体(a−7b)を合成し、さらに次のステップで目的物であるカチオン性シアニン染料(A−7)を合成した。
(反応スキーム3)
Figure 0006427970
「中間体(a−7a)の合成」
中間体(a−5)の2−(4−ブロモ−ブトキシメチル)−オキシランを3−ブロモプロピオン酸に変更した以外は、中間体(a−5)と同様に合成し、5.87部の生成物(中間体(a−7a))を得た。収率は52%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=232.25(分子量232.13)で目的物であることを確認した。
「中間体(a−7b)の合成」
温度計、滴下ろうと、冷却管を具備した100mlの3口フラスコに中間体(a−7a)9.81部、ジクロロメタン15ml、4−(N,Nジメチル)アミノピリジン0.40部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.55部、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.44部を加え、室温にて24時間撹拌させた。イオン交換水30mlにて分液操作を2回行った後、飽和食塩水50mlで2回有機層を洗浄した。硫酸マグネシウムを5部加え、30分撹拌後、硫酸マグネシウムをろ過し、溶媒を留去した。真空燥機にて40℃で1晩加熱乾燥し、5.46部の生成物(中間体(a−7b))を得た。収率は71%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=344.31(分子量344.19)で目的物であることを確認した。
「カチオン性シアニン染料(A−7)の合成)」
中間体(a−7b)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成した。5.54部の生成物(A−7)を得た。収率は58%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=824.38(分子量824.25)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−8))
Figure 0006427970
中間体(a−1)の2,3,3−トリメチルインドレニンを2,3,3−トリメチル−4,5−ベンゾ−3H−インドールに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、7.59部の生成物(中間体(a−8))を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=238.28(分子量238.16)で目的物であることを確認した。中間体(a−8)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、5.79部のカチオン性シアニン染料(A−8)を得た。収率は91%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=485.42(分子量485.30)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−9))
Figure 0006427970
中間体(a−1)の2,3,3−トリメチルインドレニンを5−ブロモ−2,3,3−トリメチルインドレニンに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、7.53部の生成物(中間体(a−9))を得た。収率は91%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=266.18(分子量266.05)で目的物であることを確認した。中間体(a−9)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、5.89部のカチオン性シアニン染料(A−9)を得た。収率は92%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=541.20(分子量541.08)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−10))
Figure 0006427970
中間体(a−9)のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体(a−9)と同様に合成し、7.80部の生成物(中間体(a−10))を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=294.20(分子量294.09)で目的物であることを確認した。中間体(a−10)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.04部のカチオン性シアニン染料(A−10)を得た。収率は90%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=599.59(分子量599.46)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−11))
Figure 0006427970
中間体(a−9)のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体(a−9)と同様に合成し、8.04部の生成物(中間体(a−11))を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=322.24(分子量322.12)で目的物であることを確認した。中間体(a−11)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.14部のカチオン性シアニン染料(A−11)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=653.33(分子量653.21)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−12))
Figure 0006427970
中間体(a−1)の2,3,3−トリメチルインドレニンを5−クロロ−2,3,3−トリメチルインドレニンに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、8.12部の生成物(中間体(a−12))を得た。収率は90%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=222.23(分子量222.10)で目的物であることを確認した。中間体(a−12)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.15部のカチオン性シアニン染料(A−12)を得た。収率は91%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=453.30(分子量453.19)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−13))
Figure 0006427970
中間体(a−12)のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体(a−12)と同様に合成し、8.58部の生成物(中間体(a−13))を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=250.28(分子量250.14)で目的物であることを確認した。中間体(a−13)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.44部のカチオン性シアニン染料(A−13)を得た。収率は89%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=509.38(分子量509.25)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−14))
Figure 0006427970
中間体(a−12)のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体(a−12)と同様に合成し、9.11部の生成物(中間体(a−14))を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=278.27(分子量278.17)で目的物であることを確認した。中間体(a−14)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.85部のカチオン性シアニン染料(A−14)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=565.44(分子量565.31)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−15))
Figure 0006427970
中間体(a−1)の2,3,3−トリメチルインドレニンを2,3,3,5−テトラメチルインドレニンに、ヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は中間体(a−1)と同様に合成し、9.07部の生成物(中間体(a−15))を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=230.31(分子量230.19)で目的物であることを確認した。中間体(a−15)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.44部のカチオン性シアニン染料(A−15)を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=469.46(分子量469.36)で目的物であることを確認した。
(カチオン性シアニン染料(A−16))
Figure 0006427970
中間体(a−1)の2,3,3−トリメチルインドレニンを5−メトキシ−2,3,3−トリメチルインドレニンに、ヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体(a−1)と同様に合成し、8.58部の生成物(中間体(a−16))を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=246.32(分子量246.19)で目的物であることを確認した。中間体(a−16)を用いた以外は、カチオン性シアニン染料(A−1)と同様に合成し、6.36部のカチオン性シアニン染料(A−16)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=501.46(分子量501.35)で目的物であることを確認した。
<一般式(2)で表されるイミド酸アニオン化合物の製造方法>
(イミド酸アニオン化合物(G−1))
Figure 0006427970
温度計、撹拌機、冷却管を具備した4つ口セパラブルフラスコに、トリフルオロメタンスルホンアミド3.58部(1.1当量)と炭酸カリウム5.53部(2当量)、アセトニトリル60mlを加えた後、ペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリド3.53部を分割添加し、5時間加熱還流した。室温まで冷却後、アセトニトリル400mlを加えてよく撹拌した後、吸引ろ過により得られたろ液を濃縮して、7.30部の生成物を得た。H、13C−NMRスペクトル(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、得られた化合物が目的化合物(イミド酸アニオン化合物(G−1))であることを確認した。
(イミド酸アニオン化合物(G−2))
Figure 0006427970
イミド酸アニオン化合物(G−1)の合成において、ペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリドに代えてp−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを使用した以外は同様にして、イミド酸アニオン化合物(G−2)を得た。
(イミド酸アニオン化合物(G−3))
Figure 0006427970
イミド酸アニオン化合物(G−1)の合成において、ペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリドに代えてp−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリドを使用した以外は同様にして、イミド酸アニオン化合物(G−3)を得た。
(イミド酸アニオン化合物(G−4))
Figure 0006427970
イミド酸アニオン化合物(G−1)の合成において、トリフルオロメタンスルホンアミドに代えてp−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミドを使用した以外は同様にして、イミド酸アニオン化合物(G−4)を得た。
<一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン化合物の製造方法>
以下フッ素基含有ホウ素アニオン化合物は特開2011−201803を参考に合成した。
(フッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−1))
脱気窒素置換した反応容器に、マグネシウム1.7部、テトラヒドロフラン26.1部を仕込み水浴にて18℃まで冷却する。ブロモペンタフルオロベンゼン17.3部、テトラヒドロフラン26.1部を滴下ロートに仕込み、系内温度が25℃を超えないように滴下する。滴下終了後45℃で2時間反応を継続した後、反応液を20℃まで冷却する。その後、ジクロロフェニルボラン3.0部を滴下ロートより系内温度が25℃を超えないように滴下する。滴下終了後65℃で2時間反応を継続し反応を完結させる。
この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50部に加え、有機層を分取し、水層を酢酸エチル10部で2回洗浄し、ここで得られた酢酸エチル層を先に分取した有機層に加えた。有機層を脱溶剤し、残渣をヘキサンで2回洗浄後の残渣を減圧乾燥することにより、目的物であるフェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム(フッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−1))10.4部、収率90%(純度98%以上)で得た。生成物(FBA−1)はH−NMR、19F−NMRにより同定した。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、980cm−1付近にB−C結合の吸収を確認した。
(フッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−2))
脱気窒素置換した反応容器に、マグネシウム1.7部、テトラヒドロフラン26.1部を仕込み水浴にて18℃まで冷却する。ブロモペンタフルオロベンゼン17.3部、テトラヒドロフラン26.1部を滴下ロートに仕込み、系内温度が25℃を超えないように滴下する。滴下終了後45℃で2時間反応を継続した後、反応液を20℃まで冷却する。その後、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体2.4部を滴下ロートより系内温度が25℃を超えないように滴下する。滴下終了後65℃で12時間反応を継続する。
この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50部に加え、有機層を分取し、水層を酢酸エチル10部で2回洗浄し、ここで得られた酢酸エチル層を先に分取した有機層に加えた。有機層を脱溶剤し、残渣をヘキサンで2回洗浄後の残渣を減圧乾燥することにより、目的物であるテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム(フッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−2))を5.8部、収率40%(純度98%以上)で得た。生成物(FBA−2)は19F−NMRにより同定した。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、980cm−1付近にB−C結合の吸収を確認した。
<一般式(4)で表わされるメチド酸アニオン化合物の製造方法>
以下メチド酸アニオンは特開2009−155206号公報を参考に合成した。
(メチド酸アニオン化合物(M−1))
Figure 0006427970
PTFE撹拌子(15mm、φ=6mm)を入れた3つ口フラスコに、温度計を取り付け、塩化カルシウムを通した窒素気流下で1.0Mメチルマグネシウムブロミド−テトラヒドロフラン溶液(東京化成工業製)215.7部を加えて氷冷後、内温15℃以下でトリフルオロメタンスルホニルフルオリド11部を添加した。一旦内温40℃まで加熱撹拌し、再びトリフルオロメタンスルホニルフルオリド5部加え、室温にて24時間撹拌した。0.3M塩化カリウム水溶液を200加えてよく撹拌した後、エバポレーターにてテトラヒドロフランを留去した。析出物を吸引ろ過にてろ別し、得られたろ物を水による再結晶にて精製し、カリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(メチド酸アニオン化合物(M−1))を収量8.2部で得た。19F-NMRにて目的物であることを確認した。
<一般式(5)で表されるアニオン性基を有するビニル系樹脂の製造方法>
(アニオン性基を有する樹脂(AJ−1))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸20.0部、メチルメタクリレート12.5部、n−ブチルメタクリレート20.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.0部、メタクリル酸3.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、3390である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%のアニオン性基を有する樹脂(AJ−1)を得た。
(アニオン性基を有する樹脂(AJ−2〜4))
表1に示した材料組成に変更した以外は樹脂(AJ−1)と同様にして樹脂(AJ−2〜4)を得た。
Figure 0006427970
<一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC)>
(シアニン色素(ZC−1))
下記の手順でカチオン性シアニン染料とアニオン性基を有する樹脂(AJ−1)とからなるシアニン色素(ZC−1)を製造した。
水2000部に57.1部のアニオン性基を有する樹脂(AJ−1)と、水酸化ナトリウム1.5部を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、45部の水、45部のメタノールに10部のカチオン性シアニン染料(A−1)を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させ、濃縮液を水1000部中に攪拌しながら滴下し、得られた析出物を、吸引濾過にて取り出し、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機で乾燥し、32部のカチオン性シアニン染料(A−1)とアニオン性基を有する樹脂(AJ−1)との造塩化合物であるシアニン色素(ZC−1)を得た。染料と樹脂の塩交換反応による副生成物である塩、微量の未反応染料、未反応樹脂は、濃縮液を水中に攪拌しながら滴下したときに水に溶解するため吸引濾過時に除去できている。また、その後の水洗でわずかに残る副生成物は完全に除かれる。
(シアニン色素(ZC−2〜ZC−19、ZC−27))
表2に示すカチオン性シアニン染料とアニオン性基を有する樹脂の種類と配合量(重量部)に変更した以外は、シアニン色素(ZC−1)と同様にして、カチオン性シアニン染料とアニオン性基を有する樹脂とからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−2〜ZC−19、ZC−27)を製造した。ZC−27に使用したBasic.Red.12(C.I.ベーシックレッド12)については、保土ヶ谷化学社製Aizen Astra Phloxineを使用した。
(シアニン色素(ZC−20))
下記の手順でカチオン性シアニン染料とイミド酸アニオン化合物(G−1)とからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−20)を製造した。
水100部と、メタノール300部、メチルエチルケトン100部、アセトン100部の混合溶剤に8.23部のイミド酸アニオン(G−1)と、10部のカチオン性シアニン染料(A−13)を溶解させ、60℃で240分攪拌し、十分に反応を行った。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させることで造塩化合物である固形物を取り出した。この固形物に水1000部を加え25℃で180分攪拌し、吸引濾過をすることで、副生物である塩を除去した。また、濾紙上に残った造塩化合物は400部の水をふりかけることでさらに洗浄し副生物である塩を完全に除去した後、造塩化合物を取り出した。取り出した造塩化合物は、乾燥機で乾燥し、14.3部の、カチオン性シアニン染料(A−13)とイミド酸アニオン化合物(G−1)との造塩化合物であるシアニン色素(ZC−20)を得た。
(シアニン色素(ZC−21〜ZC−23、28、30))
カチオン性シアニン染料とイミド酸アニオン化合物の種類と配合量(重量部)を、表2に示す内容に変更した以外は、シアニン色素(ZC−20)と同様にして、各種カチオン性シアニン染料と各種イミド酸アニオン化合物とからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−21〜ZC−23、28、30)を製造した
(シアニン色素(ZC−24))
下記の手順でカチオン性シアニン染料とフッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−1)とからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−24)を製造した。
メタノール300部、メチルエチルケトン100部、アセトン100部の混合溶剤10部のカチオン性シアニン染料(A−13)を溶解させ、あらかじめ水1000部に12.79部のフッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−1)を溶解させておいた溶液を滴下混合する。その後、60℃で240分攪拌し、十分に反応を行った。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させることで造塩化合物である固形物を取り出した。この固形物に水1000部を加え25℃で180分攪拌し、吸引濾過をすることで、副生物である塩を除去した。また、濾紙上に残った造塩化合物は400部の水をふりかけることでさらに洗浄し副生物である塩を完全に除去した後、造塩化合物を取り出した。取り出した造塩化合物は、乾燥機で乾燥し、14.3部のカチオン性シアニン染料(A−13)とフッ素基含有ホウ素アニオン化合物(FBA−1)との造塩化合物であるシアニン色素(ZC−24)を得た。
(シアニン色素(ZC−25、29、31、32))
カチオン性シアニン染料とフッ素基含有ホウ素アニオン化合物の種類と配合量(重量部)を、表2に示す内容に変更した以外は、造塩化合物(ZC−24)と同様にして、各種カチオン性シアニン染料と各種フッ素基含有ホウ素アニオン化合物との造塩化合物であるシアニン色素(ZC−25、29、31、32)を製造した。
(シアニン色素(ZC−26))
下記の手順でカチオン性シアニン染料とメチド酸アニオン化合物(M−1)とからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−26)を製造した。
水100部と、メタノール300部、メチルエチルケトン100部、アセトン100部の混合溶剤に9.94部のメチド酸アニオン化合物(M−1)と、10部のカチオン性シアニン染料(A−13)を溶解させ、60℃で240分攪拌し、十分に反応を行った。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させることで造塩化合物である固形物を取り出した。この固形物に水1000部を加え25℃で180分攪拌し、吸引濾過をすることで、副生物である塩を除去した。また、濾紙上に残った造塩化合物は400部の水をふりかけることでさらに洗浄し副生物である塩を完全に除去した後、造塩化合物を取り出した。取り出した造塩化合物は、乾燥機で乾燥し、12.1部の、カチオン性シアニン染料(A−13)とメチド酸アニオン化合物(M−1)との造塩化合物であるシアニン色素(ZC−26)を得た。
(シアニン色素(ZC−32))
下記の手順でカチオン性シアニン染料とテトラフルオロホウ素アニオン化合物とからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−32)を製造した。
メタノール300部、メチルエチルケトン100部、アセトン100部の混合溶剤10部のカチオン性シアニン染料(A−1)を溶解させ、あらかじめ水1000部に2.5部のテトラフルオロホウ素ナトリウムを溶解させておいた溶液を滴下混合する。その後、60℃で240分攪拌し、十分に反応を行った。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させることで造塩化合物である固形物を取り出した。この固形物に水1000部を加え25℃で180分攪拌し、吸引濾過をすることで、副生物である塩を除去した。また、濾紙上に残った造塩化合物は400部の水をふりかけることでさらに洗浄し副生物である塩を完全に除去した後、造塩化合物を取り出した。取り出した造塩化合物は、乾燥機で乾燥し、14.3部のカチオン性シアニン染料(A−1)と過塩素酸アニオン化合物との造塩化合物であるシアニン色素(ZC−32)を得た。
(シアニン色素(ZC−33))
下記の手順でカチオン性シアニン染料と過塩素酸アニオン化合物とからなる造塩化合物であるシアニン色素(ZC−33)を製造した。
メタノール300部、メチルエチルケトン100部、アセトン100部の混合溶剤10部のカチオン性シアニン染料(A−1)を溶解させ、あらかじめ水1000部に2.5部の過塩素酸ナトリウムを溶解させておいた溶液を滴下混合する。その後、60℃で240分攪拌し、十分に反応を行った。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させることで造塩化合物である固形物を取り出した。この固形物に水1000部を加え25℃で180分攪拌し、吸引濾過をすることで、副生物である塩を除去した。また、濾紙上に残った造塩化合物は400部の水をふりかけることでさらに洗浄し副生物である塩を完全に除去した後、造塩化合物を取り出した。取り出した造塩化合物は、乾燥機で乾燥し、14.3部のカチオン性シアニン染料(A−1)と過塩素酸アニオン化合物との造塩化合物であるシアニン色素(ZC−33)を得た。
<キサンテン色素の製造方法>
(キサンテン色素(ZX−1))
水2000部に50部のアニオン性基を有する樹脂(AJ−1)と、水酸化ナトリウム1.5部を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、45部の水、45部のメタノールに10部のC.I.Basic Violet 10(BV10:田岡化学社製:Rodamine B)を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。その後、エバポレーターにて減圧下で溶剤を飛ばし濃縮させ、濃縮液を水1000部中に攪拌しながら滴下し、得られた析出物を、吸引濾過にて取り出し、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機で乾燥し、C.I.Basic Violet 10とアニオン性基を有する樹脂(AJ−1)との造塩化合物であるキサンテン色素(ZX−1)を得た。染料と樹脂の塩交換反応による副生成物である塩、微量の未反応染料、未反応樹脂は、濃縮液を水中に攪拌しながら滴下したときに水に溶解するため吸引濾過時に除去できている。また、その後の水洗でわずかに残る副生成物は完全に除かれる。
Figure 0006427970
<シアニン色素溶液、キサンテン色素溶液の製造方法>
(シアニン色素溶液(SY−1))
下記の混合物を、1時間超音波照射を行うことで、シアニン色素溶液(SY−1)を得た。

シアニン色素(ZC−1) : 4.0部
アクリル樹脂溶液1 :30.0部
シクロヘキサノン :16.0部
(シアニン色素溶液およびキサンテン色素溶液(SY−2〜37))
シアニン色素溶液(SY−1)の製造におけるシアニン色素(ZC−1)を表3に記載した組成へ変更した以外は、シアニン色素溶液(SY−1)の場合と同様の方法で、シアニン色素溶液およびキサンテン色素溶液(SY−2〜37)を得た。
Figure 0006427970
<微細化顔料の製造方法>
(微細化黄色顔料(PY139−1))
黄色顔料C.I.ピグメントイエロー 139(BASF社製「パリオトールエローD1819」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY139−1)を得た。
(微細化黄色顔料(PY150−1))
黄色顔料C.I.ピグメントイエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY150−1)を得た。
(微細化赤色顔料(PR254−1))
赤色顔料C.I.ピグメントレッド 254(BASF社製「B−CF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化赤色顔料(PR254−1)を得た。
(微細化赤色顔料(PR177−1))
赤色顔料C.I.ピグメントレッド 177(BASF社製「クロモフタルレッド A2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化赤色顔料(PR177−1)を得た。
(微細化赤色顔料(PR166−1))
赤色顔料C.I.ピグメントレッド166(BASF社製「CHROMOPHTAL SCARLET D 3540」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化赤色顔料(PR166−1)を得た。
(微細化赤色顔料(PR224−1))
赤色顔料C.I.ピグメントレッド224(サンケミカル社製「ペリレンレッド224 R6420」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化赤色顔料(PR224−1)を得た。
(微細化緑色顔料(PG58−1))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン 58(DIC社製「FASTOGEN GREEN A110」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、フタロシアニン系の微細化緑色顔料(PG58−1)を得た。
(微細化青色顔料(PB15:6−1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー 15:6(トーヨーカラー社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、フタロシアニン系の微細化青色顔料(PB15:6−1)を得た。
(微細化紫色顔料(PV23−1))
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメントバイオレット 23(トーヨーカラー社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、ジオキサジン系の紫色微細化紫色顔料(PV23−1)を得た。
<樹脂型分散剤溶液の調製>
(樹脂型分散剤溶液1)
市販の樹脂型分散剤である、BASF社製EFKA4300と、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて不揮発分40重量%溶液に調製し、樹脂型分散剤溶液1とした。
<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(P−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20重量%の顔料分散体(P−1)を作製した。

微細化黄色顔料(PR139−1) :11.0部
アクリル樹脂溶液1 :35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :49.0部
樹脂型分散剤溶液1 : 5.0部
(顔料分散体(P−2〜9))
顔料分散体(P−1)の製造における微細化有機顔料(PR254−1)顔料の種類を表4記載のように変更した以外は、顔料分散体(P−1)と同様の方法で顔料分散体(P−2〜9)を作製した。
Figure 0006427970
<赤色着色組成物の製造方法>
[実施例1]
(赤色着色組成物(DP−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色着色組成物(DP−1)を得た。

シアニン色素溶液(SY−1) :40.0部
顔料分散体(P−1) :10.0部
[実施例2〜36、比較例1〜6]
(赤色着色組成物(DP−2〜42))
シアニン色素溶液(SY−1)、顔料分散体(P−1)を、それぞれ表5に示すシアニン色素溶液、キサンテン色素溶液、または顔料分散体の、種類および配合量(重量部)に変更した以外は、赤色着色組成物(DP−1)と同様にして、赤色着色組成物(DP−2〜41)を得た。
Figure 0006427970
<赤色着色組成物の評価>
得られた赤色着色組成物(DP−1〜42)を用いて、作成した塗膜の分光特性、および耐熱性の評価を下記方法で行った。表6に評価結果を示す。なお、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
(分光特性評価)
得られた着色組成物を、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、分光透過率50%となる波長が580nmから590nmの波長領域の間になるように塗布し、70℃で20分乾燥後、さらに230℃で60分加熱して塗布基板を得た。得られた基板の分光を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。評価基準は下記のとおりである。
「400nmの透過率」
○ ・・・ 400nmの透過率が15.0%未満
△ ・・・ 400nmの透過率が15.0%以上20.0%未満
× ・・・ 400nmの透過率が20.0%以上
「530nmの透過率」
◎ ・・・ 530nmの透過率が1.0%未満
○ ・・・ 530nmの透過率が1.0%以上3.0%未満
× ・・・ 530nmの透過率が3.0%以上
「600nmの透過率」
◎ ・・・ 600nmの透過率が90.0%以上
○ ・・・ 600nmの透過率が80.0%以上90.0%未満
× ・・・ 600nmの透過率が80.0%未満
(耐熱性評価)
明度評価で得た基板について、C光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記基準で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))+ (a*(2)- a*(1))+( b*(2)- b*(1)))

◎:ΔEab*が3.0未満
○:ΔEab*が3.0以上5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
Figure 0006427970
表5より、本発明のシアニン色素(ZC)と顔料(B)とを用いた着色組成物は、分光特性、耐熱性に優れていた。
<赤色感光性着色組成物の製造方法>
[実施例37]
(赤色感光性着色組成物(R−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(R−1)を得た。

赤色着色組成物(DP−1) :70.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 3.0部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :26.0部
[実施例38〜72、比較例6〜11]
(赤色感光性着色組成物(R−2〜42)
赤色着色組成物(DP−1)を表7に示す赤色着色組成物の種類に変えた以外は赤色感光性着色組成物(R−1)と同様にして赤色感光性着色組成物(R−2〜42)を得た。
<赤色感光性着色組成物の評価>
得られた感光性着色組成物(R−1〜42)を用いて、作成した塗膜の分光特性、および耐熱性の評価を下記方法で行った。結果を表7に示す。なお、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
(分光特性評価)
得られた着色組成物を、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、分光透過率50%となる波長が580nmから590nmの波長領域の間になるように塗布し、70℃で20分乾燥後、さらに230℃で60分加熱して塗布基板を得た。得られた基板の分光を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。評価基準は下記のとおりである。

「400nmの透過率」
○ ・・・ 400nmの透過率が15.0%未満
△ ・・・ 400nmの透過率が15.0%以上20.0%未満
× ・・・ 400nmの透過率が20.0%以上
「530nmの透過率」
◎ ・・・ 530nmの透過率が1.0%未満
○ ・・・ 530nmの透過率が1.0%以上3.0%未満
× ・・・ 530nmの透過率が3.0%以上
「600nmの透過率」
◎ ・・・ 600nmの透過率が90.0%以上
○ ・・・ 600nmの透過率が80.0%以上90.0%未満
× ・・・ 600nmの透過率が80.0%未満
(耐熱性評価)
明度評価で得た基板について、C光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記基準で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))+ (a*(2)- a*(1))+( b*(2)- b*(1)))

◎:ΔEab*が3.0未満
○:ΔEab*が3.0以上5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
Figure 0006427970
表7より、本発明のシアニン色素(ZC)と顔料(B)とを用いた固体撮像素子用着色組成物は、分光特性、耐熱性に優れていた。
<青色着色組成物の製造方法>
[実施例73]
(青色着色組成物(DP−43))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、青色着色組成物(DP−43)を得た。

シアニン色素溶液(SY−9) :12.5部
顔料分散体(P−8) :37.5部
[実施例74〜76、比較例12〜14]
(青色着色組成物(DP−44〜49))
シアニン色素溶液(SY−16)、顔料分散体(P−8)を、それぞれ表5に示すシアニン色素溶液、キサンテン色素溶液、または顔料分散体の、種類および配合量(重量部)に変更した以外は、青色着色組成物(DP−43)と同様にして、青色着色組成物(DP−44〜49)を得た。
Figure 0006427970
<青色着色組成物の評価>
得られた青色着色組成物(DP−43〜49)を用いて、作成した塗膜の分光特性、および耐熱性の評価を下記方法で行った。表9に評価結果を示す。なお、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
(分光特性評価)
得られた着色組成物を、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、分光透過率50%となる波長が500nmになるように塗布し、70℃で20分乾燥後、さらに230℃で60分加熱して塗布基板を得た。得られた基板の分光を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。評価基準は下記のとおりである。
「450nmの透過率」
○ ・・・ 450nmの透過率が90.0%以上
× ・・・ 450nmの透過率が90.0%未満
550nmの透過率」
○ ・・・ 550nmの透過率が10.0%未満
× ・・・ 550nmの透過率が10.0%以上
(耐熱性評価)
明度評価で得た基板について、C光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記基準で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))+ (a*(2)- a*(1))+( b*(2)- b*(1)))

◎:ΔEab*が3.0未満
○:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
Figure 0006427970
表9より、本発明のシアニン色素(ZC)と顔料(B)とを用いた着色組成物は、分光特性、耐熱性に優れていた。
<青色感光性着色組成物の製造方法>
[実施例77]
(青色感光性着色組成物(B−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、青色感光性着色組成物(B−1)を得た。

青色着色組成物(DP−43) :70.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 3.0部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :26.0部
[実施例78〜80、比較例15〜17]
(青色感光性着色組成物(B−2〜7)
青色着色組成物(DP−43)を表10に示す青色着色組成物の種類に変えた以外は青色感光性着色組成物(B−1)と同様にして青色感光性着色組成物(B−2〜7)を得た。
<青色感光性着色組成物の評価>
得られた青色感光性着色組成物(B−1〜7)を用いて、作成した塗膜の分光特性、および耐熱性の評価を下記方法で行った。表10に評価結果を示す。なお、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
(分光特性評価)
得られた着色組成物を、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、分光透過率50%となる波長が500nmになるように塗布し、70℃で20分乾燥後、さらに230℃で60分加熱して塗布基板を得た。得られた基板の分光を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。評価基準は下記のとおりである。
「450nmの透過率」
○ ・・・ 450nmの透過率が90.0%以上
× ・・・ 450nmの透過率が90.0%未満
550nmの透過率」
○ ・・・ 550nmの透過率が10.0%未満
× ・・・ 550nmの透過率が10.0%以上
(耐熱性評価)
明度評価で得た基板について、C光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記基準で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))+ (a*(2)- a*(1))+( b*(2)- b*(1)))

◎:ΔEab*が3.0未満
○:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
Figure 0006427970
表10より、本発明のシアニン色素(ZC)と顔料(B)とを用いた固体撮像素子用着色組成物は、分光特性、耐熱性に優れていた。
<固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法>
(緑色感光性着色組成物(G−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、緑色感光性着色組成物(G−1)を作製した。

顔料分散体(P−7) :38.5部
顔料分散体(P−2) :16.5部
アクリル樹脂溶液1 : 3.5部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 3.7部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :36.8部
(固体撮像素子用カラーフィルタ)
6インチシリコンウエハ上に、平坦化膜用レジスト液(HL-18s:新日鐵化学社製)をスピンコート法により塗布し、プリベイクとして、100℃のホットプレートで6分加熱処理した。更に、230℃のオーブンにて1時間処理して、塗布膜を硬化させて1.0μmの平坦化膜を形成し、平坦化膜付きウエハを得た。
緑色感光性着色組成物(G−1)を平坦化膜付シリコンウエハ上に、スピンコーターで塗布し、プリベイクとして、100℃のホットプレートで1分加熱処理した。プリベイク後の膜厚を0.9μmになるように調整した。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長で1.0μm四方の赤色画素を形成するためのフォトマスクを通して露光量150mJ/cmにてパターン露光を行った。
露光後の塗膜を有機アルカリ現像液で1分、パドル現像を行った。パドル現像後、20秒スピンシャワーにて純水でリンスを行い、さらに純粋にて20秒間水洗を行った。その後、ウエハ上に残った水滴を高圧のエアーで飛ばし、基板を自然乾燥させ、さらに、表面温度230℃のホットプレート上で5分間加熱処理して正方形ピクセルパターンを形成した。熱処理後の緑色パターンの膜厚は0.80μmであった。
次に、赤色感光性着色組成物(R−1)を使用し、緑色着色画素層と同様にして赤色着色画素層を形成し、さらに、青色感光性着色組成物(B−1)を使用して青色着色画素層を形成し、カラーフィルタ(CF−1)を得た。
このようにして作製された固体撮像素子用カラーフィルタは、非常に分光特性に優れていた。
とくに、赤色フィルタにおいて530nm付近のコブが抑えられており分光特性が良好で、耐熱性に優れたものであり、そのため、該固体撮像素子用カラーフィルタを用いた固体撮像素子は、特に、肌色の再現性に優れていた。

Claims (7)

  1. 着色剤、バインダー樹脂、および有機溶剤を含有する固体撮像素子用着色組成物であって、該着色剤が、下記一般式(1)で表わされるシアニン色素(ZC)と顔料(B)とを含むことを特徴とする固体撮像素子用着色組成物。
    Figure 0006427970
    [一般式(1)において、Aは置換基もしくは水素原子を有する炭素原子、または硫黄原子を表す。R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、たは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。Yは、下記一般式(2)で表わされるイミド酸アニオン、下記一般式(3)で表わされるフッ素基含有ホウ素アニオン、および下記一般式(5)で表される構造単位を含むアニオン性基を有するビニル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオンを表す。
    ただし、Yがハロゲン化物イオンである場合は除く。]
    Figure 0006427970
    [一般式(2)において、R21およびR22はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基を表し、R 21 は、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、または置換基を有してもよい脂環式炭化水素基であり、R 22 は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。前記置換基は、脂肪族水素基、重合性官能基、芳香族炭化水素基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、アルキルスルファモイル基、アルキルスルホニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基を表す。
    Figure 0006427970
    [一般式(3)において、R31〜R34はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、シアノ基、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていても良いアリール基を表し、R31〜R34のうち少なくとも一つは、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、フッ素原子、またはフッ素原子で置換されていても良いアリール基を表す。
    ただし、R31〜R34がすべてフッ素原子である場合は除く。]
    Figure 0006427970
    [一般式(5)中、R51は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Qは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−CONH−R52−、または−COO−R52−を表し、R52は置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。Pは、―SO 、または−COOを表す。]
  2. 顔料(B)が、黄色顔料および赤色顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1載の固体撮像素子用着色組成物。
  3. 黄色顔料が、C.I.ピグメントイエロー139を含むことを特徴とする請求項記載の固体撮像素子用着色組成物。
  4. 赤色顔料が、C.I.ピグメントレッド254およびC.I.ピグメントレッド177からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項2または3記載の固体撮像素子用着色組成物。
  5. さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載の固体撮像素子用着色組成物。
  6. 少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントおよび少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備えるカラーフィルタにおいて、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、請求項1〜いずれか1項記載の固体撮像素子用着色組成物により形成されてなる固体撮像素子用カラーフィルタ。
  7. 請求項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタを備えた固体撮像素子。
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