JP6525101B1 - アゾ顔料、カラーフィルタ用着色剤、着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents

アゾ顔料、カラーフィルタ用着色剤、着色組成物およびカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】堅牢性(耐熱性、耐光性)に優れ、塗膜異物が少なく、保存安定性や移染性が良好であるだけでなく、輝度が高く、同じ色を表現するときに膜厚を薄くできるカラーフィルタ用着色組成物の提供。【解決手段】下式で表される化合物からなるアゾ顔料。[R1は、ハロゲン原子、置換/非置換のアルキル基、置換/非置換のアルコキシル基、又は置換/非置換のアリールオキシ基;R2及びR3は、夫々独立に、H、置換/非置換のアルキル基、又は置換/非置換のフェニル基]【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、およびカラー固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色剤、着色組成物、およびそれを用いて形成されるカラーフィルタに関する。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。その他の代表的な液晶表示装置の方式としては、一対の電極を片側の基板上に設けて基板に平行な方向に電解を印加するイン・プレーン・スイッチング(IPS)方式、負の誘電異方性をもつネマチック液晶を垂直配向させるヴァーティカリー・アライメント(VA)方式、また一軸性の位相差フィルムの光軸を互いに直交させ、光学補償を行なっているオプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)方式等があり、それぞれが実用化されている。
液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高コントラスト化、高輝度化の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
カラーフィルタに要求される品質項目としては、輝度とコントラスト比が挙げられる。コントラスト比が低いカラーフィルタを用いると、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまい、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ぼやけた画面となってしまう。そのため高品質な液晶表示装置を実現するためには、高コントラスト化が不可欠である。
また、輝度が低いカラーフィルタを用いると、光の透過率が低いため、暗い画面となってしまい、明るい画面とするためには、光源であるバックライトの数を増量する必要がある。そのため消費電力の増大を抑制する観点から、カラーフィルタの高輝度化がトレンドとなっている。さらに、前述のようにカラー液晶装置がテレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高輝度化、高コントラスト化とともに、高い信頼性の要求も高くなっている。
カラーフィルタ基板の3原色(赤・緑・青;RGB)の一つである赤色フィルタセグメントには、着色剤としてジケトピロロピロール顔料、アントラキノン顔料またはペリレン顔料等の耐光性および耐熱性に優れる顔料を単独または組み合わせて用いることが一般的である。
上記顔料種の中でも、輝度の観点から、ジケトピロロピロール顔料であるC.I.ピグメントレッド254が、コントラスト比の観点から、アントラキノン顔料であるC.I.ピグメントレッド177が、主顔料として使用されている。この中で、C.I.ピグメントレッド177は、分光透過率がC.I.ピグメントレッド254より低く、分光形状も不良であるため、C.I.ピグメントレッド177を添加するにつれて、輝度低下を引き起こしてしまう欠点があった。そこで、輝度に優れたC.I.ピグメントレッド177代替材料の開発が望まれている。
近年、高輝度化・高着色力を実現するために、C.I.ピグメントレッド269に代表されるアゾ顔料や特許文献3に記載のジスアゾ顔料を主顔料として使用することが提案されているが、顔料の溶剤への親和性や、顔料表面の酸性度等がC.I.ピグメントレッド254やC.I.ピグメントレッド177などとは異なるため分散性、流動性、保存安定性に劣り、さらに耐熱性、耐光性も劣るといった欠点もあり、実用性のあるカラーフィルタは得られていない。また、C.I.ピグメントレッド269のようなアゾ顔料では隣接した他色フィルタセグメントへの色移りによる輝度の低下が問題となることがあり、移染性について高い要求がある。
特許文献1〜3には、赤色フィルタセグメントの更なる輝度向上を図るべく、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド269および特許文献3に記載のジスアゾ顔料を主顔料として使用することが提案されているが、十分な輝度を得ることはできず、更なる改善が求められていた。
また、赤色フィルタセグメントの製造において、より高い輝度と広い色再現領域を達成するために、赤色顔料とC.I.ピグメントイエロー138、139、185等の黄色顔料を着色剤として併用するのが一般的である(特許文献4〜6)。しかしながら、従来の赤色顔料と黄色顔料の組み合わせでは、輝度と着色力の両方を満足する材料はなく、着色力の高い色材が求められていた。
特開2008−304521号公報 特表2007−533802号公報 特開2014−160160号公報 特開2007−133131号公報 特開2011−095491号公報 特開2008−81566号公報
本発明の目的は、耐熱性、耐光性といった堅牢性に優れ、塗膜異物が少なく、保存安定性や移染性が良好であるだけでなく、輝度が高く、同じ色を表現するときに膜厚が薄くなるカラーフィルタ用着色組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の構造を有するアゾ顔料をカラーフィ
ルタ用着色剤に使用することで、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の実施態様は、下記一般式(1)で表される化合物からなることを特徴とするアゾ顔料に関する。

一般式(1)



[一般式(1)中、R1は、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を
有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。R2およ
びR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
てもよいフェニル基を表す。]
また、本発明の実施態様は、下記一般式(2)で表される化合物からなることを特徴とする前記アゾ顔料に関する。

一般式(2)

[一般式(2)中、R4は、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を
有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。R5およ
びR6は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
てもよいフェニル基を表す。]
また、本発明の実施態様は、前記アゾ顔料を含むカラーフィルタ用着色剤に関する。
また、本発明の実施態様は、少なくとも着色剤とバインダー樹脂とからなるカラーフィルタ用着色組成物であって、着色剤が、前記カラーフィルタ用着色剤を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、さらに、酸性置換基を有する樹脂型分散剤を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、酸性置換基を有する樹脂型分散剤が、芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、さらに、色素誘導体を含み、該色素誘導体が、塩基性置換基を有する色素誘導体を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、着色剤が、さらに、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー150、下記一般式(3)で表される黄色顔料および臭素化ジケトピロロピロール顔料からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。

一般式(3)

[一般式(3)中、Z1〜Z13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を
有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基、−SO3H、−COOH、およびこれら酸性基の1価〜3価の金属塩、アル
キルアンモニウム塩、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を示す。
1〜Z4、および/または、Z10〜Z13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成してもよい。]
また、本発明の実施態様は、さらに、光重合性単量体を含むことを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、基板上に、前記カラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
また、本発明の実施態様は、前記カラーフィルタを備える、液晶表示装置に関する。
また、本発明の実施態様は、前記カラーフィルタを備える、固体撮像素子に関する。
また、本発明の実施態様は、前記カラーフィルタを備える、有機EL表示装置に関する。
本発明によれば、耐熱性、耐光性といった堅牢性に優れ、塗膜異物が少なく、保存安定性が良好であるだけでなく、輝度及びコントラストが高く、同じ色を表現するときに膜厚が薄くなるカラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタを提供できるという優れた効果がある。
図1は、液晶表示装置の模式的断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
<アゾ顔料>
まず、本発明の一般式(1)または(2)で表されるアゾ顔料について説明する。なお、本明細書中では、「一般式(1)または(2)で表されるアゾ顔料」を「顔料」、「カラーフィルタ用着色剤」を「着色剤」とそれぞれ略記して説明することがある。
一般式(1)
一般式(1)において、括弧内は、アントラキノン上の水素原子のうち、いずれか2つが2つのアミドの窒素原子に置換されていることを表す。
一般式(1)中、R1は、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を
有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。R2およ
びR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
てもよいフェニル基を表す。
1において「ハロゲン原子」としては、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素が挙げることが
でき、これらの中でも塩素が好ましい。
1において「置換基を有してもよいアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、tert−アミル基、2−エチルヘキシル基、ステアリル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2−メトキシエチル基、2−クロロエチル基、2−ニトロエチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基等を挙げることができ、これらの中でもメチル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
1において「置換基を有してもよいアルコキシル基」としては、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−(ジエチルアミノ)エトキシ基等を挙げることができ、これらの中でもメトキシ基、トリフルオロメトキシ基が好ましく、中でもメトキシ基が特に好ましい。
1において「置換基を有してもよいアリールオキシ基」としては、フェノキシ基、ナ
フチルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、3,5−クロロフェニルオキシ基、4−クロロ−2−メチルフェニルオキシ基、4−tert−ブチルフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−ジエチルアミノフェニルオキシ基、4−ニトロフェニルオキシ基等を挙げることができ、これらの中でもフェノキシ基が好ましい。
2およびR3において、「置換基を有してもよいアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、tert−アミル基、2−エチルヘキシル基、ステアリル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2−メトキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−クロロエチル基、2−ニトロエチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基等を挙げることができ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
2およびR3において、「置換基を有してもよいフェニル基」の置換基としては、R1
におけるハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、及び置換基を有してもよいアリールオキシ基が挙げられ、これら以外にも、ヒドロキシル基、アミノ基、−NR78、スルホ基、−SO2NR910、−COOR11、−CONR1213、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
7〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基を表し、
「置換基を有してもよいアルキル基」としては、アミノ基、モノアルキルアミノ基、またはジアルキルアミノ基で置換されているアルキル基が好ましい。
一般式(2)
一般式(2)中、R4は、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を
有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。R5およ
びR6は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
てもよいフェニル基を表す。
4において、「ハロゲン原子」、「置換基を有してもよいアルキル基」、「置換基を
有してもよいアルコキシル基」、及び「置換基を有してもよいアリールオキシ基」としては、R1におけるものと同義である。
5およびR6において、「置換基を有してもよいアルキル基」、「置換基を有してもよいフェニル基」としては、R2およびR3におけるものと同義である。
<カラーフィルタ用着色剤>
本発明のカラーフィルタ用着色剤は、一般式(1)または(2)で表される化合物からなるアゾ顔料を含む物である。本発明のカラーフィルタ用着色剤には、色度を調製するため等に、本発明の効果を損なわない範囲で上記一般式(1)または(2)で表される化合物を含む顔料以外の顔料あるいは染料といったその他の着色剤を併用してもよい。これらの顔料・染料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
その他の着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、168、169、176、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、242、246、254、255、264、269、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、または287などの赤色顔料が挙げられる。赤色染料としては、キサンテン染料、アゾ(ピリドン系、バルビツール酸系など)染料、ジスアゾ染料、アントラキノン染料、メチン染料などが挙げられる。またこれらの染料をレーキ化したレーキ顔料、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料の無機塩、酸性染料と含窒素化合物との造塩化合物、酸性染料のスルホン酸アミド化合物等の形態であってもよい。
また、C.I.ピグメントオレンジ43、71、または73等の橙色顔料および/またはC.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、1
5、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、221または下記一般式(3)で表される黄色顔料を併用することができる。また、橙色染料および/または黄色染料としては、キノリン系、アゾ系(ピリドン系、バルビツール酸系、金属錯体系など)、ジスアゾ系、メチン系などが挙げられる。
併用する着色剤で好ましいものは、耐熱性、耐光性といった堅牢性と色度領域との観点から、アゾ系、イソインドリン系、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、キノフタロン系、およびペリレン系の色素が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド269、177、254、242、C.I.ピグメントイエロー138、139、185、150、下記一般式(3)で表される黄色顔料および、臭素化ジケトピロロピロール顔料が挙げられる。
特に輝度と着色力との観点から、C.I.ピグメントレッド254、242、C.I.ピグメントイエロー138、139、185、150、下記一般式(3)で表される黄色顔料および、臭素化ジケトピロロピロール顔料がさらに好ましい。
一般式(3)

[一般式(3)中、Z1〜Z13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を
有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基、−SO3H、−COOH、およびこれら酸性基の1価〜3価の金属塩、アル
キルアンモニウム塩、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を示す。
1〜Z4、および/または、Z10〜Z13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する場合がある。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、ステアリル基、2−エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基の他、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−ニトロプロピル基、ベンジル基、4−メチルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−3−ペントキシ、n−へキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基の他、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシ基、2,2−ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等の置換基を有するアルコキシル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等のアリール基の他、p−メチルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−アミノフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、4,5,8−トリクロロ−2−ナフチル基、アントラキノニル基、2−アミノアントラキノニル基等の置換基を有するアリール基が挙げられる。
また、酸性基としては、−SO3H、−COOHが挙げられ、これら酸性基の1価〜3
価の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等が挙げられる。また、酸性基のアルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
置換基を有してもよいフタルイミドメチル基(C64(CO)2N−CH2−)、および、置換基を有してもよいスルファモイル基(H2NSO2−)における「置換基」としては、上記のハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基等が挙げられる。
一般式(3)のZ1〜Z4、および/または、Z10〜Z13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成してもよい。ここでいう芳香環とは、炭化水素芳香環および複素芳香環が挙げられ、炭化水素芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が、また、複素芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、キノリン環、キノキサリン環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環などが挙げられる。
本発明のカラーフィルタ用着色剤に用いられる一般式(3)で表される黄色顔料の具体例として、下記に示すキノフタロン化合物(a)〜(ad)等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明で使用されるキノフタロン化合物は、例えば、特許公報2930774号記載の方法によって製造することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
併用することができる染料としては、赤色、紫色を呈するものであり、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料のいずれかの形態を有するものであることが好ましい。
これらの中でも、キサンテン系油溶性染料、キサンテン系塩基性染料、キサンテン系酸性染料、を用いることが色相に優れるために好ましい。またこれらの染料をレーキ化したレーキ顔料、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料の無機塩、酸性染料と含窒素化合物との造塩化合物、酸性染料のスルホン酸アミド化合物等の形態であってもよい。
キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、C.I.ソルベントバイオレット10などがあげられる。中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
キサンテン系塩基性染料としては、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I.ベーシックバイオレット10(ローダミンB)等があげられる。中でも発色性に優れる点において、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックバイオレット10を用いることが好ましい。
キサンテン系酸性染料としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
これら染料の中でも、特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52を用いることが最も好ましい。
上記の赤色顔料や黄色顔料、橙色顔料、染料と併用する場合、上記一般式(1)または(2)で表される化合物を含む顔料の含有量は、着色剤の合計100質量%中、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%である。上記一般式(1)または(2)で表される化合物を含む顔料の含有量が10質量%未満の場合は、輝度や着色力の優れた効果を十分に発揮できない。
<顔料の平均一次粒子径>
以下の方法により、顔料の平均一次粒子径を測定(算出)した。
顔料の粉末にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、樹脂型分散剤としてDisperbyk−161を少量添加し、超音波洗浄機で1分間分散し、測定用試料を調製した。この試料を透過型電子顕微鏡(日本電子社製「JEM−1200EX」)により、100個以上の顔料の一次粒子が確認出来る写真を3枚(3視野分)撮影し、それぞれ左上から順番に100個の1次粒子の大きさを測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径をnm単位で計測し、その平均をその顔料の一次粒子径とし、合計300個の分布を5nm刻みで作成し、5nm刻みの中央値(例えば6nm以上10nm以下の場合は8nm)をそれらの粒子の粒子径として近似し、それぞれの粒子径とその数を基に計算することで個数平均粒子径を算出した。
<着色剤の微細化>
本発明に用いる顔料は、微細化して用いることができる。上記一般式(1)または(2)で表される化合物を含む顔料についても、微細化して用いることが好ましいが、微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことができる。
微細化した顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、トリミックス、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、着色剤100質量部に対し、50〜2000質量部用いることが好ましく、300〜1000質量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ
)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、着色剤100質量部に対し、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、着色剤100質量部に対し、5〜200質量部の範囲であることが好ましい。
また、顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて後述する色素誘導体を添加してもよい。用いられる色素誘導体の構造は特に限定されず、有機顔料、アントラキノン、アクリドン又はトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、又は置換基を有していてもよいフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられる。これらは単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
これら色素誘導体の使用量は、着色剤100質量部に対し、2〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることが最も好ましい。
<カラーフィルタ用着色組成物>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は前記で説明した着色剤の他に、バインダー樹脂から構成される。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、着色剤を分散、染色、又は浸透させるものであって、熱可塑性樹脂等が挙げられる。また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
特に側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂をアルカリ現像型着色レジスト材に用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで着色剤が固定され、耐熱性が良好になり、着色剤の熱による退色(分光特性の悪化)を抑制できる。また、現像工程においても着色剤成分の凝集・析出を抑制する効果もある。
バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂をカラーフィルタ用感光性着色組成物として使用する場合には、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、着色剤の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
一般式(1)バインダー樹脂は、成膜性及び諸耐性が良好なことから、着色剤の全質量100質量部に対し、20質量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、1000質量部以下の量で用いることが好ましい。
バインダー樹脂に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。中でもアクリル樹脂を用いることが好ましい。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、及びスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上
を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有することができる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
有機溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1−メトキシ−2−プロパノール、乳酸エチル、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン
、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
溶剤は、着色組成物中の着色剤100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは500〜5000質量部の量で用いることができる。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物に添加してもよい光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。これらの光重合性化合物は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の含有量は、着色剤100質量部に対し、5〜500質量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜400質量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,1
0−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤含有量は、着色剤100質量部に対し、1〜500質量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から5〜400質量部であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、ミヒラーケトン誘導体等が挙げられる。これらの増感剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体例には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
上記増感剤の中で、特に好適な増感剤としては、チオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が挙げられる。さらに具体的には、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N−エチルカルバゾール、3−ベンゾイル−N−エチルカルバゾール、3,6−ジベンゾイル−N−エチルカルバゾール等が用いられる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100質量部に対し、3〜60質量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50質量部であることがより好ましい。
<多官能チオール>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、多官能チオールを含有することができる。多官能チオールは、チオール(SH)基を2個以上有する化合物である。多官能チオールは上述の光重合開始剤とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生する
ので、得られるカラーフィルタ用着色組成物は高感度となる。特にSH基がメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。
多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、着色剤100質量部に対して、0.05〜100質量部が好ましく、より好ましくは1.0〜50.0質量部である。
多官能チオールを0.05質量部以上用いることで、よりよい現像耐性を得ることができる。チオール(SH)基が1個の単官能チオールを用いた場合には、このような現像耐性の向上は得られない。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全質量100質量部に対し、0.003〜1.0質量部用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサン
と交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどが挙げられる。また、レベリング剤に補助的に加える両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられる。
<紫外線吸収剤、重合禁止剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、紫外線吸収剤又は重合禁止剤を含有することができる。紫外線吸収剤又は重合禁止剤を含有することで、パターンの形状と解像性を制御することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(ドデシル及びトリデシル)オキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のヒドロキシフェニルトリアジン系、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート等のサリチレート系、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(トリアセトン−アミン−N−オキシル)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]等のヒンダードアミン系等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
重合禁止剤としては、例えばメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、4−ベンゾキノン、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、t−ブチルカテコールなどのハイドロキノン誘導体及びフェノール化合物、フェノチアジン、ビス−(1−ジメチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン等のアミン化合物、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸マンガン、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン等の銅及びマンガン塩化合物、4−ニトロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソシクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等のニトロソ化合物及びそのアンモニウム塩又はアルミニウム塩等が挙げられる。これらの重合禁止剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
紫外線吸収剤及び重合禁止剤は、着色組成物中の着色剤100質量部に対して、0.01〜20質量部、好ましくは0.05〜10質量部の量で用いることができる。
紫外線吸収剤又は重合禁止剤を0.01質量部以上用いることで、よりよい解像度を得ることができる。
<酸化防止剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、塗膜の透過率を上げるために、酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
酸化防止剤として好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤又はスルフィド系酸化防止剤などが挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、又はリン系酸化防止剤である。これらの酸化防止剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、及び2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤では、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチ
ルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N′−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2−[(4,6,9,11−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−2−イル)オキシ]エチル]アミン、亜りん酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)が挙げられる。
スルフィド系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の固形分の合計100質量部中、0.1〜5質量部の量で用いることが好ましい。酸化防止剤が0.1質量部より少ない場合、透過率アップの効果が少なく、5質量部より多い場合、硬度が大きくダウンし、またカラーフィルタ用着色組成物の感度が大きく低下する。
<その他の成分>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤、又は溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物等を含有させることができる。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。
シランカップリング剤は、着色組成物中の着色剤100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の量で用いることができる。
アミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<カラーフィルタ用着色組成物の製造方法>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤を樹脂などの着色剤担体及び/又は溶剤中に、必要に応じて分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(着色剤分散体)。このとき、2種以上の着色剤等を同時に着色剤担体に分散してもよいし、別々に着色材担体に分散したものを混合してもよい。エポキシ化合物は、着色剤分散体を調製する段階で加えてもよく、調製した着色剤分散体に後から加えても同様の効果が得られる。染料等、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記着色剤分散体と、光重合性単量体及び/又は光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の顔料分散剤、及び添加剤等を混合して調製することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
<分散助剤>
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、樹脂型分散剤、色素誘導体、界面活性剤等の分散助剤を含有することが好ましい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、輝度及び保存安定性が良好になる。
<樹脂型分散剤>
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
また、本発明で使用する樹脂型分散剤としては、酸性置換基を有するものが好ましく、中でも芳香族カルボキシル基を有するものは分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が特に大きいため、好ましい。芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤として、下記(S1)又は(S2)を含有するものが好ましい。
(S1)水酸基を有する重合体の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物である樹脂型分散剤。
(S2)水酸基を有する化合物の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を重合した重合体である樹脂型分散剤。
[樹脂型分散剤(S1)]
樹脂型分散剤(S1)は、WO2008/007776号公報、特開2008−029901号公報、特開2009−155406号公報等の公知の方法で製造することができる。水酸基を有する重合体(p)は、末端に水酸基を有する重合体であることが好ましく、例えば、水酸基を有する化合物(q)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体として得ることができる。水酸基を有する化合物(q)としては、分子内に水酸基とチオール基を有する化合物であることが好ましい。末端の水酸基は複数であることが好ましいため、中でも、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)が好適に用いられる。
すなわち、より好ましい一例である、片末端に2つの水酸基を有する重合体は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)の存在下に、単量体(r1)を含むエチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体(p1)として得ることができる。水酸基を有する重合体(p)の水酸基は、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基と反応してエステル結合を形成する一方、無水環は開環し、カルボン酸を生じる。
[樹脂型分散剤(S2)]
樹脂型分散剤(S2)は、特開2009−155406号公報、特開2010−185934号公報、特開2011−157416号公報等の公知の方法で製造することができ、例えば、水酸基を有する化合物(q)の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体(r)を重合することで得られる。中でも、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、単量体(r1)を含むエチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体であることが好ましい。
(S1)と(S2)は、エチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体部位の導入を先に行うか後で行うかの違いである。諸条件により分子量等が若干異なることがあるが、
原料と反応条件が同じであれば、理論上は同じものができる。
樹脂型分散剤は、着色剤全量に対して5〜200質量部程度使用することが好ましく、成膜性の観点から5〜100質量部程度使用することがより好ましい。
<色素誘導体>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、さらに、色素誘導体を含むことが好ましい。色素誘導体はアゾ顔料に含まれていてもよい。
本発明に用いる色素誘導体としては、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する公知の色素誘導体を用いることができる。例えば、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性官能基を有する化合物およびこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性官能基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性官能基を有する化合物が挙げられる。有機色素としては、例えばジケトピロロピロール系顔料、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、アルミニウムフタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン、ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、等が挙げられる。
より具体的には、特開昭61−246261号公報、特開昭63−264674号公報、特開平09−272812号公報、特開平10−245501号公報、特開平10−265697号公報、特開平11−199796号公報、特開2001−172520号公報、特開2001−220520号公報、特開2002−201377号公報、特開2003−165922号公報、特開2003−168208号公報、特開2003−171594号公報、特開2004−217842号公報、特開2005−213404号公報、特開2006−291194号公報、特開2007−079094号公報、特開2007−226161号公報、特開2007−314681号公報、特開2007−314785号公報、特開2008−31281号公報、特開2009−57478号公報、WO2009/025325号パンフレット、WO2009/081930号パンフレット、特開2011−162662号公報、WO2011/052617号パンフレット、特開2012−172092号公報、特開2012−208329号公報、特開2012−226110号公報、WO2012/102399号パンフレット、特開2014−5439号公報、WO2016/163351号パンフレット、特開2017−156397号公報、特許第5753266号公報などに記載の公知の色素誘導体が挙げられ、これらは単独又は2種類以上を混合して用いることができる。なおこれらの文献には、色素誘導体を誘導体、顔料誘導体、顔料分散剤もしくは単に化合物などと記載している場合があるが、前記した有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などの官能基を有する化合物は、色素誘導体と同義である。
本発明に用いる色素誘導体の中でも、顔料同士の凝集を抑制する効果が顕著であることから塩基性置換基を有する色素誘導体が好ましい。さらに有機色素残基としてジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キノフタロン系顔料やアゾ系顔料由来であるものが色相やコントラストの観点から好ましい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
界面活性剤を添加する場合には、着色剤100質量部に対し、好ましくは0.1〜55質量部、さらに好ましくは0.1〜45質量部である。界面活性剤の含有量が、0.1質量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55質量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、基材上に、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、及び青色フィルタセグメントを具備するものであり、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、又は黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよく、前記少なくとも1つのフィルタセグメントが、本発明の着色組成物から形成されてなるものである。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法又はフォトリソグラフィー法により、製造することができる。印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度及び平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色につい
て繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板等の基材上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリックスを形成することができる。ブラックマトリックスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
フィルタセグメント及びブラックマトリックスの乾燥膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<液晶表示装置>
本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと、光源とを具備する。光源としては、冷陰極管(CCFL),白色LEDが挙げられるが、本発明においては赤の再現領域が広がるという点で、白色LEDを使用することが好ましい。図1は、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置10の概略断面図である。図1に示す装置10は、離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶LCが封入されている。
液晶LCは、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In-Plane switching)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等の駆動モードに応じて配向される。第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスター)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。
また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、バックライトユニット30が設けられている。
白色LED光源としては、青色LEDの表面に蛍光フィルタを形成したものや、青色LEDの樹脂パッケージに蛍光体を含有させたものがあり、430nm〜485nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ3)を有し、530nm〜580nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ4)を有し、600nm〜650nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ5)を有し、かつ波長λ3における発光強度I3と波長λ4における発光強度I4の比(I4/I3)が0.2以上0.4以下であり、波長λ3における発光強度I3と波長λ5における発光強度I5の比(I5/I3)が0.1以上1.3以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED1)や、430nm〜485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長(λ1)を有し、530nm〜580nmの範囲内に第2の発光強度のピーク波長(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.2以上0.7以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED2)が好ましい。
LED1としては、具体的にはNSSW306D−HG−V1(日亜化学社製)、NSSW304D−HG−V1(日亜化学社製)等が挙げられる。
LED2としては、具体的にはNSSW440(日亜化学社製)、NSSW304D(日亜化学社製)等が挙げられる。
<固体撮像素子向けカラーフィルタ>
本発明にかかるカラーフィルタセグメントの形成は特に制限なく公知の方法を用いて形成することができるが、撮像素子のフィルタセグメントはサブミクロンから十数ミクロン程度と微細であることから光リソグラフィを用いるのが好適である。
本発明の実施形態は、上述の着色組成物を硬化してなるカラーフィルタセグメントを持つことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。上述した本発明の実施形態に係る着色組成物を硬化して得たカラーフィルタセグメントを含むものである。
本実施形態に係るカラーフィルタは、上述の緑色フィルタセグメントと赤色フィルタセグメントおよび青色フィルタセグメントを含む。本発明に関わる着色フィルタセグメント以外は、色顔料を含有する、色染料を含有する、もしくは、色顔料及び色染料の両方を含有する、公知の着色組成物を用いて形成して構わない。着色フィルタセグメントの形成方法は特に制限はないが、ネガ型レジストである感光性着色組成物を用いるのが一般的である。
カラーフィルタセグメントを、所定の対応する光電変換素子上に形成する場合には、ネガ型感光性緑色組成物により形成されたネガ型緑色膜によりネガ型カラーレジスト層を構成し、この場合のネガ型カラーレジスト層の厚さは0.1μm〜3.0μmの範囲に設定される。
ネガ型着色膜により形成されているネガ型カラーレジスト層の表面は、形成したい複数の光電変換素子に対応する 複数の部分を、フォトマスクを使用してパターン露光する。
フォトマスクは、実際に形成するパターンの寸法の4〜5倍の寸法を 有していて、パターン露光時に1/4〜1/5に縮小してパターン露光を行なう。
このフォトマスクは、4〜5倍レチクルであり、ネガ型カラーレジスト層の表面に露光されるパターンの寸法の4〜5倍の大きさの寸法のパターンを有している。そして、図示しないステッパー露光装置を使用し、フォトマスクのパターンを1/4〜1/5に縮小してネガ型カラー レジスト層の表面に露光している。
露光工程に次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行うことにより、露光後の未硬化部を現像液に溶出させ、光硬化した部分を残存させる。この現像工程により、カラーフィルタセグメントからなるパターン状皮膜を形成することができる。
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式、パドル方式などいずれでもよく、これらにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせてもよい。
現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては、通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
現像液が含むアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ 性化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機化合物等が挙げられる。
現像液としては、これらのアルカリ剤を濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように、純水で希釈したアルカリ性水溶液が好ましく使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後、純水で洗浄(リンス)して余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥を施す。
最後に、このように形成されたフィルタセグメントは硬膜化処理される。
本発明の製造方法においては、上述した、着色層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成された着色パターンを後加熱(ポストベーク)や後露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜270℃の熱硬化処理を行う。光を用いる場合には、g線、h線、i線、KrFやArFなどのエキシマレーザ、電子線、X線等により行うことができるが、既存の高圧水銀灯で20〜50℃程度の低温で行うことが好ましく、照射時間としては、10秒〜180秒、好ましくは30秒〜60秒である。後露光と後加熱との併用の場合、後露光を先に実施することが好ましい。
以上説明した、着色層形成工程、露光工程、及び現像工程(更に、必要により硬化工程)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなるカラーフィルタが作製される。
<撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備える。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の固体撮像素子向けのカラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
基板上に、固体撮像素子(CCD センサ、CMOSセンサ、有機CMOSセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダイオード及び前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光 部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上に、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを有する構成である。
更に、前記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(基板に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
なお、有機CMOSセンサは、光電変換層として薄膜のパンクロ感光性有機光電変換膜とCMOS信号読み出し基板を含んで構成され、光を捕捉しそれを電気信号に変換する役割を有機材料が担い、電気信号を外部に取り出す役割を無機材料が担う2層構成のハイブリッド構造であり、原理的には入射光に対して開口率を100%にすることができる。有機光電変換膜は構造フリーの連続膜でCMOS信号読みだし基板上に敷設できるので、高価な微細加工プロセスを必要とせず、 フィルタセグメント微細化に適している。
カラーフィルタセグメントの配置は特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ
表す。また、「PGMAc」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
<樹脂の重量平均分子量(Mw)>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
<樹脂の酸価>
樹脂溶液0.5〜1.0部に、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業社製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
<樹脂の数平均分子量(Mn)>
本発明の数平均分子量は、装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を
用い、カラムとしてTSK−GEL SUPER HZM−Nを2連でつなげて使用し、展開溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)である。
<アゾ顔料の同定方法>
本発明のアゾ顔料の同定に際しては、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置autoflexIII(以下、TOF−MSと称す)を用い、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致、さらに、パーキン・エルマー社製 2400 CHN Element Analyserを用い、得られる各元素の比率と、理論値との一致をもって同定した。
<アゾ顔料の平均一次粒子径>
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
まず、実施例、製造例及び比較例に用いたアクリル樹脂溶液、樹脂型分散剤溶液、着色剤、着色組成物、及び感光性着色組成物の製造方法について説明する。
<アクリル樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
(アクリル樹脂溶液2の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビス
イソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
<樹脂型分散剤溶液の製造方法>
(樹脂型分散剤溶液1の調製)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i−ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール10部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物20部、メトキシプロピルアセテート200.0部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し酸価77mgKOH/g、数平均分子量(Mn)8500のポリエステル分散剤を得た。ここに固形分測定で固形分40%となるようメトキシプロピルアセテートを添加して芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤溶液1を得た。
(樹脂型分散剤溶液2の調製)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i−ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール10部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。トリメリット酸無水物36部、メトキシプロピルアセテート200.0部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し酸価109mgKOH/g、数平均分子量(Mn)8500のポリエステル分散剤を得た。ここに固形分測定で固形分40%となるようメトキシプロピルアセテートを添加して芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤溶液2を得た。
(樹脂型分散剤溶液3の調製)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール6.5部、ピロメリット酸無水物4.0部、ジメチルベンジルア
ミン0.01部、メトキシプロピルアセテート41.8部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した後、系内の温度を70℃に冷却し、メチルメタクリレート67部、メタクリル酸5.0部、t−ブチルアクリレート16.0部、ヒドロキシメチルメタクリレート10.0部、エチルアクリレート2.0部を仕込み、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.10部とメトキシプロピルアセテート60.0部を添加して、10時間反応した。固形分測定により重合が95%進行したことを確認し反応を終了し酸価43mgKOH/g、数平均分子量(Mn)15000のポリエステル分散剤を得た。ここに固形分測定で固形分40%となるようメトキシプロピルアセテートを添加して芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤溶液3を得た。
(樹脂型分散剤溶液4の調製)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール6.5部、ピロメリット酸無水物4.0部、ジメチルベンジルアミン0.01部、メトキシプロピルアセテート41.8部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した後、系内の温度を70℃に冷却し、メチルメタクリレート67部、メタクリル酸5.0部、t−ブチルアクリレート16.0部、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート10.0部、エチルアクリレート2.0部を仕込み、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.10部とメトキシプロピルアセテート60.0部を添加して、10時間反応した。固形分測定により重合が95%進行したことを確認し反応を終了し酸価47mgKOH/g、数平均分子量(Mn)15000のポリエステル分散剤を得た。ここに固形分測定で固形分40%となるようメトキシプロピルアセテートを添加して芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤溶液4を得た。
<色素誘導体の製造方法>
本発明で使用した色素誘導体の製造方法と構造を示す。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
(色素誘導体1の製造)
特許5748665号の合成例3を参考にして、式5で表される色素誘導体1を製造した。
式5
(色素誘導体2の製造)
特許第4396778号の製造例21を参考にして、式6で表される色素誘導体2を製造した。
式6
(色素誘導体3の製造)
特許第4983061号の製造例6を参考にして、式7で表される色素誘導体3を製造した。
式7
(色素誘導体4の製造)
特許第5316690号の実施例1を参考にして、式8で表される色素誘導体4を製造した。
式8
(色素誘導体5の製造)
5−ニトロイソフタル酸16部およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)1.0部をトルエン110部に溶解させた。ここに塩化チオニル22.6部を25分かけて滴下し、110℃で1時間還流させ、5−ニトロイソフタル酸ジクロライドを合成した。トルエン90部に4−アミノ−N−(3−(ジエチルアミノ)プロピル)ベンズアミド38.0部を分散させ、これに上記5−ニトロイソフタル酸ジクロライドを室温下1時間かけて滴下した後、4時間還流を行い、反応を完結させた。10%炭酸ナトリウム水溶液で中和しながらトルエンを留去した後、3%NaOH水溶液でリスラリー、ろ過、乾燥を経て下記式9で表わされる化合物28.0部を得た。
式9
次いで、上記式9で表わされる化合物25.0部を100部のN−メチルピロリドンに溶解させ、これに水硫化ナトリウム水和物(水硫化ナトリウムを65%含有)32部を55部の水に溶かした水溶液を添加した後、6時間還流し、下記式10で表わされるベース化合物20.0部を得た。
式10
上記式10で表わされるベース化合物20.0部を水200部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液20.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム3.60部を水11.0部に加えて調整した水溶液を添加して2時間攪拌した。続いて
80%酢酸水溶液59.0部、25%水酸化ナトリウム水溶液65.0部、および水64.0部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[2−メトキシ−5−クロロフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド18.7部、25%水酸化ナトリウム水溶液53.5部をメタノール340部に溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記ジアゾニウム塩水溶液に、5℃にて30分間かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.4であった。1時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、90℃で24時間乾燥させ、式11で表される色素誘導体5を35.8部得た。
式11
(色素誘導体6の製造)
特許第1863188号の製造例3を参考にして、式12で表される色素誘導体6を製造した。
式12
<着色剤の製造方法>
(ベース化合物)
今回使用したベース化合物([B−1]〜[B−18])を、表1に記載した。表中のPhはフェニル基を表す。
(カップラー化合物[C−1]の製造)
3−ヒドロキシ−2-ナフトエ酸167部、テトラヒドロフラン1500部、N,N−ジ
メチルホルムアミド1部を混合した後、塩化チオニル221部を添加して、1時間、室温撹拌することでカルボン酸クロリド溶液を得た。別途、N−メチルピロリドン1000部
、2,6−ジアミノアントラキノン105部を混合した溶液を調製しておき、この溶液に対して、カルボン酸クロリド溶液を30分間かけて滴下していった。この時、反応溶液の温度を10℃以下に保持しながら、滴下を行った。滴下終了後、2時間、室温撹拌した後、析出した反応物をろ取し、目的物を得た。更に、メタノール1000部で洗浄し、減圧下で乾燥することで、カップラー化合物[C−1]249部(収率97.8%)を得た。
(カップラー化合物[C−2]の製造)
カップラー化合物[C−1]の製造で使用した2,6−ジアミノアントラキノン105部の代わりに、1,5−ジアミノアントラキノン105部を変更した以外は、カップラー化合物[C−1]の製造と同様の操作を行い、カップラー化合物[C−2]248部(収率97.5%)を得た。
(カップラー化合物[C−3]の製造)
カップラー化合物[C−1]の製造で使用した2,6−ジアミノアントラキノン105部の代わりに、1,4−ジアミノアントラキノン105部を変更した以外は、カップラー化合物[C−1]の製造と同様の操作を行い、カップラー化合物[C−3]245部(収率96.2%)を得た。
<アゾ顔料の製造>
[実施例1]
(アゾ顔料1の製造)
N−メチルピロリドン1500部にベース化合物[B−1]185部を加えた後、35
%塩酸294部を加え、−2〜0℃になるよう冷却した。この溶液に25%亜硝酸ナトリウム水溶液208部を加えた後、0〜5℃に保持しながら、30分間攪拌し、ジアゾニウム溶液を調製した。別途、カップラー化合物[C−1]216部と、25%水酸化ナトリウム溶液316部、メタノール1500部からなるカップラー溶液を調製した。調製したジアゾニウム溶液とカップラー溶液を、同時にpH5.4の酢酸バッファー溶液1000部に10分間で滴下した。滴下終了後、室温で30分間攪拌した後、さらに、80℃に保持しながら攪拌し、析出した反応物をろ取し、熱湯で洗浄後、乾燥してアゾ顔料1を386部得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料1であることを
同定した。
アゾ顔料1
[実施例2]
(アゾ顔料2の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−2]169部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料2を400部(収率:97.5%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料2であることを同定した。
アゾ顔料2
[実施例3]
(アゾ顔料3の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−3]210部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料3を420部(収率:96.5%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料3であることを同定した。
アゾ顔料3
[実施例4]
(アゾ顔料4の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−4]181部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料4を395部(収率:97.1%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料4であることを同定した。
アゾ顔料4
[実施例5]
(アゾ顔料5の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−5]222部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料5を433部(収率:96.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料5であることを同定した。
アゾ顔料5
[実施例6]
(アゾ顔料6の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−6]228部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料6を437部(収率:96.3%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料6であることを同定した。
アゾ顔料6
[実施例7]
(アゾ顔料7の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−7]124部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料7を338部(収率:96.5%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料7であることを同定した。
アゾ顔料7
[実施例8]
(アゾ顔料8の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−8]128部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料8を373部(収率:97.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料8であることを同定した。
アゾ顔料8
[実施例9]
(アゾ顔料9の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−9]156部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔
料9を403部(収率:97.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料9であることを同定した。
アゾ顔料9
[実施例10]
(アゾ顔料10の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−10]187部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料10を408部(収率:98.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料10であることを同定した。
アゾ顔料10
[実施例11]
(アゾ顔料11の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−11]190部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料11を402部(収率:96.6%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料11であることを同定した。
アゾ顔料11
[実施例12]
(アゾ顔料12の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−12]240部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料12を449部(収率:96.4%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料12であることを同定した。
アゾ顔料12
[実施例13]
(アゾ顔料13の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−13]207部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料13を424部(収率:97.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料13であることを同定した。
アゾ顔料13
[実施例14]
(アゾ顔料14の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−14]241部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料14を444部(収率:95.0%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料14であることを同定した。
アゾ顔料14
[実施例15]
(アゾ顔料15の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−15]215部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料15を422部(収率:95.8%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料15であることを同定した。
アゾ顔料15
[実施例16]
(アゾ顔料16の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−16]233部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料16を440部(収率:96.0%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料16であることを同定した。
[実施例17]
(アゾ顔料17の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−17]298部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料17を506部(収率:96.5%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素
分析の結果、アゾ顔料17であることを同定した。
アゾ顔料17
[実施例18]
(アゾ顔料18の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−18]415部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料18を619部(収率:96.5%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料18であることを同定した。
アゾ顔料18
[実施例19]
(アゾ顔料19の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したカップラー化合物[C−1]216部の代わりに、カップラー化合物[C−2]216部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料19を395部(収率:96.4%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料19であることを同定した。
アゾ顔料19
[実施例20]
(アゾ顔料20の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−2]169部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料20を390部(収率:98.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料20であることを同定した。
アゾ顔料20
[実施例21]
(アゾ顔料21の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−3]210部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料21を430部(収率:98.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料21であることを同定した。
アゾ顔料21
[実施例22]
(アゾ顔料22の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−4]181部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料22を396部(収率:97.4%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料22であることを同定した。
アゾ顔料22
[実施例23]
(アゾ顔料23の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−5]222部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料23を433部(収率:96.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料23であることを同定した。
アゾ顔料23
[実施例24]
(アゾ顔料24の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−6]228部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料24を434部(収率:95.8%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料24であることを同定した。
アゾ顔料24
[実施例25]
(アゾ顔料25の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−7]124部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料25を343部(収率:98.0%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料25であることを同定した。
アゾ顔料25
[実施例26]
(アゾ顔料26の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−8]128部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料26を336部(収率:95.2%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料26であることを同定した。
アゾ顔料26
[実施例27]
(アゾ顔料27の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−13]207部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料27を423部(収率:97.8%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料27であることを同定した。
アゾ顔料27
[実施例28]
(アゾ顔料28の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したカップラー化合物[C−1]216部の代わりに、カップラー化合物[C−3]216部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料28を352部(収率:97.6%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料28であることを同定した。
アゾ顔料28
[実施例29]
(アゾ顔料29の製造)
アゾ顔料28の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−3]210部を使用した以外は、アゾ顔料28の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料29を431部(収率:98.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料29であることを同定した。
アゾ顔料29
[実施例30]
(アゾ顔料30の製造)
アゾ顔料28の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−4]181部を使用した以外は、アゾ顔料28の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料30を393部(収率:96.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料30であることを同定した。
アゾ顔料30
[実施例31]
(アゾ顔料31の製造)
アゾ顔料28の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−7]124部を使用した以外は、アゾ顔料28の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料31を342部(収率:97.6%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料31であることを同定した。
アゾ顔料31
[実施例32]
(アゾ顔料32の製造) アゾ顔料4の微細化工程
アゾ顔料4を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部のアゾ顔料32を得た。
[実施例33]
(アゾ顔料33の製造) アゾ顔料22の微細化工程
アゾ顔料22を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部のアゾ顔料33を得た。
[実施例34〜39]
(アゾ顔料34〜39の製造)
アゾ顔料32の製造において、アゾ顔料4の代わりに、アゾ顔料4と色素誘導体を表4−2に示す種類と比率に変更した以外はアゾ顔料32と同様にして、アゾ顔料34〜39を得た。
[実施例40〜41]
(アゾ顔料40〜41の製造)
アゾ顔料33の製造において、アゾ顔料22の代わりに、アゾ顔料22と色素誘導体を表4−2に示す種類と比率に変更した以外はアゾ顔料33と同様にして、アゾ顔料40〜41を得た。
[製造例1]
(アゾ顔料101の製造)
特開2014−160160号公報を参考にして下記のアゾ顔料101を合成した。
アゾ顔料101

[製造例2〜13]
<その他の顔料の製造>
(赤色着色剤1(RCP−1)の製造: PR254)
市販のC.I.ピグメントレッド254(PR254)(BASF社製「イルガジンレッド D3656 HD」)100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色着色剤1(RCP−1)を得た。平均一次粒子径は33nmであった。
(赤色着色剤2(RCP−2)の製造: PR177)
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「イルガジンレッド D3656 HD」)を、C.I.ピグメントレッド177(PR177)(シニック社製「シニレックスレッド SR3C」)に変更した以外は、赤色着色剤1の製造と同様に行い、97部の赤色着色剤2(RCP−2)を得た。平均一次粒子径は37nmであった。
(赤色着色剤3(RCP−3)の製造: PR242)
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「イルガジンレッド D3656 HD」)を、C.I.ピグメントレッド242(PR242)(クラリアント社製「Sandorin Scarlet 4RF」)に変更した以外は、赤色着色剤1の製造と同様に行い、98部の赤色着色剤3(RCP−3)を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
(赤色着色剤4(RCP−4)の製造: PR269)
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「イルガジンレッド D3656 HD」)を、C.I.ピグメントレッド269(PR269)(山陽色素株式会社製「PermanentCarmine 3810」)に変更した以外は、赤色着色剤1の製造
と同様に行い、98部の赤色着色剤4(RCP−4)を得た。平均一次粒子径は35nmであった。
(赤色着色剤5(RCP−5)の製造: 臭素化ジケトピロロピロール顔料 式(4))
還流管を付けたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール200部、及びナトリウム−tert−アミルアルコキシド140部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。一方で、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル88部、4−ブロモベンゾニトリル153.6部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製
した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、及び酢酸304部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、及び水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩の添加する速度を調整しながら、およそ120分間にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩添加後、赤色の結晶が析出し、赤色の懸濁液が生成した。続いて、得られた赤色の懸濁液を5℃にて限外濾過装置で洗浄後、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌し、結晶転移を伴う粒子整粒及び洗浄を行った。続いて、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール系化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することにより式(4)で表わされる臭素化ジケトピロロピロール顔料150.8部を得た。
上記で得られた式(4)で表わされる臭素化ジケトピロロピロール顔料100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色着色剤5(RCP−5)を得た。平均一次粒子径は45nmであった。
式(4)
(黄色着色剤1(YCP−1)の製造: PY138)
キノフタロン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー138(BASF社製「パリオトールイエロー L0962−HD」)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、90部の黄色着色剤1(YCP−1)を得た。平均一次粒子径は63nmであった。
(黄色着色剤2(YCP−2)の製造: PY139)
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー139(BASF社製「パリオ
トールイエロー L1820」)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色着色剤2(YCP−2)を得た。平均一次粒子径は68nmであった。
(黄色着色剤3(YCP−3)の製造: PY150)
アゾ系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー150(クラリアント社製「ホスタパームイエロー HN4G」)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、90部の黄色着色剤3(YCP−3)を得た。平均一次粒子径は60nmであった。
(黄色着色剤4(YCP−4)の製造: PY185)
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー185(BASF社製「パリオゲンイエロー D1155)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコ
ール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、90部の黄色着色剤5(YCP−4)を得た。平均一次粒子径は66nmであった。
(黄色着色剤5(YCP−5)の製造: キノフタロン化合物(b))
安息香酸メチル200部に、8−アミノキナルジン40部、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物150部、安息香酸154部を加え、180℃に加熱し、4時間攪拌を行った。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン5440部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、及び乾燥を行い、116部のキノフタロン化合物(c)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(c)であることを同定した。
キノフタロン化合物(c)
さらに、キノフタロン化合物(c)を原料として、特開2008−81566号公報に記載の合成方法に従い、化合物(c−2)を得た。
化合物(c−2)
安息香酸メチル300部に、化合物(c−2)100部、テトラクロロ無水フタル酸1
08部、及び安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、4時間反応させた。TOF−MSにより、キノフタロン化合物(b)の生成、及び原料の化合物(c−2)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン3510部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、及び乾燥を行い、120部のキノフタロン化合物(b)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(b)であることを同定した。
キノフタロン化合物(b)
上記で得られたキノフタロン化合物(b)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色着色剤5(YCP−5)を得た。平均一次粒子径は62nmであった。
(黄色着色剤6(YCP−6)の製造: キノフタロン化合物(t))
98%硫酸1200部に、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物150部およびトリクロロイソシアヌル酸230部を加え、80℃4時間反応させた。反応液を撹拌した氷水9000部中に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、中間体(a−1)を220部得た。安息香酸メチル500部に、前記化合物(c−2)105部、中間体(a−1)150部、安息香酸100部を加え、180℃に加熱し、4時間攪拌を行った。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン5000部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、および乾燥を行い、183部のキノフタロン化合物(t)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(t)であることを同定した。
キノフタロン化合物(t)
上記で得られたキノフタロン化合物(t)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色着色剤6(YCP−6)を得た。平均一次粒子径は60nmであった。
(黄色着色剤7(YCP−7)の製造: キノフタロン化合物(aa))
前記中間体(a−1)の合成において、トリクロロイソシアヌル酸230部をN−ブロモスクシンイミド244部に変えた以外は同様な方法で合成し、中間体(a−2)を得た。
安息香酸メチル200部に、8−アミノキナルジン50部、前記中間体(a−1)115部、安息香酸140部を加え、120℃4時間攪拌した。次いで、反応混合物にさらに中間体(a−2)143部を加え、180℃に加熱し、水を留去しながら4時間撹拌を行った。室温まで冷却後、反応混合物をアセトン2000部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノールにて洗浄、乾燥を行い、167部のキノフタロン化合物(aa)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(aa)であることを同定した。
キノフタロン化合物(aa)
上記で得られたキノフタロン化合物(aa)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色着色剤7(YCP−7)を得た。平均一次粒子径は61nmであった。
(緑色着色剤1の製造: PG58)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン58(DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN A110)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の緑色着色剤1を得た。平均一次粒子径は69nmであった。
(青色着色剤1の作製: PB15:6)
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー15:6(トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び
ジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の青色着色剤1を得た。平均一次粒子径は74nmであった。
(紫色着色剤1の作製: PV23)
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメントバイオレット23(トーヨーカラー株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の紫色着色剤1を得た。平均一次粒子径は69nmであった。
以上、実施例1〜31で製造したアゾ顔料において、質量分析、元素分析の結果を表3、表4に示す。また、製造した顔料の平均一次粒子径の評価結果を表4に示す。
<着色組成物の製造方法>
[実施例101]
(着色組成物(RM−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−1)を作製した。
赤色着色剤(RP−1) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :60.8部
酸性樹脂型分散剤溶液(ビックケミー社製
「Disperbyk−110」(固形分52%)) : 8.0部
[実施例102〜141、比較例1]
(着色組成物(RM−2〜41、101)
以下、表5と表5−2に示す組成に変更した以外は着色組成物(RM−1)と同様にして、着色組成物(RM−2〜41、101)を調製した。
[実施例142]
(着色組成物(RM−42)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−42)を作製した。
赤色着色剤(RP−4) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :60.5部
酸性樹脂型分散剤溶液(ルーブリゾール社製
「SOLSPERSE−55000」(固形分50%)) : 8.3部
[実施例143]
(着色組成物(RM−43)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ
を用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−43)を作製した。
赤色着色剤(RP−4) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :58.4部
塩基性樹脂型分散剤溶液(ビックケミー社製
「Disperbyk−2000」(固形分40%)) :10.4部
[実施例144]
(着色組成物(RM−44)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−44)を作製した。
赤色着色剤(RP−4) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :48.0部
[実施例145]
(着色組成物(RM−45)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−45)を作製した。
赤色着色剤(RP−4) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :58.4部
酸性樹脂型分散剤溶液(樹脂型分散剤溶液1) :10.4部
[実施例146〜150]
(着色組成物(RM−46〜50)
以下、表5−3に示す組成に変更した以外は着色組成物(RM−45)と同様にして、着色組成物(RM−46〜50)を調製した。
[実施例151]
(着色組成物(RM−51)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−51)を作製した。
赤色着色剤(RP−4) :10.8部
色素誘導体2 : 1.2部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :60.8部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 8.0部
[実施例152〜154]
(着色組成物(RM−52〜54)
以下、表5−3に示す組成に変更した以外は着色組成物(RM−51)と同様にして、着色組成物(RM−52〜54)を調製した。
[実施例155]
(着色組成物(RM−55)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−55)を作製した。
赤色着色剤(RP−4) :10.8部
色素誘導体5 : 1.2部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :58.4部
酸性樹脂型分散剤溶液(樹脂型分散剤溶液1) :10.4部
[実施例156]
(着色組成物(RM−56)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−56)を作製した。
赤色着色剤(RP−22) :10.8部
色素誘導体5 : 1.2部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :60.8部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 8.0部
[比較例2]
(着色組成物(RCM−2): PR177)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RCM−2)を作製した。
赤色着色剤2(RCP−2)(PR177) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
[比較例3]
(着色組成物(RCM−4): PR269)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RCM−4)を作製した。
赤色着色剤4(RCP−4)(PR269) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
(着色組成物(RCM−1): PR254)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RCM−1)を作製した。
赤色着色剤1(RCP−1)(PR254) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
(着色組成物(RCM−3): PR242)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RCM−3)を作製した。
赤色着色剤3(RCP−3)(PR242) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
(着色組成物(RCM−5): 式(4))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RCM−5)を作製した。
赤色着色剤5(RCP−5)(式(4)) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
(着色組成物(YCM−1): PY138)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(YCM−1)を作製した。
黄色着色剤1(YCP−1)(PY138) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」 : 1.4部
(着色組成物(YCM−2): PY139)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着
色組成物(YCM−2)を作製した。
黄色着色剤2(YCP−2)(PY139) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
(着色組成物(YCM−3): PY150)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(YCM−3)を作製した。
黄色着色剤3(YCP−3)(PY150) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」 : 1.4部
(着色組成物(YCM−4): PY185)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(YCM−4)を作製した。
黄色着色剤4(YCP−4)(PY185) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
(着色組成物(YCM−5): キノフタロン化合物(b))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(YCM−5)を作製した。
黄色着色剤5(YCP−5)キノフタロン化合物(b)) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」 : 1.4部
(着色組成物(YCM−6): キノフタロン化合物(t))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(YCM−6)を作製した。
黄色着色剤6(YCP−6)キノフタロン化合物(t)) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」 : 1.4部
(着色組成物(YCM−7): キノフタロン化合物(aa))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(YCM−7)を作製した。
黄色着色剤7(YCP−7)キノフタロン化合物(aa)) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」 : 1.4部
(着色組成物の評価)
得られた着色組成物およびそれを用いて作製した塗膜の耐熱性、耐光性、異物評価および保存安定性を下記方法で行った。評価結果を表5に示す。
(耐熱性評価)
着色組成物を100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmになるように塗布し、次に70℃で20分間乾燥し、ついで230℃で1時間加熱、放冷することで塗膜基板(カラーフィルタの一態様)を作製した。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光
度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、
耐熱性試験として250℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の4段階で評価した。

ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)-a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)

◎:ΔEab*が1.0未満(極めて良好)
○:ΔEab*が1.0以上、2.5未満(良好)
△:ΔEab*が2.5以上、5.0未満(不良)
×:ΔEab*が5.0以上(極めて不良)
(耐光性評価)
耐熱性評価のときと同様の方法で塗膜基板を作製し、C光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を
用いて測定した。続いて、その基板上に紫外線カットフィルター(ホヤ社製「COLORED OPTICAL GLASS L38」)を貼り、470W/m2のキセノンランプを用いて紫外線を100時間照射した後、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、上記計算式により、色差ΔEab*を求め、耐熱性と同じ基準で評価した。
(塗膜異物評価)
着色組成物を100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmになるように塗布し、次に70℃で20分間乾燥し、次いで、230℃で1時間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。さらにその後、250℃で1時間加熱した基板の表面観察を行った。評価にはオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」を用いた。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な粒子の数をカウントした。下記の4段階で評価した。

◎:異物の数が5個未満(極めて良好)
○:異物の数が5個以上、10個未満(良好)
△:異物の数が10個以上、60個未満(不良)
×:異物の数が60個以上(極めて不良)
(保存安定性試験方法)
着色組成物の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製TUE−20L型)を用い回転数20rpmで測定した。着色組成物の作製当日の初期粘度と、40℃の恒温室にて7日間保存後に測定した粘度から、粘度変化率(%)(=(40℃7日間保存後の粘度−初期粘度)/初期粘度×100)を算出し、保存安定性を下記の基準にて評価した。

◎:粘度変化率が10%未満(極めて良好)
○:粘度変化率が10%以上、20%未満 (良好)
△:粘度変化率が20%以上、50%未満(不良)
×:粘度変化率が50%以上(極めて不良)
表5に示すように、本発明の着色剤を使用した着色組成物は、塗膜の耐熱性、耐光性、塗膜異物、および保存安定性において良好な結果であった。特に、アゾ顔料101を使用した着色組成物(比較例1)と比較した場合、顔料の高次的な立体障害によって分散がより安定するため、品質の向上が見られた。また、芳香族カルボン酸を有する樹脂型分散剤や色素誘導体を併用することによって、耐熱性や耐光性に優れ、塗膜異物および保存安定性が良好な結果が得られた。
<カラーフィルタ用感光性着色組成物の製造方法>
[実施例301]
(感光性着色組成物(RR−1))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過して、感光性着色組成物(RR−1)を得た。
着色組成物(RM−1) :23.0部
着色組成物(YCM−2) :27.0部
アクリル樹脂溶液2 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.5部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
シクロヘキサノン :39.0部
[実施例302〜365、比較例4〜13]
(感光性着色組成物(RR−2〜75))
表6に示すように、着色組成物の種類と比率を調整した以外は感光性着色組成物(RR−1)と同様にして感光性着色組成物(RR−2〜75)を得た。
<カラーフィルタ用感光性着色組成物の評価>
得られた感光性着色組成物の輝度、コントラスト比、膜厚を下記方法で行った。表6に評価結果を示す。また、移染性の評価を表7に示す。
(輝度の評価)
ガラス基板上に、得られた感光性着色組成物を塗布し、70℃で20分間乾燥後、さらに230℃で60分間加熱して得られた基板の色度が、C光源においてx=0.683、y=0.313になるような塗布基板を得た。得られた基板の輝度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。

◎:13.5以上(非常に良好)
○:13.0以上、13.5未満(良好)
△:12.5以上、13.0未満(実施可能)
×:12.5未満 (不良)
(コントラスト比評価)
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の塗膜を通過し、もう一方の偏光板に到達する。この際、偏光板と偏光板の偏光面が平行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直交している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の塗膜を通過する際に、着色剤粒子によって散乱等が起こり、偏光面の一部にずれが生じると、偏光板が平行のときは透過する光量が減り、偏光板が直交のときは一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行の際の輝度と、直交の際の輝度との比を、コントラスト比として算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直交のときの輝度)
従って、塗膜中の着色剤により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直交のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。測定に際しては、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色マスクを介して測定した。輝度評価をしたものと同じ塗膜を用いた。

◎:8000以上(非常に良好)
○:7000以上〜8000未満(良好)
△:6000以上〜7000未満(実施可能)
×:6000未満(不良)
(膜厚の評価)
輝度を測定した基板を用いて膜厚を測定した。膜厚の測定には表面形状測定器DEKTAK150(アルバックイーエス社製)を用いた。

◎:膜厚2.0μm未満
○:膜厚2.0μm以上、2.5μm未満
△:膜厚2.5μm以上、3.0μm未満
×:膜厚3.0μm以上
(移染性の評価)
カラーフィルタ用感光性着色組成物を、ガラス基板上に、スリットダイコーターを用いて塗布したのち、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.4μmの塗膜を形成した。次いで、塗膜が形成された基板を室温に冷却した後、高圧水銀ランプを用い、ストライプ状フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を1,000J/m2の露光量で露光した。アルカリ現像を行
った後、超純水で洗浄し、更に230℃で20分間ポストベークを行うことにより、基板上に赤色のストライプ状画素を形成した。続いて赤色のストライプ状画素から8μmだけ離れたガラス基板上の520nmの透過率を測定した(T1)。さらにアクリル樹脂溶液2を、この基板上に、スリットダイコーターを用いて塗布したのち、90℃のホットプレ
ートで2分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。更に230℃で20分間ポストベークを行った。続いて赤色のストライプ状画素から8μmだけ離れたガラス基板上の520nmの透過率を測定した(T2)。T1とT2の差分をΔT(%)として下記の4段階で評価した。ΔT値が小さい程、隣接した他色フィルタセグメントへの色移りによる輝度の低下が少なく、移染性が抑制されていると言える。

◎:ΔTが0.5%未満(極めて良好)
○:ΔTが0.5%以上、1.0%未満 (良好)
△:ΔTが1.0%以上、3.0%未満(不良)
×:ΔTが3.0%以上(極めて不良)
表6の結果より、本発明の着色剤を使用した実施例は、輝度が優れており、薄膜になることが明らとなった。特に青味の顔料として従来使用されているC.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド269またはアゾ顔料101の代わりに使用することで、顕著な効果が確認された。
さらに、表7に示すように、本発明の着色剤を使用した着色組成物は移染性が良好であることが確認できた。
<カラーフィルタ用緑色および青色感光性着色組成物の製造方法>
(緑色感光性着色組成物1: PG58/PY138)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発分が20質量%の緑色顔料分散体を作製した。
緑色着色剤1(C.I.ピグメントグリーン58) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発分が20質量%の黄色顔料分散体を作製した。
黄色着色剤1(C.I.ピグメントイエロー138) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」 : 1.4部
続いて、下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、孔径1μmのフィルタで濾過して、緑色感光性着色組成物1を作製した。
緑色顔料分散体 :32.0部
黄色顔料分散体 :18.0部
アクリル樹脂溶液2 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.5部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
シクロヘキサノン :39.0部
(青色感光性着色組成物1: PB15:6/PV23)
緑色着色剤1(C.I.ピグメントグリーン58)を青色着色剤1(C.I.ピグメントブルー15:6)に変えた以外は、緑色顔料分散体と同様にして、不揮発分が20質量%の青色顔料分散体を得た。
緑色着色剤1(C.I.ピグメントグリーン58)を紫色着色剤1(C.I.ピグメントバイオレット23)に変えた以外は、緑色顔料分散体と同様にして、不揮発分が20質量%の紫色顔料分散体を得た。
続いて、緑色顔料分散体32.0部、黄色顔料分散体18.0部の合計50.0部を青色分散体46.0部、紫色分散体4.0部の合計50.0部に置き換えた以外は緑色感光性着色組成物1と同様にして青色感光性着色組成物1を得た。
<カラーフィルタの作製及び評価>
赤色感光性着色組成物(RR−4)を、ブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、スリットダイコーターを用いて塗布したのち、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、塗膜を形成した。次いで、塗膜が形成された基板を室温に冷却した後、高圧水銀ランプを用い、ストライプ状フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を1,000J/m2の露光量で露光した。
アルカリ現像を行った後、超純水で洗浄し、更に230℃で20分間ポストベークを行うことにより、基板上に赤色のストライプ状画素を形成した。
次いで、同様の方法により、緑色感光性着色組成物1を用いて、赤色のストライプ状画素の隣に緑色のストライプ状画素を形成した。更に、青色感光性着色組成物1を用いて同様に、赤色、緑色画素と隣接した青色のストライプ状画素を形成した。
次いで、赤色、緑色、青色の3色からなる画素上に、光硬化性樹脂組成物を用いて保護膜を形成した。このようにして、輝度が高く、諸耐性に優れた、RGB3色カラーフィルタを作成することができた。
10 液晶表示装置
11 透明基板
12 TFTアレイ
13 透明電極層
14 配向層
15 偏光板
21 透明基板
22 カラーフィルタ
23 透明電極層
24 配向層
25 偏光板
30 バックライトユニット
31 白色LED光源
LC 液晶

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物からなることを特徴とするアゾ顔料。

    一般式(1)

    [一般式(1)中、R1は、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を
    有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。R2およ
    びR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
    てもよいフェニル基を表す。]
  2. 下記一般式(2)で表される化合物からなることを特徴とする請求項1記載のアゾ顔料。

    一般式(2)

    [一般式(2)中、R4は、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を
    有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。R5およ
    びR6は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
    てもよいフェニル基を表す。]
  3. 請求項1または2記載のアゾ顔料を含むカラーフィルタ用着色剤。
  4. 少なくとも着色剤とバインダー樹脂とからなるカラーフィルタ用着色組成物であって、着色剤が、請求項3記載のカラーフィルタ用着色剤を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
  5. さらに、酸性置換基を有する樹脂型分散剤を含むことを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. 酸性置換基を有する樹脂型分散剤が、芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤であることを特徴とする請求項5に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. さらに、色素誘導体を含み、該色素誘導体が、塩基性置換基を有する色素誘導体を含有することを特徴とする請求項4〜6いずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  8. 着色剤が、さらに、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー150、下記一般式(3)で表される黄色顔料および臭素化ジケトピロロピロール顔料からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項4〜7いずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。

    一般式(3)

    [一般式(3)中、Z1〜Z13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を
    有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基、−SO3H、−COOH、およびこれら酸性基の1価〜3価の金属塩、アル
    キルアンモニウム塩、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を示す。
    1〜Z4、および/または、Z10〜Z13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成してもよい。]
  9. さらに、光重合性単量体を含むことを特徴とする請求項4〜8いずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  10. 基板上に、請求項4〜9のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
  11. 請求項10に記載のカラーフィルタを備える、液晶表示装置。
  12. 請求項10に記載のカラーフィルタを備える、固体撮像素子。
  13. 請求項10に記載のカラーフィルタを備える、有機EL表示装置。
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